JP2018520353A - 婦人科疾患、特に卵巣上皮がんの診断法 - Google Patents

婦人科疾患、特に卵巣上皮がんの診断法 Download PDF

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Abstract

本開示は、CA125のグリコシル化パターンの変化に基づいて婦人科疾患、特に卵巣上皮がんを診断、予測及び/又はモニタリングする方法及びキットに関する。より詳しくは、前記グリコシル化パターンの変化はMGLによって認識可能なグリコシル化パターンの変化に関する。

Description

本開示は、CA125のグリコシル化パターンの変化に基づく、婦人科疾患、特に卵巣上皮がん(EOC)の非侵襲的診断法に関し、EOCを含む婦人科疾患を診断、予測又はモニタリングする様々な方法を提供する。
高感度で正確なバイオマーカーを用いる早期がん検出は、がん処置成功の鍵である。このようなバイオマーカーは、治療応答がほとんど達成されない播種ステージまで無症性のままのがんにとって、極めて重要である。卵巣上皮がん(EOC)は、十分な感度と特異性を有する早期検出が無いことから、重要な医療問題である。初期ステージに診断された女性の5年生存率は90%であるが、後期ステージに検出された場合は20%である。
ムチン16又はMUC16としても知られているヒトがん抗原125(CA125)は、複合膜貫通糖タンパク質であり、EOCに対して最も広く使用されているバイオマーカーである。これは原発性卵巣上皮がんの診断だけでなく、術後の女性の疾患モニタリングにおいても重要な役割を果たす。既存のCA125アッセイは、2つの異なるモノクローナル抗体によって2つの異なるCA125タンパク質エピトープを検出することに基づく二重決定基イムノアッセイである。
しかし、CA125は、良性卵巣新生物及び子宮内膜症などの良性婦人科状態、並びに肝疾患においても、正常な排卵周期中でさえその発現が高いために、特にEOCの初期ステージでの感度及びがん特異性を欠いている。したがって、CA125は、EOCのスクリーニングには推奨されない。
がんの進行中、多くのタンパク質のグリコシル化パターンが変化する。したがって、がん関連のグリコシル化パターンを検出することで、腫瘍検出における特異性の改善を達成するための新規診断アプローチを提示することができる。実際、正常な卵巣組織と比べた場合、グリカン組成の変化が卵巣癌腫で報告されており、さらには、グリカン構造の変化がEOCに罹患した患者の血清CA125で報告されている。
Chen et al.(J.Proteome Res.,2013,12,1408−1418)は、CA125の異常O−グリコフォームが原発性EOC患者由来の血清中に存在し、O−グリカン特異的モノクローナル抗体及びVVL(カラスノエンドウ(Vicia Villosa)レクチン)を使用するサンドイッチイムノアッセイにより検出することができることを報告している。
CA125などの公知の腫瘍マーカーの糖鎖プロファイリング及び異なる腫瘍マーカーのパネルの使用は、多数の偽陽性結果を排除することによって卵巣がん検出の感度及び特異性を高めるのに有効であるように思われるが、今なお、良性疾患と初期の治療可能な卵巣上皮がんとを十分に識別することができる、利用しやすいより特異的の高いマーカーが必要とされている。
一態様において、本開示は、対象における婦人科疾患状態を決定する方法を提供する。前記方法は、
マクロファージガラクトース型レクチンに結合するCA125(CA125MGL)のレベルについて前記対象から採取した試料をアッセイするステップと、
前記試料中のCA125MGLの検出レベルを対照試料のレベル又は所定の閾値と比較するステップと、
前記比較ステップに基づいて前記対象における婦人科疾患状態を決定するステップと
を含む。
いくつかの実施形態において、CA125MGLのレベルの増加は、前記対象が卵巣上皮がん(EOC)に罹患しているか、又は罹患するリスクがあることを示し、一方、CA125MGLのレベルの非増加は、前記対象がEOCに罹患していないか、又は罹患するリスクはないが、子宮内膜症又は子宮内膜がんに罹患しているか、又は罹患するリスクがあり得る、或いは、子宮内膜症又は子宮内膜がんに関して見かけ上健康であり得ることを示す。
いくつかのさらなる実施形態において、本方法は、CA125タンパク濃度について前記対象から採取した試料をアッセイするステップと、検出CA125タンパク濃度を対照試料の濃度又は所定の閾値と比較するステップをさらに含んでいてもよい。CA125MGLレベルの増加と組み合わせたCA125タンパク濃度の増加は、前記対象がEOCに罹患しているか、又は罹患するリスクがあることをさらに示し、一方、CA125MGLレベルの非増加と組み合わせたCA125タンパク濃度の増加は、前記対象が子宮内膜症に罹患しているか、又は罹患するリスクがあることを示し得る。
或いは、又は加えて、本方法は、HE4濃度について前記対象から採取した試料をアッセイするステップと、検出HE4濃度を対照試料の濃度又は所定の閾値と比較するステップをさらに含んでいてもよい。CA125MGLレベルの増加と組み合わせたHE4濃度の増加は、前記対象がEOCに罹患しているか、又は罹患するリスクがあることをさらに示し、一方、CA125MGLレベルの非増加と組み合わせたHE4濃度の増加は、前記対象が子宮内膜がんに罹患しているか、又は罹患するリスクがあることを示し得る。
本方法は、例えば、EOC、子宮内膜症若しくは子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患の鑑別診断法に使用することができ、又はEOC、子宮内膜症若しくは子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患の診断、予測若しくはモニタリングに使用することができる。いくつかの実施形態において、前記モニタリングは、前記婦人科疾患の発症のモニタリング、前記婦人科疾患の罹患又は発生のリスクの任意の変化のモニタリング、処置に対する応答のモニタリング、前記婦人科疾患の再発(relapse)のモニタリング、又は前記婦人科疾患の頻発(recurrence)のモニタリングのためを含み得る。
いくつかのさらなる実施形態において、前記のCA125MGLレベルをアッセイするステップは、前記MGL−NPに結合するCA125のレベルをアッセイすることにより実施することができ、そのアッセイすることには、捕捉剤、例えば、抗CA125抗体又は中皮を使用して試料に含有されているCA125を捕捉することと、検出可能なシグナルを利用してMGL−NPへの結合レベルについて捕捉CA125を測定することとが含まれ得る。言い換えると、前記試料は、CA125結合剤及び検出可能に標識されたMGL−NPを使用することにより、CA125MGLの量についてアッセイされる。
いくつかの他の実施形態において、前記のCA125MGLレベルをアッセイするステップは、前記MGL−NPに結合するCA125のレベルのアッセイすることにより実施することができ、そのアッセイすることには、試料に含有されているCA125のMGL結合グリコフォームを捕捉するために前記試料をMGL−NPに供することと、検出可能なシグナルを利用した、抗CA125抗体又は中皮などのCA125結合剤を使用し、捕捉CA125の量を測定することとが含まれ得る。言い換えると、前記試料は、MGL−NP及び検出可能に標識されたCA125結合剤を使用することにより、CA125MGLの量についてアッセイされる。
別の態様において、本開示は、本明細書に開示のいずれかの方法において使用するためのキットを提供する。前記キットは、CA125結合剤、例えば、モノクローナル抗CA125抗体又は中皮、及びMGL−NPを含む。前記CA125結合剤又は前記MGL−NPのいずれかは、検出可能な標識を含む。いくつかの実施形態において、前記CA125結合剤又は前記MGL−NPのいずれかは、マイクロタイタープレートなどの固相表面に結合される。
さらなる態様において、本開示は、以下に示すようなMGL−NPを提供する。前記MGL−NPは、例えば、対象における婦人科疾患状態の診断、予測及び/又はモニタリングで使用することができる。好ましくは、前記婦人科疾患は、EOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんからなる群から選択される。
本発明の他の目的、態様、実施形態、詳細及び利点は、以下の図面、詳細な説明、実施例、及び従属請求項から明白になるであろう。
以下において、本発明を添付の図面を参照して好ましい実施形態によりさらに詳しく述べる。
本明細書の異なるCA125アッセイの原理を示す図である。従来のCA125イムノアッセイでは(図1A)、捕捉剤及びトレーサーの両方がモノクローナル抗体であり、CA125の異なるタンパク質エピトープを検出する。抗体−レクチンサンドイッチアッセイ(図1B)では、CA125タンパク質エピトープ−特異抗体が捕捉剤として使用され、一方、グリカン特異的Eu3+標識レクチンがトレーサーとして使用される。抗体−レクチンナノ粒子サンドイッチアッセイ(図1C)では、CA125タンパク質エピトープ−特異抗体が捕捉剤として使用され、一方、グリカン特異的Eu3+がドープされたナノ粒子標識レクチンがトレーサーとして使用される。 従来のCA125イムノアッセイの結果を示す図である。原発性卵巣癌腫細胞系OVCAR−3(OvCa−CA125)、羊水(AF−CA125)及び胎盤ホモジェネート(Pla−CA125)由来のCA125がビオチン化Ov197 mAb上で捕捉された。Eu3+キレート標識Ov185 mAbをトレーサーとして使用した。CA125のすべての起源は、ほぼ類似のシグナル/バックグラウンド比を示し、起源にかかわらず同量のCA125が使用されたことが示唆された。 4つの異なるCA125含有試料、すなわち、原発性卵巣癌腫細胞系OVCAR−3(OvCa−CA125)、胎盤ホモジェネート(Pla−CA125)、肝硬変腹水(LC−CA125)、及び未成熟奇形腫(IT−CA125)由来の精製CA125を用いた従来のCA125イムノアッセイを示す図である。5〜2000U/mlの範囲の異なる量のCA125(5〜1000U/mlの範囲の量のIT−CA125を除く)がbioOv197 mAb上で捕捉され、トレーサーとして使用したOv185−Eu3+mAbによって追跡した。異なる試料を相互に識別することはできなかった。IT−CA125だけは、IT腹水中のCA125濃度がわずか904U/mlであったので基質効果によって高濃度(500〜1000U/ml)で偏りを示した。 ユーロピウムN1キレートで標識したレクチンをトレーサーとして使用した場合、AALを除いて、CA125の3つの異なる起源の間で識別は達成されなかったことを示す図である。OVCAR−3細胞系を癌性CA125の供給源として使用し(OvCa−CA125)、一方、羊水及び胎盤ホモジェネートを正常CA125の供給源として使用した(それぞれ、AF−CA125及びPla−CA125)。AALは、羊水由来のCA125を癌性及び胎盤CA125と識別することができた。Y軸に示した極めて低い特異的シグナル(シグナル−バックグラウンド)については、各レクチンに関する表3に記載した高レベルのバックグラウンドシグナルに注目されたい。 4つの臨床試料を用いた抗CA125抗体−AALレクチンアッセイの結果を示す図である。2つのEOC血清試料及び2つの子宮内膜症血清試料由来のCA125(それぞれ、EOC−1、EOC−2、Endo.1及びEndo.2)がbioOv197 mAb上、並びにそれらのFab2画分上で捕捉され、Eu3+キレート標識したAALレクチンをトレーサーとして使用した。EOC患者試料と子宮内膜症患者試料の間の有意な識別は達成されなかった。 抗CA125抗体−レクチンナノ粒子アッセイの結果を示す図である。TSA−BSA緩衝液中、5、50又は100U/mlのいずれかの量の4つの異なる起源由来のCA125がbio−Ov185 MAb上で捕捉された。