JP2018528827A - 多数のファセットを有する針先端 - Google Patents
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Abstract
生検装置とともに用いるための針が説明され特許請求される。針は、金属射出成形または「MIMI」プロセスを用いて製造される。針は、穿刺先端を含み、穿刺先端は、基部と、第1の切断部及び第2の切断部とを含み、第1の切断部及び第2の切断部が、基部から遠位に延び、基部が、第1の直径を画定し、基部の第1の直径が、カニューレの第1の直径に対応し、第1の切断部が、第1の切断縁及び第2の切断縁を画定し、第1の切断縁の少なくとも一部及び第2の切断縁の少なくとも一部が、基部の第1の直径を超えて外向きに延びる。
【選択図】図8C
【選択図】図8C
Description
生検試料は、多様な装置を用いて、開放的方法及び経皮的方法を含むさまざまな医療手技において、多様な方法で得られてきた。例えば、いくつかの生検装置は、ユーザが片手を用いて、十分に操作可能であり、かつ1回の挿入で患者から1つ以上の生検試料を獲得し得る。加えて、いくつかの生検装置は、例えば流体(例えば、加圧空気、生理食塩水、大気、真空等)の連通のために、電力伝達のために、及び/またはコマンドの通信等のために、真空モジュール及び/または制御モジュールにつながれ得る。他の生検装置は、別の装置とつながれたり、さもなければ接続されたりすることなく、完全にまたは少なくとも部分的に動作可能であり得る。生検装置は、定位誘導、超音波誘導、MRI誘導、陽電子放射マンモグラフィ(「PEM」誘導)、乳房特定ガンマ画像化(「BSGI」)誘導の下で、または他の方法で使用され得る。
乳房生検を実施するための最新技術は、真空補助型乳房生検装置を用いることである。この分野における現在のテキストは、2012年11月11日発表の「Vacuum−Assisted Breast Biopsy with Mammotome(登録商標)」であり、2013年著作権がDevicor Medical Germany GmBhに帰属し、Springer Medizin Verlagによって独国で公開され、著者Markus Hahn,Anne Tardivon及びJan Casselman,ISBN 978−3−642−34270−7,http://www.amazon.com/Vacuum−Assisted−Breast−Biopsy−Mammotome−Diagnostic/dp/3642342701?ie=UTF8&keywords=vacuum%20assisted%20breast%20biopsy%20with%20Mammotome&qid=1460663723&ref_=sr_1_1&sr=8−1で入手可能である。
周知の生検装置は、1996年6月18日発行の米国特許第5,526,822号、発明の名称「Method and Apparatus for Automated Biopsy and Collection of Soft Tissue」;2000年7月11日発行の米国特許第6,086,544号、発明の名称「Control Apparatus for an Automated Surgical Biopsy Device」;2003年6月12日公開の米国特許出願公開第2003/0109803号、発明の名称「MRI Compatible Surgical Biopsy Device」;2009年3月24日発行の米国特許第7,507,210号、発明の名称「Biopsy Cannula Adjustable Depth Stop」;2006年4月6日公開の米国特許出願公開第2006/0074345号、発明の名称「Biopsy Apparatus and Method」;2007年5月24日公開の米国特許出願公開第2007/0118048号、発明の名称「Remote Thumbwheel for a Surgical Biopsy Device」;2008年9月4日公開の米国特許出願公開第2008/0214955号、発明の名称「Presentation of Biopsy Sample by Biopsy Device」;2009年7月2日公開の米国特許出願公開第2009/0171242号、発明の名称「Clutch and Valving System for Tetherless Biopsy Device」;2010年6月17日公開の米国特許出願公開第2010/0152610号、発明の名称「Hand Actuated Tetherless Biopsy Device with Pistol Grip」;2010年6月24日公開の米国特許出願公開第2010/0160819号、発明の名称「Biopsy Device with Central Thumbwheel」;2010年12月16日公開の米国特許出願公開第2010/0317997号、発明の名称「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」;及び2014年7月1日発行の米国特許第8,764,680号、発明の名称「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」に開示されている。上記で列記した米国特許、米国特許出願公開、および米国非仮特許出願の各々の開示は、参照により本明細書に組み入れられる。
これらの周知の乳房生検装置の各々は、生検が行われている乳房の組織を貫通するために用いられる針を有する。外科用具のための現在周知の針製造技術は、これらの針の製造に用いられる。
米国特許第4,932,961号「Surgical Needle Configuration with Five−Sided Cross−Section」が1990年6月12日に発行された。この特許は、すべてが同じ角度サイズの3つの溝付きの縁を有する針を説明し特許請求する。針は、テーパ状端において5つの辺を有する断面を提示する。このことは、結果として、組織貫通をより容易にし、針の断面積を低減させ、傷の開口領域の効率をよりよくし、組織の歪曲を最小限にする。
米国特許第5,403,344号「Multi−Faceted Surgical Needle」が、1995年4月4日に発行された。これは、多面の断面を有するテーパ状の針ヘッドを有する外科用縫合針を説明し特許請求する。断面は、一次角度で形成された、円周方向に間隔を置かれた3つの切断縁と、各々が一次角度のうちの1つから延び、二次角度で形成される複数の延伸脚部とによって形成される。加えて、複数の接続面が、隣接する延伸脚部と隣り合う。
金属射出成形(MIM)は、金属加工プロセスであり、これによって、微粉末の金属は、測定された量の結合材料と混合されて、射出成形として周知のプロセスを通して塑性加工機器によって取り扱われることが可能である「原料」を構成する。通例は、±0.003インチ/リニアインチの寸法公差を保持することができ、成形及び焼結の専門知識によって、公差に対するより緊密な制限が可能である。MIMは、他の制作手段を通してアイテムを効率的に製造することが困難であるか、あるいは不可能である場合に、パーツを生産することができる。雌ねじ/雄ねじ等のパーツの複雑さ、小型化、またはブランド識別マーク付けに付き物の従来の製造方法に対する増大するコストは、通常は射出成形の融通性に起因して、MIM操作のコストを増大させない。https://en.wikipedia.org/wiki/Metal_injection_molding
