本願は、2015年9月25日に出願された米国仮特許出願第62/232,691号に対する優先権を主張するものであり、この内容全体を参照によって本明細書に引用したものとする。
バッテリと組み立てられたパーソナル気化器の一実施形態の斜視図である。
図1のパーソナル気化器の部分断面図である。
図1のパーソナル気化器のアトマイザカップの斜視図である。
図3Aのアトマイザカップの別の斜視図である。
図2のパーソナル気化器のアトマイザモジュールの部分断面図である。
図2のパーソナル気化器のエアフローモジュールおよびマウスピースの部分断面図である。
図2のパーソナル気化器の線6−6に沿った斜視断面図である。
別の実施形態に従って構成されたパーソナル気化器の部分断面図である。
さらに別の実施形態に従って構成されたパーソナル気化器の部分断面図である。
別の実施形態に従って構成されたパーソナル気化器の部分断面図である。
パーソナル気化器のさらに別の実施形態の斜視図である。
図10のパーソナル気化器の分解図である。
図10のパーソナル気化器のアトマイザカップの斜視図である。
図10のパーソナル気化器のアトマイザカップの別の斜視図である。
図12Aのアトマイザカップの線13−13に沿った断面図であり、さらに加熱要素を示した図である。
加熱要素が取り付けられた図13のアトマイザカップを示した図である。
図10のパーソナル気化器のアトマイザモジュールの断面図である。
図10のパーソナル気化器のフローディレクタの斜視図である。
図16のフローディレクタの線17−17に沿った断面図である。
図16のフローディレクタの線18−18に沿った断面図である。
図10のパーソナル気化器のインフロー本体の側面図である。
図19のインフロー本体の線20−20に沿った断面図である。
図10のパーソナル気化器のエアフローモジュールの斜視図である。
図10のパーソナル気化器の線22−22に沿った断面図である。
最初に図1〜図6を参照すると、パーソナル気化器30の一実施形態は、近位端32および遠位端34を有する。遠位端のバッテリモジュール40は、バッテリケーシング内に閉じ込められた充電式バッテリを含み、バッテリモジュール40は、好ましくは、パーソナル気化器に電力を供給する。アトマイザモジュール50は、バッテリモジュールの近位端に選択的に取り付け可能であり、媒体を霧化するように構成される。霧化された媒体は空気と混合されて、蒸気を生成する。エアフローモジュール60は、アトマイザモジュール50の近位端に選択的に取り付け可能である。エアフローモジュール50は、好ましくは、アトマイザモジュール60への送出のために周囲空気を吸入し、アトマイザモジュール60から蒸気を受け取る。マウスピース62は、蒸気を使用者の口の中に案内するために設けられる。
特に図2および図3を参照すると、図示されているアトマイザモジュール50は、アトマイザケース66内に保持されたアトマイザカップ64を含む。アトマイザカップ64は、ワックスのような気化媒体Mを受容するように構成されたカップ開口部68を有する。特に図2〜図4を参照すると、アトマイザカップ64は、略円周状のカップ壁70と、底壁72とを含む。カップ開口部68は、気化媒体M、特に、ワックスのような固体または半固体の媒体を保持するための空間を画定するように、カップ壁74の上面または近位面74の近傍にある。図示されている実施形態では、アトマイザカップ64は、中央アパーチャ78を画定する中央壁76を含む。したがって、図示されている実施形態では、媒体Mは、アトマイザカップ64内の中央壁76、底壁72、およびカップ壁70の間に画定された空間内で保持される。
図示されている実施形態では、アトマイザカップ64の両側のカップ壁70に出口溝80が形成される。出口溝80は、好ましくは、細長形状であり、アトマイザカップ64の上面74から底壁72までおよび底壁72を越える通路82を画定する。アトマイザカップ64がアトマイザケース66内に取り付けられると、出口溝80と、近傍のアトマイザケース66との間に出口通路82が画定される。
図示されている実施形態では、アトマイザカップ64は、加熱要素(図示せず)を含む。好適な実施形態では、アトマイザカップ64はセラミック材料で形成され、抵抗線などの加熱要素はセラミック内に閉じ込められる。抵抗線が通電されると、抵抗線はすぐに加熱され、それに対応してセラミックカップを加熱し、次にセラミックカップがカップ内の媒体を加熱して霧化する。図示されている実施形態では、アトマイザカップは、その中に閉じ込められた2本の抵抗線を含む。各々のアトマイザのワイヤは、底部ワイヤインターフェース84と壁ワイヤインターフェース86との間に延びる。
