JP2018525809A - アクチュエータデバイス及びそのアレイ - Google Patents

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Abstract

アクチュエータデバイスはデバイスへ印加される駆動信号に応答して変形するEAP構造を有し、デバイス出力はEAP構造の運動に由来する。印加駆動信号の第1の範囲又はタイプに対してデバイスからの機械的出力が生成されず、印加駆動信号の第2の範囲又はタイプに対して当該デバイス出力が生成されるように、遅延装置が使用される。このデバイスは例えばパッシブマトリクスシステムでの使用に特に適する。

Description

本発明は、活性材料を利用し、駆動応答曲線のような閾値を示すことができるアクチュエータデバイス及びその使用に関する。
本発明は、かかるデバイスの複数(アレイ)を有するシステム、かかるシステムを駆動する方法及びコンピュータプログラム製品にも関する。
電気又は光活性材料は、適切な制御信号で電気的に又は光学的に駆動されるときに機械的変形を示す材料である。これらの材料の特定のクラスは逆効果も呈する、すなわち機械的変形を受けると電気信号又は光信号を提供し得る。上記効果が生じる正確なメカニズムは選択材料に、場合によってはそれらをデバイスに埋め込む方法にも依存する。上記効果のために、かかる材料の最も一般的な用途はアクチュエータ及び/又はセンサにある。
電気活性ポリマー(EAP)及び光活性ポリマー(OAP)は新興クラスの材料として浮上している。それらはその有利なアクチュエーション応答特性と多数の有益なエンジニアリング特性とを組み合わせ、それにより新たな応用分野での使用を可能にする。このように、例えばEAPは一般に、一般的な他の機械的アクチュエータ又は無機EAMに基づくアクチュエータと比較して、小さな体積又は薄い形状因子で比較的大きな変形と力を呈する。EAPはノイズレス動作、正確な電子制御、高速応答、及び0‐20kHzなど広範囲の可能なアクチュエーション周波数で高分解能と周期的アクチュエーションの可能性も与える。OAPは他の利点を提供する。これらの特性と利点の全ては確立された方法を用いる様々な形状への容易な製造を伴い、多様なシステムへの容易な統合を可能にする。
EAPとOAPは、構成要素又は特徴のわずかな運動が望まれる任意の用途において特に有利に使用され得る。同様に、この技術は小さな動きを感知するために使用され得る。
EAPデバイス動作の一例として、図1と図2はEAPベースデバイスの2つの可能な動作モードを示す。デバイスはEAP層14の両側の電極10,12の間に挟まれるEAP層14を有する。図1ではEAP層は自由に移動可能であるが、図2ではEAP層全体とその電極が層の片側でサポートキャリア層16へクランプされる。電極10及び12に印加される電圧差(駆動信号)は、EAP層上に電場を供給してEAP層を図示の通り全方向に膨張させるために使用される。図1においてこれは層が自由に懸架されているためにEAP層の変形につながるが、図2において同じアクチュエーションはクランプによる抑制された動作の自由に起因してデバイスの屈曲につながる。デバイスエンジニアリングを使用して広範囲のデバイス出力がEAP層のアクチュエーション時に、すなわちデバイスの駆動時に引き起こされ得る。このように、図示の通り軸まわりに非対称な湾曲を得るためには、分子配向(フィルム延伸)が例えば適用され得、動きを一方向に強制する。一方向への膨張はEAP層における非対称性から生じ得るか、又はキャリア層の特性における非対称性、又は両方の組み合わせから生じ得る。
図1及び図2のデバイスのようなEAP又はOAPベースデバイスは典型的にアナログデバイスであり、これは、駆動対出力応答曲線が連続曲線であることを意味する。従って、ゼロレベル/強度信号以外の信号がアクチュエーション出力につながる。しかしながら、一部の用途(例えばかかるデバイスのマトリクスアレイ)における所望の有用な特性は出力効果を所定閾値駆動以上のみにするデバイスを持つことである。
本発明の目的は、電気活性又は光活性材料ベースのアクチュエーション装置の駆動に基づいてアクチュエーション出力を提供することができるデバイスを定義することであり、デバイスは駆動出力応答挙動のような閾値を持つ。さらなる目的は、複数のかかるデバイスを有するシステム及びかかるシステムを駆動する方法を提供することである。
これらの及び他の目的は、独立クレームにより定義される本発明により少なくとも部分的に達成される。従属クレームは、有利な実施例又は実施形態を提供する。
本発明によれば、駆動信号に応答してアクチュエーション出力を提供するためのデバイスが定義され、該デバイスは:
‐機械的アクチュエーションを提供するためのアクチュエーション装置であって、アクチュエーション装置に駆動信号を印加すると変形し、それとともに機械的アクチュエーションを引き起こすことができる活性材料(20)を有し、アクチュエーション出力は機械的アクチュエーションに依存する、アクチュエーション装置
を有する。
アクチュエーション出力とは、力、圧力、又は運動/ストロークタイプの出力のうち1つ以上を意味する。機械的アクチュエーションは、力及び/又は歪み及び/又はストローク/運動であり得る。機械的アクチュエーションはアクチュエーション装置の応答を引き起こし、駆動信号がアクチュエーション装置に印加されるときにそれ自体の変形(サイズ及び/又は形状の変化)を可能にする又は引き起こす(発生させる)活性材料の特性に基づく。
活性材料は電気活性材料又は光活性材料であり得、機械的アクチュエーションを可能にする、生じさせる、又は引き起こすことができる材料である。適切な材料の例及びクラスは本明細書で以下に記載される。
使用される駆動信号は選択活性材料に依存する。従って電気活性材料の場合、駆動信号は電圧信号又は電流信号などの電気信号であり得る。同様に、光活性材料の場合、駆動信号は光信号である。一部の材料は各々がその独自のアクチュエーション特性を伴う両方が使用されることを可能にする。駆動信号は電気的に又は光学的に呼び出される信号であることもでき、例えばこれは電気的に呼び出される圧縮又は伸縮力信号であり得る。例えば、2つの電極の間に挟まれる電気活性材料を含む電気活性装置の場合、電極にかかる電圧差の形の駆動信号が電気活性材料に圧縮力を生じさせ、この力のために、装置が駆動されるときに圧縮される。
本発明のデバイスは、それが、
‐遅延装置が:
‐駆動信号の第1のタイプ又は第1の範囲から選択される駆動信号に対しアクチュエーション出力を防止する;及び、
‐駆動信号の第1のタイプ又は第1の範囲と異なる駆動信号の第2のタイプ又は第2の範囲から選択される駆動信号に対しアクチュエーション出力を可能にする
ように、アクチュエーション装置との遅延相互作用を持つ遅延装置
を有するという事実により特徴付けられる。
遅延装置は、駆動信号により引き起こされる機械的アクチュエーションの1つ、又は1範囲について、かかる機械的アクチュエーションはデバイスのアクチュエーション出力を提供することを許可されない又は提供するために十分でないが、機械的アクチュエーションの別の範囲については、機械的アクチュエーションの少なくとも一部がアクチュエーション出力を提供するために使用又は伝動されるように、アクチュエーション装置との相互作用を持つように構成される。特に、この構成は駆動信号の第1の範囲又はタイプはデバイスのアクチュエーションを生じさせないが、第2の範囲又はタイプは生じさせることを意味する。駆動信号の第1の範囲又はタイプは専らゼロ信号、すなわちデバイスの静止状態を引き起こす信号だけから構成されるのではない。これはアクチュエーション装置のアクチュエーションを引き起こし得る少なくとも1つの駆動信号を含むことを意味する。この構成は駆動のための閾値を実現する。
このように遅延装置は、閾値を実現することにより、例えばそれ自体だけで使用されるとき又は他のシステム若しくはアプリケーションにおいて使用されるとき、(アクチュエータ)デバイスがより所望の駆動出力挙動を持つことを可能にする。例えばこれは、クロストーク信号のために、アレイの異なるデバイスへ駆動信号を供給するために一般的な接続線を使用するアレイ内のデバイスの駆動中に典型的に起こり得る通り、部分的な駆動に応答する、又はそれにより受信される小さなノイズ信号(閾値以下)に応答するアクチュエーションを回避するために有利に使用され得る。本発明は例えば非閾値デバイス用の2レベルのみの駆動とは対照的に、パッシブマトリクスアレイにおけるマルチレベル(グレースケール)アクチュエーション駆動による駆動も可能にする。本発明はこのように改善された信頼性又は予測可能性で操作され得る、アレイに実装され、相応して改善された効果(例えば、より少ないクロストーク)で駆動され得るデバイスを可能にする。
本発明にかかるデバイスの駆動出力遅延は、アクチュエーション装置と遅延装置が相互作用する方法により定義される。遅延装置の多くの実施態様はこの駆動出力遅延機能を提供することができる。以下で明らかになる通り、機械的アクチュエーションがデバイス出力を提供するアクチュエーション出力装置へ伝動されないので、或いはアクチュエーション装置がその機械的アクチュエーションの提供から直接又は間接的に留保されるので、デバイスは依然として出力を提供しない一方、アクチュエーション装置へ第1の駆動信号の提供を可能にする実施形態が存在する。代替的に、第1の駆動信号がいかなる駆動信号もアクチュエーション装置へ全く印加されないようにする実施形態が存在する。従って、これらの実施形態ではデバイスへ駆動信号を印加しても、実際の機械的アクチュエーションが生成されず、それとともにアクチュエーション出力もない。
"遅延"という語はデバイスの出力を提供する際の時間遅延を伝達することを意図していない。これは十分な駆動信号に達するか又は供給されるまでアクチュエーション出力が遅延されるという事実をあらわす。駆動信号が直ちに十分なレベルにある場合、好適には時間遅延はない、又は時間遅延は必要ない。しかしながら、駆動信号がランプアップする場合、時間遅延も同様に生じ得る。遅延装置は従って本質的に閾値構成であると解釈され得る。
本発明では、駆動信号は駆動信号の第1の範囲及び/又はタイプから選択され得、第2の駆動信号は、駆動信号の第1の範囲及び/又はタイプと異なる駆動信号の第2の範囲及び/又はタイプから選択され得る。"範囲"という語は駆動電圧信号及び/又はレベルのセットのみを示唆するものではないが、これが当てはまる場合もある。駆動信号の第1の範囲又はタイプは駆動信号の第2の範囲又はタイプよりも低い駆動レベルを有し得る。駆動レベルの第2の範囲の開始が閾値駆動レベルを定義し得る。2つの範囲は好適には互いに隣接し合い、閾値レベルのみにより分離される。そして閾値駆動信号は第1及び第2の駆動信号範囲を区切る。付加的に又は代替的に、駆動信号の第1の範囲又はタイプは駆動信号の第2の範囲又はタイプの周波数と異なる(好適にはそれよりも低い)周波数を有し得る。
デバイスで使用されるアクチュエーション材料に依存して、駆動信号は電圧信号、電流信号、又は電力信号などの電気信号であり得る。その場合駆動レベルは例えば:電圧レベル、電流レベル、電力レベルのうちのいずれか1つであり得る。これらの信号は直流及び/又は交流であり得る。信号は様々なパルス形状などを伴うパルス信号であり得る。電場駆動アクチュエーション材料の場合、駆動信号は好適には電圧駆動信号である。従って、第2の範囲は閾値電圧信号以上になり得るが、第1の範囲は閾値電圧信号未満になり得る。しかしながら、駆動信号の第1及び第2の範囲は使用される活性材料に依存して異なる方法で異なる場合があり、例えば電流駆動材料(イオン移動ベース材料)の場合、駆動信号は好適には電流駆動信号である。この場合、駆動信号はその極性によっても、又はその極性によってのみ特徴付けられ得る。非アクチュエーション信号は1極性を伴う高電流信号、又は特定レベルの電荷を蓄積するには不十分な短時間の信号であり得る。アクチュエーション信号は逆極性のより低い電流を伴うか、又はより長時間であり得る。このように、デバイスをアクチュエートさせることを許可される又は抑制される異なる駆動信号の特性は様々に異なり得る。
光活性材料は特定の光信号を印加すると変形し得る。例えば特定の色又は周波数/波長、放射線の強度又はパワーの放射線とかかる材料との相互作用(吸収/散乱)に基づき、構造材料の変化が機械的応答を引き起こし得る。一例の材料は本明細書で以下に記載の通り光の影響下でシス‐トランス異性化に作用する。こうして第1及び第2の駆動信号は周波数、色、パワー及び強度或いは材料によるその吸収及び/又は散乱の1つ以上に関連して異なり得る。
上述の通り、遅延装置は全て本発明の有利な効果を持つ多くの方法で実現され得る。実施態様は下記の通りデバイスの部品、部材又は構造の特定の配置及び/又は構成を含み得る。
本発明の一部の実施形態ではアクチュエーション装置は所望のアクチュエーション出力を機械的アクチュエーションとして直接提供し、これはアクチュエーション装置の所定の閾値アクチュエーションが実現されるとき、又は所定の閾値駆動が実現されるときのみ出力を提供する。これは単純な設計を提供する。
本発明の他の実施形態では、遅延装置はアクチュエーション出力装置を有する。そして後者の装置はデバイスのアクチュエーション出力を提供する。アクチュエーション出力装置(デバイス出力源である)からアクチュエーション装置(機械的アクチュエーション源である)を分離させることは、デバイスの全機能が1つの装置及び/又は1つの活性材料に一体化される必要がないので、より容易な方法で遅延装置の実現を可能にする。従って、例えば駆動時にアクチュエーションの固有遅延での活性材料の再設計が必要とされない。アクチュエーション出力装置は好適には機械的構造若しくは部材を有するか、又はそれらから構成される。この部材はアクチュエーション出力を提供し得る前に(例えば、移動し得る前に)閾値力を要するような剛性部材(バネ型部材など)であり得る。
本発明では、アクチュエーション出力装置とアクチュエーション装置は:それらの間に最小ギャップが存在し;機械的アクチュエーションがせいぜい、駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対し最小ギャップを閉じるために十分であり、機械的アクチュエーションが少なくとも、駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対し最小ギャップを閉じるために十分であるように、機械的アクチュエーションが最小ギャップを削減するように、構成され得る。
このように、ギャップは駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して少なくとも部分的に削減されるか、又はゼロに削減される。ギャップはこのように、この駆動信号で引き起こされる少なくとも第1の量の機械的アクチュエーションがアクチュエーション出力へ"伝動"又は"変換"されないように選ばれる、すなわちこの量の機械的アクチュエーションは、いわば、ギャップ内で"発生又は吸収される"ことが許される。機械的アクチュエーションが駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号で駆動するように進行するにつれて、既定の程度までギャップが削減されるときのみ、機械的アクチュエーションが実際のアクチュエーション出力に伝動又は変換される。
