まず、以下の背景となる技術は、本発明の理解を助けるためのものであり、このような背景となる技術において言及された内容が先行技術として断定される必要はない。
一般に、角膜(cornea)は、眼球の最も外側の表面に位置し、目で一番先に光が通過する部分として透明であり、光を屈折させて網膜上にイメージを作る目の前方組織であって、網膜は、その上に形成されたイメージから光を感知し、イメージからの信号を脳に伝達する目の後方組職である。
角膜の表面は、涙により湿潤状態が維持され、涙は、光を一定に通過させて屈折させる役目をする。それによって、正常ヒトの場合、1.0以上の矯正視力を維持することができる。
角膜表面は、皮膚と同様に上皮になっているため少しは荒いが細胞が均一に配列されており、5〜6個の層からなっている。表層から角膜上皮、ボーマン膜、角膜実質、角膜内皮の順になっている。
角膜上皮(epithelium)は、5〜6層で形成され、結膜の上皮と連結されており、基底細胞層からはますます偏平になりつつ表層に押され、7日後には脱落する。損傷時に再生がはやい特徴を有する。
ボーマン膜(Bowman's membrane)は、細胞のない無色透明なコラーゲン纎維で構成された膜として、角膜実質の変形された一部で見なされる。一旦破壊されると再生されず瘢痕で残る。
角膜実質(stroma)は、角膜厚さの約90%を占める結締組織として、約200層のタイプIコラーゲン纎維で構成されており、そのサイズと走行方向が一定して透明である。
デスメ膜(Descemet's membrane)は、内皮の基底膜と推定される膜として、3〜4層の細胞で形成されている。
角膜内皮(endothelium)は、単層の偏平な6角形の細胞で形成されており、角膜の脱水状態を維持するにおいて重要な作用をする。上皮とは異なり損傷されると再生しない。
一方、眼球の不完全な視力を矯正する方法として、眼球の角膜厚さを変更して不完全な視力を矯正する視力矯正手術があり、代表的に行われる視力矯正手術としては、レーシック(LASIK)、ラセック(LASEK)、スマイル(SMILE)がある。
まず、レーシック(laser in−situ keratomileusis)手術は、角膜切片を作った後、角膜実質にレーザーを照射して角膜を切除することで視力を矯正する手術である。既存の方式であるレーザー屈折矯正角膜切除術(PRK、photorefractive keratectomy、一般にエキシマレーザー手術と呼ぶ)は、手術後に強い痛症及び切除部位の混濁を誘発し、視力回復期間が6ヶ月程度に長い短所がある一方、レーシック手術は、このような短所を補完するために微細角膜切開刀またはレーザーを用いて上皮及びボーマン膜を含む角膜の前部分を分離してフラップを作って折り返した後、手術前検事を通じて決定した目標ほど角膜実質にレーザーを照射して角膜を切除した後、角膜切片を再び覆うことで、痛症及び角膜混濁を減らし、視力回復期間を短縮させることができる視力矯正手術である。
また、ラセック(laser assisted sub−epithelial keratomileusis)手術は、希釈されたアルコールを使用して角膜上皮のフラップを作るか角膜上皮のみを剥離する角膜上皮切開刀で上皮フラップを作った後、角膜実質にレーザーを照射して角膜を切除して視力を矯正する手術である。エキシマレーザーを用いた屈折矯正角膜切除術の短所を補完するために開発されたレーシック手術は、痛症及び角膜混濁を減らし、視力回復期間を短縮させる長所があったが、角膜切片と関連して手術過程及び手術後にも視力に深刻な障害を誘発する合併症が発生でき、角膜切除後に残った基質の厚さが不足である場合、角膜拡張症が発生して深刻な視力障害を誘発する問題点が提起されて、角膜表層基質を切除する手術が再注目され始めた。この過程で、1999年イタリアの眼科医者のアッシモキャメリン(Massimo Camellin)により開発された。
ラセック手術は、レーシック手術に比べて角膜切片に起因する合併症、すなわち、角膜片のしわ、上皮迷入、不規則切片などがなく、物理的衝撃に強いという長所がある。また、手術後、レーシック手術に比べてドライアイが少なく、回復がはやいと知られている。
