JP2018524775A - 質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置 - Google Patents

質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、大気圧未満の圧力のイオン化源室と、イオンを生成するために該イオン化源室内に配置された少なくとも1つのイオン化源と、接続された質量分析装置室へイオンを案内するように配置された少なくとも1つのイオン収束ガイド室と、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間に位置し、イオン化源室に相互接続された入口とイオン収束ガイド室に相互接続された出口とを備える大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室とを備え、前記移送室の圧力が前記イオン化源室の圧力より低く、イオン収束ガイド室の圧力より高いことを特徴とする質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置を提供する。本発明で提示される質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置では、イオン源が大気圧雰囲気から大気圧未満の雰囲気に移されているため、イオンの移送効率が高まり、質量分析装置の感度が向上する。【選択図】 図1

Description

本発明は質量分析の技術分野に関し、特に質量分析装置のためのイオン化及びイオン導入装置に関する。
質量分析装置は、被分析物の分子の質量を測定するための装置として、その感度の高さ並びに定性及び定量機能の良さ等の特徴から、複雑な試料や微量な試料、生体試料の巨大分子等の検出にしばしば用いられる。質量分析装置の分野では、例えば大気圧エレクトロスプレイイオン化源のように、一般に大気圧雰囲気下でイオンを生成するイオン源がよく知られている。しかし、大気圧で動作するこのようなイオン化源には、大気圧雰囲気で生成されたイオンが非常に低い割合(通常わずかに1%以下)でしか質量分析装置内へ移送されず、そのため質量分析装置の検出感度と検出効率が非常に低くなるという問題がある。故に、質量分析装置に入るイオンの移送効率をいかに高めるかが非常に重要な問題である。
一般的には、大気圧イオン化源に相互接続された質量分析装置の真空系インターフェイスの直径を大きくすることにより質量分析装置の真空系に入るイオンの総数を直接増やす。しかし、この方法では質量分析装置の真空系の負担も非常に大きくなり、真空ポンプにかかる負荷が増す。また、質量分析装置の真空系インターフェイスの数を増やすことで、大気圧イオン化源に相互接続された質量分析装置の真空系のインターフェイスの直径を大きくすると同時に、対応する真空系のポンプの負荷を軽減するという方法もある。
例えば、特許文献1は質量分析装置用の真空インターフェイス装置を提供している。この装置では、最終段の真空ポンプの負担を増大させることなくイオンの移送効率を高めるため、複数のキャピラリを使用して多段式真空インターフェイスを形成している。しかし、この装置は大気圧インターフェイスから真空インターフェイスに入るイオンの移送効率を高めるに過ぎず、中性の溶媒不純物や他のガス不純物を同時に低減することはできない。更に、この装置は大気圧雰囲気で作動するイオン源装置にしか利用できない。
特許文献2はガスイオンから中性ガスを分離する仕組みを提供している。これは、例えばDART(Direct Analysis in Real Time)イオン化源のように、表面脱離によりガスイオンを生成するイオン化法に主として用いられる。従ってこの仕組みは中性ガスと帯電液滴の分離には利用できない。
同様の文献として特許文献3(及び特許文献4)がある。これらの特許では、生成した空気流により形成される層流を利用してイオン源により生成されるイオンを収束させることで、より多くのイオンを質量分析装置に導入し易くする。この技術は、大気圧イオン化源が質量分析装置の入口から遠くにあるという条件、及び、被分析物が比較的大きな検出面積を有しているという条件で主として用いられる。故に、この技術は、例えば脱離エレクトロスプレイイオン化(DESI)等の直接分析イオン化に適している。
以上の各技術は主として大気圧イオン化源に応用できる。しかし、大気圧雰囲気そのものが質量分析装置の真空系インターフェイスの直径に制約を加え、イオン移送効率の向上を大きく制限してしまう。
特許文献5では大気圧未満のエレクトロスプレイイオン化源が採用されている。しかし、この技術では、大気圧未満の圧力に維持されたエレクトロスプレイイオン化源室の出口が後段のイオン収束ガイド室の入口に直接接続されているため、イオン化の間に生じる中性ノイズ(溶媒ガス分子等)が大量に次段のイオン収束ガイドに直接侵入し、装置の検出SN比を低下させる上、イオン収束ガイドを著しく汚染する。
US8642946 US7700913 CN102232238A US8410431 US8173960
以上の既存技術の欠点に鑑み、本発明は、イオン化源を大気圧雰囲気から大気圧未満の雰囲気へ移すことで質量分析装置の真空系インターフェイスの直径を更に大きくしてイオンの移送効率を高めるとともに、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間に配置された少なくとも1つの大気圧未満の圧力の移送室を有することで質量分析装置の検出感度を更に高めるようにした質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置を提供することを目的としている。
前記目的及び関連する他の目的を達成するため、本発明は、大気圧未満の圧力のイオン化源室と、イオンを生成するために該イオン化源室内に配置された少なくとも1つのイオン化源と、接続された質量分析装置室へイオンを案内するように配置された少なくとも1つのイオン収束ガイド室と、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間に位置し、イオン化源室に相互接続された入口とイオン収束ガイド室に相互接続された出口とを備える大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室とを備え、前記移送室の圧力が前記イオン化源室の圧力より低く、イオン収束ガイド室の圧力より高いことを特徴とする質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置を提供する。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、移送室は更に真空ポンプを接続するための少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を含む。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は、エレクトロスプレイイオン源、グロー放電イオン源、誘電体バリア放電イオン源、化学イオン化イオン源、脱離コロナビームイオン源、レーザ脱離イオン源、及び、光イオン化イオン源のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを含む。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、前記大気圧未満の圧力は、0.0001〜1Torr、1〜50Torr,50〜300Torr、及び、300〜700Torrの範囲内である。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源室に相互接続された移送室の入口、及びイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口は、円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせである。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、前記入口及び出口には直流電圧が印加される。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は液体クロマトグラフィと組み合わせて用いられる。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン収束ガイド室は内部に配置されたイオン収束ガイドを有し、且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を含む。