底部ワイヤインターフェース84およびその対応する壁ワイヤインターフェース86の一方の両端に電圧を印加することによって、抵抗線にエネルギーが供給される。より具体的には、図示されている実施形態では、底部ワイヤインターフェース84は、アトマイザカップ内に閉じ込められた抵抗線と連通する電極を備え、壁ワイヤインターフェース86は、抵抗線の反対端と連通する電気的ノードを含む。
図示されている実施形態では、底部および壁ワイヤインターフェース84,86は、電気的ノードとして示されている。他の実施形態では、インターフェースは、アトマイザカップ64から延びるワイヤを含み得ることを理解されたい。さらに別の実施形態では、アトマイザカップは、カップ内に閉じ込められない加熱要素を含み得る。例えば、カップ内のカップ壁、底面、および中央壁との間にワイヤコイルが配置され得る。
引き続き図2〜図4、さらに図6を参照すると、アトマイザカップ64は、好ましくは、アトマイザケース66に係合するようにアトマイザケース66内に取り付けられる。最も好ましくは、壁ワイヤインターフェース86は、好ましくは導電性材料で構成されたアトマイザケース66と密に係合する。アトマイザモジュール50の遠位端には、バッテリモジュール40に物理的かつ電気的に接続するためのコネクタピン88が設けられる。コネクタピン88の外側ピン部分90は、アトマイザケース66に取り付けられ、アトマイザケース66と電気的に連通している。外側ピン部分90は、好ましくは、バッテリモジュール40の近位コネクタに係合するような寸法および形状を有する。例えば、いくつかの実施形態では、外側ピン部分90は、そのようなバッテリモジュールの近位コネクタ上に螺合可能であるようにねじ式である。したがって、外側ピン部分90は、バッテリの外側(第2の)ノードと物理的および電気的に接続される。
パーソナル気化器30のコネクタ92は、アトマイザカップ64の底部ワイヤインターフェース84に係合する近位端を有する。コネクタ92は、好ましくは導電性であり、コネクタ92の内側ピン部分94がバッテリモジュール40の内側(第1の)ノードと係合するように遠位に延びる。コネクタ92を外側ピン部分90から電気的に絶縁するために、コネクタ92と外側ピン部分90との間に絶縁スリーブ96が配置される。好ましくは、気化器30がバッテリに取り付けられたときに、内側ピン部分94はバッテリの内側ノードに係合し、外側ピン部分90はバッテリの外側ノードに係合し、バッテリの内側ノードと外側ノードとは逆極性を有する。
コネクタ92の近位端は、底部ワイヤインターフェース84と係合される。したがって、電流は、コネクタ92および底部ワイヤインターフェース84を介してバッテリ40からアトマイザカップ64の加熱要素に供給される。電流は、加熱要素を通って流れた後に、壁ワイヤインターフェース86を通ってアトマイザケース66内へと流れ、アトマイザケース66から外側ピン部分90およびバッテリモジュール40の第2のノードへと流れる。したがって、バッテリモジュール40から加熱要素に電気エネルギーを供給するための回路が設けられる。
図示されているように、コネクタ92は、底部室98がアトマイザカップ64の底壁72の下方でコネクタ92の外表面とアトマイザケース66の内表面との間に画定されるように、アトマイザカップ64の直径よりも小さい直径を有する。アトマイザカップ64の出口通路82は、この底部室98と連通している。1つまたは複数の蒸気開口部99がコネクタ92内に画定され、さらにコネクタ92は蒸気管100と位置合わせされる。蒸気管100は、コネクタ蒸気開口部98を通って底部室98と連通している。蒸気管100は、アトマイザカップ中央アパーチャ78を通って延び、アトマイザカップ中央壁76によって支持される細長管である。蒸気管100の近位端は、マウスピースインターフェース101に接続され得るようにねじ式であり得る。
図5をさらに参照すると、エアフローモジュール60は、好ましくは、例えば、ねじ接続によって、アトマイザモジュール50に解放可能に接続される。したがって、使用者はエアフローモジュール60を取り外して、気化媒体Mをアトマイザカップ64に装填することができる。エアフローインサート102は、気化器の側面へと開口する一対の入口通路104を含む。送出通路106は、エアフローインサート102内の中央に画定され、両方の入口通路104と連通している。図示されているように、エアフローインサート102は、中を通って延びる蒸気管100を収容するようなサイズを有し、そのように構成された細長通路108を含む。送出通路106は、蒸気管100と細長通路108の壁との間に画定される。図示されている実施形態では、送出通路106の下流側または遠位開口部110は、送出通路106の入口通路104およびその近傍における断面積よりも小さい断面積を有する。好適な実施形態では、送出通路106の遠位開口部110は、遠位開口部110における送出通路の総断面積が、入口通路104の合計断面積よりも小さくなるようなサイズを有し、そのように構成される。したがって、空気流は、送出通路106を通って遠位に加速移動する。
