JP2018533567A - クロマトグラフィー分離方法 - Google Patents

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Abstract

32の異なる立体配置の可能性を含む複合体混合物から特定の立体異性体及び鏡像異性体を単離し、かくして立体異性体又は鏡像異性体を高純度に濃縮する方法。

Description

本発明は、立体異性体を含む化合物の合成からのクロマトグラフィーによる分離方法に関する。
歯磨剤及び口内洗浄剤などの口腔ケア製品は、口腔ケア衛生レジメンの一部として、消費者により日常的に使用される。口腔ケア製品が消費者に、治療上及び美容上両方の健康法の利点を提供できることは周知である。治療上の有益性には、典型的には種々のフッ化物塩の使用によって送達されるう蝕予防;フッ化第一スズ、トリクロサン、精油のような抗菌剤の使用による歯肉炎予防;又は塩化ストロンチウム又はオートバアボバイルオートバブモビレのような成分の使用による過敏症制御が含まれる。口腔ケア製品により提供される美容的効果としては、歯垢及び結石形成の抑制、歯の着色汚れの除去及び予防、歯の白色化、呼気の清涼化、及び食感の感性として広く特徴付けられ得る食感の印象の全体的改善が挙げられる。歯石及び歯垢は、行動要因及び環境要因と共に、歯の美的外観に著しく影響を与える歯の着色汚れの形成に繋がる。歯の着色汚れ傾向の一因となる行動要因及び環境要因としては、コーヒー、紅茶、コーラ又はタバコ製品の常用、並びに、カチオン性抗微生物剤及び金属塩類などの、着色汚れを促進する成分を含有する特定の口腔用製品の使用もまた挙げられる。
したがって、自宅での日々の口腔ケアには、抗う食、抗菌、抗歯肉炎、抗プラーク、抗結石及び抗浸食、並びに抗悪臭、口の清涼化、着色汚れ除去、着色汚れ抑制及び歯の白色化を含む、完全な範囲の治療的かつ美的利益を提供するように、異なる作用によって働く複数の成分を有する製品が必要である。歯磨剤及びリンス剤などの日常使用の口腔ケア製品により完全な口腔ケアを提供するために、活性物質と添加剤を組み合わせることが必要であり、これらの多くは使用中、ネガティブな美的特徴、具体的には不快な味及び感覚並びに着色汚れ促進の原因となるという不利点を有する。不快な味及び口内感覚は、苦み、金属感、渋み、塩辛み、しびれ、刺痛、熱感、又は穿痛、及び更に刺激性局面のうちの1つ以上を有すると記載されている。これらの美的ネガティブに関連する口腔ケア使用のための典型的な成分は、抗菌剤、例えば塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、第一スズ及び亜鉛塩;歯の漂白剤、例えば過酸化物;抗タルタール剤、例えばピロリン酸塩、トリポリリン酸塩及びヘキサメタリン酸塩;及び賦形剤、例えばベーキングソーダ及び界面活性剤を含む。これらの成分から美的ネガティブ側面を軽減させるために、口腔ケア製品は通常、できるだけ良い味にして心地よい経験を提供するための着香剤、甘味剤、及び冷感剤と共に処方される。特に、口腔ケア製品が使用中及び使用後にさわやかな冷涼感を提供することが望ましい。ネガティブな感覚の緩和に加えて、感覚分子は有効性のシグナルを伝達するために、口腔ケア組成物に処方される。このような有効性のシグナルには、冷却、刺痛、麻痺、温暖化、甘味、及び相変化、フィジング又はバブリングのようなレオロジー感覚が含まれる。
天然起源又は合成起源の多くの冷感剤化合物が説明されてきた。最もよく周知される化合物は、特にニホンハッカ(Mentha arvensis L)及びオランダハッカ(Mentha viridis L)のペパーミント油から天然に見出される、メントール、特にL−メントールである。メントール異性体の中でも、l−異性体は、自然界に最も多く発生し、冷感剤特性を有するメントールの名称で典型的に引用されるものである。L−メントールは独特のペパーミントの香りを有し、かつ清潔でさわやかな味を有し、皮膚及び粘膜表面に塗布された際に冷感を与える。メントールのその他の異性体(ネオメントール、イソメントール、及びネオイソメントール)は、ある程度類似しているが同一ではない香り及び味を有する(即ち、いくらかは、土のような、樟脳、かび臭いとして表される、好ましくない雰囲気を有する)。異性体の中で主要な違いは、それらの冷感効力にある。L−メントールは最も強力な冷涼をもたらす、即ち約800ppbの最低冷涼閾値を有し、即ちこれは冷涼効果をはっきりと認識できる濃度である。この濃度において、他の異性体では冷涼効果がない。例えば、d−ネオメントールは、約25,000ppb、及びl−ネオメントールは、約3,000ppbの冷感閾値を有すると報告されている。(R.Emberger and R.Hopp,「Synthesis and Sensory Characterization of Menthol Enantiomers and Their Derivatives for the Use in Nature Identical Peppermint Oils,」Specialty Chemicals(1987),7(3),193〜201)。この研究は、冷涼及び新鮮さ並びにこれらの分子の活性に対する立体化学の影響の観点からl−メントールの優れた知覚特性を実証した。
合成冷感剤の中でも、その多くは、メントールの誘導体であるか、又はメントールと構造的に関連している。すなわち、シクロヘキサン部分を含み、カルボキサミド、ケタール、エステル、エーテル、及びアルコールを含む官能基で誘導体化されている。その例としては、「WS−3」として知られるN−エチル−ρ−メンタン−3−カルボキサミドなどのρ−メンタンカルボキサミド化合物、並びにWS−5(N−エトキシカルボニルメチル−ρ−メンタン−3−カルボキサミド)、WS−12[N−(4−メトキシフェニル)−ρ−メンタン−3−カルボキサミド]及びWS−14(N−tert−ブチル−ρ−メンタン−3−カルボキサミド)などの同シリーズのその他が挙げられる。メンタンカルボキシエステルの例には、WS−4及びWS−30が挙げられる。メントールと構造的に無関係の合成カルボキサミド冷感剤の例は、「WS−23」として既知のN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタナミドである。合成冷感剤の追加の例としては、アルコール誘導体、例えば、TK−10として知られる3−(1−メトキシ)−プロパン−1,2−ジオール、イソプレゴール(商標名Coolact P)、及びρ−メンタン−3,8−ジオール(商標名Coolact 38D)、MGAとして知られるメントングリセロールアセタール、メンチルエステル、例えば、メンチルアセテート、メンチルアセトアセテート、Haarmann and Reimerによって供給され、Frescolat(登録商標)として知られるメンチルラクテート、及びV.Maneから商標名Physcoolで入手可能なモノメンチルスクシネートが含まれる。TK−10は、米国特許第4,459,425号に記載されている。メントールの他のアルコール及びエーテル誘導体は、英国特許第1,315,626号、並びに米国特許第4,029,759号、同第5,608,119号、及び同第6,956,139号に記載されている。WS−3及び他のカルボキサミド冷却剤は、例えば、米国特許第4,136,163号、同4,150,052号、同4,153,679号、同4,157,384号、同第4,178,459号、及び同第4,230,688号に記載されている。追加のN−置換ρ−メンタンカルボキサミドは、国際公開第2005/049553(A1)号に記載されており、N−(4−シアノメチルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、N−(4−スルファモイルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、N−(4−シアノフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、N−(4−アセチルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、N−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、及びN−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミドが挙げられる。