JP2018515526A - IGF−1R/IR阻害薬としての新規5,8−ジメチル−9−フェニル−5,8−ジヒドロ−6H−ピラゾロ[3,4−h]キナゾリン−2−イル)−(1H−ピラゾール−3−イル)−アミン及び誘導体 - Google Patents

IGF−1R/IR阻害薬としての新規5,8−ジメチル−9−フェニル−5,8−ジヒドロ−6H−ピラゾロ[3,4−h]キナゾリン−2−イル)−(1H−ピラゾール−3−イル)−アミン及び誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記式(I)(式中、基A、R及びqは、請求項1に定義される)の化合物、それらのIGF-1R阻害薬としての使用、この種の化合物を含有する医薬組成物及びそれらの薬物として、特に腫瘍性疾患の治療及び/又は予防薬としての使用を包含する。【選択図】なし

Description

本発明は、下記式(I)
Figure 2018515526
(式中、基A、R及びqは、特許請求の範囲及び明細書で与える意味を有する)の新規5,8-ジメチル-9-フェニル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-h]キナゾリン-2-イル)-(1H-ピラゾール-3-イル)-アミン及び誘導体、それらのIGF-1R/IR阻害薬としての使用、この種の化合物を含有する医薬組成物並びに薬物として、特に腫瘍性疾患の治療及び/又は予防薬としての使用に関する。
発明の背景
WO 2005/037843は、キナーゼ阻害薬としての、ヘテロアリールとアネレートされた(anellated)一部飽和キナゾリンを記述している。
WO 2012/010704は及びWO 2013/110585は、IGF-1R/IR阻害薬としての5,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-h]キナゾリンを記述している。
本発明の目的は、過剰又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の予防及び/又は治療のために使用できる新規化合物を提供することである。本発明の化合物(I)は、IGF-1受容体(IGF-1R)及びインスリン受容体(IR)のキナーゼ活性への強力な阻害効果並びに受容体のリン酸化の阻害によって媒介される、例えば、ユーイング肉腫、神経膠芽腫、結腸直腸癌等の腫瘍細胞に対する高い効力を特徴とする。阻害効果及び細胞活性に加えて、化合物(I)は、良い溶解性を示す。要約すると、本発明の化合物(I)のプロファイルは、初めて標的IGF-1Rへの高い阻害効果、癌細胞への高い細胞効力、IGF1-R/IR阻害薬による治療に内在する有害作用、例えば高血糖を防止又は最小限にするように最適化されたきめ細かいDMPK特性、及びヒトカイノームの他のキナーゼを超える良い選択性を併せ持つ。本発明の化合物(I)は、本明細書の上文又は他のどこかで引用する特許出願に開示された構造的に関連する従来技術の化合物によって予測されず、当業者を導いたであろう教示又は示唆もない。発明者らは、これらのバランスの取れた特性を有する化合物(I)を提供するためにあらゆる努力をしなければならなかった。
インスリン様成長因子(IGF)及びインスリンシグナル伝達ネットワークは、成長、代謝及び恒常性を含めた生物学的プロセスに関与する高度に保存された必須経路である。さらに、このネットワーク経由で調節解除されたシグナル伝達は、ある一定の癌の腫瘍発生及び転移を増進する恐れがある。
リガンドIGF-1、IGF-2及びインスリンは、高度に相同性であり、IGF-1R及びIRの特異的なヘテロダイマー又はホモダイマーを活性化する。リガンド結合に続いて、IGF-1R及びIRは受容体チロシンキナーゼドメインによって媒介される自己リン酸化を受ける。自己リン酸化受容体は、標準的なRas-Raf-MEK-ERK1/2及びPI3K-PDK1-Akt細胞内シグナル伝達カスケードを活性化し、これが発癌性細胞増殖、成長及び生存につながる。さらに、インスリンによるIRの活性化は、肝臓、脂肪及び筋肉等の代謝組織におけるグルコースの取込み及びグリコーゲンの貯蔵を刺激する。
公開された研究論文のみならず医学的及び疫学的調査により、腫瘍の発生及び進行におけるIGF-1R及びIRの発現と、これらの受容体のリガンドとの間の強い相関関係が明らかにされた。本質的な依存性は、IGF-1R、IR、IGFリガンド(IGF1及びIGF2)、インスリン又はIGF結合タンパク質(IGFBP)、IGF2R、IGFBPプロテアーゼ並びに/又はマイクロRNA及びRNA結合タンパク質を含めた他の主要経路成分の調節不全遺伝子又はタンパク質発現、機能又は遺伝子変異によって媒介され得る。
従って、癌における成長及び生存シグナル伝達カスケードを遮断する手段としてIGF-1R及びIRのATP結合ポケットの小分子競合阻害薬を開発することが望ましい。このような相互作用を遮断することの予測される臨床利益は、腫瘍の増殖、成長及び生存を低減させ、腫瘍を細胞傷害性薬又は標的治療に対して感作させる可能性があることであろう。
発明の詳細な説明
今や、驚くべきことに、基A、R及びqが後述する意味を有する式(I)の化合物は、細胞増殖の制御に関与するIGF-1R/IRの阻害薬として作用することが分かった。従って、本発明の化合物は、例えば、過剰又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療のために使用可能である。
従って、本発明は、下記式(I)
Figure 2018515526
(式中、
--
Aは、任意に1つのオキソ基で置換されていてもよい5-7員窒素含有ヘテロシクリルであり;
--
各Rは、任意に1つ以上の同一若しくは異なるRb1及び/又はRc1で置換されていてもよいC1-6アルキルであり;
各Rb1は、独立に、-ORc1及び-C(O)ORc1の中から選択され;
各Rc1は、互いに独立に、水素、C1-6アルキル、3-10員ヘテロシクリル及び3-10員ヘテロシクリルで置換されたC1-6アルキルの中から選択され;
--
qは、数0、1又は2を表す)
の化合物又はその塩に関する。
一態様では、本発明は、
Aが、全て任意に1つのオキソ基で置換されていてもよいピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル及びホモモルホリニルの中から選択される、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
Aが、ピペラジニル、モルホリニル及びピペラジノニルの中から選択される、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
Aが、ピペラジン-1-イル, モルホリン-4-イル及び2-オキソ-ピペラジン-4-イルの中から選択される、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
Aがピペラジン-1-イルである、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
Aがピペラジン-1-イルであり;
存在する場合、q個の置換基Rの1つが、ピペラジン-1-イルの4位にある、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
各Rが、任意にヒドロキシ又はメトキシで置換されていてもよいC1-4アルキルである、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
各Rが、メチル及びエチルの中から選択され、前記メチル及びエチルがそれぞれ-C(O)ORc1及び5-6員ヘテロシクリルの中から選択される置換基で置換され;
Rc1が、5-6員ヘテロシクリル及び5-6員ヘテロシクリルで置換されたメチルの中から選択される、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
R中の各5-6員ヘテロシクリルが、独立に、ピロリジニル、テトラヒドロフリル及びテトラヒドロピラニルの中から選択される、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
qが1である、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
Rが、環Aの環窒素原子に結合している、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、
qが0である、
式(I)の化合物又はその塩に関する。
別の態様では、本発明は、下記化合物
Figure 2018515526

