JP2018531269A6 - 脂肪由来幹細胞に基づく幹細胞治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、脂肪由来幹細胞(ASC)および組成物ならびに治療のためのそのようなASCおよび組成物を製造および使用する方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、脂肪由来幹細胞(ASC)および組成物ならびに治療のためのそのようなASCおよび組成物を製造および使用する方法に関する。
発明の背景
多数の前臨床試験において、骨髄(MSC)ならびに脂肪組織からの間葉性間質細胞が強い再生能を有することが確立されている。両組織起源の間葉性間質細胞は、マトリクスリモデリング、血行再建および免疫調節を含む天然内在性修復機構を促進する細胞外物質を放出する、傍分泌機構を介して再生を改善する。
MSCは、重篤な安定型冠動脈疾患および難治性アンギナおよび慢性虚血性心不全の処置に安全かつ効率的であることが証明されている(例えば、Mathiasen et al., 2012; Mathiasen et al., 2013)。ASCでの慢性心筋虚血の処置の臨床的安全性も、同様に実証されている(Qayyum et al., 2012; Ekblond, 2015)。MSCはまた、樹状細胞成熟ならびにT細胞、B細胞およびNK細胞増殖を阻害または停止させる能力に由来する免疫抑制性質を有し、多種多様な自己免疫性または他の炎症性障害の処置について探索されている(Gebler et al., 2012; Wang et al., 2014)。
しかしながら、現在のASC産生方法および臨床現場への配送は最適にはほど遠く、このタイプの処置の広い普及が妨げられている。従って、広範な治療適用に適する高品質同種異系間ASC製剤を製造および保存する安全かつ効率的方法が必要とされている。
WO2014/203267号(Kaziak Research PVT Ltd.)は、ヒト脂肪組織由来MSCの単離、精製および産業規模増殖のための方法およびI型糖尿病、重症虚血肢および他の障害の処置におけるそれらの使用に関する。
WO2006/037649号(Cellerix S.L.およびUniversidad Autonoma de Madrid)は、あるマーカーにより特徴付けられる、非骨軟骨間葉性組織からの多能性細胞の同定および単離に関する。
この分野におけるこれらおよび他の進歩にもかかわらず、ASCのための新規製造および製剤テクノロジーがなお必要とされている。
発明の要約
本発明者らにより、ASCの高品質“即納可”製剤が効率的に、高濃度で、プロテインフリーのクリオ保護剤(cryoprotectant)中で生産され、凍結できることが発見された。凍結ASC製剤は、解凍されたとき、即時臨床使用可である。さらに、ASC製剤は免疫抑制性質を有し、例えば、免疫抑制性治療における自己および同種使用の両方に適するものとなる。
従って、第一の態様において、本発明は、次の
(i)ドナーから採取した吸引脂肪組織の間質血管細胞群(SVF)を、所望によりASC接着が促進するように表面が前処理されているバイオリアクターに添加し;
(ii)バイオリアクターにおいて、接着細胞をヒト血小板ライセートを添加した無血清培養培地においてコンフルエントまで培養し;
(iii)接着細胞を剥離し;
(iv)剥離した細胞を、クリオ保護剤中少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;
(v)凍結細胞を解凍し、工程(ii)および(iii)および所望により(iv)を少なくとも1回繰り返し、
(vi)剥離した細胞を少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;そして
(vii)所望により、凍結組成物を解凍する
工程の1以上を含む、実質的に均質な成人幹細胞集団を含む組成物を製造する方法に関する。
第二の態様において、本発明は、プロテインフリーのクリオ保護剤中、ドナーから採取した脂肪組織から単離した実質的に均質な成人幹細胞集団の懸濁液を含む医薬組成物などの組成物に関し、ここで、細胞濃度は少なくとも1×10細胞/mLである。組成物は所望により凍結される。ある実施態様において、組成物は、第一の態様の方法を使用して製造される。
第三の態様において、本発明は、例えば、自己免疫性または他の炎症性障害の処置のための、免疫抑制のためのおよび虚血性障害または組織破壊により特徴付けられる他の障害の処置のための、医薬としてのこのような組成物の使用に関する。ある実施態様において、組成物を、虚血性心疾患の処置方法において使用し、一般に組成物を直接心筋内注射により投与する。特に企図されるのは、同種治療、すなわち、ASCのドナーが組成物を投与する患者ではない場合である。
第四の態様において、本発明は、ドナーから採取した脂肪組織から単離した、実質的に均質なヒト幹細胞集団に関し、ここで、ASC集団の少なくとも約80%がCD90、CD73、CD13、CD105、CD29、CD166、CD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD49a、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現し、ASC集団の多くて約15%がCD45、CD19、CD14、CD106、CD31およびCD36を発現する。ある実施態様において、幹細胞集団は、第一の態様の方法を使用して製造される。
これらおよび他の態様および実施態様を下により詳細に説明する。
本発明のある実施態様によるASC産生方法を記載する。
発明の詳細な記載
本発明は、細胞バンクでの凍結保存に適する組成物であって、一般にASCのバイオリアクター中での凍結保存工程により分離される2ラウンドの増殖による、健常ドナーから単離したASCに基づく幹細胞生成物に関する。生成物は、例えば、心不全を伴うまたは伴わない心疾患などの虚血または他の組織破壊により特徴付けられる障害または疾患の再生治療、自己免疫性反応または移植片拒絶の免疫抑制または炎症性疾患の抗炎症性治療のための、同種治療薬物として有用である。特に、ASC組成物は、例えば、液体窒素中で保存される即納可凍結保存製品として使用でき、解凍後直ぐに使用できる。次いで、ASC組成物を静脈内、動脈内または組織、例えば、心筋への直接注射または点滴により投与できる。
さらに、本発明による異なるドナーからの多くのASC製剤を保有する細胞バンクは、例えば、レシピエントの処置前にドナーとレシピエントの組織マッチングを可能にすることにより個別化処置を提供でき、レシピエントが数処置を必要とするならば、ASCをあるドナーから他のドナーにスイッチする可能性もある。後者は、レシピエントが初期に投与したASC製剤からのASCに同種抗体応答を獲得したとき、特に有用である。
定義
“ASC”、“脂肪組織由来幹細胞”、“脂肪組織由来間質細胞”などは、脂肪組織由来である、間葉性幹細胞、多能性間質細胞、多能性幹細胞および間葉性間質/幹細胞としても知られる多能性間質幹細胞をいう。ASCを同定するある基準が当分野で知られ、例えば、Bourin et al. (2013)に記載され、これは全体として引用により本明細書に包含させる。ある実施態様において、ASCは、適切な条件下、脂肪細胞、軟骨芽細胞および造骨細胞分化系列に添って分化する能力により特徴付けられる。培養物におけるASCは、CD90、CD73、CD105の1以上の細胞表面マーカーを発現し、CD45およびCD31の発現を欠くことにより特徴付けられ得る。ある実施態様において、それらは骨髄由来MSCと、CD36陽性およびCD106陰性により区別できる。
ここに記載する本発明の方法により製造した幹細胞集団は、“実質的に均質”であり、細胞の大部分がASC標準に合うことを意味する。一般に、本発明による実質的に均質なASC集団は、ASC集団の少なくとも約80%がCD90、CD105、CD13、CD73、CD166、CD29、および場合により、CD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD49a、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現し、ASC集団の多くて約15%がCD45、CD31、CD14およびCD19を発現することにより特徴付けられる。本発明のあるASC集団において、1以上のCD90、CD73、CD13、CD105、CD29、CD166、CD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD49a、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRが、ASC集団の少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%、例えば少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%、例えば少なくとも約97%またはそれ以上で発現され得る。同様に、本発明のあるASC集団において、1以上のCD45、CD19、CD14、CD106、CD31およびCD36は、ASC集団の多くて約15%、例えば多くて約12%、例えば多くて約10%、例えば多くて約7%、例えば多くて約5%、例えば多くて約3%またはそれ以下で発現され得る。これらおよび他のマーカーについて企図される特定の範囲は、表15および20に示すとおり、ASC集団の最小および最大発現パーセンテージにより規定されるものである。
“脂肪”は、あらゆる脂肪組織を意味する。脂肪組織は、腹部領域または他の脂肪組織部位に由来する褐色または白色脂肪組織であり得る。ある実施態様において、脂肪は皮下白色脂肪組織または内臓脂肪組織または脂肪細胞を含む任意の他の組織であり得る。脂肪組織は如何なる哺乳動物にも由来し得る。好ましくは、脂肪組織はヒト、最も好ましくは成人由来である。好都合な脂肪組織供給源は脂肪吸引手技由来である。
ここで使用する“吸引脂肪組織”は、アスピレーター、すなわち、吸引デバイスによる脂肪吸引で取り出された物質をいう。吸引脂肪組織は、脂肪細胞、脂肪、結合組織、血管および間質血管細胞群を含む。当分野で知られるあらゆるタイプの脂肪吸引方法を使用でき、陰圧式、超音波式、パワーアシスト式、双カニューレ式、レーザー式および水流式脂肪吸引(WAL)を含むが、これらに限定されない。しかしながら、WALは、この中で好ましい選択肢に入る。次いで、“間質血管細胞群”または“SVF”を、当分野で知られ、下に例示する方法を使用して、吸引脂肪組織から単離できる。
ここで使用する用語“バイオリアクター”は、生物学的および/または生化学的プロセスが、監視および制御された環境および操作条件、例えば、pH、温度、ガス/空気および栄養素供給および廃棄物除去の下に展開される、あらゆるデバイスをいう。
ここで使用する用語“凍結保存”またはその文法上異なる形態は、氷点下温度でのクリオ保護剤中での保存のための細胞の保存をいう。長期保存のため、細胞およびクリオ保護剤を含むクリオバイアルを、通常液体窒素中に保持する。
ここで使用する用語“クリオ保護剤”は、クリオ保護剤非含有下に冷却したときの影響と比較して、細胞または組織を氷点下温度に冷却したとき、細胞または組織における氷晶形成を最小化し、温めた後、細胞または組織への損傷を実質的に減らす薬剤をいう。
ここで使用する“生存能”は、細胞が膜不透過色素(例えば、トリパンブルー、FVS−780、SYTOXブルー、ヨウ化プロピジウム)を取り込まず、それ故に、細胞膜完全性が示される性質をいう。
ここで使用する“増殖能”は、細胞が適当な培養培地で増殖する能力をいう。増殖能は、例えば、最初に播種した細胞と比較した24時間、48時間または72時間培養時間後の相対的細胞数により表され得る。これはまた一定時間中の“集団倍加”によっても表され得る。例えば、細胞培養48時間中の少なくとも1の集団倍加は、播種した細胞数が、その期間中に少なくとも1回倍加していることを意味する。
ここで使用する用語‘ドナー’は、一般に脂肪吸引により、脂肪組織を取り出したヒトまたは哺乳動物をいう。好ましくは、ヒトは成人である。
用語“処置”、“治療”などは、ここで、一般に所望の薬理的および/または生理的効果を得ることをいう。効果は、疾患またはその症状を完全にまたは一部予防する点で予防的であってよくおよび/または疾患および/または疾患に起因し得る有害作用の部分的なまたは完全な安定化または治癒の点で治療的であり得る。ここで使用する“処置”は、哺乳動物、特にヒトまたは動物対象の疾患のあらゆる処置を包含し、(a)疾患または症状に罹患し易い傾向を有するが、まだそれを有すると診断されていない対象において疾患または症状が生じるのを予防する、(b)疾患症状を阻止する、すなわち、その進展を阻止するまたは(c)疾患症状を軽減する、すなわち、疾患または症状を退行させることを含む。
開示する医薬組成物の治療使用において、‘同種’治療においては、ドナーおよびレシピエントは、同じ種の遺伝的に異なる個体であり、‘自己’治療においては、ドナーおよびレシピエントは同じ個体である。