他のN置換ρ−メンタンカルボキサミドとしては、国際公開第2006/103401号、並びに米国特許第4,136,163号、同第4,178,459号及び同第7,189,760号に開示されているものなどアミノ酸誘導体、例えば、N−((5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)カルボニル)グリシンエチルエステル及びN−((5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)カルボニル)アラニンエチルエステルが挙げられる。グリシン及びアラニンなどのアミノ酸を含むメンチルエステルは、例えば、欧州特許第310 299号、並びに米国特許第3,111,127号、同3,917,613号、同3,991,178号、同5,703,123号、同5,725,865号、同5,843,466号、同6,365,215号、同第6,451,844号、及び同第6,884,903号に開示されている。ケタール誘導体は、例えば、米国特許第5,266,592号、同第5,977,166号、及び同第5,451,404号に記載されている。メントールに構造的には関連していないが、同様の生理学的冷感効果を有すると報告されている追加の作用剤には、3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン(3−MPC)、5−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン(5−MPC)、及び2,5−ジメチル−4−(1−ピロリジニル)−3(2H)−フラノン(DMPF)を含む、米国特許第6,592,884号に記載されるα−ケトエナミン誘導体、WeiらのJ.Pharm.Pharmacol.(1983),35:110〜112に記載されるイシリン(AG−3−5としても知られ、化学名1−[2−ヒドロキシフェニル]−4−[2−ニトロフェニル]−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オン)が挙げられる。メントールの冷感剤活性及び合成冷感剤に関する論評としては、H.R.Watsonら、J.Soc.Cosmet.Chem.(1978)、29,185〜200、及びR.Eccles、J.Pharm.Pharmacol、(1994)、46,618〜630が挙げられる。
シクロヘキサンカルボキサミド骨格から構築された構造は国際公開第2009/067410号に開示されているように、抗癌剤として適用されてきた。米国特許第4,150,052に示されているように、シクロヘキサンカルボキサミド誘導体のうち少数のみが顕著な冷却を示した。国際公開第2009/067410号に開示された分子は前立腺癌細胞の破壊に関連するそれらのTRPM8活性について評価されたが、活性化TRPM8は必ずしも冷却感が観察されることを意味しない。したがって、冷却は望ましくない効果であり、それらは避けたはずである。
米国特許第4,459,425号 英国特許第1,315,626号 米国特許第4,029,759号 米国特許第5,608,119号 米国特許第6,956,139号 米国特許第4,136,163号 米国特許第4,150,052号 米国特許第4,153,679号 米国特許第4,157,384号 米国特許第4,178,459号 米国特許第4,230,688号 国際公開第2005/049553(A1)号 国際公開第2006/103401号 米国特許第7,189,760号 欧州特許第310 299号 米国特許第3,111,127号 米国特許第3,917,613号 米国特許第3,991,178号 米国特許第5,703,123号 米国特許第5,725,865号 米国特許第5,843,466号 米国特許第6,365,215号 米国特許第6,451,844号 米国特許第6,884,903号 米国特許第5,266,592号 米国特許第5,977,166号 米国特許第5,451,404号 米国特許第6,592,884号 国際公開第2009/067410号
R.Emberger and R.Hopp,「Synthesis and Sensory Characterization of Menthol Enantiomers and Their Derivatives for the Use in Nature Identical Peppermint Oils,」Specialty Chemicals(1987),7(3),193〜201 J.Pharm.Pharmacol.(1983),35:110〜112 H.R.Watsonら、J.Soc.Cosmet.Chem.(1978)、29,185〜200 R.Eccles、J.Pharm.Pharmacol、(1994)、46,618〜630
本発明は冷感剤特性を有する1つ以上の組成物を分離する方法を提供し、ここで、冷感剤によって与えられる冷却及びリフレッシュ感覚は、開始、強度、又は持続時間に関して最適化される。
以下の構造の立体異性体を含む化合物の合成からのクロマトグラフィーによる分離方法が提供される:
Figure 2018533567
[Rは、H、アルキル、アミノアルキル、アルコキシから選択され;
Q=H、O、−OR、−N(R、−OPO(OR、−PO(OR、−P(OR(式中、x=1〜2);
V=NR、O、−OPO(OR、−PO(OR、−P(OR(式中、x=1〜2);
W=H、O;
n=0の場合、X、Yは、H、アリール、ナフチルから独立して選択され;
n≧1の場合、X、Yは、脂肪族CH又は芳香族CHであり、Zは脂肪族CH、芳香族CH、又はヘテロ原子から選択され;
A=低級アルコキシ、低級アルキルチオ、アリール、置換アリール又は縮合アリールであり;
立体化学は*印の位置で可変であり、(S)及び(R)印の位置でさえも変化し得る。]
本発明の方法を用いて分離することができる化合物の表示を以下に示す:
Figure 2018533567
ここで、R1がアルキル基である場合、#1位の可変立体化学はL又はDのいずれかであり、#2位の立体化学はS又はR位にあり、#3位のメンチル部分からの立体化学はL又はネオ立体配置にある。位置4及び5はそれぞれ、典型的にはS及びR配置であるが、それらもまた変化し得る。
この構造は化合物28とよばれる立体異性体を含み、ここでR1=CHは驚くべきことに、TRPM8活性化のモジュレーターとして役立つことが見出された属を表す。多くの立体異性体が、各立体中心の相対的立体配置が受容体に向かう活性を指示する化合物28を含むこれらの構造で企図される。場合によっては、同じ分子の異性体が同程度の活性を有することもある。他の場合には、同じ分子の立体異性体が受容体に対する活性を増強又は減少させ得る。場合によっては、個々の立体異性体が活性を示さないこともある。
本発明のこれらの特徴、態様及び利点及び他の特徴、態様及び利点は、以下の詳述な説明により、当業者にとって明らかになるであろう。
化合物28、分画1の3つの反復注入のUVクロマトグラムオーバーレイである。相対ピーク面積のパーセンテージは、この混合物内で観察される各異性体化合物の上に示される。全てのピークは、QDa質量スペクトルのノミナルm/z=374に現れ、これらが異性体種であることを示す。 化合物28、分画2の3つの反復注入のUVクロマトグラムオーバーレイである。相対ピーク面積のパーセンテージは、この混合物内で観察される各異性体化合物について上記に示されている。全てのピークは、QDa質量スペクトルのノミナルm/z=374に現れ、これらが異性体種であることを示す。 化合物28、分画1(破線)及び分画2(実線)の別々の分析中に生成されたクロマトグラムのUVトレースオーバーレイである。全てのピークは、QDa質量スペクトルのノミナルm/z=374に現れ、これらが異性体種であることを示す。 化合物28、分画1の3回の反復注入のUVクロマトグラムオーバーレイである。全てのピークは、QDa質量スペクトルのノミナルm/z=374に現れ、これらが異性体種であることを示す。これらの条件を用いてこの混合物から分離された異性体の数を、連続番号付けにより各ピークの上に示す。 非立体特異的合成により生成した分画1中に見出された化合物28異性体のキラルSFC分離である。同じキラルSFCクロマトグラフィー分離条件を、化合物28のDSL、DRL及びLSL異性体の立体選択的合成からの反応生成物の分析にも使用した。立体選択的生成物の分析によるSFC結果は、表5に示すように対照的な非常に高純度の異性体(99+%)を示す。
