JP2018516976A - キナーゼ阻害剤および癌治療におけるそれらの使用 - Google Patents
キナーゼ阻害剤および癌治療におけるそれらの使用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018516976A JP2018516976A JP2018509979A JP2018509979A JP2018516976A JP 2018516976 A JP2018516976 A JP 2018516976A JP 2018509979 A JP2018509979 A JP 2018509979A JP 2018509979 A JP2018509979 A JP 2018509979A JP 2018516976 A JP2018516976 A JP 2018516976A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- naphthyridin
- diphenyl
- cancer
- derivative
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D471/00—Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
- C07D471/02—Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
- C07D471/04—Ortho-condensed systems
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/574—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
- G01N33/57484—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer involving compounds serving as markers for tumor, cancer, neoplasia, e.g. cellular determinants, receptors, heat shock/stress proteins, A-protein, oligosaccharides, metabolites
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Immunology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Public Health (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Oncology (AREA)
- Hospice & Palliative Care (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
Description
Aは、6から14の鎖長を有し、かつ少なくとも1つの5員環から10員環部分を含むリンカーであり、
R1は、水素、直鎖C1−C5−アルキル、分岐鎖C3−C5−アルキル、および/またはC3−C7−シクロアルキルを含む群より選択され、
R2、R3、R4は、同じであるか、もしくは互いに独立に、水素、CN、CF3、直鎖C1−C5−アルキル、分岐鎖C3−C5−アルキル、および/もしくはC3−C7−シクロアルキルを含む群より選択されるか、または
R2とR3とは、それらが付着する炭素原子の間で三重結合を形成し、
R5は、水素、直鎖C1−C5−アルキル、分岐鎖C3−C5−アルキル、および/またはC3−C7−シクロアルキルを含む群より選択され、
ここでR1、R2、R3、R4、R5のアルキルおよびシクロアルキル基は、O、Nおよび/もしくはSを含む群より選択される1つもしくはそれ以上のヘテロ原子を含むか、ならびに/または1つもしくはそれ以上のハロゲンで置換されてもよい。
式(1a)に従う化合物の合成:N−(2−オキソ−3−(1−(4−(5−オキソ−3−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2−イル)ベンジル)ピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)アクリルアミド
5−クロロ−1−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−オン(3)(2g、8.0mmol)を1,2−ジクロロベンゼン(40mL)に溶解し、上記撹拌溶液に70%硝酸(1g、16.0mmol)を室温(RT(room temperature)、20±2℃)にて滴下して加えた。60℃にて2h撹拌した後、反応混合物をRTに冷却した。ろ過によって沈殿した結晶を分離し、ジエチルエーテル(2×50mL)および水で洗浄した。粗生成物を高温エタノールから再結晶化し、高真空にて1h乾燥することによって、表題の化合物(4)を淡黄色の固体(1.51g、64%)として与えた。
ステップ1.1の5−クロロ−1−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−オン(4)(2g、6.7mmol)と、10%Pd/C(0.2g)とをエタノール(40mL)に溶解し、80℃にて30min撹拌させた。RTにて上記撹拌反応塊(reaction mass)にギ酸アンモニウム(4.0g、67mmol)を加えた。80℃にて30min撹拌した後、反応混合物をRTに冷却し、セライトのパッドでろ過した。過剰な溶剤を除去し、粗塊(crude mass)をフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/CH2Cl2)溶剤系によって精製して、化合物6−アミノ−1−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−オン(5)をオフホワイト色の固体(0.97g、62%)としてもたらした。
(Boc)2O(0.88mL、3.8mmol)の1,4−ジオキサン(34.2mL)溶液を、ステップ1.2の6−アミノ−1−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−オン(5)(0.9g、3.8mmol)を10%AcOH(34.2mL)に入れた撹拌溶液に滴下して加え、RTにて一晩撹拌させた。反応混合物をジエチルエーテル(2×25mL)で洗浄し、水溶液を2N NaOH(5mL)で塩基性化し、CH2Cl2(2×50mL)で抽出した。有機層をかん水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、過剰な溶剤を除去した。粗塊をフラッシュクロマトグラフィー(4%MeOH/CH2Cl2)溶剤系によって精製して、表題の化合物tert−ブチル(2−オキソ−3−(ピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)カルバメート(6)を淡黄色の液体(1.05g、79%)としてもたらした。