米国特許出願公開第US2008/0281224A1号、「Biopsy Device Needle Tip」は、2008年11月13日に公開され、2011年9月16日に放棄された状態である。この特許出願は、遠位先端を備えるカニューレを有する生検装置を説明し特許請求する。遠位先端は、ブレードを含み、基部とブレードとを含む単体の金属射出成形要素であることができる。ブレードは、少なくとも40HRCの硬度を有する。ブレードは、硬化され磨かれて、その後ホーニング仕上げされて、鋭利な前縁を提供することができる。
米国特許第8,342,851B1号「Tissue Model for Testing Biopsy Needles」は、組織モデル及び試験方法を説明し特許請求する。組織モデルを用いて、生検針先端構成の設計及び試験中に組織をシミュレートすることができる。例えば、組織モデルを用いて、特有の針先端構造によって、自然の乳房組織を貫通するために必要とされる力を推定することができる。第3欄8〜13行目において、「プローブ組立体28は、側部組織受容ポート86と遠位先端94とを有する長尺の外カニューレ80を含むことができる。遠位先端94は、例えば溶接、糊付け、ろう付け、または他の好適な接合方法によって、外カニューレ80の遠位端に取り付けられる金属射出成形(MIM)要素であることができる。」と述べている。
現在、オハイオ州シンシナティのDevicor Medical Products Inc.によって製造販売されている一定の乳房生検装置は、3つの先端を有する針を有し、ここでは針先端自体がMIMによって製造される。これらの製品では、針先端は、針を作り上げる残余のパーツに溶接される必要がある。これらのプローブでは、溶接は、針の生産における付加的なステップであり、溶接は、完成品の真直度及び変形に関し、複雑さにつながる可能性がある。
既存のプロセスを置き換えて、より少ないステップを有し、同じ機能性を有する針か、または改善された機能性を有する針を製造するプロセスによって、乳房生検装置用の針を製造することが望ましい。
いくつかのシステム及び方法が、生検試料を得るために作られ用いられてきたが、発明者らの前に、添付の請求項に記載された発明を行ったかまたは用いた者はいないことが考えられる。
本明細書は、本発明を詳細に指摘し明瞭に主張する請求項で締め括られているが、本発明は、添付の図面とともに取り上げられた、以下に続く一定の例の説明からよりよく理解されることが考えられ、図中において、同様の参照符号は同じ要素を特定する。図面では、いくつかの要素または要素の部分が、破線によって描画されるように、仮想線で示される。
図面は、限定することが全く意図されておらず、図面には必ずしも描画されていないものを含む、本発明のさまざまな実施形態が、多様な他の方法で実行され得ることが意図されている。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たすが、本発明は、示された厳密な構成に限定されないことが理解される。
特許請求される本発明の第1の態様は、生検装置とともに用いるための針であって、針は、生検装置の本体から遠位に延びる長尺のカニューレであって、長尺の針が、第1の直径と切欠き部とを画定する、カニューレと、挿入部材であって、カニューレの切欠き部に挿入可能であり、側方孔を画定する、管部と、穿刺先端であって、基部と、第1の切断部及び第2の切断部とを含み、第1の切断部及び第2の切断部が、基部から遠位に延び、基部が、第1の直径を画定し、基部の第1の直径が、カニューレの第1の直径に対応し、第1の切断部が、第1の切断縁及び第2の切断縁を画定し、第1の切断縁の少なくとも一部及び第2の切断縁の少なくとも一部が、基部の第1の直径を超えて外向きに延びる、穿刺先端と、を備える挿入部材と、を備える。
特許請求される本発明の第2の態様は、生検装置の針に用いるための挿入部材であって、針は、切欠き部を含み、挿入部材は、切欠き部内部に固着され、挿入部材は、管部と、穿刺先端であって、管部が穿刺先端から近位に延び、穿刺先端が、基部であって、管部に隣接し、長径及び横径を画定する、基部と、第1の切断部であって、第1の切断縁及び第2の切断縁を含み、第1の切断縁及び第2の切断縁は、基部の長径と整列される、第1の切断部と、第2の切断部であって、第1の切断縁及び第2の切断縁を画定し、第1の切断縁及び第2の切断縁が、基部の横径と位置合わせされる、第2の切断部と、を備える、穿刺先端と、を備える。
特許請求される本発明の第3の態様は、生検装置の針に用いるための穿刺先端であって、穿刺先端は、基部と、第1の切断部であって、第1の切断縁を画定し、第1の切断縁が、基部によって画定された直径よりも大きい切断長さを画定する、第1の切断部と、第2の切断部であって、複数のファセットを画定し、各ファセットが、別のファセットと交差して、第2の切断縁を形成し、第2の切断縁が、第1の切断部の第1の切断縁に対して近位に配設される、第2の切断部と、を備える。
特許請求される本発明の第4の態様は、生検装置の針組立体のための、単一ピースの金属射出成形針先端及びカッタシェルフである。
本発明の特定の例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。当業者においては、本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、および利点が、例示を目的とし、本発明を実施することが意図される最良の形態のうちの1つである以下の説明から明らかとなろう。認識されるように、本発明では、他の異なる明白な態様が、いずれもが本発明から逸脱することなく可能である。したがって、本図面および説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
図1は、乳房生検手技のための生検装置(図示せず)に容易に組み入れられ得る、従来技術の現行の針(50)を示す。現行の針(50)は、従来技術である。現行の針(50)は、カニューレ(52)と、穿刺先端(54)と、穿刺先端(54)に対して近位に位置する側方孔(56)とを含む。穿刺先端(54)は、大きな力を必要とすることなく、組織を穿刺し貫通するように構成される。通常は、生検手技では、生検装置の組織穿刺先端を挿入する前に、外科用メスで皮膚に小さな切れ目が作られる。何人かの患者の対処において、穿刺先端(54)は、穿刺先端(54)の挿入の前に、組織に開口を予め形成することを必要とすることなく用いられるように十分に機能的であり得ることが可能であるものの、依然として、この皮膚の小さな切れ目が穿刺先端(54)を用いて作られることを要することが予想される。