本発明は32の異なる立体配置の可能性を含む複合体混合物から特定の立体異性体を単離し、かくして立体異性体を高純度に濃縮する手段を提供する。分離は、Chiralpak AS−HカラムとAD−Hカラムの組み合わせを用いて達成される。
ある態様において、本発明は、二酸化炭素、エタノール、及び/又は酢酸アンモニウムからなる移動相を提供する。
特定の実施形態では、本発明が加圧COの超臨界、亜臨界、又は増大した流動性ストリームにおけるグラジエント分離の適用を含む。
更なる態様において、本発明は、個々の異性体の純度を約70%超、約85%超、約90%超、約95%超、約97%超、又は約99%超の異性体純度に増加させるための連続的分離の適用を含む。
以下、本明細書において使用される全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量を基準とする。本明細書で言及される成分の百分率、比率、及び濃度は、特に指示がない限り全て成分の実際の量に基づき、市販製品として成分が組み合わされている可能性がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
本明細書において言及される全ての測定は、別途指定されない限り、25℃で行われる。
本明細書で使用するとき、「又は」という語は、2つ以上の要素の接続詞として使用される場合に、要素を個々に、及び組み合わせで含むことを意味し、例えば、X又はYは、X若しくはY、又はこれら両方を意味する。
「パーソナルケア組成物」とは、通常の使用過程において、身体表面に適用されるか、又はそれと接触されて、有益な効果を提供する、製品を意味する。身体表面には、皮膚、例えば、真皮又は粘膜が含まれる。身体表面にはまた、身体表面と関連付けられる構造、例えば、毛髪、歯、又は爪が含まれる。パーソナルケア組成物の例としては、外観の改善、洗浄、及び悪臭抑制、又は一般美容のために人体に適用される製品が挙げられる。パーソナルケア組成物の非限定的な例としては、歯磨き剤、口内洗浄剤、ムース、フォーム、口腔用スプレー、トローチ剤、チュアブル錠剤、チューインガム、歯牙白化ストリップ、フロス及びフロスコーティング剤、義歯ケア製品、義歯接着剤製品などの口腔ケア組成物;アフターシェーブゲル及びクリーム、プレシェーブ製剤、シェービングゲル、クリーム又はフォーム、保湿剤及びローション;咳及び冷たい組成物、ゲル、ゲルキャップ、スロートスプレー;リーブオンスキンローション及びクリーム、シャンプー、ボディーソープ、ヴイックスヴェポラッブなどのボディーコーティング(body rub);ヘアコンディショナー、毛髪染色及び脱色組成物、ムース、シャワーゲル、バーソープ、制汗剤、デオドラント、脱毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、日焼け止め剤及び日焼け止めローション;女性用ケア組成物、例えば吸収性物品に向けられたローション及びローション組成物;吸収性又は使い捨て物品に向けられたベビーケア組成物;及びイヌ及びネコなどの動物用の口腔洗浄組成物が挙げられる。
本発明はまた、本明細書中で使用される「口腔衛生組成物」を指し、口腔、口、咽頭、鼻腔、又はこれらの組み合わせを介して必要とする哺乳動物に送達可能な形態の組成物を指す。非限定的な例としては、液体組成物、咳シロップ、呼吸用製剤、飲料、補給水、ピル、軟質ゲル、錠剤、カプセル、ゲル組成物、フォーム組成物、生理食塩水洗浄、及びそれらの組み合わせが挙げられる。液体組成物、ゲル組成物は、口及び咽喉に直接送達可能な形態であり得る。これらの組成物及び/又は製剤は、滴剤、ポンプ、噴霧器、液体滴剤、鼻通路を介して送達される食塩水洗浄液、カップ、ボトル、液体充填ゲル、液体充填ガム、中央充填ガム、咀嚼、フィルム、中央充填トローチ剤、ガム充填トローチ剤、加圧噴霧器、アトマイザー、空気吸入装置、液体充填圧縮錠剤、液体充填ゼラチンカプセル、液体充填カプセル、スクイズ性サッシェ、パワーショット、及び他の包装及び装置、並びにこれらの組み合わせから選択される送達装置によって送達することができる。噴霧器、アトマイザー、及び空気吸入装置は、バッテリー又は電力源と関連させることができる。
本明細書で使用するとき、用語「歯磨剤」は、別途明記のない限り、歯用又は歯肉縁下用ペースト、ゲル、又は液体製剤を包含する。歯磨剤組成物は、単相組成物であってもよいし、又は2つ以上の別個の歯磨剤組成物の組み合わせであってもよい。歯磨剤組成物は、深い縞状、表面的な縞状、多層状、ペーストをゲルで包囲した状態、又はこれらのいずれかの組み合わせなど、いずれの所望の形態であってもよい。2つ以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサの物理的に分離された区画内に収容され、同時に分注されてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「ディスペンサ」とは、歯磨剤などの組成物を分配するのに好適なあらゆるポンプ、チューブ、又は容器を意味する。
本明細書で使用するとき、「歯」という用語は、天然歯、並びに人工歯又は歯科補綴物を指す。
用語「経口で受容可能なキャリア又は賦形剤」とは、フッ化物イオン源、抗結石又は抗歯石剤、緩衝剤、シリカなどの研磨剤、アルカリ金属重炭酸塩、増粘物質、保湿剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、香味料、甘味剤、キシリトール、着色剤、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、口腔ケア組成物に使用される安全かつ有効な物質及び従来の添加剤を含む。
本明細書において、用語「歯石(tartar及びcalculus)」は、同義的に使用され、石灰化された歯垢バイオフィルムを指す。
Figure 2018533567
本明細書の配列番号1のヌクレオチド配列を示す配列表が、「14075M_Nucleotide Sequence Listing ST25」というファイル名のASCIIテキストファイルとして本出願と同時に出願されている。ASCIIテキストファイルは、2016年10月21日に作成され、サイズは5キロバイトである。米国特許審査便覧605.08及び米国特許法施行規則1.52(e)に従い、このASCIIテキストファイルの主題は参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される用語「TRPM8」又は「TRPM8受容体」は、低温及びメントール感受性受容体(CMR1)又はTRPM8をいう。受容体のTRPM8という専門用語は、低温、メントール、及びその他の化学冷感剤を含む刺激により活性化される一過性受容体電位(TRP)ファミリーの非選択的カチオンチャネルとしてのその特徴付けから来ている。TRPM8受容体は配列番号1として提供される。
従来TRPM8又はメントール受容体として知られている冷却受容体は、非熱的冷却知覚を開始及び伝播させる有機分子の強度及び持続時間を区別する方法として実証されている(D.D.Mckemy,The Open Drug Discovery Journal 2:81〜88 2010)。McKemyは100nMから19mMの範囲にわたる多くのアゴニストのTRPM8に対するEC50値を報告し、このようにチャンネルが様々な濃度で広範囲の構造にわたって活性化され得ることを示した。このチャンネルはまたCRM1とTRPP8の命名法も持っている。後者は、前立腺癌を標的とする分子を同定する手段として用いられる前立腺細胞との同定のために、そのように指定された。
用語「TRPM8アゴニスト」は、本明細書中で使用される場合、本明細書中で議論されるFLIPR法にしたがって、TRPM8受容体に添加されると、バックグラウンドにわたって蛍光の任意の増大を生じる任意の化合物を指す。
