JP2018515606A - 1,4−ジアミノブタンの精製方法 - Google Patents

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Abstract

1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第1組成物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物を分離する段階と、第2組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階と、を含む1,4−ジアミノブタンの精製方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、1,4−ジアミノブタンの精製方法に関する。
1,4−ジアミノブタン(通称:プトレシン(putrescine))は、化学的方法または生物学的方法で生産することができる。該化学的方法は、シアン化水素のような有毒性物質を使用するか、あるいは高価な反応触媒を使用しなければならない。該生物学的方法は、1,4−ジアミノブタンを生産する微生物を培養した後、発酵液から1,4−ジアミノブタンを精製して生産することができる。従って、該生物学的方法が、該化学的方法に比べ、環境に優しく高価な触媒も使用しない。
ただし、従来の1,4−ジアミノブタンを生産する生物学的方法において、該発酵液が1,4−ジアミノブタンの硫酸塩を含むので、該硫酸塩を精製するために、アルカリ化合物が投入され、多量の副産物が発生し、当該副産物のさらなる精製も要求される。
従って、精製時、アルカリ化合物の添加もなく、副産物発生も減少させることができる、さらに簡単であって経済的な方法が要求される。
本発明は、新たな1,4−ジアミノブタンの精製方法を提供するものである。
一側面によって、
1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第1組成物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物を分離する段階と、
前記第2組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階と、を含む1,4−ジアミノブタンの精製方法が提供される。
他の一側面によって、
1,4−ジアミノブタン生産能を有する微生物を、培地において窒素供給源を提供しながら培養し、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を生産する段階と、
前記培地から、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液またはその濃縮物を準備する段階と、
前記発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階と、
前記第3組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階と、を含む1,4−ジアミノブタンの精製方法が提供される。
本発明で提供される精製工程によれば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む組成物から簡単に、1,4−ジアミノブタンを高い収率で得ることができる。また、精製時に要求されるアルカリ化合物の消費も減少させると共に、追加コストを発生させた副産物の量が急減するために、それに要した精製コストも共に節約することができる。
概括的な1,4−ジアミノブタン精製方法のフローチャートである。 発酵段階から脱炭酸段階まで含む1,4−ジアミノブタン精製方法のフローチャートである。
以下、例示的な一具現例による1,4−ジアミノブタンの精製方法について、さらに詳細に説明する。
一具現例による1,4−ジアミノブタンの精製方法は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類(carbonate salts of 1, 4-diaminobutane)を含む第1組成物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物を分離する段階と、前記第2組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階と、を含む。
前記精製方法は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む組成物から、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を分離し、前記分離された1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去することにより、簡単に1,4−ジアミノブタンを精製することができる。
前記精製方法は、蒸溜前に、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む組成物に塩基性物質を添加し、組成物をアルカリ化させた後で蒸溜する従来の精製方法と異なり、別途の塩基性物質を添加しないので、精製工程が簡単になり、副産物も減少させることができる。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類は、1,4−ジアミノブタンが炭酸と結合して形成することができる全ての形態の塩を含む意味である。具体的には、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩(PUT2+CO 2−;PUT=1,4−ジアミノブタン(プトレシン(putrescine))及び1,4−ジアミノブタン重炭酸塩(PUT2+(HCO (1, 4-diaminobitane bicarbonate ))のうちから選択された1以上でもある。
前記精製方法において、第1組成物は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む組成物であるならば、いずれも含まれるが、具体的には、微生物を培養して得られた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液またはその濃縮物でもある。
前記精製方法において、該発酵液は、発酵過程からも生成される。前記発酵液は、微生物を利用して培養した発酵液であり、例えば、変異された微生物を利用して培養した発酵液でもある。
例えば、該発酵液は、コリネバクテリウム属微生物を利用する場合、CMA(cornmeal malt extract agar medium)固体培地で成長させ、種菌培地に接種して培養後、本培養培地に再接種して培養することによって準備される1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液でもある。
前記発酵液の準備に使用される微生物の種類、発酵条件などは、以下の培養段階を含む精製方法部分において、さらに具体的に説明する。
前記精製方法において、該発酵液の濃縮物は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液を濃縮させることによっても準備される。
該発酵液を濃縮する間、発酵液に含まれた溶媒の少なくとも一部が除去される。該溶媒の少なくとも一部が除去されることにより、発酵液に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類の濃度が上昇する。除去される溶媒は、例えば、水である。1,4−ジアミノブタン炭酸塩類が含まれた発酵液を濃縮する段階において、濃縮されていない発酵液に含まれた最初溶媒の50%以上、具体的には、60%以上、さらに具体的には、70%以上、一層具体的には、80%以上が除去される。