最後に、スマイル(SMall Incision Lenticule Extraction)手術は、レーザーを照射して角膜表面の内側の角膜実質の一部を切除して屈折異常を矯正する手術として、レーシックとラセックとは異なり角膜フラップを作らず、精巧なVisuMax(ビジュマックス)フェムトセカンドレーザーを用いて角膜内部に矯正が必要な実質部位を角膜の矯正量ほどレンズ状に正確に切開した後、角膜に形成される切開部を通じて切除された角膜実質片を除去する。したがって、周辺組職の損傷が少なくて正確性に優れ、且つ近眼退行や充血、ドライアイのような副作用の危険を画期的に減らすことができる長所を有する。
このような形態の手術は、多様なレーザーの種類や製造会社による名称変更に関係なく同じ類型の手術方法と見なす。
スマイル手術の過程を簡略に説明すると、フェムトセカンドレーザーから照射されるレーザービームが角膜の表面を透過して内側の角膜実質に照射されると、角膜実質から矯正量サイズのレンズ状で角膜実質片であるレンチキュールが切除され、以後、レーザービームを用いて角膜に切開部を形成した後、その切開部を通じて切除されたレンチキュールを除去する手術である。
ここで、切開部は、角膜の表面に形成される切開入口と、その切開入口からレンチキュールに向いて延長形成される切開からなり、レンチキュールは、このような切開トンネルと切開入口を通じて角膜の外部に排出し除去される。
一方、レーザービームを通じて角膜実質からレンチキュールを切除するにおいて、レーザービームは、円形のスポット形状を有することによってスポットとスポットとの間の切除されない領域であるティッシュブリッジ(Tissue Bridge)が形成される。
したがって、レーザービームにより角膜実質からレンチキュールが立体形状で切除されてもレンチキュールの上側分離面であるフラップ面とレンチキュールの下側分離面であるレンチキュール面は、角膜実質から完全に分離されずティッシュブリッジの領域がそのまま付いている状態になって、長い針とのような分離道具を切開入口と切開トンネルを経てフラップ面とレンチキュール面を全体的に通過するようにして角膜実質からレンチキュールを完全に分離した後、ピンセットのような取る道具を切開入口と切開トンネルに入れて分離されたレンチキュールを取った後切開入口の外部に抜き出して除去するようになる。
しかし、従来の場合、切開入口と共に切開トンネルの横方向の長さは、略2mm〜4mmで切開され、分離道具を切開入口と切開トンネルを用いて角膜の中心側へ挿入した後、レンチキュール面とフラップ面に沿って両方向回転させながらティッシュブリッジにより連結されている角膜実質とレンチキュールを互いに分離する過程で、切開入口はもちろん切開トンネルの左右両側面が分離道具と接触しながら外力を受けるようになる。
この時、切開入口とともに切開トンネルの横方向の長さを略2mmに形成する場合、このような切開入口と切開トンネル内部の長手方向の両側面が分離道具の動きによる外力によって容易に破れることによって、既存には、切開入口と切開トンネル内部の長手方向の両側面が容易に破れないように切開入口と共に切開トンネルの横方向の長さを略3.5mm以上に形成した後に施術している。
また、屈折異常が多いほど角膜実質から切除されるレンチキュールの厚さがより厚くなるによって、切開部の横方向の長さを2mm以下で作った後、分離道具を動きながら角膜実質からレンチキュール分離しても、切開トンネルと切開入口を通じて引き出されるレンチキュールのサイズにより切開入口と切開トンネル内部の長手方向の両側面は仕方なく再破裂される。
しかし、切開入口と切開トンネルの横方向の長さは、短く形成することにより感染の危険から保護することができ、治療時間の短縮及び組職の安定化に好ましいため、切開入口と切開トンネルの横方向の長さを略2mm以下のサイズで作りつつ切開入口と切開トンネル内部の長手方向の両側面が容易に破れる現象を防止することができる方法が切実に要求されているのが実情である。
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。
以下の内容は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者が本発明の内容を容易に実施可能である程度に詳細に説明するためのもので、これにより本発明の技術的な思想及び範疇が限定されることを意味するものではない。
