JP2003282988A - マトリクス型圧電/電歪デバイス及び製造方法 - Google Patents

マトリクス型圧電/電歪デバイス及び製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低電圧で大変位が得られ、応答速度が速く、
且つ、発生力が大きく、実装性に優れ、高集積化が可能
であり、作用対象に対し、押す、歪ませる、動かす、叩
く、混合する等の作用を行えるか、または、それら作用
を受け作動する圧電/電歪デバイスと、その製造方法を
提供する。 【解決手段】 厚肉のセラミック基体2上に、圧電/電
歪体4と少なくとも一対の電極18,19とを有し、略
柱体形状をなす複数の圧電/電歪素子31が立設された
マトリクス型圧電/電歪デバイス1は、複数の圧電/電
歪素子31が、セラミック基体2とそれぞれ一体的に接
合され、且つ、互いに独立して二次元に整列配置され、
圧電/電歪体4の側面上に一対の電極18,19が形成
され、圧電/電歪体4の側面のうち少なくとも電極1
8,19が形成される面の粒内破壊を受けている結晶粒
子が10%以下であり、圧電/電歪体4のセラミック基
体2との接合部近傍が曲面13を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、マトリクス型の
圧電/電歪デバイスに関する。より詳細には、光変調
器、光スイッチ、電気スイッチ、マイクロリレー、マイ
クロバルブ、搬送装置、ディスプレイ及びプロジェクタ
等の画像表示装置、画像描画装置、マイクロポンプ、液
滴吐出装置、更には、微小混合装置、微小撹拌装置、微
小反応装置、各種センサ、等に使用され、高い発生力と
大きな変位を兼ね備え、圧電/電歪体の電界誘起歪みの
横効果により、圧電/電歪体がセラミック基体主面に対
して垂直方向の伸縮変位乃至伸縮振動を発現し、作用対
象に対し、押す、歪ませる、動かす、叩く(衝撃を与え
る)、混合する、等の作用を行う若しくはそれら作用を
受けて作動するマトリクス型圧電/電歪デバイスと、そ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、光学、精密機械、半導体製造等
の分野において、サブミクロンのオーダーで光路長や位
置を調整する変位制御素子が所望されるようになってき
ている。これに応え、強誘電体や反強誘電体に電界を加
えたときに起こる逆圧電効果や電歪効果等に基づくとこ
ろの歪みを利用したアクチュエータやセンサ等の圧電/
電歪デバイスの開発が進められている。これら電界誘起
歪みを利用する変位制御素子は、従来のサーボモータ、
パルスモータ等による電磁方式等に比較して、微小変位
制御が容易であり、機械/電気エネルギー変換効率が高
く省電力化が図れ、超精密に実装出来て製品の小型軽量
化に寄与出来る、等の特徴を有し、応用分野は拡大の一
途を辿るものと考えられている。
【0003】 例えば、光スイッチにおいては、入力光
の伝達経路の切り替えを行うアクチュエータとして、圧
電/電歪デバイスを用いることが提案されている。光ス
イッチの一例を図2(a)、図2(b)に示す。図2
(a)、図2(b)に示される光スイッチ200は、光
伝達部201と光路変更部208とアクチュエータ部2
11とからなる。詳細には、光伝達部201は、光路変
更部208に対向する面の一部に設けられる光反射面1
01、及び、光反射面101を起点に3方向に向けて設
けられる光伝達経路202,204,205を有し、
又、光路変更部208は、光伝達部201の光反射面1
01に移動可能な状態で近接され、透光性の材質からな
る光導入部材209、及び、光を全反射する光反射部材
210を有し、更には、アクチュエータ部211は、外
部信号により変位し、変位を光路変更部208に伝達す
る機構を有する。
【0004】 光スイッチ200は、図2(a)に示す
ように、電圧の印加等の外部信号によりアクチュエータ
部211が作動し、アクチュエータ部211の変位によ
り光路変更部208が光伝達部201から離隔され、光
伝達部201の光伝達経路202に入力された光221
が、屈折率を所定の値に調節してある光伝達部201の
光反射面101において透過することなく全反射し、出
力側の一の光伝達経路204に伝達される。
【0005】 一方、この状態から、逆に、アクチュエ
ータ部211を非作動状態とすると、図2(b)に示す
ように、アクチュエータ部211の変位が元に戻り、光
路変更部208の光導入部材209が、光伝達部201
に光の波長以下の距離で接触するため、光伝達経路20
2に入力された光221は、光導入部材209により光
伝達部201から光導入部材209に取り出され、光導
入部材209の中を透過する。この光導入部材209の
中を透過した光221は、光反射部材210まで達する
が、この光反射部材210の反射面102で反射される
ことにより、光伝達部201の光反射面101で反射し
た光とは異なる出力側の他の光伝達経路205に伝達さ
れる。
【0006】 このように、光路変更機能を有する光ス
イッチのアクチュエータ部に圧電/電歪デバイスが好適
に用いられる。中でも複数チャンネル間でスイッチング
を行うマトリクススイッチを構成するにあたっては、本
願出願人の先の発明である特許第2693291号公報
に開示されるような、ユニモルフ乃至バイモルフ型(以
下、これらを屈曲変位素子ともよぶ)の圧電/電歪素子
を、複数個配置した圧電/電歪デバイスが好適に採用さ
れる。屈曲変位素子は、振動板と圧電/電歪素子とから
構成され、電界印加時の圧電/電歪素子自身の僅かな伸
縮歪みを屈曲モードに変換して屈曲変位とするため、圧
電/電歪素子の素子長に比例して大きな変位を得ること
は容易である。
【0007】 しかしながら、歪みの変換を行うため、
圧電/電歪素子の直接の発生歪みにかかる発生応力を、
そのまま利用することが出来ず、変位と同時に発生力を
大きくすることは非常に困難なものであった。加えて、
素子長の増加に伴い、必然的に共振周波数が低下するた
め、応答速度も同時に満足し難いものであった。
【0008】 そして、上記したような光スイッチの更
なる高性能化を図るにあたっては、次のような少なくと
も2つの要望がある。先ず、ON/OFF比(コントラ
スト)を大きくとりたいという要望である。この場合、
上記した光スイッチ200においては、光路変更部20
8の光伝達部201との接触・離隔動作を確実に行うこ
とが重要であり、そのためにはアクチュエータ部は大き
なストローク、即ち、大きく変位するものであることが
好ましい。
【0009】 次に、スイッチングにかかる損失を小さ
くしたいという要望である。この場合、光路変更部20
8の面積を大きくしつつ光伝達部201との実質的な接
触面積を増やすことが重要であるが、そのような接触面
積の増加は、離隔にかかる確実性を低下させる要因とな
るので、アクチュエータ部には大きな力を発生出来るも
のが必要となる。即ち、光スイッチの高性能化にあたっ
ては、アクチュエータ部として、変位と力を同時に発生
出来る圧電/電歪デバイスが望まれているのである。
【0010】 更には、これら個々の圧電/電歪素子
は、互いに独立して形成されているものが好ましい。互
いに独立とは、互いに干渉しない、つまり、発生した変
位並びに発生した力を、互いに拘束しないことを意味す
る。
【0011】 例えば、図3に示した圧電/電歪デバイ
ス145は、図4に示す断面図のように、圧電/電歪素
子178の作動により屈曲変位している。互いの圧電/
電歪素子178は、隔壁143の剛性により、隣接する
圧電/電歪素子と機械的に独立するようにされている。
【0012】 しかしながら、基体144は構造体とし
て一体的であり、圧電/電歪素子178が作用する振動
板も連続体である。従って、隣接する圧電/電歪素子は
隔壁143で独立されてはいるものの、圧電/電歪素子
178の作動によって生じる振動板の引っ張り乃至圧縮
応力が、互いに何らかの影響を与えていることは否定出
来ない。特に、高い密度で圧電/電歪素子が形成されて
いる場合には、その恐れが大きくなる。
【0013】 一方、図5に断面図を示す圧電/電歪デ
バイス155では、振動板218を支える側壁219
が、隣接する側壁219と独立しているため、隣接素子
への影響はない。
【0014】 このように個々の圧電/電歪素子が互い
に独立して形成されているものの別の態様として、特許
第3058143号の第1図に表されるアクチュエータ
がある。それはインクジェット方式記録装置に最適な圧
電アクチュエータであり、駆動機構として機能する柱状
の圧電素子が碁盤目状に平面配置された圧電アクチュエ
ータとして開示されている。そして、その圧電アクチュ
エータは、電極構成が簡素な圧電横効果型の圧電素子の
採用により、複数行且つ複数列(即ち碁盤目状)からな
る圧電素子を基板上に高集積に配置出来、インクジェッ
ト方式の記録装置における単位面積あたりのインク吐出
ノズル数を高めることが出来る効果を有するとされてい
る。
【0015】 しかしながら、開示された圧電アクチュ
エータは、予め共通電極乃至印加電極が塗布されたグリ
ーンシートを積層して焼成した後に、柱状の圧電素子を
分離独立させるためにダイシングソーにより溝を加工し
たものであることから、次に示す少なくとも2つの問題
を抱えていた。
【0016】 先ず、駆動柱電極が圧電素子内に予め収
容された構造であることから、焼成時の歪みの影響を受
け、分離独立された個々の圧電素子の電極−圧電体から
なる層構造が不均一になり易く、素子間に特性のバラツ
キを引き起こすという問題を内在していた。加えて、そ
の焼成歪みを考慮すると、自ずから素子寸法(幅乃至厚
さ)は大きくならざるを得ず、従ってピッチも小さくす
ることが困難であった。開示された形態例によれば、圧
電素子の幅が0.3mm、溝の幅が0.209〜0.7
18mmであり、概ね1mm2あたり1つの圧電素子が
配置される密度であるが、これは、近時におけるインク
ジェットプリンタに求められる解像度に対応するには十
分な集積度とはいい難い。
【0017】 又、この集積度は、上記した図2
(a)、図2(b)に示す態様を一例とする光スイッチ
においても満足出来るものではない。今後、光電変換し
ない光ネットワークシステムの構築が進むに従い光交換
器の回線数が増す一方で、光交換器は、より小型化が求
められ、光交換器に用いられる光スイッチも、信号の伝
播損失の面から、より高集積なものが要求される。しか
しながら、上記圧電アクチュエータの集積度は、そのよ
うな光スイッチの要求に十分に応えられるものではなか
った。
【0018】 次いで、開示された圧電アクチュエータ
の分離独立した圧電素子は、ダイシングソー加工により
形成されてなるが、加工上の制約により溝の深さ、即
ち、圧電素子の高さは小さく制限されざるを得ないもの
であった。発生変位が圧電素子の高さに依存する横効果
型素子にとって、その高さに制限があっては、得られる
変位も十分なものではなく、高集積度と高特性の指標で
ある圧電素子(圧電体)のアスペクト比(高さ/厚さ)
を大きくすることは出来ないものであったのである。従
って、インクジェットプリンタに限らず、光スイッチ等
のアクチュエータ部としても好ましいものではない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】 以上の説明の通り、
発生変位と発生力とを両立し、尚且つ、独立して極高密
度に配置可能であるアクチュエータ等の圧電/電歪デバ
イスが求められており、本発明は、このような要求に応
えるべくなされたものである。即ち、上記背景のもとに
なされた本発明の目的とするところは、低電圧で大変位
が得られ、応答速度が速く、且つ、発生力が大きく、
又、実装性に優れ、より高集積化が可能であり、作用対
象に対し、押す、歪ませる、動かす、叩く(衝撃を与え
る)、混合する、等の作用を行える、若しくは、それら
作用を受け作動する圧電/電歪デバイスと、その製造方
法を提供することにある。
【0020】 そして、その圧電/電歪デバイスを、光
変調器、光スイッチ、電気スイッチ、マイクロリレー、
マイクロバルブ、搬送装置、ディスプレイ及びプロジェ
クタ等の画像表示装置、画像描画装置、マイクロポン
プ、液滴吐出装置、更には、微小混合装置、微小撹拌装
置、微小反応装置、各種センサ、等に適用し、これらの
性能向上を図ることにある。研究が重ねられた結果、以
下に示すマトリクス型圧電/電歪デバイス及び製造方法
により、上記目的が達成可能であることが見出された。
【0021】
【課題を解決するための手段】 先ず、本発明によれ
ば、厚肉のセラミック基体上に、圧電/電歪体と少なく
とも一対の電極とを有し略柱体形状をなす複数の圧電/
電歪素子が立設されてなり、圧電/電歪体の変位により
駆動するマトリクス型圧電/電歪デバイスが提供され
る。このマトリクス型圧電/電歪デバイスは、複数の圧
電/電歪素子が、セラミック基体とそれぞれ一体的に接
合され、且つ、互いに独立して二次元に整列配置され、
圧電/電歪体の側面上に一対の電極が形成され、圧電/
電歪体の側面のうち少なくとも前記電極が形成される面
の結晶粒子状態は粒内破壊を受けている結晶粒子が10
%以下であるとともに、圧電/電歪体のセラミック基体
との接合部近傍が曲面を形成することを特徴としてい
る。
【0022】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスにおいては、圧電/電歪素子の圧電/電歪体の面
の輪郭度が、概ね8μm以下であることが好ましい。更
に、概ね柱体形状の圧電/電歪素子は、高さと、水平断
面において中心軸を通る最短距離(以下、圧電/電歪素
子の厚さともいう)との比(即ち、高さ:厚さであり圧
電/電歪素子のアスペクト比を指す)が、概ね20:1
〜200:1であることが好ましく、その圧電/電歪素
子の水平断面において中心軸を通る最短距離は300μ
m以下であることが好ましい。
【0023】 又、本発明に係るマトリクス型圧電/電
歪デバイスにおいては、概ね柱体形状の圧電/電歪素子
の高さと、圧電/電歪素子と隣接する圧電/電歪素子と
の間隔との比が、概ね20:1〜200:1であること
が好ましい。更に、圧電/電歪体の側面が、概ね一様な
表面状態を有し、その側面において、Rtで表される表
面粗さが9μm以下であり、且つ、Raで表される表面
粗さが0.1μm〜0.5μmであることが好ましい。
尚更に、圧電/電歪体のセラミック基体との接合部近傍
に形成される曲面の曲率半径が20〜100μmである
ことが好ましい。
【0024】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスでは、概ね柱体形状の圧電/電歪素子は、圧電/
電歪体の水平断面が平行四辺形であり、電極が圧電/電
歪体の断面の長辺を含む側面に形成されてなることが好
ましい。又、本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスは、圧電/電歪体の電界誘起歪みの縦効果及び横効
果の何れをも利用し得る圧電/電歪デバイスであるが、
横効果による変位に基づき圧電/電歪素子がセラミック
基体主面に対して垂直方向に伸縮することが好ましい。
【0025】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの材料に関しては、セラミック基体と圧電/電歪
素子を構成する圧電/電歪体とが同じ材料からなること
が好ましい。圧電/電歪体としては、圧電セラミック
ス、電歪セラミックス、反強誘電体セラミックスのうち
の何れかの材料、若しくは、これらと高分子圧電材料と
の複合材料を、好適に用いることが出来る。
【0026】 上記したマトリクス型圧電/電歪デバイ
スでは、隣接する圧電/電歪素子の間に壁部が形成され
てなる態様をとることが出来る。又、セラミック基体に
おける圧電/電歪素子が配置される面とは反対側の面
に、電極端子が形成されてなり、電極と電極端子とが、
セラミック基体に形成されたスルーホール乃至ビアホー
ルを経由して配線されている態様をとることが好まし
い。
【0027】 次いで、本発明によれば、以下に示すマ
トリクス型圧電/電歪デバイスの第1及び第2の製造方
法が提供される。
【0028】 先ず、本発明に係るマトリクス型圧電/
電歪デバイスの第1の製造方法は、厚肉のセラミック基
体上に概ね柱体形状をなす複数の圧電/電歪素子が二次
元に整列配置されてなり、圧電/電歪素子は圧電/電歪
体と少なくとも一対の電極とを有し、圧電/電歪体の側
面のうち少なくとも電極が形成される面に占める粒内破
壊粒子の割合が1%以下であり、圧電/電歪体のセラミ
ック基体との接合部近傍が曲面を形成するマトリクス型
圧電/電歪デバイスを製造する方法である。この製造方
法は、圧電/電歪材料を主成分とする複数のセラミック
グリーンシートを用意する第一の工程と、複数のセラミ
ックグリーンシートの所定の位置に、少なくとも2の隅
を曲線とした概ね直角四辺形状を含む孔部を設ける第二
の工程と、孔部を設けた複数のセラミックグリーンシー
トを積層し、貫通孔を有するセラミックグリーン積層体
を得る第三の工程と、セラミックグリーン積層体を焼成
一体化し、貫通孔を有するセラミック積層体を得る第四
の工程と、少なくともセラミック積層体の貫通孔を構成
する側壁に電極を形成する第五の工程と、セラミック積
層体の貫通孔上を、貫通孔の並びに垂直であり且つ貫通
孔開口面に垂直な方向に切断し、櫛歯状セラミック積層
体を得る第六の工程と、櫛歯状セラミック積層体の櫛歯
に対し、第六の工程にかかる切断面に垂直であり且つ前
記櫛歯の並びに垂直に切込みを入れる第七の工程と、を
有するところに特徴がある。
