JP2018516914A - 環式エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【化1】本発明は、少なくとも1種の高沸点金属アルコキシド触媒の存在下における、一般式(I.a)又は(I.b)の環式エステルの製造方法に関する。本発明はさらに、香気物質及び/又は着香物質としての、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの立体異性体、及びそれらの使用、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの立体異性体のうちの少なくとも1種及びさらには担体材料を含む組成物、これらの化合物のうちの少なくとも1種を含むフレグランス組成物及び/又はフレグランス物質、並びに前記組成物に言及した化合物のうちの少なくとも1種を添加することによる組成物に香気若しくはフレーバーを付与する、又は組成物の香気若しくはフレーバーを変更する方法に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、少なくとも1種の高沸点金属アルコキシド触媒の存在下における、環式エステルの調製方法に関する。同様に、本発明は、フレグランス及び/又は着香料としての、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの立体異性体、及びそれらの使用、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの立体異性体のうちの少なくとも1種及びさらに担体材料を含む組成物、これらの化合物のうちの少なくとも1種を含む香り組成物及び/又はフレグランス物質、並びにこれらの組成物に指定した化合物のうちの少なくとも1種を添加することによる組成物の香気若しくは味覚を付与又は変更する方法に関する。
ムスク様香気を有する大環状化合物は、長い間、フレグランス産業において、価値のある芳香化学品であり続けている。これらの化合物には、例えばシクロペンタデカノン(Exalton(登録商標))又は(Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン(ジベトン)などの大環状ケトン、及び例えば、オキサシクロヘキサデカン-2-オン(Exaltolid(登録商標))(1)、オキサシクロヘプタデカン-2-オン(ヘキサデカノリド)(2)、1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン(エチレンブラシレート)(3)又はオキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン(アンブレトリド)(4)などの大環状エステル又はジエステルの両方、及びさらなる官能基化大環状分子が含まれる。
天然源からこれらのフレグランスを単離することは、大部分の場合、非常に高価であり、この方法で得ることができる量は、限定される。さらに、これらのフレグランスの純度又は生成量は、これらが単離される原料の生産中に、変動可能な環境条件の量に変動することが多い。
したがって、少なくとも1つのケト基又はエステル基を有する、中員環に基づく、及び特に大員環に基づく、環式化合物の調製に有効な方法が必要とされている。中員環は、一般に、8〜11個の炭素原子を有しており、12個超の炭素原子では、その環は大員環として記載される。大員環に基づく化合物は、大環状化合物とも呼ばれる。
有利な官能特性を有する大環状化合物を調製する既知方法は、大部分が、複雑な多段階合成に基づいており、したがって、面倒かつ高価となる。大環状ムスク化合物の合成の総説は、例えば、Synthesis 1999年、10巻、1707〜1723頁において、A. S. Williamsにより示されている。
大環状エステルは、とりわけ、対応するヒドロキシカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸エステルの環化により、又は対応する二酸又は二酸エステルとジオールとの反応により調製することができる。これに関し、多数の方法が当業者に公知である。
例えば、ParentyらのChem. Rev.、2006年、106巻、911〜939頁は、大環状エステルの合成方法を記載しており、ここでは、まず、供給材料の個々の酸又はアルコール官能基が活性化される。次に、こうして活性化された供給材料は環化されて、大環状エステルを得る。しかし、この方法では、活性化された供給材料が環化中、非常に希釈された形態で存在している場合しか、高い収率を実現することができない。この制限は、一般に、分子内エステル化反応を含む、当分野において公知の他の方法にもやはり当てはまる。したがって、このような方法は、産業界で使用するにはほとんど適していない。
工業的規模で大環状ラクトンを製造する場合、異なる原理に一般的に従う。この場合、まず、供給材料をオリゴマー又はポリマーエステルに変換し、次に、これらのエステルを、典型的なエステル交換触媒の存在下、200〜350℃の範囲の温度、及び100mbar未満の低圧で解重合させる。この方法では、平衡で形成される環式エステルモノマーは、最低沸点成分として、反応混合物から連続して留去される。
JP55002640は、例えば、大環状エステルの調製方法を記載しており、ここでは、ヒドロキシカルボン酸又は二酸とグリコールとの縮合により得られた線状ポリエステルが解重合されて、チタンアルコキシド触媒の存在下で環化される。
EP1097930は、大環状ラクトンを調製する方法を記載しており、ここでは、ヒドロキシカルボン酸エステルに、分子内エステル交換が施され、この場合、ヒドロキシカルボン酸エステルのエステル基は、アルキル基又はアルキレンオキシドオリゴマーである。この反応は、脂肪族アルコール及びポリアルキレンオキシドアルコールから選択されるアルコールの存在下で、特に有利に進行することが明記されている。
EP0940396は、モノマー、オリゴマー又はポリマー形態にある、オメガ-ヒドロキシカルボン酸又はそのエステルから生じるラクトンを調製する方法を記載している。その中に記載されている操作の1つは、高沸点ポリアルキレングリコールジエーテルを反応媒体に追加することである。
概して、重合及び環化に必要なヒドロキシル及び/又はカルボキシ脂肪酸の合成的な入手可能性は、困難を伴うものしかない。これらは、発酵により製造されるソホロ脂質から単離することができること、及び大環状エステルの合成の場合の供給材料として有利に使用することができることが当分野において公知である。
CH430679は、15-及び16-ヒドロキシパルミチン酸からなる混合物から、オキサシクロヘプタデカン(oxacyloheptadecan)-2-オン(ヘキサデカノリド)及び16-メチル-オキサシクロヘプタデカン-2-オンを調製する方法を記載している。この場合、15-又は16-ヒドロキシパルミチン酸は、キャンディダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)によって、パルミチン酸の発酵反応中に形成されるソホロ脂質から得られる。
DE2834117は、ヒドロキシ脂肪酸及び一価又は多価アルコールのエステルの調製方法を記載しており、この場合、使用される出発原料であるヒドロキシ脂肪酸は、キャンディダ・ボンビコラ(Candida bombicola)を用いる脂肪酸の発酵中に形成する、ソホロ脂質である。このエステルは環化されて、ムスクの香りを有する、大ラクトン環を得ることができる。
当分野において公知である、工業的に使用することができる方法において、高粘度の残液(bottom)が、重合工程中又はその後に一般に形成される。反応媒体が後の解重合中に撹拌可能なままであるよう、及びモノマー性環化生成物が高粘度媒体からより容易に蒸留され得るよう、高沸点溶媒を使用することが有利であることが分かった。このような高沸点溶媒は、「残液希釈剤」とも呼ばれる。
JP55120581は、例えば、線状ポリエステルの解重合及び環化による大環状エステルの調製方法を記載しており、ここでは、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールエステル、一塩基性カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、アルコール又はアルコールエステルが、粘度低下添加物として、反応混合物に添加される。
DE3225431A1号は、線状エステル化合物の分解及び環化により大環状エステル化合物を調製する方法を記載しており、ここでは、グリコール及び/又はオリゴエステル化合物が、溶媒/残液希釈剤として使用される。
EP0260680は、線状ポリエステルの触媒的熱解重合による大環状エステルの調製方法を記載しており、ここでは、記載されている反応条件下では不活性で、かつ液状形態で存在するオレフィンポリマーが溶媒として使用される。具体的には、ポリエチレンは、オレフィンポリマーとして使用される。
WO02/16345は、溶媒として熱的に安定なベンゼン誘導体の存在下、線状オリゴエステルの熱的開裂による、大環状エステルの調製方法を記載している。
EP0739889A1は、大環状化合物を調製する二段階法を記載しており、ここでは、二官能性供給材料は、自己触媒作用下又はブレンステッド酸の存在下、第1の工程で縮合して、オリゴマーを得る。この方法で得られたオリゴマーは、ルイス酸の存在下、第2の工程で、解重合され、使用される溶媒又は残液希釈剤は、500〜3000Daの分子量を有するポリアルキレングリコールジアルキルエーテルである。具体的に記載されているものは、15-ヒドロキシペンタデカン酸、及びドデカン二酸又はトリデカン二酸メチルエステルとエチレングリコールとの対応する線状オリゴエステルへの重縮合であり、この場合、この縮合は、自己触媒的に、又はp-トルエンスルホン酸などのブレンステッド酸の存在下で行われ、形成する水は蒸留により除去される。次に、このオリゴエステルは、スズ含有触媒の存在下又はチタン酸テトラブチルの存在下で、2000Daの分子量を有するポリエチレングリコールジメチルエーテルの添加下で、環式モノエステル又はジエステルに変換される。ポリエーテルグリコール及び/又はポリエーテルグリコールエステルは、望ましくない様式で重合に関与し、かなりの収率損失をもたらすので、解重合工程において、それらを残液希釈剤として使用するのは好適ではないことが、ここで明確に開示されている。
当分野で公知の工業的方法の大部分において、エステル交換工程又は解重合工程において使用される触媒は、モノマー性環化生成物の蒸留中に、少なくとも一部、共留去され、モノマー性環化生成物は、面倒な方法で生成物から分離しなければならない。
残液希釈剤は、モノマー性環化生成物の蒸留中のある種の環境下において共留去され、そうすると、残液に存在する触媒を一緒に引き連れる恐れがある、及び/又はそうでない場合、触媒の活性に悪影響を及ぼす恐れがあるので、残液希釈剤として使用される溶媒の選択は、やはり重要である。
Synthesis 1999年、10巻、1707〜1723頁
Parentyら、Chem. Rev.、2006年、106巻、911〜939頁
本発明の目的は、上述の欠点を回避することができる、大環状エステルの改善された調製方法を提供することである。特に、本目標は、重合及び解重合のために有利に使用することができ、かつモノマー性環化生成物の蒸留による取り出しの間に、反応混合物から共留去しない触媒を提供することである。とはいえ、良好な収率は、触媒を用いて実現可能となるはずである。さらに、解重合工程中の残液希釈剤として使用される溶媒は、触媒の活性に悪影響を及ぼすべきではない。
この目的は、一般式(I.a)又は(I.b)
X1は、非分岐状若しくは分岐状C4〜C30-アルキレン基、又は1つ、2つ又は3つの二重結合を含む非分岐状若しくは分岐状C4〜C30-アルケニレン基であり、
X2は、非分岐状若しくは分岐状C1〜C30-アルキレン基、又は1つ、2つ又は3つの二重結合を含む非分岐状若しくは分岐状C2〜C30-アルケニレン基であり、
Yは、非分岐状又は分岐状C2〜C10-アルキレン基であり、
R1は、水素、又は非分岐状若しくは分岐状C1〜C10-アルキル基である)
の大環状化合物を調製する方法であって、
a) 一般式(II.a)又は(II.b)
X1、X2及びR1は、上で与えられている意味を有しており、
R2は、水素、又は非分岐状若しくは分岐状C1〜C30-アルキル基である)
のうちの少なくとも1種の化合物を用意し、
b.1) 少なくとも1種の化合物(II.a)を、金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の触媒の存在下、及びまた少なくとも200g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)の存在下で、反応させて、一般式(I.a)の少なくとも1種の大環状化合物を含む反応混合物を得るか、
又は
b.2) 少なくとも1種の化合物(II.b)を、金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の触媒の存在下、及びまた少なくとも200g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)、及びさらに少なくとも1種のジオールHO-Y-OH(Yは、上の意味を有する)の存在下で、反応させて、一般式(I.b)の、少なくとも1種の大環状化合物を含む反応混合物を得て、
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流を、工程b.1)又はb.2)において得られた反応混合物から蒸留によって取り出し、ポリエーテル化合物(PE)及び触媒が豊富な底部生成物(bottom product)を得る、
方法によって実現される。
さらに、本発明による方法によって調製される18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの立体異性体、すなわち化合物(10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンは、ムスク様香気を有することが見いだされた。これらの化合物は新規であり、したがって、同様に、フレグランス及び/又は着香料としてのそれらの好適性は記載されていなかった。
したがって、本発明は、化合物(10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンに関する。
さらに、本発明は、フレグランス及び/又は着香料としての、(10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの使用に関する。
さらに、本発明は、担体材料をさらに含む組成物の構成成分としての上述の化合物の少なくとも1種の使用であって、該組成物が、洗剤、洗濯用ケア組成物、清浄剤、化粧用製剤、フレグランス含有衛生物品、食品、栄養補助食品、消臭剤、香水、医薬製剤及び作物保護剤から選択される、使用に関する。
さらに、本発明は、上述の化合物のうちの少なくとも1種及び担体材料を含む、香り組成物及び/又はフレグランス物質に関する。
さらに、本発明は、組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は組成物の香気若しくは味覚を変更する方法であって、上述の化合物のうちの少なくとも1種を、該組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は該組成物の香気若しくは味覚を変更する量で、組成物に添加する、方法に関する。
本発明の実施形態
本発明は具体的には、以下の好ましい実施形態を含む:
本発明は具体的には、以下の好ましい実施形態を含む:
1. 一般式(I.a)又は(I.b)
X1は、非分岐状若しくは分岐状C4〜C30-アルキレン基、又は1つ、2つ又は3つの二重結合を含む非分岐状若しくは分岐状C4〜C30-アルケニレン基であり、
X2は、非分岐状若しくは分岐状C1〜C30-アルキレン基、又は1つ、2つ又は3つの二重結合を含む非分岐状若しくは分岐状C2〜C30-アルケニレン基であり、
Yは、非分岐状又は分岐状C2〜C10-アルキレン基であり、
R1は、水素、又は非分岐状若しくは分岐状C1〜C10-アルキル基である)
の大環状化合物を調製する方法であって、
a) 一般式(II.a)又は(II.b)
X1、X2及びR1は、上で与えられている意味を有しており、
R2は、水素、又は非分岐状若しくは分岐状C1〜C30-アルキル基である)
のうちの少なくとも1種の化合物を用意し、
b.1) 少なくとも1種の化合物(II.a)を、金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の触媒の存在下、及びまた少なくとも200g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)の存在下で、反応させて、一般式(I.a)の少なくとも1種の大環状化合物を含む反応混合物を得るか、
又は
b.2) 少なくとも1種の化合物(II.b)を、金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の触媒の存在下、及びまた少なくとも200g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)、及びさらに少なくとも1種のジオールHO-Y-OH(Yは、上の意味を有する)の存在下で、反応させて、一般式(I.b)の、少なくとも1種の大環状化合物を含む反応混合物を得て、
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流を、工程b.1)又はb.2)において得られた反応混合物から蒸留によって取り出し、ポリエーテル化合物(PE)及び触媒が豊富な底部生成物を得る、
方法。
2. 工程b.1)又はb.2)において使用される少なくとも1種の触媒が、5mbarで250℃を超える沸点を有する、実施形態1に記載の方法。
3. 化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流を蒸留によって取り出すため、ポリエーテル化合物(PE)とは異なる少なくとも1種の溶媒(S)が共留剤として、工程b.1)又はb.2)において得られる反応混合物に添加され、かつ/又は不活性ガス流が反応混合物に供給される、実施形態1又は2に記載の方法。
4. 化合物(I.1)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しが、工程b.1)又はb.2)の反応後に行われる、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
5. 一般式(I.a)及び(I.b)の化合物において、基X1が、11〜21個の環炭素原子を有しており、基X2及びYが一緒になって、9〜19個の環炭素原子を有する、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
