JP2018529366A - 切断ラインの装填を簡単化する部材を備えたトリマーヘッド - Google Patents

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Abstract

本発明に係るトリマーヘッド(1)は、回転軸線(A−A)、ハウジング(3)、ハウジングに挿入可能なスプール(13)を備え、前記スプール(13)がその周りに切断ライン(F)のストックを巻き取るように構成され、かつ、配置されている。前記スプールは、その間に切断ラインを固定するために固定要素(15)がのびるフランジ(13A、13B)を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は園芸製品の分野に関する。より詳細には、本発明は、草木切断部材として、例えばプラスチックで形成されたラインを使用する、刈払機等用のトリマーヘッドの改良に関する。
素人レベル及び玄人レベルの両方が使用するための園芸用装置の分野では、草木を切断するために刈払機又は他の装置の駆動軸の端部にトリマーヘッドを取り付けて使用することが良く知られている。このタイプの幾つかのトリマーヘッドは、草木を切断するために、合成樹脂、典型的には、ポリアミドで形成したラインを使用する。通常、このラインは、ストックを形成するためにトリマーヘッドの内部で巻かれており、トリマーヘッドのハウジングに設けられた一つ又は複数の孔から出る。トリマーヘッドのハウジングの内部には、通常、切断ラインのストックを形成するスプールが設けられている。使用中に、切断ラインは摩耗して破損する。従って、ハウジングの通過孔を通過して出ている、ある長さの切断ラインは、トリマーヘッドのハウジングの外側の切断ラインが十分な品質を有するように、定期的に交換される。
多数のこの種のトリマーヘッドが存在する。これらは、相互に異なるものであり、例えば、切断ラインストックをハウジングの内部に蓄積する方法、及び使用中に切断ラインが摩耗して破損された後にヘッドから出る切断ライン長を交換するために切断ラインをハウジングから供給する方法において相互に異なる。
幾つかの場合では、ハウジング内部のラインストックを元の状態に戻すために、ハウジングを開き、その内部に収容されたスプールを取出し、スプールに切断ラインを固定し、適当な長さの切断ラインをスプールの周りに巻きつける必要がある。その後、スプールは、ハウジングの中に再び挿入され、一つ又は複数のライン端部が、ハウジングの内部から外部へライン通過孔を通され、その後、ハウジングが閉じられる。この作業は、長く、複雑である。従って、ハウジングを開く必要なく、切断ラインがハウジングを通して径方向に挿入され、そして、切断ラインがスプールの径方向通路に挿入されるトリマーヘッドが開発されている。その後、ハウジングに対してスプールを回転して、次の作業のための切断ラインのストックを形成する一連のラインターンをスプール内に形成する。
米国特許公開US-A-2015/0150191(特許文献1)には、ハウジングを備えた切断ヘッドと、その中に配置されるスプールが開示されている。ハウジング内の二つの径方向に配置された孔が、ハウジングを横切って切断ラインを導入するために使用される。スプールには、スプールの直径に沿ってのび、その軸線を通る貫通孔が設けられる。切断ラインは、ハウジングの二つの対向する孔を通過し、かつ、スプールに固定するためにスプールの径方向に配置された孔を通過するよう案内されなければならない。この作業は、難しく、時間がかかる。
これらのシステムは、切断ラインを交換するためにハウジングを開く必要があるものよりも実用性があるとしても、切断ラインをスプール孔に通すことが困難であるために、幾つかの欠点を有する。
従って、現在のトリマーヘッドの欠点を軽減又は解決する上述したタイプのトリマーヘッドを提供することが必要である。
米国特許公開US-A-2015/0150191号
本発明の一つの特徴によれば、回転軸、ハウジング、ハウジングに挿入可能なスプールを備え、切断ラインストックを、スプールの周囲に巻き取るように構成され、かつ、配置されたトリマーヘッドが提供される。スプールは、スプール軸線の周りにのびる少なくとも一つのフランジを有する。ハウジングは、少なくとも二つの切断ライン通過孔を備え、これらは、好ましくは、ほぼ径方向に対向する位置に設けられ、それらを通して、切断ラインがハウジングの内部から外部に通る。例えば、切断ラインをスプールに装填する必要がある時に、ハウジングを開くことなく、切断ラインをスプールに簡単に、かつ、急速に固定することを可能にするために、スプールは、少なくとも一つの切断ライン固定要素を有し、前記固定要素は、第一フランジからのび、スプールの軸線から離間している。前記固定要素は、例えば、円形断面を有する柱状若しくはピン状に形成され得、又は、細長い形状若しくは任意の他の適当な形状を有し得、かつ、スプール軸線にほぼ並行にのび得る。
このような構造により、切断ラインストックをスプールに装填する必要がある場合に、ラインは、ヘッドに設けられた二つの切断ライン通過孔の一方を通して挿入され、それが反対側の切断ライン通過孔から出るまで、ハウジングに押し込まれる。ラインは、軸線から外れた位置にある切断ライン固定要素とスプール軸線との間を(又は、スプール軸線を横切って)通過する。このようにして、ハウジングに対してスプールを回転させることによって、切断ラインはスプールに固定されたまま、巻き取られ得る。ハウジングに対してスプールを回転させることにより、切断ラインが、固定要素の周りに固定ループを形成する。従って、スプール軸線を横切って伸びる貫通孔を設ける必要がなく、切断ラインをハウジングの二つの孔及びスプールの孔に通す必要もない。
切断ラインの固定は、非常に簡単にかつ迅速に行われる。
本発明の幾つかの実施例についての以下の詳細な説明から明らかなように、このシステムによれば、切断ラインを非常に簡単に交換することが可能になる。特に、外側ハウジングに対してスプールを、角度を決めて位置決めする必要がないライン交換システムが提供され得る。ラインは、ハウジングに対するスプールの角度位置に関係なく(従って、特に、ラインを通す切断ライン通過孔に対するスプールの角度位置に関係なく)、スプールに固定され得る。