【0029】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法においては、セラミックグリー
ン積層体が、少なくとも2種類のセラミックグリーンシ
ートの積層物からなり、セラミックグリーンシートその
一は、2の隅が曲線とされた複数の概ね直角四辺形状の
孔部を形成した所定数のセラミックグリーンシートであ
り、セラミックグリーンシートその二は、複数の、概ね
直角四辺形状の孔部とその孔部に連通する別の孔部を形
成した所定数のセラミックグリーンシートであることが
好ましい。その別の孔部は、概ね直角四辺形状の孔部に
連通するとともにセラミックグリーンシート端部とも連
通するスリットであることが好ましい。
【0030】 又、本発明に係るマトリクス型圧電/電
歪デバイスの第1の製造方法は、セラミック積層体を切
断し、別の孔部をそれぞれ開口させる工程を有すること
が好ましい。更に、第七の工程における切込みが、ワイ
ヤーソー加工により行われることが好ましく、第五の工
程の後であって、第七の工程の前に、櫛歯の間に充填材
を詰める工程を有することが好ましい。
【0031】 次に、本発明に係るマトリクス型圧電/
電歪デバイスの第2の製造方法は、厚肉のセラミック基
体上に概ね柱体形状をなす複数の圧電/電歪素子が二次
元に整列配置されてなり、圧電/電歪素子は圧電/電歪
体と少なくとも一対の電極とを有し、圧電/電歪体の側
面のうち少なくとも電極が形成される面に占める粒内破
壊粒子の割合が10%以下であり、圧電/電歪体のセラ
ミック基体との接合部近傍が曲面を形成する圧電/電歪
デバイスを製造する方法である。この製造方法は、圧電
/電歪材料を主成分とするセラミックグリーン成形体を
用意する工程Aと、少なくともセラミックグリーン成形
体を含むセラミック前駆体を焼成し、一体的なセラミッ
ク焼成体を得る工程Bと、セラミック焼成体に、遊離砥
粒を加工媒体とした機械加工法によって複数の第1のス
リットを形成する工程Cと、第1のスリットの側面に電
極を形成する工程Dと、第1のスリットに交差する複数
の第2のスリットを形成する工程Eとを有するところに
特徴がある。
【0032】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第2の製造方法においては、セラミックグリー
ン成形体が、複数のセラミックグリーンシートを積層し
てなることが好ましい。又、セラミック前駆体が、少な
くとも、スルーホール乃至ビアホールを有するセラミッ
クグリーン基体とセラミックグリーン成形体とからなる
ことが好ましい。又、上記した工程Cの後であって、工
程Eの前に、第1のスリットに充填材を詰める工程を有
することが好ましい。
【0033】 又、本発明に係るマトリクス型圧電/電
歪デバイスの第2の製造方法においては、機械加工法と
してワイヤーソー加工法を用いることが好ましい。ワイ
ヤーソー加工法を用いる場合には、セラミック焼成体を
厚さ方向に加工し第一の切込溝を得る第一の切込加工
と、第一の切込加工位置から所定寸法ずらしセラミック
焼成体を厚さ方向に加工し第二の切込溝を得る第二の切
込加工と、第二の切込溝の内部から第一の切込溝の内部
に向かって第三の切込加工を行い、第一の切込溝と第二
の切込溝との間の部位を切除することにより、上記第1
のスリット及び/又は第2のスリットを形成することが
好ましい。このとき、第一の切込加工の後であって、第
二の切込加工の前に、第一の切込溝に充填材を詰めるこ
とが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明のマトリクス型
圧電/電歪デバイス及び製造方法について、実施の形態
を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されて
解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修
正、改良を加え得るものである。
【0035】 尚、本発明に係るマトリクス型圧電/電
歪デバイスは、電界によって誘起される歪みを利用して
まとまった機能を果たすユニットを示し、圧電/電歪素
子を構成要素とするアクチュエータ、センサ等を含むも
のである。又、狭義の意味での、印加電界に概ね比例し
た歪み量を発生する圧電効果、印加電界の二乗に概ね比
例した歪み量を発生する電歪効果を利用する圧電/電歪
デバイスに限定されず、強誘電体材料全般に見られる分
極反転、反強誘電体材料に見られる反強誘電相−強誘電
相間の相転移、等の現象を利用する圧電/電歪デバイス
も含まれる。従って、本明細書中で単に圧電特性と記す
ときにも、これら現象に基づく特性を含むことが理解さ
れるべきである。又、分極処理が行われるか否かについ
ても、圧電/電歪デバイスを構成する圧電/電歪素子の
圧電/電歪体に用いられる材料の性質に基づいて適宜決
定される。従って、本明細書中において、分極処理する
という場合には、分極処理が必要な材料を対象としてい
ることが前提であると理解されるべきである。
【0036】 以下、図面を参酌しながら説明する。図
1(a)は、本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの一実施形態を示す斜視図であり、図1(b)は、
図1(a)におけるQ視側面図であり、図1(c)は、
図1(a)におけるR視側面図である。図示されるよう
にマトリクス型圧電/電歪デバイス1は、セラミック基
体2上に、圧電/電歪体4と一対の電極18,19とか
らなる複数の圧電/電歪素子31が形成されてなり、圧
電/電歪体4がセラミック基体2上で変位を起こすこと
により駆動する圧電/電歪デバイスである。マトリクス
型圧電/電歪デバイス1は、本発明に係るマトリクス型
圧電/電歪デバイスに共通する以下の特徴を有する。
【0037】 1)二次元整列配置圧電/電歪素子
【0038】 上記した図3に示す従来の圧電/電歪デ
バイス145のように、ユニモルフ乃至バイモルフ型の
圧電/電歪素子が基体上に並んで形成されているのでは
なく、1つの厚肉で実質中実なセラミック基体2上に二
次元マトリクス状に、複数の圧電/電歪素子31が、互
いに独立し、且つ、それぞれセラミック基体2と一体化
して整列配置されている。このような素子配列にかかわ
る部位並びに圧電/電歪素子の変位発現の基点となる部
位に、接着剤等が介在しない構造なので、初期的な素子
寸法、素子ピッチ等の精度が高いことは勿論のこと、介
在物の劣化という現象が生じ得ないので、長期間にわた
って高い寸法精度、圧電/電歪素子特性が維持出来る。
【0039】 そして、光スイッチやマイクロバルブ、
あるいは、画像表示装置等の圧電/電歪デバイスとして
利用する際には、より高精度に実装することが可能とな
り、又、一体化した構造であることから強度面にも優
れ、実装作業そのものが容易となる。
【0040】 マトリクス型圧電/電歪デバイスの二次
元の配列については、それぞれ直交した配列に限らず、
その交差角は30°であっても、45°であってもよ
く、目的、用途によって決定されるものである。
【0041】 ここで厚肉とは、基体をダイヤフラムと
して機能させるものではないという意味で使用してい
る。セラミック基体の厚さは、その上に形成される圧電
/電歪素子が発生した応力を受けても変形しない程度で
あればよい。加えて、セラミック基体の強度、圧電/電
歪デバイスのハンドリング性、等を改善する目的で、他
の部材をセラミック基体に接合することも好ましい。
【0042】 2)相互完全独立圧電/電歪素子
【0043】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1にお
いては、変位を起こすのはセラミック基体2上に露わな
圧電/電歪素子31部分のみであり、セラミック基体2
の構造として圧電/電歪体4が発生する電界誘起歪みが
元で変形する部分がなく、個々の圧電/電歪素子31
は、セラミック基体と一体化した構造であっても、隣接
する圧電/電歪素子31とは完全に独立していて、互い
の変位を妨げることがない。従って、より低電圧で、よ
り大きな変位を安定して得ることが出来る。
【0044】 3)低粒内破壊面に電極形成
【0045】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1にお
いては、圧電/電歪素子31を構成する圧電/電歪体4
の側面のうち少なくとも電極が形成される面を構成する
圧電/電歪材料の結晶粒子が、その粒子内部で破壊を受
けた粒子を10%以下の割合となるように、より好まし
くは1%以下の割合となるように、構成されている。表
面は概ね一様な状態であり、面相がほぼ均質で表面状態
の差違分布が極めて小さい。
【0046】 面相が均質であることから応力分布が小
さく、後述する高アスペクト比な構造であっても、素子
の変形が小さく、素子寸法の精度は勿論、ピッチ精度も
維持し易い。加えて、低駆動電圧化のために圧電/電歪
素子(圧電/電歪体)の厚さを薄くし、圧電/電歪素子
の体積に対し表面の割合の多い設計を採用しても、圧電
セラミック粒子内のクラック等の欠陥が少ないので、本
来有する圧電/電歪材料の特性を優位に引き出すことが
出来る。
【0047】 又、膜状の電極を圧電/電歪体4の側面
に形成した際に、アンカー効果が適度に得られ、表面が
概ね一様、均質な状態であることとも併せ、電極面全体
が安定した密着状態となる。更に、電極面に粒内破壊粒
子が極少ないことから、信号電圧を印加した際に発生す
る歪みが結晶粒子全体から得られるとともに歪みの伝達
ロスが少なく、上記電極の密着性と相まって、圧電/電
歪素子の発生変位、発生力、又、発生電荷とも大きな値
を得ることが出来る。
【0048】 尚、本発明において粒内破壊を受けてい
る結晶粒子の割合(例えば10%以下)とは、圧電/電
歪体の側面(電極形成面)において、研磨、切断等の加
工により、結晶粒子本来の凹凸を表さず平面状(平坦)
に破壊されたものをいい、圧電/電歪体の側面を走査型
電子顕微鏡で観察し、撮影像上で上記様相を示す部位の
面積が観察視野面積に占める割合を算出することで求め
られる。例えば、撮影像を画像処理し、該当する様相部
位とそれ以外の部位とを濃淡で2値化し、割合を求めれ
ばよい。
【0049】 4)接合部曲面形成
【0050】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1は、
側面を表す図1(b)、図1(c)から理解されるよう
に、圧電/電歪素子31(圧電/電歪体4)のセラミッ
ク基体2との接合部近傍が曲面13を形成している。即
ち、圧電/電歪体4はセラミック基体2と接合する辺り
でセラミック基体2と離れた部分(例えば最上面)より
セラミック基体2と平行な面の断面積が大きい裾野状を
形成している(以下、圧電/電歪体のセラミック基体と
の接合部近傍を、裾野部ともいう)。従って、作用方向
が定まり易く、破損し難い。又、裾野状であることか
ら、基体部と圧電/電歪体との接合部分での電極膜の連
続性が向上し、圧電/電歪体4の側面電極と外部配線と
の接合信頼性は、より高くなる。
【0051】 特に、上記接合部分では形成した電極膜
の膜厚が厚くなり、不均一な状態を形成し易く、付着強
度を増すための熱処理時の断線や、圧電/電歪素子を駆
動させたときの変位等による断線を惹起し易い。更に
は、マトリクス型圧電/電歪デバイス1に対する被作用
体からの反作用に対する耐性が向上し、例えば座屈し難
く、曲がり難くなる。
【0052】 接合部近傍の曲面13の半径は20〜1
00μmであることが好ましい。20μmよりも小さく
なると接合部近傍をR状にする効果が得難くなり、一
方、100μmより大きくなると強度面では有効である
ものの、裾野部における圧電/電歪素子31の電極間距
離が大きくなることに加え、裾野部の割合が大きくなる
ことから、効率よく圧電/電歪素子31を駆動すること
が出来難くなる。
【0053】 5)電極端子形成
【0054】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1は、
圧電/電歪素子31がセラミック基体2上に立設され、
圧電/電歪体4の側面のうち、対向する距離の短い方の
側面に、電極18,19が形成されている。換言すれ
ば、電極18,19は、圧電/電歪素子31の圧電/電
歪体4におけるセラミック基体2と平行方向の断面形
状、即ち、平行四辺形の一態様である長方形の、長辺を
含む側面に形成されている。
【0055】 そして、セラミック基体2を挟んで圧電
/電歪素子31が配置される面とは反対側の面に、電極
端子20,21が形成されていて、電極18と電極端子
20、及び、電極19と電極端子21とが、セラミック
基体2の内部に形成され、導電性材料が充填されたビア
ホール22により配線している。当然ながら、ビアホー
ル22の代わりに、内面に導電性材料が塗布されたスル
ーホールでもかまわない。このように駆動部である圧電
/電歪素子31とは反対側に電極端子を形成しておくこ
とにより、後に電界をかけるための電源接続作業が容易
となり、製造工程に起因する歩留まり低下を防止し得
る。
【0056】 6)伸縮変位
【0057】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1は、
圧電/電歪体4の伸縮する電界誘起歪みを屈曲モードの
変位に変換して利用するものではなく、その伸縮を、そ
のまま変位として利用する圧電/電歪デバイスなので、
大変位を得るための設計値を、発生力並びに応答性を低
下させることなく決定することが容易である。
【0058】 7)分極及び駆動電界の平行性
【0059】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1にお
いては、圧電/電歪素子31を構成する圧電/電歪体4
は、図1(a)中、セラミック基体2の主面に平行なP
方向に分極されている。そして、電極端子20,21に
電源を接続し、電極18側を正極、電極19側を負極と
して電圧をかけることにより、駆動電界が方向Eに形成
される。即ち、圧電/電歪体4の分極電界と駆動電界と
が、同一方向になっている。
【0060】 その結果、圧電/電歪体4の電界誘起歪
みの横効果に基づき、圧電/電歪素子31がセラミック
基体2の主面に対し垂直にS方向に収縮し、又、これと
は逆に分極Pの方向とは180°反対の電界(但し、分
極反転が生じない電界強度)で伸長する。ここで、主面
とは、セラミック基体2の各面のうち、圧電/電歪体が
形成されている面を指す。
【0061】 圧電/電歪素子31を構成する圧電/電
歪体4の分極電界と駆動電界とが平行であることから、
製造工程において、例えば、シアーモード(d15)
等、分極方向と駆動電界とが平行ではないモードを利用
する場合に必要な仮の分極用電極を作製し電界をかける
必要がなく、スループットの向上が図れる。
【0062】 又、分極処理に関わりなく、キュリー温
度以上の高い温度での加熱を伴う製造プロセスを適用す
ることが可能である。従って、圧電/電歪デバイスを、
例えば、回路基板に固定・結線する際に、はんだリフロ
ー等によるはんだ付けや、熱硬化型接着が実施可能であ
り、圧電/電歪デバイスを適用した製品の製造工程を含
め、スループットの向上がいっそう図られ、製造コスト
の低減が導かれる。そして、高い電界強度で駆動して
も、分極状態が変化してしまうことがなく、むしろ、よ
り好ましい分極状態となり得て、安定して高い歪み量を
得ることが出来る。従って、よりコンパクトにすること
が出来、圧電/電歪デバイスとして好ましい。
【0063】 8)輪郭度に優れた圧電/電歪体
【0064】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1は、
図1(a)に示されるように上記接合部近傍の曲面を除
いて概ね直方体を呈するが、後述する製造方法により、
圧電/電歪素子31の圧電/電歪体4にかかる面の輪郭
度が概ね8μm以下となるように成形されている。従っ
て、変位や発生力を意図する方向に意図する量で作用さ
せることが容易であり、圧電/電歪素子31の特性を効
率よく利用出来るという利点を有する。又、優れた輪郭
度であるために、圧電/電歪素子31を作動させ、ある
対象を、押す、叩く等の作用から受ける反作用に対し
て、高い耐性を示し、高アスペクト比な細く背の高い圧
電/電歪素子であっても、折れ、割れ等の破損が生じ難
い。
【0065】 尚、面の輪郭度は、日本工業規格B06
21「幾何偏差の定義及び表示」に示されている。面の
輪郭とは機能上定められた形状をもつように指定した表
面であって、面の輪郭度とは理論的に正確な寸法によっ
て定められた幾何学的輪郭からの面の輪郭の狂いの大き
さをいう。
【0066】 9)高アスペクト比な圧電/電歪素子
【0067】 一般に、マトリクス型圧電/電歪デバイ
スを構成する個々の圧電/電歪素子は、
【0068】
【数1】 で表される数式に従う変位を発生し、一方、
【0069】
【数2】 で表される数式に従う応力FBを発生する。つまり、変
位と発生力とは、別個に設計が可能なのである。ここ
で、Tは圧電/電歪体の厚さ、Lはその高さ、Wは幅で
あり、
【0070】
【数3】 は弾性コンプライアンスである。従って、これらの数式
からわかるように、形状として、圧電/電歪体の厚さT
を薄く、そして高さLを高くすることが、変位と発生力
を両立する上で有利であるが、従来、そのようなアスペ
クト比(L/T)の大きい板状体の取扱いは非常に困難
で、且つ、精度よく並べることは不可能であった。
【0071】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイス1は、後述する製造方法により、圧電/電歪素子
