JP4546089B2 - 融合タンパク質 - Google Patents

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Description

本発明は、特別には発現系及び/又は精製系における使用のための融合タンパク質(融合ポリペプチド)に関する。
精製タンパク質はいくつかの適用において必要とされる。しかしながら、充分な量の純粋なタンパク質の単離は時には問題を有する。タンパク質機能の研究のために、大量の着目のタンパク質(例えば、突然変異タンパク質)がしばしば必要とされる。タンパク質の異種性の産生のために多様な発現システムが使用された。タンパク質発現の分野においては、この10年間で他の宿主において非常に大きな進歩があったにもかかわらず、大腸菌(Escherichia coli(E. coli))はいまだに最も一般的な宿主である。細菌中でのタンパク質発現が比較的単純でその細菌体についての知見が非常に多く、且つ(時には最も重要であるが、)産生にかかる費用が低いという理由によって、大腸菌は人気がある。
タンパク質は大腸菌中で直接的に、又は融合タンパク質としても知られる(「融合パートナー」及びタンパク質又はポリペプチドの)融合物として発現されることができる。融合パートナーの目的は、アフィニティータグ(例えば、Hisnタグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、セルラーゼ結合ドメイン、インテインタグ)を提供すること、タンパク質をより可溶性にすること(例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)、ジスルフィド結合の形成を可能にすること(例えば、チオレドキシン)又はジスルフィド結合の形成のための条件が最適である場合に融合タンパク質をペリプラズムへ運び出すこと(例えば、DsbA及びDsbC)である。融合パートナーとして使用されるタンパク質は通常は小さい(30kDa未満)。
TolAは以下の:(1)内膜の統合性の維持;及び(2)コリシン及びバクテリオファージの取り込み;に関係する細胞周辺タンパク質である。最初の機能はTolA突然変異体による外膜不安定性の増加(例えば、SDS感受性)によって証明される。この機能は、多様な著者によって明らかにされ、TolBタンパク質との相互作用に依存することができる(Levengood-Freyermuth et al., 1993, J. Bacteriol. 175:222-228; Wan & Baneyx, 1998, Protein Expression & Purification 14:13-22)。Wan及びBanex(1998、上記)は、TolAのC末端TolAIIIドメイン(以下を参照のこと)の同時発現が、TolAIIIドメインの過剰産生が外膜を破壊し、周辺タンパク質を増殖培地中へ浸出させ、大腸菌の増殖培地中への周辺組換えタンパク質の回収を容易にすることを実証した。
TolAの第2の機能はファージタンタンパク質(Lubkowski, J et al., 1999, Structure With Folding & Design 7: 711-722)及びコリシン(Gokce, I. et al., 2000, J. Mol. Biol. 304:621-632)がTolAを受容体として利用することに基づく。これは、tolA突然変異体のファージ/コリシン耐性及びtolA−タンパク質の相互作用の物理的方法による直接的な実証によって明らかにされた。TolAは3のドメインから構成される。短いN末端ドメインは、TolAを内膜につなぎとめる単一の膜貫通ヘリックスから構成される。第2に、最大のドメインは極性で主にαヘリックス構造を有する。C末端ドメインIII(TolAIII)は、小さく、92のアミノ酸から成る。その3D構造は細菌Ff線維状バクテリオファージのマイナーコート遺伝子3タンパク質のN1ドメインとの複合体において明らかにされた(Holliger, P. et al., 1999, J. Mol. Biol. 288: 649-657)。それは、ジスルフィド結合によってわずかに伸長したタンパク質の中へきつく折りたたまれている(図1)。
Lubkowskiらは(1999、上記)、線維状Ffバクテリオファージマイナーコート遺伝子3タンパク質g3pの1〜86残基をN末端側に、そしてg3pの補助受容体である(TolIIIドメインを含む)TolAの295〜425残基をC末端側に、そしてC末端のAla3His6(配列番号:1)テールを含む融合タンパク質を開示した。融合タンパク質は、g3p N1とTolAIIIドメイン間に形成された複合体の結晶構造を明らかにするために、Lubkowskiらによって使用された。
例えば、大腸菌(SwissProt引き受け番号P19934)、サルモネラ種(例えば、Genbank引き受け番号gi16764117)、ペクトバクテリウム種(例えば、Genbank引き受け番号gi16116636)及びHaemophilus種(例えば、Genbank引き受け番号gi2126342)からの、TolAタンパク質の多様な相同体が知られている。
本発明者らは、宿主細胞中でTolAIIIドメインが高いレベルの発現を達成するための融合タンパク質パートナーとしての特別な使用に関する特筆すべき性質を有することを発見した。
本発明によれば、宿主細胞中で発現されるための融合ポリペプチドであって、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体及び非TolAポリペプチドを含み、その中においてTolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体が融合ポリペプチドのN末端側に、該非TolAポリペプチドが融合ポリペプチドのC末端側に位置する融合ポリペプチドが提供される。
本明細書中で使用されるように、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は同義語であり、2以上の連結されたアミノ酸残基の配列を意味する。
融合ポリペプチドのN末端側に位置する場合、TolAIIIドメインがTolAIII融合ポリペプチドの宿主細胞中における発現を期待されるレベルを超えて容易にすることが、本発明者らによって示された。TolAIIIドメインの融合物は、例えば精製タンパク質及びポリペプチドパートナーを得るため、及び/又はこれらのパートナーの性質を調べるために有用であるだろう。
融合ポリペプチドはさらに、シグナルペプチドを含むことができる。これは融合ポリペプチドが特異的な細胞内及び細胞外の位置へ方向付けられることを可能にするだろう。シグナルペプチドは融合ポリペプチドのN末端に又はその近くに配置されることができる。シグナルペプチドは、ターゲティングプロセスの間に融合ポリペプチドから切断されることができる。
融合ポリペプチドが以下の:N末端−TolAIII−タンパク質パートナー−C末端の基本構造を有する場合、それは細胞質中で高収量で発現されるだろう。しかしながら、融合タンパク質が以下の:N末端−シグナルペプチド−TolAIII−タンパク質パートナー−C末端の基本構造を有する場合、シグナルペプチドは該構築物を非細胞質位置へ方向づけるために使用されることができる。例えば、大腸菌発現系においては、リボース結合タンパク質シグナルペプチド(例えば、大腸菌リボース結合タンパク質シグナルペプチド(配列番号:2))が融合タンパク質をペリプラズムへ方向づけるのに使用されることができる。本発明中で使用されるのに好適であることのできるシグナルペプチドは、Von Heijne, G. 1985, J. Mol. Biol.184(1):99-105中で記載される一般的ルールに適合する。
TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体は、宿主細胞中での発現のためにコドン最適化されることができる。
融合ポリプチドはさらに、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体と非TolAポリペプチドとの間にリンカーを含むことができる。リンカーはTolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体と非TolAポリペプチドとの間の物理的な分離を提供することができるか、又は機能的であることができる。リンカーは、少なくとも1のエンドペプチダーゼのための切断部位を有する。例えば、切断部位はアミノ酸配列DDDDK(配列番号:3エンテロキナーゼについて)及び/又はLVPR(配列番号:4トロンビンについて)及び/又はIEGR(配列番号:5第Xa因子について)を含むことができる。
1の実施態様において、本発明のポリペプチドは、さらにアフィニティー精製タグを含むことができる。アフィニティー精製タグは、融合ポリペプチドのN末端又はN末端付近に配置されることができる。例えば、アフィニティータグは、n=4,5,6,7,8,9又は10(それぞれ配列番号:6〜12、好ましくはn=6(配列番号:8))であり、場合により1以上のセリン残基(好ましくは2)によってアフィニティー精製タグに結合されているHisnタグである。アフィニティー精製タグは、融合ポリペプチドの固定化のための1の手段、例えば精製の1のステップ、を提供するだろう。
1の実施態様において、融合ポリペプチドはN末端にシグナルペプチドを、アフィニティー精製タグをN末端付近に含む。ターゲティングの間にシグナルペプチドが融合ポリペプチドから切断される場合、アフィニティー精製タグは融合タンパク質の新たなN末端のより近くに配置されることができる。
好ましくは、TolAIIIドメインは大腸菌TolAの329〜421のアミノ酸残基(配列番号:13)から成る(SwissProt引き受け番号P19934)。
宿主細胞は細菌であることができる(例えば、大腸菌)。
融合ポリペプチドの非TolAポリペプチドはヒトBCL-XL(SWISSPROT引き受け番号B47537)であることができる。ヒトBCL-XLとの融合ポリペプチドは配列番号:14又は配列番号:15のアミノ酸配列を含むことができる。以下の実施例2に示されるとおり、大量の(アポトーシス及び癌の研究において重要なタンパク質である)BCL-XLがTolAIII融合ポリペプチドとして作られることができる。
本発明によれば、上で定義された融合ポリペプチドをコードするDNA分子がさらに提供される。該DNA分子のmRNA特性は、転写された時に宿主細胞における発現のために最適化されることができる。
本発明の融合ポリペプチド発現のための上で定義されたDNA分子を含む発現ベクターもまた提供される。発現ベクターは、融合ポリペプチドの発現を推進する誘導プロモーター(例えば、IPTC誘導T7プロモーター)を含むことができる。発現ベクターはまた、抗生物質耐性のマーカー(例えば、アンピシリン及びクロラムフェニコールに対する耐性を与えるbla遺伝子)を有することができる。
本発明の他の側面においては、非TolAポリペプチドをコードしているDNAのフレーム内挿入を可能とするクローニング部位の上流又は下流に、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体をコードしているDNAを含む、上で定義された発現ベクターを産生するためのクローニングベクターが提供される。クローニングベクターはエンドペプチダーゼのための少なくとも1の切断部位(例えば、アミノ酸配列DDDDK(配列番号:3)及び/又はLVPR(配列番号:4)及び/又はIEGR(配列番号:5))をコードするDNAをさらに含み、該切断部位はTolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体をコードしているDNAとクローニング部位の間に配置される。クローニング部位は、少なくとも1の制限エンドヌクレアーゼの標的配列を含む(例えば、BamH1及び/又はKpnI)。クローニングベクターは、上で定義されたアフィニティー精製タグをコードしているDNAをさらに含むことができる。クローニングベクターは、誘導プロモーター(例えば、IPTG誘導T7プロモーター)及び/又は抗生物質耐性マーカーをコードしているDNA(例えば、アンピシリン及びクロラムフェニコールに対する耐性を与えるbla遺伝子)をさらに含むことができる。
例えば、クローニングベクターは、(記載に関連して図2に示された)pTolE、pTolT又はpTolXの構造を有することができる。
上で定義された融合タンパク質を産生するための、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体の使用もまた提供される。
上で定義されたDNA分子の作製のための、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体の使用もまた提供される。
上で定義された発現ベクターの作製のための、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体の使用もさらに提供される。
上で定義されたクローニングベクターの作製のための、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体の使用もまた提供される。
1の側面において、上で定義されたDNA及び/又は上で定義された発現ベクター及び/又は上で定義されたクローニングべクターを含む宿主細胞が提供される。
他の側面においては、以下のステップ:融合ポリペプチドを、コリシン又は他のコリシンのTolA結合ポリペプチド(Gokce et al., 上記)、バクテリオファージg3p−D1タンパク質のTolA結合領域(Riechmann & Holliger, 1997, Cell 90: 351-360)、或いはTolB又は他のTolタンパク質のTolA結合領域に結合させるステップ;を含む、非TolAポリペプチドを固定化するための、上で定義された融合ポリペプチドの使用が提供される。
TolAIIIが、コリシン、ファージタンパク質及び他のTolタンパク質のようないくつかの天然タンパク質と特異的に相互作用することが知られている。現存の結合パートナーのこの範囲は、特別な利用のためのTolAIII融合タンパク質の過剰発現を起こす。それは、これらのタンパク質が精製又は固定化技術において使用されることができるからである。したがって、TolAIIIドメインは融合ポリペプチドの高い発現を推進するだけでなく、融合ポリペプチドの精製、固定化又は分析のためのアフィニティータグをも提供する。TolAIII結合タンパク質(又はその結合ポリペプチドドメイン)は、TolAIII融合のための結合部位を提供するために使用されることができる(図6に示すように)。その後TolAIII融合タンパク質を結合する、これらのTolAIII結合タンパク質を用いてタンパクチップを作ることができる。これは、TolAIII融合を共通の相互作用として用いて、表面上に広く多様なタンパク質を固定化する方法を提供する。
或いは、上で定義されたアフィニティータグを含む融合ポリペプチドは、融合ポリペプチドのアフィニティータグを結合部分に結合させるステップを含む、非TolAポリペプチドの固定化のために使用されることができる。
非TolAポリペプチドの精製及び単離のための、上で定義された融合ポリペプチドの使用であって、以下のステップ:
(i)融合ポリペプチドをTolA結合ポリペプチド(例えば、コリシンN又は他のコリシンのTolA認識部位、バクテリオファージg3p‐D1タンパク質のTolA結合領域、或いはTolB又は他のTolタンパク質のTolA結合領域)に結合させるステップ;
(ii)エンドペプチダ−ゼを使用して、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体から非TolAポリペプチドを切断するステップ;及び
(iii)TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体から切断された非TolAポリペプチドを分離するステップ;
を含む上記使用が提供される。
他の実施態様においては、非TolAポリペプチドの精製及び単離方法であって、以下のステップ:
(i)融合ポリペプチドのアフィニティータグを結合部分に結合させるステップ;
(ii)エンドペプチダーゼを用いて、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体から非TolAポリペプチドを切断するステップ;
(iii)切断された非TolAポリペプチドを、TolAIIIドメイン或いはその機能性相同体、フラグメント又は誘導体から分離するステップ;
を含む上記方法において、アフィニティータグを含む融合ポリペプチドが使用される。
本明細書中で開示される融合ポリペプチドは、非TolAポリペプチド又は融合ポリペプチドの相互作用の特性、例えば、分子内相互作用、他の分子との相互作用又は物理的刺激との相互作用を研究するために使用されることができる。
宿主細胞中において、融合ポリペプチドとしてポリペプチドを高く発現させる方法であって、宿主細胞中において上で定義された融合ポリペプチドとしてのポリペプチドを発現させるステップを含む上記方法も提供される。本明細書中で定義された融合タンパク質としてのポリペプチドの発現レベルは、TolAIIIドメインに結合しないポリペプチドの発現レベルよりも相対的に高いであろう。
実験
我々の研究室において、我々は先ず周辺タンパク質TolAのドメインIII(TolAIII)とコリシンNのTドメインの間の融合タンパク質を調製した。TolAIIIがN末端に、TドメインがC末端にある場合、非常に大量の融合タンパク質が単離された。一方、コリシンNのドメインがN末端にあるパートナーである場合には、融合タンパク質の発現は得られなかった。
ここに、我々は、発現された融合タンパク質のN末端における融合パートナーとしてTolAIIIを使用するpTolベクターのクローニングについて記載する。我々は多様な融合タンパク質の発現レベルが細菌の総タンパク質の約20%であり、我々が細菌ブロスのリッターあたり、50〜90mgの融合物を精製することができたことを示す。我々はこの系を用いてコリシンNの異なる成分を調製した。
実施例1において、上記系を使用していくつかのタンパク質が発現された。これらはコリシンNの異なる部分及びドメインであり(TolA結合ボックス(アミノ酸40〜76のペプチド)、Tドメインの欠失突然変異体(Δ10)及びRドメイン)、原核生物のタンパク質を代表する。ヒトホスホリパーゼA2、イソギンチャクエキナトキシンIIからの孔形成タンパク質、ヒト嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)のヌクレオチド結合ドメイン1(NBD1)及びヒトミトコンドリアピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ2(PDK2)は、原核生物のタンパク質の例であった。膜貫通タンパク質は、バチルス・リシェニホルミス(Bacillus licheniformis)からのバシトラシン耐性システムの構成因子であるBcrC及びヒトCFTRの膜貫通ドメイン1(TM1)によって代表された。アポトーシス及び癌の研究における重要なタンパク質であるBCL-XLの、TolAIII融合ポリペプチドとしての発現を実施例2に示す。
実施例1については、2の膜タンパク以外のすべての場合において融合タンパク質の収量は個々のタンパク質よりも高かった。小ペプチド及び可溶性タンパク質の発現は一貫して良好であった。より困難な標的も選択した。膜タンパク質は全く発現しなかった。ヒトPLA、PDK2及びエキナトキシンはうまく発現したが、個々のタンパク質の場合同様、多くが結局不溶性の画分として終わった。他の系において、PLAは多数のSS結合を有し、PDKは一貫して可溶性のものとして発現しなかった。TolAIIIは、これらの融合パートナーの不溶性の挙動を克服することはできなかったが、それらの封入体からの回収はなお可能である。実施例2において、大量のBCL-XLを発現した。
材料及び方法
実施例1
pTolべクターのクローニング
クローニングにおいて使用したオリジナルのベクターは、pET8cと称するpET3cの誘導体(Novagen)であった。pET8cベクターは、pET3cベクターにメチオニンをコードしているヌクレオチドを加え,続いて6個のヒスチジン及び2個のセリン残基をクローニング部位の下流に加えることによって構築した(Politou, A.S. et al., 1994, Biochemistry 33(15): 4730-4737)。pET8cベクターをTolAタンパク質のドメインIII(アミノ酸329−421;配列番号:13)とコリシンNのTドメインの間の融合物の発現に使用した。これは、アンピシリン選択性を提供する、bla遺伝子を有するT7に基づく発現ベクターである。融合タンパク質は、メチオニンに続いて6のヒスチジン及び2のセリンをN末端部分に含む。このリンカーはNiキレートアフィニティークロマトグラフィーを使用する容易な精製を可能とする。融合パートナーはBamHI部位を介して一緒に連結された。融合物のC末端をMluI部位を介してクローニングした。Tドメイン遺伝子を、BamHI及びMluIによって制限することによってベクターから除去した。アダプター配列をその後ベベクター中にライゲーションした。それがフレキシブルリンカー内のBamHI部位を除去したが、新たなBamHI部位をエンドペプチダーゼの切断配列のすぐ後に導入するように構成した(図2)。この方法によって、2(Gly-Ser;配列番号:25)又は4(Gly-Ser-Gly-Thr;配列番号:26)のアミノ酸のタグをそれぞれN末端に残して、融合されたパートナーをpTolベクター内にBamHI又はKpnI部位を介してクローニングすることができる(図2を参照のこと)。
したがって、TolAIII及び融合されるパートナーの間のリンカーはフレキシブルな部分(Gly-Gly-Gly-Ser;配列番号:18)及びエンドペプチダーゼのための切断配列(エンテロキナーゼ、第Xa因子又はトロンビン)から成る(図2)。以下の配列:
エンテロキナーゼのための、
E(+) (5'−GATCTGATGATGACGATAAAGGATCCGGTACCTGATGAA−3';配列番号:27)及び
E(−) (5'-CGCGTTCATCAGGTACCGGATCCTTTATCGTCATCATCA-3’;配列番号:28)
第Xa因子のための、
X(+) (5’-GATCTATTGAAGGTCGCGGATCCGGTACCTGATGAA-3’;配列番号:29)
及び
X(−) (5’-CGCGTTCATCAGGTACCGGATCCGCGACCTTCAATA-3’;配列番号:30)
トロンビン切断部位のための、
T(+) (5’-GATCTCTGGTTCCGCGCGGATCCGGTACCTGATGAA-3’;配列番号:31)及び
T(−) (5’-CGCGTTCATCAGGTACCGGATCCGCGCGGAACCAGA-3’;配列番号:32)
