JP2018521690A - タンパク質の発現、溶解性および精製を改善するための融合タンパク質タグとしてのリカバリン - Google Patents

タンパク質の発現、溶解性および精製を改善するための融合タンパク質タグとしてのリカバリン Download PDF

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Abstract

本明細書において、タンパク質の溶解性および精製を改善するための新しい多用途の融合タンパク質ツール(タグ)が提示される。特に、融合タグは、洗浄剤が存在する場合でも単一段階のタンパク質精製のために使用される、実質的に全長(約23kD)のリカバリン分子(TagR)である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タンパク質の発現、溶解性および精製を改善するための新しい多用途の融合タンパク質ツール(タグ)に関する。特に、融合タグは、実質的に全長のリカバリン分子、および神経カルシウムセンサータンパク質のEFハンドファミリーの他のメンバーであり、これらはカルシウムに結合し、洗浄剤が存在する場合でも単一段階のタンパク質精製のために使用され得る。
多数の生物のゲノム配列が利用可能であるため、組換え技術により、種々の宿主細胞型を用いて多数のタンパク質の同定、修飾、産生、および精製が可能になった1−13。その結果として、治療的および診断的使用を含む様々な用途のための組換えタンパク質の使用が大幅に増加している。加えて、多数の研究室が、その構造および機能を決定するため、またはその治療的可能性を発見するために新規のタンパク質を発現させている。同様に、製薬会社は、治療を目的としてタンパク質の大規模生産に関与している。従って、これらの要求を満たすために高いタンパク質純度が必要である。しかしながら、その内在特性を用いてタンパク質を精製することは非常に困難である。従って、タンパク質精製を促進するために融合タグの使用が広範囲に広がっている。
組換えタンパク質の産生は、封入体の形成、宿主細胞毒性、低レベルの発現、または不適切なタンパク質の折り畳みをもたらすことが多い。これらの問題は、多くの場合、発現系、宿主細胞型を変えることにより、または融合タグを用いることにより解決することができる。多くの融合タグが利用可能であり11、新しいタグまたは新しいタギング手順が連続的に提供されている14−17。これらのタグは対象のタンパク質のN末端またはC末端のいずれかに位置することができるが、最適なタグの選択は、各タンパク質の特定の特性に依存する。
最も一般的に使用される小さい親和性タグは、ポリヒスチジンタグ(His−タグ)である。これは、固定化金属親和性クロマトグラフィによるタンパク質の精製を可能にする。これは、通常、ヘキサヒスチジンから作られるが、デカヒスチジンは、単一段階のタンパク質精製のためにより効率的であることが多い。しかしながら、このタグは、対象のタンパク質の収率の改善および溶解性の増大を可能にしない。従って、最も広範に使用されるタンパク質タグは、「ゴールドスタンダード」であると考えられるグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)である18。これは26kDaのタンパク質であり、グルタチオンに対して高親和性で結合する。GSTは対象のタンパク質の収率および溶解性を増大させることができ、精製は、固体担体に固定化されたグルタチオンへのGSTタグ化タンパク質の結合により達成される。
GSTタグは、いくつかの対象のタンパク質の溶解性および精製を改善するために非常に有用であることが見出されたが、いくつかの欠点がある。例えば、GSTタグ化タンパク質の精製は、洗浄剤の存在下で達成することができない19。さらに、対象のタンパク質をその切断後にGSTから分離することは、GSTに対するグルタチオンの高親和性のために容易に達成するのが困難であり、従って、切断をカラム上で実施することができなければ付加的な透析ステップが必要とされる。従って、対象のタンパク質の溶解性を改善し、精製を促進するための新しいタンパク質タグが必要とされる。
第1の態様によると、精製される対象のタンパク質をコードする配列と、EFハンドカルシウム結合タンパク質ファミリーのタンパク質をコードするタグポリヌクレオチドとを含むポリヌクレオチド分子が提供され、EFハンドカルシウム結合タンパク質は、カルシウムの存在下または非存在下で立体構造変化を受ける。特に、立体構造変化は、カルシウムの存在下での疎水性アミノ酸の押出(extrusion)を含む。より具体的には、タグは、神経カルシウムセンサータンパク質のEFハンドカルシウム結合ファミリーのメンバーである。
さらに特定の態様によると、本発明は、プロモーターに作動可能に連結されている、本明細書で定義されるポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
本発明の特定の態様によると、発現宿主細胞内で機能性の転写開始領域と、本明細書で定義される組換えポリヌクレオチドと、発現宿主細胞内で機能性の転写終結領域とを含む発現カセットが提供される。
本発明の特定の態様によると、本明細書で定義される発現カセットを含む宿主細胞が提供される。
本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質を発現させるための方法が提供され、本方法は、本明細書で定義されるベクターまたは発現カセットを含む発現系において、リカバリンタグ(TagR)に融合された対象のタンパク質を発現させるステップを含む。
本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質の発現の方法が提供され、本方法は、本明細書で定義される宿主細胞においてリカバリンタグ(TagR)に融合された対象のタンパク質を発現させるステップを含む。この方法の本発明のより詳細な態様によると、タンパク質の発現は、タグタンパク質の折り畳みを可能にするために最少成長培地を用いて実行される。
本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質を生産するための方法が提供され、本方法は、本明細書で定義されるタンパク質の発現を可能にする条件下で細胞を成長させることを含み、細胞は、ポリヌクレオチド、またはベクター、または発現カセット(全て本明細書で定義される)を含む。
本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質を精製するための方法が提供され、本方法は、本明細書で定義される対象のタンパク質を発現させるステップ、または本明細書で定義される対象のタンパク質を生産するステップと、カルシウムの存在下で疎水性親和性クロマトグラフィにおいて融合タンパク質を不要な成分から分離することにより、融合タンパク質を精製するステップとを含む。特に、精製ステップは、カルシウムキレート剤の存在下で融合タンパク質を疎水性親和性カラムから溶出させることと、任意選択的に、タグから切断された対象の精製タンパク質を得るために、溶出した融合分子を切断することとによって実行される。あるいは、精製ステップは、対象の融合タンパク質をタグから切断して、切断されたタンパク質およびタグを含む混合物を得すことと、カルシウムキレート剤の存在下で切断されたタンパク質を疎水性親和性カラムにおいて溶出させることにより、切断された対象のタンパク質をタグから分離することとによって実行される。
本発明の特定の態様によると、EFハンドカルシウム結合タンパク質ファミリーのタンパク質に融合された対象のタンパク質を含む融合タンパク質が提供され、EFハンドカルシウム結合タンパク質は、カルシウムの存在下または非存在下で立体構造変化を受ける。
本発明の特定の態様によると、本明細書で定義されるポリヌクレオチドによってコードされる融合タンパク質が提供される。特定の態様によると、コード化タンパク質タグは、ミリストイル化されていない。
本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質の発現および精製のためのキットが提供され、本キットは、本明細書で定義されるポリヌクレオチド;およびポリヌクレオチドを適切なベクターに挿入する方法についての説明書;および/またはベクターを宿主細胞に形質転換する方法についての説明書;および/または組換え融合タンパク質を宿主細胞から単離する方法についての説明書;および/または本明細書で定義される組換え融合タンパク質を精製する方法についての説明書を含む。
本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質の発現および精製のためのキットが提供され、本キットは、いずれも本明細書で定義されるベクターまたは発現カセット;およびベクターを宿主細胞にトランスフェクトする方法についての説明書;および/または組換え融合タンパク質を宿主細胞から単離する方法についての説明書;および/または本明細書で定義される方法に従って組換え融合タンパク質を精製する方法についての説明書を含む。
本発明の特定の態様によると、本明細書で定義されるEFハンドカルシウム結合ファミリーからのタンパク質の、タンパク質の発現および/または可溶化および/または精製のためのタグとしての使用が提供される。
本発明の特定の態様によると、タンパク質の発現および/または可溶化および/または精製のためのタンパク質タグとして使用するための、本明細書で定義されるEFハンドカルシウム結合ファミリーからのタンパク質が提供される。