本明細書で使用する場合、用語「TRPV1」又は「TRPV1受容体」は、小径感覚ニューロン(small-diameter sensory neurons)上で優先的に発現されて、有毒及びその他の物質を検出するリガンド開口型の非選択性カチオンチャネルである、一過性受容体電位バニロイド受容体1を指す。TRPV1受容体は配列番号1として提供される。TRPV1受容体は、例えば、有害な刺激及び有痛性の刺激の両方に反応する。有害な刺激としては、灼熱(すなわち、辛さ)感を与えるものが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「TRPV1アゴニスト」は、本明細書で説明するとおり、FLIPR法にしたがって、1mMの濃度で、細胞内に存在するカルシウムの背景濃度を少なくとも1000カウント又は20%上回るカルシウム流入カウントを与える任意の化合物を指す。用語「カウント」は、細胞膜を通じてカルシウムが流入し、このカルシウムが細胞内に存在するカルシウム感受性色素と反応することによる、細胞株の蛍光における変化として定義される。
本明細書で使用する場合、用語「TRPA1」又は「TRPA1受容体」は、18の予測アンキリン反復を含む大きなシステインに富んだN末端を有する、一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーAメンバー1を指す。TRPA1受容体は配列番号2として提供される。TRPA1は、小直径の感覚ニューロン上に優先的に発現するリガンド開口型の非選択性カチオンチャネルである。
本明細書で使用する場合、用語「TRPA1アゴニスト」は、本明細書で説明するとおり、FLIPR法にしたがって、1mMの濃度で、細胞内に存在するカルシウムの背景濃度を少なくとも1000カウント又は20%上回るカルシウム流入カウントを与える任意の化合物を指す。用語「カウント」は、細胞膜を通じてカルシウムが流入し、このカルシウムが細胞内に存在するカルシウム感受性色素と反応することによる、細胞株の蛍光における変化として定義される。
「力価」(potency)という用語はメルクマニュアルによって定義されるように、段階的用量反応曲線によって示されるように、化学物質の最大作用の50%を生み出すのに必要な化学物質の濃度(EC50)又は用量(ED50)を指す。EC50は、占有と反応との間に直線的な関係がある場合、Kd(解離定数、これは受容体に結合した問題の物質の50%の尺度)に等しい。しばしば、シグナル増幅は受容体占有と反応との間に起こり、その結果、反応のEC50は受容体占有のKDよりもはるかに小さくなる(すなわち、対数用量反応曲線の横座標上の左側に位置する)。力価は、その受容体に対する化学の親和性と、化学受容体相互作用が反応と共役する効率の双方に依存する。効果を生み出ために必要な化学物質の用量は力価に反比例する。一般に、低力価は、実際的でない大量の化学物質を投与する必要がある場合にのみ重要である。量子用量反応曲線は、段階的用量反応曲線から得られた情報とは異なる化学の効力に関する情報を提供する。量子的用量反応関係では、ED50は50%の個体が特定の量子的影響を示す用量である。
冷感剤又は特に口腔及びその他の粘膜表面並びに皮膚に対して生理学的冷涼効果を有する化合物は、食用組成物、パーソナルケア組成物などの広範囲にわたる製品、並びに香味又は香料組成物において共通した成分である。食用組成物の例としては、菓子類、飴、チョコレート、チューインガム、飲料及び経口薬が挙げられる。口腔ケア組成物を含むパーソナルケア組成物は、以前に記載されている。冷感剤によってもたらされる心地よい冷涼感は、製品の魅力及び受容性の一因となる。特に、歯磨剤及び口内洗浄剤などの口腔ケア製品は、冷感剤と共に処方されるが、それは、冷感剤が、呼気の清涼化効果及び口内の清潔、冷涼、新鮮な感じをもたらすからである。
冷涼又は冷たいという感覚は、低温又は化学冷感剤などの刺激による末梢神経繊維での受容体の活性化によるものであり得、これは脳へ移動する電気化学信号を作り出し、次いで到着信号を解釈し、整理し、知覚又は感覚に統合するということは、今や広く確立されている。異なる部類の受容体が、哺乳類の知覚神経繊維において冷温又は化学冷感剤の刺激を感じることに関係しているとみなされてきた。それらの受容体のうち、寒冷を感知することに関与する主要な候補は、寒冷感受性及びメントール感受性の受容体(CMR1)又はTRPM8であることが特定されかつ指定されている。受容体のTRPM8という専門用語は、低温、メントール、及びその他の化学冷感剤を含む刺激により活性化される一過性受容体電位(TRP)ファミリーの非選択的カチオンチャネルとしてのその特徴付けから来ている。しかしながら、皮膚又は口腔表面上での心地よい冷涼感の知覚に潜在する正確な機構は、現在明確には理解されていない。TRPM8受容体がメントール及びその他の冷感剤により活性化されることが立証されている一方で、知覚される全体的な感覚が心地よく、冷涼感があり、清涼であるために、他のどの受容体が関与している可能性があり、それらの受容体がどの程度刺激される又は場合によっては抑制される必要があるのかについては、完全には理解されていない。例えば、メントールは冷却剤として広く使用されているが、メントールは、刺痛感、灼熱感、穿痛感、及び刺すような感覚、並びにミントの匂い及び苦い味を含むその他の感覚も生じさせ得る。したがって、メントールは、寒冷、温熱、痛み及び味覚受容体を含む多くの異なる受容体に作用することが推測される。
化合物28などの本発明の化合物を以下で論じるように可溶化するために使用できる溶媒の例は、Charles Hansenによる「Hansen Solubility Parameters:A User’s Handbook」,CRC Press(2007)及び「The CRC Handbook and Solubility Parameters and Cohesion Parameters」,Allan F.M.Bartonによる編集(1999)にてCharles Hansenにより説明されている溶解度パラメータ及び凝集特性に基づく。各材料を3D空間内の3点により規定する。これらの3点は、以下に定義し得るハンセン溶解度パラメータ(HSP)として既知である。
溶解度パラメータは、数値定数として理論的に計算され、溶媒材料が特定の溶質を溶解させる能力を予測するのに有用なツールである。溶媒の溶解度パラメータが溶質、即ち、溶解される材料の溶解度パラメータ範囲内にあるとき、溶質の可溶化が起こる可能性がある。実験的に及び理論的に誘導された3つのハンセン溶解度パラメータ、分散力成分(δ)、極性又は双極子相互作用成分(δ)及び水素結合成分(δ)が存在する。3つのパラメータのそれぞれ(分散、極性及び水素結合)は、溶解力、即ち溶媒能の異なる特徴を表す。3つのパラメータは、組み合わされて、溶媒の全体的な強度及び選択性の尺度となる。総ハンセン溶解度パラメータ、前述した3つのパラメータの2乗和の平方根は、溶媒の溶解力のより一般的な記述を提供する。個々の及び合計溶解度パラメータ単位はMPa0.5で与えられる。材料の溶解度パラメータは、次に通常の3次元グラフにプロットすることができる。配置(δ、δ、δ)を基に、半径を投影し、溶解領域を包含する球を形成する。パラメータがこの空間内に存在する任意の溶媒は、対象とする溶質を溶解するはずのものである。成分1のHSP座標(すなわち、溶質)と、成分2のHSP座標との間の距離(溶媒)は、本明細書においてRaと表記する。3D距離Raは、次式で定義される:Ra=4(δD1−δD2+(δP1−δP2+(δH1−δH2。Hansenの球方程式は、選択する標的分子、この場合、化合物28、及び各々の種々の異性体(L、D、及びneo)及びエナンチオマーの中心となるように計算された。標的極性、分散性及び水素結合HSPは、「Molecular Modeling Pro」ソフトウェアバージョン5.1.9(ChemSW、Fairfield Calif、www.chemsw.com)又はDynacomp SoftwareからのHansen Solubilityによって計算される標的分子のHansen溶解度パラメータである。この分析における各溶媒の溶解度パラメータもこのソフトウェアによって計算した。半径R=14を有する球体内では、化合物28及び異性体材料が溶解する溶媒である。選択した溶媒中の溶解度が>5%の場合、好ましいδ分散の範囲は、±3単位(約15.2〜21.2(MPa)0.5)である。δ極性の好ましい範囲は、約0〜10.8(MPa)0.5の±6ユニットである。δ水素結合の好ましい範囲は、約0〜25(MPa)0.5の±13ユニットである。化合物28のHSPは、分散=17.8、極性=5.6、及び水素結合=9.0として計算した。カルボキサミド誘導体(化合物28)を可溶化するのに用いる適当なハンセン可溶性パラメータを有する香味及び香料原料の非限定的な例には、メントン、カルボン、松根油、桂皮アルデヒド、エタノール、ベンジルアルコール、ユーカリプトール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ヘキサン、エタノールアミン、シクロデキストリン及びトリアセチンが含まれる。