スプールは、一つのフランジだけを有することができる。しかしながら、幾つかの実施例では、スプールは、好ましくは二つのフランジを有し、これらのフランジは相互に軸方向に離間され、その間に、切断ラインのストックが巻かれる空間が設けられる。有利な実施例では、切断ライン固定要素は、一方のフランジから他方のフランジに向けてのび、場合によっては、一方のフランジから他方のフランジまでのびてもよい。各フランジ、又はこれらのフランジの一つだけが、他のフランジに向けてのびる中央壁を有し得る。切断ライン固定要素は、一方のフランジの前記中央壁から他方のフランジまでのび得る。
固定要素は、スプールと一体的に形成され得、例えば、一つのフランジ又はその両方のフランジと一体的に形成され得る。別の実施例では、固定要素は、スプールのフランジに機械的に連結される別体の構成要素に形成され得る。
たとえ、一つの固定要素で十分だとしても、より効果的な固定及び動的によりバランスがとれたスプールを得るために、幾つかの実施例では、スプールは、複数の切断ライン用の固定要素を有し得、これらは、相互に角度を付けて離間され、第一フランジからのび、スプール軸から離され、即ち、スプールに対する軸から外れた位置にある。連続的に配置された一対の固定要素の間に、切断ラインを導入し得る空間が設けられる。
幾つかの実施例では、スプールは、スプール軸を囲み、かつ、第一フランジからスプール軸に対してほぼ並行にのびる中央壁を有し得る。前記中央壁は、フランジの一部であり得る。中央壁は、円筒状の形状であり得、例えば、公知のライン伸長機構、又は、刈払機若しくは同様の装置の駆動軸にトリマーヘッドを連結するためのピンが、その中に収容され得る。この場合、切断ライン固定要素は中央壁に設けられ得る。この明細書で説明する幾つかの実施例では、固定要素は、スプール軸から中央壁よりも径方向により離間され得、即ち、固定要素は、壁の外側に配置され得る。他の実施例では、固定要素は、中央壁と一体にされ得、かつ、一方のフランジから他方のフランジに向けた方向でのび得る。
幾つかの特に有利な実施例では、ラインが挿入される切断ライン通過孔の反対側にある切断ライン通過孔から切断ラインを出すことを容易にするために、少なくとも一つの切断ライン通過孔に、切断ライン通過孔に向けて収束するガイドが設けられ得る。前記ガイドは、トリマーヘッドに装着された時に、トリマーヘッド及びスプールの軸線に対して実質的に垂直な平面上に、湾曲した伸長部を有し得る。湾曲したガイドが、そこから切断ラインの先端がトリマーヘッドに入れられる切断ライン通過孔の反対側の切断ライン通過孔に切断ラインを挿入することを容易にする。一対の収束するガイドは、好ましくは、各切断ライン通過孔に設けられる。
幾つかの実施例では、ガイドは、例えば、切断ライン通過孔も設けられるハウジングの接線方向壁と一体部品として形成され得る。他の実施例では、ガイドは、ハウジングに挿入されて、それに固定されるハウジングとは別体のインサートとして設けられ得る。インサートは、例えば、ハウジングに設けられた切断ライン通過孔に挿入される切断ライン通過用のブッシュを形成し得る。
トリマーヘッドの、さらなる有利な実施例及び別の特徴は、添付した特許請求の範囲の従属項に記載され、かつ、添付図面に示した実施例を参照して以下に説明される。
別の特徴によれば、トリマーヘッドに切断ラインストックを巻き取る方法が提供され、ここで、トリマーヘッドは、回転軸、少なくとも二つの切断ライン通過孔を備えたハウジング、及びハウジングに収容されたスプールを備え、前記スプールが、少なくとも一つの第一フランジと少なくとも一つの切断ライン固定要素を有し、前記固定要素が、第一フランジから回転軸線とほぼ並行に伸び、スプール軸線から離間されている。
また、この方法は、
前記少なくとも二つの切断ライン通過孔の第一の通過孔に、切断ラインの端部を挿入するステップ、
トリマーヘッドの回転軸線と固定要素との間で、前記二つの切断ライン通過孔の第二の通過孔に向けて、切断ラインの前記端部を案内するステップ、
切断ラインの前記端部を、第二切断ライン通過孔に挿入し、切断ラインの前記端部を、第二切断ライン通過孔を通してハウジングから出すステップ、
一定量の切断ラインを、ハウジングを通してスライドさせるステップ、
ハウジングの内部で、二つの切断ライン通過孔に対してスプールを回転させることによって、ある長さの切断ラインをスプールに巻き取り、前記少なくとも一つの固定要素の周りに巻かれた一連のラインターンをスプール上に形成し、切断ラインを、前記ライン長の中間部分でスプールに拘束し、二つの切断ライン通過孔を通してハウジングの外側に突出する少なくとも二つのラインセグメントを残すステップ
を有する。
本発明は、本発明の非限定的実施例を示す以下の説明及び添付図面によってより良く理解されることになる。
図1はトリマーヘッドの一実施例の平面図である。 図2は図1のII−II線断面図である。 図3は図1のIII−III線断面図である。 図3は、図1〜図3に示したトリマーヘッドの等角投影図である。 図5は、図1〜図4に示したトリマーヘッドの等角投影図であり、この図では、ハウジングの上側部分及びラインスプールが部分的に取り除かれている。 図6(A)〜(C)は、図1〜図5に示すトリマーヘッドの中に切断ラインを挿入する順序を示している。 図7(A)〜(E)は、別の実施例におけるライン交換の動作順序を示している。 図8(A)〜(E)は、別の実施例におけるライン交換の動作順序を示している。 図9は、スプールの一実施例の側面図である。 図10は、スプールの一実施例の等角投影図である。 図11は、図9におけるXI−XI線に従った平面図である。 図12は、図9及び図11のスプールの側面図であり、この図では二つの部分に分割されている。 図13は、図9及び図11のスプールの等角投影図であり、この図では二つの部分に分割されている。 図14は、別の実施例の図12に対応する側面図である。 図15は、別の実施例の図13に対応する等角投影図である。 図16は、スプールの別の実施例の側面図である。 図17は、スプールの別の実施例の等角投影図である。 図18は、スプールの別の実施例の側面図である。 図19は、スプールの別の実施例の等角投影図である。 図20は、軸方向内壁を除いた、図9〜図11のスプールに類似したスプールの側面図である。 図21は、軸方向内壁を除いた、図9〜図11のスプールに類似したスプールの等角投影図である。 図22は、上側フランジを除いた図20及び図21のスプールに類似したスプールを示している。 図23は、上側フランジを除いた図20及び図21のスプールに類似したスプールを示している。 