以下は、本発明の様々な実施形態で使用される用語の定義である。
本明細書で使用される「データベース」という用語は、データ及び情報を記憶し、検索し、更新し、操作できるように、且つ、テーブル形式など1つ又は複数のフォーマットで表し、又は、テキスト、数値、画像、及び、音声データにグループ化できるようにするようなやり方で構成されたデータ及び情報の集まりを指す。データベースは通常、様々なタイプの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリを含むコンピュータメモリに存在する。本明細書で使用される「データベース」はまた、ローカルに存在するか、又は遠隔地、たとえば遠隔のネットワークサーバからアクセスされる従来型のデータベースを指す。本明細書で使用される「データベース」はまた、より大規模なデータベースのセグメントすなわち一部分を指すことができ、この場合、データベース内の一種のデータベースを構成する。データベースが存在するメモリは、磁気ディスク記憶装置、光学式記憶装置、及び、フラッシュメモリといった、高速ランダムアクセスメモリ、又は、不揮発性メモリを含む。データベースが存在するメモリはまた、データベースに受信され記憶されたデータを処理し、構成するための1つ又は複数のソフトウェアを含む。
本明細書で使用される「分析する」という用語は、患者の健康関連データなどのデータの正確さ、又は、誤りのないことを確認すること又は立証することを含む、分析すること、検索すること、表示すること、処理すること、及び、比較することを総称的に指す。
本明細書で使用される「有効性」という用語は、「有効性」という用語が、患者の病状を改善する薬物の能力に関して使用される場合には薬効を指す。「有効性」という用語はまた、特定の薬物投与スケジュールなどのプロセス、手順、又は、システムが、患者の病状の改善をもたらす程度を示す。
本明細書で使用される「測定モード」という用語は、医療機器によって実施される測定のタイプ、及び、その医療機器を使用して測定された1つ又は複数の特定の医療機器パラメータを含む、健康関連データを入手するために使用された医療機器の識別子を含むデータ又は情報を指す。測定モードはまた、医療機器によって健康関連データを入手するための1つ又は複数の測定値又はモニタリングプロトコルに従って、手動又は自動的に定義又はセットされる、1つ又は複数の測定スケジュールを含む。たとえば、発熱と診断された患者は、患者の測定体温が38℃以上となる場合は、鎮痛剤を飲むように求められる。体温モニタリングシステムは、熱が引くまで30分ごとに患者の体温読み取りを行う。プログラムされたスケジュールは通常、患者のニーズ及びモニタリング対象の病気の重篤度に応じて変わる。
本明細書で使用される「医療パラメータ」という用語は、医療機器又はセンサが検出し、測定し、入手し、処理し、分析し、若しくは、別の機器に送信する、量、パラメータ、変数、又は、データを指す。
本発明は、患者のデータベースから静脈内ポンプユニットを介して、患者の病歴、家族の病歴、どのようなものであれ既往の疾患、知られたアレルギ、現在の患者の状態、診断結果、及び、患者に投与される1つ又は複数の薬物に関する情報を含む、患者データ及び情報を含む患者データを検索するステップと、静脈内ポンプユニットインタフェース上に検索された患者データを表示するステップと、パルスオキシメトリデータを患者から入手するステップと、パルスオキシメトリデータ、患者の病歴、患者の状態、診断結果、及び、1つ又は複数の薬物に関する情報を使用して薬物投与スケジュールを決定するステップと、少なくとも1つの薬物を投与後に、患者に投与された1つ又は複数の薬物の1つ又は複数の観察された効果を静脈内(IV)ポンプユニットインタフェースを介して入力するステップと、少なくとも1つのデータベースに記憶された患者のデータを更新するステップとを有する、パルスオキシメトリ統合静脈内輸液システムを使用して薬物投与をスケジューリングする方法に関する。
患者の病歴、状態、診断結果、並びに、薬物動態、バイオアベイラビリティ、推奨用量、知られた副作用、及び、禁忌といった知られた薬物関連情報に関する様々なデータ及び情報を、1つ又は複数の測定モードと共に使用して、薬物投与スケジュールを決定するのが好ましい。1つ又は複数の測定モードは、医療機器によって実施される測定のタイプ、及び、医療機器を使用して測定された1つ又は複数の特定の医療機器パラメータを含む、健康関連データを入手するために使用される医療機器の識別子を含む。測定モードはまた、IVポンプユニットに取り付けられた少なくとも1つの医療機器により健康関連データを入手するための、1つ又は複数の測定値又はモニタリングプロトコルに従って、手動又は自動的に定義又はセットされた、1つ又は複数の医療パラメータ測定スケジュールを含む。患者関連及び薬物関連の情報及びデータは、IVポンプユニットに手動で入力され、又は、ポンプユニットに接続された1つ又は複数のネットワークサーバから、自動的にIVポンプユニットにアップロードされる。
