JP2018531237A6 - 多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む、タンパク質結合体 - Google Patents

多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む、タンパク質結合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2018531237A6
JP2018531237A6 JP2018515857A JP2018515857A JP2018531237A6 JP 2018531237 A6 JP2018531237 A6 JP 2018531237A6 JP 2018515857 A JP2018515857 A JP 2018515857A JP 2018515857 A JP2018515857 A JP 2018515857A JP 2018531237 A6 JP2018531237 A6 JP 2018531237A6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
immunoglobulin
peptide
protein conjugate
factor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018515857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018531237A (ja
Inventor
ジョンス リー
ソンホ チェ
ジェヒョク チェ
サンユン キム
ソンヨプ ジュン
セチャン クォン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hanmi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Hanmi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hanmi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Hanmi Pharmaceutical Co Ltd
Priority claimed from PCT/KR2016/010745 external-priority patent/WO2017052321A1/ko
Publication of JP2018531237A publication Critical patent/JP2018531237A/ja
Publication of JP2018531237A6 publication Critical patent/JP2018531237A6/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

本発明は、多数の生理活性ポリペプチドと免疫グロブリンFc領域を含む生理活性ポリペプチド結合体、その用途、及びその製造方法に関するものである。

Description

本発明は、多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む生理活性ポリペプチドのタンパク質結合体、その用途、及びその製造方法に関する。
経済成長と生活方式の変化に応じて食習慣にも最近多くの変化があった。特に、忙しい現代人は、ファーストフードなどの高熱量の食事と活動量の減少、過度なストレス、不規則な生活パターンなどにより、各種の成人病が増加している。
過体重及び肥満は、血圧とコレステロール値を増加させて、心臓病、糖尿病、関節炎などの様々な疾患の発病または悪化の原因となっている。非アルコール性脂肪肝も、過体重、肥満、高脂血症、インスリン抵抗性、糖尿病などがリスク要因であり、放置すると肝線維化、肝硬変、肝がんにつながることがある。
糖尿病、肥満、高脂血症、脂肪肝などの代謝性疾患に問題を引き起こす成人病を一つ以上経験している患者は、他の成人病が発症する可能性が高く、このような患者は、同時に一つ以上の複数の成人病を同時に治療及び調節しなければならない。
一方、インスリンは、膵臓のベータ細胞から分泌されるペプチドとして体内の血糖を調節するのに非常に重要な役割を担う物質である。このようなインスリンの分泌量が不足したり、正常な機能が行われず、血中のブドウ糖の濃度が高くなる代謝性疾患を糖尿病という。インスリンが正常に分泌されないか、分泌されたインスリンが体内で正常に作用せず、体内の血糖が調節されずに上昇する場合を第2型糖尿病といい、膵臓からインスリンを分泌せず、血糖が上昇する場合を第1型糖尿病という。第2型糖尿病の場合、化学物質を主成分とする経口用血糖降下剤を用いて治療し、一部の患者にはインスリンを用いて治療することもある。一方、第1型糖尿病の場合には、インスリンの投与が必須的に要求される。
インスリンは、現在、注射剤として用いて、皮下注射で投与することを原則としており、作用時間に応じて投与方法が異なる。インスリン注射の投与は、飲み薬に比べて血糖降下の効果がより迅速に示され、飲み薬を使用することができない環境でも安全に使用でき、容量の制限もない。しかし、1日3回ずつ継続的に使用する必要があるため、注射針への拒否感、投与方法の難しさ、低血糖の症状、長期的なインスリン投与により発生する体重増加の現象などが欠点として挙げられる。また、体重増加の現象は、心血管疾患のリスクを高め、血糖の調節機能を低下させる副作用につながることがある。
グルカゴンは、薬物の治療または疾病、ホルモンや酵素の欠乏などの原因で血糖が低下し始めた場合、膵臓で生産される。グルカゴンは、肝臓でグリコーゲンを分解してグルコースを放出するように信号し、血糖のレベルを正常なレベルまで高める役割をする。それだけではなく、グルカゴンは、血糖の上昇効果に加えて、食欲抑制及び脂肪細胞のホルモン感受性リパーゼ(hormone sensitive lipase)を活性化させて、脂肪分解を促進することによって抗肥満の効果を示すと報告された。このようなグルカゴンの誘導体の一つであるグルカゴン様ペプチド−1(glucagon-like peptide-1、GLP‐1)は、糖尿病患者の高血糖症を減少させる治療剤として開発中である物質であって、インスリンの合成と分泌促進、グルカゴンの分泌阻害、胃空腹抑制、グルコースの使用増進とともに、飲食物の摂取を阻害する機能を有する。GLP‐1と約50%のアミノ酸相同性を有するトカゲ毒液(lizard venom)から作られるエキセンジン4(exendin-4)も、GLP‐1受容体を活性化させ、糖尿病患者の高血糖症を減少させることが知られている。しかし、前記GLP‐1を含む肥満治療用の医薬は、嘔吐と吐き気の副作用を発生させるという問題点を示すことが報告された。
繊維芽細胞成長因子21(FGF21)はFGF19、FGF21及びFGF23を含む繊維芽細胞成長因子(FGF)の亜科(subfamily)に属する分泌型ポリペプチドである。これは血管新生、類似分裂生殖、パターン形成、細胞分化、代謝調節及び組織損傷の修復をはじめとするさまざまな生理学的機能において重要な役割を果たす。FGF21は、主に肝臓で発現されることが報告されており、虚血性血管疾患、創傷治癒、及び肺、気管支または肺胞細胞機能の損傷に関連する疾患及び多数の他の障害に対する治療剤として記述されてきた。
特許文献1によると、FGF21をインスリンの存在及び不在下でマウス3T3−L1脂肪細胞で長時間処理(72時間)すると、FGF21は前記脂肪細胞でグルコースの受容を刺激する。また、ob/ob及びdb/dbマウス及び8週齢のZDFラットで空腹及び食後血糖(blood glucose)、トリグリセリド(triglyceride)及びグルカゴン(glucagon)レベルを投与量依存的な(dose-dependent)方式で減少させることが明らかになった。このように、FGF21が糖尿病及び肥満の治療のための療法として用いられうる効果が証明されたことがある。
一方、本発明者は、天然型に比べて半減期が増加されたインスリンアナログ、イミダゾアセチルエキセンジン4(Imidazoacetyl(CA)exendin-4、CA‐エキセンジン4)のような生理活性ポリペプチドを非ペプチド性重合体を介して、免疫グロブリンFc領域に部位選択的な共有結合で連結したタンパク質結合体及びこれを含む組成物をそれぞれ開発した(特許文献2及び3)。ただし、2種類以上の生理活性ポリペプチドが1単位の免疫グロブリンFc領域に非ペプチド性重合体を介してそれぞれ結合された形態に対しては示したことがない。
このような背景下で、本発明者らは併用投与や複合製剤の形態で使用するとき、二重的に投与される免疫グロブリンFcの量を下げながら、同時に2つ以上の効果を有する単一物質を開発するために鋭意努力した結果、多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む生理活性ポリペプチド結合体を開発した。具体的に、二量体(dimeric form)である免疫グロブリンFcのいずれか1単位に、非ペプチド性重合体を介してそれぞれの生理活性を示す2種類のポリペプチドが共有結合された形態の異種二量体(heterodimer)結合体を開発した。
このような異種二量体の結合体は、免疫グロブリンFcの一つの単位に非ペプチド性重合体によって1種類の生理活性物質が共有結合された単量体(monomer)結合体と試験管内力価を比較したとき、単量体結合体の生理活性の程度に対して異種二量体の結合体の該当生理活性の程度が同等であることを確認した。ここで、該当異種二量体の結合体の人体投与時、2つ以上の単量体結合体を併用投与したり、これらの複合製剤を使用する場合に比べて、投与された免疫グロブリンFcの濃度を半分に減少させることができ、投与されるタンパク質の濃度及びタンパク質の量も減少して、タンパク質の濃度に応じて発生しうる粘度も増加及びそれに伴う注射投与時の患者の苦しみの問題を減少させうることを確認し、本発明を完成した。
国際公開特許WO2003/011213 国際公開特許WO2014‐133324 国際公開特許WO2008‐082274 米国特許公開US2016‐0008483 A1 米国公開特許US2010‐0105877 A1 国際公開特許WO97/34631号 国際公開特許WO96/32478号
H.Neurath, R.L.Hill, The Proteins, Academic Press, New York, 1979
本発明の一つの目的は、多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む生理活性ポリペプチドのタンパク質結合体を提供することにある。
具体的に、生理活性ポリペプチドのタンパク質結合体であって、 前記タンパク質結合体は、(i)1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部;(ii)前記Fc領域またはその一部に共有結合で連結された非ペプチド性重合体;及び(iii)前記非ペプチド性重合体に共有結合で連結された生理活性ポリペプチドを含み、
この時、前記Fc領域またはその一部が2つのポリペプチド鎖の二量体であり、この2つのポリペプチド鎖のそれぞれには1つ以上の前記非ペプチド性重合体が連結されている結合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記タンパク質結合体を製造する方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、前記タンパク質結合体を含む組成物を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、前記タンパク質結合体を含む生理活性ポリペプチドの生体内持続性及び安定性の増加のための組成物を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、前記タンパク質結合体またはこれを含む組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む、目的とする疾患を治療する方法を提供することにある。
本発明を具現するための一つの態様は、多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む生理活性ポリペプチドのタンパク質結合体である。
具体的に、一つの様態は、
(i)1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部;
(ii)前記Fc領域またはその一部に共有結合で連結された非ペプチド性重合体;及び
(iii)前記非ペプチド性重合体に共有結合で連結された生理活性ポリペプチドを含み、
この時、前記Fc領域またはその一部が2つのポリペプチド鎖の二量体であり、この2つのポリペプチド鎖のそれぞれには1つ以上の前記非ペプチド性重合体が連結されている、
2つ以上の生理活性ポリペプチドを含むタンパク質結合体である。
一つの具体例として、前記免疫グロブリンFc領域が非糖鎖化されることを特徴とする。
他の具体例として、免疫グロブリンFc領域がCH1、CH2、CH3及びCH4ドメインからなるグループから選択された1つ〜4つのドメインからなることを特徴とする。
他の具体例として、免疫グロブリンFc領域がヒンジ(hinge)領域をさらに含むことを特徴とする。
他の具体例として、免疫グロブリンFc領域がIgG、IgA、IgD、IgE、IgM、これらの組み合わせ(combination)及びこれらのハイブリッド(hybrid)のFc領域からなる群から選択されることを特徴とする。
他の具体例として、免疫グロブリンFc領域がIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、これらの組み合わせ及びこれらのハイブリッドのFc領域からなる群から選択されることを特徴とする。
他の具体例として、免疫グロブリンFc領域がIgG4 Fc領域であることを特徴とする。
他の具体例として、免疫グロブリンFc領域がヒト非糖鎖化IgG4 Fc領域であることを特徴とする。
他の具体例として、前記共有結合は、アルデヒド基、マレイミド(maleimide)基及びスクシンイミド誘導体(succinimide derivative)からなる群から選択された非ペプチド性重合体の末端反応基を、Fc領域またはその一部または生理活性ポリペプチド内のアミノ基と反応させて形成したことを特徴とする。
他の具体例として、前記スクシンイミド誘導体がスクシンイミジルプロピオネート、スクシンイミジルカルボキシメチル、ヒドロキシスクシンイミジルまたはスクシンイミジルカーボネートあることを特徴とする。
他の具体例として、非ペプチド性重合体の両末端反応基がアルデヒド基を有することを特徴とする。
他の具体例として、非ペプチド性重合体は、一方の末端で免疫グロブリンFcのアミノ末端、リジン(lysine)残基の側鎖、またはアルギニン(arginine)残基の側鎖のいずれか1つを介して結合し、他方の末端で生理活性ポリペプチドのアミノ末端、リジン残基の側鎖、アルギニン残基の側鎖、ヒスチジン(histidine)残基の側鎖またはシステイン(cysteine)残基側鎖のいずれか1つを介して結合していることを特徴とする。
他の具体例として、非ペプチド性重合体がポリエチレングリコール単独重合体、ポリプロピレングリコール単独重合体、エチレングリコール‐プロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリサカライド、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性高分子、脂質重合体、脂肪酸、キチン、ヒアルロン酸及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする。
他の具体例として、非ペプチド性重合体がポリエチレングリコール単独重合体であることを特徴とする。
他の具体例として、生理活性ポリペプチドがホルモン、サイトカイン、酵素、抗体、成長因子、転写調節因子、血液因子、ワクチン、構造タンパク質、リガンドタンパク質及び受容体からなる群から選択されることを特徴とする。