Z.ファング(Fang)、J.R.シマード(Simard)、D.プレンカー(Plenker)、Η.D.ヌグイェン(Nguyen)、T.ファン(Phan)、P.ウォレ(Wolle)、S.バウマイスター(Baumeister)、D.ロー(Rauh)、ACSケミカル・バイオロジー(ACS Chem.Biol.)2015、10、279〜288に記載される手順に従って、4−(5−オキソ−3−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2−イル)ベンズアルデヒド(7)を合成した。
tert−ブチル(2−オキソ−3−(ピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)カルバメート(6)(0.5g、1.5mmol)およびステップ1.4の4−(5−オキソ−3−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2−イル)ベンズアルデヒド(7)(0.49g、1.5mmol)を、ドライMeOH(20mL)、TEA(2滴)、およびAcOH(2滴)に溶解し、75℃にて4h撹拌させた。次いでNaBH3CN(0.31g、1.5mmol)をRTにて加え、反応塊を一晩撹拌させた。減圧下で溶剤を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(2〜4%のMeOH/CH2Cl2)によって精製して、表題の化合物tert−ブチル(2−オキソ−3−(1−(4−(5−オキソ−3−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2−イル)ベンジル)ピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)カルバメート(8)を淡黄色の液体(0.46g、51%)としてもたらした。
ステップ1.5のTert−ブチル(2−オキソ−3−(1−(4−(5−オキソ−3−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2−イル)ベンジル)ピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)カルバメート(8)(200mg、0.31mmol)を酢酸エチル(25mL)に溶解し、4N HClのジオキサン(5mL)溶液を氷浴によって0℃にて滴下して加え、RTにて一晩撹拌させた。沈殿をろ過してEtOAc(20mL)で洗浄し、水(20mL)に溶解した。水層をsat NaHCO3によって塩基性化し、CH2Cl2で抽出し、かん水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。過剰な溶剤を除去し、粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(7%MeOH/CH2Cl2)によって精製して、表題の化合物9を淡黄色の固体(120mg、収率75%)として得た。
Ν,Ν−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA:Diisopropylethylamine)(0.096mL、0.55mmol)を、ステップ1.6の2−(4−((4−(6−アミノ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−フェニル−1,6−ナフチリジン−5(6H)−オン(9)(0.06g、0.11mmol)をCH2Cl2(5mL)に入れた撹拌溶液に、氷浴によって0℃にて加えた。上記撹拌反応混合物にアクリロイルクロライド(0.084mL、0.11mmol)を0℃にて滴下して加え、RTにて16h反応させた。反応混合物を飽和NaHCO3でクエンチし、生成物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出した。複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(8%MeOH/CH2Cl2)によって精製して、表題の化合物1a(0.035g、53%)(Rf=0.35、8%MeOH/CH2Cl2)をオフホワイト色の固体としてもたらした。この合成の概要を図1に示す。
N−(2−オキソ−3−(1−(4−(5−オキソ−3−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2−イル)ベンジル)ピペリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)プロピオンアミド(1b)の合成
DIPEA(0.05mL、0.27mmol)を、ステップ1.6の2−(4−((4−(6−アミノ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−フェニル−1,6−ナフチリジン−5(6H)−オン(9)(0.03g、0.05mmol)をCH2Cl2(5mL)に入れた撹拌溶液に、氷浴によって0℃にて加えた。上記撹拌反応混合物にプロピオニルクロライド(0.005mL、0.06mmol)を0℃にて滴下して加え、RTにて16h反応させた。反応混合物を飽和NaHCO3でクエンチし、生成物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出した。複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(8%MeOH/CH2Cl2)によって精製して、表題の化合物1b(0.019g、57.5%)(Rf=0.4、8%MeOH/CH2Cl2)をオフホワイト色の固体としてもたらした。
式(2a)に従う化合物の合成:
ステップ3.1.1 tert−ブチル4−アジドピペリジン−1−カルボキシレート(11)の合成
50mLの2口丸底フラスコにDMSO(5mL)およびtert−ブチル4−ブロモピペリジン−1−カルボキシレート(10)(1.01g、3.82mmol)を入れた。その後、溶液が透明になって出発材料が溶解するまでRTにて撹拌した。次いでアジ化ナトリウム(1.2当量、0.301g、4.64mmol)を加え、無色の反応混合物を60℃にて18h撹拌した。反応混合物を蒸留H2Oで希釈し、生成物をEtOAc(5×80mL)で抽出した。次いで複合有機層をかん水で洗浄し、MgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をCC(5%から20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物(11)(0.762g、3.37mmol、88%)(Rf=0.47、10%EtOAc/ヘキサン)を無色の油としてもたらした。
1口丸底フラスコに、ステップ3.1.1のtert−ブチル4−アジドピペリジン−1−カルボキシレート11(0.714g、3.16mmol)および4M HClを1,4−ジオキサン(6mL)に入れた溶液を入れた。反応混合物をRTにて23h撹拌した後、真空中で溶剤を除去して粗製の表題化合物12(0.508g、3.12mmol、99%)を淡黄色の固体としてもたらした。