を有するオリゴヌクレオチド(すべてのオリゴヌクレオチドはMWG Biotchから入手した)をアダプターとして使用した。
新たにクローン化されたベクターをpTolE、pTolX、pTolT、と名づけた。それらはそれぞれエンテロキナーゼ、第Xa因子、及びトロンビンのための切断配列を含む。系を試験するために使用した融合パートナーをBamHI及びMluI部位を介してpTolベクターにクローン化した。特別なタンパク質をコードする核酸配列が内部のBamHI部位を有し、KpnI部位を代わりに使用した。9の異なるタンパク質を系の試験のために使用した(表1)。コード配列をPCRによって増幅した。反応混合物は(100μlの総容量中に)以下の:製造者によって供給された10μlの10X反応緩衝液、2μlの100mMMgSO4、4μlのdNTP混合物(最終濃度200μM)、100pピコモルの各オリゴヌクレオチド、約20ngの標的DNA及び1ユニットのVentDNAポリメラーゼ(New Englang Biolabs)を含んだ。標的DNAをプラスミド中へクローン化したいずれかのDNA(例えば、コリシン配列はプラスミドpCHAP4(Pugsley、 A.P. 1984, Mol. Microbiol. 1: 317-325)から得た。)、エキナトキシン配列を(Anderluh G. et al., 1996, Biochem. Biophys. Res. Commun. 220: 437-42)に記載のエキナトキシン含有プラスミドから得て、Bcrc配列を(Podlesek Z. et al., 1995, Mol. Microbiol. 16: 969-976)に記載のBcrC含有プラスミドから、又は直接的なPCR又はRT- PCRを介して宿主生物から得た。得られたDNAをpTol中にクローン化した後に、それが正確に表に示した文献記載の配列の部分に対応することを確認するために、配列決定した。典型的には以下のサイクルを使用した:97℃で10分;97℃での変性を2分、58℃でのアニーリングを1分、72℃での伸長を1分からそれぞれのサイクルが成るものを30サイクル;72℃で7分及び10℃での浸漬。PCRフラグメントを商業的なキット(Quiagen)を用いて精製し、適切なエンドヌクレアーゼで制限した。制限フラグメントをあらかじめ切断したpTol中へクローン化した。融合タンパク質の正確なヌクレオチド配列を配列決定によって証明した。
大腸菌中でのタンパク質発現
すべてのタンパク質を(Novagenからの)大腸菌BL21(DE3)pLysE菌株中で発現させた。株をプラスミドで形質転換し、適切な選択(アンピシリン、クロラムフェニコール)を伴うLBプレート上で増殖させた。1のコロニーを5mlのLBSC培地(100μg/mlのアンピシリン、34μg/mlのクロラムフェニコール、どちらもSIGMAから )に接種するために使用した。細菌を回転するホイール上で37℃において増殖させた。60分後に組換えタンパク質の発現を(最終)1mMのIPTGを加えることによって誘導し、細菌をさらに4時間増殖させた。(1mlに再懸濁した時にA600が0.5である細菌の容量にあたる)少ないサンプルをSDS-PAGE上で分析した。ゲルをクマシーで染色し、商業的なスキャナーを用いて600dpiでスキャンした。発現されたタンパク質を、プログラムTina2.0を用いてゲルから見積もった。大規模な発現のためには、静止期の培養細菌の5mlを、250mlのLBAC培地に接種するために使用し、180rpmのオービタルシェイカー上で37℃で一夜増殖させた。翌朝20〜25mlの一夜培養物を500mlのM9 LBAC培地の接種に使用した。全部で3〜5Lの培養細菌を1のタンパク質について増殖させた。細菌を同じ条件でA600が約0.8に達するまで培養した。そして、最終濃度1mMまでIPTGを加えることによって、組換えタンパク質の産生を誘導した。細菌をさらに4〜5時間増殖させ、4℃において5000rpmで5分遠心分離し、−20℃で保存した。
細菌からのタンパク質の単離
沈殿させた細菌を、以下の酵素及びプロテアーゼ阻害剤(最終濃度)を含む50mMnのNa2H2PO4、pH8.0、300mMNaCl、10mMイミダゾール、20mMβメルカプトエタノール(緩衝液A)に再懸濁した(緩衝液2ml/g細胞):DNase(10μg/ml)、RNase(20μg/ml)、リゾチーム(1mg/ml緩衝液)、PMSF(0.5mM)、ベンザミド(1mM)。それらを氷上で1時間インキュベートし、ときどき激しく振った。再懸濁された細菌を3分間、Branson ソニケーターでソニケーションし、その後、Beckman 超遠心機中で40000rpm、4℃、45tiのローター中で遠心分離した。上清を除去し、4℃においた。ペレットを酵素及び阻害剤をふくまない、同じ緩衝液(1ml/g重量)で再懸濁し、氷上で15分保った。同じ条件におけ遠心分離は、1分の追加のソニケーションの後に行った。両方の遠心分離物の上清を併合し、約1ml/分で1〜3mlの緩衝液Aで平衡化したNi-NTA樹脂(Quiagen)に適用した。典型的には、結合したタンパク質を有するカラムを2画分の3mlの300mMの緩衝液A、2画分の20mMイミダゾールを含む緩衝液A、そして6〜10画分の300mMイミダゾールを含む緩衝液Aで洗浄した。各画分をSDS-PAGE上で分析した。着目の分画をプールし、水に対して3回透析した(5l)。純度をSDS-PAGEによってチェックした。タンパク質を3mMNaN3中4℃で保存した。タンパク質濃度を、配列から計算した励起係数を使って決定した。
細菌のタンパク質の分別
不溶性の発現タンパク質の量を知るために、すべての細菌タンパク質を分別した。100mlのブロスから沈殿した細菌を40mlの20%ショ糖、1mM EDTA、30mMTris-HCl、pH8.0中に再懸濁し、室温で10分間インキュベートした。それらを9000g、4℃で10分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットを8mlの氷冷5mMMgSO4中に穏やかに再懸濁した。細菌を穏やかに振とうし、氷上で10分間インキュベートした。細菌プロトプラストを同じ条件で再び遠心分離した。上清をペリプラスム画分同様に除去した。ペレットを10mlの1mgのリゾチーム、及びベンズアミジンを含む20mM NaH2PO4、pH8.0で再懸濁した。それを激しく振とうし、氷上30分間インキュベーションし、5×30秒でソニケーションした。35000g、4℃で30秒間ソニケーションすることによって細胞質たんぱく質を不溶性物質から除去した。上清を除去し、細胞質画分及びペレットを不溶性画分(膜たんぱく質及び推定の封入物)として、2mlの8M尿素、10mM Tris-HCl、pH 7.4、0.5%Triton X-100に4℃で再懸濁した。
TolAIII-R-ドメインコリシンN融合物の切断及び精製
コリシンNの純粋なR-ドメインを、pTol発現系を用いて作製した。45mgのTolAIII-R-ドメインを35mlの切断混合物中で20℃で20時間インキュベートした。切断混合物は、作製者によって特定された緩衝液及び0.1U/mg融合タンパク質のトロンビン(制限グレード、Novagen)を含む。切断された産物を4℃で、5lの40mM Tris-HCl、pH8.4、に対して各回少なくとも4時間で、3回透析した。切断されたRドメインをTolAIII及び非切断融合タンパク質から、FPLCシステム(Pharmacia)上のイオン交換クロマトグラフィーによって分離した。タンパク質をMono S カラム(Pharmacia)に、1ml/分で、40mM Tris-HCl、pH8.4中で適用した。未結合の物質をカラムから洗い流した後、NaClの同じ緩衝液中の0〜500mMのグラジエントを30分間で適用することによってR−ドメインを溶出した。NaCl約70%(約350mM)において大きなピークを集め、純度のSDS-PAGEによるチェックを行った。