図22及び図23のスプールの変形実施例を示している。 図22及び図23のスプールの変形実施例を示している。 図26は、先の図面に示したスプールをさらに改良した実施例を示している。 図27は、先の図面に示したスプールをさらに改良した実施例を示している。 図28は、本発明によるトリマーヘッド用のスプールのさらに改良した実施例を示している。 図29は、本発明によるトリマーヘッド用のスプールのさらに改良した実施例を示している。 図30は、制御ボタンを除いたスプールの側面図であり、この図面では、構成要素が分解されている。 図31は、制御ボタンを除いたスプールの等角投影図であり、この図面では、構成要素が分解されている。 図32は、本発明によるトリマーヘッド用スプールのさらに別の実施例の側面図である。 図33は、本発明によるトリマーヘッド用スプールのさらに別の実施例の等角投影図である。 図34は、図32のXXXIV-XXXIV線から見た平面図である。 図35は、本発明によるトリマーヘッド用スプールのさらに別の実施例の側面図である。 図36は、本発明によるトリマーヘッド用スプールのさらに別の実施例の等角投影図である。 図37は、図35のXXXVII-XXXVII線から見た平面図である。 図38は、本発明によるトリマーヘッド用スプールのさらに別の実施例の側面図である。 図39は、本発明によるトリマーヘッド用スプールのさらに別の実施例の等角投影図である。 図40は、図38のXL-XL線から見た平面図である。 図41は、図38〜図40のスプールのさらに別の実施例の側面図である。 図42は、図38〜図40のスプールのさらに別の実施例の等角投影図である。 図43は、図41のXLIII-XLIII線から見た平面図である。
以下の実施例の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図面における同じ符号は、同一又は同等の構成要素を示す。加えて、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。また、以下の詳細な説明は本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって画定される。
明細書を通して参照する「一実施例」、「ある実施例」又は「幾つかの実施例」の語は、ある実施例に関して説明した特定の特性、構造又は特徴が開示される主題の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。従ってこの明細書を通して様々な場所に現れる「一実施例」、「ある実施例」又は「幾つかの実施例」の語は、必ずしも同じ実施例を参照しているとは限らない。さらに、特定の特性、構造又は特徴は、一つ又は複数の実施例において任意の適当な方法で組合せられ得る。
本発明によるトリマーヘッドの第一実施例を、図1〜6を参照して以下に説明していく。
この実施例では、トリマーヘッド全体が符号1で示されている。トリマーヘッド1は、ハウジング3を有し、このハウジング3は、上側部分3Aと下側部分3Bを有し得る。図示実施例では、上側部分3A及び下側部分3Bは、例えば、上側部分3Aに一体に形成され得る弾性タブ5と、ハウジングの下側部分3Bの縁部9に設けられ得るスロット7とを用いて、相互にスナップ連結されている。ハウジング3の二つの部分3A及び3Bを連結する方法は、図示した方法と異なる方法でもよく、トリマーヘッドの動作中に、二つの部分が軸方向及びねじり方向に結合されるように、ハウジング3の二つの部分3A及び3Bを連結するために適切な任意の手段を使用することができることは理解されるべきである。
A−Aはヘッド回転軸線を示しており、トリマーヘッドが刈払機又は類似の機械(図示せず)に連結された時に、その周りでトリマーヘッドが回転する。
トリマーヘッド1のハウジング3の内部には空間11が設けられ、その空間11の内部にスプール13が挿入され得る。図1〜図6の実施例では、ハウジング3は、連結される二つの半体から成り、(以下に説明する制御ノブを除いて)スプールを完全に囲んでいるが、ハウジングを開口させて、スプール、例えば、そのフランジが、ハウジング閉鎖要素を形成することも可能である。
図示実施例では、スプール13は、フランジ13A、フランジ13B及び中央壁13Cを備え、中央壁13Cは、この実施例では、ほぼ円筒形であり、二つのフランジ13A及び13Bの一方から他方へスプール軸線B−Bと並行にのびている。組立時、即ち、スプール13をハウジング3の内部の空間11に収容する時、スプール13の軸線B−Bは、トリマーヘッド1の回転軸線A−Aと同軸にされ得る。
図示実施例では、スプール13は、さらに、フランジ13Bの外面、即ち、スプール13のフランジ13Aと面する表面の反対側の表面から突出するボタン又はノブ13Dを有する。ボタン、即ち、ノブ13Dは、ハウジング3の下側部分3Bに設けられた中心孔(図5参照)を介して突出し、スプール13に巻かれた切断ラインを供給し、及び/又は以下により良く説明するように、スプールのラインストックを元の状態に戻す必要がある時に、スプール13の周りへの切断ラインの巻取りを容易にするための作動部材を構成する。
この実施例では、例えば、ペグ又はピン15の形態の線状切断ライン固定要素が、フランジ13Aとフランジ13Bとの間でのびている。図示実施例では、ピンは、スプール軸線B−Bに実質的に並行にのび、実質的に円形の断面を有する柱状又はポスト状の形状である。図6(A)〜(C)により良く示すように、図示実施例では、4本のピン15が設けられており、これらは、軸線B−Bと同軸の円周に沿って、例えば、90°の一定の角度ピッチで配置されている。連続して配置された一対の切断ライン固定要素15の間には、後で詳述するように、切断ラインが導入され得る空間が設けられている。
スプール軸線B−Bからのペグ又はピン15の距離、即ち、ピン15が並べられた円の半径は、中央壁13Cの外径寸法よりも大きく、各ピン15と、スプール軸線と同軸にのびるスプール13の中央壁13Cの外面との間に空間が残るようにされている。
図示実施例では、ハウジング3は、以下に説明する方法でスプール13の周りに巻かれた符号Fで示す切断ライン用の二つの切断ライン通過孔17を有する。