該発酵液の濃縮時、発酵液に菌体が含まれる場合、菌体の破壊を防止するために、低温環境及び減圧環境で濃縮が行われる。
該発酵液の濃縮は、100℃以下の蒸気温度で行われる。すなわち、該発酵液から気化される蒸気の温度が100℃以下である条件で濃縮が行われる。例えば、該発酵液を濃縮する段階は、10℃ないし100℃の蒸気温度、具体的には、30℃ないし80℃の蒸気温度、さらに具体的には、45℃ないし67℃の蒸気温度で行われる。前記条件において、溶媒がさらに容易に除去される。
また、該発酵液を濃縮する段階は、760mmHg以下の低下した圧力でも行われる。すなわち、該発酵液と平衡である蒸気の圧力が、760mmHg以下である条件で濃縮が行われる。例えば、該発酵液を濃縮する段階は、10ないし760mmHgの圧力、具体的には、40ないし500mmHgの圧力、さらに具体的には、70ないし200mmHgの圧力でも行われる。前記条件において、該溶媒がさらに容易に除去される。
例えば、該発酵液の濃縮物は、10℃ないし100℃の蒸気温度、及び10mmHgないし760mmHgの圧力で濃縮を行っても準備される。
前記精製方法において、該発酵液の濃縮物のpHが10.0以上でもある。該発酵液の濃縮物のpHが10以上であるので、前記発酵液に含まれた1,4−ジアミノブタンの塩が、例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類でもある。
前記精製方法において、蒸溜によって第1組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類の70重量%以上が、分離されたり除去されたりする。例えば、前記蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類の75重量%以上、望ましくは、80重量%以上、さらに望ましくは、85重量%以上、一層望ましくは、90重量%以上が分離される。また、該蒸溜によって、第1組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から二酸化炭素の少なくとも一部が分離される。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタンを含む第1組成物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物を分離することができる温度は、30℃ないし158℃の蒸気温度、具体的には、40℃ないし120℃の蒸気温度で行われる。前記蒸気温度条件において、1,4−ジアミノブタンを含む第2組成物が高収率で分離される。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタンを含む第1組成物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を分離する圧力範囲は、10mmHgないし760mmHgの圧力、具体的には、70mmHgないし200mmHgの圧力でも行われる。前記圧力条件において、1,4−ジアミノブタンを含む第2組成物が高収率で分離される。
前記温度及び圧力範囲で分離される1,4−ジアミノブタンを含む第2組成物は、凝縮によって液状で得られるか、あるいは凝縮なしに気化された状態で、後続段階に使用される。
前記精製方法において、蒸溜によって分離される1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類と溶媒とを含んでもよい。例えば、第2組成物は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類及び溶媒のみを含み、イオン、アミノ酸、有機酸、タンパク質、菌体のような他の成分を含まない。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物のpHが10.0以上でもある。第1組成物から、蒸溜によって得られる1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物のpHが10以上であるので、前記第2組成物のpHを上昇させるためのアルカリ化合物のようなさらなる添加剤が不要である。
蒸溜によって分離された1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物は、1,4−ジアミノブタン重炭酸塩及び/または1,4−ジアミノブタン炭酸塩を含んでもよい。例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物は、1,4−ジアミノブタン重炭酸塩を主成分として含むか、あるいは1,4−ジアミノブタン炭酸塩を主成分として含んでもよい。例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物は、溶媒以外に、1,4−ジアミノブタン重炭酸塩のみを含むか、あるいは1,4−ジアミノブタン炭酸塩のみを含んでもよい。本明細書において「主成分」は、組成物に含まれた溶媒以外の成分のうち最も含量が高い成分を意味する。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物は、ガス状、液状、またはそれらの混合状態でもある。すなわち、精製方法において要求される条件によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物の状態が異なる。
例えば、分離する段階で蒸溜によって得られる1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物の蒸気及び/または凝縮液を回収することができる。蒸溜によって、第2組成物を分離する段階は、二重ジャケット反応器で行うことができる。
前記第2組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階が分溜によっても行われる。
1,4−ジアミノブタンを含む第2組成物において、該分溜によって、1,4−ジアミノブタンを回収する段階によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から二酸化炭素が分離され、1,4−ジアミノブタンが回収される。
例えば、第1組成物から、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物を蒸溜によって分離し、凝縮して貯蔵した後、前記分離された組成物が1,4−ジアミノブタンを回収する段階に使用される。
前記貯蔵は、例えば、反応器の上端と蒸溜塔との間に配置される貯蔵槽によっても行われるが、必ずしもそのような構成に限定されるものではなく、当該技術分野で使用される全ての貯蔵方法が可能である。
代案としては、前記精製方法において、蒸溜によって1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物を分離する段階と、分溜によって1,4−ジアミノブタンを回収する段階は、連続的にも遂行される。すなわち、前記1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物が、第1組成物から蒸溜によって分離されると共に、さらに分溜によって、1,4−ジアミノブタンと炭酸とに分離され、1,4−ジアミノブタンが回収される。前記分溜によって得られる1,4−ジアミノブタンは、最終結果物である。
前記精製方法において、該分溜は、100℃ないし230℃の蒸気温度及び常圧以上、すなわち、1気圧ないし5気圧において、具体的には、該分溜は、100℃ないし158℃の蒸気温度及び常圧で作動することができる。前記範囲の温度及び圧力において、1,4−ジアミノブタンが高収率で得られる。