シュレンクチューブにジクロロメタン(DCM:dichloromethane)(15mL)、3−エチニルアニリン13(0.20mL、0.22g、1.9mmol)およびトリエタノールアミン(TEA:triethanolamine)(4.5当量、1.20mL、0.871g、8.61mmol)を入れた。無色の反応混合物を氷浴によって0℃に冷却し、アクリロイルクロライド(4.5当量、0.70mL、0.78g、8.6mmol)を滴下する態様で加えた。反応混合物は時間とともに不透明な黄色になった。アクリロイルクロライドの添加後、反応混合物をRTにて18h撹拌させた。反応を水性NaHCO3の飽和溶液でクエンチし、生成物をDCM(3×150mL)で抽出した。複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をCC(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物14(0.317g、1.85mmol、97%)(Rf=0.20、20%EtOAc/ヘキサン)を淡黄色の固体としてもたらした。
50mLの2口丸底フラスコにDCM(50mL)、3−エチニルアニリン13(0.20mL、0.22g、1.9mmol)およびTEA(5.1当量、1.35mL、0.890g、9.69mmol)を入れた。無色の反応混合物を氷浴によって0℃に冷却し、プロピオニルクロライド(5.1当量、0.85mL、0.91g、9.8mmol)を滴下する態様で加えた。反応混合物は時間とともに乳白色になった。プロピオニルクロライドの添加後、反応混合物をRTにて17h撹拌させた。反応を水性NaHCO3の飽和溶液でクエンチし、生成物をDCM(4×50mL)で抽出した。複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をCC(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物15(0.331g、1.91mmol、定量的)(Rf=0.69、40%EtOAc/ヘキサン)を淡黄色の固体としてもたらした。
100mLの3口丸底フラスコに2,4’−ジブロモアセトフェノン17(6.08g、21.9mmol)、2−アミノピリジン16(1.1当量、2.31g、24.5mmol)、および脱気したアセトン(45mL)を入れた。反応フラスコに還流冷却器を装備し、反応混合物を80℃にて3h加熱した。この時間中に追加のアセトン(20mL)を加えた。その後反応混合物を室温に冷却し、250mLの1口丸底フラスコに移した。真空中で溶剤を除去し、反応混合物にHBr(45mL)およびMeOH(90mL)を加えた。反応フラスコに再び還流冷却器を装備し、反応混合物を80℃にて1h加熱した。氷浴によって反応混合物を0℃に冷却した。次いで白色の沈殿を焼結漏斗でろ過し、蒸留H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、粗製の表題化合物18(5.69g、20.8mmol、95%)(Rf=0.36、40%EtOAc/ヘキサン)を白色の固体としてもたらし、さらなる精製は行わなかった。
10〜20mLのマイクロ波バイアルにステップ3.2.1の2−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン18(1.01g、3.71mmol)、CuCN(1.5当量、0.500g、5.58mmol)、および脱気したDMF(12mL)を入れた。バイアルをマイクロ波リアクタに入れ、160℃にて30min加熱して試薬を溶解した。次いでそれを200℃にて4h加熱した。反応混合物をRTに冷却し、エチレンジアミン(5mL)およびH2O(20mL)で希釈した。DCM(10×50mL)による抽出を行い、複合有機層を無水MgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去し、暗い茶色の粗製材料をCC(50%EtOAc/ヘキサンおよび1%TEA)によって精製して、まだ不純な表題の化合物19(0.786g)をもたらした。次いでその化合物19を第2ラウンドのCC(50%EtOAc/ヘキサンおよび1%TEA)によってさらに精製して、表題の化合物19(0.498g、2.27mmol、61%)(Rf=0.32、40%EtOAc/ヘキサン)を淡黄色の固体としてもたらした。
50mLの1口丸底フラスコに、ステップ3.2.2の4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル19(0.203g、0.925mmol)およびMeCN(2mL)を入れた。NBS(2.0当量、0.330g、1.85mmol)をMeCN(5mL)に溶解し、3回に分けて反応フラスコに加えた。NBSの添加の間に沈殿が形成され、反応混合物をRTにて10min撹拌し、真空中で溶剤を除去して黄色の固体を得て、それを飽和水性NaHCO3で希釈し、DCM(4×50mL)で抽出した。複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過し、真空中で溶剤を除去した。黄色の粗製材料をCC(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、まだ不純な表題の化合物20(0.312g)をもたらした。次いでその化合物20を第2ラウンドのCC(30%EtOAc/ヘキサン)によってさらに精製して、表題の化合物20(0.181g、0.608mmol、66%)(Rf=0.47、40%EtOAc/ヘキサン)をオフホワイト色の固体としてもたらした。
S.マーハドゥール(Marhadour)、M.−A.バジン(Bazin)、P.マーチャンド(Marchand)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)2012、53、297〜300に記載されるとおりに、シュレンクチューブにステップ3.2.3の4−(3−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル20(0.314g、1.05mmol)、フェニルボロン酸21(1.2当量、0.159g、1.30mmol)、K2CO3(2.4当量、0.356g、2.57mmol)、およびPd(PPh3)4(5mol%、0.063g、0.54mmol)を入れ、次いで排気してN2を充填した。脱気した1,4−ジオキサン(2mL)およびH2O(1mL)を加え、それを再び排気してN2を充填した。反応混合物を110℃にて2.5h加熱し、次いで室温に冷却した。透明な黄色の反応混合物をH2O(75mL)で希釈し、DCM(6×75mL)で抽出した。複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過し、真空中で溶剤を除去した。粗製材料をCC(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物22(0.245g、0.830mmol、79%)(Rf=0.41、40%EtOAc/ヘキサン)をオフホワイト色の固体としてもたらした。
50mLの2口丸底フラスコにステップ3.2.4の4−(3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル22(0.261g、0.883mmol)、ギ酸(6.5mL)、およびラネーニッケル(RaNi:Raney nickel)を入れた。反応混合物を90℃にて28h加熱した。次いでそれをRTに冷却し、次いで脱脂綿でろ過し、飽和水性NaHCO3(200mL)で希釈した。EtOAc(5×75mL)による抽出を行い、複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過し、真空中で溶剤を除去した。黄色の粗製材料をCC(20%から40%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物23(0.172g、0.577mmol、65%)(Rf=0.32、40%EtOAc/ヘキサン)を濃い黄色の油/固体としてもたらした。