31を個々に取り扱うことなく、又、圧電/電歪素子3
1を個々に並べる必要もなく、基体2と一体的に形成さ
れるとともに、アスペクト比が20〜200であり高ア
スペクト比な圧電/電歪素子になっており(図1(a)
〜図1(c)では高さ方向を省略して描いている)、低
駆動電圧で、大きな変位並びに発生力が得られるように
構成されている。
【0072】 10)高集積圧電/電歪素子
【0073】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1は、
後述する製造方法により、圧電/電歪素子31の圧電/
電歪体4の厚さTが300μm以下であり薄く形成され
ている。加えて、駆動電極を圧電体4の外表面に形成し
た構造であり、圧電/電歪素子31は従来になく高い集
積度で配置され得る。ピッチとしては、1mmは勿論の
こと0.5mm以下でも基体2上に圧電/電歪素子31
を二次元配置することが可能である。
【0074】 又、9)高アスペクト比な圧電/電歪素
子の項で記したように、圧電/電歪素子31を個々に取
り扱うことなく、又、圧電/電歪素子31を個々に並べ
る必要もなく、基体2と一体的に形成されることから、
高アスペクト比体を高密度に配置することが出来る。具
体的には、圧電/電歪素子31の配置密度は、圧電/電
歪素子31の高さLと、圧電/電歪素子31と隣接する
圧電/電歪素子31との間隔と、の比が概ね20:1〜
200:1になるような配置密度である。この高い集積
度を有するマトリクス型圧電/電歪デバイス1は、今後
開発される光交換器用の光スイッチやインクジェットプ
リンタ用のプリントヘッド、等に用いられるアクチュエ
ータとして好適である。
【0075】 11)圧電/電歪体側面の平滑性
【0076】 マトリクス型圧電/電歪デバイス1にお
いては、圧電/電歪素子31を構成する圧電/電歪体4
の側面の表面粗さRtが9μm以下であり、表面粗さR
aが0.1μm〜0.5μmである。従って、表面が概
ね平滑且つ一様、均質な状態であることから、圧電/電
歪体4の厚さのバラツキが小さく、圧電/電歪体4の側
面への膜状の電極18,19の付着性がよく、又、均一
に形成出来るため、圧電/電歪体4を有効に駆動出来
る。つまり、圧電/電歪素子31として、電界印加時の
応力分布が小さく、破損等を引き起こし難く、信頼性が
高く、更に、発生変位、発生力の偏りが、より小さく、
作用方向が、より均一になり得る。
【0077】 表面粗さRtが9μmより大きくなった
り、表面粗さRaが0.5μmより大きい場合には、圧
電/電歪体4の側面(表面)を均一にコートすることが
困難となり、緻密で均一な膜厚を有する電極の形成が困
難となる。加えて、表面粗さRt、表面粗さRaが大き
くなると、圧電/電歪体を挟んで対向する電極間距離が
不均一になるため、電界集中乃至分布が生じ易くなる。
【0078】 又、表面粗さRaが0.1μmより小さ
い場合には、電極(膜)の内部応力が大きくなり、圧電
/電歪素子の駆動に伴う経時的な剥がれが生じ易くな
る。従って、圧電/電歪体側面と電極との付着強度の低
減、圧電/電歪素子31の有効電極面積の減少、不均一
な電界誘起歪みにより、効果的に圧電特性等を発現させ
ることが出来なくなるとともに、特性も不安定になり易
い。
【0079】 特に、表面粗さRtが9μmより大きい
場合には、マトリクス型圧電/電歪デバイス1として、
作用印加時の反作用に対する強度、例えば座屈強度、曲
げ強度、のバラツキが圧電/電歪素子31間で大きくな
り、安定して駆動するマトリクス型圧電/電歪デバイス
となり難い。
【0080】 尚、表面粗さとは、日本工業規格B06
01”表面粗さ−定義及び表示”による表面粗さを指
し、表面粗さRaとは、日本工業規格B0601−19
82に定める中心線平均粗さをいい、粗さ曲線を中心線
から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた
面積を長さLで割った値に相当する。一般には、表面粗
さ測定器に表示される目盛りから直読する。又、表面粗
さRtとは、測定表面における最高点と最低点との差に
て定義される最大高さRmaxと同義である。
【0081】 以下、引き続き本発明に係るマトリクス
型圧電/電歪デバイスの実施形態について、図面を参酌
しながら、説明する。以下に示すマトリクス型圧電/電
歪デバイスにおいても、少なくとも上記した1)〜7)
の特徴を備えており、好ましくは上記した8)〜11)
の特徴を備えてなる。
【0082】 図9は、本発明に係るマトリクス型圧電
/電歪デバイスの他の実施形態を示す斜視図である。マ
トリクス型圧電/電歪デバイス90は、セラミック基体
2上に、裾野部が曲面13を形成した圧電/電歪体4と
一対の電極18,19とからなる複数の圧電/電歪素子
33が隣接して形成され、隣接した2つ1組の圧電/電
歪素子33のセラミック基体2とは反対側の面を平板7
で塞ぎ、セル3を形成してなる。圧電/電歪体4が印加
電界によりセラミック基体2上で歪みを発現し、圧電/
電歪素子33が伸縮し駆動する。
【0083】 1組の圧電/電歪素子33は、ともに同
時に伸ばし縮ませてもよく、一方のみを伸ばすか縮ませ
てもよく、一方を伸ばし他方を縮ませるといった反対動
作をさせることも好ましい。例えば、作用面である平板
7を被加圧物体に押し当てる動作をするとき、圧電/電
歪素子33をともに同時に伸ばす動作によれば、1つの
圧電/電歪素子33により伸ばす場合に比べて、平板7
を通して、より大きな駆動力により被加圧物体を押圧す
ることが出来る。
【0084】 これは上記した数1〜数3の式からわか
るように、圧電/電歪素子の幅Wを2Wとしたことと同
じことによる。加えて、本セル構造は、圧電/電歪体の
厚さTを小さくしても平板7が存在することにより、単
体で構成したものよりも機械的強度が高く、且つ、変
位、発生力とも大きく出来、好ましい。又、一方を伸ば
し他方を縮ませるといった反対動作、又は一方だけを駆
動することにより、平板7の水平面から角度をつけて傾
けることが可能となり、例えば、平板7をマイクロミラ
ーにより構成して、マイクロミラーで入射した光の反射
角を変えるといった、例えばプロジェクタ、光スイッチ
等に用いられる光学系への応用が広がる。
【0085】 図26は、本発明に係るマトリクス型圧
電/電歪デバイスの更に他の実施形態を示す斜視図であ
る。マトリクス型圧電/電歪デバイス260は、セラミ
ック基体2上に、裾野部が曲面13を形成した一対の圧
電/電歪体4と電極18,69とからなる複数の圧電/
電歪素子44が隣接して形成されてなる。そして、セラ
ミック基体2を挟んで圧電/電歪素子44が配置される
面とは反対側の面に向けて、セラミック基体2中を貫通
し導電性材料が塗布されたスルーホール128,129
が形成され、図示しない電極端子に接続される。
【0086】 裾野部が曲面13を形成した一対の圧電
/電歪体4の間には、可撓性の高い導電体、例えば接着
性を有する導電性樹脂、が挿入されていて、この導電体
を一方の電極69として機能させる。電極69は、圧電
/電歪体4が発生する歪みを阻害させない程度の可撓性
を備えていればよい。又、一対の圧電/電歪体4の、電
極69とは反対側の面には、それぞれ電極18が形成さ
れる。即ち、圧電/電歪素子44は、圧電/電歪体4と
電極18,69とからなる1つの圧電/電歪素子が、電
極69を共有して合体したものである。
【0087】 マトリクス型圧電/電歪デバイス260
においては、圧電/電歪素子44を構成する一対の圧電
/電歪体4の単体が、より薄く且つより高く形成出来る
ので、変位を発現し易い。一方、圧電/電歪素子44と
しては、可撓性の導電体(電極69)を介して対向させ
た一対の圧電/電歪体4で構成されており、尚且つ、一
対の圧電/電歪体4の裾野部は曲面13を形成している
ため、機械強度が確保される。従って、低駆動電圧で大
変位、大応力が得られ、高性能な圧電/電歪素子として
機能し得る。上記のマトリクス型圧電/電歪デバイス9
0と比較しても、更に、圧電/電歪素子の形状効果を有
利に適用することが可能である。
【0088】 図示しないが、3つ以上の圧電/電歪素
子を1組として圧電/電歪素子33のセラミック基体2
とは反対側の面を平板7で塞ぐように繋げてもかまわな
い。又、4つの側面を圧電/電歪素子33で構成し閉じ
られたセル3を形成することも出来る。
【0089】 図21は、本発明に係るマトリクス型圧
電/電歪デバイスの更に他の実施形態を示す斜視図であ
る。マトリクス型圧電/電歪デバイス210は、一軸方
向に隣接する圧電/電歪素子39の間に壁部8を設けて
なる。本構造に従えば、隣接する圧電/電歪素子39間
の電気的干渉を防止し得るとともに、壁部8をマトリク
ス型圧電/電歪デバイスの作用対象との接合部として用
いることが出来るので、圧電/電歪デバイス作動時の被
作用体における近隣部位からの作用伝播を効果的に抑制
することが可能である。本発明のマトリクス型圧電/電
歪デバイスの特徴である、各圧電/電歪素子間の動作干
渉が極めて小さいことに加え、発生した変位乃至力を、
所定の部位近傍に集中的に作用させることが可能である
ため、作用効率の高い圧電/電歪デバイスが実現する。
【0090】 電圧を印加していない状態において、壁
部と圧電/電歪素子とは、図21に示されるマトリクス
型圧電/電歪デバイス210のように同一高さである必
要はなく、例えば、図22に示されるマトリクス型圧電
/電歪デバイス220のように、壁部の方が圧電/電歪
素子より低くなっていてもよく、更には、図23に示さ
れるマトリクス型圧電/電歪デバイス230のように、
壁部の方が圧電/電歪素子より高くなっていてもよく、
作用の対象に応じて適宜選択することが出来る。
【0091】 又、壁部は、一軸方向に隣接する圧電/
電歪素子の間に設けられるだけではなく、二軸方向に隣
接する圧電/電歪素子の間に設けられることも、勿論好
ましい。図24に示されるマトリクス型圧電/電歪デバ
イス270は、その一実施形態である。マトリクス型圧
電/電歪デバイス270においては、圧電/電歪素子4
5に対して、壁部8が二軸方向に隣接するため、圧電/
電歪素子45から受ける作用が、上記したマトリクス型
圧電/電歪デバイス210,220,230に比較し
て、より逃げ難い。
【0092】 尚、壁部は、圧電/電歪素子と同材料で
構成されることになるため、次のような構成をとり得
る。第1に、予め壁部としての目的で形成し、ビアホー
ル、スルーホール等の配線部分を設けないように圧電/
電歪デバイスを形成する。第2に、圧電/電歪素子とし
ての配線等は有しているが、実際には素子として利用せ
ず、壁部としてのみ機能させるようにしてもかまわな
い。
【0093】 図25は、本発明に係るマトリクス型圧
電/電歪デバイスの更に他の実施形態を示す斜視図であ
る。マトリクス型圧電/電歪デバイス250は、隣接す
る圧電/電歪素子43の間のセラミック基体2の表面に
溝部9を形成してなる。本構造に従えば、溝部9により
隣接する圧電/電歪素子43における対向電極面を異な
る極性にすることが容易に出来る。又、溝部9の形成に
より圧電/電歪素子43間の絶縁距離を大きくとれるの
で、圧電/電歪素子43間のピッチを小さくしても短絡
等が生じる可能性を小さくすることが出来る。
【0094】 図30に示すマトリクス型圧電/電歪デ
バイス280は、高いアスペクト比を有した圧電/電歪
素子46を高ピッチ(高密度)で配列してなる。本発明
によれば、このような一方向に寸法の大きい圧電/電歪
素子46であっても、個々の圧電/電歪素子をハンドリ
ングする、即ち、基体2と圧電/電歪素子46とを貼り
付ける、並びに、基体2どうしを貼り付ける、必要はな
く、意図した所定のピッチで、二次元に、歩留まりよく
配列することが可能である。
【0095】 尚、実際の使用にあたっては、各圧電/
電歪素子46間への異物の進入による絶縁性低下の防
止、ハンドリング性の向上、等のために、各圧電/電歪
素子46間に、変位並びに発生力を阻害しないだけの可
撓性のある絶縁体を充填することが好ましい。本発明に
おいて有利に採用されるピッチは2mm以下であり、好
ましくは1mm以下、更に好ましくは0.1〜0.5m
mである。
【0096】 図12に示すマトリクス型圧電/電歪デ
バイス370は、上記マトリクス型圧電/電歪デバイス
280と同様に、高いアスペクト比を有した圧電/電歪
素子を高密度に配列してなるものであり、セラミック基
体472を貫通する図示しないビアホールと、セラミッ
ク基体472の圧電/電歪素子が配置される面とは反対
側の面に実装された配線基板371によって、電極端子
321を圧電/電歪デバイス前面に配置したものであ
る。このような構成をとることによって、電極端子32
1と電源との接合が容易になり、又、配線基板371を
ハンドリングに利用することも可能となる。
【0097】 図33は、本発明に係るマトリクス型圧
電/電歪デバイスの一実施形態を示す斜視図である。マ
トリクス型圧電/電歪デバイス80は、セラミック基体
2上に、裾野部が曲面13を形成した圧電/電歪体14
と、一対の電極、詳細には一対の共通電極28,29及
び内部電極48,49と、からなる複数の圧電/電歪素
子32が形成されてなり、圧電/電歪体14が印加電界
によりセラミック基体2上で歪みを発現することにより
駆動する圧電/電歪デバイスである。
【0098】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイス80は、上記説明したマトリクス型圧電/電歪デ
バイスと同様に、少なくとも、1)二次元整列配置圧電
/電歪素子、2)相互完全独立圧電/電歪素子、3)低
粒内破壊面に電極形成、4)接合部曲面形成、5)電極
端子形成、6)伸縮変位、7)分極及び駆動電界の平行
性、という特徴を有し、好ましくは、8)輪郭度に優れ
た圧電/電歪体、9)高アスペクト比な圧電/電歪素
子、10)高集積圧電/電歪素子、11)圧電/電歪体
側面の平滑性、という特徴を有する。
【0099】 しかしながら、マトリクス型圧電/電歪
デバイス80は、次の2点において、上記説明したマト
リクス型圧電/電歪デバイスの態様とは異なる。
【0100】 先ず、上記のマトリクス型圧電/電歪デ
バイス1と同様に、セラミック基体2を挟んで圧電/電
歪素子32が配置される面とは反対側の面に電極端子が
形成され各電極と各電極端子とがビアホールで導通する
態様をとり得るが、一方、略直方体状の圧電/電歪素子
がセラミック基体上に立設され圧電/電歪体の側面に、
単に一対の電極が形成されている圧電/電歪素子ではな
く、圧電/電歪素子は、セラミック基体上に層状の圧電
/電歪体と層状の内部電極とが交互に複数層積層されて
いる点で異なる。即ち、図33に示されるマトリクス型
圧電/電歪デバイス80では、上記のマトリクス型圧電
/電歪デバイス1と同様に、圧電/電歪素子の側面(低
粒内破壊面)に電極が形成されているが、後述するよう
に、これらは内部電極とそれぞれ1層おきに接合される
ものであって、各1層おきの内部電極に、同じ信号を印
加するための共通電極として機能するものである。
【0101】 次に、上記のマトリクス型圧電/電歪デ
バイス1と同様に分極電界と駆動電界とは平行なのであ
るが、マトリクス型圧電/電歪デバイス1が圧電/電歪
体の電界誘起歪みの横効果による変位に基づき圧電/電
歪素子がセラミック基体主面に対し垂直方向に伸縮する
のに対し、圧電/電歪体の電界誘起歪みの縦効果による
変位に基づき、圧電/電歪素子がセラミック基体主面に
対して垂直方向に伸縮する点で異なる。
【0102】 図34は、図33におけるマトリクス型
圧電/電歪デバイス80の圧電/電歪素子32を、共通
電極28,29及び内部電極48,49を通る垂直断面
を側面から見た図である。マトリクス型圧電/電歪デバ
イス80は、圧電/電歪素子32が、層状の圧電/電歪
体14と層状の内部電極48,49とが交互に積層され
てなっていて、圧電/電歪体14を10層有する。用
途、目的によって適宜決められることとなるが、アクチ
ュエータ特性の安定面、製造のし易さから圧電/電歪層
の積層数は好ましくは10〜200層である。
【0103】 マトリクス型圧電/電歪デバイス80に
おいては、圧電/電歪素子32を構成する圧電/電歪体
14は、例えば図中P方向に分極されている。そして、
電極端子20,21に電源を接続し、共通電極28,2
9間に共通電極28側を正、共通電極29側を負にして
電圧を印加することにより、E方向の電界が形成され
る。即ち、分極が互いに反対方向の層状の圧電/電歪体
14が内部電極48,49を挟んで積層されてなり、各
々の圧電/電歪体14においては、分極と駆動電界と
が、同一方向になっている。その結果、圧電/電歪体1
4には電界誘起歪みが発現し、その縦効果による変位に
基づき、圧電/電歪素子32がセラミック基体2の主面
に対しその積層方向であるS方向に伸縮する。従来のユ
ニモルフやバイモルフのような屈曲変位ではなく、電界
誘起歪みを直接利用した伸縮変位であるため、発生力は
大きく、且つ、応答速度も高い。
【0104】 更に、このタイプの圧電/電歪素子は、
電界誘起歪みの横効果を利用する図1(a)等に開示し
たものと比較しても、発生力、応答速度の点で優れる。
個々の層が発現する変位量は小さいが、圧電/電歪層の
層数、より正確には圧電/電歪層と一対の電極からなる
組の数に比例した変位量となるので、大変位を得るには
総数を増せばよい。尚、層数の増加に伴い、共通電極と
内部電極との導通に対する信頼性が低下し易くなる点、
静電容量が増加するため消費電力が大きくなる点、製造
工数も多くかかる点、に留意が必要である。
【0105】 又、この図33に示されるようなマトリ
クス型圧電/電歪デバイス80においては、低電圧で駆
