JP2018529425A - 骨間隙充填用複合材料 - Google Patents

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Abstract

少なくとも組換えゼラチンおよびヒドロキシアパタイトを含み、組換えゼラチンが、ゼラチン鎖に沿って均一に分布しているグルタミン酸およびアスパラギン酸の残基を含む、骨間隙充填に適した複合材料およびスキャフォールドであって、ここで:(i)組換えゼラチンは60アミノ酸の列あたり合計で少なくとも8%の量のグルタミン酸および/またはアスパラギン酸を最大1.6の標準偏差で含み;(ii)ヒドロキシアパタイトは組換えゼラチンの存在下での沈殿により得られる、前記複合材料およびスキャフォールド。【選択図】なし

Description

これらの結果につながる研究は、the People Programme (Marie Curie Action) of the European Union's Seventh Framework Programme FP7/2007-2013/からREA grant agreement n° 607051のもとに基金を受けた。
本発明は、骨間隙の充填材を含む、複合材料(composite)、スキャフォールド(足場)(scaffold)、および医療用途におけるそれらの使用に関する。多種多様な材料が骨置換材および骨代替材として用いられている。しかし、これまで用いられている材料は天然骨と同様に良好には機能しなかった。これらの骨代替材は著しく異なる機械的特性をもち、望ましいものより低い生体適合性を示す場合が多く、したがって新生骨形成のプロセスに対する高度の制御を発揮しないので、理想的ではなかった。
最近のアプローチのひとつがWO2007040574に記載されており、そこにはヒドロキシアパタイトナノクリスタル、天然ゼラチンおよび合成ポリマーを含む、架橋バイオミメティック(biomimetic)ナノ複合材料が提唱されている。天然ゼラチンおよび他の合成ポリマーが用いられているので、結合能を容易に制御することはできない。動物由来の成分、たとえばゼラチンの使用も好ましくない。
他のアプローチがUS8987204に記載されており、そこには骨生成を誘導するために特定の組換えゼラチンのみを投与することが記載されている。この文書は、バイオミメティックとして好ましいヒドロキシアパタイト、ならびにスキャフォールド形成および骨形成の目的のための再吸収性材料の併用については述べていない。
組換えゼラチンを用いるさらに他のアプローチがJP201302213に記載されており、そこにはリン酸カルシウムとの物理的混合物が記載されている。しかし、この文書はリン酸カルシウムと組換えゼラチンとの有益なバイオミメティック相互作用に関しては述べておらず、よってこの相互作用をどのようにして制御するかを教示していない。
WO2007040574 US8987204 JP201302213
本発明の第1側面によれば、少なくとも組換えゼラチンおよびヒドロキシアパタイトを含み、組換えゼラチンが、ゼラチン鎖に沿って均一に分布しているグルタミン酸およびアスパラギン酸の残基を含む、複合材料であって、ここで:
(i)組換えゼラチンは60アミノ酸の列あたり合計で少なくとも8%の量のグルタミン酸および/またはアスパラギン酸を最大1.6の標準偏差で含み;
(ii)ヒドロキシアパタイトは組換えゼラチンの存在下での沈殿により得られる、
前記複合材料が提供される。
本発明の複合材料は、たとえばそれらをバイオミメティック骨間隙充填用複合材料として用いることにより、骨形成の効率を改善し、かつ制御する。
好ましくは、標準偏差(SDED)は最大1.30、より好ましくは最大1.10である。
60アミノ酸の列あたりのグルタミン酸および/またはアスパラギン酸の量%は、組換えゼラチンをN末端から出発して残りを無視してそれぞれ60のアミノ酸を含むセグメントに分割し、グルタミン酸(E)および/または(好ましくは“および”)アスパラギン酸(D)残基の数を60で割り、得られた数値に100%を掛け、次いでその組換えゼラチン中の60の列すべてについての平均を計算することにより計算できる。たとえば、後記に示す配列番号1の第1列には3つのE(グルタミン酸残基)および3つのD(アスパラギン酸残基)があり、合計6つのEおよびD残基となり、60アミノ酸の列あたりのグルタミン酸およびアスパラギン酸の量の合計は((6/60)×100=10%になる(5%のE+5%のD)。この計算を配列番号1中の60の列すべてについて繰り返すと、後記の表1に示すように、60アミノ酸の列あたりGLU+ASP量9.8%の数値が得られる。
好ましくは、組換えゼラチンは、組換えゼラチンの60アミノ酸の列あたり合計で少なくとも8%のグルタミン酸およびアスパラギン酸、より好ましくは組換えゼラチンのN末端から出発して60アミノ酸の列すべてにおいて、60アミノ酸の列あたり合計で少なくとも8%のグルタミン酸およびアスパラギン酸を含む。
標準偏差(SDED)は下記に従って決定できる:ゼラチン鎖を、N末端から出発して残りを無視してそれぞれ60のアミノ酸を含むセグメントに分割する。これらのセグメントそれぞれについて、グルタミン酸(E)とアスパラギン酸(D)の総量(合わせてx)を決定し、下記に従って標準偏差を計算する:
本発明の第2側面によれば、本発明の第1側面による複合材料を含むスキャフォールドが提供される。
本発明の複合材料およびスキャフォールドは高度の生体適合性を提示し、一方で周囲の組織および構造体との迅速な統合を示す。そのスキャフォールドは、本発明の第1側面による複合材料を含み、ティッシュンジニアリング、たとえばインビトロ細胞培養またはインビボ移植に使用できる、いかなる物体であってもよい。一般に、スキャフォールドは造形された三次元物品である。一般に、スキャフォールドは細胞が付着する基盤として使用できる。
スキャフォールドは、本発明の第1側面による複合材料に加えて、場合によりさらに1以上のさらなる成分、たとえば1種類以上の充填材またはポリマー、たとえばキトサン、コラーゲン,ゼラチン、デンプン、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチドグリコリド)ランダムコポリマー(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチルオキシド(PEO)および/またはポリエチルグリコール(PEG)などを含有する。好ましい態様において、本発明の第2側面によるスキャフォールドは架橋スキャフォールド、たとえば脱水熱処理(dehydrothermal treatment)により、または架橋剤、たとえばヘキサメチレンジイソシアネートもしくは後記のいずれかの架橋剤による処理により、架橋したスキャフォールドである。