他の具体例として、前記生理活性ポリペプチドが、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド類、オキシントモジュリン(oxyntomodulin)、エキセンジン3(exendin‐3)、エキセンジン4(exendin‐4)、繊維芽細胞成長因子21(FGF21)、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ペプチド、インターフェロン類、インターフェロン受容体類、コロニー刺激因子類、Gタンパク質関連受容体(G-Protein-coupled receptor)、インターロイキン類、インターロイキン受容体類、酵素類、インターロイキン結合タンパク質類、サイトカイン結合タンパク質類、マクロファージ活性因子、マクロファージペプチド、B細胞因子、T細胞因子、タンパク質A、アレルギー抑制因子、細胞壊死糖タンパク質、免疫毒素、リンホトキシン、腫瘍壊死因子、腫瘍抑制因子、転移成長因子、α-1アンチトリプシン、アルブミン、α-ラクトアルブミン、アポリポタンパク質E、赤血球生成因子、高糖鎖化赤血球生成因子、アンジオポエチン類、ヘモグロビン、トロンビン、トロンビン受容体活性ペプチド、トロンボモジュリン、血液因子VII、VIIa、VIII、IX及びXIII、プラスミノーゲン活性因子、フィブリン結合ペプチド、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヒルジン、タンパク質C、C反応性タンパク質、レニン抑制剤、コラゲナーゼ抑制剤、スーパーオキシドジスムターゼ、レプチン、血小板由来成長因子、上皮細胞成長因子、表皮細胞成長因子、アンジオスタチン、骨形成成長因子、骨形成促進タンパク質、カルシトニン、アトリオペプチン、軟骨誘導因子、エルカトニン、結合組織活性因子、組織因子経路阻害剤、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、神経成長因子類、副甲状腺ホルモン、リラキシン、セクレチン、ソマトメジン、インスリン様成長因子、副腎皮質ホルモン、グルカゴン、コルレシストキニン、膵臓ポリペプチド、ガストリン放出ペプチド、コルチコトロピン放出因子、甲状腺刺激ホルモン、オートタキシン、ラクトフェリン、ミオスタチン、受容体類、受容体アンタゴニスト、細胞表面抗原、ウイルス由来ワクチン抗原、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片類、赤血球増殖因子、白血球増殖因子、アミリン、ソマトスタチン、PYY(peptide YY)、NPY(neuropeptide Y)、アンジオテンシン、ブラジキニン 、カルシトニン、副腎皮質刺激ホルモン(Corticotropin)、エレドイシン(Eledoisin)、ガストリン、レプチン、オキシトシン(Oxyt℃in)、バソプレシン(vasopressin)、黄体形成ホルモン、黄体刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、シクレチン(secretin)、セルモレリン(Sermorelin)、ヒト成長ホルモン(hGH)、成長ホルモン放出ペプチド、コロニー刺激因子(GCSF)類、インターフェロン(IFN)類、インターロイキン(Interleukin)類、プロラクチン放出ペプチド、オレキシン(Orexin)、甲状腺放出ペプチド、コレシストキニン(Cholecystokinin)、ガストリン抑制ペプチド、カルモジュリン、ガストリン遊離ペプチド(Gastric releasing peptide)、モチリン(Motilin)、血管作用性腸ペプチド(Vasoactive intestinal peptide)、心房ナトリウム利尿ペプチド(Atrial natriuretic peptide; ANP)、バリンナトリウム利尿ペプチド(Barin natriuretic peptide; BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(C-type natriuretic peptide; CNP)、ニューロキニン(Neurokinin)A、ニューロメジン(Neuromedin)、レニン(Renin)、エンドセリン(Endothelin)、サラホトキシンペプチド(Sarafotoxin peptide)、カルソモルフィンペプチド(Carsomorphin Peptide)、デモルフィン(Dermorphin)、ダイノルフィン(Dynorphin)、エンドルフィン(Endorphin)、エンケパリン(Enkepalin)、T細胞因子、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子受容体、ウロキナーゼ受容体、腫瘍抑制因子、コラゲナーゼ抑制剤、チモポエチン(Thymopoietin)、チムリン(Thymulin)、チモペンチン(Thymopentin)、チモシン(Thymosin)、胸腺液性因子(Thymic humoral factor)、アドレノメデュリン(Adrenomedullin)、アラトスタチン(Allatostatin)、アミロイドβ-プロテイン断片(Amyloid beta‐protein fragment)、抗菌性ペプチド、抗酸化剤ペプチド、ボンベシン(Bombesin)、オステオカルシン(Oste℃alcin)、CARTペプチド、Eセレクチン(selectin)、ICAM−1、VCAM−1、ロイコカイン(Leukokine)、クリングル(Kringle)−5、ラミニン(Laminin)、インヒビン(Inhibin)、ガラニン(Galanin)、フィブロネクチン(Fibronectin)、パンクレアスタチン(Pancreastatin)、フューゼオン(Fuzeon)及びそれらのアナログからなる群から選ばれることを特徴とする。
他の具体例として、生理活性ポリペプチドが、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド類、オキシントモジュリン(oxyntomodulin)、エキセンジン3(exendin‐3)、エキセンジン4(exendin‐4)、繊維芽細胞成長因子21(FGF21)、ヒト成長ホルモン、インターフェロン‐アルファ、顆粒球コロニー刺激因子、赤血球生成因子、Fab’抗体断片及びそれぞれのアナログからなる群から選択されることを特徴とする。
他の具体例として、前記Fc領域またはその一部の2つのポリペプチド鎖のそれぞれに非ペプチド性重合体を介して連結された生理活性ポリペプチドは異なる種類であることを特徴とする。
他の具体例として、前記タンパク質結合体は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して異なる種類の生理活性ポリペプチドの2単位がそれぞれ非ペプチド性重合体を介して連結されたことを特徴とする。
他の具体例として、前記タンパク質結合体は、異なる種類の生理活性ポリペプチドがそれぞれ非ペプチド性重合体を介して1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に連結されて、前記異なる種類の生理活性ポリペプチドは、互いに異なる割合で存在することを特徴とする。
他の具体例として、非ペプチド性重合体を介して免疫グロブリンFc領域またはその一部に共有結合で連結された生理活性ポリペプチドは、非ペプチド性重合体が連結された部位ではなく他の部位に追加の生理活性ポリペプチドがさらに連結されていることを特徴とする。
他の具体例として、前記タンパク質結合体は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して異なる種類の生理活性ポリペプチドの3単位以上がそれぞれ非ペプチド性重合体を介して連結されたことを特徴とする。
本発明を具現するための他の様態は、1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部に対して、同一の生理活性を示す3単位以上の生理活性ポリペプチドのそれぞれが非ペプチド性重合体を介して共有結合で連結された、生理活性ポリペプチドの同種多量体(homomultimer)結合体である。
本発明を具現するためのもう一つの様態は、前記結合体の製造方法である。
具体的に、(a)生理活性ポリペプチドが一方の末端に連結されて、他方の末端に残りの反応基を有する非ペプチド性重合体と(b)1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部に1つ以上の生理活性ポリペプチドのそれぞれが非ペプチド性重合体を介して連結されており、免疫グロブリンFc領域またはその一部に残りの反応基を有する生理活性ポリペプチド結合体を提供する段階;及び前記(a)の生理活性ポリペプチドに連結された非ペプチド性重合体の残りの反応基と前記(b)の生理活性ポリペプチド結合体の免疫グロブリンFc領域またはその一部の残りの反応基を共有結合で連結させる段階を含む製造方法である。
一つの具体例として、前記(a)の非ペプチド性重合体は、アルデヒド基、マレイミド(maleimide)基及びスクシンイミド誘導体(succinimide derivative)からなる群から選択された、残りの反応基を有することを特徴とする。
他の具体例として、前記(b)の免疫グロブリンFc領域またはその一部の残りの反応基が、免疫グロブリンFc領域またはその一部のアミノ末端、リジン(lysine)残基の側鎖、またはアルギニン(arginine)残基の側鎖のいずれか1つに位置することを特徴とする。
他の具体例として、前記(a)の生理活性ポリペプチドは、(b)の生理活性ポリペプチドと互いに同一の種類であるか、互いに異なる種類であることを特徴とする。
他の具体例として、前記(a)の生理活性ポリペプチドと前記(b)の生理活性ポリペプチドは、シングル単位 (single unit)であることを特徴とする。
本発明を具現するための他の様態は、前記タンパク質結合体を含む組成物である。
一つの具体例として、前記組成物は、生理活性プリペプチドの生体内持続性及び安定性の増加のための組成物であることを特徴とする。
他の具体例として、前記組成物は、薬学的組成物であることを特徴とする。
本発明の具現するための他の様態は、前記タンパク質結合体またはこれを含む組成物を、これを必要とする固体に投与する段階を含む、目的とする疾患を治療する方法である。
本発明では、2つ以上の生理活性ポリペプチドが免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体を介して連結された結合体は、1つの生理活性ポリペプチドを免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体で連結した単量体結合体のそれぞれと同一または類似の生理活性を有することができるため、単量体結合体を用いる場合に比べて、免疫グロブリンFcの人体に不要な投与量を減少させることができる。
また、互いに異なる種類の生理活性ポリペプチドを含む本発明による結合体の場合、2つ以上の薬効を1つの結合体内に有する利点もさらに有することができる。
インスリンアナログ及びイミダゾ‐アセチル(Imidazo-acetyl、CA)エキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体(heterodimer)結合体のHPLC分析結果である。該当の図において、持続型インスリンアナログ結合体は、単量体結合体の形態のインスリンアナログと免疫グロブリンFcがPEGを介して連結された結合体を意味し、持続型CA‐エキセンジン4結合体は、単量体結合体の形態のCA‐エキセンジン4と免疫グロブリンFcとがPEGを介して連結された結合体を意味する。 インスリンアナログ及びイミダゾ‐アセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体のSDS‐PAGE(12%)の結果である。 インスリンアナログ及びイミダゾ‐アセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の抗免疫グロブリンFcに対するウェスタンブロット分析結果である。 インスリンアナログ及びイミダゾ‐アセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の抗エキセンジン4に対するウェスタンブロット分析結果である。 インスリンアナログ及びイミダゾ‐アセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の抗インスリンに対するウェスタンブロット分析結果である。 2単位のインスリンアナログと免疫グロブリンFcとを含む同種二量体(homodimer)結合体のHPLC分析結果である。該当の図において、持続型インスリンアナログ結合体は、単量体結合体の形態のインスリンアナログと免疫グロブリンFcとがPEGを介して連結された結合体を意味する。 2単位のインスリンアナログと免疫グロブリンFcとを含む同種二量体の結合体のSDS‐PAGEの分析結果である。 2単位のイミダゾ‐アセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む同種二量体の結合体のHPLC分析結果である。 2単位のイミダゾ‐アセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む同種二量体の結合体のSDS‐PAGEの分析結果である。 インスリンアナログ及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体のHPLC分析結果である。 インスリンアナログ及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体のSDS‐PAGEの分析結果である。 イミダゾ‐アセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体のHPLC分析結果である。 イミダゾ‐アセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体のSDS‐PAGEの分析結果である。 イミダゾ‐アセチルエキセンジン4及び繊維芽細胞成長因子21と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体のHPLC分析結果である。 イミダゾ‐アセチルエキセンジン4及び繊維芽細胞成長因子21と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体のSDS‐PAGE分析結果である。
本発明を実施するための具体的な内容を説明すると、次の通りである。一方、本願で開示されるそれぞれの説明及び実施形態は、それぞれの異なる説明及び実施形態にも適用されてもよい。つまり、本願で開示された様々な要素のすべての組み合わせが本発明の範囲に属する。また、下記記述される具体的な叙述によって、本発明の範囲が限定されるとは言えない。
本発明を具現するための一つの様態は、多数の生理活性プリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む生理活性ポリペプチドのタンパク質結合体を提供する。
具体的に、
(i)1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部;
(ii)前記Fc領域またはその一部に共有結合で連結された非ペプチド性重合体;及び
(iii)前記非ペプチド性重合体に共有結合で連結された生理活性ポリペプチドを含み、
この時、前記Fc領域またはその一部が2つのポリペプチド鎖の二量体であり、この2つのポリペプチド鎖のそれぞれには1つ以上の前記非ペプチド性重合体が連結されている、
2つ以上の生理活性ポリペプチドを含む、生理活性ポリペプチドのタンパク質結合体を提供する。
本発明の用語、「タンパク質結合体」は、生理活性ポリペプチドと任意の他の要素とを含む結合体、具体的に生理活性ポリペプチドと任意の他の要素とが共有結合で連結された物質を意味する。
前記任意の他の要素は、生理活性ポリペプチドの血中半減期を増加させたり、腎臓排出を減らすなどの生理活性ポリペプチドの生体内作用において、ある有利な機能を有する任意の物質もなりうる。
前記任意の他の要素は、担体を含み、本発明のタンパク質結合体を形成しうる担体の例として、生理活性ポリペプチドに連結した後に血中の安全性を高めることができるアルブミン、トランスフェリン、抗体、抗体断片、エラスチン、ヘパリン、キチン(chitin)のような糖重合体(polysaccharide)、フィブロネクチ(fibronectin)などであってもよいが、これに限定されない。
本発明の一つの具体的な実施形態で、前記他の要素は免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域の新生児Fc受容体(FcRn)結合能を保有するFc領域の一部であってもよいが、これに限定されない。
前記免疫グロブリンFc領域またはその一部は、2つのポリペプチド鎖の二量体形態(dimeric form)であってもよい。ここで、前記2つのポリペプチド鎖はジスルフィド結合などのあらゆる任意の組み合わせを介して二量体の形態を有してもよい。また、タンパク質結合体に用いられるFc領域の一部は、FcRnに結合しうるFc領域の一部になってもよい。
より具体的に、前記タンパク質結合体は、2つまたはそれ以上の生理活性ポリペプチドが1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に非ペプチド性重合体を介して連結された形態であってもよいが、これに限定されない。
本発明の一実施形態において、前記タンパク質結合体は、二量体形態である免疫グロブリンFc領域またはFcRnに対する結合能を維持するFc領域の一部を構成するそれぞれの免疫グロブリン重鎖の鎖ごとに非ペプチド性重合体を介して生理活性ポリペプチドが連結されたものであってもよいが、これに限定されない。
前記非ペプチド性重合体は、生理活性ポリペプチドと免疫グロブリンFc領域またはその一部、具体的に、Fc領域またはその一部を構成する免疫グロブリン重鎖の鎖に介在して、共有結合で両方を連結させることができる。
これらのタンパク質結合体は、同種多量体または異種多量体、より具体的に、同種二量体または三量体あるいは異種二量体または三量体、より具体的に、同種二量体または異種二量体の形態であってもよい。