遠位開口部110は、エアフローインサート102の遠位壁112を貫通して形成される。遠位壁112は、好ましくは、エアフローモジュール60の軸に対してほぼ横方向に延びる。
引き続き図2および図4〜図6を参照すると、図示されている実施形態では、エアフローインサート102は、アトマイザケーシング66の近位端に係合するようにその遠位端がねじ式である。エアフローインサート102のストッパ114は、エアフローインサート102がアトマイザケース66内の極端に遠位で挿入されないように、アトマイザケース66の近位端に係合するように構成される。このように、エアフローインサート102の遠位壁112は、接続されたときに、カップ64の上縁または近位縁74のほぼ上または近くに位置決めされ、気化室120は、アトマイザカップ64と遠位壁112との間に画定される。しかしながら、他の実施形態では、エアフローインサート102は、遠位壁112がアトマイザカップ開口部68を通って遠位に延びるように構成され得ることを理解されたい。
図示されている実施形態では、エアフローインサート102は、スロットルリング122が可動に受容される円周方向溝を有する。スロットルリング122は、入口通路104と選択的に位置合わせされる2つの入口アパーチャ124を含む。いくつかの実施形態では、スロットルリング122は、スロットルリング入口アパーチャ124と入口通路104との位置合わせの程度を変えるために、エアフローインサート102を中心として回転され得る。したがって、スロットルリング122の回転は、入口通路104への流れを選択的に制限することができる。いくつかの実施形態では、スロットルリング122はラチェット式であり得る。他の実施形態では、スロットルリングがない場合もある。
引き続き図2、図5、および図6を参照すると、上部ケースまたはマウスピースインターフェース101は、例えば、取り外し可能なねじ接続によって、または他の実施形態では、接着もしくは圧入のような永久接続によって、エアフローインサート102の近位端に取り付けられ得る。マウスピースインターフェース101は、蒸気管100の近位端と係合し、マウスピース62を支持する。マウスピース62は、蒸気管100を蒸気Vが流れ得る出口128と連通させる。
特に、図2および図6を参照すると、使用者は、操作中に、加熱要素を作動させるためにバッテリモジュール40上のボタン(図示せず)を押して、アトマイザカップ64内に配置されたワックスのような気化媒体Mを加熱する。好ましくは、媒体は、霧化するほど十分に加熱される。また、使用者はマウスピースを係合して吸引し、出口128を真空状態にする。パーソナル気化器30の外部からの周囲空気Aは、スロットル入口124を通って入口通路104内に導かれ、さらに、送出通路106内に引き込まれる。送出通路106内の空気は、遠位にカップ開口部68を通ってカップ64内に案内される。送出通路106の断面積が遠位に移動するにつれて小さくなるので、吸入空気Aは送出通路106を流れる際に加速される。加速された空気Aは気化室120内に案内され、気化室120において、空気Aは加熱要素によって加熱されて霧化されている媒体Mと接触し、および/または混合される。霧化された媒体Mは、空気Aと混合され、空気Aに混入されて、蒸気Vを生成する。
図示されている実施形態に示されているように、加速された周囲空気Aは、送出通路106によって、アトマイザカップ64の中央壁76またはその近傍へと遠位方向に案内される。加速された空気Aがカップ64および/または気化媒体Mに接触すると、流れは少なくとも部分的に乱流状態になる。また、使用者がマウスピース62を吸引することにより生成された真空は、出口溝80を通って出口溝80へと空気を導く。しかし、気化室120内の空気流は、送出通路106を出た後に比較的減速する。さらに、空気流路は、出口壁80に到達するように、中央壁76から半径方向外側に延び、さらにアトマイザカップ64の上面または近位面74の近位に延びる。したがって、空気流路は、気化室120内で劇的な方向変化を含み、気化室を通るかなり長い流路をたどる。図示されている実施形態では、空気流は、送出通路106を出ると約90°以上方向を変え、出口溝80の近位に延びるようにさらに約90°方向を変える。したがって、空気流路は気化室120内で約180°方向を変える。乱流、流れの180°方向変化による減速、および比較的長い流路のような要因はそれぞれ、空気Aが気化室120内の霧化された気化媒体Mと接触する期間を延長させるのに寄与する。このように接触が延長されることにより、霧化された媒体がより多く空気に混入され、その結果、従来技術のパーソナル気化器よりも高濃度で質の高い蒸気Vが生成される。