代替的に、所望であれば、穿刺先端(54)は、尖っていなくてもよい(例えば、丸みを帯びる、平らである等)。穿刺先端(54)はまた、針(50)の他の部分よりも大きなエコー発生性を提供するように構成されてもよく、超音波撮像下で先端部(54)の増大された視認性を提供する。例示のみを目的として、穿刺先端(54)は、2012年3月8日公開の米国特許出願公開第2012/0059247号、発明の名称「Echogenic Needle for Biopsy Device」の教示のいずれかに従って構成されてもよく、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。当業者においては、本明細書における教示を考慮して、穿刺先端(54)のために用いられる他の好適な構成が明らかであろう。
側方孔(56)は、生検装置の操作中に脱出した組織を受容するようなサイズにされる。図示しないが、鋭利な遠位縁を有する中空の管状カッタは、現行の針(50)の第1の内腔(60)の内部に位置することが理解されるべきである。カッタは、現行の針(50)に対して回転及び並進し、側方孔(56)を通り過ぎて、側方孔(56)を通って突出する組織から組織試料を切り離すように動作可能である。例えば、カッタは、延伸位置から後退位置に移動し、ここで、カッタの遠位端は側方孔(56)の近位端に直近し、それによって、側方孔(56)を「開口させ」、組織がそれを通して突出することを可能にし、そして、後退位置から延伸位置に戻り、突出している組織を切り離し得る。本明細書で引用された任意の参考文献または他のものに記載されるように、生検装置内の機械的要素は、カッタをそのように作動させる。当業者においては、本明細書における教示を考慮して、カッタの作動を提供するための他の好適な代替的バージョン、特徴、要素、構成、及び機能性が明らかであろう。
いくつかのケースでは、現行の針(50)は、側方孔(56)を、針(50)の長さ方向軸を中心とした任意の所望の角度位置に方向付けるように手動で回転され得る。現行の針(50)の回転のための好適な構造及び/または特徴は、米国特許第8,764,680号の教示に従って、及び/または任意の他の好適な様式で構築され動作可能であってもよい。当業者においては、本明細書における教示を考慮して、手動による針(50)の回転が提供され得るさまざまな他の好適な方法が明らかであろう。現行の針(50)の回転をさまざまな方法で自動化してもよく、本明細書に引用されるさまざまな参考文献に記載された、自動化されるかまたは機械化された針回転のさまざまな形態を含むが、これに限定されないことがさらに理解されるべきである。
現行の針(50)は、カニューレ(52)によって画定された非円形の断面形状、例えば略楕円形を有する。本例では、長さ方向壁(64)は、側方孔(56)をさらに形成する内管(58)によって形成される。管(58)は、カニューレ(52)の切欠き部(53)の中に挿入される。管(58)は、任意の好適な手段、例えばレーザ溶接、接着等によって、カニューレ(52)に固定され得る。
現行の針(50)は、管(58)が切欠き部(53)に挿入されたときに形成される長さ方向壁(64)を含む。長さ方向壁(64)は、先端(54)の近位部分から近位に延びる。本例では、壁(64)は、現行の針(50)の全長に沿って延びていないが、所望であれば、壁(64)が現行の針(50)の全長に延びてもよいことが理解されるべきである。
壁(64)は、カッタに対して側方にあり、かつそれに対して平行である第2の内腔(62)を画定する。図示しないが、壁(64)は、第2の内腔(62)と第1の内腔(60)との間の流体連通に加えて、第2の内腔(62)とカッタの内腔(図示せず)との間の流体連通を提供する複数の開口部を含むことが理解されるべきである。例えば、第2の内腔(62)は、生検装置の動作中にカッタの内腔を通気させるように、大気を選択的に提供し得る。開口は、少なくとも1つの開口が側方孔(56)の遠位縁に対して遠位になる長さ方向位置に位置するように配置される。このように、カッタが、カッタの遠位切断縁が側方孔(56)の遠位縁の長さ方向位置に対して遠位になる長さ方向位置に位置する位置まで進められようとも、カッタの内腔と第2の内腔(62)とは、流体連通したままであり得る。当然ながら、本明細書で説明された任意の他の要素と同様に、任意の他の好適な構成が用いられてもよい。
図1にさらに見られるように、本例の穿刺先端(54)は、多部材先端組立体を備える。特に、穿刺先端(54)は、ブレード(51)と連結部材(57)とを備える。ブレード(51)は、概して、鋭利な遠位先端を形成するように遠位に方向付けられた一対の鋭利にされた縁を有する平らな平面部を備える。連結部材(57)は、ブレード(51)を受容するように構成された略円錐部材を備える。組み立てられると、ブレード(51)の少なくとも一部が、連結部材(57)の内部に受容され、それに対してしっかりと留め付けられる。そして、連結部材(57)は、カニューレ(52)の遠位端と管(58)の遠位端とのなかに受容される。図示しないが、いくつかの例では、連結部材(57)は、ブレード(51)を固定するためにともに留め付ける多数のパーツを備えてもよいことが理解されるべきである。例示のみを目的として、ブレード(51)及び連結部材(57)は、開示が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第8,801,742号の教示に従って構築されてもよい。
図2は、現行の生検装置で用いられる現行の針(50)の製造の現行の方法を図示する。図2に示される方法は、従来技術であり特許請求される本発明の例ではない。この方法では、内管(58)、カニューレ(52)、穿刺先端(54)、及びブレード(51)は、個々に分かれて組み立てられ、その後ともに組み合わせられる。例えば、ブロック(110〜118)において、内管(58)は、一連の製造ステップを通して構築される。ブロック(110)において、長尺の管が提供される。そして、ブロック(112)において、長尺の管が所定の長さに切断される。いったん所望の長さに切断されると、ブロック(114)において、長さまで切断された長尺の管に、側方孔(56)のための窓が切り込まれる。側方孔(56)のための窓が、長さまで切断された長尺の管に切り込まれた状態で、ブロック(116)で表されるように、管の側方孔(56)の下方に、穴がレーザで切り込まれることができる。いったん管に穴を切り込むプロセスが完了すると、ブロック(118)において、管が洗浄されデバリングされ、内管(58)が完成する。
ブロック(120〜124)において、カニューレ(52)が構築される。いったん所望のように構築されると、その後、ブロック(126、128)で表されるように、カニューレ(52)が内管(58)と組み合わせられることができる。カニューレ(52)を作成するために、ブロック(120)で表されるように、まず長尺の楕円形管が提供される。そして、ブロック(122)によって示されるように、管が所定の長さに切断される。そして、ブロック(124)で表されるように、切断動作、例えばレーザ切断によって、管の遠位端に溝が切断される。