動出来るように、圧電/電歪体14の1層当たりの厚さ
は、100μm以下とすることが好ましく、10〜80
μmとすることがより好ましい。
【0106】 次に、本発明に係るマトリクス型圧電/
電歪デバイスの適用例を掲げて、図面を参酌しながら説
明する。
【0107】 図6(a)、図6(b)は、本発明のマ
トリクス型圧電/電歪デバイスをマイクロバルブにアク
チュエータとして適用した例を示す図であり、図6
(a)はマイクロバルブのアクチュエータ部の斜視図で
あり、図6(b)はマイクロバルブの垂直断面図であ
る。マイクロバルブ65は、弁座部64とアクチュエー
タ部61とを備えてなり、マトリクス型圧電/電歪デバ
イスをアクチュエータ部61として用いるマイクロバル
ブである。
【0108】 弁座部64は、アクチュエータ部61の
複数の圧電/電歪素子37と対をなす開口部63を有
し、アクチュエータ部61は、圧電/電歪素子37が外
部信号により変位し、圧電/電歪素子37のセラミック
基体2とは反対側の面に弁体部66を備えている。そし
て、アクチュエータ部61の圧電/電歪素子37の変位
を通じて、弁座部64の開口部63に弁体部66を接近
/離反させて、開口部63の通過断面積を変更すること
が出来る。この動作を通じて、開口部63を通過する例
えば流体67等の流量を調節し得る。
【0109】 マイクロバルブ65は、圧電/電歪素子
37の変位量を変えることにより開口部63の通過断面
積を自在に調節することが出来る。図6(b)に圧電/
電歪素子37の状態を模式的に示す。ここで圧電/電歪
素子が先の図1(a)に示されるタイプの素子であれ
ば、図6(b)中において左側の圧電/電歪素子37a
は所定の印加電圧で縮んだ状態であり、このとき弁体部
66は開口部63を全開にして、開口部63を通過する
流体67の流量を最大にする。図6(b)中において右
側の圧電/電歪素子37cは非作動状態であり、このと
き弁体部66は開口部63を全閉にして、開口部63を
流体67は通過出来ない。圧電/電歪素子37の変位量
を変えて圧電/電歪素子37a〜圧電/電歪素子37c
の間の任意の状態にすることが出来、その結果、開口部
63の通過断面積が自在に調節され、開口部63を通過
する流体67等の流量も調節される。図6(b)中にお
ける真中の圧電/電歪素子37bの状態は、その一例で
ある。従って、マイクロバルブ65は、ON−OFF弁
のみならず調節弁として機能し得る。
【0110】 尚、開口部63及び弁体部66の形状は
本例に限定されるものではなく、圧電/電歪素子37の
変位量と流体67等の通過流量との関係をリニアにする
か2次曲線的にするか、等の検討を行い、一般の弁と同
様に開口部63及び弁体部66の形状を決定することが
出来る。
【0111】 マイクロバルブは、開口部を通過する流
体等の流量が自在に変えられるため、流体、例えば空気
が、開口部から吹き出るときの圧力を自在に変えること
も可能である。従って、マイクロバルブは、その圧力を
利用して開口部上面の圧力を波打つように変えること等
の手段により、開口部上面に載った被搬送体を、所定の
一の場所から所定の他の場所へ位置決めしながら移送す
る、といった搬送装置として用いることが可能である。
紙のような軽量被搬送体であれば、浮かせながら非接触
で搬送することも出来、このような搬送装置は、印刷面
を掴み代にすることが好ましくない印刷物等の搬送には
好適である。
【0112】 図7(a)、図7(b)は、本発明のマ
トリクス型圧電/電歪デバイスを光干渉計と組み合わ
せ、光変調器とした例を示す図であり、図7(a)は光
干渉計の上面図であり、図7(b)は図7(a)のAA
断面を示す図である。光干渉計74は、2つの方向性結
合器73と、それらを2本のアーム光導波路コア部77
a,77bで接続したものであり、光変調器75は、そ
の光干渉計74に光導波路コア部77a,77bの何れ
か片方の少なくとも一部分に応力を印加するためのアク
チュエータ部71を備える。
【0113】 具体的には、例えば図7(b)のよう
に、基板72(例えばシリコン)上のクラッド部77c
と光導波路コア部77a,77bからなる光導波路77
(例えば石英導波路、ポリイミド等のポリマー導波路)
に対して、片側の光導波路コア部77aに対向してアク
チュエータ部71が配設されている。アクチュエータ部
71と光導波路77との間に空隙をもたせ、必要なとき
に接触して応力がかかるような構成であっても、空隙を
もたずに常に接触した状態で、その状態から応力を印加
する構成でもよい。前者の場合、更に、電圧印加によっ
て、それら空隙をなくすとともに応力が印加されるもの
であっても、逆に、初期の状態で応力が印加されてお
り、電圧印加によって応力が低減され空隙を形成するも
のであってもよいのである。
【0114】 そして光の変調は、光導波路コア部77
aへ応力を印加すると、そのコアの屈折率が変わり、そ
の結果、2本のアーム光導波路コア部77a,77bを
伝送するそれぞれの光に位相差が生じ、その位相差に応
じた強度の光を出力出来る。特定の位相差にすれば、伝
送する光の消灯(OFF)、点灯(ON)の2値を出力
可能である。
【0115】 従って、この光変調器を二次元的に配置
すれば、上記したON−OFF機能を利用して、伝送経
路のスイッチングを行わせることが出来る。本発明に係
るマトリクス型圧電/電歪デバイスは基体部を有し、面
として構成されているので、このような二次元に配列し
た光干渉計と対向して配置させるのに好適であり、又、
本発明に係るのマトリクス型圧電/電歪デバイスの大き
な発生変位をもってすれば、対向させる場合の空隙精度
もそれほど必要としない。更に、光導波路コアの屈折率
変化には比較的大きな応力を要するが、これも本発明に
係るマトリクス型圧電/電歪デバイスの高い発生力をも
ってすれば容易に実現出来る。
【0116】 又、通常、このような屈折率変化には光
導波路材料の熱光学効果を利用するものが一般的である
が、そのような熱を用いるものは、クロストークを低減
させたり、応答性を高めるための除熱機構が必須であ
り、更に、スイッチ自体の昇温による誤動作を防止する
ために、冷却等の空調下で使用するなどの制約を強いら
れる場合がある。応力による屈折率制御を用いれば、そ
のような制約は排除出来、熱源を要さないので消費電力
的にも有利なスイッチが実現出来る。
【0117】 本発明のマトリクス型圧電/電歪デバイ
スは、先に図2(a)、図2(b)に示した光スイッチ
200においても、図示されたアクチュエータ部211
の代わりに、アクチュエータ部として採用することが出
来る。
【0118】 図2(a)、図2(b)に示される光ス
イッチ200は、光伝達部201と光路変更部208と
アクチュエータ部211とからなり、光伝達部201
は、光路変更部208に対向する面の一部に設けられる
光反射面101、及び、光反射面101を起点に3方向
に向けて設けられる光伝達経路202,204,205
を有し、又、光路変更部208は、光伝達部201の光
反射面101に移動可能な状態で近接され、透光性の材
質からなる光導入部材209、及び、光を全反射する光
反射部材210を有し、更には、アクチュエータ部21
1は、外部信号により変位し、変位を光路変更部208
に伝達する機構を有するものであり、アクチュエータ部
211の作動により、光伝達部201の光反射面101
に、光路変更部208を接触又は離隔させて、光伝達経
路202に入力した光221を、光伝達部201の光反
射面101で全反射させて出力側の特定の光伝達経路2
04に伝達させたり、光導入部材209に取り出し光反
射部材210の光反射面102で全反射させて出力側の
特定の光伝達経路205に伝達させたりすることが出来
る。このような光スイッチ200において、屈曲変位を
発するアクチュエータ部211に代えて、本発明のマト
リクス型圧電/電歪デバイスをアクチュエータ部に採用
することにより、コントラストの高い、低損失な光スイ
ッチにすることが可能である。
【0119】 続いて、本発明に係るマトリクス型圧電
/電歪デバイスをアクチュエータ部として適用した光ス
イッチの他の実施形態について説明する。
【0120】 図16に示される光スイッチ290は、
2001年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエ
ティ大会予稿集P182に公表されているものである。
光スイッチ290は、光導波路部材177に光導波路コ
ア部177a〜177dが互いに交差するように形成さ
れ、且つ、その交差部分である光路変更部298a〜2
98dに切込みが形成されてなる。
【0121】 光スイッチ290は、アクチュエータ部
等の駆動機構の動作を用いて、その切込みを変形させる
ことによって、光学的に不連続な部分を形成し、何れか
の光導波路コア部177a〜177dに入力された光の
伝送経路を、光路変更部298a〜298dにおいて変
え得るマトリクススイッチである。尚、図16において
は、光導波路コア部177aに入力された光223の伝
送経路を、光路変更部298bにおいて、光導波路コア
部177bに変える様子を表している。
【0122】 光スイッチ290では、クロストークを
小さくするために、光路変更部298a〜298dの切
込みを、より大きく開かせることが重要である。そのた
めには、アクチュエータ部(駆動機構)に大変位が要求
される。
【0123】 又、光路変更部298a〜298dが、
光学的不連続状態と連続状態とを、良好に再現し得るこ
とが重要である。そのためには、比較的、高ヤング率な
材料を光導波路部材177の材料として適用し、光路変
更部298a〜298dの切込みの復元動作が有利に行
われるようにすることが好ましい。従って、高ヤング率
な材料を歪ませるためには、アクチュエータ部として、
大きな発生力が要求される。
【0124】 更に、通常、光導波路コア部177a〜
177dは、高精度且つ高集積なパターン形成が可能な
フォトリソグラフィー法によって形成されるため、アク
チュエータ部には、高い位置精度と高密度化が要求され
る。
【0125】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスは、圧電/電歪体の電界誘起歪みを直接利用する
ものであることから発生力が大きく、圧電/電歪素子を
高アスペクト比にすることが容易であることから発生変
位も大きく出来る。且つ、各圧電/電歪素子は、それぞ
れセラミック基体に対して貼り付けられたものではな
く、マトリクス状に一体的に構成されたものであること
から、接着にかかる寸法ずれ、傾きが小さく、高密度な
構成も容易に実現出来る。尚且つ、各圧電/電歪素子を
構成する圧電/電歪体はセラミック基体と接合する辺り
で裾野状を形成していることから作用方向が定まり易く
強度に優れ、圧電/電歪素子を構成する圧電/電歪体の
側面の表面は概ね一様であり電極の付着性がよく電界印
加時の応力分布が小さいことから破損等を引き起こし難
く信頼性が高い。従って、本発明に係るマトリクス型圧
電/電歪デバイスは、光スイッチ290のアクチュエー
タ部として好適である。
【0126】 図17は、図16に示す光スイッチ29
0のCC断面を表し、光導波路コア部177aを有する
光伝達部281と、圧電/電歪素子292を有するアク
チュエータ部291と、を示す断面図である。アクチュ
エータ部291として、例えば図1(a)に示されるマ
トリクス型圧電/電歪デバイス1が採用されており、光
路変更部298a〜298d(切込み)に対応して配設
されている。
【0127】 尚、以下に、光スイッチ290のアクチ
ュエータ部291に適用するマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの態様を例示して説明するが、本発明に係るマト
リクス型圧電/電歪デバイスの何れの態様もアクチュエ
ータ部291としての適用が可能である。
【0128】 図17は、光スイッチのアクチュエータ
部として、図1に示されるマトリクス型圧電/電歪デバ
イス1を適用した例である。図17に示される状態にお
いて、光スイッチ290は、光路変更部298aにおけ
るアクチュエータ部291の圧電/電歪素子292は非
作動状態であり、光導波路コア部177aへの作用はな
い。従って、光路変更部298aの切込みは閉じ、光学
的に光導波路コア部177aは連続な状態を維持してい
る。このとき、導入された光223は、光路変更部29
8aを直進する。
【0129】 光路変更部298bにおけるアクチュエ
ータ部291の圧電/電歪素子292は作動状態であ
り、変位並びに応力を光導波路コア部177aに作用さ
せ、光路変更部298bの切込みを開いている。即ち、
光路変更部298bにおいて光導波路コア部177aは
光学的に不連続となり、導入された光223は、光路変
更部298bで全反射し、光導波路コア部177bへ伝
送される。
【0130】 アクチュエータ部(圧電/電歪素子)の
作動状態若しくは非作動状態と、光導波路コア部への作
用の有無とは、上記した場合とは逆であっても、勿論よ
い。即ち、アクチュエータ部の作動状態が作用なく(図
17中で光路変更部298aの状態)、一方、非作動状
態が作用有り(図17中で光路変更部298bの状態)
の場合であってもよい。又、光路変更部に作用を与える
圧電/電歪素子の厚さM(図17中に示す)は、光路変
更部の切込みの開閉動作に支障がない範囲において、よ
り小さい方が、圧電/電歪素子に要求される変位量も小
さくなるため、好ましい。
【0131】 図18は、光スイッチのアクチュエータ
部として、図21に示されるマトリクス型圧電/電歪デ
バイス210を適用した例である。マトリクス型圧電/
電歪デバイス210の壁部8を光導波路支持部294と
することにより、光路変更部298a〜298dの切込
みを開閉させるために必要な変位量を小さくすることが
出来る。即ち、光導波路支持部294を設けることによ
り、光路変更部298a〜298dの切込みを開かせる
ための曲率半径が小さくなるため、アクチュエータ部2
91の圧電/電歪素子292の変位が小さくても、切込
みを開かせることが可能である。更に、この利点によ
り、切込みの開口動作に余裕が生じるため、スイッチン
グにかかる信号の漏洩、損失の低減が図られ、より好ま
しい。
【0132】 図19は、光導波路部材の両面(上下)
にアクチュエータ部を設けた例である。アクチュエータ
部291に適用可能なマトリクス型圧電/電歪デバイス
の態様は、上記したように、本発明に係る全てのマトリ
クス型圧電/電歪デバイスの態様が該当するが、例え
ば、好ましくは図21に示されるマトリクス型圧電/電
歪デバイス210を用いることが出来る。このように光
導波路部材177の上下にアクチュエータ部291を設
けることにより、光路変更部の切込みの閉口精度を向上
させることが出来るとともに、スイッチングにかかる応
答速度を高めることが可能である。
【0133】 図17及び図18に示されるような光導
波路部材の片面にのみアクチュエータ部を設けた場合に
は、光路変更部の切込みの開口から閉口への状態変化
は、光導波路部材に用いられる材料の弾性的復元力に従
うため、光導波路部材として柔らかい材料を用いた場合
は、この復元(上記状態変化)に比較的長い時間を要し
てしまう。このことは、次のスイッチ動作に移るまでの
時間に影響するため、復元は速ければ速いだけ好まし
い。又、復元とは光学的に連続な状態に戻ることを意味
しているが、材料劣化等で、特に、長期間動作させた場
合に復元精度が低下し、信号の漏洩、損失増大を招くお
それがある。
【0134】 しかしながら、図19に示すように、光
導波路部材の両面にアクチュエータ部を設けた場合に
は、光路変更部の切込みに対し、上下両方向に配設され
たアクチュエータ部291の圧電/電歪素子292の作
用によって、強制的に光路変更部の切込みを挟み込め
ば、このような問題は解決出来る。即ち、光導波路部材
177を両面から押圧することにより、閉口精度が保て
るとともに、アクチュエータ部291(圧電/電歪素子
292)の応答速度で、開口から閉口への状態変化を実
施出来る。従って、光導波路部材の両面にアクチュエー
タ部を設ける構成は、低損失、低漏洩で、高速なスイッ
チの実現に有利である。
【0135】 図20に示す光スイッチは、図19に示
す例と概ね同様な光スイッチであるが、アクチュエータ
部291と光導波路部材177との接合において、アク
チュエータ部291を構成する壁部8と、光導波路部材
177との間に、より剛性の高い光導波路固定板286
を介して接合したところにおいて異なる例である。本構
造によれば、光導波路コア部の平坦性が向上し、アクチ
ュエータ部291の圧電/電歪素子292上面(作用
面)と光導波路部材177との間隔を、高精度に保つこ
とが出来、スイッチ動作の精度を高めることが出来る。
【0136】 尚、図19、図20において、光導波路
部材177の上下に配設されるアクチュエータ部291
は、互いに同じ態様である必要はない。例えば、上側に
は図1(a)に示すマトリクス型圧電/電歪デバイス1
を、下側には図21に示すマトリクス型圧電/電歪デバ
イス210を、配設することが可能である。
【0137】 続いて、本発明のマトリクス型圧電/電
歪デバイスを適用した光反射機構について説明する。
【0138】 図13は、光反射機構の一実施形態を示
す斜視図であり、図14及び図15は、図13に示す光
反射機構340のDD断面の一部を表した図であり、そ
れぞれある動作状態を示している。光反射機構340
は、プロジェクタ、光スイッチ等に用いられ、そのアク
チュエータ部291として、本発明に係るマトリクス型
圧電/電歪デバイスを好適に用いることが出来る。
【0139】 光反射機構340は、マイクロミラー等