本発明の第3側面において、ヒドロキシアパタイトと組換えゼラチンの共沈、場合により続いてpH7.0〜9.0におけるミネラリゼーションを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料を調製する方法が提供される。
本発明の第2側面のスキャフォールドを製造するための方法は、好ましくは、水性条件下で本発明の第1側面に定めた組換えゼラチンの存在下での沈殿によりヒドロキシアパタイトを得ること、沈殿を造形し、次いで乾燥させてスキャフォールドを形成すること、場合により脱水熱処理により、または化学的架橋剤(たとえば、前記のもの)による処理により、そのスキャフォールドを架橋させることを含む。
水性条件下での沈殿は、たとえば水酸化カルシウム、リン酸、および本発明の第1側面に定めた組換えゼラチンを、水性条件下で混合することにより実施できる。
本発明の第4側面において、本発明の第1側面による複合材料(たとえば、バイオミメティックナノ複合材料の形態のもの)を、たとえば骨再生医療に使用する方法が提供される。この使用は、好ましくは本発明の第1側面による複合材料、本発明の第2側面によるスキャフォールド、または本発明の第2側面によるスキャフォールドを含む物品を、ヒトまたは動物の体内に移植することを含む。
本発明のこの第4側面において、好ましくはスキャフォールドは架橋スキャフォールドである。
1以上の本発明の態様の詳細を添付の図面および以下の詳細な記載において述べる。本発明の他の特徴、目的および利点はそれらの記載および図面ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
用語“含む(comprising)”は、指定した部品、工程または構成要素の存在を特定するが、1以上の追加の部品、工程または構成要素の存在を除外しないと解釈すべきである。
不定冠詞“a”または“an”によるある要素の表記は、1つかつ唯一の要素があることが内容から要求されない限り、1より多い要素が存在する可能性を除外しない。よって、不定冠詞“a”または“an”は通常は“少なくとも”を意味する。
しばしば、用語‘コラーゲン’なども当技術分野で用いられるが、用語‘ゼラチン’を本明細書の残りの箇所全体において用いる。天然ゼラチンは、5,000から400,000ダルトン以上にまで及ぶ分子量をもつ個々のポリマーの混合物である。
本明細書中で用いる“ゼラチン”は、いずれかのゼラチン、すなわちゼラチンの少なくとも1つの構造的および/または機能的特徴をもついずれかの分子を表わす。“ゼラチン”には、単一コラーゲン鎖、そのいずれかのフラグメント、誘導体、オリゴマー、ポリマーおよびサブユニットであって少なくとも1つのコラーゲン性ドメイン(Gly−Xaa−Yaa領域;ここで、XaaおよびYaaは独立していずれかのアミノ酸である)を含有するものが含まれる。用語“ゼラチン”には、自然界でみられない工学操作した配列、たとえば変異させたコラーゲン配列、たとえば天然コラーゲン配列から欠失、付加、置換または他の変化によって変異させたコラーゲン配列が含まれる。用語“組換えゼラチン”と‘ゼラチン”は互換性をもって用いられる。
用語“RGD配列”と“RGDモチーフ”は互換性をもって用いられる。
用語“タンパク質”または“ポリペプチド”または“ペプチド”は互換性をもって用いられ、特定の作用様式、サイズ、三次元構造または起源に関係なく、アミノ酸の鎖からなる分子を表わす。
用語“バイオミメティック”は、自然界からインスピレーションを得て天然骨形成を再建することに関連した多相挙動および材料特性および解決策を記述するために用いられる。
説明のためだけに本発明を特定の好ましい態様に関して記載する;しかし、説明した態様に対して当業者が種々の変更、改変、追加および改善を行なうことができ、それらはすべて本発明の精神および範囲内に含まれると認識される。
図1:本発明による複合材料(後記の実施例に記載するサンプル1c(ゼラチン/ヒドロキシアパタイト(“HA”)複合材料マイクロスフェアであって高度非晶質HAを含むもの)−対−サンプル1g(ゼラチン/HA複合材料マイクロスフェアであって実施例1cより結晶質であるHAを含むもの))のXRDスペクトル。サンプル1cおよび1gの両方において、HAはRCPの存在下での沈殿により得られた。 図2:マイクロスフェア形態の複合材料サンプルであるサンプル1c(=a)および1g(=b)のSEM画像。 図3:実施例に記載した複合材料サンプル1b5、1b4および1b3の断面のSEM画像。これらのサンプルは、本発明の第1側面の複合材料を含む異方性多孔質スポンジ形態の本発明のスキャフォールドである。上図は細孔方向に対して横方向の断面であり、下図は細孔方向に対して縦方向の断面である。 図4:複合材料サンプル1c(2種類の濃度)および1pのFTIRスペクトルである。
組換えゼラチンは好ましくは非フィブリル状ゼラチンであり、好ましくは普通の天然ゼラチンより低い分子量をもつ。そのうえ、組換えゼラチンはさらに鎖に沿って均一に分布したグルタミン酸および/またはアスパラギン酸の残基を含むという特徴をもつ。
組換えゼラチンは、たとえば60アミノ酸の列あたり少なくとも8%の総量のグルタミン酸および/またはアスパラギン酸を、最大1.6の標準偏差で含む。総HA結合能を増大させる目的のために、グルタミン酸および/またはアスパラギン酸の残基の絶対出現率は、好ましくは少なくとも9%、より好ましくは約10%である。
組換えゼラチンは、好ましくは150kDa未満、好ましくは100kDa未満の平均分子量をもつ。好ましくは、組換えゼラチンは少なくとも5kDa、好ましくは少なくとも10kDa、より好ましくは少なくとも30kDaの平均分子量をもつ。組換えゼラチンについて好ましい平均分子量範囲には、50kDa〜100kDa、20kDa〜75kDa、および5kDa〜40kDaが含まれる。より高い質量濃度のゼラチンが必要な場合には、より低い粘度であるという理由で、より低い分子量が好ましい可能性がある。