リカバリン(TagR)の大きい立体構造変化は、カルシウムの結合によって誘発される。A)その4つのEFハンドのうちの2つによるカルシウムの結合は、そのミリストイル基およびいくつかの疎水性アミノ酸の押出を誘発する。B)TagRのミリストイル基およびいくつかの疎水性残基は、カルシウムの非存在下(EGTAの存在下)では、疎水性ポケット内に隔離される。この大きい立体構造変化は、疎水性クロマトグラフィを用いるTagRの精製を可能にする。実際に、TagRはカルシウムの存在下(A)で疎水性樹脂に結合し、カラムを徹底的に洗浄することにより汚染タンパク質の除去を可能にする。EGTAの添加(B)により、疎水性アミノ酸はTagR内部に隔離され、TagRのカラムからの溶出が可能になる。この特性は、このタンパク質の高純度の達成を可能にすることが示された42 pGEX 4T−3およびpET11aベクターにおける21℃で16時間のTagR−tLRATの発現レベルの比較である。レーン1、pGEX−4T−3。レーン2、pET11a。レーン「a」、分子質量標準。 pGEX−4T−3ベクターにおける21℃で16時間のTagR−tLRATおよびGST−tLRATの発現レベルの比較である。レーン1、TagR−tLRAT。レーン2、GST−tLRAT。レーン「a」、分子質量標準。 pET11aにおけるTagR−RP2の溶解性およびpGEX−4T−3におけるGST−RP2の溶解性の比較である。レーン1、2および3、TagR−RP2;レーン4、5および6、GST−RP2;レーン1および5、全ライセート。レーン2および4、4℃において20,000xgで30分間の全ライセートの遠心分離後の上澄み。レーン3および6、遠心分離後のペレット。レーン「a」、分子質量標準。 pGEX−4T−3におけるTagR−tLRATの溶解性(レーン1、3および5)およびGST−tLRATの溶解性(レーン2、4および6)の比較である。レーン1および2、全ライセート。レーン3および4、4℃において20,000xgで30分間の全ライセートの遠心分離後の上澄み。レーン5および6、遠心分離後のペレット。レーン「a」、分子質量標準。 LB(レーン1〜3)および最少(レーン4〜6)成長培地における21℃で16時間のTagR−tLRATの発現レベルおよび溶解性の比較である。レーン1および4、全ライセート。レーン2および5、4℃において20,000xgで30分間の遠心分離後の上澄み。レーン3および6、ペレット。矢印は、TagR−tLRATの位置を示す。レーン「a」、分子質量標準。 TagR−RP2の精製および切断、ならびにその切断されたTagR融合パートナーからのRP2の分離である。レーン1、カラムに結合しなかったタンパク質。レーン2、カルシウムの存在下でのカラムの徹底的な洗浄。レーン3、カルシウムの非存在下(EGTAの存在下)で単一段階において高度に精製されたTagR−RP2の溶出。レーン4、プロテアーゼトロンビンを用いたRP2のTagRからの定量的切断。レーン5、切断サンプルを同じカラム(フェニルセファロース)に負荷させた後、カルシウムの存在下でのRP2の溶出。レーン6、EGTAの存在下でのTagRの溶出。レーン「a」、分子質量標準。TagR−RP2の切断はカラム上で実施することもできる。トロンビンは、Hitrap Benzamidine FFセファロースカラムをフェニルセファロースカラムに接続することにより除去される。 TagR−tLRATの精製および切断、ならびにその切断されたTagR融合パートナーからのtLRATの精製である。レーン1、最少成長培地で培養された細菌を用いた全細菌ライセート(矢印は、tLRATに対応するバンドを示す)。レーン2、全ライセートの遠心分離後の上澄み(可溶性画分)。レーン3、遠心分離後のペレット(不溶性画分)。レーン4、カラムに結合しなかったタンパク質。レーン5、カラムの洗浄。レーン6、カルシウムの非存在下(EGTAの存在下)で単一段階において高度に精製されたTagR−tLRATの溶出。4℃で36時間のトロンビンを用いたTagR−tLRATの切断の結果は示されない。レーン7、切断サンプルを同じカラムに負荷させた後、カルシウムの存在下でのTagRの溶出。レーン8、純水を用いたtLRATの溶出。レーン「a」、分子質量標準。強調しなければならないのは、TagR−tLRATの精製を示す電気泳動ゲル(レーン6)が、他のゲルでは15%であるのと比べて、12%のアクリルアミドを含有し、従って、そのそれぞれの分子質量標準(レーン「a」)に基づいてレーン1および6のTagR−tLRATの分子質量(矢印を参照)が同じであることである。 SDSの存在下でのTagR−tLRATの疎水性フェニルセファロースカラムへの結合および融合タンパク質の精製である。レーン1、細菌ライセート。レーン2、遠心分離後の上澄み(可溶性画分)。レーン3、遠心分離後のペレット(不溶性画分)。レーン4、カラムに結合しなかったタンパク質。レーン5、SDSを含有しない緩衝液Aによるカラムの洗浄。レーン6、図7(レーン6)に示されるデータと同様に、EGTAの存在下で単一段階において高度に精製されたTagR−tLRATの溶出。レーン「a」、分子質量標準。 ニッケル樹脂上のSDSの存在下におけるPolyHis−TagR−tLRATの精製、PolyHis−TagRの切断、およびtLRATの精製である。レーン1、細菌ライセート。レーン2、遠心分離後の上澄み(可溶性画分)。レーン3、カラムに結合しなかったタンパク質。SDSはトロンビンの作用を妨げるため、そのあらゆる痕跡を除去するためにカラムの徹底的な洗浄を実施した。PolyHis−TagR−tLRATの切断は、トロンビンを用いて40時間にわたりカラム上で直接行った。レーン4、0.1%のSDSを用いた純粋なtLRATの溶出(矢印を参照)。レーン5、150mMのイミダゾールを用いた切断PolyHis−TagRと一緒の非切断PolyHis−TagR−tLRATの溶出。レーン「a」、分子質量標準。
略語および定義
略語
BAPTA:1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸;EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸;EGTA:エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−テトラ酢酸;tLRAT:切断型レシチンレチノールアシルトランスフェラーゼ;RP2:網膜色素変性(retinitis pigmentosa)2;およびTagR:リカバリンタンパク質タグ。
GCAP:グアニル酸シクラーゼ活性化タンパク質;GCIP:グアニル酸シクラーゼ阻害タンパク質;KChIP:カリウムチャネル相互作用タンパク質;NCS1:神経カルシウムセンサー1;VILIP−1:ビジニン様タンパク質。
TEV:タバコエッチ(Tobacco Etch)ウィルス;HRV 3C:ヒトライノウィルス3C。
定義
本明細書で使用される「約」という用語は、表示された数の+または−10%の範囲を指す。正確を期するために、例えば、90%と共に使用される場合の約という用語は、90%+/−9%、すなわち81%〜99%を意味する。より正確には、約という用語は、表示された数の+または−5%を指し、例えば、90%は、90%+/−4.5%、すなわち86.5%〜94.5%を意味する。
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「および(and)」、および「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「細胞」への言及は複数のこのような細胞を含み、「培養物」への言及は、1つまたは複数の培養物および当業者に知られているその均等物への言及を含み、その他も同様である。本明細書で使用される全ての科学技術用語は、他に明確に示さない限り、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「含んでいる」(および含んでいるの任意の形態、例えば、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」など)、「有している」(および有しているの任意の形態、例えば、「有する(have)」および「有する(has)」など)、「包含している」(および包含しているの任意の形態、例えば、「包含する(includes)」および「包含する(include)」など)、または「含有している」(および含有しているの任意の形態、例えば、「含有する(contains)」および「含有する(contain)」など)という語は包括的またはオープンエンドであり、列挙されていない付加的な要素または方法ステップを排除しない。
本明細書で使用される「遺伝子」という用語は、プロモーターおよび5’調節領域、コード配列および非翻訳3’領域(ポリアデニル化部位を含む)など、いくつかの作動可能に連結されたDNA断片を含む任意のDNA配列を指す。
本明細書で使用される「発現カセット」という用語は、1つのDNA座位からの正確な除去および別の座位への挿入を容易にする、1つまたは複数の制限部位または他の部位と隣接するキメラ遺伝子を含むDNAの伝達性領域を指す。
本明細書で使用される「対象のタンパク質」という用語は、その小規模または大規模生産に当業者が関心を示し得る任意のタンパク質を意味する。
特定の実施形態の詳細な説明
リカバリン(全長または実質的に全長)は、タンパク質タグに適した特性を有することが現在見出されている。リカバリンは約23kDaの分子量を有し、高溶解性(>30mg/ml)であり、単一段階で高度に精製することができ、細菌におけるその発現レベルは非常に高い(>30mg/L培養物)20。このタンパク質ファミリーの同様の機能および特性に基づいて、カルシウムに結合する神経カルシウムセンサータンパク質のEFハンドファミリーの他のメンバーも精製のための適切なタンパク質タグとして振る舞うことが予測される。
他のタンパク質タグ
リカバリンに加えて、神経カルシウムセンサータンパク質ファミリーには、GCAP1、GCAP2またはGCAP3(グアニル酸シクラーゼ活性化タンパク質)、GCIP(グアニル酸シクラーゼ阻害タンパク質)、KChIP1、KChIP2(カリウムチャネル相互作用タンパク質)、カルセニリン/DREAM、NCS1/フリクエニン(神経カルシウムセンサー1)、ニューロカルシンデルタ、ヒポカルシン、VILIP−1(ビジニン様タンパク質)が含まれる。このタンパク質ファミリーの異なるメンバー間には大きいアミノ酸配列同一性がある。例えば、フリクエニンとニューロカルシンデルタとの間には61%の同一性があり、フリクエニンとリカバリンとの間には41%の同一性がある61
従って、本発明の特定の態様によると、本明細書で定義されるポリヌクレオチドが提供され、コード化タグタンパク質はリカバリンと少なくとも約40%の同一性を含み、より具体的には、コード化タグタンパク質はリカバリンと少なくとも約60%の同一性を含む。