前記精製方法において、該分溜によって、1,4−ジアミノブタンを回収する段階は、蒸溜塔でも行われる。例えば、第1組成物を反応器で気化させた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を主成分として含む第2組成物が準備された後、前記第2組成物が蒸溜塔に投入され、1,4−ジアミノブタンが選択的に回収される。
例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類が1,4−ジアミノブタンと二酸化炭素とに分離され、1,4−ジアミノブタンが選択的に回収される。
例えば、前記1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む組成物は、蒸溜塔の中間位置に投入されてもよいが、該投入位置は、具体的な反応条件及び蒸溜塔の条件によっても変更される。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタンは、蒸溜塔の下部で回収され、前記蒸溜塔の上部においては、例えば、水とイオンとが回収される。
他の一具現例による1,4−ジアミノブタンの精製方法は、1,4−ジアミノブタン生産能を有する微生物を、培地において窒素供給源を提供しながら培養し、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を生産する段階と、前記培地から、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液またはその濃縮物を準備する段階と、前記発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階と、前記第3組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階と、を含む。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類は、1,4−ジアミノブタン生産能を有する微生物を、培地において窒素供給源を提供しながら培養しても生産される。すなわち、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類は、微生物の培養段階でも生産される。
例えば、1,4−ジアミノブタン生産能を有する微生物を一次的に培養した種菌培養物を得た後、本培養(main culturing step)において、種菌培養物を培地に接種し、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類が生産されることができる。
さらに具体的には、該培養段階において、コリネバクテリウム属微生物を利用する場合、CMA(cornmeal malt extract agar medium)固体培地で成長させ、種菌培地に接種して培養した後、本培養培地に再接種して培養することにより、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を生産することができる。
かような培養段階で利用される微生物は、1,4−ジアミノブタンを生産することができる微生物ならば、いずれも可能であり、エシェリキア属(Escherichia sp.)、シゲラ属(Shigella sp.)、シトロバクター属(Citrobacter sp.)、サルモネラ属(Salmonella sp.)、エンテロバクター属(Enterobacter sp.)エルシニア属(Yersinia sp.)、クレブシエラ属(Klebsiella sp.)、エルウィニア属(Erwinia sp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium sp.)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)、セレノモナス属(Selenomanas sp.)、ビブリオ属(Vibrio sp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)、アルカノバクテリウム属(Arcanobacterium sp.)、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)などに属する微生物でもある。具体的には、コリネバクテリウム属に属する微生物、またはエシェリキア属に属する微生物であり、さらに具体的には、コリネバクテリウム・グルタミクムまたは大腸菌、例えば、変異されたコリネバクテリウム属微生物、または変異された大腸菌でもある。具体的な例として、1,4−ジアミノブタンを生産することができる微生物は、グルタメートからオルニチンまでの生合成経路が内在的活性に比べて強化されるようにも変異され、オルニチンからアルギニンへの合成に関与するオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ArgF:ornithine carbamoyltransferase)、グルタメートの排出に関与するタンパク質、及び/またはプトレシンを分解させるタンパク質(アセチル化に関与するタンパク質)の活性を内在的活性に比べて弱化させるように変異され、かる/あるいはオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC:ornithine decarboxylase)の活性を導入したり、内在的活性に比べて強化させるように変異されたものでもある。さらに具体的には、コリネバクテリウムKCCM11401P菌株(韓国公開出願第2014−0115244号)、またはコリネバクテリウムXQ37/pKKSpeC菌株(韓国公開出願第2009−0107920号)を利用することができるが、それらに制限されるものではない。
前記微生物を利用して培養する方法は、公知された回分式培養方法、連続式培養方法、流加式培養方法などを利用することができるが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野で使用可能な方法であるならば、いずれも可能である。
該培養条件としては、酸素または酸素含有ガス混合物を培養物に導入し、培養温度は、20ないし45℃、例えば、25ないし40℃において、約10ないし160時間培養することができる。
同時に、本培養に使用される培養用培地は、炭素供給源としては、糖及び炭水化物(例:グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、糖蜜(molasses)、澱粉及びセルロース)、油脂及び脂肪(例:大豆油、ひまわり種油、落花生油及びココナッツ油)、脂肪酸(例:パルミチン酸、ステアリン酸及びリノール酸)、アルコール(例:グリセロール及びエタノール)並びに有機酸(例:酢酸)などを含むが、それらに制限されるものではなく、前記供給源は、個別的に使用したり混合して使用したりすることができる。リン供給源として、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、それらに相応するナトリウム含有塩などを含むが、それらに制限されるものではなく、個別的に使用したり混合して使用したりすることができる。その他、金属塩(例:硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄)、アミノ酸及びビタミンのような必須成長促進物質を含んでもよい。
本培養に使用されるpH調節及び/または窒素供給源として、アンモニア、有機化合物のアムモニウム塩、窒素含有有機化合物、炭酸系無機化合物のうちから選択された1以上でもあるが、必ずしもそれらに限定されるものではない。
具体的には、アンモニア(ammonia)、酢酸アンモニウム(ammonium acetate)、乳酸アンモニウム(ammonium lactate)、尿素(urea)、炭酸水素アンモニウム(ammonium bicarbonate)及び炭酸アンモニウム(ammonium carbonate)のうちから選択された1以上でもある。該アンモニアは、アンモニアガスでもありアンモニア水でもある。例えば、前記無機化合物のうちにおいては、炭酸系無機化合物だけが前記窒素供給源として使用される。