本発明の一実施形態において、IVポンプユニットは、無線又は有線接続により、クラウド操作/検索するためにインターネットを介して1つ又は複数のネットワークサーバデータベースにアクセスし、患者に対する最良の薬物投与スケジュールを決定する際に使用するために、患者関連及び薬物関連のデータ及び情報をIVポンプユニットにダウンロードする。IVポンプユニットは、1つ又は複数の薬物を患者に投与するための静脈内薬物投与システム、患者治療プロトコルの一部として1つ又は複数の薬物の投与を制御するための制御器、1つ又は複数のディスプレイ、グラフィカルユニットインタフェース、処理し、薬物投与をスケジューリングし、薬物投与を制御しモニタリングするための少なくとも1つのソフトウェア、オペレーティングシステム、1つ又は複数のプロセッサ、キーボード又はマウスといった1つ又は複数の入力装置、データを記憶するための1つ又は複数のメモリモジュール、他の装置及びクラウド/インターネットへの無線又は有線接続性を備えるのが好ましい。
本発明の1つの好ましい実施形態において、1つ又は複数のIVポンプラインが患者に接続されている。複数のIVラインの使用は、投与される2つ以上の薬物に関するいかなる有害な薬物相互作用をも最小にするために2つ以上の薬物の同時の薬物投与を避けるべきとき、又は、個々の薬物の最適な薬物投与スケジュールが異なるとき、たとえば、一方の薬物は朝早くの投与のスケジューリングが必要であるが、他方の薬物は患者の就寝予定時間の直前に投与する必要があるときなど、患者を異なる時間間隔で2つ以上の薬物を用いて治療する必要がある状況において特に有用である。この実施形態はまた、患者に投与する必要がある2つ以上の薬物が、異なる薬物担体又は溶媒中で異なる溶解度を有するとき、たとえば、一方の薬物は水溶性であるが他方の薬物は油溶性であり、したがって、薬物担体として少なくとも2つの異なる溶媒又は溶液、及び、少なくとも2つの異なるIVラインの使用が必要となるとき、特に好ましい。好ましい一実施形態において、1つの主IVラインを1つ又は複数のIVラインに接続することができる。この実施形態は、接続されたIVラインを通して投与された薬物が、同一の溶媒又は溶液中で同一又は類似した溶解度を有する場合、及び、個々のラインからの2つ以上の薬物を同時に速やかに、又はある時間にわたって患者に投与する必要がある場合に有用である。1つ又は複数の追加のIVラインにも接続された単一の主IVラインを有することは、患者に直接接続された唯一の主IVラインを使用して、2つ以上の薬物を投与できる点で特に好都合である。
複数のIVラインは、特定の患者に対して様々な投与ルートが必要となる場合に必須となる。本発明に従って使用される異なる投与ルートの様々な例としては、動脈内(動脈内に入れて、たとえば、血管痙攣の治療に血管拡張剤、塞栓症の治療に血栓溶解剤を使用)、経皮又は局所(皮膚に塗布、典型的な局所麻酔に使用可能)、皮内(皮膚自体の中へ入れて、たとえば、結核検査)、筋肉内(筋肉内に入れて、多くのワクチン、抗生物質、及び長期の向精神剤と共に使用)、腹腔内(腹膜内に注入又は注射、たとえば腹膜透析)、髄腔内(脊柱管内に入れて、脊椎麻酔及び化学療法に最も一般的に使用)、子宮内、静脈内(静脈内に入れて、多くの薬物と共に、完全静脈栄養に使用可能)、膀胱内注入(膀胱内に入れて)、及び、皮下(皮膚下、たとえばインスリン投与)が挙げられる。
IVポンプユニットは、たとえば、患者が薬物に対していかに反応するかに応じて、薬物を投与するのに使用される流速を変更できることが好ましい。このことは、最初は患者が薬物に対していかに反応するのか不確かなため、患者が初めて特定の薬物又は薬物群を投与されている場合には特に有用である。ある患者に対する薬物投与スケジュールを決定するとき、ある年齢、性別、体重、及び民族的出自の患者に対する知られた最適な投薬量といった他のパラメータと共に、流速を考慮に入れることにより、患者に対して投与されている少なくとも1つの薬物の効能を高めるために、フローすなわち薬物投与速度も変更されることが好ましい。たとえば、治療プロトコルは、患者の状態が改善の兆候をみせたとき、治療期間にわたって薬物の流速を徐々に減少させるように薬物投与スケジュールをセットするように設計される。
