本発明は、マルチロータ飛翔機械(multi−rotor flying machine)を提供し、前記機械は、その上又はその中にモータが取り付けられているボディと;前記モータの周りに配置され、前記モータから側方外向きに間が空いている少なくとも3つの位置のそれぞれにおいて、それぞれのマストの上に回転のために取り付けられているそれぞれのヘッドロータと、を含む。各ヘッドロータを回転させるために、それぞれのドライブラインによって、前記モータは、各マストに駆動的に接続される。少なくとも1つのマストに隣接して、前記機械は、ピッチドライバ又はロータ、若しくは並進ロータを含むピッチラダーシステムを更に含む。前記ヘッドロータが推力を提供するために動作可能なものであり、前記ピッチラダーシステムは、前記ヘッドロータの動作に独立して、ヨーが達成されることを可能にする配置である。
前記機械は、単一のピッチラダーシステムのみを有することができる。しかしながら、前記機械は、前記マストの少なくとも2つのそれぞれに隣接したそれぞれのピッチラダーシステムを有することができる。1つの形態においては、前記機械は、各マストに隣接したそれぞれのピッチラダーシステムを有する。
第1の形態において、本発明は、少なくとも3つの主アーム又は舷外材(outriggers)を有するマルチロータ飛翔機械を提供し、前記少なくとも3つの主アーム又は舷外材は、それぞれ、前記ボディからそれぞれの方向に外向きに延び、各主アーム又は舷外材は、前記ボディから離れた前記主アーム又は舷外材の端部に、又は隣接して前記それぞれのマストの上に、回転のために取り付けられている前記ヘッドロータのそれぞれの1つを有する。前記モータは、それぞれの主アーム又は舷外材に沿って延びている前記それぞれのドライブラインによって各マストに駆動的に接続されている。少なくとも1つの主アーム又は舷外材は、前記ボディから離れたその端部に取り付けられているピッチドライバ又はロータ、若しくは並進ロータを含むピッチラダーシステムを有する。
第2の形態において、前記ボディは、前記モータを越えて外向きに延び、前記ボディがシャーシを有し、前記シャーシの上に前記モータ及び前記マストのそれぞれが支持され、前記シャーシを亘って前記ドライブラインのそれぞれが延びている。特に、その形態においては、前記ボディは、作業者に収容を提供することができる内部を有することができる。前記内部は、貨物、乗客、又は貨物と乗客の組合せのための内部スペースも提供することができる。しかしながら、第一の形態の前記ボディは、前記ボディから外向きに延びているアーム又は舷外材の離れた端部に、各マストが取り付けられているにも関わらず、そのような内部を有することもできる。また、前記機械は少なくとも1つのピッチラダーシステムを含む。
前記機械の各形態においては、前記機械の前部から後部端部への中心線に対して、前記マストが実質的に対称的に配置されているような配置である。前記マストの数及び配置は、前記マストが、三角形、四角形、五角形、六角形、又は八角形アレイなど均一な多角形アレイで、前記ボディの周りに配置されている。前記機械の第一の形態においては、前記ボディは、そのような多角形アレイに適応する形状を有することができるが、代わりに前記ボディは、他の好都合な形状のものを有することもできる。前記機械の第2の形態においては、前記ボディは、前記多角形アレイと少なくとも同じ形状を有することが最も好都合である。
前記機械は、ただ一つのピッチラダーシステムを有する場合、最も好都合であるのは、前記1つのシステムは、前記機械の前部から後部への中心線の上に又は隣接するように、マストに隣接して配置され、より好都合なことには、前記後部端部で配置されている。しかしながら、少なくとも2つのピッチラダーシステムを有する機械については、前記システムのそれぞれは、ぞれぞれのマストに隣接し、一方前記システムは、前記中心線に対して対称的に配置されていることが好ましい。したがって、2つのピッチラダーシステムを有する機械については、それらいずれかそれぞれは、前記中心線上に又は前記中心線に隣接して配置される、若しくは前記中心線のそれぞれの側に対して間が空いている。3つのピッチラダーシステムを有する機械については、前記中心線上に又は前記中心線に隣接している1つを有し、他の2つのそれぞれが前記中心線のそれぞれの側に対して間が空いている。前に示されるように、各ピッチラダーシステムは、それぞれのマストに隣接している。
前記機械は、各マスト上に回転のために取り付けられる単一のそれぞれのヘッドロータを有することができる。各単一のヘッドロータは、前記それぞれのマストの前記ヘッドに、又は前記それぞれのマストの前記ヘッドに隣接して取り付けられることが最も好都合である。各単一のヘッドロータは、前記それぞれのマスト上で又は前記それぞれのマストと共に回転可能であることができる。代替の配置においては、それぞれの同軸対のヘッドロータは、各マスト上に回転のために取り付けられる。各対の各ロータは、逆回転のために取り付けられるのが最も好都合である。各対のロータは、前記それぞれのマスト上に又は前記それぞれのマストに対して(例えば、前記マストのヘッドに又は前記マストのヘッドに隣接して)回転のために取り付けられることができる。ロータの各対は、前記マストの部分を形成する外側スリーブ上に回転のために取り付けられる下部ロータと、前記外側スリーブによって画定されるボア内で配置されている前記マストのシャフト上に回転のために取り付けられている上部ロータとを含む。
本発明に係る機械によって、多くの実用的な利点が得られる。第1の利点は、それが単一のモータの使用を可能にし、前記単一のモータは、個々の電動機の集合した能力よりもより大きい作業能力を有することができる点である。第2の利点は、前記単一のモータが、個々の電動機の集合体よりも、重量比に対して非常に増加した力を有することができる点である。複数の個々の電動機の代わりに、単一の電動機は、本発明に係る機械に、少なくともUAVの場合に用いられることができる。しかしながら、本発明は、前記機械が、個々の電動機の代わりに内部燃焼(IC)エンジンを含む単一のモータを有することができ、好ましくは有する点で更に重要な利点を提供する。
本発明に係る機械中のICエンジンの使用により、前記ICエンジンは、ガソリン、ガス、エタノール、又は他の好適な液体燃料で動作されるものであり、ガス状でも液体燃料でもあることができる。前記ICエンジンは、2ストローク又は4ストロークガソリン若しくはディーゼル動力エンジンなどの断続燃焼エンジン、又はガスタービンエンジンなどの連続燃焼エンジンであることができる。特に、UAV又はドローンの状況においては、単一のICエンジンは、十分な力及び非常に拡大した飛行時間のための耐久性を提供することができる。例えば、UAV又はドローンとしての使用に好適であり、ガソリンで作動される25ccの2−ストロークICエンジンを有する本発明に係る機械は、ガソリンのリットル当たり40〜60分間の飛行時間に連続的に操縦可能であることが分かった。実時間は、対気速度によって異なるが、これらの拡大した飛行中の最大燃料消費は、1分間当たり25ml未満であった。現在の徴候は、非常に長い飛行時間が達成されることができることである。また、電動機とは違って、ICエンジンは、燃料が利用可能である間、その範囲内で出力パワーの任意のレベルを維持することができる。一方、電動機は、最大効率のための高い速度で作動する必要があるが、利用可能な速度は、バッテリ電圧とともに減少する。