6. 一般式(I.a)、(I.b)、(II.a)及び(II.b)の化合物において、
R1が、水素又はメチルであり、
X1が、非分岐状C12〜C16-アルキレン基、又は二重結合を含む非分岐状C12〜C16-アルケニレン基であり、
X2が、非分岐状C9〜C13-アルキレン基、又は二重結合を含む非分岐状C9〜C13-アルケニレン基であり、
Yが、非分岐状C2〜C4-アルキレン基であり、
R2が、水素又は非分岐状C1〜C4-アルキル基であり、
基X2及びYが一緒になって、11〜15個の直接架橋する炭素原子を有する、
前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
R1が、水素又はメチルであり、
X1が、非分岐状C12〜C16-アルキレン基、又は二重結合を含む非分岐状C12〜C16-アルケニレン基であり、
X2が、非分岐状C9〜C13-アルキレン基、又は二重結合を含む非分岐状C9〜C13-アルケニレン基であり、
Yが、非分岐状C2〜C4-アルキレン基であり、
R2が、水素又は非分岐状C1〜C4-アルキル基であり、
基X2及びYが一緒になって、11〜15個の直接架橋する炭素原子を有する、
前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
7. 蒸留により取り出された、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流が、溶媒(S)の少なくとも一部、及び場合によりさらにポリエーテル化合物(PE)の一部を含み、該生成物流に分離が施され、溶媒(S)及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が豊富な画分、及び主に一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物を含む生成物画分をもたらす、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
8. 生成物画分が、さらなる精製、好ましくは蒸留に施される、実施形態7に記載の方法。
9. 溶媒(S)、及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が豊富な画分が、工程b.1)又はb.2)における反応に再度、戻される、実施形態7及び8に記載の方法。
10. 工程b.1)又はb.2)、及び化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しが、連続的に行われる、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
11. 少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)が、一般式(III)
R3-O-[Z-O]n-R3
(III)
(式中、
Zは、エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、2,3-ブチレン及び1,4-ブチレンから互いに独立して選択され、
nは、3〜250の整数であり、
一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3はC1〜C30-アルキルである、
又は、一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)である、
又は基R3の両方が水素である、
又は基R3の両方が、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)であるかのいずれかである)
の化合物から選択される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
R3-O-[Z-O]n-R3
(III)
(式中、
Zは、エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、2,3-ブチレン及び1,4-ブチレンから互いに独立して選択され、
nは、3〜250の整数であり、
一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3はC1〜C30-アルキルである、
又は、一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)である、
又は基R3の両方が水素である、
又は基R3の両方が、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)であるかのいずれかである)
の化合物から選択される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
12. 少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)が、一般式(III)
(Z及びnは、上で定義されている通りであり、
一方の基R3は水素であり、
もう一方の基R3は、水素、又はC1〜C10-アルキル若しくは-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)である)
の化合物から選択される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
(Z及びnは、上で定義されている通りであり、
一方の基R3は水素であり、
もう一方の基R3は、水素、又はC1〜C10-アルキル若しくは-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)である)
の化合物から選択される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
13. 一方の基R3が水素であり、
もう一方の基R3が、水素、又はC1〜C10-アルキル若しくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)である、
実施形態11又は12に記載の方法。
もう一方の基R3が、水素、又はC1〜C10-アルキル若しくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)である、
実施形態11又は12に記載の方法。
14. 工程b.1)又はb.2)において使用される少なくとも1種の金属アルコキシド触媒が、金属酸化物、アルキル金属酸化物、金属塩又は一般式M[O(C1〜C4-アルキル)]m(mは、1、2、3又は4の値を有する)の金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の金属化合物を、実施形態1又は11において定義されている少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)と反応させることにより調製される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
15. 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製が、インサイチュで行われる、実施形態14に記載の方法。
16. 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製が、工程b.1)又はb.2)の前に行われる、実施形態14に記載の方法。
17. 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製中に場合により形成する低沸点成分が、蒸留によって除去される、実施形態14〜16のいずれか1つに記載の方法。
18. 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製中に場合により形成する、低沸点成分を蒸留により除去するために、不活性ガス流が使用される、実施形態17に記載の方法。
19. 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製に使用される、金属酸化物、アルキル金属酸化物、金属塩又は金属アルコキシドM[O(C1〜C4-アルキル)]mの金属が、元素周期表のアルカリ金属、アルカリ土類金属、第4族、第7族、第8族、第9族及び第12族の遷移金属、並びに第13族、第14族及び第15族の金属並びに/又は半金属から選択される、実施形態14〜18のいずれか1つに記載の方法。
20. 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製が、供給材料(I.a)、(I.b)及びジオールHO-Y-OHの非存在下で行われる、実施形態1〜14及び16〜19のいずれか1つに記載の方法。
21. 工程c)における、ポリエーテル化合物(PE)及び触媒が豊富な底部生成物が、工程b.1)又はb.2)のさらなる反応に再利用される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
22. 少なくとも1種の溶媒(S)が、C2〜C15-アルカノール、グリセロール、ペンタエリスリトール、C2〜C4-アルキレングリコール及びそれらのモノ及びジ-(C1〜C4-アルキル)エーテル、化合物PEとは異なるポリアルキレングリコール及びそのモノ及びジアルキルエーテル、芳香族炭化水素、並びにそれらの混合物から選択される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
23. 化合物(II.a)又は(II.b)の用意が、以下の工程
a.1) C6〜C22-カルボン酸の用意、
a.2) 工程a.1)において用意されたC6〜C22-カルボン酸の、オメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への変換、
a.3) 場合により、工程a.2)において得られたオメガ-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸の、対応するオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への酸化、
a.4) 場合により、工程a.2)に由来するオメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸、又は工程a.2)若しくはa.3)に由来するカルボキシル化C6〜C22-カルボン酸の、非分岐状若しくは分岐状C1〜C6-アルカノールによるエステル化
を含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
a.1) C6〜C22-カルボン酸の用意、
a.2) 工程a.1)において用意されたC6〜C22-カルボン酸の、オメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への変換、
a.3) 場合により、工程a.2)において得られたオメガ-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸の、対応するオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への酸化、
a.4) 場合により、工程a.2)に由来するオメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸、又は工程a.2)若しくはa.3)に由来するカルボキシル化C6〜C22-カルボン酸の、非分岐状若しくは分岐状C1〜C6-アルカノールによるエステル化
を含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
24. 工程a.2)におけるヒドロキシル化又はカルボキシル化が発酵によって行われる、実施形態22に記載の方法。
25. (10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンから選択される、化合物(1.a)。
26. フレグランス及び/又は着香料としての、実施形態24に記載の少なくとも1種の化合物の使用。
27. 少なくとも1種の化合物が、担体材料をさらに含む組成物の構成成分である、実施形態26に記載の使用。
28. 組成物が、洗剤及び清浄剤、化粧用製剤、フレグランス含有衛生物品、食品、栄養補助食品、消臭剤、香水、医薬製剤及び作物保護剤から選択される、実施形態27に記載の使用。
29. 実施形態25に指定されている化合物のうちの少なくとも1種及び担体材料を含む、香り組成物及び/又はフレグランス物質。
30. 組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は組成物の香気若しくは味覚を変更する方法であって、実施形態25において指定されている化合物のうちの少なくとも1種を、該組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は該組成物の香気若しくは味覚を変更する量で、組成物に添加する、方法。
本発明による方法は、以下の有利な特性を特徴とする:
残液希釈剤(ポリエーテル化合PE)及び共留剤(溶媒S)の同時使用によって、反応混合物からの大環状エステルの蒸留による取り出しは、非常に迅速に、及び/又は高い流速で行うことができる。
迅速な取り出し中でさえも、高沸点触媒は、大環状エステルと一緒に留去されない。
本発明による方法により得られる大環状エステルを精製するために、面倒な手段の使用を省くことが一般に可能である。
したがって、本発明による方法により、比較的短い反応時間、すなわち高い空間-時間収率で、良好な収率及び純度の大環状エステルの調製が可能となる。
本発明による方法は、連続的に行うことができ、その単純性及びコスト有効性を特徴としている。
本発明による方法において使用される触媒は、本反応が、さらなる大環状エステルの調製が完了した場合、再利用することができるか、又は長期間、保管することができる。
比較的容易に入手可能な供給材料は、本発明による方法において使用することができる。短鎖供給材料は、商業的に得ることができるか、又は問題なく合成することができる。長鎖供給材料は、発酵法によって脂肪酸から比較的容易に製造することができる。
本発明による方法を使用して調製することができる、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの異性体は、有利な官能特性、特にムスク様香気を特徴としている。したがって、それらの異性体は、フレグランス若しくは着香料として、又は香り組成物及び/若しくはフレグランス物質の構成成分として、有利に使用することができる。
それらの物理特性のために、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの異性体は、香り組成物、特に香水において使用される場合、他の香気性物質又は他の市販成分に対して、非常に良好な、実際上、普遍的な溶出特性を有する。
18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの異性体は、留意すべき毒性を有していないことが明らかである一群の化合物に属するので、それらは、非常に毒性が低いことが予期される。オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン(アンブレトリド)などの、構造上非常に類似している大環状エステルが、香りとして既に使用されている。
本発明の文脈では、表現「C1〜C30-アルキル」とは、1〜30個の炭素原子を有する非分岐状アルキル基、又は3〜30個の炭素原子を有する分岐状アルキル基を指す。好ましくは、「C1〜C30-アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する非分岐状アルキル基、又は3〜20個の炭素原子を有する分岐状アルキル基である。これらには、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、1-エチルペンチル、2-エチルペンチル、1-プロピルブチル、1-エチル-2-メチルブチル、n-オクチル、イソオクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、イソノニル、2-プロピルヘキシル、n-デシル、イソデシル、2-プロピルヘプチル、n-ウンデシル、イソウンデシル、n-ドデシル、イソドデシル、n-トリデカン、n-テトラデカン、n-ペンタデカン、n-ヘキサデカン、イソヘキサデカン、n-ヘプタデカン、n-オクタデカン、n-ノナデカン、n-デコサンなどが含まれる。C1〜C30-アルキルは、特に、好ましくは非分岐状C1〜C10-アルキル基又は分岐状C3〜C10-アルキル基、特に非分岐状C1〜C6-アルキル基又は分岐状C3〜C6-アルキル基である。具体的には、C1〜C30-アルキルは、非分岐状C1〜C4-アルキル基、非常に具体的にはメチル又はエチルである。
表現「C1〜C30-アルキル」は、その定義内に、やはり、表現「C1〜C10-アルキル」、「C1〜C6-アルキル」及び「C1〜C4-アルキル」を含む。
本発明の文脈では、表現「C1〜C30-アルキレン」とは、1〜30個の炭素原子を有する二価炭化水素基を指す。二価炭化水素基は、非分岐状又は分岐状とすることができる。これらには、例えば、メチレン、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、1,3-ブチレン、1,4-ブチレン、2-メチル-1,3-プロピレン、1,5-ペンチレン、2-メチル-1,4-ブチレン、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン、1,6-ヘキシレン、2-メチル-1,5-ペンチレン、3-メチル-1,5-ペンチレン、2,3-ジメチル-1,4-ブチレン、1,7-ヘプチレン、2-メチル-1,6-ヘキシレン、3-メチル-1,6-ヘキシレン、2-エチル-1,5-ペンチレン、3-エチル-1,5-ペンチレン、2,3-ジメチル-1,5-ペンチレン、2,4-ジメチル-1,5-ペンチレン、1,8-オクチレン、2-メチル-1,7-ヘプチレン、3-メチル-1,7-ヘプチレン、4-メチル-1,7-ヘプチレン、2-エチル-1,6-ヘキシレン、3-エチル-1,6-ヘキシレン、2,3-ジメチル-1,6-ヘキシレン、2,4-ジメチル-1,6-ヘキシレン、1,9-ノニレン、2-メチル-1,8-オクチレン、3-メチル-1,8-オクチレン、4-メチル-1,8-オクチレン、2-エチル-1,7-ヘプチレン、3-エチル-1,7-ヘプチレン、1,10-デシレン、2-メチル-1,9-ノニレン、3-メチル-1,9-ノニレン、4-メチル-1,9-ノニレン、5-メチル-1,9-ノニレン、1,11-ウンデシレン、2-メチル-1,10-デシレン、3-メチル-1,10-デシレン、5-メチル-1,10-デシレン、1,12-ドデシレン、1,13-トリデシレン、1,14-テトラデシレン、1,15-ペンタデシレン、1,16-ヘキサデシレン、1,17-ヘプタデシレン、1,18-オクタデシレン、1,19-ノナデシレン、1,20-エイコシレンなどが含まれる。好ましくは、「C1〜C30-アルキレン」は、非分岐状又は分岐状C4〜C20-アルキレン基、特に好ましくは非分岐状又は分岐状C6〜C18-アルキレン基、特に、非分岐状C9〜C16-アルキレン基である。