本発明の好ましい実施形態において、権限ある医療関係者は、患者の名前/口座番号を入力するステップ、薬物注文を患者のプロフィールと詳細に比較するステップ、薬物を入力するステップ、服用量を検討するステップ、薬物は満腹時又は空腹時のどちらに投与すべきか、及び、代替物は可能か可能でないか指示するステップ、処方者名を入力するステップ、以前のパルスオキシメトリデータを調査するステップ、たとえば、患者の状態は治療期間中に改善しつつある、又は、患者は1つ若しくは複数の副作用を体験しているといった、ある期間にわたって投与された薬物への記録された患者の反応を調査するステップ、検討されたデータ及び情報に基づいて薬物投与スケジュールを変更するステップ、改訂された薬物投与スケジュールを入力するステップ、並びに、診療コメント欄に任意のコメント又は勧告を記入するステップ、のうちの1つ又は複数のステップを、薬物投与スケジュールを検討又は決定する際に実施する。
医療関係者は、好ましくはIVポンプユニットを使用して、以下の1つ又は複数の目的のために、入手されたデータを分析する。すなわち、患者の状態を診断することと、患者の状態の何らかの改善の兆候を判断することと、異常又は疾患の何らかの兆候を求めて調査されたデータ中の何らかの異常な特徴を検出することと、処方された治療は効果があるかどうか判定することと、薬物用量又は投与のやり方は変更すべきかどうか判定することと、患者は1人又は複数人の専門家に見てもらうべきかどうか判定することと、治療を終了すべきかどうか判定することと、現在の薬物投与スケジュールを変更すべきかどうか判定することと、である。医療関係者が患者のデータ分析を完了すると、患者関連及び薬物関連情報、並びに、1つ又は複数の医療機器又はセンサによって測定されたデータを含む、入手された生データ及び処理データは、最初にIVポンプユニットのメモリに記憶されるのが好ましい。場合によっては、入手されたデータは続いて、1つ又は複数の病院ネットワークのデータベースに送信され、記憶される。
主治医も、ポンプユニットのインタフェースを介してIVポンプユニットに、投与指図(「服用」、「挿入」、「塗布」)、1服用量/投薬量形態を構成する単位量、投与ルート、頻度、該当する場合の継続期間(「5日間」、「なくなるまで」)、該当する場合の適応症(たとえば、「感染用」、「血圧用」)を含む、薬物投与に関する指示を入力するのが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、薬物投与スケジュールは、薬物耐性、年齢、体の大きさ、薬物投与ルート、性別、知られたアレルギ、家族の病歴、一定の薬物に対する患者の知られた反応、妊娠、授乳、知られた遺伝因子又は遺伝性素因、病状、環境要因、心理的要因、薬物のイオン化度、薬物の脂溶性、薬物の副作用、及び、治療プロトコルで使用される2つ以上の薬物に関する任意の知られた薬物相互作用を含む、1つ又は複数のパラメータに基づいて決定される。たとえば、患者が授乳期間中の母親である場合、薬物は好ましくは、授乳後30分から1時間の間、又は次の授乳の3〜4時間前に投与されなければならない。多くの場合、これにより、乳児による薬物摂取を防止するために母親の血液から薬物を除去することが可能となる。
いくつかの場合において、薬物投与は1日当たり、1回のみ、2回、又は3回と実施される。病院においては、標準的な薬物投与時間は概ね決められている。こうした薬物投与時間は、病院の方針又は薬物治療プロトコルによって決められていることが多い。こうした方針及びプロトコルは、たとえば、毎日午前9時、1日2回午前9時と午後5時、8時間ごと午前6時、午後2時及び午後10時といった、一般的な投薬頻度の時間を明確に定めている。標準的な薬物投与スケジュールは通常また、治療結果、看護及び調剤効率、又は、いかに十分にサービスを調整するかを含む、他の要因によって決定される。さらに、多くの病院及び薬局は通常、適切な投与時間はいつか不確かなとき、医療関係者が参照することができる文書を有している。こうした時間は通常、薬局の患者のプロフィール、医薬のラベル、及び医薬投与記録で医療関係者に中継される。
本発明の好ましい実施形態において、薬物は、治療プロトコルで使用される1つ又は複数の薬物のための、決定された最適な薬物投与スケジュールに応じて、時差式の時間間隔にわたって投与される。最適な薬物投与を達成するために薬物投与時間が調節されるだけでなく、薬物の流量及び薬物投与すなわち投与される薬物の量も、治療プロトコルに対する観察された患者の反応に基づく、対応する薬効の観察された上昇又は低下に応じて、変更されることが好ましい。