同様に、このタンパク質ファミリーのメンバーの全体構造間には高い類似性があり、これは、平均二乗偏差(RMSD)の値を用いて推定することができる。RMSDは、重ね合わされたタンパク質の骨格原子間の平均距離の尺度である。フリクエニンおよびニューロカルシンデルタの折り畳み全体を比較したときに1.3Åという非常に小さいRMSD値が得られ、リクエニンおよびリカバリン間では1.7Åが得られた。同様に、Ca2+結合非ミリストイル化GCAP2の全体構造は、Ca2+結合非ミリストイル化リカバリンの全体構造とよく類似している(1.9ÅのRMSD)62。従って、NCSタンパク質ファミリーの他のメンバーは、潜在的に、リカバリンについてここで実証されるものと同様の目的のためのタグとしての機能を果たし得る。5Åよりも大きいRMSDは非相同タンパク質であると推定され、およそ2.5Åよりも小さいRMSDは相同タンパク質であると推定されている63
本発明の特定の態様によると、本明細書で定義されるポリヌクレオチドが提供され、タグタンパク質は、リカバリンの3D構造と比較したときに2.5Å未満の平均二乗偏差(RMSD)を含む。より具体的には、本発明は、本明細書で定義されるポリヌクレオチドを提供し、RMSDは2Å未満である。
従って、特定の実施形態によると、タンパク質GCAP1、GCAP2およびGCAP3、GCIP、KChIP1、KChIP2、カルセニリン/DREAM、NCS1/フリクエニン、ニューロカルシンデルタ、ヒポカルシン、VILIP−1は、リカバリンの場合のようにタグとして使用され得る。
タグ
本発明の特定の態様によると、リカバリンタグ(TagR)cDNAは、新たに解剖したウシ網膜からクローン化することができるが、他の生物からのリカバリンも有用であるとみなされる。RNAは、逆転写反応のために単離して使用することができる。次に、第1のストランドcDNAは、リカバリンcDNAのコード配列を増幅するように、および特に制限部位、より具体的にはNdeIおよび/またはBamHI制限部位を導入するように設計されたプライマーを用いるPCRのためのテンプレートとして使用することができる。
本発明の特定の態様によると、実質的に全長または全長のリカバリンcDNAは、プラスミド内に連結させて、リカバリン発現ベクターを作成することができる。
本発明の特定の態様によると、TagRの天然配列内のEcoRI部位は、サイレント変異に変化され得る。より具体的には、天然リカバリンの配列内のEcoRI部位(GAATTC)は、部位特異的変異誘発によってGAGTTC(サイレント変異)に変化され得る。
本出願人は、その融合パートナーを伴うTagRの精製をミリストイル基の存在が改善しないことを見出した。従って、本発明の特定の態様によると、TagRは、そのミリストイル基を伴わずに発現される。
本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質は、タグの主要な立体構造変化がN末端で生じるようにするためにタンパク質タグのC末端に位置する。
本発明の特定の態様によると、TagRは、例えば、tLRATおよびRP2から選択されるがこれらに限定されない対象のタンパク質のN末端に位置する。
タグのエンジニアリング
このタンパク質タグは、組換え、発現、可溶化および精製のためのタグとしてのその使用を容易にするためにさらに操作される。
本発明の特定の態様によると、TagRは、融合cDNA配列の構築を容易にするために、例えばNdeIおよび/またはBamHIなどの制限部位をコードする1つまたは複数の配列をそのヌクレオチド配列内に導入している。
あるいは、ポリヌクレオチドは、cDNAの構築中、EcoRI部位に特異的な制限酵素による切断を回避するために、GAATTCにおけるサイレント変異(例えば、コード配列内で5’から位置330におけるTからCへの突然変異)を含む。
本発明の特定の態様によると、結果として得られるタンパク質を精製中にその融合パートナーから分離するのを容易にするために、タンパク質分解的切断部位に対応するヌクレオチド配列がTagRヌクレオチド配列に導入される。
特に、対象のタンパク質のcDNAの前に、特定のトロンビン切断部位をコードするヌクレオチド配列(LVPRGS)がタグR配列に挿入される。あるいは、例えば、ENLYFQ/Gに対応するTEV切断部位またはLEVLFQ/GPに対応するHRV C3切断部位などの他のタンパク質分解的切断部位を導入することができる。
本発明の特定の態様によると、ミリストイル化のための酵素および基質で系が補完されていない限り、原核生物発現系において発現される場合、TagRタンパク質はミリストイル化されない42。本出願人は、その融合パートナーを伴うTagRの精製をミリストイル基の存在が改善しないことを見出した。従って、本発明の特定の態様によると、TagRは、ミリストイル化を可能にするために系を補完する必要もなく、基本的な原核生物発現系において発現させることができる。
本発明の特定の態様によると、TagRが他のタグと共に使用可能であることを示すために、TagRタンパク質は、対象のタンパク質のN末端に位置するポリHisタグにより補完される。
本発明の特定の態様によると、得られる融合タンパク質の溶解性をさらに高めるために、TagRタンパク質は、第1のTagRのN末端に位置するさらなるTagRにより補完される。このような手順は、高度に不溶性のタンパク質の発現および精製のために有用であり得る。
核酸
本発明の特定の態様によると、タグポリペプチドはリカバリンをコードし、特に、リカバリンは配列番号1に対して少なくとも約90%の核酸同一性、より具体的には、少なくとも94%の核酸同一性を有する。より具体的には、リカバリンは実質的に全長であるか、あるいは約23kDである。
本発明の特定の態様によると、ポリヌクレオチドは、例えば、NdeIおよび/またはBamHIなどの制限部位をコードする1つまたは複数の配列がその中に導入している。あるいは、ポリヌクレオチドは、GAATTCにおけるサイレント変異を含む(例えば、コード配列内のEcoRI部位:5’から位置330におけるTからCへの突然変異)。
ベクターおよび発現系
さらに特定の態様によると、本発明は、プロモーターに作動可能に連結されている、本明細書で定義されるポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
さらなる態様によると、本発明は、発現宿主細胞内で機能性の転写開始領域、本明細書で定義されるポリヌクレオチド、および発現宿主細胞内で機能性の転写終結領域を含む発現カセットをさらに提供する。
最後に、本発明のこの特定の態様によると、上記において本明細書で定義される発現カセットを含む宿主細胞が提供される。
本発明の特定の態様によると、実質的に全長または全長のリカバリンcDNAは、プラスミド内に連結させて、リカバリン発現ベクターを作成することができる。特に、プラスミドは、pET11a、pGEX−4T−3PEXから選択され得る。さらに、プラスミドは、pBAC、pAK、BJ、MP、pGPD、MW、pUCP、CY、MAT、pMSP、SNX、PMなどの当該技術分野においてよく知れられている一連のものから選択され得る。より具体的には、プラスミドは、addgene(www.addgene.org)、thermofisher(www.thermofisher.com)、millipore(www.emdmillipore.com)、promega(www.promega.ca)、EMBL(www.embl.de)、GE Healthcare Life Sciences、Agilentなど、当業者によく知られているいくつかのカタログから選択され得る。
タンパク質
さらなる態様によると、本発明は、本明細書で定義されるポリヌクレオチドによりコードされる単離された組換えポリペプチド、特に本明細書で定義されるポリヌクレオチドによりコードされるタグを含む組換えタンパク質をさらに提供する。
あるいは、本発明は、配列番号2と少なくとも約40%同一である、特に少なくとも60%同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質タグを提供する。
さらに、あるいは、本発明は、配列番号4と少なくとも約90%同一である、特に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質タグを提供する。さらにより具体的には、タンパク質タグは、配列番号4によって定義される通りである。
またあるいは、タグタンパク質はその天然のミリストイル基を欠いており、これは、その融合パートナーを伴うTagRの精製にとって必須でないことが分かった。従って、特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号3に定義される通りである。
方法
リカバリンの精製は、カルシウムと可逆的に結合するその特性に基づく。リカバリンは、カルシウムと結合すると大きい立体構造変化を受ける21−24(図1)。カルシウムのない状態では、リカバリンのミリストイル基およびいくつかの疎水性残基は、深い疎水性ボックス内に隔離される(図1B)。しかしながら、その4つのEFハンドのうちの2つへのカルシウム結合は、このミリストイル基およびいくつかの疎水性残基の押出を誘発する24(図1A)。カルシウムの存在は、その疎水性アミノ酸の押出の結果としてカラムへのTagRの結合を可能にする。しかしながら、注目すべきことに、本発明者らは、このミリストイル基の存在が、その融合パートナーを伴うTagRの精製を改善しないことを見出した。
逆に、EGTAによるカルシウムイオンのキレート化は、TagRの大きい立体構造変化をもたらし、タンパク質内部のその疎水性残基の隔離を引き起こす(図1B)。
従って、本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質の精製は、純粋なリカバリンの場合のように単一段階の疎水性クロマトグラフィで実行することができる20。本出願人は、カラムからのその溶出を可能にするためにEGTAを用いてカルシウムが除去されたときに、TagRのC末端における対象のタンパク質の融合が、リカバリンの典型的な大きい立体構造変化の発生を妨げないことを見出した。
従って、対象のタンパク質は、タンパク質分解により、特にトロンビンを用いてTagRから切断および分離することができる。次に、対象のタンパク質は、切断サンプルに単にカルシウムを添加することによってTagRから分離される。結果として、リカバリンはその疎水性アミノ酸を露出させ、それにより、疎水性樹脂に対するその結合が可能になる。これにより、そのTagR融合パートナーを含まない、精製された対象のタンパク質の溶出が可能になる。次に、TagRは、例えば、EGTA、EDTAまたはBAPTAなどのカルシウムキレート剤を含有する緩衝液を用いて個別に溶出される。