50mLの1口丸底フラスコにステップ3.2.5の4−(3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ベンズアルデヒド23(0.170g、0.569mmol)およびMeOH(3.5mL)を入れた。不透明な黄色の反応混合物を氷浴によって0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(2.1当量、0.045g、2.30mmol)を加えた。結果として得られた透明な黄色の反応混合物を0℃の温度にて30min撹拌した。反応をRTに冷却し、真空中で溶剤を除去して淡黄色の油を得て、それに蒸留H2Oを加えた。EtOAc(4×150mL)を用いて抽出を行い、複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をCC(40%から50%から80%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物24(0.135g、0.449mmol、79%)(Rf=0.11、50%EtOAc/ヘキサン)を白色の固体としてもたらした。
50mLの2口丸底フラスコにステップ3.2.6の[4−(3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)フェニル]メタノール24(0.121g、0.403mmol)およびDMF(5mL)を入れた。反応混合物に四塩化炭素(2.5mL)およびトリフェニルホスフィン(2.1当量、0.223g、0.850mmol)を加え、反応フラスコに還流冷却器を装備した。その後、反応混合物を90℃にて21h加熱した。次いで追加のトリフェニルホスフィン(2.0当量、0.216g、0.823mmol)を反応混合物に加え、それを90℃にてさらに5h加熱した。反応混合物を蒸留H2Oで希釈し、生成物をEtOAc(3×150mL)で抽出した。次いで複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過し、真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をCC(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物25(0.149g、まだ不純)(Rf=0.40、40%EtOAc/ヘキサン)を黄色の油としてもたらした。
50mLの2口丸底フラスコに4−アジドピペリジン−1−イウムクロライド12(1.7当量、0.114g、0.702mmol)、DMF(1mL)、およびTEA(1.8当量、0.10mL、0.073g、0.72mmol)を入れた。これらをRTにてともに撹拌し、次いでステップ3.2.7の2−[4−(クロロメチル)フェニル]−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン25(0.128g、0.403mmol)をDMF(2mL)に溶解したものを加えた。反応混合物を60℃にて2.5h加熱した。反応混合物をRTに冷却し、蒸留H2Oで希釈した。生成物をEtOAc(3×150mL)で抽出し、次いで複合有機層をMgSO4上で乾燥してろ過した。真空中で溶剤を除去して粗生成物を得て、その粗生成物をかん水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、次いでCC(80%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物26(0.115g、0.282mmol、2ステップで70%)(Rf=0.12、80%EtOAc/ヘキサン)を濃い黄色の油としてもたらした。
シュレンクチューブにステップ3.2.8の2−{4−[(4−アジドピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン26(0.038g、0.094mmol)、ステップ3.1.3のN−(3−エチニルフェニル)アクリルアミド14(2.2当量、0.035g、0.20mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.1当量、0.050mL、0.037g、0.29mmol)、およびMeCN(1.5mL)を入れた。不透明な黄色の反応混合物を25℃に加熱して内容物を溶解し、反応混合物はほぼ透明な黄色になった。CuI(28mol%、5mg、0.03mmol)を加え、反応を25℃にて15h撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、脱脂綿プラグでろ過し、真空中で濃縮した。結果として得られた橙色の粗製材料をCC(1%から2.5%MeOH/DCM)によって精製して、表題の化合物2a(0.068g、定量的)(Rf=0.19、EtOAc)を淡黄色の固体としてもたらした。
N−[3−(1−{1−[4−(3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ベンジル]ピペリジン−4−イル}−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)フェニル]プロピオンアミド(2b)の合成
25mLの1口丸底フラスコに、ステップ3.2.8の2−{4−[(4−アジドピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}−3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン26(0.038g、0.094mmol)、ステップ3.1.4のN−(3−エチニルフェニル)プロピオンアミド15(2.0当量、0.033g、0.19mmol)、およびCuI(28mol%、5mg、0.03mmol)を入れた。その後、MeCN(1.5mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.1当量、0.050mL、0.037g、0.29mmol)を加え、不透明な黄色の反応混合物を25℃にて21h撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、脱脂綿プラグでろ過し、真空中で濃縮した。結果として得られた橙色の粗製材料をCC(0.5%MeOH/EtOAc)によって精製して、まだ不純な表題の化合物2bをもたらし、次いでこの化合物2bを第2ラウンドのCC(0.5%MeOH/EtOAc)によってさらに精製して、表題の化合物2b(16mg、0.028mmol、29%)(Rf=0.073、0.5%MeOH/EtOAc)を淡黄色の半固体としてもたらした。
プラスミド構築:
His6タグ付き全長野生型(wt:wild−type)Akt1と、突然変異体全長Akt1(E49C、C296S、C310S、C344S)とをコードする遺伝子を合成によって生成した(GeneArt(登録商標)、レーゲンスブルク(Regensburg)、ドイツ(Germany))。その後、それらの遺伝子をpREN4427−HIS−DESTベクターにクローニングし、Sf9細胞(インビトロジェン(Invitrogen))においてBacMagic(商標)キット(Calbiochem(登録商標))を用いてバキュロウイルスに導入した。タンパク質の発現、精製およびラベリングは、標準的プロトコルに従って行われた。