この段階では、カニューレ(52)は作成されており、ブロック(126、128)で表されるようなステップを用いて、内管(58)と接合される状態にある。内管(58)をカニューレ(52)と接合するために、まず、ブロック(124)で表されるステップ中に形成された溝の内部に、内管(58)が位置付けられる。そして、ブロック(126)で表されるように、内管(58)が、カニューレ(52)上の適所に溶接される。溶接は、任意の好適な溶接プロセス、例えばレーザ溶接、電子ビーム溶接、ガスタングステンアーク溶接、及び/またはその他を用いて行われ得る。周知の溶接プロセスの一覧は、https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_welding_processesを参照のこと。
いったん内管(58)がカニューレ(52)に接合されると、内管(58)とカニューレ(52)とが組み合わせられた組立体は、ブロック(128)で表されるように、洗浄及びデバリングプロセスにかけられる。
穿刺先端(54)は、金属射出成形プロセス(MIM)によって作成される。このプロセスは、ブロック(130)で表される。MIMプロセスでは、細粒状の金属粉末と結合剤とを含む原料が、穿刺先端(54)の略円錐形状を形成するように構成された金型の中に、液体として注入される。これによって、冷却され離型されたニアネットシェイプ工作物が形成される。いったん離型されると、工作物は、結合材を抽出するために、溶剤及び/または熱加工を用いたさまざまな処理法にかけられる。結果として得られた工作物は、この段階では、脆くかつ多孔質である。そして、工作物は、残余の金属を凝縮させて硬化させ、工作物の構造から多孔性を取り除く焼結プロセスにかけられる。いったん焼結が完了すると、工作物は、所望の公差を達成するように研磨動作にかけられ、これによって、穿刺先端(54)の最終版が提供される。
ブレード(51)は、ブロック(140〜144)で表されるようなステップを用いて作成される。特に、ブロック(140)で表されるように、所定の厚さを有する一枚の金属薄板が提供される。そして、金属薄板は、ブロック(142)で表されるように、スタンピングプロセスにかけられる。スタンピングプロセスは、金属薄板の残りから、ブレード(51)の全体形状を有する金属薄板の一部を分離することによって、ブランク部分を生成する。そして、このブランク部分は、ブロック(144)で表されるように、研磨プロセスにかけられる。この研磨プロセスは、ブレード(51)の遠位端に鋭利な縁を作り出す。いったん研磨が完了すると、ブレード(51)が作成され、現行の針の他の要素との組み合わせが準備される。
針のさまざまなパーツは、いったん作成されると、通常は、ブロック(150)で表されるように組み合わせられる。特に、ブロック(126)で表されるように組み合わせられた内管(58)とカニューレ(52)との組立体は、穿刺先端(54)及びブレード(51)と接合される。ブロック(150)で表されるように、ブレード(51)は、穿刺先端(54)上に挿通される。そして、ブレード(51)と穿刺先端(54)とが組み合わせられた組立体は、カニューレ(52)と内管(58)とによって形成された遠位端に挿入される。そして、穿刺先端(54)をカニューレ(52)と内管(58)との組立体に、及びブレード(51)を穿刺先端(54)に接合するように、周縁が溶接される。この段階で、ブロック(126)に対して上述されたのと同様に、本明細書で先に説明されたような任意の好適な溶接プロセスを用いることができる。
いったんカニューレ(52)、内管(58)、穿刺先端(54)、及びブレード(51)が接合されると、ブロック(160)で表されるように、組立体全体が不動態化される。本例では、不動態化を用いて、現行の針(50)の耐食性を最大にする。このステップは、一般的には、針を不動態酸浴にかけることを包含する。好適な不動態化技術は、用いられる材料、及び望ましいであろう特定の不動態化量によって異なってもよい。当業者においては、本明細書における教示を考慮して、好適な不動態化法が明らかであろう。
図2の方法を見直すと、製造の代替の方法が望ましいことが分かる。1つの可能な代替の方法は、穿刺先端(54)と管(58)とを単一の不連続ユニットに組み合わせることである。そのような組み合わせは、製造性の容易さを改善し、コストを低減させ、及び/または現行の針(50)を強化するために望ましい場合がある。加えて、針の組織貫通の容易さを促進するために、さまざまな代替の穿刺先端(54)の形状寸法を提供することが望ましい場合がある。
図3〜6は、上述の現行の針の代わりに、生検装置に容易に組み入れられ得る針(210)の一例を示す。針(210)は、特許請求される本発明の一例である。針(210)は、本明細書において別段の言及がある場合を除き、上述の現行の針(50)と共通する一定の要素を有する。例えば、現行の針(50)の場合と同様に、針(210)は、カニューレ(212)と、穿刺先端(227)と、先端(227)に対して近位に位置する側方孔(236)とを備える。カニューレ(212)は、上述のカニューレ(52)と実質的に同じである。例えば、カニューレ(212)は、ハブ部材(図示せず)から遠位に延び、略楕円形の断面を備える。また、カニューレ(52)と同様に、カニューレ(212)は、以下にさらに詳細に説明されるような、針(210)のさまざまな要素を受容するための切欠き部(214)を備える。
上述の現行の針(50)とは対照的に、本例の針(210)は、挿入部材(220)を含み、これは、現行の針(50)の穿刺先端(54)、ブレード(51)、及び管(58)の組み合わせに類似している。特に、挿入部材(220)は、穿刺先端(227)及び側方孔(236)を提供するように、カニューレ(212)の切欠き部(214)に挿入可能である。図4に最もよく示されるように、挿入部材(220)は、先端部(222)と管部(230)とを備える。以下の記述で明らかとなるように、先端部(222)及び管部(230)は、挿入部材(220)を形成するためにともに溶接される必要はなく、むしろ図6に示されるプロセス中に金属射出成形されることに留意することが重要である。
図4に最もよく示されるように、先端部(222)は、概して中実の本体(223)を備える。本体(223)は、略楕円形の横断面形状を有し、これは、カニューレ(212)の楕円形状に対応する。複数の先端表面(224)は、本体(223)の遠位端に外接する。各先端表面(224)は、別の一表面(224)または多数の表面(224)と交差して、切断縁(226)を形成する。本例では、先端部(222)は、3つの先端表面(224)を備えるが、任意の好適な数の先端表面(224)が用いられてもよい。切断縁(226)は、収束して穿刺先端(227)を形成する。他の例では、すべての切断縁(226)が収束して穿刺先端(227)を形成するわけではない。例えば、いくつかの例では、切断縁(226)は、先端部(222)の各側部に沿って外向きかつ長さ方向に延びる一体型の切断ブレード(図示せず)と交差する。そのような切断ブレードは、それ自体の上に収束して穿刺先端(227)を形成し得る。
図2に示される従来技術の方法とは対照的に、図6では、特許請求される本発明の針を製造する方法は、MIM針先端が完全に形成され、その後カニューレ(212)を形成する楕円管に、針先端とともに適所に溶接されることを示している。図2では、ブロック(150)は、最後のステップのうちの1つが、MIM先端とブレードとの周辺の溶接であることを示している。