Figure 2018515526

Figure 2018515526

Figure 2018515526
の中から選択される式(I)の化合物又はその塩に関する。
全ての上記構造態様は、式(I)の好ましい実施形態である。本発明の化合物(I)の異なる分子部分に関する構造態様は、好ましい化合物(I)を得るために組み合わせて望ましいように互いに順序を変えてよい。各組み合わせは、本発明の化合物の個々の実施形態又は一般的サブセットを表し、定義する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成で中間体として使用できる下記合成中間体C又はその塩、ラセミ体若しくは幾何異性体にも関する。
Figure 2018515526
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体C又はその塩、ラセミ体若しくは幾何異性体の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成に中間体として使用できる下記合成中間体D又はその塩、ラセミ体若しくは幾何異性体にも関する。
Figure 2018515526
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体D又はその塩、ラセミ体若しくは幾何異性体の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成に中間体として使用できる下記合成中間体(R)-E又はその塩、ラセミ体、エナンチオマー若しくは幾何異性体にも関する。
Figure 2018515526
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体(R)-E又はその塩、ラセミ体、エナンチオマー若しくは幾何異性体の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成に中間体として使用できる下記合成中間体(R)-F又はその塩、ラセミ体、エナンチオマー若しくは幾何異性体にも関する。
Figure 2018515526
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体(R)-F又はその塩、ラセミ体、エナンチオマー若しくは幾何異性体の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成に中間体として使用できる合成中間体L(構造はスキーム3参照)又はその塩にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体L(構造はスキーム3参照)又はその塩の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成に中間体として使用できる合成中間体N(構造はスキーム3及び表4参照)又はその塩にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体N(構造はスキーム3及び表4参照)又はその塩の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成に中間体として使用できる合成中間体P(構造はスキーム3及び表5参照)又はその塩にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体P(構造はスキーム3及び表5参照)又はその塩の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成に中間体として使用できる合成中間体M(構造はスキーム3参照)(基A、R及びqは、前述の定義どおりである)、又はそれらの塩にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体M(構造はスキーム3参照)(基A、R及びqは、前述の定義どおりである)、又はそれらの塩の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成に中間体として使用できる合成中間体M(構造はスキーム3参照)(基A、R及びqは、前述の定義どおりである)又はそれらの塩にも関する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成に中間体として使用できる合成中間体O(構造はスキーム3参照)(基A、R及びqは、前述の定義どおりである)、又はそれらの塩にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体O(構造はスキーム3参照)(基A、R及びqは、前述の定義どおりである)、又はそれらの塩の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、式(I)の化合物の合成に中間体として使用できる合成中間体Q(構造はスキーム3参照)(基A、R及びqは、前述の定義どおりである)、又はそれらの塩にも関する。
さらなる態様では、本発明は、化合物(I)の合成における合成中間体Q(構造はスキーム3参照)(基A、R及びqは、前述の定義どおりである)、又はそれらの塩の使用にも関する。
中間体M、O及びQの基A、R及びqの定義は、上記で化合物(I)に与えた定義に対応する。好ましい中間体M、O及びQは、本発明の好ましい化合物(I)をもたらすものであり、すなわち、M、O及びQの好ましい実施形態は、式(I)についての上記定義どおりの構造態様を有する。これらの構造態様は、好ましい中間体M、O及びQを得るために望ましいように互いに順序を変えてよい。各組み合わせは、中間体M、O及びQの個々の実施形態又は一般的サブセットを表し、定義する。
好ましい中間体Mは、M-1、M-2及びM-3(表3)並びにそれらの塩である。
好ましい中間体Oは、O-1、O-2及びO-3(表4)並びにそれらの塩である。
好ましい中間体Qは、Q-1、Q-2及びQ-3(表5)並びにそれらの塩である。
本発明は、さらに式(I)の化合物の水和物、溶媒和物、多形、代謝物、誘導体、異性体及びプロドラッグに関する。
本発明は、さらに式(I)の化合物の医薬的に許容される塩に関する。
本発明は、さらに式(I)の化合物の、無機若しくは有機酸又は塩基との医薬的に許容される塩に関する。
本発明は、限定するものではないが、癌の治療及び/又は予防を含め、IGF-1R及び/又はIRの阻害が治療利益である疾患及び/又は状態の予防及び/又は治療に役立つ式(I)の化合物に向けられる。
別の態様では、本発明は、薬物としての式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、ヒト又は動物の体の治療方法に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、IGF-1R及び/又はIRの阻害が治療利益である疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、ヒト及び動物の体の癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防方法に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防用医薬組成物を調製するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の使用に関する。
別の態様では、本発明は、癌の治療及び/又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、癌の治療及び/又は予防用医薬組成物を調製するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の使用に関する。
別の態様では、本発明は、ヒト及び動物の体の癌の治療及び/又は予防方法に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、本質的にIGF-1R及び/又はIRによる発癌性シグナル伝達に依存する癌の治療及び/又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、本質的にIGF-1R及び/又はIRによる発癌性シグナル伝達に依存する癌の治療及び/又は予防用医薬組成物を調製するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の使用に関する。
別の態様では、本発明は、軟部組織肉腫、骨肉腫、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、副腎癌、肝臓癌、肺癌、結腸癌及び卵巣癌の治療及び/又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩に関する。
別の態様では、本発明は、軟部組織肉腫、骨肉腫、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、副腎癌、肝臓癌、肺癌、結腸癌及び卵巣癌の治療及び/又は予防用医薬組成物を調製するための式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の使用に関する。
別の態様では、本発明は、IGF-1R及び/又はIRの阻害が治療利益である疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防方法であって、治療的に有効量の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩をヒトに投与することを含む方法に関する。
別の態様では、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、治療的に有効量の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩をヒトに投与することを含む方法に関する。
別の態様では、本発明は、式(I)の少なくとも1種の化合物又はその医薬的に許容される塩及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩及び式(I)とは異なる少なくとも1種の他の細胞分裂停止又は細胞傷害性活性物質を含む医薬製剤に関する。
定義
ここで具体的に定義しない用語には、本開示及び文脈に照らして当業者がそれらに与えるであろう意味を与えるべきである。しかしながら、本明細書で使用する場合、反対に特定しない限り、下記用語は、指示した意味を有し、下記慣例を順守する。
接頭辞Cx-y(x及びyは、それぞれ自然数(x<y)を表す)を用いて、直接的関連性で特定及び言及する鎖若しくは環構造又は全体としての鎖及び環構造の組み合わせが、最大y個の炭素原子及び最小x個の炭素原子から成り得ることを示す。
1個以上のヘテロ原子を含有する基(例えばヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル)中の員数の指示は、全ての環員及び鎖員の原子の総数又は全ての環員及び鎖員の総計に関するものである。
炭素鎖及び炭素環構造の組み合わせから成る基(例えばシクロアルキルアルキル、アリールアルキル)中の炭素原子数の指示は、全ての炭素環員及び炭素鎖員の炭素原子の総数に関するものである。明らかに、環構造は少なくとも3員を有する。
一般に、2つ以上のサブ基を含む基(例えばヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル)では、最後の命名サブ基が、基の付着点であり、例えば、置換基アリール-C1-6アルキルは、C1-6アルキル基に結合しているアリール基を意味し、C1-6アルキル基が、該置換基が付着しているコア又は基に結合している。
アルキルは、一価飽和炭化水素鎖を表し、直鎖(非分岐)形でも分岐形でも存在し得る。アルキルが置換される場合、置換は、互いに独立に、いずれの場合も一置換又は多置換によって、全ての水素保有炭素原子上で起こり得る。
用語「C1-5アルキル」には、例えば、H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)-が含まれる。
アルキルのさらなる例は、メチル(Me;-CH3)、エチル(Et;-CH2CH3)、1-プロピル(n-プロピル;n-Pr;-CH2CH2CH3)、2-プロピル(i-Pr;イソプロピル;-CH(CH3)2)、1-ブチル(n-ブチル;n-Bu;-CH2CH2CH2CH3)、2-メチル-1-プロピル(イソブチル;i-Bu;-CH2CH(CH3)2)、2-ブチル(sec-ブチル;sec-Bu;-CH(CH3)CH2CH3)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル;t-Bu;-C(CH3)3)、1-ペンチル(n-ペンチル;-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル(-CH(CH2CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(イソペンチル;-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH3)CH(CH3)2)、2,2-ジメチル-1-プロピル(ネオペンチル;-CH2C(CH3)3)、2-メチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、1-ヘキシル(n-ヘキシル;-CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル(-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH3)C(CH3)3)、2,3-ジメチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH(CH3)CH3)、2,2-ジメチル-1-ブチル(-CH2C(CH3)2CH2CH3)、3,3-ジメチル-1-ブチル(-CH2CH2C(CH3)3)、2-メチル-1-ペンチル(-CH2CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-メチル-1-ペンチル(-CH2CH2CH(CH3)CH2CH3)等である。
いずれのさらなる定義もない用語プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等は、対応数の炭素原子を有する飽和炭化水素基を意味し、全ての異性形が含まれる。
アルキルについての上記定義は、アルキルが例えばCx-yアルキルアミノ又はCx-yアルキルオキシのような別の(化合した)基の一部である場合にも当てはまる。
アルキルから用語アルキレンも誘導可能である。アルキレンは、アルキルとは異なり二価であり、2つの結合相手を必要とする。形式的に、アルキル中の水素原子を除去することによって、第2の原子価が生成される。対応する基は、例えば-CH3と-CH2-、-CH2CH3と-CH2CH2-又は>CHCH3等である。
用語「C1-4アルキレン」には、例えば、-(CH2)-、-(CH2-CH2)-、-(CH(CH3))-、-(CH2-CH2-CH2)-、-(C(CH3)2)-、-(CH(CH2CH3))-、-(CH(CH3)-CH2)-、-(CH2-CH(CH3))-、-(CH2-CH2-CH2-CH2)-、-(CH2-CH2-CH(CH3))-、-(CH(CH3)-CH2-CH2)-、-(CH2-CH(CH3)-CH2)-、-(CH2-C(CH3)2)-、-(C(CH3)2-CH2)-、-(CH(CH3)-CH(CH3))-、-(CH2-CH(CH2CH3))-、-(CH(CH2CH3)-CH2)-、-(CH(CH2CH2CH3))-、-(CH(CH(CH3))2)-及び-C(CH3)(CH2CH3)-が含まれる。
アルキレンの他の例は、メチレン、エチレン、プロピレン、1-メチルエチレン、ブチレン、1-メチルプロピレン、1,1-ジメチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、ペンチレン、1,1-ジメチルプロピレン、2,2-ジメチルプロピレン、1,2-ジメチルプロピレン、1,3-ジメチルプロピレン、ヘキシレン等である。
いずれのさらなる定義もない一般用語プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等は、対応数の炭素原子を有する全ての考えられる異性形を意味する。すなわち、プロピレンには、1-メチルエチレンが含まれ、ブチレンには1-メチルプロピレン、2-メチルプロピレン、1,1-ジメチルエチレン及び1,2-ジメチルエチレンが含まれる。
アルキレンの上記定義は、アルキレンが例えばHO-Cx-yアルキレンアミノ又はH2N-Cx-yアルキレンオキシのような別の(化合した)基の一部である場合にも当てはまる。
ヘテロ原子は、酸素、窒素及び硫黄原子を意味する。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素原子に関する。
シクロアルキルは、サブグループ単環式炭化水素環、二環式炭化水素環及びスピロ炭化水素環で構成される。系は飽和している。二環式炭化水素環では、2つの環が少なくとも2個の炭素原子を一緒に有するように結合している。スピロ炭化水素環では、1個の炭素原子(スピロ原子)が2つの環に共に属する。
シクロアルキルを置換すべき場合、置換は、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形式で、全ての水素保有炭素原子上で起こり得る。シクロアルキル自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として連結し得る。
シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル(オクタヒドロインデニル)、ビシクロ[4.4.0]デシル(デカヒドロナフチル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル(ノルカラニル)、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル(ピナニル)、スピロ[2.5]オクチル、スピロ[3.3]ヘプチル等である。
シクロアルキルについての上記定義は、例えばCx-yシクロアルキルアミノ、Cx-yシクロアルキルオキシ又はCx-yシクロアルキルアルキルにおけるように別の(化合した)基の一部である場合にも当てはまる。
シクロアルキルの自由原子価が飽和されると、脂環式基が得られる。
シクロアルケニルも、サブグループ単環式炭化水素環、二環式炭化水素環及びスピロ炭化水素環で構成される。しかながら、系は不飽和である。すなわち、少なくとも1つのC-C二重結合があるが、芳香族系でない。前述の定義どおりのシクロアルキルにおいて、隣接する環炭素原子の2個の水素原子が形式的に除去され、自由原子価が飽和されて第2の結合を形成し、対応するシクロアルケニルが得られる。
シクロアルケニルを置換すべき場合、置換は、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形式で、全ての水素保有炭素原子上で起こり得る。シクロアルケニル自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として連結し得る。
シクロアルケニルの例は、シクロプロパ-1-エニル、シクロプロパ-2-エニル、シクロブタ-1-エニル、シクロブタ-2-エニル、シクロペンタ-1-エニル、シクロペンタ-2-エニル、シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキサ-1-エニル、シクロヘキサ-2-エニル、シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘプタ-1-エニル、シクロヘプタ-2-エニル、シクロヘプタ-3-エニル、シクロヘプタ-4-エニル、シクロブタ-1,3-ジエニル、シクロペンタ-1,4-ジエニル、シクロペンタ-1,3-ジエニル、シクロペンタ-2,4-ジエニル、シクロヘキサ-1,3-ジエニル、シクロヘキサ-1,5-ジエニル、シクロヘキサ-2,4-ジエニル、シクロヘキサ-1,4-ジエニル、シクロヘキサ-2,5-ジエニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエニル(ノルボルナ-2,5-ジエニル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニル(ノルボルネニル)、スピロ[4,5]デカ-2-エニル等である。
シクロアルケニルについての上記定義は、例えばCx-yシクロアルケニルアミノ、Cx-yシクロアルケニルオキシ又はCx-yシクロアルケニルアルキルにおけるようにシクロアルケニルが別の(化合した)基の一部であるときにも当てはまる。
シクロアルケニルの自由原子価が飽和されると、不飽和脂環式基が得られる。
アリールは、少なくとも1つの芳香族炭素環を有する単環式、二環式又は三環式炭素環を表す。好ましくは、アリールは、6個の炭素原子を有する単環式基(フェニル)又は9若しくは10個の炭素原子を有する二環式基(2つの6員環又は1つの6員環と5員環)を表し、第2の環は芳香族であってもよいが、しかしながら、部分的に飽和していてもよい。
アリールを置換すべき場合、置換は、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形式で、全ての水素保有炭素原子上で起こり得る。アリール自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として連結し得る。
アリールの例は、フェニル、ナフチル、インダニル(2,3-ジヒドロインデニル)、インデニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル(1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、テトラリニル)、ジヒドロナフチル(1,2-ジヒドロナフチル)、フルオレニル等である。
アリールの上記定義は、アリールが、例えばアリールアミノ、アリールオキシ又はアリールアルキルにおけるように別の(化合した)基の一部である場合にも当てはまる。
アリールの自由原子価が飽和されると、芳香族基が得られる。
ヘテロシクリルは、先に定義したシクロアルキル、シクロアルケニル及びアリールから、炭化水素環中の1つ以上の基-CH2-を互いに独立に基-O-、-S-若しくは-NH-に置き換えるか又は1つ以上の基=CH-を基=N-に置き換えることによって誘導される環系を表し、全部で5個以下のヘテロ原子が存在してよく、2個の酸素原子間及び2個の硫黄原子間又は酸素原子と硫黄原子との間には少なくとも1個の炭素原子が存在しなければならず、環は、全体として化学的に安定でなければならない。ヘテロ原子は、任意に全ての可能な酸化状態で存在し得る(硫黄→スルホキシド-SO-、スルホン-SO2-;窒素→N-オキシド)。ヘテロシクリルには、ヘテロ芳香環がなく、すなわちヘテロ原子は芳香環の一部でない。
シクロアルキル、シクロアルケニル及びアリールからの誘導の直接結果は、ヘテロシクリルが、飽和形又は不飽和形で存在してよいサブグループ単環式ヘテロ環、二環式ヘテロ環、三環式ヘテロ環及びスピロヘテロ環で構成されることである。
不飽和とは、問題になっている環系に少なくとも1つの二重結合があるが、ヘテロ芳香族系は形成されないことを意味する。二環式ヘテロ環では、2つの環が少なくとも2個の(ヘテロ)原子を共有するように結合している。スピロヘテロ環では、1個の炭素原子(スピロ原子)が2つの環に共に属している。
ヘテロシクリルが置換される場合、置換は、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形式で、全ての水素保有炭素及び/又は窒素原子上で起こり得る。ヘテロシクリル自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として結合し得る。
ヘテロシクリルの例は、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、1,4-ジオキサニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモチオモルホリニル、チオモルホリニル-S-オキシド、チオモルホリニル-S,S-ジオキシド、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、[1,4]-オキサゼパニル、テトラヒドロチエニル、ホモチオモルホリニル-S,S-ジオキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロ-ピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル-S-オキシド、テトラヒドロチエニル-S,S-ジオキシド、ホモチオモルホリニル-S-オキシド、2,3-ジヒドロアゼト、2H-ピロリル、4H-ピラニル、1,4-ジヒドロピリジニル、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、8-アザ-ビシクロ[5.1.0]オクチル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクチル、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、3,9-ジアザ-ビシクロ[4.2.1]ノニル、2,6-ジアザ-ビシクロ[3.2.2]ノニル、1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デシル、1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デシル、2,6-ジアザ-スピロ[3.3]ヘプチル、2,7-ジアザ-スピロ[4.4]ノニル、2,6-ジアザ-スピロ[3.4]オクチル、3,9-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデシル、2.8-ジアザ-スピロ[4,5]デシル等である。
さらなる例は、各水素保有原子を介して付着され得る(水素と交換される)下記構造である。
Figure 2018515526