この設計はデバイスのアクチュエーション出力が発生する前に、最初にアクチュエーション装置のアクチュエーションにより部分的に又は完全にスパン/ブリッジされなければならないギャップを利用する。この設計は(例えば以下で実施される通りアクチュエーション保持装置に起因する)何らかの遅延を提供するために使用される対向する力により機械的アクチュエーション力が失われる(克服される)必要がないという利点を持つ。
遅延装置は:駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対し機械的アクチュエーションがアクチュエーション伝動装置により吸収され;駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対し機械的アクチュエーションの少なくとも一部がアクチュエーション出力装置へアクチュエーション伝動装置により伝動されるように、遅延相互作用を提供するためのアクチュエーション伝動装置を有し得る。
吸収は、機械的アクチュエーションがいかなるアクチュエーション出力も生じないようなものである。アクチュエーションの伝動は、それにより任意のアクチュエーション出力を生じさせるようなものである。
遅延装置はこのように、アクチュエーション装置とアクチュエーション出力装置との間の相互作用が伝動装置を通じて起こるように構成され得る。この後者の装置は、駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対してのみ、機械的アクチュエーションがアクチュエーション出力装置に少なくとも部分的に伝動され、それによりアクチュエーション出力を発生させるように設計される。設計はアクチュエーション装置とアクチュエーション出力装置との間で作用するあらゆる種類の力を利用することができる。吸収とは、機械的アクチュエーションをアクチュエーション出力装置へ伝動することなく収容することを意味する。
アクチュエーション伝動装置は機械的装置/構造を有するか、又はそれらから構成され得る。これはアクチュエーション装置に、及びアクチュエーション出力装置に永久的に接続され得るが、そうである必要はない。これはアクチュエーション出力装置に接続される第2の部分を回転運動及び/又はスライド運動又は変形させてそれによりアクチュエーション出力を生成する前に、回転運動及び/又はスライド運動又は変形を可能にするアクチュエーション装置に接続される第1の部分を持つ任意の種類の構造を含むことができる。
伝動装置は電気機械的手段を使用して実施することもできる。例えば、伝動装置は、アクチュエーション出力装置のアクチュエーションを引き起こすために十分に高くなるレベルへ作用する電気的又は磁気的力を増加させるために第1のギャップ減少信号が使用され得るように、アクチュエーション出力装置とアクチュエーション装置との間のギャップと組み合わせて、アクチュエーション出力装置とアクチュエーション装置との間の対向する電気的又は磁気的力を発生させる手段を含むことができる。そして第2の駆動信号によるさらなるギャップ減少が実際のアクチュエーション出力を引き起こす。これはアクチュエーション出力装置への機械的アクチュエーションの間接伝動と呼ばれ得る。このように、任意の機械的アクチュエーションの残りの部分がアクチュエーション出力へ変換される前に、機械的アクチュエーションの一部を吸収するために力場が使用され得る。これは、アクチュエーション出力を提供し得る前に閾値力を要するように、アクチュエーション出力装置内の既定の剛性とも組み合わされ得る。他の装置/構成が本明細書で以下に記載される。
アクチュエーション伝動装置は磁気力及び/又は電気力をアクチュエーション装置とアクチュエーション出力装置の間で作用させ、それにより遅延相互作用を提供するための1つ以上の部品を有し得る。かかる部品は永久磁石、電磁石又は電極、容量的に動作する電極配列、コイル線などを含むことができる。
遅延装置は遅延相互作用を実施するためにアクチュエーション装置へ閾値力をかけるための保持装置を有することができ、当該閾値力は機械的アクチュエーションに反作用し、駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対し機械的アクチュエーションにより供給される力が、閾値力を克服するほど十分に大きくないように;並びに駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対し機械的アクチュエーションにより供給される力が、閾値力を克服するのに十分な大きさであるように、選ばれる。
デバイスがアクチュエーション出力装置を有する場合、閾値力はアクチュエーション力出力装置、アクチュエーション装置、又はその両方にかけられ得る。これがアクチュエーション出力装置にかけられる場合、これは2つが相互作用するので間接的にアクチュエーション装置も保持することになる。アクチュエーション出力装置がなくてもよく、この場合保持装置はアクチュエーション装置を直接保持するためのものである。全ての場合において、保持装置により課せられる閾値力に打ち勝つことができるアクチュエーション力を提供するのに十分な機械的アクチュエーションをもたらさない駆動信号の第1の範囲又はタイプがある。好適には、デバイス又は遅延装置は固定サポート又はサポート構造を含むことができ、これに対して保持装置がその保持機能を提供する。
保持装置を実施する複数の方法がある。保持システムは:機械的保持システム、静電保持システム、又は磁気保持装置のうちの1つ以上を有し得る。機械的保持装置は機械的に定義される保持力で動作するのに対し、電気機械保持システムは静電保持力で動作し、磁気保持システムは磁気保持力で動作する。
保持装置はアクチュエーション装置に一体化又は接続されるバネ又は剛性基板を有し得る。好適にはバネ又は基板はスナップ式のバネ又は基板であり得る。保持装置システムは1つ以上のバネ仕掛けの保持フック又はラッチ、圧力誘起保持力を提供するための1つ以上の圧力ゲージを有し得る。バネはバネ又はゴムユニットタイプ又は空気若しくは静水圧を提供するためのユニット、又は他のタイプの形態であり得る。
保持装置はアクチュエーション装置により生成される力に対抗する保持力を効果的に提供する。この保持装置は一部の実施形態では(アクチュエーション力から永久的な対向する保持力が減じられるために)実際のアクチュエーション出力の力を減少させ得るが、適切な設計は、上記の通りアクチュエーション伝動装置と作動する遅延装置に関してストローク範囲が増大するという利点を持ち得る。
保持装置は閾値力を提供するためにアクチュエーション装置(180)及び/又はアクチュエーション出力装置と摩擦係合して配置されるサポート層(182)を有し得る。そして閾値力は摩擦力になり得る。摩擦係合は、駆動信号の第1の範囲又はタイプについて、アクチュエーション装置及び/又はアクチュエーション出力装置がサポート層に対して動くことができず、それによりアクチュエーション出力を防止するようなものであり、並びに駆動信号の第2の範囲又はタイプについて、アクチュエーション装置及び/又はアクチュエーション出力装置がサポート層に対して実際に動くことができ、それによりアクチュエーション出力を可能にするようなものでもある。この設計は例えば運動がスライド運動を誘発する状況に適している。摩擦は異なるタイプの駆動信号を用いて有利に影響される(例えば低減又は除去される)ことができる。従って、駆動信号の第1のタイプは交番信号を伴わないものとすることができ、駆動信号の第2のタイプは交番信号を伴うものとすることができる。代替的に、両タイプの信号が交番信号を持ち得るが、第1のタイプの周波数が閾値周波数を下回る(運動不可)一方、第2のタイプの周波数は閾値周波数を上回る(運動可能)。代替的に、周波数は同じだが、振幅が異なる。より強い駆動(より高い振幅)ほど、摩擦を克服するより高い力が生成される。
遅延装置は保持力又は閾値力を与えるためにアクチュエーション装置及び/又はアクチュエーション出力装置に作用する磁気力及び/又は電気力を適用するための1つ以上の部品、及び/又は生成するためのデバイスを有し得る。
保持装置は適切な部品間の引力である及び/又は斥力である保持力で動作するように設計され得る。
再度、磁気力又は電気力を印加又は生成するための部品は、磁石(永久磁石若しくは電磁石)、又は場合により電荷源(電圧若しくは電流)と組み合わされる1つ以上の電極を有し得る。
保持装置のための電気力の実現の有利な方法は、装置に少なくとも2つの電極を設けることにより、うち1つはアクチュエーション装置に取り付けられ、もう1つはアクチュエーション出力装置又は固定サポート若しくはサポート構造に取り付けられ、それに対して保持装置がその保持機能を提供する。電極は引力を提供するように反対の電荷で、又は斥力を作り出すように同一極性の電荷で帯電可能であり得る。直接機械力に勝るかかる電場駆動力を使用する利点は、それらが互いに力を及ぼす部品間の距離に依存することである。従って駆動は、いかなる機械的アクチュエーションの伝動も伴わずに、機械的アクチュエーションの少なくとも一部をアクチュエーション出力へ伝動させるために十分に高くなるある点までの力の増加、又は、機械的アクチュエーションがアクチュエーション出力へ変換されるように機械的アクチュエーション力によりそれらが克服され得るある点までの、保持のための力の削減を可能にする。
保持力の電気的実施は、デバイスの再設計を要することなく、必要であればデバイスの動作中に保持力の電気同調を可能にする。この閾値力を調節するために追加駆動信号が使用され得る。保持信号は駆動信号と部分的に又は完全に同じ信号であることもできる。これは駆動信号により引き起こされるアクチュエーション力が、保持装置へ加えられる同じ駆動信号により提供される保持力よりも大きい状況において有利である。静電気力を生成するための電極間の相対的な位置、サイズ及び誘電体によりかかる状況を確実にするように保持装置が同調され得る。再度、この保持装置は駆動信号へ閾値を実現する、又は引き起こす。
電気機械保持システムはアクチュエーション部材及び/又は出力部材に作用する静電保持力を提供するための少なくとも1つの永久磁石ユニット又は電磁ユニットも有し得る。かかる保持システムを実現する複数の構成が存在する。このように、出力部材及び/又はアクチュエーション部材は磁気ユニットを有し得る一方、デバイスの固定サポート若しくはキャリア部分は、磁気ユニット又は生成される磁場に反応する材料のいずれかも有する。永久磁石ユニットはそれらが磁場発生信号を必要としないという利点を持つ。従って固定閾値電圧が磁石などの同調を介して実現される。電気力学磁気ユニットの保持信号は駆動信号とは異なる信号であり得る。これは必要に応じてデバイスの動作中に磁気保持力の電気同調を可能にする。
実施例の別のセットでは、遅延装置は:駆動信号を受信するように;並びに、駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される受信駆動信号に対しアクチュエーション装置へアクチュエーション出力を生じさせることができる駆動信号を印加しないように;及び駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される受信駆動信号に対しアクチュエーション装置へアクチュエーション出力を生じさせることができる駆動信号を印加するように、アクチュエーション装置への駆動信号の印加を制御するように、構成される駆動信号制御部品(110)を有する。
このように、この遅延装置はアクチュエーション装置への駆動信号の印加を制御するための閾値駆動信号を実現する構成要素を有する。このようにして、駆動信号は閾値駆動信号に達するまでデバイスのアクチュエーション装置へ到達することを部分的に又は完全に防止される。
駆動信号制御部品は、駆動信号がアクチュエーション装置へ印加される前に受信駆動信号により克服されなければならない閾値駆動信号を実現するための電気部品(110)及び/又は光学部品を有するか、或いはそれらから構成され得る。電気部品の場合、これは例えば静電放電デバイスなどで閾値電圧を実現し得る。光学部品の場合、これは光フィルタ又は光スイッチなどで閾値光強度及び/又は光周波数を実現し得る。
駆動信号制御部品は、追加機械的アクチュエーションを提供するための追加アクチュエーション装置を有することができ、追加アクチュエーション装置は、駆動信号を追加アクチュエーション装置へ印加すると変形して、それとともに追加機械的アクチュエーションを生じさせることができる追加活性材料を有し、追加アクチュエーション装置は、駆動信号を受信するように、並びに、追加機械的アクチュエーションが、駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対してアクチュエーション装置への駆動信号の印加を引き起こすのに十分ではないように;及び追加機械的アクチュエーションが、駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対してアクチュエーション装置への駆動信号の印加を引き起こすのに十分であるように、アクチュエーション装置へ駆動信号を印加するように、構成される。
追加アクチュエーション装置は典型的に、追加活性材料の機能に基づくアクチュエーション装置と同じ方法で作動する。駆動信号で追加アクチュエーション装置を駆動すると、駆動信号の範囲又はタイプで引き起こされるその追加機械的アクチュエーション(追加活性材料の変形に基づく)は、アクチュエーション装置へ駆動信号を提供するために十分ではない。従ってかかる駆動は機械的アクチュエーションをもたらさず、それとともにデバイスのアクチュエーション出力をもたらさない。第2の範囲又はタイプの駆動信号で部品を駆動すると、これはアクチュエーション出力が生成され得るように駆動信号又はその少なくとも一部をアクチュエーション装置へ提供する。
これは事実上2つのアクチュエーション装置の直列結合を提供することができ、従って追加アクチュエーション部材とアクチュエーション部材は順番にアクチュエーションされる。アクチュエーション部材は従ってアクチュエーション装置へ駆動信号を伝送又はスイッチするために既定量の追加機械的アクチュエーションが必要となるように構成される。デバイスは、チェーン内の2番目がデバイスのメイン出力を定義し、1番目が所定レベルの機械的アクチュエーションに達したときにのみトリガされるように構成され得る。そしてこの所定量は駆動信号に閾値を導入する。追加アクチュエーション装置はこのように、1番目がスイッチング機能のみである一方、後者が耐荷重機能を持つように、アクチュエーション装置よりも小さくなり得る。
しかしながら、代替的な設計では、アクチュエーション装置と追加アクチュエーション装置は、各々がデバイスのアクチュエーション出力、又はその一部を提供するように駆動信号の関数として連続的に作動される耐荷重部分を各々定義し得る。
本明細書において上記2つのアクチュエータ装置のセットについて説明した通り、直列に動作するように配置される3つ以上のアクチュエーション装置のセットが存在し得る。1つのアクチュエーション部材の既定量の変形時に、印加駆動信号が次のアクチュエーション部材へ結合される。このように、印加される駆動レベルに依存して順番に作動するデバイスのチェーンが定義される。
信号印加機能を実現するための設計自由度を与えるために、すなわち閾値信号を調節するために、追加活性材料は活性材料と異なり得る。かかる実施態様は両アクチュエーション装置の幾何学的又は構造的設計の選択によってもなされ得る。好適には活性材料と追加活性材料は同じである。従ってこれは、それに対し1つの材料タイプのみが設計される必要があるデバイス(同じ材料又はデバイス層であり得る)を可能にし、より単純なデバイス製造並びに/或いはより小さな及び/又はよりロバストなデバイス設計を与える。