本発明に係る機械における使用のための好適な2−ストロークICエンジンの例は、その開示が本明細書中に組み込まれる国際特許明細書WO2014/078894の開示に従ったエンジンである。WO2014/078894のエンジンは、エンジン機構を有するICであり、前記エンジン機構は、対向する対のピストンの各ピストンが接続し、軸方向に直列(inline)なシリンダのそれぞれの1つへ前記ピストンに往復運動をさせるクランクピンを有するクランク軸を含む。前記エンジンのクロスヘッドは、その上に前記ピストンのそれぞれの1つが取り付けられている対向する端部を有する。また、前記エンジンは、ピストンが駆動し往復運動をすると、ピストンの周方向への振動が引き起こさせる前記クランクピンと前記クロスヘッドとの間のカップリングを有し、周囲の振動が非対称なポート開閉時期の採用を可能にし、各ピストンが、入り口及び排出口と働きあって非対称なポート開閉時期を可能にすることができるフォーメーションを画定するクラウンを有することが好ましい。
本発明に係る機械の単一のモータは、動作可能であり、各ヘッドロータと実質的に同じ駆動を提供することができ、それによって実質的に同じ速度で、前記ヘッドロータの全てが回転することができる。このことは、特にヨー及びヨーレートが、ヘッドロータが回転される速度と独立して制御されることを可能にするため、非常に望ましい。好適な駆動装置の提供によって、他のヘッドロータに対して少なくとも1つのヘッドロータの回転速度の幾つかの変動を可能にすることができ;このような変動は、1つの対向する対のヘッドロータと他の対向する対のものとの間で可能であることが好ましい。しかしながら、ヘッドロータ速度における変動は、必要ではなく、このような変動の主な利点は、ピッチ又はロールにおける変動を可能にすることであるので、本発明の機械において、この利点は、他の手段で可能にされることが好ましい。
前記モータと前記ヘッドロータが取り付けられている前記マストとの間で作動するそれぞれのドライブラインからの駆動によって、各ヘッドロータは、回転可能であり、前記ヘッドロータの前記回転翼又はブレードのピッチの制御を可能にするように、各ヘッドロータは、それぞれのマスト上に配置されるのが好ましい。これについて、その上で前記ヘッドロータが回転可能である前記マストに対して、各翼又はブレードは、実質的に放射状に前記翼又はブレードに沿って延びている軸上で回転可能である。したがって、各ヘッドロータの前記翼又はブレードは、前記ヘッドロータが回転可能である平面又は回転ディスクに対して、必要とされる正、負、又はニュートラルの傾きに合わせて調節されることができる。各ヘッドロータは、前記マストに垂直に且つ前記マストを通って延びている共通の軸上で配置されている実質的に直列の回転翼又はブレードを2つ含むことができる。または、各ヘッドロータは、前記マストに対して放射状に延びているそれぞれの軸に配置されている、少なくとも3つの均一に間が空いている翼又はブレードを有することができる。それぞれの場合において、ピッチの制御のために、各翼又はブレードは、それぞれの軸の周りを回転させることで調節可能である。ヘッドロータの各翼又はブレードの制御の手段は、それぞれの調節アセンブリを含み、前記調節アセンブリは、各ヘッドロータのための前記マストに隣接して、例えば、制御装置から作動させることができる前記アセンブリが設けられる前記それぞれの主アーム又は舷外材の上に取り付けられることができる。
各調節アセンブリは、正極端(extreme)と負極端との間に、前記翼又はブレードのピッチを変えるために、ヘッドロータの各翼又はブレードを回転させるように動作可能なそれぞれの連結系を含むことができる。コンパクトな連結系の提供を容易にすることができるように、前記ヘッドロータの前記マストに、又は前記ヘッドロータの前記マストの近くなどに、各アセンブリは、取り付けられることが最も好都合である。各調節アセンブリの前記連結系は、それぞれのサーボモータ装置の作動によって、各翼又はブレードのピッチを変えるために動作可能であることができる。前記サーボモータ装置は、極端位置間で逆方向に動かすことができる回転可能な出力部材を有することができ、前記それぞれのヘッドロータの前記翼又はブレードのピッチを調節するために前記出力部材は、前記連結系によって接続される。
前記マストは、外側スリーブと、前記スリーブ内で同軸的に延びているシャフトとを含み、前記スリーブに対して前記シャフト上に又は前記シャフトと共に、前記ヘッドロータは、回転のために取り付けられることができる。この形態のマストにおいて、前記スリーブに対して軸方向に前記シャフトを調節することで、前記調節アセンブリは、前記ヘッドロータの前記翼又はブレードのピッチを変えるために動作可能である。一つの配置において、前記スリーブに対する前記シャフトの軸調節は、サーボモータ装置の提供によって、達成されることができる。連結系の第1の部分によって、前記サーボモータの出力部材は、前記シャフトに接続され、前記連結系の第2の部分は、前記ヘッドロータの前記スリーブと各翼又はブレードとの間の接続を提供する。前記サーボモータ装置の作動が前記連結系の前記第1の部分を調節し、前記スリーブに対して前記シャフトを上昇又は下降させ、前記シャフトのこの相対的運動は、前記連結系の前記第2の部分の調節をもたらし、必要な分だけピッチを変えるのに十分な角度によってそれぞれの軸上に必要な方向へ、前記翼又はブレードを回転させるような配置である。
代替の配置において、前記マストに対して同軸的に取り付けられた2つの隣接した環状ディスクの固定された一つに、前記サーボモータ装置の前記出力部材は、前記連結系の第1の部分によって接続され、前記2つのディスクの他の一方は、回転可能で、前記連結系の第2の部分によって、前記ロータの各翼又はブレードに接続される。前記サーボモータ装置の作動が、前記連結系の前記第1の部分を調節し、隣接するディスクを前記マストに対して軸方向に動かし、この軸方向の移動は、前記連結系の前記第2の部分の調節をもたらし、前記翼又はブレードを回転させ、それによってピッチを変えるような配置である。
前記翼又はブレードのピッチを変更する配置において、前記サーボモータ装置は、細長部材の1つの端部に接続され、前記細長部材の他の端部は、前記連結系の前記第1の部分に接続されることができる。前記連結系の前記第1の部分及び前記第2の部分の調整によって、前記翼又はブレードのピッチの変動を引き起こすために、前記出力部材の弓状運動は、前記細長部材端部の長軸方向のプッシュプル運動をもたらす。しかしながら、そのような細長部材を用いたプッシュプル配置は、前記サーボモータ装置の出力部材と前記連結系の前記第1の部分との間の更なる直接結合によって回避されることができる。したがって、前記出力部材は、回転可能なディスク又はラジアルアームを有する回転可能な出力ロッドを含むことができ、連結系の前記第1の部分の少なくとも1つの連結部材は、前記回転可能なディスク又はラジアルアームに接続されることができる。