Figure 2018515526

Figure 2018515526
好ましくは、ヘテロシクリルは、4〜8員の単環式であり、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する。
好ましいヘテロシクリルは、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルである。
ヘテロシクリルの上記定義は、ヘテロシクリルが、例えばヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルオキシ又はヘテロシクリルアルキルにおけるように別の(化合した)基の一部である場合にも当てはまる。
ヘテロシクリルの自由原子価が飽和されると、ヘテロ環式基が得られる。
置換されるとは、考慮中の原子に直接結合している水素原子が、別の原子又は別の原子群(置換基)に置き換えられることを意味する。ある原子に関して、出発状態(水素原子数)に応じて単置換又は多置換が起こり得る。特定の置換基による置換は、置換基の許容原子価と、置換される予定の原子の許容原子価とが互いに対応し、かつ該置換が安定化合物(すなわち、例えば転位、環化又は脱離によって自発的に変換されない化合物)をもたらす場合にのみ可能である。
例えば=S、=NR、=NOR、=NNRR、=NN(R)C(O)NRR、=N2等の二価置換基は、炭素原子上でのみ置換基であり得、二価置換基=Oは、硫黄上でも置換基であり得る。一般的に、二価置換基による置換は環系でのみ遂行可能であり、2個のジェミナル水素原子、すなわち、置換前に飽和している同一炭素原子に結合している水素原子の置換を必要とする。従って、二価置換基による置換は、環系の基-CH2-又は硫黄原子(=Oだけ)でのみ可能である。
立体化学/溶媒和物/水和物:特に指定のない限り、明細書及び添付の特許請求の範囲全体にわたって、所与の化学式又は化学名は、その互変異性体及び全ての立体異性体、光学異性体、幾何異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体等)及びラセミ体のみならず個別エナンチオマーの異なる比率の混合物、ジアステレオマー混合物、又は該異性体及びエナンチオマーが存在する前述の形態のいずれもの混合物、並びに、その医薬的に許容される塩及びその例えば水和物を含めた溶媒和物(遊離化合物の溶媒和物又は化合物の塩の溶媒和物を含めて)を包含するものとする。
塩:本明細書では「医薬的に許容される」という表現を利用して、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしでヒト及び動物の組織と接触して用いるのに適し、かつ妥当な利益/危険比で釣り合っている当該化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指す。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容される塩」は、親化合物が、その酸塩及び塩基塩を作ることによって修飾されている開示化合物の誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例としては、限定するものではないが、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等が挙げられる。
例えば、該塩には、アンモニア、L-アルギニン、ベタイン、ベネタミン(benethamine)、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン(2,2´-イミノビス(エタノール))、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、2-アミノエタノール、エチレンジアミン、N-エチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リジン、水酸化マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン(2,2´,2´´-ニトリロトリス(エタノール)、トロメタミン、水酸化亜鉛、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(L)、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、(+)-ショウノウ酸、(+)-ショウノウ-10-スルホン酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラム酸、デカン酸(カプリン酸)、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、D-グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソグルタル酸、グリセロリン酸、グリシン、グリコール酸、ヘキサン酸(カプロン酸)、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オクタン酸(カプリル酸)、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸(エンボン酸)、リン酸、プロピオン酸、(-)-L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸からの塩が含まれる。さらなる医薬的に許容される塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等のような金属からのカチオンと形成可能である(Pharmaceutical salts, Berge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19をも参照されたい)。
本発明の医薬的に許容される塩は、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から通常の化学的方法によって合成可能である。一般的に、該塩は、水中又はエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、若しくはアセトニトリル、又はその混合物のような有機希釈剤中でこれらの化合物の遊離酸形又は遊離塩基形を十分な量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製可能である。
上記酸以外の酸、例えば本発明の化合物の精製又は単離に役立つ酸の塩(例えばトリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部を構成する。
例えば以下のような表現では、
Figure 2018515526
文字Aは、例えば、問題になっている環の他の環への付着をさらに容易に示すために環表示の機能を有する。
基又は置換基は、対応する基表示(例えばRa、Rb等)を有するいくつかのオルタナティブな基/置換基の中から選択されることが多い。該基を分子の異なる部分に繰り返し用いて本発明の化合物を定義する場合、全体的に互いに独立とみなすべきであると指摘される。
本発明の目的で治療的に有効な量とは、病気の症状を取り除くことができるか又はこれらの症状を予防若しくは軽減できるか、或いは治療患者の生存期間を延長する、物質の量を意味する。
略語リスト
Figure 2018515526

Figure 2018515526

Figure 2018515526
本発明の範囲を限定することなく例として本発明の原理を説明する以下の詳細な例から本発明の特徴及び利点が明らかになるであろう。
本発明の化合物の調製
通則
特に指定のない限り、全ての反応は、化学研究所で一般的に使用される方法を用いる市販装置で行なう。空気及び/又は水分に敏感な出発物質は保護ガス下で貯蔵し、それらを用いる対応反応及び操作は保護ガス(窒素又はアルゴン)下で行なう。
本発明の化合物は、ソフトウェアAutonom(Beilstein)を用いてCAS規則に従って命名する。化合物を構造式及びその名称の両方で表すべき状況で、矛盾する場合は、構造式が決定的である。
マイクロ波反応は、Biotage製イニシエーター/反応器又はCEM製のExplorer又はAnton Paar製Synthos 3000若しくはMonowave 3000で密封容器(好ましくは2、5又は20mL)内で、好ましくは撹拌しながら行なう。
クロマトグラフィー
薄層クロマトグラフィーは、Merck製の既製シリカゲル60 TLCプレート・オン・ガラス(蛍光指示薬F-254を有する)上で行なう。
本発明の化合物例の分取高速クロマトグラフィー(RP HPLC)は、Agilent又はGilsonシステムでWaters製カラム(名称:SunFire(商標) Prep C18、OBD(商標) 10μm、50×150mm又はSunFire(商標) Prep C18 OBD(商標) 5μm、30×50mm又はXBridge(商標) Prep C18、OBD(商標) 10μm、50×150mm又はXBridge(商標) Prep C18、OBD(商標) 5μm、30×150mm又はXBridge(商標) Prep C18、OBD(商標) 5μm、30×50mm)及びYMC(名称:Actus-Triart Prep C18、5μm、20×50mm)を用いて行なう。
Agilentシステムでは5%の酸性共溶媒(modifier)を水に添加しながら(20mLのHCOOHを1LのH2O/アセトニトリル(1:1)へ)(酸性条件)、H2O/アセトニトリルの様々な勾配を用いて化合物を溶出する。Gilsonシステムでは、0.1%のHCOOHを水に添加する。
塩基性条件下のクロマトグラフィーについては、Agilentシステムでは同様にH2O/アセトニトリル勾配を使用するが、5%の塩基性共溶媒を添加して水をアルカリ性にする(50gのNH4HCO3+50mLのNH3(H2O中25%)をH2Oと共に1Lへ)。Gilsonシステムでは以下のように水をアルカリ性にする:5mLのNH4HCO3溶液(1LのH2O中158g)及び2mLのNH3(H2O中28%)を補充してH2Oと共に1Lとする。
中間体及び最終化合物の分析HPLC(反応コントロール)は、Waters製カラム(名称:Atlantis dC 182.1×50mm、3μM、XBridge(商標) C18、2.5μm、2.1×20mm、XBridge(商標) XP C18 2.1×30mm、2.5.μ、Sunfire 2.1×50mm、5μ)、Supelco製カラム(名称:Ascentis Express C18 30×2.1mm、2.7μM)又はAgilent製カラム(名称:Zorbax SB C8 3.5μm、80Å、50×2.1mm)を用いて行なう。分析機器は、いずれの場合も質量検出器をも備えている。
HPLC質量分析/UV分光法
HPLC-MS装置(質量検出器を備える高速液体クロマトグラフィー)を用いて、本発明の化合物例を特徴づけるための保持時間/MS-ESI+を生成する。注入ピークで溶出する化合物に保持時間tRet.=0.00を与える。
HPLC方法
Figure 2018515526