従って、本発明の特定の態様によると、対象のタンパク質の発現および精製のための方法が提供され、本方法は、発現系において実質的に全長のTagRに融合されたタンパク質を発現させるステップと、融合タンパク質を精製するステップとを含む。特に、精製ステップは、カルシウムキレート剤の存在下で融合タンパク質を疎水性親和性カラムから溶出させることと、任意選択的に、TagRから切断された対象の精製タンパク質を得るために、溶出した融合分子を切断することとによって実行される。さらに、特に精製ステップは、対象の融合タンパク質をTagRから切断して、切断されたタンパク質/タグ混合物を得ることと、カルシウムの存在下で切断された対象のタンパク質/タグ混合物を疎水性親和性カラムにおいて溶出させることにより、切断された対象のタンパク質をタグから分離することとによって実行される。
特定の態様によると、本発明は、対象のタンパク質を生産するための方法も提供し、本方法は、対象のタンパク質の発現を可能にする条件下で細胞を成長させることを含み、細胞は、本明細書で定義されるポリペプチド、または本明細書で定義されるベクター、または本明細書で定義される発現カセットを含む。
特定の実施形態によると、本発明の融合ポリヌクレオチドがトランスフェクトされた細胞を、通常のLB成長培地よりも最少成長培地で培養したときに、著しく高レベルの発現および溶解性が得られる(成長培地を除いて培養条件は全て同じである)。実際に、いくつかの不溶性タンパク質は最少成長培地中でより強く発現され、より可溶性である。従って、特定の態様によると、本発明は、対象のタンパク質、特に不溶性タンパク質を生産するための方法も提供し、本方法は、本明細書で定義される細胞を、不溶性タンパク質のより良好な折り畳みを可能にするために最少成長条下で成長させることを含む。
洗浄剤の存在
また、TagRは、洗浄剤の存在下で高度に不溶性のタンパク質の精製も可能にし、これは、GSTを用いて達成することはできない。実際に、SDSは、精製に使用されるカラムに対する融合TagR−タンパク質の結合を妨げない。
キット
特定の態様によると、本発明は、対象のタンパク質の発現および精製のためのキットも提供し、本キットは、本明細書で定義されるポリヌクレオチド;および/またはタンパク質を適切なベクターに挿入する方法についての説明書;および/またはベクターを宿主細胞に形質転換する方法についての説明書;および/または組換え融合タンパク質を宿主細胞から単離する方法についての説明書;および/または組換え融合タンパク質を精製する方法についての説明書を含む。
あるいは、対象のタンパク質の発現および精製のためのキットは、本明細書で定義されるベクターまたは本明細書で定義される発現カセット;および/またはベクターを宿主細胞に形質転換する方法についての説明書;および/または組換え融合タンパク質を宿主細胞から単離する方法についての説明書;および/または本発明の方法に従って組換え融合タンパク質を精製する方法についての説明書を含む。
以下の実施例は、本発明の製造および使用方法の完全な開示および説明を当業者に提供するように提示されるものであり、本発明者らがその発明であると考えるものの範囲を限定することは意図されず、また、以下の実験が実施した全てまたは唯一の実験であると示すことも意図しない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関する精度を保証するための努力がなされているが、いくらかの実験誤差および偏差が考慮されるべきである。他に示されない限り、割合は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
従って、融合タンパク質パートナーの発現および溶解性を改善するリカバリンの特性を以下の実施例においてGSTタグの場合と比較した。
実施例1 − 材料および方法
1.1 tLRAT、RP2およびリカバリンのクローニング
本研究では、2つの対象のタンパク質:切断型レシチンレチノールアシルトランスフェラーゼ(tLRAT、アミノ酸31〜196)および網膜色素変性2(RP2)を使用した。ヒトtLRATは、既に記載されたように、プラスミドpET11a(Novagen)においてクローン化されている47,48。簡単に言うと、新たに解剖したヒト網膜色素上皮からのRNAをTri−reagent(Sigma)により単離し、RevertAid(登録商標)H minus First Strand cDNA合成キット(Fermentas)を用いる逆転写反応のために使用した。一方向性のクローニングを保証するために、付加的なNdeIおよびBpu1102 I制限部位を各プライマーの5’端部に取り付けた。次に、NdeIおよびBpu1102 IによりpET11aベクターを直線化し、続いて、tLRATに対応する精製PCR産物と連結させた。
GST融合タンパク質を発現させるためにpGEX−4T−3プラスミドにおいてクローン化されたヒトRP2構築物は、Dr.Alfred Wittinghofer(Max−Planck−Institut fuer Molekulare Physiologie,Germany)からの贈呈物であった。リカバリン(TagR)cDNAは、既に記載されたように、pET11a−Recベクターを作るために、新たに解剖したウシ網膜からクローン化されている42。RNAをTri−reagentにより単離し、逆転写反応のために使用した(RevertAidキット)。次に、第1のストランドcDNAを、リカバリンcDNAのコード配列を増幅するように、かつNdeIおよびBamHI制限部位を導入するように設計されたプライマーを用いるPCRのためのテンプレートとして使用した。次に、リカバリンの全長ウシcDNAをpET11aプラスミド内に連結させた。
1.2 pET11aおよびpGEX−4T−3におけるTagRまたはGSTと融合された、またはPolyHisタグと共に融合されたtLRATおよびRP2の異なる構築物の調製
tLRATまたはRP2のコード領域は、pET11a−Recベクター(終止コドンを持たない)のBamHI部位とEcoRI部位との間に挿入された。TagRの配列内に、部位特異的変異誘発(QuikChange Lightning,Agilent)によってGAGTTC(サイレント変異)に変化されているEcoRI部位(GAATTC)が存在したことは注目すべきである。さらに、tLRATまたはRP2のcDNAの前に、5つのグリシン、および次に特異的トロンビン切断部位(LVPRGS)を挿入した。最終構築物は次の通りである:BamHI−TagR−5グリシン−トロンビン切断部位−tLRATまたはRP2−EcoRI。RP2は、GSTと融合して提供した(pGEX−4T−3、上記を参照)。これには、pET11aについて上で説明されたように、5グリシンおよびトロンビン切断部位が含まれた。tLRATコード配列は、pGEX−4T−3ベクターのBamHI−EcoRI部位間に挿入された。従って、TagRおよびGSTタグは、tLRATおよびRP2のN末端に位置した。上に記載されるTagR−tLRAT構築物を用いて、polyHis(10ヒスチジン)タグもTagRと共に使用した。従って、10ヒスチジンおよび5グリシンは、PolyHis−TagR−tLRAT構築物を生産するために適切なプライマーを用いるPCRによってTagRのN末端に付加されている。
1.3 TagR−RP2、TagR−tLRAT、GST−RP2およびGST−tLRATの発現
TagR−tLRAT、TagR−RP2、GST−tLRATおよびGST−RP2のプラスミドDNAを大腸菌(E.coli)Bl21(DE3)RIPL(Novagen)に形質転換し、LB培地中で飽和状態になるまで一晩成長させた。次に、50μg/mlのアンピシリンおよびクロラムフェニコールを含有する新しいLBに形質転換培養物を播種し、攪拌(250rpm)下、A600nm=0.6になるまで37℃でインキュベートした。次に、イソプロピルβ−D−チオガラクト−ピラノシド(IPTG)(pET11aまたはpGEXベクターにおける構築物のそれぞれについて0.5および0.1mM)によりその発現を誘発した後、21℃で16時間インキュベーションを行った。次に、3,275gで25分間の遠心分離により細菌を沈降させた。まず、1mMのPMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル、プロテアーゼ阻害剤)を含む4mg/mlの濃度のリゾチーム250μlを用いて細菌溶解を行った。再懸濁した細胞を氷上に30分間保持した。次に細胞を超音波処理し、4℃において20,000gで30分間遠心分離した。この基の存在が、その融合パートナーを伴うTagRの精製を改善しないことを本発明者らが見出したように、そのミリストイル基がなくてもTagRが発現されたことは注目すべきである42(図1)。いくつかの実験は、NaHPO、NaHPO、KHPO、KHPO、ベタイン、NaSO、NHCl、0.2%のグルコース、チアミンおよびMgSOおよびStudier49の塩を含有する最少成長培地において21℃で16時間にわたり融合タンパク質を発現させることによっても実行された(比較のため、LB培地は、はるかに多い量の栄養物:トリプトンおよび酵母抽出物およびNaClを含有する)。
1.4 TagR−RP2およびTagR−tLRATの精製