本発明で用語、「同種多量体」は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して同一の生理活性を示す2単位以上のポリペプチドのそれぞれが、非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
つまり、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に非ペプチド性重合体を介して連結された生理活性ポリペプチドが、すべて同一の生理活性を示す種類であり、これにより単一の生理活性を示すことができる。
前記「同種多量体」は、本明細書で「同種多量体の結合体」と混用されて使用される。
本発明で用語、「同種二量体」は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して同一の生理活性を示す2単位のポリペプチドそれぞれが、非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
具体的に、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部の2つのポリペプチド鎖のそれぞれに対して、同一の生理活性を示すポリペプチド2単位それぞれが非ペプチド性重合体を介して連結された構造であってもよい。
前記「同種二量体」は、本明細書で「同種二量体の結合体」と混用されて使用される。
本発明で用語、「同種三量体」は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して同一の生理活性を示す3単位のポリペプチドそれぞれが、非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
例えば、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部の2つのポリペプチド鎖のそれぞれに、1つの非ペプチド性重合体及び2つの非ペプチド性重合体が連結され、当該非ペプチド性重合体に3単位の生理活性ポリペプチドそれぞれが連結された形態の構造であってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
前記「同種三量体」は、本明細書で「同種三量体の結合体」と混用されて使用される。
本発明で用語、「異種多量体」は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して異なる生理活性を示すポリペプチド2単位以上(例えば、2単位あるいは3単位またはそれ以上)が、それぞれ非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
これにより、前記異種多量体の結合体は、2つ以上の生理活性ポリペプチドを含み、二重または多重生理活性を示すことができる。
例えば、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部の2つのポリペプチド鎖のそれぞれに1つまたは2つ以上の非ペプチド性重合体が連結されて、当該非ペプチド性重合体に生理活性ポリペプチドが連結された形態の構造であってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
前記「異種多量体」は、本明細書で「異種多量体の結合体」と混用されて使用される。
このような異種多量体は、異種二量体、異種三量体などの形態であってもよいが、特にこれに限定されない。
本発明で用語、「異種二量体」は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して異なる生理活性を示す2単位のポリペプチドそれぞれが、非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
具体的に、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部の2つのポリペプチド鎖のそれぞれに対して、異なる生理活性ポリペプチド2単位それぞれが非ペプチド性重合体を介して連結された構造であってもよい。
前記「異種二量体」は、本明細書で「異種二量体の結合体」と混用されて使用される。
本発明で用語、「異種三量体」は、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して、異なる生理活性を示す3単位のポリペプチドそれぞれが非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
例えば、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部の2つのポリペプチド鎖のそれぞれに、1つの非ペプチド性重合体及び2つの非ペプチド性重合体が連結され、当該非ペプチド性重合体に3単位の生理活性ポリペプチドそれぞれが連結された形態の構造であってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
前記「異種三量体」は、本明細書で「異種三量体の結合体」と混用されて使用される。
ここで、特にこれに限定されないが、前記同種多量体もしくは異種多量体の結合体を構成する非ペプチド性重合体を介して、免疫グロブリンFc領域またはその一部に共有結合で連結された生理活性ポリペプチドは、非ペプチド性重合体が連結された部位でない他の異なる部位に追加の生理活性ポリペプチドがさらに連結されている形態であってもよい。
ここで、追加の生理活性ポリペプチドは、リンカーを介して2つ以上の生理活性ポリペプチドが連結されたり、直接的に連結された形態であってもよいが、これに限定されず、前記リンカーは、ペプチド性リンカーまたは非ペプチド性リンカーであってもよいが、これに限定されない。
免疫グロブリンFcの1単位のポリペプチド鎖に非ペプチド性重合体で連結された生理活性ポリペプチドの部位に連続的に1つ以上、または1種類以上の生理活性ポリペプチドがリンカーによって連結された形態も含む。
この時、追加される生理活性ポリペプチドは、それと連結された生理活性ポリペプチドと同一の種類の生理活性ポリペプチドであってもよいが、これに限定されない。この場合、同種多量体を構成する生理活性ポリペプチド、そして、異種多量体を構成する生理活性ポリペプチドのすべての種類あるいは一部の種類は、多数のポリペプチド(multiple polypeptides)として存在してもよい。つまり、多数のポリペプチドの形態として生理活性ポリペプチドが免疫グロブリンFc領域に非ペプチド性重合体を介して連結された形態を含む構造であってもよいが、特にこれに限定されない。
また、前記異種多量体において異なる種類の生理活性ポリペプチドは、互いに異なる割合で存在してもよい。
例えば、1単位の免疫グロブリンFcまたはその一部を構成する2つのポリペプチド鎖のそれぞれに、非ペプチド性重合体を介して連結された異なる生理活性ポリペプチドの2種類が連結されており、この生理活性ポリペプチドの2種類のいずれか1つは、これとの同一の種類の生理活性ポリペプチドがさらに連結されていることにより、2種類の生理活性ポリペプチドの間に異なる割合で存在しうる。しかし、その割合は制限されない。
本発明の一実施形態において、前記タンパク質結合体は、インスリンアナログの1単位とインスリン分泌ペプチドであるイミダゾ‐アセチルエキセンジン4の1単位が、1単位のFc領域のポリペプチド鎖のそれぞれに非ペプチド性重合体を介して連結された、異種二量体である。
本発明の一実施形態において、前記タンパク質結合体は、インスリンアナログの1単位とグルカゴンアナログの1単位が、1単位のFc領域のポリペプチド鎖のそれぞれに非ペプチド性重合体を介して連結された、異種二量体である。
本発明の一実施形態において、前記タンパク質結合体は、インスリン分泌ペプチドであるイミダゾ‐アセチルエキセンジン4の1単位とグルカゴンアナログの1単位が、1単位のFc領域のポリペプチド鎖のそれぞれに非ペプチド性重合体を介して連結された、異種二量体である。
本発明の一実施形態において、前記タンパク質結合体は、インスリン分泌ペプチドであるイミダゾ‐アセチルエキセンジン4の1単位とFGF21の1単位が、1単位のFc領域のポリペプチド鎖のそれぞれに非ペプチド性重合体を介して連結された、異種二量体である。
先に述べた異種多量体、特に異種多量体は、これを構成する単一の生理活性ポリペプチドに対する単量体結合体と同等であるか、互いに相応する生理活性を示してもよいが、特にこれに限定されるものではない。
本発明で用語、「単量体」は、1単位の免疫グロブリンFc領域に対して、生理活性を示す1単位のポリペプチドが非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
具体的に、1単位の免疫グロブリンFc領域の2つのポリペプチド鎖のいずれか1つのポリペプチド鎖に、1単位の生理活性ポリペプチドが非ペプチド性重合体を介して連結された形態の結合体をいう。
前記「単量体」は、本明細書で「単量体結合体」と混用して使用される。
前記タンパク質結合体を構成する一部分である生理活性ポリペプチドは、人体内で生理活性を示すようにする物質であって、生理活性を示しうるペプチドはすべて該当されてもよい。
例えば、生理活性ポリペプチドは、ホルモン、サイトカイン、酵素、抗体、成長因子、転写調節因子、血液因子、ワクチン、構造タンパク質、リガンドタンパク質及び受容体からなる群から選択されてもよい。
また、例えば、これに限定されるものではないが、インスリン分泌ペプチド、血液因子、消化促進ホルモン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、腸内ホルモン、サイトカイン、酵素、成長因子、ニューロペプチド(neuropeptide)、下垂体ホルモン、視床下部ホルモン、抗肥満ペプチド、抗ウイルスペプチド及び生理活性を有する非天然型ペプチド誘導体またはこれらのアナログからなる群から選択されてもよい。ここで、GLP‐1受容体アゴニスト、レプチン(Leptin)受容体アゴニスト、DPP‐IV阻害剤、Y5受容体アンタゴニスト、MCH(Melanin-concentrating hormone)受容体アンタゴニスト、Y2/3受容体アゴニスト、MC3/4受容体アゴニスト、胃/膵臓リパーゼ(gastric/pancreatic lipase)阻害剤、5HT2cアゴニスト、β3A受容体アゴニスト、アミリン(Amylin)受容体アゴニスト、グレリン(Ghrelin)アンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニストなどになってもよい。
より具体的に、生理活性ポリペプチドは、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド類、オキシントモジュリン(oxyntomodulin)、エキセンジン3(exendin‐3)、エキセンジン4(exendin‐4)、繊維芽細胞成長因子21(FGF21)、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ペプチド、インターフェロン類、インターフェロン受容体類、コロニー刺激因子類、Gタンパク質関連受容体(G-Protein-coupled receptor)、インターロイキン類、インターロイキン受容体類、酵素類、インターロイキン結合タンパク質類、サイトカイン結合タンパク質類、マクロファージ活性因子、マクロファージペプチド、B細胞因子、T細胞因子、タンパク質A、アレルギー抑制因子、細胞壊死糖タンパク質、免疫毒素、リンホトキシン、腫瘍壊死因子、腫瘍抑制因子、転移成長因子、α-1アンチトリプシン、アルブミン、α-ラクトアルブミン、アポリポタンパク質E、赤血球生成因子、高糖鎖化赤血球生成因子、アンジオポエチン類、ヘモグロビン、トロンビン、トロンビン受容体活性ペプチド、トロンボモジュリン、血液因子VII、VIIa、VIII、IX及びXIII、プラスミノーゲン活性因子、フィブリン結合ペプチド、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヒルジン、タンパク質C、C反応性タンパク質、レニン抑制剤、コラゲナーゼ抑制剤、スーパーオキシドジスムターゼ、レプチン、血小板由来成長因子、上皮細胞成長因子、表皮細胞成長因子、アンジオスタチン、骨形成成長因子、骨形成促進タンパク質、カルシトニン、アトリオペプチン、軟骨誘導因子、エルカトニン、結合組織活性因子、組織因子経路阻害剤、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、神経成長因子類、副甲状腺ホルモン、リラキシン、セクレチン、ソマトメジン、インスリン様成長因子、副腎皮質ホルモン、グルカゴン、コルレシストキニン、膵臓ポリペプチド、ガストリン放出ペプチド、コルチコトロピン放出因子、甲状腺刺激ホルモン、オートタキシン、ラクトフェリン、ミオスタチン、受容体類、受容体アンタゴニスト、細胞表面抗原、ウイルス由来ワクチン抗原、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片類、赤血球増殖因子、白血球増殖因子、アミリン、ソマトスタチン、PYY(peptide YY)、NPY(neuropeptide Y)、アンジオテンシン、ブラジキニン 、カルシトニン、副腎皮質刺激ホルモン(Corticotropin)、エレドイシン(Eledoisin)、ガストリン、レプチン、オキシトシン(Oxyt℃in)、バソプレシン(vasopressin)、黄体形成ホルモン、黄体刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、シクレチン(secretin)、セルモレリン(Sermorelin)、ヒト成長ホルモン(hGH)、成長ホルモン放出ペプチド、コロニー刺激因子(GCSF)類、インターフェロン(IFN)類、インターロイキン(Interleukin)類、プロラクチン放出ペプチド、オレキシン(Orexin)、甲状腺放出ペプチド、コレシストキニン(Cholecystokinin)、ガストリン抑制ペプチド、カルモジュリン、ガストリン遊離ペプチド(Gastric releasing peptide)、モチリン(Motilin)、血管作用性腸ペプチド(Vasoactive intestinal peptide)、心房ナトリウム利尿ペプチド(Atrial natriuretic peptide; ANP)、バリンナトリウム利尿ペプチド(Barin natriuretic peptide; BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(C-type natriuretic peptide; CNP)、ニューロキニン(Neurokinin)A、ニューロメジン(Neuromedin)、レニン(Renin)、エンドセリン(Endothelin)、サラホトキシンペプチド(Sarafotoxin peptide)、カルソモルフィンペプチド(Carsomorphin Peptide)、デモルフィン(Dermorphin)、ダイノルフィン(Dynorphin)、エンドルフィン(Endorphin)、エンケパリン(Enkepalin)、T細胞因子、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子受容体、ウロキナーゼ受容体、腫瘍抑制因子、コラゲナーゼ抑制剤、チモポエチン(Thymopoietin)、チムリン(Thymulin)、チモペンチン(Thymopentin)、チモシン(Thymosin)、胸腺液性因子(Thymic humoral factor)、アドレノメデュリン(Adrenomedullin)、アラトスタチン(Allatostatin)、アミロイドβ-プロテイン断片(Amyloid beta‐protein fragment)、抗菌性ペプチド、抗酸化剤ペプチド、ボンベシン(Bombesin)、オステオカルシン(Oste℃alcin)、CARTペプチド、Eセレクチン(selectin)、ICAM−1、VCAM−1、ロイコカイン(Leukokine)、クリングル(Kringle)−5、ラミニン(Laminin)、インヒビン(Inhibin)、ガラニン(Galanin)、フィブロネクチン(Fibronectin)、パンクレアスタチン(Pancreastatin)、フューゼオン(Fuzeon)及びそれらのアナログからなる群から選択されるものであってもよい。
本発明の一実施形態によると、1)インスリンまたはそのアナログ及びグルカゴンまたはそのアナログの組み合わせ;2)インスリンまたはそのアナログ及びインスリン分泌ペプチドまたはそのアナログの組み合わせ;3)インスリン分泌ペプチドまたはそのアナログ及びグルカゴンまたはそのアナログの組み合わせ;及び4)インスリン分泌ペプチドまたはそのアナログ及びFGF21またはそのアナログの組み合わせが異種多量体に適用されてもよいが、特にこれに限定されるものではない。
前記生理活性ポリペプチドは、天然型生理活性ポリペプチドだけでなく、そのアナログもすべて含む。
ここで、前記アナログは、当該天然型ポリペプチドの生理活性を有するポリペプチドの前駆物質(precursors)、誘導体(derivatives)、または断片(fragments)などを含む。このようなアナログは、自然的に発生したものであってもよく、自然に存在しない(non-naturally ℃curring)ものであってもよい。