Figure 2018515526

Figure 2018515526

Figure 2018515526
一般式の置換基が前述の意味を有する下記合成方法により本発明の化合物を調製する。これらの方法は、本発明の実例とする意図であり、本発明の主題及びこれらの例に対して主張する化合物の範囲を限定するものではない。出発化合物の製法を記載していない場合、それらは市販されているか或いは本明細書に記載の公知の従来技術の化合物又は方法に類似して調製可能である。文献に記載の物質は、公開された合成方法に従って調製する。
一般的反応スキーム及び合成経路の概要
スキーム1
Figure 2018515526
ジケトンAから出発して、この出発物質を2工程プロセスでアセチル化して中間体Bを形成する。活性化マイケルアクセプターCを形成するための塩素化後に、環化を含む段階プロセスにより中心的ラセミ中間体Eが生じる。
キラルクロマトグラフィーによりEのエナンチオマーを分離することができる。(R)-エナンチオマー(R)-Eが望ましい中間体であり、スキーム2に示す次工程で中心的な出発物質として役立つ。或いは、ラセミ混合物Eを用いてさらに合成工程を遂行して、いずれの後の工程でも所望どおりにキラル分離を行なうこともできる。
スキーム2
Figure 2018515526
(R)-Eをクロロホルミル化により(R)-Fに変換/活性化し、これを直接それぞれのグアニジンP又はQとの反応によって化合物(I)に環化することができる(スキーム3参照)。
スキーム3
Figure 2018515526
スキーム3は、(R)-Fの最終反応相手として役立つグアニジンP及びQを形成するためのプロセス全体を示す。
スキーム4
Figure 2018515526
ピラゾログアニジンP又はQと前駆体分子(R)-Fの反応によって最終化合物(I)を得ることができる(スキーム4)。Pを環化工程で使用する場合、さらなる工程で、例えば、メシル化及び求核置換によって基(R)q-A-を導入しなければならない。求核置換後に直接得られた化合物は、任意に、脱保護及び/又は誘導体化のさらなる工程後にそれらの最後の修飾を得ることがある。
2-ベンゾイル-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン(中間体B)の合成
Figure 2018515526
5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン(出発物質A;5.0g,839.6mmol,1当量)を25mLのアセトニトリルに溶かす。引き続きTEA(15mL,109mmol,2.8当量)、塩化ベンゾイル(5.6g,39.8mmol,1.0当量)及びトリメチルシリルシアニド(0.7mL,8.9.mmol,0.22当量)をrtで加える。反応混合物を60℃で4時間撹拌してからrtで一晩撹拌する。2N HCl(水溶液)による中和後に混合物をEtOAcで抽出し、混ぜ合わせた有機相を飽和塩水で洗浄し、最後に硫酸ナトリウム上で乾燥させる。減圧下での揮発性溶媒の除去後に粗生成物B(7.3g,31.7mmol,80%)を単離し、さらに精製せずに次工程に使用する(Rf(PE:EtOAc 3:1)=0.5)。
2-ベンゾイル-3-クロロ-5-メチル-シクロヘキサ-2-エノン(中間体C)の合成
Figure 2018515526
2-ベンゾイル-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン(中間体B)(7.3g,31.7mmol,1当量)を50mLの塩化オキサリルに溶かし、数滴のDMFを加えて反応混合物を3時間撹拌する。減圧下での全ての揮発性成分の除去後に残渣をクロロホルムに溶かし、この溶液を連続的に水、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後に溶媒を減圧下で除去して粗中間体Cを得(6.3g,25.3mmol,80%)、さらに精製せずに次工程に使用する(Rf(PE:EtOAc 3:1)=0.7)。
N'-(2-ベンゾイル-5-メチル-3-オキソ-シクロヘキサ-1-エニル)-N-メチル-ヒドラジン-カルボン酸tert-ブチルエステル(中間体D)の合成
Figure 2018515526
2-ベンゾイル-3-クロロ-5-メチル-シクロヘキサ-2-エノン(中間体C;6.3g,25.53mmol,1当量)をDIPEA(3.3g,25.3mmol,1当量)に溶かす。この溶液を、20mLのDCMに溶解したN-メチル-ヒドラジンカルボン酸tert-ブチルエステル(3.7g,25.3mmol,1当量)の溶液に滴加する。反応混合物をrtで48時間撹拌してから水中に注ぐ。DCMによる反復抽出後、混ぜ合わせた有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で全ての溶媒を除去して粗中間体D(6.8g,19.0mmol,75%)を得、さらに精製せずに次工程に使用する(Rf(PE:EtOAc 3:1)=0.3)。
2,6-ジメチル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-オン(中間体E)の合成
Figure 2018515526
中間体D(6.8g,19.0mmol,1当量)を15mLのDCMと30mLのTFAの混合物に溶かして反応混合物をrtで3時間撹拌する。減圧下での全ての溶媒の除去後に残留粗生成物をDCMに溶かし、連続的に水及び塩水で洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥及びエバポレーション後に褐色油を得る。シリカ上順相クロマトグラフィーにより石油エーテル/EtOAcを用いて精製して3.6g(15.0mmol,79%)のラセミ中間体E(Rf(PE:EtOAc 3:1)=0.5)を得る。
ラセミ2,6-ジメチル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-オン(中間体E)のキラル分離
Figure 2018515526
ラセミ2,6-ジメチル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-オン(中間体E)(18g,74.9mmol)を分取キラルSFCクロマトグラフィーにかけて6.1g(25.4mmol,34%)の(R)-2,6-ジメチル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-オン(R)-E及び5.8g(24.1mmol,32%)の(S)-2,6-ジメチル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-オン(S)-Eを得る。
詳細:
機器:Thar 80分取SFC;
カラム:Chiralpak AD-H、250×30mm 内径5μm;
移動相:CO2ではA、MeOH(H2O中0.05%のNH3)ではB;
勾配:B%=30%;
流速:65g/分;
システム背圧:100バール;
カラム温度:40℃;
波長:220nm;
注入量:注入毎に75mg;
サイクル時間:6分
表1
Figure 2018515526
(R)-4-クロロ-2,6-ジメチル-3-フェニル-6,7-ジヒドロ-2H-インダゾール-5-カルボアルデヒド(中間体(R)-F)の合成
Figure 2018515526
DMF(22g,285mmol,6.9当量)をクロロホルム(300mL)に溶かし、0℃に冷却する。POCl3(20mL,218mmol,5.3当量)を0℃で滴加し、反応混合物を当該温度で15分間撹拌する。次に(R)-2,6-ジメチル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-インダゾール-4-オン(R)-E(10.0g,41.2mmol,1当量)のクロロホルム(100mL)中の溶液を0℃で滴加する。反応混合物をrtで一晩撹拌してから氷水(1.2L)中に注ぐ。50%のNaOH水溶液を滴加することによってpHをpH8〜9に調整する。有機相を分け、水相をクロロホルム(200mL)で2回抽出する。有機相を混ぜ合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。減圧下で全ての揮発性成分を除去する。次に粗物質をトルエンに溶かし(3×、それぞれ200mL)、減圧下で濃縮して全ての残留水を除去して14.6g(40.8mmol,99%)の粗生成物(R)-Fを得る。これはさらに精製せずに次の反応に使用可能である。
表2
Figure 2018515526
2-(3-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(中間体K)の合成
Figure 2018515526
K2CO3(48.9g,353.8mmol)を3-ニトロ-1H-ピラゾール(20.0g,176.9mmol)のTHF(200mL)中の溶液に添加後に2-ブロモ-エタノール(18.8mL,265.3mmol)を加えて混合物を還流下で24時間加熱する。冷却後、混合物を水(200mL)とEtOAc(200mL)に分配する。相を分け、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮する。粗残渣をEt2Oからの摩砕により精製し、固体を濾過によって収集し、Et2O、DCM及び再びEt2Oで洗浄する。濾液を真空中で濃縮し、Et2Oから摩砕する。固体を混ぜ合わせて表題化合物(18.1g,収率64%)をオフホワイトの固体として得る。
1-(2-メトキシ-エチル)-4-[2-(3-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)-エチル]-ピペラジンの合成
Figure 2018515526
DIPEA(5.0mL,30.6mmol)を2-(3-ニトロ-ピラゾール-1-イル)-エタノール(中間体K;3.0g,19.1mmol)の無水DCM(150mL)中の溶液に0℃で添加後にメタンスルホニルクロリド(2.2mL,28.6mmol)を滴加して混合物を0℃で2時間撹拌する。メタンスルホニルクロリド(0.5mL,6.5mmol)を加えて撹拌を30分間続ける。混合物を飽和NaHCO3でクエンチし、水相をDCM(2×50mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮する(→中間体L)。
残渣をDMF(10mL)に溶かし、1-(2-メトキシ-エチル)-ピペラジン(28.1mL,190.9mmol)を加えて混合物をrtで一晩撹拌した後に80℃に2時間加熱する。冷却後、混合物をDCM(30mL)と1M NaHCO3(30mL)に分配する。相を分け、水相をDCM(2×20mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮する。粗残渣をカラムクロマトグラフィーで溶出剤としてDCM/MeOH(100:0〜92:8の勾配)を用いて精製する。残渣をさらにカラムクロマトグラフィーで溶出剤としてDCM/MeOH(99:1〜95:5の勾配)を用いて精製する。残渣をDCMに溶かし、水で洗浄し、有機相を真空中で濃縮して表題化合物M-1(3.2g,59%)を黄色油として得る。
1-(2-メトキシ-エチル)-ピペラジンの代わりにそれぞれN-メチル-ピペラジン及びモルホリンを用いれば、類似手順で中間体M-2及びM-3(表3)が得られる。
表3
Figure 2018515526
2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(中間体N)の合成
Figure 2018515526
Pd/C(10%;508mg,0.48mmol)を2-(3-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(中間体K;5.0g,31.8mmol)のEtOH(50mL)中の脱気溶液に加えて混合物を水素雰囲気下rtで一晩撹拌する。Celite(登録商標)を通す濾過により触媒を除去し、EtOHとEtOAcで洗浄する。濾液を真空中で濃縮する。粗残渣をEtOAcとMeOHに溶かし、Celite(登録商標)を通して2回目の濾過をする。濾液を真空中で濃縮し、ヘプタンと共沸させて表題化合物N(3.66g,91%)を黄色油として得る。類似してアミノピラゾールO-1、O-2及びO-3が調製可能である。
表4
Figure 2018515526
N-[1-(2-ヒドロキシ-エチル)-1H-ピラゾール-3-イル]-グアニジン塩酸塩(中間体P)の合成
Figure 2018515526
ジオキサン中4MのHCl(7.2mL,29mmol)を2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール(中間体N;3.66g,29mmol)とシアナミド(1.33g,32mmol)の無水ジオキサン(20mL)中の溶液に加えて混合物を80℃で3時間加熱する。冷却後、混合物を真空中で濃縮し、ヘプタンと共沸させて表題化合物(7.38g,97%)を黄色油として得る。
グアニジンQ-3は類似して調製可能である。
より複雑な置換パターンを有するグアニジンは、イソチオ尿素を用いてC. E.Stephens, J. Med. Chem. 2001, 1741-1748及びH. Ube, J. Organomet. Chem. 2007, 545-に記載の方法によって到達可能である。
ビス-Cbz保護グアニジンU-1の合成
Figure 2018515526
HgCl2(2.36g,8.6mmol)を1,3-ビス(ベンジルオキシカルボニル)-2-メチル-2-チオプソイド尿素(3.0g,8.21mmol)、1-{2-[4-(2-メトキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-エチル}-1H-ピラゾール-3-イルアミンO-1(2.0g,7.82mmol)及びTEA(2.42mL,17.19mmol)の無水DMF(5mL)中の撹拌溶液に0℃で加えて混合物を0℃で2時間及びrtで一晩撹拌する。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄し、濾液を真空中で濃縮する。残渣を再びEtOAc(90mL)に溶かして水(2×10mL)で洗浄する。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮する。粗残渣をカラムクロマトグラフィーで溶出剤としてヘプタン/EtOAc(80:20〜20:80の勾配)後にDCM/MeOH(100:0〜95:5の勾配)を用いて精製して表題化合物U-1(3.57g,81%)を黄色油として得る(tRet.=1.79分,[M+H]+=564,HPLC方法A)。
N-(1-{2-[4-(2-メトキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-エチル}-1H-ピラゾール-3-イル)-グアニジンQ-1の合成
Figure 2018515526
木炭上のPd(OH)2(10%;300mg)を中間体U-1(3.57g,6.33mmol)のMeOH(20mL)中の溶液に加えて混合物を水素雰囲気下rtで48時間撹拌する。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、MeOHで洗浄し、真空中で濃縮して表題化合物Q-1(1.7g,91%)を淡黄色油として得る。
Q-2は、この2工程シーケンスで類似して調製可能である。
表5
Figure 2018515526
2-[3-((R)-5,8-ジメチル-9-フェニル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-h]キナゾリン-2-イルアミノ)-ピラゾール-1-イル]-エタノール(中間体R)の合成
Figure 2018515526
中間体(R)-F(3.58g,12.5mmol,1当量)をジオキサン(10mL)に溶かし、グアニジンP(2.12g,12.5mmol,1当量)を加える。モルホリン(7.1mL,81.3mmol,6.5当量)の添加後、反応混合物をマイクロ波内で120℃に加熱し、この反応温度で45分間撹拌する。反応混合物を水中に注ぎ、DCMで抽出する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で蒸発させる。シリカ上順相クロマトグラフィーでMeOH/DCMを用いて精製して1.7g(4.23mmol,34%)の中間体R(tret[分]=1.22,[M+H]+=362,HPLC方法C)を得る。
メタンスルホン酸2-[3-((R)-5,8-ジメチル-9-フェニル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-h]キナゾリン-2-イルアミノ)-ピラゾール-1-イル]-エチルエステル(中間体S)の合成
Figure 2018515526
中間体R(900mg,2.42mmol,1当量)をDCM(2mL)に懸濁させ、引き続きTEA(0.45g,4.48mmol,2当量)とメタンスルホニルクロリド(0.32g,2.0mmol,1.3当量)を加える。反応混合物をrtで40分間撹拌した後に炭酸水素ナトリウム飽和水溶液中に注ぐ。DCMで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で蒸発させて1.2gの粗メシル酸塩S(tret[分]=1.56,[M+H]+=480,HPLC方法D)を得る。
4-{2-[3-((R)-5,8-ジメチル-9-フェニル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-h]キナゾリン-2-イルアミノ)-ピラゾール-1-イル]-エチル}-ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(中間体T)の合成
Figure 2018515526
得られた粗メシル酸塩S(102mg,0.2mmol,1当量)をDMF(2mL)に溶かす。ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(59mg,0.3mmol,1.5当量)及びDIPEA(55mg,0.4mmol,2当量)を加える。反応混合物を80℃で4時間撹拌してからそのままシリカ上順相クロマトグラフィーでMeOH/DCMを用いてクロマトグラフ処理して66mg(0.12mmol,69%)のTを得る(tret[分]=1.31,[M+H]+=570,HPLC方法C)。
本発明の化合物(I)の合成
化合物I-1の合成
Figure 2018515526
中間体(R)-F(125mg,0.44mmol,1当量)をDMSO(0.75mL)に溶かしてモルホリン(192mg,2.20mmol,5当量)を加える。グアニジンQ-3(143mg,0.60mmol,1.4当量)の添加後、反応混合物をマイクロ波内で135℃に加熱し、この反応温度で30分間撹拌する。rtで水/EtOH(500μL;1:1)を添加して生成物を沈殿させる。沈殿物を水及びEtOHで洗浄し、乾燥させて105mg(0.22mmol,51%)のI-1を得る。
化合物I-2は、グアニジンQ-2を用いて類似様式で得ることができる。
化合物I-3の合成
Figure 2018515526
得られた粗メシル酸塩S(1.2g)をDMF(2mL)に溶かす。2-メチル-1-ピペラジン-1-イル-プロパン-2-オール(700mg,3.75mmol,1.5当量)及びDIPEA(647mg,5mmol,2当量)を加える。反応混合物を80℃で一晩撹拌してからそのままシリカ上順相クロマトグラフィーでMeOH/DCMを用いてクロマトグラフ処理して898mg(1.58mmol,63%)のI-3を得る。
化合物I-5、I-7、I-9、I-10及びI-11は、中間体S及び求核試薬としてそれぞれピペラジン又はピペラジオノン(piperazionone)誘導体(商業的に入手可能)から出発して類似様式で得ることができる。
化合物I-12の合成
Figure 2018515526
中間体T(898mg,1.58mmol,1当量)をDCM(10mL)に溶かしてTFA(3.59g,31.5mmol,20当量)を加える。混合物を一晩撹拌し、水中に注ぐ。1MのNaOHを添加してpHをわずかに塩基性に調整する。DCMで抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、引き続き真空中で蒸発させて750mg(1.58mmol,定量的)の粗製I-12を得る。
化合物I-6の合成
Figure 2018515526
化合物I-12(120mg,0.26mmol,1当量)をDMF(0.5mL)に溶かして炭酸カリウム(106mg,0.77mmol,3当量)を加える。ブロモ酢酸テトラヒドロ-フラン-3-イルエステル(108mg,0.52mmol,2当量)の添加後に反応をrtで4時間撹拌する。混合物を濾過し、RPクロマトグラフィー(塩基性緩衝液)により72mg(0.12mmol,47%)のI-6を得る。(ブロモ酢酸テトラヒドロ-フラン-3-イルエステルは、DCM中0℃で1時間ブロモアセチルクロリドを3-ヒドロキシテトラヒドロフランと反応させることによって容易に入手可能である。)
化合物I-4及びI-8は、I-12及びそれぞれのα-ブロモ酸エステルから出発して類似様式で得ることができる。
表6
Figure 2018515526