実施例2:
pTolベクターのクローニング
BCL-XLをコードしているDNAフラグメントをプラスミドpETBCLXLからオリゴヌクレオチドSenseBCL-STU(5’-TTT TTTAGG CCT TCT CAG AGC AAC CGG GAG-3’ 配列番号:60 )及びMlu-BCL-Rev(5’-TTT TAC GCG TTC ATT TCC GAC TGA AGAG-3’ 配列番号:61)を用いてPCRによって増幅した。Stu I及びMlu I制限部位を用いてBCL-XLをpTOLTプラスミド中に導入した。最終的なプラスミドをpTOLT-BCLXLを名づけ(図7)、このプラスミドのDNA配列決定は、DNAフラグメントをコードしているBCL-XLが正確に挿入されたことを示した。
タンパク質の精製
BCL-XLタンパク質を大腸菌BL21 DE3(pLsE)菌株中で発現させた。この株はプラスミドで形質転換し、アンピシリン(200μg/ml)及びクロラムフェニコール(35μg/ml)選択培地のLBプレート上で増殖させた。抗生物質を含む5mlのLB培地を単一のコロニーで接種し、37℃で一夜培養した。5mlの一夜培養物を、2リッターフラスコ中の500mlのアンピシリン及びクロラムフェニコール含有LB培地中に導入した。細菌をOD600が0.8になるまで培養し、最終濃度1mMのIPTGを加えることによって誘導し、続いて3時間培養した。細胞を採取し、RNAse、DNAse、PMSF(1mM)及びベンザミジン(1mM)を含む20mMリン酸緩衝液、300mM NaCl、pH:8.0中で再懸濁した。細胞をフレンチプレスで破砕し、40000rpmの超遠心を1時間行って上清を得た。N末端6Xヒスチジン‐タグ(配列番号:8)はNi-NTAアフィニティーカラムによるTol-BCL融合物の精製を容易にした。融合タンパク質を20mMリン酸緩衝液、300mM NaCl、pH:8.0を用いてカラム上で洗浄し、さらに50mMイミダゾールを含む同じ緩衝液で洗浄し、300mMイミダゾール、pH7.0中で溶出した。融合タンパク質の発現をSDS−PAGEによって分析し(図8)、タンパク質濃度を280nmのUV吸収によって決定した。
BCL-XLタンパク質のトロンビンによる切断
20mgのTolA-BCL融合物を20mMの切断緩衝液中で4℃で4時間インキュベートした。切断緩衝液は、50mM Tris-HCl 、150mM NaCl、2.5mM CaCl2、5mM DTT及びトロンビン(トロンビン1ユニット(Sigma)/mgの融合タンパク質)開裂緩衝液を含む。一夜透析した切断混合物をNi-NTAカラムに適用することによって、放出されたタンパク質を回収した。未結合のタンパク質をカラムから洗い流した後、残ったBCL-XLタンパク質を2M NaClで洗浄した。すべての流出液及び洗浄液を集め、SDS-PAGEで分析した(図9)。トロンビン切断後のタンパク質の収率を280nmにおけるUV吸収を用いて計算した。
結果
大腸菌におけるTolAIIIタンパク質の発現
実施例1において、タグを有するTolAIIIの第3のドメインを3の異なる発現ベクター、pTolE、pTolF及びpTolXから発現させた(図3)。各場合においてTolAIIIの発現は非常に多く、すべての細菌タンパク質の40%に達した(図3Aを参照のこと)。特別には、pTolTから発現されたTolAIIIは26.96%±1.67(n=5)であった。発現されたTolAIII量は、どのベクターを使用したかにかかわらずおよそ同じであった。細菌中で発現されたTolAは正常の細菌の代謝を妨害しなかった。増殖曲線は、誘導された、又は誘導されない細菌についてのものに非常に類似していた(図3B)。すべてのTolAIIIタンパク質は可溶性の形態で発現した。浸透圧による溶菌、リゾチーム処理、ソニケーション、及び遠心分離後に残った細菌のペレットの視覚的観察によれば、封入体は見られなかった。さらには、TolAIIIは、細菌からのタンパク質の分別後の不溶性画分中には見出されなかった。不溶性画分は膜タンパク質及び封入体中の組み換えタンパク質も含むことを表す(図3C)。TolAIIIを含む細菌は正常の細菌に比べてわずかに壊れやすい。周辺タンパク質のみを放出させるおだやかな低浸透圧処理後に、TolAIIIはすでに細胞から放出された。
TolAIIIとの融合物としての大腸菌中のタンパク質の発現
他のタンパク質の発現及び調製のためのpTol発現系の好適性を調べるために10のタンパク質を試験した(実施例1、表1、及び実施例2を参照のこと)。これらは、原核細胞を代表する、コリシンNの異なる部分及びドメイン(TolA結合ボックス(アミノ酸40-76のペプチド)、Tドメイン(△10)及びRドメインの欠失突然変異体)であった。ヒトホスホリパーゼA2、イソギンチャクエキナトキシンIIからの孔形成タンパク質、ヒト嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)、ヒトミトコンドリアピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ2(PDK2)及びBCL-XLは真核生物タンパク質の代表である。膜貫通タンパク質は、BcrC、B.リシェニホルミスからのバシトラシン耐性系の構成要素、及びヒトCFTRの膜貫通ドメイン1(TM1)により代表される。選ばれたタンパク質は大きさ(コリシン40−76kDaの約4.4対PDK2の44kDa)、遺伝コード(原核生物のタンパク質対真核生物のタンパク質)、タンパク配置(可溶性のタンパク質対膜タンパク質)及びジスルフィド含量(PLA2、7ジスルフィド対エキナトキシン、なし)において変動を示す。pTol 系を使用すると、融合タンパク質を大腸菌中で高い割合で発現させた(図4)。また、発現はいくつかの場合に40%もの高率であったが、平均は20−25%であった(図4B及びCの下のパネルを参照のこと)。例外は膜タンパク質BcrC及びTM1の2のみであった。この場合、それらの大きさに対応するバンドはゲル中になかった(図4C)。TolAIIIのみの発現とは反対に、融合タンパク質の発現は細菌の増殖を妨害しなかった。PLA2及び膜タンパク質であるTM1及びBcrCの場合、増殖の最後における細菌量はいくつかの場合において半分であった。興味深いことに、細菌中のPDK2の融合物の発現は正の効果を有し、増殖の最後では常に細菌がわずかに多かった(示さない)。細菌により発現される融合物のいくつかをさらに分別した。PDK2及びPLA2は不溶性の封入体として発現された。EqtII及びRドメインは主に不溶性画分中に見出されたが、いくらかの割合は細胞質画分中にも見出された(発現されたタンパク質の10〜25%)(示さない)。
融合タンパク質の単離及び切断
実施例1において、発現された融合物を緩衝溶液中への単純な抽出によって細胞質から単離し、それをNi-NTAカラムに加えた。この1のステップによって、タンパク質の純度はすでに95%よりも高い(図5)。単離された融合物の収率は平均して50mg/lの細菌ブロスであるが、最高90mg/lに達した(図2)。主に封入体として発現されるタンパク質でさえ、この手順によって顕著な量で単離され、それはすなわち11mg/mlのEqtII融合物が単離されたということであった。融合タンパク質の1であるTolE-Tドメイン40-76を、NMRによる構造決定に好適なペプチドサンプルの調製に使用した。それは、15NH4Cl含有M9最小限培地中で発現される。最小限培地中でさえ、顕著な量で融合物を発現及び産生することができ、細菌培養1リッターあたりおよそ70mgの純粋な融合物が得られた。