前記連結系中に2つの隣接するディスクを含む各調節アセンブリ配置において、前記ディスクは、スワッシュプレートを形成することができ、前記ディスクが前記それぞれのマストに対して合わせて傾くことができる。上部ディスクは、前記マストと共に回転可能であり、下部プレートは、回転に対して保持される。各翼又はブレードは、連結系のそれぞれの上部連結によって、上部プレートと接続され、前記下部プレートは、前記連結系のそれぞれの下部連結によって、前記サーボモータ装置の前記出力部材に接続される。極端位置間の前記出力部材を動かすための前記サーボモータ装置の作動は、下部連結を調節し、極端間で前記出力部材が動かされる位置に応じた方向に、下部ディスクの傾きを起こし、上部連結を調節する上部プレートの対応する傾きが生じ、ヘッドロータが回転可能である平面に、前記回転翼又はブレードの傾斜の変化を引き起こすことで、ピッチを調節する。その平面に対する傾斜の変化は、正、負、又はニュートラルの位置であることができる。
前述の記載において、使用されるサーボモータは、ヘッドロータに駆動を提供する電動機に伝動を与えるため用いられるバッテリパックによって動力を与えられることができる。しかしながら、前記ヘッドロータのための駆動が内部燃焼機関によって提供される場合、前記サーボモータは、ICモータによって駆動される交流機及び電圧調整器によって維持されるマイナーバッテリパックによって動力を与えられることができる。
各主アーム又は舷外材は、細長い形態のものであり、最も好都合なことには、前記それぞれのヘッドロータのための前記ドライブラインを収容する。前記主アーム又は舷外材は、断面がチャネル形状であることができるが、円形又は四角部分管状形態などのものなど、管状形態であるものが好ましい。各形態において、各主アーム又は舷外材は、荒い(robust)使用に対してもその形態を保持することができるのに十分に硬く強固である。前記主アーム又は舷外材は、エンジニアリングプラスチック材料、例えば、炭素繊維強化プラスチック材料などの繊維強化プラスチック材料など、好適な合成プラスチック材料からなることができる。または、前記主アーム又は舷外材は、アルミニウム合金又はチタン合金など、好適な軽金属合金からなることができる。最も好ましくは、前記ボディ及び前記アーム又は舷外材は、モノコックシャーシ構造の部分を形成する。
前記ボディは、前記主アーム又は舷外材のために示されたものと類似の材料からなることが好ましい。前記ボディは、前記主アーム又は舷外材と一体化して形成されることができる。しかしながら、損傷した部品の交換を容易にするために、前記主アーム又は舷外材は、取り外しが可能な接続によって、前記ボディに固定されることができ、好ましくは固定される。前記主アーム又は舷外材を前記ボディに固定する前記取り外しが可能な接続は、スクリューねじ状コネクタの提供などによって、任意の好都合な形態であることができる。
前記モータは、前記ボディの中に又は前記ボディの上に取り付けられることができ、前記モータは、前記ボディ内に収容されることが好ましい。各ヘッドロータの同時回転のための、それぞれのドライブラインを通って、各マストへの前記モータの出力部材の駆動接続を可能にする任意の好都合なように、前記モータは、取り付けられることができる。前記モータは、まっすぐな軸上に回転可能な出力シャフトを有することができ、前記出力シャフトは、各主アーム又は舷外材のための前記ドライブラインのそれぞれの回転可能な部材に駆動的に接続される出力部材を有する。前記出力部材は、ギアであることができ、各回転可能な部材は、前記ドライブラインの第1のギアシステムのギアであることができる。その場合、前記ドライブラインは、ドライブシャフトを更に含むことができ、前記ドライブシャフトは、前記第1のギアシステムによって回転可能であり、前記主アーム又は舷外材から離れた端部において、前記ドライブラインの第2のギアシステムに、好ましくはそれぞれの主アーム又は舷外材を通って延び、前記第2のギアシステムは、それぞれのヘッドロータの前記マストの上のギア部材に駆動的に接続されている。前記モータが、前記それぞれのドライブラインを通って、各ヘッドロータの同時回転のための駆動を提供することができるような配置である。各ヘッドロータは、同じ速度で回転されることが好ましいが、一方で前記ドライブシャフトの端部の1つ、他方、又は両方における駆動接続のギア比における違いによって、少なくとも1つのヘッドロータが、他のものと異なる速度で回転されることも可能である。
または、前記モータの前記ドライブシャフト上の前記出力部材は、ギアであることができ、前記ギアは、各ドライブラインのそれぞれの第1の滑車輪又はギアに駆動を付与し、前記ドライブラインは、無端ケーブル又はベルトも含み、前記無端ケーブル又はベルトは、前記第1の滑車輪又はギアの周り、前記主アーム又は舷外材に沿って、離れた端部まで、前記マスト上のギア部材に駆動を付与する前記ドライブラインの第2の滑車輪又はギアの周りを通過する。この場合、前記モータはまた、前記それぞれのドライブラインを通って各ヘッドロータの同時回転のための駆動を提供することができる。更に、前記ヘッドロータのいずれも、同じ速度で回転可能であることができる。又は、少なくとも1つは、前記マスト上の前記出力部材及び前記第1の滑車輪及び/又は前記第2の滑車輪及び前記ギア部材によって決定されるので、無端ケーブル又はベルトの1つ、別の一方、又は各端部での駆動比に応じて、他のものと異なる速度で回転することができる。
示されるように、ピッチラダーシステムは、前記ボディから離れている主アーム又は舷外材の端部に隣接してなど、少なくとも1つのマストに隣接して取り付けられている。少なくとも2つ以上のマストに隣接したそれぞれのピッチラダーシステムがあってもよい。1つの形態においては、各主アーム又は舷外材の離れた端部に隣接するなど、各マストに隣接しているそれぞれのピッチラダーシステムがある。前記ピッチラダーシステム、又は前記少なくとも2つのピッチラダーシステムのそれぞれは、離れた端部で、前記それぞれの主アーム又は舷外材上で取り付けられることができる。前記ピッチラダーシステムのための駆動は、前記それぞれのマストの下部端部から提供されることができるが、そうではないことが一般的に好ましい。前記ヘッドロータが回転可能である平面に実質的に垂直である平面において、水平に配置されている軸上で、前記ピッチドライバ又はロータが回転可能であり、それによって前記又は各ピッチラダーシステムが前記それぞれの主アーム又は舷外材の上ではなく下に取り付けられることが好ましいことを考えると、前記それぞれのヘッドロータと前記ピッチラダーシステムのピッチドライバ又はロータとの間にクリアランスが求められる。これを可能にするために、その離れた端部でピッチラダーシステムを有する各主アーム又は舷外材の下に第2のアーム又は舷外材が、機械に設けられることができ、前記ピッチラダーシステムは、前記第2のアーム又はラダーシステム上に取り付けられる。
本発明をより完全に理解できるために、添付の図面に対する参照が為される。
図1は、機械の前方及び上方からの斜視図における本発明の1つの実施形態に係るマルチロータ飛翔機械を示す。