TagR−RP2またはTagR−tLRATの発現から得られた50mlの細菌培養物からのペレットは、それぞれ4.75mlの緩衝液A(50mMのHepes(pH7.5)、100mMのNaCl、1mMのCaCl、5mMのβ−メルカプトエタノール)または緩衝液B(5mMのHepes(pH7.5)、1mMのCaCl、5mMのβ−メルカプトエタノール)中に再懸濁された。細菌溶解(実施例1.3を参照)および遠心分離(4℃において20,000gで30分間)後、透明化されたライセートを、緩衝液A(TagR−RP2)またはB(TagR−tLRAT)により予め平衡化された5mlのフェニルSepharose 6 Fast Flow(low sub 樹脂;GE Healthcare)を含有するカラムに負荷した。これらの融合タンパク質の精製は4℃で実施した。1mMのカルシウムの存在は、その疎水性アミノ酸の押出(図1A)の結果としてTagRのカラムへの結合を可能にする。次に、少なくとも10カラム体積の緩衝液A(TagR−RP2)またはB(TagR−tLRAT)でカラムを洗浄して、非特異的に吸着したタンパク質を除去した。次に、pH7.5の5mMのHepes、100mMのNaCl、5mMのβ−メルカプトエタノールおよび1mMのEGTAを含有する緩衝液Cを用いて融合タンパク質を溶出させた。実際に、EGTAによるカルシウムイオンのキレート化は、TagRの大きい立体構造変化をもたらし、その結果、その疎水性残基がタンパク質内部に隔離される(図1B)。次に、トロンビン(GE Healthcare)を用いて溶液中でTagRのその融合パートナーからの切断を達成した。1つの切断単位は、穏やかに攪拌しながら4℃で48時間にわたり100μgの融合タンパク質を消化する。次に、切断された融合タンパク質に10mMのCaClを添加し、10mMのCaClを含有する緩衝液A(TagR−RP2)またはB(TagR−tLRAT)により予め平衡化された同じカラムに負荷した。精製されたRP2はカラムに結合せず、第1の画分中に捕集される。Hitrap Benzamidine FFセファロースカラム(GE Healthcare)をフェニルセファロースカラムに接続することによりトロンビンを溶離液から除去し;ベンズアミジンは、樹脂に共有結合したトロンビンの合成阻害剤である。TagRおよび最終的に残存する非切断TagR−RP2融合タンパク質は、10mMのCaClを含有するカラムに結合する。5mMのHepes、100mMのNaCl、15mMのEGTA、5mMのβ−メルカプトエタノールを含有する緩衝液Dを用いてTagRおよび融合タンパク質を溶出させた。対照的に、切断されたtLRATはその疎水性のために疎水性カラムに強力に結合する(実施例5.1を参照)。カラムを緩衝液Dによる洗浄(これによりトロンビンが除去され、TagRおよび最終的に残存する非切断TagR−tLRAT融合タンパク質が溶出される)後、純粋なtLRATを純水で溶出させた。次に、濃縮SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)およびクエン酸緩衝液を直ちに精製tLRATに添加し、その沈殿を回避するためにそれぞれ0.05%および10mMの最終濃度に到達させた。
1.5 SDSの存在下におけるTagR−tLRATの疎水性カラムへの結合、および融合タンパク質の精製
TagR−tLRAT融合タンパク質は、0.05%のSDSも含有する(これにより融合タンパク質の徹底的な可溶化が可能になった)緩衝液A(実施例1.4)中に細菌培養物を再懸濁させたことを除いて、実施例1.3に記載されるように発現された。遠心分離の上澄みをphenyl Sepharose 6 Fast Flowカラムに負荷した。タンパク質の最大部分が0.05%SDSの存在下でカラムに結合し、これはGSTタグに当てはまらない。次に、少なくとも20カラム体積のSDSを含まない(融合タンパク質の切断は、SDSの存在下ではトロンビンにより達成することができない)同じ緩衝液によりカラムを洗浄した。緩衝液C(実施例1.4を参照)を用いてTagR−tLRATを溶出させた。これらの特定の実験ではTagR−tLRATの切断をアッセイしなかったが、実施例1.6に記載されるようなカラムにおいて直接実施するか、または融合タンパク質の溶出後に実施することができる。精製されたTagR−tLRATは、SDSの非存在下において可溶性のままである。
1.6 PolyHis−TagR−tLRATの発現、精製、PolyHis−TagRの切断、およびtLRATの精製
PolyHis−TagR−tLRAT融合タンパク質は、TagR−tLRATについて記載されるように(実施例1.3を参照)発現された。50mlの細菌培養物からのペレットを10mlの溶解緩衝液(100mMのTris、pH7.8、100mMのNaCl、1mMのEDTA、1mMのEGTA、1.4μg/μlアプロチニン)中に再懸濁する。まず、細菌を3サイクルの凍結−融解により破壊し、次に細胞懸濁液を氷上で3分間(5秒サイクル)超音波処理した。次に、細菌を13,000xgで30分間にわたり遠心分離した。上澄みを廃棄し、ローディング緩衝液(500mMのTris、5mMのイミダゾール、0.1%のSDS、pH7.8)中に膜ペレットを再懸濁した。次に、上澄みをHis−Trapカラム(GE Healthcare)に負荷した。500mMのTris(pH7.8)、30mMのイミダゾールおよび1mMのCaClを含有する200mlの緩衝液、および次に50mMのTris(pH7.8)、100mMのNaCl、0.1MのNDSB201(3−(1−ピリジニオ)−1−プロパンスルホナート、Sigma−Aldrich)および1mMのCaClを含有する付加的な緩衝液によりカラムを順次洗浄した。次に、トロンビンをカラム上で直接用いて、室温で40時間にわたりPolyHis−TagRをtLRATから切断した。さらに、6カラム体積の切断に使用した緩衝液(50mMのTris、pH7.8、100mMのNaCl、0.1MのNDSB201、1mMのCaCl)(これはトロンビンの除去を可能にする)によりカラムを洗浄した。次に、50mMのTris、pH7.8、100mMのNaCl、1mMのCaCl、0.1%のSDSおよび1mMのDTTを含有する緩衝液を用いてtLRATを溶出させた。最後に、500mMのTris、pH7.8、150mMのイミダゾールおよび0.1%のSDSを含有する緩衝液を用いて、切断されたPolyHis−TagRおよび非切断融合タンパク質を溶出させた。
1.7 ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびウエスタンブロット
タンパク質の発現レベルおよび純度の分析は、Bio−Rad Mini−protean II電気泳動セルにおいて実行した。15%アクリルアミドSDS−PAGE(SDS−ポリアシルアミドゲル電気泳動)(または12%アクリルアミド、実施例4.2および図7を参照)を用いてタンパク質サンプルを分離した。次に、電気泳動法ゲルをクマシー染色し、染色済みタンパク質分子質量マーカー(Thermo Fisher Scientific)を用いてタンパク質の同定を実施した。TagR−tLRAT、GST−tLRAT、TagR−RP2およびGST−RP2、ならびに精製tLRATおよびRP2に帰属されるバンドの同一性は、これらの特異的タンパク質に対する抗体を用いるウエスタンブロットにより、かつ精製tLRAT、RP2およびリカバリンについては質量分析により確認した。
実施例2 − ベクターおよび融合タグの種類に対するタンパク質発現レベルの依存性の比較
2.1 異なるベクターを用いてTagRと融合したタンパク質発現の比較
融合タグは、その発現を改善し、その分解を低減することにより、対象のタンパク質の全収率を潜在的に増大させることができる。しかしながら、タンパク質発現レベルは、クローニングベクター中に存在するプロモーターに高度に依存する。従って、pET11aおよびpGEX−4T−3発現ベクター内のTagR−tLRATの発現は、同じ培養条件を用いて実施した。次に、その発現レベルは、細菌溶解後にSDS−PAGEによって比較した。図2に示されるように、pET11aまたはpGEX−4T−3においてクローン化したときにTagR−tLRATにより同様のレベルの発現が得られた(矢印を参照)。実際に、これらの2つのベクターを用いて発現させたときに、TagR−tLRATのバンドの強度は同様である。TagR−RP2を用いて同じ実験を実行し、同様の結果を得た。従って、pET11aおよびpGEX−4T−3は、本発明者らの実験で対象のタンパク質を発現させるために等しく使用することができる。
2.2 同じベクターを用いてTagRおよびGSTと融合したタンパク質発現の比較
同じ条件を用いてベクターpGEX−4T−3においてTagRまたはGSTのいずれかと融合してtLRATを発現させた。図3に示される溶解細菌のSDS−PAGEにおいて見られるように、TagRと融合したtLRATの発現レベルは、GSTと融合したものと同様である。実際に、TagR−tLRATのバンドの強度は、対応するGST−tLRATと同様である(矢印参照)。従って、TagRまたはGSTと融合したこれらの2つの対象のタンパク質の発現レベル間に有意な差はない。従って、これに関連して、TagRは、これらの2つのタンパク質の発現を改善するその能力に関してGSTと類似した特性を有すると結論付けることができる。
実施例3 − TagRおよびGSTタグを用いた融合タンパク質の溶解性の比較
3.1 RP2の溶解性はGSTと融合するよりもTagRと融合した場合にはるかに大きい
pET11aまたはpGEX−4T−3ベクターを用いた同じ融合タンパク質(図2)、ならびに同じベクターにおいてTagRまたはGSTと融合した同じ対象のタンパク質(図3)について同様のレベルの発現が得られた。従って、pET11aにおけるTagR−RP2およびpGEX−4T−3におけるGST−RP2は、その発現レベルを比較するために同じ条件を用いて発現させた。図4は、細菌の溶解後、GST−RP2(レーン5)の方がTagR−RP2(レーン1)よりも大きい発現レベルが得られることを示す(TagR−RP2およびGST−RP2に対応するバンドの矢印を参照)。しかしながら、TagR−RP2はGST−RP2よりも溶解性が高い。実際に、溶解細菌の遠心分離により、上澄み(可溶性画分、レーン2および4)およびペレット(不溶性画分、レーン3および6)の分析が可能になった。不溶性TagR−RP2(レーン3)の量は、ペレットのGST−RP2(レーン6)の量と比べて非常に小さいことが分かる。従って、可溶性TagR−RP2(レーン2)の量と不溶性TagR−RP2(レーン3)の量との比は、GST−RP2(レーン4とレーン6とを比較)の場合よりもはるかに大きい。従って、TagRは、GSTの場合よりもはるかに良好なRP2の溶解性を提供する。
3.2 TagRまたはGSTと融合されたtLRATと、異なる成長培地において融合されたtLRATとの溶解性の比較