理想的には、冷感剤は、メントールによって生じるものと似た冷涼感又は新鮮感を生じさせることができる。ただし、特に高濃度における、香味の改質、苦い後味、異臭、悪臭及び灼熱感又は刺激感などのメントールに関連するいくつかの欠点がないことである。使用後かなりの時間、例えば15分より長い時間、効果をまだ感じることができるために、冷感剤化合物は、独特の匂い又は香味を辛うじて有するが、長い持続時間心地よい新鮮な冷涼感をもたらすのが望ましい。メントールは通常、最初に強い冷涼インパクトをもたらすが、その効果は、冷涼感が使用後数分以内に急激に低下するという点で、若干一時的なものである。対照的に、多くのより長続きする冷感剤化合物は、特に低濃度で使用した際に、直ちに、即ち適用から数秒以内に冷涼の知覚をもたらすことができない。したがって、冷涼感の早期発現、特に低濃度での冷涼感の強化、並びにメントールが提供するものよりも長続きする冷涼感及び新鮮感の提供の観点で冷感剤化学物質の活性を増強させる手段が依然として必要である。
先に述べたように、本発明は、以下に示すように、低濃度で冷却反応を示し得る、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−N−(2−フェニルエチル)−,(1R,2S,5R)シクロヘキサンカルボキサミド構造から特異的な立体異性体を単離する1つ以上の方法に関する。
化合物28を含む構造Iは驚くべきことに、TRPM8活性化のモジュレーターとして役立つことが見出された属を表す。構造Iは以下に示す構造を有し、その任意の許容可能な塩又は溶媒和物を含む、メタノールのヘテロアルキル置換アリール又はヘテロアルキルアリール置換アルキルカルボキサミドを表す。
Figure 2018533567
[Rは、H、アルキル、アミノアルキル、アルコキシから選択され;
Q=H、O、−OR、−N(R、−OPO(OR、−PO(OR、−P(OR(式中、x=1〜2);
V=NR、O、−OPO(OR、−PO(OR、−P(OR(式中、x=1〜2);
W=H、O;
n=0の場合、X、Yは、H、アリール、ナフチルから独立して選択され;
n≧1の場合、X、Yは、脂肪族CH又は芳香族CHであり、Zは脂肪族CH、芳香族CH、又はヘテロ原子から選択され;
A=低級アルコキシ、低級アルキルチオ、アリール、置換アリール又は縮合アリールであり;
立体化学は*印の位置で可変であり、(S)及び(R)印の位置でさえも変化し得る。]
多くの立体異性体が上記の構造Iで企図されており、本発明の目的にしたがって単離することができ、ここで置換が可能であり、各立体中心の相対的立体配置が受容体に対する活性を指示する。側鎖の立体化学は分子の活性にとって重要であるが、これらの化合物のin vivoでの活性は非常に予測不可能である。場合によっては、同じ分子の異性体が同程度の活性を有することもある。他の場合には、同じ分子の立体異性体が受容体に対する活性を増強又は減少させ得る。場合によっては、個々の立体異性体が活性を示さないこともある。
関心のある具体的な化合物は、天然(−)−メントール中に見出される1R、2S、5R配置(下記の構造IAに示される)に由来し得る。これらの場合、1R、2S、5R−メンチルカルボキサミドの立体異性体誘導体は、分子の置換されたアルキル側鎖フラグメント中に見出されるであろう。活性には1R、2S、5R配置が大切であるが、N−置換メンチルカルボキサミド誘導体の1S、2S、5Rネオ−異性体(下記構造IBに示す)もまた有望である。
Figure 2018533567
[Rは、H、アルキル、アミノアルキル、アルコキシから選択され;
Q=H、O、−OR、−N(R、−OPO(OR、−PO(OR、−P(OR(式中、x=1〜2);
V=NR、O、−OPO(OR、−PO(OR、−P(OR(式中、x=1〜2);
W=H、O;
n=0の場合、X、Yは、H、アリール、ナフチルから独立して選択され;
n≧1の場合、X、Yは、脂肪族CH又は芳香族CHであり、Zは脂肪族CH、芳香族CH、又はヘテロ原子から選択され;
A=低級アルコキシ、低級アルキルチオ、アリール、置換アリール又は縮合アリールであり;
立体化学は印の位置で可変であり、(S)及び(R)印の位置でさえも変化し得る。]
本発明の方法を使用して分離することができる立体異性体のいくつかの例を以下に列挙する。
Figure 2018533567
Figure 2018533567
シクロヘキサンカルボキサミド、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−N−(2−フェニルエチル)−,(1R,2S,5R)(CAS#824947−52−6)及びシクロヘキサンカルボキサミド、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−N−(2−フェニルエチル)−,(1R,2S,5R)(CAS#847564−71−0)と2−アミノプロパンアミド(CAS#4726−84−5)との構造(上に示した)は長寿命の冷却特性を増強し、シクロヘキサンカルボキサミド、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−N−フェニル−,(1R,2S,5R)及びシクロヘキサンカルボキサミド、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−N−1−ナフタレニル−(1R,2S,5R)(CAS#863091−95−6)とアミノエタン(CAS#75−04−7)部分が加温感覚を与えることが発見された。シクロヘキサンカルボキサミドの両タイプ(冷却及び加温)は、低使用濃度(1〜10ppm)で有効である。このような低濃度のこれらの材料を使用する利点は共界面活性剤、オイル、又は他の懸濁剤のような追加の加工助剤を必要とせずに、洗口剤のようなより高い水組成物へのそれらの配合を可能にする。これらの材料はまた、金属塩、過酸化物及びCPCに由来するものなど、オフテイスティング感覚の緩和を提供することができる。
化合物28から例示されるような長時間持続するTRPM8活性のための他の適当な用途としては、食品用途;非角化重層上皮に対する処置のような皮膚状態;疼痛緩和剤としての鎮痛剤用途;炎症の減少;タバコへの添加物;筋肉痛、変形性関節症からの慢性疼痛、及び化学療法誘発性神経障害のための局所軟膏;皮膚バリア回復促進剤;及び掻痒又は消毒剤;並びに弛緩血管における血管収縮のためのものである。
化合物28などの化合物の使用濃度は、身体の標的TRPM8領域に依存する。例えば、歯磨剤、フロス、チューインガム、又は白いストリップのような本発明の化合物の経口適用において、使用濃度は、組成物の約0.00001重量%〜約0.1重量%、約0.00005重量%〜約0.1重量%、約0.0001重量%〜約0.05重量%、又は約0.001重量%〜約0.01重量%であり得る。本発明の化合物を洗口剤に使用する場合、使用濃度は、組成物の約0.000001重量%〜約0.01重量%又は約0.0001重量%〜約0.001重量%であり得る。本発明の化合物、例えば化合物28を例えばシャンプー及びローション中で局所的に送達する場合、その濃度は組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%又は組成物の約0.01重量%〜約0.4重量%であり得る。