Figure 2018515526

Figure 2018515526
下記例は、これらの例に本発明を限定することなく、本発明の化合物の生物学的活性を記述する。
高血糖は、IGF-1R/IRの阻害に付随する固有の忍容性リスクである。これは、糖処理におけるIGF-1R/IRの重要な役割に起因する可能性が高い。発明者らは、IGF-1R/IR阻害薬の特有の薬物動態学的(PK)特性、例えば生体内半減期が、げっ歯類における高血糖誘発の持続期間に影響を与えることに気付いて驚いた。IGF-1R/IR阻害薬の迅速な生体内排除は血糖値の同時正常化を伴った。そのようなものとして、この高血糖の短い持続時間は、IGF-1R/IR阻害薬の忍容性の点で有益であると考えた。
驚くべきことに、発明者らは、本発明の化合物(I)が、これらの望ましいPK特性を実質的に有することを見出した。特に、5,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-h]キナゾリン骨格の2位に位置する置換基の変動によってPK特性の微調整を容易に達成できることが判明した。本明細書の定義どおりに置換された1H-ピラゾール-3-イル-アミノ基が特に適していることが判った。特に、1H-ピラゾール-3-イル-アミノ部分にエチルスペーサーを介して付着された可溶基による適切な修飾が有益なことが判明した。この末端の可溶基の塩基性及び親油性が、全体的なDMPK特性への顕著な効果を有することが分かった。ここで特に適度に塩基性及び親油性の6員ヘテロ脂肪族部分の選択が最終化合物(I)の望ましいPK特性をもたらす。
従来技術文書WO 2012/010704は、その化合物の薬物動態学的プロファイルについては完全に沈黙しているが、本発明の化合物(I)と、以前に定義されていない望ましい薬物動態学的プロファイルを共有する2位に同様の置換基を有する化合物、例えば化合物I-166、I-167及びI-175を開示している。しかしながら、これらの化合物は、あまり選択的でないという欠点に悩まされる。すなわち、それらは、典型的にヒトカイノーム(表8参照)から選択された32種の多様なキナーゼのキナーゼ選択性パネル(30種のキナーゼ+MAPK8及びMAPK9の標準パネル)に示されるように、IGF-1R/IR以外のキナーゼを大いに阻害する。
IGF-1Rの薬理学的阻害は、一部のヒトでは特有の忍容性の懸念を伴う。例えば、フィギツムマブ(Haluska et al, 2007; Haluska et al, 2010)及びガニツマブ(Tolcher et al, 2009)を含め、IGF-1Rの抗体阻害薬は、一部のヒトにおいて、限定するものではないが、高血糖、血小板減少、発熱、発疹、悪心、食欲不振、下痢、高尿酸血(hyperuracemia)及び疲労を含めた毒性を伴う。そのようなものとして、IGF-1Rキナーゼ機能の高度に特異的な阻害薬であり、忍容性責任を伴う非特異的キナーゼに作用しない小分子化合物を開発することが第2の目標であった。そうすることで、これらの化合物の忍容性リスクは、IGF-1R阻害のみに付随するものに限定されることになる。
驚くべきことに、5,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-h]キナゾリン骨格の中心環にキラルメチル基を導入することによって、より高い選択性(及びより高い細胞効力)を得ることができた。
WO 2012/010704に開示された構造的に関連する化合物、例えば化合物I-166、I-167及びI-175は、その増殖がIGF-1Rシグナル伝達と無関係なことが分かっている細胞株であるHCT 116結腸直腸癌細胞に対して相対的に高い細胞効力を示す(下記参照)。従って、HCT 116細胞への阻害活性は、非選択的阻害化合物の望ましくない非特異的効果に起因するに違いない。
特に、化合物I-166及び/又はI-167は、キナーゼFGFR1、MAPK8(JNK1)、MAPK9(JNK2)、MAP2K1(MEK1)、STK6(オーロラA)、PAK4及びRAF1の高い阻害(1μMで>50%の阻害)を示す。これらのキナーゼの薬理学的阻害又は遺伝子欠失は、以下に概説するように特有のリスク又は忍容性の懸念を伴う。本発明の化合物(I)は、これらのキナーゼの低い阻害を示す。それだけでこれは、可能性のある忍容性及び安全性リスクに関してこれらの新規化合物のプロファイルの改善を実証する。
FGFRファミリーのタンパク質(FGFR1/2/3)の小分子キナーゼ阻害薬、例えばドビチニブ(Dovitinib)(TKI258)(Andre et al, 2013; Angevin et al, 2013)及びニンテダニブ(Nintedanib)(BIBF 1120)(Droz et al, 2014; Richeldi et al, 2014)は、一部のヒトにおいて、限定するものではないが、胃腸、皮膚及び皮下組織障害、無力症、肝機能試験の異常及び下痢を含めた忍容性の懸念を示す。本発明の化合物にとって、FGFRファミリーのタンパク質に反して選択的であることが重要と考えた。
マウスにおけるキナーゼMAPK8(JNK1)のノックアウトは、腸内での腫瘍の自然発症につながる(Tong et al, 2007)。二次研究では、野生型の同腹仔に比べて12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセタート(TPA)治療に関して皮膚腫瘍発症率上昇を示すことが指摘された(She et al, 2002)。密接に関連するタンパク質MAPK9(JNK2)のノックアウトは、ポリオーマミドルT抗原導入遺伝子発現マウスにおける乳房腫瘍の早期発症をもたらした(Chen et al, 2010)。合わせると、これらのデータは、MAPK8及びMAPK9が腫瘍サプレッサー機能を発揮し、それらの活性妨害が潜在的に腫瘍発生リスクをもたらす可能性を高める。そのようなものとして本出願で生成する化合物は、MAPK8及びMAPK9に反する選択性を示すことが重要と考えた。
化合物トラメチニブ(Trametinib)(GSK1120212)又はセルメチニブ(Selumetinib)(AZD6244)によるタンパク質MAP2K1(MEK1)の薬理学的阻害は、一部のヒトに、限定するものではないが、皮膚科学的及び胃腸の毒性及び疲労を含めた忍容性の懸念をもたらした(Farley et al, 2013; Kim et al, 2013)。本出願で生成する化合物にとって、MAP2K1に反して選択的であることが重要と考えた。
実験データにより、二次心臓領域におけるキナーゼPAK4の条件的ノックアウトが様々な心臓の異常をもたらすことが分かった(Nekrasova et al, 2012)。このデータは、PAK4の阻害が潜在的に心臓毒性を伴い得る可能性を高める。本出願で生成する化合物はPAK4に反する選択性を示すことが重要と考えた。
化合物ベムラフェニブ(Vemurafenib)(PLX4032)(McArthur et al, 2014)又はダブラフェニブ(Dabrafenib)(GSK2118436)(Ascierto et al, 2013; Falchook et al, 2012)によるRAFファミリーのキナーゼ(A-Raf、B-Raf、C-Raf[Raf-1])の薬理学的阻害は、一部のヒトに、限定するものではないが、関節痛、発熱、疲労、頭痛、脱毛症、ケラトアカントーマ、悪心、発疹及び扁平上皮癌の発症を含めた忍容性の懸念をもたらした。本出願で生成する化合物にとって、RAFファミリーに反して選択的であることが重要と考えた。
化合物バラサチブ(Barasertib)(AZD1152)(Kantarjian et al, 2013)、アリセルチブ(Alisertib)(MLN8237)(Falchook et al, 2014)又はAT9283(Foran et al, 2014)によるオーロラファミリーのキナーゼ(オーロラA[STK6]、オーロラB、オーロラC)の薬理学的阻害は、一部のヒトに、限定するものではないが、口内炎及び発熱性好中球減少症を含めた忍容性の懸念をもたらした。本出願で生成する化合物にとって、オーロラファミリーに反して選択的であることが重要と考えた。
全体的に、本発明の化合物(I)は、一般的に、WO 2012/010704の構造的に最も近い化合物に関して改善された選択性プロファイルを示す(表8参照)。すなわち、著しく阻害されるキナーゼ(1μMで阻害%>50%)は少なく及び/又は個々のキナーゼの阻害%は、化合物(I)について低いことが非常に多い。
インスリン様成長因子-1受容体(IGF-1R)キナーゼアッセイ
DELFIA(登録商標)アッセイ(解離増強型ランタニド蛍光イムノアッセイ、Perkin Elmer)によってキナーゼ活性を測定する。High Five(商標) Cells(Invitrogen)においてグルタチオン-S-トランスフェラーゼタグ(IGF-1R-GST)との融合タンパク質としてヒトIGF-1Rの細胞質キナーゼドメイン(アミノ酸964〜1370)を発現させる。物質及びコントロール物質の存在下で酵素活性を測定する。ポリグルタミン酸-チロシンペプチド(pEY, Sigma Aldrich)及びビオチン化pEY(ビオ-pEY)を反応基質として使用する。
25%DMSO中10μLの物質を96ウェルプレート内で30μLのIGF-1R-GST溶液(67mM HEPES pH7.4、15μg/mLのpEY、1.7μg/mLのビオ-pEY、13.3mM MgCl2、3.3mMジチオスレイトール、0.0033%Brij 35、2ngのIGF-1R-GST)と混合する。反応は、10μLの750μMのATP溶液で始める。RTで40分後に反応を50μLの停止溶液(250mM EDTA、20mM HEPES pH7.4)で停止させる。各反応から90μLをストレプトアビジン被覆96ウェルプレート上に移す。RTでの120分のインキュベーション後にプレートを1ウェル当たり200μLのリン酸緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄する。1ウェル当たり100μLの、ホスホチロシンに対するユーロピウム結合抗体(Perkin Elmer DELFIAアッセイ緩衝液で1/2000に希釈)と共にプレートを60分間インキュベートする。プレートを1ウェル当たり200μLのDELFIA洗浄緩衝液(Perkin Elmer)で3回洗浄する。100μLのDELFIA増強溶液(Perkin Elmer)を各ウェルに加え、プレートを10分間インキュベートする。蛍光シグナルをWallac Victor TRFリーダーで測定する。IGF-1Rキナーゼ活性の阻害についてのIC50値を、プログラムGraphPad(バージョン3.0)を用いて計算する。
表7は、上記アッセイを用いて決定した実施例化合物及び従来技術化合物のIC50値を示す。
細胞IGF-1Rリン酸化アッセイ
活性化細胞におけるIGF-1Rのリン酸化に対する物質の活性を以下のように測定する:マウス線維芽細胞(ヒトIGF-1Rをトランスフェクト、Fibro-hIGF-1R)を標準培地(DMEM、10%ウシ胎仔血清(FCS, Gibco)、1xMEM可欠アミノ酸(NEAA, Gibco)、7.5%炭酸水素ナトリウム(Gibco)及び0.3mg/mLのピューロマイシン(Puromycin)(Sigma))中、37℃で5%CO2/95%空気を含む湿潤インキュベーター内で培養する。
1ウェル当たり200μLの標準培地に10000個のFibro-hIGF-1R細胞を96ウェルプレートに播種して一晩培養する。次の日、培地を吸引濾過し、細胞を90μLの血清低減培地(DMEM、0.5%FCS、1xMEM NEAA、7.5%炭酸水素ナトリウム)中でさらに24時間培養する。10μLの物質溶液(血清低減培地で希釈)をそれに加え、インキュベーター内で細胞をさらに120分間インキュベートする。IGF-1(血清低減培地中20ng/mL)を添加してIGF-1Rのリン酸化を30分間活性化する。全てのさらなるインキュベーションはRTで行なう。ウェルから上清を吸引濾過し、1ウェル当たり100μLの4%パラホルムアルデヒド(PBSで希釈)に細胞を固定する。ウェル中の上清を吸引濾過し、細胞を1ウェル当たり300μLの0.1%トリトンX-100(PBSで希釈)内で5分間透過処理する。上清をもう一度吸引濾過し、クエンチング緩衝液(0.1%トリトンX-100及び1.2%過酸化水素を含むPBS)中で20分間インキュベートして、細胞の内在性ペルオキシダーゼを阻害する。細胞を1ウェル当たり300μLの、0.1%トリトンX-100を含むPBS内で5分間洗浄してから1ウェル当たり100μLの遮断緩衝液(0.1%トリトンX-100及び5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBS)と共に60分間インキュベートする。遮断緩衝液を50μLの一次抗体緩衝液(遮断緩衝液で1/1000希釈の抗ホスホ-IGF-1受容体β(Tyr1135/1136)/インスリン受容体β(Tyr1150/1151)(19H7)ウサギモノクロナール抗体(Cell Signaling Technologyから)と交換し、プレートを4℃で一晩インキュベートする。次の日、プレートを5分間300μLのPBS/0.1%トリトンX-100でRTにて洗浄してから1ウェル当たり50μLの二次抗体緩衝液(遮断緩衝液で1/500希釈したヤギ抗ウサギ免疫グロブリン-西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(Dako))と共に60分間RTでインキュベートする。プレートをRTでまず最初に300μLのPBS/0.1%トリトンX-100で5分間洗浄してからさらに5分間300μLのPBSで洗浄する。プレートを10分間1ウェル当たり100μLのペルオキシダーゼ溶液(TMBペルオキシダーゼ基質とペルオキシダーゼ溶液Bの1:1混合物(Kirkegaard & Perry Laboratories, Inc.))と共に発育させる。反応を1ウェル当たり100μLの停止溶液(1Mリン酸)で停止させる。各ウェルの吸光度をSpectraMax吸光度リーダーで450nmにて測定する。プログラムFifty(バージョン2)及びGraphPad(バージョン3.0)を用いて、活性化細胞内でIGF-1Rのリン酸化を阻害するためのEC50値を計算する。
細胞増殖アッセイ
TC-71(ユーイング肉腫)及びHCT 116(結腸直腸癌)癌細胞株における生体外での化合物の抗増殖効果について試験した。公表された科学データにより、IGF-1Rシグナル伝達経路妨害がTC-71細胞の増殖を低減させることが記述された(Manara et al, 2007)。従ってTC-71細胞は、IGF-1R媒介細胞増殖に対する化合物活性のモニタリング用ポジティブコントロール細胞株として役立った。対照的に、公表されたデータにより、HCT 116細胞の増殖はIGF-1Rシグナル伝達と無関係であることが実証された(Pitts et al, 2010)。従ってHCT 116細胞株はネガティブコントロールとして役立った。
1ウェル当たり180μLのIMDM+10%ウシ胎仔血清(FCS)+ペニシリン/ストレプトマイシン中2000個のTC-71細胞又は1000個のHCT 116細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに播種した。プレートを細胞培養インキュベーター(95%O2/5%CO2の加湿雰囲気内37℃)に一晩入れた。次の日、化合物の二重に調製した段階希釈物を細胞層(化合物なしのコントロール)上に移した。細胞培養インキュベーター内でさらに72時間細胞を培養した。20μLのアラマーブルー(Alamar Blue(商標))(Serotec Ltd, Dusseldorf, Germany)を各ウェルに加えて細胞培養インキュベーター内で7時間インキュベートした。次に蛍光(吸光波長544nm、発光波長590nm)を測定し、シグモイド曲線解析プログラム(Graph Pad Prism)で可変ヒル(Hill)勾配を用いて反復計算により正規化データをフィットさせてEC50値を決定した。
表7は、上記アッセイを用いて決定した実施例化合物及び従来技術化合物のEC50値を示す(TC-71及びHCT 116)。
表7
Figure 2018515526
TC-71に加えて、ABC-1(非小細胞肺癌)、LS1034(結腸癌)、NCI-H295R(副腎癌)、BE(2)-C(神経芽細胞腫)、HEP 3B2.1-7(肝癌)及びRH-41(横紋筋肉腫)を含め、様々な組織由来のいくつかの他の癌細胞株は、IGF-1R/IR阻害に感受性があることが分かった。
参考文献一覧
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キナーゼ選択性アッセイ
本発明の化合物(I)のキナーゼ選択性を既知の従来技術化合物と比較するため、商用に提供されているSelectScreen Kinase(登録商標) Profiling Service(Z´-LYTE(登録商標))(Life Technologies GmbH, Darmstadt, Germany)を用いて、代表として選択したいくつかの異なるヒトキナーゼを阻害する化合物の能力を調査した。このサービスに関するさらなる詳細については、Life Technologiesのウェブサイト
http://www.lifetechnologies.com/de/en/home/products-and-services/services/custom-services/screening-and-profiling-services/selectscreen-profiling-service/selectscreen-kinase-profiling-service.htmlで入手可能であり、
以下にも与える(「Z´-LYTE(登録商標) Screening Protocol and Assay Conditions」)。
全てのキナーゼも、便利なプラットフォーム対応アッセイ形式でそれぞれのZ´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキットと共にLife Technologies(下記注文番号参照)又は他の供給業者から市販されており、製造業者が推奨する手順に従ってアッセイを行なうことができる。
アッセイ理論:
Z´-LYTE(登録商標)生化学アッセイは、蛍光に基づく共役酵素形式であり、タンパク質分解切断へのリン酸化及び非リン酸化ペプチドの差次的感受性に基づいている。FRET対を構成する2つのフルオロフォア、すなわち各末端に1つのフルオロフォアでペプチド基質を標識する。
一次反応では、キナーゼが、ATPのγ-リン酸を合成FRETペプチド中の単一のチロシン、セリン又はスレオニン残基に転移させる。二次反応では、部位特異性プロテアーゼが非リン酸化FRETペプチドを認識して切断する。FRETペプチドのリン酸化は、顕色(Development)試薬による切断を抑制する。切断は、FRETペプチド上のドナー(すなわち、クマリン)フルオロフォアとアクセプター(すなわち、フルオレセイン)フルオロフォアとの間のFRETを破壊するが、一方で切断されないリン酸化FRETペプチドはFRETを維持する。400nmにおけるドナーフルオロフォアの励起後のドナー発光対アクセプター発光の比(発光比)を計算する比率計測法を用いて、下記式に示すように、反応の進行を定量化する。
Figure 2018515526
反応の進行を定量化するためのこの比率計測法の顕著な利益は、FRETペプチド濃度及びシグナル強度のウェル毎の変動の排除である。結果として、本アッセイは、低リン酸化パーセントで非常に高いZ´-ファクター値(>0.7)をもたらす。
切断及び非切断の両FRETペプチドは、蛍光シグナル、ひいては発光比に寄与する。FRETペプチドのリン酸化の程度は、発光比から計算可能である。発光比は、FRETペプチドがリン酸化されれば低いままであり(すなわち、キナーゼ阻害なし)、FRETペプチドがリン酸化されなければ高いことになる(すなわち、キナーゼ阻害)。
Z´-LYTE(登録商標)アッセイ条件:
試験化合物
試験化合物を1μMでスクリーニングする。
ペプチド/キナーゼ混合物
全てのペプチド/キナーゼ混合物は、適切なキナーゼ緩衝液で2×作業濃度に希釈する(完全記述については下記キナーゼ特異性アッセイ条件参照)。
ATP溶液
全てのATP溶液は、キナーゼ緩衝液(50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA)で4×作業濃度に希釈する。
Z´-LYTE(登録商標)アッセイを用いて見掛けのATP Kmを予め決定する。
顕色試薬溶液
顕色試薬は顕色緩衝液で希釈する(完全記述については下記キナーゼ特異性アッセイ条件参照)。
10×新規PKC脂質ミックス:20mMのHEPES、pH7.4、0.3%CHAPS中2mg/mLのホスファチジルセリン、0.2mg/mLのDAG
5mLの10×新規PKC脂質ミックスのために、
1. 10mgのホスファチジルセリン(Avanti Polar Lipids Part# 8400032C又は840039C)及び1mgのDAG(Avanti Polar Lipids Part# 800811C)をガラス管に添加する。
2. 窒素流下で蒸発させて清澄薄膜とすることによって脂質混合物からクロロホルムを除去する。脂質溶液の最大表面積を確保する角度での管の連続回転が膜を最も薄くする。
3. 5mLの再懸濁緩衝液、20mM HEPES、0.3%CHAPS、pH7.4を乾燥脂質ミックスに加える。
4. 1〜2分間50〜60℃に穏やかに加熱し、脂質が溶解して清澄又はわずかに濁った溶液になるまで短間隔でボルテックスする。脂質は、典型的に2〜3回の加熱/ボルテックスサイクル後に溶解する。
5.室温に冷まし、単回使用量に等分して-20℃で貯蔵する。
アッセイプロトコル
バーコード付Corning、低容量NBS、黒色384ウェルプレート(Corning Cat. #4514)
1. 2.5μLの4×試験化合物又は100nLの100×プラス2.4μLのキナーゼ緩衝液
2. 5μLの2×ペプチド/キナーゼ混合物
3. 2.5μLの4×ATP溶液
4. 30秒のプレート振盪
5. 室温で60分のキナーゼ反応インキュベーション
6. 5μLの顕色試薬溶液