組換えゼラチンは、たとえばFUJIFILMから商品名Cellnest(商標)で購入できる。組換えゼラチンは、既知の方法により、たとえば特許出願EP 0 926 543およびEP 1 014 176の記載に従って調製することもできる;それらの内容を本明細書に援用する。組換えゼラチンを調製する方法は、刊行物‘High yield secretion of recombinant gelatins by Pichia pastoris’, M. W. T. Werten et al., Yeast 15, 1087-1096 (1999)にも記載されている。適切な組換えゼラチンはWO 2004/85473にも記載されている。
一態様において、組換えゼラチンは少なくとも2つのリジン残基を含み、それらのリジン残基は最端(extreme)リジン残基であり、第1の最端リジン残基はゼラチンのN末端に最も近いリジン残基であり、第2の最端リジン残基はゼラチンのC末端に最も近いリジン残基であり、それらの最端リジン残基はそのゼラチン中のアミノ酸の総数の少なくとも25パーセントにより分離されている。そのような組換えゼラチンは、たとえばUS 2009/0246282に記載された方法により得ることができる。
好ましい態様において、組換えゼラチンは卓越した細胞付着特性をもち、好ましくは何ら健康関連リスクを示さない。有利には、これはRGDエンリッチ(RGD-enriched)組換えゼラチン、たとえばアミノ酸の総数に対するRGDモチーフのパーセントが少なくとも0.4である組換えゼラチンを用いて達成される。RGDエンリッチゼラチンが350以上のアミノ酸を含む場合、350アミノ酸の長さのものそれぞれが好ましくは少なくとも1つのRGDモチーフを含む。好ましくは、RGDモチーフのパーセントは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも1.0、より好ましくは少なくとも1.2、最も好ましくは少なくとも1.5である。
RGDモチーフのパーセント0.4は250アミノ酸につき少なくとも1つのRGD配列と一致する。RGDモチーフ数は整数であり、よって0.4%の特徴に適合するためには、251アミノ酸からなるゼラチンは2つのRGD配列を含むべきである。好ましくは、RGDエンリッチ組換えゼラチンは250アミノ酸につき少なくとも2つのRGD配列、より好ましくは250アミノ酸につき少なくとも3つのRGD配列、最も好ましくは250アミノ酸につき少なくとも4つのRGD配列を含む。
さらなる態様において、RGDエンリッチゼラチンは少なくとも4つのRGDモチーフ、好ましくは少なくとも6、より好ましくは少なくとも8、より好ましくは少なくとも12から16までのRGDモチーフを含む。
本発明に使用する組換えゼラチンは、好ましくはコラーゲン性配列に由来する。コラーゲンをコードする核酸配列は、当技術分野で一般的に記載されている(参照:たとえばFuller and Boedtker (1981) Biochemistry 20: 996-1006; Sandell et al. (1984) J Biol Chem 259: 7826-34; Kohno et al. (1984) J Biol Chem 259: 13668-13673; French et al. (1985) Gene 39: 311-312; Metsaranta et al. (1991) J Biol Chem 266: 16862-16869; Metsaranta et al. (1991 ) Biochim Biophys Acta 1089: 241-243; Wood et al. (1987) Gene 61 : 225-230; Glumoff et al. (1994) Biochim Biophys Acta 1217: 41-48 ; Shirai et al. (1998) Matrix Biology 17: 85-88; Tromp et al. (1988) Biochem J 253: 919-912; Kuivaniemi et al. (1988) Biochem J 252: 633640; およびAla-Kokko et al. (1989) Biochem J 260: 509-516)。
RGDモチーフに富む組換えゼラチンは、たとえばUS 2006/0241032に記載される一般法により調製することもできる。
複合材料またはスキャフォールドが医薬または医療用のものである場合、組換えゼラチンは好ましくは天然ヒトコラーゲンのアミノ酸配列と近縁または同一であるアミノ酸配列をもつ。より好ましくは、ゼラチンのアミノ酸配列は天然ヒトコラーゲン中にみられる反復アミノ酸配列、特にRGDモチーフを含む配列を含む(RGDエンリッチ組換えゼラチンを作成するために)。そのような選択した配列中のRGDモチーフのパーセントは選択した配列の選ばれた長さに依存し、より短い配列の選択は結果として最終的な組換えゼラチンにおいてより高いRGDパーセントになるであろう。天然ゼラチンより高い分子量をもつ組換えゼラチンを得るために、選択したアミノ酸配列の反復使用を採用できる。さらに、組換えゼラチンは好ましくは非抗原性かつRGDエンリッチ(天然ゼラチンと比較して)である。
よって、好ましい態様において、組換えゼラチンは天然ヒトコラーゲン配列の一部分を含む。好ましくは、組換えゼラチンは1以上の天然ヒトゼラチンアミノ酸配列の1以上の部分の少なくとも80%を含む(または、からなる)RGDエンリッチゼラチンである。好ましくは、ヒトゼラチン配列のそのような部分はそれぞれ、少なくとも30アミノ酸、より好ましくは少なくとも45アミノ酸、最も好ましくは少なくとも60アミノ酸、最大でたとえば240、好ましくは最大で150、最も好ましくは最大で120アミノ酸の長さをもち、それぞれの部分は好ましくは1以上のRGD配列を含む。好ましくは、RGDエンリッチゼラチンは1以上の天然ヒトコラーゲン配列の1以上の部分を含む(または、からなる)。
本発明に使用できる組換えゼラチンの適切な供給源の例はヒトCOL1A1−1である。RGD配列を含む250アミノ酸の部分がWO 04/85473に示されている。組換えゼラチン中のRGD配列は細胞表面のインテグリンと呼ばれる特異的受容体に接着できる。