Eu3+ナノ粒子上に固定化された植物レクチン及びヒトレクチンのパネルをトレーサーとして使用した。MGL−NPだけが、OvCa由来CA125と他の起源のCA125とを明白に識別した。各レクチンのバックグラウンドシグナルを表4に示す。 異なるビオチン化捕捉抗体(Ovk95、Ov185及びOv197)を用いた抗CA125抗体−MGLナノ粒子アッセイの結果を示す図である。Eu3+標識したMGL−NPをトレーサーとして使用した。それぞれの場合において、OvCa−CA125は、Pla−CA125のほぼ10倍で識別された。最大の特異的シグナルは、bioOv185を捕捉抗体として使用した場合に得られた。 4つの異なる起源のCA125を用いた、より広いダイナミックレンジにおけるMGL−NPアッセイの結果を示す図である。原発性OvCa細胞系OVCAR−3(OvCa−125)、胎盤ホモジェネート(Pla−CA125)、及び肝硬変腹水(LC−CA125)及び未成熟奇形腫(IT−CA125)由来のCA125を5〜2000U/mlの量で使用した(5〜1000U/mlの範囲の濃度のIT−CA125を除く)。フック効果は、2000U/mlまでのCA125濃度であっても観察されなかった。 プールした健常男性血漿(HP)又はTSA−BSA 1%緩衝液(TB)でスパイクしたCA125試料によるMGL−NPアッセイの結果を示す図である。特異的シグナルは、TSA−BSA 1%のような単一基質とプールされた健常男性血漿の使用とでほぼ同じであった。 本MGL−NPアッセイと従来のCA125イムノアッセイで得られた特異的シグナルの比を示す図である。EOC血清試料(1〜6)は、妊婦の血清試料(7〜8)及び子宮内膜症試料の2つのプール(9〜10)と比べてシグナルの増加を示した。したがって、本MGL−NPアッセイは、EOC関連CA125と正常又は良性CA125を識別することができる。 5つの異なる臨床血清試料群(対照としての健常女性n=51、子宮内膜症ステージ1〜2 n=33、子宮内膜症ステージ3〜4 n=88、EOC進行/再発症例 n=43(OvCa進行)、及び子宮内膜がんn=16(EmCa)を用いた従来のHE4イムノアッセイのボックスプロット提示を示す図である。各群の中央値をボックス内に示す。 5つの異なる臨床血清試料群(対照としての健常女性n=51、子宮内膜症ステージ1〜2 n=33、子宮内膜症ステージ3〜4 n=88、EOC進行/再発症例 n=43(OvCa進行)、及び子宮内膜がんn=16(EmCa)を用いた従来のCA125イムノアッセイのボックスプロット提示を示す図である。各群の中央値をボックス内に示す。 5つの異なる臨床血清試料群(対照としての健常女性n=51、子宮内膜症ステージ1〜2 n=33、子宮内膜症ステージ3〜4 n=88、EOC進行/再発症例 n=43(OvCa進行)、及び子宮内膜がんn=16(EmCa)を用いたMGL−NPアッセイのボックスプロット提示を示す図である。EOCの中央値は6であるが、他のすべての群の中央値はわずかに1である。 図12A〜12Dは、従来のCA125イムノアッセイ(図12A及び12C)及びCA125MGLアッセイ(図12B及び12D)を使用した、EOCと良性子宮内膜症及び健常対照の識別を示すボックスプロット提示を表す。図12は、術前高悪性度漿液性EOC(n=21)及び子宮内膜症(n=121)におけるCA125が、従来のCA125イムノアッセイを用いた健常対照(n=51)よりも有意に高かった(p<0.001)ことを示す。図12Bは、子宮内膜症と健常対照の間の有意差がCA125MGLレベルでは観察されなかったが、術前EOCレベルは有意に高かった(p<0.001)ことを示す。図12Cは、診断において臨床的に最も挑戦課題である、わずかにCA125濃度が増加した(35〜200U/ml)EOC(n=38)及び子宮内膜症(n=44)試料で、CA125イムノアッセイとは違いはなかったことを示すが、図12Dは、CA125MGLレベルは有意な差が維持されたことを示す。 すべての経時的EOC症例(n=213)対、子宮内膜症症例(n=133)のコホートにおける、単独又は組み合わせのいずれかのHE4、CA125及びCA125MGLに対するROC曲線を示す図である。最高AUC値は、3つのすべてのマーカーの組み合わせで得られた。 EOCの進行/再発症例(n=43)対、子宮内膜症症例(n=133)のコホートにおける、単独又は組み合わせのいずれかのHE4、CA125及びCA125MGLに対するROC曲線を示す図である。最高AUC値は、3つのすべてのマーカーの組み合わせで得られた。 処置前EOC症例(n=29)対、子宮内膜症症例(n=133)のコホートにおける、単独又は組み合わせのいずれかのHE4、CA125及びCA125MGLに対するROC曲線を示す図である。すべてのマーカーが高いAUC値を示したが、最高AUC値は3つのすべてのマーカーの組み合わせで得られた。 本MGL−NPアッセイが、HE4及びCA125イムノアッセイよりも、早く、より強い相対的時間変化を示す図である。各パネルは、それぞれ異なる患者を表し、HE4、CA125及びCA125MGLの相対的濃度を経時的に示す。 図15A〜15Cは、ホルモン状態がCA125MGL及びHE4の血中レベルに影響を全く及ぼさないことを示す。ボックスは、示したように、測定サイクルの異なる段階での健常対照又は子宮内膜症罹患患者を表す。横方向の破線は、当該マーカーに対するカットオフ値を示す。CA125及びHE4のボックスプロットは、Hallamaa et al.(Gynecol.Oncol.,2012,125:667−672)から応用した。略語:prol、prolif、増殖;secr、分泌;endo、子宮内膜症;IA、イムノアッセイ。
本開示は、CA125グリコシル化パターンに基づいて、卵巣上皮がん(EOC)−関連CA125を他のCA125種と識別することを目的とする研究に基づく。この目的に従って、本開示は、特に婦人科疾患、特にEOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患を診断、予測又はモニタリングするための、前記婦人科疾患に罹患していること又は罹患するリスクがあることが疑われる対象における婦人科疾患状態を決定する手段及び方法を提供する。
本明細書で使用される場合、用語「又は」とは、「及び」及び「又は」の両方の意味を有する(すなわち、「及び/又は」)。さらに、単数名詞の意味は、複数名詞の意味を含み、したがって、単数の用語は、別段の定めがない限り、その複数形の意味も有し得る。言い換えると、用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ又は複数を意味し得る。
本明細書で使用される場合、用語「対象」とは、動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒト、最も好ましくは女性を指す。当該実施形態に応じて、前記対象は、診断の有無にかかわらず、婦人科疾患に罹患しているか、婦人科疾患に罹患していることが疑われるか、前記婦人科疾患のリスクがあり得るか、又は、既に婦人科疾患の処置を受けている可能性がある。いくつかの好ましい実施形態において、前記婦人科疾患は、EOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんからなる群から選択される。いくつかのさらに好ましい実施形態において、前記婦人科疾患はEOCである。本明細書において、用語「ヒト対象」、「患者」及び「個体」は互換性がある。
本明細書で使用される場合、用語「試料」とは、組織試料、例えば、卵巣又は子宮内膜から採取された生検試料、並びに体液試料、例えば、対象から採取された腹水、尿、血液、血漿、血清及び腹腔液体を指す。いくつかの実施形態において、前記組織試料は、ホルマリン固定組織試料又はパラフィン包埋組織試料であり得る。一般に、分析しようとする試料を対象から採取することは、対象の婦人科疾患状態を決定する本方法の一部ではない。血液試料、血清試料又は血漿試料が、本方法及びそのすべての実施形態において使用される最も好ましい試料のタイプである。
2つ以上のバイオマーカーのレベルの評価に関する実施形態において、婦人科疾患状態を決定しようとする対象から採取した同一の又は異なる試料を各評価に対して使用することができる。前記異なる試料は、同一のタイプであっても異なるタイプであってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「レベル」は、他に指示のない限り、用語「量」及び「濃度」と互換性がある。
バイオマーカーの検出レベルが前記バイオマーカーに関連した疾患の存在又はリスクを示すかどうかを決定するには、関連する対照におけるそのレベルを決定しなければならない。対照レベルが分かったならば、決定マーカーレベルをそれと比較することが可能になり、差異の有意性を、標準的な統計方法を使用して評価することができる。いくつかの実施形態において、決定バイオマーカーレベルと対照レベルの間の統計的有意差が当該疾患を示す。いくつかのさらなる実施形態において、対照と比較する前に、標準的な方法を使用してバイオマーカーレベルを正規化する。
本明細書で使用される場合、用語「対照」とは、見かけ上健常な個体から採取した対照試料又は見かけ上健常な個体のプールを指し得る。或いは、当該疾患の存在又は非存在を示す所定の閾値、すなわちカットオフ値を指し得る。適切な閾値を決定するための統計方法は、当業者には容易に理解されよう。閾値は、必要に応じて、同じ年齢、人口統計学的な特徴及び/又は疾患状態などの対象の試料から決定することができる。閾値は、当該疾患に罹病していない単一個体から得るものであってもよく、又は複数のこのような個体からプールした値であってもよい。適切な所定の閾値の非限定的な例としては、限定するものではないが、一般に認められているように、CA125については35U/ml、HE4については70pMが挙げられる。
実験部分で試験したコホートでは、健常女性のほぼ90%が2U/ml未満のCA125MGL濃度を示したが、試験した51人の健常女性のうち4名だけが>2U/mlのCA125MGL濃度を示した。したがって、いくつかの実施形態において、CA125MGLに関する所定の閾値は、約2U/ml〜約3U/ml、例えば、約2U/ml又は約2.8U/mlであり得る。しかし、所望の感度及び特異性に応じて、他のCA125MGLに関する所定の閾値を使用することができる。このような他の閾値の非限定的な例としては、約2U/ml〜約7U/ml、約2U/ml〜約6U/ml、約2U/ml〜約5U/ml、及び約2U/ml〜約4U/mlの範囲内にある任意の値が挙げられる。スクリーニング目的及びアッセイの臨床感度を最大限にする必要のある他の使用においては、約0.5〜2U/mlのような低い閾値、例えば、約1U/ml又は1.5U/mlを使用することもできる。一方、診断の実施形態又はアッセイの臨床特異性を最大限にする必要のある他の実施形態において、約5〜20U/mlのような高い閾値、例えば、約10U/ml又は15U/mlを使用することもできる。しかし、これらの範囲はまた、アッセイに十分高い結合活性のMGLを提供する検出技術又は手段の詳細に応じて変わり得る。
いくつかの実施形態において、用語「対照試料」とは、婦人科疾患状態を決定しようとする同じ対象から採取された試料であるが、疾患状態決定の時点とは異なる時点で採取された試料を指す。このような異なる時点の非限定的な例としては、疾患の診断前の1つ又は複数の時点、疾患の診断後の1つ又は複数の時点、疾患の処置前の1つ又は複数の時点、疾患の処置中の1つ又は複数の時点、及び疾患の処置後の1つ又は複数の時点が挙げられる。典型的には、同じ対象から採取されたこのような対照試料は、婦人科疾患状態決定の目的が前記疾患をモニターすること、特に疾患の発症又は疾患の発症リスク、処置に対する応答、疾患の再発、又は疾患の頻発をモニターすることである場合に使用される。