表現「C1〜C30-アルキレン」は、その定義内に、やはり、表現「C4〜C30-アルキレン」、「C12〜C18-アルキレン」、「C6〜C15-アルキレン」、「C12〜C16-アルキレン」及び「C9〜C13-アルキレン」を含む。
本発明の文脈では、表現「C2〜C10-アルキレン」とは、2〜10個の炭素原子を有する二価炭化水素基を指す。二価炭化水素基は、非分岐状又は分岐状とすることができる。これらには、例えば、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、1,3-ブチレン、1,4-ブチレン、2-メチル-1,3-プロピレン、1,1-ジメチル-1,2-エチレン、1,5-ペンチレン、1-メチル-1,4-ブチレン、2-メチル-1,4-ブチレン、1-エチル-1,3-プロピレン、2-エチル-1,3-プロピレン、1,1-ジメチル-1,3-プロピレン、1,2-ジメチル-1,3-プロピレン、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン、1,6-ヘキシレン、1-メチル-1,5-ペンチレン、2-メチル-1,5-ペンチレン、3-メチル-1,5-ペンチレン、1-エチル-1,4-ブチレン、2-エチル-1,4-ブチレン、2-プロピル-1,3-プロピレン、1,1-ジメチル-1,4-ブチレン、1,2-ジメチル-1,4-ブチレン、2,2-ジメチル-1,4-ブチレン、2,3-ジメチル-1,4-ブチレン、1,7-ヘプチレン、2-メチル-1,6-ヘキシレン、3-メチル-1,6-ヘキシレン、2-エチル-1,5-ペンチレン、3-エチル-1,5-ペンチレン、2,3-ジメチル-1,5-ペンチレン、2,4-ジメチル-1,5-ペンチレン、1,8-オクチレン、2-メチル-1,7-ヘプチレン、3-メチル-1,7-ヘプチレン、4-メチル-1,7-ヘプチレン、2-エチル-1,6-ヘキシレン、3-エチル-1,6-ヘキシレン、2,3-ジメチル-1,6-ヘキシレン、2,4-ジメチル-1,6-ヘキシレン、1,9-ノニレン、2-メチル-1,8-オクチレン、3-メチル-1,8-オクチレン、4-メチル-1,8-オクチレン、2-エチル-1,7-ヘプチレン、3-エチル-1,7-ヘプチレン、1,10-デシレン、2-メチル-1,9-ノニレン、3-メチル-1,9-ノニレン、4-メチル-1,9-ノニレン、5-メチル-1,9-ノニレンなどが含まれる。好ましくは、「C2〜C10-アルキレン」は、非分岐状C2〜C6-アルキレン基又は分岐状C3〜C6-アルキレン基、特に好ましくは、非分岐状C2〜C4-アルキレン基又は非分岐状C3〜C4-アルキレン基、特に非分岐状C2〜C4-アルキレン基である。
本発明の文脈では、「C2〜C30-アルケニレン」は、非分岐状又は分岐状であってもよい、2〜30個の炭素原子を有する、二価炭化水素基であり、主鎖は1つ、2つ又は3つの二重結合を有する。好ましくは、「C2〜C30-アルケニレン」は、1つ、2つ若しくは3つの二重結合を有する、非分岐状若しくは分岐状C6〜C18-アルケニレン基、特に好ましくは、1つ、2つ若しくは3つの二重結合を有する非分岐状C6〜C18-アルケニレン基である。これらには、例えば、1-、2-、3-ヘキセニレン、1-、2-、3-ヘプテニレン、1-、2-、3-オクテニレン、1-、2-、3-ノネニレン、1-、2-、3-、4-、5-デセニレン、1-、2-、3-、4-、5-ウンデセニレン、2-、3-、4-、5-、6-ドデセニレン、2,4-ドデカジエニレン、2,5-ドデカジエニレン、2,6-ドデカジエニレン、3-、4-、5-、6-トリデセニレン、2,5-トリデカジエニレン、4,7-トリデカジエニレン、5,8-トリデカジエニレン、4-、5-、6-、7-テトラデセニレン、2,5-テトラデカジエニレン、4,7-テトラデカジエニレン、5,8-テトラデカジエニレン、4-、5-、6-、7-ペンタデセニレン、2,5-ペンタデカジエニレン、4,7-ペンタデカジエニレン、5,8-ペンタデカジエニレン、1,4,7-ペンタデカトリエニレン、4,7,11-ペンタデカトリエニレン、4,6,8-ペンタデカトリエニレン、4-、5-、6-、7-、8-ヘキサデセニレン、2,5-ヘキサデカジエニレン、4,7-ヘキサデカジエニレン、5,8-ヘキサデカジエニレン、2,5,8-ヘキサデカトリエニレン、4,8,11-ヘキサデカトリエニレン、5,7,9-ヘキサデカトリエニレン、5-、6-、7-、8-ヘプタデセニレン、2,5-ヘプタデカジエニレン、4,7-ヘプタデカジエニレン、5,8-ヘプタデカジエニレン、5-、6-、7-、8-、9-オクタデセニレン、2,5-オクタデカジエニレン、4,7-オクタデカジエニレン、5,8-オクタデカジエニレンなどが含まれる。特に、「C2〜C30-アルケニレン」は、1つ又は2つの二重結合を有する、非分岐状C6〜C18-アルケニレン基、特に、1つの二重結合を有する非分岐状C9〜C16-アルケニレン基である。
表現「C2〜C30-アルケニレン」は、その定義内に、やはり、表現「C4〜C30-アルケニレン」、「C12〜C18-アルケニレン」、「C6〜C15-アルケニレン」、「C12〜C16-アルケニレン」及び「C9〜C13-アルケニレン」を含む。
C2〜C30-アルケニレン基中の二重結合は、互いに独立して、E立体配置及びまたZ立体配置で、又は両方の立体配置の混合物として、存在することができる。
モノ又はポリ分岐状C1〜C30-アルキレン基、C2〜C10-アルキレン基及びC2〜C30-アルケニレン基では、分岐点における炭素原子又は個々の分岐点における炭素原子は、互いに独立して、R立体配置若しくはS立体配置、又は両方の立体配置を等しい割合若しくは異なる割合で有することができる。
好ましくは、一般式(I.a)の化合物中の基X1は、11〜21個の環炭素原子を有しており、一般式(I.b)の化合物中の基X2及びYは、一緒になって、9〜19個の環炭素原子を有する。
特に、好ましくは、一般式(I.a)の化合物中の基X1は、12〜18個の環炭素原子、特に13〜16個の環炭素原子を有しており、一般式(I.b)の化合物中の基X2及びYは、一緒になって、10〜17個の環炭素原子、特に11〜15個の環炭素原子を有する。
本発明の好ましい実施形態では、一般式(I.a)、(I.b)、(II.a)、(II.b)の化合物において、
R1は、水素又はメチルであり、
X1は、非分岐状C12〜C18-アルキレン基、又は1つ又は2つの二重結合を含む非分岐状C12〜C18-アルケニレン基であり、
X2は、非分岐状C6〜C15-アルキレン基、又は1つ又は2つの二重結合を含む非分岐状C6〜C15-アルケニレン基であり、
Yは、非分岐状C2〜C4-アルキレン基又は分岐状C3〜C4-アルキレン基であり、
R2は水素、又は非分岐状C1〜C6-アルキル基若しくは分岐状C3〜C6-アルキル基であり、
基X2及びYは一緒になって、10〜17個の直接架橋する炭素原子を有する。
R1は、水素又はメチルであり、
X1は、非分岐状C12〜C18-アルキレン基、又は1つ又は2つの二重結合を含む非分岐状C12〜C18-アルケニレン基であり、
X2は、非分岐状C6〜C15-アルキレン基、又は1つ又は2つの二重結合を含む非分岐状C6〜C15-アルケニレン基であり、
Yは、非分岐状C2〜C4-アルキレン基又は分岐状C3〜C4-アルキレン基であり、
R2は水素、又は非分岐状C1〜C6-アルキル基若しくは分岐状C3〜C6-アルキル基であり、
基X2及びYは一緒になって、10〜17個の直接架橋する炭素原子を有する。
本発明の特に好ましい実施形態では、一般式(I.a)、(I.b)、(II.a)、(II.b)の化合物において、
R1は、水素又はメチルであり、
X1は、非分岐状C12〜C16-アルキレン基、又は1つの二重結合を含む非分岐状C12〜C16-アルケニレン基であり、
X2は、非分岐状C9〜C13-アルキレン基、又は1つの二重結合を含む非分岐状C9〜C13-アルケニレン基であり、
Yは、非分岐状C2〜C4-アルキレン基であり、
R2は、水素又は非分岐状C1〜C4-アルキル基であり、
基X2及びYは一緒になって、11〜15個の直接架橋する炭素原子を有する。
R1は、水素又はメチルであり、
X1は、非分岐状C12〜C16-アルキレン基、又は1つの二重結合を含む非分岐状C12〜C16-アルケニレン基であり、
X2は、非分岐状C9〜C13-アルキレン基、又は1つの二重結合を含む非分岐状C9〜C13-アルケニレン基であり、
Yは、非分岐状C2〜C4-アルキレン基であり、
R2は、水素又は非分岐状C1〜C4-アルキル基であり、
基X2及びYは一緒になって、11〜15個の直接架橋する炭素原子を有する。
本発明の文脈では、表現「直接架橋する炭素原子」とは、最短で末端結合に連結する炭素原子を指す。
工程a)
本発明による方法の工程a)において用意される少なくとも1種の化合物(II.a)又は少なくとも1種の化合物(II.b)は、純粋な形態にあるか、又は化合物(II.a)若しくは(II.b)のうちの少なくとも1種を含む工業的に入手可能な混合物としてのどちらかで存在することができる。化合物(II.a)又は(II.b)の含有率は、工業的に入手可能な混合物の総重量に対して、一般に50重量%超、好ましくは60重量%超、特に70重量%超である。
本発明による方法の工程a)において用意される少なくとも1種の化合物(II.a)又は少なくとも1種の化合物(II.b)は、純粋な形態にあるか、又は化合物(II.a)若しくは(II.b)のうちの少なくとも1種を含む工業的に入手可能な混合物としてのどちらかで存在することができる。化合物(II.a)又は(II.b)の含有率は、工業的に入手可能な混合物の総重量に対して、一般に50重量%超、好ましくは60重量%超、特に70重量%超である。
化合物(II.a)又は(II.b)は、商業的に得ることができる、合成することができる、又は生体触媒法、例えば発酵法又は酵素法により製造することができるかのいずれかである。
本発明による方法の工程a)の好ましい実施形態では、化合物(II.a)又は(II.b)は、C6〜C22-カルボン酸から調製され、化合物(II.a)及び(II.b)の用意は、以下の工程を含む:
a.1) C6〜C22-カルボン酸の用意、
a.2) 工程a.1)において用意されたC6〜C22-カルボン酸の、オメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への変換、
a.3) 場合により、工程a.2)において得られたオメガ-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸の、対応するオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への酸化、
a.4) 場合により、工程a.2)に由来するオメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸、又は工程a.2)若しくはa.3)に由来するカルボキシル化C6〜C22-カルボン酸の、非分岐状若しくは分岐状C1〜C6-アルカノールによるエステル化。
a.1) C6〜C22-カルボン酸の用意、
a.2) 工程a.1)において用意されたC6〜C22-カルボン酸の、オメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への変換、
a.3) 場合により、工程a.2)において得られたオメガ-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸の、対応するオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への酸化、
a.4) 場合により、工程a.2)に由来するオメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸、又は工程a.2)若しくはa.3)に由来するカルボキシル化C6〜C22-カルボン酸の、非分岐状若しくは分岐状C1〜C6-アルカノールによるエステル化。
工程a.2)において使用されるC6〜C22-カルボン酸は、一般に市販されており、容易に入手可能な天然源から多量に得ることができる。
概して、工程a.2)におけるC6〜C22-カルボン酸の変換は、生体触媒により実施される。工程a.2)における生体触媒による変換は、例えば、好適な酵素を触媒量使用することにより、又は発酵法によるなどの様々な方法で行うことができる。好ましくは、工程a.2)における生体触媒による変換は、発酵法により行われる。
C6〜C22-カルボン酸の、対応するオメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への発酵による変換の場合、多数の好適な微生物が、当業者に入手可能である。例えば、この目的に関し、キャンディダ・アピコラ(Candida apicola)、キャンディダ・アルビカンス(Candida albicans)、キャンディダ・ボンビコラ(Candida bombicola)、キャンディダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)又はキャンディダ・トロピカネア(Candida tropicanea)などのキャンディダ属に属する様々な酵母株を使用することが可能である。
発酵による変換のための本発明による方法において、好ましいのは、酵母株であるキャンディダ・ボンビコラ、キャンディダ・マグノリアエ及びキャンディダ・トロピカネアの使用である。
好適な発酵法は、例えば、刊行物のSpencerら、Canadian Journal of Chemistry、1961年、39巻、846頁において詳細に記載されている。
酵母株を使用する発酵による変換の場合、オメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化カルボン酸又は(アルファ,オメガ)-ジカルボン酸は、ソホロース-結合形態で、すなわちいわゆるソホロ脂質として得られる。水性懸濁液として通常、存在しているソホロ脂質は、一般に、好適な分離法によって、例えば有機溶媒を使用する抽出によって、残存する発酵水溶性残留物から分離される。続いて、ヒドロキシル化又はカルボキシル化カルボン酸が、酸加水分解によってソホロースから開裂して遊離する(cleaved off)。
ソホロ脂質の抽出にとって好適なものは、一般に、仮にあったとしても、非常に低い程度の水にしか混和性を示さない有機溶媒のすべてである。これらのソホロ脂質の抽出に好適な好ましい有機溶媒は、例えば、脂肪族又は脂環式炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル又はシクロヘキサンなど)、ハロゲン化脂肪族又は脂環式炭化水素(ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン又はジクロロエタンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン又はキシレンなど)、ハロゲン化芳香族炭化水素(クロロベンゼン又はジクロロベンゼンなど)、エーテル(メチルtert-ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなど)、カルボン酸エステル(酢酸メチルエステル又は酢酸エチルエステルなど)など、及び前記溶媒の混合物から選択される。
発酵によるヒドロキシル化の場合、使用されるC6〜C22-カルボン酸は、オメガ位又はオメガ-1位がヒドロキシル化される。ヒドロキシル化は、どの酵母株及びどんな条件が発酵に選択されたかに応じて、選択的又は非選択的に進行させることができる。したがって、発酵によるヒドロキシル化の間に、等しい割合又は異なる割合で存在することができる、オメガ-及び(オメガ-1)-ヒドロキシル化カルボン酸の混合物が一般に得られる。大部分の場合、発酵によるヒドロキシル化は、位置選択的に進行し、ヒドロキシル化生成物の1つが、過剰に形成される。
一般に、ソホロースに由来するヒドロキシル化又は炭素環式脂肪酸を開裂して遊離させる好適なものは例えば、CH430679又はDE2834117に記載されている、エステル基及び/又はエーテル基の酸加水分解について当業者に公知の方法である。好ましくは、ソホロ脂質の加水分解、すなわちソホロースからのヒドロキシル化又は炭素環式脂肪酸の開裂遊離は、無機酸又は有機スルホン酸を使用する酸性条件下で行われる。ソホロ脂質の加水分解に関し、特に好ましいのは、無機酸、特に硫酸の使用である。
所望の場合、工程a.2)において得られるオメガ-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸は、対応する(アルファ-オメガ)-ジカルボン酸に酸化することができる(工程a.3))。この目的に好適なものは、一級アルコールのカルボン酸への酸化に関して、当業者に公知の慣用的な方法である。
工程a.2)及びa.3)において得られるオメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸は、非分岐状又は分岐状C1〜C6-アルカノールの存在下、好ましくは非分岐状又は分岐状C1〜C4-アルカノールの存在下、特に好ましくは非分岐状C1〜C4-アルカノールの存在下、特にメタノール又はエタノールの存在下、対応するカルボン酸エステル又はジカルボン酸エステルに、場合により変換される(工程a.4))。
使用することができるエステル化触媒は、この目的のための慣用的な触媒、例えば無機酸(硫酸及びリン酸など)、有機スルホン酸(メタンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸など)、両性触媒、特にチタン、スズ(IV)又はジルコニウム化合物(テトラアルコキシチタン、例えば、テトラブトキシチタン及び酸化スズ(IV)など)である。反応中に形成される水は、慣用的な手段、例えば蒸留により、除去することができる。エステル化触媒として、好ましいのは、無機酸又は有機スルホン酸、特に好ましくは無機酸、特に硫酸を使用することである。
エステル化触媒は、有効量で使用され、有効量とは、通常、酸成分に対して、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。好適なエステル化法のさらなる詳細説明は、例えば、US6,310,235、US5,324,853、DE-A2612355又はDE-A1945359に見いだすことができる。
エステル化(工程a.4))は、工程a.2)において実施されるソホロ脂質の加水分解の間又はその後に行うことができる。好ましくは、エステル化は、加水分解の間に実施され、この場合、同じ無機酸、特に硫酸が、加水分解のため、及びエステル化のために使用される。
工程a.2)、a.3)又はa.4)において得られる一般式(II.a)又は(II.b)のうちの少なくとも1種の化合物には、後処理後、さらなる精製、例えば、蒸留による精製を施すことができ、又はさらに直接、使用することができる。
