静脈瘤は、(血液の逆流を防ぐ)静脈弁が適切に機能しないときに生じる。その結果、静脈の壁が弱くなり、変形して拡張する可能性がある。弁が適切に機能しないことによって、血液が再循環することがあり、短絡が生じることがある。その後、静脈は徐々に拡張することがある。このようにして、静脈瘤はより目に見えるようになり、ベンド(屈曲)だらけになり、より膨大になり得る。この病理学上の進化は、皮膚の変色、静脈性高血圧の影響による四肢の痛みおよび腫脹など、外見上の結果を超える結果につながる可能性がある。
スペインのSpanish Society of Angiology and Vascular Surgery(SEACV)によれば、静脈瘤は先進国の成人人口の30〜33%に影響を与えている。
最も一般的に罹患する静脈は脚に位置する静脈だが、静脈瘤は、例えば食道、骨盤内に位置する臓器周辺(骨盤および卵巣の静脈瘤)または消化管の最も遠位の部分またはその近く、肛門の近く(痔核)など、内的にも起こり得る。
今日、これらの問題を軽減または排除するために、多くの異なる治療法および/または方策が存在する。その中で外科的方法を見出すことができる。これらの外科的方法は、古典的手術を用いて罹患した静脈を外科的に摘出することに関連する。この技術は100年以上にわたって使用されてきた。この技術は、様々な皮膚切開術とその後のクランプ、結紮、および罹患した静脈部分の剥離に基づく。この技術は、より限定された領域を麻酔するための局所麻酔または神経ブロック麻酔だけでなく、両肢の麻酔を得るために、脊髄麻酔(脊髄空間の浸潤)下で行われる。
1990年代後半には、静脈瘤が静脈内技術など侵襲性の低い技術で治療されたため、この疾患の治療に関して重要な進歩があった。これらの新しい方法の中で、カテーテルを通して熱を加える静脈内処置(エンドレーザまたは高周波システム)を強調することが重要である。
これらのシステムは、この方法が通常超音波誘導下で行われるために、損傷を減らすことができた。静脈への影響は、静脈の内側からの熱または電気の放出によって作り出され、したがって、静脈への内部損傷が生じる可能性がある。このようにして静脈の血栓が形成された。
開発された他の技法は、硬化性フォーム体の注射による硬化療法であった。この技術は(「エンドレーザ」または高周波療法と比較して)、さらに侵襲性が低く、痛みが少なく、麻酔を必要としない(非特許文献1)。
要約すると、1990年代後半および2000年初頭に、静脈瘤治療の侵襲性を最小限に抑える傾向が見出された。新たに登場したすべての技術の中で、硬化療法は侵襲性が低く、事実上あらゆるタイプの静脈瘤に適用できるようである。
このため、近年では、この処置が多く開発されており、安全かつ簡便にフォーム体を製造するのに適した方法を得るために、科学界からの関心が高まっている。
硬化療法は、血管内皮(血流と接触している静脈の内側の薄い層またはライニング)を刺激する能力を有する液体の注射を含む。
この薬剤または薬液は、振盪するとフォーム体になることができる。この用途で国際的に承認された製品は、ラウロマクロゴール(ポリドカノールとも呼ばれ、エトキシスクレロール(登録商標)として市販されている)、およびテトラデシル硫酸ナトリウムである。
このような製品をフォーム体として使用する利点は、内皮壁とのより大きな接触表面によるその効果の増大に基づく。より大きな接触表面は、薬剤用量低減の可能性を提供する。また、超音波スキャナを介して超音波を使用したフォーム体としての薬剤の視認性が改善される(非特許文献2)。
フォーム体が内皮にもたらす影響は、静脈の細胞層の損傷を伴い、それによって、その内容物の血栓が生じる。その後、この静脈は線維化プロセス(収縮および処理)を受け、静脈は最終的に数ヶ月後に消滅することがある。
このプロセスは、静脈のサイズまたは静脈瘤作用剤の効力に依存して、より速くまたは遅くすることができる。したがって、時には静脈にいくつかのセッションを適用する必要がある。
静脈瘤を排除または除去するためにはいくつかの方法があるが、これまでのところ侵襲性が低いほど治療能力が低く、多種多様な病態に使用できるものは、ポリドカノールまたは他の硬化剤を用いた超音波誘導フォーム体硬化療法である。硬化療法は、今日知られている静脈瘤の最も侵襲性のない治療法であり、医師の診察室で完全に外来で行うことができる。したがって、本開示はこの技術の使用に焦点を当てている。
1995年に、Juan Cabrera博士は、彼の息子である薬剤師のJuan Cabreraと開発したフォーム体の適用結果を示した(非特許文献3)。このフォーム体は、生理作用を有する気体の混合物を使用したことによって、その密度および高い溶解度を特徴とした。
さらに、彼はミキサーを使用する方法によって、非常に小さく均一な気泡サイズを有する種類のフォーム体を得ることができた。生理作用を有する気体の混合物を使用することによって、フォーム体はより高い安全性および安定性を有した。このフォーム体は、その小さな気泡サイズ、均一性および安定性のために「マイクロフォーム」と呼ばれた。
まもなく、硬化性フォーム体の使用の最大の普及がLorenzo Tessari(非特許文献4)によって生じ、彼は「Tessariの方法」と呼ばれる手順で簡単に製造されたフォーム体を用いてその経験を発表した。この方法は、3方向タップを介して接続された2つのシリンジを使用して硬化性液体を攪拌することから成る。気体/液体混合物に接続されたシリンジの各々を用いて逐次的に交互に移動させることによって、シリンジの内部に配置されたフォーム体の混合物が得られた。しかし、この製造技術は、最も普及したにもかかわらず、比較的不安定で不均質なフォーム体が得られるため、最も効果的ではない。