用語“レシピエント”、“対象”および“患者”はここでは相互交換可能に使用し、処置または治療が望まれる哺乳動物対象、特にヒトをいう。
本発明の特定の実施態様
方法:
本発明の方法は、例えば、ASCの増殖添加剤としてのヒト血小板ライセート、密閉バイオリアクターシステムでの増殖および高品質ASCを用いる同種凍結保存即使用可組成成物としてのASCの最終製剤の組み合わせに基づく、安全かつ効率的な製造テクノロジーを提供する。
いくつかの異なる実施態様による本発明の方法の一般的概要を図1に示す。
一般に、本発明の方法を使用する、SVFからASC生成物の製造は、凍結保存時間を除き、わずか約15〜約18日を要するのみである。増殖効率は、バイオリアクターSVF1回操作から、11±5中間生成物バイアルの平均収量を得ることができ(SVF3回操作の平均)、最終生成物の平均バッチ当たり収量5±2アンプルを与える(バイオリアクターASC8回操作の平均)ことを考慮すると、特に驚くべきである。従って、各約1億1000万ASCを含む55クリオバイアルの平均収量が、SVF中の約1億単核細胞(MNC)から得られ得る。さらに、実施例に記載するとおり、ASC生成物は、継代2代ASC生成物の解凍直後に評価して、高生存能(平均90±2%)であることにより特徴付けられる。
ある実施態様において、実質的に均質な成人幹細胞集団を含む組成物を製造する方法は、
(i)ドナーから採取した吸引脂肪組織のSVFを、少なくとも一表面が成人幹細胞の接着が促進されるように前処理されているバイオリアクターに添加し;
(ii)バイオリアクター中、接着細胞をヒト血小板ライセートを添加した無血清培養培地においてコンフルエントまで培養し;
(iii)接着細胞を剥離し;
(iv)剥離した細胞を、クリオ保護剤中少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;
(v)凍結細胞を解凍し、工程(ii)〜(iii)を少なくとも1回繰り返し、
(vi)剥離した細胞を少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;そして
(vii)所望により、凍結組成物を解凍する
工程を含む。
ある実施態様において、実質的に均質な成人幹細胞集団を含む組成物を製造する方法は、
(i)ドナーから採取した吸引脂肪組織のSVFを、少なくとも一表面が成人幹細胞の接着が促進されるように前処理されているバイオリアクターに添加し;
(ii)バイオリアクターにおいて、接着細胞をヒト血小板ライセートを添加した無血清培養培地においてコンフルエントまで培養し;
(iii)接着細胞を剥離し;
(iv)工程(ii)および(iii)を少なくとも1回繰り返し;
(v)剥離した細胞を少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;そして、所望により、
(vi)凍結組成物を解凍する
工程を含む。
ある実施態様において、実質的に均質な成人幹細胞集団を含む組成物を製造する方法は、
(i)ドナーから採取した吸引脂肪組織の間質血管細胞群(SVF)を、少なくとも一表面が成人幹細胞の接着が促進されるように前処理されているバイオリアクターに添加し;
(ii)ヒト血小板ライセートを添加した無血清培養培地においてSVFの接着細胞をコンフルエントまで培養し;
(iii)接着細胞を剥離し;
(iv)剥離した細胞を、クリオ保護剤中少なくとも1×10100万細胞/mLの濃度で凍結させ;
(v)凍結細胞を解凍し、工程(ii)〜(iv)を繰り返し、剥離した細胞を少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;そして、所望により、
(vi)凍結組成物を解凍する
工程を含む。
SVFを、健常ドナーから得た吸引脂肪組織、例えば、50mL、100mL、200mL、300mLまたは500mL、例えば100〜300mLの吸引脂肪組織から単離する。一般に、脂肪組織を、先ず、物質分離のために傾斜法、沈降または遠心分離技術を利用する組織収集容器を使用して、非脂肪組織から分離する。次いで、脂肪組織を機械力(細分または剪断力)、コラゲナーゼ、トリプシン、TrypLe Select、リパーゼ、リベラーゼHI、ペプシンなど1以上のタンパク質分解酵素での酵素消化または機械的および酵素的方法の組み合わせなどの方法を使用して、解離させ得る。その後、残った細胞を濾過、遠心分離などにより取得できる。吸引脂肪組織からSVFを取得する方法の例は、Godthardt, et al. (2008) MACS Miltenyi Biotec Information PamphletおよびWO2014/138383号に記載されている。
ある実施態様において、約100mlの吸引脂肪組織を、局所麻酔下、腹部からの脂肪吸引により1ドナーから得る。吸引脂肪組織を、リン酸緩衝化食塩水(PBS)、pH7.4で2回洗浄し、残存血液を除去する。次いで、脂肪組織を、37℃、45分、平衡塩溶液に溶解したコラゲナーゼと定速回転下、インキュベートすることにより消化させる。コラゲナーゼを5%ヒト血小板ライセートおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有培地で中和し、100μmフィルターで濾過する。残った細胞を1200×gで10分、室温で遠心分離し、再懸濁し、製造業者の指示に従い、セルカウンターで計数する。
一般に、バイオリアクターの少なくとも一表面を、バイオリアクターの製造業者の指示に従ってまたは製法開始前のある選択した時点で、ASCの接着を容易にしまたは促進するように前処理する。細胞接着を促進するための種々のタイプの処理は当分野で知られており、例えば、合成荷電ポリマー、ナノファイバー、グリコサミノグリカンおよび種々のタンパク質組成物での組織培養処理およびコーティングを含む。組織培養処理のために、バイオリアクター中のポリスチレンベースの表面をプラズマガスで修飾し、疎水性可塑性表面をより親水性とし、細胞接着を促進する正味負電荷とする。表面のプレコーティングについて、この目的で有用なタンパク質組成物は、例えば、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、第VIII因子、フォン・ウィルブランド因子および第XIII因子などの、1以上の血漿タンパク質、例えば、コラーゲンおよびラミニンなどの、1以上の細胞外マトリクスタンパク質および/または1以上のプロテオグリカンを含み得る。ある実施態様において、タンパク質組成物は、フィブリノーゲンおよびフィブロネクチンの一方または両方を含むまたはこれらからなる。ある実施態様において、タンパク質組成物はクリオ沈降物を含むかまたはそれからなる。クリオ沈降物は、例えば、新鮮血漿を凍結および解凍し、沈殿の採取により、血漿から調製される周知の血液製剤である。製剤は、一般にフィブリノーゲンおよび第VIII因子、ならびに例えばフォン・ウィルブランド因子、第XIII因子およびフィブロネクチンを含む。ある実施態様において、クリオ沈降物は、所望によりAB型または低力価A型血液ドナーから調製した、70IUの第VIII因子あたり少なくとも140mg以上のフィブリノーゲンを含む。他の実施態様において、タンパク質組成物は、下記ヒト血小板ライセートを含む、またはそれからなる。
本発明での使用に適するバイオリアクターの基本的クラスは、足場依存性細胞増殖に適する、マイクロキャリアーまたはディスクを伴うまたは伴わない中空糸バイオリアクターおよび揺動、高速回転または回転潅流システムを含む。好ましくは、バイオリアクターは、機能的に閉鎖されたシステムまたは滅菌バリアフィルターで保護され、細胞培養中の培養培地の連続的供給および廃棄物の連続的除去が可能である。最も好ましいのは、細胞接着のために少なくとも0.5m、例えば少なくとも1m、例えば少なくとも1.5m、例えば少なくとも2m、例えば1〜3mの表面積を提供するインキュベーターに封入された使い捨て中空糸バイオリアクターである。好ましくは、表面は、少なくとも2m、例えば約2.1mである。このようなバイオリアクターの一例は、培地および試薬または細胞用の導入口を備えた双循環ループにより供給され、廃棄物が廃棄物バッグに除去される、Quantum Cell Expansion System(ここでは“Quantumバイオリアクター”とも称する)である。実施例7に示すとおり、バイオリアクターでのASC増殖は、標準組織培養フラスコにおける手動方法と比較して、顕著に増殖速度および収量を増加させる。
SVF(または第一継代ASC)のバイオリアクターへの導入前に、システムを、緩衝液、例えば、リン酸緩衝化食塩水でプライムし、その後コーティングのためのタンパク質または他の組成物を負荷し得る。細胞負荷前に、次いで緩衝液をシステムから洗い出し、完全培地に置き換え得る。
次いで、細胞をバイオリアクターに添加できる。例えば、SVF製剤からの約1000万、2000万、5000万、1億、2億または5億単核細胞(MNC)または約500万、1000万、2000万、5000万または1億第一継代ASCを、プライムおよびコートしたバイオリアクターに、導入口から、所望によりフィルターを通して導入できる。好ましくは、MNCについて、SVFからの約1億細胞を負荷する。第二継代について、好ましくは、第一継代ASCからの約500万〜5000万細胞、例えば500万〜3000万、500万〜2500万、1000万〜3000万または1500万〜2500万細胞を導入できる。細胞の高度継代(すなわち、第三継代、第四継代など)について、細胞を、第二継代に準ずる量で添加できる。次いで、細胞を少なくとも5時間および/または最大約24時間のような十分な時間接着させ、その後培地での連続的供給を始動させる。例えば、培地供給速度を約0.1mL/分で開始し、その後グルコースおよび/または乳酸測定値および/または細胞増殖に基づき調節され得る。
例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、アルファ最小必須培地(α−MEM)などのあらゆる標準細胞培養培地が使用され得る。実施例6に示すとおり、しかしながら、ヒト血漿ライセート(HLP)生成物の使用は、ゲノム安定性を損なうことなく、FBSの使用よりも増殖能の点で、明らかにより有効な増殖添加剤であった。HPLは、1回、2回、3回またはそれ以上の凍結/解凍サイクル後のヒト血液血小板から得る一般に濁った、淡黄色液体である。これらのサイクルは、血小板を溶解させ、増殖因子などを含むその細胞内内容物を周辺培地に放出させる。あるHPL製剤は、凝血因子を含み、この場合、凝血を防止するためのヘパリンなどの抗凝血剤の添加が有利であり得る。他のHPL製剤を、凝固因子を除くかまたは他に影響を阻止するために処理できる。HPL製剤は、そのいくつかはGMPグレードで、例えば、Compass Biomedical, Inc.、Cook General BIotechnologyl、Macopharma SA, Cook Regentech、Mill Creek、iBiologicsおよびTrinova Biochem GmbHから、商品分野PLUS、Stemulate、Human Platelet Lysate、PLTMax、XcytePlusおよびCRUX RUFA Media Supplementsの下、商業的に入手可能である。好ましくは、ASCのための培養培地は、約1%〜約20%、例えば約2%〜約15%、例えば約3%〜約12%、例えば約5%〜約10%、例えば約5%、8%または10%HPLを含む。好ましくは、培養培地は、約2%〜約15%HPLを、例えば、MEM中に含む。好ましいHPL製剤は、ヘパリン添加を必要としないStemulateである(WO2015031465A1号)。
細胞成長が、例えば、グルコース消費および/または乳酸産生停滞を追跡して、その静止期に達するかまたはほぼ達したら、ASCを、一般にTrypLe Selectをシステムに負荷することにより採取する。次いで、採取細胞を洗浄し、遠心管に入れ、ペレット化し、計数できる。
次いで、第一継代(“中間”)ASCを凍結保存するか、あるいは、第二(または第三、第四など)ラウンドの増殖のために、直接プレコートしたバイオリアクターに導入してよい。凍結保存のために、中間ASCを、少なくとも約1×10細胞/mL、例えば少なくとも約2×10細胞/mL、少なくとも約5×10細胞/mL、少なくとも約10×10細胞/mL、少なくとも約15×10細胞/mL、少なくとも約20×10細胞/mLまたは少なくとも約50×10細胞/mL、例えば1×10〜50×10細胞/mL、例えば1×10細胞〜20×10細胞/mLの濃度でクリオ保護剤に懸濁する。