また、図示された構成要素のサイズや形状などは、説明の明瞭性と便宜上誇張して図示されることがあり、本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は、使用者、運用者の意図または慣例によって変わることがあり、このような用語に対する定義は、本明細書の全般的な内容を土台で定義すべきである。
まず、本発明による視力矯正手術によって角膜実質の内部で切除されたレンチキュールを除去するために角膜に形成される切開部の構成は、大きく角膜表面に形成される切開入口と、その切開入口からレンチキュールが位置した角膜実質の内部に延長形成されて先端部がフラップ面と連結される切開トンネルと、に区分され、以下、例示された図面を通じて具体的に説明する。
本発明に係る切開部の説明の前に説明すると、フェムトセカンドレーザーは、パルス型レーザービームが角膜組職に照射されると、角膜組職が気体プラズマに変わりながら極度に微細な気泡が作られ、それの連続的な過程を通じて角膜組職を正確に希望する分ほど切除することがその原理である。このようなフェムトセカンドレーザーを用いてレーザービームが角膜表面を透過して矯正量ほどの角膜実質片であるレンチキュールを切除して分離することで、遠眼、乱視、近眼、老眼または混合乱視などの不完全な視力を矯正する手術をスマイル(SMall Incision Lenticule Extraction)手術と言う。
また、類似である効果を奏する他のレーザーや同じレーザーを他の会社で用いるか、名称が異なっても同じ類型の手術と見なす。
前述したレーザービームは、それぞれのスポットが角膜実質内に光学貫通部を生成することができ、このような貫通は、プラズマバブルを作るようになり、その結果、角膜実質から角膜実質片であるレンチキュールを分離させる。
レンチキュールを切除するためにレーザービームの焦点は、上皮組職及びボーマン膜の下部、そしてデスメ膜及び内皮組職の上部に位置する領域から角膜内の標的点に向いて案内される。それのために、フェムトセカンドレーザーは、角膜内でレーザービームの焦点位置を変えるための器具を有し、このような器具に対する具体的な説明は省略する。
図1a、図1bと、図2a、図2bと、図3及び図4に示したように、レーザービームは、焦点位置を変位させながら角膜100の中心にまたは中心から外側に向いて螺旋状で角膜実質150内に照射されて上側の角膜実質150から分離できる上側分離面であるフラップ面110と、前記フラップ面110と同一の中心点を有しながら下側の角膜実質150から分離できる下側分離面であるレンチキュール面120と、が上下に離隔形成される。この時、フラップ面110は、レンチキュール面120より大きく形成され、レンチキュール面120の外周がフラップ面110の外周から中心に向くいずれか一地点で交差しながら角膜実質150からレンズ状を有する立体形態のレンチキュール130が切除される。
ここで、レンチキュール面120の外周は、フラップ面110の外周から中心に向くいずれか一地点と交差せず離隔された状態に形成してもよく、この時、レンチキュール面120の外周とフラップ面110の外周から中心に向くいずれか一地点は、焦点の位置を変化させたレーザービームの照射による別途の切開面(図示せず)を通じて連結されて角膜実質150からレンズ状ではない他の立体形態のレンチキュールを切除してもよい。
このように、角膜実質150の内部でレンチキュール130が切除されると、切除されたレンチキュール130は、角膜100の外部に引き出されて除去される。
この時、レンチキュール130を角膜の外部に引き出すためにレンチキュール130を角膜実質150から完全に分離させる分離道具200や完全に分離されたレンチキュール130を角膜100の外部に引き出す取る道具が出入できるように、切開入口141と切開トンネル142からなる切開部140が角膜100に形成される。
切開部140を構成する切開入口141と切開トンネル142に対して図1a、図1b、図2a、図2b、図3、図4を通じて説明する。
まず、切開入口141は、フェムトセカンドレーザーを用いたレーザービームを角膜100の表面に湾曲して横方向に照射して形成され、通常、横方向の長さは、略2mm〜4mmの長さで構成され、縦方向の幅は、略0.11mm前後の長さで構成される。
ここで、切開入口141の横方向の長さは、後述する補強部111が備えられると、略0.5mm〜2mm以下で構成してもよい。
切開入口141の位置は、一例で、角膜実質150の内部に形成されるフラップ面110の外周から上側に向く垂直線上と接する角膜100の表面に形成されてもよい。
切開入口141の位置は、他の例で、角膜実質150の内部に形成されるフラップ面110の外周から上側に向いて鋭角線上または鈍角線上と接する角膜100の表面に形成されてもよい。
切開入口141は、フラップ面110の中心を基準として上下左右はもちろん放射状で多様な位置に形成することができ、手術者の手術方向や眼球固定装置の位置によってその位置は可変できる。
切開入口141は、フラップ面110の中心を基準として上下左右はもちろん放射状で多様な位置に複数個で形成されてもよい。
切開トンネル142は、前述した切開入口141から角膜実質150の内部のレンチキュール130に向いて延長形成される通路として、前述した切開入口141と前記切開トンネル142を通じて分離道具200又は取る道具が挿入してレンチキュール130を角膜実質150から完全に分離させ、分離されたレンチキュール130は、取る道具を用いて切開トンネル142と切開入口141を通じて外部に引き出して除去する。
切開トンネル142は、前述した切開入口141をレーザービームを照射して角膜100の表面に形成する過程で、所定の深さを有しつつレンチキュール130が位置した角膜実質150の内部までレーザービームを照射して形成され、好ましくは、角膜実質150の内部に向く切開トンネル142の先端部143は、フラップ面110と連結される。
切開トンネル142は、切開入口142が形成された後、切開入口142を通じてレンチキュール130が位置する角膜実質150に挿入される切開道具により作ることで切開トンネル142の先端部143がフラップ面110と連結されてもよい。
切開トンネル142は、前述した切開入口141の横方向の長さと相応する長さを有し、縦方向の幅も前述した切開入口141の縦方向の幅と相応する長さを有する。
切開トンネル142の先端部143とフラップ面110の連結において、切開トンネル142の先端部143は、図1bに示したように、フラップ面110の外周に連結してもよく、必要に応じて、先端部143は、図2bに示したように、フラップ面110の外周から中心に向く内側のいずれか一地点に連結してもよい。
したがって、切開トンネル142は、その先端部143の位置と前記切開入口141の位置によって多様に変形できる。
すなわち、切開トンネル142の先端部143は、フラップ面110の外周に連結し、切開入口141は、フラップ面110の外周から垂直線上と接する角膜100の表面に形成することで切開部140を作ることができる。
また、切開トンネル142の先端部143は、フラップ面110の外周に連結し、切開入口141は、フラップ面110の外周で鋭角または鈍角線上と接する角膜100の表面に形成することで切開部140を作ってもよい。
また、切開トンネル142の先端部143は、フラップ面110の外周から中心部に向く内側のいずれか一つの部位に連結し、切開入口141は、フラップ面110の外周から垂直線上と接する角膜100の表面に形成することで切開部140を作ってもいい。
また、切開トンネルの先端部143は、フラップ面110の外周から中心部に向く内側のいずれか一つの部位に連結し、切開入口141は、フラップ面110の外周で鋭角線上または鈍角線上と接する角膜100の表面に形成することで切開部140を作ってもよい。
一方、フラップ面110は、前述したように、角膜100の中心から始まるレーザービームのスポットが稠密な螺旋を描きながら外側に連続形成されることによって、連続された複数のスポットからなる稠密な螺旋は切開ラインになり、このような切開ラインによって角膜実質150からフラップ面110を切開することができる。
したがって、切開トンネル142の先端部143がフラップ面110の外周に連結されることは、先端部143がフラップ面110の外周を形成している最後の切開ライン部位に位置して互いに連結されることを意味し、切開トンネル142の先端部143がフラップ面110の外周から中心に向く内側のいずれか一地点に連結されることは、先端部143がフラップ面110の外周から中心に向く内側に位置したいずれか一つの切開ライン部位に位置して互いに連結されることを意味する。
ここで、角膜実質150とレンチキュール130の上部分離面になるフラップ面110及び角膜実質150とレンチキュール130の下部分離面になるレンチキュール面120は、スポット形状のレーザービームのスポットが稠密な螺旋を描きながら照射されて角膜実質150から立体形態のレンチキュール130が切開されるが、レーザービームのスポットとスポットとの間の領域であるティッシュブリッジにより角膜実質150からレンチキュール130は完全に分離されない状態になる。
したがって、図5a及び図5bに示したように、前述した切開入口141と切開トンネル142を通じて針のような分離道具200を挿入した後、分離道具200がレンチキュール面120を全体的に通過し、フラップ面110も全体的に通過するようにして、通過する分離道具200により前述したティッシュブリッジを切断することで、角膜実質150からレンチキュール130を完全に分離させることができ、以後、分離道具200を抜き出して、切開入口141と切開トンネル142を通じてピンセットのような取る道具を挿入した後、角膜実質150から完全分離されたレンチキュール130を切開トンネル142と切開入口141を通じて外部に引き出して除去する。
この時、切開入口141と切開トンネル142に挿入された分離道具200がレンチキュール面120とフラップ面110に沿って左右移動しながらティッシュブリッジを切断する過程で、分離道具200の動きによる外力が切開入口141及び切開トンネル142の長手方向の内側面に加えられる。
このように分離道具200の動きによって切開入口141と切開トンネル142の内部の長手方向の両側面に外力が加えられると、切開トンネル142の場合、先端部143がレーザービームにより螺旋状の連続されたスポットからなる切開ライン部位に位置するようになって、切開トンネル142の内部の長手方向の両側面に加えられる外力に対して構造的に抵抗することが不可能になることで、分離道具200が切開トンネル142の内部の内側面を通過して切開ラインに沿って容易に移動されて、結局、切開トンネル142の内部の長手方向の両側面が破れる。これは切開入口141の内部の長手方向の両側面にも影響を与えて、結局、切開入口141も一緒に破れる結果をもたらす。
このような切開入口141と切開トンネル142が破れると、外部感染に容易に露出され、治療時間が長くなり、組職の安定化を妨害する原因になる。
本発明は、このような切開入口141と切開トンネル142の内部の長手方向の両側面が分離道具200により容易に破れることを防止するために、切開トンネル142の先端部143の両側に位置する切開ライン部位に切開されない状態を有する補強部111を備えたことが重要な特徴である。
このような補強部111を形成するためには、レーザービームによる稠密な螺旋状の切開ラインでフラップ面110を作る時、切開トンネル142の先端部143と連結される切開ラインの線上で切開トンネル142の先端部143と対向する両側にレーザービームが照射されない所定形状の非照射領域部を形成した。
したがって、切開入口141と切開トンネル142を通じて挿入される分離道具200が左右に回転する時、切開トンネル142の内部の長手方向の両側面に分離道具200による外力が加えられても補強部111がその外力に充分に抵抗するようになって切開トンネル142の内部の長手方向の両側面が容易に破れることを防止することができる。
このような補強部111は、フラップ面110を形成するためにレーザービームがスポット形態で稠密な螺旋を描きながら照射される時、作ろうとする補強部111の形状と相応する領域では、レーザービームが照射されないようにフェムトセカンドレーザーのレーザービームの照射及び非照射と係わるプログラムを変形させて構成することができ、このようなプログラムの多様な応用を通じて補強部111の形状を多様に変形させることができる。
または、レーザービームにより作られる切開トンネル142の先端部の両側に位置する切開ラインの線上に、レーザービームが角膜実質に照射されないように補強部111形状を有するレーザービーム遮断部材を位置させる方法を使用してもい。
このような補強部111による切開トンネル142の内部の長手方向の両側面の破れ防止は、結局、切開入口141の内部の長手方向の両側面の破れを一緒に防止することができる。これによって、切開入口141と切開トンネル142の横方向の長さを略0.5mm〜2mm未満で最小化して切開することができる。
一方、補強部111は、切開トンネル142の先端部143が位置するようになるフラップ面110の切開ラインの線上から先端部143の対向された両側の外側にそれぞれ形成されるものである。図1aのように、切開トンネル142の先端部143がフラップ面110で外周に位置する最後の切開ラインの線上に位置する場合には、切開トンネル142の先端部143を中心として対向された両側に対称をなして補強部111が形成される。この時、補強部111の形状は、略半円形又は半楕円形に形成してもよく、不規則な非円形に形成してもよく、半円錐形、半水玉形など多様に変形実施してもよい。
好ましくは、図3に示したように、先端部143に近接する補強部111の一部分が先端部143に向いて突出される突出部112を形成する。突出部112は、切開トンネル142の通路に干渉しないように構成することができる。
また、切開トンネル142の先端部143がフラップ面110で外周より内側に位置する切開ラインの線上に位置する場合にも、補強部111の形状は、略円形または楕円形に形成することができ、不規則な非円形の形態はもちろん円錐形、水玉形など多様に変形実施することができる。また、好ましくは、図4に示したように、先端部143に近接する補強部111の一部分が先端部143に向いて突出される突出部112を形成する。突出部112は、切開トンネル142の通路に干渉しないように構成することができる。
このように補強部111が備われる切開部140を用いたスマイル手術の重要過程を簡略に説明すると、次の通りである。
まず、部分痲酔された被施術者をフェムトセカンドレーザーが設置されたベッドに寝かせた後、瞳孔中心線と視軸の誤差を考慮して3重セントレーションをする。
ここで、セントレーションは、角膜の中心に合わせて手術を進行する技法として、手術の正確度を高め、光のにじみや眩しさ、複視の視力低下を防止することができる。
3重セントレーションは、瞳孔中心線と視軸の誤差を考慮して手術用マーキングペンでセントレーションを決める段階と、マーキングした部分とフェムトセカンドレーザーの中心を合わせる段階、及びマーキングした部分の中心に合わせてフェムトセカンドレーザーのレーザービームを照射する段階を含むことができる。
3重セントレーションが完了した後には、被施術者の角膜矯正量によってプログラム化されているフェムトセカンドレーザーからレーザービームが角膜100に照射され、外側から角膜100の中心に向いて螺旋を描きながら複数のスポットが連続的に形成されて角膜実質150から分離されるレンチキュール面120が先に形成される。
以後、図1bと図2bに示したように、フェムトセカンドレーザーのレーザービームは、焦点位置の変位を有するようになり、前述したレンチキュール面120の上側で焦点が形成され、角膜100の中心から外側に向いて螺旋を描きながら複数のスポットが連続的に形成されて角膜実質150から分離されるフラップ面110が形成される。この時、フラップ面110のサイズは、図1aと図1bに示したように、レンチキュール面120より大きく形成され、レンチキュール面120の外周は、フラップ面110の外周より内側で交差しながら、図1bと図2bに示したように、角膜実質150から上下のフラップ面110とレンチキュール面120を有する立体形態のレンチキュール130が切除される。
ここで、レーザービームの照射によるフラップ面110を形成する過程で、補強部111が作られる部位、例えば、図3に示したように、切開部140の切開トンネル142がフラップ面110の外周に位置した切開ラインの線上に連結される場合、フラップ面110の外周に位置する切開ラインを形成するとき、切開トンネル142の先端部143の位置と作ろうとする補強部111の形状を考慮して、切開ラインの線上で先端部143の対向された外面と相応する部位にレーザービームが照射されない非照射領域である補強部111をそれぞれ形成する。
また、このようなレンチキュール130を角膜実質150から完全に分離させた後、角膜100の外部に引き出すために、フラップ面110の外周と近接する角膜100の表面には、湾曲された横方向の長さを有する切開入口141と、前記切開入口141と同一の横方向の長さを有しつつ補強部111の間のフラップ面110の切開ラインと連通する切開トンネル142が形成される。
このようにフラップ面110に補強部111が形成されると、切開入口141と切開トンネル142は略2mmで作られても、分離道具200の回転及び移動時に分離道具200が補強部111の突出部112に触れるようになって切開トンネル142及び切開入口142の破れが防止される。この時、切開入口141及び切開トンネル142の間隔は、略2mmに限定される必要はなく、分離道具200が入ることができる最小の長さで作ってもよく、略0.5mm〜2mmの間で構成することができる。
このように補強部111と切開トンネル142と切開入口141が作られた後には、切開入口141と切開トンネル142を通じて分離道具200を入れた後、ティッシュブリッジにより完全に分離しないレンチキュール面120とフラップ面110を角膜実質150から完全に分離させる。その方法は、図5aと図5bに示したように、分離道具200を切開入口141と切開トンネル142を通じてフラップ面110の外周を形成している切開ラインに入れて、先にレンチキュール面120に沿って全体的に両方向回転させながらレンチキュール面120を角膜実質150から完全に分離させる。
この時、眼球固定装置なしに手術することで、出血、充血、痛症を最小化させることが好ましい。
そして、レンチキュール面120の分離作業を完了した後には、分離道具200を切開入口141から完全に抜き出した後再び切開入口141に挿入してフラップ面110の分離作業を行うこともできるが、分離道具200を切開入口141の外部に完全に抜き取らず切開トンネル142内から微細に持ち上げるスキルを通じてフラップ面110側にすぐ移動させた後、分離道具200をフラップ面110に沿って全体的に両方向回転させながらフラップ面110を角膜実質150から完全に分離させる技術を使用すると、手術時間を最大限短縮させることができる。
ここで、レンチキュール面120とフラップ面110を角膜実質150から完全に分離するために、切開入口141と切開トンネル142に挿入した分離道具200を両方向回転させて移動させる過程で、切開トンネル142の内部の長手方向の両側に分離道具200の動きによる外力が加えられる時、分離道具200が先に補強部111の突出部112に触れることで切開トンネル142の内部の長手方向の両側が破れることを防止することができる。これは、切開入口141の内部の長手方向の両側が破れる現象も防止することができる。
したがって、補強部111による切開トンネル142の内部の長手方向の両側の外力に対して強度が増加することによって、切開入口141と切開トンネル142の横方向の切開される長さを0.5mm〜2mmで最小化しても分離道具200による切開トンネル142と切開入口141の破れが防止でき、このように切開トンネル142と切開入口141の切開長さを最小化することで、不必要な外部感染の予防だけでなく手術時間の短縮と組職を安定化させることに有利である。
このように分離道具200を通じてレンチキュール130を角膜実質150から完全に分離した後には、取る道具を切開入口141と切開トンネル142を通じてレンチキュール130が位置した角膜実質150の内部に入れて分離されたレンチキュール130を取って切開入口141から抜き出して除去した後、切開入口141を通じて眼液を入れて分離道具を利用して浮遊物をなくして整理すればよい。
以上記載された内容に詳細な説明では、本発明の具体的な実施例に関して説明したが、記載された内容の範疇から脱しない限り、さまざまな変形が可能であることは当業者にとって明白であろう。したがって、記載された内容の範囲は、説明された実施例に限定されず、後述する特許請求の範囲だけではなくこの請求範囲と均等なものなどによって決定されるべきである。