図1〜6の実施例では、ブッシュ19が切断ラインF用の通過孔17の内部に挿入されている。幾つかの実施例(図示せず)では、ブッシュは金属で形成され得、かつ、実質的に円筒状の形状を有する。逆に、図1〜図6に示した実施例では、各ブッシュ19は、切断ラインの先端用の周辺ガイド23を形成する各構成要素21の一体部分を形成する。より具体的には、ハウジング3の上側部分3Aが部分的に除去され、スプール13が外された図5に詳細に示すように、各インサート(構成要素)21は、各ブッシュ19を形成する中央部分に対して実質的に対称であり得る湾曲アームを有する。各湾曲アームは、各溝を有し、各溝は、湾曲アームのハウジングの内側に面する表面、即ち、トリマーヘッド1の回転軸線A−Aに向いた表面上でのびている。前記溝は、ガイド23を画定し、通過孔、即ち、ブッシュ19に設けられた開口19Aで収束する。要するに、ガイド23は、ライン通過孔19Aの軸線に向けて収束する。図6(A)〜図6(C)の順序を参照してより良く説明するように、インサート21に設けられたガイド23は、切断ラインストックをトリマーヘッド1の内部で巻き始める時に、切断ラインFの挿入を容易にする。
上述したように構成されたトリマーヘッド1によって、ハウジング3の内部でスプール13の周りに切断ラインFのストックの装填することが非常に容易になり、ハウジング3を開くことなく、図6(A)〜(C)の順序に従って行うことができるようになる。これらの図面は、スプール13のフランジ13A及び13B間の中間位置にあり、軸線A−Aに対して直交する平面に従った、ハウジング3及びスプール13の断面を概略的に示している。
図6(A)〜(C)の断面は、スプール13のフランジ13Bに加えて、ブッシュ19、ペグ又はピン15及びスプール13の中央壁13Cを断面で示している。符号Fは切断ラインを示し、符号FTは、切断ラインの先端を示している。
図6Aは、ハウジング3に設けられた通過孔17の一方に切断ラインFの先端FTを挿入する第一挿入ステップを示している。前記通過孔17の内部には、切断ラインF用の通過孔19Aを形成するブッシュ19が挿入されている。ブッシュ19の開口19Aに切断ラインFを挿入することにより、その先端FTは、連続して配置された二つの切断ライン固定要素又はピン15の間の空間に入り、実質的に径方向に沿って貫通して、スプール13の中央壁13Cに接触し、それにより横方向にそれる。その結果、切断ラインFの先端FTは、中央壁13Cとピン15の一方との間を通る。
矢印Sに従って切断ラインFを押すことにより、先端FTは、ハウジング3における切断ラインFを挿入した開口19Aの反対側に設けられたインサート21によって形成された周辺ガイド23の一方に到達する。ガイド23は、ラインが入るブッシュ19の反対側のブッシュ19の開口19Aに向けて切断ラインFの先端FTを偏向させる。
図6Bは、切断ラインFの先端FTと対向するガイド23との間の相互作用により、どのおようにして、切断ラインFの最初の部分が曲がり、対向する通過孔19Aに向けて偏向させられるかを示している。
切断ラインFの先端FTが、矢印Sに従って動き続けて、切断ラインFが挿入される開口19Aの反対側の開口19Aの縁部に到達すると、先端FTは、開口19Aを貫通し、それを横切り、挿入側と反対側で、ヘッド1のハウジング3から出る。
切断ラインFが図6Cの位置に達すると、切断ラインFは、それが十分な長さになるまで先端FTから引き出され得る。切断ラインが、非常に長いリールから引き出される場合、十分な長さ(例えば、数メートル)のラインストックを供給リールから切断することが可能になり、トリマーヘッド1の長時間の使用が保証される。切断ラインFは、二つの通過孔17を通過して同じ長さで突出するように、ヘッド1に対して配置される。
この状態に達した後、即ち、数メートルの長さである、切断ラインFの二つの実質的に等しいセグメントをトリマーヘッド1から突出させた後、例えば、一方の手でハウジング3を保持し、他方の手でハウジングから突出するノブ13Dを動作させて、ハウジング3に対してスプール13を回転することによって、切断ラインをスプール13に巻く。
図6(C)では、矢印FAは、ハウジング3の内部におけるスプール13の回転を示している。スプール13が、トリマーヘッド1の軸線A−A周りを矢印FAに従って回転すると、ピン15のおかげで、その中心位置で、スプール13に固定されたままで、切断ラインFは、ペグ又はピン15及び中央壁13Cの周りに巻かれ始め、スプール13にラインターンのストックを形成し、通過孔17から突出している二本の切断ラインFは、トリマーヘッド1の内部に徐々に引き込まれる。巻取りは、ヘッドの動作に適した長さ、例えば、数十センチメートルの長さを有するラインFの二つのセグメントがハウジング3から突出した状態になるまで続く。
上述した説明から明らかなように、ハウジング3を開く必要がなく、かつ、切断ラインFの先端FTを、スプール13に設けられた孔又は通路内に正確にガイドする必要がない点において、ヘッド1への切断ラインFの再装填は早く、かつ、容易になる。切断ラインFの先端FTを入口開口19Aに挿入し、それが反対側の開口19Aから出るように、ハウジング3の内部空間にそれを押し込むだけで十分である。切断ラインFの先端FTは、ピン15と中央壁13Cの外周面との間に挿入され、かつ、ガイド23の一つによって案内され、先端FTは入口開口の反対側の開口19Aに達して、該開口19Aを通過する。
両方の開口19Aにガイド23を配置することによって、二つの開口19Aの一方又は他方に切断ラインFを挿入することが可能になる。別のあまり有利でない実施例では、ガイド23は、二つの開口19Aの一方のみに設けられ、例えば、ハウジング3の外面に、使用者が、二つの開口19Aのどちらが切断ラインFの先端FTの挿入に使用できるか、即ち、ガイド23が設けられた開口と反対側の開口を識別することを可能にする目印を設けることができる。しかし、使用上の利便性と、トリマーヘッド1のバランスをとるための動的な理由の両方のために、一対のガイド23を使用することが好ましい。
トリマーヘッド1には、それ自体が公知であり、以下に説明されない任意の適当なライン巻取り及び巻解き機構が設けられ得る。