蒸気Vは、気化室120の近位に引き込まれ、カップ64の近位面74を越えて出口溝80に引き込まれ、出口溝80から遠位に引き込まれ、アトマイザカップ64を通過して、アトマイザカップ64の遠位に画定された底部室98内へと引き込まれる。底部室98内の蒸気Vは、コネクタ92の蒸気開口部99を通って流れ、蒸気管100内に引き込まれ、蒸気管100を通ってマウスピース62の近位に流れ、マウスピース出口128から流出する。
次に図7を参照すると、別の実施形態が概略的に示されている。この実施形態では、エアフローインサート130がケーシング132に螺合される。エアフローインサート130は、略細長形状であり、近位壁134から遠位壁136まで延びる。入口通路138は、エアフローインサート130の側面を通って開口し、エアフローインサート130内のほぼ中央にまたは軸方向に位置決めされた送出通路140に周囲空気Aを連通させる。図示されているように、送出通路140は、そこを通って遠位に流れる空気を加速させるようにテーパー状であり、送出先端部146に画定された遠位開口部144で終端する。気化室142は、アトマイザカップ150とエアフローインサート130の遠位壁136との間に画定される。ワックスのような気化媒体Mは、アトマイザカップ150内に配置されて、アトマイザカップ150の加熱要素によって気化され得る。
引き続き図7を参照すると、図示されている実施形態では、送出先端部146は、エアフローインサート130の遠位壁136から遠位に延びる。したがって、送出通路140の遠位開口部144は、遠位壁136の遠位にある。図示されているように、気化室142内へと加速された吸入空気Aは、霧化されているワックスM内に流入して通過し、霧化されたワックスが吸入空気Aに混入されて、蒸気Vを形成する。好ましくは、出口通路152は、エアフローインサート130を貫通して形成され、気化室142からの蒸気Vは出口通路152を通って近位に流れ得、好ましくは最終的にマウスピースおよび出口(図示せず)へと案内される。好ましくは、出口通路開口部153は、エアフローインサート130の遠位壁を貫通して形成され、吸入空気が気化室142内の半径方向外側に、その注入点から出口点まで流れなければならないように位置決めされ、霧化されたワックスの空気への混入が多くなり、蒸気の質を向上させる。さらに、図示されているように、図示されている実施形態における空気注入点(遠位開口部144、送出通路140)は、出口通路開口部153の遠位にある。さらに、図示されているように、流路は気化室144内で180°の方向転換を含む。
図示されている実施形態では、例えば、ケーシング132内でインサート130をねじ式に回転させることによって、エアフローインサート130のカップ150に対する位置が調節され得る。例えば、エアフローインサート130は、図7に示されているように、その位置からケーシング132内でさらに遠位にまたは近位に螺進され得る。エアフローインサート130は、さらに遠位にねじ込まれる場合、インサート130の停止面154がアトマイザカップ150の上面または近位面154に係合するまで遠位に前進され得る。このような位置では、送出通路140の遠位開口部144は、アトマイザカップ150内に配置されたワックス媒体の最上部の十分下に配置される。したがって、加速された吸入空気Aは、霧化されているワックスMの中に直接注入される。さらに、エアフローインサート130を遠位に移動させると、インサート130の遠位壁136は、アトマイザカップ150のかなり近くに位置決めされ、蒸気の質にも影響を及ぼし得る比較的小さな気化室142を効果的に形成する。このことにより、使用者は、ケーシング132に対するエアフローインサート130の位置を調節することによって、気化室142の容積および気化室142内の周囲空気注入の位置をカスタマイズすることができる。
図示されている実施形態では、入口開口部158は、エアフローインサート130の入口通路138と位置合わせするように、ケーシング132を貫通して形成される。しかしながら、好ましくは、入口開口部158の直径、または少なくとも入口開口部158の最近位縁と最遠位縁との間の距離は、入口通路138の直径よりも大きく、そのため、入口通路138は、ケーシング132に対してエアフローインサート130が前進する範囲にわたってケーシング132によって遮られない。