更に、前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン収束ガイドは、イオンファンネル、多重極ロッドイオンガイド、Qアレイイオンガイド、及び、進行波イオンガイドのうちのいずれか又はこれらの組み合わせである。
更に、前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、質量分析装置室は内部に配置された質量検出器と質量分析器を有し、且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を含み、質量分析器は、一段四重極質量分析デバイス、多段四重極質量分析デバイス、飛行時間型質量分析デバイス、多段四重極飛行時間型質量分析デバイス、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析デバイス、及び、イオントラップ分析デバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせを含み、質量検出器はそれ自身に入射したイオンの信号又は質量分析器内を流れるイオン流の信号を取得するように配置されている。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源の中心軸とイオン化源室に相互接続された移送室の入口の中心軸との間の挟角は0〜90度の範囲内にある。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源室に相互接続された移送室の入口の中心軸とイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口の中心軸との間の挟角は0〜90度の範囲内にある。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は試料の直接分析のための副イオン化源としての役割を果たす。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は、一段四重極質量分析装置、多段四重極質量分析装置、飛行時間型質量分析装置、多段四重極飛行時間型質量分析装置、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置、及び、イオントラップ分析装置のうちのいずれかに用いられる。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源に相互接続された移送室の入口とイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口との間に多孔性流路が配置されている。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源に相互接続された移送室の入口とイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口との間に、直流電圧と高周波電圧が印加される少なくとも1つの電極が配置されている。
以上のように、本発明において提供される質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は、大気圧未満の雰囲気内にある少なくとも1つのイオン化源と、大気圧未満の圧力のイオン化源室と、大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室とを含む。移送室はイオン化源室とイオン収束ガイド室の間にあり、イオン化源室の出口にのみ接続された入口と、イオン収束ガイド室の入口にのみ接続された出口と、少なくとも1つの真空ポンプ吸引口とを含む。移送室の圧力はイオン化源室の圧力より低く、イオン収束ガイド室の圧力より高い。とりわけ、第一に、移送室はイオン化源室が大気圧未満の雰囲気を実現することを助けるために配置されている。この雰囲気中では、放電電流が増加したり光子の飛行距離が増大したりするため、イオン化源のイオン化効率が大幅に向上する。エレクトロスプレイイオン化源については、大気圧未満の雰囲気中では帯電液滴間の斥力が大幅に低減するため、エレクトロスプレイがより細くなり、単位体積当たりの帯電液滴の数が増加し、次段の真空室に入る帯電液滴の数が増加し、検出効率が良くなる。同時に、イオン化源が大気圧未満の雰囲気中にあるため、該イオン化源室に相互接続された大気圧未満の圧力の次段の移送室の入口の直径を大きくすることができ、これにより帯電液滴及びイオンの移送効率が良くなる。また、真空ポンプにより大気圧未満の圧力の移送室からガスを抜くことで、イオン化源を直接邪魔することなくイオン化源室内のガス圧を低下させることができる。第二に、移送室では、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間の圧力差を利用して、二室の間のインターフェイスの特別な設計、移送室の真空引き、及び空気力学的な移送原理により、帯電液滴又はイオンを他の溶媒及び不純物分子から分離することができる。より小さな中性溶媒のガス分子及び他の小さな不純物ガス分子は質量が小さく慣性が低いため真空ポンプにより容易に排気されるのに対し、帯電液滴と被分析物分子は質量が大きく慣性が大きいため前進運動を続け、大気圧未満の圧力の移送室の出口を通って次段のイオン収束ガイドに入る。従って、大気圧未満の移送室は雰囲気中の溶媒と不純物を一層除去し、それにより質量分析装置の検出限界を小さくすることができる。また、少なくとも1段の真空室の追加により、後段の真空室の真空ポンプにかかる負荷が低減し、被分析物の脱溶媒化が容易になるため、質量分析装置の検出感度が高まる。
本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。
本発明の実施例を以下に具体例を通じて説明する。当業者であれば本明細書の開示内容から本発明の他の利点及び機能を容易に知得することができる。本発明は他の異なる実施例を通じて実施又は応用してもよく、本発明に記載された細部は、本発明の精神から離れることなく、異なる見方及び用途に基づいて修正又は変更することができる。
なお、実施例において提示される図面は本発明の基本的な考え方を概略的に例示するためのものに過ぎず、本発明の重要な構成要素だけを示しており、実装の際の構成要素の数、形状及び寸法に従って描かれている訳ではない。実装の際は、各構成要素の形状、数及び比率を任意に変更してもよく、また構成要素の配置はより複雑になることがある。
図1に示すように、本発明が提供する質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は、大気圧未満のイオン化源室2と、イオンを生成するためにイオン化源室2内に配置された少なくとも1つのイオン化源1と、生成されたイオンをイオン収束ガイド室7へ移送するために配置された少なくとも1つの大気圧未満の移送室5とを備えている。イオン収束ガイド室7はそれに接続された質量分析装置室8内へイオンを案内するように配置されている。移送室5はイオン化源室2とイオン収束ガイド室7の間にあり、イオン化源室2に相互接続された入口3と、イオン収束ガイド室7に相互接続された出口4と、少なくとも1つの真空ポンプ吸引口9とを備えている。移送室5内の圧力はイオン化源室2内の圧力より低く、イオン収束ガイド室7内の圧力より高い。移送室5はイオン化源室2が大気圧未満の雰囲気を実現することを助けるために配置されている。同時に移送室5は空気力学的な移送原理を利用して帯電液滴、イオン、他の溶媒及び不純物分子を分離する。移送室5は、イオン化源1を直接邪魔することなくイオン化源室2内の圧力を低下させるために、そして雰囲気中の溶媒及び不純物を除去することにより質量分析装置の検出ノイズを低減させるとともにイオン収束ガイド室7に入る被分析物イオンの数を増加させるために、真空ポンプ吸引口9を通じて真空ポンプと接続されている。また、少なくとも1段の移送室5の追加により、後段の移送室の真空ポンプにかかる負荷を低減させることができる。