本発明による方法の工程a)の特に好ましい実施形態では、C6〜C22-カルボン酸は、対応するソホロース-結合オメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸に発酵により変換され、次に、メタノール又はエタノールの存在下で、無機酸の添加により、メチルエステル及び/又はエチルエステルの同時形成を伴いながら、ソホロースから開裂して遊離し、この方法で得られた粗製エステルに蒸留精製が施される、又は純度に応じて直接、さらに使用される。
酵素による又は発酵による(オメガ-1)-ヒドロキシル化は、エナンチオ選択的に進行させることができる。この理由のため、酵素又は発酵による(オメガ-1)-ヒドロキシル化によって調製される一般式(II.a)の化合物は、純粋なR異性体若しくはS異性体として、又はこれらの鏡像異性体の一方が過剰に存在しているR/S異性体混合物として存在することができる。
純粋なR異性体若しくはS異性体、又はR/S異性体混合物、及び場合によりさらには、純粋なE異性体若しくはZ異性体、又はE/Z異性体混合物として存在する、一般式(II.a)又は(II.b)の化合物は、本発明による方法のための供給材料として等しく好適である。
工程b):
本発明による方法の工程b)は、2つの変形を含む。本発明による方法の変形b.1)は、一般式(II.a)の少なくとも1種の化合物を、少なくとも1種の一般式(I.a)の大環状化合物を含む反応混合物に変換することに関する。変形b.2)は、少なくとも1種の一般式(II.b)の化合物、及びさらには少なくとも1種のジオールHO-Y-OHを、少なくとも1種の一般式(I.b)の大環状化合物を含む反応混合物に変換することに関する。
本発明による方法の工程b)は、2つの変形を含む。本発明による方法の変形b.1)は、一般式(II.a)の少なくとも1種の化合物を、少なくとも1種の一般式(I.a)の大環状化合物を含む反応混合物に変換することに関する。変形b.2)は、少なくとも1種の一般式(II.b)の化合物、及びさらには少なくとも1種のジオールHO-Y-OHを、少なくとも1種の一般式(I.b)の大環状化合物を含む反応混合物に変換することに関する。
両方の変形において、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流は、反応混合物から蒸留によって取り出される。
b.1)及びb.2)において使用される触媒、少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)、反応条件及び反応手順は、変形b.1)とb.2)の両方において同一である。したがって、変形b.1)及びb.2)は、使用される供給材料のタイプ及び得られる環化生成物が違うに過ぎない。
工程b.1)又はb.2)の反応混合物中の工程a)において提供された出発原料の画分は、変換の開始時の反応混合物の総重量に対して、一般に、5〜60重量%、特に10〜50重量%である。
本発明によるジオールHO-Y-OHにおいて、Yは、非分岐状若しくは分岐状C2〜C10-アルキレン基、好ましくは非分岐状C2〜C6-アルキレン基又は分岐状C3〜C6-アルキレン基、とりわけC2〜C4-アルキレン基である。
系からの取り出し:
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流は、工程b.1)及びb.2)における変換中に得られた反応混合物から、蒸留によって取り出される。したがって、反応混合物は、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物画分と、ポリエーテル化合物(PE)及び触媒が豊富な底部生成物とに分離される。
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流は、工程b.1)及びb.2)における変換中に得られた反応混合物から、蒸留によって取り出される。したがって、反応混合物は、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物画分と、ポリエーテル化合物(PE)及び触媒が豊富な底部生成物とに分離される。
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物の蒸留による取り出しに好適なものは、一般に、液体成分を含む反応混合物の蒸留による分離のためのすべての装置である。好適な装置は、トレイカラムなどの蒸留カラムを含み、このカラムは、バブルキャップトレイ、ふるい板、ふるいトレイ、ランダム充填若しくは配列充填(arranged packing)、又は回転バンドカラム蒸発器(薄膜蒸発器など)、液膜降下式蒸発器、強制循環式蒸発器、Sambay式蒸発器など、及びそれらの組合せを備えていてもよい。大環状化合物の蒸留による取り出しに関し、特に好ましいのは、蒸留カラム及び/又は回転バンドカラム、とりわけ回転バンドカラムを使用することである。
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流の蒸留による取り出しの間、蒸気は、工程b.1)及びb.2)において得られる反応混合物から最初に、ストリッピングにより分離され(stripped off)、次に、これは、少なくとも一部が凝縮される。適切なコンデンサはすべて、蒸気の凝縮又は部分凝縮のために使用することができる。これは、任意の所望の冷却媒体を使用して冷却することができる。空気冷却及び/又は水冷却を使用するコンデンサが好ましく、空気冷却が、特に好ましい。
本発明による方法の好ましい実施形態では、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流を蒸留により取り出すために、共留剤として、ポリエーテル化合物(PE)と異なる少なくとも1種の溶媒(S)が工程b.1)又はb.2)において得られる反応混合物に加えられる、かつ/又は不活性ガス流が、反応混合物に導入される。
溶媒(S)
工程b.1)又はb.2)において得られる反応混合物に場合により添加される、ポリエーテル化合物(PE)と異なる少なくとも1種の溶媒(S)は、変換中に形成される環化生成物(I.a)又は(I.b)の蒸留による取り出しの速度を高めることが意図されている。こうして、溶媒(S)は、共留剤の機能を果たす。
工程b.1)又はb.2)において得られる反応混合物に場合により添加される、ポリエーテル化合物(PE)と異なる少なくとも1種の溶媒(S)は、変換中に形成される環化生成物(I.a)又は(I.b)の蒸留による取り出しの速度を高めることが意図されている。こうして、溶媒(S)は、共留剤の機能を果たす。
本発明の文脈では、表現「共留剤」は、有機化合物、特に有機溶媒を意味するものとして理解され、これらは、化合物(I.a)及び/又は(I.b)と一緒に気相に少なくとも一部が変換される。
適切な溶媒(S)は、一般に、その1013mbarでの沸点が、95〜300℃の範囲にあり、かつ化合物(I.a)及び/又は(I.b)と一緒に気相に少なくとも一部が変換されるが、化合物(I.a)及び(I.b)と非混和性である、又はこれらとわずかしか混和性ではない、すべての溶媒である。
好ましくは、少なくとも1種の溶媒(S)は、C2〜C15-アルカノール、グリセロール、ペンタエリスリトール、C2〜C4-アルキレングリコール及びそれらのモノ及びジ-(C1〜C4-アルキル)エーテル、200g/mol未満の数平均分子量を有する、化合物PEとは異なるポリアルキレングリコール並びにそのモノ及びジアルキルエーテル、芳香族炭化水素、並びに上述の溶媒の混合物から選択される。
少なくとも1種の溶媒(S)は、特に、好ましくはグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、又は200g/mol未満の数平均分子量を有する化合物PEとは異なるポリアルキレングリコール並びにそれらのモノ及びジアルキルエーテルである。特に、少なくとも1種の溶媒(S)は、グリセロール及びエチレングリコールである。
好ましくは、少なくとも1種の溶媒(S)は、長期間にわたり反応に計量投入される。
反応手順に応じて、少なくとも1種の溶媒(S)の添加は、反応の開始時に、又は反応過程における後ろの時間に行われる。好ましくは、少なくとも1種の溶媒(S)は、環化生成物(I.a)又は(I.b)の蒸留による取り出しの全過程の間に、連続的に計量投入される。
添加された溶媒(S)の量は、使用される化合物(II.a)又は(II.b)の総量、及び環化生成物(I.a)又は(I.b)から分離するために必要な時間によって決まる。この関連では、添加される溶媒(S)の量が、0.02〜50g/(g(出発原料) *h)(出発原料のグラム数及び時間あたりのSのグラム数)の範囲にある場合、有利となることが分かった。好ましくは、添加される溶媒(S)の量は、0.03〜25g/(g(出発原料) *h)の範囲、特に好ましくは0.05〜10g/(g(出発原料) *h)の範囲、特に0.1〜5g/(g(出発原料) *h)の範囲にある。
不活性ガス流:
代替として、又は工程b.1)又はb.2)における反応に、少なくとも1種の溶媒(S)を添加することに加え、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しは、反応条件下で、反応混合物に対して不活性なガスの導入により行うことができる。
代替として、又は工程b.1)又はb.2)における反応に、少なくとも1種の溶媒(S)を添加することに加え、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しは、反応条件下で、反応混合物に対して不活性なガスの導入により行うことができる。
不活性ガスは、反応、試薬、溶媒又は明記した工程条件下で形成する生成物に関与する出発原料とのいかなる反応にも関与しないガスを意味するものとして理解される。好適な不活性ガスは、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどである。不活性ガスとして窒素を使用することが好ましい。
この場合、不活性ガスは、反応ゾーンのガス空間に、又は液体反応混合物に通すことができる。好ましくは、不活性ガスは、液体反応混合物と不活性ガスとの間に、大きな交換面積が生成されるように、反応ゾーンに導入される。少なくとも1種の溶媒(S)を反応混合物に添加する場合と同様に、不活性ガスの導入は、ストリッピング効果をもたらし、反応混合物からのモノマー性環化生成物の取り出しを容易にする。
好ましくは、不活性ガスは、反応混合物に通気するよう、液体の表面より下の沸騰している反応混合物に導入される。不活性ガスの圧力は、不活性ガス供給口より上の反応混合物の静圧力に打ち勝つ程、十分に高くなければならない。例えば、不活性ガスは、反応混合物の液体表面より20〜50cm下に導入され得る。
不活性ガスは、任意の所望の好適な装置により供給され得る。これらは、例えばガス-分散液ランス又はノズルを含む。ノズルは、反応器の床の上又は床の近傍に設置され得る。ノズルは、この目的のため、反応器を取り囲む、中空チャンバの開口部として構成され得る。代替として、好適なフィード用ラインを有する浸漬用ノズルを使用することができる。いくつかのノズルは、例えば、環の形態で配列され得る。ノズルは、上方向又は下方向を向くことができる。ノズルは、傾斜して下方向に好ましくは向いている。
反応混合物は、不活性ガスの供給口より下の反応器ゾーン中の反応混合物を、不活性ガスの供給口より上の反応器ゾーン中の反応混合物により交換するために、徹底的に好ましくは混合される。混合に好適なものは、例えば、撹拌器又は循環式ポンプである。特定の変形では、いわゆるガス-分散撹拌器は、不活性ガスを導入して、反応混合物を混合するために使用される。
工程b.1)又はb.2)の反応条件:
工程b.1)又はb.2)における反応は、2つの段階中で原理的に進行する。反応、オリゴマー化又は重合段階という第1の段階では、供給材料は、鎖長が異なる線状ポリエステルに主にオリゴマー化し、この場合、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物は、仮に存在していても、わずかな程度でしか形成しない。反応の第2の段階では、オリゴマーエステルは、解重合されて環化する。この場合、平衡で形成されるモノマー性環化生成物は、最低沸点成分として、反応混合物から蒸留により取り出される。
工程b.1)又はb.2)における反応は、2つの段階中で原理的に進行する。反応、オリゴマー化又は重合段階という第1の段階では、供給材料は、鎖長が異なる線状ポリエステルに主にオリゴマー化し、この場合、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物は、仮に存在していても、わずかな程度でしか形成しない。反応の第2の段階では、オリゴマーエステルは、解重合されて環化する。この場合、平衡で形成されるモノマー性環化生成物は、最低沸点成分として、反応混合物から蒸留により取り出される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しは、工程b.1)又はb.2)における反応後に、本質的に行われる。表現「本質的に反応後に」は、この関係では、一般式(II.a)又は(II.b)の供給材料の70%超、例えば、80%、90%又は95%が変換されるとすぐに、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しが開始されることを意味する。
解重合又は環化の段階は、一般に、反応混合物から平衡で形成されるモノマー性環式生成物の取り出しと共に、すなわち、モノマー性環化生成物の蒸留による取り出しが開始されるとすぐに開始する。オリゴマー化は、一般に、比較的迅速に進行するので、環化生成物(I.a)又は(I.b)の蒸留による取り出しは、工程b.1)又はb.2)における反応の開始の数分後、例えば、変換の開始の5分、10分又は20分後に行うことができるが、但し、反応温度及び圧力は、この目的のために必要な範囲内に既にある条件とする。
化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しは、特に好ましくは工程b.1)又はb.2)における変換後に行われる。
工程b.1)又はb.2)における変換、及び一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流の蒸留による取り出しは、150〜350℃の範囲の温度、好ましくは180〜320℃の範囲の温度、及び特に200〜300℃の範囲の温度で一般に行われる。
工程b.1)又はb.2)における変換は、一般に、周囲圧又は減圧で行うことができる。好ましくは、工程b.1)又はb.2)における反応、及び一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流の蒸留による取り出しは、減圧で行われる。
ポリエーテル化合物(PE)
ポリエーテル化合物(PE)として好適なものは、一般に、少なくとも200g/molの数平均分子量を有するポリエーテルオールであり、ここでは、それらのアルコール官能基は、少なくとも1種の(C1〜C30)-アルコールによりエーテル化されていてもよく、及び/又は少なくとも1種の(C2〜C30)-カルボン酸によりエステル化されていてもよい。アルコール官能基は、遊離-OH基として同様に存在してもよい。
ポリエーテル化合物(PE)として好適なものは、一般に、少なくとも200g/molの数平均分子量を有するポリエーテルオールであり、ここでは、それらのアルコール官能基は、少なくとも1種の(C1〜C30)-アルコールによりエーテル化されていてもよく、及び/又は少なくとも1種の(C2〜C30)-カルボン酸によりエステル化されていてもよい。アルコール官能基は、遊離-OH基として同様に存在してもよい。
それらは、好ましくは、アルコール官能基が、(C1〜C10)-アルコールによりエーテル化されていてもよいか、又は(C2〜C10)-カルボン酸によりエステル化されていてもよい、ポリエーテルオールである。
好適なポリエーテルオール、並びに指定されたそのエーテル及びエステル誘導体は、線状又は分岐状、好ましくは線状とすることができる。好適なポリエーテルオールは、約200〜20000、好ましくは250〜5000、特に好ましくは300〜3000の範囲の数平均分子量を、一般に有する。
好適なポリエーテルオールは、例えば、アルキレンオキシド繰り返し単位を有する、非イオン性ポリマーである。好ましくは、アルキレンオキシド繰り返し単位の割合は、化合物の総重量に対して、少なくとも30重量%である。好適なポリエーテルオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン及びアルキレンオキシドのコポリマーなどのポリアルキレングリコールである。アルキレンオキシドコポリマーの調製に好適なアルキレンオキシドは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2-及び2,3-ブチレンオキシドである。好適なものは、例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのコポリマー、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシドと少なくとも1種のブチレンオキシドとのコポリマーである。アルキレンオキシドコポリマーは、統計的分布で、又はブロックの形態で重合組み込み形態でアルキレンオキシド単位を含むことができる。好ましくは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー中のエチレンオキシドに由来する繰り返し単位の割合は、40〜99重量%である。ポリエーテル化合物(PE)として特に好適なものは、エチレンオキシドホモポリマー及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーである。
同様に、ポリエーテル化合物(PE)として好適なものは、低分子量C1〜C6-アルコール若しくはC7〜C30-脂肪アルコール、及び/又は低分子量C2〜C6-カルボン酸若しくはC7〜C30-脂肪酸に由来する、上記のポリエーテルオールのエーテル及び/又はエステル誘導体である。
これらには、例えば、ポリアルキレングリコールモノアルコールエーテル、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル、脂肪アルコールポリオキシアルキレンエステル又はポリアルキレングリコール一脂肪酸エステルが含まれる。
特に好適なものは、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物及び蒸留による取り出しのために場合により使用される溶媒(S)と、わずかな程度で一緒に又は無視できるほど小さな程度で一緒に、蒸留による取り出しのために選択される条件下で留去されるポリエーテル化合物(PE)である。