pGEX−4T−3におけるTagR−tLRATまたはGST−tLRATについて同様の溶解性が得られた。実際に、図5Aにおいて分かるように、上澄み中の可溶性TagR−tLRAT(レーン3)の量は、GST−tLRAT(レーン4)の量と同様である。従って、同様の量の不溶性TagR−tLRAT(レーン5)およびGST−tLRAT(レーン6)が得られた。また図5Aは、細菌溶解後、TagR−tLRAT(レーン1)またはGST−tLRAT(レーン2)と融合した、同様のレベルのtLRATの発現が得られたことも示し、これは、図3に示されるデータとも一致する。従って、TagRおよびGSTは、同様であるが低いtLRATの溶解性を提供する。従って、これらのデータは、tLRATを可溶化するためにTagRおよびGSTタグを同等に使用することができるが、これらの融合パートナーがtLRATを可溶化するためにあまり効率的でないことを示唆する。これは、このタンパク質の高疎水性と一致する(実施例5.1を参照)。しかしながら、タンパク質が最少成長培地を用いて発現される場合、TagRはGSTよりも良好に機能する(図5B)。
図5Bにおいて分かるように、pGEX−4T−3におけるTagR−tLRATが通常のLB成長培地よりも最少成長培地で培養される場合、著しく大きいレベルの発現および溶解性が得られる(培養条件は成長培地を除いて全て同じである)。実際に、最少成長培地のTagR−tLRATのバンドの強度(レーン4)は、通常のLB成長培地(レーン1)よりもはるかに高い。従って、TagR−tLRATは、最少成長培地においてより強力に発現される。加えて、TagR−tLRATの溶解性は、最少成長培地で成長させた場合(レーン5)、通常のLB成長培地で成長させた場合(レーン2)よりもはるかに高い。レーン2および5の可溶性タンパク質のそれぞれの量を比較すると、最少成長培地(レーン6)よりも通常のLB成長培地(レーン3)を用いてより大量の不溶性TagR−tLRATが産生される。tLRATの完全な可溶化は、SDSの存在を必要とする(実施例5.1を参照)。対照的に、最少成長培地におけるGST−tLRATについては発現が得られなかった。従って、LBおよび最少成長培地を用いるGST−tLRATの発現および溶解性は、比較することができず、従ってこれらの結果は示されない。
実施例4 − TagR融合タンパク質の精製、TagRの切断、および対象のタンパク質の精製
4.1 TagR−RP2の精製、TagRの切断、およびRP2の精製
図6は、フェニルセファロースにおける単一段階の疎水性クロマトグラフィを用いて高度に精製されたTagR−RP2が得られたことを示す。純粋なリカバリンの場合のように、EGTAを用いて、高度に精製されたTagR−RP2が溶出された(レーン3、矢印を参照)42。従って、これらのデータは、RP2のリカバリンとの融合が、EGTAを用いてカルシウムが除去されたときに起こるリカバリンの大きい立体構造変化(図1B)を妨げず、カラムからのその溶出を可能にすることを示唆する。さらに、タンパク質の切断後に融合タンパク質が残らない(レーン4)ため、トロンビンを用いるタンパク質分解時に定量的な切断が得られる。次に、カルシウムを切断サンプルに添加することにより純粋なRP2をTagRから分離した。結果として、TagRは、その疎水性アミノ酸を露出させ(図1A)、それにより、そのフェニルセファロース樹脂への結合が可能になる。これは、そのTagR融合パートナーを含まない精製RP2の溶出を可能にする(レーン5、矢印を参照)。次に、TagRは、EGTAを含有する緩衝液を用いて溶出される(レーン6、矢印を参照)。従って、TagRとの融合でRP2を高度に発現させることができ、TagR融合パートナーを良好に切断することができ、汚染物質を含まない精製RP2が得られる。これに関して、TagR(本発明のデータ)およびGST50は、RP2を発現および精製するために同様に機能する。しかしながら、TagRはカラム上および溶液中の両方で切断を可能にするが、GSTの場合、結合グルタチオンの透析を回避するために、切断はカラム上で実施されなければならない。
4.2 TagR−tLRATの精製、TagRの切断、およびtLRATの精製
図7は、フェニルセファロースにおける単一段階の疎水性クロマトグラフィを用いて高度に精製されたTagR−tLRATが得られたことと、この融合タンパク質の切断およびtLRATの精製を達成できたこととを示す。図5Bに示されるように、最少成長培地で培養された細菌で発現される場合、TagR−tLRATの大部分は可溶性である。TagR−tLRATが、細菌ライセートから完全に可溶化されるためにSDSの存在を必要とすることは注目すべきである(実施例5.1を参照)。それにもかかわらず、図7において、全ライセート中のTagR−tLRATのバンドの同一性(レーン1、矢印を参照)は、全ライセートの遠心分離後の上澄み中のTagR−tLRAT(レーン2)と同様であるが、ペレット中にごくわずかなTagR−tLRAT(存在する場合)のみを見出し得る(レーン3)ことが分かる。従って、TagR−tLRATは高溶解性である。カラムの徹底的な洗浄(レーン5)後、純粋なTagR−RP2の場合(実施例4.1を参照)のように、EGTAを用いて、高度に精製されたTagR−tLRATが溶出された(レーン6、矢印を参照)。さらに、次にトロンビンを用いてTagR−tLRATを切断した(データは示さず)。EGTAを含有する緩衝液を用いてTagRを溶出させたが(レーン7、矢印を参照)、そのTagR融合パートナーを含まない精製tLRATは、純水を用いて溶出させた(レーン8、矢印を参照)。なぜなら、恐らくそれが非常に高度に疎水性のタンパク質であり、恐らくtLRATの疎水性カラムへの強力な結合をもたらすからである。SDSを含有する緩衝液を用いてtLRATが溶出され得ないことは注目すべきである。タンパク質の沈殿を回避するために、精製されたtLRAT画分にSDSを直ちに添加しなければならないことを強調する必要がある。
実施例5 − TagR融合タグが単独でまたは別のタグと共にSDSの存在下でタンパク質精製を可能にし得ることの実証
5.1 SDSの存在下でのTagR−tLRATの疎水性カラムへの結合、および融合タンパク質の精製
tLRATは非常に疎水性のタンパク質であり、高溶解性の融合パートナーの非存在下では、その可溶化のために洗浄剤の存在を必要とする。本発明者らは、実際に、アッセイした多数の洗浄剤の中でSDS(0.05%p/v;cmc 約0.17〜0.23%)のみがtLRATの完全な可溶化を可能にしたことを示した48。高濃度のSDSは、タンパク質の変性をもたらし得る51。従って、本発明者らは、tLRATの酵素活性が0.05%〜1%のSDSでは変化しないままであること、およびこの活性が文献48で報告される最大活性よりも55,000倍高いことを実証した。従って、この濃度範囲のSDSはtLRATに有害な影響を与えないと結論付けることができる。図8に示されるように、0.05%のSDSを細菌ライセートに添加すると、TagR−tLRATの最大部分の可溶化が可能になった(レーン1)。TagR−tLRATは、遠心分離後、ほとんど上澄み中にのみ見出すことができる(それぞれレーン2および3の可溶性画分および不溶性画分のTagR−tLRATのバンドの強度と比較、矢印を参照)。ペレットは、実際に融合タンパク質をほとんど含有しない(レーン3)。図8は、TagR−tLRATの大部分がSDSの存在下でフェニルセファロースカラムに結合する(レーン4)が、GSTのグルタチオンカラムへの結合はSDSの存在下で観察されない41ことを実証する。SDSのあらゆる痕跡を除去して、トロンビンを用いるカラム上でのTagR−tLRATの切断を可能にする(本実験ではアッセイなし)ため、カラムを徹底的に洗浄した(レーン5)。最後に、SDSの非存在下でEGTA緩衝液を用いてTagR−tLRATを溶出させた(レーン6)。
5.2 PolyHis−TagR−tLRATの精製、PolyHis−TagRの切断、およびtLRATの精製
デュアルタグ、またはタンデム精製手順が近年開発されている1,4,9,11,12,22,23。これは、両方がN末端もしくはC末端において、または一方がN末端および他方がC末端においてクローン化され得る2つの異なるタグからなる。しかしながら、これらのタグは、対象のタンパク質の単一の端部に位置する場合により容易に切断することができる。デュアルタグは、好ましくは、可溶化および精製タグを含むべきである。単一の精製ステップはクローニング戦略が適切に設計される場合に達成することができるが、これは、現在までほとんど達成されていない。本発明者らの実験では、tLRATと融合したTagRのN末端にPolyHisタグをクローン化して、PolyHis−TagR−tLRATの構築を生じさせた。精製は、SDSの存在下でPolyHisタグの結合を可能にする固定化金属親和性クロマトグラフィを用いて達成された。また、精製は、恐らく、図8に示されるようにSDSの存在下で疎水性フェニルセファロース樹脂に結合するTagRの特性を用いても実施され得る。SDSは、PolyHis−TagR−tLRAT融合タンパク質の徹底的な可溶化を可能にする(図9のレーン1および2を比較)。カラムを徹底的に洗浄した後、トロンビンをカラムに注入し、36時間インキュベートした。それにより、tLRATがPolyHis−TagRタグから切断された。次に、SDSを用いて純粋なtLRATをカラムから溶出させた(レーン4)。非切断融合タンパク質および切断PolyHis−TagRは、最後にイミダゾールを用いて溶出させた(レーン5)。
実施例6 − デュアルTagsRタグ化タンパク質
デュアルTagsRは、疎水性フェニルセファロース樹脂に結合するその特性を妥協することなく、対象のタンパク質の溶解性をさらに高めるために使用される。このために、第1のリカバリン融合パートナーのC末端に第2のリカバリン分子がクローン化される。発現および精製は、既に記載されたように実行される。
考察
TagRおよびGSTの特性を比較したとき、本発明者らは、pGEX−4T−3で形質転換された細菌のペレットが、通常、pET11aで得られるよりもはるかに多いことを観察した。しかしながら、これは、図2において観察されるように、より多量の対象のタンパク質の発現をほとんどもたらさなかった。しかしながら、pET11a中のTagR−RP2よりも高いpGEX−4T−3中のGST−RP2の発現が観察されたが、これはTagR−RP2よりも少ない可溶性GST−RP2の部分をもたらした(図4)。