かようなpH調節及び/または窒素供給源は、培養液内に炭酸塩を生成し、硫酸塩などの生成を防止するので、精製過程において、炭酸塩から炭酸が分離されてガスとして除去されるので、さらなる副産物の生成が防止され、全体的な精製工程が簡単になり、精製コストも削減される。
一方、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの硫酸系窒素供給源、塩化物系窒素供給源、硝酸系窒素供給源は、炭酸系無機化合物ではないので、前記発酵液の窒素供給源に含まれない。例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの硫酸系窒素供給源、塩化物系窒素供給源、硝酸系窒素供給源は、副産物として生成されるので、それらを処理する工程が追加して要求され、工程が複雑になり、製造コストの引き上げを引き起こすことがあるからである。
次に、培地から、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液またはその濃縮物を準備する。
前記精製方法において、該発酵液は、培養する段階から得られた結果物をそのまま使用して準備することができる。
一方、前記精製方法において、該発酵液の濃縮物は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液を濃縮させることによって準備することができる。すなわち、該発酵液の濃縮物が、該発酵液を濃縮する段階によって準備される。
該発酵液を濃縮する段階において、該発酵液に含まれた溶媒の少なくとも一部が除去される。該溶媒の少なくとも一部が除去されることにより、該発酵液に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類の濃度が上昇する。除去される溶媒は、例えば、水である。中性発酵液を濃縮する段階において、濃縮されていない発酵液に含まれた最初溶媒の50%以上、具体的には、60%以上、さらに具体的には、70%以上、一層具体的には、80%以上が除去される。
該発酵液を濃縮する段階において、該発酵液に菌体が含まれる場合、該菌体の破壊を防止するために、低温環境及び減圧環境でも濃縮が行われる。
該発酵液を濃縮する段階は、100℃以下の蒸気温度でも行われる。すなわち、該発酵液から気化される蒸気の温度が100℃以下である条件でも濃縮が行われる。例えば、該発酵液を濃縮する段階は、10℃ないし100℃の蒸気温度、具体的には、30℃ないし80℃の蒸気温度、さらに具体的には、45℃ないし67℃の蒸気温度でも行われる。前記条件において、該溶媒がさらに容易に除去される。
また、該発酵液を濃縮する段階は、760mmHg以下の低下した圧力でも行われる。すなわち、該発酵液と平衡である蒸気の圧力が、760mmHg以下である条件においても濃縮が行われる。例えば、該発酵液を濃縮する段階は、10ないし760mmHgの圧力、具体的には、40ないし500mmHgの圧力、さらに具体的には、70ないし200mmHgの圧力でも行われる。前記条件において、該溶媒がさらに容易に除去される。
例えば、該発酵液を濃縮する段階が、10℃ないし100℃の蒸気温度、及び10mmHgないし760mmHgの圧力でも行われる。
前記精製方法において、該発酵液の濃縮物のpHが10.0以上でもある。該発酵液の濃縮物のpHが10以上であるので、前記発酵液に含まれた1,4−ジアミノブタンの塩が、例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類でもある。
例えば、菌体が除去されるか、あるいは除去されていない発酵液から水を除去し、該発酵液を濃縮させることができる。該濃縮段階は、省略されてもよい。
前記水の除去に使用される方法は、減圧濃縮法及び/または蒸発濃縮法などである。そこに使用される濃縮器の種類は、特別にそれらに制限されるものではなく、遠心濃縮器、蒸発濃縮器、対流循環式濃縮器、低温減圧濃縮器、回転式減圧濃縮器、減圧蒸発濃縮器、薄膜濃縮器及び板型濃縮器からなる群から選択された1種の濃縮器を利用することができる。例えば、前記濃縮方法のうち、低温減圧濃縮法を利用して濃縮することができる。
前記精製方法において、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階前に、発酵液またはその濃縮物から菌体を除去する段階を追加して含んでもよい。該蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階前に、発酵液またはその濃縮物から菌体を除去すれば、精製過程で得られる1,4−ジアミノブタンの純度が上昇する。前記分離された菌体は、副産物として活用される。例えば、該分離された菌体は、乾燥後、動物用飼料などに使用される。
該発酵液から菌体を除去する段階は、省略されてもよい。
該発酵液から菌体を除去するために使用される方法は、特別に制限されるものではなく、遠心分離機、フィルタプレス、圧搾濾過器、珪藻土濾過器、回転式真空濾過器、メンブレンフィルタ(membrane filter)、及び凝集及び浮遊を行う方法などを利用することができる。例えば、菌体を除去するために使用される方法は、メンブレンフィルタ(membrane filter)を利用することができる。前記中性発酵液は、メンブレンフィルタを利用して、濾過液と菌体スラッジとに分離される。メンブレンの孔隙を通過することができない菌体及びその他不純物が、前記中性発酵液から除去され、微細孔隙を通過した液だけ濾過液として得られる。このとき、メンブレンの孔隙を通過することができず、濾過液として得られない残留物である菌体スラッジまたは菌体スラッジ液が分離除去される。前記メンブレンフィルタは、前記中性発酵液から菌体を分離除去することができるものであるならば、いずれも利用される。該メンブレンフィルタの運用条件も、当業者が中性発酵液から菌体を分離除去するために容易に条件を設定することができる。例えば、該中性発酵液を約50℃にあらかじめ加熱して行うことができる。それは、菌体分離除去の効率を高めるためのものであり、低温よりは、50℃ほどで濾過液が出る速度がさらに速くなり、濾過時間を短縮され、生産性も高くなるという効果を期待することができるからである。メンブレン間圧力(TMP:transmembrane pressure)は、約1.0ないし1.5気圧の条件でも行われる。該メンブレン間圧力(TMP)は、垂直方向に流れる液に対して、水平方向に加えられる圧力の大きさを示す値であり、該メンブレンフィルタ内の溶液が膜に加える圧力を示す。使用されるメンブレンの孔隙の大きさも、当業者が容易に選択することができる。例えば、該メンブレンの孔隙の大きさは、約0.01μmないし0.15μmでもある。
また、メンブレンフィルタの稼動後の初期、ゲル層(gel layer)形成時間を1時間ほど有することができる。該ゲル層形成は、濾過メンブレン表面に菌体の薄層を形成させ、濾過液流速(permeate flux)を、一定レベルで、長時間持続させるための過程である。該過程を経る場合、濾過液流速を一定に維持することができ、メンブレンフィルタの洗浄回数を減らすことができる。該ゲル層形成が終わった後には、本格的にメンブレンを介して濾過液を得ることができる。
前記発酵液またはその濃縮物を使用する精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類)は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩(PUT2+CO 2−;PUT=1,4−ジアミノブタン(プトレシン))及び1,4−ジアミノブタン重炭酸塩(PUT2+(HCO )のうちから選択された1以上でもある。