本明細書で使用される場合、用語「見かけ上健常な」とは、当該疾患の徴候を示さず、したがって当該前記疾患に罹病していないと考えられるか、又は、当該前記疾患を発症しないと予測される個体又は個体のプールを指す。
本明細書で使用される場合、用語「疾患を示す」とは、バイオマーカーに適用された場合、信頼水準が最低95%設定の慣用統計方法を使用した、前記疾患又は前記疾患のステージの診断に関するレベルであって、その検出レベルが、前記疾患又は前記疾患のステージを有する対象において、前記疾患を有さない、又は前記疾患の別のステージである対象よりも有意に多く確認されるようなものを指す。好ましくは、疾患を示すレベルは、その疾患に罹患している対象の少なくとも80%で確認され、その疾患に罹患していない対象の10%未満で確認される。より好ましくは、前記疾患を示すレベルは、疾患に罹患している対象の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又はそれ以上で確認され、疾患に罹患していない対象の10%未満、8%未満、5%未満、2.5%未満又は1%未満で確認される。
診断に日常的に使用されている既存のCA125イムノアッセイは、CA125の異なるタンパク質エピトープを認識する2つの異なるモノクローナル抗体によって血清又は血漿中のCA125タンパク質レベルを決定することに基づく。本明細書では「CA125タンパク濃度について試料をアッセイする」と呼ばれる、このような従来のイムノアッセイは、いくつかの異なる提供者から購入することができる。したがって、用語「CA125」とは、そのグリコシル化パターンにかかわらず、CA125のタンパク質成分を指す。一般に、35U/ml以下のCA125血清濃度が正常であると考えられる。しかし、このカットオフレベルを超えるCA125濃度は、卵巣がん以外の状態、例えば子宮内膜症に罹患している患者において高頻度で確認され、EOC診断法において偽陽性の結果をもたらす。
CA125イムノアッセイのこの一般に認められている欠点と一致して、卵巣上皮がん関連CA125と、胎盤ホモジェネート、羊水、肝硬変腹水又は未成熟奇形腫関連腹水由来の正常又は良性CA125との間には、本明細書の例2でより詳細に述べているように、区別はなかった。
CA125は、豊富なN−結合グリカン側鎖及びO−結合グリカン側鎖を有し、総炭水化物含有量が24%〜28%の高度にグリコシル化された分子である。がん細胞及び組織のグリコシル化における変化の同定については、レクチンが、すなわち、それらの糖部分構造及び配列に基づき所定のグリカンに対して高度に特異的な炭水化物−結合タンパク質の周知のファミリーのメンバーが提案されている。
このため、植物レクチン及びヒトレクチンのパネルを、例3でより詳細に述べている抗CA125抗体−レクチンサンドイッチアッセイにおいて使用した。結果によれば、使用したレクチンはいずれも、羊水又は正常胎盤由来の正常CA125と、OVCAR−3と呼ばれる原発性卵巣癌腫細胞系由来の卵巣がん関連CA125とを識別することはできなかった。
しかし、意外なことに、EOC関連CA125とEOC非関連CA125の間の良好な識別が、マクロファージガラクトース型レクチン(MGL)を使用し、それをナノ粒子に固定化した場合に達成された。例3に示したように、本方法は、EOC関連CA125を、胎盤CA125よりも少なくとも10倍優先的に正常/良性CA125から識別する。EOC関連CA125を妊娠関連CA125又は子宮内膜症関連CA125と識別する本方法の能力は、臨床血清試料で確認された。これらの結果は、ナノ粒子に固定化された場合のMGLの使用に限定されず、他の技術によって適切な結合力効果及びシグナル増幅が得られる実施形態に適用される。
本明細書で使用される場合、用語「CA125MGL」とは、MGL、例えば、ナノ粒子固定化MGL(MGL−NP)に特異的に結合する、CA125のグリコフォームを指す。
本明細書で使用される場合、用語「MGL」とは、ヒトの免疫細胞上、より詳しくは樹状細胞及びマクロファージ上に天然に存在するC型レクチン受容体(CLR)である、単離されたヒトマクロファージガラクトース型レクチンを指す。ヒトMGLは、非常に稀な末端GalNAc構造に対する排他的特異性を有しており、これは腫瘍関連ムチンMUC1で判明している。用語「MGL」はまた、当技術分野で公知の標準的な方法によりヒトIgG1−FcにC末端で融合されたMGL(MGL−Fc)も包含する。こうしたMGL−Fcは市販されている。MGLはまた、CD301、及びC型レクチンドメインファミリー10メンバーA(CLEC10A)の名称でも知られている。いかなるFc融合も含まない組換えヒトCLEC10Aは市販されている。
上記に従って、本発明は、前記対象から採取した試料CA125MGLについてアッセイすることにより、対象における婦人科疾患状態を決定する方法を提供する。対照試料又は所定の閾値と比較した場合、前記試料中のCA125MGLレベルの増加は、前記対象がEOCに罹患しているか、又はEOCに罹患するリスクがあることを示す。一方、対照試料又は所定の閾値と比較した場合、前記試料中のCA125MGLレベルの非増加又は正常は、前記対象がEOCに関して見かけ上健常であるか、又は、EOCの罹患又は発症するリスクがないことを示す。いくつかの実施形態において、前記方法は、対象のEOC疾患状態を決定する方法であり得る。いくつかのさらなる実施形態において、前記方法は、EOCを診断、予測、モニタリングする方法であってもよく、EOCのモニタリングは、限定するものではないが、EOCの発症のモニタリング、EOCのリスクにおける任意の発生のモニタリング、処置に対する応答のモニタリング、EOCの再発のモニタリング、及びEOCの頻発のモニタリングを包含する。
しかし、試験結果としてのCA125MGLレベルの非増加又は正常は、婦人科疾患状態を決定しようとする対象が子宮内膜症又は子宮内膜がんなどのEOC以外の婦人科疾患に罹患しているか、又は罹患するリスクがあり得るという可能性を排除するものではない。他方、このような試験結果を有する対象はまた、EOCに関して見かけ上健常であり得るだけでなく、子宮内膜症及び子宮内膜がんに関しても見かけ上健常であり得る。したがって、本方法の目的が対象のEOC状態を決定するだけでなく、子宮内膜症又は子宮内膜がんなどの他の婦人科疾患に関する対象の疾患状態も決定し、前記試料中のCA125MGLのレベルが非増加である場合、EOC以外の婦人科疾患に罹患している前記対象のリスクを決定するためには、さらなる診断試験が当然必要となり得る。下記に述べるように、こうしたさらなる試験は、子宮内膜症又は子宮内膜がんに罹患している前記対象のリスクを決定するために、前記対象から採取した試料をCA125及び/又はHE4についてもアッセイすることを含み得る。或いは、又は加えて、前記のさらなる試験はまた、当技術分野で利用可能な任意の適切な診断方法の使用を含み得る。
いくつかの実施形態において、対象における婦人科疾患状態を決定する方法は、EOCと子宮内膜症又は子宮内膜がんとの鑑別診断法に使用することができる。
上記のように、試料中のCA125MGLのレベルは、いくつかの実施形態において、ナノ粒子固定化MGL(MGL−NP)に結合するCA125のレベルを決定することによって、例えば、本明細書で例示した任意のアッセイフォーマットを使用することによって、定量又はアッセイされ得る。本開示は、MGL−NPベースのアッセイに着目しているが、試料中のCA125MGLレベルを決定する他の技術も同様に想定される。言い換えると、ナノ粒子は、本方法及びその様々な実施形態を実施するための適切な結合力効果及びシグナル増幅を提供する好ましい一方法にすぎない。
本明細書で使用される場合、用語「ナノ粒子」(NP)とは、1つ又は複数の寸法、例えば、約1000nm未満、例えば約500nm以下、約100nm以下、又は約50nm以下の直径を有する合成又は天然の粒子を指す。本明細書で使用される場合、用語「約」とは、所定値の±10%の範囲の値を指す。例えば、語句「約100nm」とは、100nmの±10%、又は90nmから110nmまでを含む。ナノ粒子は、一般に球形を有し得るが、楕円体形状などの非球形も使用することができる。いくつかの実施形態において、前記ナノ粒子のすべての寸法は、約1000nm未満、約500nm以下、約100nm以下、又は約50nm以下である。
異なる様々な物質を本ナノ粒子に利用することができる。適切なポリマーの非限定的な例としては、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリラート)(PMMA)、多糖類、及びそれらのコポリマー又は組み合わせが挙げられる。他の適切なナノ粒子物質としては、限定するものではないが、コロイド金、銀、量子ドット、炭素、多孔性ケイ素及びリポソームが挙げられる。さらなる適切なナノ粒子物質としては、タンパク質ナノ粒子、無機ナノ粒子、ガラスナノ粒子、ナノ粒子結晶体、金属ナノ粒子及びプラスチックナノ粒子が挙げられる。
本方法における使用に適したナノ粒子は、任意の公知の手段によって、直接的又は間接的に、定性的又は定量的に検出することができる。例えば、ナノ粒子は、例えば、アップコンバージョンナノ粒子(UCNP)、共鳴粒子、量子ドット、及び金粒子の場合のような固有特性に基づいて検出可能である。他のいくつかの実施形態において、ナノ粒子は、例えば、蛍光標識、生物発光標識、化学発光標識によって検出可能となり得る。いくつかのさらなる実施形態において、ランタニドによるラベリング又はドーピング、すなわち、可視波長又は近赤外波長又は赤外波長においてルミネッセンス発光があり蛍光崩壊が長い発光ランタニドイオン、例えばユーロビウム(III)、テルビウム(III)、サマリウム(III)、ジスプロシウム(III)、イッテルビウム(III)、エルビウム(III)及びネオジム(III)は、本ナノ粒子を検出することができる好ましい手段である。
いくつかの非限定的な実施形態において、最も好ましいナノ粒子は、97nm又は107nmのいずれかの直径を有するポリスチレンナノ粒子である。このようなナノ粒子は、少なくともThermo Scientific Seradyn Inc.から発売されている。
MGLは、限定するものではないが、例1に開示されているものを含む、当技術分野で公知の任意の適切な方法によってナノ粒子上に固定化され得る。本明細書では、ナノ粒子固定化MGLは、略してMGL−NPと称する。
CA125のMGL−NPへの結合は、様々な方法によって決定することができる。いくつかの実施形態において、前記結合は、CA125特異的モノクローナル抗体を捕捉剤として使用し、MGL−NPをトレーサーとして使用するサンドイッチアッセイによって決定される。いくつかの他の実施形態において、サンドイッチアッセイは、逆の方法を使用して実施することができる。そのような場合、MGL−NPが捕捉剤として使用され、CA125特異的モノクローナル抗体がトレーサーとして使用される。尿は、血液に比べて干渉するグリコシル化分子をほとんど含有しないため、逆サンドイッチアッセイは、血液試料よりも尿試料で良好に操作され得る。
本MGL−NPアッセイのいくつかのさらなる実施形態において、グリコシルホスファチジルイノシトール結合糖タンパク質であるメソセリンを、CA125特異的モノクローナル抗体の代わりに、捕捉剤又はトレーサーのいずれかとして使用することができる。
本発明の様々な実施形態に記載のサンドイッチアッセイは、マイクロタイタープレートなどの固相表面上で、又はラテラルフローフォーマットのいずれかで実施することができる。例えばストレプトアビジン−ビオチン複合体を介した、又はラテラルフローアッセイへの捕捉剤の組み込みを介した、捕捉剤を固相表面に結合させる手段及び方法は当技術分野で公知であり、当業者には容易に理解されよう。任意のトレーサーは、検出可能な標識、例えば、ユーロビウム(lll)、テルビウム(lll)、サマリウム(lll)及びジスプロシウム(lll)から選択されるランタニドキレートなどで標識されていてもよい。いくつかの特定の実施形態において、ユーロビウムキレートが検出可能な標識として使用される。非限定的な好ましい実施形態において、MGL−NPがトレーサーとして使用され、30000Euキレートでドープされる。いくつかの他の特定の実施形態において、MGLはアップコンバージョンリン(UCP)粒子に付着させるが、これはラテラルフローフォーマットでのトレーサーとしての使用に特に適している。