図2は、幾つかの部品を省略した機械の後方及び上方からの斜視図における、図1の機械を示す。
図3は、図1の機械の中央領域を拡大して示す。
図4は、図3に対応するが幾つかの部品は省略されている。
図5は、図3のもので示される機械の中心領域の側面図である。
図6は、図2の右側から拡大した外側領域を示す。
図7は、図2の前方、左側から拡大した他の外側領域を示す。
図8は、機械本体及びロータを除いた、図1の機械の駆動系を示す。
図9は、図1の機械の右側部分の側面図を示す。
図10は、下方から見た図9に示される機械部分を示す。
図11Aは、図10の一致線XI(A)−XI(B)上の対向する方向で取られる断面図である。
図11Bは、図10の一致線XI(A)−XI(B)上の対向する方向で取られる断面図である。
図12Aは、図1の機械に適した電動機の斜視図を示す。
図12Bは、図1の機械に適した電動機の平面図を示す。
図12Cは、図1の機械に適した電動機の側面図を示す。
図13Aは、図12に対応するが、図1の機械に適したICエンジンを示す。
図13Bは、図12に対応するが、図1の機械に適したICエンジンを示す。
図13Cは、図12に対応するが、図1の機械に適したICエンジンを示す。
図14Aは、WO2014/078894で図1の機械に好適な図1及び図3に対応する2−ストロークICエンジンの斜視図を提供する。
図14Bは、WO2014/078894で図1の機械に好適な図1及び図3に対応する2−ストロークICエンジンの部分断面図を提供する。
図15は、図1に対応する図における、本発明に係るマルチロータ飛翔機械の第2の実施形態を示す。
図16Aは、本発明に係る機械のための代替のモノコックシャーシ形態を示す。
図16Bは、本発明に係る機械のための代替のモノコックシャーシ形態を示す。
図面の図1〜14は、マルチロータ飛翔機械10を示す。図示された形態における機械10は、無人車両であり、特に、システムR(1)、R(2)、及びR(3)として区別される3つのロータシステムRを有するものである。したがって、機械10は、トライコプタを含む。しかしながら、機械10の特徴は、クアッドコプタ、ペンタコプタ、ヘキサコプタ、オクトコプタ、又は他の更に上位のマルチロータ機械を含むような3より大きいロータシステムRを有する機械が存在し得る。
機械10は、その上又はその中に、モータ14が取り付けられているボディ12を有する。ボディ12は、離陸しないときにその上に機械が立つ、前後対の支持体13を有する。また、各ロータ系Rは、それぞれのヘッドロータ16を有し、位置L(1)、L(2)、及びL(3)として区別される3つの位置Lのそれぞれに、ヘッドロータ16は、各マスト18の上に取り付けられ、モータ14の周りに配置され、且つモータ14から側方外向きに間が空いている。ドライブラインD(1)、D(2)、及びD(3)として区別される、3つのドライブラインDのそれぞれ1つは、マスト18の軸Z(m)上の各ヘッドロータ16を回転させるために、モータ14を各マスト18に駆動的に接続する。少なくとも1つのマスト18に隣接し、機械10は、ピッチドライバ又はロータを含むピッチラダーシステムP、若しくは、隣接しているマスト18の軸Z(m)を含む平面に実質的に垂直な横軸Y上で回転可能な並進ロータ22を更に含む。ヘッドロータ16が推力を提供するために実施可能であり、ピッチラダーシステムPがヘッドロータ16の動作とは独立してヨーを達成することを可能にするような配置である。
単一のピッチラダーシステムPのみを有するものとして機械10が示され、機械10は、マスト18の少なくとも2つのそれぞれに隣接して、又は各マスト18に隣接して、それぞれのピッチラダーシステムPを有することができる。必須ではないが望ましくは、単一のシステムP又は2つ以上のシステムPのそれぞれは、機械10の前後中心線Cに対して実質的に対称的に配置される。したがって、望ましい対称性と一貫して、示される1つのシステムPは、線C上又は線Cに隣接し、各システムが各位置Lに位置される場合、対称性は、維持される。しかしながら、2つのシステムPにおいて、対称性は、2つのシステムPのそれぞれが、示されるシステムPがないそれぞれの位置Lにあることを必要とする。即ち、2つのシステムPにおいて、対称であるが好ましい場合には、位置L(2)及びL(3)のそれぞれにおける各システムPが必要になる。
図示された形態において、マルチロータ飛翔機械10は、3つの主アーム又は舷外材Mを有し、主アーム又は舷外材M(1)、M(2)、及びM(3)として区別され、ボディ12から位置L(1)、L(2)、及びL(3)のそれぞれ1つに対して各方向に外向きに延びている。ボディ12から離れている主アーム又は舷外材の端部に、又は隣接して、それぞれのマスト18上に、各主アーム又は舷外材Mは、回転のために取り付けられているヘッドロータ16のそれぞれ1つを有する。それぞれの主アーム又は舷外材M内及びそれぞれの主アーム又は舷外材に沿って延びているそれぞれのドライブラインDによって、モータ14は、各マスト18に駆動的に接続されている。また、ボディ12から離れている各主アーム又は舷外材M(2)及びM(3)の端部で、機械10は、支持体13の上に載っているときに、機械10を安定化させるために働くそれぞれの付随している(depending)グラウンドエンゲージング支持体15を有する。
主アーム又は舷外材M(1)の下に、機械は、ボディ12から位置L(1)に延びている第2のアームM(s)を含む。アームM(s)は、主アーム又は舷外材M(1)の端部を越えて、短い距離で終わり、アームM(s)は、アーム又は舷外材M(1)を越えた端部で、地面に設置するときに機械10を更に安定させるために、グラウンドエンゲージング支持体15を伴う。ピッチラダーシステムPは、ボディ12から離れている、アーム又は舷外材M(1)の端部を越えて突出するアームM(s)の末端部分の側に取り付けられ、水平に配置されている軸Y上で、略垂直面に回転可能なシステムPのロータ22を有する。アームM(s)内及びアームM(s)に沿って、モータ14からシステムPに延びているドライブラインD(4)によって更に、ロータ22の回転は、提供されることができる。アーム又は舷外材M及びアームM(s)のそれぞれは、ボディ12に内側端部で接続されている。ボディ12から外側に、アームM(s)は、コネクタ26によって、アーム又は舷外材M(1)に間を置いて固定される。
上記に示されるように、好ましい対称性は、単一のピッチラダーシステムP及びそのロータ22を含み、アームM(s)及びドライブラインD(4)も含む単一の組立体は、アーム又は舷外材M(1)に沿って取り付けられることが必要である。図示をシンプルにするために、1つのアセンブリのみ示される。しかしながら、このようなアセンブリが2つあれば、好ましい対称性としては、アーム又は舷外材M(1)に沿ったアセンブリは存在せず、アーム又は舷外材M(2)及びM(3)の各1つに沿って配置されるそれぞれのアセンブリが必要となるであろう。これは、アーム又は舷外材M(1)に沿って第2のアセンブリと組合せて、アーム又は舷外材M(2)及びM(3)の1つに沿って第1のアセンブリを有することが好ましい。また、対称性の達成は、アーム又は舷外材M(1)、M(2)、及びM(3)のそれぞれに沿った各アセンブリによって達成されることができる。