図5に図示するように、本体(223)の近位端は、長さ方向突起(228)と側方突起(229)とを画定する。長さ方向突起(228)は、本体(223)の近位端から管部(230)の中に向かって遠位に延びる。以下にさらに詳細に説明されるように、長さ方向突起(228)は、組織試料をより容易に切り離すために、生検装置(10)のカッタ(70)を受容するように構成される。
側方突起(229)は、本体(223)と管部(230)との間の界面によって画定される。以下にさらに詳細に説明されるように、管部(230)は、略円形の断面を画定する。本体(223)の略楕円形の断面から近位に延びるこの略円形の断面は、側方突起(229)を画定する。側方突起(229)は、概して、三日月形を備える。この三日月形は、カニューレ(212)の遠位端に当接するように構成される。このように、以下にさらに詳細に説明されるように、不活性部材(220)がカニューレ(212)の切欠き部(214)に挿入されると、側方突起(229)は、カニューレ(212)の少なくとも一部を塞いで封止する働きをする。
管部(230)は、本体(223)から近位に延びるとして示されている。管部(230)は、先端部(222)の近位端から延び、開放近位端(234)で終端する、長尺の円筒型の管本体(232)を備える。管本体(232)は、管本体(232)の上部に切り込まれた側方孔(236)をさらに備える。本例の側方孔(236)は、上述の側方孔(56)に実質的に類似し、側方孔(236)が、生検装置(10)の操作中に脱出した組織を受容するようなサイズになるようにされる。
図5に図示するように、管本体(232)は、線形アレイ状に配置された複数の孔(238)をさらに含む。孔(238)は、管本体(232)の側方孔(236)に対向する一側で、管本体(232)内部に位置付けられる。以下にさらに詳細に説明されるように、孔(238)は、カッタ(70)を通した組織試料の移送を支援するように、流体連通を提供するように構成される。
開放近位端(234)は、管本体(232)の閉鎖部(235)に隣接して位置付けられる。閉鎖部(235)は、概して、側方孔(236)に対して近位にある、管本体(232)の中実部として形成される。閉鎖部(235)の長さ方向長さは、側方孔(236)の長さよりも短いとして示されている。他の例では、閉鎖部(235)の長さ方向長さは、側方孔(236)よりも長いが、カニューレ(212)の長さよりも短い。以下にさらに詳細に説明されるように、閉鎖部(235)は、概して、カニューレ(212)の切欠き部(214)の近位端に当接するように構成される。以下にさらに詳細に説明されるように、閉鎖部(235)は、生検装置のカッタ(70)を受容するようなサイズにされ、それによって、閉鎖部(235)がカッタ(70)の外径を周方向に取り囲み、それによって、挿入部材(220)とカッタ(70)との間の同軸関係を維持するようにされる。
図6に示されるプロセスを用いて製造された針(210)の断面図が、図5に示される。図に示すように、針(210)が組み立てられた状態にあると、挿入部材(220)は、2つの内腔(240、242)を画定するように、カニューレ(212)の切欠き部(214)の内部に配設される。特に、カッタ内腔(240)は、挿入部材(220)の管部(230)によって画定される。カッタ内腔(240)は、概して、カッタ(70)の切断ストロークを通して、カッタ(70)を摺動可能に受容するように構成される。このように、管本体(232)の閉鎖部(235)は、カッタが後退位置にあっても、内部にカッタ(70)を包含するようなサイズにされる。
第2の側方内腔(242)は、カッタ内腔(240)の下方に画定される。特に、側方内腔(242)は、管本体(232)の少なくとも一部と、カニューレ(212)の内壁の少なくとも一部とによって画定される。不活性部材(220)が、カニューレ(212)の全長に対して近位に延びないため、側方内腔の少なくとも一部が、カッタ(70)とカニューレ(212)の内壁によっても画定されることが理解されるべきである。このように、挿入部材(220)がカニューレ(212)の一部に対して延びるにもかかわらず、側方内腔は、カニューレ(212)の全長に延び得る。
管本体(232)の孔(238)は、カッタ内腔(240)と側方内腔(242)との間に配設される。この位置付けは、孔(238)を介したカッタ内腔(240)と側方内腔(242)との間の流体連通を可能にする。加えて、孔(238)が側方孔(236)の反対に位置付けられるため、そのような流体の場所が、側方孔(236)にほぼ隣接する領域に局所化されることが理解されるべきである。いくつかの例では、カッタ内腔(240)、側方内腔(242)、孔(238)、及び側方孔(236)のこの構成は、側方内腔(242)が大気をカッタ内腔(240)に選択的に伝えることを可能にする。いくつかの例では、生検手技中の大気の存在及び選択的期間は、切り離された組織試料を、カッタを通して近位に進めることの支援となり得る。他の例では、側方内腔(242)は、大気に加えてまた大気に代えて、真空及び/または生理食塩水をカッタ内腔に選択的に供給して、組織収集プロセス及び/または生検手技を全体としてさらに支援してもよい。
針(210)を組み立てるために、オペレータは、図6に示された方法を用いる。最初に、手技は、図4において同様に示されるように、カニューレ(212)から分離された挿入部材(220)で開始する。この段階において、ブロック(250)で表されるように、挿入部材(220)がMIMプロセスによって生産される。穿刺先端(54)に関して同様に上述したように、MIMプロセスは、液体の原料を生産するため塑性及び/またはワックス結合剤と混合される粒状金属粉を用いる。次に、原料は、従来の射出成形機械に送り込まれ、原料は、挿入部材(220)の形状を有する金型の中に注入される。成形の後、成形後の挿入部材(220)が生産される。結合剤及び/またはワックスが存在するため、成形後の挿入部材(220)は、概して、さらなる処理を必要とする状態にある。結合剤及び/またはワックスを取り除くために、成形後の挿入部材(220)は、化学的または熱処理プロセスにかけられる。最終的に、当該パーツは、焼結プロセスにかけられ、挿入部材(220)を針(210)に組み付けるために好適な状態にする。いったん焼結が完了すると、挿入部材(220)は、任意には、挿入部材(220)を所定の最終公差内の状態にするために、研磨、洗浄、または他の好適な仕上げプロセスにかけられることができる。
他の例では、挿入部材(220)は、多様な他のプロセスによって形成され得ることが理解されるべきである。例えば、挿入部材(220)は、従来の機械加工方法及び/または鋳造方法を用いて形成されてもよい。さらに他の例では、挿入部材(220)は、金属3D印刷プロセスによって形成されてもよい。またさらに他の例では、挿入部材(220)は、本明細書における教示を考慮して当業者には明らかであろう任意の他の好適なプロセスを用いて形成されてもよい。