任意のモノクローナル抗CA125抗体を上記のサンドイッチアッセイに使用することができる。適切な市販の抗CA125抗体の非限定的な例としては、少なくともFujirebio Diagnostics、スウェーデンから購入可能なOv185、Ov197及びOvK95が挙げられる。さらなるCA125特異的モノクローナル抗体は、当技術分野で周知の方法によって産生することができる。
本MGL−NPアッセイでの使用に適した基質としては、限定するものではないが、ガラス、シリカ、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、金属酸化物、例えばアルミナ及び酸化ニッケル、金、各種クレイ、ニトロセルロース、又はナイロンが挙げられる。いくつかの実施形態において、基質は、抗CA125抗体の基質への結合を増強する化合物でコーティングされていてもよい。いくつかのさらなる実施形態において、1つ又は複数の対照抗体も基質に結合される。
当業者にはよく知られているように、受信者動作特性(ROC)曲線を利用して、マーカーの感度と特異性の間のトレードオフを実証することができる。感度は疾患を検出するマーカーの能力の尺度であり、特異性は疾患の非存在を検出するマーカーの能力の尺度である。ROC曲線の水平X軸は1つの特異性を表し、これは偽陽性率とともに増加する。この曲線の垂直Y軸は感度を表し、真陽性率とともに増加する。したがって、選択された特定のカットオフについて、特異性及び感度の値を決定することができる。言い換えると、ROC曲線上のデータポイントは、様々な決定境界での真陽性及び偽陽性の分類の率を表す。真陽性率が1.0に接近し、偽陽性率が0.0に接近するにつれて、最適の結果が得られる。しかし、カットオフが特異性を高めるために変更されると、通常、感度は低下し、その逆も同様である。
本明細書で使用される場合、用語「偽陽性」とは、罹病していない対象を、罹病している対象として誤って分類する試験結果を指す。同様に、「偽陰性」とは、罹病している対象を、罹病していない対象として誤って分類する試験結果を指す。
本明細書で使用される場合、用語「真陽性」とは、疾患に罹患している対象を、罹病している対象として正確に分類する試験結果を指す。同様に、「真陰性」とは、罹病していない対象を、罹病していないものとして正確に分類する試験結果を指す。
上記によれば、用語「成功率」とは、陽性の結果を有する罹病した個体のパーセンテージを示した割合を意味し、一方、用語「偽陽性率」とは、陽性の結果を有する罹病していない個体のパーセンテージを示す割合を指す。
多くの場合AUCと呼ばれる、ROC曲線下面積は、疾患対象の正確な識別におけるマーカーの有用性の尺度である。したがって、AUCを使用して試験の有効性を決定することができる。面積1とは完全な試験を表し;面積0.5とは無効な試験を表す。診断試験又は予測試験の正確性を分類するための従来のラフな基準は、下記のとおりである:AUC値の0.9〜1は、診断力又は予測力が優れた試験を表し、AUC値の0.80〜0.90は、診断力又は予測力が良好な試験を表し、AUC値の0.70〜0.80は、診断力又は予測力が適正な試験を表し、AUC値の0.60〜0.70は、診断力又は予測力が不十分な試験を表し、AUC値の0.50〜0.60は、診断力又は予測力が不良な試験を表す。
実験部分に示したように、使用したEOC患者群(全213EOC症例、EOCの初期ステージを表す43症例、又はEOCの進行ステージを表す29症例)に応じて、本MGL−NPアッセイは、EOCを、0.815、0.870又は0.899のAUC値で子宮内膜症と識別することができた。EOCの初期進行/再発ステージを表す臨床コホートにおける本MGL−NPアッセイの成功率は、71.9%であった。
上記の値は、MGL−NPアッセイを、そのグリコフォーム組成に関係なくCA125タンパク質の全血清濃度を決定する従来のCA125イムノアッセイと組み合わせた場合に改善された。EOCの初期ステージを表す臨床コホートにおけるCA125MGL及びCA125の組み合わせ決定の成功率は、81.2%に改善された。したがって、いくつかの実施形態において、対象における婦人科疾患状態を決定する本方法は、前記対象から採取した試料中、好ましくは血液試料中、より好ましくは血清又は血漿中のCA125MGL及びCA125両方のレベルの決定を含み得る。このような組み合わせ決定は、少なくとも場合によっては、試験結果の精度を改善し、又はそれを確認することができる。
CA125MGL及びCA125の両レベルの組み合わせ決定は、EOCに罹患している対象又はEOCのリスクのある対象と、子宮内膜症に罹患している対象又は子宮内膜症のリスクのある対象を相互に識別するのに特に有用であり、すなわち、EOCと子宮内膜症とを鑑別診断するのに特に有用である。これは、EOC関連CA125を検出する優れた能力を有するが、CA125MGL濃度が子宮内膜症に罹患している対象から採取した試料中で増加しないため、CA125MGLが見かけ上健常な対象と子宮内膜症に罹患している対象とを識別しないので、少なくとも部分的である。言い換えると、CA125MGLの正常レベル又は非増加レベルは、対象が、子宮内膜症に関して見かけ上健常であるか、又は子宮内膜症に罹患している、若しくは子宮内膜症のリスクがあるかどうかを区別しない。次に、CA125タンパク濃度は、典型的には、EOCと子宮内膜症の両方で増加する。したがって、CA125MGL及びCA125両方の濃度の増加は、EOCの存在又はリスクを示すが、CA125タンパク濃度の増加と同時のCA125MGLレベルの非増加は、子宮内膜症の存在又はリスクを示す。一方、CA125MGL及びCA125両方の濃度の非増加は、EOCも子宮内膜症も存在せず、又はリスクがないことを示す。
したがって、いくつかの実施形態において、婦人科疾患状態を決定する本方法は、対象のEOC疾患状態を決定する方法、例えば、対象のEOCを診断、予測又はモニタリングする方法であって、前記試料から採取した試料をCA125MGLについてアッセイするステップと、前記対象から採取した同一の又は異なる試料をCA125タンパク濃度についてアッセイするステップとを含む、上記方法であり得る。このような方法において、CA125タンパク濃度の増加と組み合わされたCA125MGLレベルの増加は、前記対象がEOCに罹患しているか、又はEOCに罹患するリスクがあることを示し得る。一方、CA125タンパク濃度の非増加又は正常と組み合わされたCA125MGLレベルの非増加又は正常は、前記対象がEOCに罹患していないか、又はEOCに罹患するリスクがないこと、すなわち、EOCに関して見かけ上健常であることを示し得る。
いくつかの他の実施形態において、本方法は、対象における子宮内膜症疾患状態を決定する方法、例えば、子宮内膜症を診断、予測、又はモニタリングする方法であって、前記試料から採取した試料をCA125MGLについてアッセイするステップと、前記対象から採取した同一の又は異なる試料をCA125タンパク濃度についてアッセイするステップとを含む、上記方法であり得る。このような方法において、CA125タンパク濃度の増加と組み合わされたCA125MGLレベルの非増加は、前記対象が子宮内膜症に罹患しているか、又は子宮内膜症に罹患するリスクがあることを示し得る。一方、CA125タンパク濃度の非増加と組み合わされたCA125MGLレベルの非増加は、前記対象が子宮内膜症に罹患していないか、又は子宮内膜症に罹患するリスクがないこと、すなわち、子宮内膜症に関して見かけ上健常であることを示し得る。
実験部分に示したように、EOCを有する対象と子宮内膜症を有する対象を識別するためのMGL−NPアッセイの性能はまた、従来のHE4イムノアッセイとの併用によって改善された。HE4(ヒト精巣上体タンパク質4)は公知の血清バイオマーカーであり、卵巣がん及び子宮内膜がんの両方で過剰発現される。EOCの初期ステージを表す臨床コホートにおけるCA125MGL及びHE4の組み合わせ決定の成功率は、93.7%に改善された。したがって、いくつかの実施形態において、対象における婦人科疾患状態を決定する本方法は、好ましくは血液中、より好ましくは血清又は血漿中のCA125MGL及びHE4の両レベルの決定を含み得る。HE4測定を含む本方法のいずれかの実施形態において、検出したHE4濃度と比較するための適切な所定の閾値としては、限定するものではないが、特に閉経前の対象又は50歳未満の対象については70pM、及び特に閉経後の対象又は50歳を過ぎた対象については90pM又は140〜150pMが挙げられる。
したがって、いくつかの実施形態において、CA125MGL及びHE4両方の血清レベルの決定を使用して、対象におけるEOC疾患状態を決定することができ、より詳しくは、前記対象におけるEOCを診断、予測、又はモニタリングすることができる。このような方法において、CA125MGL及びHE4の両濃度の増加はEOCの存在又はリスクを示し得るが、CA125MGL及びHE4の両濃度の非増加は、前記対象がEOCに罹患していないか、EOCに罹患するリスクがないこと、すなわち、EOCに関して見かけ上健常であることを示し得る。
いくつかの他の実施形態において、CA125MGL及びHE4両方の血清レベルの決定は、EOC及び子宮内膜がんの鑑別診断に使用することができる。このような方法において、CA125MGL及びHE4の両濃度の増加は、EOCの存在又はリスクを示し得るが、HE4の濃度の増加と同時にCA125MGLの濃度が非増加であった場合は、子宮内膜がんの存在又はリスクを示し得る。
いくつかのさらなる実施形態において、CA125MGL及びHE4両方の血清レベルの決定を使用して、対象における子宮内膜がん疾患状態を判定することができ、より詳しくは、前記対象における子宮内膜がんを診断、予測、又はモニタリングすることができる。このような方法においては、HE4濃度の増加と同時のCA125MGLの濃度の非増加は、対象が子宮内膜がんに罹患しているか、又は子宮内膜がんのリスクがあることを示し得るが、一方、対象におけるCA125MGL及びHE4両方の濃度の非増加は、前記対象が子宮内膜がんに罹患していないか、又は子宮内膜がんに罹患するリスクがないこと、すなわち、子宮内膜がんに関して見かけ上健常であることを示し得る。
いくつかのさらなる実施形態において、CA125MGL、CA125及びHE4は、特にEOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんから選択される疾患に関する対象における婦人科疾患状態の決定において、EOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんの鑑別診断において、並びにEOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんに関する診断、予測、又はモニタリングのいずれかの目的において、すべてを組み合わせて使用することができる。
以下の実施例に示したように、3つのバイオマーカーの組み合わせた使用は、EOCの子宮内膜症からの優れた識別を提供した。より詳細には、0.899、0.947及び0.967のAUC値が、非分類のEOC試料群(n=213)、EOCの初期ステージを表す血清試料群(n=43)、及びEOCの進行ステージを表す血清試料群(n=29)でそれぞれ得られた。したがって、いくつかの実施形態において、同一の又は異なる試料を前記試料中のCA125MGL、CA125及びHE4の濃度についてアッセイすることによる、対象におけるEOC疾患状態を決定する方法、例えば、前記対象におけるEOCを診断、予測又はモニタリングする方法が提供される。このような方法においては、CA125MGL、CA125及びHE4の濃度の同時増加は、前記対象がEOCに罹患しているか、又はEOCに罹患するリスクがあることを示し得る。一方、CA125MGL、CA125及びHE4の濃度の同時非増加は、前記対象がEOCに罹患していないか、又はEOCに罹患するリスクがないことを示し得る。