本発明による方法の好ましい実施形態では、ポリエーテル化合物(PE)は、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物、及び蒸留による取り出しのために場合により使用される溶媒(S)と一緒に、反応溶液中にあるポリエーテル化合物(PE)の総量に対して、無視できる程の小さい程度、例えば2%未満、又は1%未満、又は0.5%未満までしか、留去されない化合物から選択される。
本発明により使用されるポリエーテル化合物は、5mbarにおいて、少なくとも280℃、特に好ましくは少なくとも300℃、特に少なくとも350℃の沸点を好ましくは有する。
本発明による方法のさらに好ましい実施形態では、ポリエーテル化合物(PE)は、一般式(III)
R3-O-[Z-O]n-R3
(III)
(式中、
Zは、エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、2,3-ブチレン及び1,4-ブチレンから互いに独立して選択され、
nは、3〜250の整数であり、
一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、C1〜C30-アルキル、好ましくはC1〜C10-アルキル、特にC1〜C6-アルキルである、又は
一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)、好ましくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)、特に-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である、又は
基R3の両方が水素である、又は
基R3の両方が、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)、好ましくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)、特に、-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である)
の化合物から選択される。
R3-O-[Z-O]n-R3
(III)
(式中、
Zは、エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、2,3-ブチレン及び1,4-ブチレンから互いに独立して選択され、
nは、3〜250の整数であり、
一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、C1〜C30-アルキル、好ましくはC1〜C10-アルキル、特にC1〜C6-アルキルである、又は
一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)、好ましくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)、特に-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である、又は
基R3の両方が水素である、又は
基R3の両方が、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)、好ましくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)、特に、-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である)
の化合物から選択される。
一実施形態では、一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、C1〜C30-アルキル、好ましくはC1〜C10-アルキル、とりわけC1〜C6-アルキルである。
別の実施形態では、一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)、好ましくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)、とりわけ-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である。
別の実施形態では、両方の基R3が水素である。
別の実施形態では基R3の両方が、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)、好ましくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)、とりわけ-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である。
特に、好ましくは、一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、C1〜C10-アルキル、とりわけC1〜C6-アルキルである、又は一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は、-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)、とりわけ-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である、又は基R3の両方が水素である。
好適かつ好ましいポリアルキレングリコールの繰り返し単位(Z)の組成、及び好適かつ好ましい化合物(III)の平均分子量に関して、上記のものが適用可能である。したがって、Zは、好ましくはエチレン(ホモポリマー)又はエチレン及び1,3-プロピレン(コポリマー)である。好ましくは、nは4〜100、特に、好ましくは5〜50、特に5〜25の整数である。
R3の定義において使用される用語「C1〜C30-アルキル」、「C1〜C10-アルキル」及び「C1〜C6-アルキル」に関して、上記のものが同様に適用可能である。
したがって、R3のC1〜C6-アルキル及び-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)中のアルキル基は、例えば非分岐状C1〜C6-アルキル基又は分岐状C3〜C6-アルキル基、好ましくは非分岐状C1〜C4-アルキル基及び特にメチル又はエチルである。
式(III)の好ましい化合物の一実施形態では、一方のR3は水素であり、R3のもう一方は、水素、又はC1〜C10-アルキル若しくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)である。この場合、好ましくは、一方のR3は水素であり、R3のもう一方は、水素、又はC1〜C6-アルキル若しくは-(C=O)-(C1〜C6-アルキル)である。特に、R3の両方が水素である。
特に、一般式(III)の好ましい化合物は、例えば、300〜3000の平均分子量を有する、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアセテート又はポリエチレングリコールジアセテートである。
反応混合物中の少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)の割合は、変換の開始時に、反応混合物の総重量に対して、一般に、25〜95重量%、好ましくは40〜90重量%、特に50〜85重量%である。
触媒
工程b.1)及びb.2)において使用される少なくとも1種の触媒は、金属アルコキシドから選択される。
工程b.1)及びb.2)において使用される少なくとも1種の触媒は、金属アルコキシドから選択される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、工程b.1)及びb.2)において使用される少なくとも1種の触媒は、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物、及び蒸留による取り出しのために場合により使用される溶媒(S)と一緒に、反応溶液中にある少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の総量に対して、無視できる程の小さい程度、例えば2重量%未満、又は1重量%未満、又は0.5重量%未満までしか、留去されない金属アルコキシドから選択される。この好ましい実施形態では、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、一般に、5mbarにおいて、250℃超の沸点を有している。好ましくは、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、5mbarにおいて、280℃超、特に好ましくは300℃超、特に350℃超の沸点を有する。
工程b.1)又はb.2)において使用される少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、金属アルコキシド、アルキル金属酸化物、金属塩、又は一般式M[O(C1〜C4-アルキル)]m(mは、1、2、3又は4の値を有する)の金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の金属化合物を、一般式(III)の化合物から選択される少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)と反応させることにより調製される。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒を生成するために使用される金属化合物の金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素の周期表の第4族、第7族、第8族、第9族及び第12族の遷移金属、及び、第13族、第14族及び第15族の金属及び/並びに半金属から選択される。
好ましくは、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒を生成するために使用される金属化合物の金属は、K、Na、Ca、Mg、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Zn、Cd、Al、Ge、Sn、Pb及びSbから、特にK、Na、Ca、Mg、Ti及びZnから選択される。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の生成のためには、特に好ましいのは、金属酸化物、金属水酸化物又は金属アルコキシドM[O(C1〜C4-アルキル)]mを使用することであり、金属は、K、Na、Ca、Mg、Ti及びZnから選択される。少なくとも1種の金属アルコキシド触媒を生成するための特に好ましい金属性出発原料は、例えば、水酸化カリウム(KOH)、ナトリウムメタノーレート(NaOMe)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン(IV)エタノレート(Ti(OEt)4)、チタン(IV)イソプロパノレート(Ti(OiPr)4)又はチタン(IV)ブタノレート(Ti(OBu)4)である。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒を生成するために使用される一般式(III)の好ましいポリエーテル化合物は、上で定義したものである。
通常、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒を生成するために使用されるポリエーテル化合物は、使用される金属酸化物、金属水酸化物又は金属アルコキシドM[O(C1〜C5-アルキル)]mの量に対して、少なくとも1.5倍モル過剰、好ましくは少なくとも2倍モル過剰、例えば、4倍、15倍又は30倍モル過剰で使用される。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、50〜250℃の温度、好ましくは80〜220℃の温度、特に100〜200℃の温度で一般に生成される。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、上で定義されている通り、不活性ガスの非存在下又はその存在下で生成することができる。好ましくは、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、不活性ガスの添加により生成され、使用される不活性ガスは好ましくは窒素である。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、一般に、周囲圧で、又は減圧若しくは加圧で生成することができる。好ましくは、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の生成は、周囲圧又は減圧で行われる。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の生成中に形成される低沸点成分は、蒸留によって場合により除去される。
この関係では、表現「低沸点成分」とは、少なくとも1種の金属化合物の反応の間に遊離し、かつ1013mbarにおいて180℃未満の沸点を有する、有機化合物を指す。低沸点成分は、例えば、水、C1〜C6-アルコール又は他の有機溶媒である。
好ましいのは、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の生成中に場合により形成する、低沸点成分を蒸留により除去するために、不活性ガス流を使用することである。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の生成は、特に好ましくは、周囲圧で行われ、この場合、本方法において場合により形成する低沸点成分は、窒素流の手助けにより、蒸留によって反応混合物から除去される。
この目的の場合、窒素が、反応ゾーンのガス空間に、又は液体反応混合物に通される。好ましくは、不活性ガスは、液体反応混合物と不活性ガスとの間に、大きな交換面積が生成されるように、反応ゾーンに導入される。不活性ガスの導入により、ストリッピング効果が引き起こされ、反応混合物から低沸点成分の蒸留による除去が容易になる。
少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、好ましくはインサイチュで生成される。この関連では、表現「インサイチュ」は、触媒が、反応(工程b.1)又はb.2))中ではあるが、モノマー性環化生成物の蒸留による取り出しの前にも生成することができることを意味する。
しかし、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、工程b.1)又はb.2)における反応前に、特に好ましくは生成する。
特に、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒は、供給材料(I.a)、(I.b)及びジオールHO-Y-OHの非存在下で生成する。
工程b.1)又はb.2)において使用する金属アルコキシド触媒の量は、反応混合物中の化合物(II.a)又は(II.b)の総量に対して、0.1〜50mol%、好ましくは1〜40mol%、及び特に3〜30mol%である。
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、同一のポリエーテル化合物(PE)が、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の生成、及び対応する環式生成物(II.a)又は(II.b)を得るための化合物(I.a)又は(I.b)の反応に使用され、ポリエーテル化合物(PE)は一般式(III)の化合物から選択される。好ましい、特に好ましい一般式(III)のポリエーテル、並びに反応混合物における割合に関し、上記が適用可能である。
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富であり、反応混合物から取り出される生成物流は、溶媒(S)の少なくとも一部、及び場合により、ポリエーテル化合物(PE)のさらに一部を含むことができる。
本発明による方法のさらに好ましい実施形態では、蒸留により取り出された、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流は、溶媒(S)の少なくとも一部、及び場合によりさらにポリエーテル化合物(PE)の一部を含む。溶媒(S)、及び場合により存在しているポリエーテル化合物(PE)を分離するために、生成物流に分離が施され、溶媒(S)及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が豊富な画分、及び主に一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物を含む生成物画分が得られる。
通常、取り出される生成物流の、溶媒(S)中及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が豊富な画分と生成物の画分への分離は、溶媒(S)及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物とわずかしか混和しない、又は完全に混和しない場合、自己分離(相分離)過程により行われる。
これに関し、生成物流は、相分離器(デカンター)に通常、通され、ここで、生成物流は、機械的沈降の結果として2つの相(ポリエーテル化合物の一部を場合により含むS相、及び生成物相)に分かれ、これを個別にストリッピングにより除去することができる。
他には、又はこれに加えて、取り出された生成物流を分離するために、蒸留、液体抽出又は液体クロマトグラフィー分離法などの液体混合物を分離するために当業者に一般に公知の慣用的な方法を使用することができる。
自己分離(相分離)の経路により、分離を達成することができない、又は不完全にしか達成できない場合、これは、蒸留により、又はやはり抽出により行うことができる。抽出による分離の場合、これは、有利には、一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物を非常に容易に溶解するが、溶媒(S)及び場合によりポリエーテル化合物(PE)とわずかしか混和しない、又はまったく混和しない、Sとは異なる溶媒を使用して行われる。
Sとは異なる好適な溶媒は、例えば、脂肪族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル、シクロペンタン又はシクロヘキサンなど)、ハロゲン化脂肪族炭化水素(ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン又は1,2-ジクロロエタンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化芳香族炭化水素(クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサンなど)、及びC1〜C4-アルキルニトリル(アセトニトリル又はプロピオニトリルなど)などから選択される。
分離後に得られた生成物画分には、必要な場合、さらなる精製を施すことができる。好ましくは、さらなる精製は、蒸留による分離である。