挿入部材(220)を生産することとは無関係に、カニューレ(212)もまた、ブロック(260〜264)で表されるように作成され得る。この段階において、カニューレ(212)は、最初に、ブロック(260)で表されるように、所望の管厚さを有する管素材から、所定の長さで切断される。次に、カニューレ(212)は、ブロック(264)で表されるように、切欠き部(214)を含むように切断プロセス(例えば、レーザ切断)にかけられる。
いったんカニューレ(212)に切欠き部(214)が形成されると、オペレータは、挿入部材(220)を切欠き部(214)に挿入することによって、組立を開始し得る。挿入部材(220)の挿入中に、挿入部材(220)の少なくとも一部がカニューレ(212)に挿入され得ることが理解されるべきである。例えば、管部(230)の近位端は、切欠き部(214)の遠位端に挿入され得る。同様に、先端部(222)の側方突起(229)は、カニューレ(212)の遠位端に挿入され得る。上述の代替のものでは、管部(230)または側方突起(229)の近位端の一方または両方が、それぞれ切欠き部(214)またはカニューレ(212)に単に当接してもよい。
いったん挿入部材(220)が切欠き部(214)の中に位置付けられると、ブロック(266)で表されるように、挿入部材(220)がカニューレ(212)に固定される。特許請求される本発明の一実施形態では、挿入部材(220)は、レーザ溶接、または任意の他の好適な溶接プロセスによって、挿入部材(220)とカニューレ(212)との間の界面でカニューレ(212)に固定される。このプロセスは、挿入部材(220)とカニューレ(212)との間の界面を流体封止し、それによって、アクセス可能な開口のみが側方孔(236)となるようにされる。特許請求される本発明の他の実施形態では、挿入部材(220)とカニューレ(212)との間の界面を固定し封止する数々の他の方法を用いてもよい。例えば、いくつかの例では、カニューレ(212)と挿入部材(220)との間の界面は、他の溶接プロセス、例えばガスメタルアーク溶接、ガスタングステンアーク溶接、電子ビーム溶接、または超音波溶接、もしくは溶接分野における当業者には周知の他の溶接プロセス等を用いて固定し封止され、https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_welding_processesを参照のこと。
さらに他の例では、固定及び封止のために、非溶接法、例えば接着、拡散接合、または鍛造を用いてもよい。当然ながら、当業者においては本明細書における教示を考慮して明らかであるように、任意の他の好適な接合方法を用いてもよい。
いったんカニューレ(212)と挿入部材(220)との接合が完了すると、ブロック(268)で表されるように、針(210)が洗浄され、及び/またはデバリングされる。いったん洗浄されデバリングされると、挿入部材(220)の縁は、ブロック(270)で表されるように、それらの最終的な公差まで研磨される。上述のように、研磨は、ブロック(250)で表されるように、代替的にはMIMプロセスの後に完了されてもよい。このように、研磨がMIMプロセスと関連付けて行われた場合、ブロック(270)で表されるようなさらなる研磨は、必要ではない場合がある。いつ研磨が行われたかにかかわらず、研磨は、通常は、挿入部材(220)上に十分に鋭利な穿刺先端(227)を提供するために必要であることが理解されるべきである。これは、結果として工作物がニアネットシェイプのみとなるMIMプロセスにおける限定に起因する。
研磨が完了した後、針(210)は、ブロック(280)で表されるように、不動態化にかけられる。本例では、不動態化を用いて、針(210)の耐食性を最大にする。このステップは、概して、針(210)を不動態化酸浴にかけることを伴う。好適な不動態化技術は、用いられる材料、及び望ましいであろう特定の不動態化量によって異なってもよい。当業者においては、本明細書における教示を考慮して、好適な不動態化法が明らかであろう。
図6は、上述の現行の針(50)を生産するためのプロセスと、針(210)を生産するためのプロセスとを比較する。図に示すように、針(210)を生産するためのプロセスは、結果として、6つものプロセスステップをなくす。これは、一般的には、針(50)の内管(58)、穿刺先端(54)、及びブレード(51)を単一のパーツ(例えば、挿入部材(220))に組み合わせる挿入部材(220)の構成に起因し、このような単一のパーツは、金属射出成形によって形成される。また、このことは、結果として現行の針(50)に比して、針(210)から2つものパーツをなくす。したがって、針(210)の構成は、結果として現行の針(50)の構成に比して、製造効率を向上させることが理解されるべきである。
図8B及び8Cは、上述の不活性部材(220)に容易に組み入れられることができる、代表的な代替の穿刺先端(327)を示す。穿刺先端(327)は、概して上述の穿刺先端(54)に類似して構成されるが、穿刺先端(327)が穿刺先端(327)が組織を貫通することができる容易性(例えば、貫通するための力)を高めるための特徴を含むように構成されることを除く。以下にさらに詳細に説明されるように、穿刺先端(327)のさまざまな特徴は、穿刺先端(327)の切断長さを増大させることによって、貫通するための力を高めるように構成される。加えて、組織を通って貫通するときに針(210)にかかる抗力を低減させるための特徴が含まれる。
穿刺先端(327)は、第1の切断部(330)と、第2の切断部(340)と、基部(350)とを備える。本例では、第1の切断部(330)は、第2の切断部(340)の遠位に方向付けられる。また、本例では、基部(350)は、概して、第1の切断部(330)及び第2の切断部(340)両方の近位に配設される。
基部(350)は、上述のカニューレ(212)の形状に概ね対応する形状を画定する。このように、カニューレ(212)に取り付けられると、基部(350)及びカニューレ(212)は、面一の界面を形成し、それによって、穿刺先端(327)とカニューレ(212)との間にスムーズな移行が存在することが理解されるべきである。カニューレ(212)と同様に、基部(350)は、楕円形の断面形状を画定する。このように、基部(350)は、長径(図8B及び8Cにおいて垂直方向に方向付けられる)と、横径(図8B及び8Cにおいて水平方向に方向付けられる)とを画定する。以下にさらに詳細に説明されるように、第1の切断部(330)及び第2の切断部(340)は両方とも、概して、基部(350)によって画定された長さ方向径及び横径に相対して方向付けられる。