本発明で用語、「天然型ポリペプチドの誘導体」は、天然型ポリペプチドに比べてアミノ酸配列に1つ以上の差があるペプチド、天然型ポリペプチド配列を改質(modification)を介して変形させたペプチド、天然型ポリペプチドのような生理活性を保有する天然型ポリペプチドの模倣体を含む。
具体的に、天然型ポリペプチドの誘導体は、天然型ポリペプチドの一部のアミノ酸が置換(substitution)、追加(addition)、削除(deletion)及び修飾(modification)のいずれか1つの方法またはこれらの方法の組み合わせを介して変形させてもよい。
また、天然型ポリペプチドの誘導体の製造のためのこれらの変形は、L型またはD型アミノ酸、及び/または非天然型アミノ酸を用いた変形;及び/または天然型配列を改質、例えば側鎖作用基の変形、分子内共有結合、例えば、側鎖間の環形成、メチル化、アシル化、ユビキチン化、リン酸化、アミノヘキサン化、ビオチン化などのように改質することにより、変形するものをすべて含む。
また、天然型ポリペプチドのアミノ及び/またはカルボキシ末端に1つまたはそれ以上のアミノ酸が追加されたものをすべて含む。
前記置換されたり、追加されたアミノ酸は、ヒトタンパク質で通常に観察される20個のアミノ酸だけでなく、非定型または非自然発生アミノ酸を用いてもよい。非定型アミノ酸の商業源には、Sigma-Aldrich、ChemPep及びGenzymepharmaceuticalsが含まれてもよい。このようなアミノ酸が含まれたペプチドと典型的なペプチド配列は、商業化されたペプチド合成会社、例えば、米国のAmerican peptide company、Bachemや韓国のAnygenを通じて合成及び購入可能である。
本発明で用語、「天然型ポリペプチドもしくは天然型ポリペプチドの誘導体の断片」は、天然型ポリペプチドもしくは天然型ポリペプチドの誘導体のアミノ末端もしくはカルボキシ末端に1つまたはそれ以上のアミノ酸が除去された形態をいう。このような天然型ポリペプチド断片は、天然型ポリペプチドの生理活性を同一または相応する程度に保有してもよい。
前記インスリンに対する情報及びインスリンアナログの例について特許文献2及びその対応の特許文献4の明細書の全文が本願の参考資料として含まれる。
このようなインスリンアナログは、インスリンA鎖またはB鎖が変形されたものであってもよく、例えば、B鎖の8番のアミノ酸、23番のアミノ酸、24番のアミノ酸、25番のアミノ酸、A鎖の1番のアミノ酸、2番のアミノ酸、14番のアミノ酸及び19番のアミノ酸からなる群から選択された1つのアミノ酸がアラニンに置換されたものであってもよく、具体的には、B鎖の8番のアミノ酸、23番のアミノ酸、24番のアミノ酸、25番のアミノ酸、A鎖の1番、2番及び19番のアミノ酸からなる群から選択された1つまたはそれ以上のアミノ酸がアラニンに置換されるか、A鎖の14番のアミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギンに置換されたものであってもよい。しかし、これに限定されるものではなく、インスリンのように、体内で血糖調節機能を保有するインスリンアナログであれば、本発明の範囲に制限なく含まれる。
また、1つの例として、前記インスリンアナログは、下記一般式(1)で表される配列番号68のA鎖と、下記一般式(2)で表される配列番号69のB鎖とを含むペプチドであってもよい:
一般式(1)
Xaa1-Ile-Val-Glu-Xaa2-Cys-Cys-Thr-Ser-Ile-Cys-Xaa3-Leu-Xaa4-Gln-Xaa5-Glu-Asn-Xaa6-Cys-Xaa7(配列番号68)
前記一般式(1)において、
Xaa1は、アラニン、グリシン、グルタミン、ヒスチジン、グルタミン酸またはアスパラギンであり、
Xaa2は、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジンまたはアスパラギンであり、
Xaa3は、アラニン、セリン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジンまたはアスパラギンであり、
Xaa4は、アラニン、チロシン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸またはアスパラギンであり、
Xaa5は、アラニン、ロイシン、チロシン、ヒスチニン、グルタミン酸またはアスパラギンであり、
Xaa6は、アラニン、チロシン、セリン、グルタミン酸、ヒスチジンまたはアスパラギンであり、
Xaa7は、アスパラギン、グリシン、ヒスチジンまたはアラニンである。
一般式(2)
Phe-VaL‐Asn-Gln-His-Leu-Cys-Gly-Ser-His-Leu-VaL‐Glu-Ala-Leu-Xaa8-Leu-VaL‐Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-Phe-Xaa9- Tyr-Xaa10-Xaa11-Lys-Thr(配列番号69)
前記一般式(2)において、
Xaa8は、チロシン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であり、
Xaa9は、フェニルアラニンであるか、不在であり、
Xaa10は、トレオニンであるか、不在であり、
Xaa11は、プロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在である。
ここで、天然型インスリンの配列は除外されてもよい。
より具体的な一つの態様で、前記一般式(1)で、Xaa1はグリシンであり、Xaa2はグルタミンであり、Xaa3はセリンであり、Xaa4はアラニン、グルタミン酸、またはアスパラギンであり、Xaa5はロイシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はアスパラギンであり、前記一般式(2)で、Xaa8はチロシンまたはグルタミン酸であり、Xaa9はフェニルアラニンであるか、不在であり、Xaa10はトレオニンであり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であるインスリンアナログペプチドであってもよいが、これに限定されない。
より具体的な一つの態様で、前記一般式(1)で、Xaa1はグリシンであり、Xaa2はグルタミンであり、Xaa3はセリンであり、Xaa4はグルタミン酸、またはアスパラギンであり、Xaa5はロイシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はアスパラギンであり、前記一般式(2)で、Xaa8はチロシンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるか、不在であり、Xaa10はトレオニンであり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であるインスリンアナログペプチドであってもよいが、これに限定されない。
より具体的な一つの態様では、前記インスリンアナログは、前記一般式(1)のA鎖を含み、前記配列番号69のB鎖で、Xaa8がチロシンであり、Xaa9は不在であり、Xaa10はトレオニンであり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であるB鎖を含むものであってもよいが、これに限定されない。
前記ペプチドは、前記一般式(1)のA鎖を含み、前記配列番号69のB鎖で、Xaa8がチロシンであり、Xaa9はフェニルアラニンであり、Xaa10が不在であり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸または、不在であるB鎖を含むものであってもよいが、これに限定されない。
前記ペプチドは、前記配列番号68のA鎖で、Xaa1がグリシンであり、Xaa2がグルタミンであり、Xaa3がセリンであり、Xaa4がグルタミン酸であり、Xaa5がロイシンであり、Xaa6がチロシンであり、Xaa7がアスパラギンであり、配列番号69のB鎖で、Xaa8がチロシンであり、Xaa9がフェニルアラニンであり、Xaa10がトレオニンであり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であるものであってもよいが、これに限定されない。
前記ペプチドは、前記配列番号68のA鎖で、Xaa1がグリシンであり、Xaa2がグルタミンであり、Xaa3がセリンであり、Xaa4がアスパラギンであり、Xaa5がロイシンであり、Xaa6がチロシンであり、Xaa7がアスパラギンであり、配列番号69のB鎖で、Xaa8がチロシンであり、Xaa9がフェニルアラニンであり、Xaa10がトレオニンであり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であるものであってもよいが、これに限定されない。
別の態様で、前記配列番号68のA鎖で、Xaa1がグリシンであり、Xaa2がグルタミンであり、Xaa3がセリンであり、Xaa4がグルタミン酸であり、Xaa5がロイシンであり、Xaa6がチロシンであり、Xaa7がアスパラギンであり、配列番号69のB鎖で、Xaa8がチロシンであり、Xaa9が不在であり、Xaa10がトレオニンであり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であるものであってもよいが、これに限定されない。
別の態様で、前記配列番号68のA鎖で、Xaa1がグリシンであり、Xaa2がグルタミンであり、Xaa3がセリンであり、Xaa4がアラニンであり、Xaa5がロイシンであり、Xaa6がチロシンであり、Xaa7がアスパラギンであり、配列番号69のB鎖で、Xaa8がグルタミン酸であり、Xaa9が不在であり、Xaa10がトレオニンであり、Xaa11はプロリン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であるか、不在であるものであってもよいが、これに限定されない。
また、前記インスリンアナログは、天然型インスリンA鎖の14番のアミノ酸がグルタミン酸、アスパラギン、またはアラニンに変異されて/変異されるか、天然型インスリンB鎖の25番のアミノ酸が欠失されて/欠失されるか、B鎖の16のアミノ酸であるチロシンがグルタミン酸に変異されたものであってもよいが、これに限定されない。
前記インスリン分泌ペプチド及びその誘導体の例としては、特許文献3及びその対応の特許文献5の明細書の全文が本願の参考資料として含まれる。
例えば、インスリン分泌ペプチドは、インスリン分泌機能を保有するペプチドとして膵臓のベータ細胞のインスリンの合成及び発現を刺激しうる。インスリン分泌ペプチドの例としては、GLP(Glucagon like peptide)−1、エキセンジン3及びエキセンジン4などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記インスリン分泌ペプチドのアナログは、インスリン分泌ペプチドのN末端のアミン基を除去した形態、インスリン分泌ペプチドのN末端アミン基をヒドロキシルグループに置換した形態、インスリン分泌ペプチドのN末端アミン基を2つのメチルグループに修飾した形態、またはインスリン分泌ペプチドの1番目のアミノ酸であるヒスチジンのアルファ炭素を除去した形態などであってもよいが、これに限定されない。
エキセンジン4アナログに対するより具体的な例としては、エキセンジン4のN末端のアミン基を除去したデス‐アミノ‐ヒスチジルエキセンジン4、エキセンジン4のN末端アミングループをヒドロキシルグループに置換したベータ‐ヒドロキシ‐イミダゾプロピオニルエキセンジン4、エキセンジン4のアミノ末端アミン基を二つのメチルグループに修飾したジメチルヒスチジル‐エキセンジン4、及びエキセンジン4の1番目のアミノ酸であるヒスチジンのアルファ炭素を除去したイミダゾアセチル‐エキセンジン4などが挙げられるが、これに限定されない。
前記グルカゴンアナログは、特にこれに限定されないが、下記一般式(3)のアミノ酸配列を含むペプチドであってもよい。
X1-X2-QGTF-X7-SD−X10-S-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-F-X23-X24-WL-X27-X28-X29-X30(一般式(3)、配列番号45)
前記式で、
X1は、ヒスチジン、デスアミノヒスチジル(desamino-histidyl)、ジメチルヒスチジル(N-dimethyl-histidyl)、ベータヒドロキシイミダゾプロピオニル(beta-hydroxy imidazopropionyl)、4−イミダゾアセチル(4-imidazoacetyl)、ベータカルボキシイミダゾプロピオニル(beta-carboxy imidazopropionyl)、トリプトファン、またはチロシンであるか、不在であってもよく;
X2は、アルファメチルグルタミン酸(α-methyl-glutamic acid)、Aib(aminoisobutyric acid)、D−アラニン、グリシン、Sar(N-methylglycine)、セリンまたはD−セリンであり;
X7は、トレオニン、バリンまたはシステインであり;
X10は、チロシンまたはシステインであり;
X12は、リジンまたはシステインであり;
X13は、チロシンまたはシステインであり;
X14は、ロイシンまたはシステインであり;
X15は、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはシステインであり;
X16は、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリン、アルファメチルグルタミン酸、またはシステインであるか、不在であり;
X17は、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、リジン、アルギニン、セリン、システイン、またはバリンであるか、不在であり;
X18は、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、バリン、またはシステインであるか、不在であり;
X19は、アラニン、アルギニン、セリン、バリン、またはシステインであるか、不在であり;
X20は、リジン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、アルファメチルグルタミン酸、またはシステインであるか、不在であり;
X21は、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、バリン、またはシステインであるか、不在であり;
X23は、イソロイシン、バリン、またはアルギニンであるか、不在であり;
X24は、バリン、アルギニン、アラニン、システイン、グルタミン酸、リジン、グルタミン、アルファメチルグルタミン酸、またはロイシンであるか、不在であり;
X27は、イソロイシン、バリン、アラニン、リジン、メチオニン、グルタミン、またはアルギニンであるか、不在であり;
X28は、グルタミン、リジン、アスパラギン、またはアルギニンであるか、不在であり;
X29は、リジン、アラニン、グリシン、またはトレオニンであるか、不在であり;
X30は、システインであるか、不在であってもよい。
(ただし、天然型グルカゴンと配列が同一の場合は、除く。)
また、より具体的には、
前記一般式(3)において、
X1は、ヒスチジン、トリプトファン、またはチロシンであるか、不在であり;
X2は、セリンまたはAib(aminoisobutyric acid)であり;
X7は、トレオニン、バリン、またはシステインであり;
X10は、チロシンまたはシステインであり;
X12は、リジンまたはシステインであり;
X13は、チロシンまたはシステインであり;
X14は、ロイシンまたはシステインであり;
X15は、アスパラギン酸またはシステインであり;
X16は、グルタミン酸、セリンまたはシステインであり;
X17は、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、セリン、システインまたはバリンであり;
X18は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、またはシステインであり;
X19は、アラニン、またはシステインであり;
X20は、グルタミン、アスパラギン酸、リジンまたはシステインであり;
X21は、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、バリン、またはシステインであり;
X23は、イソロイシン、バリンまたはアルギニンであり;
X24は、バリン、アルギニン、アラニン、グルタミン酸、リジン、グルタミンまたはロイシンであり;
X27は、イソロイシン、バリン、アラニン、メチオニン、グルタミンまたはアルギニンであり;
X28は、グルタミン、リジン、アスパラギンまたはアルギニンであり;
X29は、トレオニンであり;
X30は、システインであるか、不在であってもよい。
より具体的な例として、グルカゴンアナログは、以下のような種類が挙げられるが、これに限定されるものではない。ただし、ここで配列番号1は、天然型グルカゴンの配列を意味する。