本発明の一部の実施例では、アクチュエーション装置は駆動信号を受信するための電極を有し;追加アクチュエーション装置は電極へ駆動信号を提供するための追加電極を有し、電極は:駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号について駆動信号が電極へ伝動され得るよう、電極と追加電極が電気接点を提供しないように、;及び駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号について駆動信号が電極へ伝動され得るよう、電極と追加電極が電気接点を提供するように、適応される。
このように、駆動信号の第2の範囲又はタイプの駆動信号でのデバイスの駆動時に、電極と追加電極は電気的に結合されるか、又はアクチュエーション装置へ第2駆動信号又はその一部を伝送するために接続されるが、かかる接続又は結合は駆動信号の第1の範囲又はタイプでは確立されない。電気的接続は容量性、誘導性又は直流(物理的接触)結合を通じ得る。
光駆動活性材料の場合、前述の実施形態の任意の電極及び/又は追加電極は光駆動信号を提供する又は伝送する又は結合する導光部及び追加導光部と置き換えられ得る。
本発明は本発明に従って定義される複数のデバイスを有するシステムも提供する。
好適には複数のデバイスはアレイに配置される。より好適にはシステムはパッシブマトリクスアレイである。このアレイは、本発明にかかる遅延タイプのデバイスが2レベル駆動だけでなくマルチレベル駆動(グレースケール)でも、クロストークを削減した又は伴わない、単純なアドレシングを可能にする、安価で簡単に使えるタイプのアレイを提供する。
特定の用途では、アクチュエータのアレイは、例えばポジショニングシステムと制御トポロジー表面において有用であり得る。アレイは、行と列の接続のみを使用するアレイ駆動システムの実現であり、アレイ内で個別に駆動されるデバイスよりも低いコストと複雑性を持つ。アレイは直線又は2次元アレイであり得る。
システムはm個の第1の信号線とn個の第2の信号線を有することができ、mとnは整数をあらわし、mとnの少なくとも一方は1よりも大きく、複数のデバイスの各1つは、複数のデバイスのその1つへ駆動信号を提供するために第1の信号線と第2の信号線に接続される。
第1の接続線はデバイスを選択又は非選択するための行線であり得、第2の接続線はデータ線であり得、或いはその逆も同様である。
システムは:選択信号及び/又はデータ信号各々が駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を個別に提供するように;及び選択信号とデータ信号が一緒に駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号を形成するように、選択信号、非選択信号及びデータ信号を生成するように構成されるドライバをさらに有し得る。
一緒にとは、組み合わされること又は少なくとも既定時間にわたって時間的に重なることを意味する。
ドライバ装置は、m個の第1の信号線とn個の第2の信号線を使用して複数のデバイスの各々へ信号が提供され得るように、m個の第1の信号線とn個の第2の信号線に接続され得る。好適には、選択信号及び非選択信号はデータ信号がn個の第2の信号線を通じて提供される間にm個の第1の信号線を通じて提供される。このように、デバイス選択信号はSselになり得る一方、デバイス非選択信号はSunselになり得る。データ信号はSdr/dataになり得る。
ドライバ装置は電気駆動信号を提供するための電気回路又は集積回路を有し得る。駆動信号はパルスで又は他の方法でDC電圧信号及び/又はAC電圧信号を含む電圧信号であり得る。ドライバ装置は行ドライバと列ドライバを有し得る。行ドライバは、1つ以上の行に選択及び非選択信号を提供するためのものであり、列ドライバはデバイスへデータ信号を提供するためのものである。
ドライバ装置は光信号を提供するための光スイッチシステムも提供することができる。信号線は例えばストリップ(薄層)又は光ファイバにおける導光部であり得る。かかるシステムはシャッタ又は他の光スイッチだけでなく他の光操作部を持つことができる。
ドライバを伴うシステムは事実上動作のための電力とデータ入力を必要とするのみであり得る。代替的に、電力供給とデータ入力提供もシステムの一部である。電力入力は必要な場合電気的又は光学的であり得る。
ドライバ装置はいかなる形態のパッシブマトリクスアドレシングが使用されることも可能にする。
異なる駆動レベルがドライバ装置の異なるドライバにより生成され得る、すなわちドライバ装置は異なる信号レベルのセットを一緒に提供する行ドライバと列ドライバで構成され得ることに留意されたい。
遅延装置がアクチュエーション装置とサポート層の摩擦係合(上述の通り)を有するとき、システムのドライバは摩擦係合を減少させることができる周波数を伴う交流信号を有するように選択信号を生成するように構成され得る。
好適には選択信号の周波数は非選択信号のそれより高い。ドライバは第1及び第2の一定駆動レベルと第3の交流駆動信号を提供するためのものであり得、デバイス出力は第2の一定駆動レベルと交流駆動信号の組み合わせに応じてのみ生成される。
この構成は、摩擦結合を選択又は非選択するために交流信号を利用し、それにより閾値が克服されることを可能にする。
本発明は全てのタイプの電気活性材料(EAM)のために使用することができる。電気活性ポリマーは一般に、通常の層の厚さで、数十ボルトの比較的高い動作電圧を要する。従ってドライバは必要であればそれに対して適応されなければならない。好適には本発明は、これらがアレイなどの複雑なデバイスへの容易な統合を可能にするので、有機材料若しくはさらに有機高分子材料若しくは有機高分子含有材料のために使用される。適切な材料は本明細書で後述される。これらの材料の多くは様々なデバイスへ統合可能でありながらストロークと力との間の良好なバランスを提供する。同じことは無機材料では必ずしも当てはまるとは限らない。
デバイスが電気活性材料及び/又は追加電気活性材料を有する場合、好適には1つ以上の電極が駆動信号を提供するために使用される。1つ以上の電極は好適にはアクチュエーション装置の一部であり、存在する場合、追加アクチュエーション装置も1つ以上の電極を有する。電極は好適には装置へ取り付けられる。電極は好適には電気活性材料及び/又は追加電気活性材料へ、又はその一部へ電場を供給するように、或いは電気活性材料及び/又は追加電気活性材料へ電流を供給するように構成される。
デバイスが光駆動活性材料を有する場合、これは好適にはアクチュエーション装置へ光駆動信号を提供する導光部品を有する。かかる導光部品は:全て装置若しくは活性材料へ光信号を導くための必要に応じて、レンズ、プリズム、鏡、ストリップ、層、光透過材料のワイヤ若しくは管、カラー/周波数フィルタ、偏光素子を有し得る。従って公的には、アクチュエーション装置は光駆動信号を導くための少なくとも1つの導光部品又は層を有する。
任意のアクチュエーション装置は活性材料の1つ以上の層を有し得る。好適には異なる層からの寄与が相互に増大させるような方法である。
アクチュエーション装置及び/又は追加アクチュエーション装置は1つ以上の方向に活性材料の変形を制限するサポート層又は基板を持ち得る。これは各装置の機械的アクチュエーションの異なるタイプをもたらすように活性材料の変形を引き起こすために使用され得る。この一実施例は図2を参照して説明されるバッキング層である。
本発明は、本発明にかかるシステムを駆動する方法を提供する。この方法は以下のステップを実行するようにドライバ装置に指示するステップを有する:
‐選択信号、非選択信号及びデータ信号を生成するステップであって、
‐選択信号及び/又はデータ信号が各々、駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を個別に提供するように;並びに、
‐選択信号とデータ信号が一緒に駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号を形成するように、
生成するステップ。
分割された駆動信号、すなわちデータ信号部分と選択又は非選択信号部分から成る信号の生成は、本発明のデバイスと組み合わせて、行又は列駆動を用いるシステムの便利な駆動を与え、駆動信号の個別部分により引き起こされる交差汚染信号はデバイスの閾値未満に維持され得る。従って単純な駆動でクロストークアクチュエーション出力が観察されず、グレースケール又はマルチレベルデータ信号駆動も可能にする。
方法において選択信号を生成するステップは、非選択信号及びデータ信号が:
‐選択信号が選択信号レベルを有する;
‐非選択信号が非選択信号レベルを有する;
‐データ信号が少なくとも第1のレベルと第2のより高いレベルから成るレベルのグループから選択されるデータ信号レベルを有する;
ことを有し、
信号レベルが:
‐データ信号と非選択信号との差の絶対値が駆動信号の第1の範囲又はタイプを形成するように;並びに、
‐データ信号と選択信号との差の絶対値が駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供するか、或いは駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供するように
選択される
ことを有し得る。
データ信号の生成は好適には、少なくとも第1のレベルと第2のより高いレベルの間のレベルの範囲から選択されるデータ信号レベルを持ち得ることを有する。
非選択信号レベルは好適には選択信号レベルとデータ信号レベルの中間である。これは好適にはゼロレベルである。これは例えばゼロボルト、電流又はゼロ光強度であり得る。選択信号レベルとデータ信号レベルは好適には反対の極性又は符号を持つ。
複数のデバイスが電気的にアクチュエートされる場合、レベルは電流レベル又は電圧レベルであり得る。光学的にアクチュエートされるデバイスでは、レベルは光強度又は周波数であり得る。
本発明は、コンピュータ可読媒体上に保存可能な、若しくは保存される、又は通信ネットワークからダウンロード可能な、コンピュータ可読コードを有するコンピュータプログラム製品を提供し、当該コードは、コンピュータ上で実行されるとき、方法クレームのいずれかに記載の方法のステップを実施することができる。
本発明の実施例が添付の略図を参照して詳細に記載される。
クランプされない既知のEAPデバイスを示す。 バッキング層により制約される既知のEAPデバイスを示す。 EAPデバイスについて典型的な変位‐電圧特性を示す。 特にパッシブマトリクスアドレシングを可能にするためのEAPデバイスのより所望の変位‐電圧特性を示す。 EAPデバイスの第1の実施例を示す。 図5のデバイスが変位‐電圧特性を変更する様を示す。 EAPデバイスの第2の実施例を示す。 EAPデバイスの第3の実施例を示す。 図8のアプローチに基づく1つのデバイス設計について駆動電圧に対する静電力と変位を示す。 図8のアプローチに基づく別のデバイス設計について駆動電圧に対する静電力と変位を示す。 EAPデバイスの第4の実施例を示す。 EAPデバイスの第5の実施例を示す。 図12のデバイスが変位‐電圧特性を変更する様を示す。 EAPデバイスの第6の実施例を示す。 EAPデバイスの第7の実施例を示す。 図15のアプローチに基づく異なる実施例を示す。 EAPデバイスの第8の実施例を示す。 EAPデバイスの第9の実施例を示す。 第1のパッシブマトリクスアドレシングスキームを説明するために使用される。 より低電圧でパッシブマトリクスアドレシングを可能にする理想的な変位‐電圧特性を示す。 第2のパッシブマトリクスアドレシングスキームを説明するために使用される。 第3のパッシブマトリクスアドレシングスキームを説明するために使用される。
本発明はアクチュエータデバイスになり得るデバイスを提供する。デバイスは駆動信号をかけられると変形することができる活性材料を含むアクチュエーション構造を有し、デバイス出力は活性材料の任意の変形により生じるアクチュエーション構造の機械的アクチュエーションに由来する。デバイスは駆動信号の第1の範囲又はタイプについて機械的アクチュエーションのデバイス出力への変換を実質的に防止する遅延装置をさらに含む。デバイスはデバイス出力に対する閾値駆動を実現する。
デバイスは例えばパッシブマトリクスシステムでの使用に特に適する。理想的には、デバイスのパッシブマトリクス配置では、各個別アクチュエータは隣接アクチュエータに影響を与えることなくその最大アクチュエーションまでアクチュエートされるべきである。しかしながら、実際には隣接アクチュエータへマトリクスの行及び列に沿っていくらかのクロストーク駆動が存在することがわかっている。駆動信号(例えば電気活性材料ベースのデバイスの場合駆動電圧又は電流など)が1つのアクチュエータをアクチュエートさせるために適用されるとき、その周りの1つ以上のアクチュエータも駆動信号を経験し、部分的にアクチュエートすることになり、これは多くの用途にとって望ましくない効果である。
以下の説明は電気活性材料ベースのデバイスのアレイについてなされる。特に電気活性材料は電気活性ポリマーである。しかしながら、考察は他のタイプの活性材料及び対応する駆動信号を採用するデバイスのアレイにも当てはまる。
クロストーク効果はとりわけEAPの典型的な刺激‐反応(駆動‐出力)曲線の特性に起因する。図3は電気活性ポリマー(EAP)構造に対する基本的な変位(d)対電圧(V)関数の形のかかる曲線を示す。曲線は電圧駆動に対する非線形応答を示すが、駆動の開始から既に応答があり、曲線は実質的に連続である。
図4は例えばデバイスがパッシブマトリクス駆動セットアップ及びスキームで使用されることを可能にするための理想的な所望の駆動応答曲線を示す。この場合デバイスは所定閾値電圧V駆動が印加されるまで実質的な出力を提供しない。従って、Vよりも小さい"第1の駆動信号"ではデバイス出力がないが、V以上の任意の"第2の駆動信号"ではデバイス出力がある。かかる曲線を伴うデバイスはV以下の一部の刺激に対して耐性があり、それは結果としての出力を生じない。この耐性が、例えばクロストークの削減若しくは防止など、デバイスを多くの用途と目的にとって適した若しくは改良されたものにする。本発明は、煩雑なプロセスになり得る、既存の活性(例えば電気活性又は光活性)材料を調節若しくは修正する必要なく閾値駆動の実現を可能にする。閾値電圧を持つ電気的に活性化されるデバイスについて説明されるが、類似した推論が閾値電流を持つ電気的に活性化されるデバイス、又は閾値光強度若しくは閾値光周波数(色)を持つ光学的に活性化されるデバイスに当てはまり得る。
本発明は人工的に作り出される閾値駆動を生じさせるデバイス設計を提供する。この閾値は機械的効果若しくは駆動効果、又はこれらの組み合わせのいずれかを使用して実現され得る。様々な実施例が以下に与えられるが、本発明の効果を失うことなく他のものが考えられ得る。
本発明において、刺激は駆動信号と同じである。デバイスが電気活性材料を採用する場合、駆動信号は電気信号になり得る。通常及び好適にはこれは電圧信号であるが、電流信号であってもよく、これはデバイスで使用される実際の電気活性材料に依存する。好適にはデバイスは電気活性材料の面積若しくは体積の一部若しくは全体へ駆動信号を供給するために1つ以上の電極又は電極配置を組み込む。一部の場合において、例えば電気活性エラストマーが電気活性材料で使用されるときなど、電極配置の電極は電極がエラストマー材料に力を加えるために好適には電気活性材料の層の両側へ取り付けられる。