第二(または第三、第四など高度)継代ASCを凍結保存できる。凍結保存のために、第二(または高度)継代ASCを、少なくとも約1×10細胞/mL、例えば少なくとも約1.5×10細胞/mL、少なくとも約2×10細胞/mL、少なくとも約2.5×10細胞/mL、少なくとも約3×10細胞/mL、少なくとも約5×10細胞/mLまたは少なくとも約10×10細胞/mL、例えば1×10〜5×10細胞/mL、例えば2×10細胞〜3×10細胞/mLの濃度でクリオ保護剤に懸濁する。ある実施態様において、第二(または高度、例えば第三、第四など)継代ASCを、約2×10細胞/mLクリオ保護剤、例えば約2.2×10細胞/mLクリオ保護剤の濃度でクリオ保護剤に懸濁する。文脈に反しない限り、ここで使用する2×10細胞/mLは、1.6×10〜2.4×10細胞/mLを含むかまたはこれに対応し、約2.2×10細胞/mLは2.0〜2.4細胞/mLを含むかまたはこれに対応する。
クリオ保護剤は好ましくはプロテインフリー、エンドトキシンフリーで、かつ無菌である。いくつかの適当なクリオ保護剤が入手可能であるが、本発明のASC組成物のために企図されるクリオ保護剤の非限定的例は、CryoStor CS2、CryoStor CS5およびCryoStor CS10を含むCryoStor(登録商標)(BioLife Solutions)およびProFreeze(Lonza)を含む。CryoStor凍結培地は、無菌無血清、プロテインフリーおよび動物成分フリーで、pH7.5〜7.7および1EU/mL未満のエンドトキシンレベルを有する。ある実施態様において、クリオ保護剤はHypothermosol(登録商標)(CMS, Rockville, Md.)+10%DMSOである(WO2000/002572A1号)。Hypothermosol(登録商標)は、Trolox(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)、Na、K、Ca2+、Mg2+1Cl、HPO 、HEPES、ラクトビオン酸、スクロース、マンニトール、グルコース、デキストラン−40(すなわち、平均MW40,000Daのデキストラン)、アデノシンおよびグルタチオンを含む(WO2010/064054A1号)。製造業者によると、ProFreezeは、使用時10%DMSOを添加しなければならない。WO2000/002572A1号およびWO2010/064054A1号は、引用によりそれらを全体として本明細書に包含させる。
DMSOを使用するここでのあらゆる実施態様において、DMSOを、例えば、デキストラン−40などの、例えば35000〜45000Daの範囲の平均分子量を有するデキストランなどのグルカンに置き換え得る。
ある実施態様において、クリオ保護剤は5%〜15%DMSO、例えば約5%、約6%、約8%、約10%、約12%または約15%DMSOおよびTrolox、Na、K、Ca2+、Mg2+1Cl、HPO 、HEPES、ラクトビオン酸、スクロース、マンニトール、グルコース、デキストラン−40、アデノシンおよびグルタチオンを含む。好ましくは、クリオ保護剤は約10%DMSOを含む。
ある実施態様において、クリオ保護剤は、DMSOおよび水溶液の1:10〜約1:20混合物を含み、水溶液は、
(a)約35〜45mM範囲の濃度のカリウムイオン、約80〜120mM範囲の濃度のナトリウムイオン、約2〜10mM範囲の濃度のマグネシウムイオンおよび約0.01〜0.1mM範囲の濃度のカルシウムイオンからなる群から選択される1以上の電解質;
(b)循環系からの漏出を制限するのに十分に大きなサイズであり、血液血漿と同等の膠質浸透圧の維持に有効であり、ヒト血清アルブミン、多糖およびコロイド状デンプンからなる群から選択される巨大分子膠質浸透圧性物質;
(c)生理学的および低温条件で有効な生物学的pH緩衝液;
(d)栄養有効量の少なくとも1つの単糖;
(e)非透過性およびヒドロキシル基除去有効量のマンニトール;
(f)細胞膜に不浸透性であり、寒冷暴露中の細胞膨張を中和するのに有効な非透過性アニオンであって、該非透過性イオンがラクトビオン酸、グルコン酸、クエン酸およびグリセロリン酸からなる群から選択される少なくとも一つのメンバーであるもの;
(g)ATPの再生に有効な基質であって、該基質がアデノシン、フルクトース、リボースおよびアデニンからなる群から選択される少なくとも一つのメンバーであるもの;および
(h)グルタチオン
を含む。
ある実施態様において、クリオ保護剤はDMSOおよび水溶液の1:10〜約1:20混合物を含み、水溶液は
a)35〜45mM範囲の濃度のカリウムイオン、80〜120mM範囲の濃度のナトリウムイオン、2〜10mM範囲の濃度のマグネシウムイオンおよび0.01〜0.1mM範囲の濃度のカルシウムイオンからなる群から選択される1以上の電解質;
b)循環系からの漏出を制限するのに十分に大きなサイズであり、血液血漿と同等の膠質浸透圧の維持に有効であり、ヒト血清アルブミン、多糖およびコロイド状デンプンからなる群から選択される巨大分子膠質浸透圧性物質;
c)生理学的および低温条件で有効な生物学的pH緩衝液;
d)栄養有効量の少なくとも1つの単糖;
e)非透過性およびヒドロキシル基除去有効量のマンニトール;
f)細胞膜に不浸透性であり、寒冷暴露中の細胞膨張を中和するのに有効な非透過性アニオンであって、該非透過性イオンがラクトビオン酸、グルコン酸、クエン酸およびグリセロリン酸からなる群から選択される少なくとも一つのメンバーであるもの;
g)ATPの再生に有効な基質であって、該基質がアデノシン、フルクトース、リボースおよびアデニンからなる群から選択される少なくとも一つのメンバーであるものおよび
h)アポトーシス誘発細胞死を制御する少なくとも一つの薬剤
を含む。
次に、クリオ保護剤中の第一、第二(またはさらに高度)継代ASCの懸濁液をクリオバイアルに添加する。第一継代(中間)ASCについて、各クリオバイアルは、例えば、約2000万、約3000万、約4000万、約5000万、約6000万、約8000万または約1億細胞などの、500万細胞〜2億5000万細胞の範囲のASC数に対応する、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約15mLまたは約20mL ASC懸濁液を含み得る。好ましくは、第一継代ASCのクリオバイアルは、5mLあたり約5000万細胞含む。
最終継代ASC、すなわち、第二または高度継代ASCについて、各クリオバイアルは、例えば、約4000万、約6000万、約8000万、約1億、約1億1000万、約1億2000万、約1億6000万または約2億細胞、1000万細胞〜5億細胞の範囲のASC数に対応する、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15または約20mL ASC懸濁液を含み得る。好ましくは、第二継代ASCのクリオバイアルは、約5mLに約1億〜約1億2000万細胞、例えば約5mLに約1億1000万細胞含む。本発明の組成物において、文脈に反しない限り、約1億1000万細胞は、1億〜1億2000万細胞を含む。
凍結は、有利に制御された速度の冷凍器を使用して、自動凍結により実施できる。その後、凍結バイアルを−70℃〜−196℃、例えば−150℃〜−190℃、例えば−180℃−範囲の温度に移し、保存できる。バイアルの凍結およびこのような凍結条件に維持する種々の手段が知られ、その多くは液体窒素を使用する。それらは、例えば、バイアルの液体窒素への浸漬、バイアルの液体窒素の気相への保存およびバイアルのいわゆる乾式貯蔵に置くことを含む。後者のタイプの保存において、バイアルは、窒素が容器のシェルに含まれるため、液体または気相が窒素に直接接触せず、−180℃−範囲での保存温度をもたらす。
ある態様において、第一継代バイオリアクター増殖からの中間ASCを保持する作業細胞バンクおよび最終的に製剤および包装されたASC組成物を保持する細胞バンクからなる、二重構造細胞バンキングシステムがバイアルについて確立されている。細胞バンクにおいて、第一継代中間ASCは、一般に第二バイオリアクター増殖のために負荷されるまで、クリオバイアルで、約5ml CryoStor 10中約5000万細胞で凍結保存する。最終ASC組成物は、一般に使用直前まで、クリオバイアルで、約5ml CryoStor 10で約1億1000万細胞で凍結保存される。この組成物はまた“CSCC_ASC”とも称され得る。ある実施態様において、細胞バンクは、凍結条件下に保存された複数のバイアルを含み、各バイアルは約5mLの第二継代ASCを含み、ここで細胞濃度は2×10細胞/mL、例えば、1.6×10〜2.4×10細胞/mL範囲または約2.2×10細胞/mL、例えば、2.0×10〜2.4×10細胞/mL範囲である。
ASC:
本発明のASCは、凍結保存後でさえ多能性能、マーカープロファイルおよび/またはおよび増殖能、生存能、回収率および免疫抑制能などのASCの機能的特徴により特徴付けられる。これらのASC特徴は、下に詳述するが、本発明の方法により得られたASCに各々等しく適用される。マーカープロファイルは、例えば、実施例2、10、11または14に記載するように、例えば、各マーカーに対する蛍光標識抗体を使用するフローサイトメトリーにより好都合に決定され得る。
ASCは、特に、適切な条件下脂肪細胞、軟骨芽細胞および造骨細胞分化系列に沿って分化できるその能力により特徴付けられる。実施例4に示すとおり、実施例1に記載の製造方法により調製されたASCは、分化培地で培養したとき、脂肪細胞、軟骨細胞および骨芽細胞に分化する。
ASCはこれに加えてまたはこれとは別に、他の間葉性間質/幹細胞と同様にCD90、CD73、CD105およびCD44を含むマーカーの発現および低いまたは無視できる発現レベルのCD45およびCD31の維持に基づく、その表現型、すなわち、マーカープロファイルにより特徴付けられる(Bourin et al., 2013)。
ある実施態様において、実質的に均質なASC集団は、幹細胞集団の少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも98%がCD105、CD90、CD73、CD29およびCD13を発現し、多くて10%、例えば多くて5%、例えば多くて3%、例えば多くて2%がCD45、CD34、HLA−DR、CD19およびCD14を発現するものである。好ましくは、少なくとも95%がCD90、CD73およびCD13を発現し、多くて5%がCD45、CD34、HLA−DR、CD19およびCD14を発現する。
ある実施態様において、実質的に均質なASC集団は、少なくとも90%がCD90、CD73、CD13、CD29およびCD166を発現し、多くて5%がCD45、CD19、CD14およびCD31を発現し、多くて10%がCD106を発現し、2〜15%がCD36を発現し、少なくとも10%がCD146を発現し、少なくとも80%がCD105を発現し、多くて40%がCD34を発現するものである。ある実施態様において、少なくとも95%がCD90、CD73、CD13、CD29およびCD166を発現する。さらに、少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも98%がCD44を発現し得る。
ある実施態様において、実質的に均質なASC集団は、少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%がCD105、CD90、CD73、CD13、CD29およびCD166、例えば少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%がCD90、CD73、CD13、CD29およびCD166を発現し、多くて約15%、例えば多くて約10%がCD45、CD19、CD14、CD106、CD31およびCD36を発現し、例えば多くて約7%、例えば多くて約5%、例えば多くて約3%がCD45、CD19、CD14、CD106およびCD31を発現し、少なくとも約2%、例えば少なくとも約5%、例えば約1%〜約20%、例えば約2%〜約15%または約5%〜約15%がCD36を発現し、多くて約50%、例えば多くて約40%、例えば多くて約20%、例えば多くて約10%がCD34を発現し、少なくとも約10%、例えば少なくとも約12%がCD146を発現するものである。ある実施態様において、少なくとも95%がCD90、CD73、CD13、CD29およびCD166を発現し、少なくとも85%がCD105、多くて2%がCD45、HLA−DR、CD19、CD14およびCD31を発現し、2%〜15%がCD36を発現し、10%〜60%がCD146を発現する。ある実施態様において、実質的に均質なASC集団は、マーカーの最小および最大発現パーセンテージの範囲が表20に示すものである。
凍結保存第二継代細胞の解凍直後の評価では、色素排除(例えば、実施例3参照)によれば、細胞の少なくとも約80%、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも98%が、生存可能である。好ましくは、細胞の少なくとも90%が生存可能である。
増殖能について、解凍直後に培養したとき、ASCは、組織培養フラスコで48時間培養したとき(例えば、実施例3における方法による)、少なくとも1、例えば少なくとも1.3、例えば少なくとも1.5、例えば少なくとも1.7、例えば少なくとも2の集団倍加(PD)により特徴付けられる。好ましくは、ASCは、少なくとも1、例えば少なくとも1.5のPDを有する。PDは、Ln(N)/Ln2として計算し、ここでN=採取細胞/播種細胞である。