前記発酵液またはその濃縮物を使用する精製方法において、蒸溜によって発酵液またはその濃縮物に含まれた1,4−ジアミノブタン及びその塩の70重量%以上が分離されたり除去されたりする。例えば、前記蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類の75重量%以上、具体的には、80重量%以上、さらに具体的には、85重量%以上、一層具体的には、90重量%以上が分離される。また、該蒸溜によって、該発酵液またはその濃縮物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から二酸化炭素の少なくとも一部が分離される。
前記発酵液またはその濃縮物を使用する精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階は、30℃ないし158℃の蒸気温度、具体的には、40℃ないし120℃の蒸気温度でも行われる。前記蒸気温度条件において、1,4−ジアミノブタンを含む第3組成物が高収率で分離される。
前記発酵液またはその濃縮物を使用する精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階は、10mmHgないし760mmHgの圧力、具体的には、70mmHgないし200mmHgの圧力でも行われる。前記圧力条件において、1,4−ジアミノブタンを含む組成物が高収率で分離される。
前記温度及び圧力の範囲で分離される1,4−ジアミノブタンを含む第3組成物は、凝縮によって液状に得られるか、あるいは凝縮なしに気化された状態で、後続段階に使用される。
前記発酵液またはその濃縮物を使用する精製方法において、蒸溜によって分離される1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類と溶媒とを含んでもよい。例えば、該第3組成物は、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類及び溶媒のみを含み、イオン、アミノ酸、有機酸、タンパク質、菌体のような他の成分を含まない。
また、発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって、第3組成物を分離する段階において、アルカリ化合物のようなさらなる添加剤が要求されるものではなく、硫酸塩に由来する副産物も生成されない。従って、全体的な精製工程が簡単になり、副産物処理のためにコストが節減されるので、経済的に非常に有利である。
該蒸溜段階で残ったスラリーは、追加精製工程を経て、副産物として活用可能である。菌体分離していない発酵液の場合、蒸溜水を追加して投入してスラリーを完全に溶解し、菌体分離後、母液から副産物を回収することもできる。
前記発酵液またはその濃縮物を使用する精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物のpHが10.0以上でもある。発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって得られる1,4−ジアミノブタンを含む第3組成物のpHが10以上であるので、前記第3組成物のpHを上昇させるためのアルカリ化合物が不要である。
該蒸溜によって分離された1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物は、1,4−ジアミノブタン重炭酸塩及び/または1,4−ジアミノブタン炭酸塩を含んでもよい。例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物は、1,4−ジアミノブタン重炭酸塩を主成分として含むか、あるいは1,4−ジアミノブタン炭酸塩を主成分として含んでもよい。例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物は、溶媒以外に、1,4−ジアミノブタン重炭酸塩のみを含むか、あるいは1,4−ジアミノブタン炭酸塩のみを含んでもよい。
前記発酵液またはその濃縮物を使用する精製方法において、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物は、ガス状、液状、またはそれらの混合状態でもある。すなわち、精製方法において要求される条件によって1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物の状態が異なる。
例えば、分離する段階において、蒸溜によって得られる1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物の蒸気及び/または凝縮液を回収することができる。該蒸溜によって、第3組成物を分離する段階は、二重ジャケット反応器でも行われる。
前記第3組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階が、分溜によっても行われる。
1,4−ジアミノブタンを含む第3組成物から、分溜によって1,4−ジアミノブタンを回収する段階によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から二酸化炭素が分離され、1,4−ジアミノブタンが回収される。
例えば、発酵液またはその濃縮物から1,4−ジアミノブタンを含む第3組成物を蒸溜によって分離し、凝縮して貯蔵した後、前記分離された組成物が1,4−ジアミノブタンを回収する段階に使用される。
前記貯蔵は、例えば、反応器の上端と蒸溜塔との間に配置される貯蔵槽によっても行われるが、必ずしもそのような構成に限定されるものではなく、当該技術分野で使用される全ての貯蔵方法が可能である。
代案としては、前記精製方法において、蒸溜によって1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階と、分溜によって、1,4−ジアミノブタンを回収する段階は、連続的にも遂行される。すなわち、前記1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物が発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって、分離されると同時に、さらに分溜によって、1,4−ジアミノブタンと炭酸とに分離され、1,4−ジアミノブタンが回収される。前記分溜によって得られる1,4−ジアミノブタンは、最終結果物である。
前記精製方法において、該分溜は、100℃ないし230℃の蒸気温度及び常圧以上、すなわち、1気圧ないし5気圧、具体的には、該分溜は、100℃ないし158℃の蒸気温度及び常圧で作動される。前記範囲の温度及び圧力において、1,4−ジアミノブタンが高収率で得られる。
前記精製方法において、該分溜によって、1,4−ジアミノブタンを回収する段階は、蒸溜塔でも行われる。例えば、発酵液または濃縮物を反応器で気化させた1,4−ジアミノブタンを主成分として含む第3組成物が準備された後、前記第3組成物が蒸溜塔に投入され、1,4−ジアミノブタンが選択的に回収される。例えば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類が1,4−ジアミノブタンと二酸化炭素とに分離され、1,4−ジアミノブタンが選択的に回収される。例えば、前記1,4−ジアミノブタンを含む第3組成物は、蒸溜塔の中間位置に投入されてもよいが、該投入位置は、具体的な反応条件及び蒸溜塔の条件によっても変更される。
前記精製方法において、1,4−ジアミノブタンは、蒸溜塔の下部で回収され、前記蒸溜塔の上部では、例えば、水とイオンとが回収される。
前記方法によって精製された1,4−ジアミノブタンは、60重量%以上の回収率、具体的には、65重量%以上の回収率、さらに具体的には、75%以上の回収率、より一層具体的には、85%以上の回収率、最も具体的には、90.0重量%以上の回収率を有することができる。