一態様では、大気圧未満の雰囲気に置かれたイオン化源1が、エレクトロスプレイイオン源、グロー放電イオン源、誘電体バリア放電イオン源、化学イオン化イオン源、脱離コロナビームイオン源、レーザ脱離イオン源、及び、光イオン化イオン源のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを含む。大気圧未満の雰囲気中では電荷斥力が弱まり、放電電流が増加し、また光子の飛行距離が長くなるため、エレクトロスプレイイオン源やグロー放電イオン源、光イオン化イオン源のイオン化効率及び移送効率が大幅に向上する。これにより、エレクトロスプレイイオン源、グロー放電イオン源及び光イオン化イオン源が低圧イオン化源用の最適な構成となる。
一態様として、大気圧未満の雰囲気中に置かれたイオン化源1は試料の直接分析のための副イオン化源としての役割を果たすものとしてもよい。
一態様として、イオン化源は、一段四重極質量分析装置、多段四重極質量分析装置、飛行時間型質量分析装置、多段四重極飛行時間型質量分析装置、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置、及び、イオントラップ分析装置のうちのいずれかに応用してもよい。
一態様として、前記大気圧未満の圧力は、0.0001〜1Torr、1〜50Torr,50〜300Torr、又は、300〜700Torrの範囲内とすることができる。好ましくは、大気圧未満のエレクトロスプレイイオン源に対応する圧力は1〜300Torr、大気圧未満のグロー放電イオン源に対応する圧力は0.0001〜300Torr、大気圧未満の光イオン化イオン源に対応する圧力は0.0001〜300Torrである。
一態様では、イオン化源室2に相互接続された移送室5の入口3とイオン収束ガイド室7に相互接続された移送室5の出口4が、円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせであり、該入口及び出口には一定の直流電圧を印加することができる。
一態様では、イオン化源1が液体クロマトグラフィと組み合わせて用いられる。
一態様では、イオン収束ガイド室7が内部に配置されたイオン収束ガイド6を有し、且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口10を含む。イオン収束ガイド6は、イオンファンネル、多重極ロッドイオンガイド、Qアレイイオンガイド、及び、進行波イオンガイドのうちのいずれか又はこれらの組み合わせである。
一態様では、イオン収束ガイド室7の反対側に質量分析装置室8が設けられている。この室は内部に配置された質量検出器及び質量分析器を有し且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口11を含むものとすることができる。質量分析器は、例えば一段四重極質量分析デバイス、多段四重極質量分析デバイス、飛行時間型質量分析デバイス、多段四重極飛行時間型質量分析デバイス、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析デバイス、及び、イオントラップ分析デバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせを含む。質量検出器はそれ自身に入射したイオンの信号又は質量分析器内を流れるイオン流の信号を取得するように配置された装置である。
本実施例において、様々な試料流量のエレクトロスプレイイオン化源及び他の脱離イオン化源に応用可能にするため、イオン化源1の中心軸とイオン化源室2に相互接続された移送室5の入口3の中心軸との間の挟角を0〜90度の範囲内にする(即ち、図1の挟角α)。
また、イオン化源室2に相互接続された移送室5の入口3の中心軸とイオン収束ガイド室7に相互接続された移送室5の出口4の中心軸との間の挟角は0〜90度の範囲内にある。
質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は数多くの形態をとり得る。図2では、イオン化源1aがエレクトロスプレイイオン化源であり、大気圧未満の移送室5aと同じ高さにある。すなわち、イオン化源1aの中心軸とイオン化源室2aに相互接続された移送室5aの入口3aの中心軸との間の挟角αはゼロである。イオン化源室2aに相互接続された移送室5aの入口3aは収束穴である。この穴は、空気力学的な原理を利用して、イオン化源1aにより生成されたイオンや帯電液滴を十分に集めて大気圧未満の移送室5aへ送ることができる。大気圧未満の移送室5a内では、中性ノイズを低減して装置のSN比を改善するために、そこに送り込まれた帯電液滴を真空ポンプ吸引口9aを通じて中性の溶媒ガスから分離することができる。イオン収束ガイド室7aに相互接続された移送室5aの出口4aは金属製キャピラリであり、これが加熱により帯電液滴の脱溶媒化を更に容易にし、以て装置のSN比を高める。
図3では、イオン収束ガイド室7bに相互接続された移送室5bの出口4bにテーパ穴が採用されている。これによりイオンの透過性を高めるとともに大きな液滴や他の中性ノイズを阻止することができるため、装置の感度及びSN比を高める上で有益である。
図4では、大気圧未満の移送室5cの入口3cが金属製キャピラリであり、イオン収束ガイド6cの室7cに相互接続された大気圧未満の移送室5cの出口4cもまた金属製キャピラリである。両方とも質量分析装置に入るまでの帯電液滴の移動距離を長くし、以て脱溶媒化を容易にする。同時に、2本の金属製キャピラリを用いて加熱により帯電液滴の脱溶媒化を更に容易にしてもよい。
図2〜図4に示した実施例とは異なり、本実施例の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は図5に示したように複数の大気圧未満の移送室5d及び12dを備えている。これにより中性ノイズを更に除去することができるとともに、イオン源1dに相互接続された大気圧未満の移送室5dの入口3dを大きくして帯電液滴又はイオンの透過性を改善することができる。特に、大気圧未満の第1の移送室5dのガス圧は大気圧未満の第2の移送室12dのガス圧よりも高い一方、大気圧未満の第2の移送室12dのガス圧はイオン収束ガイド室7dのガス圧よりも高い。大気圧未満の移送室を多段式にすることは質量分析装置の後段の真空系の真空ポンプの負荷を軽減するために役立つこともある。
好ましくは、イオン化源1dに相互接続された大気圧未満の第1の移送室5dの入口3d、イオン収束ガイド室7dに相互接続された大気圧未満の第2の移送室12dの出口4d、及び大気圧未満の第1の移送室5dと大気圧未満の第2の移送室12dとの間のインターフェイスの開口13dには、円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを採用する。
更に異なる用途に応用可能にするため、以下に2つの実施例を提示する。
図2から図5に示した各実施例とは異なり、本実施例では、図6に示したように、イオン化源1eに相互接続された移送室5eの入口3eとイオン収束ガイド室7eに相互接続された移送室5eの出口4eとの間に多孔性流路14eが配置されている。多孔性流路14eにより、入口3eを出た後の帯電液滴及びイオンを再度収束させ、出口4eを通じてイオン収束ガイド6eに入らせることが容易になり、イオンの移送効率が一層高まる。同時に、多孔性構造体は大気圧未満の移送室5eの真空ポンプ吸引口9eにより生じる気流の流れ抵抗を増大させないため、中性ノイズ除去の効果も達成される。
図7に示すように、多孔性流路14eを電極と置き換えてもよい。少なくとも1つの電極15fが、イオン化源1fに相互接続された移送室5fの入口3fとイオン収束ガイド室7fに相互接続された移送室5fの出口4fの間に配置される。一定の直流電圧と高周波電圧を電極15fに印加してもよい。これにより入口3fから大気圧未満の移送室5fに入ってくる帯電液滴及びイオンの収束が加速され、それに応じてイオン移送効率が高まる。