光活性材料で作動するデバイスの場合、駆動信号は光信号にもなり得る。かかる場合においてデバイスは材料へ光信号を提供するための部品も持ち得る。かかる部品は特定の透明度を持つ繊維及び層などの導光部となり得る。レンズ又は他の光学部品も使用され得る。
応答又はデバイス出力とはデバイスの何らかの機械的応答を意味する。これはデバイス、すなわち出力構造及び/又はアクチュエーション構造の一部の形状変化又は部分的若しくは完全な変位又はその両方であり得る。出力はアクチュエーション出力構造の実際の変形が最小限であるか又は生じないという条件で力又は圧力であることもできる。
閾値効果は様々な出力遅延構成若しくはメカニズムを用いて実現され得る。1つのクラス又はタイプはデバイス出力へのアクチュエーション変換の受動的な機械的遅延に基づく。これは例えば適合されたデバイスジオメトリ(構成)及び/又は機械式伝動システムにより実現され得る。デバイス出力へのアクチュエーションの変換の能動的な対抗も実現され得る。これは例えば閾値駆動まで機械的アクチュエーションに対抗する力を与える機能を導入することによりなされ得る。実施例は:機械的クランプ、表面"粘性"、対抗圧力、摩擦効果、又は他の恒久的又は電気力学的に生成される力であり得る。
このように、アクチュエートされるアクチュエーション構造により克服される必要がある実際の反力に基づいて、閾値駆動がアクチュエータデバイスにおいて実現され得る。代替的に、アクチュエートされるアクチュエーション構造が、アクチュエーション構造のいくらかの閾値量のアクチュエーション応答が発生した後にアクチュエーション出力構造が応答する結果のみをもたらすように、デバイスが構成されることができる。遅延装置又は伝動構造はアクチュエーション構造のアクチュエーションを所定閾値駆動まで効果的に吸収する。電気的に生成される閾値駆動効果も実現され得る。これは例えば静電、動電又は磁力又は電気絶縁破壊挙動を使用してなされ得る。上記効果の組み合わせも駆動閾値を効率的に実現するために使用され得る。
本発明は電気活性ポリマーEAPという名の特別な種類の活性材料に基づく下記実施例を参照してさらに説明される。本発明はしかしながらかかる材料又は特定の実施形態に限定されるものではなく、当業者は例えば本発明の効果を持つ本発明にかかる他のタイプの活性材料を含む他の実施例を設計することができるだろう。
図5A及びBは遅延装置を実現する機械的構造又は設計を使用する、幾何学的又は構造的効果に基づく本発明の第1の実施例を示す。デバイスはチャンバ22内のアクチュエーション装置としてEAP構造20を有する。チャンバはEAP構造20の上に懸架される部材(蓋)24を持ち、部材とEAP構造の間にギャップ23を残す。蓋部材はリムに着座し、これはEAP構造の上に懸架されることを意味する。部材24は実際のデバイス出力を与えるように配置されるアクチュエーション出力装置を事実上形成する。明瞭化のため図示されないが、EAP構造は電圧信号でEAPを駆動するために電極配置を持つ。例えば本願の図2に図示の電極及びEAP構成が使用され得る。しかしながらその他が構成され得る。第1の範囲の駆動信号(この場合電圧)でのEAPの駆動は、その一部が部材(蓋)24へ向かって持ち上げられるようにそれを曲げる。アクチュエーション構造はこのようにこの第1の範囲の信号でアクチュエートされるが、部材24が接触されていない及び/又は変位されていないため、実質的なデバイス出力はまだない。ギャップ23が埋められ、従って部材24とEAP層との間に接触が作られた後(駆動信号の第1の範囲内の最大駆動信号において)、デバイスの追加アクチュエーションがEAP構造をさらにアクチュエートさせ、それとともに増大した力及び/又は増加した変位で部材を接触させる(上昇させる)。このように、デバイス出力を生じることなく、蓋の下のギャップ内のEAP構造の運動のみを引き起こす入力駆動信号の範囲が存在する。この範囲の最大駆動信号(この場合は最高電圧)に達するとき、部材との接触が作られ、デバイス出力が開始する。この最高信号はデバイス全体の閾値駆動信号(閾値電圧)に対応する。この駆動信号より上の、第2の範囲の追加駆動が部材の進行加圧及び/又は変位(蓋のリフト)を提供し、これがデバイスの出力に対応する。
このように、部分的にアクチュエートされる要素は部材(蓋)を変位させないが、完全にアクチュエートされるアクチュエータはその部材の変位を与える。かかる閾値依存デバイス挙動を得るために、EAP構造と完全にアクセス可能な変位の一部がこのように犠牲にされなければならない。図6に図示の通り、遅延装置の効果はこのように、閾値Vに達するまでは変位がないようにデバイスの変位曲線を下げることである。このデバイスでは、構成は、デバイスにギャップが導入されていない場合にEAP構造に基づいて達成可能であったであろう最大変位を低下させる効果を持つ。他方、この構成の利点は、デバイス出力がアクチュエーション構造で達成可能な力の全範囲に利益をもたらすよう、閾値駆動前に力が克服される必要がないことである。従ってデバイスは最高の力が削減されたストローク用途にとって有用である。
遅延装置が所定閾値力までEAPアクチュエーション応答に対抗する力をアクチュエータにかけるとき、削減された最大変位が回避され得る。この場合遅延装置は事実上保持装置を持つ。これはギャップと同様に変位遅延の有無を問わず、アクチュエーション力の犠牲の有無を問わず、アクチュエーション構造とアクチュエーション出力構造との間の(機械的)相互作用の有無を問わず、多くの方法で実現され得る。実施例が以下本明細書で与えられる。
このように、アクチュエーションのための閾値電圧を作り出すためにそのEAPアクチュエータ構造がリテーナシステム、例えばスナップシステムを使用してクランプされる場合、デバイスはより多くの変位を提供し得る。そしてこの閾値電圧はリテーナ機能を克服するために必要な力に対応する。かかるリテーナシステムでは、一旦保持力が克服されると、デバイス出力はアクチュエーション構造から利用可能な力全てに利益をもたらす。この効果、又は部分的な均等効果は、閾値を超える駆動時に保持力がアクチュエーション構造により提供されるアクチュエーション力より強く減少するときに一般に達成され得る。これは、距離又は駆動信号に非線形若しくは線形依存する保持力で可能である(下記も参照)。
図7は部材(蓋)24が変位する前に通過しなければならないスナップフックの形の保持装置70を持つ実施例を示す。この場合図5の実施例のような変位部材とアクチュエーション部材の間のギャップがない。スナップフックは部材がフックを通過することができる前に閾値力が部材24へ印加されることを要する。
スナップスルー後、アクチュエータはさらなる駆動信号(印加電圧)でその変位を増加し続ける。電圧が除去されると、システムはその初期平坦状態へ戻る。スナップフックは蓋の下方向への自由通過を可能にし得るか、或いはデバイスは追加印加力によりリセットされる必要があり得る。デバイスの可逆性を確保する他の方法が本発明とともに機能し得る。
図7の実施例に対応する変位対電圧特性(プロット72)並びに力対電圧特性(プロット74)が図示される。明確に、図5の実施例とは対照的に、実際のデバイス出力が実現される前にEAPアクチュエーション変位の犠牲がない。所定駆動信号における完全なEAP出力は単に遅延され、対抗する力を克服した後、これはデバイス出力において完全に利用可能になる。
さらなる機械的実施形態では、閾値電圧はEAP構造(すなわちポリマー層とそれ自体の基板)とサポート構造との間に規定"粘性"を追加することにより誘導され得る。粘性は、その力がシステムの粘性を克服するまでEAP層にかかる電圧を増加させることによってのみ克服され得る。
粘性は、以下のいずれか1つ以上により実現され得る:
‐表面の化学修飾(接着剤様特性の適用)
‐表面間に流体を導入(毛細管力を使用)
‐表面の機械的/トポロジー修飾、例えば"Velcro(登録商標)"様構造。
上記実施例は例えばデバイスの出力を定義する機械的構造に基づく遅延装置を利用する。代替案は静電効果に基づく。
アクチュエーションに対抗する静電的に誘導される力の一実施例は図8に図示の通りである。アクチュエータはその駆動のための電極配置を含む(再度例えば図2のような)EAP構造20を持つ。デバイスはEAP構造の下のデバイスサポート面上に追加電極80を持つ。この電極は駆動電極配置の電極のいずれとも直接電気的に接触しない。これに対応するために2つの間に例えばギャップ又は絶縁層があり得る。EAP構造20の電極配置の1つの電極と表面上の追加電極80の間の静電引力は、変位を(この場合)屈曲に制限する制限力を作り出す。静電気力は次式で与えられる:
Figure 2018525809
曲げ力はEAP材料特性の関数である。このように、遅延装置はEAP構造に静電気力を印加するための電極を有する。
静電気力が曲げ力により克服される場合、アクチュエータが曲がる。力は電極間の距離間隔(d)の二乗の関数なので、これは静電気力を大幅に減少させる。任意の曲げはdを増加させ、静電気力が削減され、さらなる曲げに、従ってF_electrostaticのさらなる削減につながり、閾値が克服される。
図8のグラフは対応する変位対電圧特性(プロット82)、力対電圧特性(プロット84)及び静電気力対電圧特性(プロット86)を示す。
このシステムの利点は、静電気力がほぼ瞬間的であり、EAP構造力の反応が鈍く、これはアクチュエータを低電圧でしっかりとクランプしたままにするために好都合であるということである。動的効果はEAP構造と基板との間の静電容量の差を利用することにより実現され得る。この構成では、静電気力は電圧が印加されるとすぐにEAP構造を拘束するようはたらく。EAP構造はしかしながらステップ電圧入力からその最大力までゆっくりと増大する。これは遅延閾値効果を引き起こし得る。このように、ステップ電圧が印加されるとき、アクチュエーション力が静電気力閾値を克服して、変位を与えるように飛び上がるまで、静電気力は最初にEAP構造を抑える。
閾値はこのように一部アクチュエータの幾何学により、一部アクチュエーションの速度により決定され得る。
3.5の比誘電率、144mmの面積と80マイクロメートルの厚さを持つ基板を伴う正方形アクチュエータの場合、EAP層力と静電気力は約110Vの電圧で平衡状態にある。これは、静電クランプ力90とEAP層曲げ力92を示す図9に図示される。
70マイクロメートルの基板厚を伴う同じシステムでは、図10に図示の通り閾値は約240Vである。このシステムについて、静電クランプコンデンサの静電容量は図9では約55pF、図10では65pFであるが、EAP層の静電容量は典型的に約200‐500nFであり、これは充電時間の差が約3000倍であることを意味する。
このように設計が所望の閾値電圧と所要応答特性に合わせて調整され得る。
前実施例は静電気力を利用する。電気的に誘導される力に基づく、同様にはたらく実施形態が、電磁石を用いて作られ得る。さらなる実施例として保持効果を達成するために永久磁石も使用され得る。このように、上記の静電的に引き起こされる反力と同様に、デバイスは特定閾値駆動までEAP構造アクチュエーションを能動的に防止している永久磁石又は電磁石を持つことができる。従って、EAP構造及びデバイスサポート構造の一方又は両方が磁気層又は部分を持つことができ、EAP構造及びデバイスサポート構造のいずれか一方の他方は磁石から引き付けられる又は反発される材料を持つことができる。EAPアクチュエーション反力を作り出すための引力又は斥力の使用は、これがかかる力を生じさせる部分の相対位置に依存するので、デバイスの設計若しくは構造により調整され得る。これは本発明全体で当てはまる。磁力は、標準的な電磁気学の考察から公知の通り、かかる力に寄与するパラメータを考慮してデバイスの磁石、材料及び構成を調整することにより要望通り閾値力を作り出すために調整され得る。当業者は通常の技術を使用してこれを成す術がわかるだろう。
遅延装置の別の可能な実施態様は、閾値駆動信号を導入する構成部品を有する。一実施例はEAP構造への駆動信号の印加を制御するための閾値電圧又はブレークオーバー電圧を実現する電気部品である。
図11Aは、EAP層20がDIAC(ダイオードACスイッチ)として示される電気閾値又はブレークオーバー素子110と電気的に直列に接続される実施例を示す。ショックレーダイオード、シリコン制御整流器又は他のサイリスタなど、他の閾値素子が使用され得る。この素子は、例えば基板スタックの一部として(p‐n‐p‐nシーケンスで)有機半導体層として、EAP構造の一部になり得る。代替的にアレイ内のより大きなアクチュエータの場合、素子は各アクチュエータと直列接続する表面実装デバイスコンポーネントであり得る。
ブレークオーバー又は閾値電圧未満の印加電圧では、電圧降下が閾値又はブレークオーバー素子の両端に発生するので変形が誘導されない。より大きな印加電圧では、EAP層が変形する。
光学的に駆動されるアクチュエータの場合、かかる構成部品はOLED又はLEDの形になり得る。OLEDは駆動出力曲線のような閾値電圧を伴う電気信号を要する。光出力は光活性材料構造を活性化するために同調され適切になり得る。構成部品は特定範囲の周波数のみを通過させる非線形光学フィルタ又は光学フィルタも持ち得る。
遅延装置のための別の可能な実施態様は第2のアクチュエーション装置を組み込む構成部品を有する。かかる構成部品の一実施例として、電気活性材料ベースのデバイスは追加EAP構造を構成部品として持つことができ、追加EAP構造は駆動信号を受信してそれをデバイスのアクチュエーション装置へ印加するための電極を有し、既定量の追加EAP構造の変形時に、駆動信号が(主)EAP構造へ結合される。
図12は一実施例を示す。デバイス全体は("EAP構造"である)主アクチュエータ120と("追加のEAP構造"である)副アクチュエータ122を有する。副アクチュエータは主アクチュエータよりも小さく、この場合無負荷デバイスである制御部を定義する。
2つの順次アクチュエータの使用は閾値が実現されることを可能にする。副アクチュエータが機械的スイッチとして機能する一方、主アクチュエータは機能的アクチュエータである。図12(a)及び図12(b)に電圧V=0及びV=V1について図示の通り、電圧が閾値電圧未満であるときスイッチはオフである。
図12(c)に図示の通り、閾値電圧及びそれ以上、例えばV=V2では、スイッチがオンになり機能的アクチュエータが瞬時にその電圧へ完全に給電される。
副アクチュエータが主アクチュエータへの駆動電圧の印加を遅延させるように、2つのアクチュエータ間の接触はその駆動電極の接触を提供する。
図13は主アクチュエータについて変位関数を示し、変位関数の急激なカットオフがあることが見てとれる。このようにV未満の電圧信号はデバイスのアクチュエーションを与えない第1の駆動信号である。V以上の任意の電圧信号はアクチュエーション出力を与える第2の駆動信号である。カットオフはアクチュエータ間のギャップサイズを調節することにより、又は活性材料にわたるアクチュエーション場を制御する厚さなどの活性材料及び/又は活性層ジオメトリを調節することにより、設計を通して調節され得る。