いくつかのさらなる実施形態において、同一の又は異なる試料を前記試料中のCA125MGL、CA125及びHE4の濃度についてアッセイすることによる、対象における子宮内膜症状態を決定する方法、例えば、前記対象における子宮内膜症を診断、予測又はモニタリングする方法が提供される。このような方法においては、CA125MGL及びHE4の濃度の同時非増加と組み合わされたCA125の濃度の増加は、前記対象が子宮内膜症に罹患しているか、又は子宮内膜症に罹患するリスクがあることを示し得る。一方、CA125MGL、CA125及びHE4の濃度の同時非増加は、前記対象が子宮内膜症に罹患していないか、又は子宮内膜症に罹患するリスクがないことを示し得る。
また、いくつかのさらなる実施形態において、同一の又は異なる試料を前記試料中のCA125MGL、CA125及びHE4の濃度についてアッセイすることによる、対象における子宮内膜がん状態を決定する方法、例えば、前記対象における子宮内膜がんを診断、予測、又はモニタリングする方法が提供される。このような方法においては、CA125MGL及びCA125の濃度の同時非増加と組み合わされたHE4濃度の増加は、前記対象が子宮内膜症に罹患しているか、又は子宮内膜症に罹患するリスクがあることを示し得る。一方、CA125MGL、CA125及びHE4の濃度の同時非増加は、前記対象が子宮内膜がんに罹患していないか、又は子宮内膜がんに罹患するリスクがないことを示し得る。
さらに、本方法の様々な実施形態は、EOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患と、限定するものではないが、結腸がん、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸疾患、過敏性腸症候群及びクローン病を含む腹痛関連の他の疾患との鑑別診断に使用することができる。
上述のように、本方法は、いくつかの実施形態において、EOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんを含む婦人科疾患の診断に関し、すなわち、対象が前記婦人科疾患に罹患しているか、又は前記婦人科疾患のリスクがあるかどうかを決定することに関する。これはまた、婦人科疾患の存在又はリスクは最終的に決定されないが、さらなる診断検査が当然必要とされる場合を含むことを意味する。このような実施形態において、本方法は、それ自体、対象における婦人科疾患の存在若しくは非存在、又は婦人科疾患のリスクを決定するものではないが、さらなる診断検査が必要であるか、有益であることを示すことができる。したがって、本方法は、対象における婦人科疾患の存在若しくは非存在、又は婦人科疾患のリスクを最終決定する1つ又は複数の他の診断方法と組み合わせることができる。このような他の診断方法は、当業者には周知である。
非侵襲的であり、血清試料の分析に適切であるので、本方法及びその様々な実施形態は、EOC、子宮内膜症若しくは子宮内膜がんに罹患しているか、又はEOC、子宮内膜症若しくは子宮内膜がんに罹患する、若しくは発症するリスクがある対象を同定するための集団スクリーニングプロトコルに容易に加えることができる。これにより、EOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんの初期診断が可能になるだけでなく、対象におけるEOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんの発症に対して有効な監視が可能になり、その後の生活においてEOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんを発症するリスクの増加が同定される。さらに、EOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんの早期検出によって、治癒のチャンスが最大である早期に、その疾患を処置することができるようになる。
本方法及びその様々な実施形態は、診断目的に使用することができるだけでなく、EOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんを含む婦人科疾患の予後若しくは転帰の予測、或いは前記婦人科疾患からの対象の回復若しくは生存、疾患の再発若しくは頻発の可能性、又は処置に対する応答のモニタリングに使用することができる。いくつかの実施形態において、本方法は、当該婦人科疾患の診断後の異なる時点で、及び/又は、例えば、当該婦人科疾患を緩和又は治癒するための手術、放射線療法、化学療法、他の適切な治療的処置又はそれらの任意の併用による治療的介入の前、途中及び後に、HE4及びCA125の一方又は両方のレベルを同時に比較するかどうかにかかわらず、前記MGL−NPに結合するCA125のレベルをCA125MGLの量と比較することによって、前記対象における前記婦人科疾患状態をモニタリングすることを含む。他のいくつかの実施形態において、本方法は、前記MGL−NPに結合するCA125のレベル若しくはCA125MGLの量が対照よりも高い場合、又は所定の閾値を上回る場合、EOCの再発若しくは頻発がある、又はEOCの再発若しくは頻発のリスクがあると、前記対象を決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているEOCの診断、予測及び/又はモニタリングは、EOCの新規若しくは再発の徴候又は疑いがある「EOC疾患状態を決定する」という表現によってすべて包含される。したがって、本方法は、前記対象から採取した試料中のMGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLのレベルをアッセイするステップと、MGL−NPに結合する前記CA125のレベル又は前記CA125MGLのレベルに基づいて前記対象におけるEOC疾患状態を決定するステップを含む、EOCへの罹患が疑われる対象におけるEOC疾患状態を決定する方法として策定することができる。言い換えると、EOCの罹患が疑われる対象又はEOCのリスクがある対象におけるEOCを診断、予測及び/又はモニタリングする方法は、前記対象から採取した試料中のMGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLのレベルをアッセイするステップと、前記MGL−NPに結合するCA125のレベル又は前記CA125MGLのレベルに基づいて前記対象におけるEOCを診断、予測及び/又はモニタリングするステップを含み得る。このような方法においては、関連する対照又は所定の閾値と比較した場合のMGL−NPに結合するCA125のレベルの増加又はCA125MGLのレベルの増加は、EOCの存在、又はEOCのリスクを示す。
分析しようとする試料中のMGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLのレベルと関連する対照のそれらのレベル又は所定の閾値との比較は、いくつかの実施形態において、コンピューター装置のプロセッサーによって実施することができる。コンピューター装置のプロセッサーが前記比較に使用されるかどうかに関わらず、MGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLの量は、少なくともいくつかの実施形態において、試料中のMGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLの量が、例えば、所定の閾値、又は対照試料中のMGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLの量の少なくとも約1.5倍、1.75倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、8倍、9倍、10倍、20倍若しくは30倍である場合、「増加」又は「高い」と判定される。いくつかの実施形態において、分析しようとする試料中のMGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLの量と、所定の閾値又は対照試料中のMGL−NPに結合するCA125のレベル又はCA125MGLの量との差異は、適切な診断結果、予測結果又は予見結果を提供するために統計的に有意でなければならない。HE4又はCA125の濃度の「増加」濃度は、当業者には明らかなように、同様に定義され得る。
婦人科疾患状態を決定しようとする対象、又は婦人科疾患について診断、予測若しくはモニタリングしようとする対象から採取した試料中のCA125MGL、CA125又はHE4の濃度は、関連する対照試料のそれらの濃度又は所定の閾値と比較した際に、検出したその濃度が低く、本質的に同じであるか、又は本質的に変化していなかった場合、「非増加」又は「正常」と考えられる。
いくつかの実施形態において、本方法は、EOCの早期診断、及びEOCの再発、頻発及び進行の早期検出に特に好適である。同様に、CA125MGLは、EOC並びにEOCの再発、頻発及び/又は進行に関する早期腫瘍マーカーとして役立ち得る。したがって、本方法及びCA125MGLは、診断、予測及びモニタリングの目的だけでなく、無症候性女性のEOC又はEOCの発症リスクに関するスクリーニングにも使用することができる。
また本開示は、本方法及びその様々な実施形態において使用するためのキットを提供する。本キットは、CA125結合剤、例えば、モノクローナル抗CA125抗体又はメソセリン、及びMGLが固定されたナノ粒子を含む。前記CA125結合剤又はMGL−NPのいずれかは検出可能な標識を含み、マイクロタイタープレートなどの固相表面上に固定されていてもよい。また本方法の様々な詳細及び実施形態は、当業者には容易に理解されるように、本キットにも適用される。したがって、適切なナノ粒子の特性及び特徴は、例えば、本明細書では繰り返さない。
いくつかの実施形態において、前記抗CA125抗体は、マイクロタイタープレートなどの固相表面上に結合されている。いくつかのさらなる実施形態において、プレートのストレプトアビジンコーティング及び抗体のビオチン化が前記結合に使用される。同様のことを達成する代替方法は、当業者には容易に利用できる。
任意選択的に、本キットはまた、MGL−NPに結合するCA125の測定値と比較するための対照を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、対照は、測定値と比較するための閾値である。
いくつかの実施形態において、本キットは、CA125及び/又はHE4タンパク濃度をアッセイするための1つ又は複数の試薬をさらに含んでいてもよい。CA125タンパク濃度をアッセイするための典型的な試薬の非限定的な例としては、2つのCA125結合剤、例えば、CA125中の異なるタンパク質エピトープに結合する2つのモノクローナル抗CA125抗体が挙げられる。CA125結合剤のうちの1つは、CA125MGLをアッセイするために提供されるCA125結合剤と同一であってもよい。HE4タンパク濃度をアッセイするための典型的な試薬の非限定的な例としては、2つのHE4結合剤、例えば、HE4中の異なるタンパク質エピトープに結合する2つのモノクローナル抗HE4抗体が挙げられる。2つのCA125結合剤又はHE4結合剤のうちの1つは固相表面上に固定化することができ、他方のCA125結合剤又はHE4結合剤は検出可能な標識を含んでいてもよい。
いくつかのさらなる実施形態において、本キットはまた、本開示のいずれかの方法も実施するためのコンピューター実行可能命令を含むコンピューター可読媒体を含んでいてもよい。
また、CA125MGL、好ましくはCA125及び/又はHE4の濃度について試料をアッセイするための試薬を含有するキットの実施形態は、また他の任意のバイオマーカーについて、特にEOC、子宮内膜症又は子宮内膜がん以外の任意の疾患、例えば、他の婦人科疾患又は下腹部痛関連疾患に関連する1つ又は複数のバイオマーカーついて前記試料をアッセイするための試薬を含んでいてもよい。したがって、本キットは、EOC、子宮内膜症及び/又は子宮内膜がんを診断、予測、又はモニタリングするために使用され得るだけでなく、例えば、濃度がアッセイされる1つ又は複数の他のバイオマーカーの特異性及び感度に応じて、他の婦人科疾患又は他の下腹部痛関連疾患を診断、予測、又はモニタリングするために使用することができる。
また、固定化MGL(MGL−NP)を含む本明細書に開示したナノ粒子;前記MGL−NPを含む組成物;対象における婦人科疾患、特にEPC、子宮内膜症及び子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患の状態を決定するためのMGL、前記MGL−NP、又は前記組成物の使用;対象における婦人科疾患を診断、予測又はモニタリングするためのMGL、前記MGL−NP又は前記組成物の使用;対象におけるEOCを診断、予測又はモニタリングするためのMGL、前記MGL−NP又は前記組成物の使用;対象における子宮内膜症を診断、予測又はモニタリングするためのMGL、前記MGL−NP又は前記組成物の使用;対象における子宮内膜がんを診断、予測又はモニタリングするためのMGL、前記MGL−NP又は前記組成物の使用;EOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんを鑑別診断するためのMGL、前記MGL−NP又は前記組成物の使用;EOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんと、他の下腹部痛関連疾患、例えば、結腸がん、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸疾患、過敏性腸症候群及びクローン病を識別するためのMGL、前記MGL−NP又は前記組成物の使用も提供される。いくつかの実施形態において、MGL、前記MGL−NP又は前記組成物の前記使用は、所望の診断効果又は予測効果を達成するため、或いは当該疾患の発症、進行、再発若しくは頻発、又は処置に対する応答をモニタリングすることを可能にするためのHE4及び/又はCA125タンパク濃度を決定する試薬及び方法の併用を必要とし得る。本方法とその実施形態に関して開示したいずれの詳細及び施用は、たとえ、詳細及び適用が本明細書で繰り返されていなくとも、MGL−NPの様々な使用に適用される。
当業者には、技術の進歩とともに、本発明の概念が様々な方法で実施され得ることは明白であろう。本発明及びその実施形態は、下記に述べた実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変更することができる。
例1:材料及び方法
CA125及び臨床試料の供給源
原発性卵巣癌腫(OvCa)細胞系OVCAR−3由来の精製CA125は、Fujirebio Diagnostics(スウェーデン)から入手した。本実験において、前記OVCAR−3由来CA125抗原は、詳細に研究された唯一の抗原であるため(クローニング、グリコシル化、相互作用)、悪性CA125を表すために使用した。
すべての生体試料は、Hospital District of Southwest Finlandの倫理指針に従い、適切な許可及びインフォームドコンセントのもとにフィンランドのTurku大学病理部によって提供された。
まず、正常な羊水及び胎盤ホモジェネート上清をCA125の非悪性(すなわち正常)の供給源として使用した。その後、肝硬変患者(LC)及び未成熟奇形腫(EOCとは異なる生殖系卵巣がん;IT)の腹水を、CA125のさらなる供給源として含めた。各試料中のCA125の含有量は、精製OVCAR−3由来CA125を標準として使用する従来のCA125イムノアッセイによって決定した。
表1に示したとおりの4つの臨床状態が異なる保存血清試料(n=401)も使用した。
抗CA125抗体
CA125の異なるタンパク質エピトープを検出する3つの異なるモノクローナル抗CA125抗体、すなわち、Ov185、Ov197及びOvK95は、Fujirebio Diagnostics(ヨーテボリ、スウェーデン)から入手した。
トレーサーとして使用するため、当技術分野で公知の標準プロトコルを使用して、抗体をEu3+キレートで標識した。
固相捕捉剤として使用するため、当技術分野で公知の標準手順を使用して、抗体を40倍モル過剰のビオチンイソチオシアナートで室温(RT)にて4時間ビオチン化した。ビオチン化抗体は、150mmol/LのNaCl及び0.5g/LのNaNを含有する50mmol/LのTris−HCl(pH7.75)を使用することにより、NAP−5及びNAP−10ゲル濾過カラム(GE Healthcare、Schenectady、NY、米国)で精製した。標識抗体は、1g/LのBSA(Bioreba、ニヨン、スイス)で安定化させ、+4℃で保存した。
レクチン
植物レクチンのパネルはVECTORラボから購入し、2つのヒトレクチン、すなわちMGL、DC−SIGNは、VU大学メディカルセンター(アムステルダム、オランダ)からの提供をうけた。MGLの細胞外部分をPCRによりpRc/CMV−MGL上で増幅させ、配列分析によって確認し、Sig−plgG1−Fcベクター中のヒトIgG1−FcにC末端で融合させた。MGL−Fcは、CHO細胞のトランジエントトランスフェクションによって産生された。本例において、MGL−FcはMGLと呼称する。
レクチンは、N1ユーロピウムキレートで標識するか、又はThermo Scientific Seradyn Inc.(インディアナポリス、インディアナ州)から入手したユーロピウムキレートドープされた、単分散のカルボキシル修飾Fluoro−Max(商標)ポリスチレンナノ粒子(直径107nm、カルボキシル含有量0.157mEq/g、パーキングエリア56.6Å)上に固定化した。使用したナノ粒子は、粒子当たり30,000キレート化イオンに相当する長持続時間の蛍光を生成する。
レクチンの一級アミノ基は、いくつかのマイナー変更を施した既に開示されている手順(Soukka et al.,Anal.Chem.2001,73,2254−2260)を使用して、ナノ粒子の活性化カルボキシル基に共有結合させた。ナノ粒子(1e1012粒子)を10mmol/Lのリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、それらの表面を0.75mmol/LのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(Sigma−Aldrich、セントルイス、ミズーリ州、米国)及び10mmol/LのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(Sigma−Aldrich)を用いて活性化させた。カップリング反応におけるレクチンの濃度は0.625mg/mlであり、その反応物は100mmol/LのNaClを含有していた。この活性化粒子をレクチンと混合した。カップリング反応は、+23℃で2時間、激しく振盪しながらインキュベートした。最終洗浄と残りの活性基のブロッキングは、Trisベース緩衝液(10mmol/L Tris、0.5g/L NaN、pH8.5)中で実施し、ナノ粒子−レクチンコンジュゲートを、4℃で2g/L BSAを補充した同一緩衝液中で保存した。最初に使用する前に、粒子を完全に混合し、超音波処理し、軽く遠心分離を行い(350g、5分)、単分散懸濁液から非コロイド状凝集体を分離した。
CA125アッセイ
これらの実験で使用したRedアッセイ緩衝液、洗浄緩衝液、及びストレプトアビジンコーティング低蛍光マイクロタイタープレートは、Kaivogen Oy(ツルク、フィンランド)から購入した。
ビオチン化固相抗体(200ng)は、アッセイ緩衝液100μL中でストレプトアビジンコーティングマイクロタイターウェル上に固定化した。室温にて900rpmで振盪しながら1時間インキュベーションした後、ウェルを洗浄液で2回洗浄し、直ちにアッセイに使用した。
次に、50μLの希釈した試料(アッセイ緩衝液中1:5)を各ウェルに加え、振盪しながら室温で1時間インキュベートした。それによりウェル上に捕捉された異なる起源のCA125抗原を、3つの異なるEu+標識トレーサー、すなわち、CA125のタンパク質エピトープの検出に対してはOv185−Eu3+mAb、及びCA125のグリカンエピトープの検出に対しては様々なEu3+標識レクチン又はEu3+標識レクチン−ナノ粒子のいずれかを用いる、3つの異なる時間分解蛍光(TRF)アッセイフォーマットに使用した。
従来のCA125イムノアッセイにおいて固相捕捉CA125を検出するために(例2)、25ngのOv185−Eu3+mAbを含有するアッセイ緩衝液200μLを各ウェルに加え、振盪しながら室温で1時間インキュベートした。900rpmで振盪しながら室温で10分間増強溶液を加えた後、Victor3V 1420 Multilabelカウンターを使用して、ユーロピウムの時間分解蛍光を測定した(lex:340nm;lem:615nm)。
抗CA125抗体−レクチンサンドイッチアッセイにおいて固相捕捉CA125を検出するために(例3)、25ngのEu+3−レクチンを含有する200μLのアッセイ緩衝液を各ウェルに加え、振盪しながら室温で1時間インキュベートした。900rpmで振盪しながら室温で10分間増強溶液を加えた後、Victor3V 1420 Multilabelカウンターを使用して、ユーロピウムについての時間分解蛍光を測定した(lex:340nm;lem:615nm)。
抗CA125抗体−レクチンナノ粒子サンドイッチアッセイにおいて固相捕捉CA125を検出するために(例4)、様々なレクチンでコーティングした5e6 Eu3+−NPを含有するアッセイ緩衝液100μLを、CLR(DC−SIGN、MGL)についてはさらなる6mMのCaClと共に各ウェルに加え、振盪しながら室温で2時間インキュベートした。インキュベーション後、ウェルを洗浄緩衝液で6回洗浄した。Victor3V 1420 Multilabelカウンターを使用して、乾燥ウェルからユーロピウムの時間分解蛍光を測定した(lex:340nm;lem:615nm)。
臨床血清試料に対するHE4アッセイ及びCA125アッセイ
ヒト精巣上体タンパク質(HE4)及びCA125タンパクの濃度を、製造業者の使用説明書に従い、ELISA分析(Fujirebio Diagnostics Inc.、モールヴァン、ペンシルベニア州、米国)により血清試料で分析した。
例2:従来のCA125イムノアッセイ
ビオチン化Ov197 mAb(ストレプトアビジンプレート上のCA125に対する捕捉抗体として)とEu3+標識Ov185 mAb(トレーサー抗体として)の組み合わせを、DELFIA(登録商標)時間分解蛍光(TRF)イムノアッセイで使用した。使用したmAbは、CA125上の異なるタンパク質エピトープを検出する。この従来のCA125イムノアッセイの基本原理は図1Aに示しており、一方、実験の詳細は例1に記載している。
まず、3つの異なるCA125含有試料、すなわち、OVCAR−3由来精製CA125、羊水(AF)、及び胎盤ホモジェネート(Pla)を上記のようにアッセイした。
結果は、異なる起源のCA125が、各試料中のCA125タンパク質の量がほぼ同じであることを示すほぼ同じ正味シグナルを発することを示した(図2)。したがって、従来のCA125イムノアッセイは、悪性CA125の正常CA125からの識別には使用することができない。
次に、上記の結果を、CA125の別の起源のセットを用いて、より大きなダイナミックレンジにおいて確認した。この目的に向けて、4つの異なる起源のCA125、すなわち、OVCAR−3細胞系由来の癌性CA125、及び胎盤ホモジェネート(Pla)由来の正常/良性CA125並びに肝硬変(LC)及び未成熟奇形腫(IT)の2つの腹水を、5〜1000U/mlの範囲の量で使用したIT−CA125を除き、5〜2000U/mlの範囲の量でOv197プレート上にアプライした。異なる起源のCA125のOv197に対する結合を検出するためのトレーサーとして、Ov185を使用した。これらの結果から、従来のCA125イムノアッセイは、異なる起源のCA125を相互識別に使用することができないことが確認された(図3)。
例3:抗CA125抗体−レクチンサンドイッチアッセイ
これらの実験において、3つの異なる起源のCA125を、TSA−BSA1%中10〜100U/mlの範囲の量で使用した。CA125を、ビオチン化Ov185抗CA125抗体上で捕捉させた。Eu3+標識植物レクチン及びヒトレクチンのパネルを、図1Bで図式的に示し、例1で詳細に述べたようなトレーサーとして使用した。ほとんどの反応は、極めて低い特異的シグナルに関して高いバックグラウンドを示した。
図4は、使用したレクチンはいずれも、非悪性CA125とEOC由来CA125を識別することができなかったことを示す。最小バックグラウンドはMGLで得られたが、CA125との反応からの正味シグナルは非常に弱かった。使用した各レクチンに対するバックグラウンドシグナルを下記の表3に示す。
一方、AAL(キノコのヒイロチャワンタケ由来のレクチン)は、羊水由来のCA125と反応することができたが、癌性又は胎盤CA125とは反応することができなかった。子宮内膜症罹患患者の良性CA125の同定にAALを使用できるかどうかを試験するため、EOC罹患患者から2つと子宮内膜症罹患患者から2つの計4つの臨床血清試料を用いた。図5に示すように、AALは、EOC由来CA125と子宮内膜症由来CA125との識別には使用することができない。捕捉抗体のFab画分を使用してバックグラウンドシグナルを減少させるよう試みたが、有意な改善は達成されなかった。
例4:抗CA125抗体−レクチンナノ粒子サンドイッチアッセイ
レクチンの直接的Euキレート標識は、CA125の異なる起源間で識別しなかったので、機能的親和性(結合力効果)を改善するため、例1に述べたように、レクチンをEu3+ドープしたナノ粒子上に固定化した。特に、次のナノ粒子の2つの特徴が結果の改善の一因となることに注目した:1)107nm粒子における30,000キレートによって提供されるシグナル増幅、及び2)粒子上の高密度固定化レクチンによって提供される結合力効果によるそれらの標的エピトープへのレクチンの機能的親和性の強化。
これらの実験では、4つの異なる起源のCA125、すなわち、精製OVCAR−3由来CA125(150900U/ml)、胎盤ホモジェネート(Pla)、肝硬変(LC)腹水、及び未成熟奇形腫(IT)腹水を使用した。次に、抗体−レクチンナノ粒子サンドイッチアッセイを使用して、TSA−BSAにスパイクした全4種の異なる起源からのCA125 5〜100U/mlをアッセイした。ビオチン化Ov185 mAbを捕捉抗体として使用し、一方、数種類の異なる植物レクチン、すなわち、WGA、WFA、SNA、PHAE、SBA、AAL、UEA、MAA、RCA、PSA、VVL、TJA若しくはPNA、又はヒトC型レクチン受容体(CLR)、すなわちMGL及びDC−SIGNがロードされた、Euキレートドーブナノ粒子をトレーサーとして使用した。
図6に示したように、ヒトレクチンMGLナノ粒子だけが、EOC由来CA125に対する特異性の増加を示した。EOC由来CA125での正味シグナルは、胎盤ホモジェネート由来CA125(Pla−CA125)でのシグナルよりも10倍〜12倍高かった。肝硬変由来CA125(LC−CA125)、及び未成熟奇形腫由来CA125(IT−CA125)での正味シグナルは、非常に低かった。使用した各レクチンに関するバックグラウンドシグナルを下記の表4に示す。
WGAは、LC−125及びIT−CA125での正味シグナルがEOC由来CA125又は胎盤CA125でのシグナルよりも4倍多いことを示し、一方、SNA、PHA−E、PNA、VVL及びDC−SIGNは、胎盤CA125でのみ反応性を示した(図6)。これらの結果は、これらのレクチンがいずれもEOC関連CA125と正常又は良性CA125の識別に適していないことを示唆している。
次に、3つの抗CA125 mAbs(Ov185、Ov197及びOvK95)のすべてをMGLナノ粒子アッセイにおけるCA125の捕捉剤として比較した。Ov185は、正味シグナルが最高であり、OvCa由来CA125抗原と正常/良性CA125抗原の間の極めて良好な識別を示すシグナル/バックグラウンド(S/B)比をもたらした。分析的検出限界は、OvCa由来CA125について<5U/ml未満であると推測された(図7)。
非常に高濃度のCA125がMGL−NPアッセイで使用された場合であっても、フック効果は観察されなかった(図8)。これは、分析しようとする試料中の非常に高濃度のCA125のせいで、本方法により偽陰性結果が得られることがないことを示す、重要な結果である。
例5:抗CA125抗体−レクチンナノ粒子サンドイッチアッセイに対する血液試料の適合性
単一基質/緩衝液(TSA−BSA 1%)における本MGL−Fc NPアッセイを用いてOvCa由来CA125を他の起源のCA125から良好に分離した後、ヒト血清/血漿のような複合基質における同様の回収値を決定した。この目的において、異なる起源由来のCA125の5〜100U/mlを、健常男性のプールした血漿中又は単一緩衝液(TSA−BSA 1%)中のいずれかで並行してスパイクさせ、ストレプトアビジンマイクロタイタープレート上のビオチン化Ov185 mAbで捕捉させ、洗浄後、最後に、MGL−Fc NPで追跡し回収率を確認した。ほぼ95〜110%の優れた回収率が達成され、固有の血漿成分が本MGL−Fcナノ粒子アッセイに干渉しないことが示された(図9)。
例6:臨床試料の分析
OVACAR−3細胞系ベースのCA125抗原で得られた結果を臨床状況に置き換えることができるか否かを試験するため、臨床試料の小さなコホートを、本MGL−NPアッセイ及び従来のCA125イムノアッセイで並行して分析した。コホートには、EOC罹患の患者(n=12)及び健常妊婦(n=2)の血清試料、並びに子宮内膜症罹患の患者(n=2)のプールした血清試料が含まれていた。2種の方法で得られたシグナル比は、臨床のEOC試料が、実際に、臨床の子宮内膜症試料と識別され得ることを明示した(図10)。
大きなコホートにおける結果を検証し、CA125MGLの診断力を従来のCA125タンパク質マーカー及びHE4と比較するために、いくつかの保存臨床血清試料(n=401)を使用した。HE4、CA125タンパク質及びCA125MGLの血清濃度を、68名の卵巣がん患者の213の経時的試料で評価し、121名の子宮内膜症患者、16名の子宮内膜がん患者及び対照としての51名の健常女性で得られた結果と比較した(表1)。すべてのEOC症例は疾患の進行ステージかのものであったが、32の個別のEOC症例からの43血清試料は、疾患の進行/再発ステージに属していた。これらの進行/再発血清試料(n=43)は、疾患の初期ステージの近似と考えられ、したがって、実施した分析のいくつかにおいて臨床試料の個別の群として処理した。
ボックスプロット分析
臨床試料5つの異なる群(健常対照n=51、子宮内膜症ステージ1〜2 n=33、子宮内膜症ステージ3〜4 n=88、EOC進行/再発症例n=43、及び子宮内膜がんn=16)のそれらのHE4タンパク質含有量、CA125タンパク質含有量(従来)及びCA125MGLグリコフォーム含有量に関するボックスプロット分析を図11Aから図11Cに示す。結果によれば、HE4含有量はEOC群において高く、また程度は低いが子宮内膜がんの群においても同様であった。従来のCA125タンパク質含有量は、健常対照及び子宮内膜がんの群と比べ、EOC進行/再発群で高かったが、CA125タンパク質含有量は子宮内膜症ステージ3〜4の群とオーバーラップしていた。次に、CA125MGL含有量は、他のすべての群と比べ、EOC進行/再発群においてのみ高かった。これらの結果を総合すると、試験したマーカーのうち、CA125MGLだけが、臨床EOC症例と別の症例群の識別に都合よく使用することができることが示唆される。
別の一連のボックスプロット分析において、健常個体(n=51)、並びに子宮内膜症(n=121)及び高悪性度漿液性EOC患者(n=21)からの血清試料の分析にCA125MGLアッセイを適用し、それらを従来のCA125イムノアッセイ値と比較した。健常対照、子宮内膜症患者及びEOC患者の血清試料中の術前CA125中央値は、それぞれ6.4、24.9及び700U/mlであり(図12A)、健常対照と比べ、子宮内膜症及びEOCの両方で濃度が有意に高いことが明らかである。対照的に、術前CA125MGL中央値(図12B)は、健常対照(0.486U/ml)と子宮内膜症患者(0.841U/ml;p=0.073)の間では有意な差はなかった。EOC群では、CA125MGL中央値は37.93U/mlであり、子宮内膜症よりも45倍高かった。さらに、従来のCA125イムノアッセイ及びCA125MGLアッセイによる悪性状態と良性状態の識別を評価するため、CA125値が限界値(35〜200U/ml)である子宮内膜症患者(n=44)及びEOC患者(n=38)からの血清試料を試験した(図12C及び図12D)。図12Dから明らかなように、CA125MGLアッセイは、子宮内膜症患者で測定したものと比べ、EOC血清試料で有意に高いレベルを提供した(6.1倍、p値<0.001)。一方、健常対照と子宮内膜症患者の差は有意に低かった。従来のアッセイでは8.3倍(p<0.001)差が認められたが、CA125MGLアッセイでは2.5倍差で有意に達した(p=0.005)。
ROC曲線分析及びAUC分析
すべての経時的EOC症例(n=213)、進行/再発EOC症例(n=43)、又は進行期術前EOC症例(n=29)のいずれかから子宮内膜症(n=121)を識別するためのROC曲線分析を、HE4、CA125及びCA125MGLに関して、単独又は組み合わせのいずれかで実施した。ROC曲線を図13A〜図13Cに示す。一方、得られたAUC値を以下にまとめる。


最初の2つの分析においては、HE4に対するAUC値は、HE4での子宮内膜症において偽陽性が無視できるレベルであったので(FP=2.5%)、CA125又はCA125MGLに対するAUC値よりも高かった。子宮内膜症におけるCA125及びCA125MGLに関する対応FP値は、それぞれ37.2%及び7.4%である。
術前血清試料、すなわち、EOCの進行ステージを表す試料に関する最後の分析では、CA125に対するAUC値が最も高かった。この結果は、特に進行したEOCでのCA125の既知の診断値と一致する。
各AUC分析において、3つのマーカーすべての組み合わせを用いて得られたAUC値は、個々のいずれかのマーカーの値よりも高かった。
成功率の評価
単独又はペア化組み合わせいずれかにおけるマーカーHE4、CA125及びCA125MGLの成功率を、進行/再発症例の疾患群(n=32、進行/再発の各個別患者からの第1の経時的試料)に関して決定した。各血清試料は、次のカットオフ値:CA125については35IU/ml、HE4については70pM、CA125MGLについては2IU/mlを使用して、各マーカーについて陰性又は陽性のいずれかに分類した。
これらの結果は、罹患個体として初期EOC症例を同定するためのCA125MGLの成功率が71.9%から81.2%に改善され、CA125とHE4を組み合わせて使用した場合にはさらに93.7%までそれぞれ改善され得ることを示唆している。
長期的分析
疾患進行下のEOC症例(n=29)からの経時的血清試料中のHE4、CA125及びCA125MGLの相対的濃度変化(濃度/カットオフ)を決定した。患者は全員、手術及び化学療法により播種性疾患が処置されており、疾患進行について監視下にあった。患者は全員、CA125値の低下と放射線学的応答基準の両方によって判断される有意な初期処置応答を有していたが、経過観察中に疾患進行の確認を経験した。陽性レベルが低い試料は含まれたが、高い術前/初期処置段階は分析から除外した。HE4、CA125及びCA125MGLを使用したカットオフ値は、それぞれ、70pM、35U/ml及び2U/mlであった。
結果からは、症例の69%(20/29)において、CA125MGLのレベルが、疾患の進行と同時に他の2つのマーカーよりも著しく増加したことが明らかであった。さらに、CA125MGLは、症例の31%(9/29)において、HE4及びCA125よりも早期に増加を示した。したがって、CA125MGLを使用してEOC処置している患者をモニタリングする場合、臨床医は、再発可能性を非常に早く警告することができる。EOC進行時又は進行直前に採取した試料中のCA125MGLの中央濃度は7.97U/mlであった。実施した長期的分析のいくつかの例を図14に示す。
例7:CA125MGLの血清レベルに対するホルモン状態の影響
CA125及びHE4について以前分析された閉経前の健常女性及び子宮内膜症女性の血清試料(Hallamaa et al.,Gynecol.Oncol.,2012,125:667−672)を、今回、本MGL−NPアッセイによりCA125MGLについてアッセイした。結果は、CA125MGLアッセイ及びHE4アッセイの両方は、月経周期のいずれの期でも、またホルモン薬剤の投与を問わず、結果を歪めることなく実施することができることを示している(それぞれ、図15A及び図15C)。この知見は、臨床診療におけるこれら2つのマーカーの適用可能性を拡大する。一方、従来のCA125アッセイは、月経周期の異なるステージ間で有意な差を示した(図15B)。

Claims (37)

  1. 対象における婦人科疾患状態を決定するための方法であって、
    マクロファージガラクトース型レクチンに結合するCA125(CA125MGL)のレベルについて前記対象から採取した試料をアッセイするステップと、
    前記試料中のCA125MGLの検出レベルを対照試料のレベル又は所定の閾値と比較するステップと、
    前記比較ステップに基づいて前記対象における婦人科疾患状態を決定するステップと
    を含む、上記方法。
  2. 対照試料又は所定の閾値のCA125MGLと比較した前記試料中のCA125MGLのレベルの増加が、前記対象が卵巣上皮がん(EOC)に罹患しているか、又はEOCに罹患するリスクがあることを示す、請求項1に記載の方法。
  3. 対照試料又は所定の閾値のCA125MGLと比較した前記試料中のCA125MGLのレベルの非増加が、前記対象がEOCに罹患していないか、又はEOCに罹患するリスクがないことを示す、請求項1に記載の方法。
  4. CA125タンパク濃度について前記対象から採取した試料をアッセイするステップと、
    検出CA125タンパク濃度を対照試料の濃度又は所定の閾値と比較するステップ
    をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. CA125MGLレベルの増加と組み合わせたCA125タンパク濃度の増加が、前記対象がEOCに罹患しているか、又はEOCに罹患するリスクがあることをさらに示す、請求項4に記載の方法。
  6. CA125MGLレベルの非増加と組み合わせたCA125タンパク濃度の増加が、前記対象が子宮内膜症に罹患しているか、又は子宮内膜症に罹患するリスクがあることを示す、請求項4に記載の方法。
  7. HE4タンパク質濃度について前記対象から採取した試料をアッセイするステップと、
    検出HE4タンパク質濃度を対照試料の濃度又は所定の閾値と比較するステップ
    をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. CA125MGLレベルの増加と組み合わせたHE4タンパク質濃度の増加が、前記対象がEOCに罹患しているか、又はEOCに罹患するリスクがあることをさらに示す、請求項7に記載の方法。
  9. CA125MGLレベルの非増加と組み合わせたHE4タンパク質濃度の増加が、前記対象が子宮内膜がんに罹患しているか、又は子宮内膜がんに罹患するリスクがあることを示す、請求項7に記載の方法。
  10. EOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患を鑑別診断するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. EOC、子宮内膜症又は子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患を診断、予測、又はモニタリングするための請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記モニタリングが、前記婦人科疾患の発症のモニタリング、前記婦人科疾患の罹患又は発生のリスクの任意の変化のモニタリング、処置に対する応答のモニタリング、前記婦人科疾患の再発のモニタリング、又は前記婦人科疾患の頻発のモニタリングのためのものである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記モニタリングが、異なる時点で少なくとも2回アッセイステップを繰り返すことにより行なわれる、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記時点が、診断前の時点、診断後の時点、前記婦人科疾患の処置前の時点、前記婦人科疾患の処置中の時点、及び前記婦人科疾患の処置後の時点からなる群から互いに独立して選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記婦人科疾患の前記処置が手術、放射線療法及び化学療法からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記婦人科疾患がEOCであり、モニタリングがEOCの処置中又は処置後に行なわれ、CA125MGLのレベルが対照試料よりも高いか、又は所定の閾値を上回る場合に、前記対象がEOCの再発若しくは頻発を有する、又はEOCの再発若しくは頻発のリスクがあると判定される、請求項11又は12に記載の方法。
  17. 前記対照試料がEOCの処置前に同じ対象から採取された試料である、請求項16に記載の方法。
  18. CA125MGLのレベルが、ナノ粒子固定化MGL(MGL−NP)に結合するCA125のレベルをアッセイすることによって決定される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記MGL−NPに結合するCA125のレベルをアッセイすることが、
    前記試料を抗CA125抗体に供して試料中に含有されるCA125を捕捉することと、
    捕捉CA125を検出可能なシグナルを利用してMGL−NPへの結合のレベルについて測定することと
    を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記MGL−NPに結合するCA125のレベルをアッセイすることが、
    前記試料をMGL−NPに供して試料中に含有されるCA125のMGL結合グリコフォームを捕捉することと、
    捕捉CA125を検出可能なシグナルを利用して抗CA125抗体への結合のレベルについて測定することと
    を含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記MGL−NPに結合するCA125のレベルをアッセイすることが、
    前記試料を中皮に供して試料中に含有される中皮結合CA125を捕捉することと、
    捕捉CA125を検出可能なシグナルを利用してMGL−NPへの結合のレベルについて測定することと
    を含む、請求項18に記載の方法。
  22. 前記MGL−NPに結合するCA125のレベルをアッセイすることが、
    前記試料をMGL−NPに供して試料中に含有されるCA125のMGL結合グリコフォームを捕捉することと、
    捕捉CA125を検出可能なシグナルを利用して中皮への結合のレベルについて測定することと
    を含む、請求項18に記載の方法。
  23. 前記試料が尿、血液、血清、血漿、腹腔液体及び組織試料からなる群から選択される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. CA125結合剤、及び、
    ナノ粒子固定化MGL
    を含むキットであって、
    前記CA125結合剤又は前記ナノ粒子固定化MGLのいずれかが検出可能な標識を含む、
    請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法において使用するためのキット。
  25. 前記CA125結合剤がモノクローナル抗CA125抗体又は中皮である、請求項24に記載のキット。
  26. 前記CA125結合剤がマイクロタイタープレートなどの固相表面に結合される、請求項24又は25に記載のキット。
  27. MGL−NPに結合するCA125の測定値と比較するための対照をさらに含む、請求項24〜26のいずれか一項に記載のキット。
  28. CA125タンパク濃度をアッセイするための1つ又は複数の試薬をさらに含む、請求項24〜27のいずれか一項に記載のキット。
  29. HE4濃度をアッセイするための1つ又は複数の試薬をさらに含む、請求項24〜28のいずれか一項に記載のキット。
  30. 前記ナノ粒子のすべての寸法が約1000nm未満、約500nm以下、約100nm以下、又は約50nm以下である、請求項1から23までのいずれか一項に記載の方法、又は請求項23〜29のいずれか一項に記載のキット。
  31. 前記ナノ粒子が、タンパク質ナノ粒子、無機ナノ粒子、ガラスナノ粒子、ナノ粒子結晶体、金属ナノ粒子、プラスチックナノ粒子、ポリスチレンナノ粒子、ポリ(エチレングリコール)ナノ粒子、ポリエチレンナノ粒子、ポリ(アクリル酸)ナノ粒子、ポリ(メチルメタクリレート)ナノ粒子、多糖類ナノ粒子、コロイド金ナノ粒子、銀ナノ粒子、量子ドット、炭素ナノ粒子、多孔性シリカナノ粒子、及びリポソームからなる群から選択される、請求項30に記載の方法又はキット。
  32. 前記ナノ粒子がユーロピウム(III)などのランタニドキレートでドープされる、請求項30又は31に記載の方法又はキット。
  33. その表面上に固定化されたマクロファージガラクトース型レクチン(MGL)を含むナノ粒子。
  34. 前記ナノ粒子のすべての寸法が約1000nm未満、約500nm以下、約100nm以下、又は約50nm以下である、請求項33に記載のナノ粒子。
  35. 前記ナノ粒子が、タンパク質ナノ粒子、無機ナノ粒子、ガラスナノ粒子、ナノ粒子結晶体、金属ナノ粒子、プラスチックナノ粒子、ポリスチレンナノ粒子、ポリ(エチレングリコール)ナノ粒子、ポリエチレンナノ粒子、ポリ(アクリル酸)ナノ粒子、ポリ(メチルメタクリレート)ナノ粒子、多糖類ナノ粒子、コロイド金ナノ粒子、銀ナノ粒子、量子ドット、炭素ナノ粒子、多孔性シリカナノ粒子、及びリポソームからなる群から選択される、請求項33又は34に記載のナノ粒子。
  36. 対象における婦人科疾患状態を決定するためのナノ粒子固定化MGL(MGL−NP)の使用。
  37. 対象において、EOC、子宮内膜症及び子宮内膜がんからなる群から選択される婦人科疾患を診断、予測及び/又はモニタリングするための請求項36に記載の使用。
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