表1

(前記表に記載された配列でXと表記されたアミノ酸は、非天然型アミノ酸であるアミノイソ酪酸(Aib)を、アミノ酸記号の下の下線は、環形成を意味する。)
前記FGF21のアナログは、次のような例を挙げられる。
特にこれに限定されないが、前記FGF21アナログは、天然型繊維芽細胞成長因子21(Fibroblast Growth Factor21、FGF21)に比べてFGF受容体(FGF receptor、FGFR)、または補助受容体(beta-klotho)に対する結合力が減少されて、天然型FGF21に比べて1つ以上のアミノ酸が変異された、FGF21アナログであってもよい。
具体的に、前記FGF21アナログは、天然型FGF21アミノ酸配列に基づいて、最初のアミノ酸及び/または2番目のアミノ酸が欠失されたものであってもよく、さらに167番目のアミノ酸及び168番目のアミノ酸から選択された一つまたはそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換または修飾されたものであってもよいが、これに限定されない。
前記FGF21アナログは、天然型FGF21のN末端の1番目のアミノ酸であるヒスチジン及び/または2番目のアミノ酸であるプロリンが欠失されたものであってもよく、別途またはさらに天然型FGF21の167番目のアミノ酸であるセリンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、168番目のアミノ酸であるメチオニンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、この中の1つ以上を含む置換の組み合わせを有するものであってもよい。
また、FGF21アナログは、1番目のアミノ酸であるヒスチジンが欠失され、さらに天然型FGF21の167番目のアミノ酸であるセリンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、168番目のアミノ酸であるメチオニンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、この中の1つ以上を含む置換の組み合わせを有するものであってもよい。
また、FGF21アナログは、2番目のアミノ酸であるプロリンが欠失され、さらに天然型FGF21の167番目のアミノ酸であるセリンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、168番目のアミノ酸であるメチオニンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、この中の1つ以上を含む置換の組み合わせを有するものであってもよい。
さらに、FGF21アナログは、1番目のアミノ酸であるヒスチジン及び2番目のアミノ酸であるプロリンが欠失され、さらに天然型FGF21の167番目のアミノ酸であるセリンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、168番目のアミノ酸であるメチオニンがその他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、この中の1つ以上を含む置換の組み合わせを有するものであってもよい。
FGF21アナログは、1番目のアミノ酸であるヒスチジンが欠失され、さらに天然型FGF21の167番目のアミノ酸であるセリンまたは168番目のアミノ酸であるメチオニンがトレオニン、アラニン、フェニルアラニン、またはイソロイシンに置換されたものであってもよく、具体的に167番目のアミノ酸であるセリンがトレオニンに置換されたものであってもよく、168番目のアミノ酸であるメチオニンがアラニン、フェニルアラニン、またはイソロイシンに置換されたものであってもよく、この中の一つ以上を含む置換の組み合わせを有するものであってもよい。
また、本発明のFGF21アナログは、2番目のアミノ酸であるプロリンが欠失され、さらに天然型FGF21の167番目のアミノ酸であるセリンまたは168番目のアミノ酸であるメチオニンがトレオニン、アラニン、フェニルアラニン、またはイソロイシンに置換されたものであってもよく、具体的に167番目のアミノ酸であるセリンがトレオニンに置換されたものであってもよく、168番目のアミノ酸であるメチオニンがアラニン、フェニルアラニン、またはイソロイシンに置換されたものであってもよく、この中で1つ以上を含む置換の組み合わせを有するものであってもよい。
さらに、FGF21アナログは、1番目のアミノ酸であるヒスチジン及び2番目のアミノ酸であるプロリンが欠失され、さらに天然型FGF21の167番目のアミノ酸であるセリンまたは168番目のアミノ酸であるメチオニンがトレオニン、アラニン、フェニルアラニン、またはイソロイシンに置換されたものであってもよく、具体的に、167番目のアミノ酸であるセリンがトレオニンに置換されたものであってもよく、168番目のアミノ酸であるメチオニンがアラニン、フェニルアラニン、またはイソロイシンに置換されたものであってもよく、この中の1つ以上を含む置換の組み合わせを有するものであってもよい。
また、FGF21アナログは、天然型FGF21の5番目のアミノ酸、6番目のアミノ酸、7番目のアミノ酸、8番目のアミノ酸、9番目のアミノ酸、168番目のアミノ酸、172番目のアミノ酸、176番目のアミノ酸、177番目のアミノ酸、及び178番目のアミノ酸からなる群から選択された1つまたはそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたものであってもよい。これらの他のアミノ酸は、アラニンであってもよいが、特にこれに限定されない。
このようなFGF21アナログのより具体的な例として、配列番号46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65 、66及び67からなる群から選択されたアミノ酸配列を有するFGF21アナログが挙げられる。
また、本発明でタンパク質結合体は、ポリエチレングリコール(PEG)のような生分解性重合体または生体内アルブミンとの結合力を有する脂肪酸が修飾された形態であってもよく、また、アルブミンや免疫グロブリンのような持続性に優れたタンパク質がさらに結合された形態であってもよく、生分解性ナノパーティクルに封入された形態が含まれてもよいが、これに制限されない。
前記タンパク質結合体で、非ペプチド性重合体は、一方の末端で免疫グロブリンFcのアミノ末端、リジン(lysine)残基の側鎖、またはアルギニン(arginine)残基の側鎖のいずれか1つを介して結合し、他方の末端で生理活性ポリペプチドのアミノ末端、リジン残基の側鎖、アルギニン残基の側鎖、ヒスチジン(histidine)残基の側鎖またはシステイン(cysteine)残基の側鎖のいずれか1つを介して結合する形態であってもよい。
前記「非ペプチド性重合体」は、繰り返し単位が2つ以上結合された生体適合性重合体をいう。前記繰り返し単位は、ペプチド結合ではなく、任意の共有結合を介して互いに連結される。本発明で、前記非ペプチド性重合体は、非ペプチド性リンカーと混用して使用されてもよい。
本発明に使用可能な非ペプチド性重合体は、ポリエチレングリコール単独重合体、ポリプロピレングリコール単独重合体、エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリサカライド、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、PLA(ポリ乳酸、polylactic acid)及びPLGA(ポリ乳酸‐グリコール酸、polylactic-glycolic acid)のような生分解性高分子、脂質重合体、キチン、ヒアルロン酸及びこれらの組み合わせで構成された群から選択されてもよく、具体的には、ポリエチレングリコール単独重合体である。当該分野で、すでに知られているこれらの誘導体及び当該分野の技術水準で容易に製造しうる誘導体も、本発明の範囲に含まれる。
既存のインフレームフュージョン(inframe fusion)方法で製造された融合タンパク質で用いられたペプチド性リンカーの欠点は、生体内でタンパク質分解酵素によって容易に切断され、担体による活性薬物の血中半減期の増加効果を期待するほど得ることができないということである。しかし、本発明では、タンパク質分解酵素に抵抗性のある重合体を用いて、担体と同様にペプチドの血中半減期を維持することができる。したがって、本発明で用いられる非ペプチド性重合体は、前記のような役割、すなわち生体内のタンパク質分解酵素に抵抗性のある重合体であれば制限なく使用されてもよい。非ペプチド性重合体の分子量は、0超過〜100kDa以下、1〜100kDaの範囲、具体的には0超過、例えば、1kDa〜20kDa以下の範囲であってもよく、または0.5kDa〜20kDa、0.5kDa〜5kDa、または5kDa〜20kDaの範囲であってもよいが、これに限定されない。また、前記免疫グロブリンFc領域と結合される本発明の非ペプチド性重合体は、1種類の重合体だけでなく、異なる種類の重合体の組み合わせが使用されてもよい。
また、前記非ペプチド性重合体は、2つ以上の末端を有するものであってもよく、その例として2末端を有する非ペプチド性重合体及び3末端を有する非ペプチド性重合体であってもよいが、これに限定されない。
非ペプチド性重合体の両末端は、免疫グロブリンFcと生理活性を示す2つまたはそれ以上のそれぞれのポリペプチドのアミングループまたはチオールグループ(Thiol group)に結合してもよい。
一つのタンパク質結合体にリンカーとして用いられる非ペプチド性重合体は、1種類またはそれ以上の種類が用いられてもよい。
例えば、生理活性を示すポリペプチド1単位と免疫グロブリンFc領域またはその一部のいずれか1つのポリペプチド鎖のアミングループが介在する非ペプチド性重合体のその両末端と結合し、また他の生理活性を示すポリペプチドの他の1単位と免疫グロブリンFc領域またはその一部のいずれか1つのポリペプチド鎖とを連結する非ペプチド性重合体は、その一方の末端はアミングループと結合し、他方の末端はチオールグループと結合する形態であってもよい。
本発明に用いられる非ペプチド性重合体は、免疫グロブリンFc領域及び生理活性ポリペプチドと結合しうる反応基を有し、これを介して免疫グロブリンFc領域及び生理活性ポリペプチドと連結されうる。
前記非ペプチド性重合体の両末端の反応基はアルデヒド基、マレイミド(maleimide)基またはスクシンイミド誘導体(succinimide derivative)が挙げられるが、これに限定されない。
前記アルデヒド基の種類としては、プロピオンアルデヒド基、ブチルアルデヒド基などが挙げられるが、これに限定されない。
前記で、スクシンイミド誘導体としては、スクシンイミジルプロピオネート、ヒドロキシスクシンイミジル、スクシンイミジルカルボキシメチルまたはスクシンイミジルカーボネートが用いられてもよい。
前記タンパク質結合体で、共有結合はアルデヒド基、マレイミド基及びスクシンイミド誘導体からなる群から選択された、非ペプチド性重合体の末端反応基をFc領域またはその一部や生理活性ポリペプチド内のアミノ基と反応させて形成したものであってもよい。
前記非ペプチド性重合体が両末端に反応アルデヒド基を有する場合、非特異的反応を最小化して、非ペプチド性重合体の両末端で生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンとそれぞれ結合するのに効果的である。アルデヒド基による還元性アルキル化で生成された最終産物は、アミド結合で連結されたものよりはるかに安定的である。アルデヒド基は、低pHでN末端に選択的に反応し、高いpH、例えばpH9.0の条件ではリジン残基と共有結合を形成しうる。
前記非ペプチド性重合体であるリンカーの両末端反応基は、互いに同一であるか、異なってもよい。
例えば、一方の末端にはマレイミド基、他方の末端にはアルデヒド基、例えば、プロピオンアルデヒド基、またはブチルアルデヒド基を持つことができる。また、例えば、前記の非ペプチド性重合体の一方の末端には、反応基としてアルデヒド基を含み、他方の末端には、マレイミド基、スクシンイミド基、アルデヒド基(例えば、プロピオンアルデヒド基またはブチルアルデヒド基)などを含んでもよい。例えば、前記非ペプチド性重合体の一方の末端がアルデヒド基の反応基を含み、他方の末端がマレイミド基の反応基を含む場合、非特異的反応を最小化して、非ペプチド性重合体の両末端で生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンとそれぞれ結合するのに効果的でありうる。両末端にヒドロキシ反応基を有するポリエチレングリコールを非ペプチド性重合体として用いる場合には、公知の化学反応によって前記ヒドロキシ基を前記様々な反応基で活性化するか、商業的に入手可能な変形された反応基を有するポリエチレングリコールを用いて、本発明の持続型タンパク質結合体を製造しうる。
本発明で、「免疫グロブリンFc領域」は、免疫グロブリンの重鎖と軽鎖可変領域を除いた、重鎖不変領域2(CH2)及び/または重鎖不変領域3(CH3)の部分を含む部位を意味する。前記免疫グロブリンFc領域は、本発明のタンパク質結合体の一部分をなす一構成であってもよい。
このような免疫グロブリンFc領域は、重鎖不変領域にヒンジ(hinge)部分を含んでもよいが、これに限定されるものではない。また、本発明の免疫グロブリンFc領域は、天然型と実質的に同等であるか、向上された効果を有する限り、免疫グロブリンの重鎖と軽鎖可変領域のみを除き、一部または全体の重鎖不変領域1(CH1)及び/または軽鎖不変領域1(CL1)を含む拡張されたFc領域であってもよい。また、CH2及び/またはCH3に該当する非常に長い一部のアミノ酸配列が除去された領域であってもよい。
例えば、本発明の免疫グロブリンFc領域は、1)CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン及びCH4ドメイン、2)CH1ドメイン及びCH2ドメイン、3)CH1ドメイン及びCH3ドメイン、4)CH2ドメイン及びCH3ドメイン、5)CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン及びCH4ドメインのうち1つまたは2つ以上のドメインと免疫グロブリンヒンジ領域(またはヒンジ領域の一部)との組み合わせ、6)重鎖不変領域の各ドメインと軽鎖不変領域の二量体であってもよい。しかし、これに制限されるものではない。
また、一つの具体例としては、前記免疫グロブリンFc領域は、二量体形態(dimeric form)であってもよい。
また、本発明の免疫グロブリンFc領域は、天然型アミノ酸配列だけでなく、その配列誘導体を含む。アミノ酸配列誘導体とは、天然アミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基が欠失、挿入、非保存的または保存的置換またはこれらの組み合わせによって異なる配列を有することを意味する。
例えば、IgG Fcの場合、結合に重要であると知られている214〜238、297〜299、318〜322または327〜331番のアミノ酸残基が変形のために適当な部位として用いられてもよい。
また、ジスルフィド結合を形成しうる部位が除去されたり、天然型FcからN末端のいくつかのアミノ酸が除去されたり、または天然型FcのN末端にメチオニン残基が付加されてもよいなど、様々な種類の誘導体が可能である。また、エフェクター機能をなくすために、補体結合部位、例えばC1q結合部位が除去されることもあり、ADCC(antibody dependent cell mediated cytotoxicity)部位が除去されることもある。このような免疫グロブリンFc領域の配列誘導体を製造する技術は、特許文献6、特許文献7などに開示されている。
分子の活性を全体的に変更させないタンパク質及びペプチドでのアミノ酸交換は、当該分野で知られている(非特許文献1)。最も一般的に起こる交換は、アミノ酸残基Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Thy/PHe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、Asp/Gly間の交換である。場合によっては、リン酸化(phosphorylation)、硫化(sulfation)、アクリル化(acrylation)、糖化(glycosylation)、メチル化(methylation)、ファルネシル化(farnesylation)、アセチル化(acetylation)及びアミド化(amidation)などで修飾( modification)されることもできる。
前述したFc誘導体は、本発明のFc領域と同等の生物学的活性を示し、Fc領域の熱、pHなどに対する構造的安定性を増大させたものであってもよい。
また、このようなFc領域は、ヒト、牛、ヤギ、ブタ、マウス、ウサギ、ハムスター、ラットまたはモルモットなどの動物の生体内で分離した天然型から得られてもよく、形質転換された動物細胞または微生物から得られた組み換え型またはその誘導体であってもよい。ここで、天然型から獲得する方法は、全体の免疫グロブリンをヒトまたは動物の生体から分離した後、タンパク質分解酵素を処理して獲得する方法であってもよい。パパインで処理する場合には、Fab及びFcに切断され、ペプシンで処理する場合には、pF’c及びF(ab)2に切断される。サイズ排除クロマトグラフィー(size-exclusion chromatography)などを用いて、FcまたはpF’cを分離することができる。より具体的な実施形態では、ヒト由来のFc領域を微生物から収得した組み換え型免疫グロブリンFc領域である。
また、免疫グロブリンFc領域は、天然型糖鎖、天然型に比べて増加した糖鎖、天然型に比べて減少した糖鎖または糖鎖が除去された形態であってもよい。このような免疫グロブリンFc糖鎖の増減または除去には、化学的方法、酵素学的方法及び微生物を用いた遺伝工学的方法のような通常の方法が用いられてもよい。ここで、Fcから糖鎖が除去された免疫グロブリンFc領域は、補体(C1q)との結合力が著しく低下し、抗体依存性細胞毒性または補体依存性細胞毒性が減少または除去されるため、生体内での不要な免疫反応を誘発しない。この点で、薬物の担体としての本来の目的により合致する形態は、糖鎖が除去されたり非糖鎖化された免疫グロブリンFc領域であるといえる。
本発明で、「糖鎖の除去(Deglycosylation)」は、酵素で糖を除去したFc領域をいい、非糖鎖化(Aglycosylation)は原核動物、より具体的な実施形態では、大腸菌で生産して糖鎖化されないFc領域を意味する。
一方、免疫グロブリンFc領域は、ヒトまたは牛、ヤギ、ブタ、マウス、ウサギ、ハムスター、ラット、モルモットなどの動物由来であってもよく、より具体的な実施形態では、ヒト起源である。
また、免疫グロブリンFc領域は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM由来またはこれらの組み合わせ(combination)またはこれらの混成(hybrid)によるFc領域であってもよい。より具体的な実施形態では、ヒトの血液に最も豊富なIgGまたはIgM由来であり、より具体的な実施形態では、リガンド結合タンパク質の半減期を向上させることが公知されたIgG由来である。さらに具体的な実施形態では、前記免疫グロブリンFc領域は、IgG4 Fc領域であり、最も具体的な実施形態では、前記免疫グロブリンFc領域は、ヒトIgG4由来の非糖鎖化されたFc領域であるが、これに限定されるものではない。
一方、本発明で「組み合わせ(combination)」とは、二量体または多量体を形成するとき、同一起源の単鎖免疫グロブリンFc領域を暗号化するポリペプチドが異なる起源の単鎖ポリペプチドと結合を形成することを意味する。つまり、IgG Fc、IgA Fc、IgM Fc、IgD Fc及びIgEのFc断片からなるグループから選択された2つ以上の断片から二量体または多量体の製造が可能である。
本発明を具現するための別の態様は、前記結合体の製造方法を提供する。
前記結合体については、先に説明した通りである。
具体的に、
(a)生理活性ポリペプチドが一方の末端に連結されて、他方の末端に残りの反応基を有する非ペプチド性重合体と、(b)1つの単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部に1つ以上の生理活性ポリペプチドのそれぞれが非ペプチド性重合体を介して連結されており、免疫グロブリンFc領域またはその一部に残りの反応基を有する生理活性ポリペプチド結合体を提供する段階;及び
前記(a)の生理活性ポリペプチドに連結された非ペプチド性重合体の残りの反応基と前記(b)の生理活性ポリペプチド結合体の免疫グロブリンFc領域またはその一部の残りの反応基を共有結合で連結させる段階を含んでもよい。