RGDエンリッチゼラチンは、たとえばEP-A-0926543、EP-A-1014176またはWO 01/34646、特に最初に述べた2つの特許公報の例に記載された組換え法により製造できる。RGDエンリッチ組換えゼラチンを製造するための好ましい方法は、RGDアミノ酸配列を含むコラーゲンタンパク質の部分をコードする天然核酸配列から出発することを含む。この配列の反復により、RGDエンリッチ組換えゼラチンを得ることができる。
よって、組換えゼラチンはそのようなゼラチンをコードする核酸配列を適切な微生物により発現させることによって製造できる。このプロセスは、適切には真菌細胞または酵母細胞を用いて実施できる。適切には、宿主細胞はハンゼヌラ属(Hansenula)、トリコデルマ属(Trichoderma)、アスペルギルス属(Aspergillus)、ペニシリウム属(Penicillium)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、アカパンカビ属(Neurospora)、またはピチア属(Pichia)のような高発現性宿主細胞である。真菌および酵母の細胞の方が反復配列の不適正発現を生じにくいので細菌より好ましい。最も好ましくは、宿主は発現するゼラチン構造を開裂する高レベルのプロテアーゼをもたないであろう。これに関して、ピチア属またはハンゼヌラ属はきわめて適切な発現系の例を提供する。発現系としてのピチア・パストリス(Pichia pastoris)の使用がEP 0 926 543およびEP 1 014 176に開示されている。それらの微生物は活性な翻訳後プロセシング機序、たとえば特にプロリンのヒドロキシル化および同様にリジンのヒドロキシル化を備えていない可能性がある。あるいは、宿主系は内因性プロリンヒドロキシル化活性をもつ可能性があり、それによりゼラチンはきわめて効率的にヒドロキシル化される。
さらなる態様において、組換えゼラチンは天然ゼラチンより低いグリコシル化度、たとえば2wt%未満、好ましくは1wt%未満、より好ましくは0.5wt%未満、特に0.2wt%未満、より特別には0.1wt%未満のグリコシル化度をもつ。好ましい態様において、組換えゼラチンはグリコシル化を含まない。
グリコシル化の程度またはwt%は、たとえばMALDI−TOF−MS(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization mass spectrometry(マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析))またはデュボア(Dubois)による滴定法により決定した、ゼラチンの単位重量当たりの総炭水化物重量を表わす。用語‘グリコシル化’は、単糖類だけでなく、多糖類、たとえば二糖類、三糖類および四糖類をも表わす。
グリコシル化が低いかあるいは存在しないことを確実にするための種々の方法がある。グリコシル化は翻訳後修飾であり、それにより炭水化物がゼラチンのあるアミノ酸に共有結合する。よって、アミノ酸配列およびそのアミノ酸配列が産生される宿主細胞(および酵素、特にグリコシルトランスフェラーゼ)の両方がグリコシル化度を決定する。2タイプのグリコシル化がある:N−グリコシル化はGIcNAc(N−アセチルグルコサミン(N-acetylglucosamine))がアスパラギン(NまたはAsn)のアミド基に連結することにより開始し、O−グリコシル化は一般にGaINAc(N−アセチルガラクトサミン)をアミノ酸 セリン(SまたはSer)またはトレオニン(TまたはThr)のヒドロキシル基に連結する。
したがって、グリコシル化は、適切な発現宿主を選ぶことにより、および/または宿主のグリコシルトランスフェラーゼにより認識されるコンセンサス部位を改変するか、もしくはそれを欠如する配列を選ぶことにより制御でき、特に低減または阻止できる。ゼラチンの化学合成も、グリコシル化を含まないゼラチンを調製するために採用できる。グリコシル化を含む組換えゼラチンを製造後に処理して全部または大部分の炭水化物を除去するか、あるいは非グリコシル化ゼラチンをグリコシル化ゼラチンから既知の方法により分離することもできる。
ヒドロキシアパタイト結晶は、カルシウムとリン酸源を混和し、沈殿させることにより形成できる。核形成が溶液中でランダムに起きる均一核形成と対照的に、不均一に核形成したヒドロキシアパタイトはカルシウムイオンと組換えゼラチン上のアスパラギン酸基および/またはグルタミン酸基からのカルボン酸基との初期会合により形成される。これらの結晶はさらに生長してマトリックス構造内へ埋め込まれ、それによりコラーゲンとヒドロキシルアパタイトが密に連結した人骨の性質に似たものになる。
意外なことに、本発明者らは、本発明の第1側面に記載した組換えゼラチンは効率的な
核形成および低結晶質ヒドロキシアパタイト結晶の生長をもたらし、それらが、再吸収性および骨形成増強に関して好ましいバイオミメティックな様式(またはバイオミネラリゼーションプロセス)でカルボン酸基に会合することを見出した。
本発明の第1側面に定める組換えゼラチンは、ヒドロキシアパタイトの効率的な無機質核形成を誘導してより大きな無機質結合能を可能にするので、有利に用いられる。好ましくは、前記の標準偏差は最大1.3、より好ましくは最大1.1である。
ヒドロキシアパタイト組換えゼラチン複合材料は、コラーゲン/ヒドロキシアパタイト複合材料の調製についての文献に記載された方法、たとえばS. Sprio et al によりJournal of Nanomaterials, Volume 2012, Article ID418281に記載された方法を用いて調製できる。
本発明の第1側面に定める組換えゼラチンの存在下で、たとえば組換えゼラチンを一般に1%〜30%の濃度で水溶液に溶解し、リン酸を用いてその溶液を酸性にし、この溶液を水酸化カルシウムと混合することにより、たとえば酸性にした組換えゼラチン溶液を水酸化カルシウムの溶液に添加することにより、ヒドロキシアパタイトを沈殿させることができる。まず組換えゼラチンをカルシウム源(たとえば、水酸化カルシウム溶液)と混合し、その後にリン酸を添加することもできる。