上記の各実施例とは異なり、本実施例では、図8に示したように、イオン化源1gに相互接続された移送室5gの入口3gの中心軸とイオン収束ガイド6gの室7gに相互接続された移送室5gの出口4gの中心軸との間の挟角が90度である。特に、イオン化源1gに相互接続された移送室5gの入口3g及びイオン収束ガイド室7gに相互接続された移送室5gの出口4gが円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせである。入口3gから入ってくる大質量のイオンは慣性の作用により真空ポンプを通じて排気される一方、低質量のイオンは移送室5gとイオン収束ガイド6gの室7gの間の圧力差によって形成される気流により出口4gを通ってイオン収束ガイド6gまで案内される。従って、この装置は複雑な試料の分離に用いることができる。例えば、低質量の被分析物イオンを保存して大質量の不純物イオンを除去することにより、不純物による被分析物の検出への影響を軽減することができる。
要約すると、本発明において提供される質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は、大気圧未満の雰囲気内にある少なくとも1つのイオン化源と、大気圧未満の圧力のイオン化源室と、大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室とを含む。移送室はイオン化源室とイオン収束ガイド室の間にあり、イオン化源室の出口にのみ接続された入口と、イオン収束ガイド室の入口にのみ接続された出口と、少なくとも1つの真空ポンプ吸引口とを含む。移送室の圧力はイオン化源室の圧力より低く、イオン収束ガイド室の圧力より高い。とりわけ、第一に、移送室はイオン化源室が大気圧未満の雰囲気を実現することを助けるために配置されている。この雰囲気中では、放電電流が増加したり光子の飛行距離が増大したりするため、イオン化源のイオン化効率が大幅に向上する。エレクトロスプレイイオン化源については、大気圧未満の雰囲気中では帯電液滴間の斥力が大幅に低減するため、エレクトロスプレイがより細くなり、単位体積当たりの帯電液滴の数が増加し、次段の真空室に入る帯電液滴の数が増加し、検出効率が良くなる。同時に、イオン化源が大気圧未満の雰囲気中にあるため、該イオン化源室に相互接続された大気圧未満の圧力の次段の移送室の入口の直径を大きくすることができ、これにより帯電液滴及びイオンの移送効率が良くなる。また、真空ポンプにより大気圧未満の圧力の移送室からガスを抜くことで、イオン化源を直接邪魔することなくイオン化源室内のガス圧を低下させることができる。第二に、移送室では、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間の圧力差を利用して、二室の間のインターフェイスの特別な設計、移送室の真空引き、及び空気力学的な移送原理により、帯電液滴又はイオンを他の溶媒及び不純物分子から分離することができる。より小さな中性溶媒のガス分子及び他の小さな不純物ガス分子は質量が小さく慣性が低いため真空ポンプにより容易に排気されるのに対し、帯電液滴と被分析物分子は質量が大きく慣性が大きいため前進運動を続け、大気圧未満の圧力の移送室の出口を通って次段のイオン収束ガイドに入る。従って、大気圧未満の圧力の移送室は雰囲気中の溶媒と不純物を一層除去し、それにより質量分析装置の検出限界を小さくすることができる。また、少なくとも1段の真空室の追加により、後段の真空室の真空ポンプにかかる負荷が低減し、被分析物の脱溶媒化が容易になるため、質量分析装置の検出感度が高まる。
上記の各実施例は本発明の原理及び機能を単に例示したものであり、本発明を限定することを意図したものではない。該当技術に精通した者であれば、本発明の精神及び範囲から離れることなく上記実施例を修正又は変更することができる。故に、この技術分野における通常の者により、本発明に開示された精神及び技術思想から離れることなく成されるあらゆる修正又は変更は、以下に添付した請求の範囲に包含されるものである。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g…イオン化源
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g…イオン化源室
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g…イオン化源室に相互接続された移送室の入口
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g…イオン収束ガイド室に相互接続された移送室5gの出口
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g…移送室
6、6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g…イオン収束ガイド
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g…イオン収束ガイド室
8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g…質量分析装置室
9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g…移送室の真空ポンプ吸引口
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g…イオン収束ガイド室の真空ポンプ吸引口
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g…質量分析装置室の真空ポンプ吸引口
12d…第2の移送室
13d…第1の移送室と第2の移送室の間のインターフェイス開口
14e…多孔性流路
15f…電極
本発明は質量分析の技術分野に関し、特に質量分析装置のためのイオン化及びイオン導入装置に関する。
質量分析装置は、被分析物の分子の質量を測定するための装置として、その感度の高さ並びに定性及び定量機能の良さ等の特徴から、複雑な試料や微量な試料、生体試料の巨大分子等の検出にしばしば用いられる。質量分析装置の分野では、例えば大気圧エレクトロスプレイイオン化源のように、一般に大気圧雰囲気下でイオンを生成するイオン源がよく知られている。しかし、大気圧で動作するこのようなイオン化源には、大気圧雰囲気で生成されたイオンが非常に低い割合(通常わずかに1%以下)でしか質量分析装置内へ移送されず、そのため質量分析装置の検出感度と検出効率が非常に低くなるという問題がある。故に、質量分析装置に入るイオンの移送効率をいかに高めるかが非常に重要な問題である。
一般的には、大気圧イオン化源に相互接続された質量分析装置の真空系インターフェイスの直径を大きくすることにより質量分析装置の真空系に入るイオンの総数を直接増やす。しかし、この方法では質量分析装置の真空系の負担も非常に大きくなり、真空ポンプにかかる負荷が増す。また、質量分析装置の真空系インターフェイスの数を増やすことで、大気圧イオン化源に相互接続された質量分析装置の真空系のインターフェイスの直径を大きくすると同時に、対応する真空系のポンプの負荷を軽減するという方法もある。
例えば、特許文献1は質量分析装置用の真空インターフェイス装置を提供している。この装置では、最終段の真空ポンプの負担を増大させることなくイオンの移送効率を高めるため、複数のキャピラリを使用して多段式真空インターフェイスを形成している。しかし、この装置は大気圧インターフェイスから真空インターフェイスに入るイオンの移送効率を高めるに過ぎず、中性の溶媒不純物や他のガス不純物を同時に低減することはできない。更に、この装置は大気圧雰囲気で作動するイオン源装置にしか利用できない。
特許文献2はガスイオンから中性ガスを分離する仕組みを提供している。これは、例えばDART(Direct Analysis in Real Time)イオン化源のように、表面脱離によりガスイオンを生成するイオン化法に主として用いられる。従ってこの仕組みは中性ガスと帯電液滴の分離には利用できない。