次に図8を参照すると、さらに別の実施形態が概略的に示されている。この実施形態では、エアフローインサート160は、ケーシング166の入口アパーチャ164と位置合わせされた側面開口部162を有する。側面開口部162は、アトマイザカップ180の第1の側面174において側壁172とほぼ位置合わせされた遠位開口部170を有するテーパー状の送出通路168に通じている。出口溝または通路182は、送出通路開口部170に対向するカップ180の第2の側面184にアトマイザカップ180を貫通して画定される。図示されている実施形態では、エアフローインサート160の遠位壁186は、アトマイザカップ180の上縁または近位縁188の遠位にある。気化室190は、カップ180とインサート160の遠位壁186との間に画定される。
引き続き図8を参照すると、周囲空気Aは、側面開口162を通って引き込まれ、送出通路168を通ってアトマイザカップ180内の気化室190の第1の側面174へと遠位に加速される。加速された空気Aは、アトマイザカップ180および/または気化媒体Mと接触すると、方向転換され、少なくとも部分的に乱流になる。また、空気流は、送出通路168の遠位開口部170よりも遙かに大きい断面積を有する気化室190内で実質的に減速する。使用者がマウスピースを吸い込むことによって真空状態にすることで、空気は気化室190の第1の側面174から第2の側面184の出口溝182へと導かれる。空気Aは、気化室190を通って流れるときに、霧化されたワックス媒体Mを通って流れ、ワックス媒体Mは空気に混入されて質の高い蒸気Vを生成する。蒸気Vは、カップ180の上縁188上の近位に流れ、次いで出口溝182を通ってアトマイザカップ180の遠位の底部蒸気室192まで遠位に流れる。次いで、蒸気は蒸気管194に入り、蒸気管194は蒸気を出口に向けて近位まで案内する。
次に図9を参照すると、さらに別の実施形態が概略的に示されており、この実施形態は、いくつかの他の実施形態と同様の構造を共有している。この実施形態では、エアフローインサート160は、ケーシング166の入口アパーチャ164と位置合わせされた側面開口部162を有する。側面開口部162は、アトマイザカップ180の第1の側面174において側壁172とほぼ位置合わせされた遠位開口部170を有するテーパー状の送出通路168に通じている。出口通路196は、インサート160内に画定され、送出通路開口部170に対向するカップ180の第2の側面184またはその近傍に配置される。図示されている実施形態では、エアフローインサート160の遠位壁186は、第1の側面174の近傍のアトマイザカップ180の上縁または近位縁188の遠位にあるが、遠位壁186は第2の側面184に向かって移動するにつれてテーパー状になっている。気化室190は、カップ180とインサート160の遠位壁186との間に画定される。テーパー状の遠位壁186により、気化室190の断面積は、第1の側面174から第2の側面184へと移動するにつれて大きくなる。
引き続き図9を参照すると、周囲空気Aは、側面開口162を通って引き込まれ、送出通路168を通って、アトマイザカップ180内の気化室190の第1の側面174へと遠位に加速される。加速された空気Aは、アトマイザカップ180および/または気化媒体Mと接触すると、方向転換され、少なくとも部分的に乱流になる。また、空気流は、送出通路168の遠位開口部170よりも遙かに大きい断面積を有する気化室190内で実質的に減速する。使用者がマウスピースを吸い込むことによって真空状態にすることで、空気は気化室190の第1の側面174から第2の側面184の出口溝182へと導かれる。空気Aは、気化室190を通って流れるときに、霧化されたワックス媒体Mを通って流れ、ワックス媒体Mは空気に混入されて質の高い蒸気Vを生成する。気化室190の断面積が第1の側面174から第2の側面184に移動するにつれて大きくなるので、気流はさらに減速され、媒体Mがより十分に空気Aに混入されることになる。蒸気Vは、気化室190を通過した後、出口に向かって出口通路196を通って近位に導かれる。