たとえば、患者に関するデータ、治療のやり方、及び、薬物は、権限ある医療関係者により、IVポンプユニットにそのグラフィカルユニットインタフェースを介して直接入力される。一実施形態において、医療専門家は、IVポンプユニットのセキュリティプロトコルによって認証された後で、患者、薬物、投与のルートといった治療のやり方、投薬などについての様々な知られた情報にログインする。次いで、こうしたデータは、入手された患者のパルスオキシメータデータと組み合わされて、患者の薬物投与スケジュールを最適化する。
本発明の好ましい実施形態において、ある薬物の最適な薬物投与のタイミングについての情報及びデータは、すでに知られている。この知識を使用して、権限ある者は、ある薬物の知られた最適な薬物投与スケジュールを使用するだけで、その薬物に対する患者の反応を、たとえば、24時間にわたって2〜3時間ごとにモニタリングしながら、患者の実際の薬物投与スケジュールを決定することができる。薬物投与タイミングの最適化をさらに進めるために、パルスオキシメータデータがモニタリング期間中に入手され、治療プロトコルへの観察された患者の反応に基づいて、翌日の薬物投与スケジュールを変更するために使用されるのが好ましい。たとえば、夜に投与されると最大の効能を有するとして知られるスケジューリングされた薬物投与は、薬物が夜中の12時ごろ及び午前2時ごろといった一定の時間に投与されると、患者の通常の水準を外れて、患者の脈拍数又はSpO2レベルを増加又は減少させることがわかっている。したがって、翌日の薬物投与スケジュールは、薬物が夜中の12時及び午前2時を除く時間に投与されるように変更される。
別の実施形態において、薬物投与のスケジューリングは、パルスオキシメトリデータ、及び、2つ以上の薬物間の少なくとも1つの知られた相乗効果に基づいて決定される。この場合、最適の薬物投与スケジュールは、入手されたパルスオキシメトリデータ、各薬物の最大の薬効のための個々の知られた最適な薬物投与、及び、患者の治療プロトコルの一部としての2つ以上の薬物の組合せから生じる知られた相乗効果に基づいて計画される。本発明の極めて好ましい実施形態において、選択された薬物投与スケジュールはまた、その選択された薬物投与スケジュールが、パルスオキシメトリデータ、各薬物の最大の薬効のための個々の知られた最適な薬物投与、及び、患者の治療プロトコルの一部としての2つ以上の薬物の組合せから生じる知られた相乗効果にも基づいているのに加えて、各薬物からのいかなる有害な副作用も、又は、2つ以上の薬物の投与から生じるいかなる有害な薬物相互作用も最小化するように計画されている。
本発明の極めて好ましい実施形態において、1つ又は複数の病状を患っている患者のために最適な薬物投与スケジュールを決定するための方法は、患者の状態を治療プロトコルの継続期間にわたって自動的にモニタリングできるようにする自動モニタリングシステムと連携して使用し、治療に対する患者の反応を判定する。したがって、本発明の一実施形態において、薬物投与に使用されるIVポンプユニットは、パルスオキシメータだけでなく、患者の体温、心臓リズム、及び血圧など様々な医療パラメータを測定又はモニタリングするための、他の又は同一の、センサ又は装置にも接続される。また、こうしたパラメータは、薬物投与スケジュールを作成するためにも使用される。本発明の別の実施形態において、パルスオキシメータと組み合わされたIVポンプユニットは、主制御器と接続されており、そこでは、その主制御器も1つ又は複数の医療機器又は生理学的センサに接続される。この例においては、主制御器は、IVポンプユニット並びに他の医療機器及びセンサから、単独にデータを受信する。主制御器はまた、取り付けられた医療機器又は生理学的センサのそれぞれの様々な機能を制御するために使用される。別の好ましい実施形態において、IVポンプユニットは、パルスオキシメータ、及び、そのIVポンプユニットに接続された他の1つ又は複数の医療機器又は生理学的センサの主制御器としての働きをする。主制御器は、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、ディスプレイ、インタフェース、ソフトウェア、及びオペレーティングシステムを備える、取り付けられた1つ又は複数の医療機器又は生理学的センサを制御することができるコンピューティング装置であることが好ましい。主制御器はまた、様々なタイプのデータを受信し、処理し、記憶できることが好ましい。主制御器は、ローカルネットワーク又はリモートネットワーク(たとえば、LAN又はWAN)を介して、クラウド/インターネット及び1つ又は複数のデータベースに接続されるのが好ましい。