Z.ファング、J.R.シマード、D.プレンカー、H.D.ヌグイェン、T.ファン、P.ウォレ、S.バウマイスター、D.ロー、ACSケミカル・バイオロジー(ACS Chem.Biol.)2015、10、279〜288に記載されるとおりに、iFLiKおよびHTRF調査を行った。
「生化学的アッセイ」において説明されるとおりに、活性化全長Akt1によって時間依存的IC50測定を行った。簡単にいうと、12の異なるインキュベーション時間に対するIC50値を定めた後に、それぞれに対してプロットした。B.F.クリッペンドルフ(Krippendorff)、R.ニューハウス(Neuhaus)、P.リエノー(Lienau)、A.レイチェル(Reichel)、W.ホイジンガ(Huisinga)、ジャーナル・オブ・バイオモレキュラー・スクリーニング(J.Biomol.Screen.)2009、14、913〜923に記載される文献の手順に従って、データを分析した。基質濃度を250nM、対応する基質KMを150nMと定めるXLfit(バージョン5.4.0.8、IDBS、ミュンヘン(Munich)、ドイツ)によって、Kiおよびkinactを算出した。
精製した全長wtAkt1を冷水下で解凍し、最終濃度が1mg/mLとなるように貯蔵用緩衝剤(50mM HEPES、200mM NaCl、10%グリセロール、pH7.4)で希釈した。それぞれの混合物20μLを2モル濃度当量の式(1a)および(2a)の化合物(10mM、DMSO中)とそれぞれ混合した。対照測定のために、等体積のDMSOを含有するサンプルを個別に調製した。氷上で30分間のインキュベーションの後、サーモフィニガン(ThermoFinnigan)LTQ線形イオントラップ(Linear Ion Trap)質量分析計に接続されたアジレント(Agilent)1100シリーズHPLCシステムを用いたESI−MSによって、サンプルを分析した。したがって、ヴィダック(Vydac)214TP C4 5uカラム(150mm×2.1mm)を用いて6μLのサンプルが注入および分離され、5分間の20%の溶剤Bから始めて、その後14minにわたる最大90%の溶剤Bの勾配(流速210μL/min)が続き、ここで0.1%TFAの水溶液を溶剤A、0.1%TFAのアセトニトリル溶液を溶剤Bとした。カラムを90%の溶剤Bによって2分間洗浄した後、1minのうちに溶剤Aの濃度を80%に増やし、カラムをさらに5分間洗浄した。完全な実験の間、700m/zから2000m/zの質量範囲を走査し、MagTranおよびmMass(バージョン5.5.0)ソフトウェアによって生データをデコンボリューションおよび分析した。
GIST−T1は、タカヒロ・タグチ(Takahiro Taguchi)(高知大学(Kochi University)、高知(Kochi)、日本(Japan))によって、H.ナカタニ(Nakatani)、M.コバヤシ(Kobayashi)、T.ジン(Jin)、T.タグチ(Taguchi)、T.スギモト(Sugimoto)、T.ナカノ(Nakano)、S.ハマダ(Hamada)、K.アラキ(Araki)、キャンサー・サイエンス(Cancer Sci.)2005、96、116〜119に記載されるとおりに、KITエキソン11の57bp欠失を含むヒト未処置転移性GISTから確立され、DMEM高グルコース培地(ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)、ドイツ)に10%FBS(バイオクロム(Biochrom)、ベルリン(Berlin)、ドイツ)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(PenStrep:penicillin/streptomycin)、および1%L−グルタミンを補った培地において、37℃および5%CO2の加湿インキュベーター内で培養された。
GIST−T1細胞に対して、A.デュエンシング(Duensing)、F.メデイロス(Medeiros)、B.マッコナーティー(McConarty)、N.E.ジョセフ(Joseph)、D.パニグラヒー(Panigrahy)、S.シンガー(Singer)、C.D.フレッチャー(Fletcher)、G.D.デメトリ(Demetri)、J.A.フレッチャー、オンコジーン(Oncogene)2004、23、3999〜4006に記載される標準的なプロトコルに従って、株細胞単層からタンパク質ライセートを調製した。バイオ・ラッドタンパク質アッセイ(Bio−Rad Protein Assay)(バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(Bio−Rad Laboratories)、ハーキュリーズ(Hercules)、CA)によって、タンパク質濃度を定めた。B.P.ルビン(Rubin)、S.シンガー、C.ツァオ(Tsao)、A.デュエンシング、M.L.ルクス(Lux)、R.ルイズ(Ruiz)、M.K.ヒバード(Hibbard)、C.J.チェン(Chen)、S.シャオ(Xiao)、D.A.ツベソン(Tuveson)、G.D.デメトリ、C.D.フレッチャー、J.A.フレッチャー、キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)2001、61、8118〜8121に記載されるとおりに、電気泳動およびイムノブロッティングを行った。FUJI LAS3000システムとともにサイエンス・ラボ(Science Lab)2001 ImageGauge 4.0ソフトウェア(フジフィルム・メディアル・システムズ(Fujifilm Medial Systems)、スタンフォード(Stamford)CT、USA)を用いて、化学ルミネセンスによって可視化されるタンパク質発現およびリン酸化の変化を捕捉および定量化した。
Akt、ホスホ−Akt(Thr308 & Ser473)、GSK−3β、ホスホ−GSK−3β(Ser9)、p42/44マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK:mitogen−activated protein kinase)、ホスホ−p44/42MAPK(Thr202/Tyr204)、S6リボソームタンパク質、ホスホ−S6リボソームタンパク質(Ser235/236)、4E−BP1,ホスホ−4E−BP1(Ser65)に対して特異的なウサギ抗体、ならびにHRP結合抗ウサギおよび抗マウス二次抗体を、セル・シグナリング(Cell Signaling)(フランクフルト、ドイツ;ビバリー(Beverly)、MA)より購入した。マウス抗β−アクチン抗体は、シグマアルドリッチ(ダイゼンホーフェン(Deisenhofen)、ドイツ;セントルイス(St.Louis)、MO)より得られた。KITおよびホスホ−KIT(Tyr703)に対するウサギポリクローナル抗体は、それぞれDAKO(カーピンテリア(Carpinteria)、CA)およびセル・シグナリング(ビバリー、MA)からのものであった。
キナーゼにおける界面蛍光ラベル(iFLiK:interface Fluorescent Labels in Kinases)システムを用いたAktキナーゼ阻害の動力学的分析