図7(A)〜(E)の順序は、変形実施例においてラインを導入するための同じ操作を示しており、この例では、切断ラインFの先端FT用のガイド23の構成が異なる。図7(A)及び図7(B)に示した実施例では、ガイド23は、ハウジング3の側壁と一体に形成されている。側壁は、ブッシュが挿入される孔を有し、これらのブッシュは、例えば、金属で形成され、開口19Aが設けられている。この実施例では、開口のサイズは、図6(A)〜図6(C)に示された開口のサイズより大きく、かつ、ガイド23とは別体の構成要素として形成されている。切断ラインFの挿入手順は、実質的に、図6(A)〜図6(C)を参照した上述の説明と同じである。切断ラインは、通過孔19A又は19Bの一方に導入され、二つの連続して配置された切断ライン固定要素、即ち、ピン15の間の空間を通り(図7(A))、かつ、先端FTが反対側の通過孔19Aに達するまで、前記切断ライン固定要素15の一つと中央壁13Cとの間の空間を通る(図7(C)及び(D))。十分な長さの切断ラインFがハウジングから引き出されると、スプール13及びハウジング3は、軸線A−Aを中心に一方が回転される。これにより、切断ラインFは、切断ライン固定要素15の一つの周りにループを形成し、それにより、切断ラインFはスプール13に固定される。さらに、回転させることで、トリマーヘッドの軸線A−Aの周りに、切断ラインターンSFの形態で切断ラインのストックが形成される。
図7(E)は、トリマーヘッド1の軸線A−Aの周りに巻かれた切断ラインFのターンSFを示している。図7(A)〜図7(E)の実施例では、ターンは、複数のピン15の周りに巻かれている。
上記で説明した図面では、スプール13には、スプール軸線B−Bと同軸上にあり実質的に円筒形であり得る中央壁13Cが設けられているが、別の実施例では、スプール13に前記壁を設けなくてもよい。中央壁13Cは、例えば、スプールが挿入され得るトリマーヘッド1のタイプに応じて、設けてもよいし、省略してもよい。
中央壁13Cが設けられていなくても、切断ラインFのストックは、上述したように、ハウジング3を開けることなく、切断ラインFの先端FTを挿入して巻くことができる。
図8(A)〜図8(D)の順序は、切断ラインFをトリマーヘッド1に挿入して巻き始める方法を示しており、ここでは、スプール13には中央壁13Cが設けられていない。この実施例では、切断ラインFは、軸方向の障害物がないので、より簡単に挿入することができる。切断ラインFの先端FTは、実質的に径方向に貫通し、図8(A)〜図8(C)から明らかなように、より簡単に入口開口19Aの反対側の開口19Aに到達する。作業中、切断ラインFは、二つの連続して配置された切断ライン固定要素又はピン15の間の空間に導入される(図8(A))。切断ラインFが、二つの開口19Aから実質的に同じ長さで突出する図8(C)の位置に達すると、例えば、矢印FAに従って、内部にスプール13が設けられたハウジング3に対してスプール13を回転させることが可能になり、切断ラインFのターンSFを形成し、トリマーヘッド1用のラインストックを形成する。ピン15の周りにループを形成することによって、切断ラインFはスプールに固定される。
また、図7(A)〜図7(E)に加えて、図8(A)〜図8(D)でも、切断ラインFのターンは、複数の切断ライン固定要素、即ち、ピン15の周りに巻かれる。
図9〜図11は、各々、ハウジング3から分離したスプール13の実施例の側面図、等角投影図及び平面図を示している。同じ参照符号は、図1〜図5を参照して既に説明した部材を示す。スプール軸線B−Bと同軸であり実質的に円筒形の中央壁13C及び4本のピン15に加えて、二つのフランジ13A及び13Bが示されている。また、フランジ13Bから突出するノブ13Dが示されている。
この実施例では、フランジ13A及び13Bの二つの外面上に、歯31及び33が設けられている。これらの歯31及び33は、トリマーヘッド1の使用中にラインを伸ばすための機構の一部である。ライン伸長機構は本質的に公知であり、この明細書では詳細には説明されない。簡単に説明すると、ライン伸長機構は、歯31及び33と協働するハウジング3の内側面に設けられた当接部に加えて、ハウジング3の内部でスプール13を軸方向に付勢する弾性部材とを備えている。
図9〜図11のスプール13は、プラスチックで形成され、一部品として成形され得る。
中央壁13Cで囲まれ、図10及び図11において符号13Eで示された内側空間には、トリマーヘッド1を刈払機又は他の機械(図示せず)の駆動軸に連結するための連結シャフトが設けられ得る。空間13Eには、スプリングが収容され得、このスプリングは、ハウジング3の下側部材3Bに対してスプール13を押し、切断ラインF用の伸長機構の一部をなす。
別の実施例では、スプール13は、二つの別体の成形部材から成り得、これらは、接着、超音波溶接又は任意の他の適当な方法によって結合される。図12及び図13は、二つの部材を有するスプール13の側面図及び等角投影図を各々示しており、これらの部材は連結可能であり、図12及び図13では、これらの部材は展開図で別々に示されている。同じ符号は、既に上述した部材と同一又は同等の部材を示している。
図12及び図13に示すように、この実施例では、スプール13は、第一部材及び第二部材を備えた二つの部材から成り、
・第一部材は、フランジ13A、歯31及びスプール軸線B−Bと同軸の中央壁13Cから成り、
・第二部材は、フランジ13B、歯33、ノブ13D及びピン15から成る。
図示実施例では、中央壁13Cは、スプール13の下側部分に設けられた孔13Gに挿入されるシャンク13Fまでのびている。スプール13を形成する二つの部材は、軸方向円筒壁13Cのシャンク13Fをシート(孔)13Gに溶接することによって連結され得る。
スプール13の二つの別々に成形され、その後、連結される部材は、図12及び図13に示したものとは異なるように分割され得る。図14及び図15には改良実施例が示されている。図14及び図15は、二つの構成部材に分解したスプール13の側面図及び等角投影図を示している。この実施例では、スプール13の第一部材は、フランジ13A、フランジ13B、ほぼ円筒形の中央壁13C、歯31及び歯33を備えている。フランジ13A及び13Bは、両方共、貫通孔41及び43を有し得る(図15参照)。
スプールの第二部分は、ノブ13D及びピン15を有する。
スプール13の二つの部材は、フランジ13A及び13Bに設けられた孔43及び41にピン15を挿入して、例えば、溶接又は接着することによって連結される。別の実施例では、孔43のみを設けることも可能であり、その場合、ピン15は短くされ、フランジ13Aの内側面に当接するように、又は内側面の非常に近くに位置するようにされる。