タンパク質発現の増大は興味深い結果であるが、主要な課題は、可溶性タンパク質を得ることである。実際に、タンパク質の高発現は、タンパク質の溶解性に有害であり得る。実際に、高発現率では、タンパク質の折り畳みは、より低い発現率で実施される場合ほど効率的でない可能性がある。これは、通常のLB培地および最少発現成長培地で細菌を培養したときに可溶性タンパク質の産生を比較した図5Bにおいて十分に認識することができる。データは、少量の栄養物を含有する最少発現成長培地によってタンパク質の産生が減速される場合、より可溶性で恐らくより良好に折り畳まれたタンパク質が産生されることを明らかに示す14
本発明者らは、意図的に、可溶化するのが困難なタンパク質のtLRATを用いて実験の大部分を実施することを選択した。実際に、tLRATは、図5Aに示されるように、GSTまたはTagR融合パートナーのいずれを用いても溶解性が低い。しかしながら、上述したように、TagR−tLRATは、最少成長培地で培養した細菌を用いるとはるかにより可溶性になるが(図5B)、GST−tLRATのタンパク質発現は、これらの条件下で得ることができない。従って、これは、GSTと比べてTagR技術の明らかな利点である。また、TagRは洗浄剤の存在下におけるtLRATの精製も可能にし、これは、GSTを用いて達成することができない。実際に、SDSは、その精製に使用されるカラムに対するTagR−tLRATの結合を妨げないが(図8)、同じ洗浄剤の存在下でGST融合タンパク質のグルタチオン樹脂への結合は観察できない41。産業界からの主要な関心は、この技術が、低分子質量タンパク質から高分子質量タンパク質までの広範な対象のタンパク質の可溶化を可能にするはずであることである。
本発明者らは、デュアルTagR(1つのTagRが別のTagRのC末端においてクローン化される)融合パートナーが、疎水性フェニルセファロース樹脂に結合するその特性を妥協することなく対象のタンパク質の溶解性をさらに高めることを可能にし得ると予測した。次に、デュアルTagRは、「可溶化が困難な」対象のタンパク質の可溶化に関して改善された技術を表し得る。最も重要なのは、その可溶化のために洗浄剤を使用しなければならない場合でも、対象のタンパク質の精製を達成可能なことであり得る。これは、融合パートナーとしてTagRを用いる場合に可能であることが示された(図8)。
産業界からの付加的な関心は、その融合パートナーからのその切断後に可溶性の対象のタンパク質の産生である。RP2およびtLRATは、TagRからのその切断後に可溶性のままであることが示された(図6および7)。SDSは、tLRATの沈殿の防止を可能にする(図7および9)。従って、本発明者らは、その切断および精製後も可溶性のままである「可溶化が困難な」対象のタンパク質(tLRAT)を精製することに成功し、それにより産業界の関心を満足させる。
デュアルタギング方法は、近年、例えば、溶解性向上タグおよび精製タグを組み合わせることによって使用されている。しかしながら、この手順は、構築物を慎重に計画しないとタグの除去を複雑にする。従って、本発明者らは、PolyHisタグをTagRのN末端に付加して、これらがタンデムに使用できるかどうか見極めた。このアプローチにより、TagRを単独で使用した場合(図7)のように、tLRATの精製およびPolyHis−TagRタグの除去を同時に行うことが可能になった(図9)。
GSTは、その高溶解性のため、また、通常、そのグルタチオン基質と共有結合する樹脂を用いる単一段階の親和性クロマトグラフィを使用してタンパク質精製を可能にするため、圧倒的に最も広く使用されるタンパク質タグである。しかしながら、洗浄剤の使用は、GSTタグのグルタチオン樹脂への結合を防げ41、従って、これにより広範なタンパク質、特に膜に関連するタンパク質(これらは、その可溶化のために通常洗浄剤を必要とするため)に対するその使用が制限される。加えて、グルタチオンに対するGSTの高親和性は、プロテアーゼ消化後に切断されたGSTからの対象のタンパク質の直接的な精製を妨げる。実際に、グルタチオンをGSTから除去するためにまず透析が実施されなければならず、これにより精製手順が長くなり、通常、タンパク質の収率の低下が起こる。対照的に、洗浄剤の存在は、アッセイしたTagR融合タンパク質のタンパク質精製を妨げない。さらに、GSTのその樹脂への結合の緩徐な速度論に関する懸念が生じており、これは、非常に時間のかかる細胞ライセートのクロマトグラフィカラムへの負荷がもたらす52
マルトース結合タンパク質(MBP)53は、2番目に多く使用されるタンパク質タグである。これは、いくつかの対象のタンパク質の溶解性を増大させることが示されている54,55。また、これはMBPのアミロース基質と共有結合する低コストの樹脂による親和性精製を可能にするため、魅力的であることも見出された。しかしながら、本発明者らおよび他者らは56−58、MBP融合タンパク質がアミロース樹脂に適切に結合できないことを見出した。従って、MBPは、その融合パートナーの精製を達成するために他のタグと組み合わせて使用されることが多いが、これにより精製手順が長くなり、タンパク質の収率の低下およびこれらの実験のコストの増大が起こる。従って、安価な技術であるが、親和性クロマトグラフィを用いて単一段階でその融合タンパク質パートナーの精製を達成するのが困難であることは、このタンパク質タグに対する関心を低下させている。
チオレドキシン59およびユビキチン様調節剤(SUMO)60は溶解性を高めるが、精製タグではないため、あまり関心を引いていない。従って、これらは、タンパク質精製を達成するために小さい精製タグと組み合わせて使用されなければならず、手順が複雑になる。また、SUMO技術は非常に高価であることも注目すべきである。従って、これらのタンパク質タグはあまり魅力的でない。
本明細書において示されるように、TagR技術は、GSTよりも効率的なその融合パートナーの発現および可溶化を可能にする。さらに、融合パートナーの精製および切断を可能にする。加えて、GSTおよび非常に一般的な小さいPolyHisタグよりも使用が安価である。実際に、GST、PolyHisおよびTagRの精製に使用される市販の樹脂は10mgのタンパク質を精製するために、それぞれ62$、43$および34$かかる。従って、TagRは、対象のタンパク質の発現および溶解性を改善するための新しい魅力的な技術と思われる。さらに、TagRはその融合パートナーの精製を可能にし、タンパク質分解的切断によって容易に除去することができる。
結論
本発明者らは、対象のタンパク質の溶解性および精製を改善するために、本明細書において新しいタンパク質タグを提示している。この新しいタンパク質タグは、TagRと呼ばれている。これは、広く研究された23kDaタンパク質リカバリンであり、タンパク質タグに特有の特性を有する。実際に、リカバリンは高溶解性(>30mg/ml)であり、単一段階で高度に精製することができ、細菌におけるその発現レベルは非常に高い(>30mg/L培養物)42。その精製は、カルシウム−ミリストイルスイッチによりカルシウムに可逆的に結合するその特性に基づく。リカバリンは、カルシウム結合時に大きい立体構造変化を受ける43−46。実際に、その4つのEFハンドのうちの2つへのカルシウム結合は、そのミリストイル基およびいくつかの疎水性残基の押出を誘発する(図1A)46。カルシウムを含まない状態では、リカバリンのミリストイル基およびいくつかの疎水性残基は、深い疎水性ポケット内に隔離される(図1B)。従って、精製は疎水性クロマトグラフィを用いて実施され、カルシウム結合リカバリンは樹脂に強力に結合するが、カルシウムを含まないタンパク質は汚染物質を含まずに溶出され得る42
本発明者らは、高純度のリカバリンを達成するためにミリストイル基の存在が必要でないことを既に示した42。従って、融合タンパク質パートナーの溶解性を改善し、その精製を可能にするTagRの特性は、GSTタグを用いた同じ対象のタンパク質と比較された。
本発明はその特定の実施形態に関連して説明されたが、さらなる修正形態が可能であることと、本出願が、一般に本発明の原理に従い、かつ本発明が関係する技術分野において既知のまたは習慣的な実施の範囲内にあるもの、および上記の本明細書中の本質的な特徴に適用可能であるもの、および添付の特許請求の範囲に従うものなどの本開示からの逸脱を含む、本発明のあらゆる変化形態、使用、または適応形態を包含することが意図されることが理解されるであろう。
本明細書において言及される全ての特許、特許出願および刊行物は、それぞれ独立した特許、特許出願、または刊行物が参照によって援用されると具体的および個別に示された場合と同じ程度まで、参照によって本明細書中に援用される。
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配列表
配列番号1
核酸配列 − 全長天然リカバリン
Figure 2018521690
配列番号2
アミノ酸配列 − 全長天然リカバリン(開始Metは除去される)
Figure 2018521690
配列番号3
核酸配列 − 変異リカバリン(+NdeIおよびBamHI制限部位、+サイレント変異、ミリストイル基なし)
Nde1部位
Figure 2018521690
TからCへ:サイレント変異
EcoR1部位はGAATTCをGAGTTCに変化させた:サイレント変異
末端の5グリシン(GGCまたはGGT)+トロンビン切断部位(Leu−Val−Pro−Arg−Gly−Ser:L(CTG),V(GTT),P(CCG),R(CGT),G(GGA),S(TCC))
終止コドンはBamH1部位(GGATTC)により除去および置換され、これはトロンビン認識部位からのグリシンおよびセリンにも対応する。
配列番号4
アミノ酸配列 − 変異リカバリン(+NdeIおよびBamHI制限部位、+サイレント変異、ミリストイル基なし)
Figure 2018521690

Claims (49)

  1. 精製される対象のタンパク質をコードする配列と、EFハンドカルシウム結合タンパク質ファミリーのタンパク質をコードするタグポリヌクレオチドとを含むポリヌクレオチド分子であって、前記EFハンドカルシウム結合タンパク質がカルシウムの存在下または非存在下で立体構造変化を受ける、ポリヌクレオチド分子。