図1は、本発明による好ましい実施形態を示す。パルスオキシメータ102、静脈内(IV)流体バッグ104、及びIVカテーテルに接続された静脈内(IV)ポンプユニット100は、クラウド/インターネット108を介して制御器データベース110にアクセスする。IVポンプユニット100は、患者関連及び薬物関連情報を使用して、患者に対する最良の薬物投与スケジュールを決定する。患者関連情報は、たとえば、患者の病歴、状態、及び投与対象の薬物を含む。医療関係者はGUIにアクセスし、薬物の有効性を記録することができる。記録されたデータはパルスオキシメータデータと共に使用され、患者に対する最良の薬物投与スケジュールを決定する。IVポンプユニットに入力されたすべてのデータは、制御器データベースを更新するために、クラウドに保存されるのが好ましい。
図2A〜図2Cは、本発明のIVポンプユニットのグラフィカルユニットインタフェース上に表示された様々な入力フォームを示す。図2Aは、身長、体重、年齢、性別、体脂肪率、民族性、現在の状態、及び医薬など、患者に関する様々な領域202を含む医師GUIフォーム200を示す。医師入力フォームはまた、様々な領域への登録を入力できるようにするボタン204、及び、選択された領域への登録を保存するための別のボタン206を備える。図2Aはまた、領域202のそれぞれに対する入力の選択をできるようにするドロップダウンメニューボタン208を示す。図2Bは、GUIユーザが対応するボックス214にチェックをつけることにより選択することができる、様々な疾患又は障害に対応する様々な領域212を含む病歴フォーム210を示す。本ケースでは、患者にはアルコール依存症及び喘息の病歴があることがフォームに示されている。図示されているように、病歴入力フォームも、任意の入力された登録を保存するために「保存」ボタン216を有する。
図2Cは、GUIユーザが、ドロップダウンボタン220を選択することにより、1〜10の間の値又は評点を入力できる有効性入力フォーム218を示す。他の入力フォームと同様に、ここでも、有効性入力フォームも「保存」ボタン222を含む。選択された有効性の値は、様々な要因を使用して測定された、患者の治療の全体的な有効性を示す。それは、治療の有効性を決定する際に使用された主なパラメータの1つとして、選択された薬物投与スケジュールを含む。1〜10の有効性評価は、有効性評価「1」が最も低い又は最低の有効性評価であり、有効性評価「10」が最も高い又は最高の評価に相当するような、相対的尺度に基づいてもよい。
一実施形態において、医療関係者が患者の薬物投与スケジュールを初回に決定するとき、医療関係者はIVポンプユニットから最初の有効性評価を入力するように要求される。この場合、医療関係者は、最初に入力される効率性評価として、たとえば「7」というデフォルト値を入力する。或いは、IVポンプユニットは、医療関係者が最初の有効性評価を何も入力しないことを選んだ場合には、「7」というデフォルト値を自動的に入力することになる。治療の初日中に収集されたデータを分析すると、医療関係者は、必要であれば、以前に使用された薬物投与スケジュールの有効性評価を更新し、最初に選択された有効性評価「7」よりも高い値又は低い値のどちらかを選ぶ。治療の初日からの分析されたデータに基づいて、医療関係者が、IVポンプユニットに入力された当初の評価よりも高い値に有効性評価を更新することを決定した場合、医療関係者は、同じ薬物投与スケジュールを翌日以降も使用する。そうでない場合、治療の初日からの分析された収集データが、医療関係者が予想したほど有効ではないと考えられる場合(たとえば、患者の状態が24時間後に改善しなかった、熱が下がらなかった等)、医療関係者は、最初に選択された有効性評価「7」よりも低い値を選択することにより、以前の薬物投与スケジュールの有効性評価を更新するであろう。たとえば、医療関係者は、記憶された値を「7」から「6」又は「5」にダウンさせて変更することにより、有効性評価の更新を決定する。医療関係者が、以前使用した患者の薬物投与スケジュールを格下げする場合、医療関係者は、たとえば、薬物投与の頻度を増加させる、投与される薬物の投薬量を増加させる、室温を調節させる、及び、患者の脈拍数が最も高いときには薬物投薬量を減少させるといった、患者の状態に改善をもたらすことが期待される、1つ又は複数の薬物投与スケジュールパラメータに必要な変更を加えることも好ましい。