ボディ12の単純化した形態のみが図面に示され、特定の形態からの実質的な逸脱が可能である。ボディ12は、その上に剛性のY字形荷重支持板30が取り付けられている中央シャーシ28を有する。板30は、板30の中心ハブ32から延びている、脚N(1)、N(2)、及びN(3)として区別される3つの脚を有する。脚N(1)は、機械10の中心線Cに沿って後方に延び、各脚N(2)及びN(3)は、いずれもボディ12のそれぞれの側に側方外向きに、且つ前方に突出している。ボディ12は、示されている形態において、左右側の壁32を含む外殻も含み、それぞれ内部パネル34と外部パネル36とを有する。各壁32には、その終端から凹所が設けられ、それを通して板30の脚N(2)及びN(3)のそれぞれ1つが突出する婉曲部38を設ける。
板30は、ハブ32及び脚Nを画定する平らな骨格の上部形態のものである。ハブ32から離れた各脚Nの端部に隣接して、板30は、付随しているブラケット42の対も含み、それぞれ、板30と一体の上部部品42(a)と、部品42(a)にボルトで留められている下部部品42(b)とを含む。各ブラケット42の部品42(a)及び42(b)は、共に開口42(c)を画定し、開口42(c)は、脚N(1)、N(2)、及びN(3)のそれぞれ1つの各ブラケット42の部品42(a)と42(b)との間で、各主アーム又は舷外材M(1)、M(2)、及びM(3)の内側端部が、確実に固定されるような直径を有する。脚Nのそれぞれ1つより下方のモータ14から、それぞれのアーム又は舷外材Mの中へ且つ通って、それぞれのマスト18まで、各ドライブラインD(1)、D(2)、及びD(3)は、延びている。
モータ14は、内部燃焼機関であることができ、図面は、バッテリパックBによって動力が与えられる電動機を用いた配置を示す。モータ14は、板30の上で、脚N(2)とN(3)との間のスペースの上で(over)支持され、実質的に垂直な軸Z(a)に出力シャフト43を有し、その上にアウトプットギア41(図12を参照)が板30よりも低い高さで回転可能である。モータ14のアウトプットギア41は、モータ14から各ドライブラインDに出力駆動を伝達することができる。これに関して、モータ14のアウトプットギア41は、鋸歯状の駆動ベルト44とかみ合う外歯を有し、ベルト44は、ギア46を同様にかみ合わせ、ギア41及び46を駆動的につなげる。ギア46は、まっすぐな、好ましくは実質的に垂直な軸Z(b)(軸Z(a)から側方に間が空いている)に回転可能であるシャフト48に、取り付けられる。ギア46は、板30のハブ32の下で支持され、板30の脚Nのそれぞれに対して対称的に位置される。シャフト48は、ギア46の下に延び、各ドライブラインDのためのそれぞれの第1のギアシステム52の共通の部分を形成するはすば歯車50を有する。図示される特定の配置において、各ギアシステム52は、それぞれのメインのはすば歯車54を有し、それぞれのメインのはすば歯車54は、板30の下に、且つそれぞれの軸Zで回転可能なそれぞれのシャフト56上に取り付けられる。3つのZはまっすぐであり、好ましくは実質的に垂直であり、軸Z(1)、Z(2)、及びZ(3)として区別される。ギア50は、各ギア54とかみ合い、ギア54上で各ギアシステム52は、それぞれのシャフト56上で回転可能な小さなギア58を有する。各ギア58が主アーム又は舷外材Mのそれぞれ1つの入口端部に隣接して位置されるような配置である。各ドライブラインDは、それぞれのギア58の周りに延び、それぞれのギア58にかみ合うそれぞれの無端歯付きベルト60を含み、ギア58から、それぞれのアーム又は舷外材Mに且つそれぞれのアーム又は舷外材Mに沿って、第2のギアシステム62に延び、第2のギアシステム62は、アーム又は舷外材Mの離れた端部とそれぞれのマスト18の下部端部とを囲む、サブハウジング17の中に含まれる。
各マスト18は、外側スリーブ18(a)と、スリーブ18(a)に同心円状に、それぞれのヘッドロータ16がその上部端部に取り付けられているシャフト18(b)とを有する。それぞれの第2のギアシステム62は、ギア64を有し、ギア64は、スリーブ18(a)の下部端部より下で、シャフト18(b)の下部端部に固定され、それぞれのベルト60は、ギア64の周りに延び、ギア64とかみ合う。各シャフト18(b)とそのヘッドロータ16は、それぞれのベルト60を介してモータ14からの駆動によって、それぞれの軸Z(m)に合わせて回転可能であり、スリーブ18(a)は、シャフト18bに対して長軸方向に調節可能であり、軸Z(m)上の回転に対して保持されている。
示される形態においては、各ヘッドロータ16は、対向する対の回転翼又はロータブレード66を有するが、多数の均一に間が空いている翼又はブレードが提供されることができる。各翼又はブレード66は、水平に延びている縦軸(h)を有し、その周りで、ヘッドロータ16のピッチを変えるために、翼又はブレード66が旋回させることができ、各軸Y(h)は、それぞれの軸Z(m)に実質的に垂直である。各ロータ16は、それを各シャフト18(b)上に取り付けるハブ68を有し、各翼又はブレード66のために、それぞれのブレードグリップ70は、ハブ68に取り付けられ、軸Y(h)上で旋回することができる。それぞれのピボットピン72は、各翼又はブレード66の内側端部を、それぞれのブレードグリップ70に枢動的に(pivotally)接続し、それによってヘッドロータ16又は回転ディスクのための回転面において、各翼又はブレード66がそれぞれのピン72上で旋回することができるようになる。これを可能にするために、各ピンは、それぞれのブレードグリップ70の外側端部によって画定されるフィンガ70a間の各翼又はブレードのその端部に接続する。
各ヘッドロータ16のためのそれぞれのピッチ制御機構74は、回転翼又はロータブレード66のピッチの調節を可能にする。それぞれの機構74は、連結系78とサーボモータ75とを含み、サーボモータは、コネクタ76によって、ボディ12から離れているそれぞれの主アーム又は舷外材Mの端部の近傍且つその下で(by under)固定され、バッテリパックBなどバッテリ源から供給される動力下で、連結系を通してピッチ調節を提供ために動作可能である。サーボモータ75は、側方に突出している出力シャフト75(a)を有し、ディスク75(b)がその上に取り付けられている。一方、サーボモータ75は、約70°から約140°までなど、十分に鋭角又は鈍角によって、シャフト75(a)及びディスク75(b)を可逆的に回転するために動作可能である。連結系78の第1の部分は、平行の対の連結棒(link)78(a)と、サブハウジング17側にピン77によって取り付けられている回転可能なディスク78(b)と、第3の連結棒78(c)と、マスト18の周りに同軸的に配置されている隣接する対のディスクからなるシステム79の回転不能な下部環状ディスク78(d)とを含む。サブハウジング17上に取り付けられている端板81の垂直スロット81(a)において導かれた細長部(extension)80を持たせることによって、ディスク78(d)は、回転に対して保持される。