7. 30秒のプレート振盪
8. 室温で60分の顕色反応インキュベーション
9. 蛍光プレートリーダーを解読してデータを解析する。
Z´-LYTE(登録商標)アッセイコントロール:
それぞれ個々のキナーゼについて下記コントロールを作製し、キナーゼと同じプレート上に置く:
0%リン酸化コントロール(100%阻害コントロール)
ATPを含有せず、ひいてはキナーゼ活性を示さない0%リン酸化コントロール(100%阻害コントロール)により最大発光比を定める。このコントロールは、顕色反応において100%の切断ペプチドをもたらす。
100%リン酸化コントロール
ペプチド基質と同じシーケンスの合成的にリン酸化したペプチドから成る100%リン酸化コントローをデザインして、リン酸化パーセントの計算を可能にする。このコントロールは、顕色反応において非常に低い百分率の切断ペプチドをもたらす。
0%リン酸化及び100%リン酸化コントロールにより、特異的反応ウェル内で達成されたリン酸化パーセントを計算することができる。コントロールウェルは、いずれのキナーゼ阻害薬をも含まない。
0%阻害コントロール
活性キナーゼを含有する0%阻害コントロールによって、スクリーンにおける最小発光比を定める。このコントロールを、キナーゼ反応において10〜50%*のリン酸化ペプチドをもたらすようにデザインする。
* カスケードアッセイは、70%までのリン酸化ペプチドを生成し得る。
既知阻害薬
既知阻害薬コントロールの標準曲線、10ポイント滴定を、それぞれ個々のキナーゼについてキナーゼと同じプレート上で行なって、予め決定した予測IC50範囲内でキナーゼが確実に阻害されるようにする。
アッセイする試験化合物の各濃度について下記コントロールを調製する。
顕色反応干渉
0%リン酸化コントロール(試験化合物を含有しない)に対してATPを含有しない試験化合物コントロールウェルを比較することによって顕色反応干渉を確立する。非干渉化合物についての予測値は100%のはずである。90%〜110%の外側の任意の値にフラグを立てる。
試験化合物蛍光干渉
0%阻害コントロールに対してキナーゼ/ペプチド混合物(ゼロペプチドコントロール)を含有しない試験化合物コントロールウェルを比較することによって、試験化合物蛍光干渉を決定する。非蛍光化合物についての予測値は0%のはずである。>20%の任意の値にフラグを立てる。
Z´-LYTE(登録商標)データ解析:
各セットのデータポイントについて下記式を使用する。
Figure 2018515526
Figure 2018515526
C100%=100%リン酸化コントロールの平均クマリン発光シグナル
C0%=0%リン酸化コントロールの平均クマリン発光シグナル
F100%=100%リン酸化コントロールの平均フルオレセイン発光シグナル
F0%=0%リン酸化コントロールの平均フルオレセイン発光シグナル
キナーゼ特異的アッセイ条件:
ABL1
2×ABL1(# P3049)/Tyr 02(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−チロシン2ペプチド, #PV3191)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.29〜2.52ngのABL1及び2μMのTyr 02から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:128希釈物5μLを加える。
ACVR1B(ALK4)
2×ACVR1B(ALK4)(# PV4312)/Ser/Thr 16(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 16ペプチド、# PV 3802)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MnCl2、1mM EGTA、2mM DTT、0.02%NaN3中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、5mM MgCl2、5mM MnCl2、1mM EGTA、1mM DTT、0.01%NaN3中9.15〜60ngのACVR1B(ALK4)及び2μMのSer/Thr 16から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Bの1:16希釈物5μLを加える。
AKT2(PKBβ)
2×AKT2(PKBβ)(# PV3975)/Ser/Thr 06(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 6ペプチド、# PV 3179)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.78〜40ngのAKT2(PKBβ)及び2μMのSer/Thr 06から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:4096希釈物5μLを加える。
AMPK A1/B1/G1
2×AMPK A1/B1/G1(# PV 4672)/Ser/Thr 23(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 23ペプチド、# PV 4644)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.43〜2.86ngのAMPK A1/B1/G1及び2μMのSer/Thr 23から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:4096希釈物5μLを加える。
CAMK1D(CaMKIδ)
2×CAMK1D(CaMKIδ)(# PV 3663)/Ser/Thr 25(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 25ペプチド、# PV 5116)混合物を50mM HEPES pH6.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、4mM CaCl2、800U/mLのカルモジュリン(Calmodulin)、0.02% NaN3中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.0、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、2mM CaCl2、400U/mLのカルモジュリン、0.01%NaN3中15.9〜133ngのCAMK1D(CaMKIδ)及び2μMのSer/Thr 25から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:4096希釈物5μLを加える。
CAMK2D(CaMKIIδ)
2×CAMK2D(CaMKIIδ)(# PV 3373)/Ser/Thr 04(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 4ペプチド、# PV 3177)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、4mM CaCl2、800U/mLのカルモジュリン、0.02%NaN3中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、2mM CaCl2、400U/mLのカルモジュリン、0.01%NaN3中0.08〜0.74ngのCAMK2D(CaMKIIδ)及び2μMのSer/Thr 04から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
CDK2/サイクリンA
2×CDK2/サイクリンA(# PV 3267)/Ser/Thr 12(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 12ペプチド、# PV 3673)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中1.22〜10.3ngのCDK2/サイクリンA及び2μMのSer/Thr 12から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:4096希釈物5μLを加える。
CHEK1(CHK1)
2×CHEK1(CHK1)(# P 3040)/Ser/Thr 19(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 19ペプチド、# PV 4529)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35, 10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中2.04〜35ngのCHEK1(CHK1)及び2μMのSer/Thr 19から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:256希釈物5μLを加える。
CSNK1A1(CK1α1)
2×CSNK1A1(CK1α1)(# PV 3850)/Ser/Thr 11(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 11ペプチド、# PV 3670)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、2mM DTT中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、1mM DTT中2.6〜13.5ngのCSNK1A1(CK1α1)及び2μMのSer/Thr 11から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Bの1:16希釈物5μLを加える。
CSNK2A1(CK2α1)
2×CSNK2A1(CK2α1)(# PV 3248)/Ser/Thr 11(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 11ペプチド、# PV 3670)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.68〜25.7ngのCSNK2A1(CK2α1)及び2μMのSer/Thr 11から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Bの1:16希釈物5μLを加える。
EGFR(ErbB1)
2×EGFR(ErbB1)(# PV 3872)/Tyr 04(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−チロシン4ペプチド、# PV 3193)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、4mM MnCl2、1mM EGTA、2mM DTT中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、2mM MnCl2、1mM EGTA、1mM DTT中1.1〜8ngのEGFR(ErbB1)及び2μMのTyr 04から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Bの1:64希釈物5μLを加える。
EPHB2
2×EPHB2(# PV 3625)/Tyr 02(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−チロシン2ペプチド、#PV 3191)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.55〜36ngのEPHB2及び2μMのTyr 02から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:128希釈物5μLを加える。
FGFR1
2×FGFR1(# PV 3146)/Tyr 04(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−チロシン4ペプチド、#PV 3193)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、4mM MnCl2、1mM EGTA、2mM DTT中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、2mM MnCl2、1mM EGTA、1mM DTT中0.44〜2.45ngのFGFR1及び2μMのTyr 04から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Bの1:64希釈物5μLを加える。
FRAP1(mTOR)
2×FRAP1(mTOR)(# PR8683B)/Ser/Thr 11(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 11ペプチド、# PV 3670)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MnCl2、1mM EGTA、2mM DTT、0.02%NaN3中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、5mM MgCl2、5mM MnCl2、1mM EGTA、1mM DTT、0.01% NaN3中11.1〜56ngのFRAP1(mTOR)及び2μMのSer/Thr 11から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Bの1:16希釈物5μLを加える。
GSK3B(GSK3β)
2×GSK3B(GSK3β)(# PV 3365)/Ser/Thr 09(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 9ペプチド、# PV 3324)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.17〜0.88ngのGSK3B(GSK3β)及び2μMのSer/Thr 09から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:512希釈物5μLを加える。
LCK
2×LCK(# P 3043)/Tyr 02(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−チロシン2ペプチド、#PV3191)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中2.46〜50ngのLCK及び2μMのTyr 02から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:128希釈物5μLを加える。
MAP2K1(MEK1)
2×MAP2K1(MEK1)(# PV 3303)/不活性MAPK1(ERK2)(# PV 3314)/Ser/Thr 03(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 3ペプチド、# PV 3176)混合物を 50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.11〜0.45ngのMAP2K1(MEK1)、105ngの不活性MAPK1(ERK2)、及び2μMのSer/Thr 03から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
MAP3K8(COT)
2×MAP3K8(COT)(# PV 4313)/不活性MAP2K1(MEK1)(# P 3093)/不活性MAPK1(ERK2)(# PV 3314)/Ser/Thr 03(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 3ペプチド、# PV 3176)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.55〜2.18ngのMAP3K8(COT)、1×不活性MAP2K1(MEK1)/不活性MAPK1(ERK2)、及び2μMのSer/Thr 03から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
MAPK8 (JNK1)
2×MAPK8(JNK1)(# PV 3593)/不活性MAPKAPK2(# PV 3316)/Ser/Thr 04(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 4ペプチド、# PV 3177)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、2mM DTT中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、1mM DTT中2〜8ngのMAPK8(JNK1)、12.5ngの不活性MAPKAPK2、及び2μMのSer/Thr 04から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
MAPK9(JNK2)
2×MAPK9(JNK2)(# PV 4018)/不活性MAPKAPK2(# PV 3316)/Ser/Thr 04(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 4ペプチド、# PV 3177)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、2mM DTT中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、1mM DTT中1.11〜4.44ngのMAPK9(JNK2)、12.5ngの不活性MAPKAPK2、及び2μMのSer/Thr 04から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
MAPK14(p38α)
2×MAPK14(p38α)(# PV 3304)/不活性MAPKAPK2(# PV 3316)/Ser/Thr 04(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 4ペプチド、# PV 3177)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.004〜0.02ngのMAPK14(p38α)、6.5ngの不活性MAPKAPK2、及び2μMのSer/Thr 04から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
MAPKAPK2
2×MAPKAPK2(# PV 3317)/Ser/Thr 04(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 4ペプチド、# PV 3177)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.04〜0.18ngのMAPKAPK2及び2μMのSer/Thr 04から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
MYLK2(skMLCK)
2×MYLK2(skMLCK)(# PV 3757)/Ser/Thr 13(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 13ペプチド、# PV 3793)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、4mM CaCl2、800U/mLのカルモジュリン、0.02%NaN3中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、2mM CaCl2、400U/mLのカルモジュリン、0.01%NaN3中6.71〜48.9ngのMYLK2(skMLCK)及び2μMのSer/Thr 13から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
NEK2
2×NEK2(# PV 3360)/Ser/Thr 07(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 7ペプチド、# PV 3180)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.5〜5.4ngのNEK2及び2μMのSer/Thr 07から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:65000希釈物5μLを加える。
PAK4
2×PAK4 (# PV 4212)/Ser/Thr 20(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 20ペプチド、# PV 4532)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.1〜0.75ngのPAK4及び2μMのSer/Thr 20から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:512希釈物5μLを加える。
PDK1ダイレクト
2×PDK1ダイレクト/Ser/Thr 07(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 7ペプチド、#PV3180)混合物を50mM Tris pH8.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、0.02%NaN3中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM Tris/HEPES pH8.0、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、0.01%NaN3中5.04〜29.4ngのPDK1ダイレクト及び2μMのSer/Thr 07から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:65000希釈物5μLを加える。