第1の切断部(330)は、第1の長さ方向切断縁(332)と第2の長さ方向切断縁(334)とを画定する。第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)は、各々収束して、鋭利な突端(336)を形成する。加えて、第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)は、基部(350)によって画定された長径に対して平行である平面に沿って方向付けられる。第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)が、鋭利な突端(336)から近位に延びるので、第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)の少なくとも一部もまた、基部(350)の外周から外向きに延びる。図8Cに示されるように、この外向きの延伸は、外向き延伸距離(d1)を画定する。外向き延伸距離(d1)は、基部(350)の長径を超えて、組織のさらなる切断を提供するように構成される。以下にさらに詳細に説明されるように、このさらなる切断は、穿刺されたときの組織における応力を軽減し、それによって、針(210)上の抗力を低減する。
第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)は、両方とも、鋭利な突端(336)に対して、軸方向の延伸脚部及び外向き延伸脚部を画定するような角度で延びる。第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)の両方の外向き延伸脚部の合計は、第1の切断部(330)についての切断長さ(d2)を画定する。第1の切断部(330)についての切断長さ(d2)は、第2の切断部(340)によって画定された切断長さとともに合計され、穿刺先端(327)についての総切断長さを画定する。以下にさらに詳細に説明されるように、穿刺先端(327)についての総切断長さは、穿刺先端(54)の切断長さに比して、より大きい。以下にさらに詳細に説明されるように、このことは、概して結果として、穿刺先端(327)によって貫通するための力を、穿刺先端(54)に比して、直接的に低減させる。
第2の切断部(340)は、複数のファセット面(342)によって基部(350)に画定される。図8B及び8Cには、2つのファセット面(342)のみが示されているが、本例は、2つのファセットが図8B及び8Cに示されるファセット面(342)の反対に配設される4つのファセット面(342)を含むことが理解されるべきである。本例では、ファセット面(342)は、第1の切断部(330)に対して近位に配設され、それによって、第2の切断部(340)が概して第1の切断部(330)に対して近位にオフセットされるとして示される。他の例では、第2の切断部(340)は、第1の切断部(330)に対して任意の好適な位置にあるように構成されることができることが理解されるべきである。例えば、いくつかの例では、当該構成を逆にして、それによって、第2の切断部(340)が第1の切断部(330)の遠位に配設されるようにされることができる。同様に、他の例では、第1の切断部(330)及び第2の切断部(340)は、二者間に軸方向のオフセットがないように位置合わせされることができる。
各ファセット面(342)は、隣接するファセット面(342)と相対して、第1の側方切断縁(344)及び第2の側方切断縁(図示せず)を画定する。第1の側方切断縁(344)は、基部(350)の横径によって画定された平面と平行して、近位及び外向きに延びる。このように、第1の側方切断縁(344)は、第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)に対して垂直に方向付けられる。図示しないが、第2の側方切断縁もまた、基部(350)の横径によって画定された平面と平行して、近位及び外向きに延びることが理解されるべきである。このようにして、第2の側方切断縁もまた、第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)に対して垂直に方向付けられる。
上述の第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)と同様に、第1の側方切断縁(344)及び第2の側方切断縁は両方とも、軸方向延伸脚部と、外向き延伸脚部とを画定する。第1の側方切断縁(344)及び第2の側方切断縁の両方についての外向き延伸脚部の合計は、同様に第2の切断部(340)についての切断長さ(図示せず)を画定する。第1の切断部(330)についての切断長さ(d2)と、第2の切断部(340)についての切断長さとの合計は、穿刺先端(327)についての総切断長さを画定する。
図8A及び8Bでは、穿刺先端(54)と穿刺先端(327)との比較を見ることができる。図に示すように、穿刺先端(327)は、穿刺先端(54)の総切断長さのおよそ2倍である総切断長さを画定する。これは、概して、穿刺先端(327)に存在するが、穿刺先端(54)には存在しない第2の切断部(340)の存在の結果である。穿刺先端(327)により長い切断長さがあることが、一般的には、結果として、穿刺先端(54)と比して貫通するための力を低減させることが理解されるべきである。一般的には、穿刺先端(54)のブレード(51)のみが、結果として組織を切断する。結果的に、フープ応力は、穿刺先端(54)の円錐形に鋭利な部分の周囲に伸張されると、組織内部で高まる。このフープ応力は、穿刺先端(54)をさらなる組織に押し通すために必要とされる力の量を増大させる。一方、本例の穿刺先端(327)は、穿刺先端(54)の円錐形に鋭利な部分と同じ一般空間を占有する第2の切断部(340)を含む。穿刺先端(327)は、依然として組織穿刺中に組織におけるフープ応力を生成するが、このフープ応力は、第2の切断部(340)が、基部(350)によって画定された横径まで組織が伸張されると、さらなる組織の切り離しを提供するため、低減される。
上記に加えて、穿刺先端(327)はさらに、第1の長さ方向切断縁(332)と第2の長さ方向切断縁(334)とによって画定された外向き延伸距離(d1)を介して貫通するための力を低減する。特に、図8Aに図示するように、穿刺先端(54)のブレード(51)は、概して外向きに延び、それによって、ブレード(51)は、カニューレ(52)と同一平面上にある外側位置で終端する。一方、第1の長さ方向切断縁(332)及び第2の長さ方向切断縁(334)は、外向き延伸距離(d1)を画定するようにカニューレ(212)を超えて延びる。外向き延伸距離(d1)は、カニューレ(212)の直径を超えてさらなる組織を切り離すことを提供し、これは、穿刺先端(327)が組織を通って貫通するときの組織におけるフープ応力をさらに低減させる。このことは、さもなければカニューレ(212)上に与えられる抗力を低減させる。
上述の穿刺先端(227)と同様に、本例の穿刺先端(327)は、概して、図6に関して上述されたものと同じプロセスを用いて構築される。例えば、最初に、穿刺先端(327)は、上述と同様に、MIMプロセスを用いて構築される。次に、切断縁(332、334、344)は、上述と同様に、切断縁(332、334、344)をあらかじめ定義された一定の公差の状態にするように、研磨プロセスによって画定される。