連結系78の第2の部分は、システム79の回転可能な上部環状ディスク78(e)と、くの字型に曲がった形状の連結棒78(f)の対とを含む。ディスク75(b)及び78(b)は、実質的に同一平面上であり、アーム又は舷外材Mに沿って間が空いており、まっすぐに、好ましくは実質的に垂直な平面に配置されている。連結棒78(a)の1つ目のそれぞれの端部は、ディスクの直径の上部端部に隣接しているディスク75(b)及び78(b)のそれぞれに、枢動的に接続され、他方の連結棒78(a)のそれぞれの端部は、直径の下部端部に隣接しているディスク75(b)及び78(b)のそれぞれに、同様に接続されている。第3の連結棒78(c)の下部端部は、ディスク78(b)に枢動的に接続され、その上部端部は、システム79の下部の回転不能な環状ディスク78(d)に枢動的に接続されている。各連結棒78(f)の下部端部は、システム79の回転可能な環状ディスクの反対側のそれぞれに枢動的に接続され、各連結棒78(f)の上部端部は、ロータ16のそれぞれのブレードグリップ70に枢動的に接続されている。ディスク75(b)を回転するためのサーボモータ75の作動が、連結棒78(a)の作動によって、対応するディスク78(b)の回転を引き起こし、ディスク78(a)の回転は、マスト18に対して軸方向にシステム79のディスク78(d)及び78(e)を動かし、ディスク78eの動作は、ブレードグリップ70をハブ68に対して軸Y(h)上で旋回させ、翼又はブレード66の対応する旋回を起こすような配置である。ブレード66のピッチを増加又は減少させるためのグリップ70及びブレード66の旋回の方向は、サーボモータ75の作動によって制御される。
モータ14は、ピッチラダーシステムPへの駆動も提供する。シャフト48は、ギア46の下に突出し、駆動ベルト44を介したモータ14からの駆動によってギアを有するシャフト48の回転によって、軸Z(b)上で回転可能でもある更なるギア82に取り付けられる。第2のアームM(s)の内側端部に沿ってギア82を置き、更なるドライブラインD(4)が、第2のアームM(s)内に且つ第2のアームM(s)に沿って延び、ピッチラダーシステムPのための駆動を提供するような配置である。ドライブラインD(4)は、ギア82の歯(図示なし)の周りに延び、ギア82の歯とかみ合う無端歯付きベルト60(a)を含み、アームM(s)に延びる前に、ベルト60(a)は、アームM(s)を通って、アームM(s)の離れた端部を囲むサブハウジング83の中に含まれる第2のギアシステム62(a)に通される。ピッチラダーシステムPは、サブハウジング83の側を通って、アームM(s)に対して側方に延びているシャフト84を含み、システムPは、シャフト84の外側端部に固定されているピッチロータ85を更に含む。シャフト84の内側端部は、第2のギアシステム62(a)を含む歯付きギア86を有し、ベルト60(a)は、ギア86の周りに延び、ギア86とかみ合う。したがって、ベルト44を介してモータ14によって提供される駆動下における軸Z(b)上のシャフト48及びギア46の回転によって、ギア82も軸Z(b)で回転され、ドライブラインD(4)を介してギア86、シャフト84、及びロータ85に、駆動を提供する。しかしながら、シャフト84は、アームM(s)に対して側方に延びているので、ギア86と、シャフト84と、ロータ85とを含むアセンブリは、アームM(s)並びに軸Z(a)及びZ(b)に対して実質的に垂直である、側方に延びている軸Y(l)上で回転する。したがって、ベルト60(a)は、アームM(s)内でねじれ、それによってギア82へ及びギア82からの移動のその閉道の一部に沿った動作は、側方に配置された平面内であり、ギア86へ及びギア86からの道の部分における動作は、真っ直ぐで、実質的に垂直な平面内にある。このねじれは、側方に間が空いている対のガイドローラ87によるものであり、図10で最も明確に確認され、モータ14により近く、第2のアームM(s)の端部に隣接し位置される。
ロータ16のものよりもロータ85の必要とされる推力が少なく、ヘッドロータ16の一つに比較的近いロータを有するという利点を考慮すると、ピッチロータ85は、ヘッドロータ16に対して小さい。しかしながら、ロータ85のための推力要件はより低いにも関わらず、ロータ85のピッチは、異なる条件下でその推力の変動を可能にするために調節可能であることが望ましい。したがって、図9〜11に最も明確に示されるように、ピッチラダーシステムPは、各ヘッドロータ16に提供されるそれぞれの機構74と同じであるピッチ制御機構88を組み込む。図10〜12にも示されるように、各ヘッドロータ16がそれぞれのマスト18上に取り付けられる様式と同様の様式で、ロータ85は、シャフト84上に取り付けられる。
図9及び10の左側端部で、ギア82、そのシャフト48、ベルト60(a)、及び側方に間が空いている対のガイドローラ87の形態において、モータ14から第2のアームM(s)のより近い端部の間に、ドライブラインD(4)の部分が示される。ローラ87は、ベルト60(a)を第2のアームM(s)のボアにガイドし、ベルト60(a)は、アームM(s)を通って、サブハウジング83に通り、ギア86の周りを通り、ローラ87の垂直軸からギア86の水平軸への変化によって、ギア82とローラ87との間で動いている範囲(runs)部分に対する、ベルト60(a)の範囲部分がアームM(s)内で動く平面における対応する変化をもたらす。図9、10、及び11に示される配置において、ピッチ制御機構88は、アームM(s)の下に取り付けられ、連結系90を通してピッチロータ85のピッチ設定値を調節するために動作可能であるサーボモータ89を有する。サーボモータ89は、バッテリパックBによって動力が与えられることができ、回転可能な出力シャフト88(a)を有し、ディスク88(b)は、必要とされる方向に可逆的に可動であり、アームM(s)に沿って延びているロッド91が、ピッチを調節するためのディスク88(b)の回転によって、長軸方向に可逆的に可動である。連結系90は、第1のベルクランクレバー90(a)又はそのようなレバー90(a)の対、対の第2のベルクランクレバー90(b)、及びシャフト84に沿ってスライド可能なスリーブ90(c)を有し、レバー90(a)及び90(b)のそれぞれは、スリーブ90(c)に枢動的に接続されているそれぞれの端部を有する。前記又は各ベルクランクレバー90(a)の他の端部は、サーボモータ89から離れているロッド91の端部に接続され、各レバー90(b)の他の端部は、ピッチロータ54のそれぞれのブレードグリップ85(a)に枢動的に接続され、垂直平面に配置されている調節軸Y(v)上でロータ54の各翼又はブレード85(b)を反対に調節し、スリーブ90(c)が前記又は各レバー90(a)によって、シャフト84に沿って動くと、必要なピッチ調節を得る。