同様の文献として特許文献3(及び特許文献4)がある。これらの特許では、生成した空気流により形成される層流を利用してイオン源により生成されるイオンを収束させることで、より多くのイオンを質量分析装置に導入し易くする。この技術は、大気圧イオン化源が質量分析装置の入口から遠くにあるという条件、及び、被分析物が比較的大きな検出面積を有しているという条件で主として用いられる。故に、この技術は、例えば脱離エレクトロスプレイイオン化(DESI)等の直接分析イオン化に適している。
以上の各技術は主として大気圧イオン化源に応用できる。しかし、大気圧雰囲気そのものが質量分析装置の真空系インターフェイスの直径に制約を加え、イオン移送効率の向上を大きく制限してしまう。
特許文献5では大気圧未満のエレクトロスプレイイオン化源が採用されている。しかし、この技術では、大気圧未満の圧力に維持されたエレクトロスプレイイオン化源室の出口が後段のイオン収束ガイド室の入口に直接接続されているため、イオン化の間に生じる中性ノイズ(溶媒ガス分子等)が大量に次段のイオン収束ガイドに直接侵入し、装置の検出SN比を低下させる上、イオン収束ガイドを著しく汚染する。
US8642946 US7700913 CN102232238A US8410431 US8173960
以上の既存技術の欠点に鑑み、本発明は、イオン化源を大気圧雰囲気から大気圧未満の雰囲気へ移すことで質量分析装置の真空系インターフェイスの直径を更に大きくしてイオンの移送効率を高めるとともに、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間に配置された少なくとも1つの大気圧未満の圧力の移送室を有することで質量分析装置の検出感度を更に高めるようにした質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置を提供することを目的としている。
前記目的及び関連する他の目的を達成するため、本発明は、大気圧未満の圧力のイオン化源室と、イオンを生成するために該イオン化源室内に配置された少なくとも1つのイオン化源と、接続された質量分析装置室へイオンを案内するように配置された少なくとも1つのイオン収束ガイド室と、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間に位置し、イオン化源室に相互接続された入口とイオン収束ガイド室に相互接続された出口とを備える大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室とを備え、前記移送室の圧力が前記イオン化源室の圧力より低く、イオン収束ガイド室の圧力より高いことを特徴とする質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置を提供する。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、移送室は更に真空ポンプを接続するための少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を含むように構成することができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は、エレクトロスプレイイオン源、グロー放電イオン源、誘電体バリア放電イオン源、化学イオン化イオン源、脱離コロナビームイオン源、レーザ脱離イオン源、及び、光イオン化イオン源のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを含むように構成することができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、前記大気圧未満の圧力は、0.0001〜1Torr、1〜50Torr,50〜300Torr、又は、300〜700Torrの範囲内である。
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源室に相互接続された移送室の入口、及びイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口は、円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせとすることができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、前記入口及び出口には直流電圧印加することができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は液体クロマトグラフィと組み合わせて用いることができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン収束ガイド室は内部に配置されたイオン収束ガイドを有するように構成することができまた少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を含むように構成することができる
更に、前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン収束ガイドは、イオンファンネル、多重極ロッドイオンガイド、Qアレイイオンガイド、及び、進行波イオンガイドのうちのいずれか又はこれらの組み合わせとすることができる
更に、前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、質量分析装置室は内部に配置された質量検出器と質量分析器を有するように構成することができまた少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を含むように構成することができ、質量分析器は、一段四重極質量分析デバイス、多段四重極質量分析デバイス、飛行時間型質量分析デバイス、多段四重極飛行時間型質量分析デバイス、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析デバイス、及び、イオントラップ分析デバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせを含むように構成することができ、質量検出器はそれ自身に入射したイオンの信号又は質量分析器内を流れるイオン流の信号を取得するように配置することができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源の中心軸とイオン化源室に相互接続された移送室の入口の中心軸との間の挟角は0〜90度の範囲内とすることができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源室に相互接続された移送室の入口の中心軸とイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口の中心軸との間の挟角は0〜90度の範囲内とすることができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は試料の直接分析のための副イオン化源としての役割を果たすように構成することができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源は、一段四重極質量分析装置、多段四重極質量分析装置、飛行時間型質量分析装置、多段四重極飛行時間型質量分析装置、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置、及び、イオントラップ分析装置のうちのいずれかに用いることができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源に相互接続された移送室の入口とイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口との間に多孔性流路配置することができる
前記質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置において、イオン化源に相互接続された移送室の入口とイオン収束ガイド室に相互接続された移送室の出口との間に、直流電圧と高周波電圧が印加される少なくとも1つの電極配置することができる