連続的順序は異なるアクチュエータ構成及びスイッチングアクチュエータジオメトリでいくつかの異なる方法で構成され得る。適合された構成が可能である。接触はアクチュエータジオメトリに依存して、EAP構造の電極により、又は基板の裏側に作られる追加接触パッドにより、作られ得る。3つの実施例が図14(a)から図14(c)に図示される。
図14において、各アクチュエータはキャリア層上のEAP層140として図示される。EAP層140の両側に電極があり、これらの1つは接地されるか又は適切な基準レベルに置かれる。副アクチュエータが変形されるときに、非接地電極が接触する。アクチュエーション電圧が印加されていない、副アクチュエータが変形される前の3つの設計の状態が図示される。
図14(a)において各アクチュエータの非接地電極は、キャリア層が接触するようにキャリア層のエッジ周りに延ばされ、これは非接地電極間の電気的接続を作る。
図14(b)において、EAP層140は、キャリア層が互いに対向するが、接触するのはEAP層及びその各非接地電極となるように、キャリアの面積を超えて広がる。
図14(c)において、EAP層は互いに対向し、その各非接地電極が接触する。
図15は両アクチュエータ120、122が耐荷重性であり得る実施態様を示す。
この場合、(第2の(副)EAP構造である)第1の耐荷重アクチュエータ122は、((メイン)EAP構造である)第2の耐荷重アクチュエータ120と接触する。第1及び第2のアクチュエータは両方とも機能的アクチュエーションに関与する。
このように、遅延が主アクチュエータ120のみに印加され、閾値未満で、第2の出力機能が副アクチュエータ122により実現される。
電圧の印加時に第1の耐荷重アクチュエータ122はそれが第2のアクチュエータ120と接触する点まで変形する。第2のアクチュエータのパラメータ選択に依存して、図16に概略的にあらわされる、様々な可能性が存在する。
図16(a)は、第1及び第2のアクチュエータが同一で??ある場合、一旦接触すると第2のアクチュエータ120が直ちに第1のアクチュエータ122と同じ形状に変形し、それによりアクチュエーションにおけるステップ関数が生じることを示す。
図16(b)は、第2のアクチュエータ120が第1のアクチュエータ122(例えばより薄いEAP層、又はより薄い若しくはより柔軟な基板を伴う)より反応性が高い場合、第2のアクチュエータ120が直ちに第1のアクチュエータよりもさらに変形し、それによりアクチュエーションにおけるより大きなステップ関数が生じることを示す。
図16(c)は、第2のアクチュエータ120が第1のアクチュエータ(例えばより厚いEAP層、又はよりロバストな基板を持つ)より反応性が低い場合、第2のアクチュエータ120が第1のアクチュエータよりも少ない程度に変形し、それによりアクチュエーションにおけるより小さなステップ関数が生じることを示す。
第2のアクチュエータ120自体が(例えば上記閾値又はブレークオーバー設計を使用することにより)接触を引き起こすために必要な電圧を超えるアクチュエーションのための閾値電圧を持つ場合、第2のアクチュエータは電圧がさらに増加されるまで変形せず、それによりアクチュエーションにおいて即時ステップは生じない。
接触した後、両アクチュエータはそれらがその最終アクチュエーション状態に達するまで、電圧が増加するにつれて変形し続ける。
このように、図16の実施例では、0Vが印加されるとき両アクチュエータはゼロ変位を持つ。電圧が印加されると第1のアクチュエータ122が曲がり始める。曲げが第2のアクチュエータと接触するために十分に高くなるとき、第2のアクチュエータ120は瞬間的に同じ電圧を経験する。第2のアクチュエータは第1のアクチュエータと同じ、第1のアクチュエータ以上、又は第1のアクチュエータ以下の変位を提供するようにされ得る。
このアプローチへの変更は一連の多数(2以上)のアクチュエータを持つことであり、第1のアクチュエータは全アクチュエータ出力エリアの所定部分のみをカバーする耐荷重アクチュエータである。一般に、直列に3つ以上のEAP構造のセットがあり得、1つのEAP構造が既定量だけ変形すると印加駆動信号が次のEAP構造へ結合される。
図17は、角部の内縁にピボットクランプ170を伴う、オープンフォーマットアクチュエータを提供するシーケンスに4つのアクチュエータが配置される実施例を示す。
アクチュエータが一般に上向きに曲がる場合、各個別アクチュエータの端部は下に曲がる。外縁部172の動きは左右及び上下のアクチュエータ間の接触を作るために使用される。アクチュエートされるデバイスの数は印加電圧に依存する。
例えば、底部アクチュエータ(1とラベル)が電極172において接触するために十分に変形したときに上下アクチュエータ(2とラベル)が給電される。頂部電極(3とラベル)は垂直アクチュエータが十分に変形されるときのみアクチュエートされる。
このように、V<VT1において底部アクチュエータ(1)は変形するが他の隣接する耐荷重アクチュエータ(2)と接触しない。VT1<V<VT2において、底部アクチュエータ(1)はサイドアクチュエータ(2)に接触するよう十分に変形し、それらを変形させるが、頂部アクチュエータ(3)を変形させるには十分でない。V>VT2において全アクチュエータが変形する。
上述の通り、遅延機能を実現する別の方法は粘着性を導入することによる。
図18はEAP層180の膨張が面内に制限される実施態様を示す。
この設計は(図1のように)自立EAPに基づき得る。例えば2層は、図示の通り左側など、片側で固定され得、さもなければ全方向に自由に拡張する。
層は基板182に対して設けられ、摩擦力が克服されるまで相対的なスライド運動に抵抗する摩擦抵抗がそれらの間にある。
このように、摩擦が遅延装置として機能し、閾値を決定する。
摩擦を克服するようにデバイスを駆動するために、AC駆動方式が使用され得る。例えばコントローラ184が使用され、DC駆動信号へ追加される高周波ACリップルを印加し、アクチュエータがある位置から次の位置へ動くときに相対的な滑りを可能にする。双安定効果が得られるよう、次の位置は摩擦に起因する印加電圧の除去によっても保持され得る。デバイスとそのAC駆動は、出願人の整理番号2015PF00205を伴う非公開特許出願に記載の通り実現されることがき、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図18で電圧時間プロファイルに示す通り、デバイスの駆動はわずかなDCオフセットのみを伴ってAC電圧で開始する。非アクチュエート状態周辺に振動をもたらすようにEAPは発振周波数に対して振動する方法でアクチュエートする。これは摩擦の低減をもたらし、EAP層を滑らかなアクチュエーション運動のために準備し、これは駆動電圧が上昇するとすぐに起こる。
そしてEAP層はグラフに描かれる次の時間期間中変形し続け、変形中はアクティブな振動がある(立ち上がりDC電圧レベルに重畳されるAC成分により誘導される)。
最後に、AC信号が本質的に一定のDCレベルに重畳される短期間の後、その最終状態に到達する上でEAP層の運動において任意の遅延を可能にするために、電圧が除去され、これは残留摩擦が十分である場合、第2の定常状態が保持される結果をもたらす。その後デバイスは、摩擦を克服し、デバイスをその元の状態に戻すよう、わずかなAC信号のみを印加することによりリセットされ得る。従ってデバイスはリセット可能性を伴う複数の任意の安定状態を持つ。この実施形態では、デバイスがその最も安定な(最高摩擦)状態に落ち着くことを可能にするため、ゆっくりとAC信号振幅を減少させることが有利であり得る。
上記様々な実施例は本質的に閾値関数を持つアクチュエータデバイスを提供する。
上述の通り、特定の用途では、例えば位置決めシステム及び制御トポロジー表面において、アクチュエータのアレイが有用になり得る。しかしながらアクチュエータの駆動電圧はかなり高いので(50V以上)、各アクチュエータをそれ自身のドライバICで個別に駆動することはすぐに高価になる。
パッシブマトリクスアレイは、行線と列線の各クロスポイント間に駆動されるデバイスがその駆動のために接続される、行(N行)及び列(M列)線のみを使用するアレイ駆動システムの単純な実施態様である。アクティブマトリクス型の変形はより多くの配線、より複雑なドライバ及びクロスポイントにおいて追加スイッチング手段を要するので、これは後者よりも低いコストと複雑性を持つ。パッシブマトリクスにおいてドライバ装置は最大(n×m)デバイス(アクチュエータ)をアドレスするために(n+m)ドライバのみを要するので、これははるかに費用効果的なアプローチであり、追加配線のコストとスペースも節約する。
本発明にかかるデバイスは、電極配列の一方の電極が行線に接続される一方、電極配列の他方の電極が列線に接続されるような方法で、行線(第1の接続線)と列線(第2の接続線)に接続され得る。本発明にかかるデバイスが追加電極配列を持つ1つ以上の追加アクチュエーション部材を有する場合(例えば図12から図16で例示されるデバイスなど)、接続は駆動信号伝動の最初の遅延を提供するアクチュエータ装置の追加電極配列と作られる。例えば、図12のデバイスの接地電極は両方とも行線(それ自体が接地線である必要はない)に接続される一方、最小アクチュエーション部材(追加アクチュエーション部材)の他方の電極は列線に接続される。
様々な可能なパッシブマトリクスアドレス方式がある。しかしながら一般に、パッシブマトリクスでアドレスされるアクチュエータデバイスは、再びリフレッシュされ得るまでアクティブ駆動回路なしでその状態を維持することが望ましい。この目的のために、駆動信号Snmが行又は選択信号(Ssel/unsel)と列又はデータ信号(Sdr)へ分割される。言い換えれば、選択信号とデータ信号が一緒に駆動信号を形成する。選択信号がアドレスされている行を決定し、行上のnデバイス全てが同時にアドレスされる。行上のデバイスが選択又はアドレスされているとき、選択信号レベル(Ssel、例えばVsel電圧など)が印加され、他の全ての行は非選択信号レベル(Sunsel、例えばVunsel電圧など)で非選択である。そしてデータ信号(Sdr)が各m列に対して個別にデータ信号レベルで印加される。オンデバイスがこうしてオンデータ信号レベル(Son、例えばVon電圧など)で駆動され、オフデバイスの駆動はオフデータ信号レベル(Soff、例えばVoff電圧など)を提供することに対応する。そして行i及び列jに接続される選択デバイス及び非選択デバイスへそれぞれ提供される駆動信号は交差線にわたって印加される電圧の差により定義され、従って次式により定義される:
Snm(選択デバイス)=Sdr−Ssel
及び
Snm(非選択デバイス)=Sdr−Sunsel
提供されるデータ信号Sdrは、選択行上のアクチュエータデバイスがオン又はオフであるかどうか、すなわち出力を提供するか否かを、そしてオンである場合はどれくらいのアクチュエーションが提供されるかを、決定する。
理想的にはパッシブマトリクスデバイスにおいて、各個別アクチュエータは隣接アクチュエータに影響を与えることなく、すなわちデバイスのクロストーク誘導アクチュエーションを提供することなく、その最大電圧までアクチュエートされることが可能であるべきである。しかしながら従来のEAPアクチュエートデバイス、すなわち信号閾値を伴わないものにおいては、隣接アクチュエータへのいくらかのクロストークが存在する。駆動信号が1つのアクチュエータをアクチュエートするために印加されるとき、その周りのアクチュエータも電圧を経験して部分的にアクチュエートすることになり、これは多くの用途にとって望ましくない効果である。従って、一例として、図19(a)のアレイは電圧信号により作動される行及び列線の交差点上の従来のEAP(丸で示す)を持つと仮定する。非ゼロ電圧としてSsel=−Vthをそれに与えると同時にSdr=非ゼロVdr V又はSdr=0Vを列に与えることにより行1を選択すると、暗色の丸で示されるアクチュエータデバイスは(Vdr+Vth)Vのフル駆動電圧を持つことになる。しかしながら他のデバイスは、Vdrを持つ列上で行1以外の行上にあるときは(Vdr+0)Vの電圧を持つことになるか、或いは−Vthを持つ行上で列1若しくは3以外の列上にあるときは(0+Vth)Vの電圧を持つことになる。従って他の全デバイスは部分的にアクチュエートされてクロストーク出力を与える。
例えば上記実施例のいずれかについて記載した通り、その出力(例えばアクチュエーション変形)を生成する前に閾値電圧を持つアクチュエータは、クロストークがない又は削減されたパッシブマトリクス又は多重化デバイス(すなわち多重セグメント化アクチュエータアレイ)が形成されることを可能にする。理想的には、デバイスが出力を与えるようにアクチュエータがアクチュエートする前に閾値レベルまで非ゼロ電圧を印加することが可能である。この閾値電圧は例えばアクチュエータの形状を変化させるのに必要な電圧のオーダーであるか又はそれよりも高くなり得る。
かかる閾値ベースのアクチュエータデバイスを使用して、多くの駆動スキームで駆動されるデバイスの多くのアレイが可能である。これらのアレイ及び駆動スキームの一部が以下に記載される。EAM材料に基づくほとんどのアクチュエータが電圧駆動デバイスであるため、スキームは電圧信号を用いて記載される。しかしながらアクチュエータを駆動するために使用され得る他のタイプの信号に対して下記と同様の概念が一般に当てはまることが理解される。上記の通りこれはかかるデバイスで使用される実際のアクチュエータ材料に依存し得る。
一般的に、第1及び第2の駆動信号を持つ本発明にかかるアクチュエータデバイスの場合、ドライバにより送出される駆動信号Snmが第1の駆動信号又は第2の駆動信号であるべきである。このように、第2の駆動信号のタイプのSnmをデバイスに与えながら(アクチュエーションのため)、クロストークの結果として引き起こされる他のデバイス上のSnmは従って好適には第1の駆動信号のタイプであるべきである。閾値駆動信号がアクチュエータデバイスにより定義される場合、Snmは第1の駆動信号については閾値駆動信号以下であり、第2の駆動信号については閾値駆動信号を上回る。信号Ssel/unsel及びSdr/dataはこのように好適にはSnmに対する前提条件が満たされるように選択される。これらの全般的な考察を実現する駆動スキームの一部の実施例が以下で与えられる。
[アドレシングスキーム1]
図19は1ラインずつのアドレシングによるパッシブマトリクス方式を説明するために使用される。この場合、交差点におけるアクチュエーションデバイスは、それらが電圧駆動アクチュエータであるように本発明のオプションの一つに従い、デバイスは閾値電圧Vthを持ち、それ未満ではデバイス出力が実質的になく、それ以上でデバイス出力が生成される。
この実施例では、デバイスの閾値電圧(Vth)は任意の1つの所望の駆動信号においてデータ信号Vdrの電圧の範囲を超える、すなわちVth>Vdrである。VdrはEAMデバイスを完全にアクチュエートさせるために必要なデータ電圧範囲である。この状況は図13に図示され、データ電圧範囲VdrがVより上の電圧範囲として示される。これは、デバイスのアクチュエーション構造の一方の電極に0Vが印加され、フルデータ電圧Vdrが他方の電極に印加される場合、駆動信号が依然としてVth未満であるVdr+0Vにしかならないため、アクチュエータが全くアクチュエートされないことを意味する。全体の電圧差、すなわちデバイス駆動信号をVthより大きくするためには、他方の電極に0Vではなく、負電圧が他方の電極に必要とされる。