図12の図12A、12B、及び12Cは、図1〜8に示されるモータ14に対応する電動機14を示す。図1〜8に示されるように、モータ14のハウジング14(a)の下で付随している出力シャフト43及びその回転性の軸Z(a)が垂直で配置されている状態で、モータ14は、取り付けられている(図示されない手段によって)。その配置は、水平に配置されたドライブラインD(1)、D(2)、及びD(3)を介して、それぞれのロータ系R(1)、R(2)、及びR(3)へ駆動を促進する。図12において、アウトプットギア41及び歯付きベルト44は、シャフト43に関連して示される。
図13の図13A、13B、及び13Cは、図12の図と同様であるが、内部燃焼機関114を示す。図示されるように、エンジン114は、2ストローク単一ピストンを有する草刈り機エンジンとしての使用に好適なタイプのものである。しかしながら、エンジン114は、そのような使用に対して反対となり、回転性の軸Z(a)を垂直に配置した状態で、上向きに突出している出力シャフト143を有する。シャフト143に関連して示されて、図13はまた、図2のギア41及びベルト44にそれぞれ対応するアウトプットギア141及び歯付きベルト144を示す。好適な直流源(不図示)から電流リード102を介して動力を与えられる点火プラグ101の位置に隣接する上死点位置に向かって且つ上死点位置から離れて、エンジン114の1つのピストン(目に見えない)は、シリンダハウジング100内で水平に往復運動をする。エンジン114の内部構造も示されないが、燃料(この例として、シリンダ103から受け取られるLPG)の供給を制御する吸気弁と排出ガスの放出を調節する排出口とを含む。エンジンはまた、ピストンによって駆動されるクランク軸104と、相互接続しているコンロッド(不図示)とを有し、水平に配置されている軸Y(c)上で回転する。また、クランク軸は、軸Z(a)上で出力シャフト143とかみ合い、駆動する軸Y(c)上で回転可能なギアを有し、シャフト143はまた、クランクケースカバー105内で軸Z(a)上で回転可能なはずみ車を運ぶ。
エンジン114を用いた動作は、記載されたエンジン14を用いたものと本質的に同じである。違いは、エンジン14のタイプに関連するエンジンのタイプ及びエンジン114の反転であり、それによってシャフト143は、エンジン14の場合における下向きではなく、上向きに突出する。本発明に係る機械の一部として設置される場合、エンジン14の取り付けと比べて、エンジン143は、その取り付けにおいて明らかにより低く位置する。
図14A及び14Bは、本発明に係る機械における使用に好適なエンジン214の代替の形態を示す。エンジン114と同様に、エンジン214は、内部燃焼機関である。具体的には、国際特許明細書WO2014/078894の開示にしたがって、エンジン214は、2−ストロークICエンジンである。エンジン214は、クランクケース218を有し、その中に、対向するボクサー配置において、一体のヘッドを有する2つのシリンダ220及び221が対向面224及び230で画定されている。フロントカバー226は、バランスギア(不図示)を囲み、クランク軸228を塞ぐ。送風機又は過給機230は、好適な位置に取り付けられ、二分岐状(bifurcated)マニホールド231を介して、シリンダ220及び221のそれぞれの吸気口232及び233に給気を可能にする。過給機230は、ベルト又はチェーン(不図示)を介して、エンジン217のクランク軸228によって一般的に駆動されることができるドライブシャフト230aを有する。オイルサンプ234は、エンジン217のためのエンベロープ(envelope)を完成し、点火プラグ235及び直接燃料噴射器236は、各シリンダ220及び221のヘッドに装着される。
クランク軸228は、クランクケース218内で、ジャーナル軸受237及び238によって軸支され(journalled)、クランクケース218に対して推力軸受239及び240によって軸方向に位置する。外側球状軸受面242を有する分割ヨーク241は、クランク軸228のクランクピン243上で軸支される。ヨーク241は、部品241a及び241bの整列されたボア241cに挿入されたピンによって、分割面上で結合される部品241a及び241bを有する(不図示)。軸受244を介して、ヨーク241は、クランク軸228のクランクピン243上で回転し、クランク軸228のクランクピン243に沿ってスライドすることができる。ヨーク241の球状面242を補足して中心に位置される球状の合わせ面248を有する二部分クロスヘッド246内で、ヨーク241は、適切なフィットである。ピン250及び251は、ヨーク241及びクロスヘッド246を連結し、エンジンシリンダ220及び221の中心線軸B−Bに対して平行に、且つ距離X分ずれている軸A−Aに沿って、クロスヘッド246に対してヨーク241の枢軸を可能にする。ピン250及び251は、クロスヘッド246の対向する端部に固定され、ヨーク241のピン接続252及び253に軸支されることができる。軸A−Aは、軸B−Bに平行な平面にあり、クランクピン243にも垂直でもある。
クロスヘッド246は、対向して延びているアーム254及び255を有し、前記アーム254及び255のそれぞれの上に、それぞれのシリンダ220及び221に往復運動のためのそれぞれのピストン258及び259が取り付けられている。ピストン258及び259上で固定されているそれぞれのマウンティングブロック264及び265を有する各アームの外側端部に枢動的に連結しているそれぞれのガジオンピン260及び261を介して、ピストン258及び259のそれぞれは、互いに対向した関係で取り付けられている。ガジオンピン260及び261の軸は、互いに平行であり、クランク軸228の軸に垂直である。ガジオンピン260及び261並びにピストン258及び259への接続は、クランク軸228に垂直な平面における動力工程の間、それぞれクロスヘッド246の歪曲又は屈曲を可能にし、ピストン258及び259のスカート上にある過剰な負荷を防止する。
各ピストン258及び259は、クラウン268を有し、ピストン258及び259のそれぞれのためのクラウン268の周辺は、2つの正反対の弓形のスカート270を有し、弓形のスカート270は、クラウン268よりも大きい高さを有し、クラウン268は、エンジンにおいて望まれている非対称な特性によって決定される。スカート270間で、入口スロット272、スロット272に正反対の排出スロット273がある。また、スロット272から且つスロット272を渡って放射状に内部に、クラウン268は、半円状、又は線状又は弓状など他の長い形態のものであることができるディフレクタバー274を有する。バー274は、入口スロット272に対向して置かれ、廃油ポンプ(過給機)230から入ってくる空気供給をそらし、排気ガスの除去及びそれぞれのシリンダに新鮮な空気を入れることを助ける。スロット272及び273の両側上のスカート270は、望まれる非対称な特性に応じて異なる高さを有することができる。