以上のように、本発明において提供される質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は、大気圧未満の雰囲気内にある少なくとも1つのイオン化源と、大気圧未満の圧力のイオン化源室と、大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室とを含む。移送室はイオン化源室とイオン収束ガイド室の間にあり、イオン化源室の出口にのみ接続された入口と、イオン収束ガイド室の入口にのみ接続された出口と、少なくとも1つの真空ポンプ吸引口とを含む。移送室の圧力はイオン化源室の圧力より低く、イオン収束ガイド室の圧力より高い。とりわけ、第一に、移送室はイオン化源室が大気圧未満の雰囲気を実現することを助けるために配置されている。この雰囲気中では、放電電流が増加したり光子の飛行距離が増大したりするため、イオン化源のイオン化効率が大幅に向上する。エレクトロスプレイイオン化源については、大気圧未満の雰囲気中では帯電液滴間の斥力が大幅に低減するため、エレクトロスプレイがより細くなり、単位体積当たりの帯電液滴の数が増加し、次段の真空室に入る帯電液滴の数が増加し、検出効率が良くなる。同時に、イオン化源が大気圧未満の雰囲気中にあるため、該イオン化源室に相互接続された大気圧未満の圧力の次段の移送室の入口の直径を大きくすることができ、これにより帯電液滴及びイオンの移送効率が良くなる。また、真空ポンプにより大気圧未満の圧力の移送室からガスを抜くことで、イオン化源を直接邪魔することなくイオン化源室内のガス圧を低下させることができる。第二に、移送室では、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間の圧力差を利用して、二室の間のインターフェイスの特別な設計、移送室の真空引き、及び空気力学的な移送原理により、帯電液滴又はイオンを他の溶媒及び不純物分子から分離することができる。より小さな中性溶媒のガス分子及び他の小さな不純物ガス分子は質量が小さく慣性が低いため真空ポンプにより容易に排気されるのに対し、帯電液滴と被分析物分子は質量が大きく慣性が大きいため前進運動を続け、大気圧未満の圧力の移送室の出口を通って次段のイオン収束ガイドに入る。従って、大気圧未満の移送室は雰囲気中の溶媒と不純物を一層除去し、それにより質量分析装置の検出限界を小さくすることができる。また、少なくとも1段の移送室の追加により、後段の移送室の真空ポンプにかかる負荷が低減し、被分析物の脱溶媒化が容易になるため、質量分析装置の検出感度が高まる。
本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。 本発明に係る質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置の一実施例の構造図。
本発明の実施例を以下に具体例を通じて説明する。当業者であれば本明細書の開示内容から本発明の他の利点及び機能を容易に知得することができる。本発明は他の異なる実施例を通じて実施又は応用してもよく、本発明に記載された細部は、本発明の精神から離れることなく、異なる見方及び用途に基づいて修正又は変更することができる。
なお、実施例において提示される図面は本発明の基本的な考え方を概略的に例示するためのものに過ぎず、本発明の重要な構成要素だけを示しており、実装の際の構成要素の数、形状及び寸法に従って描かれている訳ではない。実装の際は、各構成要素の形状、数及び比率を任意に変更してもよく、また構成要素の配置はより複雑になることがある。
図1に示すように、本発明が提供する質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は、大気圧未満のイオン化源室2と、イオンを生成するためにイオン化源室2内に配置された少なくとも1つのイオン化源1と、生成されたイオンをイオン収束ガイド室7へ移送するために配置された少なくとも1つの大気圧未満の移送室5とを備えている。イオン収束ガイド室7はそれに接続された質量分析装置室8内へイオンを案内するように配置されている。移送室5はイオン化源室2とイオン収束ガイド室7の間にあり、イオン化源室2に相互接続された入口3と、イオン収束ガイド室7に相互接続された出口4と、少なくとも1つの真空ポンプ吸引口9とを備えている。移送室5内の圧力はイオン化源室2内の圧力より低く、イオン収束ガイド室7内の圧力より高い。移送室5はイオン化源室2が大気圧未満の雰囲気を実現することを助けるために配置されている。同時に移送室5は空気力学的な移送原理を利用して帯電液滴、イオン、他の溶媒及び不純物分子を分離する。移送室5は、イオン化源1を直接邪魔することなくイオン化源室2内の圧力を低下させるために、そして雰囲気中の溶媒及び不純物を除去することにより質量分析装置の検出ノイズを低減させるとともにイオン収束ガイド室7に入る被分析物イオンの数を増加させるために、真空ポンプ吸引口9を通じて真空ポンプと接続されている。また、少なくとも1段の移送室5の追加により、後段の移送室の真空ポンプにかかる負荷を低減させることができる。
一態様では、大気圧未満の雰囲気に置かれたイオン化源1が、エレクトロスプレイイオン源、グロー放電イオン源、誘電体バリア放電イオン源、化学イオン化イオン源、脱離コロナビームイオン源、レーザ脱離イオン源、及び、光イオン化イオン源のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを含む。大気圧未満の雰囲気中では電荷斥力が弱まり、放電電流が増加し、また光子の飛行距離が長くなるため、エレクトロスプレイイオン源やグロー放電イオン源、光イオン化イオン源のイオン化効率及び移送効率が大幅に向上する。これにより、エレクトロスプレイイオン源、グロー放電イオン源及び光イオン化イオン源が低圧イオン化源用の最適な構成となる。
一態様として、大気圧未満の雰囲気中に置かれたイオン化源1は試料の直接分析のための副イオン化源としての役割を果たすものとしてもよい。
一態様として、イオン化源は、一段四重極質量分析装置、多段四重極質量分析装置、飛行時間型質量分析装置、多段四重極飛行時間型質量分析装置、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置、及び、イオントラップ分析装置のうちのいずれかに応用してもよい。
一態様として、前記大気圧未満の圧力は、0.0001〜1Torr、1〜50Torr,50〜300Torr、又は、300〜700Torrの範囲内とすることができる。好ましくは、大気圧未満のエレクトロスプレイイオン源に対応する圧力は1〜300Torr、大気圧未満のグロー放電イオン源に対応する圧力は0.0001〜300Torr、大気圧未満の光イオン化イオン源に対応する圧力は0.0001〜300Torrである。
一態様では、イオン化源室2に相互接続された移送室5の入口3とイオン収束ガイド室7に相互接続された移送室5の出口4が、円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせであり、該入口及び出口には一定の直流電圧を印加することができる。
一態様では、イオン化源1が液体クロマトグラフィと組み合わせて用いられる。
一態様では、イオン収束ガイド室7が内部に配置されたイオン収束ガイド6を有し、且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口10を含む。イオン収束ガイド6は、イオンファンネル、多重極ロッドイオンガイド、Qアレイイオンガイド、及び、進行波イオンガイドのうちのいずれか又はこれらの組み合わせである。
一態様では、イオン収束ガイド室7の反対側に質量分析装置室8が設けられている。この室は内部に配置された質量検出器及び質量分析器を有し且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口11を含むものとすることができる。質量分析器は、例えば一段四重極質量分析デバイス、多段四重極質量分析デバイス、飛行時間型質量分析デバイス、多段四重極飛行時間型質量分析デバイス、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析デバイス、及び、イオントラップ分析デバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせを含む。質量検出器はそれ自身に入射したイオンの信号又は質量分析器内を流れるイオン流の信号を取得するように配置された装置である。