ヒドロキシアパタイトを組換えゼラチンの存在下で沈殿させた後(一般に、組換えゼラチンの存在下で結晶化プロセスを行なわせる)、通常は複合材料スラリーが得られる。このスラリーを、所望により造形および乾燥によってさらに処理することができる。この方法で、スキャフォールドを形成することができる。そのような造形および乾燥プロセスの例には、乳化、噴霧乾燥、成形、氷晶テンプレート法(ice templating)または凍結乾燥が含まれる。加工法に応じて、スキャフォールド、たとえば多孔質または非孔質のスキャフォールドを形成できる。マイクロスフェアの形態のスキャフォールドは注入可能な骨充填材の形成に使用できるので特に好ましい。マイクロスフェアは多様なサイズであってよく、好ましくは1〜2000μmの直径であり、たとえば1〜2000μmの平均直径をもつマイクロスフェアの形態のスキャフォールドが好ましい。好ましくは、マイクロスフェアは骨再生を必要とする対象に注入できるサイズのものであり、たとえば好ましいスキャフォールドは10〜200μm、たとえば10、30、100または200μmの平均直径をもつマイクロスフェアの形態である。
たとえばWO2013068722に記載された氷晶テンプレート法の採用は、異方性細孔配向をもつスキャフォールドの形成を可能にし、同様に好ましい。異方性細孔サイズは、好ましくは1〜1000μmの直径である。好ましくは、細孔サイズは細胞が透過できるのに十分なほど大きく、すなわち少なくとも10、30、100μmの直径である。より好ましくは、スキャフォールドは少なくとも150μm(平均)の直径の細孔を含む。好ましくは、スキャフォールドの(平均)細孔サイズは500μm未満、より好ましくは450μm未満の直径である。
スキャフォールドは場合により単分散または多分散細孔サイズ分布をもつ。細孔サイズ分析のために、好ましくは少なくとも3つのSEMマイクログラフをそれぞれのスキャフォールドから取得する。ImageJソフトウェア(ImageJはパブリックドメインJavaイメージプロセシングプログラムである)を用いて概要を求め、次いで個々の細孔を測定することができる;細孔サイズは好ましくは少なくとも40の細孔の平均フェレット直径(Feret's diameter)である。
天然骨の組成を模倣するために、本発明の複合材料およびスキャフォールドは、好ましくはヒドロキシアパタイト−対−組換えゼラチンの比100:1〜1:100、より好ましくは10:1〜1:10、よりさらに好ましくは5:1〜1:5を含む。最も好ましいヒドロキシアパタイト−対−組換えゼラチンの比は3:2〜2:3である。比率を選択することにより、ヒドロキシアパタイトがもたらす化学的役割を犠牲にすることなく良好な複合材料安定性を達成できる。
本発明の複合材料およびスキャフォールドのバイオミメティック性を増大させるために、ヒドロキシアパタイトはさらに添加物、たとえばCO 2−、Na、Mg2+、Sr2+、Si4+、Zn2+、SiO 4−および/またはHPO 2−イオンを含むことができる。一態様において、本発明の複合材料およびスキャフォールドは1種類以上のそのような添加物を0.01%〜25wt%の総量で含む。特に好ましいのは、天然の人骨のそのような添加物の量を模倣した添加物濃度である。
本発明の複合材料およびスキャフォールドの好ましいサイズは、その複合材料を使用する予定の用途に依存する。たとえば、多孔質複合材料およびスキャフォールドの平均サイズは、たとえば1mm×1mmで厚さ1mmの小さなものから10cm×10cmで厚さ1cmの大きなものにまで及ぶことができる。
完全な骨再生を可能にする複合材料滞留時間を得るために、好ましくは本発明の複合材料およびスキャフォールドを架橋させる。好ましくは、骨の再生と複合材料の再吸収は同時プロセスである。架橋は、好ましくは組換えゼラチン中に存在する反応基を用いて達成される。ポリペプチドを架橋させることができる方法は既に文献に広範に記載されている。大部分の場合、架橋はゼラチンのカルボン酸基またはアミン基により起きる。
本発明に使用できる架橋剤には特に制限はない。たとえば化学的架橋剤、たとえばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシアネート、カルボジイミドおよび/またはシアナミドを使用できる。
好ましくは、用いる架橋方法は複合材料またはスキャフォールドの生体適合性に影響を及ぼさず、かつ強い免疫応答を発生しない。それに関して、架橋方法として脱水熱処理を用いるのが好ましい。架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを用いるのも好ましい。
本発明の複合材料およびスキャフォールドは、場合によりさらに、骨形成プロセスをさらに刺激する骨充填材配合物を提供する賦形剤を含む。そのような賦形剤の例には、合成および天然のポリマー、薬物、増殖因子、架橋剤、天然骨、および無機成分(たとえば、他の結晶構造をもつリン酸カルシウム、リン酸三カルシウムなど)が含まれる。
本発明の複合材料およびスキャフォールドは、特に骨再生の分野で、たとえば疾患または外傷により形成された人骨欠損部を充填するために有用である。適用の部位および方法に応じて、複合材料またはスキャフォールドの組成を調整することが必要な場合がある。
複合材料およびスキャフォールドは、好ましくは他の成分との組成物の形態、またはマイクロスフェア、粒子もしくはスポンジの形態である。複合材料およびスキャフォールドについて、それらが配置される予定の骨欠損部に適した種々のサイズおよび形状を採用できる。
複合材料は、特にそれを用いて不規則な形状の骨欠損部を充填する際には、場合により注入可能なペーストまたはパテの形態である。
本発明の複合材料およびスキャフォールドを骨充填材として用いる際には、骨欠損部を安定化するためにそれらを他の整形外科的手法と組み合わせて、たとえばプレートおよびスクリューと組み合わせて用いることができる。複合材料およびスキャフォールドを骨充填材として適用する前に、体液、たとえば血液、血漿または骨髄吸引液と混合してもよい。
本発明を限定ではない実施例により説明する;別に特定しない限り、実施例中のすべての部およびパーセントは重量による。
組換えゼラチンの調製
ヒトCOLlAl−Iのゼラチンアミノ酸配列の一部分をコードする核酸配列に基づき、EP-A-0926543、EP-A-1014176およびWO01/34646に開示された方法を用いてこの核酸配列を改変して、組換えゼラチン(配列番号1、2、3、4、5および6)を調製した。これらのゼラチンはヒドロキシプロリンを含有せず、本発明において配列番号1、2、3、4、5または6と同定したアミノ酸配列を含んでいた。配列1〜5は全般的に同じアミノ酸をもち、グルタミン酸(GLU)およびアスパラギン酸(ASP)残基の分布が異なる。最後の不完全な列を除いて、60アミノ酸の列あたりのGLU+ASPの総量を各列の右側に示す。