上述した実施例では、スプール13に切断ラインFを固定するための固定要素を形成するピン15は、ピンが、スプール軸線B−Bとほぼ同軸に設けられた中央壁13Cの外側に位置するような距離だけスプールの軸線B−Bから離して設けられる。逆に、他の実施例では、切断ラインF用の固定要素を形成するピン15は、円筒状壁13Cと一体に設けてもよい。スプール13のこの種の二つの実施例は、図16、17及び図18、19に各々示されている。これら四つの図面では、同じ符号は、先の実施例を参照して既に説明した部材と同一又はそれらに対応する部材を示し、再度、説明はしない。
図16及び図17では、中央壁13Cは、フランジ13Aの一部を形成し、かつ、二つのフランジ13A及び13Bの内面間の距離Dより短い軸方向長さLを有する。ピン15は、実質的に、フランジ13Bに向かう中央壁13Cの伸長部のように形成されており、かつ、実質的に距離Dと距離Lとの差に対応する長さを有する。実際には、スプール軸線B−Bと同軸の中央壁13Cには、四つの大きな窓部が設けられ、これら窓部は、各々、二つの連続して配置された切断ライン固定要素、即ち、ピン15の間に残された空間によって形成されている。図6(A)〜図6(C)に示した順序に従って、ラインFをハウジング3に収容されたスプール13に挿入する時に、切断ラインFの先端FTは、前記窓部を通過し得る。
図18及び19は、図16及び17の構成と実質的に同等の構成を示しており、この実施例では、スプール13の軸線B−Bと同軸の中央壁13Cが、二つの部材に分割されている点で異なる。各壁13Cは、二つのフランジ13A及び13Bの各一方に属し、各々フランジ13A及びフランジ13Bの内面から突出している。中央壁13Cの中心領域は隔てられており、中央壁13Cの二つの部分は、ピン15によって結合されている。従って、この構成では、円筒状壁13Cにおいて連続して配置されたピン15によって区切られた空間、即ち、窓部は、図16及び17に示すようにフランジ13Bの近くに配置される代わりに、中央壁13Cの軸方向伸長部の中間部分に配置される。他のあまり有利でない実施例では、ピン15は、フランジ13Aの内面の近くに配置され得る。切断ラインFは、通過孔19Aの一つを介してハウジング内に導入され、一対の連続して配置された切断ライン固定要素15の間に形成された前記窓部、即ち、空間の中の第一の窓部及び第二の窓部を貫通する。
図8(A)〜図8(D)を参照して先に説明したように、幾つかの実施例では、スプール13は、スプール軸線B−Bと同軸の中央壁13Cを省略することができる。図20及び21は、この種のスプール13の側面図及び等角投影図を示している。同じ符号は、上述した部材と同一又は同等の部材を示し、さらに詳細な説明はしない。フランジ13A及び13Bの間には、切断ラインF用の固定要素を形成するピン15だけが設けられており、中央壁13Cは省略されている。
図22及び23は、フランジ13Aを除いたスプール13の等角投影図及び平面図を示している。フランジは、切断ラインF用の固定要素を形成するピン15の頂部に設けられ得るが、幾つかの実施例では、フランジ13Aを完全に省略することもできる。
図24及び25は、図22及び23に示した実施例と類似した改良実施例を示しており、ここでは、4本のピンの代わりに12本のピン15が設けられており、これらは、切断ラインF用の12本の固定要素を形成する。スプール13のフランジ13A及び中央壁13Cを有さずに12本のピン15を有するこの構成は、上述した他の実施例でも使用することができる。さらに別の実施例では、切断ラインF用の固定要素を形成する異なる数のピン15が設けられ得る。
上述した図面では、切断ライン固定要素は、円形の断面を有し、スプール13の軸線B−Bと並行にのび、軸線B−Bの周りに、軸線B−Bから離して円形に配置したピン又は柱状要素15として表されている。これは、切断ラインF用の固定要素の唯一可能な構成ではない。
即ち、これらの固定要素は、例えば、非円形の断面、むしろ楕円形の断面又は多角形の断面を有するピンであってもよい。
図26及び図27は、各々スプール13の等角投影図及び平面図を示しており、これらの図では、スプール13のフランジ13Bのみが示されており、フランジ13Bには、4本のピン15が設けられ、その形状は、上述したピンの形状と等しい。また、フランジ13Bには、符号16で示された切断ラインF用の二つの形状が異なる固定要素が設けられている。固定要素16は、ほぼフィンの形状であり、好ましくは、湾曲され、例えば、スプール13の軸線B−Bと同軸の円筒状表面によって画定されている。図27には、円筒状表面が符号16A及び16Bによって各々示されている。
変形実施例では、例えば、図28及び図29に示すように、ピン状要素15を使用することなく、切断ラインF用の全ての固定要素が、フィン状要素16として形成され得る。
図26〜図29では、固定要素16が、フランジ13Aを省略し、かつ、中央壁13Cを有しないスプール13との組み合わせで表されているが、切断ラインF用の固定要素16のこの変形実施例は、異なる構成のスプール13、例えば、中央壁13Cが設けられたスプール13及び/又は上側フランジ13Aを有するスプール13にも使用され得ることは理解されるべきである。
先に説明した実施例と同様に、図26〜図29においても、各対の連続して配置された固定要素15及び16の間に空間が設けられる。切断ラインFは、図6,7及び8を参照して説明したことと同様に、連続して配置された固定要素15及び16の間の空間を通して導入され、ハウジング3内のスプール13を回転させることによって、切断ラインFが一つ又は複数の固定要素15及び16の周りにループを形成し、スプール13に係合されたままになる。
図30及び31は、本発明によるトリマーヘッド1用のスプール13の別の変形実施例を示している。この実施例では、スプール13は、別々に成形され、溶接、接着又は他の適当な方法で結合される二つの部材で構成されている。適切な成形型を使用することによって、図30及び31のスプールは、一回の成形動作によって、単一部材としても成形され得ることは理解されるべきである。
図30及び31の実施例では、スプール13は、スプール13の軸線B−Bと同軸に、相互に離間して配置されたフランジ13A及びフランジ13Bを備える。例えば、円筒状の中央壁13Cは、二つのフランジ13A及び13B間でのび得る。図30及び31のスプール13は、下側フランジ13Bから突出するノブ13Dを備えていない。