本実施例において、様々な試料流量のエレクトロスプレイイオン化源及び他の脱離イオン化源に応用可能にするため、イオン化源1の中心軸とイオン化源室2に相互接続された移送室5の入口3の中心軸との間の挟角を0〜90度の範囲内にする(即ち、図1の挟角α)。
また、イオン化源室2に相互接続された移送室5の入口3の中心軸とイオン収束ガイド室7に相互接続された移送室5の出口4の中心軸との間の挟角は0〜90度の範囲内にある。
質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は数多くの形態をとり得る。図2では、イオン化源1aがエレクトロスプレイイオン化源であり、大気圧未満の移送室5aと同じ高さにある。すなわち、イオン化源1aの中心軸とイオン化源室2aに相互接続された移送室5aの入口3aの中心軸との間の挟角αはゼロである。イオン化源室2aに相互接続された移送室5aの入口3aは収束穴である。この穴は、空気力学的な原理を利用して、イオン化源1aにより生成されたイオンや帯電液滴を十分に集めて大気圧未満の移送室5aへ送ることができる。大気圧未満の移送室5a内では、中性ノイズを低減して装置のSN比を改善するために、そこに送り込まれた帯電液滴を真空ポンプ吸引口9aを通じて中性の溶媒ガスから分離することができる。イオン収束ガイド室7aに相互接続された移送室5aの出口4aは金属製キャピラリであり、これが加熱により帯電液滴の脱溶媒化を更に容易にし、以て装置のSN比を高める。
図3では、イオン収束ガイド室7bに相互接続された移送室5bの出口4bにテーパ穴が採用されている。これによりイオンの透過性を高めるとともに大きな液滴や他の中性ノイズを阻止することができるため、装置の感度及びSN比を高める上で有益である。
図4では、大気圧未満の移送室5cの入口3cが金属製キャピラリであり、イオン収束ガイド6cの室7cに相互接続された大気圧未満の移送室5cの出口4cもまた金属製キャピラリである。両方とも質量分析装置に入るまでの帯電液滴の移動距離を長くし、以て脱溶媒化を容易にする。同時に、2本の金属製キャピラリを用いて加熱により帯電液滴の脱溶媒化を更に容易にしてもよい。
図2〜図4に示した実施例とは異なり、本実施例の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は図5に示したように複数の大気圧未満の移送室5d及び12dを備えている。これにより中性ノイズを更に除去することができるとともに、イオン源1dに相互接続された大気圧未満の移送室5dの入口3dを大きくして帯電液滴又はイオンの透過性を改善することができる。特に、大気圧未満の第1の移送室5dのガス圧は大気圧未満の第2の移送室12dのガス圧よりも高い一方、大気圧未満の第2の移送室12dのガス圧はイオン収束ガイド室7dのガス圧よりも高い。大気圧未満の移送室を多段式にすることは質量分析装置の後段の真空系の真空ポンプの負荷を軽減するために役立つこともある。
好ましくは、イオン化源1dに相互接続された大気圧未満の第1の移送室5dの入口3d、イオン収束ガイド室7dに相互接続された大気圧未満の第2の移送室12dの出口4d、及び大気圧未満の第1の移送室5dと大気圧未満の第2の移送室12dとの間のインターフェイスの開口13dには、円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを採用する。
更に異なる用途に応用可能にするため、以下に2つの実施例を提示する。
図2から図5に示した各実施例とは異なり、本実施例では、図6に示したように、イオン化源1eに相互接続された移送室5eの入口3eとイオン収束ガイド室7eに相互接続された移送室5eの出口4eとの間に多孔性流路14eが配置されている。多孔性流路14eにより、入口3eを出た後の帯電液滴及びイオンを再度収束させ、出口4eを通じてイオン収束ガイド6eに入らせることが容易になり、イオンの移送効率が一層高まる。同時に、多孔性構造体は大気圧未満の移送室5eの真空ポンプ吸引口9eにより生じる気流の流れ抵抗を増大させないため、中性ノイズ除去の効果も達成される。
図7に示すように、多孔性流路14eを電極と置き換えてもよい。少なくとも1つの電極15fが、イオン化源1fに相互接続された移送室5fの入口3fとイオン収束ガイド室7fに相互接続された移送室5fの出口4fの間に配置される。一定の直流電圧と高周波電圧を電極15fに印加してもよい。これにより入口3fから大気圧未満の移送室5fに入ってくる帯電液滴及びイオンの収束が加速され、それに応じてイオン移送効率が高まる。
上記の各実施例とは異なり、本実施例では、図8に示したように、イオン化源1gに相互接続された移送室5gの入口3gの中心軸とイオン収束ガイド6gの室7gに相互接続された移送室5gの出口4gの中心軸との間の挟角が90度である。特に、イオン化源1gに相互接続された移送室5gの入口3g及びイオン収束ガイド室7gに相互接続された移送室5gの出口4gが円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせである。入口3gから入ってくる大質量のイオンは慣性の作用により真空ポンプを通じて排気される一方、低質量のイオンは移送室5gとイオン収束ガイド6gの室7gの間の圧力差によって形成される気流により出口4gを通ってイオン収束ガイド6gまで案内される。従って、この装置は複雑な試料の分離に用いることができる。例えば、低質量の被分析物イオンを保存して大質量の不純物イオンを除去することにより、不純物による被分析物の検出への影響を軽減することができる。
要約すると、本発明において提供される質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置は、大気圧未満の雰囲気内にある少なくとも1つのイオン化源と、大気圧未満の圧力のイオン化源室と、大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室とを含む。移送室はイオン化源室とイオン収束ガイド室の間にあり、イオン化源室の出口にのみ接続された入口と、イオン収束ガイド室の入口にのみ接続された出口と、少なくとも1つの真空ポンプ吸引口とを含む。移送室の圧力はイオン化源室の圧力より低く、イオン収束ガイド室の圧力より高い。とりわけ、第一に、移送室はイオン化源室が大気圧未満の雰囲気を実現することを助けるために配置されている。この雰囲気中では、放電電流が増加したり光子の飛行距離が増大したりするため、イオン化源のイオン化効率が大幅に向上する。エレクトロスプレイイオン化源については、大気圧未満の雰囲気中では帯電液滴間の斥力が大幅に低減するため、エレクトロスプレイがより細くなり、単位体積当たりの帯電液滴の数が増加し、次段の真空室に入る帯電液滴の数が増加し、検出効率が良くなる。同時に、イオン化源が大気圧未満の雰囲気中にあるため、該イオン化源室に相互接続された大気圧未満の圧力の次段の移送室の入口の直径を大きくすることができ、これにより帯電液滴及びイオンの移送効率が良くなる。また、真空ポンプにより大気圧未満の圧力の移送室からガスを抜くことで、イオン化源を直接邪魔することなくイオン化源室内のガス圧を低下させることができる。第二に、移送室では、イオン化源室とイオン収束ガイド室の間の圧力差を利用して、二室の間のインターフェイスの特別な設計、移送室の真空引き、及び空気力学的な移送原理により、帯電液滴又はイオンを他の溶媒及び不純物分子から分離することができる。より小さな中性溶媒のガス分子及び他の小さな不純物ガス分子は質量が小さく慣性が低いため真空ポンプにより容易に排気されるのに対し、帯電液滴と被分析物分子は質量が大きく慣性が大きいため前進運動を続け、大気圧未満の圧力の移送室の出口を通って次段のイオン収束ガイドに入る。従って、大気圧未満の圧力の移送室は雰囲気中の溶媒と不純物を一層除去し、それにより質量分析装置の検出限界を小さくすることができる。また、少なくとも1段の移送室の追加により、後段の移送室の真空ポンプにかかる負荷が低減し、被分析物の脱溶媒化が容易になるため、質量分析装置の検出感度が高まる。