また、前記方法によって精製された1,4−ジアミノブタンは、90.0重量%以上の純度、及び90.0重量%以上の回収率を有することができる。前記方法によって精製された1,4−ジアミノブタンは、91.0重量%以上の純度、及び91.0重量%以上の回収率を有することができる。前記方法によって精製された1,4−ジアミノブタンは、92.0重量%以上の純度、及び92.0重量%以上の回収率を有することができる。前記純度は、蒸溜塔下部で得られる水と1,4−ジアミノブタンとの混合物のうち、1,4−ジアミノブタンの含量を意味する。
以下、実施例及び比較例を介して、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、該実施例は、本発明を例示するためのものであり、それらによってのみ本発明の範囲が限定されるものではない。
(1,4−ジアミノブタンの精製)
実施例1:菌体除去のない1,4−ジアミノブタンの精製方法;NH 使用
(発酵段階)
1)種菌培養:1,4−ジアミノブタン生成細菌の種菌培養
グルコース(glucose)30.0g/L、糖蜜(molasses)15g/L、リン酸(phosphoric acid)1.11g/L、硫酸マグネシウム7水和物(magnesium sulfate 7 hydrate)5.8g/L、とうもろこし浸出液(corn steep liquor)10.0g/L、アルジニン(arginine)0.5g/L、ビオチン(biotin)1.0mg/L、チアミンピロリン酸(thiamine pyrophosphate)20.0mg/L、パントテン酸カルシウム(calcium pathothenate)20.0mg/L、ニコチン酸(nicotinic acid)20.0mg/L及び消泡剤(anti-foaming agent)0.2g/Lを含む培地400mLを、1L体積のガラス発酵槽に投入した後、120℃で20分間加熱させて殺菌した。
殺菌された発酵槽を30℃まで冷却させた後、CMA(cornmeal malt extract agar medium)固体培地で12時間、あらかじめ成長させたコリネバクテリウムKCCM11401P(大韓民国特許公開第2014−0115244号)菌体を前記培地に接種し、30℃で十分な通気及び撹拌の下で培養し、種菌培養物を得た。種菌培養時に、アンモニアガスをpH調節のため、かつ窒素源として供給した。
2)本培養
グルコース120.0g/L、糖蜜7.0g/L、リン酸0.7g/L、硫酸マグネシウム7水和物2.0g/L、corn steep liquor 5.0g/L、アルジニン0.5g/L、ビオチン1.0mg/L、チアミンピロリン酸20.0mg/L、パントテン酸カルシウム20.0mg/L、ニコチン酸20.0mg/L及び消泡剤0.3g/Lを含む培地1500mLを5L体積のガラス発酵槽に投入した後、120℃で20分間加熱させて殺菌した。
殺菌された発酵槽を30℃まで冷却させた後、前述のところで準備した種菌培養物370mLを前記培地に接種し、30℃で十分な通気と撹拌との下で培養した。培養液の窒素源としては、アンモニアガスを使用し、培養液の窒素源が枯渇しないように、アンモニアガスを供給してpHを調節した。
該培養結果、該発酵液に、31.2g/Lの1,4−ジアミノブタンが蓄積され、発酵液のpHは、8.0であった。
(濃縮段階)
前記1,4−ジアミノブタン重炭酸塩を含む発酵液6,700gを、10L濃縮器(Eyela、東京、日本)に投入し、47℃の蒸気温度及び80mmHgの圧力で維持しながら、発酵液の79.5%を除去し、濃縮液を準備した。このとき、除去された凝縮水は、5,327gであり、除去された凝縮水中に、1,4−ジアミノブタンは、検出されなかった。下記表1は、濃縮段階前後の成分分析表である。下記表1の1,4−ジアミノブタン、アミノ酸、有機酸、タンパク質とイオンは、HPLCによって分析し、水分は、Karl-fisher水分測定法を利用して分析した。
Figure 2018515606
(蒸溜段階)
準備した濃縮液1.373gを、5L二重ジャケット反応器に投入した。該二重ジャケット反応器は、上部コンデンサ、凝縮器、及び圧力調節が可能な装置が設けられた装置である。該二重ジャケット反応器は、50ないし95℃の蒸気温度、及び80mmHgの圧力で、前記濃縮物を蒸溜させた。前記二重ジャケット反応器は、初期に、水分蒸発によって、47℃の蒸気温度で維持されていて、1,4−ジアミノブタンが蒸発されながら、95℃まで蒸気温度が上昇した。蒸発された蒸気は、凝縮器を経て凝縮器に凝縮された。凝縮水は、1,286.4gであり、蒸発後の残留物は、86.6gであった。下記表2は、蒸溜段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(分溜段階)
前記1,4−ジアミノブタンを含む凝縮水1,286.4gを、20段の蒸溜塔(Aceglass Incorporate、米国)に投入し、蒸溜塔上部では、水と炭酸1,086.3gとが回収され、蒸溜塔下部では、1,4−ジアミノブタン200.1g(HPLC含量92.8%)が回収され、1,4−ジアミノブタンの回収率は、90.6重量%であった。
該蒸溜塔は、100ないし158℃の蒸気温度及び常圧で、1,4−ジアミノブタン炭酸塩の炭酸を分離させ、1,4−ジアミノブタンを回収した。下記表3は、脱炭酸段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
実施例2:菌体除去後の1,4−ジアミノブタンの精製方法;NH 使用
(発酵段階)
実施例1と同一方法で、種菌培養及び本培養を実施して発酵液を準備した。
(菌体分離段階)
前記発酵液13,400gを15Lバスケットに入れ、カートリッジ状のメンブレンフィルタ(Milipore社製造、Pellicon 2、孔隙サイズ:0.1μm、メンブレン面積:0.5m2)を使用して発酵液を濾過した。
前記発酵液を、前記メンブレンフィルタに入れ、60℃の温度でメンブレン間圧力(TMP)が1.2気圧である条件下で、菌体スラッジ400.0gを分離除去し、濾過液を13,000g得た。下記表4は、菌体分離前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(濃縮段階)
前記濾過液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、濃縮段階を実施した。濾過液6,500gを投入し、発酵液の82.5%を除去して濃縮した。除去された凝縮水は、5.365gであり、除去された凝縮水としては、1,4−ジアミノブタンが検出されなかった。下記表5は、濃縮段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(蒸溜段階)
前記濃縮液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、蒸溜段階を実施した。濃縮液1.135gを投入し、凝縮水1,101.8gを得て、残留物は、33.2gであった。下記表6は、蒸溜段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(分溜段階)
前記凝縮水を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、分溜段階を実施した。凝縮水1,101.8gを投入し、蒸溜塔上部で902.3g、及び蒸溜塔下部で199.5g(HPLC含量91.8%)が回収され、1,4−ジアミノブタンの回収率は、91.8重量%であった。下記表7は、脱炭酸段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
実施例3:菌体除去後、濃縮なしの1,4−ジアミノブタンの精製方法;NH 使用
(発酵段階)
実施例1と同一方法で、種菌培養及び本培養を実施して発酵液を準備した。
(菌体分離段階)
実施例2と同一方法で、菌体分離段階を実施した。