有効性評価はまた、測定された値に応じて、1つ又は複数の医療パラメータ又は生理学的パラメータに割り当てられる評点を考慮に入れることが好ましい。したがって、選択された薬物投与スケジュールに対する全体的な評点は、測定された医療パラメータ又は生理学的パラメータそれぞれの個々の評点を決定し、次いで、それらの平均を算出し、全体的な評点又は有効性評価を入手することによって、計算される。たとえば、薬物投与後のモニタリング期間中の通常の体温範囲内にある測定された患者の体温には、「9」又は「10」の評点が割り当てられる。同様に、一定の体重、年齢、性別等を有する患者に期待される通常の血圧範囲内にあると測定された患者の血圧は、同じく「9」又は「10」の評点を与えられる。結合された評点の得られた平均値は、選択された薬物投与管理の有効性を検討する医療関係者に提供される、暫定的な有効性評点としてのみ使用されるのが好ましい。好ましい実施形態において、医療関係者は、計算された暫定的な有効性評価とは異なる有効性評価を、手動で入力することができる。たとえば、患者の体温及び血圧が正常範囲内にあるので、計算された有効性評価が比較的高い場合に、医療関係者は、たとえば、血小板数が多すぎるか少なすぎる場合、又はそれが継続している場合には、選択された薬物投与スケジュールの全体的な有効性評点を格下げする。
図3は、パルスオキシメトリデータ及び患者情報に基づいて、患者の薬物投与スケジュールを決定するためのプロセスを示す。プロセスの第1のステップにおいて、パルスオキシメータモニタの患者情報データベースがアクセスされ、患者の病歴データがパルスオキシメータモニタにより、クラウド医療サービスに送信される(ステップ300)。次いで、受信された患者データが、クラウド医療サービスのクラウド患者情報データベースに保存される(ステップ302)。スケジュール決定ソフトウェアが実行され(ステップ304)、決定された薬物投与スケジュールデータがパルスオキシメトリモニタに伝達される(ステップ306)。薬物投与スケジュールデータが受信されスケジュールデータベースに保存され(ステップ308)、薬物投与ソフトウェアが実行される(ステップ310)。センサデータベース、スケジュールデータベース、及びフィードバックデータベースがアクセスされ、データがクラウド医療サービスに伝達される(ステップ312)。最後に、データが受信されクラウド有効性データベースに保存される(ステップ314)。
図4において、患者データが最初にクラウド患者情報データベースから検索され(ステップ400)、検索されたデータはクラウド有効性データベースと比較され一致した患者のプロフィールを決定する(ステップ402)。次いで、患者のプロフィールは薬物投与スケジュールによりグループ化される(ステップ404)。平均的なSpO2レベル、脈拍数、及び有効性の評価水準が計算され(ステップ406)、次いで、計算された最高の有効性の水準を有する薬物投与スケジュールが決定される(ステップ408)。
図5において、スケジュールデータベースが最初にアクセスされ、薬物投与スケジュールデータが検索される(ステップ500)。薬物投与スケジュールデータが輸液ポンプに送信され(ステップ502)、命令が輸液ポンプに送られて薬物投与を開始する(ステップ504)。次いで、脈拍数、SpO2レベル、及び通し時刻を測定し(ステップ506)、センサデータベースに保存する(ステップ508)。次いで、薬物投与が完了したかどうか判定するために、「薬物は完全に投与されたか?」(ステップ512)というクエリにより輸液ポンプに問い合わせを行う(ステップ510)。完全に投与されていない場合には、プロセスは、脈拍数、SpO2レベル、及び通し時刻の測定(ステップ506)へ戻る。薬物が完全に投与された場合には、次いで、有効性GUIが表示される(ステップ514)。有効性GUIは、ユーザが「保存」を選択したかどうか判定するために、「ユーザは『保存』を選択したか?」(ステップ518)というクエリにより問い合わせを受ける(ステップ516)。ユーザがまだ「保存」を選択していない場合には、ユーザがユーザ入力有効性データを保存するために選択したかどうか判断するために、有効性GUIは再度問い合わせを受ける(ステップ516)。ユーザが「保存」を選択した場合には、ユーザ入力有効性データが有効性データベースに保存される(ステップ520)。