ゼラチン中のGLU+ASPの分布を、列あたりの量の標準偏差により示す(参照:下記の表1)。これらの実施例に用いたアミノ酸配列において、標準偏差は配列番号1についての0.6から配列番号5についての1.9まで漸増する。配列番号6は、高い標準偏差に加えて、より少量のGLUおよびASP残基を含む。
配列番号1、2、3、4、5および6を用いて、下記の実施例に記載するように種々の複合材料およびスキャフォールドを調製した。
実施例1)組換えゼラチンの存在下でのヒドロキシアパタイトの沈殿による複合材料の調製
実施例1dについて、乾燥ゼラチンを脱イオン水に溶解することにより、100グラムの溶液につき10グラムのゼラチン(配列番号2)の溶液を調製した。その後、リン酸を添加した(2649マイクロリットル,86.2m%)。この酸性混合物を次いで、4.9グラムの水酸化カルシウムを含有する54.9グラムの水酸化カルシウム懸濁液に滴加した。他の例を表2の条件に従って同様に調製した。
ある例では沈殿後に1M塩酸を用いてpHを調整し、1つの例ではそれを調整しないままにした(pH9,実施例1g)。次いで周囲条件で2時間、ミネラリゼーション反応を進行させた。ゼラチンと比較したリン酸および水酸化カルシウムの添加量に応じて、種々のゼラチン対HA比をもつ複合材料が形成された。本発明の実施例配列番号1、配列番号2および配列番号3について、ならびに比較例配列番号4、配列番号5および配列番号6について用いたミネラリゼーション条件の例を表2に示す。さらに、下記の表2に示す基準サンプル1pも比較例である。このスラリーは、表2に示す条件下でリン酸カルシウム粉末(Sigma−Aldrichから入手)をゼラチン溶液に混入することにより得られる。よって、サンプル1pはリン酸カルシウムとゼラチンの物理的混合物であり、その場合、リン酸カルシウムはゼラチンの存在下で沈殿しない。この物理的混合法はJP2013202213に記載されている。
実施例2:スキャフォールドの形成
前記の実施例1でスラリーとして得た複合材料をさらに処理して種々のスキャフォールドを作成した。以下に、(コア−シェル)マイクロスフェア、等方性および異方性スポンジの作成を下記の実施例に記載する。
実施例2.1 マイクロスフェア スキャフォールド
45gのコーンオイルの試料を予め50℃に加温し、500rpmで撹拌した。次いで個別の実験で、実施例1に記載したスラリーそれぞれ30gをコーンオイルに滴加して、約90μmの体積平均粒径(volume-weighted average particle size)(D[4,3],Malvern Mastersizer 2000)が得られるまで20分間乳化した。次いで、生じたエマルジョンを撹拌しながら5℃にまで冷却し、その後、それらの重量の1.3倍の氷冷アセトン中へ撹拌下で添加して、低温ゲル化粒子からの水抽出によりマイクロスフェアの形状およびサイズを固定した。得られたマイクロスフェアを、次いでマイクロスフェアが白色になり、上清が透明無色になるまで、等重量のアセトンで反復洗浄した。各アセトン洗浄に際して、マイクロスフェアを10分間沈降させ、上清をデカント除去した。得られたマイクロスフェアを次いで濾過により採集し、60℃で一夜、ストーブ内で乾燥させた。
その後、マイクロスフェアを脱水熱処理(48時間,160℃,真空下)により架橋させた。マイクロスフェア スキャフォールドをpH7.4のリン酸緩衝化生理食塩水に37℃で24時間入れる溶解度試験により、架橋効率を確認した。架橋はエタノール中でのヘキサメチレンジイソシアネート架橋(24時間,エタノール中の1% HMDIC)によって行なうこともできる。
実施例2.2 コア−シェル マイクロスフェア スキャフォールド
複合材料を含有するスラリーを実施例1の記載に従って調製し、Buchi B−290噴霧乾燥器を用いて噴霧乾燥させた。得られた粒子は20マイクロメートル未満の体積平均粒径(D[4,3],Malvern Mastersizer 2000)をもっていた。さらに処理する前に、これらの粒子を前記で実施例2.1に記載したように架橋させた。その後、10%の組換えゼラチンを含む水相に架橋粒子を分散させ、再び噴霧乾燥させた。得られたコア−シェル粒子は、実施例1に記載した比率の組換えゼラチンおよびヒドロキシアパタイトの両方を含む1以上のコア粒子を収容した、組換えゼラチンからなるシェルを備えていた。最後にこれらの粒子を前記に従って再び架橋させた。他の実験において、20マイクロメートル未満のサイズをもつ噴霧乾燥ゼラチン/ヒドロキシアパタイト粒子を、実施例1から得られたゼラチン/ヒドロキシアパタイトスラリー(粒子のゼラチン/ヒドロキシアパタイト比と異なるゼラチン/ヒドロキシアパタイト比をもつ)に分散させた。噴霧乾燥および架橋の後、マイクロスフェアのシェルのものと異なる(多様な)ゼラチン/ヒドロキシアパタイト比をもつコアを備えたコア−シェル粒子が得られた。
実施例2.3 ランダムまたは等方性のスポンジ スキャフォールド
実施例1a〜1nのスラリーをテフロン(Teflon)(登録商標)コートしたアルミニウム容器に注入し、−20℃に予冷した凍結乾燥機(Zirbus 3×4×5)に6時間入れて完全凍結させた。その後、サンプルを0.05mbarの圧力および−10℃の温度で、乾燥するまで凍結乾燥させた。乾燥スポンジの目視検査および顕微鏡検査により、等方性およびランダムなスポンジ構造が明らかになった。
実施例2.4 異方性スポンジ スキャフォールド
実施例1bのスラリーをテフロンコートしたアルミニウム容器に注入し、WO2013068722に記載された凍結プロファイル法を施して異方性スポンジを得た。完全凍結後、サンプルを0.05mbarの圧力および−10℃の温度で、乾燥するまで凍結乾燥させた。その後、実施例2.1の記載に従ってスポンジを架橋させた。こうして得た乾燥スポンジは完全異方性の細孔構造であることが明らかになった。特別な例において、細孔サイズに影響を及ぼすために、実施例1bの組成をもつスラリーに種々の凍結勾配を施した。この方法で、表3に示すように細孔サイズを80〜600マイクロメートルに調節することができた。細孔サイズは、3つのSEM画像からImageJソフトウェアを用いて決定した少なくとも40の細孔の平均フェレット直径であった。表3は、細孔サイズがスポンジ1b1〜1b6の液体透過性に及ぼす影響も明らかにする。