の光反射板311がマトリクス状に並ぶ光反射部313
とアクチュエータ部391とからなり、各光反射板31
1に相対する位置に圧電/電歪素子392が配設されて
いる。例えば図21に示されるマトリクス型圧電/電歪
デバイス210を代表的形態とする壁部を有する本発明
に係るマトリクス型圧電/電歪デバイスをアクチュエー
タ部391として用い、その壁部たる光反射板支持部3
12により光反射板311の一端を支持する。そして、
アクチュエータ部391(圧電/電歪素子392)の作
動により、光反射板311は光反射板支持部312との
間に傾斜角を形成し、進入してきた光224の反射角を
変化させる。この反射角の有無により、プロジェクタで
あれば各画素の色形成を行い、又、光スイッチであれば
信号の伝送経路を切り替える。
【0140】 図13〜図15に示す態様のように、本
発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバイスを採用した
アクチュエータ部は、隣り合う圧電/電歪素子392ど
うしのピッチ、及び、光反射板支持部312を構成する
壁部どうしのピッチ、は同じであるが、圧電/電歪素子
392と隣接する壁部とは、図示されるように、異なる
ピッチで並ぶような構成であってもよい。勿論、圧電/
電歪素子392が、必ずしも同じピッチで並んでいる必
要はない。
【0141】 アクチュエータ部に適用される本発明の
マトリクス型圧電/電歪デバイスは、発生力が大きくと
れるので、剛性の高い光反射板を適用し平坦度に優れた
光反射面が構成出来、光反射機構として、より好ましい
ものとなり得る。更に、この発生力の利点は、壁部(光
反射板支持部)と圧電/電歪素子との距離を小さく出来
るので、反射角の大きな反射機構を容易に実現出来る。
【0142】 尚、光反射機構は、図13〜図15に示
す光反射機構340の態様に限定されない。アクチュエ
ータ部と光反射部とを接合せず、光反射板の一部を圧電
/電歪素子の作動により変位させ、反射角を変化させる
ようなものであってもよい。加えて、圧電/電歪素子の
タイプとしては、電圧印加により収縮するものでも伸長
するものでも利用可能である。
【0143】 本発明のマトリクス型圧電/電歪デバイ
スは、上記具体例に加え、その変位、振動に基づく作用
を用いて、液体と液体、液体と固体、液体と気体との混
合、撹拌及び反応、等を、極微小なエリアで、且つ、微
小量で行う種々の装置に利用することも出来る。又、外
部からの応力を感知する二次元の圧力センサとしても利
用出来る。
【0144】 次に、本発明に係るマトリクス型圧電/
電歪デバイスの製造方法について説明する。本発明に係
るマトリクス型圧電/電歪デバイスの製造方法は第1及
び第2の2つの製造方法からなる。以下、第1の製造方
法から順次、説明する。尚、本明細書において、単に本
発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバイスの製造方法
というときには、第1の製造方法及び第2の製造方法の
両方を指す。
【0145】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法は、圧電/電歪材料を主成分と
する複数のセラミックグリーンシートを用意する第一の
工程と、複数のセラミックグリーンシートの所定の位置
に少なくとも2の隅を曲線とした概ね直角四辺形状を含
む孔部を設ける第二の工程と、孔部を設けた複数のセラ
ミックグリーンシートを積層し貫通孔を有するセラミッ
クグリーン積層体を得る第三の工程と、セラミックグリ
ーン積層体を焼成一体化し貫通孔を有するセラミック積
層体を得る第四の工程と、少なくともセラミック積層体
の貫通孔を構成する側壁に電極を形成する第五の工程
と、セラミック積層体の貫通孔上を貫通孔の並びに垂直
であり且つ貫通孔開口面に垂直な方向に切断し櫛歯状セ
ラミック積層体を得る第六の工程と、櫛歯状セラミック
積層体の櫛歯に対し第六の工程にかかる切断面に垂直で
あり且つ櫛歯の並びに垂直に切込みを入れる第七の工程
と、を有することに特徴がある。本発明に係るマトリク
ス型圧電/電歪デバイスの第1の製造方法においては、
このようにセラミックグリーンシート積層法を用いるこ
とが好ましく、又、セラミックグリーンシートに孔部を
形成する際には、ダイとパンチからなる金型を用いた打
ち抜き加工を用いることが望ましい。尚、孔部の形成
は、パンチとダイの他、超音波加工法によっても可能で
ある。
【0146】 上記第1の製造方法により、貫通孔を構
成する側壁であって(第五の工程まで)櫛歯である(第
六の工程以降)部分が概ね柱体形状をなす複数の圧電/
電歪素子(圧電/電歪体)となり、これが二次元に整列
配置され、又、貫通孔断面の一部を曲線状(第二及び第
三の工程)にすることで、個々の圧電/電歪体のセラミ
ック基体との接合部近傍に曲面が形成されたマトリクス
圧電/電歪デバイスを作製することが出来る。又、圧電
/電歪体の側面のうち少なくとも電極が形成される面の
結晶粒子状態を、粒内破壊を受けている結晶粒子が実質
的にない状態から1%以下で構成することが出来る。
【0147】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法の概略工程の一例を、図8
(a)〜図8(f)に示す。この例は、図1(a)に示
したマトリクス型圧電/電歪デバイス1を作製する方法
として示されている。以下、この一例により、具体的に
説明する。
【0148】 先ず、後述する圧電/電歪材料を主成分
とする所定枚数のセラミックグリーンシート(以下、単
にシートともいう)を用意する。セラミックグリーンシ
ートは、従来知られたセラミックス製造方法により作製
出来る。例えば、後述する圧電/電歪材料粉末を用意
し、これにバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を望む組
成に調合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、ド
クターブレード法、リバースロールコーター法等のシー
ト成形法によって、セラミックグリーンシートを形成す
ることが出来る。
【0149】 図8(a)で、シートをパンチとダイに
より各々打抜加工して、2の隅を曲線とした細長い孔部
15を複数開けたシート116,117を得る。更に、
シート117には各孔部15とシートの端部とを連通し
て各孔部15を開口させるスリット状の孔部25が設け
られている。そして、これらを所定枚数、最上面及び最
下面がシート116になるように、交互に積層・圧着
し、図8(b)に示される所定の厚さを有し貫通孔5及
びスルーホール128が形成された圧電/電歪材料を主
成分とするセラミックグリーン積層体301を形成す
る。そして、焼成一体化してセラミック積層体303を
得る。
【0150】 次いで、図8(c)に示すように、貫通
孔5に対面する側壁6(後の櫛歯26)に電極18,1
9を形成すると同時に、スルーホール128の内壁にも
導電膜を形成する。そして、切断線350に沿って、ダ
イシング加工、スライシング加工、ワイヤーソー加工、
研磨加工等の手段によって不要部分を切除し、図8
(d)の通り、櫛歯状セラミック積層体304を得る。
【0151】 尚、図8(d)に示す櫛歯状セラミック
積層体304は、図8(c)に示すセラミック積層体3
03を90°起こしたところを示しており、図8(c)
に示すセラミック積層体303ではスルーホール128
開口面(図中手前、XZ平面)が側面を形成している
が、図8(d)に示す櫛歯状セラミック積層体304で
はスルーホール128開口面は下面になっている。
【0152】 次いで、図8(e)に示すように切込線
351に沿って不要部分を切除し、個割の圧電/電歪体
4を得る。その後、必要に応じて分極処理を行い、マト
リクス型圧電/電歪デバイス1を完成する(図8
(f))。
【0153】 尚、本方法ではグリーンシート117に
形成される孔部のうち、スルーホールに相当する孔部2
5はグリーンシートの端部と連通する態様となっている
が、図32(a)〜図32(d)に示すように、それら
孔部が端部と貫通しない態様で(図32(a)における
孔部125の如く)形成され、後で図32(c)で切断
により、スルーホールを貫通させる方法でもよい。
【0154】 先ず、所定枚数のセラミックグリーンシ
ートを用意し、図32(a)で、シートをパンチとダイ
により各々打抜加工して、2の隅を曲線とした細長い孔
部15を複数開けたシート116,217を得て、更
に、シート217には各孔部15の他にスリット状の孔
部125を設ける。そして、これらを所定枚数、最上面
及び最下面がシート116になるように、交互に積層・
圧着し、図32(b)に示されるセラミックグリーン積
層体401を形成する。
【0155】 そして、焼成一体化してセラミック積層
体403を得た後に、図32(c)に示すように、2つ
の切断線450に沿って、ダイシング加工、スライシン
グ加工、ワイヤーソー加工、研磨加工等の手段によって
不要部分を切除し、図32(d)の通り、櫛歯状セラミ
ック積層体404を得る。後は、図8(e)、図8
(f)に準じて、マトリクス型圧電/電歪デバイス1を
完成する。
【0156】 図32(a)〜図32(d)に従う方法
では、孔部125がシート217内部に形成されるため
ハンドリングに優れる他、シートの変形が抑制されるた
め積層時の位置合わせ精度の向上が図られる。又、スル
ーホール用の孔部は必須ではなく、単に孔部15のみ有
するシートを積層し、積層体を形成したのち、焼成の前
乃至後に所定位置にスルーホールを形成してもかまわな
いし、スルーホールを形成せず、セラミック基体の圧電
/電歪素子形成面側から駆動する態様でもよい。尚、図
32(a)〜図32(d)では電極形成過程は省略して
いる。
【0157】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法によれば、得られたマトリクス
型圧電/電歪デバイス1において圧電/電歪素子31の
変位方向はY軸方向(図8(f))であり、セラミック
グリーンシート116,117の積層方向(Z軸方向、
図8(a))とは異なる。即ち、圧電/電歪素子31の
変位は、シート116,117の積層数に依存せず、孔
部15の形状(Y軸方向、図8(a))に依存する。
【0158】 圧電/電歪素子31の形状は、セラミッ
クグリーンシート116,117の加工形状で概ね決ま
り、孔部15の開口長手方向を大きくすれば、高アスペ
クト比な形状の圧電/電歪素子31を、高い精度で再現
性よく形成することが可能である。従って、大変位の圧
電/電歪素子31を容易に得ることが出来る。又、シー
ト116、117の厚みは任意に選択出来るが、その厚
みに応じ、孔加工に使用する例えばパンチとダイのクリ
アランスを適正に設定することにより、加工断面の形状
にほぼテーパがつかず、高精度な打抜きが出来、その結
果、圧電/電歪体4の面の輪郭度を、概ね8μm以下と
することが出来る。
【0159】 更に、セラミックグリーンシート11
6,117の孔部15は、任意の形状に加工出来るの
で、孔部15を2の隅を曲線とした概ね直角四辺形状に
すること(図8(a)中の手前側の2の隅が曲線)によ
り、圧電/電歪素子31の裾野部を、その厚さに応じた
適正な曲率半径を有する曲面に形成することが容易であ
る。加えて、圧電/電歪体4の側面(櫛歯26の側面)
は、焼成面で形成されることになるので、Rtで表され
る表面粗さを9μm以下に、且つ、Raで表される表面
粗さを0.1μm以上0.5μm以下にすることが出
来、圧電/電歪素子31の駆動部たる圧電/電歪体4の
側面を平滑にすることが可能である。
【0160】 尚、本発明に係るマトリクス型圧電/電
歪デバイスの第1の製造方法においては、切込、切除、
切断等の加工法としては、加工品質(脱粒、クラック等
の有無)の点で、遊離砥粒を用いた機械加工、特にワイ
ヤーソー加工法、を用いることが好ましい。又、加工対
象に空隙がある場合、加工前に、その部分(例えば貫通
孔5、あるいは櫛歯26の前後空間)に後で除去可能な
樹脂等を充填し、加工時の破損防止を図ることが好まし
い。
【0161】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法においては、打抜加工(又は超
音波加工等)の後に焼成を行い焼成後には加工を施して
いないので、焼成後にダイサー、スライサー等の固定砥
粒を用いた加工を行う場合と比較して、被加工体に対す
るダメージが小さいことから、微小な構造も容易に形成
出来る。従って、被加工面の表面において粗さが小さく
且つ均質になり、加工した圧電/電歪体の側面(表面)
に電極を形成する際に、電極と圧電/電歪体との付着性
が良好であり、圧電特性を、より効果的に引き出すこと
が出来る。
【0162】 図10は、圧電/電歪材料からなる焼成
試験片に対して、スライサー加工(砥粒#1000の
例)を行った場合の切断表面を拡大(倍率1000倍)
したSEM写真であり、図28は、その切断側面を拡大
した断面拡大模式図である。又、図11は、パンチ&ダ
イを用いて打抜加工を行った後に焼成した同材料の試験
片の切断表面を拡大(倍率1000倍)したSEM写真
であり、図29は、その切断側面を拡大した断面拡大模
式図である。
【0163】 図10により、スライサー加工を行った
試料には、部位AAと部位BBが観察される。部位AA
は、加工により圧電/電歪体結晶粒子が粒子内で破壊さ
れ平坦な研磨面相であり、部位BBは粒子表面が現れて
いる面相であり、これらの面相が混在し、一様とはなっ
ていないことがわかる。砥石の番手を上げることにより
一様な面相とすることは出来るが、その面相は部位AA
で支配される状態、即ち、圧電/電歪体の表面が粒子内
破壊した結晶で構成されたものとなる。又、図28よ
り、スライサー加工を行った試料には、マイクロクラッ
ク191や粒内破壊セラミック結晶粒子192の存在が
示される。
【0164】 一方、パンチ&ダイによる打抜加工を行
った試料(図11)には、図10に見られた部位AAの
ような部位が認められず、粒子内を破壊したような面相
はほとんどなく、部位DDとして一様であり、均質な面
が観察されている。又、図29に示されるように、マイ
クロクラックも生じず、セラミック結晶粒子193の状
態は、粒内破壊を受けている結晶粒子が実質上なしに等
しい。このように、打抜加工の後に焼成すれば、試料の
切断表面において、粒内破壊を受けた結晶粒子を実質的
にない状態から1%以下の割合とすることが可能であ
る。従って、圧縮残留応力等による特性劣化は、ほぼな
くなる。
【0165】 尚、粒内破壊を受けている結晶粒子の割
合は、図10に示す試料の例のように対象となる圧電/
電歪体の表面を電子顕微鏡で観察し、観察視野全域に占
める粒内破壊部位(図10における部位AA)の割合
を、面積比として算出したものである。
【0166】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法においては、個割の圧電/電歪
体4を得るため、焼成後に切除加工を行うが、図8
(e)で明示されるように、この被切除加工面は、電極
18,19を形成する面ではなく、その加工面は、圧電
/電歪素子31を機能させるための主面となる面ではな
いために、このような切除面があっても殆ど影響は受け
ない。更に、焼成前に切除加工を行えば、このような心
配はない。
【0167】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法において、セラミックグリーン
シート116,117の積層時の位置合わせ方法は、例
えば、シート116,117の外形と、概ね同一の内形
を有する枠内に、シート116,117を順次重ねる
か、若しくは、ガイドピンを立てて、シート116,1
17に予め開けられたガイド孔を通し順次重ねるか、若
しくは、孔部と同じ形状の所定数のガイドピンを所定ピ
ッチで並べ、孔部自体をガイド孔として、そのガイドピ
ンに通して順次重ねることにより位置合わせし、その
後、加熱圧着してセラミックグリーン積層体301の形
成を行うことが出来る。
【0168】 又、セラミックグリーンシートの積層手
段として打抜同時積層を適用してマトリクス型圧電/電
歪デバイスを製造すれば、シートの積層ズレが殆ど生じ
ないため、圧電/電歪体4を、より精度よく整列させる
ことが出来るので、圧電/電歪素子31数の多い、規模
の大きなマトリクス型デバイスの作製に有効である。
【0169】 打抜同時積層とは、セラミックグリーン
シートを打ち抜き、孔部を形成するとともに、積層を後
述する方法により同時に行い、シートを積層しながら孔
部を形成して、打ち抜きの終了とともに積層も完了さ
せ、所定の厚さを有する貫通孔が形成された圧電/電歪
材料を含有するセラミックグリーン積層体を形成する方
法である。尚、この方法では、シートの積層ズレは殆ど
生じないが、図8(a)におけるシート116とシート
117のように異なる孔部形状をかこうしつつシートを
積層することは困難であるので、図8(b)に示すセラ
ミックグリーン積層体301を得るためには、最初にス
ルーホールに相当するスリット状の孔部を所定のシート
に加工したものを準備し、その後に同じ形状の孔部を加
工しつつ積層することになる。
【0170】 図27(a)〜図27(e)は、打抜同
時積層の具体的方法を示す図であり、シート116の積
層操作をするストリッパ11を配置したパンチ10とダ
イ12からなる金型を用いている。図27(a)は、ダ
イ12上に最初のシート116aを載せた打ち抜き前の
状態を示し、図27(b)で、パンチ10及びストリッ