化合物、例えば歯磨剤、トローチ剤、フロス、チューインガム、又は白いストリップからの化合物28の経口適用において、化合物28が異性体に分割されるか又は組み合わされるとき、使用濃度は、分画1の約10%〜約70%及び分画2の約10%〜約70%、又は分画1の約30%〜約60%及び分画2の約30%〜約60%であり得る。化合物28をTRPA1アゴニスト、TRPV1アゴニスト、又はその両方と組み合わせる場合、TRPA1又はTRPV1アゴニストの使用濃度はTRPA1又はTRPV1アゴニストの組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%又は約0.01重量%〜約0.2重量%の範囲であり、ここで、TRPA1アゴニスト及び/又はTRPV1アゴニストの両方を化合物28を含む組成物に別々に又は同時に添加することができる。化合物28に加えて別のTRPM8アゴニストを使用する場合、追加のTRPM8アゴニストの使用濃度は、組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%又は約0.005重量%〜約0.3重量%であり得る。化合物28に加えて、TRPM8増強剤を使用する場合、組成物の約0.001重量%〜約0.2重量%又は約0.005重量%〜約0.1重量%の範囲で添加することができる。本発明の組成物は化合物28から強化された感覚シグナルを送達するために、上に開示された範囲の多数のTRPA1及びTRPV1アゴニストを含有し得る。
例えば、シャンプー及びローションにおける化合物28のような化合物の局所適用において、化合物28が異性体に分割されるか又は組み合わされるとき、使用濃度は、分画1の約10%〜約70%及び分画2の約10%〜約70%、又は分画1の約30%〜約60%及び分画2の約30%〜約60%であり得る。化合物28をTRPA1及び/又はTRPV1アゴニストと組み合わせる場合、TRPA1又はTRPV1アゴニストの使用濃度は、TRPA1又はTRPV1アゴニストのいずれかの組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%又は約0.01重量%〜約0.2重量%であり得、ここで、TRPA1アゴニスト及びTRPV1アゴニストの両方が化合物28を含む組成物に別々に又は同時に添加され得る。化合物28に加えて、別のTRPM8アゴニストが使用される場合、追加のTRPM8アゴニストの使用濃度は、組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%又は約0.005重量%〜約0.3重量%であり得る。化合物28に加えて、TRPM8増強剤を使用する場合、組成物の約0.001重量%〜約0.2重量%又は約0.005重量%〜約0.1重量%の濃度で使用することができる。組成物は、化合物28からの増強された感覚シグナルを送達するように記載された範囲の多数のTRPA1及びTRPV1アゴニストを含有し得る。
実施例に記載した全ての工程は特に断らない限り、室温で行った。
実施例1:化合物#28異性体のアキラル分離及びキャラクタライゼーション
非立体特異的合成から製造した化合物28をクロマトグラフィーにより分離して、分画1及び分画2と名付けられた2つのマルチグラム分画を作製した。化合物#28の構造から、n=5個のキラル中心が存在し、理論的には16対のエナンチオマーを含む2又は32の全異性体であり得る。最初に、化合物28の異性体を分離し、Waters Acquity Hクラス、Ultra Performance Liquid Chromatography(UPLC)を用いてLC−UV−MSにより分画1及び分画2を特徴付けるためのアキラルクロマトグラフィー条件を開発した。この条件には、試料マネージャー、四[4]元溶媒マネージャー、可変紫外(TUV)検出器、及びQDa質量選択単一四重極質量分析器(Waters Corporation,Milford,MA)が装備されている。分析及び特性解析のために、化合物28の固体試料を重量を測定し、50%脱イオン水/50%メタノール(MeOH、EMD Millipore Corporation,Billerica,MAからのHPLCグレード)からなり、また0.1%トリフルオロ酢酸(TFA,Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO)を含む溶液中で約100μg/mLで溶解した。
化合物28のサンプル中に含まれる異性体のアキラル分離は、1.7μmの粒子の2.1×100mmのAccuity UPLC BEHシールドRP18カラム(Waters Corporation,Milford,MA)を用いて達成した。シグマアルドリッチからの水+0.1%TFAを含む移動相(A)及びEMD Millipore,Co.,Billerica,MAからのMeOHを含む移動相(B)を用いて移動相グラジエントを利用した。移動相組成物を、75%(A)/25%(B)で注入する前に平衡にし、そして5μLの試料注入後に、移動相組成物を10分で100%(B)に直線的にラインピングした。ランピング前に移動相(B)の100%を3分間保持した後、2分で元の状態に戻した。LC分析法全体を通じて0.4mL/分の移動相流量を維持した。215nmにおける検出器吸光度をモニターすることにより、UVトレースを得た。
化合物28、分画1及び分画2のUV分析は、それぞれ図1及び図2に示され、優れた保持時間の再現性及びこれらの混合物中に見出される異性体の非常に良好な分離を示している。図3は分画1及び分画2からの代表的な分析のUVオーバーレイを提供し、化合物28のこれら2つの分画の異性体組成の差異を強調している。
図3は、化合物28の異性体のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)分離を示す。7.4〜7.5分に収集した分画標識分画1は、下記の表2、表3及び表4に示されるようなTRPM8活性から決定されるように、強い冷却及び低EC50を送達する主要な異性体及びより小さい異性体に対応する。7.20〜7.38分に収集した分画標識分画2ははるかに低いTRPM8値を有する化合物28の異性体に相当し、それは、表2、表3及び表4に示すように試験した投与量でヒトが知覚する冷却反応を示さなかった。
分析化合物28、分画1からのUVトレースを図4に示し、ここで用いたアキラルクロマトグラフィー条件によって分離されたこの混合物中の8つの異なる異性体を明らかにしている。図4に示されるピークのQDa正イオン質量スペクトルは、予想通り、化合物28の構造を所与とし、かつ図4内で強調された成分を示すm/z374に、強力なプロトン化分子イオンを示したものであり、これは化合物28の異性体種である。
実施例2:逆相条件を用いた化合物28異性体のキラル分離及びキャラクタライゼーション
化合物28異性体の分離を更に改善するために、上記のTUV及びQDa検出器を用いて逆相UPLC条件(Waters Acquity H Class,Ultra Performance Liquid Chromatograph,Waters Corporation,Milford,MA)を用いてキラル固定相を評価した。Waters Acquity UPC Trefoilカラムを、UPLC又は交互にHPLCと共に、Waters 2695 Separations Module及びWaters 2998 Photodiode Array Detector(両方ともWaters Corporation,Milford,MA製)上で使用した。CEL1(セルローストリス−(3,5−ジメチルフェニルカルバマート))、及びAMY1)(アミローストリス−(3,5−ジメチルフェニカルバマート))(150mm×2.1mm、2.5μm粒子、Waters Corporation,Milford,MA)トレフォイルカラム)の両方が、化合物28の異性体を分離する能力を評価した。更に、ChiralcelOJ−R(150mm×4.6mm、5μm粒子、株式会社ダイセル、大阪、日本)キラルカラムを評価した。これらのカラムを用いて、以下の溶媒を含む化合物28異性体のキラル分離を開発するために、一連の移動相を調べた:アセトニトリル(ACN)、メタノール(MeOH、両方ともEMD Millipore Co.,Billerica,MA)及び水(Milli−Q Millipore High Quality Water Purification System,Billerica,MA)を、5〜25mM濃度のギ酸アンモニウム(Alfa Aesar,Ward Hill,MA)、ヘキサフルオロリン酸カリウム(KPF6,TCI America,Portland,OR)及び/又はギ酸(Sigma Aldrich,St.Louis,MO)とpH3〜9.の範囲のpHで、pHをギ酸より低く、水酸化アンモニウム(EMD Millipore Co.,Billerica,MA)より高く調整した。上記の方法条件の様々な組み合わせ下で100回を超える注入の後、化合物28の分画1混合物中の異性体の品質分離は達成されなかった。以下の表1は、分離が成功しなくても試みられた特定の条件と、これらの分離が不成功と判定された理由を示している。