蛍光ラベルした全長Akt1に関する解離速度を定めるために、キナーゼにおける界面蛍光ラベル(iFLiK)システムを用いて、式(1a)、(1b)、(2a)および(2b)に従う化合物に動力学的分析を受けさせた。iFLiK調査は、0.1nMから12.5μΜの範囲の濃度を用いて、「生化学的アッセイ」において説明されるとおりに行われた。さらに式(1a)、(1b)、(2a)および(2b)の化合物に対して、比較のために公知のアロステリックAkt阻害剤MK−2206(セレックケム(Selleckchem))およびATP競合的阻害剤GSK690693(セレックケム)を用いた。フルオロフォアラベル組み換えAkt1の最終濃度は200nMであった。
活性に基づく調査を用いた動力学的分析
活性化全長wtAkt1(ミリポア(Millipore))を使用した活性に基づく調査において、マイケル受容体として機能する反応性アルケニル基の影響の可能性をさらに評価し、阻害力価をさらに評価した。実施例5と同様に、式(1a)の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体ならびに式(1b)、(2a)および(2b)の化合物、ならびに公知のアロステリックAkt阻害剤MK−2206およびATP競合的阻害剤GSK690693を比較のために用いた。0.001nMから12.5μΜの範囲の濃度を用いた。組み換えAkt1の最終濃度は120pMであった。
時間依存的な活性に基づくスクリーニング
1×10−4nMから12.5μMの範囲の濃度の式(1a)に従う化合物と、1×10−3nMから12.5μMの範囲の濃度の式(1b)に従う化合物およびアロステリックAkt阻害剤MK−2206とを、活性化全長wtAkt1とともにそれぞれ10、30、60、または300分間インキュベートし、一方で酵素および停止反応の持続時間は一定に保った。組み換えAkt1の最終濃度は120pMであった。
<実施例8>
式(1a)および(2a)に従う化合物を、1分から120分の範囲の期間だけ活性化全長wtAkt1(ミリポア)とともにインキュベートし、一方で酵素および停止反応の持続時間は一定に保った。算出されたIC50値をインキュベーション時間に対してプロットし、上述のとおりにkinactおよびKiを定めるために文献に記載されるとおりにデータを適合させた。
ESI−MSを用いたAkt1に対する結合特性の決定
「質量分析」において説明したとおり、Akt1に対するそれぞれの結合特性を調査するためにESI−MSを用いた。質量分析の結果は、組み換え野生型Akt1を式(1a)および(2a)に従う化合物で処理した結果、DMSOで処理した対照Akt1に比べて、それぞれ587Daおよび572Daの対応する単一ラベルAkt1と同等の質量増加がもたらされることを示した。これらの結果は、活性に基づく調査において観察された傾向と相関する、予測される共有結合モードをさらに実証するものである。
ESI−MS/MS分析を用いたAkt1に対する結合特性の決定
「質量分析」において説明したとおり、式(1a)および(2a)に従う化合物で処理したAktのトリプシン消化後にESI−MS/MS分析を用いて、Akt1に対する結合をさらに定めた。
Aktキナーゼに対する式(1a)の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体の選択性の決定
本発明に従う式(1a)の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体に対して、a)AGCキナーゼファミリーのメンバー、b)PHドメインを特徴とするキナーゼ、および/またはc)活性化ループにシステインを含むキナーゼに焦点を合わせて、類似の特徴を有する他のプロテインキナーゼを超えるAkt1に対する選択性を調べた。これらの基準に適合する100の異なるプロテインキナーゼを評価した。
癌細胞におけるAkt阻害の決定
前立腺癌(PC3)、乳癌(BT474)、および消化管間葉性腫瘍(GIST−T1)株細胞を用いた細胞の調査において、式(1a)の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体によるAktキナーゼの阻害をさらに調査した。
Aktキナーゼ阻害の生化学的分析
野生型Akt1および癌関連突然変異体Akt1_E17Kの阻害に対する14の物質の阻害力価を実施例6で説明したのと同様に定め、ここでの実験設定の唯一の相違点は、一連の化合物希釈物の調製のために、手動調製の代わりにECHO520液体操作システム(Liquid Handling System)(ラボサイト社(Labcyte Corp.))を使用することであった。E17K突然変異を有する全長Akt1タンパク質は、バイオゾル(Biozol)から購入した。位置17のグルタミンのリジンによる置換は、プロテインキナーゼの過剰な活性化をもたらすだけでなく、参照分子MK−2206に対して示されるとおり、可逆的アロステリック阻害剤に対する抵抗性も伴う。しかし、ATP競合的Akt阻害剤、たとえばGDC−0068(セレックケム)などは、このAktの突然変異形に対する力価の低減を示さない。
野生型Akt1および突然変異体Akt1_E17Kに対する動力学的パラメータ(Ki、kinact)の決定
化合物の動力学的特徴付けを実施例8で説明したのと同様に行い、ここでの実験設定の唯一の相違点は、一連の化合物希釈物の調製のために、手動調製の代わりにECHO520液体操作システム(ラボサイト社)を使用することであった。次の表4は、Akt1に対する式(1a)、(30)から(33)、(36)、(45)、および(46)に従う2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体の動力学的パラメータ(Ki、kinact)を示す。
マウスモデルにおける薬物動態学的パラメータの評価
最大耐用量(MTD:maximum tolerated dose)および薬物動態学的(PK:pharmacokinetic)パラメータを定めるために、最良のIC50(1hプレインキュベーション時間において)ならびにAkt1に対する最高の親和性(Ki)および妥当な反応性(kinact)を示したリード化合物1aをマウスモデルにおいて評価した。したがって、増加する濃度の化合物1aをPBS/PEG200(60:40)に溶解したものを、RjOrl:SWISSマウス(ジャンビエル・ラブス(Janvier Labs))に腹腔内(i.p.)注射して、MTD20mg/kgにした。PKプロファイリングのために、CD1マウスをプローブ化合物1aによって、それぞれ2mg/kgを用いて静脈内(i.v.)処置、20mg/kgを用いて腹腔内(i.p.)処置、および20mg/kgを用いて経口(p.o.)処置した。5、15、45、および135分後に血液サンプルを集め、15000×g、4℃にて10分間の遠心分離によって血漿を分離した。血液の凝固を防ぐために、血漿にEDTAを加えた。特定の血漿サンプル中の化合物濃度を、LC−MS/MSによって次のとおりに定めた。
タンパク質X線結晶学
化合物の予測された結合モードの確認および可視化の両方のために、タンパク質X線結晶学を行った。したがって、式(1a)の化合物の存在下でAkt1を共結晶化し、得られた結晶をスイス・ライト・ソース(Swiss Light Source)(パウル・シェラー研究所(Paul Scherrer Institut)、フィリンゲン(Villingen))にて分析した。集められた回折データをXDSで処理し、プログラムスカラ(Scala)を用いて調整した。複合結晶構造を2.5Åの解像度まで精密にした。