生成物画分の蒸留による分離に好適なものは、一般に、蒸留による除去に関連する説明において指定されている装置である。生成物画分の蒸留による分離に関し、分別蒸留物は、蒸留カラム又は回転バンドカラム、特に回転バンドカラムを使用して好ましくは行われる。
本発明による方法の好ましい実施形態では、溶媒(S)、及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が豊富な画分は、工程b.1)又はb.2)における変換に再度、戻される。
「工程b.1)又はb.2)における変換に戻す」は、溶媒(S)及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が、変換の反応ゾーンに戻されて再度、通されることを意味する。
本発明による方法では、反応ゾーンは、1つの反応器からなるか、又はいくつかの反応器の配列からなることができる。いくつかの反応器は、好ましくは、直列に接続されている。本発明による方法は、不連続的に、又は連続的に実施することができる。
本発明による方法の好ましい実施形態では、工程b.1)及びb.2)、並びに化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しは、連続的に行われる。
反応器は、液相において化学反応を実施するために好適な、任意の所望の反応器とすることができる。
適切な反応器は、円筒型反応器、又は内部構造(internal)が設けられたドエルタイム容器(dwell-time container)などの非逆混合反応器であるが、好ましくは、撹拌式槽反応器、ループ反応器、ジェットループ反応器又はジェットノズル反応器などの逆混合反応器である。しかし、連続式逆混合反応器と非逆混合反応器との併用も可能である。
場合により、いくつかの反応器も、多段階装置において組み合わせることができる。このような反応器は、例えば、ふるいトレイが組み込まれたループ反応器、直列した容器、中間供給口又は撹拌カラムを備えた円筒型反応器である。
好ましいのは、撹拌式槽反応器の使用である。撹拌式槽反応器は、金属性材料からほとんどなり、ステンレス鋼が好ましい。反応回分は、撹拌器又は循環式ポンプの手助けを受けて、集中的に好ましくは混合される。
好ましい実施形態では、本発明による方法は、単一撹拌式槽反応器で行われる。さらに好ましい実施形態では、本発明による方法は、直列(cascade)形態で一緒に連結した、少なくとも2つの撹拌式槽反応器で行われる。具体的には、連続反応手順の場合、できる限り完全な変換のために、直列形態でいくつかの反応器を連結するのが好都合となり得る。反応混合物は、個々の反応器を連続して通過し、第1の反応器を出たものは、第2の反応器を通過し、第2の反応器を出たものは、第3の反応器などを通過する。直列は、例えば、2〜10個の反応器を含むことができ、2個、3個、4個又は5個の反応器が好ましい。
工程b.1)、b.2)を実施するために、いくつかの反応器を直列して使用した場合、直列にある反応器はすべて、同じ温度で操作され得る。しかし、直列にしたものの最初の反応器から最後の反応器の温度は、着実に、向上させるのが一般に好ましく、反応器は、反応混合物の流れ方向の上流に位置している反応器と同一又はそれより高い温度で操作される。反応器はすべて、好都合なことに、本質的に同一の圧力で操作することができる。
連続法手順の場合、出発原料、及び場合により溶媒(S)の流れが、反応器に導入される、又は直列の反応器を使用する場合、触媒及びポリエーテル化合物(PE)を含む、直列の第1の反応器に好ましくは導入される。反応器又は個々の反応器における滞留時間は、ここでは、反応器の体積及び出発原料の流量によって決定される。モノマー性環化生成物、及び溶媒(S)の少なくとも一部、及び場合によりさらにはポリエーテル化合物(PE)の一部を含む蒸気が、反応器又は個々の反応器から抜き取られる。環化生成物から溶媒(S)、及び場合によりポリエーテル化合物(PE)を分離した後、これらは、反応器又は直列の反応器に、再度戻される。
直列した個々の反応器からの蒸気は一緒にされて、一緒に凝縮することができる。場合により、直列したいくつかの反応器を一緒にして、サブユニットをもたらすことが各場合において可能であり、この場合、このサブユニットは、次に、各場合において、コンデンサに接続されている。直列にした各反応器をコンデンサに接続するさらなる選択肢もある。
戻される溶媒(S)、及び場合により戻されるポリエーテル化合物(PE)は、直列した任意の所望の反応器に通すことができるか、又は直列したいくつかの反応器の間に分けることができる。しかし、戻される溶媒(S)、及び場合により戻されるポリエーテル化合物(PE)を、直列した最後の反応器には通さないことが好ましい。好ましくは、戻される溶媒(S)、及び場合により戻されるポリエーテル化合物(PE)は、直列した第1の反応器にもっぱら又は主に通過させる。
本発明は、(10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンから選択される、一般式(1.a)の大環状ラクトンをさらに提供する。
本発明は、純粋な形態の、及びそれらの混合物としての上述の異性体化合物の両方に関する。
こうして、以下に使用される用語「18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン」は、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの上述の個々の異性体とそれらの混合物の両方を指す。
混合物では、本化合物は、等しい割合で存在することができるか、又は該化合物の一方が過剰に存在することができる。好ましくは、本化合物の一方は、混合物中に存在している異性体化合物の総量に対して、少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%、具体的には少なくとも90重量%で存在する。
18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの上述の異性体は、本発明による方法を活用してすべて調製することができ、有利な感覚特性、特に快適な香気を有する。具体的には、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの異性体は、明確なムスク様香気を有する。
この理由のため、本発明は、同様に、フレグランス及び/又は着香料としての、(10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンから選択される少なくとも1種の化合物の使用に関する。この目的のために使用される化合物は、少なくとも80%、特に少なくとも90%、例えば95%又は97%の純度を有する。
強い香気の印象は、非常に低い気体空間濃度においてでさえも明確に認知することができる、芳香化学物質の特性を意味するものとして理解すべきである。この強度は、閾値の決定によって決定することができる。閾値とは、香気の印象が代表的な試験パネルにより依然としてかろうじて認知することができるが、もはや境界を明確にしなくともよい関連する気体空間中の物質の濃度である。最も香気の強い、すなわち、非常に低い香気の閾値を有する既知の物質クラスに恐らく属する物質クラスは、チオールであり、その閾値は、多くの場合、ppb/m3の範囲にある。新規な芳香化学品の探索の目標は、できる限り低い使用濃度を可能にするため、できる限り香気の閾値が低い物質を見いだすことである。この目標に近づけば近づくほど、香気物質又は芳香化学品がもっと「強い」と言う。
「有利な感覚特性」又は「快適な香気」とは、芳香化学品によって伝えられる香気印象の心地よさ及び明確さを述べる快楽的な表現である。
「心地よさ」及び「明確さ」は、当業者、調香師が熟知している用語である。心地よさは、一般に、好ましく感じられる、気持ちのよい感覚的な印象を自然にもたらすことを指す。しかし、「心地よい」は、「スイート」と同義である必要はない。「心地よい」はまた、ムスク又はビャクダンの香気とすることもできる。
「明確さ」とは一般に、同一の試験パネルについて、再現性よく、何か特定の同一のものを連想させる、感覚印象を自然にもたらすことを指す。
例えば、ある物質は、「りんご」の香気を自然に思い出させる香気を有することができる。その香気は明確に「りんご」になると思われる。このりんごの香気は、例えば、甘み、すなわち完全に熟したりんごを連想させるものなので、この香気は、非常に快適な場合、その香気は「心地よい」と称されると思われる。しかし、一般的に酸味のあるりんごの香気も、明確となり得る。物質のにおいをかいだ際に両方の反応が生じる場合、この例では、すなわち心地よく明確なりんごの香気、ひいてはこの物質は、特に有利な感覚特性を有する。
さらに、本発明は、少なくとも1種の芳香物質、すなわちフレグランス及び/又は着香料、並びにさらなる担体材料を通常含む組成物の構成成分として、(10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンから選択される少なくとも1種の化合物の使用に関する。このような組成物は、例えば、洗剤(洗濯用ケア組成物など)、清浄剤、化粧用製剤、香り含有衛生物品(おむつ、生理用ナプキン、腋の下パッドなど)、ペーパータオル、ウェットワイプ、トイレットペーパー、ポケットティッシュなど、食品及び栄養補助食品(チューイングガム又はビタミン剤製品など)、香りディスペンサー(消臭剤など)、香水、医薬製剤及び作物保護組成物から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、上で定義されている18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンは、化粧用製剤、香り含有衛生物品又は香水中の構成成分として使用される。
これらの組成物の配合物の場合、場合により1種以上の他の芳香物質と一緒に、上で定義されている18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンは、通常、芳香物質又は1種以上の他の芳香物質を予め含んでいない既存の調製物に添加される。通常、これらの組成物は、官能特性がない、又は特筆すべき官能特性がない、1種の化合物、化合物の混合物、又は様々な添加物からなることができる担体材料をさらに含む。しかし、担体材料は、特筆すべき官能特性を有する化合物又は添加物とすることもできるか、又は18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの異性体とは異なる少なくとも1種の芳香物質、及び場合により特筆すべき官能特性を有していない少なくとも1種のさらなる化合物を含む、化合物の混合物とすることができる。
担体材料は、上述の特性を有する、1種の化合物、化合物の混合物又は他の添加物とすることができる。適切な担体材料は、液体又は油様担体材料、及びワックス様又は固体担体材料を含む。
好適な液体又は油様担体材料は、例えば、水、アルコール(メタノール又はエタノールなど)、20℃未満の融解温度を有する脂肪族ジオール及びポリオール(エチレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール又はジプロピレングリコールなど)、環式シロキサン(ヘキサメチルシクロトリシロキサン又はデカメチルシクロペンタシロキサンなど)、植物油(分画化ココナッツオイル又は20℃未満の融解温度を有する脂肪アルコールのエステル(テトラデシルアセテート又はテトラデシルラクテートなど))、及び20℃未満の融解温度を有する脂肪酸のアルキルエステル(ミリスチン酸イソプロピルなど)から選択される。
好適なワックス様又は固体担体材料は、例えば、20℃未満の融解温度を有する脂肪アルコール(ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール又はセチルアルコールなど)、20℃超の融解温度を有するポリオール、20℃超の融解温度を有する脂肪アルコールとの脂肪酸エステル(ラノリン、ビーワックス、カルナウバワックス、カンデリラワックス又は日本ワックス、石油由来のワックス(硬質パラフィンなど))、水不溶性多孔質無機物(シリカゲル、シリケート、例えばタルク、マイクロ多孔性結晶性アルミノシリケート(ゼオライト)、クレイ無機物、例えばベントナイトなど)、又はホスフェート(例えば、トリポリリン酸ナトリウム)、紙、厚紙、木材、天然及び/又は合成繊維から作製されたテキスタイル用コンポジット又は不織物質から選択される。
適切な担体材料はまた、水溶性ポリマー(ポリアクリル酸エステル、又は四級化ポリビニルピロリドン、又は水-アルコール-溶解性ポリマー(特定の熱可塑性ポリエステル及びポリアミドなど)から選択される。ポリマー担体材料は、様々な形態、例えば、ゲル、ペースト、固体粒子(マイクロカプセル又は脆弱コーティングなど)の形態で存在することができる。
概して、これらの組成物における18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの使用量は、配合物中の添加物にとって慣用的で標準的な商業的使用量に相当する。一層正確には、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの使用量は、組成物の総重量に対して、0.001〜50重量%の範囲、特に0.01〜20重量%の範囲、具体的には、0.1〜10重量%の範囲にある。
それらの所期の使用に応じて、上で定義されている、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンが賦香構成成分として使用される組成物は、さらなる補助剤及び/又は添加物(例えば、洗剤又は洗剤の混合物など)、増粘剤(400〜20000Daの数平均分子量を有するポリエチレングリコールなど)、滑沢剤、結合剤又は凝集剤(ナトリウムシリケートなど)、分散剤、ビルダー塩(builder salt)、水軟化剤、充填塩(filling salt)、顔料、着色剤、蛍光増白剤、汚れ担体(soil carrier)などを含むことができる。
さらに、本発明は、上で定義されている、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの少なくとも1つの異性体、及び担体材料を含む、香り組成物及び/又はフレグランス物質に関する。
本発明による香り組成物及び/又は本発明によるフレグランス物質中の18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの全濃度は、具体的に限定されない。これは、幅広い範囲内で特定の所期の使用に適合することができる。概して、香りのための慣用的で標準的な商業的使用量が使用される。通常、本発明による香り組成物及び/又は本発明によるフレグランス物質中の18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの総量は、0.0001〜20重量%の範囲、特に0.001〜10重量%の範囲にある。
本発明による香り組成物及び/又はフレグランス物質の用途の典型的な分野は、洗剤、テキスタイルケア組成物、清浄剤、ヒト又は動物の身体向け、台所、ウェットルーム、自動車又はトラックなどの部屋向け、実植物又は人工植物向け、洋服向け、靴及び靴の中敷き向け、家具の物品向け、カーペット向け、室内加湿器向け、消臭剤向け、香水向け又は化粧品向け(軟膏、クリーム、ゲル、シャンプー、石鹸又はパウダーなど)の香り調製物である。
特に、本発明による香り組成物及び/又はフレグランス物質は、ヒト又は動物の身体向け、化粧品向け(軟膏、クリーム、ゲル、シャンプー、石鹸又はパウダーなど)の香り調製物中、又は香水中に使用することができる。
本発明は、成分Aとして、上に定義されている18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、及び成分Bとして、例えば以下の化合物B1〜B11のうちの1種以上のものなどの香り物質又は芳香物質として知られている少なくとも1種のさらなる化合物を含む、フレグランス組合せ物も包含する。
B1:ジヒドロジャスミン酸メチル(例えば、ヘディオン)、
B2:4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(例えば、Galaxolide(商標))
B3:2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(Lysmeral(商標))
B4:2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール(シクラメンアルデヒド)
B5:2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール(ジヒドロミルセノール)
B6:3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)
B7:3,7-ジメチル-trans-2,6-オクタジエン-1-オール(ゲラニオール)
B8:2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン(Iso E Super(商標))
B9:アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド
B10:3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール(シトロネロール)
B11:アルファ又はベータ-又はデルタ-ダマスコン
B2:4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(例えば、Galaxolide(商標))
B3:2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(Lysmeral(商標))
B4:2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール(シクラメンアルデヒド)
B5:2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール(ジヒドロミルセノール)
B6:3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)
B7:3,7-ジメチル-trans-2,6-オクタジエン-1-オール(ゲラニオール)
B8:2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン(Iso E Super(商標))
B9:アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド
B10:3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール(シトロネロール)
B11:アルファ又はベータ-又はデルタ-ダマスコン