異方性スポンジ スキャフォールドの架橋後、標準的な変水位(falling-head)デザインに基づいて液体透過性を測定した。用いたスキャフォールドは、5mmの直径、10mmの長さであった。試験前に、スキャフォールドを真空下にリン酸緩衝化生理食塩水で予め湿潤させた。気泡が結果に影響を及ぼさないことを確実にするために、それぞれの測定を3回繰り返した。
実施例3:ゼラチンのタイプがヒドロキシアパタイト(HA)の結合および構造に及ぼす影響
ゼラチンのタイプがヒドロキシアパタイト(HA)の結合およびそれの構造に及ぼす影響を分析するために、実施例2.1で得たゼラチン/ヒドロキシアパタイト マイクロスフェア スキャフォールドを、下記に示す走査型電子顕微鏡検査(EDXを含む)、FTIR、XRDおよびTGAにより分析した。
走査型電子顕微鏡検査
マイクロスフェア スキャフォールドを接着スタブ(stub)上に固定し、10nm厚の白金層でコートした。Jeol JSM−6335F電界放出型走査型電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope)を用いてマイクロスフェア スキャフォールドのイメージを取得した。5kVの電圧、×100から×50000までの倍率でイメージングを実施した。
EDX
マイクロスフェア スキャフォールドをLeica封入剤に包埋し、Reichert−Jung Ultracut−Eウルトラミクロトームで0.5、1および2μm厚の横断切片を切り取った。横断切片を40nm厚のカーボンでコートし、Oxford INCA X−Max 80検出器を15kVの電圧で用いてカルシウムおよびリン酸のマッピングをイメージ作成した。
FT−IR
PerkinElmer Frontier FT−IR分光計を用いてFT−IR分析を実施した。マイクロスフェア スキャフォールドをダイヤモンドコンプレッションセル(diamond compression cell)で圧搾し、4000〜650cm−1の範囲でスペクトルを取得した。
熱重量分析(Thermo-gravimetric analysis)(TGA)
ガスコントローラーGC10を備えたDSC Mettler Toledo 823eを用いてTGA分析を実施した。実験を空気中で実施し、サンプル重量は8〜12mgを構成した。70μLのアルミナるつぼ内において10℃/分の速度で800℃まで加熱を行なった。
X線回折
X線回折パターン(XRD)をBruker AXS D8 Advance計測器により反射モード(Cu−Kα線)で記録した。サンプルをクライオミリング(cryo-milling)装置により摩砕して、比較的均一な粒径の粉末を得た。
結果
XRDは、本発明の沈殿工程により、骨形成に好ましいことが示されているヒドロキシアパタイトの形態のリン酸カルシウムが形成されることを示した。一例として、組成物1cのXRDスペクトルを図1に示す。ヒドロキシアパタイトは26および32 2θにおける特徴的形状のピークにより同定される。32 2θにおけるスミアリング付き(smeared)三重線上のショルダーのシャープさが小さいこと(図1の星印を参照)は、サンプル1c中のヒドロキシアパタイトの結晶性が低いことの指標となる。低い結晶性は複合生体材料の生体再吸収性を増強し、よって新生骨形成のために好ましい。表4に、本発明の実施例はすべて、ゼラチン鎖に沿ってより均一にGLUおよび/またはASPが分布していることの結果として、比較例より低い結晶化度をもつことが示される。また、このショルダーはpHを調整しない場合にはこれよりわずかに高い(複合材料1g,図1を参照)。これらの結果はさらに、本発明の複合材料を製造する際の好ましい方向のpH調整が7〜9、よりさらに好ましくは7.2〜8.0であることを示す。
結晶化度は前記のXRDスペクトルから判定された。
TGAを用いて、マイクロスフェア スキャフォールドの実際のゼラチン/ヒドロキシアパタイト重量比を決定した。測定値は、沈殿反応に添加したリン酸および水酸化カルシウムの量と一致した。図2のSEM画像は、ヒドロキシアパタイト結晶の棒状形態およびそれらがサンプル1cのゼラチンマトリックスに良好に均一に埋め込まれていることを示す。比較例1l(示していない)は、本発明の実施例より結晶の埋込みが少なくかつクラスタリングが多いことを明瞭に示す。本発明の実施例のうち、pH調整しなかったサンプル1gは最少の結晶埋込みおよび最多量のクラスタリングを示した(参照:図2)。
FTIR分析においてカルボニルシフトを分析することにより、有機相(ゼラチン生体材料)と無機ヒドロキシアパタイト相のカルシウムイオンとの相互作用の差を同定できる。グルタミン酸およびアスパラギン酸のカルボニル基とカルシウムイオンとの間に特異的相互作用がない場合、カルボニルピークは遊離カルシウムイオンのみを添加した基準と比較して影響を受けない。表5に、すべての組成物についてこのカルボニルシフトを示す;本発明の実施例と比較例の間に明瞭な差がある。
図4は、サンプル1cおよび1pについてFTIRスペクトルにおけるカルボニルシフトを示す。結合していないCa基準組成物1pは、リン酸カルシウムとゼラチンの物理的混合物を表わし、その場合、リン酸カルシウムはゼラチンの存在下で沈殿しない。この物理的混合方法はJP2013202213に記載されている。本発明の実施例はすべて、カルボニルピークの強いシフトにより立証されるように、ヒドロキシアパタイトまたはリン酸カルシウムとゼラチンのカルボニルとの間ではるかに強い相互作用を示し、これははるかに大きなバイオミメティック性および天然骨との類似性を指摘する。好ましくは、FTIRにより観察されるように、主に結合していないリン酸カルシウムを含むマイクロスフェア スキャフォールドと比較して、マイクロスフェアにおけるグルタミン酸およびアスパラギン酸中のカルボン酸基のカルボニルシフトは少なくとも5cm−1、より好ましくは少なくとも10cm−1、最も好ましくは少なくとも15cm−1である。観察されるピークシフトに対してpH調整も影響をもち、複合材料製品に好ましいpH調整は7.0〜9.0、よりさらに好ましくは7.0〜8.0である。
まとめると、前記の分析は、ゼラチンへのヒドロキシアパタイトの結合にとってゼラチン構造体におけるGLUおよび/またはASPの分布がきわめて重要であることを指摘する。GLUおよび/またはASPの分布は、結晶性、ならびに生じる結晶の有機ゼラチンマトリックスへの埋込みおよび結合に影響を及ぼす。最もバイオミメティックな複合生体材料を生じる最良の相互作用は、アミノ酸GLUおよび/またはASPがアミノ酸鎖に沿って均一に分布しているゼラチンを用いて達成された。特に、最大1.6、好ましくは最大1.3の標準偏差をもつゼラチンについて、バイオミメティック相互作用は最良である。さらに、沈殿反応に際してのpHが、ゼラチンとヒドロキシアパタイトの相互作用に影響を及ぼすもうひとつの重要な側面であることが示された。