(蒸溜段階)
前記菌体分離された濾過液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、蒸溜段階を実施した。濾過液6,500gを投入し、凝縮水6、465.7gを得て、残留物は、34.3gであった。下記表8は、蒸溜段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(分溜段階)
前記凝縮水を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、分溜段階を実施した。凝縮水6,465.7gを投入し、蒸溜塔上部で6,266.3g、及び蒸溜塔下部で199.4g(HPLC含量94.1%)が回収され、1,4−ジアミノブタンの回収率は、91.5重量%であった。下記表9は、脱炭酸段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
実施例4:菌体除去のない1,4−ジアミノブタンの精製方法;酢酸アンモニウム使用
(発酵段階)
1)種菌培養:1,4−ジアミノブタン生成細菌の種菌培養
実施例1と同一方法で実施した。
2)本培養
窒素源として、アンモニアガスの代わりに、酢酸アンモニウム(ammonium acetate)を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、本培養を実施した。
窒素源として、600g/Lの酢酸アンモニウム100mLを滴加しながら培養した。
培養結果、発酵液に30.6g/Lの1,4−ジアミノブタンが蓄積され、発酵液のpHは8.0であった。
(濃縮段階)
前記発酵液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、濃縮段階を実施した。
発酵液6,700gを投入し、発酵液の81.6%を除去して濃縮液を準備した。このとき、除去された凝縮水は5,187.2gであり、除去された凝縮水中に、1,4−ジアミノブタンは、検出されなかった。下記表1は、濃縮段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(蒸溜段階)
前記濃縮液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、蒸溜段階を実施した。
濃縮液1.373gを投入し、凝縮水1,135.4gを得て、残留物は、103.6gであった。下記表11は、蒸溜段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(分溜段階)
前記凝縮水を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、分溜段階を実施した。凝縮水1,135.4gを投入し、蒸溜塔上部で943.8g、及び蒸溜塔下部で191.5g(HPLC含量94.9%)が回収され、1,4−ジアミノブタンの回収率は、90.3重量%であった。下記表12は、脱炭酸段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
実施例5:菌体除去後の1,4−ジアミノブタンの精製方法;酢酸アンモニウム使用
(発酵段階)
実施例4と同一方法で、種菌培養及び本培養を実施して発酵液を準備した。
(菌体分離段階)
実施例2と同一方法で、菌体分離段階を実施した。
前記発酵液13,400gを投入し、菌体スラッジ400.0gを分離除去し、濾過液を13,000g得た。下記表13は、菌体分離前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(濃縮段階)
前記濾過液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、濃縮段階を実施した。濾過液6,500gを投入し、発酵液の83.4%を除去して濃縮した。除去された凝縮水は、5,421gであり、除去された凝縮水からは、1,4−ジアミノブタンが検出されなかった。下記表14は、濃縮段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(蒸溜段階)
前記濃縮液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、蒸溜段階を実施した。濃縮液1,079gを投入し、凝縮水1,041.1gを得て、残留物は、37.9gであった。下記表15は、蒸溜段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(分溜段階)
前記凝縮水を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、分溜段階を実施した。凝縮水1,041.1gを投入し、蒸溜塔上部で847.4g、及び蒸溜塔下部で193.8g(HPLC含量96.2%)が回収され、1,4−ジアミノブタンの回収率は、92.6重量%であった。下記表16は、脱炭酸段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
実施例6:菌体除去後濃縮なしの1,4−ジアミノブタンの精製方法;酢酸アンモニウム使用
(発酵段階)
実施例4と同一方法で、種菌培養及び本培養を実施して発酵液を準備した。
(菌体分離段階)
実施例5と同一方法で、菌体分離段階を実施した。
(蒸溜段階)
前記菌体分離された濾過液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、蒸溜段階を実施した。濾過液6,500gを投入し、凝縮水6,459.3gを得て、残留物は、40.7gであった。下記表17は、蒸溜段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(分溜段階)
前記凝縮水を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、分溜段階を実施した。凝縮水6,459.3gを投入し、蒸溜塔上部で6,268.5g、及び蒸溜塔下部で190.8g(HPLC含量96.5%)が回収され、1,4−ジアミノブタンの回収率は、91.5重量%であった。下記表9は、脱炭酸段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
比較例1:菌体除去後の1,4−ジアミノブタンの精製方法;硫酸アンモニウム使用
(発酵段階)
1)種菌培養:1,4−ジアミノブタン生成細菌の種菌培養
pH調節のためにアンモニアを使用し、窒素源として、アンモニアの代わりに、硫酸アンモニウム5.0g/Lを使用したことを除いては、実施例1と同一方法で実施した。
2)本培養
窒素源として、アンモニアガスの代わりに、硫酸アンモニウム(ammonium sulfate)50.0g/Lを使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、本培養を実施した。
培養結果、発酵液に、30.1g/Lの1,4−ジアミノブタンが蓄積され、発酵液のpHは、7.1であった。
(菌体分離段階)
実施例2と同一方法で、菌体分離段階を実施した。
前記発酵液13,400gを投入し、菌体スラッジ400.0gを分離除去し、濾過液を13,000g得た。下記表19は、菌体分離前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(濃縮段階)
前記濾過液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、濃縮段階を実施した。
濾過液6,500gを投入し、発酵液の82.3%を除去して濃縮液を準備した。このとき、除去された凝縮水は、5,350gであり、除去された凝縮水中に、1,4−ジアミノブタンは、検出されなかった。下記表20は、濃縮段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