パ11を下降させて、シート116aに孔部を打ち抜
く。
【0171】 次に、2枚目のシート116bの打ち抜
き準備に入るが、このとき図27(c)に示すように、
最初のシート116aは、ストリッパ11に密着させて
上方に移動させてダイ12から離す。ストリッパ11に
シート116を密着させる方法は、例えば、ストリッパ
11に吸引孔を形成して真空吸引すること等で実施出来
る。
【0172】 又、2枚目のシート116bの打ち抜き
準備に入るために、ダイ12からパンチ10及びストリ
ッパ11を引き上げるが、この引き上げている途中は、
パンチ10の先端部を、一緒に引き上げた最初のシート
116aの孔部の中まで戻さないことが望ましく、又、
止める際には、一緒に引き上げた最初のシート116a
の最下部より僅かに引き込んだところで止めることが肝
要である。パンチ10を最初のシート116aの孔まで
戻したり、完全にストリッパ11の中へ格納してしまう
と、シート116は軟質であるため形成した孔が変形し
てしまい、シート116を積層して得られる貫通孔5を
形成した際に、貫通孔5を構成する側壁の平坦性が低下
してしまう。
【0173】 図27(d)は、2枚目のシート116
bの打ち抜き工程を示し、最初のシート116aをスト
リッパ11に密着させることで、ダイ12上に、2枚目
のシート116bを容易に載置出来、図27(b)の工
程のように打ち抜き出来、同時に最初のシート116a
に重ね合わせられる。
【0174】 そして、図27(c)、図27(d)の
工程を繰り返して、打ち抜かれた最初のシート116a
と2枚目のシート116bとを重ね合わせて、ストリッ
パ11により引き上げ、3枚目のシート116cの打ち
抜き準備に入る。但し、このときもパンチ10の先端部
を一緒に引き上げたシート116の最下部より僅かに引
き込んだところで止めることが肝要である。その後、上
記したようなシートを打ち抜きパンチを積層軸に直前の
シートに重ね合わせる工程を繰り返して必要積層数のシ
ート116の打ち抜き及び積層を繰り返す。
【0175】 図27(e)は、打ち抜きを終了した状
態を示している。必要な枚数のシート116の打ち抜き
及び積層が終了したら、ストリッパ11によるシート1
16の保持を解除し、打ち抜き積層したシート116を
ストリッパ11から引き離して取り出し可能としてい
る。ストリッパ11からの引き離しは、図示するよう
に、ストリッパ11下面に引離治具17を設けることで
確実に行うことが出来る。
【0176】 以上述べた操作は、特願2001−13
1490に記載の製造方法を適用したものであり、この
操作に加え上記スルーホール128の形成により、所定
の厚さを有し貫通孔5が形成されたセラミックグリーン
積層体301(図8(b))を得ることが出来る。
【0177】 打抜同時積層を行えば、パンチとダイを
用いてセラミックグリーンシート116に孔部15を形
成すると同時にシート116の積層を行い、パンチ自体
をシート116の積層位置合わせ軸として使用して、パ
ンチにより打ち抜いた孔部15の変形を防止するため、
孔部15の変形が発生せず、シート116積層間のズレ
量を殆どなくす(5μm未満)ことが出来、高い精度で
セラミックグリーン積層体301を得ることが出来る。
【0178】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第1の製造方法では、図8(b)〜図8(f)
に示すように、シート116の積層方向(Z軸方向)
は、圧電/電歪体4(圧電/電歪素子31)のマトリク
ス状配置の一の方向である。従って、この精度が高くな
ることにより、圧電/電歪素子31の位置ズレが殆どな
くなり、更に優れた輪郭度が得られるとともに、高アス
ペクト比の圧電/電歪素子31を、高精度且つ高集積に
配置したデバイスを実現出来る。
【0179】 尚、背の高い(厚さに比べて高さの大き
な)高アスペクト比の圧電/電歪素子を構成する場合に
は、焼成過程を含む製造過程でのハンドリングにおい
て、貫通孔間の側壁(圧電/電歪体部分)が変形したり
破損しないように、工夫することが好ましい。例えば、
図8(b)において、セラミックグリーン積層体301
に対して、貫通孔5が閉塞するように、セラミックグリ
ーンシートを(図中、上面及び下面に)取り付けて、焼
成することも好ましい。このように別途シートを設けて
も、焼成時には、スルーホール128がグリーンシート
中の有機分の分解乃至燃焼に伴うガスの排出口になり、
クラック等が生じることはない。焼成した後に、閉塞部
分(貫通孔を閉塞させるために取り付けたシート相当部
分)を研磨等により除去し、貫通孔を開口させればよ
い。
【0180】 又、図8(c)における圧電/電歪体側
面への電極形成の方法としては、スパッタリング、真空
蒸着、CVD、メッキ、塗布、スプレー等で行うことが
出来る。この際、一対の電極が短絡しないようにマスキ
ングを施したのち、実施することが好ましい。更に、各
圧電/電歪素子の初期高さを厳密に一定とする場合、作
用面の平坦度を上げ、対象に対して効果的に作用出来る
ようにする、更に勿論、作用面を鏡面とする、等の目的
で、図8(e)の切除工程の前、若しくは、後に、研磨
を実施することも好ましい。尚、上記した電極形成の際
のマスキング処理は必ずしも必要としない場合がある。
例えば、全面に電極を形成しておいて、研磨によってそ
れらを断線させれば、一対の電極が形成される。
【0181】 研磨は、上記目的の他に、図22及び図
23に示されるマトリクス型圧電/電歪デバイスのよう
に、壁部と圧電/電歪素子との高さが異なる態様を形成
するためにも採用出来る。一対の電極を形成した後、こ
の一対の電極に電圧を印加し圧電/電歪素子を作動させ
た状態で研磨をすることにより、例えば、作動状態で収
縮するタイプのマトリクス型圧電/電歪デバイスに適用
すれば、図22に示されるマトリクス型圧電/電歪デバ
イスのような態様が実現出来、一方、作動状態で伸長す
るタイプのマトリクス型圧電/電歪デバイスに適用すれ
ば、図23に示されるマトリクス型圧電/電歪デバイス
のような態様が実現出来る。
【0182】 又、第1の製造方法においては、貫通孔
開口面に、更に平板状のグリーンシートを積層した後に
焼成することも好ましい。このような方法により貫通孔
を構成する側壁の形状が安定する。
【0183】 次に、本発明に係るマトリクス型圧電/
電歪デバイスの第2の製造方法について説明する。本発
明に係るマトリクス型圧電/電歪デバイスの第2の製造
方法は、遊離砥粒を加工媒体として用いた機械加工を主
手段とし、圧電/電歪材料を主成分とするセラミックグ
リーン成形体を用意する工程Aと、少なくともセラミッ
クグリーン成形体を含むセラミック前駆体を焼成し、一
体的なセラミック焼成体を得る工程Bと、セラミック焼
成体に、上記機械加工法によって複数の第1のスリット
(一のスリット)を形成する工程Cと、第1のスリット
の側面に電極を形成する工程Dと、第1のスリットに交
差する複数の第2のスリット(他のスリット)を形成す
る工程Eとを有するところに特徴がある。
【0184】 本発明に係るマトリクス型アクチュエー
タの第2の製造方法おいては、遊離砥粒を用いた機械加
工(切込加工)を好適に用いるため、第1の製造方法と
同様に、ダイサー、スライサー等の固定砥粒を用いた加
工と比較して、被加工体に対するダメージが小さく、微
小な構造も容易に加工出来る。従って、被加工面の表面
において粗さが小さく且つ均質になり、加工した圧電/
電歪体の表面(側面)に電極を形成する際に、電極と圧
電/電歪体との付着性が良好であり、圧電特性を、より
効果的に引き出すことが出来る。尚、砥粒は、炭化珪素
で#3000〜#8000が好ましい。
【0185】 図38は、圧電/電歪材料からなる試験
片に対して、遊離砥粒を用いた切込加工(ワイヤーソー
#6000での加工例)を行った場合の切断表面を拡大
(倍率1000倍)した図面代替SEM写真である。第
1の製造方法の説明において記した如く(図10に示す
如く)、固定砥粒を用いた切込加工を行った試料では、
圧電/電歪体の表面が粒子内で破壊され、平面状に研磨
を受けた結晶で構成されたものとなるが、図38から明
らかなように、遊離砥粒を用いた切込加工を行った試料
には、そのような平面状に破壊されたような面相はほと
んどなく、部位EEとして一様であり、均質な面が観察
される。このように、遊離砥粒を用いた切込加工によれ
ば、試料の切断表面において、粒内破壊を受けた結晶粒
子を10%以下の割合とすることが可能である。従っ
て、上記したように、圧縮残留応力等による特性劣化が
小さい。
【0186】 遊離砥粒を加工媒体とした機械加工とし
て、例えば、ワイヤーソー加工、超音波加工、ブラスト
加工、その他種々の加工法を採用することが可能であ
る。特に、切込溝の底部における曲面(R状)の状態を
容易に制御出来、且つ、高密度で微細な加工が可能であ
り低ダメージであることから、ワイヤーソー加工法を用
いることが好ましい。
【0187】 ワイヤーソー加工を行う場合には、クラ
ックの発生、表面状態の点から、ワイヤー径は概ね30
〜200μmの範囲で行うことが好ましく、その際の加
工速度は、概ね10〜100μm/minの範囲で行う
ことが好ましい。又、ワイヤーの線速度は、速い方がワ
イヤーの剛性が高まり、加工ブレがなく均一な孔部形成
が出来ることから好ましい。ワイヤーの線速度は、使用
するワイヤー径、加工幅、材料、寸法に応じて、概ね1
0〜800m/minの範囲で調整することが、より好
ましい。このような条件を採用することにより、焼成し
た後に加工を施す製造方法であっても、加工面の粒内破
壊粒子の割合を10%以下に抑制可能である。
【0188】 以下、遊離砥粒を用いた機械加工法とし
てワイヤーソー加工法を利用した例を掲げ、本発明に係
るマトリクス型圧電/電歪デバイスの第2の製造方法の
一例を説明する。図31(a)〜図31(h)は第2の
製造方法の一例の概略工程を示す図である。ここで、例
えば図1(a)に示したマトリクス型圧電/電歪デバイ
ス1を作製する方法として説明する。
【0189】 先ず、後述する圧電/電歪材料を主成分
とする所定枚数のセラミックグリーンシートを用意す
る。図31(a)で、後に圧電/電歪素子31を構成す
るセラミックグリーンシート16と、後に基体2を構成
するセラミックグリーンシート113を、パンチとダイ
により所定外形に打ち抜き加工する。シート113には
ビアホール112を形成する。これらを、それぞれ所定
枚数、積層・圧着し、セラミックグリーン積層体601
及びセラミックグリーン基体602を得る(図31
(b))。
【0190】 そして、セラミックグリーン積層体60
1及びセラミックグリーン基体602を積層して、圧電
/電歪材料を主成分とするセラミック前駆体を形成す
る。この場合、シート16の積層体と、シート113の
積層体を作製し、それら2つの積層体を1つのセラミッ
ク前駆体としてもよいし、又、シート16及びシート1
13を一括で積層してセラミック前駆体としてもよい。
又、本例ではシート16には何の孔加工も施されていな
いが、必要に応じて後のワイヤーソー加工用の位置合わ
せ孔、積層時の基準孔等を設けてもよい。その後、焼成
し一体化してセラミック焼成体603を得る(図31
(c))。
【0191】 次いで、図31(d)に示すように、所
定ピッチでワイヤーが並ぶワイヤーソー352により一
軸に切込加工を行い、セラミック焼成体603にスリッ
ト105を設ける(図31(e))。そして、塗布法等
により圧電/電歪体4の側面に電極18,19を形成す
る(図31(f)、及び図1(a)参照)。その後、図
31(d)で加工したスリット105に交差する方向
に、所定ピッチでワイヤーが並ぶワイヤーソー353に
よりスリット115を形成する。そして、必要に応じて
分極処理を行い、マトリクス型圧電/電歪デバイス1を
完成させる(図31(h))。
【0192】 図31(f)と図31(g)で示される
工程の間に、先に形成したスリット105に、後に除去
可能な樹脂等の充填材を詰めることが、より好ましい。
次のスリット加工時に、より破損し難くなるからであ
る。又、上記樹脂等の充填の後、次のスリット加工の前
に、圧電/電歪素子の初期高さを揃えるため、又は、作
用面の平坦度を上げて駆動対象に対して効果的に作用出
来るようにするため、若しくは、作用面を鏡面とするた
め、等の目的で研磨を実施することも好ましい。
【0193】 図37(a)〜図37(i)は、図33
に示されるマトリクス型圧電/電歪デバイス80の製造
方法の一例である。製造工程は、概ね上記図31(a)
〜図31(h)で示した製造方法に準じる。
【0194】 最上層を除く各セラミックグリーンシー
トには、それぞれ内部電極48、49が所定の位置にス
クリーン印刷等によって形成されている(図37
(a))。それらセラミックグリーンシート316,3
17を交互に積層し、セラミックグリーン積層体701
を得る(図37(b))。このセラミックグリーン積層
体701と、別に準備したセラミックグリーン基体70
2とを積層し、セラミック前駆体を得る(図37
(c))。次いで、セラミック前駆体を焼成により一体
化し、セラミック焼成体703を得る(図37
(d))。
【0195】 そして、ワイヤーソー352でスリット
105を形成する(図37(e))。スリット105が
設けられたことにより、セラミック焼成体703の内部
電極48,49が、スリット105を通して露出する。
内部電極49は図示されていない(図37(f))。次
いで、スリット105を構成する側壁に塗布法等で電極
28、29を形成し、その後、スリット105と交差す
る方向に切込線751に沿って、ワイヤーソーによりス
リット115を形成する(図37(g)、図37
(h))。
【0196】 最後に、切断線750に沿って、ワイヤ
ーソー353によりセラミック焼成体703を切断し、
マトリクス型圧電/電歪デバイス80を得る(図37
(i))。図37(a)〜図37(i)の製造工程にお
いて、充填剤の使用、研磨の有無については、図31
(a)〜図31(h)の場合と同様に適用出来る。
【0197】 図31(a)〜図31(h)、図37
(a)〜図37(i)に示した本発明に係るマトリクス
型圧電/電歪デバイスの第2の製造方法の一例は、スリ
ット幅がワイヤー径と同等な、比較的狭いスリットを形
成する場合であるが、幅の広いスリットを形成する場合
には、他の方法を採用することが好ましい場合がある。
【0198】 ワイヤーソー加工により幅の広いスリッ
トを形成しようとしたとき、通常、そのスリットに合う
太いワイヤーを採用するか、そのような太いワイヤーが
ないときには、位置を少しずつずらして何度も加工し、
所定幅のスリットを得ている。
【0199】 しかし、太いワイヤーを用いた場合に
は、加工速度を速くとれる反面、加工にかかる応力が大
きく、後に圧電/電歪体側面となるスリットを構成する
側壁へのダメージが大きく、特に、厚さが薄い圧電/電
歪素子(圧電/電歪体)を構成する場合には、加工時に
圧電/電歪体が破損したり、破損しないまでもクラック
等を内在し易い。更に、圧電/電歪体の厚さが不均一に
なり易く、セラミック基体と圧電/電歪体との接合部近
傍の曲面の曲率半径も大きくなってしまい、圧電/電歪
素子としての特性に支障が出ることがあり得る。加工面
へのダメージと同様、スリットとスリットの間の寸法
(後の圧電/電歪素子(圧電/電歪体)の厚さ)が小さ
い場合には、特に影響が大きい。従って、ワイヤーソー
での加工にあたっては、細いワイヤーを用いることが加
工品質上好ましい。
【0200】 一方、位置をずらして複数回の加工を行
う場合には、加工されるスリットの幅はワイヤー径程度
となるため、細いワイヤーで幅の広いスリットを形成す
るには、スリット加工を繰り返し、幾本も細いスリット
を重ねて幅の広いスリットを形成する必要があり、加工
工数が大きくなり、その加工工数の倍数で加工時間も増
えてしまう。又、必然的に長時間にわたり試料が加工に
晒されることになるため、破損に対する措置を厳重にと
る必要が生じる。
【0201】 このような問題を解決することが出来、
加工ダメージの少ない細いワイヤーの使用が可能で、且
つ、工数的にスリット幅に大きく依存せず加工すること
が出来る方法が、2軸加工法である。2軸加工法とは、
セラミック焼成体を厚さ方向に切込加工し第一の切込溝
を得て、第一の切込加工位置から所定寸法ずらしセラミ
ック焼成体を厚さ方向に切込加工し第二の切込溝を得
て、第二の切込溝の内部から第一の切込溝の内部に向か
って切込加工を行い、第一の切込溝と第二の切込溝との
間の部位を切除することにより、幅の大きなスリットを
形成する手段である。
【0202】 この2軸加工法によれば、細線を用いた
加工が可能であり、又、圧電/電歪デバイスの設計に大
きく依存しないので、加工ダメージは最小限に抑えら
れ、加工工数が低減され得る。この場合、第一、第二の
切込溝を得る通常のスリット加工時は、加工効率のよい
ワイヤーの引き戻しサイクルを有したフィード加工(ワ
イヤーの進行を、送り、戻しを行いつつ、徐々に送って
いく方法)で行い、第一、第二の切込溝の間の部位の切
除には、フィードのみ、即ち、一方向のみへのワイヤー
送りで加工することが好ましい。第一、第二の切込溝の
間の部位の切除にワイヤーの進行を一方向のみとするこ
とにより、加工時のワイヤーのブレが、より低減され、
特に、加工初期並びに加工終期の加工環境の変化時に生
じ得るスリットとスリットの間の側壁(後の圧電/電歪
素子(圧電/電歪体)になる部分)の破損が効果的に抑
制出来る。
【0203】 以下に、図35(a)〜図35(e)を
参照しながら、第2の製造方法に係る2軸加工法につい
て説明する。
【0204】 図35(a)で、先ず、所定ピッチで並