図30及び31の実施例では、切断ラインF用の固定要素15は、ピン又は柱状の形態であり、スプール13の軸線B−Bの周りに配置された4本のピンの形態である。この実施例においては、異なる形状又は異なる数の固定要素を設けてもよい。
スプール13の製造を容易にするために、ピン15によって形成された切断ラインF用の固定要素は、フランジ13A及び13B並びに中央壁13Cを備えたスプール本体とは別体の構成要素上に形成され得る。ピン15を備えた構成要素は、また、ピン15を連結するリング18を有し、ピン15は、リング18と一部品で成形され得、例えば、フランジ13Bに設けられた貫通孔43に挿入することで、一対のフランジ13A及び13Bにより簡単に装着され得る(図31参照)。組立てるとスプール13を形成する二つの構成要素は、例えば、溶接又は接着することによって結合され得、ここでは、有利にはリング18の上面がフランジ13Bの外面に接着される。ピン15の端部は、フランジ13Aの内面に接着され得る。
他の実施例では、ピン15は、別体の構成要素として製造され得、貫通孔43に個別に挿入され、フランジ13Bに、又はフランジ13A及び13Bの両方に、適切に溶接又は接着される。
図30及び31の実施例では、円筒状壁13Cの内面は、切断ラインFの緩やかな伸長を制御するためにトリマーヘッド1に設けられた不図示の公知の部材と協働するのに適した歯45を形成する。
図32,33及び34は、本発明によるトリマーヘッドで使用するスプール13の別の実施例を示している。同じ符号は、先の実施例を参照して説明した部材と同一又は同等の部材を示す。この実施例では、例えば、金属インサート49(図33及び34参照)を備えたシャンク47が、フランジ13Aの外面から突出している。金属インサート49は、刈払機の駆動軸に直接スプールを螺合するための内側ネジ付き孔51を有し得る。ネジ付孔51の代わりに、インサート49から突出するネジ付ピンを設けてもよい。
先の実施例のように、この実施例では、スプール13のフランジ13A及び13Bの間に、符号15で示される切断ラインF用の固定要素が設けられており、これら固定要素は、この実施例では、柱状又はピン状に構成されている。中央壁13Cは、フランジ13A及び13Bの間のスプール13の軸線B−Bと同軸の位置に設けられ、中央壁の外径は、ピン15が配置されているラインの直径より小さく、上述した目的のために、各ピン15と中央壁13Cの外面との間に自由空間が残るようにされている。
図35,36及び37は、フランジ13Bと共に、トリマーヘッド1の閉鎖蓋を形成するように構成されたスプール13の変形実施例を示している。フランジ13Bは、トリマーヘッド1のハウジング3の部分3Aの縁部を囲み得る周囲縁部53を備えている。この実施例では、ハウジングは、スプール13の一部で閉鎖される。この実施例では、スプール13の軸線B−Bと同軸の中央壁、例えば、円筒状壁13Cが、フランジ13A及び13Bの間に設けられ得る。二つのフランジ13A及び13Bの間には、切断ラインF用の固定要素を形成するピン15が設けられる。
図38,39及び40は、本発明によるトリマーヘッド1用のスプール13の別の実施例を示している。同一の符号は、上述した実施例の部材と同一又は同等の部材を示す。また、この実施例では、スプール13は、二つのフランジ13A及び13Bを有し、その間で、中央壁、例えば、円筒状壁13Dが、スプール13の軸線B−Bと実質的に同軸にのびている。ピン15は、壁13Cの外面から径方向に距離を開けて設けられており、切断ラインF用の固定要素を形成する。二つのフランジ13A及び13Bの外面からは、歯31及び33が突出しており、これらは、切断ラインの伸長を制御するためにトリマーヘッド1のハウジング3に一体に設けられた公知の要素と協働するように構成されている。
図41,42及び43は、本発明によるトリマーヘッド用のスプール13の別の実施例を示しており、同じ符号は、上述した実施例の部材と同一又は同等の部材を示している。
図41〜43のスプールは、実質的に、図30及び31のスプールと同様であるが、一部品として成形されている。
図面は、本発明の実際的は構成による実施例を示しているにすぎず、本発明の基礎となる概念の範囲から逸脱することなく、形態及び構成を変更できることは理解される。特許請求の範囲における符号は、明細書の説明及び図面を参照して特許請求の範囲を読み易くするために設けたもので、特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。

Claims (23)

  1. 回転軸線と、ハウジングと、ハウジングに挿入可能であり、その周りに切断ラインのストックを巻くように構成及び配置されたスプールとを備え、前記スプールが、スプール軸線の周りでのびる少なくとも一つの第一フランジを有し、
    ハウジングの内側から外側に切断ラインを通過させるための少なくとも二つの切断ライン通過孔を有するトリマーヘッドにおいて、
    前記スプールが、少なくとも一つの切断ライン固定要素を有し、前記固定要素が、スプール軸線から離間して前記第一フランジからのびている
    ことを特徴とするトリマーヘッド。
  2. スプール軸線が、スプールをハウジングに挿入した時に、トリマーヘッドの回転軸線と実質的に一致する
    ことを特徴とする請求項1に記載のトリマーヘッド。
  3. 前記少なくとも一つの切断ライン固定要素が、スプール軸線に実質的に並行に伸びている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトリマーヘッド。
  4. 前記二つの切断ライン通過孔を介してハウジングを横切って導入される切断ラインが、前記スプールをハウジングに対して回転させることによってスプールに固定されたままになり、前記回転によって、前記少なくとも一つの切断ライン固定要素の周りに切断ラインが巻かれるように、前記切断ライン固定要素が配置及び構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  5. 複数の切断ライン固定要素が、相互に角度を付けて離間され、連続して配置された切断ライン固定要素間に切断ラインの挿入用の空間を形成し、前記切断ライン固定要素が、スプール軸線から離間して、第一フランジからのびる
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  6. スプールが、第一フランジから軸方向に離間した第二フランジを有し、