実施例に示すとおり、本発明のASCはさらにその免疫抑制性質により特徴付けられる。例えば、ASCは、次の樹状細胞(DC)活性化抑制、末梢血単核細胞(PBMC)増殖抑制、免疫調節、特に免疫抑制の指標である細胞表面マーカーまたはインターフェロン−ガンマなどのサイトカインに応答する1以上の細胞表面マーカーの変化の1以上のまたは全てにより特徴付けられ得る。
ある実施態様において、本発明のASCは、DCの活性化を抑制し、例えば、DCと混合していないASC(すなわち、陽性対照)と比較して、DCと混合したASCにより、CD40、CD80、CD86およびHLA−DRの発現が低減される。具体的実施態様において、実施例9のアッセイを使用し、ここで、ASCおよびDCを約1:1比となるように播種し、DCは1μg/mL リポ多糖(LPS)および20ng/mL インターフェロン−ガンマで刺激されており、24時間インキュベートされ、CD40、CD80、CD86およびHLA−DRの各発現レベルは、平均して、陽性対照のそれぞれ多くて80%、65%、70%および80%に低減される。
ある実施態様において、本発明のASCは、例えば、混合リンパ球反応(MLR)で決定して、PBMCの増殖を抑制する。このタイプのアッセイは当分野で周知であり、例えば、1:20〜1:1の範囲の種々の比で、ASCと同種ドナーからの刺激PBMCを混合し、陽性対照としてASC不含PBMCを使用し、4日共培養期間後測定して、18〜20時間インキュベーション時間中のH−チミジン(25μSi/ml)のPBMC取り込みを測定することを含み得る。のタイプのアッセイを使用して、陽性対照と比較して、1:20、1:10、1:5および1:1比のASC対PBMCが、それぞれ、陽性対照の多くて約80%、75%、55%および25%の平均H−チミジン取り込みをもたらし得る。
ある実施態様において、ASCはこれに加えてまたはこれとは別にCD10、CD140a、CD160、CD204、CD258、CD270、CD272、CD44、CD49a、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−G、LTβRおよびこれらの組み合わせなどの免疫調節、特に免疫抑制の指標である特異的マーカーにより特徴付けられる。理論に拘束されないが、これらのマーカーは免疫シグナル伝達、細胞−細胞および細胞−ECM接着、ホーミング、パターン認識、T細胞阻害、増殖因子受容体の上方制御および炎症誘発性タンパク質の不活性化と関連する。
特に、ある実施態様において、実質的に均質なASC集団は、少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%がCD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD49a、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−Gおよび/またはLTβR、場合により、HLA−ABCを発現し、例えば少なくとも約90%またはある場合少なくとも約95%またはそれ以上がCD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現するものである。ある実施態様において、ASCは、さらに、CD152、CD274および/またはCD86を約20%以下、例えば約15%以下またはある場合には約10%以下しか発現せず、そして/また場合により、少なくとも約70%がCD258、少なくとも約55%がCD270、少なくとも約80%がCD49a、最大約30%がCXCR4および/または約5%〜約35%がCD200を発現することにより特徴付けられ得る。ある実施態様において、ASC集団はまたASCの多くて約15%がCD15、CD152、CD163、CD18、CD274、CD39、CD40、CD62L、CD80、CD86および場合によりHLA−DR、−DQ、−DPを発現するものであり得る。
ある実施態様において、実質的に均質なASC集団は、少なくとも90%がCD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現し、少なくとも80%がCD49aを発現し、少なくとも60%がCD258およびCD270を発現し、少なくとも5%がCD200を発現し、多くて15%がCD15、CD152、CD163、CD18、CD274、CD39、CD40、CD62L、CD80およびCD86を発現し、多くて30%がCXCR4を発現するものである。
ある実施態様において、実質的に均質なASC集団は、ASC集団の少なくとも95%がCD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現し、少なくとも85%がCD49aを発現し、少なくとも65%がCD258およびCD270を発現し、集団の少なくとも10%がCD200を発現し、集団の多くて15%がCD15、CD152、CD163、CD18、CD274、CD39、CD40、CD62L、CD80、CD86およびHLA−DR、−DQおよび−DPを発現し、多くて25%がCXCR4を発現するものである。
ある実施態様において、ASCはまたさらにASCの20%未満、例えば約15%未満、例えば約10%未満のCD274発現によっても特徴付けられる。場合により、ASCはまたASCの少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%、例えば少なくとも約98%のCD54発現により特徴付けられる。他の具体的実施態様において、ASCは、実施例10の表15における各マーカーの表15に示す最小値から最大値の範囲の集団のパーセンテージにより特徴付けられる。
ASCはまたここでのある実施態様による間質/幹細胞マーカーの発現パーセンテージおよびここでのある実施態様による免疫調節マーカーの発現パーセンテージにより特徴付けられ得る。非限定的例として、実質的に均質なASC集団は、
− 少なくとも90%がCD90、CD73、CD13、CD29およびCD166を発現し、多くて5%がCD45、CD19、CD14およびCD31を発現し、多くて10%がCD106を発現し、2〜15%がCD36を発現し、少なくとも10%がCD146を発現し、少なくとも80%がCD105を発現し、多くて40%がCD34を発現する;および
− 少なくとも90%がCD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現し、少なくとも80%がCD49aを発現し、少なくとも60%がCD258およびCD270を発現し、少なくとも5%がCD200を発現し、多くて15%がCD15、CD152、CD163、CD18、CD274、CD39、CD40、CD62L、CD80およびCD86を発現し、多くて30%がCXCR4を発現する
ものである。
さらなる実施態様において、本発明のASCはこれに加えてまたはこれとは別にインターフェロン−ガンマなどの炎症誘発性サイトカインに応答する1以上の細胞表面マーカーの変化により特徴付けられる。これは、有利に実施例11のアッセイにより試験でき、一般に表16および17における1以上のASCマーカーは、
IFN−ガンマで刺激していない同じASCからの細胞などの対照と比較して、50ng/ml IFN−ガンマ存在下で3日培養したとき
− マーカーを発現するASC集団のパーセンテージのASC集団の少なくとも5%における陽性または陰性変化または
− マーカーを発現する細胞の部分におけるマーカーの発現レベルの少なくとも0.5倍の陽性または陰性変化
を示す。
例えば、ある実施態様において、INF−ガンマ刺激により、CD200、CD270、CD9、CXCR4を発現するASC集団のパーセンテージは減少し、CD274およびCD49aを発現するASC集団のパーセンテージは増加し、CD54陽性細胞におけるCD54の発現レベルは増加する。
ある実施態様において、変化は、次の1以上または全てである。
− CD274、CD106および/またはCD49aを発現するASC集団のパーセンテージの少なくとも5%の増加、例えばCD274のパーセンテージの少なくとも40%、例えば少なくとも60%の増加;
− CD200、CD270、CD9および/またはCXCR4を発現するASC集団のパーセンテージの少なくとも5%減少、例えば発現ASC集団のパーセンテージの少なくとも10%減少;
− マーカー陽性細胞でのCD10、CD54、HLA−ABCおよび/またはHLA−DR/DQ/DP発現レベル増加、例えばCD54発現細胞でのCD54の発現レベルの少なくとも20倍、例えば少なくとも35倍、例えば少なくとも30倍増加;および/または
− LTβR発現レベルの、例えば、少なくとも2倍の減少。
具体的実施態様において、ASC集団の多くて約30%、例えば多くて約20%、例えば多くて約15%、例えば多くて約10%がCD274を発現し、例えば、それぞれ50ng/ml IFN−ガンマ非存在下または存在下でASCを3日培養したとき、インターフェロン−ガンマ刺激により、ASC集団の少なくとも70%、例えば少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%、例えば少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%がCD274を発現する。
また注目されるのは、マーカーCD54(ICAM−1)についてのMFIの3から97への増加であり、これは、ASC−白血球相互作用の安定化およびシグナル伝達に必要な細胞間接着分子の可動化を説明する。ICAM−1は、白血球に見られる受容体であるLFA−1(インテグリン)のリガンドである。従って、ある実施態様において、ASC集団の少なくとも95%がCD54を発現し、インターフェロン−ガンマ刺激により、CD54発現細胞におけるCD54の発現レベルは少なくとも20倍、例えば少なくとも30倍増加する。
特定の実施態様において、インターフェロン−ガンマ刺激により、CD274を発現するASC集団のパーセンテージは少なくとも80%増加し、CD54陽性細胞におけるCD54の発現レベルは少なくとも25倍増加する。
組成物:
本発明によりまた提供されるのは、先の“ASC”セクションおよび“方法”セクションにおける各方法により得られるものを含む、ここでの態様および実施態様において詳述する各ASC集団の組成物である。このようなASC集団の各々はまた本発明の組成物の形式で提供される。
特に、ASC、特に本発明の方法により得られたASCを、生存能、増殖能、免疫抑制性質または回収率を損なうことなく、プロテインフリークリオ保護剤で、少なくとも約1×10細胞/mLで凍結保存され得ることが判明した。またCryoStorベースのクリオ保護剤が、ヒト血清アルブミン(HSA)ベースのクリオ保護剤より高い増殖能を提供し得ることも判明した。
特に、本発明の組成物は、プロテインフリークリオ保護剤中の、ドナーから採取した脂肪組織から単離した実質的に均質な成人幹細胞集団の懸濁液を含み得て、ここで、細胞濃度は、添加クリオ保護剤mLあたり、少なくとも1×10細胞、例えば少なくとも1.5×10細胞、例えば少なくとも2×10細胞、例えば少なくとも3×10細胞、例えば少なくとも5×10細胞である。好ましくは、細胞濃度は、添加クリオ保護剤mLあたり、少なくとも2×10細胞、例えば約2.2×10細胞である。
上記のとおり、プロテインフリークリオ保護剤は、一般に約5%〜約15%DMSOおよびTrolox、Na、K、Ca2+、Mg2+1Cl、HPO 、HEPES、ラクトビオン酸、スクロース、マンニトール、グルコース、デキストラン−40、アデノシンおよびグルタチオンを含む。好ましくは、クリオ保護剤は、約10%DMSOを含む。当分野で知られる他のプロテインフリークリオ保護剤も使用し得る。“方法”セクションですでに記載しているものが、特に企図される。
また提供されるのは、凍結ASC組成物解凍時に得られる組成物である。凍結ASC組成物は、例えば、37℃水浴で解凍されまたは手術室で室温で解凍/保存され得る。好ましいのは、解凍直後
(a)ASC集団の少なくとも85%が生存可能細胞であり、2時間室温で保存後の生存能が少なくとも80%である;
(b)ASC集団が、48時間培養したとき少なくとも1のPDを提供する増殖能を有する;
(c)ASC集団が樹状細胞成熟および活性化を抑制できる;
(d)解凍後の回収率が95%を超え、解凍後室温で2時間保存後の細胞の回収率が少なくとも85%である;
(e)ASC集団が、総細胞数の少なくとも60%、例えば少なくとも65%、例えば少なくとも70%が5時間培養後接着性であるインビトロ細胞接着を有する
組成物である。
また好ましいのは、解凍後室温で2時間保存後、
(a)幹細胞集団の少なくとも80%が生存可能細胞である;
(b)幹細胞集団が、48時間培養したとき、少なくとも1のPDを有する;
(c)幹細胞集団が樹状細胞成熟および活性化を抑制できる;
(d)回収率が少なくとも85%である;および