実施例5:マイクロスフェア スキャフォールド上における細胞培養
C2C12細胞(マウス筋線維芽細胞CRL−1772,ATCCから)をルーティン条件下に37℃および5%COで、60%コンフルエンスに達するまで、10%のウシ胎仔血清(FBS)(Sigma)および1%のペニシリン−ストレプトマイシン溶液×100(Sigma)を補足したDMEM(ダルベッコの改変イーグル培地(Dulbecco’s modified eagle’s medium),Invitrogenから)中で培養した。実施例2.1で得られ、DHTにより架橋したマイクロスフェアに、低接着(low attachment)24ウェルプレート(Costar,Corning)内で、1×10個/mLの細胞を含有する細胞懸濁液2mLを播種した。37℃および5%COで作動しているインキュベーター内のオービタルシェーカーに30rpmで一夜、プレートを乗せておいた。播種した後、付着していない細胞を除去するためにマイクロスフェアをPBS(リン酸緩衝化生理食塩水,Invitrogenから)で洗浄し、静止条件で37℃および5%COにおいてプレートをインキュベートした。細胞培養状態を分析するために、細胞をLive/Deadキット(Invitrogenから)で染色し、Olympus BX60光学顕微鏡を用いてイメージングした。播種したマイクロスフェアをPBSで十分にすすぎ、Live/Dead(Invitrogen)混合物と共に暗所で約45分間インキュベートした。その後、マイクロスフェアを蛍光光線下で可視化した。その結果は、本発明のゼラチン/ヒドロキシアパタイト マイクロスフェア スキャフォールドすべてが細胞にとって卓越した基材であることを示す。
実施例6:異方性スポンジ スキャフォールド上における細胞培養
MC3T3−E1骨芽細胞(マウス線維芽細胞CRL−2593,ATTCから)を、実施例2.4の異方性スキャフォールド上にスキャフォールド(5mmの直径,2mmの高さ)あたり細胞5×10個の密度で、ダイナミックシェーカー法を用いて播種した(スキャフォールドを細胞懸濁液に入れ、200rpmで4時間旋回させ、次いで培養プレート中の培地へ移した)。次いで細胞をミネラリゼーション培地中で4週間培養した。下記のスキャフォールドを用いた(実施例2.4で調製したもの):1b3、1b4、1b5。4週間後、DNA定量(CyQuant Picogreen Assay)により決定した細胞量を、1日後に付着した細胞の初期量と比較した。表6に細胞数の変化率を示す。これらのデータは、細孔サイズが細胞増殖速度に強い影響を及ぼすことを示す。細胞増殖は強い栄養素拡散によって刺激されるという仮説に基づけば、最大細孔サイズが最多の細胞を生じると予想されたであろう。しかし、このデータは、約300μm付近に最適値があること、および複合材料の好ましい細孔サイズは150μm以上であることを示唆する。より大きい450μmの細孔サイズでは細胞が増殖するのに利用できる表面積がより小さくなり、それによって、増大した栄養素拡散のポジティブ効果が差し引かれると推測できる。したがって、細胞培養のために最も好ましい細孔サイズ範囲は100〜500μmである。

Claims (14)

  1. 少なくとも組換えゼラチンおよびヒドロキシアパタイトを含む複合材料であって、組換えゼラチンは、ゼラチン鎖に沿って均一に分布しているグルタミン酸およびアスパラギン酸の残基を含み、ここで:
    (i)組換えゼラチンは60アミノ酸の列あたり合計で少なくとも8%の量のグルタミン酸および/またはアスパラギン酸を最大1.6の標準偏差で含み;
    (ii)ヒドロキシアパタイトは組換えゼラチンの存在下での沈殿により得られる、
    前記複合材料。
  2. ヒドロキシアパタイトがリン酸と水酸化カルシウムの反応により得られる、請求項1に記載の複合材料。
  3. ヒドロキシアパタイトがCO 2−、Na、Mg2+、Sr2+、Si4+、Zn2+、SiO 4−および/またはHPO 2−イオンをさらに含む、請求項1または2に記載の複合材料。
  4. ヒドロキシアパタイトと組換えゼラチンの比が100:1〜1:100である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料を含むスキャフォールド。
  6. マイクロスフェアの形態である、請求項5に記載のスキャフォールド。
  7. FTIRにより観察されるマイクロスフェアにおけるグルタミン酸およびアスパラギン酸中のカルボン酸基のカルボニルシフトが、主に非結合リン酸カルシウムを含むマイクロスフェアと比較して少なくとも5cm−1である、請求項6に記載のスキャフォールド。
  8. 請求項6または7に記載のマイクロスフェアを含むコア−シェル粒子の形態である、請求項5または6に記載のスキャフォールド。
  9. シェルがコアとは異なる組換えゼラチン/ヒドロキシアパタイト比を含む、請求項8に記載のスキャフォールド。
  10. 多孔質異方性スポンジの形態である、請求項5に記載のスキャフォールド。
  11. 複合材料中の細孔の細孔サイズが少なくとも150μmである、請求項10に記載のスキャフォールド。
  12. ヒドロキシアパタイトと組換えゼラチンの共沈、場合により続いてpH7.0〜9.0におけるミネラリゼーションを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料を調製する方法。
  13. 骨再生医療のための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合材料または請求項5〜11のいずれか1項に記載のスキャフォールドの使用。
  14. 細胞および/または増殖因子と組み合わせた骨再生医療のための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合材料または請求項5〜11のいずれか1項に記載のスキャフォールドの使用。
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