んだワイヤーソーにより、セラミック焼成体503の所
定の位置に、図中においてセラミック焼成体503表面
からビアホール119までの距離J以上の深さKとなる
ように、第一の切込溝354を切り込み、形成する。次
に、第一の切込加工で得られた切込溝354に樹脂等か
らなる充填材359を充填する。そして、切込溝354
から、圧電/電歪体の厚さ(若しくは幅)となる距離I
を隔てて、切込加工を行い、切込溝355を得る(図3
5(b))。
【0205】 次に、図35(c)で、切込溝355の
底部から、圧電/電歪素子として残す部分とは反対の方
向に隣接する切込溝354に向かって切込加工を行う。
この切込加工によって、切込溝354と切込溝355は
切込溝356によって接続され、その切込溝356中に
ビアホール119が露出するとともに、不要部357が
除去される(図35(d))。
【0206】 最後に、充填した樹脂等の充填材359
を除去し、幅の広いスリット225と、スリット225
間の後に圧電/電歪体となる側壁226とを有する構造
を得る。尚、図31(a)〜図31(h)に示したスリ
ット105に対するスリット115のように、スリット
225に交差する方向のスリットの加工にあたっても、
同様に実施することが出来る。
【0207】 又、2軸加工法において、上記したよう
に切込溝355を加工する前に、切込溝354に充填材
359を充填するとともに、図36(a)、図36
(b)に示されるような補強部材349を、セラミック
焼成体503の側面(図36(a))、若しくは、表面
(図36(b))に配設することが好ましい。先に入れ
た切込溝354によって、セラミック焼成体503の剛
性が低下し、切込溝355の加工にあたってワイヤーが
逃げたり、揺れによって加工ブレが生じ、所望の加工精
度が得られない場合があるが、補強部材349の配設に
より、セラミック焼成体503の剛性が確保され、上記
した不都合が解消される。又、補強部材349は、側面
(図36(a))並びに表面(図36(b))に、同時
に配設することが、尚好ましい。加えて、切込溝354
には、溝幅より若干小さい厚さを有する硬質材料、例え
ばアルミナ、ジルコニア等のセラミックス材料、からな
る板材を充填材359とともに充填することも好まし
い。
【0208】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイスの第2の製造方法においては、セラミックグリー
ン成形体を作製するにあたり、セラミックグリーンシー
トを積層する方法の他、プレス成型法、射出成型法等に
よってもセラミックグリーン成形体を作製することが出
来る。得られたセラミックグリーン成形体の一部にスル
ーホール乃至ビアホールを形成し、それを焼成する。
又、スリット加工はセラミック焼成体にかかわらず、セ
ラミックグリーン成形体に対して行うことも出来るが、
セラミック焼成体に対して行う方が加工精度に優れ再現
性が高いので好ましい。
【0209】 以上、本発明に係るマトリクス型圧電/
電歪デバイスの製造方法について説明したが、第1の製
造方法によって作製されるマトリクス型圧電/電歪デバ
イスは、圧電素子を構成する圧電/電歪体にクラック等
の欠陥が極めて少なく、圧電/電歪体の側面のうち少な
くとも電極が形成される面が、粒内破壊を受けている結
晶粒子が1%以下であるという極めて優れた結晶粒子状
態を有する。従って、圧電特性の劣化が小さく、構造体
としての信頼性が高いことから、高周波駆動のような高
い負荷のかかる用途に好適なデバイスとなる。
【0210】 一方、第2の製造方法は、第1の製造方
法に比べ加工の自由度に優り、圧電/電歪素子の形状を
自在に設計出来る上、第2の製造方法により得られるマ
トリクス型圧電/電歪デバイスも、同じように圧電素子
を構成する圧電/電歪体にクラック等の欠陥が少なく、
圧電/電歪体の側面のうち少なくとも電極が形成される
面が粒内破壊を受けている結晶粒子が10%以下である
という優れた結晶粒子状態を有するが、第1の製造方法
で得られるマトリクス型圧電/電歪デバイスに比べれ
ば、稍、性能面で劣るため、相対的に負荷の小さい低周
波乃至静的な作動を行うデバイスとして好適である。
【0211】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デ
バイス及び製造方法について、その実施形態について説
明してきたが、上記態様に限定されるものではないこと
は既に述べた通りである。例えば、マトリクス型圧電/
電歪デバイスは、圧電/電歪素子の作用面として圧電/
電歪体表面をそのまま利用することでもよいが、図9に
示す例の他にも、作用対象の硬さ、使用頻度等に応じ、
別体からなる部材を接合して作用面とする態様をとるこ
とが出来る。又、各圧電/電歪素子駆動用の電極端子に
ついて、セラミック基体の背面に形成することを主に説
明してきたが、勿論、圧電/電歪素子形成面に設けても
よい。更に、セラミック基体背面に電極端子を形成して
いる場合には、圧電/電歪素子駆動用ドライバIC等を
実装したプリント板を、その電極端子に実装することも
好ましい。
【0212】 続いて、以下に、本発明のマトリクス型
圧電/電歪デバイスに用いられる材料について説明す
る。
【0213】 先ず、駆動部である圧電/電歪体の材
料、即ち、圧電/電歪材料について説明する。圧電/電
歪材料としては、圧電効果若しくは電歪効果等の電界誘
起歪みを起こす材料であれば、問われるものではない。
結晶質でも非晶質でもよく、又、半導体セラミックスや
強誘電体セラミックス、あるいは反強誘電体セラミック
スを用いることも可能である。用途に応じて適宜選択し
採用すればよい。又、分極処理が必要な材料であっても
必要がない材料であってもよい。
【0214】 更には、セラミックスに限定されず、P
VDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子からなる圧
電材料、又は、これら高分子とセラミックスの複合体で
あってもよい。但し、この場合は、高分子材料の耐熱性
の点から、焼成して素子を形成するというものではな
く、高分子材料の熱硬化程度の熱処理を施すことにより
素子を形成する。
【0215】 尚、圧電/電歪材料として材料強度面に
優れるセラミックスを採用することにより、本発明に係
るマトリクス型圧電/電歪デバイスの特徴の1つである
高アスペクト比な構成を、より有利に実施出来るととも
に、発生変位並びに発生応力を効果的に作用させること
が出来る。更に、材料特性に優れるセラミックスは、高
アスペクト比な構成と相まって、低電圧駆動で高特性な
圧電/電歪素子とする上で好ましい。
【0216】 具体的なセラミックス材料としては、圧
電セラミックス若しくは電歪セラミックスとして、ジル
コン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッ
ケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸
鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、
コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナト
リウムビスマス、チタン酸ビスマスネオジウム(BNT
系)、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロ
ンチウムビスマス等を単独、混合物あるいは固溶体とし
て含有するセラミックスが挙げられる。
【0217】 これらのセラミックスは、圧電/電歪体
を構成するセラミックス成分中に50重量%以上を占め
る主成分であることが好ましく、特に、高い電気機械結
合係数と圧電定数を有し、焼成工程を経ても安定した材
料組成のものが得られ易い点において、ジルコン酸チタ
ン酸鉛(PZT系)を主成分とする材料、マグネシウム
ニオブ酸鉛(PMN系)を主成分とする材料、ニッケル
ニオブ酸鉛(PNN系)を主成分とする材料、ジルコン
酸鉛とチタン酸鉛とマグネシウムニオブ酸鉛の混合物あ
るいは固溶体を主成分とする材料、ジルコン酸鉛とチタ
ン酸鉛とニッケルニオブ酸鉛の混合物あるいは固溶体を
主成分とする材料若しくは、チタン酸ナトリウムビスマ
スを主成分とする材料が好適に用いられる。
【0218】 更に、上記材料に、ランタン、カルシウ
ム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリ
ウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、
カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イッ
トリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸
化物等を、単独で若しくは混合して、添加したセラミッ
クスを用いてもよい。例えば、主成分であるジルコン酸
鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛にランタン
やストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧
電特性を調整可能となる等の利点を得られる場合があ
る。
【0219】 反強誘電体セラミックスとしては、ジル
コン酸鉛を主成分とするセラミックス、ジルコン酸鉛と
スズ酸鉛の混合物あるいは固溶体からなる成分を主成分
とするセラミックス、ジルコン酸鉛を主成分とし酸化ラ
ンタンを添加したセラミックス、又はジルコン酸鉛とス
ズ酸鉛の混合物あるいは固溶体を主成分とし、ニオブ酸
鉛を添加したセラミックス等が挙げられる。又、セラミ
ック基体の材料としては、圧電/電歪体と熱処理乃至焼
成により一体化出来るものであればよいが、好ましくは
一体化する圧電/電歪体と成分が同等なもの、より好ま
しくは成分並びに組成ともに同一な材料であることが望
ましい。
【0220】 尚、セラミックス結晶粒の平均粒径は、
駆動部たる圧電/電歪体の機械的強度を重視する設計に
おいては、0.05〜2μmであることが好ましい。駆
動部たる圧電/電歪体の機械的強度が高められるからで
ある。駆動部たる圧電/電歪体の伸縮特性を重視する設
計においては、結晶粒の平均粒径は、1〜7μmである
ことが好ましい。高い圧電特性を得られるからである。
【0221】 電極の材料としては、常温で固体であれ
ば特に規制されるものではなく、例えば金属単体であっ
ても、合金であってもよく、又、酸化ジルコニウム、酸
化ハフニウム、酸化チタン、酸化セリウム等の絶縁性セ
ラミックスと金属単体、若しくはその合金との混合物で
あっても、何ら差し支えない。圧電体焼成前に形成する
場合には、より好ましくは、白金、パラジウム、ロジウ
ム等の高融点貴金属類、あるいは銀−パラジウム、銀−
白金、白金−パラジウム等の合金を主成分とする電極材
料、あるいは白金と基体材料や例えば圧電/電歪材料と
の混合物並びにそのサーメット材料が好適に用いられ
る。
【0222】 又、圧電/電歪体焼成後に電極形成する
場合であれば、上記した電極材料に加え、アルミニウ
ム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、銀、スズ、タン
タル、タングステン、金、鉛等の金属単体、あるいは、
これらの合金も採用出来る。
【0223】 本発明におけるセラミック基体のビアホ
ールを埋める導体の材料としては、セラミック基体と一
括して焼成した場合でも断線が生じ難く、又、セラミッ
ク基体との接合力が得られるが故に、基体材料と高融点
貴金属類との混合物並びにそのサーメット材料が好適に
用いられる。
【0224】 そして、これらの材料を用いて、スパッ
タリング、真空蒸着、CVD、メッキ、等により、電極
を形成することが出来る。又、電極の金属元素を含む有
機金属化合物(レジネート)を用いて、塗布乃至スプレ
ーにより塗膜を形成し、その後、熱処理を施すことによ
って目的の材料からなる電極を得ることも可能である。
【0225】
【発明の効果】 以上、詳述したように、本発明によれ
ば、従来の課題が解決され、より低電圧で大変位が得ら
れ、且つ、発生力が大きく、又、応答速度が速く、実装
性に優れ、従来にない高アスペクト比且つ高集積化が可
能であるマトリクス型の圧電/電歪デバイス、並びに、
その製造方法が提供される。
【0226】 そして、このマトリクス型圧電/電歪デ
バイスは、光変調器、光スイッチ、電気スイッチ、マイ
クロリレー、マイクロバルブ、搬送装置、ディスプレイ
及びプロジェクタ等の画像表示装置、画像描画装置、マ
イクロポンプ、液滴吐出装置、更には、微小混合装置、
微小撹拌装置、微小反応装置、各種センサ、等に好まし
く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバイ
スの一実施形態を示す図であり、図1(a)は斜視図で
あり、図1(b)は図1(a)におけるQ視側面図であ
り、図1(c)は図1(a)におけるR視側面図であ
る。
【図2】 従来の圧電/電歪デバイスの適用例を示す垂
直断面図であり、図2(a)は適用例である光スイッチ
においてアクチュエータ部作動状態を表し、図2(b)
は適用例である光スイッチにおいてアクチュエータ部非
作動状態を表す。
【図3】 圧電/電歪デバイスの一実施形態を示す斜視
図である。
【図4】 圧電/電歪デバイスの一実施形態を示す垂直
断面図である。
【図5】 圧電/電歪デバイスの他の実施形態を示す垂
直断面図である。
【図6】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバイ
スの適用例を示す図であり、図6(a)は適用例である
マイクロバルブにおけるアクチュエータ部分の斜視図を
示し、図6(b)は適用例であるマイクロバルブの作動
状態を模式的に示す垂直断面図である。
【図7】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバイ
スの適用例を示す図であり、図7(a)は適用例である
光変調器の平面図であり、図7(b)は図7(a)のA
A断面を示す図である。
【図8】 図8(a)〜図8(f)は本発明に係るマト
リクス型圧電/電歪デバイスの第1の製造方法の一例を
示す説明図である。
【図9】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバイ
スの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図10】 従来の製造方法による被加工面を表す写真
である。
【図11】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの第1の製造方法による被加工面を表す写真であ
る。
【図12】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図13】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光反射機構の一実施形態を示す斜視
図である。
【図14】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光反射機構の実施形態を示す断面図
であり、図13のDD断面の一部を表す図である。
【図15】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光反射機構の実施形態を示す断面図
であり、図13のDD断面の一部を表す図である。
【図16】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光スイッチの他の実施形態を示す斜
視図である。
【図17】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光スイッチの実施形態を示す断面図
であり、図16のCC断面を表す図である。
【図18】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光スイッチの更に他の実施形態を示
す断面図である。
【図19】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光スイッチの更に他の実施形態を示
す断面図である。
【図20】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの適用例である光スイッチの更に他の実施形態を示
す断面図である。
【図21】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図22】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図23】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図24】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図25】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図26】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図27】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの第1の製造方法において、セラミックグリーンシ
ートの打抜同時積層を行う方法の一実施形態を示す工程
説明図であり、図27(a)は、ダイに最初のセラミッ