図9A〜9Dは、さまざまな代替の穿刺先端(427、527)を示す。穿刺先端(427、527)は、概して上述の穿刺先端(327)と実質的に同じであるが、穿刺先端(427、527)が穿刺先端(327)のファセット面(342)を超えて付加的なファセット面(442、542)を含むことを除く。例えば、図9A及び9Bに示される穿刺先端(427)は、5つのファセットを含む。代替的に、図9C及び9Dに示される穿刺先端(527)は、9つのファセットを含む。当然ながら、他の例では、穿刺先端(327)は、当業者においては、本明細書における教示を考慮して明らかであるように、任意の好適な数のファセット(342)を含むように構成されてもよい。制約されることはないが、針上のファセット数が増加するにしたがって、乳房の組織を「貫通させるための力」が減少することが考えられ、これは、特許請求される本発明の針(複数可)の望ましい特徴である。
上述の特徴及び機能性を提供するとして、さまざまな代替の針が以下に説明されているが、当業者においては、本明細書における教示を考慮して、他の例が明らかであろうことが理解されるべきである。さらに、本明細書で説明された針のさまざまな特徴及び/または構造が、本明細書で説明された他の針に容易に組み入れられることが理解されるべきである。
本発明のさまざまな実施形態を示し説明してきたが、本明細書で説明された方法及びシステムのさらなる改変が、当業者による適切な変更によって、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得る。そのような可能性のある変更のうちのいくつかが言及されており、他のものは、当業者には明らかであろう。例えば、上記で述べられた例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、ステップ等は、例証のためであり、必要とされるものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項の観点から考慮されるべきであり、明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の詳細に限定されないものと理解される。
Claims (20)
- 生検装置とともに用いるための針であって、
(a)前記生検装置の本体から遠位に延びる長尺のカニューレであって、前記長尺の針が、第1の直径と切欠き部とを画定する、前記カニューレと、
(b)挿入部材であって、前記カニューレの前記切欠き部に挿入可能であり、
(i)側方孔を画定する、管部と、
(ii)穿刺先端であって、基部と、第1の切断部及び第2の切断部とを含み、前記第1の切断部及び前記第2の切断部が、前記基部から遠位に延び、前記基部が、第1の直径を画定し、前記基部の前記第1の直径が、前記カニューレの前記第1の直径に対応し、前記第1の切断部が、第1の切断縁及び第2の切断縁を画定し、前記第1の切断縁の少なくとも一部及び前記第2の切断縁の少なくとも一部が、前記基部の前記第1の直径を超えて外向きに延びる、前記穿刺先端と、
を備える前記挿入部材と、を備える、前記針。 - 前記カニューレが、第2の直径をさらに画定し、前記カニューレの前記第2の直径が、前記カニューレの前記第1の直径よりも大きい、請求項1に記載の針。
- 前記穿刺先端の前記基部が、第2の直径をさらに画定し、前記基部の前記第2の直径が、前記基部の前記第1の直径よりも大きい、請求項2に記載の針。
- 前記基部の前記第2の直径が、前記カニューレの前記第2の直径に対応する、請求項3に記載の針。
- 前記第2の切断部が、第1の切断縁及び第2の切断縁を画定する、請求項1に記載の針。
- 前記第2の切断部の前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁が、両方とも前記第1の切断部の前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁に対して垂直に配設される、請求項5に記載の針。
- 前記第2の切断部の前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁が、両方とも前記第1の切断部の前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁に対して近位に配設される、請求項5に記載の針。
- 前記第2の切断部が、複数のファセットを画定する、請求項1に記載の針。
- 前記第2の切断部の前記複数のファセットのうちの少なくとも2つのファセットが、前記第2の切断部に関連付けられた切断縁を画定する、請求項8に記載の針。
- 前記第2の切断部が、4つのファセットを画定する、請求項8に記載の針。
- 前記第1の切断部が、前記第2の切断部の前記複数のファセットのうちの少なくとも2つの間に配設される、請求項8に記載の針。
- 前記第1の切断部の前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁が、鋭利な突端を形成するように交差する、請求項1に記載の針。
- 前記カニューレが、外面を画定し、前記基部が、外面を画定し、前記カニューレの前記外面及び前記基部の前記外面が、前記基部と前記カニューレとの間のスムーズな移行を形成するように整列するように構成される、請求項1に記載の針。
- 前記挿入部材が、前記カニューレに溶接される、請求項1に記載の針。
- 前記挿入部材が、前記カニューレにレーザ溶接される、請求項14に記載の針。
- 生検装置の針に用いるための挿入部材であって、前記針が、切欠き部を含み、前記挿入部材が、前記切欠き部内部に固着され、前記挿入部材が、
(a)管部と、
(b)穿刺先端であって、前記管部が前記穿刺先端から近位に延び、前記穿刺先端が、
(i)前記管部に隣接し、長径及び横径を画定する、基部と、
(ii)第1の切断縁及び第2の切断縁を含み、前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁が、前記基部の前記長径と整列される、第1の切断部と、
(iii)第1の切断縁及び第2の切断縁を画定し、前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁が、前記基部の前記横径と位置合わせされる、第2の切断部と、
を備える、前記穿刺先端と、を備える、前記挿入部材。 - 前記第1の切断部の前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁が、前記第2の切断部の前記第1の切断縁及び前記第2の切断縁に対して垂直に方向付けられる、請求項16に記載の挿入部材。
- 前記管部が、側方孔と複数の開口とを画定し、前記複数の開口が、前記側方孔と整列される、請求項16に記載の挿入部材。
- 生検装置の針に用いるための穿刺先端であって、前記穿刺先端が、
(a)基部と、
(b)第1の切断縁を画定し、前記第1の切断縁が、前記基部によって画定された直径よりも大きい切断長さを画定する、第1の切断部と、
(c)複数のファセットを画定し、各ファセットが、別のファセットと交差して、第2の切断縁を形成し、前記第2の切断縁が、前記第1の切断部の前記第1の切断縁に対して近位に配設される、第2の切断部と、
を備える、前記穿刺先端。 - 生検装置の針組立体のための、単一ピースの金属射出成形針先端及びカッタシェルフ。
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