ここで、前記(a)の非ペプチド性重合体が、アルデヒド基、マレイミド(maleimide)基及びスクシンイミド誘導体(succinimide derivative)からなる群から選択された、残りの反応基を有してもよい。
また、前記(b)の免疫グロブリンFc領域またはその一部の残りの反応基が、免疫グロブリンFc領域またはその一部のアミノ末端、リジン(lysine)残基の側鎖、またはアルギニン(arginine)残基の側鎖のいずれか1つに位置するしたものであってもよい。
また、前記(a)の生理活性ポリペプチドは(b)の生理活性ポリペプチドと互いに同一の種類であるか、互いに異なる種類であってもよく、より具体的には、互いに異なる種類である。
また、前記(a)の生理活性ポリペプチドと前記(b)の生理活性ポリペプチドはシングル単位(single unit)であってもよいが、これに制限されない。
本発明を具現するための別の態様は、前記タンパク質結合体を含む組成物を提供する。
前記タンパク質結合体については、先に説明した通りである。
また、前記組成物は、生理活性ポリペプチドの生体内持続性及び安定性の増加のための組成物であってもよい。
また、前記組成物は、薬学的組成物であってもよい。前記薬学的組成物の目的は、含まれる生理活性ポリペプチドの種類に応じて異なってもよいが、糖尿病または肥満のような疾患などが該当してもよく、これらの疾患に対する予防または治療用薬学的組成物として用いられてもよい。
本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含んでもよい。このような薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤は、非自然的に発生する(non-naturally ℃curring)ものであってもよいが、これに限定されない。
本発明で用語、「薬学的に許容」とは、治療効果を示すことができる程度の十分な量と副作用を起こさないことを意味し、疾患の種類、患者の年齢、体重、健康、性別、患者の薬物に対する敏感度、投与経路、投与方法、投与回数、治療期間、配合または同時に使用される薬物などの医学分野でよく知られている要素に応じて、当業者によって容易に決定されてもよい。
前記担体は、特にこれに限定されないが、経口投与の際には、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料などを用いてもよく、注射剤の場合は、緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張化剤、安定化剤などを混合して用いてもよく、局所投与用の場合には、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などを用いてもよい。
一方、製剤化に適した担体、賦形剤及び希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシア、アルギン酸、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウムまたは鉱物油などが用いられてもよい。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、防腐剤などをさらに含んでもよい。
また、本発明の薬学的組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれか1つの剤形を有してもよい。
本発明の組成物の剤形は、前述したような薬学的に許容される担体と混合して、様々な形態で製造されてもよい。例えば、経口投与の際には、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、サスペンション、シロップ、ウェーハなどの形態で製造してもよく、注射剤の場合には、単位投薬アンプルまたは多数回投薬形態で製造してもよい。その他、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、徐放性製剤などで剤形化してもよい。
また、前記組成物は、薬学的分野で通常の方法によって患者の身体内投与に適した単位投与型の製剤、より具体的な実施形態では、ペプチド医薬品の投与に有用な製剤形態で剤形化して、当業界で通常に使用する投与方法を用いて、経口、または皮膚、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、髓膜腔内、心室内、肺、経皮、皮下、腹内、鼻腔内、消化管内、局所、舌下、膣内または直腸経路を含む非経口投与経路によって投与されてもよいが、これに限定されるものではない。
また、前記組成物は、生理食塩水または有機溶媒のような薬剤で許可された複数の担体(carrier)と混合して使用されてもよく、安定性や吸収性を増加させるためにグルコース、スクロースまたはデキストランのような炭水化物、アスコルビン酸(ascorbic acid)またはグルタチオンのような抗酸化剤(antioxidants)、キレート剤(chelating agents)、低分子タンパク質または他の安定化剤(stabilizer)が薬剤として使用されてもよい。
本発明の薬学的組成物の投与量と回数は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重及び疾患の重症度などのいくつかの関連因子と一緒に、活性成分であるタンパク質結合体の種類に応じて決定される。
本発明の組成物の総有効量は、単一投与量(single dose)で患者に投与されてもよく、多重投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment prot℃ol)によって投与されてもよい。本発明の薬学的組成物は、疾患の程度に応じて、有効成分の含量を異にすることができる。具体的に、本発明の薬学的組成物の望ましい全容量は1日当たりの患者の体重1kg当たり、約0.0001μg〜500mgであってもよい。しかし、前記組成物の容量は、薬学的組成物の投与経路及び治療回数だけでなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食物及び排泄率などのさまざまな要因を考慮して、患者に対する有効投与量が決定されるため、このような点を考慮すると、当分野の通常の知識を有する者であれば、前記本発明の組成物の特定の用途に応じた適切な有効投与量を決定してもよい。本発明に係る薬学的組成物は、本発明の効果を示す限り、その剤形、投与経路及び投与方法に特に制限されない。
本発明を具現するための別の態様は、前記タンパク質結合体またはこれを含む組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む、目的とする疾患の治療方法に関する。
前記タンパク質結合体またはそれを含む組成物については、先に説明した通りである。
前記タンパク質結合体に適用された生理活性ポリペプチドの種類に応じて、目的とする疾患は当業者が適切に選択しうる。
(実施例)
以下、下記実施例により本発明をより詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのもので、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
実施例1.インスリンアナログ及びイミダゾアセチル(Imidazo-acetyl)エキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体(heterodimer)結合体の製造
3.4K PropionALD(2)PEG(プロピオンアルデヒド基を2つ有するPEG、3kDa、NOF、日本)を天然型インスリンに比べて半減期が増加されたインスリンアナログ(特許文献2に開示される)のN末端にPEG化させるために、前記インスリンアナログと3.4K PropionALD(2)PEGとのモル比を1:4、タンパク質の濃度を5mg/mlにして、4〜8℃で約2時間反応させた。この際、反応は50mMクエン酸ナトリウム(sodium citrate)緩衝液(pH5.0)とイソプロパノールとの混合溶媒に還元剤である3mMシアノ水素化ホウ素ナトリウム[sodium cyanoborohydride(NaCNBH3)]が添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)、エタノールが含まれた緩衝液0.25M塩化カリウム(potassium chloride)の濃度勾配を利用して、SPセファロース高性能(GE、米国)に適用してモノPEG化された(Monopegylated)インスリンアナログを精製した。
次に、前記精製されたモノPEG化されたインスリンアナログと持続型イミダゾアセチルエキセンジン4(「CA‐エキセンジン4」とも命名)結合体(特許文献3に開示される)を互いに反応させた。前記持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体は、1単位のイミダゾアセチルエキセンジン4が1単位の免疫グロブリンFcにPEGを介して結合された形態である、単量体結合体に相当する。
具体的に、前記モノPEG化されたインスリンアナログと持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体とのモル比を1:0.2、タンパク質の濃度を5〜10mg/mlにして、約25℃で約16時間反応させた。反応液は、100mMヘぺス(HEPES)緩衝液(pH8.2)と塩化ナトリウム(sodium chloride)に還元剤である20mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMトリス(Tris)(pH7.0)と0.5M塩化ナトリウムの濃度勾配を用いてPolyWAX LP(PolyLC、米国)に適用し、20mMビストリス(bis‐Tris)(pH6.0)と0.25M塩化ナトリウムの濃度勾配を用いてSource15Q(GE、米国)に適用して、1単位の免疫グロブリンFcにインスリンアナログとCA‐エキセンジン4がそれぞれPEGを介して共有結合で連結された結合体を精製した。
実施例2.2単位のインスリンアナログと免疫グロブリンFcを含む同種二量体(homodimer)結合体の製造
3.4K PropionALD(2)PEG(プロピオンアルデヒド基を2つ有するPEG、3kDa、NOF、日本)を天然型インスリンに比べて半減期が増加されたインスリンアナログ(特許文献2に開示される)のN末端にPEG化させるために、インスリンアナログと3.4K PropionALD(2)PEGとのモル比を1:4、タンパク質の濃度を5mg/mlにして、4〜8℃で約2時間反応させた。この際、反応は50mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)とイソプロパノールとの混合溶媒に還元剤である3mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)、45%エタノールを含む緩衝液と0.25M塩化カリウムの濃度勾配を用いて、SPセファロース高性能(GE、米国)に適用して、モノPEG化されたインスリンアナログを精製した。
次に、前記精製されたモノPEG化されたインスリンアナログと単量体結合体の形態の持続型インスリン結合体(特許文献2に開示される)を互いに反応させた。前記持続型インスリン結合体は、1単位のインスリンアナログが1単位の免疫グロブリンFcにPEGを介して結合された形態である単量体結合体に該当する。該当単量体結合体のインスリンアナログは、前記モノPEG化されたインスリンアナログと同一の種類である。
具体的に、前記精製されたモノPEG化されたインスリンアナログと単量体結合体の形態の持続型インスリン結合体とのモル比が1:0.2、タンパク質の濃度を15mg/mlにして、前記モノPEG化されたインスリンアナログと単量体結合体の形態の持続型インスリン結合体を約25℃で約16時間反応させた。反応液は、100mMヘぺス緩衝液(pH8.2)と塩化ナトリウムに還元剤である20mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムとが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、セファデックス G25(GE、米国)に適用して20mMビストリス(Bis‐Tris)(pH6.0)で緩衝液交換した。その後、反応液は20mMビストリス(pH6.0)と0.25M塩化ナトリウム濃度勾配を用いてSource15Q(GE、米国)に適用し、1.3M硫酸アンモニウム(ammonium sulfate)と20mMトリス(pH7.5)の濃度勾配を用いて、Source ISO(GE、米国)に適用して、1単位の免疫グロブリンFcにインスリンアナログ2単位がそれぞれPEGを介して共有結合で連結された結合体を精製した。
実施例3.2単位のイミダゾアセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む同種二量体の結合体の製造
3.4K PropionALD(2)PEG(プロピオンアルデヒド基を2つ有するPEG、3.4kDa、NOF、日本)をイミダゾアセチルエキセンジン4(Bachem、米国)(特許文献3に開示される)のリジン位置にPEG化させるために、イミダゾアセチルエキセンジン4と3.4K PropionALD(2)PEGとのモル比を1:15、タンパク質の濃度を6mg/mlにして、4〜8℃で約13.5時間反応させた。この際、反応は100mMヘぺス緩衝液(pH7.5)とイソプロパノールとの混合溶媒に還元剤である20mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)、イソプロパノールが含まれた緩衝液と0.25M塩化カリウムの濃度勾配を用いてSource15S(GE、米国)に適用して、モノPEG化されたイミダゾアセチルエキセンジン4を精製した。
次に、前記精製されたモノPEG化されたイミダゾアセチルエキセンジン4と単量体結合体の形態の持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体(特許文献3に開示される)とのモル比を1:5、タンパク質の濃度を20mg/mlにして、4〜8℃で約20時間反応させた。反応液は、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、塩化ナトリウムと5mMトリス(pH7.0)の濃度勾配を用いて、Source Phenyl(GE、米国)に適用して未反応液を除去し、20mMトリス(pH7.5)と塩化ナトリウムの濃度勾配を用いてSource15Q(GE、米国)に適用し、硫酸アンモニウムと20mMトリス(pH7.5)の濃度勾配を用いてSource ISO(GE、米国)に適用して、1単位の免疫グロブリンFcにイミダゾアセチルエキセンジン4の2単位がそれぞれPEGを介して共有結合で連結された同種二量体の結合体を精製した。
実施例4.インスリンアナログ及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の製造
マレイミド‐10K PEG-PropionALD(マレイミド基とプロピオンアルデヒド基をそれぞれ1つずつ有するPEG、10kDa、NOF、日本)をグルカゴンアナログのシステイン(cysteine)残基にPEG化させるために、グルカゴンアナログとマレイミド‐10K PEG-PropionALDとのモル比を1:1.3、タンパク質の濃度を3mg/mlにして、4〜8℃で約1時間反応させた。ここで、前記グルカゴンアナログは、天然型グルカゴン配列が変異されたもので、システイン残基を含むグルカゴンアナログである。この際、反応は50mMトリス緩衝液(pH7.5)とイソプロパノールとの混合溶媒環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)、エタノールが含まれた緩衝液と0.25M塩化カリウムの濃度勾配を用いて、SPセファロース高性能(GE、米国)に適用して、モノPEG化されたグルカゴンアナログを精製した。
次に、前記精製されたモノPEG化されたグルカゴンアナログと単量体結合体の形態の持続型インスリンアナログ結合体(特許文献2に開示される)とのモル比を1:7.5、タンパク質の濃度を25mg/mlにして、約4℃で約16時間反応させた。反応液は、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)とイソプロパノールとの混合溶媒に還元剤である20mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMビストリス(Bis‐Tris)(pH6.5)と0.25M塩化ナトリウムの濃度勾配を用いて、Source15Q(GE、米国)に適用して、硫酸アンモニウムと20mMクエン酸ナトリウム(pH5.2)の濃度勾配を用いてSource ISO(GE、米国)に適用して、1単位の免疫グロブリンFcにインスリンアナログとグルカゴンアナログがそれぞれPEGを介して共有結合で連結された異種二量体の結合体を精製した。
実施例5.イミダゾアセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の製造
マレイミド‐10K PEG-PropionALD(マレイミド基とプロピオンアルデヒド基をそれぞれ1つずつ有するPEG、10kDa、NOF、日本)をグルカゴンアナログのシステイン残基にPEG化させるために、実施例4と同様に、PEG化反応条件及び精製条件に従ってモノPEG化されたグルカゴンアナログを精製した。ここで、前記グルカゴンアナログは、天然型グルカゴン配列が変異されたもので、システイン残基を含むグルカゴンアナログである。
次に、前記精製されたモノPEG化されたグルカゴンアナログと単量体結合体の形態の持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体(特許文献3に開示される)を実施例4と同様に、結合体の反応条件及び精製条件に従って1単位の免疫グロブリンFcにイミダゾアセチルエキセンジン4とグルカゴンアナログがそれぞれPEGを介して共有結合で連結された異種二量体の結合体を精製した。
実施例6.イミダゾアセチルエキセンジン4及び繊維芽細胞成長因子21(FGF21)と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の製造
3.4K PropionALD(2)PEG(プロピオンアルデヒド基を2つ有するPEG、3.4kDa、NOF、日本)を繊維芽細胞成長因子21のN末端にPEG化させるために、繊維芽細胞成長因子21と3.4K PropionALD(2)PEGとのモル比を1:3、タンパク質の濃度を5mg/mlにして、4〜8℃で約2時間反応させた。ここで、前記繊維芽細胞成長因子21は、FGF21 cDNA(OriGene、RC204538)に基づいて製作されたFGF21発現ベクターを大腸菌に形質転換し、大腸菌の周辺細胞質でFGF21を発現させた後、これを抽出及び精製して収得したものである。この際、反応は100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMトリス(Tris)(pH7.0)と0.25M NaClの濃度勾配を用いてSource15Q(GE、米国)に適用して、モノPEG化された繊維芽細胞成長因子21を精製した。
次に、前記精製されたモノPEG化された繊維芽細胞成長因子21と単量体結合体の形態の持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体(特許文献3に開示される)とのモル比を1:3、タンパク質の濃度30mg/mlにして、約4〜8℃で約16時間反応させた。反応液は、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である20mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液は、20mMビストリス(pH6.0)と0.25M塩化ナトリウムの濃度勾配を用いてSource15Q(GE、米国)に適用し、硫酸アンモニウムと20mMトリス(pH7.5)の濃度勾配を用いてSource ISO(GE、米国)に適用して、1単位の免疫グロブリンFcにイミダゾアセチルエキセンジン4及び繊維芽細胞成長因子21がそれぞれPEGを介して共有結合で連結された異種二量体の結合体を精製した。
実施例7.インスリンアナログ及びイミダゾアセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の分析
前記実施例1に基づいて製造された異種二量体の結合体の純度を確認するために、RP‐HPLCは、IE‐HPLC、SE‐HPLCを用いて分析した。表2でRP‐HPLC(%)は、IE‐HPLC(%)とSE‐HPLC(%)は、領域%(Area%)として、異種二量体の結合体の純度を示す。