次に図10〜図22を参照すると、パーソナル気化器200の別の実施形態は、近位端202、遠位端204、アトマイザモジュール210、フローモジュール220、およびマウスピースモジュール222を有する。アトマイザモジュール210は、バッテリに選択的に取り付け可能であり、気化媒体を霧化するように構成される。アトマイザモジュール210内では、霧化された媒体が空気と混合されて蒸気を生成する。フローモジュール220は、アトマイザモジュール210の近位端に選択的に取り付け可能である。フローモジュール220は周囲空気を吸入し、アトマイザモジュール210に空気を送出し、アトマイザモジュールから蒸気を受け取って、蒸気をマウスピースモジュール222に伝達する。マウスピースモジュール222は、フローモジュール220の近位端に取り付けられ、フローモジュールから蒸気を受け取って、蒸気を使用者の口の中に案内するように構成される。いくつかの実施形態では、マウスピースモジュールの全てまたは一部は、フローモジュールに組み込まれ得る。
特に図11〜図15を参照すると、図示されているアトマイザモジュール210は、アトマイザケーシング232内に嵌合するアトマイザカップ230を備える。コネクタピン234および絶縁スリーブ236もカップ230の遠位のケーシング232内に嵌合し、加熱要素240はアトマイザカップ230内に嵌合する。図示されている実施形態では、スペーサリング242がカップ230の近位のケーシング232内に嵌合する。
アトマイザカップ230は、横断壁244と、上縁または近位縁248および底縁または遠位縁250を有する円周方向側壁246とを含む。カップ開口部252は、カップ側壁246の近位縁248の近傍に画定される。アトマイザカップ230は、ワックスのような気化媒体Mを受容するように構成される。第1および第2のアパーチャ254,256は、横断壁244を貫通して形成される。横断壁244の近位側面には、加熱要素シート258が形成される。同様に、横断壁244の遠位側面には、遠位凹部260が形成される。したがって、側壁246の円周方向の遠位縁250は、横断壁244の遠位凹部260を取り囲む。溝262は、側壁246を貫通して形成され、第1のアパーチャ254と位置合わせされる。
特に図13および図14を参照すると、図示されている加熱要素240は、中に抵抗線が閉じ込められたセラミックディスクを備える。第1および第2のノード264,266は、閉じ込められた抵抗線の対向する端部との電気的接触を可能にするために、セラミックディスクから延びる。好ましくは、第1のワイヤ268は、第1のノード264にはんだ付けされる、または他の方法で取り付けられ、第2のワイヤ269は、第2のノード266にはんだ付けされる、または他の方法で取り付けられる。図13および図14に最もよく示されているように、製造時に、加熱要素240は、カップ開口部252を通って前進され、加熱要素シート258内に配置される。第1および第2のワイヤ268,269は、第1および第2のアパーチャ254,256をそれぞれ通って延びる。第1のワイヤ268は、好ましくは、側壁246の半径方向外側に延びるように、溝262を通って溝262に嵌合するように形成される。第2のワイヤ269は、好ましくは、半径方向内側に曲げられ、横断壁244の近傍に嵌合する。
特に図11および図15を参照すると、図示されている実施形態では、コネクタピン234は、好ましくは、細長形状であり、金属のような導電性材料で形成される。コネクタピン234のリング部分270は、コネクタ234の他の部分に比べて大きい直径を有する。絶縁スリーブ236は、好ましくは、非導電性であり、コネクタ234およびそのリング部分270と相補的形状である。製造時に、好ましくは、絶縁スリーブ236はコネクタピン234と係合され、コネクタおよびスリーブは、スリーブおよびコネクタがケーシング232内に画定されたコネクタ座部272に受容されるようにアトマイザケーシング232内へと前進される。図示されているように、コネクタピン234は、ケーシング232から離間されるか、絶縁スリーブ236によって電気的に絶縁される。図示されている実施形態では、コネクタピン234は、ケーシング/パーソナル気化器200の遠位端202の遠位に延びる。好ましくは、遠位端202は、コネクタピン234およびケーシング232が逆極性を有するバッテリノードに係合するように、典型的なバッテリのマウントボスに取り付けられるように構成される。
コネクタピン234が適所に配置されると、組み立てられたアトマイザカップ230および加熱要素240は、ケーシング232内へと前進され、そのことによりカップ側壁246の遠位縁250はケーシング232上の段部274と係合する。この位置において、アトマイザカップ230は、コネクタピン234の近傍にあるので、第2のワイヤ269はコネクタピン234と横断壁との間に挟まれるが、第1のワイヤ268はアトマイザカップ側壁246とケーシング232との間に挟まれ、コネクタピン234と接触しない。したがって、第2のワイヤ269は、コネクタピン234に電気的に接続されているが、第1のワイヤ268は、ケーシング232(図示されている実施形態では導電性材料で形成されている)に電気的に接続される。この構成では、バッテリからコネクタピン234および第2のワイヤ269を通って加熱要素240までの電流経路が画定され、加熱要素240において、電流経路が抵抗線を通電して熱を発生させる。電流は、加熱要素240から第1のワイヤ268へ、さらにケーシング232へと流れ、電流はケーシング232からバッテリに戻る。