近年、これらの製品の使用に起因する安全性プロファイル、副作用および潜在的な合併症に関する多数の論説および論文が発表されている。したがって、使用される最良のフォーム体は、気体が、異なる濃度のO2/CO2の混合物であるフォーム体であることが実証されたようである。この構成では、大気気体フォーム体とは対照的に、血液中の溶解度および拡散が非常に高い。さらに、フォーム体の安定性は、気泡のサイズに関連している。また、気泡の直径がより均一である場合、フォーム体はより安定であることが分かった。
既に言及したように、硬化性フォーム体の製造システムは数多くあるが、最も一般的なフォーム体(および世界中で通常使用されているフォーム体)は、Tessariの方法で得られたフォーム体である。しかし、この方法は標準化と均質化の問題が多い。このシステムは、ポリドカノールまたはテトラデシル硫酸ナトリウム(ソトラデコール(登録商標)として商業的に知られている)のいずれかの選択された液体と空気流とを混合することから成る。このフォーム体は、中程度のサイズの気泡を有することができるが、不規則なサイズであり、形成の数秒後に不安定になる。さらに、硬化性フォーム体のためのビヒクルとして大気を使用することは、セッション毎に投与できるフォーム体を制限する。
一般的に用いられる薬物治療および薬剤を使用する異なる種類のフォーム体の製造は、フォーム体の大きな可変性をもたらす。使用する製造方法によって、また気体組成および硬化剤に依存して、より良質のフォーム体やより悪質のフォーム体が得られる可能性がある。
したがって、安全であり、比較的安価な方法で、かつ汚染なしで得られる高品質のフォーム体を得るための装置、キット、システムおよび方法を見出す必要がある。
第1の態様では、フォーム硬化剤組成物を製造するための容器が提供される。容器は、フォーム(泡立て)用密封滅菌容器本体であって、容器本体の上部と底部との間に延在する1つまたは複数の側壁を有するフォーム用密封滅菌容器本体を備え、フォーム空間が容器本体の内部に画定される。容器は、フォーム空間に配置された混合要素をさらに備える。容器は、予め導入された気体と液体硬化剤組成物とを含む。混合要素は、アクチュエータがフォーム空間に到達することなく、回転可能なアクチュエータと動作可能に連結するように構成される。
この第1の態様によれば、気体、硬化剤組成物および混合要素が予め導入された密封滅菌容器が提供されてもよい。したがって、フォーム体を得るために必要なそれら3つの要素は、安全な工業的環境において予め容器に導入されている。フォーム用容器本体は、滅菌され包装されていてもよい。この態様によれば、医療従事者が包装を開封した後に、容器の外部から要素を導入する必要はない。
混合要素は、容器の内容物を混合することによって最終的にフォーム体を生成する要素である。回転アクチュエータはフォーム空間に進入することは決してないため、フォーム体の汚染を最小限に抑えるか、完全に回避することができる。それにもかかわらず、アクチュエータの作動は、混合要素を容器内で回転させて、フォーム体を生成する。
いくつかの例では、気体および液体硬化剤組成物はフォーム空間に収容される。これらの例では、容器は単一の容器本体を備えることができ、フォーム体の作製に必要な3つすべての要素は既にフォーム空間に存在している。例えば混合要素と液体硬化剤組成物との間の何らかの化学反応を避けるために、混合要素は、実質的に不活性な材料から作製されてもよい。
他の例では、容器は、液体硬化剤組成物を収容する密封滅菌薬剤容器をさらに備え、薬剤容器は容器本体に取り付け可能である。これらの例では、液体硬化剤組成物は、容器の使用前(すなわち保管中、輸送中など)に混合要素から物理的に分離されていてもよい。液体硬化剤組成物の安定性または組成に対する混合要素のいかなる影響も回避することができる。医療従事者が硬化剤フォーム体を調製したい場合、液体硬化剤組成物を薬剤容器からフォーム空間へ通過させることができる。
これらのいくつかの例では、フォーム用容器本体および薬剤容器は、単一の包装で保管および運搬されるが、互いに付着せずにいることができる。他の例では、容器の製造中にフォーム用容器本体および薬剤容器が既に組み付けられていてもよい。どちらの場合でも、得られる容器は滅菌され包装され得る。
異なる容器のセットまたはキットを製造、販売および保管することができ、容器の各々は同じ容器本体(混合要素を含む)を備えるが、薬剤容器は硬化剤液体組成物の量、および例えば濃度で変化し得る。異なる種類の治療または異なる種類の静脈に対してカスタマイズされた容器が提供され得る。容器本体は同じであってもよいが、薬剤容器の内容物は異なる治療および/または異なる静脈に適合させることができる。医療従事者の使用を容易にするために、異なる治療および/または静脈のための容器、特に薬剤容器は、異なる色、異なるラベル(治療の種類、静脈、量、濃度、使用される生理作用を有する気体などを示す)を有するか、さもなければ互いに視覚的に区別可能とすることができる。
いくつかの例では、薬剤容器は、連結の間および/または連結の後に軸方向移動を可能にする容器本体に連結させることができる。軸方向移動(すなわち、薬剤容器および容器本体の長手軸に沿った)は、薬剤容器を容器本体により近づけることができる。この軸方向移動は、薬剤容器に収容された液体組成物をフォーム用容器本体内に入れるために使用することができる。軸方向移動には、容器本体および/または薬剤容器の封止の破壊、破裂、または破断を組み込むことができる。封止は、例えば、膜、蓋、またはその両方であってもよい。多くの異なる種類の連結手段、または連結要素または連結機構が使用されてもよく、それらは、例えば、ネジ山、螺旋ネジ山、差込みネジ山、または軸方向に延出するガイド、または、例えば連結要素または他のものの弾性変形を含むスナップ係合またはクリップ(クリッピング)係合を含む。
いくつかの例では、薬剤容器は第1の連結手段を備え、容器本体は第1の連結手段と嵌合するように適合された第2の連結手段を備え、連結手段は、連結中の容器本体に対する薬剤容器の軸方向移動のために構成される。連結手段は、例えば、ネジ山または他の手段であってもよい。いくつかの例では、容器本体に対する薬剤容器からの軸方向移動(すなわち、これは薬剤容器が移動するか、または容器本体が移動するか、または両方が移動することを意味する)は、容器本体および薬剤容器の封止の破断を発生させ、その結果硬化剤液体組成物は混合要素に到達することができる。実施例に見られるように、これはフォーム空間内の無菌環境を依然として維持しながら達成することができる。
フォーム空間外のアクチュエータと混合要素との間の動作可能な連結は、様々な方法で達成され得る。いくつかの例では、混合要素は、回転アクチュエータと機械的に連結されてもよい。この場合、機械的連結は、アクチュエータがフォーム空間外の混合要素の一部と連結するようなものであってもよい。例えば、容器の底部には、フォーム空間内へ上向きに延出する回転シャフトの近位端部に適切に形状化されたノッチがあってもよい。アクチュエータは、アクチュエータとシャフトとの間の動作可能な連結を確立するために、ノッチと嵌合することができる。
さらに別の代替案では、1つまたは複数の混合要素が容器本体と一体的に形成されるかまたは容器本体に取り付けられ、容器本体の底部は回転アクチュエータに機械的に連結されるように構成されてもよい。この場合、容器本体を回転させるだけでフォーム体を発生させることができる。
他の例では、混合要素は、回転アクチュエータと磁気的に連結されてもよい。磁気的連結は、磁気部分または磁気要素を備える混合要素と、アクチュエータとによって達成することができる。磁気的連結は、容器の壁を介して達成されてもよい。混合要素は、容器本体内に完全に封入されてもよい。したがって、フォーム空間は汚染されない。
さらなる例では、混合要素は、ディスクであって、その周囲に複数のブレードを有するディスクであってもよい。このようにして、液体と気体と混合要素との間の接触面が増大し、したがって容器の内容物を混合することによるフォーム体の作製も改善され得る。
いくつかの例では、フォーム硬化剤組成物の調製において、生理作用を有する気体を使用することができる。そのような生理作用を有する気体は、CO2とO2との混合物であってもよい。例えば、50/50の混合物を使用することができる。いくつかの他の例では、70/30も使用することができる(70%CO2および30%O2)。CO2の割合が大きいと身体に速やかに吸収される。O2の割合が大きいとフォーム体はより安定する。
生理作用を有する気体の使用は、(周囲)空気の使用よりも患者にとって安全であると考えられる。大量のフォーム体を注射する場合は、生理作用を有する気体を使用することが推奨される。したがって、これらの例による滅菌容器は、生理作用を有する気体の導入のために構成され得る。
いくつかの例では、容器本体は、フォーム空間内でフォーム硬化剤組成物を抽出するのに適した弁を備えることができる。追加的または代替的に、容器本体は、脆弱領域で密封滅菌容器の破断を容易にするように構成された脆弱領域によって容器本体から分離可能な脆弱部分を備えることができる。したがって、フォーム体を汚染することなく、安全かつ清潔な方法で、容器本体にシリンジ(注射器)を挿入することができる。フォーム硬化剤組成物を患者の静脈に注射するために、同じシリンジを続けて使用することができる。容器の脆弱部分を使用する場合、容器は一回使用した後に処分しなければならない。
さらなる態様において、フォーム硬化剤組成物の調製のためのキットが提供される。このキットは、本明細書に記載の例のいずれかによる容器を備え、フォーム硬化剤組成物を吸引するためのシリンジをさらに備える。
いくつかの例では、キットは、液体硬化剤組成物を収容する1つまたは複数の薬剤容器をさらに備えていてもよい。
このようなキットは、滅菌された包装内にユニットとして包装されていてもよい。
いくつかの例では、液体硬化剤組成物を含む薬剤容器は、圧搾可能な薬剤容器であってもよい。容器を圧搾することにより、汚染することなく液体薬剤を容器に導入することがより容易になる。
さらなる態様において、フォーム硬化剤組成物を調製する方法が提供される。この方法は、本明細書に記載された例のいずれかによる容器を提供することと、次いでアクチュエータを回転させて、適切なフォーム体が得られるまで混合要素を回転させることと、を含む。
いくつかの例では、アクチュエータを回転させることは、様々な速度(可変速度)でアクチュエータを回転させることを含み得る。フォームプロセスの間、速度を変化させること、例えば徐々に加速させることは有益であり得る。例えば、アクチュエータと混合要素との間に磁気的連結を使用する場合、徐々に加速させることによって、アクチュエータと混合要素との間で磁気的連結が維持され有効であることを確実にすることができる。
いくつかの例では、生理作用を有する気体を使用することができ、他の例では周囲空気を使用することができる。
さらに別の態様では、本明細書に記載の方法のいずれかによって得ることができるフォーム硬化剤組成物が提供される。得られたフォーム硬化剤組成物は、気泡のサイズ、均質性およびその安定性において、例えばTessariの方法で得られるフォーム体と区別することができる。
本開示の別の態様は、静脈瘤、くも状静脈または痔核の治療に使用するための、本明細書に記載の方法のいずれかによって得ることができるフォーム硬化剤組成物に関する。したがって、この態様は、本明細書に記載の方法のいずれかによって得ることができるフォーム硬化剤組成物を製造するための、および、静脈瘤、くも状静脈の治療のための、硬化剤薬剤の使用に関し、また、この態様は、本明細書に記載の方法のいずれかによって得られるフォーム硬化剤組成物の治療上の有効量を人間を含むそれを必要とする対象に投与することを含む、静脈瘤、くも状静脈または痔核の治療方法としても説明される。
本明細書で使用される「治療上の有効量」という表現は、投与されたときに、それが対処する疾患を治療するのに十分であるフォーム組成物の量を指す。治療上の利益を得るためのフォーム硬化剤組成物の容量および薬剤濃度の両方に依存する特定の用量は、各患者の特定の状況に応じて変化し得る。
前述のように、本開示の一態様は、本明細書に記載の方法のいずれかによって得ることができるフォーム硬化剤組成物に関する。「〜によって得ることができる(obtainable by)」という表現は、その調製プロセスによってフォーム硬化剤組成物を定義するために本明細書で使用される。特に、以前に解説した工程を含む調製プロセスを通して得ることができるフォーム組成物を指す。
本開示の目的のために、「得ることができる」、「得られた」という表現および同様な同等表現は互換的に使用され、いずれの場合も「得ることができる」という表現は「得られた」表現を包含する。
本開示全体を通じて、硬化剤および硬化性という用語は互換的に使用される。同様に、硬化性フォーム体およびフォーム硬化剤組成物も互換的に使用される。
本開示の目的のために、フォーム硬化性組成物という用語は、硬化作用をもたらすことができるフォーム体の組成物、すなわち、上皮細胞膜(血流と接触している層)の内皮空胞化によって血管壁に損傷を発生させることができる、静脈注射用の薬剤として使用するための組成物である。したがって、フォーム硬化性組成物は静脈の内面を刺激して、血小板および凝集物によって形成される血栓形成を生じる。同様に、液体硬化性組成物という用語は、硬化剤を含む液体形態の組成物を指す。液体硬化性組成物は、フォーム硬化性組成物を得るための成分を形成する。
本開示の例による硬化性組成物は、硬化剤、および罹患した静脈に毒性を伴わずに投与することができる適切なビヒクルを含む。いくつかの例では、液体は、滅菌水(特に蒸留水)および生理食塩水から選択される。
本開示の例の硬化性組成物に存在し得る硬化剤の例には、ポリドカノール、テトラデシル硫酸ナトリウム、クロメートグリセリン、高張食塩水、モルイン酸ナトリウムおよびスクレロデックス(デキストロースと組み合わせた高張食塩水)が含まれるが、これらに限定されない。
特定の例において、使用される硬化性組成物は、ポリドカノールおよび水を含む。別の実施形態において、硬化性組成物はグリセリンをさらに含む。
1つの特定の例では、硬化性組成物は、水または生理食塩水などの液体中に液体1mL中2〜20mgの濃度で(0.20−2.0%(w/v)に相当)ポリドカノールなどの硬化剤の溶液を含むことができる。別の例では、硬化性組成物は、水または生理食塩水などの液体中に液体1mL中2〜5mgの濃度で(0.20−0.50%(w/v)に相当)ポリドカノールなどの硬化剤の溶液を含むことができる。本明細書に記載の装置および方法では、Tessariの方法とは逆に、例えば0.2%(w/v)などの非常に低い濃度であっても依然として安定したフォーム体を得ることができることが見出された。
別の特定の例において、硬化性組成物は、濃度5mg/mLで水中または生理食塩水中にポリドカノールの溶液を含み得る。
別の特定の例では、硬化性組成物は、濃度20mg/mLで水または生理食塩水中にポリドカノールの溶液を含み得る。
図1a〜図1cは、フォーム硬化剤組成物を生成するための様々な容器で使用することができる混合要素の例を概略的に示す。図1aは、混合要素の三次元図を概略的に示す。この例における混合要素10は、略ディスク形状である。混合要素は、磁気要素(図示せず)を配置可能な、中央開口部またはハウジング12を備える。一例では、磁気要素またはコアは、図1bに示されている中央開口部の境界付近の複数の突起の間の所定位置に保持されてもよい。図1bおよび図1cは、同じ混合要素の上面図および側面図をそれぞれ示す。
この例におけるディスクすなわち混合要素10は、リング11であって、その円周に沿って垂直に延出する複数のブレード13を備えたリング11を有する。各ブレードは側面を備える。例えばブレード15,16などの隣接するブレードは、その側面間に間隙を有して配置され得る。
磁気要素用のハウジングは、ブレードと一体的に形成されてもよく、あるいは、例えば接着剤または摩擦若しくは締まり嵌めでブレードに取り付けられてもよい。磁気要素が別個のハウジングを有していない場合には、磁気要素は同様の方法で取り付けることができる。そのような場合の磁気要素は、磁石と液体との間の望ましくない化学反応を防止する保護層を含んでいてもよい。