一実施例では、2レベルアドレシング信号、すなわちSsel=−Vth(又は理想的には閾値電圧直下)V(選択信号レベル−Vthを伴う選択信号)、及びSunsel=0V(0Vの非選択信号レベルを伴う非選択信号)を提供することができる行ドライバによりアレイが駆動される。列ドライバは2レベル又はマルチレベルデータ信号、すなわち0V(第1の信号レベル)とVdr V(第2の信号レベル)の間のSdr(Sdata)を提供することができる。
ドライバはこのように低いSsel、高い上限Vdr及びこれら2つの中間の0Vの基準信号を利用する。基準信号は0Vである必要はなく、別の電位にすることができる。これはより独立した基準信号を利用するより一般的なドライバの幾分単純な実施例である。
アクチュエータデバイスはVthを持ち、それ以上でのみデバイス出力が生成される。従って最大の第1の駆動信号、すなわち出力を生成しない駆動信号の第1の範囲は、閾値電圧に等しい上限を持つ。
この実施例では、上記で定義されたSnmは第2の駆動信号を構成しつつ、SselとSunsel並びにSdr又はSdataレベルは第1の駆動信号を構成するように選択される値とともに供給されるよう、ドライバ及び/又はアクチュエータデバイスが構成される。従って、より具体的には、第1の信号レベルと第3の信号レベルとの差の絶対値、並びに第4の信号レベルと第2の信号レベルとの差の絶対値が第1の駆動信号を提供する、すなわち最大の第1の駆動信号(又はVth)よりも小さくなる。言い換えると、差はこのようにVth又はVdrのいずれかであり、こうした類のクロストーク信号に対し出力が生成されないよう、両方ともVthより低い。
アレイのアドレス指定は4×4アレイの一実施例を示す図19で説明される方法で進行する。
全行は最初に0Vでアドレスされる(非選択)、つまり、0Vが行に印加される。この状況では、個々のデバイスの両端の最大電圧差はVdr(列ドライバからの最大電圧)である。これはVth未満であるため、アレイ内の全デバイスが非アクチュエートモードになる。
そして、図19(a)に図示の通り、第1の行1が−Vth(又は−Vth直下)でアドレス(選択)される。2つの列1及び3が電圧Vdrで、2つの列2及び4が0Vで駆動される。この状況では、列1及び3上の2つのデバイスにかかる電圧差は(Vdr+Vth)Vである(列ドライバからの最大電圧Vdrを使用)。これはVthを超えるので、行内のこれら2デバイスは黒丸で示す通りアクチュエートモードになる。列2及び4上の他の2デバイスにかかる電圧差は(0+Vth)Vであり(列ドライバからの最小電圧0Vを使用)、それにより行内のこれら2デバイスは非アクチュエートモードになる。1以外の行上並びに列1及び3上のデバイスにかかる電圧差は(Vdr+0)Vの非ゼロ電圧差を持つ。しかしながらこれは依然としてVthを下回り、従ってこれらのデバイスも依然非出力モードのままである。
そして第1の行は0Vのアドレシング信号へ戻り、行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードに戻る。
そして第2の行が図19(b)に図示の通り−Vthでアドレス(選択)される。オンオフは行1の選択と同様に開始する。
そして第2の行は0Vでのアドレシングに戻り、第2の行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードに戻る。
そして第3の行が図19(c)に図示の通り−Vthでアドレスされる。今や3列が電圧Vdrで、1列が0Vで駆動されている。この状況では、デバイスのうち3つにかかる電圧差は(Vdr+Vth)Vである(列ドライバからの最大電圧Vdrを使用)。これはVthを超えるので、行内のこれら3デバイスがアクチュエートモードになる。他のデバイスにかかる電圧差は(0+Vth)Vであり(列ドライバからの最小電圧0Vを使用)、それによりこのデバイスは非アクチュエートモードになる。
そして第3の行は0Vへ戻り、行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードに戻る。
そして第4の行が図19(d)に図示の通り−Vthでアドレスされる。ここでは4列全てが電圧0Vで駆動される。この状況では4デバイス全てにかかる電圧差は(0+Vth)Vであり(列ドライバからの最小電圧0Vを使用)、それにより行内の全デバイスが非アクチュエートモードになる。
そして第4の行は0Vへ戻り、行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードへとどまる。
そして行アドレシングは新たなサイクルをたどる。
このようにして、一度に1ラインずつアレイ内の全デバイスを個別にアクチュエートさせることが可能であり、それによりデバイスは逐次的方法でアクチュエートされる。列ドライバ又はデータドライバは、行上のデバイスをアクチュエートさせる又はアクチュエートさせないために、並びにどの程度まで(グレースケール型アクチュエーション)かかるデバイスがアクチュエートされるかを決定するために使用される。このデータ信号は0VとVdr maxの間の範囲における連続可変又はアナログデータ信号であり得る。代替的にそのデータ信号は0VとVdr maxの間の範囲における段階的可変(デジタル)データ信号であり得る。
注目に値する1つの特徴は、個々のアクチュエータ、行に沿って最大m個の多数のアクチュエータ、列に沿って最大n個の多数のアクチュエータ、又は多数の反復行若しくは反復列が所与の時間においてアクチュエートされ得る一方、アクチュエータに内蔵されるメモリがないので、同時にアクチュエートされるアレイ内のアクチュエータの任意のランダムパターンを持つことは一般に不可能であるということである。かかる一実施例が以下のアドレシングスキーム3に記載される。電圧が除去されると、複数の行内のアクチュエータが同時にオンにならないようにアクチュエータはアクチュエーションを停止する。
[アドレシングスキーム2]
図19のスキームは低減された電圧ドライバを利用するように修正され得る。EAMベースのアクチュエータ、特にEAPベースのアクチュエータデバイスに対するアクチュエーション電圧(又は一般に信号)は、数十ボルト又は数百ボルトの範囲など、非常に高くなり得るので、これは有利である。図12の順次アクチュエータのようなアクチュエータの場合、図20に図示の通り完全な又はほぼ完全なステップ関数変位を伴って、列は電圧Vdr>Vth/2 Vを提供することにより駆動され得、行は電圧Vsel=−Vth/2 Vを与えられ得る。
VdrはVth/2 Vよりわずかに大きく、例えば(Vth/2+Δ) Vである。一緒に駆動電圧はΔVだけ(Vdr−Vsel)>Vthであり、これはデバイスをアクチュエートするために十分である。Vdrは任意のΔを組み込むように選択され得る。
これは各ドライバによる駆動電圧が可能な限り低く保たれ得る(これはICのコストを制限する)という利点を持つ。これはマトリクス内の非アクチュエートデバイス上の電圧がVthよりもはるかに低いことも保証し、これは万一デバイスの閾値電圧が経時的に又は温度変動に起因して減少する場合にいくらかのマージンを可能にする。また非アクチュエートデバイスはVthではなくVth/2だけ電気的ストレスを受けるのみであり、これは寿命がピーク電圧により決定される場合に寿命も増加させ得る。
寿命がピーク電圧とデューティサイクルの組み合わせにより決定される場合、図19のスキームが代わりに好適になり得る。その場合、ピーク電圧がより高くなる(Vth)が、これはアレイの1ラインがアドレスされる間に短時間だけ印加され、従って非常に低いデューティサイクルがある。他の全デバイスは最大でもVdrしか受信せず、Vdr<Vthである。
駆動電圧レベルとデバイスアクチュエーション範囲との間のトレードオフが存在するように、Vdr(列電圧)とVs(行電圧)の他の値も中間ソリューションとして可能である(VthまでのVsel及びVdrまでのVdr)。
上記スキームは2つの駆動レベルのみを伴うアレイにおいてドライバコストを削減し得る一方、複数の駆動レベルが必要とされるアレイでは状況が異なり得る(すなわちデバイスが異なるレベルへアクチュエートされる必要があるとき)。この場合、データドライバはより高価になる。従って閾値がドリフトしない状況では、最低コストのソリューションは依然としてデータ(列)ドライバ上の電圧を最小化し、アドレシング(行)ドライバのそれを−Vth近くに維持することであり得る。
[アドレシングスキーム3]
時には同時に多数のデバイスをアクチュエートさせることが望ましく、それにより同時に複数ラインをアドレスすることが必要である。従って別の実施例では、アクチュエータデバイスのアレイは上記の通り閾値電圧(Vth)を与えられる。スキーム1と同様に、閾値電圧は再度デバイスを完全にアクチュエートするために必要な(上述の通り)電圧範囲(Vdr)を超える、すなわちVth>Vdr。
アレイは、0Vと−Vth(再度理想的にはVth直下)の2レベルアドレシング信号を提供することができる行ドライバと、0VとVdr Vの間の2レベル又はマルチレベルデータ信号を提供することができる列ドライバにより駆動される。
図21を参照して、アレイのアドレシングは下記の通り進行する。この実施例では、代替的にアレイの上半分(図21(a))と下半分(図21(b))内の全デバイスがアクチュエートされる。
全行が最初に0Vでアドレス(非選択)される(図示せず)。この状況では、デバイスの両端の最大電圧差はVdrである(列ドライバからの最大電圧)。これはVthを下回るので、アレイ内の全デバイスが非アクチュエートモードになる。
図21(a)に図示の通り、第1及び第2の行が−Vthでアドレス(選択)される。全列はデータ電圧Vdrで駆動される。この状況において、アレイの上2行における全デバイスにかかる電圧差は(Vdr+Vth)Vである(列ドライバからの最大電圧Vdrを使用)。これはVthを超えるので、デバイスのこれら2行がアクチュエートモードになる。従って、下2行、行2及び4は、これらの行上のデバイスがVthを下回る(Vdr+0)Vの電圧信号で駆動されるように、0Vの選択信号で非選択になる。従ってこれらのデバイスはオフである。
第1及び第2の行は0Vへ戻り、行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードに戻る。
第3及び第4の行は図21(b)に図示の通り−Vthでアドレスされる。全列が電圧Vdrで駆動される。この状況において、アレイの下2行における全デバイスにかかる電圧差は(Vdr+Vth)Vである(列ドライバからの最大電圧Vdrを使用)。これはVthを超えるので、デバイスのこれら2行がアクチュエートモードになる。今や上記2つの列1及び2が0Vの選択信号で駆動され、(Vdr+0)Vの駆動信号を与え、これはVth未満なのでデバイス出力には不十分である。
第3及び第4の行は0Vへ戻り、行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードに戻る。
再度、変位において完全なステップ関数を伴うアクチュエータの場合、列はアドレシングスキーム2で説明した通りより低い電圧を用いて駆動され得る。
このように、このスキームは同時に同じコンテンツで行のアドレシングを提供する。
[アドレシングスキーム4]
図18を参照して説明した通り、デバイスの物理的摩擦特性により保持を実現するものなど、保持構造に基づいて遅延機能が実現されるデバイス設計がある。かかるデバイスはスキーム1から3のものと幾分異なるアドレシングスキームを要し得る。例えば図18のものは交流駆動部品を利用して駆動され得る。一般に駆動信号へ追加されるACリップルが高くなるほど、摩擦が低くなる。
この摩擦制御閾値挙動はAC駆動デバイスのアレイを駆動するために使用され得る。この場合、駆動は次の通り進行する:
このスキームの第1の実施例では、AC電圧がアドレス線(行)へ印加される。ACアドレシング信号が存在しない状態で、デバイスは列へ印加される所定最大データ電圧(Vdr)までアクチュエートされない。ACアドレシング信号の存在下で、デバイスは列へ印加されるデータ電圧(Vdr)により決定されるレベルへアクチュエートされる。
アレイは、ACアドレシング信号VACを提供することができる行ドライバと、0VとVdr Vの間の振幅の(マルチレベル)DCデータ信号を提供することができる列ドライバにより駆動される。
図22は動作を説明するために使用されるが、最初の2行のみを考慮する。この場合、駆動は次の通り進行する:
全行が最初に0Vでアドレス(非選択)される。この状況では、デバイスの両端の最大電圧差はVdr(列ドライバからの最大電圧)である。AC信号が行に印加されないので、デバイスのアクチュエーションは存在しない。
第1の行が図22(a)に図示の通りVACでアドレスされる。図示の通り2列が電圧Vdrで、2列が0Vで駆動される。この状況では、デバイスの2つにかかる電圧差は(Vdr+VAC)Vである(列ドライバからの最大電圧Vdrを使用)。AC電圧がDC電圧Vdrに重畳されるので、アクチュエーションを防止する摩擦が低減され、そのためのデバイスのアクチュエーション部材を解放し、列駆動信号に基づいてその出力を提供するよう、行内のこれら2つのデバイスがアクチュエートモードになる。他の2つのデバイスにかかる電圧差は(0+VAC)Vであり(列ドライバからの最小電圧0Vを使用)、それにより行内のこれら2つのデバイスが事実上非アクチュエートモードになる(VACの値及びデバイスの応答曲線に依存して、デバイスの最小アクチュエーションがあり得る)。
オプションとして、全ての列ドライバが一時的に0Vへ戻り、それにより行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードに戻る。そして第1の行が0Vへ戻り、行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードにとどまる。
そして第2の行がVacでアドレスされる。再度、図22(b)に図示の通り、同じ2列が電圧Vdrで、2列が0Vで駆動される。再度、DC電圧Vdrに重畳されるAC電圧があるので、行内のこれら2つのデバイスはアクチュエートモードになる。他の2つのデバイスにかかる電圧差はVac+0V=Vacであり(列ドライバからの最小電圧0Vを使用)、それにより行内のこれら2つのデバイスは事実上非アクチュエートモードになる(Vacの値及びデバイスの応答曲線に依存して、デバイスの最小アクチュエーションがあり得る)。
オプションとして、全ての列ドライバが一時的に0Vへ戻り、それにより行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードに戻る。第2の行は0Vへ戻り、行内の全アクチュエータが非アクチュエートモードにとどまる。アドレシングは行単位で続く。
これらのAC駆動方式も順次作動されるアクチュエータの場合に使用されることができ、その場合スイッチングアクチュエータはAC駆動部品により制御される。これは第2のアクチュエータ(耐荷重アクチュエータ)が実際にアクチュエートされるかどうかを定義するアクチュエータであるため、スイッチングアクチュエータへアドレシング及び駆動信号が印加される。
上記実施例ではAC信号は行に印加されるが、それらは等しく列に印加されてもよい。行と列の両方にAC信号を印加することも可能である。この場合、電圧がアクチュエートされない場合は常にゼロになり、アクチュエートされる場合は所定電圧(信号のリフェージングにより得られる)になるような方法で、マトリクス内の所定位置におけるデバイスをアクチュエートさせるために異相条件及び/又は可変振幅信号のいずれかを利用することが可能である。