(e)ASC集団が、総細胞数の少なくとも60%、例えば少なくとも70%が5時間培養後接着性であるようなインビトロ細胞接着を有する
組成物である。
本発明によりまた提供されるのは、医薬組成物である。本発明の組成物は無菌であり、エンドトキシンおよびマイコプラズマを含まず、エンドトキシンレベルは、一般に、10IE/mlの最小検出レベルを提供する分析法で決定する。本発明の組成物が即時臨床使用できるため、医薬組成物は、一般にASCおよびプロテインフリークリオ保護剤のみを含む。しかしながら、付加的成分もまた企図される。特に、医薬組成物はさらに細胞外マトリクスタンパク質、ペプチドまたはグリコサミノグリカンおよび/またはアルギネートなどの天然または合成バイオポリマーを含む可溶性生体材料またはヒドロゲルを含み得る。例えば、医薬組成物は、無菌およびエンドトキシンフリーアルギネート(Sodium alginate VLVG, Novamatrix, FMC Biopolymers, Norway)、D−グルコン酸と部分的に架橋したカルシウムおよびヘミカルシウム塩を含み得る(Follin et al., 2015)。ある実施態様において、最終凍結保存工程前に、最終濃度1%(w/v)の部分的に架橋したアルギネートまで、アルギネートをASCおよびクリオ保護剤と混合する。他の実施態様において、部分的に架橋したアルギネートをRTで保存し、最終生成物と1%(w/v)アルギネートの最終濃度まで、例えば、ASC製剤をアルギネート容器に注入することにより混合し、その後最終懸濁液を吸引し、注射カテーテルに接続する。
また提供されるのは、シリンジまたはASC組成物の注射または点滴のための他の手段であり、これは、ASC組成物を含む。一般に、ASC組成物を受容するアンプルをアルコール綿棒(82%エタノールおよび0.5%クロルヘキシジン、Mediq, Denmark)で滅菌し、細胞懸濁液を無菌シリンジに注射針で吸引する。次いで、シリンジを注射のために、注射カテーテル、例えば、MYOSTAR注射カテーテル(Biological Delivery System, Cordis, Johnson & Johnson, USA)に接続する。注射は、解凍3時間以内が推奨される。好ましくは、シリンジまたは注射または点滴のための他の手段は、約1億〜約1億2000万細胞、例えば約1億1000万ASCを含む、約5mLの組成物を含む。
治療用途:
ある実施態様において、医薬、例えば、組織再生、免疫抑制のためおよび/または抗炎症剤として使用するためのASC組成物が提供される。
実際、本発明は、ASCおよびASC本発明の組成物の種々の治療用途を提供し、これは、“即納可”かつ即臨床使用可である。高濃度のASC、一般に少なくとも1×10細胞、好ましくは少なくとも2×10細胞、例えば約2.2×10細胞、/mLクリオ保護剤のため、組成物を、小容量注射が必要である適用および高濃度組成物を投与前に希釈し、例えば、点滴により投与する適用に使用できる。さらに、いくつかの異なるドナーからのASCを細胞バンクに保存でき、反復投与を可能としおよび/または多用途への処置選択肢を可能とする。
理論に拘束されないが、投与後、ASCはマトリクスリモデリング、血行再建および免疫調節を含む自然内在性修復機構を促進する細胞外物質を放出する傍分泌機構により、再生を刺激および改善する。ASC免疫調節の他の固有の部分は、免疫原性、それにより同種ASC移植の拒絶を抑制する、能動的免疫抑制である。これは、他の体細胞とこれらの細胞を区別する、本来的なASCの特徴である。
従って、ある実施態様において、例えば、虚血性組織障害または他の組織機能不全または破壊障害の処置または予防における、組織再生に使用するための同種異系間治療用生成物が提供される。虚血性組織障害の非限定的例は、虚血性心疾患(心不全を伴うまたは伴わない)、急性心筋梗塞、虚血性脳卒中、重症虚血肢、虚血性創傷および虚血再灌流障害/原発臓器移植機能不全を含む。組織機能不全または破壊障害の非限定的例は、椎間板修復、非虚血性拡張型心筋症および関節軟骨障害を含む。ある実施態様において、多くて約5mLの本発明の組成物中、約5×10〜約5×10細胞が虚血性組織に直接投与される。具体的実施態様において、多くて約5mLの本発明の組成物中、約5×10〜約5×10細胞が、左室駆出率(EF)低下および心不全を有する患者への心筋内注射により投与される。例えば、5mLクリオ保護剤中、約1億1000万細胞を含むCSCC_ASC生成物を、解凍し、最大1時間、最大2時間または最大3時間以内に左室EF低下および心不全を有する患者への直接心筋内注射により投与できる。他の具体的実施態様において、多くて約1〜約5mLの本発明の組成物中、約5×10〜約5×10細胞が、例えば、関節軟骨障害を有する患者の関節への直接注射により投与される。
ある実施態様において、提供されるのは、例えば、自己免疫性疾患または障害または移植片拒絶の処置または予防のための免疫抑制剤として使用するための、同種異系間治療用生成物である。自己免疫性疾患および障害の非限定的例は、クローン病、多発性硬化症、I型糖尿病、腎疾患、リウマチ性関節炎および骨髄、心臓、肺および腎臓移植を含む、移植臓器の拒絶を含む。具体的実施態様において、本発明の組成物の約200ml無菌点滴液体中の約10×10〜約0.5×10細胞/mLを、患者、例えば、クローン病を有する患者への静脈内または動脈内注射または点滴により投与できる。
ある実施態様において、提供されるのは、炎症の処置または予防、すなわち、抗炎症剤として使用するための同種異系間治療用生成物である。炎症性障害の非限定的例は、II型糖尿病、腎疾患、非虚血性拡張型心筋症、肺動脈性高血圧および敗血症を含む。具体的実施態様において、本発明の組成物の約200ml無菌点滴液体中の約10×10〜約0.5×10細胞/mlを、患者、例えば、肺動脈性高血圧を有する患者に、静脈内または動脈内注射または点滴により投与できる。
例えば、CSCC_ASC生成物を解凍し、所望により5〜約200ml無菌点滴用溶液で、約10×10〜約0.5×10細胞/mL、例えば、100万、200万、300万、400万、500万、600万、700万、800万、900万または1000万細胞/mLの濃度に希釈し、自己免疫性または炎症性障害または移植片拒絶を有するまたはその
リスクのある患者に、最大1時間、最大2時間または最大3時間以内に注射または点滴により投与し得る。あるいは、CSCC_ASC生成物を解凍し、無菌点滴用溶液で約1200万、1300万、1400万、1500万、1600万、1700万、1800万、1900万または2000万細胞/mLの濃度に希釈し、静脈内または動脈内注射または点滴により投与するか、または直接疾患組織に投与することができる。
ある実施態様において、多数の本発明のASC製剤を、例えば、レシピエントの処置のために、数処置前にドナーとレシピエントの組織マッチングを可能にすることにより個別化処置を提供でき、レシピエントが数処置を必要とするならば、ASCをあるドナーから他のドナーにスイッチすることもあり得る。後者は、レシピエントが初期に投与したASC製剤からのASCに同種抗体応答を獲得したとき、特に有用であり、この場合同じドナーからのASCの使用を継続することが可能でないかもしれない。特に、多数のドナーからのASCを伴う細胞バンクはレシピエント−ドナー組織マッチングを可能とし、これは臨床効果を改善し得る。
本発明を次の実施例により説明し、これは限定を意図しない。
実施例1
ASC生成物の製造
次の方法が使用されている。
間質血管細胞群の単離
吸引脂肪組織を健常ドナーから得る。ドナー適格性は、ドナー問診、質問表および感染性疾患マーカーHIV、B型およびC型肝炎、梅毒およびHTLVの試験に基づき決定する。皮下腹部脂肪の脂肪吸引を局所麻酔下に実施し、各ドナーから約100ml〜300mL吸引脂肪組織を得る。局所麻酔を、その後の脂肪吸引のための2〜4箇所の腹部皮膚に実施する。これらの孔を通して、点滴カニューレ(細針)を、注入液、例えば、麻酔剤および加乳酸緩衝液、重炭酸ナトリウム、アドレナリンおよびリドカインなどの脂肪組織をほぐすための薬剤を維持しながら、導入する。Bodyjet EVO(水流式脂肪吸引)(Human med, Germany)を使用する。吸引脂肪組織をBodyjet吸引カニューレから、無菌採取チャンバーに取り出す。吸引脂肪組織を無菌シリンジで無菌フラスコ/ビンに移す。
バイオリアクターでの培養増殖前に、脂肪組織の酵素消化によって間質血管細胞群を吸引脂肪組織から単離する。吸引脂肪組織をリン酸緩衝化食塩水(PBS)pH7.4で2回洗浄し、残存血液を除去する。脂肪組織を、2mM Ca2+濃度まで希釈したHBSS(+CaCl+MgCl)(Gibco, Life Technologies)に溶解した0.6PZU/ml コラゲナーゼNB6(Serva GmbH, Germany)と、37℃、45分、定回転下インキュベートすることにより消化させる。コラゲナーゼを5%ヒト血小板ライセートおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有培地で中和し、100μmフィルターで濾過する(Steriflip , Millipore)。残った細胞を1200gで10分、室温で遠心分離し、再懸濁し、製造業者の指示に従い、NucleoCounter(登録商標)NC-100TMで計数する。
第一継代増殖:
約1億SVF細胞を、ASC増殖のためにバイオリアクター(Quantum Cell Expansion System, Terumo, Belgium)に負荷する。Quantumバイオリアクターは、独立型インキュベーターに封入された使い捨て中空糸バイオリアクターからなる機能的に閉鎖されたシステムである。培地および試薬または細胞のための導入口を有する双循環ループから供給する。廃棄物を廃棄物バッグに除去する。
方法全体はコンピューター制御され、タッチスクリーンインターフェイスにより制御され、培地灌流量、収集時間、培地ウォッシュアウトおよびASCの成長と関連する他の作業の制御を可能とする。導入口バッグのクリオ沈降物での負荷、細胞剥離のための酵素添加または収集バッグから細胞導入口バッグへの採取細胞輸送以外(この全ては、バイオリアクターへの負荷前に行われる)、バイオリアクターと関連する全ての操作は、密閉されるかまたは0.2mm無菌バリアフィルターにより保護される。
SVFのバイオリアクターへの負荷4〜24時間前、システムをリン酸緩衝化食塩水(PBS)でプライムし、その後イオリアクターコーティングのために、約30ml クリオ沈降物(Blood Bank, Rigshospitalet, Denmark)を負荷する。クリオ沈降物をそのまま使用するかまたは、例えば、100mlの総量まで、PBSで1:3または1:4希釈する。細胞負荷前、PBSおよびクリオ沈降物をシステムから洗い出し、完全培地(リボヌクレオシドおよびデオキシリボヌクレオシド(Gibco, Life Technologies)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco, Life Technologies)、5%ヒト血小板ライセート(Stemulate、Cook General Biotechnology)を含まない最小必須培地、MEMアルファ(αMEM))で置き換える。システムに、ガスを20%O、5%COおよび残りがNの混合物(Strandmollen, Denmark)として提供する。
100ml 完全培地で希釈した1億SVFを、60ml シリンジを使用して細胞導入口バッグに移し、Quantumバイオリアクターに負荷する。細胞を24時間接着させ、その後培地の連続的供給を始動させる。培地供給速度を0.1mL/分で開始する。グルコースおよび乳酸測定値に基づき、供給速度を調節し、細胞の増殖を検定する。Quantumバイオリアクターサンプルポートからサンプルを除去して、グルコースおよび乳酸レベルを、血液ガス分析装置ABL 835 FLEX(Radiometer, Denmark)での測定値を取ることによりモニターする。細胞負荷約9日後、ASCを、システムにTrypLE(登録商標)Select(Gibco, Life Technologies)を負荷することにより採取する。収集方法は、PBSでのシステムのウォッシュアウト、180mL TrypLE(登録商標)Select添加および20分インキュベーションを含む。採取細胞を細胞収集バッグに洗い入れる。収集バッグからの細胞を、層流空気流中の遠心管に移し、洗浄し、ペレット化し、計数し、NucleoCounterで生存能を試験する。
第一継代中間ASCをペレット化し、1000万細胞/ml濃度でCryoStor 10(BioLifeSolutions)に再懸濁する。この溶液をCellSealクリオバイアル(Cook General Biotechnology)に、バイアルあたり5mlの総容積で移す。
次いでクリオバイアルを制御された速度の冷凍器(Kryo 560-16, Planer)で−80℃を達成するように凍結し、ドライアイス上で液体窒素乾式貯蔵である、サンプル保存空間に液体窒素がない−180℃−範囲の均一温度を提供する、等温液体窒素冷凍器(V1500−AB, CBS)に移す。このシステムは、交差汚染のリスクを最小化する。