トロンビンによる切断及びイオン交換クロマトグラフィーによる切断産物の分離によって、純粋なRドメインを調製した。そのような精製スキームを図5に表す。概略された手順によって、1リッターの出発細菌培養から13mgの純粋な機能性Rドメインを調製した。可溶性融合物の量からの予想よりもわずかに低い収率は、調製中のRドメインの沈殿 による結果である。しかしながら、ここに示す収率は、、直接的に発現されたRドメインを提供する系よりも2倍を超えて高い。
実施例2において、我々はアポトーシス及び癌の研究において重要なタンパク質であるBCL-XLがTolAIII融合物として大量に発現され得ることを示す(図8を参照のこと)。TolA-BCL融合タンパク質のSDS-PAGE による分析は、みかけの分子量が約35kDaのバンドを明らかにし、これは以下の理論的計算と一致する:
TolA-BCL融合タンパク質(配列番号:14)のタンパク質パラメーター:
アミノ酸数 : 348
分子量 : 38048.5
pI理論値 : 5.83
アミノ酸組成:
陰性に荷電した総残基数(アスパラギン+グルタミン):40
陽性に荷電した総残基数(アルギニン+リジン) :33
吸光係数 :
条件:6.0M 塩酸グアニジン、0.02M リン酸緩衝液、pH 6.5
吸光係数はM-1cm-1の単位で表す。
最初の表はすべてのシステイン残基がシスチンの半分であると仮定した場合のコンピューターによる値を列挙し、第2の表はそのようなシステインがないとした場合の値である。
トロンビンを用いてTolAIIIドメインをTolA-BCL融合物から切断し、BCLパートナーをNi-NTAカラム上で精製した(図9)。我々は、1リッターのBL21(DE3)pLys E 大腸菌細胞培養から20mgの純度の高いトロンビン切断されたBCL-XLタンパク質を得た。トロンビン切断後のSDS-PAGEのみかけの分子量は以下の理論的計算値と一致した(図9を参照のこと):
トロンビン処理後の切断されたBCL-XL成分TolA-BCL融合物(配列番号:15)のタンパク質パラメーター:
アミノ酸数 : 236
分子量 : 26329.2
pI理論値 : 4.94
アミノ酸組成:
陰性に荷電した総残基数(アスパラギン+グルタミン):31
陽性に荷電した総残基数(アルギニン+リジン) :21
吸光係数 :
条件:6.0M 塩酸グアニジン、0.02M リン酸緩衝液、pH 6.5
吸光係数はN-1cm-1の単位で表す。
最初の表はすべてのシステイン残基がシスチンの半分であると仮定した場合のコンピューターによる値を列挙し、第2の表はそのようなシステインがないとした場合の値である。
検討
細菌細胞質中で、TolAIIIが大量に可溶性の形態で発現された。タンパク質の大腸菌中での高い発現の理由には、最もよく言われる適切なコドンの使用、mRNA転写物の安定性、大きさ、ジスルフィド結合の含量、及び細胞への無毒性がある。TolAIIIは1のジスルフィド結合のみを有する小さなタンパク質である。それは非常に安定であり、30mg/mlという高濃度においても溶液中でモノマーである(分析的超遠心及びゲル濾過のからのデータ、しめさない)。細菌の細胞質中における異種性の物質に対する耐性において、サイズの小さいことと凝集しない傾向は確かに重要である。TolAIII遺伝子のさらなる利点は、それが細菌のタンパク質であり、それ自体めったに大腸菌ゲノムで転写されない5のコドンのみを有するということである(プロテアーゼ切断部位を除く106のアミノ酸の4.7%)。それらは、配列にそって散在する。その発現の増大は、そのmRNA転写物の立体配置の処理によって達成されることができた。転写されたRNAについては、RNAの立体配置は時にはリボソーム結合部位及び開始コドンが露出され、塩基対に含まれないようなものであることが示された。TolAIIImRNAの場合、そのどちらもが短い基部の構築に含まれ、常に完全に露出しているわけでない(http://bioinfo.math.rpiedu/〜zukerm/)のMfold による60〜120ヌクレオチド(10ntのステップ)の転写されたRNAの分析)。T7に基づくベクター中でのTolAIIIタンパク質の高い発現及び純粋な生成物の高い収率は、大腸菌における融合タンパク質の現存の系に匹敵するか、より高い。
我々は、細菌又は真核生物由来の多様なタンパク質の過剰発現における融合パートナーとして、周辺細菌タンパク質のドメインを採用した。いくつかの小ペプチド又はドメインは大きさを顕著に変えることなくTolAIIIに結合することができる。実際に、コリシンN40-70ぺプチドを含む融合物の収率はTolAIII自体と同じであった。上記系は真核生物のタンパク質についても同様に好適である。特別には、EqtIIの発現レベルは刊行物記載のものよりもかなり進歩している。直接的な発現の場合には約5%であるのに比べて、融合構築物は総発現量の約20%であった。pTol系から発現される大半のEqtIIは不溶性の画分にあるが、可溶性の細胞質画分の単離はその収率において刊行物記載のものに比べてなお大きな進歩をしている。pTol系はまた、封入体として発現されるタンパク質にも適用可能である。例えば、発現されたPLA2の量は他の発現系に類似するが、融合タンパク質は、Ni-NTAクロマトグラフィーにより容易に単離されることができ、カラムマトリックス上で再び折りたたまれ、そして切断される。研究された2の膜タンパク質が理由は今のところ不明であるが、pTolA によって融合タンパク質を発現しないというのは、興味深い観察結果である。
分子生物学において広く使用される3のエンドペプチダーゼのための3の異なる切断を提供する、3の発現ベクターが構築された。例えば、エンテロキナーゼ、第Xa因子及びトロンビンである。エンドペプチダーゼの認識部位はアミノ酸配列及び大きさが異なる。これらの相違は、融合タンパク質中の小さなTolAIIIパートナーの性質を劇的に変化させる(表3)。TolAT及びTolAXは、pIの計算値が8.5以上の塩基性であり、TolAEはpIが6.6で、もともと酸性である。これはエンテロキナーゼの認識部位(DDDDK ;配列番号:3)中の4のアスパラギン酸による結果である。したがって、構築されたベクターは、より高いフレキシビリティを可能とし、すなわち、融合されたパートナーの性質に基づいて適切なベクターを選択することが可能である。我々の場合には、pTolTベクター中でコリシンNのRドメインを発現させた。なぜなら、Rドメインは、切断されたTolAIIIよりもより塩基性だからである(pI9.7)。一方、コリシンNペプチド40〜76は、TolAT又はTolAXとほとんど同じpIを有する。これは、続く精製をより困難にし、イオン交換クロマトグラフィーにおける上記ペプチドとTolAIIIを表すピークが重なる。したがって、ペプチドはpTolE中で発現させた。切断されたTolAIIIは、選択された条件においてカラムに結合せず、切断されない融合物のpI(pI7.2)及びペプチドのpIは、はっきりと分かれたピークを得るのに十分大きな相違を有する。
我々は、pTol発現系を使用してコリシンNの機能性部分を生成することができた。我々は、機能性Rドメイン及びコリシン残基40〜76から成る39残基のペプチドを生成した。Hisタグを有するRドメインの発現は少なく、再現性が無かった。そしてtolA融合物は一貫してよく発現し、収率を2倍以上高めた。NMR構造決定のために、ペプチドを15N標識サンプルとして生成した。NMR構造分析のための標識ペプチドサンプルの大量の調製は問題があり、研究グループに重大な経済的負担となりうる。pTol系の高収率及び融通性は、短いペプチドの調製を化学合成及び他の発現系の代替法であってずっと安価なものとする。上記系は、小さな(<20kDa)可溶性タンパク質及び非構造性のペプチドの再現性のある高レベルの発現に特に有用であることができる。例えば、上記系はNMR構造研究のための15N又は13C標識された小ペプチドの調製に有用であると判明するだろう。