  2. 前記立体構造変化がカルシウムの存在下での疎水性アミノ酸の押出を含む、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 前記コード化タグタンパク質が少なくとも約40%のリカバリンとの同一性を含む、請求項1または2に記載のポリヌクレオチド。
  4. 前記コード化タグタンパク質が少なくとも約60%のリカバリンとの同一性を含む、請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  5. 前記コード化タグタンパク質が、リカバリンの3D構造と比較したときに2.5Å未満の平均二乗偏差(RMSD)を含む、請求項4に記載のポリヌクレオチド。
  6. 前記RMSDが2Å未満である、請求項5に記載のポリヌクレオチド。
  7. 前記EFハンドカルシウム結合タンパク質が、リカバリン、GCAP1、GCAP2、GCAP3、GCIP、KChIP1、KChIP2、カルセニリン/DREAM、NCS1/フリクエニン、ニューロカルシンデルタ、ヒポカルシン、およびVILIP−からなる群から選択される神経カルシウムセンサータンパク質である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  8. 前記タグポリヌクレオチドがリカバリンをコードする、請求項7に記載のポリヌクレオチド。
  9. コード化リカバリンタグが実質的に全長である、請求項8に記載のポリヌクレオチド。
  10. 前記コード化リカバリンタグが約23kDの分子量を有する、請求項9に記載のポリヌクレオチド。
  11. 前記コード化リカバリンが配列番号2または4によって定義される、請求項8〜16のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  12. 前記タグポリヌクレオチドが、前記タグタンパク質の末端におけるタンパク質分解的切断部位をさらにコードする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  13. 前記タンパク質分解的切断部位がプロテアーゼによって切断される、請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  14. 前記プロテアーゼが、トロンビン、TEVおよびHRV C3からなる群から選択される、請求項13に記載のポリヌクレオチド。
  15. 前記プロテアーゼ切断部位の配列がLVPRGS、ENLYF(Q/G)およびLEVLF(Q/G)Pから選択される、請求項14に記載のポリヌクレオチド。
  16. 前記タグポリヌクレオチドが配列番号1に対して約90%以上の核酸同一性を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  17. 配列番号3によって定義される、請求項16に記載のポリヌクレオチド。
  18. 制限部位をコードする1つまたは複数の配列を、前記ポリヌクレオチドのN末端もしくはC末端の一方においてまたはその近くにおいて前記ポリヌクレオチド中に導入している、請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  19. 前記制限部位がNdeIおよびBamHIまたは両方の制限部位の組み合わせを含む、請求項18に記載のポリヌクレオチド。
  20. 前記対象のタンパク質が前記タグ分子のC末端に位置する、請求項19に記載のポリヌクレオチド。
  21. プロモーターに作動可能に連結されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  22. プラスミドを含む、請求項21に記載のベクター。
  23. 前記プラスミドが、pET11aおよびpGEX−4T−3PEXからなる群から選択される、請求項22に記載のベクター。
  24. 発現宿主細胞内で機能性の転写開始領域と、
    請求項1〜17のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドと、
    前記発現宿主細胞内で機能性の転写終結領域と
    を含む発現カセット。
  25. 請求項24に記載の発現カセットを含む宿主細胞。
  26. 対象のタンパク質を発現させるための方法であって、請求項21〜23のいずれか一項に記載のベクターまたは請求項24に記載の発現カセットを含む発現系において、リカバリンタグ(TagR)に融合された前記対象のタンパク質を発現させるステップを含む方法。
  27. 対象のタンパク質の発現の方法であって、請求項25に記載の宿主細胞においてリカバリンタグ(TagR)に融合された前記対象のタンパク質を発現させるステップを含む方法。
  28. 前記タンパク質の前記発現が、前記タグタンパク質の折り畳みを可能にするために最少成長培地を用いて実行される、請求項27に記載の方法。
  29. 対象のタンパク質を生産するための方法であって、請求項26〜28のいずれか一項に記載のタンパク質の発現を可能にする条件下で細胞を成長させることを含み、前記細胞が、
    請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、または
    請求項21〜23のいずれか一項に記載のベクター、または
    請求項24に記載の発現カセット
    を含む、方法。
  30. 対象のタンパク質を精製するための方法であって、
    請求項26〜28のいずれか一項に記載の前記対象のタンパク質を発現させるステップ、または
    請求項29に記載の前記対象のタンパク質を生産するステップと、
    カルシウムの存在下で疎水性親和性クロマトグラフィにおいて前記融合タンパク質を不要な成分から分離することにより、前記融合タンパク質を精製するステップと
    を含む方法。
  31. 前記精製ステップが、カルシウムキレート剤の存在下で前記融合タンパク質を疎水性親和性カラムから溶出させることと、任意選択的に、前記タグから切断された前記対象の精製タンパク質を得るために、前記溶出した融合分子を切断することとによって実行される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記精製ステップが、前記対象の融合タンパク質を前記タグから切断して、前記切断されたタンパク質および前記タグを含む混合物を得ることと、カルシウムキレート剤の存在下で前記切断されたタンパク質を前記疎水性親和性カラムにおいて溶出させることにより、前記切断された対象のタンパク質を前記タグから分離することとによって実行される、請求項30に記載の方法。
  33. 前記カルシウムキレート剤が、EDTA、EGTAおよびBAPTAからなる群から選択される、請求項30または31に記載の方法。
  34. 前記カルシウムキレート剤がEGTAである、請求項33に記載の方法。
  35. EFハンドカルシウム結合タンパク質ファミリーのタンパク質に融合された対象のタンパク質を含む融合タンパク質であって、前記EFハンドカルシウム結合タンパク質がカルシウムの存在下または非存在下で立体構造変化を受ける、融合タンパク質。
  36. 請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドによってコードされる融合タンパク質。
  37. 前記タグタンパク質が少なくとも約40%のリカバリンとの同一性を含む、請求項36に記載のタンパク質。
  38. 前記コード化タグタンパク質が少なくとも約60%のリカバリンとの同一性を含む、請求項37に記載のタンパク質。
  39. 前記タグが配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有する、請求項38に記載のタンパク質。
  40. 前記タグが配列番号2に対して少なくとも95%のアミノ酸同一性を有する、請求項39に記載のタンパク質。
  41. 前記タグが配列番号4によって定義される、請求項40に記載のタンパク質。
  42. 前記コード化タンパク質タグがミリストイル化されていない、請求項35〜41のいずれか一項に記載のタンパク質。
  43. さらなるタグ分子を含む、請求項42に記載のタンパク質。
  44. 前記さらなるタグ分子がポリ−ヒスチジンタグまたはリカバリンタグ(TagR)から選択される、請求項43に記載のタンパク質。
  45. N末端位置に位置する2つのリカバリン分子を含む、請求項43または44に記載のタンパク質。
  46. 対象のタンパク質の発現および精製のためのキットであって、
    ・請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド;および
    ・前記ポリヌクレオチドを適切なベクターに挿入する方法についての説明書;および/または
    ・前記ベクターを宿主細胞に形質転換する方法についての説明書;および/または
    ・組換え融合タンパク質を前記宿主細胞から単離する方法についての説明書;および/または
    ・請求項30〜34のいずれか一項に記載の前記組換え融合タンパク質を精製する方法についての説明書
    を含むキット。
  47. 対象のタンパク質の発現および精製のためのキットであって、
    ・請求項21〜23のいずれか一項に記載のベクターまたは請求項24に記載の発現カセット;および
    ・前記ベクターを宿主細胞にトランスフェクトする方法についての説明書;および/または
    ・組換え融合タンパク質を前記宿主細胞から単離する方法についての説明書;および/または
    ・請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法に従って前記組換え融合タンパク質を精製する方法についての説明書
    を含むキット。
  48. 請求項1〜20のいずれか一項に記載のEFハンドカルシウム結合ファミリーからのタンパク質の、タンパク質精製のためのタグとしての使用。
  49. タンパク質精製のためのタグとして使用するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載のEFハンドカルシウム結合ファミリーからのタンパク質。
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