表2
前記結果からわかるように、RP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果はすべて95%以上の純度を確認した。
異種二量体(heterodimer)結合体は、単量体結合体である持続型インスリンアナログ結合体及び持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体と一緒に分析して比較した。これに対するそれぞれのRP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果は図1、SDS‐PAGEの結果は図2に示した。抗免疫グロブリンFc、抗エキセンジン4、抗インスリンに対するウエスタンブロットの結果は、それぞれ図3、図4、図5に示した。
実施例8.2単位のインスリンアナログと免疫グロブリンFcとを含む同種二量体の結合体の分析
前記実施例2に基づいて製造された持続型インスリンアナログ結合体の同種二量体の純度を確認するために、IE‐HPLC、SE‐HPLCを用いて分析した。表3で、IE‐HPLC(%)とSE‐HPLC(%)は、領域%として、持続型インスリンアナログ結合体の同種二量体の純度を示す。
表3
前記の結果からわかるように、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果はすべて95%以上の純度を確認した。
持続型インスリンアナログ結合体の同種二量体は、持続型インスリンアナログ結合体の単量体(monomer)と一緒に分析して比較した。これに対するそれぞれのIE‐HPLC、SE‐HPLCの結果は図6、SDS‐PAGEの結果は図7に示した。
実施例9.2単位のイミダゾアセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む同種二量体の結合体の分析
前記実施例3に従って製造された持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体の同種二量体の純度を確認するために、SE‐HPLC、RP‐HPLCを用いて分析した。表4でSE‐HPLC(%)とRP‐HPLC(%)は、領域%として、持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体の同種二量体の純度を示す。
表4
前記の結果からわかるように、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果はすべて80%以上の純度を確認した。
持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体の同種二量体(homodimer)は、持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体の単量体(monomer)と一緒に分析して比較した。これに対するそれぞれのSE‐HPLC、RPE‐HPLCの結果は図8、SDS‐PAGEの結果は、図9に示した。
実施例10.インスリンアナログ及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の分析
前記実施例4に従って製造された異種二量体の結合体の純度を確認するために、RP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCを用いて分析した。表5でRP‐HPLC(%)、IE‐HPLC(%)とSE‐HPLC(%)は、領域%として、異種二量体の結合体の純度を示す。
表5
前記の結果からわかるように、RP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果はすべて95%以上の純度を確認した。
異種二量体(heterodimer)結合体は、持続型インスリンアナログ結合体及び持続型グルカゴンアナログ結合体と一緒に分析して比較した。これに対するそれぞれのRP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果は図10、SDS‐PAGEの結果は図11に示した。
実施例11.イミダゾアセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の分析
前記実施例5に従って製造された異種二量体の結合体の純度を確認するために、RP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCを用いて分析した。表6でRP‐HPLC(%)、IE‐HPLC(%)とSE‐HPLC(%)は、領域%として、異種二量体の結合体の純度を示す。
表6
前記の結果からわかるように、RP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果はすべて90%以上の純度を確認した。
異種二量体の結合体は、持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体及び持続型グルカゴンアナログ結合体と一緒に分析して比較した。これに対するそれぞれのRP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果は図12、SDS‐PAGEの結果は図13に示した。
実施例12.イミダゾアセチルエキセンジン4及び繊維芽細胞成長因子21(FGF21)と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の分析
前記実施例6に従って製造された異種二量体の結合体の純度を確認するために、RP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCを用いて分析した。表7でRP‐HPLC(%)、IE‐HPLC(%)とSE‐HPLC(%)は、領域%として、異種二量体の結合体の純度を示す。
表7
前記の結果からわかるように、RP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果はすべて95%以上の純度を確認した。
異種二量体の結合体は、持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体及び持続型繊維芽細胞成長因子21の結合体と一緒に分析して比較した。これに対するそれぞれのRP‐HPLC、IE‐HPLC、SE‐HPLCの結果は図14、SDS‐PAGEの結果は図15に示した。
実施例13.インスリンアナログ及びイミダゾアセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の力価(試験管内)分析
前記実施例1で製造されたインスリンアナログ及びエキセンジン4を含む異種二量体、前記実施例2で製造されたインスリンアナログの同種二量体、及び前記実施例3で製造されたイミダゾアセチルエキセンジン4の同種二量体の力価の確認のために製造されたそれぞれの細胞株を用いて、試験管内での細胞活性を測定する方法を用いた。
前記各細胞株は、CHO(chinese hamster ovary)にヒトGLP‐1受容体とヒトインスリン受容体β遺伝子をそれぞれ発現するように形質転換されたものであり、GLP‐1とインスリンの活性を測定するのに適している。したがって、各同種二量体の活性をそれぞれの形質転換細胞株を用いて測定した。
インスリンアナログ側の力価を確認及び単量体の持続型インスリンアナログ結合体との比較のために、ヒトインスリンを344.4nMから3倍ずつ0.2nMまで連続的に希釈して、単量体の持続型インスリンアナログ結合体、インスリンアナログ及びイミダゾアセチルエキセンジン4を含む異種二量体、インスリンアナログの同種二量体及び免疫グロブリンFcを20037.1nMから3倍ずつ9.2nMまで連続的に希釈した。前記培養されたヒトインスリン受容体βが発現されたCHO細胞をKRB緩衝液で洗浄し、連続的に希釈された各物質を100μlずつ前記細胞に添加した後、10分間37℃の温度条件でCO2培養器で培養した。その後、細胞溶解緩衝液(cell lysis buffer)を25μlずつ加えて細胞を溶解させ、前記細胞溶解物をホスホ‐インスリン受容体βサンドイッチELISAキット(Phospho-Insulin Receptor β Sandwich ELISA kit、Cell signaling、USA)に適用してリン酸化されたインスリン受容体βを測定し、そこからEC50値を算出した後、相互比較した。EC50値及びヒトインスリンに対する相対力価は下記表8に示した。
イミダゾアセチルエキセンジン4側の力価の確認及び単量体の持続型イミダゾアセチルエキセンジン4結合体との比較のために、イミダゾアセチルエキセンジン4を50nMから4倍ずつ0.000048nMまで連続的に希釈して、インスリンアナログ及びイミダゾアセチルエキセンジン4を含む異種二量体、イミダゾアセチルエキセンジン4の同種二量体及び免疫グロブリンFcを400nMから4倍ずつ0.00038nMまで連続的に希釈した。前記培養されたヒトGLP‐1受容体が発現されたCHO細胞で培養液を除去して、連続的に希釈された各物質を5μlずつ前記細胞に添加した後、15分間常温で培養した。次に、細胞溶解緩衝液が含まれた検出混合物(detection mix)を10μlずつ加えて細胞を溶解させ、90分間常温で反応させた。前記反応が完了した細胞溶解物をLANCE cAMPキット(PerkinElmer、USA)に適用して蓄積されたcAMPの量を測定し、そこからEC50値を算出した後、相互比較した。EC50値及びイミダゾアセチルエキセンジン4に対する相対力価は下記表8に示す。
実験の結果、2種類以上の生理活性ポリペプチド物質が免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体で連結された結合体の場合、それぞれ1種類の生理活性ポリペプチド物質を免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体で連結された結合体と同様の生理活性を有することを確認した。
表8
新規なインスリンアナログ及びイミダゾアセチルエキセンジン4(CA‐エキセンジン4)誘導体のGLP‐1受容体とインスリン受容体での試験管内活性の比較
1)各単量体対比統計的に有意な差はない。(p≧0.05、one-way ANOVA)
2)各単量体対比統計的に有意な差があり。(p<0.05、 one-way ANOVA )
実施例14.インスリンアナログ及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の力価(試験管内)分析
前記実施例4で製造されたインスリンアナログ及びグルカゴンアナログを含む異種二量体の力価を確認するために、試験管内で細胞活性を測定する方法を用いた。
まず、インスリンの力価を分析するために、脂肪細胞に分化させたマウス由来の3T3−L1細胞株を用いたグルコース吸収能(glucose uptake、または脂質合生能)試験を実施した。3T3−L1細胞株(ATCC、CL-173)を10%NBCS(新生仔牛血清)を含むDMEM(Dulbeco's Modified Eagle's Medium、Gibco、Cat.No、12430)培地を用いて、週2〜3回継代培養し維持した。3T3−L1細胞株を分化用培地(10%FBSを含むDMEM)に懸濁した後、48ウェルプレートにウェル当たり5X104細胞になるように接種した後、37℃で48時間培養した。脂肪細胞への分化のために、分化用培地に1μg/mlのヒトインスリン(Sigma, Cat. No. I9278)、0.5 mM IBMX(3-isobutyl-1-methylxanthine, Sigma, Cat. No.I5879)、1μMデキサメタゾン(Dexamethasone, Sigma, Cat. No. D4902)を混合して、既存の培地を除去した後、ウェル当たり250μlずつ添加した。48時間後、分化用培地に1μg/mlのヒトインスリンのみを添加した培地に再び交換した。その後、48時間ごとに1μg/mlのヒトインスリンを添加した分化用培地に交換しながら、10〜14日間、脂肪細胞への分化が誘導されることを確認した。
グルコース吸収能の試験のために、脂肪細胞の分化が終結された細胞を無血清DMEM培地で1回水洗した後、250μlずつ入れ、4時間血清の枯渇を誘導した。ヒトインスリン、ヒトグルカゴン、持続型インスリンアナログ単量体、持続型グルカゴンアナログ単量体、インスリン/グルカゴンアナログ異種二量体及び免疫グロブリンFcを10,000nMから0.01nMまで無血清DMEM培地で10倍ずつ順次希釈して用意した。用意された試料を細胞にそれぞれ250μlずつ添加した後、24時間、37℃、5%CO2培養器で培養した。培養が終わった培地のグルコース残量を測定するために、200μlの培地を取って、D‐PBSでそれぞれ5倍希釈した後、GOPOD分析(GOPOD Assay Kit, Megazyme, Cat. No. K-GLUC)を行った。グルコース標準溶液の吸光度を基準に培地の残りのグルコース濃度を換算し、各試料のグルコース吸収能に対するEC50を算出して下記表9に示した。
次に、グルカゴンの力価を分析する前記に記載のCHO(CHinese hamster ovary)細胞にヒトグルカゴン受容体を発現するように形質転換された細胞株を用いて、試験管内での細胞cAMP活性を測定する方法を用いた。
インスリンアナログ及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の力価を確認及び持続型グルカゴンアナログ結合体との比較のために、ヒトグルカゴンを50nMから4倍ずつ0.000048nMまで連続的に希釈して、持続型グルカゴンアナログ単量体結合体及び持続型インスリンアナログ単量体結合体、そして前記インスリンアナログ及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体、最後に免疫グロブリンFcを400nMから4倍ずつ0.00038nMまで連続的に希釈した。前記培養されたヒトグルカゴン受容体が発現されたCHO細胞で培養液を除去し、連続的に希釈された各物質を5μlずつ前記細胞に添加した後、cAMP抗体が含まれた緩衝液を5μlずつ追加した後、15分間常温で培養した。次に、細胞溶解緩衝液が含まれた検出混合物を10μlずつ加えて細胞を溶解させ、90分間常温で反応させた。前記反応が完了した細胞溶解物をLANCE cAMPキット(PerkinElmer、USA)に適用して、蓄積されたcAMPを介してEC50値を算出した後、相互比較した。EC50値とヒトグルカゴンに対する相対力価は下記表9に示した。
表9に示すように、本発明に係るインスリンアナログ及びグルカゴンアナログを含む異種二量体は、10.1%のインスリン活性と10.7%のグルカゴン活性を示し、これは持続型インスリンアナログ単量体及び持続型グルカゴンアナログ単量体のそれぞれと同様の数値と確認された。
前記結果から、2種類以上の生理活性ポリペプチド物質が免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体で連結された結合体の場合、それぞれ1種類の生理活性ポリペプチド物質を免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体で連結した結合体と同様の生理活性を有することが確認できた。
表9
インスリンアナログ及びグルカゴンアナログの誘導体の試験管内活性の比較
ND:Not determined、最大値の評価された濃度まで容量の反応曲線が飽和されなかった
実施例15.イミダゾアセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の結合体の力価(試験管内)分析
前記実施例5で製造されたイミダゾアセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログを含む異種二量体の力価確認のために製造されたそれぞれの細胞株を用いて、試験管内でのcAMP活性を測定する方法を用いた。
前記各細胞株は、CHO細胞にヒトグルカゴン受容体とヒトグルカゴン様ペプチド‐1(GLP‐1)受容体の遺伝子をそれぞれ発現するように形質転換されたものであり、グルカゴンアナログとイミダゾアセチルエキセンジン4の活性を測定するのに適している。したがって、各異種二量体の活性をそれぞれの形質転換細胞株を用いて測定した。
イミダゾアセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログと免疫グロブリンFcとを含む異種二量体の力価の確認及び持続型イミダゾアセチルエキセンジン4の単量体結合体と持続型グルカゴンアナログ単量体結合体との比較のために、ヒトグルカゴン及びグルカゴン様ペプチド‐1(GLP‐1)を50nMから4倍ずつ0.000048nMまで連続的に希釈して、持続型グルカゴンアナログ単量体結合体と持続型イミダゾアセチルエキセンジン4の単量体結合体、グルカゴンアナログ及びイミダゾアセチルエキセンジン4と免疫グロブリンFcとを含む異種二量体、最後に免疫グロブリンFcを400nMから4倍ずつ0.00038nMまで連続的に希釈した。前記培養されたヒトグルカゴンとグルカゴン様ペプチド‐1受容体が発現されたCHO細胞で培養液を除去し、連続的に希釈された各物質を5μlずつ前記細胞に添加した後、cAMP抗体が含まれた緩衝液を5μlずつ追加した後、15分間常温で培養した。次に、細胞溶解緩衝液が含まれた検出混合物を10μlずつ加えて細胞を溶解させ、90分間常温で反応させた。前記反応が完了した細胞溶解物をLANCE cAMPキット(PerkinElmer、USA)に適用して蓄積されたcAMPを介してEC50値を算出した後、相互比較した。EC50値及びヒトグルカゴン及びヒトGLP‐1に対する相対力価は下記表10に示した。
表10に示すように、本発明に係るイミダゾアセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログを含む異種二量体は、4.6%のグルカゴン様ペプチド‐1活性と5.1%のグルカゴン活性を示し、これは持続型イミダゾアセチルエキセンジン4単量体及び持続型グルカゴンアナログ単量体のそれぞれと同様の数値と確認された。
前記結果から、2種類以上の生理活性ポリペプチド物質が免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体で連結された結合体の場合、それぞれ1種類の生理活性ポリペプチド物質を免疫グロブリンFcに非ペプチド性重合体で連結した結合体と同様の生理活性を有することが確認できた。
表10
イミダゾアセチルエキセンジン4及びグルカゴンアナログ誘導体の試験管内活性の比較
ND:Not determined、最大値の評価された濃度まで容量の反応曲線が飽和されなかった
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解するべきである。本発明の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