アポトーシス及び癌の研究において重要なタンパク質であるBCL-XLの発現は高収率の発現が困難であり、それは、不安定性と毒性の原因である親水性のC末端を有するためである。したがって、ほとんどの構造的研究は、この領域を含まない切断された異形について実施されてきた。我々はこのタンパク質を構造的研究に十分な収率で発現させることができなかったために、我々の収率を改善するためにTolAIII融合タンパク質を使用した。今や我々はこのタンパク質をTolAIII融合パートナーとして大量に発現させることができる(図8)。CDスペクトロスコピーによって判断されたようにそれはよく折りたたまれている(示さない)。我々はまた、15NH4Clを唯一の窒素原として含む最小限培地中で大量に生成することもできる。
本発明は、添付の図面によってさらに記載されるであろう。
(従来技術)図1は、TolAの第3のドメインの構造及び配列を示す。フィラメント状バクテリオファージからのマイナーコート遺伝子3タンパク質のTolAIII 及びN1の間の複合体の結晶構造からのモデルである(aholliger et al., 1999, 上記)。ジスルフィド結合は黒く標識されている。333〜421の残基はモデル中で解析されている。 図2は、pTol発現ベクターを示す。pTolベクターはpET8c由来のT7に基づく発現ベクターである。真ん中のパネルの配列(配列番号:16)に包括的に示された、タグをつけられたTolAIII領域は、XhoI及びMluI部位の間に挿入されている。His6−Ser2リンカー(配列番号:17)は、TolAアミノ酸329〜421(配列番号:13)をコードしているドメインIIのTolA遺伝子の前にある。短いフレキシブルな部分(Gly-Gly-Gly-Ser;配列番号:18)がその後に続き、4または5のアミノ酸から成るエンドペプチダーゼのための切断部位(真ん中のパネルにおいてXで表され、下のパネルでは下線が引かれている)が続く。下のパネルは、pTolE、pTolT 及びpTolXのタグをつけられたTolAIII領域の切断/クローニング部位のDNA配列(それぞれ、配列番号:19〜21)及びコードされたアミノ酸残基(それぞれ、配列番号:22〜24)を示す。切断部位を矢印で示す。停止コドンをアスタリスクで表す。 TolAIII発現の特徴づけ A:3の異なるベクターを使用して発現されたTolAIIIのSDS-PAGEである。レーン1、誘導されないpTolT;レーン2、pTolX;レーン3、pTolE、レーン4、pTolT。B:pTolTを有する細菌の増殖曲線。非誘導サンプル(中黒四角)、誘導されたサンプル(白四角)、矢印で示した時点でサンプルを誘導するために、1mMIPTGを加えた。 C:pTolTからのTolAIIIの発現後の細菌の分別のSDS-PAGE。レーン1、非誘導サンプル;レーン2、誘導された細菌;レーン3、周辺画分;レーン4、細胞質画分;レーン5、不溶性(膜+封入体)画分、M、分子量マーカー。 pTol系を使用した大腸菌中での異なるタンパク質の発現。A:TolAIIIと原核生物たんぱく質の融合物の発現。レーン1、コリシンN40〜76;レーン2、△10TドメインコリシンN;レーン3、RドメインコリシンN。下のパネルはソフトウエアパッケージTinaとスキャンされたゲルから推定した細菌細胞中で発現されたタンパク質の割合を表す。報告された値は5〜11のコロニーからの推定値の平均±SDである。B:TolAIIIと真核生物タンパク質の融合物の発現。レーン1、PDK2;レーン2、NBD1ドメイン、レーン3、EqtII;レーン4、PLA2。一番したの値は4〜8のコロニーからの推定値の平均±SDである。C:TolAIIIと膜タンパク質との融合物の発現。レーン1、非誘導pTolT;レーン2、誘導されたBcrC;レーン3、誘導されたTM1。発現されたBcrC及びTM1のゲル上に現れた位置は、アスタリスク及び○でそれぞれ表される。M、分子量マーカー。C、pTolTの非誘導サンプルからの細菌細胞である対照。 コリシンNのRドメインの精製。レーン1、pTolT-Rドメインベクターを含む非誘導細胞;レーン2、誘導された細胞;レーン3;細菌の細胞質分画;レーン4、Ni-NTAクロマトグラフィーのフロースルー;レーン5、精製されたTolT-Rドメインタンパク質;レーン6、精製された切断及びイオン交換クロマトグラフィー後のRドメイン; 図6は、His タグをつけられた融合タンパク質の多様な使用を図式的に表す。(I)TolIIIA(「Tol」)融合パートナー(楕円で示す)とHis6(H6)アフィニティータグ(矩形で表す)が非TolAIIIポリペプチド(円で表す)に結合されている。(II)精製された非TolAIIIポリペプチドを得るために、それはエンドペプチダーゼ切断(稲妻で表す)によって融合タンパク質から除去され、精製される。相互作用の研究及びタンパク質アッセイを作り出すために、融合タンパク質は、多様な方法、例えばHis6タグを介したニッケルキレート基質上へ固定化されることができ、又は(III)(示したとおりに)細菌又はファージからの認識されたTolAIII結合タンパク質の全部又は部分から作られる固定化タグであって相互作用の研究に使用可能であるものを用いて固定化されることができる。非TolAIIIポリペプチド及びそれを認識する分子(タンパク質、DNA、炭水化物、脂質など)の間の相互作用が(IV)に示される。(IV)でパートナーは半円で表される; 図7は、TolAIII及びBCL-XLの融合タンパク質をつくり出すために使用される構築物の円形プラスミドマップを表す。 図8は、TolAIII-BCL-XL融合タンパク質を表すSDS-PAGEである。レーン1、ホールセルペレット、レーン2、超遠心後の上清、レーン3、再懸濁緩衝液によるカラム洗浄、レーン4、50mMイミダゾール、レーン5、分子量マーカー、レーン6、300mM イミダゾールによる溶出;及び 図9は、トロンビンによって切断されたTolAIII-BCLXL融合タンパク質のSDS−PAGE を示す。レーン1、融合タンパク質全体、レーン2、及びトロンビン切断後の4の融合タンパク質、レーン3、分子量マーカー、レーン5、カラムのフロースルー、レーン6、洗浄レーン7、2MNaClでの洗浄、レーン8、300mMイミダゾール。
配列表

Claims (38)

  1. 宿主細胞中での発現のための融合ポリペプチドであって、
    (a)発現が所望される、Hisタグ以外の非TolAポリペプチド;及び
    (b)前記宿主細胞中での該融合ポリペプチドの発現が増加するようにもたらすためのTolAIIIドメイン
    を含み、ここで、上記TolAIIIドメインが上記融合ポリペプチドのN末端側に配置され、且つ上記非TolAポリペプチドが上記融合ポリペプチドのC末端側に配置される、前記ポリペプチド。
  2. さらにシグナルペプチドを含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
  3. 上記シグナルペプチドが上記融合ポリペプチドのN末端に配置される、請求項2に記載の融合ポリペプチド。
  4. 上記TolAIIIドメインが、上記宿主細胞中での発現のためにコドン最適化された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  5. 上記TolAIIIドメインと上記非TolAポリペプチドとの間のリンカーをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  6. 上記リンカーがエンドペプチダーゼのための切断部位を少なくとも1つ含む、請求項5に記載の融合ポリペプチド。