上記の様々な駆動方式は閾値電圧を呈する上記アクチュエータ設計の全てに適用され得る。順次アクチュエータの場合には、これが第2のアクチュエータ(耐荷重アクチュエータ)が実際にアクチュエートされるかどうかを定義するアクチュエータであるため、2つのアクチュエータのうち1番目(スイッチングアクチュエータ)にアドレシング及び駆動信号が印加される。
明らかにアレイは対称であってよく、行及び列という語は幾分任意である。アドレシングドライバを列へ、データ駆動を行へ適用することが等しく可能であり、それによりアレイは一度に1列(又は複数列)ずつアドレスされ得る。
上記実施例では2レベルのみのデータドライバが詳細に記載されている(0V及びVdr)。これは最低コストのドライバICをもたらす。しかしながら代替実施形態では、アクチュエータを部分的にアクチュエートすることも好適であり得る。これを可能にするには、Vdrまでのマルチデータ電圧を伴うデータドライバが必要になる。
完璧なステップ関数を伴うアクチュエータデバイスの場合、Vthは閾値よりわずかに低くなる必要がある。これはデバイスが対称であるため、−Vthが印加されるときにアクチュエータの行全体が応答することを避けるために必要とされる。これはデバイス自体がコンデンサとしても機能するため必要でもある。故に1つがアドレスされ、後にアドレスされるべきでない場合、これは短期間に不要なデバイスをアドレスするために十分な電流を隣接デバイスへ与え得る。
本明細書に記載のデバイスは電圧がVthを下回るときにその元の状態へ戻るが、元の状態への緩和の速度は遅くなり得る(これは駆動電圧によってではなく機械的特性によって決定されるため)。この理由から一部の実施形態ではアクチュエータをその元の状態へ戻すためにリセットを適用することが有益であり得る。EAMベースのデバイスは変形において対称であるため、リセット電圧は追加メカニズムによりデバイスにおける対向アクチュエーションへ変換されなければならない。例えば、リセットは機能的アクチュエータに対して作用するアクチュエータにより適用され得るので、機械的リセットを駆動することができる。この対向アクチュエータは単一アクチュエータであるか、又は全て同じ(リセット)ドライバへ接続される個々のアクチュエータのセットであり得る。代替的にリセットは機械的リセット(プッシュなど)又は圧力リセット(真空など)であり得る。
リセットは、次の行がアドレスされる直前にアレイの全ての行及び列におけるアクチュエータへ適用され得る。全デバイスがその非アクチュエート状態へリセットされる。代替的にリセットは、次の行がアドレスされる直前にアクチュエートされている単一行だけに適用され得る。
アレイは電気活性材料ベースのデバイスに沿って説明されている。しかしながら光学的に駆動される活性材料を使用するシステムも作られ得ることが明らかであろう。接続及び信号線はその場合デバイスへ光信号を導くために配置される必要がある。従って電極はアクチュエーション装置における活性材料へ光を提供するための光学ガイドワイヤ及び層である必要がある。システム及び駆動方法もこれらのアレイに対するその有利な効果を持つことになる。
電場駆動デバイスの場合、電極配列は上記の通りEAM層の反対面上の電極を有し得る。これらはEAM層の厚さを制御するための横電場を提供する。これは次に層の面内のEAM層の膨張若しくは収縮を引き起こす。
電極配列は代わりにEAM層の一方の面上に櫛形電極の対を有し得る。これは面内の層の寸法を直接制御するために、面内電場を提供する。
本明細書の上記詳細な説明において、本発明にかかるデバイス及びシステムの構成と動作はEAPについて記載されているが、本発明は実際にいかなる種類のEAM材料に基づくデバイスのためにも使用され得る。従って別段の指示がない限り、上記EAP材料は他のEAM材料で置き換えることができる。かかる他のEAM材料は当技術分野で公知であり、当業者はそれらをどこで見つけ、それらをいかに適用するかわかるだろう。多数のオプションが以下に記載される。
多くのEAMデバイスの中で、共通細目は電場駆動及びイオン駆動EAMに基づくものである。電場駆動EAMは直接電気機械結合を通じて電場によりアクチュエートされる一方、イオンEAPのアクチュエーションメカニズムはイオンの拡散を伴う。両クラスは、各々がその独自の長所と短所を持つ、複数のファミリーメンバーを持つ。
有機又は無機性の多くの電場駆動EAMが存在する。例えばEAM材料はリラクサ強誘電体無機材料であり得る。かかる材料は実用のために十分に高い電歪定数を持ち得る。最も一般的に使用される例は:マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、マグネシウムニオブ酸チタン酸鉛(PMN‐PT)及びチタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)である。
特殊な種類のEAM材料は有機電気活性材料OEAMであり、電気活性ポリマー(EAP)もこれに属する。有機材料、特にポリマーは、軽量、安価な製造及び容易な加工といった材料特性とアクチュエーション特性を組み合わせるので、関心が高まりつつある新興クラスの材料である。
電場駆動EAPは直接電気機械結合を通じて電場によりアクチュエートされる。それらは通常高電場(ボルト毎メートル)を要するが低電流を要する。ポリマー層は通常、駆動電圧を可能な限り低く維持するために薄い。イオンEAPはイオン及び/又は溶媒の電気誘導輸送により活性化される。それらは通常低電圧を要するが高電流を要する。それらは液体/ゲル電解質媒体を要する(ただし一部の材料系は固体電解質を用いても動作し得る)。EAPの両クラスは、各々がその独自の長所と短所を持つ、複数のファミリーメンバーを持つ。
電気活性ポリマーは次のサブクラスを含むがそれに限定されない:圧電ポリマー、電気機械ポリマー、リラクサ強誘電性ポリマー、電歪ポリマー、誘電エラストマー、液晶エラストマー、共役ポリマー、イオン性ポリマー金属複合材、イオン性ゲル及びポリマーゲル。
サブクラスの電歪ポリマーは以下を含むがそれに限定されない:
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン(PVDF‐TrFE)、ポリフッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン‐クロロフルオロエチレン(PVDF‐TrFE‐CFE)、ポリフッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン‐クロロトリフルオロエチレン(PVDF‐TrFE‐CTFE)、ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン(PVDF‐HFP)、ポリウレタン又はその混合。
サブクラスの誘電エラストマーは以下を含むがそれに限定されない:
アクリレート、ポリウレタン、シリコーン。
サブクラスの共役ポリマーは以下を含むがそれに限定されない:
ポリピロール、ポリ‐3,4‐エチレンジオキシチオフェン、ポリ(p‐フェニレンスルフィド)、ポリアニリン。
電場駆動EAPの最初の注目すべきサブクラスは圧電ポリマーと電歪ポリマーである。従来の圧電ポリマーの電気機械性能は限られるが、この性能向上の進歩は自発電気分極(電場駆動アラインメント)を示すPVDFリラクサポリマーに至っている。これらの材料は、歪み方向における性能向上のため予歪みされ得る(予歪みはより良好な分子アライメントにつながる)。歪みは通常、適度なレジーム(1‐5%)であるため、通常は金属電極が用いられる。他のタイプの電極(導電性ポリマー、カーボンブラックベースオイル、ゲル又はエラストマーなど)も使用され得る。電極は連続的であるか又はセグメント化され得る。
電場駆動EAPの関心のある別のサブクラスは誘電エラストマーである。この材料の薄膜はコンプライアント電極の間に挟まれて平行板コンデンサを形成し得る。誘電エラストマーの場合、印加電場により誘導されるマクスウェル応力が膜への応力をもたらし、その厚さを収縮させ面積を膨張させる。歪み性能は典型的にはエラストマーを予歪みすることにより拡大される(予歪みを保持するフレームを要する)。歪みはかなりの程度になり得る(10‐300%)。これは使用され得る電極のタイプも制約する:低い及び中程度の歪みの場合、金属電極と導電性ポリマー電極が考慮され得、高歪みレジームの場合、カーボンブラックベースオイル、ゲル又はエラストマーが典型的に使用される。電極は連続的であるか又はセグメント化され得る。
電場駆動EAPの実施例は、誘電エラストマー(好適にはアクチュエーション構造において電極間にクランプされる)、電歪ポリマー(PVDFベースリラクサポリマー又はポリウレタンなど)、及び液晶エラストマー(LCE)である。イオン駆動EAPの実施例は、共役ポリマー、カーボンナノチューブ(CNT)ポリマー複合材及びイオン性ポリマー金属複合材(IPMC)である。
イオンEAPの最初の注目すべきサブクラスはイオン性ポリマー金属複合材(IPMC)である。IPMCは2つの薄い金属又はカーボンベースの電極間に積層される溶媒膨潤したイオン交換ポリマー膜から成り、電解質の使用を要する。典型的な電極材料はPt、Gd、CNT、CP、Pdである。典型的な電解質はLi+及びNa+水性溶液である。電場が印加されると、カチオンが典型的には水と一緒にカソード側へ移動する。これは親水性クラスタの再組織化とポリマー拡大につながる。カソード領域内の歪みがポリマーマトリクスの残りの部分における応力につながり、アノードに向けて曲げをもたらす。印加電圧を逆にすると、曲げを反転させる。周知のポリマー膜はNafion(登録商標)とFlemion(登録商標)である。
イオン性ポリマーの別の注目すべきサブクラスは共役/導電性ポリマーである。共役ポリマーアクチュエータは典型的には共役ポリマーの2層により挟まれる電解質から成る。電解質は酸化状態を変化させるために使用される。電位が電解質を通じてポリマーへ印加されると、電子がポリマーへ追加又はポリマーから除去され、酸化と還元を駆動する。還元は収縮を、酸化は膨張をもたらす。
印加電場に応答してEAM層の挙動に影響を与えるために追加パッシブ層が設けられ得る。
EAM層は電極間に挟まれ得るが、EAM層の反対側に電極を伴なって又は伴なわずに、EAM層の片側で交互にするなど、他の電極構成が使用され得る。電極はEAM材料層の変形に追従するように伸縮性であり得る。電極に適した材料も公知であり、例えば金、銅、若しくはアルミニウムなどの金属薄膜、又はカーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリアニリン(PANI)、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、例えばポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)などの有機導電体から成る群から選択され得る。例えばアルミニウムコーティングを用いた、金属化ポリエチレンテレフタレート(PET)などの金属化ポリエステル膜も使用され得る。
一部の場合において、ポリマー自体が(寸法に関して)十分な導電性を欠いているとき、薄膜電極が追加される。電解質は液体、ゲル又は固体材料(すなわち高分子量ポリマーと金属塩の錯体)であり得る。最も一般的な共役ポリマーはポリピロール(PPy)、ポリアニリン(PANi)及びポリチオフェン(PTh)である。
アクチュエータは電解質中に懸濁したカーボンナノチューブ(CNT)でも形成され得る。電解質はナノチューブと二重層を形成し、電荷の注入を可能にする。この二層の電荷注入はCNTアクチュエータにおける主要メカニズムと考えられる。CNTはCNTへ注入される電荷を伴う電極キャパシタとして機能し、そしてこれはCNT表面への電解質の移動により形成される電気二重層により平衡になる。炭素原子上の電荷を変化させるとC‐C結合長の変化をもたらす。結果として、単一CNTの膨張と収縮が観察され得る。異なる層のための材料は例えば異なる層の弾性率(ヤング率)を考慮して選択される。
追加ポリマー層など、デバイスの電気的又は機械的挙動を適応させるために上述のものへの追加層が使用され得る。
EAMデバイスは電場駆動デバイス又はイオンデバイスであり得る。イオンデバイスはイオン性ポリマー‐金属複合材(IPMC)又は共役ポリマーに基づき得る。イオン性ポリマー‐金属複合材(IPMC)は印加電圧又は電場下で人工筋肉の挙動を示す合成複合ナノ材料である。
IPMCはその表面が白金若しくは金などの導電体、又はカーボンベース電極で化学的にめっきされた又は物理的に被覆されたNafion若しくはFlemionのようなイオン性ポリマーで構成される。印加電圧下で、IPMCのストリップの両端にかかる電圧に起因するイオン移動及び再分布が曲げ変形をもたらす。ポリマーは溶媒膨潤イオン交換ポリマー膜である。電場はカチオンを水と一緒にカソード側へ移動させる。これは親水性クラスタの再組織化とポリマーの拡大につながる。カソード領域における歪みがポリマーマトリクスの残りの部分における応力につながり、アノードに向けて曲げをもたらす。印加電圧を逆にすると、曲げを反転させる。
めっき電極が非対称構成で配置される場合、かけられる電圧は、ねじれ、圧延、捻転、旋回、及び非対称曲げ変形など、あらゆる種類の変形を誘導し得る。
時に光応答形状変化材料とも呼ばれる光駆動活性材料は、例えば下記などにおいて、従来技術において見られ得る(これらはその全体が引用により組み込まれる):
‐Photo-Responsive Shape-Memory and Shape-Changing Liquid-Crystal Polymer Networks by Danish Iqbal, and Muhammad Haris Samiullah in Materials 2013, 6, 116-142;
‐Large amplitude light-induced motion in high elastic modulus polymer actuators by Harris, K.D.; Cuypers, R.; Scheibe, P.; van Oosten, C.L.; Bastiaansen, C.W.M.; Lub, J.; Broer, D.J. in J. Mater. Chem. 2005, 15, 5043-5048;
‐Synthesis of a Photoresponsive LiquidCrystalline Polymer Containing Azobenzene by Chensha Li, Chi-Wei Lo, Difeng Zhu, Chenhui Li, Ye Liu, Hongrui Jiang, in Macromol. Rapid Commun. 2009, 30, 1928-1935 2009;
‐Optical Nano and Micro Actuator Technology, edited by George K. Knopf, Yukitoshi Otani, CRC Press, Taylor and Francis Group, 2013;
‐Light-driven actuators based on polymer films by Sergey S. Sarkisov; Michael J. Curley; LaQuieta Huey; Aisha B. Fields; in Optical Engineering Volume 45, Issue 3, March 2006;