PRKACA(PKA)
2×PRKACA(PKA)(# P 2912)/Ser/Thr 01(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 1ペプチド、# PV 3174)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.03〜0.15ngのPRKACA(PKA)及び2μMのSer/Thr 01から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:4096希釈物5μLを加える。
RAF1(cRAF) Y340D Y341D
2×RAF1(cRAF) Y340D Y341D(# PV 4046)/不活性MAP2K1(MEK1)(# P 3093)/不活性MAPK1(ERK2)(# PV 3314)/Ser/Thr 03(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 3ペプチド、# PV 3176)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.003〜0.01ngのRAF1(cRAF) Y340D Y341D、1×不活性MAP2K1(MEK1)/不活性MAPK1(ERK2)、及び2μMのSer/Thr 03から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
ROCK2
2×ROCK2(# PV 3759)/Ser/Thr 13(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 13ペプチド、# PV 3793)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.62〜4.13ngのROCK2及び2μMのSer/Thr 13から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:1024希釈物5μLを加える。
SRPK2
2×SRPK2(# PV 3829)/Ser/Thr 07(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 7ペプチド、# PV 3180)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中3.76〜52ngのSRPK2及び2μMのSer/Thr 07から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:65000希釈物5μLを加える。
STK3(MST2)
2×STK3(MST2)(# PV 4805)/Ser/Thr 07(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 7ペプチド、# PV 3180)混合物を50mM HEPES pH6.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、0.02%NaN3中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.0、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、0.01%NaN3中6.25〜38.7ngのSTK3(MST2)及び2μMのSer/Thr 07から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:65000希釈物5μLを加える。
STK6(AURKA(オーロラA))
2×AURKA(オーロラA)(# PV 3612)/Ser/Thr 01 (Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 1ペプチド、# PV 3174)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.91〜12.2ngのAURKA(オーロラA)及び2μMのSer/Thr 01から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Aの1:4096希釈物5μLを加える。
TBK1
2×TBK1(# PV 3504)/Ser/Thr 05(Z´-LYTE(登録商標)キナーゼアッセイキット−Ser/Thr 5ペプチド、#PV 3178)混合物を50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する。最終10μLのキナーゼ反応は、50mM HEPES pH7.5、0.01%BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中0.7〜9.72ngのTBK1及び2μMのSer/Thr 05から成る。1時間のキナーゼ反応インキュベーション後、顕色試薬Bの1:64希釈物5μLを加える。
表8は、前述のプロファイリングサービスを用いて決定した実施例化合物及び従来技術化合物の阻害%値を示す。
表8
Figure 2018515526
Figure 2018515526
Figure 2018515526
要約すれば、本発明の化合物(I)は、下記プロファイルを有する:
・IGF-1R(<10nM)への高い阻害活性;
・TC71(<10nM)について例示する、増殖がIGF-1Rシグナル伝達に依存する癌細胞への高い効力;
・長期の高血糖から生じる合併症のリスク軽減という目的に合った薬物動態学的特性;
・IGF-1Rに対する高い選択性。
構造的に類似する従来技術化合物は、この有益な特性を化合物(I)と共有しないことが分かった。
本発明の式(I)の化合物、それらの互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、その混合物及び全ての上記形態の塩は、それらの生物学的特性に基づいて、過剰又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に適している。
該疾患としては、例えば、ウイルス感染症(例えばHIV及びカポジ肉腫);炎症性及び自己免疫性疾患(例えば、大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、糸球体腎炎及び創傷治癒);細菌、真菌及び/又は寄生虫感染症;白血病、リンパ腫及び固形腫瘍(例えば癌腫及び肉腫)、皮膚疾患(例えば乾癬);細胞(例えば、線維芽細胞、肝細胞、骨及び骨髄細胞、軟骨又は平滑筋細胞又は上皮細胞)の数の増加を特徴とする過形成に基づく疾患(例えば子宮内膜増殖症);骨疾患及び心血管疾患(例えば再狭窄及び肥大)が挙げられる。それらは、放射線、UV治療及び/又は細胞分裂停止治療に起因するDNA損傷から増殖性細胞(例えば毛、腸管、血液及び前駆細胞)を保護するのにも適している。
例えば、限定するものではないが、下記癌/増殖性疾患を本発明の化合物で治療することができる:
脳腫瘍、例えば聴神経鞘腫、星状細胞腫、例えば毛様細胞性星状細胞腫、線維性星状細胞腫、原形質星状細胞腫、肥胖細胞性(gemistocytary)星状細胞腫、未分化星状細胞腫及び神経膠芽腫等、脳リンパ腫、脳転移、下垂体性腫瘍、例えばプロラクチノーマ、HGH(ヒト成長ホルモン)産生性腫瘍及びACTH産生性腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)等、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫(meningeoma)及び乏突起神経膠腫;神経腫瘍(新生物)、例えば植物性神経系の腫瘍、例えば交感神経系神経芽細胞腫(neuroblastoma sympathicum)、神経節腫、傍神経節腫(褐色細胞腫、クロム親和性細胞腫)及び頸動脈小体腫瘍、末梢神経系に関する腫瘍、例えば断端神経腫、神経線維腫、神経線維腫症(神経鞘腫、シュワン細胞腫)及び悪性シュワン細胞腫、並びに中枢神経系の腫瘍、例えば脳腫瘍又は骨髄腫瘍;腸癌、例えば、直腸癌、結腸癌、結腸直腸癌、肛門癌、大腸癌、小腸及び十二指腸の腫瘍;眼瞼腫瘍、例えば基底細胞腫又は基底細胞癌;膵臓癌又は膵臓の癌腫;膀胱癌又は膀胱の癌腫及び他の尿路上皮癌;肺癌(気管支癌)、例えば小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び非小細胞気管支癌(NSCLC)、例えば板状上皮細胞癌、腺癌及び大細胞気管支癌;乳癌、例えば浸潤性乳管癌等の乳癌、粘液癌(colloid carcinoma)、浸潤性小葉癌、管状癌、腺様嚢胞癌及び乳頭状癌、ホルモン受容体陽性乳癌(エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌)、Her2陽性乳癌、三種陰性乳癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えばバーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉症(mucosis fungoides)等;子宮癌又は子宮内膜癌又は子宮体癌;CUP症候群(原発不明癌);卵巣癌又は卵巣癌腫、例えば粘液性癌、子宮内膜癌又は漿液性癌;胆嚢癌;胆管癌、例えばクラッツキン腫瘍等;精巣癌、例えばセミノーマ及びノンセミノーマ等;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば悪性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば慢性リンパ性白血病、白血病性細網内症、免疫細胞腫、形質細胞腫(多発性骨髄腫)、免疫芽球腫、バーキットリンパ腫、Tゾーン菌状息肉症、大細胞未分化リンパ芽球腫及びリンパ芽球腫;喉頭癌、例えば声帯、声門上部, 声門及び声門下部の腫瘍、喉頭腫瘍等;骨癌、例えば骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、巨細胞腫瘍、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、反芻胃肉腫、軟部組織肉腫、脂肪肉腫、形質細胞腫、線維性骨異形成症、若年性骨嚢腫及び動脈瘤骨嚢腫;頭頸部腫瘍、例えば口唇、舌、口腔底、口腔、歯肉、口蓋、唾液腺、咽喉、鼻腔、副鼻腔、喉頭及び中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば、肝臓細胞癌又は肝細胞癌(HCC);白血病、例えば急性白血病、例えば急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌(stomach cancer又はgastric carcinoma)、例えば乳頭状、管状及び粘液性腺癌等、印環細胞癌、腺扁平上皮癌、小細胞癌及び未分化癌;黒色腫、例えば表在拡大型、結節性、悪性黒子及び末端黒子型黒色腫;腎臓癌、例えば腎細胞癌又は副腎腫又はグラヴィッツ腫瘍;食道癌又は食道の癌腫;陰茎癌;前立腺癌(例えば去勢抵抗性前立腺癌);咽喉癌又は咽頭の癌腫、例えば上咽頭癌、中咽頭癌及び下咽頭癌;網膜芽細胞腫、腟癌又は腟癌腫;板状上皮癌、腺癌、上皮内癌、悪性黒色腫及び肉腫;甲状腺癌、例えば乳頭状、濾胞性及び髄様甲状腺癌、並びに未分化癌;棘細胞腫、類表皮癌及び皮膚の板状上皮癌;胸腺腫、尿道癌及び外陰癌。
新化合物は、上記疾患の予防、短期又は長期治療に使用可能であり、任意に放射線療法又は他の「最新技術」の化合物、例えば細胞分裂停止又は細胞傷害性物質、細胞増殖阻害薬、抗血管新生物質、ステロイド又は抗体等と併用してもよい。
式(I)の化合物はそれら単独又は本発明の他の活性物質と組み合わせて使用可能であり、任意に他の薬理学的に活性な物質と併用してもよい。
本発明の化合物と併用投与し得る治療薬としては、限定するものではないが、ホルモン、ホルモン類似体及び抗ホルモン薬、アロマターゼ阻害薬、LHRH作動薬及び拮抗薬、成長因子及び成長因子受容体の阻害薬(成長因子、例えば「血小板由来成長因子(PDGF)」、「線維芽細胞成長因子(FGF)」、「血管内皮成長因子(VEGF)」、「上皮成長因子(EGF)」、「インスリン様成長因子(IGF)」、「ヒト上皮成長因子(HER、例えばHER2、HER3、HER4)」及び「肝細胞成長因子(HGF)」;阻害薬は例えば「成長因子」抗体、「成長因子受容体」抗体及び受容体チロシンキナーゼ阻害薬である)、代謝拮抗薬(例えば葉酸代謝拮抗薬)、ピリミジン類似体、プリン及びアデノシン類似体、抗腫瘍抗体(例えばアントラサイクリン)、白金誘導体、アルキル化薬、ニトロソ尿素、有糸分裂阻害薬(例えばビンカアルカロイド)及びタキサン、チューブリン阻害薬;PARP阻害薬、トポイソメラーゼ阻害薬(例えばエピポドフィロトキシン)、セリン/スレオニンキナーゼ阻害薬(例えばPDK1阻害薬、B-Raf阻害薬、mTOR阻害薬、mTORC1阻害薬、PI3K阻害薬、二重mTOR/PI3K阻害薬、STK33阻害薬、AKT阻害薬、PLK1阻害薬、CDK阻害薬、オーロラキナーゼ阻害薬)、チロシンキナーゼ阻害薬(例えばPTK2/FAK阻害薬)、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬、タンパク質タンパク質相互作用阻害薬(例えばIAP、Mcl-1、MDM2/MDMX)、MEK阻害薬、ERK阻害薬、IGF-1R阻害薬、ErbB受容体阻害薬、ラパマイシン類似体、アンドロゲン合成阻害薬、アンドロゲン受容体阻害薬、免疫療法、放射性医薬品、免疫治療薬、結合型エストロゲン、OX44抗体、4-1BB抗体、PD-1抗体及び種々の化学療法薬及び細胞傷害性薬が挙げられる。
IGF-1R/IR阻害薬は、副作用として血糖値に影響を与える可能性がある(例えば高血糖、WO 2005/034868参照)。従って、本発明の一態様は、IGF-1R/IR阻害薬(I)を抗糖尿病薬と併用することである。
適切な製剤としては、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、座剤、ロレンジ剤、トローチ剤、液剤、特に注射(s.c., i.v., i.m.)及び注入用溶液(注射剤)、エリキシル剤、シロップ剤、サシェ剤、乳剤、吸入剤又は分散性粉末剤が挙げられる。医薬的に活性な化合物の含量は、全体として組成物の0.1〜90wt.%、好ましくは0.5〜50wt.%の範囲内、すなわち、下記規定用量範囲を達成するのに十分な量であるべきである。必要に応じて、規定用量を1日数回与えてよい。
適切な錠剤は、例えば、活性物質を既知賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース等の不活性な希釈剤、トウモロコシデンプン又はアルギン酸等の崩壊剤、デンプン又はゼラチン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の潤沢剤、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、又はポリ酢酸ビニル等の遅延放出用薬剤、担体、アジュバント、界面活性剤と混合することによって得られる。錠剤が数層を含んでもよい。
従ってコーティング錠剤は、錠剤に類似して作製したコアを、錠剤コーティングに一般的に用いられる物質、例えばコリドン又はシェラック、アラビアガム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することによって調製可能である。遅延放出を達成するか又は非適合性を防止するためにコアがいくつかの層から成ってもよい。同様に錠剤コーティングがいくつかの層から成って、おそらく錠剤について上述した賦形剤を用いて遅延放出を達成してもよい。
本発明の活性物質又はその組み合わせを含有するシロップ剤又はエリキシル剤がさらにサッカリン、シクラマート、グリセロール又は糖等の甘味料及び風味向上剤、例えばバニリン又はオレンジエキス等の香味料を含有してもよい。それらは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等の懸濁アジュバント又は増粘剤、又は例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物等の湿潤剤、又はp-ヒドロキシベンゾアート等の保存剤を含有してもよい。
注射及び注入用溶液は、通常の方法で、例えば、等張剤、p-ヒドロキシベンゾアート等の保存剤、又は安定剤、例えばエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩等を添加して、任意に乳化剤及び/又は分散剤を用いて調製し、さらに希釈剤として水を使用する場合、例えば、任意に溶媒和剤又は溶解助剤として有機溶媒を用いてもよく、注射バイアル又はアンプル又は注入ボトルに移す。
1種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含有するカプセル剤は、例えば活性物質を不活性な担体、例えばラクトース又はソルビトール等と混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることによって調製可能である。
適切な座剤は、例えばこの目的のために提供されている担体、例えば中性脂肪若しくはポリポエチレングリコール又はその誘導体と混合することによって作製可能である。
使用可能な賦形剤としては、例えば、水、医薬的に許容される有機溶媒、例えばパラフィン(例えば石油留分)、植物油(例えば落花生油又はゴマ油)、単官能性又は多官能性アルコール(例えばエタノール又はグリセロール)、担体、例えば天然鉱物粉末(例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば高分散性ケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えばショ糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えばリグニン、亜硫酸廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び潤沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
製剤は、通常の方法で、好ましくは経口又は経皮経路で、最も好ましくは経口経路で投与する。経口投与では、当然に錠剤は上記担体、添加剤、例えばクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムとは別に、例えばデンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチン等の種々の添加剤を一緒に含有してよい。さらに、錠剤化プロセスのため同時にステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルク等の潤沢剤を使用してよい。水性懸濁液の場合、上記賦形剤に加えて、活性物質を種々の風味向上剤又は着色料と併用してよい。
非経口使用では、活性物質と適切な液体担体の溶液を使用してよい。
1日に利用可能な式(I)の化合物の用量範囲は、通常1mg〜2000mg、好ましくは50〜1000mg、さらに好ましくは100〜500mgである。
腹腔内使用の用量は、1時間当たり1mg〜1000mg、好ましくは1時間当たり5mg〜500mgである。
しかしながら、体重、投与経路、薬物に対する個体の反応、その製剤の性質及び薬物を投与する時間又は間隔によっては、規定量からの逸脱が必要なこともある。従って、場合によっては、上記最小用量未満の使用で十分なことがある一方で、他の場合には上限を超えなければならないこともある。大量を投与するときには、それらを1日にわたって分散したいくつかのより少ない用量に分割するのが賢明なことがある。
以下の製剤例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例証する。
医薬製剤の例
A)錠剤 1錠当たり
式(I)の活性物質 100mg
ラクトース 140mg
トウモロコシデンプン 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
微粉砕活性物質、ラクトース及びトウモロコシデンプンの一部を一緒に混合する。混合物をふるいにかけてから、水中ポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混練し、湿式造粒して乾燥させる。該顆粒、残りのトウモロコシデンプン及びステアリン酸マグネシウムをふるいにかけ、一緒に混合する。混合物を圧縮して適切な形状とサイズの錠剤を作る。
B)錠剤 1錠当たり
式(I)の活性物質 80mg
ラクトース 55mg
トウモロコシデンプン 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウムカルボキシメチルデンプン 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
微粉砕活性物質、トウモロコシデンプンの一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、混合物をふるいにかけ、残りのトウモロコシデンプン及び水とこねて顆粒を形成し、乾燥させてふるいにかける。ナトリウムカルボキシメチルデンプン及びステアリン酸マグネシウムを加えて混ぜ入れ、混合物を圧縮して適切なサイズの錠剤を形成する。
C)アンプル溶液
式(I)の活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用水 5mL
活性物質を水にそれ自体のpH又は場合により5.5〜6.5のpHで溶かし、塩化ナトリウムを加えてそれを等張性にする。得られた溶液を熱源なしで濾過し、無菌条件下で濾液をアンプル中に移してから滅菌し、融合により封止する。アンプルは5mg、25mg及び50mgの活性物質を含有する。