本発明の一実施形態において、医師は、患者の病歴、患者の状態、並びに、観察された兆候、及び、以前の検査及び診察の結果に基づく暫定的診断結果を、IVポンプユニットのGUIを介して検索する。追加検査及び少なくとも1人の専門家によるセカンドオピニオンにより、患者は乳がんであり、高血圧及びコレステロール値の上昇も患っていることが確認される。医師はまた、乳がんを治療するための薬物と放射線治療の組合せ、高血圧を治療するためのβ遮断薬、及び、患者のコレステロール値を低下させるスタチンを含む、処方された治療プロトコルを検索し、検討する。患者の現在の病状に基づいて、IVポンプユニットを介して、制御された薬物投与を実施することが決定された。抗がん剤、β遮断薬、及びスタチン系薬物の知られた最適な薬物投与タイミングに基づいて、医師は、その3種の薬物クラスの最初の薬物投与スケジュールを決定し、また、IVポンプユニットに接続されたパルスオキシメータを使用して、SpO2レベル及び脈拍数データの取得及びモニタリングを予定に組み込む。次いで、医師は、患者のための最初の24時間の処方された薬物投与スケジュールを入力し、また、SpO2レベル、脈拍数、並びに、血圧、体温、及び、心臓の電気的活動を含む患者の他の生理学的パラメータのモニタリングを処方する。
医師は、選択された薬物投与プロトコルの最初の効率性評価「7」を、インタフェースを介してIVポンプユニットに入力し、その後の24時間にわたって全手順の検討を予定に組み込む。SpO2レベル、脈拍数、血圧、体温、及び、心臓の電気的活動を含む様々な医療パラメータが、24時間にわたってモニタリングされる。測定された医療パラメータからのデータは、IVポンプユニットに送信され、そのメモリに一時的に記憶される。記憶されたデータは、続いて保管するために病院のネットワークサーバに送信される。翌日に、医師は、IVポンプユニットを使用して入手した医療パラメータデータを表示し、入手した各データセット用のデータ処理ソフトウェアを使用してデータ分析を行う。直前の24時間にわたる、SpO2レベル、脈拍数、血圧、体温、及び、心臓の電気的活動に関する様々な入手されたデータセットから、IVポンプユニットは、計算された有効性評価「7」を表示する。様々な入手されたデータセットに対するデータ関連付けを実施し、患者の現在の病状及び病歴を検討し、患者の年齢、体重、及び、投与された薬物のうちの少なくとも1つに対する知られた過敏症を考慮に入れた後で、医師は、患者の病状は、直前の24時間ほどの患者の状態と比べて、何ら改善の兆候が見られないと結論する。このようにして、医師は、最初の評点「7」を「6」に低下させることにより、以前の薬物投与スケジュールの有効性評価を更新する。この情報は、次いで、IVポンプユニットのメモリに、後には、病院のネットワークサーバの1つに送信され、記憶される。
新たに入手されたデータ及び情報を分析した後で、医師はまた、IVポンプユニットを介して、現在治療中の患者と類似したプロフィールを有する、過去の他の患者の以前使用された薬物投与スケジュールにアクセスし、検討し、類似の以前使用された治療スケジュールプロトコルのうちどれが最も高い有効性評価を有するかを決定する。次いで、医師は、新たに入手された医療パラメータデータ、及び、現在の患者と同様のプロフィールを有する患者に以前使用された保存されていた薬物投与スケジュールに基づいて、次の24時間用の薬物投与スケジュールに変更を加えることを決定する。この場合、医師は、1つの薬物の投与の設定時間を変更する。医師は、第3の日には治療プロトコルの同一の手順に従う、しかし、今回は薬物のうちの1つの投与速度を変更し、他の薬物の薬物投与の頻度を次の24時間にわたって3回から2回に削減する。
医師は、特定の薬物投与スケジュールが、治療期間中に薬物投与スケジュールに対してなされた微調整への観察された患者の反応に基づいて、最適なレベルに到達したと思えるまで、薬物投与スケジュールを調整し続ける。次いで、患者の診療記録は、医療関係者の診断結果、治療プロトコルで使用された1つ又は複数の薬物投与スケジュールに対する有効性評価、勧告及びコメント、並びに、患者データベースに記憶された患者のレコード内の次回医療関係者が患者を訪問する計画を添付することにより、IVポンプユニットを介して更新される。医療関係者はまた、割り当てられた医療関係者による追跡患者訪問の計画を入力するのが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、IVポンプユニットを使用して、データ又は情報にアクセスしようとする医療関係者は、認証プロセスを受ける必要がある。認証は、パスワードの入力、デジタル署名又は手書きの署名、顔認識又は音声認識、指紋走査、網膜走査、又は虹彩認識を含む、1つ又は複数の認証方法を介して実施することができる。この場合、IVポンプユニットは、受信された医療関係者の音声データを、医療関係者データベースに以前記憶された医療関係者の登録音声データと比較して、その医療関係者が、測定された患者の健康データ、復号データ、又は相関データにアクセスする権限を与えられているかどうか判定する。医療関係者に権限が与えられていると、IVポンプユニットは、たとえば、復号データと1つ又は複数のデータベースに以前記憶された対応する患者データとの相関関係を含むデータを表示する。