    前記切断ライン固定要素が、第一フランジから第二フランジに向けてのびている
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  7. スプールが、スプール軸線を囲み、第一フランジからスプール軸線とほぼ並行にのびる中央壁を備え、
    切断ライン固定要素が、前記壁に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  8. 切断ライン固定要素が、中央壁と一体であり、前記中央壁が切断ライン固定要素間に開口を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載のトリマーヘッド。
  9. 切断ライン固定要素が、中央壁の径方向外側に配置される
    ことを特徴とする請求項7に記載のトリマーヘッド。
  10. ハウジングの内部に、少なくとも一対の周辺ガイドが配置され、前記ガイドが、前記二つの切断ライン通過孔の少なくとも一方に向けて収束する
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  11. ハウジングの内部に、二対の周辺ガイドが設けられ、各対のガイドが、前記二つの切断ライン通過孔の各一方に向けて収束する
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  12. 各周辺ガイドが、トリマーヘッドの回転軸線の周りで、少なくとも、約20°の円弧、好ましくは、少なくとも約30°の円弧、より好ましくは少なくとも約40°の円弧、より好ましくは約60°の円弧で各切断ライン通過孔からのびている
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のトリマーヘッド。
  13. 周辺ガイドが、トリマーヘッドのハウジングに配置されたインサート上に設けられている
    ことを特徴とする請求項10、11又は12に記載のトリマーヘッド。
  14. 各対の周辺ガイドが、切断ライン用の出口ブッシュを形成する中心部分を備えたインサートに設けられている
    ことを特徴とする請求項13に記載のトリマーヘッド。
  15. 各インサートが、ハウジングとは別体の構成要素によって形成され、ハウジングの内部に適用可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載のトリマーヘッド。
  16. 各インサートが、径方向に突出する中央本体を有し、それを通して切断ライン開口がのび、中央本体が、対応する切断ライン通過孔に挿入され、かつ、その中に残るように構成され、かつ、配置される
    ことを特徴とする請求項15に記載のトリマーヘッド。
  17. 前記切断ライン固定要素の一つ又は複数が、スプール軸線と実質的に並行にのびるピンによって形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  18. 前記切断ライン固定要素の一つ又は複数がフィン形状である
    ことを特徴とする請求項1〜17の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  19. 切断ライン固定要素が、スプールの第一フランジと一部品に成形されている
    ことを特徴とする請求項1〜18の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  20. 切断ライン固定要素が、フランジと別体に成形され、フランジに適用されるスプールの構成要素に設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜18の何れか一項に記載のトリマーヘッド。
  21. 回転軸と、少なくとも二つの切断ライン通過孔を有するハウジングと、ハウジングの内部に収容されたスプールとを有し、
    前記スプールが少なくとも一つの第一フランジと、スプール軸線から離間して配置され、第一フランジから回転軸とほぼ並行にのびる少なくとも一つの切断ライン固定要素を備えている
    トリマーヘッド内で切断ラインのストックを巻き取る方法であって、
    該方法が、
    前記少なくとも二つの切断ライン通過孔の第一の通過孔を通して切断ラインの一方の端部を挿入するステップ、
    トリマーヘッドの回転軸と、切断ライン固定要素との間で、前記二つの切断ライン通過孔の第二の通過孔に向けて切断ラインの端部を案内するステップと、
    切断ラインの端部を、第二切断ライン通過孔に挿入し、その端部を、第二切断ライン通過孔を通してハウジングから出すステップと、
    ハウジングを通して一定量の切断ラインをスライドさせるステップと、
    二つの切断ライン通過孔に対してハウジング内でスプールを回転させ、切断ライン固定要素の周りに前記切断ラインのループを形成し、ある長さの切断ラインをスプール上に巻取り、スプール上に前記少なくとも一つ切断ライン固定要素の周りに巻かれた一連のラインターンを形成し、切断ラインを、前記切断ライン長の中間部分でスプールに拘束し、二つの切断ライン通過孔を通してハウジングの外部に二つのラインセグメントが突出したまま残るようにするステップと
    を有することを特徴とするトリマーヘッド内で切断ラインのストックを巻き取る方法。
  22. スプールが、前記第一フランジから、回転軸線と実質的に並行にのびる中央壁を備え、
    切断ラインが、前記壁と前記少なくとも一つの固定要素との間を通過するようにした
    ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記スプールが、複数の切断ライン固定要素を備え、
    前記固定要素が、回転軸の周りで相互に角度を付けて離間して配置され、かつ、前記回転軸から離間され、
    前記切断ラインが、連続して配置された切断ライン固定要素の間の空間を通して導入され、前記複数の切断ライン固定要素の周りに巻かれ、
    前記切断ライン固定要素の周りに前記一連のラインターンが形成される
    ことを特徴とする請求項20又は21に記載の方法。
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