Claims (15)
- 下に与えられた一般式(I)に従う2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体、ならびに/またはそのラセミ体、鏡像異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、および薬学的に許容可能な塩および/もしくはエステルであって、
Aは、6から14の鎖長を有し、かつ少なくとも1つの5員環から10員環部分を含むリンカーであり、
R1は、水素、直鎖C1−C5−アルキル、分岐鎖C3−C5−アルキル、および/またはC3−C7−シクロアルキルを含む群より選択され、
R2、R3、R4は、同じであるか、もしくは互いに独立に、水素、CN、CF3、直鎖C1−C5−アルキル、分岐鎖C3−C5−アルキル、および/もしくはC3−C7−シクロアルキルを含む群より選択されるか、または
R2とR3とは、それらが付着する炭素原子の間で三重結合を形成し、
R5は、水素、直鎖C1−C5−アルキル、分岐鎖C3−C5−アルキル、および/またはC3−C7−シクロアルキルを含む群より選択され、
ここでR1、R2、R3、R4、R5のアルキルおよびシクロアルキル基は、O、Nおよび/もしくはSを含む群より選択される1つもしくはそれ以上のヘテロ原子を含むか、ならびに/または1つもしくはそれ以上のハロゲンで置換されてもよい、2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体。 - R1およびR5は同じであるか、または互いに独立に、水素および/またはメチルを含む群より選択され、好ましくは水素である、請求項1または2に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体。
- R2、R3およびR4は水素である、先行する請求項のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体。
- 薬物または診断試薬として用いるための、請求項1から6のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体。
- 癌、特に固形腫瘍の診断または処置に使用するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体。
- 前記固形腫瘍は乳癌、前立腺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、甲状腺癌、肺癌、肝臓癌、膵癌、胃癌、黒色腫(皮膚癌)、リンパ腫、および神経膠腫を含む群より選択される、請求項8に記載の使用のための2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体。
- 特に癌の検出または診断に用いるため、特に固形腫瘍の検出または診断に用いるための、請求項1から76のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体を含む診断用組成物。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体を活性成分として含む、医薬組成物。
- 癌の処置、特に固形腫瘍の処置に用いるための、請求項11に記載の医薬組成物。
- 薬物または診断試薬の製造のため、特に癌の検出もしくは診断のための診断試薬または癌、特に固形腫瘍の処置のための薬物の製造のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体の使用。
- 癌または癌の素因を検出または診断する方法であって、前記方法は、対象から得られる細胞、組織、またはサンプルにおける、請求項1から6のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体と、Aktキナーゼとの結合を検出するステップを含む、方法。
- 癌、特に固形腫瘍を処置する方法であって、前記方法は、治療上有効な量の、請求項1から6のいずれか一項に記載の2,3−ジフェニル−1,6−ナフチリジン−5−オン誘導体を対象に投与するステップを含む、方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP15166458.8 | 2015-05-05 | ||
EP15166458.8A EP3091016A1 (en) | 2015-05-05 | 2015-05-05 | Kinase inhibitors and their use in cancer therapy |
PCT/EP2016/059918 WO2016177746A1 (en) | 2015-05-05 | 2016-05-03 | Kinase inhibitors and their use in cancer therapy |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018516976A true JP2018516976A (ja) | 2018-06-28 |
JP6715921B2 JP6715921B2 (ja) | 2020-07-01 |
Family
ID=53040451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018509979A Active JP6715921B2 (ja) | 2015-05-05 | 2016-05-03 | キナーゼ阻害剤および癌治療におけるそれらの使用 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10550114B2 (ja) |
EP (2) | EP3091016A1 (ja) |
JP (1) | JP6715921B2 (ja) |
CA (1) | CA2984851A1 (ja) |
WO (1) | WO2016177746A1 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7750151B2 (en) * | 2004-04-09 | 2010-07-06 | Merck Sharp & Dohme Corp. | Inhibitors of Akt activity |
AU2005316826A1 (en) * | 2004-12-15 | 2006-06-22 | Merck Sharp & Dohme Corp. | Inhibitors of Akt activity |
PT1898903E (pt) * | 2005-06-10 | 2013-06-28 | Merck Sharp & Dohme | Inibidores da atividade de akt |
EP2810648A1 (en) * | 2013-06-04 | 2014-12-10 | Daniel Rauh | Targeting domain-domain interaction for the identification of kinase modulators |
-
2015