凍結保存第一継代中間生成物は作業細胞バンクを構成し、第二バイオリアクター増殖のために負荷するまで保存する。
第二継代増殖
第一継代中間ASCの第二継代増殖への負荷4〜24時間前、新規バイオリアクターを第一継代増殖について記載のとおりプライムおよびコートする。システムに完全培地を負荷し、ガスをシステムに20%O、5%COおよび残りがNの予備混合物サプライとして提供する。5000万第一継代ASCを保持する1個のCellSealバイアルを窒素タンクから取り出す。細胞のアンプルを“ジップバッグ”に移し、37℃水浴で解凍する。バイアルの底からのシールを取り出し、アルコールで除菌する。配管の断片を通気孔から切断し、細胞に圧がかかりすぎるのを避ける。10ml シリンジおよび16G注射針で、予め決定した量の細胞(例えば、アンプルの1/4、アンプルの1/2またはアンプル全体)を吸引し、10ml 遠心管に移す。細胞を計数し、生存能をNucleoCounterで決定する。細胞を100ml 完全培地で希釈し、60ml シリンジを使用して細胞入口に移す。増殖および収集を第一継代増殖について記載のとおり実施する。
第二継代増殖約7日後、ASCを採取し、細胞をペレット化し、CryoStor 10に約2200万細胞/mlの濃度で、一般に約2000万〜約2400万細胞/mL範囲で再懸濁する。この溶液を、バイアルあたり5mlの総容積でCellSealクリオバイアルに等分し、バイアルあたり約1億1000万細胞、一般にバイアルあたり約1億〜約1億2000万細胞範囲を保持する。
次いで、クリオバイアルを制御速度冷凍器で凍結し、−80℃を達成し、サンプル保存空間に液体窒素なく、−180℃−範囲の均一温度を提供する液体窒素乾式貯蔵容器にドライアイス上で移す。凍結保存第二継代ASCは、治験薬生成物CSCC_ASCからなり、臨床使用のための輸送まで生成物細胞バンクで保存される。
組成物は直ぐに使用でき、臨床現場で最小の取扱のみを必要とする。凍結バイアルを、手術室内/近傍で37℃水浴で解凍する。バイアルを滅菌し(一般にアルコール綿棒で)、細胞懸濁液を注射針で無菌シリンジに吸引する。次いでシリンジを注射カテーテルに接続し、患者に投与する。
実施例2
ASC生成物特徴付け − 細胞表面マーカー
免疫表現型検査を使用して、細胞品質を同定し、第一継代中間生成物および第二継代最終生成物で、実施例1に従い製造したASC生成物の凍結保存前後に実施した。
採取細胞を洗浄し、濾過し、抗体含有または非含有チューブに分配した。細胞を、表1に示す抗体と、30分、室温でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を洗浄し、遠心分離し、六色プロトコルを使用するフローサイトメトリーのためにPBSに再懸濁した。
欧州薬局方によると、フローサイトメトリーは細胞表面マーカー同定のための適当な方法である。ASCの同定のために、ISCT/IFATS(International Federation for Adipose Therapeutics and Science and the International Society for Cellular Therapy)により推奨される表面マーカーに対する蛍光標識抗体をASCに添加し、細胞関連蛍光をフローサイトメーターを使用して測定した。ある生成物の特徴付けのために、フルオロフォアフィコエリトリン、フルオレセインイソチオシアネート、フィコエリトリン−テキサスレッド、フィコエリトリン−シアニンおよびアロフィコシアニンでの補償型6色プロトコル標識細胞を使用して測定した。生存能をSYTOXブルー染色により決定した。プロトコルを、手動補償、アイソタイプ対照およびFluorescence Minus One対照を用いて開発した。死滅細胞およびダブレットを最終分析から除外した。データをGMP遵守Navios(Beckman Coulter, Germany)を使用して所得および分析した。データを、NaviosソフトウェアおよびKaluza(Beckman Coulter, Germany)を使用して分析した。
実施例3
ASC生成物の特徴付け − 細胞生存能
生成物品質および最終生成物の効果は、ASCの生存能の対象である。従って、生存能は製造方法をとおして重要である。
生存能を、実施例1の製造過程中に数回決定し、SVFの生存能を、最初の増殖のためにバイオリアクターに負荷する前に決定し、第一継代増殖ASCの生存能を収集後ならびに第二継代のために解凍および負荷後に決定し、最終生成物の生存能を収集後ならびに凍結保存および解凍後に決定した。パーセンテージ生存能をNucleoCounter(登録商標)NC-100TMで決定した。NucleoCounterは、DNA結合蛍光色素であるヨウ化プロピジウム(PI)からの蛍光検出を利用するイメージサイトメーターである。
実施例4
分化アッセイ
増殖添加剤としてStemulateを用い、Quantumバイオリアクターで増殖させた第二継代ASCの骨分化、脂肪細胞分化および軟骨分化能を、製造業者のプロトコルに従い、StemPro分化キット(Gibco, Life Technologies)を使用して決定した。
骨分化について、12ウェルプレート中10,000 ASC/ウェルを骨分化誘導培地(StemPro Adipocyte Differentiation Basal Medium, StemPro Adipocyte Supplement、ペニシリン/ストレプトマイシン)でインキュベートした。脂肪細胞分化について、12ウェルプレート中20,000 ASC/ウェルを、脂肪細胞分化誘導培地(StemPro Adipocyte Differentiation Basal Medium、ペニシリン/ストレプトマイシン)でインキュベートした。軟骨分化について、多数の5μl滴の80,000 ASCを軟骨形成誘導培地(StemPro Osteocyte/Chondrocyte Differentiation Basal Medium, StemPro Chondrogenesis Supplement、ペニシリン/ストレプトマイシン)でインキュベートした。細胞を21日、培地を3〜4日毎に交換しながら誘導した。対照細胞を、サプリメント無添加完全培地でコンフルエントまで培養した。
骨分化は、Alizarin Red S染色(Sigma-Aldrich)でカルシウム沈着を示す細胞として記録した。脂肪細胞分化は、Oil Red O(Sigma-Aldrich)で染色された脂肪滴の形態的外観から記録した。軟骨形成分化は、細胞がAlcian Blue 8GX(Sigma-Aldrich)で染色されたとして記録した。完全培地に維持した対照細胞は全て陰性であった。
実施例5
クリオ保護剤製剤の比較
臨床での解凍時の最終凍結保存生成物におけるASCの生存能および機能は、生成物有効性のために一番重要である。生存能および機能を、種々のクリオ保護剤製剤を用いる凍結保存ASCで決定した。
第一継代中間ASCおよび第二継代最終ASC生成物を、実施例1に記載のとおり製造した。中間ASCを、クリオバイアルで、種々のクリオ保護剤製剤中、5mLあたり50×10細胞で凍結させた。
第二継代最終ASCを、クリオバイアルで、種々のクリオ保護剤製剤中、5mLあたり100×10細胞で凍結させた。細胞を自動冷凍器で−80℃に凍結し、液体窒素乾式貯蔵で保存し、37℃水浴で解凍し、生存能および回収率を、解凍直後および解凍後3時間まで室温においた凍結製剤で決定した。
解凍直後および、凍結製剤を室温に維持しながら、解凍後3時間まで、最終ASC細胞生成物を洗浄し、インビトロ形態学、接着および増殖により決定される細胞機能の同定のために培養した。培養物を、20ml完全培地含有T75フラスコあたり、1×10細胞で、37℃、5%COで確立した。
生存能および回収率をNucleoCounterで決定した。形態学および接着を、細胞を培養して24時間後の顕微鏡法により決定した。増殖を、細胞を培養して48時間後、剥離およびNucleoCounterでの細胞計数により決定した。
等張食塩水、CryoStor 10およびCryoStor 5中5%または10%HPLまたはヒトアルブミン(HA)およびDMSOを含む凍結製剤を試験した。
細胞の機能および効力は、臨床効果の最良の予測因子である。現在利用可能なインビトロ法で、形態学、接着および増殖は、細胞機能の最良の全体的指標である。顕微鏡的試験は、細胞機能(形態学、接着および増殖)がCryoStor 10中の細胞製剤で優れていることを明らかにした。
実施例6
増殖添加剤の比較
SVFを、3名の健常女性ドナー(年齢32〜47歳;平均年齢40歳)から得た吸引脂肪組織から、実施例1に記載のように得た。SVFを、5%hPLまたは10%FBSを含む4つの異なるGMP遵守培地で培養した。ASC P0、P1およびP5を特徴付けし、分析に使用した。
ASCの初代細胞培養物を、最小必須培地、MEMアルファ(αMEM)、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび次の4種の異なる増殖添加剤を含む完全培地中、4.5×10 SVF/T75フラスコで確立した:
1. 5%ヒト血小板ライセート(PLTMax, Mill Creek Life Sciences)、10IU ヘパリン
2. 5%ヒト血小板ライセート(Stemulate、hPL-S、Cook General Biotechnology)、10IU ヘパリン
3. 5%ヒト血小板ライセート(Stemulate、hPL-SP、Cook General Biotechnology)
4. 10%ウシ胎児血清(FBS、Gibco, Life Technologies)
HPLは、フィブリノーゲンおよび他の凝固因子を伴う血漿からなり、それ故に、ヘパリンをゼラチン化防止のために添加しなければならない。Cook General Biotechnologyは、StemulateTM貯蔵ヒト血小板ライセートの二つの異なるバージョン、ヘパリン要求性PL−Sおよび、凝固因子のいくぶんかは除去され、ヘパリン添加を必要としない非ヘパリン要求性PL−SPを産生する。
細胞を、37℃で5%COの加湿空気の標準条件下、インキュベートした。ASCの培地を、非接着細胞を除去するため2日後に、そして、その後3〜4日毎に交換した。培養物が約90%コンフルエンスのレベルに達したとき、細胞をPBSで洗浄し、剥離し、実験群について継代した。増殖を、Buerker-Tuerkチャンバーでの手動計数により、1日、2日、3日、5日および7日に決定した。集団倍加(PD)をPD=ln(N/N0)/ln2として計算し、ここで、Nは7日目の採取細胞数であり、N0は播種細胞数である。ASCの骨分化、脂肪細胞分化および軟骨分化能を、StemPro分化キットを使用して決定した。免疫表現型検査を、実施例2に記載のとおり決定した。ゲノム安定性を、比較ゲノムハイブリダイゼーションにより決定した。
表11似示すとおり、HPL生成物の使用は、何れも、FBSの使用よりも、増殖能の点で明らかにより有効な増殖添加剤である。
継代第一で試験した全増殖添加剤と共に培養したASCは、同等なおよびASC特徴免疫表現型プロファイルを有し、その三分化系列分化能を維持することが証明された。比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)により同定したゲノム安定性は、PLTMax、StemulateおよびFBS存在下インビトロで増殖したASCは、第五継代まで培養したとき、何ら不均衡染色体再編を示さなかった。従って、PLTMaxまたはStemulateで培養したASCの高い増殖能はゲノム安定性を損なわなかった。
実施例7
バイオリアクターでの手動および自動化増殖の比較
SVFを腹部脂肪から単離し、ペニシリン/ストレプトマイシンおよび血清含有増殖添加剤添加基底培地に懸濁し、T75フラスコ上またはクリオ沈降物で被覆されているQuantumバイオリアクター内に播種した。SVFから継代したASCの培養物を、フラスコからフラスコ、フラスコからバイオリアクターおよびバイオリアクターからバイオリアクターの3段階で実施した。全例で、フローサイトメトリーにより決定する細胞数、生存能および免疫表現型決定に加えて、品質管理を、無菌性、マイコプラズマおよびエンドトキシンを試験することにより実施した。
一次フラスコ培養物を、37℃、5%COの標準条件下培養するT75フラスコあたり4.5×10 SVF細胞で確立した。培養培地を、非接着細胞除去のため3日後に代えた。その後、培地を、培養の残り期間にわたり3〜4日毎に交換した。90%細胞のコンフルエンスレベル到達を採取した。細胞を3.5×10細胞/T75フラスコで再播種した。継代0(P0)および継代1(P1)でのASCの生存能および収率をNucleoCounter(登録商標)NC-100TMで決定し、3個のT75フラスコの平均として計算した。