‐Large amplitude light-induced motion in high elastic modulus polymer actuators by Harris, K.D., Cuypers, R., Scheibe, P., Oosten, C.L. van, Bastiaansen, C.W.M., Lub, J. & Broer, D.J. (2005). Journal of Materials Chemistry, 15(47), 5043-5048
上記従来技術の材料のいずれかが本発明のデバイスで使用されるとき、適切な駆動信号を提供するための適切な部分も組み込まれ得ることが、当業者には明らかであろう。
デバイスは単一アクチュエータとして使用され得るか、或いは例えば2D又は3D輪郭の制御を提供するために、デバイスのライン又はアレイが存在してもよい。
本発明は、アクチュエータのパッシブマトリクスアレイが興味深い実施例を含む多くの用途において適用され得る。
多くの用途において、製品の主な機能は、ヒト組織の(局所)操作、又はインターフェースと接触する組織のアクチュエーションに依存する。かかる用途においてEAMアクチュエータは主に小さな形状因子、柔軟性及び高エネルギー密度の理由で独自の利点を提供する。従ってEAMはソフトな、3D形状及び/又は小型製品及びインターフェースへ容易に統合され得る。かかる用途の実施例は次の通りである:
皮膚を引っ張るため又はしわを軽減するために皮膚へ一定又は周期的なストレッチを適用するEAMベース皮膚パッチの形態の皮膚アクチュエーションデバイスなど、皮膚美容処置;
顔の赤いマークを低減又は防止する、皮膚へ交互常圧を提供するためにEAMベースのアクティブクッション又はシールを持つ患者インターフェースマスクを伴う呼吸デバイス;
適応シェービングヘッドを伴う電気シェーバー。近さと刺激との間のバランスに影響を与えるために、皮膚接触面の高さがEAMアクチュエータを用いて調節され得る;
特に歯の間の空間において、スプレーの到達を向上させるために動的ノズルアクチュエータを伴うエアフロスなどの口腔洗浄デバイス。代替的に、歯ブラシが活性化タフトを備え得る;
ユーザーインターフェイスにおいて又はその近くに統合されるEAMトランスデューサのアレイを介して局所触覚フィードバックを提供する家電デバイス又はタッチパネル;
曲がりくねった血管内の容易なナビゲーションを可能にする操舵可能な先端を伴うカテーテル。
EAMアクチュエータの恩恵を受ける関連用途の別のカテゴリーは、光の修飾に関する。レンズ、反射面、回折格子などの光学素子は、EAMアクチュエータを使用して形状又は位置適応により適応的にされ得る。ここでのEAPの利点は例えば低消費電力である。
開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付のクレームの考察から、請求される発明を実施する際に当業者により理解され、もたらされ得る。クレーム中、"有する"という語は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞"a"又は"an"は複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属クレームに記載されるという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。クレーム中のいかなる参照符号も範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (21)

  1. 各々アクチュエーション出力を提供するための複数のデバイスを有するシステムであって、複数のデバイスの各々が、
    機械的アクチュエーションを提供するためのアクチュエーション装置であって、アクチュエーション装置へ駆動信号を印加すると変形することができ、それとともに機械的アクチュエーションを生じる活性材料を有し、アクチュエーション出力が機械的アクチュエーションに依存する、アクチュエーション装置と、
    遅延装置であって、
    駆動信号の第1の範囲又は第1のタイプから選択される駆動信号に対してアクチュエーション出力を防止し、
    駆動信号の第1の範囲又は第1のタイプと異なる駆動信号の第2の範囲又は第2のタイプから選択される駆動信号に対してアクチュエーション出力を許可する
    ように、アクチュエーション装置との遅延相互作用を持つ遅延装置と
    を有する、システム。
  2. 前記複数のデバイスがアレイに又はパッシブマトリクスアレイに配列される、請求項1に記載のシステム。
  3. 選択信号及び/又はデータ信号が前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を各々個別に提供し、
    選択信号とデータ信号が前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号を一緒に形成する
    ように、選択信号、非選択信号及びデータ信号を生成するためのドライバ装置をさらに有する、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記選択信号が選択信号レベルを有し、
    前記非選択信号が非選択信号レベルを有し、
    前記データ信号が第1のレベルと第2のより高いレベルの間のレベル範囲から選択されるデータ信号レベルを有し、
    前記選択信号、前記非選択信号及び前記データ信号を生成することは、
    データ信号レベルと非選択信号レベルの差の絶対値が、前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供し、
    データ信号レベルと選択信号レベルの差の絶対値が、前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供するか、或いは前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供する
    ことを有する、請求項1又は2に記載のシステム。
  5. 請求項4に記載のシステムであって、前記デバイスは請求項12に記載のデバイスを有するか又はそれから構成され、前記選択信号が摩擦係合を低減させることができる周波数を伴う交流信号を有する、システム。
  6. 前記駆動信号の第1の範囲又はタイプが前記駆動信号の第2の範囲又はタイプよりも低い駆動レベルを有する、及び/又は、
    前記駆動信号の第1の範囲又はタイプが前記駆動信号の第2の範囲又はタイプと異なる周波数を有する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記遅延装置が前記アクチュエーション出力を提供するためのアクチュエーション出力装置を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記アクチュエーション出力装置と前記アクチュエーション装置が、
    それらの間に最小ギャップが存在し、
    前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記機械的アクチュエーションがせいぜい最小ギャップを埋めるために十分であり、
    前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記機械的アクチュエーションが少なくとも最小ギャップを埋めるために十分である
    ように、前記機械的アクチュエーションが最小ギャップを削減する
    ように構成される、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記遅延装置は、
    前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記機械的アクチュエーションがアクチュエーション伝動装置により吸収され、
    前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記機械的アクチュエーションの少なくとも一部がアクチュエーション伝動装置により前記アクチュエーション出力装置へ伝動される
    ように、前記遅延相互作用を提供するためのアクチュエーション伝動装置を有する、請求項7又は8に記載のシステム。
  10. 前記アクチュエーション伝動装置が、前記アクチュエーション装置と前記アクチュエーション出力装置の間で磁気力及び/又は電気力を作用させ、それにより前記遅延相互作用を提供するための1つ以上の部品を有する、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記遅延装置が、
    前記遅延相互作用を実施するために前記アクチュエーション装置へ閾値力をかけるための保持装置
    を有し、閾値力は前記機械的アクチュエーションに反作用し、
    前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して、前記機械的アクチュエーションにより提供される力が、閾値力を克服するために十分に大きくなく、
    前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して、前記機械的アクチュエーションにより提供される力が、閾値力を克服するために十分に大きくなるように選択される、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記保持装置が、前記閾値力を提供するために前記アクチュエーション装置及び/又は前記アクチュエーション出力装置との摩擦係合において配置されるサポート層を有する、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記遅延装置が、前記閾値力を提供するために磁気及び/又は電気力を生成するための1つ以上の部品を有する、請求項11に記載のシステム。
  14. 前記1つ以上の部品が前記磁気及び/又は電気力を印加するための1つ以上の電極を有する、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記遅延装置が、
    前記駆動信号を受信し、
    前記アクチュエーション装置への前記駆動信号の印加を、
    前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される受信駆動信号に対して前記アクチュエーション装置へ前記アクチュエーション出力を生じさせることができる駆動信号を印加せず、
    前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される受信駆動信号に対して前記アクチュエーション装置へ前記アクチュエーション出力を生じさせることができる駆動信号を印加する
    ように制御する
    ように構成される駆動信号制御部品を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
  16. 前記駆動信号制御部品が、前記アクチュエーション装置へ駆動信号が印加される前に受信駆動信号により克服されなければならない閾値駆動信号を実現するための電子部品及び/又は光学部品を有する、又はそれから構成される、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記駆動信号制御部品が、
    追加機械的アクチュエーションを提供するための追加アクチュエーション装置であって、追加アクチュエーション装置へ駆動信号を印加すると変形することができ、それとともに追加機械的アクチュエーションを生じる、追加活性材料を有し、
    追加機械的アクチュエーションが、駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記アクチュエーション装置への駆動信号の印加を生じさせるために十分でなく、
    追加機械的アクチュエーションが、駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記アクチュエータ装置への駆動信号の印加を生じさせるために十分である
    ように、駆動信号を受信して前記アクチュエーション装置へ駆動信号を印加するように構成される、追加アクチュエーション装置
    を有する、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記アクチュエーション装置が前記駆動信号を受信するための電極を有し、
    前記追加アクチュエーション装置が電極へ前記駆動信号を供給するための追加電極を有し、電極は、
    前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記駆動信号が電極へ伝送されることができないよう、電極と追加電極が電気接点を提供せず、
    前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号に対して前記駆動信号が電極へ伝送されることができるよう、電極と追加電極が電気接点を提供する
    ように適応される、請求項17に記載のシステム。
  19. 請求項1から18のいずれか一項に記載のシステムを駆動する方法であって、以下のステップ:
    選択信号及び/又はデータ信号が前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を各々個別に提供し、
    選択信号とデータ信号が前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号を一緒に形成する
    ように、選択信号、非選択信号、及びデータ信号を生成するステップを実行するようドライバ装置に命令するステップを有する、方法。
  20. 前記選択信号、非選択信号、及びデータ信号を生成するステップが、
    前記選択信号が選択信号レベルを有し、
    前記非選択信号が非選択信号レベルを有し、
    前記データ信号が少なくとも第1のレベルと第2のより高いレベルから成るレベルのグループから選択されるデータ信号レベルを有し、
    信号レベルは、
    前記データ信号と前記非選択信号の差の絶対値が前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供し、
    前記データ信号と前記選択信号の差の絶対値が前記駆動信号の第1の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供するか、或いは前記駆動信号の第2の範囲又はタイプから選択される駆動信号を提供する
    ように選択される
    ことを有する、請求項19に記載の方法。
  21. コンピュータ可読媒体上に保存できる若しくは保存される、又は通信ネットワークからダウンロード可能な、コンピュータ可読コードを有するコンピュータプログラム製品であって、当該コードはコンピュータ上で実行されるときに、請求項19から20のいずれか一項に記載の方法のステップを実施することができる、コンピュータプログラム製品。
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