Figure 2018533567
TRPM8活性化は、細胞培養プロトコル実施例に記載されているように、TRPM8受容体遺伝子でトランスフェクトされた細胞からの細胞内カルシウムイオン(Ca2+)濃度を測定することによって判定した。この結果は表2及び表3に示されている。
Figure 2018533567
Figure 2018533567
TRPM8のデータは表2及び表3に示され、表2が分画1に対応し、表3が分画2に対応する。表2及び表3に示されるTRPM8のデータは、化合物28の異性体(分画1、分画2)の2つのHPLC分離の用量反応を比較している。表2及び表3に示されるように、両分画は、それぞれ781nMで急速にTRPM8を活性化する。しかし、分画1は、分画2と比較してより低い及びより低い用量で活性化し続けた。12.2nMの線量から活性化の5分後における分画1は対照の103.8%であったが、同じ時点及び線量での分画2は対照の65.7%であった。活性化の10分後に、12.2nM線量は、分画1では対照の115.5%、分画2では対照の71.1%であった。分数1の12.2nMでの測定値は異常に高く、異常値データ点と考えられた。もし含まれるならば、12.2nMのデータポイントは現実的に起こり得るよりもEC50を低くし、したがって表3のEC50計算からは除外された。これらの異性体の違いは、下記の表4に示されるように、EC50値において更に説明されている。
Figure 2018533567
実施例3:細胞培養プロトコル
TRPM8(配列番号1)の活性化に及ぼす被験化合物の影響を決定するために、以下に列挙したプロトコルを用いた。
TRPM8プロトコル−FLIPRアッセイ
TRPM8が活性化されるか否かを決定するために、TRPM8受容体配列(配列番号1)でトランスフェクトされた細胞から細胞内カルシウムイオン(Ca2+)濃度を測定した。ヒトTRPM8を安定的にトランスフェクトしたHEK−293(ヒト胎児腎)細胞を、5%COに設定した哺乳動物細胞培養インキュベーター中で75cmのフラスコ内の15mL増殖培地(10%FBS(ウシ胎児血清)、100ug/mLのペニシリン/ストレプトマイシン、5μg/mLのブラスチシン、及び100μg/mLのゼオシンを添加した高グルコースDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地))で3日間にわたり37℃で増殖させた。細胞をトリプシン−EDTA緩衝液(GIBCO(登録商標)25200,Invitrogen,Grand Island,NY)2mLを加えて約2〜3分間分離した。トリプシンは、8mLの増殖培地の添加により不活性化された。細胞を50mLの管に移し、850rpmで3分間遠心分離させて、培地を除去した。遠心分離後、細胞のペレットが管の底に形成されて、それらを上清溶液から分離した。上清を捨て、細胞ペレットを1mLの新鮮増殖培地中で懸濁し、これに5μL(12.5μg)のFluo−4AM(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR)カルシウム指示薬を添加し、穏やかに振盪しながら30分にわたってインキュベートした。Fluo−4AMは、細胞内Ca2+濃度を100nM〜1mMの範囲で定量化するために用いられる蛍光染料である。30分間の終わりに、45mLのアッセイ緩衝剤(1xHBSS(Hank’s Balanced Salt Solution)、20mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸))を加えて、細胞を洗浄し、次いで得られた混合物を850rpmで3分間遠心分離させて、余分な緩衝剤及びFluo−4AMカルシウムインジケータを除去した。
ペレット状の細胞をアッセイ用緩衝液10mLに再懸濁させ、10μLの試験化合物(アッセイ用緩衝液中1mM、最終濃度100μM)又は緩衝剤対照を含有する96ウェルのアッセイプレートに、1穴につき90μLのアリコート(細胞およそ50,000個)を撒き、室温にて30分にわたってインキュベートした。30分後、プレートを蛍光測定画像解析用プレートリーダー(Molecular Devices(Sunnyvale,CA)製FLIPR TETRA)内に配置し、基礎蛍光を記録した(励起波長488nm及び発光波長510nm)。次いで、TRPM8アゴニストWS5冷感剤の180μM溶液の20μLをアッセイ緩衝液に添加し、蛍光シグナルをFLIPRによって自動的に記録した。TRPM8に対する試験化合物の直接効果を判定するために、各化合物の添加直後に蛍光度を測定した(表2及び表3)。FLIPR法についての追加的な議論をSmartら、Characterization using FLIPR of human vanilloid VR1 receptor pharmacology,European Journal of Pharmacology 417,51〜58(2001)及びLiuら、Development and validation of a platelet calcium flux assay using a fluorescent imaging plate reader,Analytical Biochemistry 357,216〜224(2006)に見ることができる。
実施例4:超臨界流体クロマトグラフィー条件を用いた化合物28異性体のキラル分離及びキャラクタライゼーション
逆相条件を用いて化合物28異性体の効果的なキラル分離を開発する難しさとともに、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を化合物28異性体の包括的分離をもたらす可能性について評価した。超臨界流体キラル分離法開発のために、アプライドバイオシステムズAPI4000トリプル四重極型質量分析計(Applied Biosystems,Toronto,Canada)とWaters Ultra Performance Convergence Chromatograph(UPC2,Waters Corporation,Milford,MA)を組み合わせた。
アミローストリス[(S)−α−メチルベンジルカルバメート](AS−H)、アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(AD−H)、セルロース3,5−ジメチルフェニルカルバメート(OD−H)、セルローストリス(メチルベンゾエート)(OJ−H)、固定相(全て250mm×4.6mm、5μm粒子、Chiral Technologies Inc.,West Chester,PA)及びセルローストリス−(3−クロロ−4−メチルフェニルカルバメート)(150mm×3mm、2.5μm粒子、Waters Corporation,Milford,MA)を、酢酸アンモニウム(LC−MSグレード、Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)、トリエチルアミン(LC−MSグレード、Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO)及びギ酸(LC−MSグレード、Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO)などの添加剤と共に、高圧二酸化炭素(Matheson,Coleman Instrumentグレード、Matheson Tri−Gas Inc.,Basking Ridge,NJ)、メタノール(LC−MSグレード、Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)、イソプロパノール(LC−MSグレード、Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)、及びエタノール(HPLCグラジエントグレード、Merck&Co.,Inc.,Kenilworth,NJ)の組み合わせからなる超臨界流体移動相と共に評価した。検出は、陽イオン化大気圧化学イオン化(+APCI)、選択反応モニタリング(SRM)モード、及びm/z=374から83までのトランジション(transition)の反応を連続的に記録するAPI4000トリプル四重極質量分析計を用いて行った。衝突活性化は、衝突エネルギー47eV、衝突出口電位5V、デクラスタ電位120V、ソース温度500℃、針電流3及び窒素ターゲットガス5の衝突ガス圧の第2四重極で達成された。