フレグランスの配合物として好適なものは、例えば、JP11-071312A号の段落[0090]〜[0092]に開示されている配合物である。同様に、好適なものは、JP11-035969A号の段落[0039]〜[0043]からの配合物でもある。
さらに、本発明は、組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は組成物の香気若しくは味覚を変更する方法であって、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンを、該組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は該組成物の香気若しくは味覚を変更する量で、組成物に添加する、方法に関する。このために必要な18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの量は、組成物の性質及び所期の使用に依存し、したがって、幅広く様々となり得る。概して、上で定義されている、18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンの使用量は、組成物の総重量に対して、0.0001〜50重量%の範囲、特に0.001〜20重量%の範囲にある。
本発明は、以下に記載の実施例を参照することによって一層詳細に例示される。ここでは、実施例は、本発明の限定として理解すべきではない。
以下の実施例において、以下の略語が使用される。
Eqは当量である。
EGはエチレングリコールである。
PEGは、ポリエチレングリコールである。
Pluriol(登録商標)E600Sは、600の数平均分子量を有するポリエチレングリコールである。
酢酸エステルは、酢酸エチルである。
GCはガスクロマトグラフィーである。
GC面積%は、ガスクロマトグラムにおけるピークの全面積に対する、物質のピーク面積の百分率である(GC面積率)。
RTは室温である。
Ti(OiPr)4は、チタン(IV)イソプロパノレートである。
Eqは当量である。
EGはエチレングリコールである。
PEGは、ポリエチレングリコールである。
Pluriol(登録商標)E600Sは、600の数平均分子量を有するポリエチレングリコールである。
酢酸エステルは、酢酸エチルである。
GCはガスクロマトグラフィーである。
GC面積%は、ガスクロマトグラムにおけるピークの全面積に対する、物質のピーク面積の百分率である(GC面積率)。
RTは室温である。
Ti(OiPr)4は、チタン(IV)イソプロパノレートである。
II) 調製例
[実施例II.1]
15-ヒドロキシペンタデカン酸ブチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
80gのPluriol(登録商標)2000(PEG2000)に、室温で、2.48gのチタン(IV)イソプロポキシド(0.01mol、0.10当量)を加える。この混合物を140〜150℃に加熱し、生成したイソプロパノールを約3時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングする。次に、この混合物を120℃まで冷却し、70℃で融解した36.0g(0.11mol)の15-ヒドロキシペンタデカン酸ブチルエステルを加え、この混合物を5mbarまで排気して、約20分間にわたり、250℃まで加熱した。250℃において、エチレングリコールの計量添加(約25ml/時)を開始し、ペンタデカノリド及びエチレングリコールの混合物を留去する。約6時間後、蒸留物は単一相であり、相分離後、25.5gのペンタデカノリドが96.8重量%の含有率で得られ、これは、89.7%の収率に相当する。さらに4.3%の生成物がエチレングリコール相中に得られる。
[実施例II.1]
15-ヒドロキシペンタデカン酸ブチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
80gのPluriol(登録商標)2000(PEG2000)に、室温で、2.48gのチタン(IV)イソプロポキシド(0.01mol、0.10当量)を加える。この混合物を140〜150℃に加熱し、生成したイソプロパノールを約3時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングする。次に、この混合物を120℃まで冷却し、70℃で融解した36.0g(0.11mol)の15-ヒドロキシペンタデカン酸ブチルエステルを加え、この混合物を5mbarまで排気して、約20分間にわたり、250℃まで加熱した。250℃において、エチレングリコールの計量添加(約25ml/時)を開始し、ペンタデカノリド及びエチレングリコールの混合物を留去する。約6時間後、蒸留物は単一相であり、相分離後、25.5gのペンタデカノリドが96.8重量%の含有率で得られ、これは、89.7%の収率に相当する。さらに4.3%の生成物がエチレングリコール相中に得られる。
[実施例II.2]
15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で、2.84gのチタン(IV)イソプロポキシド(0.01mol、0.1当量)を加える。この混合物を140〜145℃に加熱し、生成したイソプロパノールを約3時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングする。次に、この混合物を120℃まで冷却し、70℃で融解した28.7g(0.1mol)の15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルを加え、この混合物を5mbarまで排気して、約20分間にわたり、250℃まで加熱する。それを場合により、室温までやはり冷却し、室温でヒドロキシエステルの添加を行い、触媒をさらに保管することができる。250℃において、エチレングリコールの計量添加(約28ml/時)を開始し、すぐに、ペンタデカノリド及びエチレングリコールの混合物を留去する。約5時間後、蒸留物は単一相であり、相分離後、22.7gのペンタデカノリドが98.3重量%の含有率で得られ、これは、92.9%の収率に相当する。さらに2.4%の生成物がエチレングリコール相中に得られる。
15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で、2.84gのチタン(IV)イソプロポキシド(0.01mol、0.1当量)を加える。この混合物を140〜145℃に加熱し、生成したイソプロパノールを約3時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングする。次に、この混合物を120℃まで冷却し、70℃で融解した28.7g(0.1mol)の15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルを加え、この混合物を5mbarまで排気して、約20分間にわたり、250℃まで加熱する。それを場合により、室温までやはり冷却し、室温でヒドロキシエステルの添加を行い、触媒をさらに保管することができる。250℃において、エチレングリコールの計量添加(約28ml/時)を開始し、すぐに、ペンタデカノリド及びエチレングリコールの混合物を留去する。約5時間後、蒸留物は単一相であり、相分離後、22.7gのペンタデカノリドが98.3重量%の含有率で得られ、これは、92.9%の収率に相当する。さらに2.4%の生成物がエチレングリコール相中に得られる。
[実施例II.3]
15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で0.8gの酸化マグネシウム(0.02mol、0.2当量)を加え、120℃まで加熱した後、70℃で融解した31.4g(0.1mol)の15-ヒドロキシペンタデカン酸ブチルエステルを加える。次に、この混合物を5mbarまで排気し、約20分間にわたり、250℃まで加熱する。250℃において、エチレングリコールの計量添加(約20ml/時)を開始し、ペンタデカノリド及びエチレングリコールの混合物を留去する。約10時間後、蒸留物は単一相であり、相分離後、21.1gのペンタデカノリドが97.9重量%の含有率で得られ、これは、86.0%の収率に相当する。さらに3.8%の生成物がエチレングリコール相中に得られる。
15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で0.8gの酸化マグネシウム(0.02mol、0.2当量)を加え、120℃まで加熱した後、70℃で融解した31.4g(0.1mol)の15-ヒドロキシペンタデカン酸ブチルエステルを加える。次に、この混合物を5mbarまで排気し、約20分間にわたり、250℃まで加熱する。250℃において、エチレングリコールの計量添加(約20ml/時)を開始し、ペンタデカノリド及びエチレングリコールの混合物を留去する。約10時間後、蒸留物は単一相であり、相分離後、21.1gのペンタデカノリドが97.9重量%の含有率で得られ、これは、86.0%の収率に相当する。さらに3.8%の生成物がエチレングリコール相中に得られる。
[実施例II.4〜II.7]
様々な触媒を使用する、15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
調製例II.4〜II.7は、実施例II.2及びII.3と同様に実施し、さらに異なる金属塩を触媒生成に使用した。
様々な触媒を使用する、15-ヒドロキシペンタデカン酸メチルエステルの15-ペンタデカノリドへの環化
調製例II.4〜II.7は、実施例II.2及びII.3と同様に実施し、さらに異なる金属塩を触媒生成に使用した。
実施例II.1〜II.7において使用される、供給材料及び反応条件は、以下の表1にまとめられている:
調製例II.1〜II.7において使用した触媒、及び達成した15-ペンタデカノリドの収率が以下の表2に示されている。
III) (オメガ-1)-及びオメガ-ヒドロキシ脂肪酸の調製、及びそれらの環化
[実施例III.1a]
発酵により得られたソホロ脂質に由来する(オメガ-1)-及びオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルの単離及び調製
各場合において、室温で400mlの酢酸エステルを使用して、160.8gの水性ソホロ脂質溶液を3回、抽出する。合わせた酢酸エステル相を濃縮すると、68.6gの残留物が得られる。この残留物をメタノール250gに溶解し、6.9gの濃硫酸を室温で加える。次に、この回分を10時間、加熱して還流する。この反応溶液を冷却し、13.8gの炭酸カリウムを加え、その後、混合物を室温で30分間、撹拌する。この懸濁液をろ過して、ろ液を溶媒蒸発により濃縮する。最終重量は、81.6gである。生成物を400mlの酢酸エチル及び400mlの水に溶解し、抽出する。相分離後、水相を400mlの酢酸エステルにより再度、抽出する。酢酸エチル相を合わせて、溶媒蒸発により濃縮し、室温まで冷却した後、固体が得られる。最終重量は、31.7gである。質量収率は19.7%であり、ヒドロキシオレイン酸メチルエステルの含有率は、約75.7重量%である。(オメガ-1)-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルとオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルとの比は、6.4:1である。
[実施例III.1a]
発酵により得られたソホロ脂質に由来する(オメガ-1)-及びオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルの単離及び調製
各場合において、室温で400mlの酢酸エステルを使用して、160.8gの水性ソホロ脂質溶液を3回、抽出する。合わせた酢酸エステル相を濃縮すると、68.6gの残留物が得られる。この残留物をメタノール250gに溶解し、6.9gの濃硫酸を室温で加える。次に、この回分を10時間、加熱して還流する。この反応溶液を冷却し、13.8gの炭酸カリウムを加え、その後、混合物を室温で30分間、撹拌する。この懸濁液をろ過して、ろ液を溶媒蒸発により濃縮する。最終重量は、81.6gである。生成物を400mlの酢酸エチル及び400mlの水に溶解し、抽出する。相分離後、水相を400mlの酢酸エステルにより再度、抽出する。酢酸エチル相を合わせて、溶媒蒸発により濃縮し、室温まで冷却した後、固体が得られる。最終重量は、31.7gである。質量収率は19.7%であり、ヒドロキシオレイン酸メチルエステルの含有率は、約75.7重量%である。(オメガ-1)-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルとオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルとの比は、6.4:1である。
[実施例III.1b]
(オメガ-1)-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルとオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルの混合物の(10Z)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンと(10Z)-1-オキサシクロノナデカ-10-エン-2-オンへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で、2.84gのチタン(IV)イソプロポキシド(M=284.22g/mol、0.01mol)を加える。次に、この混合物を140〜145℃まで加熱し、生成したイソプロパノールを約3時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングし、この溶液を室温まで冷却する。5分間未満の期間をかけて、前の工程(実施例III.1.b)において単離した(オメガ-1)-ヒドロキシオレイン酸メチルエステル及びオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステル(オメガ-1:オメガ=6.4:1)からなる混合物の31.3g(約75.7重量%、0.08mol)を触媒に加える。この場合、この添加は、5分未満で行う。次に、この混合物を5mbarまで排気し、250℃まで加熱する。250℃において、エチレングリコール(約25〜30ml/時)の計量添加を開始し、こうして、生成物を反応混合物からストリッピングする。約10時間後、反応は完了し、相分離後、7.3:1の異性体比を有する、(10Z)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10Z)-1-オキサシクロノナデカ-10-エン-2-オンからなる混合物18.0g及び91%の含有率が、ガスクロマトグラムにおける生成物のピーク(両方の異性体)の面積割合(GC面積%)により算出する。これは、85%(t.q.)の収率又は77%のGC面積%に相当する。
(オメガ-1)-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルとオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステルの混合物の(10Z)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンと(10Z)-1-オキサシクロノナデカ-10-エン-2-オンへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で、2.84gのチタン(IV)イソプロポキシド(M=284.22g/mol、0.01mol)を加える。次に、この混合物を140〜145℃まで加熱し、生成したイソプロパノールを約3時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングし、この溶液を室温まで冷却する。5分間未満の期間をかけて、前の工程(実施例III.1.b)において単離した(オメガ-1)-ヒドロキシオレイン酸メチルエステル及びオメガ-ヒドロキシオレイン酸メチルエステル(オメガ-1:オメガ=6.4:1)からなる混合物の31.3g(約75.7重量%、0.08mol)を触媒に加える。この場合、この添加は、5分未満で行う。次に、この混合物を5mbarまで排気し、250℃まで加熱する。250℃において、エチレングリコール(約25〜30ml/時)の計量添加を開始し、こうして、生成物を反応混合物からストリッピングする。約10時間後、反応は完了し、相分離後、7.3:1の異性体比を有する、(10Z)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10Z)-1-オキサシクロノナデカ-10-エン-2-オンからなる混合物18.0g及び91%の含有率が、ガスクロマトグラムにおける生成物のピーク(両方の異性体)の面積割合(GC面積%)により算出する。これは、85%(t.q.)の収率又は77%のGC面積%に相当する。
[実施例III.2a]
発酵により得られたソホロ脂質に由来する(オメガ-1)-及びオメガ-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの単離及び調製
実施例III.2aから得られた985.0gの水性ソホロ脂質溶液を、各場合において、70℃で1000mlのヘプタンにより3回、及び各場合において、室温で1000mlの酢酸を用いて、3回、抽出する。合わせた酢酸エステル相を溶媒蒸発により濃縮すると、573.9gの残留物Iが得られる。この残留物Iをメタノール2870gに溶解し、59.2gの濃硫酸を室温で加える。次に、この混合物を10時間、加熱して還流する。この反応溶液を冷却し、108.4gの炭酸カリウム(硫酸に対して1.3当量)を加え、その後、この混合物を室温で30分間、撹拌する。この懸濁液をろ過して、ろ液を溶媒蒸発により濃縮する。残留物IIの最終重量は630.7gである。これを2600mlの酢酸エチル及び1300mlの水に溶解し、抽出する。相分離後、水相を2600mlの酢酸エステルにより再度、抽出する。酢酸エチル相を合わせて、溶媒蒸発により濃縮し、室温まで冷却した後、固体が得られる。最終重量は、308gである。固体のヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの含有率は約45重量%であり、それは31.3%のヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの質量収率に相当する。粗生成物である(オメガ-1)-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルとオメガ-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルとの比は、1.1:1である。
発酵により得られたソホロ脂質に由来する(オメガ-1)-及びオメガ-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの単離及び調製