引き続き図15を参照すると、スペーサリング242は、好ましくは、ケーシング232内のアトマイザカップ230の上に配置される。いくつかの実施形態では、スペーサリング242は、ケーシング内に圧入される、または他の方法で配置され、ケーシング内のカップおよび他の構成要素の位置を維持するのを助ける。他の実施形態では、このようなスペーサリングを使用しない場合がある。
次に、図10、図11、および図16〜図18を参照すると、フローモジュール220は、フロー本体280の側面を通って開口し、フロー本体280内で気化器200の軸に沿って画定された入口中央空間284へと通じる複数の入口通路282を有する細長フロー本体280を備える。入口中央空間284は、受容部286を含む。フロー本体280の遠位端は、アトマイザケーシング232の近位のねじ山に係合するように構成された雌ねじ開口部288を画定する。さらに、フロー本体280内に、複数の出口通路290が形成される。出口通路290は、軸から半径方向に離間しているが、略軸方向に延び、入口通路282と交差しない。したがって、出口通路290は、開口部288をフロー本体290内に形成された近位マウスピース受容部292と連通させる。
さらに図19および図20を参照すると、細長フローディレクタ300は、入口中央空間284の受容部286内に受容されるように構成された段状近位端302を含む。図示されている実施形態では、フローディレクタ300は受容部286内に圧入される。他の実施形態では、フローディレクタは、フロー本体にねじ込まれる、接着される、または他の方法で接続され得る。送出通路304は、フローディレクタ300内に画定され、近位端302から遠位壁312を貫通して形成された下流側開口部310まで延びる。送出通路304は、入口中央空間284と連通し、気化器200の軸に沿って延びる。1対のタブ320は、フローディレクタ300の遠位壁312から遠位に延びる。図示されている実施形態では、タブ320の一方は、タブ320が下流側開口部310を跨ぐように、送出通路304の下流側開口部310の両側に配置される。図示されている実施形態では、各タブ320は、略三角形の断面を有し、鋭角の遠位端322で終端する。
図示されている実施形態では、送出通路304の上流側部分324は、送出通路304の下流側部分326よりも大きな直径を有する。いくつかの実施形態では、送出通路の上流側部分324の断面積は、入口通路282の合計の断面積とほぼ同じである。しかしながら、送出通路304の下流側部分326の断面積は、入口通路282の合計の断面積よりも実質的に小さい。
図11および図22をさらに参照すると、マウスピース基部330はマウスピース受容部292内に受容され、封止Oリング332の助けにより、マウスピース受容部292内に封止固定される。マウスピース334は、マウスピース基部330内に受容されて保持される。 マウスピースは、出口336を画定する。
図21を特に参照すると、フローモジュール220およびマウスピースモジュール222は、組み立てられたときに、アトマイザモジュール210から容易に取り外し可能なフローアセンブリを備える。図示されているように、フローディレクタ300、特にフローディレクタタブ320は、フロー本体280から外側に遠位に延びる。したがって、使用者は、アトマイザモジュールからフローアセンブリを切り離して、掬い上げ動作によって、スプーンのような外部手段またはユーザ自身の指を使用せずに、タブ320上にワックスのような媒体Mを塗布することができる。その後、フローアセンブリは、フロー本体をアトマイザケーシング上に螺合することによって、アトマイザモジュールに再び取り付けられ得る。
次に、図22を参照すると、フローディレクタ300およびアトマイザカップ230は、好ましくは、図示されているように組み立てられたときに、タブ320の遠位縁322が、アトマイザカップ230内の加熱要素240のすぐ近くに位置するように構成される。このようにして、タブ320で掬い上げられた媒体Mは、加熱要素240に直接近接して、加熱要素により霧化するための主要位置に配置される。また、フローディレクタ300の外径は、アトマイザカップ230の内径よりも小さく、そのことにより、出口空間340がフローディレクタ300とアトマイザカップ側壁246との間に画定される。気化室342は、フローディレクタ遠位壁312と加熱要素240との間に画定される。したがって、図示されている実施形態では、下流側開口部310は、気化器200の軸に沿って気化室342の中央へと開口し、出口空間340は気化室342の半径方向最外部と位置合わせされる。
引き続き図22を参照すると、使用者は、使用中に、加熱要素240への電流の送出を始動して、媒体Mを霧化し、さらにマウスピース334から息を吸い込む。その結果、周囲空気Aは、入口通路282内に流入し、入口通路282を通って入口中央空間284へと流入し、入口中央空間284から送出通路304内に送出通路304を通って流入する。送出通路304の下流側部分326の断面積が小さいために、吸入空気Aは、送出通路304を通って移動するときに、著しく加速される。また、タブ320が下流側開口部310を跨ぐので、この加速された吸入空気Aは、加熱要素240によって同時に霧化されている気化媒体Mに直接衝突する。
媒体Mおよび/または加熱要素240との接触により方向転換されるため、加速された空気Aは気化室342に流入した直後に乱流になる傾向がある。また、空気流は、気化室342内に流入した後に実質的に減速し、気化室342は、下流側開口部310のフロー断面積よりもはるかに大きいフロー断面積を有する。さらに、このような空気Aは気化室342の外縁に対して半径方向外側に引き込まれ、その間に、霧化された媒体Mは空気Aに混入されて、質の高い蒸気Vを生成する。次に、蒸気Vは、出口空間340を通って近位に引き込まれ、さらにフロー本体280の出口通路290を通ってマウスピース受容部292の近位まで引き込まれ、マウスピース受容部292からマウスピース334を通ってマウスピース出口336から出て使用者の口に引き込まれる。
図示されているように、そして本明細書に開示されている他の実施形態のように、吸入空気Aは、気化室342内へと加速される。気化室内では、吸入空気は劇的な方向変化を有する流路をたどる。例えば、気化室342内の下流側開口部310から出口空間340へと流入する流路は、180°方向を変える。また、流路速度は、気化室342内で実質的に遅くなる。
本明細書に開示されている実施形態は、略円形断面を有するように示されている。しかしながら、他の実施形態が本明細書に記載されている概念および態様を採用するが、異なる断面形状を有し得ることは理解されたい。例えば、正方形または長方形の断面形状を有する気化器は、本明細書に開示されている実施形態に記載される態様を有利に採用し得る。
上述の実施形態は、実質的な特殊性を有する構造を開示している。このことは、本発明の主題を開示し、説明するための十分な状況を作り出している。しかしながら、他の実施形態が異なる特定の構造的形状および相互作用を採用してよく、上述の実施形態で説明されている態様の様々な組み合わせを採用してよいことは理解されたい。
本発明の主題は、特定の好適なまたは図示されている実施形態および実施例に関して開示されているが、本発明の主題は、具体的に開示されている実施形態の範囲を超えて、本発明の他の代替形態および/または本発明ならびに本発明の明らかな修正形態および均等物の使用に及ぶことは当業者によって理解されるであろう。さらに、開示されている実施形態のいくつかの変形形態が示されており、詳細に説明されているが、本発明の主題の範囲内にある他の修正形態は、この開示に基づいて当業者に容易に明らかになるであろう。さらに、開示されている実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分的組み合わせが作成され得、それでもなお本発明の主題の範囲内であり得ることが考えられる。例えば、図22のタブの構造または類似の構造は、図1〜図6、図7、図8および図9に関連して説明されているような実施形態で使用され得、図10〜図22に関連して説明されている実施形態は、他の実施形態に関連して説明されている1つまたは複数の態様を組み込むように修正され得る。したがって、開示されている本発明の主題の様々な形態を形成するために、開示されている実施形態の様々な特徴および態様が互いに組み合わされ、または互いに置き換えられ得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示されている本発明の主題の範囲は、上述の特定の開示されている実施形態によって限定されるべきではなく、以下の請求項を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。