動作において、ピストン258及び259のそれぞれは、クランク軸228の軸からクランクピン243のスローによって決定される、それぞれのシリンダ220及び221のストロークを有する。ピストン258及び259は、クロスヘッド246によって接続され、軸B−Bに沿って合わせて、それぞれのシリンダ220及び221中で振動する。ピストン258及び259の運動は、ヨーク241を介してヨーク241の軸B−Bと軸A−Aとの間のオフセットX分、クランク軸228に伝達される。この運動は、上死点から下死点位置に動くと、ピストン258及び259の対称的な楕円形パスを形成する。実際に、ピストン258及び259は、軸B−Bに沿った往復運動のサイクルを完了すると、オフセットXによって決定される角度で、軸B−Bの円周方向に振動する。この運動は、各ピストン258及び259の各入口スロット272が吸気口232及び233を覆って、回転して且つ直線的にスイープする及び動くことを可能にし、また同様に、出口又は排出スロット273がシリンダ220及び221の下部部分に位置されるそれぞれの排出口276及び277を覆って、回転して且つ直線的にスイープすることを可能にする。ピストンスロット272及び273の位置に関連するシリンダ220の注入口及び排出口276及び277の位置が決定され、望ましい非対称なポート開閉時期を2ストロークエンジンが達成することを可能にし、それによって最適な燃料節約及び増加した電力出力を達成する。望ましい非対称なポート開閉時期は、ピストンの下方経路上の吸気口の排気を可能にする。ピストンの上方経路上で、排出口が最初に閉まり、その後吸気口が閉まる。この作用が、シリンダが完全に空気で注入されることができ、そのことによってエンジンが加給されることを可能にすることを保証する。その後、従来のエンジン管理システムを介して、直接燃料噴射が適用され、点火プラグから発火されることができる。
多くの異なる配置で、エンジン214は、本発明に係る機械中に設置されることができる。したがって、ピストン258及び259を垂直に対向し、クランク軸228を水平に配置した状態で、エンジン214が設置されることができる。若しくは、クランク軸を水平又は垂直に配置させた状態で、前部から後部方向又は横方向のいずれにおいても、ピストンは水平に対向されることができる。それぞれの場合において、ギアシステムを介して、各ヘッドロータのためのそれぞれの水平に配置されたドライブラインに、クランク軸は駆動を提供することができる。
エンジン114及び214のいずれかについて、設置される機械は、交流機又は始動機配置(不図示)を含むことが好ましい。例えば、交流機は、電圧調整器を介して動作可能であり、ヘッドロータへの駆動の提供とは別に、第2の目的のために用いられるバッテリパックの充電を維持することができる。この方法で、エンジン114又は214は、ピッチ調節及び他の目的に用いられるサーボモータの作動に必要とされるなど、電力を確保することができる。
図15は、第2のマルチロータ飛翔機械110を示す。機械110は、各主アーム又は舷外材Mの下にそれぞれの第2のアームM(s)があるという点のみ、図1〜14に示される機械10とは異なり、それぞれのピッチラダーシステムPと、アームM(s1)、M(s2)、及びM(s3)として区別されるアームM(s)と、P(1)、P(2)、及びP(3)として区別されるラダーシステムとを含む。この違い以外は、1〜14の全ての配置。
図16の図面は、本発明に係る機械のための、ボディとアーム又は舷外材とを含む代替のモノコックシャーシ構造の上部からの斜視図を提供する。各ケースについて、ヘキサコプタのための構造であり、図1〜14の機械10のものと対応する部品の参照番号は、300だけ増えているが、同じ参照文字を含む。図16A及び16Bにおいて、中心ボディ312から放射状に外に延びている主アーム又は舷外材Mを有するシャーシ構造300及び302がそれぞれ示される。中心線の間において60°で等しく角度的に間が空いて、アーム又は舷外材Mは示され、他の配置も可能である。したがって、左から右に延びている直列(inline)アームをとると、各方向における次の隣接するアームMは、45°など、60°未満の共通の角度であることができ、それによってそのようなシャーシを有する機械は、前部から後部方向へより細長い。シャーシ300及び302のそれぞれにおいて、アームMは細くなり、それによって、その長さの部品313aに亘って、長さの約45%までなどボディ312から離れた断面が減少し、長さの残りの部品313bは実質的に一定の断面である。図16Aの場合、各アームの部品313aは、実質的に平面状の上部壁314と対応する下部壁とを有し、上部及び下部壁は湾曲した側壁315によって結合され、部品313bが実質的に円形の断面のものである。シャーシ302は、シャーシ300の下半分と同じであり、それによって、アームMは、谷状の形態のものを有し、部品313aは、シャーシ300の壁315と比べて浅い下部壁314と側壁315とを有する。それぞれのモノコックシャーシ構造は、カーボンファイバ強化材料、アルミニウム合金若しくはチタニウムなど非鉄板金のもの、又は軽スチール板材料のものから作製されることができる。
本発明は、図1〜14の機械10、図15の機械110など、マルチロータ飛翔機械を提供し、前記マルチロータ飛翔機械は、公知のマルチロータ機械の幾つかの制限を回避することが可能であり、多くの利益を達することも可能である。機械は、克服すべき飛行時間、ペイロード、及び空力制御における制限を許容する。また、機械は、達成されるべき実質的に強化された動作性を提供することができる。更に、利点は、より大きい単一の電動機の使用によって可能であり、利点は、単一の内部燃焼の使用によって更に増加される。後者に関しては、内部燃焼機関は、全動力が全利用可能な飛行時間又は範囲を通して利用可能であることを許す。また、増加したペイロード能力は、増加した飛行時間又は範囲のための動力源の提供(電動機のためのバッテリであろうとICエンジンのための燃料であろうと)を可能にする。
各ヘッドロータへの駆動が同じであることができるので、集合的ピッチラーシステムを使用することにより、ヨーまたはピルエット機能を実現することができ、実用的な限界である720°/秒まで、高められたヨーレートが可能になる。ピッチおよびロール機能は、少なくとも1つ、好ましくは1より大きいヘッドロータに隣接する集合的ピッチ機能を介して制御されることができる。
請求項の範囲内で、本発明の機械において多数の変形および変更が可能である。例えば、機械の構成が変更可能であるので、図面に示されている配置のように航空機の中心に主要なギア減速を持たせる代わりに達成されることができる効率又は利益があり、それぞれのギア減速は、各ロータヘッドに、またはそれに隣接して、モータに対して外側に置くことができる。機械の中心におけるギア減速及び各ロータヘッドに又は隣接したそれぞれの船外のギア減速による、これらの代替の減速比の組合せが提供される例があることさえもできる。これらの配置間の選択に考慮すべき要因は、モータから各ロータヘッドへの駆動を伝達するために使用される駆動系のタイプである。例えば、ドライブベルトは軽負荷の場合は高速で走行でき、ロータヘッドでの減速の使用を容易にする一方、トルクチューブやドライブシャフトはより多くのトルクを伝達して低速で走行することができ、駆動伝達のモータ端部で、減速を容易にし、1:1に近い又はロータヘッド速度での速度を伝達する。他の要因としては、機械が組み立てられる規模、機械のバランス、重心の考慮事項、全体の機体の外観、駆動系の形態及び材料、ギア減速要素、及び空間の考慮事項がある。