添付された図面を参照し、種々の実施形態を詳細に述べる。可能な限り、同一、もしくは類似する要素を参照する際には図面にわたって同じ参照番号を用いる。特定の例や実施態様に言及した事項は説明を目的とするものであり、発明や請求の範囲を意図的に制限するものではない。
「典型的」という単語は、ここでは「例、実例、あるいは例証として供される」という意味で用いられる。「典型的」として記述される実施態様は、必ずしも他の態様よりも好ましい、あるいは有利な実施態様として解釈されるものではない。
「モバイルコンピューティングデバイス」、「携帯装置」および「携帯通信装置」という用語は、ここでは互いに置換可能なように用いられ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー方式電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA´s)、スマートブック、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、および類似するパーソナル電子装置のいずれか一つ、あるいは全てに当てはまり、これらはプログラム可能なプロセッサとメモリを含み、埋込型薬剤輸送装置をプログラミングするための遠隔計測ユニットとの通信を可能にするハードウェア、および/またはソフトウェアを含んでもよい。
種々の実施形態は、モバイルコンピューティングデバイスを用い、埋込型薬剤輸送装置と通信する方法とシステムを含む。モバイルコンピューティングデバイスはアプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアを含むことができる。ソフトウェアは、モバイルコンピューティングデバイスのプロセッサ上で実行されるように構成され、これにより、モバイルコンピューティングデバイスは、埋込型薬剤輸送装置との無線通信のために構成される遠隔計測ユニットとの通信を確立すること、ユーザによる選択が可能な、埋込型薬剤輸送装置の薬剤輸送の設定を携帯通信装置のディスプレイ上に表示すること、薬剤輸送の設定の少なくとも一つの選択を携帯通信装置のユーザインターフェースから受信すること、受信した選択を遠隔計測ユニットが読み込み可能な信号フォーマットに翻訳すること、および、モバイルコンピューティングデバイスをプログラミングするために翻訳された信号を遠隔計測ユニットへ送信することが可能となる。プログラミングソフトウェアを実行するモバイルコンピューティングデバイスは、埋込型装置を患者に埋め込む前、あるいは埋め込んだ後に、薬剤輸送の初期処方計画を埋込型装置にプログラムするために医療職員によって用いられることができ、さらに、埋め込まれた装置に対して新しい、あるいは変更された薬剤輸送処方計画を再プログラムするために用いられてもよい。種々の実施形態では、携帯装置上で実行されるソフトウェアプロセスは、遠隔計測ユニットを介し、患者の生理学的情報に加え、装置の現在のステータス情報や履歴情報(例えば、投与した薬物の量、投与できる薬物の残量、投薬履歴など)などの情報を埋込型薬剤輸送装置から受信するように構成することができる。幾つかの実施形態では、携帯装置上で実行されるソフトウェアプロセスは、埋込型薬剤輸送装置の現在の操作を遠隔的に決定する手段として、埋込型薬剤輸送装置の操作ステータス(例えば、ポンプの状態)を問い合わせるために利用することができる。
種々の実施形態はまた、モバイルコンピューティングデバイスを用いて患者用プログラマーをプログラミングすることを可能にする。患者用プログラマーは一つの装置であり、モバイルコンピューティングデバイスから独立しており、患者によって使用され、これにより、プログラミング臨床医によって設定されたパラメータ内において、プログラムされた薬剤輸送処方計画を患者が選択的に変更することができる。モバイルコンピューティングデバイスは、アプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアを含むことができる。ソフトウェアは、モバイルコンピューティングデバイスのプロセッサ上で実行されるように構成され、これにより、モバイルコンピューティングデバイスは、患者用プログラマー装置との通信を確立すること、ユーザによる選択が可能な、患者用プログラマー装置の設定をモバイルコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示すること、プログラムされた薬剤輸送処方計画の患者用変更パラメータの少なくとも一つの選択をモバイルコンピューティングデバイスのユーザインターフェースから受信すること、および患者用プログラマー装置に少なくとも一つのパラメータを送信し、患者用プログラマー装置をプログラムすることが可能となる。一度患者用プログラマー装置がプログラムされると、モバイルコンピューティングデバイスによってプログラムされたパラメータ内で、薬剤の急速投与量を実施することなどにより、プログラムされた薬剤輸送処方計画を選択的に変更するために患者用プログラマー装置を操作することが可能となる。
種々の実施形態は、医療職員によって設定されたパラメータ内において、埋込型薬剤輸送装置の薬剤輸送処方計画を患者が選択的に変更することを可能にする患者用プログラマー装置である。実施形態では、患者用プログラマー装置はシンプルで使いやすい装置であり、限られた機能、例えば必要な時に患者が薬物を追加投与(例えば急速投与)することを可能にする機能などを有する。患者用プログラマーは、最低限、ユーザ入力コンポーネント(例えばボタン)と回路を有し、回路は、ユーザ入力コンポーネントから患者の入力操作(例えばボタンの押し込み)を検出し、埋込型薬剤輸送装置との無線通信を行うように構成された遠隔計測ユニットに対し、薬剤輸送処方計画を変更する(例えば急速投与の実施)命令を送信するように構成される。患者用プログラマー装置はさらに、薬剤輸送処方計画に対する許容される変更に関するパラメータを受信するように構成された通信回路、受信したパラメータを格納するメモリ、および、メモリと結合され、検出された患者の入力操作(例えばボタンの押し込み)に対応した薬剤輸送処方計画に対する変更の提案が、格納されたパラメータに基づいて許容されるか否かを判断するプロセッサを備える。患者用プログラマーはまた、薬剤輸送処方計画に対してユーザによって提案された変更(例えば、急速投与を要求するためにボタンを押すこと)が許容されたかどうか、および/またはこの変更が首尾よく実施されたか否かを示すことができるディスプレイ(例えば、LCD画面、LED表示器、タッチスクリーンディスプレイなど)などのユーザフィードバックコンポーネントを含んでもよい。ある実施形態では、患者用プログラマーのディスプレイはまた、患者の生理学的情報に加え、装置の現在のステータスデータや履歴データ(例えば、投与した薬物の量や投与できる薬物の残量、投与履歴、故障条件など)といった、埋込型薬剤輸送装置、および/またはプログラムされた薬剤輸送処方計画に関する情報を表示してもよい。
種々の実施形態では、患者用プログラマー装置は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信をするように構成される遠隔計測ユニットと物理的に連結されてもよい。ある実施形態では、患者用プログラマー装置は、遠隔計測ユニットと取り外しができるように連結されてもよい。遠隔計測ユニットは、埋込型薬剤輸送装置をプログラミングするための臨床医のモバイルコンピューティングデバイスで用いられる遠隔計測ユニットと同一でも良く、異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、患者用プログラマー装置は、遠隔計測ユニットと一体化されていてもよい(すなわち、取り外しできないように遠隔計測ユニットと連結される)。幾つかの実施形態では、患者用プログラマーは、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、電話、タブレットコンピュータなど)などの独立した装置でもよく、あるいはフィードバックコンポーネントと患者入力機構(例えばタッチスクリーンディスプレイ)を有する専用の患者用プログラマーユニットでもよい。患者用プログラマーは患者によって使用され、ソフトウェア命令が組み込まれ、これによりこの装置は、プログラムされた薬剤輸送処方計画に対する許容される変更に関するパラメータを受信、格納することができ、また、独立した遠隔計測ユニットと通信し、格納されたパラメータによって権限が与えられた場合には、薬剤輸送処方計画を変更する命令を送信することができる。
種々の実施形態は、埋込型薬剤輸送装置の遠隔計測ユニットである。遠隔計測ユニットは、モバイルコンピューティングデバイスとの通信インターフェースを提供する通信回路、埋込型薬剤輸送装置との無線信号通信のための送受信コンポーネント(例えば、磁性コイル)、および、埋込型薬剤輸送装置との通信インターフェースを提供するように構成されるプロセッサと関連メモリ(例えばバッファー)を備えることができる。
遠隔計測ユニットはさらに筐体を有してもよく、筐体は、モバイルコンピューティングデバイスが筐体と連結されている間、遠隔計測ユニットがモバイルコンピューティングデバイスと通信リンクを確立できるよう、モバイルコンピューティングデバイスと連結されてもよい。幾つかの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイスは筐体に収納され、埋込型薬剤注入装置のプログラミングの間、遠隔計測ユニットと物理的に連結されてもよく、埋込型装置のプログラミングの後、筐体から取り外してもよい。
種々の実施形態では、遠隔計測ユニットは筐体を有してもよく、筐体は、医療職員によって設定されたパラメータ内において埋込型薬剤輸送装置の薬剤輸送処方計画を患者が選択的に変更できることを可能にするように構成される患者用プログラマーコンポーネントと連結されてもよい。幾つかの実施形態では、埋込型薬剤注入装置のプログラミングの間、同一の遠隔計測ユニットをモバイルコンピューティングデバイスと患者用プログラマーに用いてもよい。例えば、一度埋込型薬剤輸送装置がプログラミングされ、モバイルコンピューティングデバイスが筐体から取り外されると、患者用プログラマーコンポーネントを筐体に挿入してもよい。患者用プログラマーコンポーネントは、例えば、ユーザ入力コンポーネント(例えばボタン)、および回路を有してもよく、回路は、ユーザ入力コンポーネントから患者の入力操作(例えば、ボタンの押し込み)を検出し、薬剤輸送処方計画を変更する命令(例えば、急速投与量の実施)を遠隔計測ユニットの無線送受信コンポーネントへ送信する。患者用プログラマーコンポーネントはまた、薬剤輸送処方計画に対してユーザによって提案された変更(例えば、急速投与を要求するためにボタンを押すこと)が許容されたかどうか、および/またはこの変更が首尾よく実施されたか否かを示すことができるディスプレイ(例えば、LCD画面、LED表示器など)などのユーザフィードバックコンポーネントを含んでもよい。遠隔計測ユニット、および/または患者用プログラマーコンポーネントはさらに、薬剤輸送処方計画に対する許容される変更に関するパラメータを受信するように構成された通信回路、受信したパラメータを格納するメモリ、および、メモリと結合され、検出された患者の入力操作(例えばボタンの押し込み)に対応した薬剤輸送処方計画に対する変更の提案が、格納されたパラメータに基づいて許容されるか否かを判断するプロセッサを備えてもよい。提案された変更が許可される場合、遠隔計測ユニットはこの命令を埋込型薬剤輸送装置に送信する。
別の実施形態では、患者用プログラマーコンポーネントは筐体から取り外すことができず、遠隔計測ユニットと統合された一部であってもよい。
さらに他の実施形態では、第1の遠隔計測ユニットは、モバイルコンピューティングデバイスを収納し、モバイルコンピューティングデバイスを筐体内に収納している間、遠隔計測ユニットが薬剤注入装置をプログラミングするためにモバイルコンピューティングデバイスとの通信リンクを確立できるよう調整された筐体を有してもよい。第2の遠隔計測ユニットは、埋込型薬剤輸送装置の薬剤輸送処方計画を、医療職員によって設定されたパラメータ内において、患者が選択的に変更することを可能にするように構成された患者用プログラマーコンポーネントを収納きるように調整された筐体を有してもよい。
種々の実施形態は、薬剤輸送システムに関連する専用電子装置という必要性を緩和しつつ、埋込型薬剤輸送システムをプログラミングしたり制御したりするための、携帯電話、タブレットコンピュータ、PDA´sなどの汎用モバイルコンピューティングデバイスの柔軟性やユーザによる使いやすさ、処理能力やネットワーク機能を活用する。
図1Aは、本発明の一つの態様に係る、モバイルコンピューティングデバイス301を用いる埋込型薬剤輸送装置101をプログラミングするためのシステム100を示す。図1Aは、埋込型薬剤輸送装置101を有する患者10、および埋込型薬剤輸送装置101が患者10の内部に存在する際に、埋込型薬剤輸送装置101と通信するための外部遠隔計測ユニット201を模式的に示す。患者10は人間などの哺乳類の患者であってよい。埋込型薬剤輸送装置101は、無線リンク203上で埋込型薬剤輸送装置と通信してもよい。一つの実施形態では、無線リンク203は、他の技術やプロトコルを使用してもよいが、磁気ベースパルス位置変調(PPM)プロトコルを利用してもよい。
埋込型薬剤輸送装置101は、薬剤容器103、薬剤注入ポンプ105、薬剤注入ポンプ105の操作を制御するように構成される内部コントローラ107(例えば、プロセッサ109と関連メモリ111)、内部コントローラ107と外部遠隔計測ユニット201間の双方向通信を提供する無線トランシーバ113、薬剤輸送装置101の状態に関するデータ、および/または患者10の生理学的状態に関するデータ(例えば、体温、心拍数など)をコントローラ107に提供する一つ、あるいは複数のセンサ115、および電源117(例えば電池)を有することができ、これらはすべて生体適合性を有する、あるいは生体不活性な筐体119内に収容されてもよい。薬剤輸送装置101はさらに、計量された量の薬剤を患者10へ輸送するための排出口121を有し、排出口121は、輸送カテーテル123を介し、排出口121からターゲットとする組織内の一つ、あるいは複数の薬剤輸送サイト12へ延在してもよい。
内部コントローラ107は、メモリ111に格納され、内部コントローラ107のプロセッサ109によって実行される対照処方計画(例えばコードや命令)に基づき、バルブアクチュエータポンプなどの薬剤注入ポンプ105を作動させることで薬剤輸送装置101の動作を制御する。対照処方計画が実行されると、処方された期間やフローレート、あるいはその他の薬剤輸送に関するパラメータに従い、薬剤容器103から薬剤を自動的に投与するよう、薬剤注入ポンプ105が活性化される。
内部コントローラ107はまた、センサ115からデータを受信し、センサのデータを用いて薬剤輸送を調整、開始、あるいは停止してもよい。センサのデータに対するコントローラの応答の仕方は、格納された対照処方計画によって規定されてもよい。
内部コントローラ107は、無線リンク203上で外部遠隔計測ユニット201から新規の、変更された、あるいは更新された薬剤輸送制対照方計画を受信し、コントローラ107のメモリ111内に格納するように構成されてもよい。その後コントローラ107は、新規の、変更された、あるいは更新された対照処方計画に従い、薬剤注入ポンプ105を駆動して薬剤を輸送してもよい。このように、装置101が患者10の組織内に埋め込まれた時においても、無線リンク203上で遠隔的に埋込型薬剤輸送装置101をプログラム、および/または再プログラムすることができる。後述するように、内部コントローラ107は患者10から周期的に命令を受信して、患者に瞬時に大量の薬剤投与を行うなど、プログラムされた薬剤輸送対照処方計画を変更してもよい。内部コントローラ107はまた、装置101のステータスに関するデータ(例えば、投薬履歴、投与した薬物の量、薬剤容器内の残量、電源残量、装置不良など)、および/または患者10の生理学的データなどのデータを無線リンク203上において他の装置に送信するよう構成されてもよい。
遠隔計測ユニット201は患者10の外部に設置することができ、無線リンク203上で薬剤輸送装置101と通信するための磁性コイルなどの無線送受信素子205を含んでもよい。遠隔計測ユニット201は、電源209(例えば一つ、あるいは複数の電池)に加え、トランシーバ205と関連する回路を含む筐体207を含んでもよい。ある実施形態では、遠隔計測ユニット201は携帯型ユニットであり、患者10の近くに、かつ、埋込型薬剤輸送装置101の無線範囲内に置かれるように設計され、例えば患者10によって持ち運ばれるか装着され、あるいは患者10の皮膚に貼り付けられる。
遠隔計測ユニット201は、図1Aに示したモバイルコンピューティングデバイス301などの他の装置との通信インターフェース217を提供する通信回路215を含んでもよい。モバイルコンピューティングデバイス301との通信インターフェース217は、USB接続などの物理的な接続(例えば配線、ケーブル、プラグなど)を介してもよい。あるいは、またはさらに、インターフェース217は、IEEE802.15x規格(例えば、ブルートゥース(登録商標)インターフェース)を用いたパーソナルエリアネットワーク(PAN)などの短距離無線インターフェースや、近距離無線インターフェースなどの無線インターフェースでもよい。無線ユニット201はさらに、無線送受信機205間で信号の変調や復調を送受信する制御プロセッサ211とメモリ213(例えば、入力/出力バッファ)を含んでもよい。したがって種々の実施形態では、以下に述べるように、遠隔計測ユニット201は、モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型薬剤輸送装置101と通信し、埋込型薬剤輸送装置101をプログラムするよう、埋込型薬剤輸送装置101とモバイルコンピューティングデバイス30間の通信の橋渡しを行うことができる。
遠隔計測ユニット201は、モバイルコンピューティングデバイス301と物理的に連結されるように構成されてもよい。例えば、遠隔計測ユニット201の筐体207は、孔、スロット、窪み、枠などの開口219を有してもよく、開口219は、モバイルコンピューティングデバイス301が遠隔計測ユニット201と物理的に連結できるよう、モバイルコンピューティングデバイス301を収納できるよう構成することができる。幾つかの実施形態では、遠隔計測ユニット201は、モバイルコンピューティングデバイス301の開口内に収容され、モバイルコンピューティングデバイス301が遠隔計測ユニット201と物理的に連結されるように構成される一つ、あるいは複数の形態を備えてもよい。例えば、遠隔計測ユニット201の筐体207は、モバイルコンピューティングデバイス301上のUSBポートに接続可能なUSBプラグなどのプラグを有していてもよい。上述したように、種々の実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301と遠隔計測ユニット201間の通信インターフェース217は、短距離インターフェース(例えば、5メートル以内、あるいは10メートル以内)でもよい。近距離インターフェース、あるいは物理的コネクタのインターフェースの場合には、通信を確立するため、装置類は比較的近くに(例えば約5cm以下)位置する、あるいは互いに物理的に接触する必要があるかもしれない。このことは、安全と言う重要な機能を提供する。これは、通信を確立するために装置類を近接させることで、モバイルコンピューティングデバイス301が、プログラムすべき埋込型薬剤輸送装置101と連動する遠隔計測ユニット210とは異なる遠隔計測ユニットと意図せず通信が確立されてしまう可能性を最小化することができるからである。埋込型装置101をプログラミングする際にモバイルコンピューティングデバイス301と遠隔計測ユニット201間を物理的に連結することで、モバイルコンピューティングデバイス301と遠隔計測ユニット201が、プログラミングや他のデータを伝達するために埋込型装置101をプログラミングする間に分断されることのない強固な接続を確立することが保証される。
システム100はまた、埋込型注入装置101をプログラムするよう構成されるモバイルコンピューティングデバイス301を含んでもよい。モバイルコンピューティングデバイス301は、セルラー方式電話ネットワーク、無線アクセスネットワーク、WiFiネットワーク、WiMAXネットワークなどの通信ネットワーク303上においてデータの送受信を行うための通信機能を有する典型的な携帯型コンピューティングデバイス(例えばスマートフォン、タブレットなど)でよい。一例として、図1Aに示すように、通信ネットワーク303は、ネットワークオペレーションセンタ308と接続される複数のアクセスポイント305(例えば基地局)を含むセルラー方式電話ネットワークである。ネットワークオペレーションセンタ308は、他のネットワーク下部構造(例えば図示しないサーバ、ルータなど)を動作させてモバイルコンピューティングデバイス301をサーバ331などの他のネットワークターゲットに接続してもよい。他のネットワークターゲットは、地上電話通信線(例えば、図示しないPOSTネットワーク)、および/またはインターネット307であってもよい。モバイルコンピューティングデバイス301と通信ネットワーク303間の通信は、4G、3G、CDMA、TDMA、LTE、および/または他の技術を用いる双方向無線通信リンク309を介して達成されてもよい。
あるいは、またはさらに、通信ネットワーク303は、民間医療機関ネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)やキャンパスネットワークでもよい。モバイルコンピューティングデバイス301は、IEEE801.11規格(例えば、WiFi)やブルートゥース(登録商標)リンクなどの短距離、あるいは中距離無線通信リンクを介してネットワークアクセスポイント305と通信してもよい。任意の構成として、ネットワーク303はインターネット307などの外部ワイドエリアネットワーク(WAN)へのアクセスを任意的に提供してもよい。
様々な実施形態で用いられる典型的なモバイルコンピューティングデバイス301は、図2に模式的に示された構成を含むことができる。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301は、内部メモリ313とディスプレイ315と連結されるプロセッサ311を備えてもよい。モバイルコンピューティングデバイス301はさらに、電磁波を送受信し、無線データリンクに接続されるアンテナ317、および/またはプロセッサ311に連結されるセルラー方式電話トランシーバ319を有してもよい。幾つかの実施形態では、セルラー方式電話通信に用いられるトランシーバ319、およびプロセッサ311とメモリ313の一部を総じて無線インターフェースと記す。モバイルコンピューティングデバイス311はさらに、USBポートと関連する制御回路を含むことができるUSB通信モジュール321、無線PAN(例えばブルートゥース(登録商標))送受信機と関連する制御回路を含むことができるPAN通信モジュール323、およびNFC送受信機と関連する制御回路を含むことができる近距離通信(NFC)モジュール325などの、プロセッサ311と連結される一つあるいは複数の追加的通信モジュール321、323、325を含んでもよい。モバイルコンピューティングデバイス301はまた、プロセッサ311と連結されるユーザ入力コンポーネント327を含むことができ、ユーザ入力コンポーネント327は例えば、タッチスクリーンユーザインターフェース、キーパッド、あるいは/または一つ、または複数のボタンかスイッチであってもよい。
プロセッサ311は、プログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マルチプルプロセッサチップ、あるいはソフトウェア命令(アプリケーション)によって種々の機能を実現できるように構成されたチップであってよい。幾つかの装置では、プロセッサ311は、アプリケーションソフトウェア命令を格納するために十分な内部メモリを含んでもよい。多くのモバイルコンピューティングデバイスでは、内部メモリ313は揮発性メモリ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、もしく両者であってもよい。この説明の目的内において、メモリという一般的呼称は、内部メモリ313などのプロセッサ311へアクセス可能なメモリ、モバイルコンピューティングデバイスに差し込まれる取り外し可能なメモリ、およびプロセッサ313内部のメモリ自身などの全てのメモリを含む。
システム100はさらに、図1Aに示すように、患者用プログラマーユニット401を含んでもよい。患者用プログラマーユニット401は患者10によって使用することができ、内科医、あるいは他の医療職員によって設定されたパラメータ内において、埋込型薬剤輸送装置101の薬剤輸送処方計画が選択的に変更される。幾つかの実施形態では、患者用プログラマーユニット401は、シンプルで使いやすい装置であり、限られた機能、例えば必要な時に患者が薬物を追加投与(例えば急速投与)できるようにする機能などを有する。
図1Aに模式的に示すように、患者用プログラマーユニット401は、内部コントローラ403(例えば、プロセッサ405と関連するメモリ407)、コントローラ403と連結されるユーザ入力コンポーネント409、コントローラ403と連結されるディスプレイ411を含んでもよい。ユーザ入力コンポーネント409はボタンのようにシンプルであり、ユーザはボタンを押して薬剤の急速投与の実施を要求することができる。その他、より複雑なユーザ入力コンポーネントも利用することができる。同様に、ディスプレイ411は、LCD画面、LED表示器、および/または音声アラームなどの比較的シンプルな、低コストディスプレイとすることができ、これにより、薬剤の急速投与要求が成功したか否かなど、患者用プログラマーユニット401の操作に関し、患者にフィードバックを提供することができる。
いくつかの実施形態では、患者用プログラマーユニット401は典型的な携帯通信装置(例えばスマートフォン)に似ているが、その機能は制限されている。例えば、患者用プログラマーユニット401のディスプレイ411はユーザ入力コンポーネント409としても機能するタッチスクリーンディスプレイであってもよい。患者用プログラマーユニット401はまた、一つ、あるいは複数のハードキー、スイッチ、ボタンなどの追加的入力コンポーネント409を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ユーザ入力コンポーネント409は、遠隔計測ユニット201上のボタンやハードキーを押すなど、患者用プログラマーユニット401の外部で行われたユーザの入力操作を検出する回路を有してもよい。患者は患者用プログラマーユニット401を用い、規定のパラメータ内において埋込型薬剤輸送装置101の薬剤輸送処方計画を選択的に変更する(例えば、急速投与の要求)だけでなく、利用可能な場合には装置の現在のステータスデータや履歴データ(例えば、投与した薬剤の量、投与可能な薬剤の残量、投与履歴、故障状態の有無など)といった埋込型薬剤輸送装置に関する情報、および/またはプログラムされた薬剤輸送処方計画に関する情報、および患者の生理学的データを表示させることができる。
患者用プログラマーユニット401はまた、プロセッサ405と連結され、患者用プログラマーユニット401と少なくとも一つの他の装置との通信を可能にする通信モジュール413を含んでもよい。例えば、通信モジュール413は、患者用プログラマーユニット401が遠隔計測ユニット201と有線(例えばUSB)、あるいは無線(例えば、近距離通信(NFC)、ブルートゥース(登録商標)などのパーソナルエリアネットワーク(PAN)通信)通信リンク415を確立し、埋込型薬剤輸送装置101へ命令を中継するために遠隔計測ユニット201に命令を送信することを可能にしてもよい(例えば、ボタンの押し込みに対する応答において)。患者用プログラマーユニット401はまた、命令のステータスに関するフィードバック(例えば、埋込型装置101への命令送信が成功したか否か、要求した急速投与が首尾よく実施されたか否かなど)を遠隔計測ユニット201から受信してもよい。通信モジュール413はまた、患者用プログラマーユニット401をプログラミングするためにモバイルコンピューティングデバイス301との有線、あるいは無線通信リンク417を確立してもよい。幾つかの実施形態では、患者用プログラマーユニット401は、図2に示すようなアンテナとトランシーバを含んでもよく、遠く離れたサーバ331と通信すること、および/または無線遠距離通信ネットワーク303を介してインターネット300と接続することが可能であってもよい(例えば、ネットワーク305、308との無線通信を介して)。
患者用プログラマーユニット401のコントローラ403は、プログラムされた薬剤輸送処方計画に対する許容された変更に関するパラメータを受信し、受信したパラメータをメモリ407に格納するよう構成されてもよい。パラメータは例えば、患者によって要求されうる急速投与の合計回数、一定期間に要求可能な急速投与の回数、連続する急速投与の要求間における最短待機時間、各急速投与の量などが含まれうる。患者用プログラマーユニット401のプロセッサ405は、プログラムされた薬剤投与処方計画の変更要求(例えば急速投与の要求)を患者10が入力した際、メモリ407に格納されたパラメータに従ってこの要求を許容、あるいは拒否し、要求が許可されたか否かをディスプレイ411上に表示するよう構成してもよい。
患者用プログラマーユニット401は、遠隔計測ユニット201と物理的に連結されるよう構成することができる。幾つかの実施形態では、患者用プログラマーユニット401は、遠隔計測ユニット201の筐体207の開口219内に収納されるよう、大きさと形状が調整されてもよい。このため、モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型薬剤輸送装置101のプログラミングを終えた後、モバイルコンピューティングデバイス301を遠隔計測ユニット201の筐体207から取り外し、筐体207の開口219に患者用プログラマーユニット401を挿入してもよい。患者用プログラマーユニット401が遠隔計測ユニットの筐体の開口219内に配置される前後を含め、プログラミングプロセスの間はいつでも、モバイルコンピューティングデバイス301によって、患者用変更パラメータを患者用プログラマーユニット401にプログラミングすることができる。プログラミングが終了した後、遠隔計測ユニット201と連結された患者用プログラマーユニット401は患者10に提供され、格納された患者用変更パラメータに従い、患者は患者用プログラマーユニット401を用いてプログラムされた薬剤輸送処方計画への変更を要求することができる。
他の実施形態では、図1Bに示すように、遠隔計測ユニット201と患者用プログラマーユニット401は結合され、患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501へと一体化されてもよい。この実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301は、埋込型薬剤輸送装置101、および結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501の患者用プログラマーコンポーネントをプログラミングするため、結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット503の開口503内に収納されるなどにより、結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット503と連結されてもよい。
結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501は、無線リンク203を介して埋込型薬剤輸送装置101と通信するための送受信素子511、プロセッサ507とメモリ505を備えることができるコントローラ505、および埋込型薬剤輸送装置101をプログラミングし、ユニット501のメモリ505内に格納されうる患者用変更パラメータをプログラミングするためのモバイルコンピューティングデバイス301との有線、あるいは無線リンク217を確立する通信モジュール513を含んでもよい。ユニット501はまた、患者10が薬剤輸送処方計画に対する変更(例えば急速投与)を要求することを可能にするユーザ入力コンポーネント513、およびユニット501のステータスを表示するディスプレイ515を含んでもよい。これらのコンポーネントの全てを共通筐体519に収納することができ、共通筐体519はまた内部電源517(例えば電池)を含んでもよい。
さらに他の実施形態では、上述した患者用プログラマーの機能は、図1Aに示した患者用プログラマーユニット401のような専用装置によって提供されず、替わりに図1Cに示すように、第2のモバイルコンピューティングデバイス601によって提供されてもよい。第2のモバイルコンピューティングデバイス601は典型的な携帯型コンピューティングデバイス(例えばスマートフォン、タブレットなど)でよく、図2に示したコンポーネントを含むことができる。第2のモバイルコンピューティングデバイス601は、ソフトウェア(例えばアプリケーションソフトウェア)によって、内科医、あるいは他の医療職員によって設定されたパラメータ内において、患者が埋込型薬剤輸送装置101の薬剤輸送処方計画を選択的に変更することができるよう構成されてもよい。パラメータは第1のモバイルコンピューティングデバイス301から受信され、第2のデバイス601のメモリに格納することができる。パラメータは第1と第2のモバイルコンピューティングデバイス301、601間の有線、または無線リンク603上で受信することができる。幾つかの実施形態では、パラメータ、あるいは更新されたパラメータは、通信ネットワーク303によりリンク607上で遠隔的に受信されてもよい。パラメータは、第1のモバイルコンピューティングデバイス301、あるいはインターネット307を含む他のネットワーク303資源やノードから受信してもよい。第2の無線コンピューティングデバイス601は、プログラムされた薬剤輸送処方計画を変更する(例えば急速投与の実施)命令を埋込型薬剤輸送装置101へ送信するための遠隔計測ユニット201に対して有線、または無線リンク605を提供するよう構成することができる。第2のモバイルコンピューティングデバイス601で実行可能なソフトウェアは通信ネットワーク303上で装置601へダウンロード可能であり、第2のモバイルコンピューティングデバイス601のユーザインターフェースを介し、プログラムされた薬剤輸送処方計画に対する変更要求を患者10によって入力することを可能にする。第2のモバイルコンピューティングデバイス601は、遠隔計測ユニット201の筐体207内の開口219へ挿入するなどによって遠隔計測ユニット201と物理的に連結してもよく、これは、埋込型薬剤輸送装置101へ患者の要求を伝達するため、第2のモバイルコンピューティングデバイス601と遠隔計測ユニット201の間に強固な接続を保証することに寄与する。
幾つかの実施形態では、第2のモバイルコンピューティングデバイス601は、新規の、あるいは更新された薬物輸送処方計画を埋込型薬剤輸送装置101にプログラムするために用いることができる。薬物輸送処方計画はネットワーク303上で第2のモバイルコンピューティングデバイス601において受信してもよく、第1のモバイルコンピューティングデバイス301など、内科医、あるいは他の医療専門家によって使用される他の装置から受信してもよい。受信した薬剤輸送処方計画は、遠隔計測ユニット201を介して装置101をプログラミングするため、第2のモバイルコンピューティングデバイス601から埋込型薬剤輸送装置101へ送信してもよい。
さらに別の実施形態では、図1Dに示すように、二つの独立した遠隔計測ユニット201A、201bを利用してもよい。各遠隔計測ユニット201A、201Bは、図1Aに関連して既に述べた遠隔計測ユニット201と類似してもよい。第1の遠隔計測ユニット201Aは、上述したように埋込型薬剤注入装置101をプログラミングするためにモバイルコンピューティングデバイス301との通信インターフェース217を提供するように構成された通信回路215Aを有してもよい。第1の遠隔計測ユニット201Aの筐体207Aは開口219Aを有することができ、開口219Aは、モバイルコンピューティングデバイス301が遠隔計測ユニット201と物理的に連結できるようにモバイルコンピューティングデバイス301を収納するよう構成される。第2の遠隔計測ユニット201Bは、上述したようにプログラムされた薬物輸送処方計画の変更を患者が要求できるようにするため、患者用プログラマーユニット401との通信インターフェース415を提供する通信回路215Bを有してもよい。第2の遠隔計測ユニット201Bの筐体207Aは開口219Bを有することができ、開口219Bは、患者用プログラマーユニット401が第2の遠隔計測ユニット201Bと物理的に連結できるように患者用プログラマーユニット401を収納するよう構成される。
図3は、図1AからDに示した装置101などの埋込型薬剤輸送装置をプログラミングするための具体的方法700を示すプロセスフロー図である。方法700は、図1Aから2に示したようにモバイルコンピューティングデバイス301によって実行されてもよく、特に、装置のメモリ313に格納することができるプロセッサ実行可能ソフトウェア命令が組み込まれたモバイルコンピューティングデバイス301のプロセッサ311によって実行されてもよい。ソフトウェア命令は通信ネットワーク(例えば図1AからDのネットワーク303、および/またはインターネット307)上でモバイルコンピューティングデバイス301にダウンロードできるアプリケーションソフトウェアでもよく、サーバ331からダウンロードしてもよい。種々の実施形態では、ダウンロード可能なバージョンのアプリケーションソフトウェアは、種々の用途に用いられるコンピューティングデバイスによってダウンロードすることができ、埋込型薬剤輸送装置をプログラミングする機能を提供するそのソフトウェアをコンピューティングデバイス上で動作することができる。他の実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301は、工場でインストールされ、装置プログラミング機能をサポートするアプリケーションソフトウェアを有していてもよい。
方法700のブロック701では、モバイルコンピューティングデバイス301は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信のために構成される遠隔計測ユニットとの通信を確立することができる。図1AからDに示すように、例えばモバイルコンピューティングデバイス301は、USB接続、無線PAN(例えばブルートゥース(登録商標))接続、あるいは近距離通信(NFC)接続などの有線、または無線リンク217を介し、遠隔計測ユニット201、501、201Aへの接続を確立する。遠隔計測ユニットとの接続は、モバイルコンピューティングデバイス301を遠隔計測ユニット201、501、201Aの開口219、503、219A内に配置するなど、モバイルコンピューティングデバイス301と遠隔計測ユニットを物理的に連結する時とほぼ同時に確立されてもよい。
遠隔計測ユニットとの接続を確立する段階に、任意の構成として、モバイルコンピューティングデバイス301、および/またはデバイス301のユーザが埋込型薬剤輸送装置101と通信し、埋込型薬剤輸送装置101をプログラムする権限を有していることを確認する認証プロセスが含まれていてもよい。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301は、遠隔計測ユニット201、501、201A、および/または埋込型装置101に証明書(例えば、識別子、安全鍵、パスワードなど)を提供してもよい。証明書は、遠隔計測ユニット201、501、201A、あるいは埋込型装置101上のロジックにより照合され、携帯装置301、および/または装置のユーザ、典型的には内科医または他の医療専門家に対し、装置をプログラムする権限が与えられていることを保証する。ある実施形態では、認証プロセス、あるいはその一部は、通信ネットワーク303上で遠隔的に実行されてもよい。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301は、サーバ331とネットワーク303上で通信してもよく、サーバ331に対し、モバイルコンピューティングデバイス301、および/またはデバイスのユーザに関する識別情報に加え、埋込型装置101、および/または患者10に関する識別情報を提供してもよい。サーバ331は、モバイルコンピューティングデバイス301、および/またはデバイス301のユーザに対して患者10に埋め込まれた薬剤輸送装置101をプログラムする権限が与えられているか否かを判断するため、データベースにアクセスするよう構成してもよい。モバイルデバイス301とユーザに対して権限が与えられている場合、サーバ331は権限データを送信してもよい。権限データは安全鍵、ソフトウェアプラグインなどを含むことができ、埋込型装置101のプログラミングを進行させることができる。
方法700の任意のブロック703では、モバイルコンピューティングデバイス301は埋込型薬剤輸送装置101からデータを受信することができる。データは、無線接続203を介して埋込型薬剤輸送装置101から遠隔計測ユニット201、501、201Aに送られ、遠隔計測ユニット201、501、201Aとの接続217上でモバイルコンピューティングデバイス301へ伝えられてもよい。データは、埋込型薬剤輸送装置101のステータス(例えば、投与履歴、投与された薬剤の量、投与できる薬剤の残量、電源残量、装置不良など)、および/または患者10の生理学的データに関連してもよく、データは、新規の、あるいは更新された薬剤輸送処方計画を埋込型装置101にプログラムする際に内科医にとって有用なデータとなりうる。
方法700のブロック705では、モバイルコンピューティングデバイス301は、ユーザが選択可能な埋込型薬剤輸送装置101の薬剤輸送設定を表示してもよい。ユーザが選択可能な設定は、例えば、モバイルコンピューティングデバイス301の表示画面上のユーザインターフェースにグラフを用いて表示してもよい。ある実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301上で動作するアプリケーションソフトウェアは、患者のために新規の、あるいは変更された薬剤輸送処方計画を作り出すプロセスを内科医が容易に行えるよう構成されてもよい。薬剤輸送の設定の少なくとも一つの選択がブロック707で受信されてもよい。薬剤輸送設定は、モバイルコンピューティングデバイス301のユーザインターフェースを使用する内科医、あるいは他の権限を有する臨床医によって入力されてもよい。ユーザインターフェースはタッチスクリーンインターフェース、キーパッドなどでもよい。薬剤輸送の設定の少なくとも一つの選択は、新規の、あるいは更新された薬剤輸送処方計画を含んでもよい。
ブロック709では、受信した選択が遠隔計測ユニット201、501、201Aによって読出し可能な(すなわち、理解可能な)信号フォーマットへ翻訳されてもよい。ブロック711では、受信した選択に対応する翻訳された信号が遠隔計測ユニット201、501、201Aに送信される。遠隔計測ユニット201、501、201Aは、その後、装置101のプログラミングのため、信号を無線リンク203、203A上で埋込型薬剤輸送装置101へ伝送してもよい。
任意のブロック713では、モバイルコンピューティングデバイス301は、装置101のプログラミングが成功したことの確認を埋込型薬剤輸送装置101から受信してもよい。確認メッセージは、無線接続203、203Aを介し、埋込型薬剤輸送装置101から遠隔計測ユニット201、501、201Aへ送信され、遠隔計測ユニット201、501、201Aとの接続217上でモバイルコンピューティングデバイス301へ伝えられてもよい。さらに、遠隔装置201、501、201A、および/または埋込型薬剤輸送装置101は、試みたプログラミングが失敗したことを示すメッセージを送信してもよい。
埋込型薬剤輸送装置101のプログラミングに引き続き、モバイルコンピューティングデバイス301と遠隔計測ユニット201、501、201Aとの接続をブロック715において終了してもよい。モバイルコンピューティングデバイス301は物理的に遠隔計測ユニット201、501、201Aから分離してもよい。埋込型薬剤輸送装置101は、プログラムされた薬剤輸送処方計画に従い、薬剤を患者へ輸送することができる。
上述したように、また、図1Aから1Dに示したように、遠隔計測ユニット201とのプログラミングインターフェースを提供するように構成されるモバイルコンピューティングデバイス301は、無線遠距離通信ネットワーク303を介して(例えば、セルラー形式ネットワーク305、308との無線通信309を介して)遠方のサーバ331と通信し、インターネット300と接続可能であってもよい。したがって、一度モバイルコンピューティングデバイス301が患者用プログラマー401(例えば図1A)、あるいは結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501(例えば図1B)との接続を確立すると、患者用プログラマー、および/または遠隔計測ユニットからのデータは、ブロック705で表示するために遠隔地にいる臨床医のコンピューティングデバイスへ、ブロック703で無線遠距離通信ネットワーク303を介して中継されてもよい。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301によって中継された、現在ユーザが選択可能な薬剤輸送設定などの情報を内科医が受信できるように構成されたサーバ331によって管理されるウェブサイトに内科医がログインしてもよい。遠隔地にある内科医のコンピューティングデバイスへ中継され得る情報はさらに、埋込型薬剤輸送装置101によって感知されるであろう患者の生体シグナル、埋込型薬剤輸送装置101内の一つ、あるいは複数の容器の液面レベル、および/または埋込型薬剤輸送装置101によって中継され得る電子的ステータスや診断情報を含んでもよい。
モバイルコンピューティングデバイス301と遠距離通信ネットワークによって提供されるネットワークへアクセスできることを活用することで、遠隔地の内科医は、サーバ331によって管理されるウェブサイトなど、患者用プログラマーのためのプログラミングオプションのディスプレイを用いて作業することができる。したがって、モバイルコンピューティングデバイス301は、遠方のコンピュータからの通信(例えばインターネット)を介し、ブロック707において内科医から選択された薬剤輸送の設定を受信することができる。このような機能により、内科医は、患者に医師のオフィスへ足を運ばせることなく、遠隔診断や、患者の埋込型薬剤輸送装置101、および/または患者用プログラマー201、401、501を再プログラム、あるいは管理することができる。多くの状況においてこのような機能は、現地においてプログラミングが必要な装置よりもより速く、より効果的な治療を可能にすることができる。
図4は、図1Aから1Dに示した患者用プログラマーユニット401、図1Bに示した結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット602、あるいは図1Cに示した患者用プログラマー機能が組み込まれたモバイルコンピューティングデバイス601などの患者用プログラマーユニットをプログラミングするための具体的方法800のプロセスフロー図である。方法800は図1AからDに示したモバイルコンピューティングデバイス301によって実行することができ、特に、図2に模式的に示すように、メモリ313に格納することができるプロセッサ実行可能なソフトウェア命令が組み込まれたモバイルコンピューティングデバイス301のプロセッサ311によって実行することができる。ソフトウェア命令はアプリケーションソフトウェアであり、通信ネットワーク(例えば図1AからDのネットワーク303、および/またはインターネット307)上でモバイルコンピューティングデバイス301へダウンロードしてもよく、サーバ331からダウンロードしてもよい。種々の実施形態では、ダウンロード可能なバージョンのアプリケーションソフトウェアは、種々の用途に用いられるコンピューティングデバイスによってダウンロードすることができ、患者用プログラマー装置をプログラミングする機能を提供するそのソフトウェアをコンピューティングデバイス上で動作することができる。他の実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301は、工場でインストールされ、プログラミング機能をサポートするアプリケーションソフトウェアを有していてもよい。図4の方法800を実行するソフトウェアは、図3の方法700に関連して述べたような埋込型薬剤輸送装置をプログラミングするソフトウェアと同一でもよく、異なっていてもよい。
方法800のブロック801では、モバイルコンピューティングデバイス301は、図1Aから1Dに示した患者用プログラマーユニット401、図1Bに示した結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501、あるいは図1Cに示した患者用プログラマー機能が組み込まれた第2のモバイルコンピューティングデバイス601などの患者用プログラマーとの通信を確立することができる。モバイルコンピューティングデバイス301は、USB接続、無線PAN(例えばブルートゥース(登録商標))、あるいは近距離通信(NFC)などの有線、あるいは無線リンク415、217、603を介して患者用プログラマーとの通信を確立してもよい。患者用プログラマーがネットワークに対応可能な実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301は、遠距離通信エットワーク303、および/またはインターネット307を介して通信を確立してもよい。
任意の構成として、患者用プログラマーとの通信を確立する段階に、モバイルコンピューティングデバイス301、および/またはデバイス301のユーザが患者用プログラマー401、501、601と通信し、これらをプログラムする権限を有していることを確認する認証プロセスが含まれていてもよい。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301は、患者用プログラマー401、501、601に証明書(例えば、識別子、安全鍵、パスワードなど)を提供してもよい。証明書は、患者用プログラマー401、501、601上のロジックにより照合され、携帯装置301、および/または装置のユーザ、典型的には内科医または他の医療専門家が患者用プログラマーに薬剤輸送処方計画の患者用変更パラメータをプログラムする権限が与えられていることを保証する。実施形態では、認証プロセス、あるいはその一部は、通信ネットワーク303上で遠隔的に実行されてもよい。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301は、サーバ331とネットワーク303上で通信してもよく、サーバ331に対し、モバイルコンピューティングデバイス301、および/またはデバイスのユーザに関する識別情報に加え、患者用プログラマー401、501、601、および/または患者10に関する識別情報を提供してもよい。サーバ331は、モバイルコンピューティングデバイス301、および/またはデバイス301のユーザに対して患者用プログラマー401、501、601に薬剤輸送処方計画の患者用変更パラメータをプログラムする権限が与えられているか否かを判断するため、データベースにアクセスするよう構成してもよい。モバイルデバイス301とユーザに対して権限が与えられている場合、サーバ331は権限データを送信してもよい。権限データは安全鍵、ソフトウェアプラグインなどを含むことができ、患者用プログラマー401、501、601のプログラミングを進行させることができる。
方法800のブロック803では、モバイルコンピューティングデバイス301は、ユーザが選択可能な患者用プログラマーの設定を表示してもよい。ユーザが選択可能な設定は、例えば、モバイルコンピューティングデバイス301の表示画面上のユーザインターフェースにグラフを用いて表示してもよい。ある実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301上で動作するアプリケーションソフトウェアは、患者用変更パラメータを設定する過程を通じて埋込型薬剤輸送装置101に格納されたプログラムされた薬剤輸送処方計画へ内科医がアクセスできるように構成されてもよい。パラメータは例えば、一定期間に患者が要求可能な急速投与の回数、各急速投与の量、連続する急速投与の要求間における最短待機時間、急速投与を実行してもよい時刻、患者が要求する薬剤輸送基本速度に対する許容される変更などが含まれうる。モバイルコンピューティングデバイス301のユーザは、患者に許容される変更に関する種々のパラメータを入力することができ、プログラムされた薬剤輸送処方計画の患者用変更パラメータの少なくとも一つの選択をブロック805において受信することができる。この選択は、タッチスクリーンインターフェース、キーパッドなどのモバイルコンピューティングデバイス301のユーザインターフェースコンポーネントを用いて入力してもよい。
ブロック807では、選択されたパラメータが患者用プログラマー401、501、601に送信され、選択されたパラメータが患者用プログラマーにプログラムされる。ある実施形態では、リンク415、217、603を介して直接患者用プログラマー401、501、601に選択されたパラメータを送信してもよい。他の実施形態では、遠隔計測ユニット201、あるいは埋込型薬剤輸送装置101などの他の装置へ選択されたパラメータを送信してもよい。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型装置101をプログラムしている間に選択されたパラメータを送信してもよい。パラメータは、少なくとも一時的に他の装置に格納され、その後患者用プログラマーに伝達してもよい。
任意のブロック809では、モバイルコンピューティングデバイス301は、患者用プログラマーのプログラミングが成功したことの確認を患者用プログラマー401、501、601から受信してもよい。さらに、患者用プログラマー401、501、601は、試みたプログラミングが失敗したことを示すメッセージを送信してもよい。
患者用プログラマー401、501、601のプログラミングに引き続き、モバイルコンピューティングデバイス301と患者用プログラマー401、501、601との接続をブロック811において終了してもよい。患者用プログラマー401、501、601を用い、モバイルコンピューティングデバイス301によってプログラムされたパラメータに従い、埋込型薬剤輸送装置101のプログラムされた薬剤輸送処方計画を変更してもよい。
図5は、患者用変更パラメータをプログラミングする具体的方法900のプロセスフロー図である。方法900は、図4に示した方法800と並行して実行することができる。図5に示す方法900は、図1Aから1Dに示した患者用プログラマーユニット401、図1Bに示した結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501、あるいは図1Cに示した患者用プログラマー機能が組み込まれたモバイルコンピューティングデバイス601などの患者用プログラマーによって実行することができる。あるいは、方法900は、埋込型薬剤輸送装置101によって実行してもよく、プログラムされた薬剤輸送処方計画への患者による変更要求が許容されるか否かを判断するロジックは埋込型装置101自身に置かれてもよい。
方法900のブロック901では、図1Aから1Dに示したモバイルコンピューティングデバイス301などのモバイルコンピューティングデバイスとの通信を確立してもよい。ブロック903では、プログラムされた薬剤輸送処方計画の患者用変更パラメータの少なくとも一つが受信される。少なくとも一つのパラメータは、一定期間に患者が要求可能な急速投与の回数、各急速投与の量、連続する急速投与の要求間における最短待機時間、急速投与を実行してもよい時刻、患者が要求する薬剤輸送基本速度に対して許容される変更などに関連しうる。ブロック907では、患者用プログラマーのメモリ内にこの少なくとも一つのパラメータが格納される。
ブロック905では、この受信した少なくとも一つのパラメータを患者用プログラマーユニット401の内部メモリ407などのメモリに格納することができる。任意のブロック907では、パラメータのプログラミングが成功したことの確認をプログラミングするモバイルコンピューティングデバイス301へ送信してもよい。あるいは、プログラミングが成功しなかった場合、メッセージをモバイルコンピューティングデバイス301へ送信し、プログラミングが成功しなかったことを示してもよい。ブロック909では、モバイルコンピューティングデバイス301との接続を終了してもよい。
図6は、埋込型薬剤輸送装置内のプログラムされた薬剤輸送処方計画を患者によって変更する具体化方法1000のプロセスフロー図である。図6の方法1000は、図1Aから1Dに示した患者用プログラマーユニット401、図1Bに示した結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501、あるいは図1Cに示した患者用プログラマー機能が組み込まれたモバイルコンピューティングデバイス601などの患者用プログラマーによって実行することができる。方法1000は、メモリと連結され、この方法の種々のステップを実行するプロセッサ実行可能命令が組み込まれた患者用プログラマーのプロセッサによって実行されてもよい。メモリは、患者に許容される薬剤輸送処方計画の変更のための格納されたパラメータを含むことができ、図4に関連して既に述べたように、パラメータはモバイルコンピューティングデバイス301によってプログラムすることができる。あるいは、プログラムされた薬剤輸送処方計画に対し患者が要求した変更が許容されるか否かを判断するロジックが埋込型装置101上に置かれている場合には、方法1000のすべて、もしくは一部は埋込型薬剤輸送装置101によって実行されてもよい。