Claims (20)

  1. 下記式(I)
    Figure 2018515526
    (式中、
    --
    Aは、任意に1つのオキソ基で置換されていてもよい5-7員窒素含有ヘテロシクリルであり;
    --
    各Rは、任意に1つ以上の同一若しくは異なるRb1及び/又はRc1で置換されていてもよいC1-6アルキルであり;
    各Rb1は、独立に、-ORc1及び-C(O)ORc1の中から選択され;
    各Rc1は、互いに独立に、水素、C1-6アルキル、3-10員ヘテロシクリル及び3-10員ヘテロシクリルで置換されたC1-6アルキルの中から選択され;
    --
    qは、数0、1又は2を表す)
    の化合物又はその塩。
  2. Aが、全て任意に1つのオキソ基で置換されていてもよいピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル及びホモモルホリニルの中から選択される、
    請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. Aが、ピペラジニル、モルホリニル及びピペラジノニルの中から選択される、
    請求項2に記載の化合物又はその塩。
  4. Aが、ピペラジン-1-イル, モルホリン-4-イル及び2-オキソ-ピペラジン-4-イルの中から選択される、
    請求項3に記載の化合物又はその塩。
  5. Aがピペラジン-1-イルである、
    請求項4に記載の化合物又はその塩。
  6. Aがピペラジン-1-イルであり;
    存在する場合、q個の置換基Rの1つが、ピペラジン-1-イルの4位にある、
    請求項5に記載の化合物又はその塩。
  7. 各Rが、任意にヒドロキシ又はメトキシで置換されていてもよいC1-4アルキルである、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  8. 各Rが、メチル及びエチルの中から選択され、前記メチル及びエチルがそれぞれ-C(O)ORc1及び5-6員ヘテロシクリルの中から選択される置換基で置換され;
    Rc1が、5-6員ヘテロシクリル及び5-6員ヘテロシクリルで置換されたメチルの中から選択される、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  9. R中の各5-6員ヘテロシクリルが、独立に、ピロリジニル、テトラヒドロフリル及びテトラヒドロピラニルの中から選択される、
    請求項8に記載の化合物又はその塩。
  10. qが1である、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  11. Rが、環Aの環窒素原子に結合している、
    請求項10に記載の化合物又はその塩。
  12. qが0である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  13. 下記化合物
    Figure 2018515526

    Figure 2018515526

    Figure 2018515526

    Figure 2018515526
    の中から選択される、
    請求項1に記載の化合物又はその塩。
  14. 薬物としての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の少なくとも1種の化合物又はその医薬的に許容される塩及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
  16. IGF-1R及び/又はIRの阻害が治療利益である疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩。
  17. 癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩。
  18. 癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防用医薬組成物を調製するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の使用。
  19. 本質的にIGF-1R及び/又はIRによる発癌性シグナル伝達に依存する癌の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩。
  20. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩及び式(I)とは異なる少なくとも1種の他の細胞分裂停止又は細胞傷害性活性物質を含む医薬製剤。
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