実施例III.2aから得られた985.0gの水性ソホロ脂質溶液を、各場合において、70℃で1000mlのヘプタンにより3回、及び各場合において、室温で1000mlの酢酸を用いて、3回、抽出する。合わせた酢酸エステル相を溶媒蒸発により濃縮すると、573.9gの残留物Iが得られる。この残留物Iをメタノール2870gに溶解し、59.2gの濃硫酸を室温で加える。次に、この混合物を10時間、加熱して還流する。この反応溶液を冷却し、108.4gの炭酸カリウム(硫酸に対して1.3当量)を加え、その後、この混合物を室温で30分間、撹拌する。この懸濁液をろ過して、ろ液を溶媒蒸発により濃縮する。残留物IIの最終重量は630.7gである。これを2600mlの酢酸エチル及び1300mlの水に溶解し、抽出する。相分離後、水相を2600mlの酢酸エステルにより再度、抽出する。酢酸エチル相を合わせて、溶媒蒸発により濃縮し、室温まで冷却した後、固体が得られる。最終重量は、308gである。固体のヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの含有率は約45重量%であり、それは31.3%のヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの質量収率に相当する。粗生成物である(オメガ-1)-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルとオメガ-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルとの比は、1.1:1である。
粗製ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの混合物を、180℃及び3mbarで、分別蒸留する。これにより、蒸留取り出し物(distillation discharge)として約81重量%の粗生成物が得られる。この平均純度は、約67GC重量%又は78GC面積%(両方の異性体の合計)であり、これは、55%のヒドロキシパルミチン酸メチルエステルの質量収率に相当する。蒸留後の(オメガ-1)-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルとオメガ-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステルとの平均異性体比は、1.2:1である。
[実施例III.2b]
オメガ-ヒドロキシヘキサデカン酸メチルエステル及びオメガ-1-ヒドロキシヘキサデカン酸メチルエステルの混合物のオキサシクロヘプタデカン-2-オン及び16-メチルオキサシクロヘキサデカン-2-オンへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で、2.84gのチタン(IV)イソプロポキシド(M=284.22g/mol、0.01mol、0.1当量)を加える。次に、この混合物を140〜145℃まで加熱し、生成したイソプロパノールを約2時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングし、この溶液を室温まで冷却する。触媒に、室温で前の工程(実施例III.2.b)において単離した、(オメガ-1)-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステル及びオメガ-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステル(オメガ-1:オメガ=1.2:1)からなる混合物の溶融物(70℃)40g(約71重量%、0.1mol)を5分未満かけて加える。次に、この混合物を5mbarまで排気し、約20分間にわたり、250℃まで加熱する。250℃に到達するとすぐに、エチレングリコールの計量添加を開始する(約30g/時)。約6時間後、この反応は完了し、相分離後、91.1GC面積%の純度を有する、16-メチルオキサシクロヘキサデカン-2-オン及びオキサシクロヘプタデカン-2-オンからなる混合物が約27.7g得られる。これは、ガスクロマトグラム(GC面積%)の生成物ピーク(両方の異性体)の面積割合により算出された、69%(t.q.)又は89.7%の収率に相当する。この異性体比は1.1:1である。
オメガ-ヒドロキシヘキサデカン酸メチルエステル及びオメガ-1-ヒドロキシヘキサデカン酸メチルエステルの混合物のオキサシクロヘプタデカン-2-オン及び16-メチルオキサシクロヘキサデカン-2-オンへの環化
80gのPluriol(登録商標)E600Sに、室温で、2.84gのチタン(IV)イソプロポキシド(M=284.22g/mol、0.01mol、0.1当量)を加える。次に、この混合物を140〜145℃まで加熱し、生成したイソプロパノールを約2時間で、窒素を用いて溶液からストリッピングし、この溶液を室温まで冷却する。触媒に、室温で前の工程(実施例III.2.b)において単離した、(オメガ-1)-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステル及びオメガ-ヒドロキシパルミチン酸メチルエステル(オメガ-1:オメガ=1.2:1)からなる混合物の溶融物(70℃)40g(約71重量%、0.1mol)を5分未満かけて加える。次に、この混合物を5mbarまで排気し、約20分間にわたり、250℃まで加熱する。250℃に到達するとすぐに、エチレングリコールの計量添加を開始する(約30g/時)。約6時間後、この反応は完了し、相分離後、91.1GC面積%の純度を有する、16-メチルオキサシクロヘキサデカン-2-オン及びオキサシクロヘプタデカン-2-オンからなる混合物が約27.7g得られる。これは、ガスクロマトグラム(GC面積%)の生成物ピーク(両方の異性体)の面積割合により算出された、69%(t.q.)又は89.7%の収率に相当する。この異性体比は1.1:1である。
生成物をさらなる反応取り出し物(reaction discharge)と一緒にして、180〜215℃の浴温度及び0.25mbar(Ti=125〜160℃、転移温度:99〜115℃)において分別蒸留する。蒸留収率は90%であり、16-メチルオキサシクロヘキサデカン-2-オンとオキサシクロヘプタデカン-2-オンとの異性体比は、約1.2:1である。生成物は透明な、無色液体であり、94.5GC面積%の純度を有する。
Claims (30)
- 一般式(I.a)又は(I.b)
X1は、非分岐状若しくは分岐状C4〜C30-アルキレン基、又は1つ、2つ又は3つの二重結合を含む非分岐状若しくは分岐状C4〜C30-アルケニレン基であり、
X2は、非分岐状若しくは分岐状C1〜C30-アルキレン基、又は1つ、2つ又は3つの二重結合を含む非分岐状若しくは分岐状C2〜C30-アルケニレン基であり、
Yは、非分岐状又は分岐状C2〜C10-アルキレン基であり、
R1は、水素、又は非分岐状若しくは分岐状C1〜C10-アルキル基である)
の大環状化合物を調製する方法であって、
a) 一般式(II.a)又は(II.b)
X1、X2及びR1は、上で与えられている意味を有しており、
R2は、水素、又は非分岐状若しくは分岐状C1〜C30-アルキル基である)
のうちの少なくとも1種の化合物を用意し、
b.1) 少なくとも1種の化合物(II.a)を、金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の触媒の存在下、及びまた少なくとも200g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)の存在下で、反応させて、一般式(I.a)の少なくとも1種の大環状化合物を含む反応混合物を得るか、
又は
b.2) 少なくとも1種の化合物(II.b)を、金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の触媒の存在下、及びまた少なくとも200g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)、及びさらに少なくとも1種のジオールHO-Y-OH(Yは、上の意味を有する)の存在下で、反応させて、一般式(I.b)の、少なくとも1種の大環状化合物を含む反応混合物を得て、
一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物が豊富な生成物流を、工程b.1)又はb.2)において得られた反応混合物から蒸留によって取り出し、ポリエーテル化合物(PE)及び触媒が豊富な底部生成物を得る、上記方法。 - 工程b.1)又はb.2)において使用される少なくとも1種の触媒が、5mbarで250℃を超える沸点を有する、請求項1に記載の方法。
- 化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流を蒸留によって取り出すため、ポリエーテル化合物(PE)とは異なる少なくとも1種の溶媒(S)が共留剤として、工程b.1)又はb.2)において得られる反応混合物に添加され、かつ/又は不活性ガス流が反応混合物に供給される、請求項1又は2に記載の方法。
- 化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しが、工程b.1)又はb.2)における反応後に行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 一般式(I.a)及び(I.b)の化合物において、基X1が、11〜21個の環炭素原子を有しており、基X2及びYが一緒になって、9〜19個の環炭素原子を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 一般式(I.a)、(I.b)、(II.a)及び(II.b)の化合物において、
R1が、水素又はメチルであり、
X1が、非分岐状C12〜C16-アルキレン基、又は1つの二重結合を含む非分岐状C12〜C16-アルケニレン基であり、
X2が、非分岐状C9〜C13-アルキレン基、又は1つの二重結合を含む非分岐状C9〜C13-アルケニレン基であり、
Yが、非分岐状C2〜C4-アルキレン基であり、
R2が、水素又は非分岐状C1〜C4-アルキル基であり、
基X2及びYが一緒になって、11〜15個の直接架橋する炭素原子を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 - 蒸留により取り出された、化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流が、溶媒(S)の少なくとも一部、及び場合によりさらにポリエーテル化合物(PE)の一部を含み、該生成物流に分離が施され、溶媒(S)及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が豊富な画分、及び主に一般式(I.a)又は(I.b)の大環状化合物を含む生成物画分をもたらす、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 生成物画分に、さらなる精製、好ましくは蒸留が施される、請求項7に記載の方法。
- 溶媒(S)、及び場合によりポリエーテル化合物(PE)が豊富な画分が、工程b.1)又はb.2)における反応に再度戻される、請求項7又は8に記載の方法。
- 工程b.1)又はb.2)、及び化合物(I.a)又は(I.b)が豊富な生成物流の蒸留による取り出しが、連続的に行われる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)が、一般式(III)
R3-O-[Z-O]n-R3
(III)
(式中、
Zは、エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、2,3-ブチレン及び1,4-ブチレンから互いに独立して選択され、
nは、3〜250の整数であり、
一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3はC1〜C30-アルキルであるか、
又は、一方の基R3は水素であり、もう一方の基R3は-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)であるか、
又は基R3の両方が水素であるか、
又は基R3の両方が、-(C=O)-(C1〜C30-アルキル)である)
の化合物から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。 - 一方の基R3が水素であり、基R3のもう一方がC1〜C10-アルキルである、又は一方の基R3が水素であり、基R3のもう一方が-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)である、又は基R3の両方が水素である、又は基R3の両方が-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)である、請求項11に記載の方法。
- 一方の基R3が水素であり、基R3のもう一方が、水素、又はC1〜C10-アルキル若しくは-(C=O)-(C1〜C10-アルキル)である、請求項11に記載の方法。
- 工程b.1)又はb.2)において使用される少なくとも1種の金属アルコキシド触媒が、金属酸化物、アルキル金属酸化物、金属塩又は一般式M[O(C1〜C4-アルキル)]m(mは、1、2、3又は4の値を有する)の金属アルコキシドから選択される少なくとも1種の金属化合物を、請求項1又は5において定義されている少なくとも1種のポリエーテル化合物(PE)と反応させることにより調製され、少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製が、インサイチュ又は工程b.1)若しくはb.2)の前に行われる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製が、インサイチュで行われる、請求項14に記載の方法。
- 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製が、工程b.1)又はb.2)の前に行われる、請求項14に記載の方法。
- 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製中に場合により形成する低沸点成分が、蒸留によって除去される、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製中に場合により形成する、低沸点成分を蒸留により除去するために、不活性ガス流が使用される、請求項17に記載の方法。
- 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製に使用される、金属酸化物、アルキル金属酸化物、金属塩又は金属アルコキシドM[O(C1〜C4-アルキル)]mの金属が、元素周期表のアルカリ金属、アルカリ土類金属、第4族、第7族、第8族、第9族及び第12族の遷移金属、並びに第13族、第14族及び第15族の金属並びに/又は半金属から選択される、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1種の金属アルコキシド触媒の調製が、供給材料(I.a)、(I.b)及びジオールHO-Y-OHの非存在下で行われる、請求項1から14、及び16から19のいずれか一項に記載の方法。
- 工程c)における、ポリエーテル化合物(PE)及び触媒が豊富な底部生成物が、工程b.1)又はb.2)のさらなる反応に再利用される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1種の溶媒(S)が、C2〜C15-アルカノール、グリセロール、ペンタエリスリトール、C2〜C4-アルキレングリコール並びにそれらのモノ及びジ-(C1〜C4-アルキル)エーテル、化合物PEとは異なるポリアルキレングリコール並びにそのモノ及びジアルキルエーテル、芳香族炭化水素、並びにそれらの混合物から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
- 化合物(II.a)又は(II.b)の用意が、以下の工程
a.1) C6〜C22-カルボン酸の用意、
a.2) 工程a.1)において用意されたC6〜C22-カルボン酸の、オメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化又はオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への変換、
a.3) 場合により、工程a.2)において得られたオメガ-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸の、対応するオメガ-カルボキシル化C6〜C22-カルボン酸への酸化、
a.4) 場合により、工程a.2)に由来するオメガ-及び/若しくは(オメガ-1)-ヒドロキシル化C6〜C22-カルボン酸、又は工程a.2)若しくはa.3)に由来するカルボキシル化C6〜C22-カルボン酸の、非分岐状若しくは分岐状C1〜C6-アルカノールによるエステル化
を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。 - 工程a.2)におけるヒドロキシル化又はカルボキシル化が発酵によって行われる、請求項23に記載の方法。
- (10Z,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10Z,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン、(10E,18S)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オン及び(10E,18R)-18-メチル-1-オキサシクロオクタデカ-10-エン-2-オンから選択される、化合物(1.a)。
- フレグランス及び/又は着香料としての、請求項25に記載の少なくとも1種の化合物の使用。
- 少なくとも1種の化合物が、担体材料をさらに含む組成物の構成成分である、請求項26に記載の使用。
- 少なくとも1種の化合物が、担体材料をさらに含む組成物の構成成分であり、組成物が、洗剤及び清浄剤、化粧用製剤、フレグランス含有衛生物品、食品、栄養補助食品、香りディスペンサー、香水、医薬製剤及び作物保護剤から選択される、請求項26に記載の使用。
- 請求項25に記載の化合物のうちの少なくとも1種及び担体材料を含む、香り組成物及び/又はフレグランス物質。
- 組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は組成物の香気若しくは味覚を変更する方法であって、請求項25に記載の化合物のうちの少なくとも1種を、該組成物に香気若しくは味覚を付与する、又は該組成物の香気若しくは味覚を変更する量で組成物に添加する、上記方法。
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