- 2015-05-05 EP EP15166458.8A patent/EP3091016A1/en not_active Withdrawn
-
2016
- 2016-05-03 US US15/571,312 patent/US10550114B2/en active Active
- 2016-05-03 JP JP2018509979A patent/JP6715921B2/ja active Active
- 2016-05-03 EP EP16720132.6A patent/EP3292121B1/en active Active
- 2016-05-03 CA CA2984851A patent/CA2984851A1/en active Pending
- 2016-05-03 WO PCT/EP2016/059918 patent/WO2016177746A1/en active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US10550114B2 (en) | 2020-02-04 |
WO2016177746A1 (en) | 2016-11-10 |
EP3292121A1 (en) | 2018-03-14 |
EP3292121B1 (en) | 2020-08-05 |
US20180354941A1 (en) | 2018-12-13 |
JP6715921B2 (ja) | 2020-07-01 |
CA2984851A1 (en) | 2016-11-10 |
EP3091016A1 (en) | 2016-11-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Scott et al. | Discovery and SAR of novel 2, 3‐dihydroimidazo [1, 2‐c] quinazoline PI3K inhibitors: identification of copanlisib (BAY 80‐6946) | |
Li et al. | Discovery of N 1-(4-((7-cyclopentyl-6-(dimethylcarbamoyl)-7 H-pyrrolo [2, 3-d] pyrimidin-2-yl) amino) phenyl)-N 8-hydroxyoctanediamide as a novel inhibitor targeting cyclin-dependent kinase 4/9 (CDK4/9) and histone deacetlyase1 (HDAC1) against malignant cancer | |
CN106459013B (zh) | 作为trka激酶抑制剂的化合物及其用途 | |
WO2022061251A1 (en) | Compounds and methods for kras modulation and indications therefor | |
JP4718637B2 (ja) | ピリド(2,3−d)ピリミジノン化合物およびpi3阻害剤としてのその使用 | |
RU2405781C2 (ru) | 1, 5-нафтиридиназолидиноны, обладающие cdk1 антипролиферативной активностью | |
Rudolph et al. | Chemically diverse group I p21-activated kinase (PAK) inhibitors impart acute cardiovascular toxicity with a narrow therapeutic window | |
KR20120063515A (ko) | Pi3 키나제 억제제 및 이들의 용도 | |
EA008241B1 (ru) | Ингибиторы фосфатидилинозитол-3-киназы дельта человека | |
JP6612857B2 (ja) | ベンゾイミダゾールアナログおよび関連方法 | |
KR101745028B1 (ko) | 신규 2,3-디히드로-1h-이미다조(1,2-a)피리미딘-5-온 유도체, 그의 제조법 및 그의 제약 용도 | |
JP6421170B2 (ja) | プロテインキナーゼc阻害剤およびその使用 | |
CN101233129A (zh) | 取代的联芳杂环衍生物作为蛋白激酶抑制剂治疗癌症及其他疾病 | |
KR20120103553A (ko) | 신규 1,2,3,4-테트라히드로-피리미도(1,2-a)피리미딘-6-온 유도체, 그의 제조법 및 그의 제약 용도 | |
CA3172987A1 (en) | Small molecule inhibitors of oncogenic chd1l with preclinical activity against colorectal cancer | |
TW202104221A (zh) | 用於ep300或cbp調節及其適應症之化合物及方法 | |
Czako et al. | Discovery of IACS-9439, a potent, exquisitely selective, and orally bioavailable inhibitor of CSF1R | |
EP4346815A1 (en) | Heterocyclic compounds and methods of use | |
AU2022203204A1 (en) | Use of heterocyclic pdk1 inhibitors | |
CN114206867A (zh) | 用于对抗癌症的作为bmx抑制剂的苯并[h][1,6]萘啶-2(1h)-酮 | |
JP6715921B2 (ja) | キナーゼ阻害剤および癌治療におけるそれらの使用 | |
WO2019223777A1 (zh) | 一种含有芳胺基取代的吡咯并嘧啶类化合物、制备方法及其应用 | |
KR20230154436A (ko) | 아미노피리미딘 화합물 및 그의 사용 방법 | |
Zhao | Small Molecules for Active Targeting and Development of PROTACs | |
WO2023192328A1 (en) | An oxaziridine platform for targeting functional allosteric methionine sites |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190313 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191217 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200316 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200512 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200609 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6715921 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |