JP2018515104A - 組換えタンパク質の生成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、細胞培養期間中にポリエチレンイミン(PEI)を添加することを含む、宿主細胞において組換えタンパク質を生成する方法に関する。発酵エンハンサーとしての細胞培養物へのPEIの添加は、細胞培養物の粘度を低下させ、及び/又は組換えタンパク質の細胞外濃度を増加させ、及び/又は採取若しくはタンパク質回収の時点までの細胞培養の期間を短縮させ得る。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養期間中にポリエチレンイミン(PEI)を添加することを含む、宿主細胞において組換えタンパク質を生成する方法に関する。発酵エンハンサーとしての細胞培養物へのPEIの添加は、細胞培養物の粘度を低下させ、及び/又は組換えタンパク質の細胞外濃度を増加させ、及び/又は採取若しくはタンパク質回収の時点までの細胞培養の期間を短縮させ得る。
組換えタンパク質の大規模かつ費用効果の高い製造、回収及び精製は、バイオテクノロジー産業にとって重要な課題である。
大腸菌(E. coli)及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞は、組換えタンパク質の生成のために最も広く使用されている生物の2つである。生成中に考慮すべき事項としては、宿主細胞の増殖及び組換えタンパク質の発現、タンパク質力価、タンパク質位置(例えば、細胞内、細胞外、ペリプラズムなど)、並びに組換えタンパク質の最終位置からの選択的回収及び精製が挙げられる。これらの様々な因子のバランスをとって最適化することは容易ではない。
したがって、組換えタンパク質を生成、回収及び精製する改良された方法が必要とされている。
本発明は、細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、宿主細胞において組換えタンパク質を生成する方法を提供する。
また、細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、宿主細胞培養物によって発現される組換えタンパク質を放出させる方法が提供される。
また、細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、組換えタンパク質を発現する細胞培養物の粘度を低下させる方法が提供される。
また、細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、細胞培養物によって発現される組換えタンパク質の細胞外濃度を増加させる方法が提供される。
また、細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、組換えタンパク質を発現する細胞培養物の採取までの時間の長さを短縮する方法が提供される。
また、本明細書に記載の方法を用いて得られた組換えタンパク質を含む医薬組成物が提供される。
また、組換えタンパク質を発現する宿主細胞培養物の細胞培養エンハンサーとしてのPEIの使用が提供される。
また、細胞によって発現される細胞外組換えタンパク質力価を増加させるための細胞培養期間中の放出剤としてのPEIの使用が提供される。
細胞外DNA濃度の関数としての大腸菌発酵ブロスのレオロジー特性。(○)誘導前0〜20時間、細胞濃度0〜30g dwt/l; (●)誘導後20〜65時間、細胞濃度30〜40g dwt/l。レオロジーデータは、べき乗則適合について、τ=kγn、(R2=0.99)、γ=37〜1200s-1(増加する及び減少する剪断の両方の30秒のスイープについて)である(スイープ間の剪断応力の値に顕著な差は観察されない)。[DNA]>1000mg/mlについて、いくつかのサンプルは高い見掛けの降伏応力を示すように見え、剪断しなかった。温度23℃。 dAb及びDNA放出に関するパリティプロットの発酵及び構築によるDOM0101(dAb)の生成。A- 乾燥細胞重量(DCW)、キャパシタンス及び二酸化炭素発生速度(CER)のプロファイル;B- 細胞外、細胞内及び総dAbのプロファイル;C- 細胞外空間へのDNA放出のプロファイル;D- dAb及びDNAの細胞外環境への放出を比較するパリティプロット。100%DNA放出=0.031*最大細胞DCW。構築:パリティライン(_____)は誘導からの等しいdAb及びDNA放出のラインである(0%dAb、17%DNA);DNA放出境界(_ _ _)は、それを超えると、ブロスのレオロジータンパク質が、遠心分離が過度に困難であるとみなされる上限を指す。 細胞培養補助剤EDTA、EDTA-尿素及びTween(商標)20の、dAb(DOM01010)生成並びにdAb及びDNAの相対的細胞外濃度に対する効果。A- 乾燥細胞重量(DCW)、B- 1000KHzにおけるキャパシタンス、C- 二酸化炭素発生速度(CER)、D- 細胞外空間へのDNA放出、E- 細胞外dAb濃度、F- 細胞内dAb濃度、及びG- 総dAb濃度、の時間プロファイル、並びにH- 対照培養物、EDTA 125mMで5ml/l/hにて18mMの最終[EDTA]まで処理した培養物、EDTA 125mM 尿素 7.5Mで5ml/l/hにて18mMの最終[EDTA]及び1Mの[尿素]まで処理した培養物、及びTween(商標)20で20ml/lの最終濃度で23時間にわたって徐々に(過度な発泡を避けるために制御された方法で行った)処理した培養物について、dAb生成物及びDNAの両方の細胞外環境への放出を比較するパリティプロット。35時間の処理時間におけるラインは、EDTA及びEDTA-尿素供給の開始を意味する。図3Hについては、黒塗りの点は、EDTA又はEDTA-尿素発酵で達成される最大レベルに対する%細胞外dAb放出に関するものである;白塗りの点は、対照で得られた最大に対する%dAb放出に関するものである。 dAb(DOM0101)生成並びにdAb及びDNAの相対的細胞外濃度に対する細胞培養補助剤PEIの効果。A- 乾燥細胞重量(DCW)、B- 1000KHzにおけるキャパシタンス、C- 二酸化炭素発生速度(CER)、D- 細胞外空間へのDNA放出、E- 細胞外dAb濃度、F- 細胞内dAb濃度、及びG- 総dAb濃度、の時間プロファイル、並びにH- 対照培養物、バルク量として低及び高供給速度で(それぞれ0.09g/l/h及び0.16g/l/h)添加された、約5g/lの最終濃度までPEIで処理した培養物について、dAb生成物及びDNAの両方の細胞外環境への放出を比較するパリティプロット。35時間及び42時間の処理時間における垂直線は、それぞれPEIバルク添加及びPEI連続添加の開始を示す。 細胞外dAb及び関連する混入物に対する細胞培養補助剤の効果。すべての発酵は、誘導後45時間実施し、約25〜30gdwt/Lの最終細胞密度に達した。補助剤は、図4に記載されているように適用した。5A- 生成された総dAb及び細胞外dAb。混入物レベルを、図B〜Dにおいて比としてこれらの細胞外dAbレベルと比較する。5B- エンドトキシン;5C- 宿主細胞タンパク質(HCP);5D- DNA。 細胞外抗原結合タンパク質生成物に対するPEI処理(0.09g/l/h)の効果。それぞれPEI添加5時間後、25時間後及び50時間後についての図6A、B及びC;それぞれPEI添加5時間後、25時間後及び50時間後についての図6D、E及びFにおける可溶性DNA濃度;4つの異なる組換え抗原結合タンパク質(DOM0101/TNFR1-dAbを含む)について、抗原結合タンパク質のMWは13〜25kDaの範囲である。相対的な細胞外生成物は、放出された抗原結合タンパク質における比例的増加である(=PEIを用いないで採取時に放出される抗原結合タンパク質の割合としての、PEIを用いて放出された抗原結合タンパク質)。PEIの適用は、組換え抗原結合タンパク質生成物の誘導約4時間後に開始した。
本開示は、発酵においてポリエチレンイミン(PEI)を使用することにより、すなわち細胞培養期間中に培養培地にPEIを添加することにより、組換えタンパク質を生成、回収及び精製する、より費用効果的で効率的な方法が可能であるという認識を含む。
本開示において使用される細胞培養は、その最も広い意味、すなわち増殖培地中での細胞の大量増殖が与えられる。「発酵すること(fermenting)」及び「培養すること(culturing)」は、本明細書で使用される場合、増殖培地中で細胞を大量増殖させることを意味する。用語「発酵すること」及び「培養すること」は、本明細書では交換可能に使用される。細胞は休止期(resting phase)にはない。対数期(exponential phase)は、細胞倍加、したがって大量増殖によって特徴付けられる期間である。単位時間当たりに出現する新しい細胞の数は、著しく増加し、既存の集団に比例する。定常期(stationary phase)は、細胞の増殖速度及び死亡速度が、必須栄養素の枯渇、及び/又は有機酸などの阻害性生成物の形成などの増殖制限因子にしばしば起因して、等しい場合である。定常期において一定のバイオマスを維持し、したがって大量増殖を維持するために、細胞は増殖し続ける必要がある。一実施形態では、PEIは、細胞が活発に増殖し、組換えタンパク質を発現する、すなわち細胞が静止していない間に、細胞培養期間中に添加される。一実施形態では、PEI添加は採取前である。
細胞外培地、培養ブロス、上清、細胞外環境、細胞外空間、培養培地及び発酵培地という用語はすべて、細胞培養期間中及び採取時点における細胞の外部環境を説明するために本明細書において使用される。
採取という用語は、発酵の終了を意味するために本明細書において使用される。採取は、発酵プロセスを終了させ、発現されている組換えタンパク質を回収するのに十分であると考えられる発酵中の任意の時点におけるものであってよく、すなわち、タンパク質回収は採取の時点に始まる。採取の時間は、上清中の組換えタンパク質の最適濃度に依存し得る。組換えタンパク質は、採取時に細胞培養物の細胞外培地から直接回収及び精製されてもよい。あるいは、細胞は、細胞外培地からの生成物の回収及び精製の前に、細胞外培地から分離されてもよい。
ポリエチレンイミン(PEI)は、第1級、第2級及び第3級アミン、(C2H5N)nからなるカチオン性ポリマーである。PEIは本明細書ではトランスフェクション剤として使用されず、PEIは本明細書では細胞培養のための接着因子として使用されない。
したがって、本明細書中の方法は、以下の1つ以上を含む複数の利点をもたらす細胞培養エンハンサー(又は細胞培養補助剤)としてのPEIの使用を記載する:低下した細胞培養物の粘度;及び/又は増加した細胞外組換えタンパク質力価;及び/又はより早い時点での上清中の生成物の配置;及び/又は細胞培養物を採取する時間の長さの短縮;及び/又は上清中のより低いレベルの不純物(例えば、DNA、HCP)含量、及び/又はより簡単な回収及び下流処理。したがって、PEIは、発酵(又は細胞培養)エンハンサーとして、本明細書中の方法において使用される。PEIは、細胞培養補助剤(又は作用物質)として細胞培養物に添加される。一態様では、細胞培養物の粘度を低下させるための、組換えタンパク質を発現する宿主細胞培養物を採取する前の、細胞培養補助剤としてのPEIの使用が記載される。別の態様では、組換えタンパク質の細胞外濃度を増加させるための、組換えタンパク質を発現する細胞培養物の採取前の、細胞培養補助剤としてのPEIの使用が記載される。さらなる態様では、採取までの時間の長さを短縮するための、組換えタンパク質を発現する細胞培養物の採取前の、細胞培養補助剤としてのPEIの使用が記載される。
PEIは、細胞外組換えタンパク質力価を増加させるために、膜透過剤(放出剤とも呼ばれ、これらの用語は交換可能に使用される)として本明細書で用いることができる。組換えタンパク質がグラム陰性細菌、例えば、大腸菌のペリプラズムを標的とする場合には、ペリプラズムで発現される/位置するタンパク質を細胞外培地に放出させるために、放出剤としてのPEIを使用することができる。
本明細書中の方法は、上清中の組換えタンパク質生成物のより多い量、及び/又はより早い時点での上清中の生成物の配置をもたらすことができる細胞培養エンハンサーとしてのPEIの使用を記載する。したがって、十分な組換えタンパク質がPEIの存在下で細胞外培地中に位置付けられるため、採取時点はより早い時点に変更され得る。
細胞外培地中の組換えタンパク質濃度は、PEIの存在下で少なくとも2倍大きくてもよい。例えば、組換えタンパク質濃度は、PEIの存在下で、少なくとも3倍、又は少なくとも4倍、又は少なくとも5倍、又は少なくとも6倍、又は少なくとも7倍、又は少なくとも8倍、又は少なくとも9倍、又は少なくとも10倍大きい。これは、発酵中の任意の時点、又は採取時点におけるものであってよい。
採取の時点は、生成物収量に著しい影響を与えずに、PEIの非存在下におけるよりも、PEIの存在下において、少なくとも5時間早くてもよい。例えば、採取は、生成物収量に著しい影響を与えずに、PEIの非存在下におけるよりも、PEIの存在下において、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも25時間、少なくとも30時間、少なくとも35時間、少なくとも40時間、少なくとも45時間、又は少なくとも50時間早く生じてもよい。生成物収量は、PEIの存在下及び非存在下において組換えタンパク質濃度を測定することによって決定される。PEIの非存在下でのより遅い時点でのかなり類似した生成物収量と比較して、PEIの存在下でより早い時点で増加した生成物収量が観察される場合、生成物収量に対する著しい影響はない。
PEIは、発酵の全部又は一部の間に、単一若しくは複数のバルク添加として、又は連続添加として添加され得る。例えば、PEIは、採取前に添加されてもよい。PEIは、組換えタンパク質の発現の誘導時に、又は組換えタンパク質の発現を誘導した後に添加されてもよい。PEIは、組換えタンパク質の発現の誘導から採取の約30分前までの任意の時点で添加されてよい。
PEIは、採取の少なくとも30分前に細胞培養物に添加されてよい。PEIは、採取の少なくとも1時間、又は少なくとも2、又は少なくとも5、又は少なくとも10、又は少なくとも15、又は少なくとも20、又は少なくとも25、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50時間前に細胞培養物に添加されてもよい。
PEIは、誘導性細胞発現系において、誘導と採取の間の任意の時点で、細胞培養物に添加されてよい。PEIは、組換えタンパク質の発現の誘導時に添加されてよい。あるいは、PEIは、組換えタンパク質の発現を誘導してから少なくとも1時間、又は少なくとも2、又は少なくとも5、又は少なくとも10、又は少なくとも15、又は少なくとも20、又は少なくとも25、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも60時間後に添加されてもよい。
PEIは、少なくとも30分間、細胞培養物中に存在し得る。PEIは、1〜60時間、又は1〜50時間、又は1〜40時間、細胞培養物中に存在し得る。
PEIは、細胞培養期間中に連続的に添加されてよい。これは、細胞培養物に連続的に添加され得る、培地、栄養素、及び成長因子の「供給」又は「供給速度」と類似している。一実施形態では、PEIは、約0.01〜1g/L/時間、又は0.03〜0.3g/L/時間、又は0.05〜0.2g/L/時間の速度で細胞培養物に添加される。別の実施形態では、PEIは、0.09g/L/時間又は0.16g/L/時間の速度で添加される。一実施形態では、PEIは、約0.1〜10ml/L/時間、又は0.5〜5ml/L/時間、又は1〜3ml/L/時間の速度で細胞培養物に添加される。別の実施形態では、PEIは、1.5ml/L/時間又は2.5ml/L/時間の速度で添加される。
PEIは、バルク添加として細胞培養物に添加されてよい。これは、単一のバルク添加又は複数のバルク添加であってもよい。
連続又はバルク添加を介して細胞培養物に添加されるPEIの総量は、約10g/L以下であってよい。したがって、採取(発酵終了)時点において、PEIは、約10g/L以下の細胞培養物中の濃度を有し得る。別の実施形態では、細胞培養物に添加されるPEIの総量は、約5g/L、又は4g/L、又は3g/L、又は2.5g/L、又は2g/L以下である。哺乳動物細胞では、細胞培養物中の総PEI濃度は0.025〜250μg/mlであり得る。
本開示の方法において使用されるPEIは、分岐状又は直鎖状であり得る。一実施形態では、PEIは分岐状である。
本開示の方法において使用するためのPEIの分子量(MW)は、約600Da〜約1000kDaである。一実施形態では、PEI MWは50〜1000kDaである。一実施形態では、PEI MWは約750kDaである。一実施形態では、PEIは分岐状であり、50〜1000kDaのMWを有する。あるいは、PEIは分岐状であり、約750kDaのMWを有する。
一実施形態では、PEIの存在下で細胞外環境に存在する可溶性DNAの量は、PEIの非存在下と比較して減少する。一実施形態では、PEIの存在下で細胞外環境に存在するDNAの量は、PEIの非存在下よりも少なくとも2倍少ない。例えば、DNA濃度は、PEIの存在下では、少なくとも3倍、又は少なくとも4倍、又は少なくとも5倍、又は少なくとも6倍少ない。これは、発酵中の任意の時点、又は採取時点におけるものであってよい。
一実施形態では、PEI添加後の上清中に残存する可溶性DNA濃度は、600mg/L未満、500mg/L未満、400mg/L未満、300mg/L未満又は250mg/L未満である。一実施形態では、採取物中のDNA濃度は約250mg/Lである。
本開示はまた、PEIの存在下で細胞を培養することによって細胞培養物の粘度を低下させる方法を提供する。一実施形態では、PEIの存在下における粘度は、PEIの非存在下におけるよりも少なくとも2倍低下する。例えば、粘度は、PEIの存在下において、少なくとも3倍、又は少なくとも4倍、又は少なくとも5倍、又は少なくとも6倍未満低下する。これは、発酵中の任意の時点、又は採取時点におけるものであってよい。
したがって、PEIは、(i)発酵の間、及び/又は(ii)採取時点で、細胞培養物における粘度を低下させ、及び/又はDNA濃度を低下させる発酵エンハンサーとして作用する。これは、細胞外培地中のより低い不純物含有量、より効率的な取り扱い、採取時点での細胞/生成物のより簡単な回収、及び改善された下流処理の1つ以上を含む多くの利点をもたらし得る。
量、分子量、期間などの測定可能な値を指すときに本明細書で使用する「約」は、指定された値からの±1%、±0.75%、±0.5%、±0.25%、±0.2%、及び±0.1%の変動を包含することを意味する。そのような変動は、記載される方法を実施するために適切であるためである。
組換えタンパク質
組換えタンパク質は、抗原結合タンパク質、例えば、モノクローナル抗体、抗体断片、又はドメイン抗体(dAb)を含み得る。
組換えタンパク質は、ウイルスタンパク質、細菌毒素、細菌トキソイド、又はがん抗原を含み得る。
本明細書で使用される場合、「組換えタンパク質」は、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発するために哺乳動物に投与することができる任意のタンパク質及び/又はポリペプチドを指す。組換えタンパク質は、2つ以上の生物学的又は医学的応答を誘発し得る。さらに、用語「治療上有効量」は、そのような量を受けていない対応する被験体と比較して、以下に限定されないが、疾患、障害若しくは副作用の治癒、予防、若しくは改善、又は疾患若しくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量、及び第2の薬剤の治療効果を増強若しくは補助する患者において生理学的機能を引き起こすのに有効な量をその範囲内に含む。
用語「抗原結合タンパク質」は、本明細書で使用される場合、抗原に結合することができる、抗体、抗体断片及び他のタンパク質構築物、例えばドメインを指す。
用語「抗体」は、免疫グロブリン様ドメインを有する分子を指すために、最も広い意味で本明細書中で使用される。本明細書で使用される場合、「免疫グロブリン様ドメイン」は、2つのb-シート及び通常は保存されたジスルフィド結合を含む、抗体分子の免疫グロブリンフォールド特性を保持するポリペプチドのファミリーを指す。このファミリーは、モノクローナル(例えば、IgG、IgM、IgA、IgD又はIgE)、組換え、ポリクローナル、キメラ、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体;単一可変ドメイン、ドメイン抗体、抗原結合断片、免疫学的に有効な断片、Fab、F(ab')2、Fv、ジスルフィド連結Fv、一本鎖Fv、ダイアボディ、TANDABS(商標)などを含む(別の「抗体」フォーマットの概要については、Holliger and Hudson, Nature Biotechnology, 2005, Vol 23, No. 9, 1126-1136を参照)。
句「単一可変ドメイン」は、異なる可変領域又はドメインとは独立して抗原又はエピトープに特異的に結合する抗原結合タンパク質可変ドメイン(例えば、VH、VHH、VL)を指す。「ドメイン抗体」又は「dAb」は、「単一可変ドメイン」と同じであると考えることができる。
本明細書で使用される場合、「ドメイン」は、タンパク質の残りの部分とは独立してその3次構造を保持する折りたたまれたタンパク質構造を指す。一般に、ドメインは、タンパク質の個別の機能的特性を担い、多くの場合、タンパク質の残りの部分及び/又はドメインの機能を失うことなく、他のタンパク質に付加、除去、又は転移され得る。単一抗体可変ドメイン又は免疫グロブリン単一可変ドメインは、抗体可変ドメインに特徴的な配列を含む折りたたまれたポリペプチドドメインを意味する。したがって、それは、例えば、1つ以上のループが抗体可変ドメインの特徴ではない配列によって置換されている、完全な抗体可変ドメイン及び修飾された可変ドメイン、又は末端切断されている又はN若しくはC末端伸長を含む抗体可変ドメイン、並びに完全長ドメインの結合活性及び特異性を少なくとも部分的に保持する可変ドメインの折りたたまれた断片を含む。
ドメイン抗体は、他の可変領域又は可変ドメインを有するフォーマット(例えば、ホモ又はヘテロ多量体)で存在してよく、ここで、他の領域又はドメインは、単一免疫グロブリン可変ドメインによる抗原結合に必要とされない(すなわち、免疫グロブリン単一可変ドメインは、追加の可変ドメインとは独立して抗原に結合する)。
ドメイン抗体は、ヒト抗体可変ドメインであってもよい。dAb(商標)はヒト由来であってもよい。言い換えれば、dAb(商標)は、ヒトIgフレームワーク配列に基づくものであってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「抗原結合部位」は、抗原に特異的に結合することができる抗原結合タンパク質上の部位を指し、これは単一ドメインであり得るか、又はそれは標準的抗体に見られ得るように対になったVH/VLドメインであり得る。一本鎖Fv(ScFv)ドメインはまた、抗原結合部位を提供し得る。
抗原結合タンパク質は、異なる抗原に対するさらなる抗原結合部位を含んでもよい。例えば、抗原結合タンパク質は、2つ以上の抗原、例えば2つの抗原、又は3つの抗原、又は4つの抗原に対する特異性を有し得る。
抗原結合タンパク質は、結合ドメインに直接又は間接的に(例えば、リンカー配列を介して)各末端で連結された、抗体のFc領域又はその一部からなる、又は本質的になってよい。このような抗原結合タンパク質は、Fc領域又はその一部によって分離された2つの結合ドメインを含み得る。分離されたとは、結合ドメインが互いに直接連結されておらず、Fc領域又は他の足場領域の反対側の末端(C及びN末端)に位置し得ることを意味する。
抗原結合タンパク質は、直接的又はリンカーを介して間接的に、例えば、各足場領域のN及びC末端で、2つの結合ドメインにそれぞれ結合した2つの足場領域を含み得る。各結合ドメインは、異なる抗原に結合し得る。
抗原結合タンパク質は、mAbdAbのタンパク質足場フォーマットをとってもよい。「mAbdAb」及び「dAbmAb」は交換可能に使用され、本明細書で使用されるのと同じ意味を有することが意図される。このような抗原結合タンパク質は、タンパク質足場、例えばIgGなどのIg足場、例えばモノクローナル抗体、さらなる結合ドメインに連結されているもの、例えばドメイン抗体を含む。mAbdAbは、少なくとも2つの抗原結合部位を有し、そのうちの少なくとも1つはドメイン抗体由来であり、少なくとも1つは対になったVH/VLドメイン由来である。
ドメイン抗体は、単量体又は多量体(例えば、二量体)形態で存在し、標的に結合することができ、フォーマット化及び標的化アプローチのための他の分子と組み合わせて使用することができる。例えば、ドメインの1つがアルブミンなどの血清タンパク質に結合する、複数のドメインを有する抗原結合タンパク質を作製することができる。血清アルブミンに結合するドメイン抗体(AlbudAbs)は、例えばWO05/118642に記載されており、ドメイン融合パートナーに独自の権利で延長された血清半減期を提供することができる。
dAbはまた、他の分子、例えば、薬物、別のタンパク質、抗体分子又は抗体断片とのdAb-コンジュゲート又はdAb-融合物の形態で、他の分子とコンジュゲートされてもよい。例えば、dAb(商標)は、フォーマットされたdAb(商標)として存在してよく、例えば、dAb(商標)は、例えばWO2008/149148に記載されているように、dAb-Fc融合物又はコンジュゲートとして存在してよい。あるいは、フォーマットされたdAb(商標)は、WO2009/068649に記載されているように、mAbdAbとして存在することができる。dAb(商標)は、半減期延長タンパク質又はポリペプチド、例えば血清アルブミンに結合するさらなるdAb(商標)(AlbudAb)、又は半減期延長化学的部分、例えばポリエチレングリコール(PEG)、との融合物又はコンジュゲートとして存在し得る。dAb(商標)は、さらなる治療分子又は活性分子との融合物又はコンジュゲートとして存在し得る。
本明細書で使用される場合、「薬物」は、個体に投与して、個体における生物学的標的分子への結合及び/又はその機能の変更を通じて、有益な治療効果又は診断効果を生じることができる任意の化合物(例えば、小有機分子、核酸、ポリペプチド)を指す。標的分子は、個体のゲノムによってコードされる内因性標的分子(例えば、個体のゲノムによってコードされる酵素、受容体、成長因子、サイトカイン)又は病原体のゲノムによってコードされる外因性標的分子であり得る。薬物は、dAb(商標)又はmAbであり得る。
「dAbコンジュゲート」は、薬物が共有結合又は非共有結合によって化学的に結合されたdAb(商標)を含む組成物を指す。好ましくは、dAb(商標)及び薬物は共有結合している。そのような共有結合は、ペプチド結合又は他の手段、例えば改変側鎖を介するものであってよい。非共有結合は、直接的(例えば、静電相互作用、疎水性相互作用)又は間接的(例えば、一方のパートナーが薬物に共有結合し、相補的な結合パートナーがdAb(商標)に共有結合している、相補的結合パートナー(例えばビオチン及びアビジン)の非共有結合によるもの)であってもよい。相補的結合パートナーが使用される場合、結合パートナーの一方は薬物に直接又は適切なリンカー部分を介して共有結合することができ、相補的結合パートナーはdAb(商標)に直接又は適切なリンカー部分を介して共有結合することができる。
本明細書で使用される場合、「dAb融合物」は、dAb(商標)及びポリペプチド薬物(ポリペプチド、dAb(商標)又はmAbであり得る)を含む融合タンパク質を指す。dAb(商標)及びポリペプチド薬物は、単一の連続ポリペプチド鎖の個別の一部(部分)として存在する。
したがって、本開示の方法は、治療用タンパク質、モノクローナル抗体(mAb)、ドメイン抗体(dAb(商標))、dAb(商標)コンジュゲート、dAb(商標)融合物、mAbdAb、又は本明細書に記載される任意の他の抗原結合タンパク質の1つ以上に適用され得る。
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、TNFαシグナル伝達を妨げるdAb(商標)である。一実施形態では、dAb(商標)はTNFαを中和する。一実施形態では、dAb(商標)は、TNFα又はTNFα受容体に特異的に結合する。一実施形態では、dAb(商標)はTNFR1に特異的に結合する。一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号1(DOM0101)のVH dAb(商標)(抗TNFR1)/DOM0101)又は配列番号3(DOM0101 C末端アラニン伸長)である。
タンパク質の発現:宿主細胞
好適な宿主細胞としては、哺乳動物細胞、例えばCHO(例えば、CHOK1及びCHO-DG44)、PerC6;及び微生物細胞、例えばグラム陰性細菌、例えば大腸菌(Escherichia coli)(例えば、W3110及びBL21)、シュードモナス(Pseudomonas)及びサルモネラ(Salmonella)が挙げられる。特定の実施形態では、宿主細胞は大腸菌である。一実施形態では、大腸菌株はW3110である。
組換えタンパク質をコードする組換え核酸分子を含むベクターも本明細書に記載される。このようなベクターは、細胞を遺伝子操作して所望のタンパク質生成物を発現させるために使用される。ベクターは、組換え核酸に作動可能に連結された1つ以上の発現制御エレメント又は配列を含む発現ベクターであってもよい。ベクターの例としては、プラスミド及びファージミドが挙げられる。
好適な発現ベクターは、いくつかの成分、例えば、複製起点、選択可能マーカー遺伝子、1つ以上の発現制御エレメント、例えば転写制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、ターミネーター)及び/又は1つ以上の翻訳シグナル、シグナル配列又はリーダー配列を含有し得る。発現制御エレメント及びシグナル配列は、存在する場合、ベクター又は他の供給源によって提供され得る。例えば、抗体鎖をコードするクローニングされた核酸の転写及び/又は翻訳制御配列を用いて発現を指令することができる。
プロモーターは、所望の細胞における発現のために提供され得る。プロモーターは、構成的又は誘導的であり得る。例えば、プロモーターは、核酸の転写を指令するように、抗体、抗体鎖又はその一部をコードする核酸に作動可能に連結され得る。グラム陰性細菌(例えば、大腸菌のためのlac、tac、trp、phoA、lambdapL、T3、T7(T7A1、T7A2、T7A3)プロモーター)のための種々の好適なプロモーターを使用し得る。使用され得るオペレーター配列としては、lac、gal、deo及びginが挙げられる。1つ以上の完全なパリンドロームオペレーター配列を使用し得る。一実施形態では、本開示の組換えタンパク質の発現は、誘導性プロモーターの制御下にある。例えば、大腸菌lac、tac及びtrcプロモーターは、ラクトース又は非加水分解性ラクトース類似体であるイソプロピル-β-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導可能であり、phoA、trp及びaraBADプロモーターは、それぞれ、ホスフェート、トリプトファン及びL-アラビノースによって誘導可能である。
用語「発現を誘導すること」は、本明細書で使用される場合、例えば誘導因子の添加又は温度の変化(誘導が温度依存性である場合)によって誘導が開始される点を指す。用語「誘導後」は、本明細書において、誘導が開始される点の後の経過時間を表すために使用される。
さらに、発現ベクターは、典型的には、ベクターを保有する細胞の選択のための選択可能マーカー、及び複製可能な発現ベクターの場合は複製起点を含む。抗生物質又は薬物耐性を付与する生成物をコードする遺伝子は、一般的な選択可能マーカーであり、使用することができる(例えば、ラクタマーゼ遺伝子(アンピシリン耐性)、テトラサイクリン耐性のためのTet遺伝子)。ジヒドロ葉酸レダクターゼマーカー遺伝子は、様々な細胞においてメトトレキサートによる選択を可能にする。
WO2007/088371に記載の発現ベクター(例えば、pAVE037、pAVE007、又はpAVE011)を用いてタンパク質を発現させてもよい。一実施形態では、ベクターはpAVE011である。あるいは、pJExpress401などのベクターを用いてタンパク質を発現させてもよい。
例示的な代替発現ベクター及び方法(例えば、CHO、PerC6などと共に使用するための)も公知である。
宿主細胞は、上記の組換え核酸分子又はベクターを含む。
本開示の宿主細胞培養物は、宿主細胞の増殖及び組換えタンパク質の発現を支持する任意の培地で培養され得る。そのような培地は、当業者に周知である。
タンパク質標的化
組換えタンパク質の発現は細胞質で起こるが、組換えタンパク質の最終的な位置は、組換えタンパク質の性質、使用される宿主細胞及び使用される発酵条件に依存して、細胞質、ペリプラズム又は細胞外であり得る。
本発明におけるPEIの使用は、(i)細胞のペリプラズム、又は(ii)細胞外培地へリーダー配列によって標的化される組換えタンパク質に関するものであってもよい。組換えタンパク質は、リーダー配列を介して細胞外培地(例えば、哺乳動物細胞において)又はペリプラズム(例えば、グラム陰性細菌において)に向かわせることができる。
哺乳動物細胞では、分泌リーダー配列を用いて、組換えタンパク質を細胞外培地に向かわせる。グラム陰性細菌では、一部の分泌タンパク質は、I型、III型、IV型又はVI型分泌経路を介して一段階で内膜及び外膜を通って輸出されるが、他のタンパク質は、ユニバーサルSec又はTat経路を介してペリプラズムに最初に輸出され、次いで、主にII型又はV型機構を介して外膜を横切って転位される。II型系は、Secリーダー配列を含む未成熟タンパク質がSec経路を使用してペリプラズムへ輸出される、2段階プロセスを含む。リーダー配列は、タンパク質分解によって除去され、ペリプラズムに存在する成熟したプロセシングされたタンパク質をもたらし、タンパク質が培養培地に分泌されるか否かは、リーダー配列、タンパク質、細胞及び培養条件の特性に大きく依存する。また、細胞溶解(自己溶解)の場合、培養培地中のタンパク質の大部分がペリプラズムに由来し、したがってプロセシングされると見なすことができる。組換えタンパク質は、リーダー配列を介して培養培地中に能動的に分泌され得る;又は当技術分野で公知の他の細胞経路を介してペリプラズムから培養培地に受動的に分泌され得る。
リーダー配列のプロセシングは、タンパク質からのリーダー配列の切断及び除去を含む。しかし、リーダー配列のいくつかのアミノ酸は、タンパク質のN末端に残存し、リーダー配列が適切にプロセシングされないことが知られている。リーダー配列は、配列の10%以下がタンパク質のN末端に残るように、90%以上プロセシングされていてもよい。リーダー配列は、少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%プロセシングされてもよい。リーダー配列は、細胞の分泌経路を通過した後にタンパク質のN末端に残存しないように、約100%プロセシングされてもよい。
リーダー配列は、哺乳動物又はヒトリーダー配列;又はペリプラズム標的化シグナル配列、例えば、N末端ペリプラズム標的化配列であり得る。タンパク質をペリプラズム又は細胞外環境に導くためのシグナル配列は、当技術分野で公知である。例えば、MalEシグナル配列が使用される。あるいは、PelB又はOmpAシグナル配列が使用される。一実施形態では、シグナル配列はOmpAである。
採取
採取は発酵の終了である。採取は、発酵プロセスを終了させ、発現される組換えタンパク質を回収するのに十分であると考えられる発酵中の任意の時点におけるものであってよい。採取は、組換えタンパク質を発現するための細胞ブロスの誘導後10〜60時間に起こり得る。例えば、採取は、誘導後15〜50時間で起こり得る。採取時に、微生物細胞集団の固形物量は、5〜30%湿細胞重量(WCW)であり得る。哺乳動物細胞培養物(例えば、CHO、PerC6など)については、大腸菌と比較してより遅い分裂速度のために、組換えタンパク質採取は、典型的には8〜500時間で起こり得る。
発酵槽の容量は、
(i)約10,000リットル;約5,000リットル;約2,000リットル;約1,000リットル;約500リットル;約125リットル;約50リットル;約20リットル;約10リットル;約5リットル;又は
(ii)5〜10,000リットル;10〜5,000リットル;20〜2,000リットル;50〜1,000リットル
であってよい。
採取物は、自己溶解としても知られる、自然に溶解した細胞を含み得る。例えば、採取物中の細胞の1〜50%は、自己溶解を受けていてもよい。あるいは、採取物中の細胞の20〜50%、又は30〜50%、又は40〜50%は自己溶解している。あるいは、採取物中の細胞の10%以上、20%以上、30%以上、40%以上又は50%以上は自己溶解している。自己溶解は、実施例に記載されているように、清澄化採取物中のDNA濃度によって又はキャパシタンスによって間接的に決定され得る。
採取は、細胞及び細胞外培地(すなわち、細胞培養物又はブロス)の発酵槽を空にする選択的ステップを含み得る。
採取物の選択的前処理
宿主細胞及び組換えタンパク質に応じて、採取物の前処理は、採取物を調整する方法である。このステップは、発酵槽内で、又は発酵槽から採取物を取り出した後に行い得る。前処理としては、採取物を熱的、機械的又は化学的に溶解すること(例えば、ホモジナイゼーション、凍結融解、溶解);及びペリプラズム抽出が挙げられる。少なくとも1つのペリプラズム抽出物は、当技術分野で公知の方法を用いて抽出され得る。あるいは、十分な生成物が既に細胞外環境に存在する場合、このような前処理は必要とされなくてもよい。
清澄化
清澄化は、固体微粒子を除去するプロセスである。清澄化は、精製中のその後のクロマトグラフィーステップにおける負担を軽減することができる。典型的な清澄化ステップは、沈降(sedimentation)(例えば重力による)としても知られる沈降(settling)ステップ、及び/又は遠心分離ステップ、及び/又はろ過ステップを含む。
遠心分離ステップは、連続遠心分離(例えば、連続供給領域を用いる)であってもよい。遠心分離機は、それ自体、固体を排出することに関して「バッチで」又は「断続的に」又は「連続的に」動作してもよい。例えば、連続遠心分離ステップとして、管状ボウル遠心分離機を使用してもよい。
組換えタンパク質の精製
組換えタンパク質は、培養培地から直接回収され得る。組換えタンパク質の回収に続いて、組換えタンパク質の十分な純度を確保するための精製が行われる。1つ以上のクロマトグラフィーステップ、例えば1つ以上のクロマトグラフィー樹脂;及び/又は1つ以上のろ過ステップが、精製に使用され得る。例えば、プロテインA又はLなどの樹脂を使用するアフィニティークロマトグラフィーを用いて、組換えタンパク質を精製し得る。あるいは、又はこれに加えて、陽イオン交換などのイオン交換樹脂を用いて、組換えタンパク質を精製し得る。
実施例1:材料及び方法
大腸菌発現系
ペリプラズムへの分泌のためのOmpAリーダー配列を有する、約13.1kDaの分子量のVHドメイン抗体ドメインであるTNFR1 dAb(DOM0101、配列番号1)を有するプラスミドpAVE011を有する大腸菌(E. coli)W3110株を使用した。[大腸菌W3110-pAVE011-ompA-DOM0101、遺伝子型:大腸菌(F-mcrA mcrB IN(rrnD-rrnE)1 ラムダ]。
培養及びバイオリアクターの設定
大腸菌細胞をグリセロール(20%、v/v)中に-80℃で保存した。バイオリアクター実験のための接種物を調製するために、1mlのグリセロールストックを、400mlのvLB接種培地(vLB Lennox:セレクトソイトン10g/l、酵母抽出物5g/L、NaCl 5g/l、pH7.0)を含有する各1000mlのバッフル付きフラスコ(UltraYield Flask、Thomson Instrument Company、Kent、UK)に接種した。このフラスコを、OD600が1に達するまで、回転振とうインキュベーター内で37℃で220rpmで増殖させた。種培養の変動性を避けるために、バイオリアクター実験の各セットについて同じ接種物を用いた。
並行した8個のバイオリアクターシステムは、1lの作業容量リアクター(SR1000DLLバイオリアクター、容器直径100mm、アスペクト比2.4:1)、オーバーヘッド駆動のダブルラッシュトン6枚羽根(46mm径、DASGIP AG、Julich、Germany)を有していた。
バイオリアクターに、OD600=0.02に等しい初期細胞密度をもたらすように、1:50の体積比で接種した。
大腸菌細胞を、主な炭素源としてのグリセロール、酵母抽出物及びソイトンを含有する複合培地中で培養した。25%(v/v)NH4OH及び2M H3PO4の自動添加により、pHを7.0±0.05に維持した。誘導の前に温度を30℃に維持し、誘導後に26℃に低下させた。溶存酸素(DO)設定点は30±5%に設定され、これはカスケードシステムによって自動的に制御され、このカスケードシステムは、DOが設定点を下回り、最小DOレベルを維持しようとするとき、インペラ速度(400〜1600rpm)、次いでガス流速(1vvm〜2vvm)(vvm=1分当たりの体積当たりの体積)及び次いでガス中の酸素含有量(21〜100%)を連続的に増加させる。
グリセロール消費後、DOスパイクが観察され、その時点で酵母抽出物(50g/l)を含有するグリセロール供給(714g/l)を開始した。他に記載がない限り、供給添加速度は3.6ml/l/hであった。
実施例4について、誘導後の供給速度は、3、3.6、4.2及び4.8ml/l/hであった。
実施例5について、125mM EDTA(pH7)及び125mM EDTA 7M尿素(pH7)の連続添加を、誘導約15時間後に5ml/hの流速で開始した。Tween(商標)20の添加を、誘導15時間後に開始し、最終濃度20ml/lまで23時間かけて徐々に行った(発泡を避けるために制御された方法で行った)。
実施例6について、使用したPEIは、750kDa分岐状とした(BASFから購入-カタログ番号11736)。
バルク量のPEIの添加は、誘導23時間後に行い(40mlの6.25% w/v PEI)、0.25%(w/v)のリアクター中のPEIの最終濃度をもたらした。PEIの連続添加は、0.09g/l/hに相当する1.5ml/l/h(図4中の低)及び0.16g/l/hに相当する2.5ml/l/h(図4中の高)の速度で誘導15時間後に開始した(これにより、発酵終了後の発酵物中のPEIの濃度はそれぞれ約3及び5g/lとなった)。
実施例7について、実施例3に記載される対照培養の採取材料、実施例5に記載されるTween(商標)20、EDTA処理、EDTA-尿素処理、及び実施例6に記載されるPEI(0.09g/l/h)の低供給添加を、細胞外力価について、また、培養上清中のエンドトキシン、HCP及びDNAなどの混入物について、1gの細胞外生成物当たりの発現を用いて分析した。エンドトキシン、HCP及びDNAを、以下に記載するように決定した(分析法)。
実施例8について、750kDa PEIと同じ連続低供給投与(0.09g/l/h)を用いて25kDa PEI(Aldrich 408727)を適用した。
バイオマス濃度がOD600=80±2に相当するレベルに達したときに、dAb DOM0101の生成を誘導し、ここでIPTGを250μMのリアクター中の最終濃度で添加した。
発酵中のpH、溶存酸素、攪拌速度、温度、空気流速、酸素割合、酸素取り込み速度、二酸化炭素発生速度のリアルタイム値を、バイオリアクターソフトウェア(DASGIP Control、Julich、Germany)によって自動的に記録した。
すべての発酵処理を2重で行った。実験の各セットは、同じ接種物を用いて同時に実施した。図中のエラーバーは、少なくとも2つの複製バイオリアクター間の標準偏差を表す。
分析方法
dAb生成物の濃度は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー法を用いて測定した。調査中のサンプル中の生成物の濃度を、プロテインAクロマトグラフィー(1mL HiTrap MabSelectR Xtra、GE Healthcare Life Sciences、Buckinghamshire、UKをフィットさせたHPLC Agilent 1200、Agilent Technologies UK Ltd、West Lothian、UK)を用いて分析した。ローディング及び平衡化は、pH7.2の0.1M PBS緩衝液を用いて行った。サンプルを平衡緩衝液中で適切に希釈し、0.22μmのPVDFシリンジフィルターを用いてろ過した。20mM HClを用いて溶出を行った。溶出した生成物の量を、220nmにおける吸光度を記録することによって測定した。生成物ピーク面積は自動的に統合された(Empower、Waters、Milford、USA)。
細胞内dAb濃度に関して、取り出した培養物1mlを24200×gで10分間遠心分離し、細胞培養上清を回収した。次いで、ペレットを50mM Tris pH8で1mlの最終体積中に再懸濁し、4回の凍結-融解サイクル(ドライアイス中で凍結し、続いて37℃で5分間乾燥浴中でインキュベート)及びソニケーションバス(Camsonix C275、Elma Electronic GmbH、Singen、Germany)を用いた2回の凍結-超音波処理サイクル(ドライアイス中で凍結し、続いて15分間超音波処理)に供した。超音波処理されたサンプルを24200×gで10分間遠心分離し、細胞溶解物を回収し、上記のように力価について試験した。
粘度測定は、カップ・アンド・ボブ・レオメーター(スピンドル40をフィットさせたBrookfield DV-2+粘度計、Brookfield Engineering Laboratories、MA)を用いて行い、各増分で30秒の保持を有する7回の増分において、37.5〜1500s-1の剪断速度に0.5mlの細胞ブロスを曝露した。増加及び減少する剪断スイープの両方を行った。温度は、冷却水回路を用いて粘度計において23℃に維持した。
Qubit 2.0蛍光光度計(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA)を用いて、細胞外環境における二本鎖DNAの濃度を測定した。10μlの適切に希釈した培養上清を、190μlのQubit作業溶液(Quant-i dsDNA BR試薬をQuant-iT(商標)dsDNA BR緩衝液に1:200含む)に加えた。チューブをボルテックスし、正確に2分後に吸光度を測定した。同じ手順を、0及び100ng/μlの濃度で2つの予め希釈したDNA標準に適用した。
培養物の増殖は、600nmでの光学密度として、及び乾燥細胞重量(DCW)として重量測定法で、測定した。1mlのサンプルを予め秤量したエッペンドルフに入れ、24200×gで3分間、ミニ遠心分離機でスピンダウンし、上清を捨て、回収ペレットを再懸濁し、蒸留水で2回洗浄し、次いで、オーブン中、105℃で24時間、一定重量まで乾燥した。次いで、エッペンドルフを再び秤量し、最終重量と空のエッペンドルフとの差をDCWとした。
培養物のキャパシタンスを、増幅器を介して検出器に接続されたAberプローブ(Aber Instruments、Aberystwyth、UK)を用いて1000KHzでオンライン測定した。
適切に希釈した採取サンプルのエンドトキシンレベルを、製造者の指示(Charles Rivers Laboratories、USA)に従ってリムルス・アメボサイト・ライセート(Limulus Amebocyte Lysate、LAL)を含有する使い捨てカートリッジを備えた市販の携帯試験システムを用いて測定した。
ブロス上清中の宿主細胞タンパク質(HCP)の濃度を、大腸菌抗HCPサンドイッチELISA法を用いて測定した。
実施例2 DNA濃度及び粘度
図1は、溶解した細胞ブロスを含むある範囲の懸濁液のレオロジー特性を、可溶性DNA濃度の関数として特徴付けている。すべての溶液は、時間に依存せず、完全に可逆的である特徴的な擬塑性流動挙動を示す。べき乗則式は得られたデータを十分に表し、コンシステンシー指数(剪断速度1s-1での見かけの粘度に等しい)は、遠心分離によって清澄化しようとする際に直面する課題の示唆を与える。600mg/lのDNA濃度で得られた約0.03N sn m-2のコンシステンシー指数は、困難な遠心分離を定義する限界とみなされる。
実施例3 細胞生存率:キャパシタンス及び乾燥細胞重量
図2は、本研究で使用した標準発酵の例を提供する。誘導後時間を用いて、発酵の進行を追う。キャパシタンスによって記録されたインタクト細胞濃度は15時間でピークに達し、その後、乾燥細胞重量のピーク及び約30時間での細胞呼吸低下(より低いCER)がすぐ後に続く(図2A)。このプロファイルは、細胞外ドメイン抗体(dAb)の顕著な上昇の開始、及び15時間での細胞内dAbの並行した減少、及び30時間での全dAbの最大レベルの達成と一致する(図2B)。DNAの放出(図2C)は、DCWの減少の開始時に急激に増加し、誘導の開始時に存在する初期の高レベルのDNAを除いて、dAbの放出と並行しているようである。
パリティプロット(図2D)は、DNA放出と共にdAb放出を追う。パリティーラインは、誘導時の初期値から、全細胞及び細胞ゴーストの完全な破壊で利用可能な最大値まで、dAb及びDNAの放出を追う。最大値は、dAbの測定、及び最大細胞乾燥重量からの推定によるDNAの推定によるものである。これは、測定のためのインタクト形態における全DNAの放出における困難性に起因する。60%の許容可能なDNA放出境界が描かれている。これは、溶解懸濁液のレオロジーデータの分析に基づいており(図1)、ブロス中の約600mg/lよりも高いDNAレベルが、典型的なプロセス規模の遠心分離条件下での不良な清澄化、及びまた、観察による、例えば大きな気泡の出現による、不良な混合の証拠をもたらすことを示す。このDNA放出限界では、dAbの約40%しか放出されておらず、許容可能な制限されたDNA放出を有する高いdAb回収を達成するために、パリティラインを超えて移動する方法を見出すことが課題である。
実施例4 供給速度
誘導後の炭素源供給速度、及び結果として得られる、dAbと核酸放出とのバランスを変化させる効果を調べた。この実施例のデータは図には示されていないが、本明細書に記載される。選択された供給速度の範囲は、過剰なグリセロール蓄積を避けるためのハイ・エンド値、及び発酵が誘導50時間後に下回るロー・エンド値に基づいた。より高い供給速度は、最初には、バイオマスレベルの小さな増加(DCWベース)又は無増加(キャパシタンスベース)をもたらし、次いでより早期の溶解、及び最終的にはより低いバイオマスレベルをもたらすようである。CER値は、供給速度増加に伴う、バイオマス活性の増加(20時間まで)及びより早い溶解開始を反映する。前述のように、DNA放出は細胞溶解の程度を反映する。最終総細胞内及び細胞外dAbレベルは、供給速度の選択にほとんど影響されないが、より大きな供給速度でのdAb生成のより高い速度は、より高いバイオマス活性を反映し、より大きな供給速度での細胞外空間へのより早い放出は、細胞溶解のより早い開始を反映する。得られたパリティプロットは、供給速度が大きいほど、DNAと比較したdAbの放出の程度が高いことを示す。達成された改善は、60%のDNA放出に対して約35%から約58%へdAb収率を増加させる。標的がdAbのほぼ完全な回収である場合には改善はない。したがって、さらなる前処理なしでdAbのより早い採取及び直接回収の機会を実現する場合、発酵中のdAbとDNA放出との関係を変える方法を探求する必要がある。
実施例5 細胞培養補助剤パートA:EDTA、尿素、Tween(商標)20
採取時にEDTA、尿素及びTween(商標)を使用して、宿主細胞からのタンパク質回収を増加させることができる。ここでは、本発明者らは、細胞培養中のそれらの使用を調べて、組換えタンパク質の細胞外濃度への影響を調べた。EDTAは細胞膜を透過性にすることができ、細胞に対して毒性である。尿素は膜の完全性に影響を与えることができ、細胞に対して毒性である。Tween(商標)は、細胞膜を透過性にすることができ、細胞培養物の発泡を引き起こす。
EDTA、尿素及びTween(商標)の使用を図3で調べた。用いた濃度は、15〜75mMのEDTA、0.5〜2Mの尿素及び10〜20ml/lのTween(商標)20(結果はここに示されていない)の最終濃度の範囲の実験室ベースの調査に基づいている。EDTA又はEDTA-尿素の使用は、乾燥細胞重量(図3A)及びキャパシタンス(図3B)のより低い値並びにCER値の低下(図3C)によって示されるように、バイオマスの減少をもたらす。得られた効果は、低い放出DNAレベル及び総dAbレベル(図3D及びG)であるが、明らかに細胞壁透過性の増加の結果として、細胞外に現れるdAbのかなりの割合(図3E)を伴う。結果として、最終的なDNA放出に対する最終的なdAbの比における全体的な約3倍の増加がある。この改善は、主にdAb力価の減少によるものであり、対照で形成されたdAbのレベルに対するdAb放出の実際の再較正は、EDTA及びEDTA-尿素データ点のすべてをパリティラインに戻す。
Tween(商標)の使用は、活性バイオマスの喪失の対照よりも早い開始をもたらしたが(図3A〜C)、dAbプロファイルの放出DNAにおける差はほとんどなく(図3D〜G)、DNA放出に対するdAbの比における改善をもたらさなかった(図3H)。また、高いレベルの発泡が経験された。小規模のスクリーニング試験が、これらの特定の試薬では改善の余地がほとんどないことを示したため、これらの戦略はさらに追求されなかった。
実施例6 細胞培養補助剤パートB:PEI
採取された発酵ブロスの処理を助けるためのPEIの使用は公知である(WO2014118220)。ここでは、本発明者らは、発酵自体の間のPEIの使用及び生細胞への影響に関心がある。PEIは細胞膜を透過性にすることができ、抗菌活性及び細胞傷害性を示すことができる。ここに示した結果は、驚くべきことに、PEIが細胞生存率に無視できる影響を有するようであることを示している。
バルク量のPEIの添加は、対照培養物と比較して培養物の乾燥細胞重量を顕著に増加させた。同様に、PEIが徐々に連続的に添加された培養物では、プロセスの終了まで顕著に高いDCWが観察された(図4A参照)。対照培養物は47.5時間後に急激に低下したが、PEI連続培養物は、42g/lに近いDCWを保持し、PEIのバルク添加を有する培養物は、約45g/lでレベルを保持した。興味深いことに、PEI溶液の添加後に読み取り値の急激な増加があった場合、キャパシタンス読み取り値に同様の効果が観察された(図4B)。これは、PEIのバルク添加が行われたときに特に明らかであった(キャパシタンス読み取り値は8.6pF/cmから11.5pF/cmに増加した)。呼吸データは、PEI処理培養物が対照培養物と同一のプロファイルに従い、PEI添加の影響を受けなかったことを示す(図4C)。CERは、生成段階の間、すべての培養物について約65mM/hに維持され、60時間の処理時間後に初めて減少し始めた。
バルク添加したPEI培養物の細胞外力価プロファイルは対照と類似していたが、PEI培養物の連続添加は、供給開始時から、すべての培養物が培養上清におけるほぼ同じ量の生成物に達する終了まで、顕著により高い細胞外dAb濃度を示した(約6.5g/l、図4E参照)。例えば、処理時間47.5時間で、連続PEI添加培養物は4.7g/lの細胞外dAb濃度を有し、一方、対照及びバルクPEI添加培養物はそれぞれ2g/l及び2.2g/lを有したのみであった。図4Fは、細胞内生成物濃度が、PEIの連続添加を有する培養物についてより低かったことを示し、これは、増加した細胞外生成物濃度に対応し、すなわち、連続モードで添加した場合にPEIのより早期の添加により、細胞はより漏出するようになる。生成された生成物の総量は、すべての培養物について同様であり、培養終了時に8.5〜9.2g/lの範囲であった(図4G)。対照培養物のDNA濃度は、誘導20時間後に急激に増加し、プロセスの終了に向かって1140mg/lに達した。PEIは培養上清中のDNAの量を非常に効果的に減少させ、200mg/l未満又は約200mg/lのレベルに保った(図4D)。図4Hでは、PEIの添加が、培養上清中の生成物とDNAとの間のバランスを変化させることは容易に明らかである。PEI処理された培養物のラインは、DNA濃度が発酵中に安定したままであるので、x(DNA)軸に対してほぼ垂直であり、一方、生成物は、ペリプラズムから細胞外空間に徐々に放出されている。したがって、PEIは細胞膜の著しい破壊を引き起こさず、このことは、細胞が生存したまま、一方で、透過性になり、生成物を細胞外空間へ漏出させることを示唆している。これは、可溶性DNA濃度の非常に劇的な除去と同時に、より早期の採取を可能にし、固体が連続流、パイロット規模の遠心分離によって容易に分離されるブロスをもたらす。細胞培養中にPEI添加によって引き起こされるペリプラズムからの組換えタンパク質の早期放出はまた、宿主細胞生理学に対する圧力を減少させる可能性がある。
実施例7:細胞外dAb及び関連する混入物に対する細胞培養補助剤の影響
細胞外dAb及び総dAb収量を図5Aに示す。培養上清中のエンドトキシン、DNA、及びHCPレベルは、プロセス関連の不純物、及びしたがって生成物品質の重要な指標である。エンドトキシンは発熱性であり、医薬品において所定の最小濃度未満に保たれなければならない。
図5は、得られた最終ブロスの品質に関して、図3及び4に使用されている様々な細胞培養補助剤の性能をまとめたものである。採取時のdAb濃度は、対照培養物、Tween(商標)20及びPEI処理培養物について類似のままであるが、EDTA及びEDTA-尿素は顕著により低い合計値及び細胞外値の両方を有する(約3倍)。図5Bは、EDTA及びEDTA-尿素培養物についてのエンドトキシン:細胞外dAb比における約3倍の増加を示す。PEIで処理した培養物は、対照及びTween(商標)20培養物と同様のエンドトキシンレベルを有した。ブロス中に放出された又は残存するHCPは、Tween(商標)の影響を受けない(対照と比較して)が、EDTAについては約2倍、EDTA-尿素については約3倍、PEIについては約1.3倍低下する。図5Cは、HCP:細胞外dAb比が、EDTAでは顕著に高かったが、EDTA-尿素で処理した培養物ではそうではなかったことを示す。PEI処理培養物は、HCP:細胞外dAb比の低下したレベルを示したが、これは、PEI処理中の細胞溶解が低いこと、又はポリカチオンによるこれらのタンパク質のいくつかの沈殿に起因し得る。最後に、発酵ブロス中の可溶性DNAは、対照及びTween(商標)20培養物と比較して、PEI培養物について約5倍低い。EDTA及びEDTA-尿素で処理した培養物は、細胞外dAbが3倍低いことに起因して、わずかにより低いDNA:細胞外dAb比を示した。
実施例8:25kDa分岐状PEI
25kDa分岐状PEIを用いた実験は、750kDa分岐状PEIと同じ効果を示さなかった。これは、25kDaのPEIがタンパク質の精製のためのタンパク質アフィニティー法を妨害するためであり得る。25kDaのPEIは、750kDaの形態よりも細胞に対してより毒性が高いようであった。呼吸データは、PEI処置の開始後、酸素消費速度及び二酸化炭素発生速度の両方が、750kDa PEIが適用された場合よりも急速に減少したことを示し、これは、細胞が死んでいることを表す。したがって、細胞がより早い段階で死滅し、結果として、より少ない生成物が生成され、上清中のほとんどすべての生成物は、おそらく細胞透過性よりも細胞溶解によるものであった。したがって、どの形態及び濃度(例えば、連続添加又はバルク添加による供給速度)がより好ましいかを同定するために、本明細書に記載のアプローチを介してPEIバリアントをスクリーニングすべきであると結論付けられた。
実施例9:他の抗原結合タンパク質とのPEIの使用
本発明者らは、PEI発酵戦略が2つ以上の組換えタンパク質に適用可能であり、構築物(例えば、ベクター又は細胞株)又は生成物に特異的でないことを確認する。約25、14及び17kDaのそれぞれの分子量を有する、3つの異なる抗原(DOM0101とも異なる)に結合する抗原結合タンパク質2、3及び4を、実施例6に記載されるようにPEI(0.09g/l/h)の低供給添加で処理した。力価及び可溶性DNA濃度のためのサンプルを、PEI処理開始5、25時間及び50時間後に回収した。
図6は、PEI供給が細胞外生成物に対して即時陽性効果を有することを示す。すべての場合において、対照培養物の細胞外生成物は、最終的に、処理培養物に追いつく。「より重い」抗原結合タンパク質生成物Ab2は、PEI添加後の時間経過とともに、あまり優先的に放出されないようである。しかし、細胞外生成物力価、及び遠心分離段階における効率的な固体分離の限界である600mg/lをかなり下回るレベルへの細胞外可溶性DNAの効率的な維持の組み合わせた増加は、顕著に増強された細胞培養品質を有するより短いプロセスをもたらし得る。
実施例の結論
PEIは、細胞生理学にほとんど負の影響を及ぼさず、同時に、培養物からDNAを除去し、粘性を低下させると思われる。さらに、細胞外空間へのより早い生成物の放出/分泌があり、膜透過性を示唆する。したがって、組換えタンパク質生成中の供給又は細胞培養エンハンサーとしてのPEIの添加は、細胞外生成物の力価を増加させ、発酵時間を短縮し、発酵中のより低い粘度に起因して電力入力を低下させる。さらに、PEIの存在は、試験した他の細胞培養補助剤と比較して、可溶性HCPレベルの低下をもたらす。750kDa PEI処理は、4種の異なる組換えタンパク質の処理に有効であった。すべての場合において、PEIは生成物の放出に正の効果を有し、可溶性DNAに対する生成物の比が高められ、最終生成物力価は対照と比較して変化せず、最終タンパク質の完全放出が達成されたとき、残存する可溶性DNAのレベルは、製造規模での連続的遠心分離による清澄化に適した採取ブロスを得るための限界をはるかに下回っていた。さらに、発酵の初期段階でのPEIの使用は、発酵時間の長さを短縮することができ、結果としてバイオプロセスのコストを低減することができる。
配列表
配列番号1:DOM0101のアミノ酸配列
配列番号2:DOM0101のDNA配列 - (シグナル配列無し)
配列番号3:アラニン伸長DOM0101のアミノ酸配列
配列番号4:C末端アラニン伸長DOM0101のDNA配列 - (シグナル配列無し)

Claims (20)

  1. 細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、宿主細胞において組換えタンパク質を生成する方法。
  2. 細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、宿主細胞培養物によって発現される組換えタンパク質を放出させる方法。
  3. 細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、組換えタンパク質を発現する細胞培養物の粘度を低下させる方法。
  4. 細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、細胞培養物によって発現される組換えタンパク質の細胞外濃度を増加させる方法。
  5. 細胞培養期間中にPEIを添加することを含む、組換えタンパク質を発現する細胞培養物の採取までの時間の長さを短縮する方法。
  6. 組換えタンパク質が、細胞外培地から回収される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 宿主細胞又は細胞培養物が、ペリプラズムを有するグラム陰性細菌である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. グラム陰性細菌が、大腸菌(Escherichia coli)である、請求項7に記載の方法。
  9. PEIが、採取の前に添加される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. PEIが、組換えタンパク質の発現の誘導時又は誘導後に添加される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. PEIが、組換えタンパク質の発現の誘導から採取の約30分前までの任意の時点に添加される、請求項9又は10に記載の方法。
  12. PEIが、細胞培養期間中、連続的に添加される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. PEIが分岐状である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. PEIの分子量が50〜1000kDaである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. PEIの分子量が約750kDaである、請求項14に記載の方法。
  16. 組換えタンパク質が、(i)抗原結合タンパク質である、及び/又は(ii)25kDa以下の分子量(MW)を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法を用いて得られる組換えタンパク質を含む、医薬組成物。
  18. 組換えタンパク質を発現する宿主細胞培養物の細胞培養エンハンサーとしての、PEIの使用。
  19. 細胞によって発現される細胞外組換えタンパク質力価を増加させるための細胞培養期間中の放出剤としての、PEIの使用。
  20. 宿主細胞又は細胞培養物が大腸菌(Escherichia coli)であり、及び/又は組換えタンパク質が細胞外培地から回収される、請求項18又は19に記載の使用。
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