全体として、化合物28異性体のSFC分離を成功させることなく、100を超える異なる組み合わせのSFC条件を試みた。分離が容認できない理由は表1の逆相キラル分離の場合と同じであり、化合物28の異性体の保持が不十分であること、カラムから化合物28の異性体を溶出することができないこと、及び/又は適切に保持され溶出された異性体を良好に分離することができないことが挙げられた。
化合物28の異性体の効果的なキラル分離は明らかに非常に困難であり、特にその多官能性、5つのキラル中心、及び32の異性体の可能性を考えると明らかではない。上述した広範な調査とそれに続く戦略的最適化の後、最終的に、Chiralpak AS−HとChiralpak AD−Hカラムを組み合わせると、AS−Hの順序で直列に、最適化された移動相でAD−Hが続き、これまでに製造された化合物28の全ての異性体をうまく分離できることが発見された。AD−Hは、アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)化学物質を有する任意のカラムを含むことを意味し、AS−Hは、アミローストリス[(S)−α−メチルベンジルカルバメート)化学物質を有する任意のカラムを含むことに留意すべきである。同様に、ここに明記されている他のカラム化学物質は、特定の供給者によって製造された特定の種類のカラムではなく、これらのそれぞれの化学物質を含む全てのカラムを指す。
キラル分離を成功させるために、Chiralpak AS−Hカラムに続いて、二酸化炭素、エタノール、及び20mM酢酸アンモニウムからなる移動相を有するChiralpak AD−Hカラムを使用した。40℃で一定に保たれたカラム温度で1.0mL/分の流速で加圧CO[15MPa(150bar)背圧]の超臨界流体流中で、10%エタノール(20mM酢酸アンモニウム)を含む移動相に試料混合物を注入し、グラジエント分離を行った。エタノールの割合は初期条件に戻る前に、0.25%/分で直線的に最大26%までランピングさせた。注入前に、試料をメチルt−ブチルエーテルに溶解し、7.5μLを注入した。上記の条件下でm/z=374〜83のSRMトランジションをモニターすることにより、API 4000トリプル四重極型で検出した。
表5:非立体特異的及び立体特異的合成経路により製造された材料のキラルSFCクロマトグラフィー分析により決定される合成混合物中の化合物28の異性体含有量。総ピーク面積の>0.5%の異性体をこの表に含め、図5にラベル付けする。
Figure 2018533567
立体選択的合成に加えて、高品質クロマトグラフィー精製は、化合物28の高純度単一異性体を単離するための代替アプローチである。われわれは、キラルセレクターAD−HとAS−Hを最適な移動相と直列に使用すると、異性体精製に非常に有用なこれらの異性体化合物の分離を成功させることができることを発見した。化合物28の異性体のキラルな分離は、その複雑な官能基、5つのキラル中心、及び32の可能な異性体を考えると、非常に難しく、明らかではない。戦略的最適化と開発を通して、AD−HとAS−Hキラルセレクターの組み合わせに基づいて独自の分離を開発した。未臨界、超臨界、又は流動性の高いアルコール/CO移動相と組み合わせたアミロースベースのキラル固定相の最適な使用は、化合物28異性体の良好な分離を提供すると期待される。化合物28の異性体精製の目的のために、精製された化合物28の異性体の回収時に移動相の除去を容易にするために、任意の不揮発性又は半揮発性添加剤の使用を制限することが望ましい。例えば、特定の態様において、移動相は、移動相の重量比で約0.2%未満の不揮発性添加剤又は半揮発性添加剤(酢酸アンモニウムなど)を含み得る。更に、所与の用途に要求されるように、品質分離の2つ以上の連続する段階の使用もまた、各異性体分画の純度を増加させるために使用することができる。
本明細書に開示される寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるかかる全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。

Claims (9)

  1. 超臨界流体クロマトグラフィーを利用した特定の立体異性体を分離する方法であって、
    a.カラムに、アミローストリス[(S)−α−メチルベンジルカルバメート](AS−H)を供給することと、
    b.カラムに、アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(AD−H)を供給することと、
    c.化合物28を供給することと、
    を含み、
    化合物28を前記AS−Hカラムに通し、次いで前記AD−Hカラムに通して立体異性体を分離する、方法。
  2. 前記AD−Hカラムは、二酸化炭素、エタノール、及び酢酸アンモニウムを含む移動相を含み、好ましくは前記酢酸アンモニウムは0〜50mMである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記分離が、加圧CO超臨界流動ストリーム、加圧COの亜臨界流動ストリーム、又は加圧COの増強された流動ストリームのうちの少なくとも1つと共に使用される、アミロースベースのキラル固定相によって達成される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記AS−Hカラムが、二酸化炭素、アルコール、又は酢酸アンモニウムのうちの少なくとも1つを含む移動相と組み合わせて使用され、好ましくは前記アルコールがエタノールである、請求項1又は3に記載の方法。
  5. 前記AD−Hカラムが、二酸化炭素、アルコール、又は酢酸アンモニウムのうちの少なくとも1つを含む移動相と組み合わせて使用され、好ましくは前記アルコールがエタノールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記AS−Hカラムが、加圧COの超臨界流動ストリーム、加圧COの亜臨界流動ストリーム、又は加圧COの増強された流動ストリームのうちの少なくとも1つを含む、グラジエント分離と組み合わせて使用される、請求項1又は4に記載の方法。
  7. 前記AD−Hカラムが、加圧COの超臨界流動ストリーム、加圧COの亜臨界流動ストリーム、又は加圧COの増強された流動ストリームのうちの少なくとも1つを含む、グラジエント分離と組み合わせて使用される、請求項1又は5に記載の方法。
  8. 前記移動相が、前記移動相の重量で約0.2%未満の不揮発性添加剤又は半揮発性添加剤を含み、好ましくは前記移動相が約0.2%未満の酢酸アンモニウムを含む、請求項2〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 単離された立体異性体が少なくとも約70%の純度を有し、好ましくは単離された立体異性体が少なくとも約85%の純度を有し、より好ましくは単離された立体異性体が少なくとも約95%の純度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
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