目下好ましい実施形態の形成及び使用は、以下で詳細に論じられる。なお、当然のことながら、本発明は、多種多様な特定の状況において具現化され得る多くの適用可能な発明概念を提供する。論じられる具体的な実施形態は、本発明を構成し使用するための特定の方法を単に説明し、本発明の適用範囲を制限しない。
本発明は、特定の状況における好適な実施形態、すなわち、直流/交流電力システムの相の複数のインバータ・ユニットを接続する結合インダクタ構造に関して記載される。更に、結合インダクタ構造は、直流/交流電力システムの3つの相を接続するために用いられてよい。本発明は、なお、様々な直流/交流電力システムにも適用されてよい。以降、様々な実施形態が、添付の図面を参照して詳細に説明される。
図1は、本開示の様々な実施形態に従って、結合インダクタを有するマルチチャネル・インバータ・システムのブロック図を表す。マルチチャネル・インバータ・システム100は、入力直流電源101、マルチチャネル・インバータ102、結合インダクタ104、出力フィルタ106及び交流電源107を有する。いくつかの実施形態で、マルチチャネル・インバータ102は、複数の電力処理チャネルを有してよい。各チャネルは直流/交流インバータとして実装されてよい。マルチチャネル・インバータ102におけるチャネルは、結合インダクタ104を介して並列に接続される。より具体的に、各チャネルの入力は入力直流電源101へ接続され、各チャネルの出力は、結合インダクタ104の巻線を介して出力フィルタ106へ接続される。等しい電流共有が結合インダクタ104を通じて達成され得る。本明細書の全体を通して、マルチチャネル・インバータ102のチャネルは、マルチチャネル・インバータ102のインバータ・ユニットと代わりに呼ばれることがある。
マルチチャネル・インバータ102の各インバータ・ユニットは、入力直流電源101から受け取られた直流波形を交流波形へ変換する。いくつかの実施形態で、各インバータ・ユニットは、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(insulated gate bipolar transistor)(IGBT)デバイスのような複数のスイッチング素子を有してよい。代替的に、各インバータ・ユニットは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal oxide semiconductor field effect transistor)(MOSFET)デバイス、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor)(BJT)デバイス、スーパー接合トランジスタ(super junction transistor)(SJT)デバイス、バイポーラ・トランジスタ及び/又は同様のもののような他のタイプの制御可能なデバイスを含んでよい。マルチチャネル・インバータ102のインバータ・ユニットの詳細な動作及び構造は、図2に関連して以下で記載される。
いくつかの実施形態で、各チャネルは、位相シフトを有して直流波形を交流波形へ変換するよう構成される。各電力処理チャネルの位相シフトは、360度/Nに等しい。このとき、Nは、マルチチャネル・インバータ・システム100の最も重要な高調波の次数である。いくつかの実施形態で、Nは、5、7などのような奇数の整数である。
結合インダクタ104は、お互いに磁気的に結合された複数の巻線を有してよい。いくつかの実施形態で、複数の巻線は、お互いに負結合されてよい。複数の結合された巻線は、同じ磁気コア(例えば、トロイダル・コア)に巻かれてよい。複数の結合された巻線の第1端子はそれらの各々のチャネルへ接続され、複数の結合された巻線の第2端子はつなぎ合わされ、更には、出力フィルタ106の入力部へ接続される。更に、複数の巻線の間の結合は、漏れ磁束を発生させることがある。結合インダクタの等価回路で、漏れ磁束は漏れインダクタンスによって置き換えられる。そのような漏れインダクタンスは、出力フィルタ106のいくつかの誘導素子を置き換えるために用いられ得る。結合インダクタ104の構造は、図2〜5に関連して以下で詳細に記載される。
出力フィルタ106は、複数の誘導及び容量素子を有してよい。いくつかの実施形態で、誘導及び容量素子はL−Cフィルタ、又はカスケード接続された複数のL−Cフィルタを形成してよい。誘導素子(例えば、インダクタ)は、高周波ノイズがマルチチャネル・インバータ・システム100の出力に流れることを防ぐよう高インピーダンスを提供する。同時に、容量素子(例えば、キャパシタ)は、交流電源107の入力部を短絡し、インバータ・ユニットから生成される高周波ノイズのための低インピーダンスチャネルを提供する。出力フィルタ106の詳細な構造は、図2〜5に関連して以下で記載される。
図2は、本開示の様々な実施形態に従って、図1で示されたマルチチャネル・インバータ・システムの第1の実施の概略図を表す。入力直流電圧源PV1は、マルチチャネル・インバータ102の入力部へ結合されている。入力ノイズにフィルタをかけるために、入力キャパシタ(例えば、C1及びC2)が、入力直流電圧源PV1の2つの出力端子の間に接続されている。より具体的に、入力キャパシタは、第1入力キャパシタC1及び第2入力キャパシタC2を有してよい。第1入力キャパシタC1及び第2入力キャパシタC2は直列に接続され、更には、入力直流電圧源PV1の2つの端子の間に結合される。第1入力キャパシタC1及び第2入力キャパシタC2の共通ノードは、図2で示されているように中性点へ接続される。いくつかの実施形態で、中性点は、マルチチャネル・インバータ・システム200の接地である。
マルチチャネル・インバータ102は、第1インバータ・ユニット202、第2インバータ・ユニット204及び第3インバータ・ユニット206を有する。インバータ・ユニット202、204及び206の入力部は、入力直流電圧源PV1へ接続されている。インバータ・ユニット202、204及び206の出力部は、結合インダクタ104の3つの入力端子へ夫々接続されている。
図2で示されているインバータ・ユニット202、204及び206は、T型3レベル・インバータとして一般的に知られている。図2は、T型3レベル電力インバータであるインバータ・ユニット202、204及び206を示すが、マルチチャネル・インバータ・システム200が2レベル・インバータ、3レベル・インバータ、共振インバータ、それらのあらゆる組み合わせ及び/又は同様のもののような、しかしそれらに限られない他のインバータを有することは、本発明の適用範囲及び精神の範囲内にある点が留意されるべきである。
いくつかの実施形態で、インバータ・ユニット202、204及び206は、図2で示されているT型3レベル・インバータ構造のような同じ構造を有してよい。簡単のために、第1インバータ・ユニット202の詳細な構造のみが以下で記載される。
第1インバータ・ユニット202は、直列に接続された一対のスイッチング素子S11及びS12を有する。スイッチング素子S11及びS12の共通ノードは、バック・ツー・バック接続されたスイッチング素子S13及びS14によって形成される絶縁デバイスを通じて接地へ結合される。バック・ツー・バック接続されたスイッチング素子S13及びS14は、スイッチング素子S11及びS12の共通ノードを接地から完全に分離させることができる。いくつかの実施形態に従って、スイッチング素子S11、S12、S13及びS14はIGBT又は、並列、直列及びそれらのあらゆる組み合わせにおいて接続された複数のIGBTである。
スイッチング素子S11、S12、S13及びS14は、第1インバータ・ユニット202の出力部が3レベル波形を生成するように制御される。特に、スイッチング素子S11がオンされ、スイッチング素子S12がオフされるとき、第1インバータ・ユニット202の出力部は、入力直流電圧源PV1の電圧の2分の1に等しい正電圧を生成する。同様に、スイッチング素子S12がオンされ、スイッチング素子S11がオフされるとき、第1インバータ・ユニット202の出力部は、入力直流電圧源PV1の電圧の2分の1に等しい負電圧を生成する。スイッチング素子S11及びS12の両方がオフされ、スイッチング素子S13及びS14がオンされるとき、第1インバータ・ユニット202の出力部は接地へ結合される。そのようなものとして、第1インバータ・ユニット202の出力部は、3レベル電圧波形を生成する。3レベル電圧波形の周波数は、実施形態に従って、約60Hzである。
更に、図2で示されている各インバータ・ユニットのスイッチング素子(例えば、S11、S12、S13及びS14)は、2つの出力波形の間に位相シフトが存在するように制御される。例えば、スイッチング素子S11〜S14のタイミング及びスイッチング素子S21〜S24のタイミングを制御することによって、第1の位相シフトが第1インバータ・ユニット202及び第2インバータ・ユニット204の出力部の間に置かれ得る。同様に、スイッチング素子S21〜S24のタイミング及びスイッチング素子S31〜S34のタイミングを制御することによって、第2の位相シフトが第2インバータ・ユニット204及び第3インバータ・ユニット206の出力部の間に置かれ得る。第1の位相シフト及び第2の位相シフトにより、結合インダクタ104の出力部での電圧波形は3レベル波形ではない。代わりに、結合インダクタ104の出力部での電圧波形はマルチレベル波形である。マルチレベル波形のレベルの数は、位相シフトの程度に応じて変化し得る。いくつかの実施形態で、マルチレベル波形のレベルの数は7に等しい。7レベル波形の例は図8で示されている。
結合インダクタ104の出力部のマルチレベル波形(例えば、図8における波形D)を有することの1つの有利な特徴は、図8で示されているマルチレベル波形が正弦波形をたどる点である。結果として、高調波成分はより少ない。例えば、位相シフトを選択することによって、5次高調波のような支配高調波が除去され得る。マルチレベル波形(例えば、図8における波形D)を有することの他の有利な特徴は、マルチレベル波形が出力フィルタ106の設計を簡単にするのを助ける点である。簡略化された出力フィルタの詳細な構造は、図4〜5に関連して以下で記載される。
図2で示されているインバータ・ユニット202、204及び206並びに結合インダクタ104は例にすぎない点が留意されるべきであり、当業者であれば、インバータ(例えば、インバータ・ユニット202〜206)及びその対応する結合インダクタ104が多種多様な方法で実施され得ると認識するだろう。例えば、マルチチャネル・インバータ・システム200は、3つよりも多いインバータ・ユニットに適応してよい。然るに、結合インダクタ110は多数の巻線を有してよく、それらの巻線の夫々は、対応するインバータ・ユニットの1つの出力部へ接続される。
結合インダクタ104は3つの巻線を有する。第1巻線212は、図2で示されているように、ノードAとノードDとの間に接続されている。第2巻線214は、ノードBとノードDとの間に接続されている。第3巻線216は、ノードCとノードDとの間に接続されている。図2で示されているように、各巻線の点は巻線の極性を表す。図2で示されているように、第1巻線212は、Mの結合係数により第2巻線214へ負結合される。同様に、第2巻線214は、Mの結合係数により第3巻線216へ負結合される。第3巻線216は、Mの結合係数により第1巻線212へ負結合される。Mは所定の数である。それは、種々の設計ニーズに応じて変化し得る。それら3つの負結合されたインダクタの詳細な実施は、図6に関連して以下で記載される。
いくつかの実施形態で、結合インダクタ104は、マルチチャネル・インバータ・システム200が第1インバータ・ユニット202、第2インバータ・ユニット204及び第3インバータ・ユニット206の間で平等にエネルギを分配するのを助ける。特に、それらのインバータ・ユニットの間の平衡は、結合インダクタ104の磁化インダクタンスによって決定される。3つのインバータ・ユニットの間で平衡のとれたエネルギ分配を達成するために、磁化インダクタンスは、大きい値を有するよう設計される。結果として、磁化インダクタンスの変化は比較的小さい。そのような小さい変化は、マルチチャネル・インバータ・システム200が静的な電流共有及び動的な電流共有の両方を達成するのを助ける。
出力フィルタ106は、直列に接続されており、更には、結合インダクタ104と出力交流電源との間に結合されている第1インダクタL1及び第2インダクタL2を有してよい。出力フィルタ106は、第1インダクタL1及び第2インダクタL2の共通ノードと接地との間に結合された複数の出力キャパシタを更に有してよい。複数の出力キャパシタは、図1ではキャパシタC3として集合的に示されている。
第1インダクタL1及び第2インダクタL2は、高周波ノイズがマルチチャネル・インバータ・システム200の出力に流れようとするときに高インピーダンスを提供する。同時に、キャパシタC3は、交流電源の入力部を短絡し、マルチチャネル・インバータ・システム200から生成される高周波ノイズのための低インピーダンスチャネルを提供する。結果として。インバータ・ユニット202、204及び206の高周波ノイズは、出力フィルタ106を流れることができない。
図2で示されているインバータ・トポロジ、出力フィルタ106、入力直流電源PV1及び出力交流電源は、単に例示を目的として提供され、様々な実施形態の例としてのみ提供される点が留意されるべきである。そのような例は、特許請求の範囲の適用範囲を必要以上に制限すべきでない。当業者ならば、多数の変形、変更、及び改良を認識するだろう。
図3は、本開示の様々な実施形態に従って、図1で示されたマルチチャネル・インバータ・システムの第2の実施の概略図を表す。図3で示されているマルチチャネル・インバータ・システム300は、第1インダクタL1が結合インダクタ104の漏れインダクタンスで置換されている点を除いて、図2で示されたものと同様である。結合インダクタ104の出力部での電圧は、正弦波形をたどるマルチレベル波形であるから、高調波含有量は然るべく低減される。そのような低い高調波含有量は、出力フィルタ106の設計を簡単にするのを助ける。いくつかの実施形態で、第1インダクタL1のインダクタンスは90%だけ小さくされ得る。いくつかの実施形態で、第1インダクタL1のインダクタンスは約10μHに等しい。そのような小さいインダクタンスは、結合インダクタ104の漏れインダクタンスによって置き換えられ得る。すなわち、第1インダクタL1は結合インダクタ104に組み入れられ得る。
磁気コアの磁性材料は、周囲媒体(例えば、空気)のそれよりも大きい透磁率を有し得る。しかし、結合インダクタ104の2つのインダクタの間の結合は完ぺきでないことがある。巻線と周囲媒体との間の結合は漏れ磁束を発生させうる。結合インダクタ104の3つ全てのインダクタは、空気のような周囲媒体との結合により漏れインダクタンスを生成しうる。図3で示されているように、第1インダクタ巻線によって生成される漏れはLlk1として定義され、第2インダクタ巻線によって生成される漏れはLlk2として定義され、第3インダクタ巻線によって生成される漏れはLlk3として定義される。それら3つの漏れインダクタンスは、図2で示された第1インダクタL1を置換するために用いられ得る。
図4は、本開示の様々な実施形態に従って、図1で示されたマルチチャネル・インバータ・システムの第3の実施の概略図を表す。図4で示されているマルチチャネル・インバータ・システム400は、出力キャパシタC3が除去されている点を除いて、図2で示されたものと同様である。図2で示されたインダクタ−キャパシタ−インダクタ(LCL)フィルタを有することの1つの欠点は、LCLフィルタがマルチチャネル・インバータ・システム200において発振を引き起こしうる点である。出力フィルタのインダクタンスを増大させること(例えば、30μHに等しいL1及び/又はL2のインダクタンス)によって、キャパシタC3は除去され得、マルチチャネル・インバータ・システム400は、図2で示されたマルチチャネル・インバータ・システム200と同じ高調波除去結果を達成し得る(現在のTHDは1.8%に等しい。)。
出力キャパシタC3を除去することの1つの有利な特徴は、マルチチャネル・インバータ・システム400の挙動が、正弦波形をたどる電流を生成する電流源と類似する点である。そのような電流源は、LCLフィルタを有するインバータ・システムで起きる発振問題を有さない。
図5は、本開示の様々な実施形態に従って、図1で示されたマルチチャネル・インバータ・システムの第4の実施の概略図を表す。図5で示されているマルチチャネル・インバータ・システム500は、第1インダクタL1が結合インダクタ104の漏れインダクタンスによって置換されている点を除いて、図4で示されたものと同様である。第1インダクタL1を結合インダクタ104に組み入れるメカニズムは、図3に関連して詳細に先に記載されており、従って、不必要な繰り返しを回避するよう再び論じられない。
図6は、本開示の様々な実施形態に従って、図1で示された結合インダクタの実施を表す。結合インダクタ104は、図6で示されているように、磁気コアの周りに巻かれてよい。実施形態に従って、磁気コアは、フェライト、鉄粉、他の適切な電力材料、それらのあらゆる組み合わせ及び/又は同様のもののような、高い透磁率を有している磁性材料から作られる。更に、磁気コアは、磁気損失を更に減らすようケイ素鋼のような適切な合金から作られてよい。
図6は、3つのレッグを備えている磁気コアの周りに巻かれた3つの巻線コイルN1、N2及びN3を有する。第1巻線コイルN1は第1レッグの周りに巻かれている。第2巻線コイルN2は第2レッグの周りに巻かれている。第3巻線コイルN3は第3レッグの周りに巻かれている。図6で示されているように、第2レッグは第1レッグと第3レッグとの間にある。コイルN1、N2及びN3の入力端子は、端子A、B及びCへ夫々接続されている。コイルN1、N2及びN3の出力端子はつなぎ合わされて、端子Dへ更に接続されている。コイルN1、N2及びN3は、同じ方向において巻かれている点が留意されるべきである。すなわち、巻線N1、N2及びN3によって生成される磁場は同じ方向にある。
図7は、本開示の様々な実施形態に従って、図1で示されたマルチチャネル・インバータ・システムを有する三相システムの概略図を表す。三相システム700は、相A、相B及び相Cを含む。相B及び相Cの構造は相Aのそれと同様であり、従って、図7では詳細に示されない。いくつかの実施形態で、相Aは、3つのインバータ・ユニットを有するマルチチャネル・インバータ702として実施されてよい。相Aの3つのインバータ・ユニットは、第1結合インダクタ712を介してつなぎ合わされる。マルチチャネル・インバータ702の動作原理は、図2で示されたマルチチャネル・インバータ・システム200のそれと同様であり、従って、不必要な繰り返しを回避するよう再び論じられない。
相A、相B及び相Cは、第2結合インダクタ714を介してつなぎ合わされる。図7で示されているように、第2結合インダクタ714は、巻線722、724及び726を有する。巻線722、724及び726は、それらの対応する出力インダクタL11、L12及びL13を介して負荷AC1、AC2及びAC3へ夫々接続される。第2結合インダクタ714の構造は、第1結合インダクタ712のそれと同様であり、従って、ここで再び論じられない。
図8は、本開示の様々な実施形態に従って、図2で示されたマルチチャネル・インバータ・システムのマルチレベル波形を表す。図8は、4つの波形を示す。第1の波形は、第1インバータ・ユニット202の出力部で生成される。第2の波形は、第2インバータ・ユニット204の出力部で生成される。図8で示されているように、第1の波形と第2の波形との間には位相シフトが存在する。第3の波形は、第3インバータ・ユニット206の出力部で生成される。図8で示されているように、第2の波形と第3の波形との間には位相シフトが存在する。第4の波形は、結合インダクタ104の出力部で生成される。図8で示されているように、第4の波形は7つのレベルを有している。7レベル波形は正弦波形をたどる。結果として、高調波成分はより少ない。
本発明の実施形態及びその利点が詳細に記載されてきたが、様々な変更、置換及び改変が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び適用範囲から逸脱することなくここで行われ得ることが理解されるべきである。
例えば、本開示の一実施形態で、入力直流電源と第1結合インダクタとの間に結合された複数の電力処理チャネルを有する第1インバータ手段を含み、Nが奇数の整数であるとして、各チャネルが、360度/Nに等しい位相シフトで直流波形を交流波形に変換するよう構成されるシステムが開示される。第1結合インダクタは複数の巻線を有し、各巻線は、対応する電力処理チャネルへ接続される第1端子を有し、複数の巻線の第2端子は、つなぎ合わされ、出力フィルタは、複数の巻線の第2端子へ接続される入力部を有する。
他の実施形態で、直流電源手段へ接続される第1T型インバータと、直流電源手段へ接続され、第1T型インバータから第1の位相シフトを有して作動するよう構成される第2T型インバータと、直流電源手段へ接続され、第2T型インバータから第2の位相シフトを有して作動するよう構成される第3T型インバータと、第1T型インバータ、第2T型インバータ及び第3T型インバータへ夫々接続される第1入力部、第2入力部及び第3入力部を有する結合インダクタとを含むシステムが開示される。結合インダクタは、第1レッグ、第2レッグ及び第3レッグを有する磁気コアと、第1レッグの周りに巻かれた第1巻線と、第2レッグの周りに巻かれた第2巻線と、第3レッグの周りに巻かれた第3巻線とを有し、第1巻線、第2巻線及び第3巻線の出力端子は、結合インダクタの出力部を形成するようつなぎ合わされ、出力フィルタは、結合インダクタの出力部へ結合される。
更に、本願の適用範囲は、本明細書で記載されているプロセス、機械、製品、組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に制限されるよう意図されない。当業者ならば、ここで記載されている対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在しているか又は後に開発されるプロセス、機械、製品、組成物、手段、方法、又はステップが本発明に従って利用されてよいことを、本発明の開示から容易に認識するだろう。然るに、添付の特許請求の範囲は、それらの適用範囲内にそのようなプロセス、機械、製品、組成物、手段、方法、又はステップを含めるよう意図される。
図2で示されているインバータ・ユニット202、204及び206並びに結合インダクタ104は例にすぎない点が留意されるべきであり、当業者であれば、インバータ(例えば、インバータ・ユニット202〜206)及びその対応する結合インダクタ104が多種多様な方法で実施され得ると認識するだろう。例えば、マルチチャネル・インバータ・システム200は、3つよりも多いインバータ・ユニットに適応してよい。然るに、結合インダクタ104は多数の巻線を有してよく、それらの巻線の夫々は、対応するインバータ・ユニットの1つの出力部へ接続される。
出力フィルタ106は、直列に接続されており、更には、結合インダクタ104と出力交流電源との間に結合されている第1インダクタL1及び第2インダクタL2を有してよい。出力フィルタ106は、第1インダクタL1及び第2インダクタL2の共通ノードと接地との間に結合された複数の出力キャパシタを更に有してよい。複数の出力キャパシタは、図2ではキャパシタC3として集合的に示されている。