Claims (28)

  1. 2つ以上の生理活性ポリペプチドを含むタンパク質結合体であって、前記タンパク質結合体は、
    (i)1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部;
    (ii)前記Fc領域またはその一部に共有結合で連結された非ペプチド性重合体;及び
    (iii)前記非ペプチド性重合体に共有結合で連結された生理活性ポリペプチドを含み、
    前記Fc領域またはその一部が2つのポリペプチド鎖の二量体であり、この2つのポリペプチド鎖のそれぞれには1つ以上の前記非ペプチド性重合体が連結されている、タンパク質結合体。
  2. 免疫グロブリンFc領域が、非糖鎖化されることを特徴とする、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  3. 免疫グロブリンFc領域が、CH1、CH2、CH3及びCH4ドメインからなるグループから選択された1つ〜4つのドメインからなる、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  4. 免疫グロブリンFc領域が、ヒンジ(hinge)領域をさらに含む、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  5. 免疫グロブリンFc領域が、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM、これらの組み合わせ(combination)及びこれらのハイブリッド(hybrid)のFc領域からなる群から選択される、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  6. 免疫グロブリンFc領域が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、これらの組み合わせ及びこれらのハイブリッドのFc領域からなる群から選択される、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  7. 免疫グロブリンFc領域が、IgG4 Fc領域である、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  8. 免疫グロブリンFc領域が、ヒト非糖鎖化IgG4 Fc領域である、請求項7に記載のタンパク質結合体。
  9. 前記共有結合が、アルデヒド基、マレイミド(maleimide)基及びスクシンイミド誘導体(succinimide derivative)からなる群から選択された非ペプチド性重合体の末端反応基を、Fc領域またはその一部または生理活性ポリペプチド内のアミノ基と反応させて形成したものである、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  10. 前記スクシンイミド誘導体が、スクシンイミジルプロピオネート、スクシンイミジルカルボキシメチル、ヒドロキシスクシンイミジルまたはスクシンイミジルカーボネートある、請求項9に記載のタンパク質結合体。
  11. 前記非ペプチド性重合体の両末端反応基が、アルデヒド基である、請求項9に記載のタンパク質結合体。
  12. 非ペプチド性重合体が、一方の末端で免疫グロブリンFcのアミノ末端、リジン(lysine)残基の側鎖、またはアルギニン(arginine)残基の側鎖のいずれか1つを介して結合し、他方の末端で生理活性ポリペプチドのアミノ末端、リジン残基の側鎖、アルギニン残基の側鎖、ヒスチジン(histidine)残基の側鎖またはシステイン(cysteine)残基の側鎖のいずれか1つを介して結合している、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  13. 非ペプチド性重合体が、ポリエチレングリコール単独重合体、ポリプロピレングリコール単独重合体、エチレングリコール‐プロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリサカライド、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性高分子、脂質重合体、脂肪酸、キチン、ヒアルロン酸及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1種以上である、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  14. 非ペプチド性重合体が、ポリエチレングリコール単独重合体である、請求項13に記載のタンパク質結合体。
  15. 生理活性ポリペプチドが、ホルモン、サイトカイン、酵素、抗体、成長因子、転写調節因子、血液因子、ワクチン、構造タンパク質、リガンドタンパク質及び受容体からなる群から選択される、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  16. 前記生理活性ポリペプチドが、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド類、オキシントモジュリン(oxyntomodulin)、エキセンジン3(exendin‐3)、エキセンジン4(exendin‐4)、繊維芽細胞成長因子21(FGF21)、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ペプチド、インターフェロン類、インターフェロン受容体類、コロニー刺激因子類、Gタンパク質関連受容体(G-Protein-coupled receptor)、インターロイキン類、インターロイキン受容体類、酵素類、インターロイキン結合タンパク質類、サイトカイン結合タンパク質類、マクロファージ活性因子、マクロファージペプチド、B細胞因子、T細胞因子、タンパク質A、アレルギー抑制因子、細胞壊死糖タンパク質、免疫毒素、リンホトキシン、腫瘍壊死因子、腫瘍抑制因子、転移成長因子、α-1アンチトリプシン、アルブミン、α-ラクトアルブミン、アポリポタンパク質E、赤血球生成因子、高糖鎖化赤血球生成因子、アンジオポエチン類、ヘモグロビン、トロンビン、トロンビン受容体活性ペプチド、トロンボモジュリン、血液因子VII、VIIa、VIII、IX及びXIII、プラスミノーゲン活性因子、フィブリン結合ペプチド、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヒルジン、タンパク質C、C反応性タンパク質、レニン抑制剤、コラゲナーゼ抑制剤、スーパーオキシドジスムターゼ、レプチン、血小板由来成長因子、上皮細胞成長因子、表皮細胞成長因子、アンジオスタチン、骨形成成長因子、骨形成促進タンパク質、カルシトニン、アトリオペプチン、軟骨誘導因子、エルカトニン、結合組織活性因子、組織因子経路阻害剤、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、神経成長因子類、副甲状腺ホルモン、リラキシン、セクレチン、ソマトメジン、インスリン様成長因子、副腎皮質ホルモン、グルカゴン、コルレシストキニン、膵臓ポリペプチド、ガストリン放出ペプチド、コルチコトロピン放出因子、甲状腺刺激ホルモン、オートタキシン、ラクトフェリン、ミオスタチン、受容体類、受容体アンタゴニスト、細胞表面抗原、ウイルス由来ワクチン抗原、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片類、赤血球増殖因子、白血球増殖因子、アミリン、ソマトスタチン、PYY(peptide YY)、NPY(neuropeptide Y)、アンジオテンシン、ブラジキニン、カルシトニン、副腎皮質刺激ホルモン(Corticotropin)、エレドイシン(Eledoisin)、ガストリン、レプチン、オキシトシン(Oxyt℃in)、バソプレシン(vasopressin)、黄体形成ホルモン、黄体刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、シクレチン(secretin)、セルモレリン(Sermorelin)、ヒト成長ホルモン(hGH)、成長ホルモン放出ペプチド、コロニー刺激因子(GCSF)類、インターフェロン(IFN)類、インターロイキン(Interleukin)類、プロラクチン放出ペプチド、オレキシン(Orexin)、甲状腺放出ペプチド、コレシストキニン(Cholecystokinin)、ガストリン抑制ペプチド、カルモジュリン、ガストリン遊離ペプチド(Gastric releasing peptide)、モチリン(Motilin)、血管作用性腸ペプチド(Vasoactive intestinal peptide)、心房ナトリウム利尿ペプチド(Atrial natriuretic peptide; ANP)、バリンナトリウム利尿ペプチド(Barin natriuretic peptide; BNP)、C型ナトリウム利尿ペプチド(C-type natriuretic peptide; CNP)、ニューロキニン(Neurokinin)A、ニューロメジン(Neuromedin)、レニン(Renin)、エンドセリン(Endothelin)、サラホトキシンペプチド(Sarafotoxin peptide)、カルソモルフィンペプチド(Carsomorphin Peptide)、デモルフィン(Dermorphin)、ダイノルフィン(Dynorphin)、エンドルフィン(Endorphin)、エンケパリン(Enkepalin)、T細胞因子、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子受容体、ウロキナーゼ受容体、腫瘍抑制因子、コラゲナーゼ抑制剤、チモポエチン(Thymopoietin)、チムリン(Thymulin)、チモペンチン(Thymopentin)、チモシン(Thymosin)、胸腺液性因子(Thymic humoral factor)、アドレノメデュリン(Adrenomedullin)、アラトスタチン(Allatostatin)、アミロイドβ-プロテイン断片(Amyloid beta‐protein fragment)、抗菌性ペプチド、抗酸化剤ペプチド、ボンベシン(Bombesin)、オステオカルシン(Oste℃alcin)、CARTペプチド、Eセレクチン(selectin)、ICAM−1、VCAM−1、ロイコカイン(Leukokine)、クリングル(Kringle)−5、ラミニン(Laminin)、インヒビン(Inhibin)、ガラニン(Galanin)、フィブロネクチン(Fibronectin)、パンクレアスタチン(Pancreastatin)、フューゼオン(Fuzeon)及びそれらのアナログからなる群から選ばれる、請求項15に記載のタンパク質結合体。
  17. 生理活性ポリペプチドが、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド類、オキシントモジュリン(oxyntomodulin)、エキセンジン3(exendin‐3)、エキセンジン4(exendin‐4)、繊維芽細胞成長因子21(FGF21)、ヒト成長ホルモン、インターフェロン‐アルファ、顆粒球コロニー刺激因子、赤血球生成因子、Fab’抗体断片及びそれぞれのアナログからなる群から選択される、
    請求項16に記載のタンパク質結合体。
  18. 前記Fc領域またはその一部の2つのポリペプチド鎖のそれぞれに非ペプチド性重合体を介して連結された生理活性ポリペプチドが、異なる種類である、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  19. 前記タンパク質結合体が、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して異なる種類の生理活性ポリペプチドの2単位がそれぞれ非ペプチド性重合体を介して連結された、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  20. 前記タンパク質結合体が、異なる種類の生理活性ポリペプチドがそれぞれ非ペプチド性重合体を介して1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に連結されて、
    前記異なる種類の生理活性ポリペプチドが、互いに異なる割合で存在する、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  21. 非ペプチド性重合体を介して免疫グロブリンFc領域またはその一部に共有結合で連結された生理活性ポリペプチドが、非ペプチド性重合体が連結された部位ではなく他の部位に追加の生理活性ポリペプチドがさらに連結されている、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  22. 前記タンパク質結合体が、1単位の免疫グロブリンFc領域またはその一部に対して異なる種類の生理活性ポリペプチドの3単位以上がそれぞれ非ペプチド性重合体を介して連結された、請求項1に記載のタンパク質結合体。
  23. 1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部に対して、同一の生理活性を示す3単位以上の生理活性ポリペプチドのそれぞれが非ペプチド性重合体を介して共有結合で連結された、生理活性ポリペプチドの同種多量体(homomultimer)結合体。
  24. (a)生理活性ポリペプチドが一方の末端に連結されて、他方の末端に残りの反応基を有する非ペプチド性重合体と、(b)1単位の免疫グロブリンFc領域または前記Fc領域のFcRn結合能を保有するFc領域の一部に1つ以上の生理活性ポリペプチドのそれぞれが非ペプチド性重合体を介して連結されており、免疫グロブリンFc領域またはその一部に残りの反応基を有する生理活性ポリペプチド結合体を提供する段階;及び
    前記(a)の生理活性ポリペプチドに連結された非ペプチド性重合体の残りの反応基と前記(b)の生理活性ポリペプチド結合体の免疫グロブリンFc領域またはその一部の残りの反応基を共有結合で連結させる段階を含む、
    請求項1〜22のいずれか一項に記載の生理活性ポリペプチドのタンパク質結合体を製造する方法。
  25. 前記(a)の非ペプチド性重合体が、アルデヒド基、マレイミド(maleimide)基及びスクシンイミド誘導体(succinimide derivative)からなる群から選択された、残りの反応基を有する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記(b)の免疫グロブリンFc領域またはその一部の残りの反応基が、免疫グロブリンFc領域またはその一部のアミノ末端、リジン(lysine)残基の側鎖、またはアルギニン(arginine)残基の側鎖のいずれか1つに位置する、請求項24に記載の方法。
  27. 前記(a)の生理活性ポリペプチドが、(b)の生理活性ポリペプチドと互いに同一の種類であるか、互いに異なる種類である、請求項24に記載の方法。
  28. 前記(a)の生理活性ポリペプチドと前記(b)の生理活性ポリペプチドが、シングル単位(single unit)である、 請求項24に記載の方法。
JP2018515857A 2015-09-25 2016-09-26 多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む、タンパク質結合体 Pending JP2018531237A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2015-0136656 2015-09-25
KR20150136656 2015-09-25
PCT/KR2016/010745 WO2017052321A1 (ko) 2015-09-25 2016-09-26 다수의 생리활성 폴리펩타이드 및 면역글로불린 Fc 영역을 포함하는, 단백질 결합체

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018531237A JP2018531237A (ja) 2018-10-25
JP2018531237A6 true JP2018531237A6 (ja) 2018-12-13

Family

ID=58386562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018515857A Pending JP2018531237A (ja) 2015-09-25 2016-09-26 多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む、タンパク質結合体

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20180271995A1 (ja)
EP (1) EP3354664A4 (ja)
JP (1) JP2018531237A (ja)
KR (1) KR20170037564A (ja)
CN (1) CN108473593A (ja)
AR (1) AR106144A1 (ja)
TW (1) TW201718629A (ja)
WO (1) WO2017052321A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201639878A (zh) * 2014-12-30 2016-11-16 韓美藥品股份有限公司 具有改善之安定性的升糖素衍生物
PT3322437T (pt) 2015-06-30 2024-03-20 Hanmi Pharmaceutical Co Ltd Derivado de glucagon e composição que compreende um conjugado de ação prolongada do mesmo
CN116063453A (zh) 2015-12-31 2023-05-05 韩美药品株式会社 胰高血糖素/glp-1/gip受体三重激动剂
MX2019000019A (es) 2016-06-29 2019-05-06 Hanmi Pharm Ind Co Ltd Derivado de glucagon, conjugado del mismo, composicion que comprende el mismo y uso terapeutico del mismo.
EP3532462B1 (en) * 2016-10-27 2021-10-13 Bristol-Myers Squibb Company Acyl sulfonamide nav1.7 inhibitors
CN110545849A (zh) * 2017-02-03 2019-12-06 韩美药品株式会社 具有增加的持续性的生理活性物质的缀合物及其应用
WO2019190293A1 (ko) * 2018-03-30 2019-10-03 한미약품 주식회사 뇌 표적 지속성 단백질 결합체, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 조성물
KR20190114911A (ko) * 2018-03-30 2019-10-10 한미약품 주식회사 뇌 표적 지속형 치료학적 효소 결합체
EP3862019A4 (en) * 2018-10-04 2022-08-17 Hanmi Pharm. Co., Ltd. THERAPEUTIC USES OF GLUCAGON AND THE COMBINED PRODUCT CONTAINING IT
KR102282240B1 (ko) * 2018-12-06 2021-07-28 경상국립대학교산학협력단 지속형 엑센딘-4 및 이의 용도
CN109536506B (zh) * 2018-12-10 2022-03-22 潍坊科技学院 一种调控日本沼虾生长发育的类胰岛素受体基因及其应用
EP3900734A4 (en) * 2018-12-21 2022-10-12 Hanmi Pharm. Co., Ltd. PHARMACEUTICAL COMPOSITION WITH INSULIN AND GLUCAGON
CN109678958B (zh) * 2019-01-31 2022-03-18 重庆探生科技有限公司 一种人NT-proBNP特异性重组羊单克隆抗体及其制备方法和应用
CA3131033A1 (en) * 2019-02-22 2020-08-27 Wuhan Yzy Biopharma Co., Ltd. Modified fc fragment, antibodies containing the same and use thereof
CN111944055B (zh) * 2019-05-16 2022-08-02 浙江道尔生物科技有限公司 一种治疗代谢疾病的融合蛋白
US11267858B2 (en) * 2019-05-31 2022-03-08 Spectrum Pharmaceuticals, Inc. Methods of treatment using G-CSF protein complex
CN110964117A (zh) * 2019-10-21 2020-04-07 哈尔滨医科大学 聚乙二醇修饰的人胸腺素β4二串体蛋白及其制备方法和应用
CN112007155B (zh) * 2020-09-03 2023-01-13 中科南京绿色制造产业创新研究院 一种光热免疫纳米纤维、其制备方法及用途

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5723125A (en) * 1995-12-28 1998-03-03 Tanox Biosystems, Inc. Hybrid with interferon-alpha and an immunoglobulin Fc linked through a non-immunogenic peptide
ES2438098T3 (es) * 2003-11-13 2014-01-15 Hanmi Science Co., Ltd. Composición farmacéutica que comprende un Fc de inmunoglobulina como vehículo
KR100754667B1 (ko) * 2005-04-08 2007-09-03 한미약품 주식회사 비펩타이드성 중합체로 개질된 면역글로불린 Fc 단편 및이를 포함하는 약제학적 조성물
JP2011503000A (ja) * 2007-11-02 2011-01-27 セントコア・オーソ・バイオテツク・インコーポレーテツド 半合成GLP−1ペプチド−Fc融合コンストラクト、その方法及び使用
BRPI0916326A2 (pt) * 2008-07-23 2020-08-25 Hanmi Holdings Co., Ltd. complexo polipeptídico compreendendo polímero não-peptidil com três extremidades funcionais
EP2432488A4 (en) * 2009-03-20 2014-01-08 Amgen Inc SELECTIVE AND POWERFUL KV1.3 PEPTIDE INHIBITORS
JP5751641B2 (ja) * 2009-05-06 2015-07-22 ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド メラノコルチン受容体結合コンジュゲート
WO2012136790A1 (en) * 2011-04-07 2012-10-11 Glaxo Group Limited Compositions comprising fusion proteins or conjugates with an improved half -life
US9458214B2 (en) * 2011-09-26 2016-10-04 Novartis Ag Dual function fibroblast growth factor 21 proteins
AR096891A1 (es) * 2013-07-12 2016-02-03 Hanmi Pharm Ind Co Ltd Conjugado de monómero polipéptido biológicamente activo y conjugado de fragmento fc de inmunoglobulina, que muestra aclaramiento mediado por receptor reducido, y el método para la preparación del mismo

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018531237A6 (ja) 多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む、タンパク質結合体
JP2018531237A (ja) 多数の生理活性ポリペプチド及び免疫グロブリンFc領域を含む、タンパク質結合体
JP7341263B2 (ja) オキシントモジュリン誘導体を含む糖尿病又は肥満性糖尿病の治療用組成物
JP5563572B2 (ja) 三末端官能基を有する非ペプチド性重合体を用いた生理活性ポリペプチド薬物結合体
TWI621626B (zh) 新穎胰島素類似物及其用途
KR102182701B1 (ko) 수용체-매개 제거가 감소된, 생리활성 폴리펩타이드 단량체-면역글로불린 Fc 단편 결합체 및 이의 제조방법
IL268702A (en) Use of a dual-acting GLP-1 / glucagon receptor dual agonist for the treatment of non-alcoholic fatty liver disease
JP7125249B2 (ja) タンパク質及びペプチドの免疫原性を減少させる方法
TWI617569B (zh) 製備生理活性多肽複合物之方法
KR102645064B1 (ko) 지속성이 증가된 생리활성 물질의 결합체 및 이의 용도
AU2013228144B2 (en) An improved process for preparation of physiologically active polypeptide complex