クグリーンシートを載せた1枚目準備工程を示し、図2
7(b)は、最初のセラミックグリーンシートの打ち抜
き工程を示し、図27(c)は、2枚目のセラミックグ
リーンシートを載せた2枚目準備工程を示し、図27
(d)は、2枚目のセラミックグリーンシートの打ち抜
き工程を示し、図27(e)は、全シートの打ち抜き、
積層を終えてストリッパにより積層したセラミックグリ
ーンシートを離す打抜完了工程を示す図である。
【図28】 従来の製造方法による被加工面を示す図で
あり、切断側面を表す断面拡大模式図である。
【図29】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの第1の製造方法による被加工面を示す図であり、
切断側面を表す断面拡大模式図である。
【図30】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図31】 図31(a)〜図31(h)は、本発明に
係るマトリクス型圧電/電歪デバイスの第2の製造方法
の一例を示す工程説明図である。
【図32】 図32(a)〜図32(d)は、本発明に
係るマトリクス型圧電/電歪デバイス第1の製造方法の
他例を示す工程説明図である。
【図33】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの他の実施形態を示す斜視図である。
【図34】 図33に示すマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの垂直断面図である。
【図35】 図35(a)〜図35(e)は、本発明に
係るマトリクス型圧電/電歪デバイスの第2の製造方法
の一手段であるワイヤーソー加工法において、スリット
を形成する2軸加工法の一例を示す工程説明図である。
【図36】 図36(a)、図36(b)は、本発明に
係るマトリクス型圧電/電歪デバイスの第2の製造方法
の一手段であるワイヤーソー加工法において、スリット
を形成する2軸加工法の一例を示す工程説明図である。
【図37】 図37(a)〜図37(i)は、本発明に
係るマトリクス型圧電/電歪デバイスの第2の製造方法
の他例を示す工程説明図である。
【図38】 本発明に係るマトリクス型圧電/電歪デバ
イスの第2の製造方法による被加工面を表す写真であ
る。
【符号の説明】
1,80,90,210,220,230,250,2
60,270,280,370…マトリクス型圧電/電
歪デバイス、2,272,372,472…セラミック
基体、3…セル、4,14…圧電/電歪体、5…貫通
孔、6,226…側壁、7…平板、8…壁部、9…溝
部、10…パンチ、11…ストリッパ、12…ダイ、1
3…曲面、15,25,125…孔部、16,113,
116,116a〜116c,117,217,31
6,317…セラミックグリーンシート、17…引離治
具、18,19…電極、20,21,321…電極端
子、22,23,24,112…ビアホール、26…櫛
歯、28,29…共通電極、31,32,33,37,
37a,37b,37c,38,39,40,41,4
3,44,45,46,292,392…圧電/電歪素
子、48,49…内部電極、58,59…配線、61,
71,211,291,391…アクチュエータ部、6
2…弁座板、63…開口部、64…弁座部、65…マイ
クロバルブ、66…弁体部、67…流体、69…電極、
72…基板、73…方向性結合器、74…光干渉計、7
5…光変調器、77…光導波路、77a,77b…光導
波路コア部、77c…光導波路クラッド部、101…光
反射面、102…反射面、105,115,225…ス
リット、118,119…ビアホール(導電材料が充填
されたもの)、128,129…スルーホール、143
…隔壁、144…基体、145,155…圧電/電歪デ
バイス、177…光導波路部材、177a〜177d…
光導波路コア部、178…圧電/電歪素子、191…マ
イクロクラック、192…粒内破壊セラミック結晶粒
子、193…セラミック結晶粒子、200,290…光
スイッチ、201,281…光伝達部、202,20
4,205…光伝達経路、208,298a,298
b,298c,298d…光路変更部、209…光導入
部材、210…光反射部材、218…振動板、219…
側壁、221,223,224…光、276,286…
光導波路固定部、294…光導波路支持部、301,4
01,601,701…セラミックグリーン積層体、3
03,403…セラミック積層体、304,404…櫛
歯状セラミック積層体、311…光反射板、312…光
反射板支持部、313…光反射部、340…光反射機
構、349…補強部材、350,450,550,75
0…切断線、351,751…切込線、352,353
…ワイヤーソー、354,355,356…切込溝、3
57…不要部、359…充填材、371…配線基板、6
02,702…セラミックグリーン基体、503,60
3,703…セラミック焼成体、E…駆動電界方向、I
…距離(圧電/電歪体の厚さ相当)、J…距離(セラミ
ック焼成体503表面からビアホール119まで)、K
…深さ(切込溝354)、M…厚さ(圧電/電歪素子2
92)、P…分極電界方向、S…変位方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/22 H01L 41/18 101B 101C 101D (72)発明者 木村 浩二 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 川口 竜生 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2H041 AA04 AA11 AA16 AB13 AB14 AB18 AB40 AC08 AZ05 AZ08

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚肉のセラミック基体上に、圧電/電歪
    体と少なくとも一対の電極とを有し略柱体形状をなす複
    数の圧電/電歪素子が立設されてなり、前記圧電/電歪
    体の変位により駆動する圧電/電歪デバイスであって、 前記複数の圧電/電歪素子は、前記セラミック基体とそ
    れぞれ一体的に接合され、且つ、互いに独立して二次元
    に整列配置され、 前記圧電/電歪体の側面上に前記一対の電極が形成さ
    れ、前記圧電/電歪体の側面のうち少なくとも前記電極
    が形成される面の結晶粒子状態は粒内破壊を受けている
    結晶粒子が10%以下であるとともに、前記圧電/電歪
    体の前記セラミック基体との接合部近傍が曲面を形成す
    ることを特徴とするマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  2. 【請求項2】 前記圧電/電歪素子の圧電/電歪体の面
    の輪郭度が、略8μm以下である請求項1に記載のマト
    リクス型圧電/電歪デバイス。
  3. 【請求項3】 前記略柱体形状の圧電/電歪素子は、高
    さと、水平断面において中心軸を通る最短距離と、の比
    が略20:1乃至200:1である請求項1又は2に記
    載のマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  4. 【請求項4】 前記圧電/電歪素子の水平断面において
    中心軸を通る最短距離が、300μm以下である請求項
    3に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  5. 【請求項5】 前記略柱体形状の圧電/電歪素子の高さ
    と、圧電/電歪素子と隣接する圧電/電歪素子との間隔
    と、の比が略20:1乃至200:1である請求項1又
    は2に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  6. 【請求項6】 前記圧電/電歪体の側面が、略一様な表
    面状態を有し、前記側面において、Rtで表される表面
    粗さが9μm以下であり、且つ、Raで表される表面粗
    さが0.1μm以上0.5μm以下である請求項1に記
    載のマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  7. 【請求項7】 前記曲面の曲率半径が、20乃至100
    μmである請求項1に記載のマトリクス型圧電/電歪デ
    バイス。
  8. 【請求項8】 前記略柱体形状の圧電/電歪素子は、 前記圧電/電歪体の水平断面が平行四辺形であり、前記
    電極が前記圧電/電歪体の断面の長辺を含む側面に形成
    されてなる請求項1に記載のマトリクス型圧電/電歪デ
    バイス。
  9. 【請求項9】 前記圧電/電歪体の電界誘起歪みの横効
    果による変位に基づき、前記圧電/電歪素子が前記セラ
    ミック基体主面に対して垂直方向に伸縮する請求項1〜
    8の何れか一項に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイ
    ス。
  10. 【請求項10】 前記セラミック基体と前記圧電/電歪
    素子を構成する圧電/電歪体とが同じ材料からなる請求
    項1〜9の何れか一項に記載のマトリクス型圧電/電歪
    デバイス。
  11. 【請求項11】 前記圧電/電歪体が、圧電セラミック
    ス、電歪セラミックス、反強誘電体セラミックスのうち
    の何れかの材料、若しくは、これらと高分子圧電材料と
    の複合材料からなる請求項1〜10の何れか一項に記載
    のマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  12. 【請求項12】 隣接する前記圧電/電歪素子の間に壁
    部が形成されてなる請求項1〜11の何れか一項に記載
    のマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  13. 【請求項13】 前記セラミック基体における前記圧電
    /電歪素子が配置される面とは反対側の面に、電極端子
    が形成されてなり、前記電極と前記電極端子とが、前記
    セラミック基体に形成されたスルーホール乃至ビアホー
    ルを経由して配線されている請求項1〜12の何れか一
    項に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイス。
  14. 【請求項14】 厚肉のセラミック基体上に略柱体形状
    をなす複数の圧電/電歪素子が二次元に整列配置されて
    なり、前記圧電/電歪素子は圧電/電歪体と少なくとも
    一対の電極とを有し、前記圧電/電歪体の側面のうち少
    なくとも前記電極が形成される面に占める粒内破壊粒子
    の割合が1%以下であり、前記圧電/電歪体のセラミッ
    ク基体との接合部近傍が曲面を形成する圧電/電歪デバ
    イスの製造方法であって、 圧電/電歪材料を主成分とする複数のセラミックグリー
    ンシートを用意する第一の工程と、 前記複数のセラミックグリーンシートの所定の位置に、
    少なくとも、2の隅を曲線とした略直角四辺形状を含む
    孔部を設ける第二の工程と、 前記孔部を設けた複数のセラミックグリーンシートを積
    層し、貫通孔を有するセラミックグリーン積層体を得る
    第三の工程と、 前記セラミックグリーン積層体を焼成一体化し、貫通孔
    を有するセラミック積層体を得る第四の工程と、 少なくとも、前記セラミック積層体の貫通孔を構成する
    側壁に、電極を形成する第五の工程と、 前記セラミック積層体を、所定の位置で貫通孔の並びに
    垂直であり且つ貫通孔開口面に垂直な方向に切断し、櫛
    歯状セラミック積層体を得る第六の工程と、 前記櫛歯状セラミック積層体の櫛歯に対し、第六の工程
    にかかる切断面に垂直であり且つ前記櫛歯の並びに垂直
    に切込みを入れる第七の工程と、 を有することを特徴とするマトリクス型圧電/電歪デバ
    イスの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記セラミックグリーン積層体が、少
    なくとも2種類のセラミックグリーンシートの積層物か
    らなり、一は2の隅が曲線とされた複数の略直角四辺形
    状の孔部を形成した所定数のセラミックグリーンシー
    ト、二は複数の、略直角四辺形状の孔部とその孔部に連
    通する別の孔部を形成した所定数のセラミックグリーン
    シート、で構成される請求項14に記載のマトリクス型
    圧電/電歪デバイスの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記別の孔部が、略直角四辺形状の孔
    部に連通するとともに、セラミックグリーンシート端部
    とも連通するスリットである請求項15に記載のマトリ
    クス型圧電/電歪デバイスの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記セラミック積層体を切断し、前記
    別の孔部をそれぞれ開口させる工程を有する請求項15
    に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイスの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第七の工程における切込みが、ワ
    イヤーソー加工により行われる請求項14に記載のマト
    リクス型圧電/電歪デバイスの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第五の工程の後であって、前記第
    七の工程の前に、前記櫛歯の間に充填材を詰める工程を
    有する請求項14に記載のマトリクス型圧電/電歪デバ
    イスの製造方法。
  20. 【請求項20】 厚肉のセラミック基体上に略柱体形状
    をなす複数の圧電/電歪素子が二次元に整列配置されて
    なり、前記圧電/電歪素子は圧電/電歪体と少なくとも
    一対の電極とを有し、前記圧電/電歪体の側面のうち少
    なくとも前記電極が形成される面に占める粒内破壊粒子
    の割合が10%以下であり、前記圧電/電歪体のセラミ
    ック基体との接合部近傍が曲面を形成する圧電/電歪デ
    バイスの製造方法であって、 圧電/電歪材料を主成分とするセラミックグリーン成形
    体を用意する工程Aと、 少なくとも前記セラミックグリーン成形体を含むセラミ
    ック前駆体を焼成し、一体的なセラミック焼成体を得る
    工程Bと、 前記セラミック焼成体に、遊離砥粒を加工媒体とした機
    械加工法によって複数の第1のスリットを形成する工程
    Cと、 前記第1のスリットの側面に電極を形成する工程Dと、 前記第1のスリットに交差する複数の第2のスリットを
    形成する工程Eと、 を有することを特徴とするマトリクス型圧電/電歪デバ
    イスの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記セラミックグリーン成形体が、複
    数のセラミックグリーンシートを積層してなる請求項2
    0に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイスの製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記セラミック前駆体が、少なくと
    も、スルーホール乃至ビアホールを有するセラミックグ
    リーン基体と前記セラミックグリーン成形体とからなる
    請求項20又は21に記載のマトリクス型圧電/電歪デ
    バイスの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記機械加工法が、ワイヤーソー加工
    法である請求項20に記載のマトリクス型圧電/電歪デ
    バイスの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記セラミック焼成体を厚さ方向に加
    工し第一の切込溝を得る第一の切込加工と、第一の切込
    加工位置から所定寸法ずらし前記セラミック焼成体を厚
    さ方向に加工し第二の切込溝を得る第二の切込加工と、
    前記第二の切込溝の内部から前記第一の切込溝の内部に
    向かって第三の切込加工を行い、前記第一の切込溝と前
    記第二の切込溝との間の部位を切除することにより、前
    記第1のスリット及び/又は第2のスリットを形成する
    請求項23に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイスの
    製造方法。
  25. 【請求項25】 前記第一の切込加工の後であって、前
    記第二の切込加工の前に、前記第一の切込溝に充填材を
    詰める請求項24に記載のマトリクス型圧電/電歪デバ
    イスの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記工程Cの後であって、前記工程E
    の前に、前記第1のスリットに充填材を詰める工程を有
    する請求項20に記載のマトリクス型圧電/電歪デバイ
    スの製造方法。
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