Quantumバイオリアクター中のSVFの一次増殖について、システムを、実施例1に記載のとおりクリオ沈降物でプライムし、そしてコートした。SVFからの100×10細胞を負荷し、24時間接着させ、その後自動で開始する0.1mL/分で供給した。3日培養後、ウォッシュアウト作業を非接着細胞除去のために実施した。前培養したASC(すなわち、一次増殖由来のもの)の第二継代増殖のために、Quantumバイオリアクターを30×10 ASCで播種した。Quantumバイオリアクターで実施するSVFおよびASCの増殖で使用する培地および試薬は、フラスコ培養で使用したものと同一であった。
ASC P0およびP1の生存能は、培養がフラスコであるかバイオリアクターであるかに係わらず、96%を超えた。全条件下のASC増殖は、同等なおよびASC特徴免疫表現型プロファイルを有することが明らかとなった。無菌性、マイコプラズマおよびエンドトキシン試験は一貫して陰性であった。
しかしながら、バイオリアクターに負荷した平均55×10 SVF細胞は89×10 ASC P0をもたらし(播種したSVF細胞数に対してASC数は1.6倍高い)、一方T75フラスコあたり4.5×10播種SVFは、平均1.75×10 ASCをもたらした(播種したSVF細胞数に対してASC数は0.4倍)。QuantumバイオリアクターにおけるASC P1増殖は、P0の培養がフラスコであるかQuantumバイオリアクターであるかに係わらず、約2.1の集団倍加(PD)を示し、一方フラスコでのASC P1は、1.0のPDにしか到達しなかった。
結論として、バイオリアクターでのASC製造はASC増殖速度および収率を、Tフラスコにおける手動方法と比較して有意に増加させ、同時に安全かつ強固な細胞産生に必須の純度および品質を維持する。
実施例8
Quantumバイオリアクターにおける増殖添加剤比較
QuantumバイオリアクターでのASC増殖のための増殖添加剤としてのHPL(Stemulate、hPL-SP、無ヘパリン、Cook General Biotechnology)およびウシ胎児血清(FBS)(Gibco, Life Technologies)の使用を比較した。
3ドナー脂肪吸引から、腹部脂肪からのSVF単離および第一継代増殖を実施例1に従い実施した。これらの継代から、30×10 ASCを、新規Quantumバイオリアクターに第二増殖のために負荷した。全ての継代において、代謝モニタリング(グルコースおよび乳酸)が供給速度および収集時期を導いた。ASCの生存能、無菌性、純度、分化能およびゲノム安定性を決定した。比較ゲノムハイブリダイゼーションアレイアッセイにより決定する微生物品質管理、フローサイトメトリー、三重分化およびゲノム安定性を実施した。
この二つの継代方法の各継代は、FBSより大きな程度へのASCのHPL支持増殖を示した。3ドナーの平均として、9(7〜11)日のHPL培地でのSVF培養物は、平均546×10 ASCを生じた。FBS培地でのSVF培養物は、111×10 ASCを得るために、8日多く必要とした。第二継代ASCは、hPL培地で6日後平均800×10細胞(PD5.2)を生じ、それに対し、FBS培地で21日後100×10 (PD:2.2)細胞であった。ASCは、両方の培地タイプでISCT基準を満たした(免疫表現型および三重分化)。比較ゲノムハイブリダイゼーションはゲノム安定性を示した。無菌性、マイコプラズマおよびエンドトキシン試験は全て陰性であった。
QuantumバイオリアクターおよびhPLの使用の組み合わせは、QuantumバイオリアクターおよびFBSの使用と比較して、第一継代ASCで5倍多くおよび第二継代ASCで8倍多く採取した。
実施例9
最終ASC生成物の免疫抑制性活性
本来虚血性、外傷性または自己免疫性である、何らかの原因の組織損傷中の顕在化は、炎症性細胞の迅速な出現であり、これは再生方法成功の間にゆっくり減少するが、慢性虚血性/外傷性創傷治癒および自己免疫反応中持続する。この浸潤は、単球/マクロファージの最初の、続くリンパ球の蓄積からなる。従って、特に単球/マクロファージ集団に対しASC生成物により発揮される免疫抑制が、再生に有利となるバランスを変えることが予測される。ASC免疫抑制性活性は、同様に同種移植生存およびそれにより多数の再生機構に必須である。
免疫抑制が同種使用および有効性の両方について目的の固有のASC特徴であるため、ヒト樹状細胞アッセイおよびヒト混合リンパ球反応などの自然免疫および細胞性免疫に取り組むインビトロ細胞モデルを、免疫抑制性活性の試験に使用した。
循環単球由来ASCおよび樹状細胞(DC)の共培養を、Jensen and Gad (2010)の方法により確立した。末梢血単核細胞を50歳未満の健常ドナーのバフィーコートから、Ficoll-Paque勾配(GE Healthcare)での遠心分離および細胞接触面の分離により単離した。細胞を、1%pen/strep添加RPMI 1640(Roswell Park Memorial Institute)培地(Sigma)で洗浄し、CD14+単球をMACS分離カラムおよび磁気ビーズ(CD14 MACSマイクロビーズ、ヒト、Miltenyi Biotec)を使用する陽性選択により単離した。細胞懸濁液適用前後に、カラムを脱気PBSE緩衝液(PBS、0.5mol/L EDTA、2%FBS)で洗浄した。CD14+単球を、6ウェルプレートに、1%pen/strep、2%ヒトAB血清、ヒト組み換え顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(20ng/mL)およびヒトインターロイキン(IL)−4(20ng/mL;PeproTech)添加RPMI 1640培地中2×10細胞/mL密度で播種した。培地を2〜3日毎に交換した。分化6日後、細胞を採取し、DC:ASC共培養のために調製した。細胞生成物CSCC_ASC;第二継代凍結保存ASC(CryoStor 10中)を解凍し、細胞をフラスコ培養(aMEM、5%Stemulate、1%pen/strep)に1週間入れ、その後DC:ASC共培養を開始した(培養復帰ASC)。DC:ASC共培養の日、細胞生成物CSCC_ASC;第二継代凍結保存ASC(CryoStor 10中)のバイアルを、共培養への直接使用のために解凍した。ASCを、1×10/ウェル濃度で48ウェルプレートに播種し、DC対ASC比1:1とした。DCを1μg/mL リポ多糖(LPS;Sigma)および20ng/mL インターフェロン−ガンマ(IFN−g;PeproTech)での刺激により活性化した。DC活性化の陽性対照として、DCのみを含む1ウェルを1μg/mL リポ多糖(LPS;Sigma)および20ng/mL インターフェロン−ガンマ(IFN−g;PeproTech)で等しく刺激し、24時間インキュベートした。
樹状細胞成熟マーカーのフローサイトメトリー
共培養物を、再懸濁し、上清を除去し、ウェルの底を曲がったピペットチップで擦り取ることにより採取した。採取細胞をFACS洗浄緩衝液(1.5%NaNおよび1%熱不活性化FBS添加PBS)で2回洗浄した。サンプルをヒトIgG(Sigma)と氷上で15分インキュベートして、Fc受容体を遮断した。使用した一次抗体は、IgG−APC、CD11c−APC、IgG1k−PE、CD40−PE、CD80−PE、CD86−PE(BD Bioscience)およびHLA−DR−FITC(Beckman Coulter)であった。サンプルを抗体と30分氷上でインキュベートし、洗浄し、データをFACS Accuri(BD Bioscience)に収集した。データを、CD11c陽性およびサイズによるDC集団のゲート事象で獲得し、Flowlogicで分析した。平均蛍光強度(MFI)を測定し、陽性対照DCのMFIと比較した。
ヒト樹状細胞アッセイは、第二継代最終および凍結製剤ASC生成物がヒト樹状細胞成熟/活性化を抑制したことを示した。これは、細胞生成物が能動的に免疫抑制性であり、インビボ注射後拒絶を回避することを指摘する。解凍後直接最終生成物でおよび復帰のために培養されている最終かつ解凍生成物からのASCで実験を実施した。樹状細胞の活性化に関するASC製剤および凍結貯蔵保存の影響が、これにより取り組まれている。
継代2代最終ASC生成物の免疫抑制性活性を、混合リンパ球反応(MLR)に基づくインビトロ細胞モデルでさらに試験した。このモデルにおいて、循環末梢血単核細胞(PBMC)を同種ドナーからの照射PBMCにより刺激し、種々の比の最終ASC生成物を添加した。簡単にいうと、ASCを、96ウェルプレートで次のレスポンダーPBMCの1:20〜1:1に対応する比で培養した。ASC不含ウェル(培地のみ)を陽性対照として使用した。翌日、末梢血単核細胞(PBMC)をLymphoprepを使用する密度勾配遠心分離の手段によりバフィーコートから精製した。各PBMCプールの半分をガンマ放射線源(3000RAD)で照射した。PBMCを96ウェルプレートで合わせ(ウェルあたり100μl+100μl)固有のMLR数とし、増殖性PBMCプールを他のドナーからの照射プールで攻撃した。4日共培養期間後、H−チミジン(25μSi/ml)を添加し、18〜20時間インキュベートした。自動化ハーベスターを使用して、細胞をフィルタープレートに採取し、シンチレーション液に入れ、PBMC増殖応答を可視化して、カウント毎分を、シンチレーションカウンター(Topcount)で決定した。
第二継代最終ASC生成物のMLRへの添加は、ASCが通常生じる迅速なリンパ球増殖に対し、抑制効果を発揮することを示した。
実施例10
最終生成物/第二継代ASCの免疫調節性表現型検査
実施例1に従い製造した最終生成物CSCC_ASCの免疫調節性表面マーカーに基づく表現型特徴付けをフローサイトメトリーにより実施した。ASCをTrypleSelectで採取し、洗浄し、濾過し、抗体含有または非含有チューブに分配した。細胞を、表15に示す抗体と、30分、室温でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を洗浄し、遠心分離し、フローサイトメトリーのためにPBSに再懸濁した。
フィコエリトリン、フルオレセインイソチオシアネート、フィコエリトリン−テキサスレッド、フィコエリトリン−シアニン、アロフィコシアニンおよびBrilliant Violet(伝導ポリマー)などのフルオロフォアにコンジュゲートした抗体を用いる単色プロトコル標識細胞を使用した。生存能をFVS−780染色(Becton Dickinson)により決定した。死滅細胞およびダブレットを最終分析から除外した。データをGMP遵守Navios(Beckman Coulter, Germany)を使用して所得および分析した。データをNaviosソフトウェアおよびKaluza(Beckman Coulter, Germany)を使用して分析した。
CXCR4:C−X−Cケモカイン受容体タイプ4
LTβR:リンホトキシンベータ受容体
表15に示すCDマーカーは、全て、免疫調節性および特に免疫抑制性機能におけるその関連性のために選択されている。表15に示すASC特徴付けは、相当な免疫抑制性能力に一致する(Krampera et al., 2013)。特に最強陽性マーカーCD10、CD140a、CD160、CD204、CD258、CD270、CD272、CD44、CD49a、CD54、CD9、ガレクチン3およびガレクチン9、HLA−GおよびLTβRは、免疫シグナル伝達、細胞−細胞および細胞−ECM接着、ホーミング、パターン認識、T細胞阻害、増殖因子受容体上方制御および炎症誘発性タンパク質の不活性化などの機構を経るASC免疫調節能を反映する。
実施例11
免疫調節性機能的能力;炎症誘発環境への表現型的適応
実施例10に記載する免疫調節性および免疫抑制性表現型が、実際の免疫抑制応答性に合致するか否かを試験すために、実施例1に従い製造した生成物CSCC_ASCからのASCを炎症誘発性サイトカインでインビトロで攻撃し、表現型的変化を試験した。
種々のドナーからの最終生成物ASCを、標準培地(αMEM、Pen/Strep、5%hPL)でインビトロで培養した。約80%コンフルエンスで、各ドナーからの培養物の半分を培養物あたり25ml培地で、50ng/ml IFN−ガンマで刺激した。3日後、実施例10に記載のとおり培養物をTrypleSelectで採取し、フローサイトメトリーのために調製した。
表16および17に示すとおり、最終生成物ASCは炎症性環境に応答できる。応答は集団レベルならびに個々の細胞レベルで見られる。
集団のパーセンテージは、集団全体において表面マーカーを発現する細胞のパーセンテージを意味する。平均蛍光強度数は、各個々の細胞のマーカー数の上方または下方制御に対応する。
特に重要なのは、集団ベースでのCD274(PD−L1)の87%上方制御が、免疫抑制性作用を開始する能力を説明することである。マクロファージでの発現が知られるCD274は、組織同種移植および自己免疫性疾患などの特定の事象中の免疫系の抑制に主要な役割を有する(Camillieri et al, 2016; Krampera et al., 2013)。PD−L1は、活性化T細胞、B細胞および骨髄細胞に見られるその受容体であるPD−1に結合し、T細胞増殖の活性化または抑制を制御する。PD−L1は、少なくとも一部、アポトーシス誘発により作用する。第二継代ASCに対するCD274の厳密な役割はなお未定であるが、FBSを用いて手動で増殖させた、CD274陽性骨髄MSCはT細胞増殖およびTh17極性化を制御し、INFガンマライセンシング後に同等な効果が示されている。