(蒸溜段階)
前記濃縮液を使用したことを除いては、実施例1と同一方法で、蒸溜段階を実施した。
濃縮液1,150gを投入し、凝縮水719.4gを得て、残留物は、430.6gであった。1,4−ジアミノブタンが、1,4−ジアミノブタンの硫酸塩結晶として沈澱し、凝縮水として回収されなかった。下記表21は、蒸溜段階前後の成分分析表である。
Figure 2018515606
本発明で提供される精製工程によれば、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む組成物から簡単に、1,4−ジアミノブタンを高収率で得ることができる。また、精製時に要求されるアルカリ化合物の消費も減少すると共に、追加コストを発生させた副産物の量が急減するために、それに要する精製コストも共に節約される。

Claims (25)

  1. 1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第1組成物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第2組成物を分離する段階と、
    前記第2組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階と、を含む1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  2. 前記1,4−ジアミノブタン炭酸塩類が1,4−ジアミノブタン炭酸塩及び1,4−ジアミノブタン重炭酸塩のうち1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  3. 前記第1組成物が、発酵液またはその濃縮物であることを特徴とする、請求項1に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  4. 前記濃縮物が、前記発酵液を10℃ないし100℃の蒸気温度、及び10mmHgないし760mmHgの圧力で濃縮を行って準備することを特徴とする、請求項3に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  5. 前記濃縮物のpHが、10.0以上であることを特徴とする、請求項3に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  6. 前記蒸溜によって、第1組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類の70重量%以上が分離されることを特徴とする、請求項1に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  7. 前記蒸溜が、30℃ないし158℃の蒸気温度、及び10mmHgないし760mmHgの圧力で行われることを特徴とする、請求項1に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  8. 前記第2組成物のpHが、10.0以上であることを特徴とする、請求項1に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  9. 前記炭酸の除去が、分溜によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  10. 前記分溜が、100℃ないし230℃の蒸気温度、及び1気圧ないし5気圧で行われることを特徴とする、請求項9に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  11. 前記分溜が蒸溜塔で行われることを特徴とする、請求項9に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  12. 前記蒸溜塔の下部で、1,4−ジアミノブタンが回収されることを特徴とする、請求項11に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  13. 1,4−ジアミノブタン生産能を有する微生物を、培地において窒素供給源を提供しながら培養し、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を生産する段階と、
    前記培地から、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む発酵液またはその濃縮物を準備する段階と、
    前記発酵液またはその濃縮物から、蒸溜によって、1,4−ジアミノブタン炭酸塩類を含む第3組成物を分離する段階と、
    前記第3組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類から炭酸を除去し、1,4−ジアミノブタンを回収する段階と、を含む1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  14. 前記窒素供給源が、アンモニア、有機化合物のアムモニウム塩、窒素含有有機化合物、及び炭酸系無機化合物のうちから選択された1以上であることを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  15. 前記濃縮物が前記発酵液を10℃ないし100℃の蒸気温度及び10mmHgないし760mmHgの圧力で濃縮を遂行して準備することを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  16. 前記濃縮物のpHが、10.0以上であることを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  17. 前記第3組成物を分離する段階の前に、前記発酵液から菌体を除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  18. 前記1,4−ジアミノブタン炭酸塩類が、1,4−ジアミノブタン炭酸塩及び1,4−ジアミノブタン重炭酸塩のうち1以上であることを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  19. 前記蒸溜によって、第3組成物に含まれた1,4−ジアミノブタン炭酸塩類の70重量%以上が分離されることを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  20. 前記蒸溜が、30℃ないし158℃の蒸気温度、及び10mmHgないし760mmHgの圧力で行われることを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  21. 前記第3組成物のpHが、10.0以上であることを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  22. 前記炭酸の除去が、分溜によって行われることを特徴とする、請求項13に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  23. 前記分溜が、100℃ないし230℃の蒸気温度、及び1気圧ないし5気圧で行われることを特徴とする、請求項22に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  24. 前記分溜が、蒸溜塔で行われることを特徴とする、請求項22に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
  25. 前記蒸溜塔の下部で、1,4−ジアミノブタンが回収されることを特徴とする、請求項24に記載の1,4−ジアミノブタンの精製方法。
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