混合要素は、(磁気コア要素を除いて)非磁性材料で作製することができる。例えば、ポリプロピレン(PP)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはナイロンなどのポリマー材料を使用することができる。特に、実質的に不活性である非磁性材料を使用することができる。本明細書中で不活性とは、材料が化学的に反応性でないことを意味する。
このような構成では、混合要素、特に、ブレードの側面と、気体および液体硬化剤組成物との接触面が増加しうる。混合要素が回転するにつれて、気体および液体硬化剤は、ブレードの側面間のチャネルまたは間隙を通過する。接触表面の増加は、フォーム硬化剤組成物の作製を改善することができる。
いくつかの例では、垂直に延出するブレードの代わりに、水平に延出するブレードを使用することができる。いくつかの他の例では、中央開口部の代わりに、磁気コア要素を収容する中央ハウジングが設けられてもよい。
図1a〜図1cに示されるもののような混合要素を、図2〜図5に示される容器の様々な例で使用することができる。いずれの例においても、マグネチックスターラを使用して、混合要素を動作させることができる。混合要素を回転させることにより、気体と液体硬化剤組成物とを混合して、硬化性フォーム体を調製する。
図2a〜図2cは、フォーム硬化剤組成物を調製するための容器と、一例による容器を使用してフォーム硬化剤組成物を製造する方法を準備する一連の工程を概略的に示す。図1a〜図1cの例による混合要素は、以下に説明する容器と組み合わせて使用することができる。
この例の容器19は、フォーム用容器本体20を備えている。フォーム空間21は、容器本体の内部に形成され得る。この特定の例では、容器本体20は、予め導入された生理作用を有する気体(O2/CO2の組み合わせであり、30%〜50%のO2と70%〜50%のCO2)を含むことができる。フォーム用容器本体20の滅菌および気体の品質管理により、容器本体には実質的に汚染がない。容器本体20には、レシーバ(受け部)23が設けられていてもよい。液体硬化剤の導入のために、導入部25bを有する薬剤容器25を設けることができる。導入部25bとレシーバ23とは互いに相補的であり、そのため導入部25bとレシーバとは互いに連結可能である。薬剤容器25については、以下でより詳細に説明する。
この例のレシーバ23は、薬剤容器を閉鎖する薬剤容器蓋24を備えた円筒状の細長い部分を含む。蓋24は、レシーバ23の円筒状部内に取り付けられている。特に、この例では、蓋の縁部の第1の部分は、蓋への圧力が増加したときに壊れやすくなるように、または破れやすくなるように構成されてもよい。レシーバの円周に沿った蓋24の縁部の第2の部分24aは、より耐久性があり、第1の部分が圧力下で降伏するとき、第2の部分はレシーバ23に枢動可能に取り付けられたままである。このようにして、蓋24は、フォーム用容器本体20を第1の動作位置で密封された状態で保つことができる。図2a〜図2bを参照するとよい。第2の動作位置では、蓋24は、蓋に加えられた圧力によって縁部24aの周りで旋回することができる。このような圧力は、薬剤容器25を圧搾することに由来する液体硬化剤によって及ぼされ、したがって、液体硬化剤が容器本体20内に放出され得る。図2cを参照するとよい。一例では、薬剤容器をフォーム用容器本体に向かって軸方向に移動させることによって蓋24への圧力が上昇し、その結果、薬剤容器の端部は蓋に押し付けられる。蓋24にはさらに突起部24bが設けられていてもよい。突起部24bの使用および動作については、以下でより詳細に説明する。
上述のように、滅菌容器19は薬剤容器25を備えることができる。薬剤容器は、中空体26と導入部25bとをさらに備えていてもよい。導入部25bは、相補的なレシーバ23と嵌合するように構成されてもよい。導入部25b(したがって、薬剤容器)および相補的なレシーバ23(したがって、容器本体)は、例えばネジ連結など機械的連結を有してもよい。この例における薬剤容器25は、容器本体20に接続されるように示されている。薬剤容器および容器本体は、組み付けて滅菌し一緒に包装することができるが、滅菌して包装し、使用時にのみ組み付けることも可能である。さらに、薬剤容器とフォーム用容器本体を滅菌して別個に包装することも可能である。薬剤容器の外面を滅菌する必要がないことは明らかであろう。したがって、薬剤容器の滅菌包装の必要はない。
特に、ベンダーまたは製造業者がフォーム用容器本体とは別個に薬剤容器を販売および包装する場合、医療従事者は、組み付けるその時にどの薬剤容器を取り付けるかを決定することができる。次に、医療従事者は、フォーム用容器本体の滅菌包装を開封し、(薬剤容器をフォーム用容器本体に連結する/取り付けるための本明細書に記載の方法のいずれか、および薬剤容器を空にするための本明細書に記載の方法のいずれかを用いて)薬剤容器を取り付け、容器本体内で薬剤容器を空にする。アクチュエータを作動させて混合要素を回転させ、硬化剤フォーム体を作製することができる。
この例に続き、薬剤容器25は、予め導入された液体硬化剤組成物を含むことができる。薬剤容器は、圧搾可能な薬剤容器25であってもよく、したがって、容器内の液体硬化剤組成物を移すために容器を圧搾してもよい。薬剤容器25を圧搾することによって及ぼされる圧力によって、液体硬化剤組成物が薬剤容器25から分配され得る。
薬剤容器25は、蓋25cをさらに備えていてもよい。薬剤容器25の滅菌および液体硬化剤の品質管理により、薬剤容器25には実質的に汚染がない。蓋25cは、導入部内に取り付けられてもよい。特に、蓋の縁部の第1の部分は、所定の負荷(荷重)の下で破断する(すなわち壊れやすい)ように構成されてもよく、蓋25cの縁部の別の部分25dは、より高い負荷に耐えることができ、導入部25bに枢動可能に取り付けられたままである。このようにして、蓋25cは、薬剤容器25を第1の動作位置で密封された状態で保つことができる(図2a参照)。しかしながら、蓋25cが旋回する第2の動作位置では、液体硬化剤は薬剤容器25から放出されてもよい(図2b〜図2c参照)。
導入部25bおよびレシーバ23のネジ山を用いて薬剤容器とフォーム用容器本体とを連結する場合、導入部25bはレシーバ23に対して軸方向に移動する。その結果、蓋の突起部24bは蓋25cと接触し、蓋25cに衝突することができる。続いて、レシーバ23に対する導入部25bのこの移動は、縁部25dを中心とするストッパ25cの旋回を発生させることができる。したがって、薬剤容器を開封することができ、液体硬化剤組成物は薬剤容器から流出することができる。しかしながら、この状況においてさえ、薬剤容器が開封されても、硬化剤組成物は依然として容器の外部に曝露されず、依然として汚染がないことに注目すべきである。
いくつかの実験では、ポリプロピレンのポリマー材料の容器本体が使用されている。
一態様によれば、硬化剤フォーム体は実質的に以下のように調製することができる。
図2aは初期状態を示す。滅菌容器包装が開封される。この初期状態において、導入部25b(したがって薬剤容器25)は、レシーバ23(したがって容器本体20)と予め組み付けられていてもよい。他の例では、フォーム体を調製するその時またはその直前に、医療従事者が連結を行ってもよい。
フォーム用容器本体20は、気体と、図1a〜図1cに記載したものかまたはそれと同様の、中心に磁石を担持するブレードを備えた回転可能なディスクとを含む。気体は、例えば50/50のCO2とO2など、生理作用を有する気体の混合物であってもよい。したがって、選択された気体混合物は、フォーム用容器本体20内に保持され、フォーム体の気泡に含まれる気体となる。薬剤容器は液体硬化剤組成物を収容する。
図2bでは、液体硬化剤組成物をフォーム用容器本体20内に放出するために、薬剤容器25および容器本体20は、互いに対して軸方向に且つ回転可能に移動可能である。このようにして、薬剤容器25は、相対的な軸方向の移動の間に回転することができる。回転している間、および相対的な軸方向移動の間に、突起部24bは蓋25cに衝突し得る。したがって、蓋25cは、その縁部の部分25dを中心に旋回することができる。結果として、液体硬化剤組成物は、蓋24上に放出され得る。
図2cにおいて、ストッパ25cは、その軸25dを中心に旋回され、したがって液体硬化剤組成物は蓋24上に放出される。薬剤容器がさらにネジ込まれると、蓋24への圧力が増大し、その結果、蓋24はその縁部24aを中心に旋回し得る。これにより、液体硬化剤組成物が容器本体内に放出され得る。したがって、フォーム体を汚染することなく、安全かつ清潔に、液体硬化剤組成物を容器本体に挿入することができる。
磁気アクチュエータを作動させて混合要素を回転させることができ、一旦フォーム体が形成されると、薬剤容器25を取り外すことができ(例えば、軸方向に逆回転させる)、シリンジがフォーム体を吸引するために使用されてもよい。
あるいは、滅菌容器には、フォーム空間内のフォーム硬化剤組成物を抽出するのに適した弁が設けられていてもよい。
フォーム体が形成された後、抽出領域35を用いてフォーム体を抽出することができる。抽出領域は、適切な弁、または例えば脆弱部を備えていてもよい。
図3a〜図3cは、フォーム硬化剤組成物を調製するための容器のさらに別の例を概略的に示す。混合要素44は、図1a〜図1cで先に記載したものと同一または略同一であってもよい。
図3aは、容器の三次元図を概略的に示す。この図では、密閉され滅菌された容器39が設けられている。容器39は、フォーム用容器本体40を備えていてもよい。容器本体40は、予め導入された気体、例えば生理作用を有する気体を収容していてもよい。
フォーム用容器本体40は、レシーバ43を備える。レシーバ43は、液体硬化剤の導入に適していてもよい。図3bに示すように、この例のレシーバ43は、円筒部と、円筒部から径方向にオフセットした垂直に延出する複数のフィンガ(指状部)44とを含む。フィンガの端部には、直立部45または膨出部が設けられてもよい。レシーバが薬剤容器42aの導入部42bを受領するときに(図3cを参照して以下でより詳細に説明する)、フィンガはわずかに内側に押し込まれ得る。直立部45が導入部42bの円筒中心延長部を越えて延出すると、フィンガ44の弾性変形性により、直立部が外側に移動する。これにより、導入部42bとレシーバ43とのクリップ係合またはスナップ係合が達成され得る。
さらに、レシーバ43は膜(図示せず)を備える。フォーム用容器本体は、膜によって外側から閉じられている。したがって、フォーム用容器本体40(したがって、予め導入された気体)は、実質的に汚染のないものとなり得る。この膜は、いくつかの例では、脆弱領域を備えていてもよい。これらの領域は、脆弱領域での密封膜の破断を容易にするように設計されている。
容器本体は、フォーム体を抽出するための弁46をさらに備えていてもよい。容器本体は、例えば、ガラス、プラスチックなど、任意の適切な材料で作製され得る。
図3cには、中空体42aと導入部42bとを備える薬剤容器42が示されている。導入部42bは、滅菌容器の相補的なレシーバ43と嵌合するように構成されているため、使用時には、図3aに示すように、薬剤容器を滅菌容器に接続することができる。導入部とレシーバとの間の係合は、先に説明したものと同じであってもよい。薬剤容器42には、液体硬化剤組成物が供給され得る。組成物の品質を制御することができ、したがって、組成物中の汚染を回避することができる。
さらに、薬剤容器42には膜42cが設けられていてもよい。したがって、薬剤容器42は、膜42cによって外部から閉鎖することができる。ここでも、この膜には脆弱領域が設けられていてもよい。これらの領域は、脆弱領域での密封膜の破断を容易にするように設計されている。
薬剤容器42には、さらに中央壁42dが設けられていてもよい。中央壁42dは、鋭利な端部またはカッター42eを含んでいてもよい。鋭利な端部42eは、レシーバ43の膜の穿孔に適していてもよい。
容器39は滅菌され、例えばラップなどの滅菌された包装で包装されてもよい。容器内に封入された混合要素が既に提供されていてもよい。例えば、実施例1の混合要素を使用することができる。
図4a〜図4eは、図3a〜図3cに記載された容器を使用してフォーム硬化剤組成物を製造する方法の実行中に生じる一連の状態を概略的に示す。同じ参照番号は同じ要素を示す。この方法を、図4a〜図4eに例示される一連の状態を参照して以下に説明する。
図4aは初期状態を示す。この初期状態では、薬剤容器42およびフォーム用容器本体40が示されている。薬剤容器42には、予め液体硬化剤組成物が供給されていてもよい。フォーム用容器本体40には、予め気体が供給されていてもよい。導入部42bは、液体硬化剤を容器本体40内に放出することができるように、レシーバ43に導入される準備ができている。
図4bでは、薬剤容器42の導入部42bは、フォーム用容器本体40のレシーバ43に近づいている。一旦、所望の位置に配置されると、導入部42bは、レシーバ43に対して相対的に軸方向に移動しながら前進することができる。前述したように、レシーバには、垂直方向に延出する複数のフィンガが設けられていてもよい(図4bに示す)。各フィンガの端部には直立部も設けることができる。レシーバ43が薬剤容器の導入部42bを受領するときに、フィンガはわずかに内側に押し込まれ得る。直立部が導入部42bの円筒中心延長部を越えて延出すると、フィンガの弾性変形性により、直立部が外側に移動する。したがって、導入部42bとレシーバ43とのクリップ係合が達成され得る。
壁42dは、隣接するフィンガの間をスライドするために、径方向に対向するフィンガ対の間に嵌合するように適合されている。
さらに、導入部42bがレシーバ43に対して前進している間に、フィンガを使用して薬剤容器の膜を穿孔する(したがって破断させる)ことができる。さらに、中央壁の鋭利な端部を使用して、容器本体の膜を穿孔する(したがって破断させる)こともできる。両方の膜において、穿孔は脆弱領域に対して行うことができ、したがって膜の破断は容易になり得る。このような構成で、容器本体および薬剤容器の気密封止が破断され得る。したがって、薬剤容器42と容器本体40との間で流体連通が可能である。
図4cでは、薬剤容器42は容器本体40に適切にクリップ留めされている。さらに、容器本体の膜および薬剤容器の膜は穿孔されている(したがって破断されている)。この段階で、薬剤容器42を圧搾することができる。薬剤容器を圧搾することにより、汚染されることなく、液体薬剤を容器本体に導入することがより容易になる。
図4dでは、液体硬化剤要素は、実質的に汚染されずに容器本体40内に既に導入されている。この段階で、混合要素が作動され、ホイップ(泡立て)または乳化が開始され得る。
図4eでは、一旦フォーム体が形成されると、フォーム体を吸引するためにシリンジを使用することができる。これは、弁46を通してシリンジを導入することによって実行され得る。弁は一方向弁であってもよい。
代替例では、カッターまたは鋭利な端部が容器本体に設けられてもよく、一方で薬剤容器にはフィンガが設けられている。実質的に同様の連結が達成され得る。
図5は、フォーム硬化剤組成物を調製するための容器の別の例を概略的に示す。容器30が示されている。混合要素が設けられていてもよい。混合要素の構造および動作は、図1a〜図1cで先に説明したものと同一であってもよい。容器30はさらにフォーム空間31内に設けられていてもよい。フォーム空間31は、容器本体32の内部に形成されてもよい。この特定の例では、フォーム空間31はまた、例えば生理作用を有する気体などの予め導入された気体、および予め導入された液体硬化剤組成物を含んでいてもよい。容器30自体は、一般に一体成形されたプラスチック構造体であってもよい。これは任意の適切な材料から作製することができるが、使用され得る一般的な材料は、医学的に不活性なプラスチック、ビニル、ポリエチレンまたはポリプロピレン、およびガラスである。
この例では、単一の容器本体内に、混合要素、気体および液体硬化剤組成物が提供されている。この場合の容器本体は、フォーム用本体であると共に液体硬化剤組成物を保存するための本体である。この例では、別個の薬剤容器は必要ない。図示されているような容器を滅菌し、例えばラップなどで包装し、このように保管することができる。混合要素および容器本体の材料は、気体および液体の安定性および組成を維持できるように選択することができる。
滅菌容器には、フォーム空間内のフォーム硬化剤組成物を抽出するのに適した弁35を設けることもできる。
したがって、フォーム体を汚染することなく、弁35または脆弱部分33を使用して安全かつ清潔にシリンジ(図示せず)を容器本体内に挿入することができる。フォーム硬化剤組成物を患者の静脈に注射するために、同じシリンジを続けて使用することができる。容器の脆弱部分33を使用する場合、容器は1回使用した後、処分しなければならない。
この例においても、回転アクチュエータは、容器本体の内部、すなわちフォーム空間内に進入しない。フォーム空間は外部から密閉されている。したがって、フォーム空間(および一度作製されたフォーム体)は、実質的に汚染のないものとなり得る。
一態様によれば、硬化剤フォーム体は実質的に以下のように調製することができる。
滅菌容器の包装が開封され得る。この段階で、容器30、特に容器本体32は、その中に予め導入された生理作用を有する気体および液体硬化剤組成物ならびに回転可能混合要素を含むことができる。フォーム体を作製するために、液体硬化剤組成物および気体の品質が予め制御されているため、汚染が回避される。さらに、容器本体は滅菌されている。
混合要素が作動され得、したがってホイップまたは乳化が開始され得る。
例示した例のいずれにおいても、実験室で頻繁に見られる標準的なマグネチックスターラを回転アクチュエータとして使用することができる。容器を保持するためのクランプを備えていてもよいマグネチックスターラ上に、容器19を配置することができる。マグネチックスターラは、動作時に回転磁界を発生させる。回転磁界は、回転磁石または一組の固定電磁石のいずれかによって発生させることができる。回転磁界が混合ディスクの磁気コアに沿って引っ張ることによって、混合ディスクを回転させる。
アナログ制御型AGIMATIC(登録商標)(コード7000242)を備えたマグネチックスターラを用いて、加熱なしで60〜1600rpmの速度で実験を行った。マグネチックスターラは、直径14.5cmのステンレス鋼(304型AISI(登録商標))の上部プレートを備えることができ、容器を配置することができる。また、マグネチックスターラは、5cmの中央開口部を有する直径15cmの2つのプラスチックディスクから成る、こぼれを防ぐ安全リングを有し、容器を配置することができる。
このシステムは、容器本体20の内部に収容された滅菌大気、またはO2/CO2の組み合わせに基づく生理作用を有する組成に基づく気体混合物を使用することができる。治療すべき静脈瘤に応じて、各患者のプロファイルおよび/または注射される所望の容積に応じて、空気または生理作用を有する気体混合物のいずれかを収容する容器を使用するように決定することができる。
本開示を通して説明される容器のいくつかの例では、容器は、気体を導入するための一方向弁を備えることができる。これにより、生理作用を有する気体の混合物よりも周囲空気の方が使用しやすいという点で、製造を単純化することができる。
この治療は、外来患者として、日常的な活動を制限することなく、広範な種類、サイズおよび位置の静脈瘤に対して適用することができる。得られたフォーム体によって、くも状静脈、静脈瘤または毛細血管皮下静脈から大容量の静脈瘤まで、事実上これらのすべてを治療することができる。
本開示の実施例のフォーム体を用いて行う硬化治療技術で提供される別の側面は、患者の絶食もいかなる特定の準備も必要とされないことであり得る。アスピリン、クロピドグレルなどの抗凝血剤療法や経口アセノクマロール型(Sintrom(登録商標))での治療を受けている患者は、治療を一時的に中止する必要がない可能性がある。
回転アクチュエータは、容器本体の内部、すなわちフォーム空間内に進入しない。フォーム空間は外部から密閉されている。したがって、フォーム空間には実質的に汚染がない。
マグネチックスターラの回転速度を徐々に上げることが有利であり得ることが分かった。概して2〜3分以内に十分な安定したフォーム体が形成されている。
概して、300〜1,800RPMの回転速度が試験され、良好に機能することが示されている。より速い回転速度では、フォーム体はより早く形成され得る。しかし、マグネチックスターラがあまりにも速く回転すると、スターラと混合要素との間の磁気的連結が失われる可能性がある。このため、回転速度を徐々に上げることが有益であり得る。
いくつかの例では、混合は30秒〜4分間、特に1分間〜3分間、好ましくは1〜2分間行われる。
さらに、示された例のいずれにおいても、異なる組成の生理作用を有する気体、異なる量の液体硬化剤組成物および異なる濃度を含む、異なる容器を提供することができる。したがって、医療従事者は、患者のニーズに応じて最も適切な容器を選択することができる。
本発明のいくつかの特定の実施形態および例のみが本明細書に開示されているが、当業者には、本発明の他の代替実施形態および/または使用、ならびに自明な変更および均等物が可能であることが理解される。さらに、本発明は、記載された特定の実施形態のすべての可能な組み合わせを包含する。
特に、様々な例の態様の組み合わせは、混合要素の異なる作動方法(機械的または磁気的)を、また、異なる形状およびサイズの混合要素を、異なる容器で使用することができるという意味で、可能である。さらに、薬剤容器と容器本体との連結方法および液体硬化剤の薬剤容器への導入方法は、液体の量、薬剤の濃度、使用される気体の種類、および使用される混合要素の実際のタイプに依存しない。
したがって、本発明の範囲は、特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。