  7. 上記切断部位がアミノ酸配列DDDDK[配列番号:3]及び/又はLVPR[配列番号:4]及び/又はIEGR[配列番号:5]を含む、請求項6に記載の融合ポリペプチド。
  8. さらにアフィニティー精製タグを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  9. 上記アフィニティー精製タグが上記融合ポリペプチドのN末端に配置される、請求項8に記載の融合ポリペプチド。
  10. 上記アフィニティー精製タグが、nが4,5,6,7,8,9又は10[それぞれ、配列番号:6〜12]であるN末端Hisタグである、請求項9に記載の融合ポリペプチド。
  11. 上記Hisタグが、1又は2個のSer残基で上記融合ポリペプチドに連結される、請求項10に記載の融合ポリペプチド。
  12. 上記TolAIIIドメインが大腸菌TolA配列[SwissProt 引き受け番号P19934]のアミノ酸残基329〜421[配列番号:13]から成る、請求項1〜11のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  13. 上記宿主細胞が細菌細胞である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  14. 上記宿主細胞が大腸菌である、請求項13に記載の融合ポリペプチド。
  15. 上記非TolAポリペプチドがBCL−XLである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドをコードしている、DNA分子。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの発現のための、請求項16に記載のDNA分子を含む、発現ベクター。
  18. 上記融合ポリペプチドの発現を推進する誘導プロモーターを有する、請求項17に記載の発現ベクター。
  19. 抗生物質耐性マーカーを有する、請求項17又は18に記載の発現ベクター。
  20. 上記TolAIIIドメインをコードしているDNAを、上記非TolAポリペプチドをコードしているDNAのクローニング部位にフレーム内挿入を可能とするクローニング部位の上流又は下流に含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の発現ベクターを産生するためのクローニングベクター。
  21. エンドペプチダーゼのための少なくとも1つの切断部位をコードしているDNAをさらに含む、請求項20に記載のクローニングベクターであって、上記切断部位が上記TolAIIIドメインをコードしているDNAと上記クローニング部位との間に配置される、前記クローニングベクター。
  22. 上記切断部位が、アミノ酸配列DDDDK[配列番号:3]及び/又はLVPR[配列番号:4]及び/又はIEGR[配列番号:5]を有する、請求項21に記載のクローニングベクター。
  23. 上記クローニング部位が少なくとも1つの制限エンドヌクレアーゼ標的配列を含む、請求項20〜22のいずれか1項に記載のクローニングベクター。
  24. 請求項8または9に定義されたアフィニティー精製タグをコードしているDNAをさらに含む、請求項20〜23のいずれか1項に記載のクローニングベクター。
  25. 誘導プロモーターをさらに含む、請求項20〜24のいずれか1項に記載のクローニングベクター。
  26. 抗生物質耐性マーカーをコードしているDNAをさらに含む、請求項20〜25のいずれか1項に記載のクローニングベクター。
  27. 図2に記載したpTolE、pTolT又はpTolXの構造を有する、請求項20〜26のいずれか1項に記載のクローニングベクター。
  28. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの産生のための、上記TolAIIIドメインの使用。
  29. 請求項16に記載のDNA分子の産生のための、上記TolAIIIドメインの使用。
  30. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の発現ベクターの産生のための、上記TolAIIIドメインの使用。
  31. 請求項20〜27のいずれか1項に記載のクローニングベクターの産生のための、上記TolAIIIドメインの使用。
  32. 請求項16に記載のDNA及び/又は請求項17〜19のいずれか1項に記載の発現ベクター及び/又は請求項20〜27のいずれか1項に記載のクローニングベクターを含む宿主細胞。
  33. 上記非TolAポリペプチドを固定化するための、請求項5〜15のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの使用であって、以下のステップ:
    上記融合ポリペプチドをTolA結合ポリペプチドに結合させるステップ;
    を含む、前記使用。
  34. 上記TolA結合ポリペプチドが、コリシンN又は他のコリシンのTolA認識部位、バクテリオファージg3p−D1タンパク質のTolA結合領域、或いはTolB又は他のTolタンパク質のTolA結合領域である、請求項33に記載の使用。
  35. 上記非TolAポリペプチドの固定化のための、請求項8〜11のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの使用であって、以下のステップ:
    上記融合ポリペプチドの上記アフィニティー精製タグを該アフィニティー精製タグに結合する結合部分に結合させるステップ;
    を含む、前記使用。
  36. 上記非TolAポリペプチドの精製及び単離のための、請求項6〜15のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの使用であって、以下のステップ:
    (i)上記融合ポリペプチドをTolA結合ポリペプチドに結合させるステップ;
    (ii)上記TolAIIIドメインから上記非TolAポリペプチドをエンドペプチダーゼを使用して切断するステップ;及び
    (iii)上記切断された非TolAポリペプチドを上記TolAIIIドメインから分離するステップ;
    を含む、前記使用。
  37. 上記非TolAポリペプチドの精製及び単離のための、請求項8〜11のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの使用であって、以下のステップ:
    (i)上記融合ポリペプチドの上記アフィニティー精製タグを該アフィニティー精製タグに結合する結合部分に結合させるステップ;
    (ii)上記TolAIIIドメインから上記非TolAポリペプチドをエンドペプチダーゼを用いて切断するステップ;及び
    (iii)上記切断された非TolAポリペプチドを上記TolAIIIドメインら分離するステップ;
    を含む、前記使用。
  38. 宿主細胞中における融合ポリペプチドとしてのポリペプチドの高い発現のための方法であって、請求項1〜15のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドとして上記ポリペプチドを宿主細胞内で発現させるステップを含む、前記方法。
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