医療関係者が、音声認識又は顔認識などの認証手続きを介して、IVポンプユニットによって確認されなかった場合には、入手された健康関連データは、IVポンプユニットによって記憶されないのが好ましく、患者の最新の健康関連データも、1つ又は複数の病院データベースにアップロードされないのが好ましい。次いで、IVポンプユニットは、現在、患者データにアクセスしようと試みている人は、患者をモニタリングし治療する、また、患者の医療データ及び個人データにアクセスする権限を与えられている個人のリストに含まれていないことを通知する警報を、1人又は複数人の医療関係者に提供することが好ましい。IVポンプユニットによって提供される警報は、患者データにアクセスしようとしている人、及び、室内の患者に向けられた聴覚警報の形式とすることもできる。
病院ネットワークは、患者データをネットワークの1つ又は複数のデータベースに送信し、記憶するために使用することができる、ローカルネットワーク又は遠隔ネットワークとすることができる。患者データは、氏名、年齢、住所、性別、病室部屋割り、患者の病歴、診断結果、治療スケジュール、処方された医薬、知られたアレルギ、家族の病歴、及び、患者関連の適切な情報を含むことが好ましい。病院ネットワークはまた、医療関係者データベースに医療関係者データを記憶するのが好ましい。医療関係者データは、権限ある医師、専門医学実習生、インターン、クラーク、看護師、看護補助、検査技師、放射線技師、並びに、患者のケア及び治療に従事している他の医療専門家といった、登録された医療関係者のリストを含む。医療関係者データはまた、医療関係者の声紋、音声パターン、知られた音声入力アンサ、特定のフレーズ、及び、オーディオ又は音声入力に関する他の音声データといった、音声データを含むことが好ましい。システムは、医療関係者の音声データを使用して、とりわけ、患者をモニタリング、診察、又は治療するように任命された医療関係者を識別及び認証することが好ましい。さらに、医療関係者データはまた、医療関係者の専門分野、各医師の下で入院を許可された患者の氏名、保健医療施設内の各部屋、各部門、又は各フロアの権限を与えられた看護師、並びに、患者又は医療関係者の情報又はデータにアクセスするための医療関係者の権限レベル及びアクセス権に関するデータについての情報を含むことが好ましい。
本発明の様々な態様によれば、様々な医療装置及び人は、たとえば、パターン認識、画像認識、画像レジストレーション、物体認識、顔認識、特徴抽出、色認識、光学式文字認識、エゴモーション、トラッキング、及びオプティカルフローといったタスクを対象とする動作分析、姿勢評価、機械視覚、機械学習、コンテンツベースの画像検索、外形認識、人工知能、神経回路網、並びに、他の画像処理方法、及び他のタイプのコンピュータ視覚ベースの技術を使用した、本発明の様々な実施形態に従って検出され、識別される。
本発明の様々な態様によれば、様々な音声信号及び人は、たとえば、音声認識、音声分析、音声登録、音声抽出、並びに、他の音声処理方法、及び他のタイプのコンピュータ支援ベースの技術を使用した、本発明の様々な実施形態に従って検出され、識別される。本発明の様々な実施形態に従って使用される音声装置はまた、データ入力として患者に伝達された、IVポンプユニットが自然言語を処理することができるようにするバイタルサインパラメータを受信することができる。
本発明の様々な態様によれば、プロセッサは、データプロセッサ、画像プロセッサ、中央演算処理装置、又は任意の種類のマルチコア処理装置を含む。
通信モジュールは、画像モニタリング装置、コンピューティング装置、及び警告システム間で通信、たとえば、命令、トリガー、通知、プロンプト、確認応答、情報、メッセージ、フォーム、及び様々なタイプのデータ、の送受信をできるようにする装置、又は装置の構成部品である。
本発明は、上で説明した本発明のいくつかの例示的な実施形態に限定しようとするものではない。当業者によって想到される他の変更形態は、本開示の範囲内に該当するものとする。