上記の各実施例は本発明の原理及び機能を単に例示したものであり、本発明を限定することを意図したものではない。該当技術に精通した者であれば、本発明の精神及び範囲から離れることなく上記実施例を修正又は変更することができる。故に、この技術分野における通常の者により、本発明に開示された精神及び技術思想から離れることなく成されるあらゆる修正又は変更は、以下に添付した請求の範囲に包含されるものである。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g…イオン化源
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g…イオン化源室
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g…イオン化源室に相互接続された移送室の入口
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g…イオン収束ガイド室に相互接続された移送室5gの出口
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g…移送室
6、6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g…イオン収束ガイド
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g…イオン収束ガイド室
8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g…質量分析装置室
9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g…移送室の真空ポンプ吸引口
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g…イオン収束ガイド室の真空ポンプ吸引口
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g…質量分析装置室の真空ポンプ吸引口
12d…第2の移送室
13d…第1の移送室と第2の移送室の間のインターフェイス開口
14e…多孔性流路
15f…電極

Claims (16)

  1. 大気圧未満の圧力のイオン化源室と、
    イオンを生成するために前記イオン化源室内に配置された少なくとも1つのイオン化源と、
    接続された質量分析装置室へイオンを案内するように配置された少なくとも1つのイオン収束ガイド室と、
    前記イオン化源室と前記イオン収束ガイド室の間に位置する大気圧未満の圧力の少なくとも1つの移送室であって、前記イオン化源室から該移送室への入口と該移送室から前記イオン収束ガイド室への出口とを備える移送室と
    を備え、
    前記移送室の圧力が前記イオン化源室の圧力より低く、前記イオン収束ガイド室の圧力より高いこと
    を特徴とする質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  2. 前記移送室が真空ポンプを接続するための少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  3. 前記イオン化源がエレクトロスプレイイオン源、グロー放電イオン源、誘電体バリア放電イオン源、化学イオン化イオン源、脱離コロナビームイオン源、レーザ脱離イオン源、及び、光イオン化イオン源のうちのいずれか又はこれらの組み合わせを備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  4. 前記大気圧未満の圧力が、0.0001〜1Torr、1〜50Torr,50〜300Torr、又は、300〜700Torrの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  5. 前記イオン化源室から前記移送室への入口及び前記移送室から前記イオン収束ガイド室への出口が、円形の穴、キャピラリ、テーパ穴、ノズル穴、収束穴、及び拡大/縮小穴のうちのいずれか又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  6. 前記入口及び出口に直流電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  7. 前記イオン化源が液体クロマトグラフィと組み合わせて用いられることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  8. 前記イオン収束ガイド室が、内部に配置されたイオン収束ガイドを有し、且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  9. 前記イオン収束ガイドが、イオンファンネル、多重極ロッドイオンガイド、Qアレイイオンガイド、及び、進行波イオンガイドのうちのいずれか又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項8に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  10. 前記質量分析装置室が、内部に配置された質量検出器と質量分析器を有し且つ少なくとも1つの真空ポンプ吸引口を備え、前記質量分析器は一段四重極質量分析デバイス、多段四重極質量分析デバイス、飛行時間型質量分析デバイス、多段四重極飛行時間型質量分析デバイス、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析デバイス、及び、イオントラップ分析デバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせを備え、前記質量検出器はそれ自身に入射したイオンの信号又は前記質量分析器内を流れるイオン流の信号を取得するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  11. 前記イオン化源の中心軸と該イオン化源室から前記移送室への入口の中心軸との間の挟角が0〜90度の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  12. 前記イオン化源室から前記移送室への入口の中心軸と該移送室から前記イオン収束ガイド室への出口の中心軸との間の挟角が0〜90度の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  13. 前記イオン化源が試料の直接分析のための副イオン化源としての役割を果たすことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  14. 前記イオン化源が一段四重極質量分析装置、多段四重極質量分析装置、飛行時間型質量分析装置、多段四重極飛行時間型質量分析装置、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置、及び、イオントラップ分析装置のうちのいずれかに用いられることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  15. 前記イオン化源から前記移送室への入口と該移送室から前記イオン収束ガイド室への出口との間に多孔性流路が更に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
  16. 前記イオン化源から前記移送室への入口と該移送室から前記イオン収束ガイド室への出口との間に、直流電圧と高周波電圧が印加される少なくとも1つの電極が更に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置用イオン化及びイオン導入装置。
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