また注目されるのは、マーカーCD54(ICAM−1)についてのMFIの3から97への増加であり、これは、ASC−白血球相互作用の安定化およびシグナル伝達に必要な細胞間接着分子の可動化を説明する。ICAM−1は、白血球に見られる受容体であるLFA−1(インテグリン)のリガンドである。
HLA DR/DP/DQの顕著な上方制御が予測されるが、既知共刺激性マーカーCD40、CD80およびCD86の上方制御がない状況で、抗原提示表現型は得られない。むしろ、同時のCD274の顕著な上方制御および他の免疫抑制性マーカーの永続性発現は、抗炎症性である正味の結果と一致する(Krampera et al., 2013; Galipeau et al., 2016)。
環境に表現型的におよび機能的に応答する能力は、処置の際に細胞が注入されるインビボ環境と相互作用する生成物の能力にとって重要である。生成物のこの固有の相互作用的性質は、その特徴およびその臨床効果に重要である。免疫抑制性表現型を呈する能力は、同種使用を可能とし、説明する。
実施例12
臨床試験
血行再建選択肢および最大耐容性医薬治療がない慢性虚血性心疾患および心不全、左室EF低下(≦45%)、ニューヨーク心不全(NYHA)クラスII〜IIIを有する、62.5±6.6歳(平均±SD)の10患者を、最終生成物CSCC_ASCで処置している。NOGA MYOSTAR(登録商標)カテーテル(Biological Delivery System, Cordis, Johnson & Johnson, USA)で、実施例1に従い製造した0.3mL CSCC_ASCの約15注射を、梗塞領域境界部において生存可能心筋に注入した。
患者は、ベースラインおよび6ヶ月後、心エコーおよび造影剤使用CT走査を受けた。
320多検出器CTスキャナー(Aquilion One, 東芝メディカルシステムズ株式会社, 大田原、日本)を心臓CT走査実施のために使用した。R−R間隔およびマルチセグメント画像再構築をスキャナーソフトウェアで実施した。画像を前向きウィンドウで0.5mmスライス厚および2%間隔で0.25mm漸増で再構築した。
エコーは、胸骨傍断面および心尖部像で心機能および体積を測定した。
全画像データをcviポスト・プロセッシング・ツール(Circle Cardiovascular Imaging, Calgary, Alberta, Canada)で分析した。心内膜および心外膜境界を拡張終期および収縮末期に手動でトレースし、僧帽弁面をLVの基底境界規定のために設定した。
ニューヨーク心臓病学会(NYHA)機能分類を使用した。それは、患者を、身体活動中、息切れに関連して、どの程度制限されるかに基づき4カテゴリーの一つに分類する。
6分歩行試験(6MWT)を、30m長(100ft)廊下または通廊を使用する、米国胸部学会ガイドライン2002年3月により標準化した。Borg CR10スケールを、実験強度の測定に使用した。
a:対応のあるT検定
b:ウィルコクソンの符号順位検定
処置6ヶ月後、左室駆出率(LVEF)および6MWTは改善し、同時に左室収縮末期容積(LVESV)およびNYHAスコアは減少していた。測定は、心臓ポンプ機能改善、作業能力増加および息切れの発作減少を明らかにする。処置は、安全かつ有効であった。
実施例13
ASCの表面接着
ASC集団を規定する固有の特徴は、ASCが接着する能力である。加えて、接着する能力は、ASCが正常細胞機能を維持することを示す多くの性質の第一である。本実施例において、実施例1に記載のとおり製造した生成物CSCC_ASCからのASCが、乾式貯蔵液体窒素容器で−180℃、最大12ヶ月保存された後に接着する能力を試験した。簡単にいうと、実施例1に従い製造した3ドナーからのASCを1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月および12ヶ月保存し、解凍し、計数し、5%HPL添加aMEMで100万生存可能細胞/フラスコで5時間、インビトロ培養した。5後、培養物を洗浄し、接着性集団をTrypleSelectで剥離し、計数した。
表19A、BおよびC
表面に接着する能力は、重要なASC特徴である。生成物CSCC_ASCは、凍結、保存および解凍後、ASC接着性の高い程度の維持を示す。
乾式貯蔵容器中、−180℃で、最大12ヶ月保存したならば、71〜89%(平均:76%)の細胞が、接着する機能的能力を維持する。
実施例14
表面マーカー
実施例1に記載のとおり産生した細胞を、単色フローサイトメトリープロトコルを使用する以外実施例2に記載のとおり特徴付けし、第一継代ASC(8バッチ)および第二継代ASC(14バッチ)について下の表20に示す結果を得た。
簡潔には、細胞を収集後、凍結保存前に直接分析した。フローサイトメトリーのために、細胞をPBSで洗浄し、100万細胞/mlに調節し、生存能染色FVS−780(Becton Dickinson)で、10分、RTで暗所で標識した。FVS−780をFBS含有PBSで洗い出し、細胞懸濁液を濾過し、抗体を、先のタイトレーションに従う容積で30分、RTで暗所で、添加した。使用した全抗体はBecton Dickinsonからであり、蛍光色素PE(フィコエリトリン)、Brilliant Violet510、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、APC(アロフィコシアニン)およびPerCp−Cy5.5(ペリジニン−クロロフィルタンデム)とコンジュゲートさせた。死滅細胞およびダブレットを最終分析から除外した。データをGMP遵守Navios(Beckman Coulter, Germany)を使用して所得および分析した。データを、NaviosソフトウェアおよびKaluza(Beckman Coulter, Germany)を使用して分析した。
表20は、第一および第二継代後、ASC特徴付けに使用した列記した表面マーカーを発現する、ASCのパーセンテージを示す。平均発現値は、第一継代および第二継代それぞれ8および14バッチに基づく。最小および最大発現レベルも示す。
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Claims (19)

  1. 少なくとも1×10細胞/mLの濃度でプロテインフリークリオ保護剤中に実質的に均質かつ免疫抑制性の成人脂肪組織由来幹細胞(ASC)集団の懸濁液を含む、組成物。
  2. ASC集団の少なくとも約80%がCD90、CD73、CD13、CD105、CD29、CD166、CD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD49a、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現し、ASC集団の多くて約15%がCD45、CD19、CD14、CD106、CD31およびCD36を発現する、請求項1に記載の組成物。
  3. ASC集団において、
    少なくとも90%がCD90、CD73、CD13、CD29およびCD166を発現し、多くて5%がCD45、CD19、CD14およびCD31を発現し、多くて10%がCD106を発現し、2〜15%がCD36を発現し、少なくとも10%がCD146を発現し、少なくとも80%がCD105を発現し、多くて40%がCD34を発現する;および/または
    少なくとも90%がCD10、CD140b、CD160、CD204、CD272、CD44、CD54、CD9、ガレクチン3、ガレクチン9、HLA−GおよびLTβRを発現し、少なくとも80%がCD49aを発現し、少なくとも60%がCD258およびCD270を発現し、少なくとも5%がCD200を発現し、多くて15%がCD15、CD152、CD163、CD18、CD274、CD39、CD40、CD62L、CD80およびCD86を発現し、多くて30%がCXCR4を発現する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. インターフェロン−ガンマ刺激により、CD274を発現するASC集団のパーセンテージが少なくとも80%に増加し、CD54陽性細胞におけるCD54の発現レベルが少なくとも25倍増加する、請求項1〜3の何れかに記載の組成物。
  5. 解凍直後、幹細胞集団の少なくとも80%が生存可能細胞であり、幹細胞集団が48時間培養したとき少なくとも1の集団倍加を有する、請求項1〜4の何れかに記載の組成物。
  6. クリオ保護剤がTrolox(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)、Na、K、Ca2+、Mg2+1Cl、HPO 、HEPES、ラクトビオン酸、スクロース、マンニトール、グルコース、デキストラン−40、アデノシンおよびグルタチオンおよび約5%〜約15%DMSOを含む、請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
  7. 医薬組成物である、請求項1〜6の何れかに記載の組成物。
  8. 凍結される、請求項1〜7の何れかに記載の組成物。
  9. 凍結条件下に保存される複数のバイアルを含み、各バイアルが約5mLの請求項7に記載の組成物を含み、ここで、細胞濃度が約2.0×10〜約2.5×10細胞/mL範囲である、細胞バンク。
  10. (i)ドナーから採取した吸引脂肪組織の間質血管細胞群(SVF)を、少なくとも一表面が成人幹細胞の接着が促進されるように前処理されているバイオリアクターに添加し;
    (ii)バイオリアクターにおいて、接着細胞をヒト血小板ライセートを添加した無血清培養培地においてコンフルエントまで培養し;
    (iii)接着細胞を剥離し;
    (iv)剥離した細胞を、クリオ保護剤中少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;
    (v)凍結細胞を解凍し、工程(ii)および(iii)および所望により(iv)を少なくとも1回繰り返し、
    (vi)剥離した細胞を少なくとも1×10細胞/mLの濃度で凍結させ;そして
    (vii)所望により、凍結組成物を解凍する
    工程を含む、実質的に均質な成人幹細胞集団を含む組成物を製造する方法。
  11. a)バイオリアクターの少なくとも一表面タンパク質を、クリオ沈降物を含むまたはそれからなる組成物で前処理し;
    b)培養培地が約2%〜約15%ヒト血小板ライセートを含み;
    c)クリオ保護剤が約5%〜約15%DMSOおよびTrolox(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)、Na、K、Ca2+、Mg2+1Cl、HPO 、HEPES、ラクトビオン酸、スクロース、マンニトール、グルコース、デキストラン−40、アデノシンおよびグルタチオンを含み;
    d)工程(v)において、凍結細胞を解凍し、工程(ii)および(iii)を1回実施するか;または
    e)(a)〜(d)の任意の2以上の組み合わせである、
    請求項10に記載の方法。
  12. 請求項10または11に記載の方法により得たまたは得られる、クリオ保護剤中に実質的に均質な成人幹細胞集団の懸濁液を含む、組成物。
  13. 医薬として使用するための、請求項1〜8および12の何れかに記載の組成物。
  14. 組織再生、免疫抑制におよび/または抗炎症剤として使用する、請求項1〜8および12の何れかに記載の組成物。
  15. 対象における虚血性組織障害、組織機能不全または破壊障害、自己免疫性障害、移植片拒絶および炎症性疾患または障害から選択される疾患または障害の処置または予防に使用するための、請求項1〜8および12の何れかに記載の組成物。
  16. 疾患または障害が虚血性心疾患、急性心筋梗塞、虚血性脳卒中、重症虚血肢、虚血性創傷、虚血再灌流障害/原発臓器移植機能不全、椎間板修復、非虚血性拡張型心筋症、関節軟骨障害、クローン病、多発性硬化症、I型糖尿病、腎疾患、リウマチ性関節炎、移植臓器の拒絶、II型糖尿病、肺動脈性高血圧および敗血症からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
  17. 疾患または障害が虚血性心疾患であり、多くて約5mL中約5×10〜約5×10細胞が心筋内注射により対象に投与される、請求項16に記載の組成物。
  18. 対象が脂肪組織のドナーではない、請求項15〜17の何れかに使用するための組成物。
  19. 患者への投与を少なくとも1回繰り返し、所望により脂肪組織が異なるドナーからである、請求項18に記載の組成物。
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