方法1000のブロック1001では、患者用プログラマーは、プログラムされた薬剤輸送処方計画への患者による変更要求に対応する入力操作を検出することができる。入力操作は、例えば患者用プログラマーのボタンを患者が押すことであってよい。入力操作は、埋込型薬剤輸送装置101から薬剤の追加の投与(例えば急速投与)の要求に対応してもよい。
方法1000のブロック1003では、格納された少なくとも一つのパラメータに基づき、要求された変更が許容されるか否かの判断を行うことができる。格納されたパラメータは、一定期間に患者が要求可能な急速投与の回数、各急速投与の量、連続する急速投与の要求間における最短待機時間、急速投与を実行してもよい時刻などに関連しうる。パラメータは、あらかじめ内科医、あるいは医療専門家によって設定され、患者用プログラマーのメモリに格納されてもよい。決定ブロック1005では、患者用プログラマーのプロセッサは、要求された変更が許容されるか否かを決定することができる。要求された変更の許可(すなわち、決定ブロック1005=「Yes」)決定への応答時、ブロック1007において患者用プログラマーのプロセッサは、患者の要求を埋込型薬剤輸送装置101へ送信してもよい。決定ブロック1009では、患者用プログラマーのプロセッサは、要求の受信が成功したことの確認、および要求が埋込型薬剤輸送装置101によって実行されたことの確認を受信したか否かを判断することができる。この確認が受信されたという判断(すなわち、決定ブロック1009=「Yes」)に対する応答時、ブロック1011において、患者用プログラマーのプロセッサは、患者の要求が成功したことを表示してもよい。要求された変更が許容されない(すなわち、決定ブロック1005=「No」)という決定に対する応答時、あるいは埋込型装置から確認が受信されない(すなわち、決定ブロック1009=「No」)という判断に対する応答時、患者用プログラマーのプロセッサは、患者の要求が成功しなかったことをブロック1013において表示してもよい。
種々の実施形態は、埋込型薬剤輸送装置をプログラミングするモバイルコンピューティングデバイス(例えばスマートフォン、タブレット、PDAなど)と連結することができる、埋込型薬剤輸送装置のための遠隔計測ユニットを含む。幾つかの実施形態では、プログラミングののち、モバイルコンピューティングデバイスを遠隔計測ユニットから取り外し、プログラムされた薬剤輸送処方計画に対する患者の変更要求を可能にするための遠隔計測ユニットに患者用プログラマーを連結してもよい。他の実施形態では、プログラミングののち、モバイルコンピューティングデバイスを遠隔計測ユニットから取り外し、プログラムされた薬剤輸送処方計画に対する患者の変更要求を可能にするための別の遠隔計測ユニットに患者用プログラマーを連結してもよい。第1の実施形態の遠隔計測ユニット1101を図7AからGに示す。図7Aは遠隔計測ユニット1101とモバイルコンピューティングデバイス301の立体分解図である。図7Bはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1101を示す。図7Cは遠隔計測ユニット1101の断面図であり、図7Dはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1101の背面図である。これらの図に示すように、本実施形態の遠隔計測ユニット1101は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信を行う送受信素子(例えば遠隔コイル)、関連電子部品、および電源(一つ、あるいは複数の電池)を収納可能な下部筐体1103を有する。図7BからDに示すように、上部カバー1105は下部筐体1103に固定することができる。スマートフォンなどのモバイルコンピューティングデバイス301は、図7B、7Cに示すように上部カバー1105に搭載することができる。モバイルコンピューティングデバイス301と遠隔計測ユニット1101の間でデータ接続する、および/または電源接続を行うため、3方向コネクタ1107(例えばUSBブリッジ)を用いてもよい。3方向コネクタ1107はまた、USBポートなどの外部ポート1109を含んでもよい。上部カバー1105と底部筐体1103は押し込みピンなどの適切な締付機構を用いて固定することができる。上部カバー1105は、ユーザによって容易に底部筐体1103に着脱することができる。同様に、上部カバー1105は、モバイルコンピューティングデバイス301を容易に上部カバー1105内に取り付けてデバイス301を上部カバー1105に固定し、かつ、使用後に上部カバー1105から容易に取り外すことができるように構成することができる。ある実施形態では、上部カバー1105は、モバイルコンピューティングデバイス301の特定のモデルに適合するようカスタムメイドされていてもよい。異なるモデルのモバイルコンピューティングデバイスに適合するよう、様々な上部カバー1105を作製してもよい。上部カバー1105は、装置301が上部カバー1105に搭載されている間、モバイルコンピューティングデバイス301を完全に操作できるよう設計することができる。上部カバー1105は、モバイルコンピューティングデバイス301のボタンやスイッチ(例えば、電源ボタン)の位置に対応する位置に一つ、あるいは複数の切り込み、あるいは切り欠きを有してもよい。
モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型薬剤輸送装置をプログラムしたのち、および/または埋込型装置からデータを収集したのち、上部カバー1105を底部筐体1103から取り外し、モバイルコンピューティングデバイス301を上部カバー1105から取り外してもよい。幾つかの実施形態では、図7EからGに示すように、患者用プログラマー113をその後底部筐体1103に固定してもよい。図7Eは、底部筐体1103に固定される前の患者用プログラマー1113を示す。図7Fは完全に組み立てられた遠隔計測ユニット1101の前側鳥瞰図であり、図7Gはユニット1101の背面図である。患者用プログラマー1113と底部筐体1103は、押し込みピンなどの適切な締付機構によって固定することができる。必要に応じ、患者用プログラマー1113は底部筐体1103に容易に固定され、取り外される。患者用プログラマー1113は患者用投与ボタン1115とLED1117を備え、LED1117は電池量、遠隔コイルが埋込型装置の無線範囲にあるか否か、ボタン押し込み操作が成功したか否かを表示することができる。ボタン1115と表示器1117は底部筐体1103内の電子部品と電気的に接続されてもよい。ボタン押し込み操作を埋込型薬剤輸送装置への無線送信に変換する電子部品は、患者用プログラマー1113、および/または底部筐体1103に設けることができる。同様に、メモリ内に格納された患者用変更パラメータに基づいてボタン押し込み操作が許容されるか否かを判断するプロセッサと関連メモリは、患者用プログラマー1113、および/または底部筐体1103に配置することができる。
第2の実施形態の遠隔計測ユニット1201を図8AからGに示す。図8Aは遠隔計測ユニット1201とモバイルコンピューティングデバイス301の立体分解図である。図8Bはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1201を示す。図8Cは遠隔計測ユニット1201の断面図であり、図8Dはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1201の背面図である。図7AからGの実施形態と同様、遠隔計測ユニット1201は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信のための送受信素子(例えば遠隔コイル)、関連電子部品、および電源(例えば一つ、あるいは複数の電池)を収納可能な底部筐体1203を有していてもよい。本実施形態の上部カバー1205、1207は、図8BからDに示すように、底部筐体1203に固定することができる。本実施形態の上部カバー1205、1207はツーピースの構成であり、第1の部材1205はモバイルコンピューティングデバイス103を収納し、底部部材1207はモバイルコンピューティングデバイス103の底面でスライドし、モバイルコンピューティングデバイス301、底部筐体1203、およびUSBポートなどの外部ポート1209間の3方向データ/電源接続を提供する。上部カバー1105と底部筐体1103は、ネジなどの適切な締付機構を用いて固定されてもよい。ある実施形態では、上部カバーの部材1205、1207は特定モデルのモバイルコンピューティングデバイス301に適合するようにカスタムメイドされていてもよい。異なるモデルのモバイルコンピューティングデバイスに適合するよう、様々な上部カバー1205、1207を作製してもよい。上部カバー1205は、モバイルコンピューティングデバイス301のボタンやスイッチ(例えば、電源ボタン)の位置に対応する位置に一つ、あるいは複数の切り込み、あるいは切り欠きを有してもよい。
モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型薬剤輸送装置をプログラムしたのち、および/または埋込型装置からデータを収集したのち、上部カバー部材1105、1107を底部筐体1203から取り外し、モバイルコンピューティングデバイス301を取り外してもよい。幾つかの実施形態では、図8EからGに示すように、患者用プログラマー1213、1214をその後底部筐体1203に固定してもよい。図8Eは、底部筐体1203に固定される前の患者用プログラマー1213、1214を立体分解図にて示す。図8Fは完全に組み立てられた遠隔計測ユニット1201の前側鳥瞰図であり、図8Gはユニット1201の背面図である。本実施形態の患者用プログラマーはツーピースの患者用プログラマーであり、図8AからDに示した上部カバー1205と同様、底部筐体1203に固定可能な上部カバー部1213、およびエンボス加工された投与ボタン1215とLED表示器1217を備えるメンブランキーパッド1214を含む。ボタン1215と表示器1217は、底部筐体1203内の電子部品と電気的に接続されてもよい。ボタン押し込み操作を埋込型薬剤輸送装置への無線送信に変換する電子部品は、患者用プログラマー1213、1214および/または底部筐体1203に設けることができる。同様に、メモリ内に格納された患者用変更パラメータに基づいてボタン押し込み操作が許容されるか否かを判断するプロセッサと関連メモリは、患者用プログラマー1213、1214および/または底部筐体1203に配置することができる。
第3の実施形態の遠隔計測ユニット1301を図9AからGに示す。図9Aは遠隔計測ユニット1301とモバイルコンピューティングデバイス301の立体分解図である。図9Bはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1301を示す。図9Cは遠隔計測ユニット1301の断面図であり、図9Dはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1301の背面図である。図7AからG、図8AからGの実施形態と同様、遠隔計測ユニット1301は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信のための送受信素子(例えば遠隔コイル)、関連する電子部品、および電源(例えば一つ、あるいは複数の電池)を収納可能な底部筐体1303含む。図9AからDに示すように、上部カバー1305は底部筐体1303に固定され、モバイルコンピューティングデバイス301を上部カバー1305と底部筐体1303の間に挟むことができる。データ接続や充電のための電子部品は底部筐体1303内に配置してもよい。上部カバー1305は、USBポートなどの外部ポート1309にアクセスするためのスロット、あるいは開口を有していてもよい。上部カバー1205と底部筐体1203は、ネジなどの適切な締付機構を用いて固定されてもよい。ある実施形態では、上部カバー1305は特定モデルのモバイルコンピューティングデバイス301に適合するようにカスタムメイドされていてもよい。異なるモデルのモバイルコンピューティングデバイスに適合するよう、様々な上部カバー1305を作製してもよい。上部カバー1305は、モバイルコンピューティングデバイス301のボタンやスイッチ(例えば、電源ボタン)の位置に対応する位置に一つ、あるいは複数のモールドスイッチを有してもよい。
モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型薬剤輸送装置をプログラムしたのち、および/または埋込型装置からデータを収集したのち、上部カバー1305を底部筐体1303から取り外し、モバイルコンピューティングデバイス301を取り外してもよい。幾つかの実施形態では、図9EからGに示すように、患者用プログラマー1313をその後底部筐体1303に固定してもよい。図9Eは、底部筐体1303に固定される前の患者用プログラマー1313を示す。図9Fは完全に組み立てられた遠隔計測ユニット1301の前側鳥瞰図であり、図9Gはユニット1301の背面図である。患者用プログラマー1313と底部筐体1303は、ネジなどの適切な締付機構により固定されてもよい。患者用プログラマー1313は底部筐体1103に容易に固定され、必要に応じて底部筐体1103から取り外すことができる。患者用プログラマー1313は、患者用投与ボタン1315とLED1317を備え、LED1317は電池量、遠隔コイルが埋込型装置の無線範囲にあるか否か、およびボタン押し込み操作が成功したか否かの表示を提供してもよい。ボタン1315と表示器1317は、底部筐体1303内の電子部品と電気的に接続されてもよい。ボタン押し込み操作を埋込型薬剤輸送装置への無線送信に変換する電子部品は、患者用プログラマー1313、および/または底部筐体1303に設けることができる。同様に、メモリ内に格納された患者用変更パラメータに基づいてボタン押し込み操作が許容されるか否かを判断するプロセッサと関連メモリは、患者用プログラマー1313、および/または底部筐体1303に配置することができる。
第4の実施形態の遠隔計測ユニット1401を図10AからGに示す。図10Aは遠隔計測ユニット1401とモバイルコンピューティングデバイス301の立体分解図である。図10Bはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1401を示す。図10Cは遠隔計測ユニット1401の断面図であり、図10Dはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1401の背面図である。図7AからG、図8AからG、図9AからGの実施形態と同様、遠隔計測ユニット1401は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信のための送受信素子(例えば遠隔コイル)、関連電子部品、および電源(例えば一つ、あるいは複数の電池)を収納可能な底部筐体1403含む。図10AからDに示すように、上部カバー1405は底部筐体1403上に固定され、モバイルコンピューティングデバイス301を上部カバー1405と底部筐体1403の間に挟むことができる。図10AからDに示すように、3方向コネクタと外部ポート(例えばUSB)を含む独立した接続コンポーネント1407が上部カバー1405と底部筐体1403に取り付けられてもよい(設置面積を低減するため、独立した接続コンポーネント1407を患者用プログラマー1413に用いなくてもよい)。上部カバー1405と底部筐体1403は、ネジなどの適切な締付機構を用いて固定されてもよい。ある実施形態では、上部カバー1405は特定モデルのモバイルコンピューティングデバイス301に適合するようにカスタムメイドされていてもよい。異なるモデルのモバイルコンピューティングデバイスに適合するよう、様々な上部カバー1405を作製してもよい。上部カバー1405は、モバイルコンピューティングデバイス301のボタンやスイッチ(例えば、電源ボタン)の位置に対応する位置に一つ、あるいは複数のモールドスイッチを有してもよい。
モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型薬剤輸送装置をプログラムしたのち、および/または埋込型装置からデータを収集したのち、上部カバー1405を底部筐体1403から取り外し、モバイルコンピューティングデバイス301を取り外してもよい。幾つかの実施形態では、図10EからGに示すように、患者用プログラマー1413をその後底部筐体1403に固定してもよい。図10Eは、底部筐体1403に固定される前の患者用プログラマー1413を示す。図10Fは完全に組み立てられた遠隔計測ユニット1401の前側鳥瞰図であり、図10Gはユニット1401の背面図である。患者用プログラマー1413と底部筐体1403は、ネジなどの適切な締付機構により固定されてもよい。患者用プログラマー1413は底部筐体1403に容易に固定され、必要に応じて底部筐体1403から取り外すことができる。患者用プログラマー1413は、患者用投与ボタン1415とLED1417を備え、LED1417は電池量、遠隔コイルが埋込型装置の無線範囲にあるか否か、およびボタン押し込み操作が成功したか否かの表示を提供してもよい。ボタン1415と表示器1417は、底部筐体1403内の電子部品と電気的に接続されてもよい。ボタン押し込み操作を埋込型薬剤輸送装置への無線送信に変換する電子部品は、患者用プログラマー1413、および/または底部筐体1403に設けることができる。同様に、メモリ内に格納された患者用変更パラメータに基づいてボタン押し込み操作が許容されるか否かを判断するプロセッサと関連メモリは、患者用プログラマー1413、および/または底部筐体1403に配置することができる。
図11Aから11Eは、様々な実施形態にしたがって薬剤輸送装置へプログラムされ、患者への薬剤(注入液)輸送を制御するために用いられる処方計画の種々のフローを示すプロットである。図11Aから11Dでは、注入液の体積フローレートが時間の関数として示されている。図11Aは、時間に対してフローレート1501が一定であることが特徴である薬剤輸送処方計画を示す。図11Bは、時間とともにフローレート1503が変化することが特徴である薬剤輸送処方計画を示す。図11Cは、基本フローレート1501(図11Aに示すように一定でも図11Bに示すように可変でも良い)と周期的な薬剤の急速投与1515が特徴である薬剤輸送処方計画を示す。薬剤はプログラムに基づいて、および/または必要に応じて患者の要求に応答して輸送されてもよい。図11Dは、周期的な薬剤輸送処方計画を示し、注入液は、プログラムされた輸送パルス1507(すなわち、急速投与)系列を介して輸送され、輸送パルス1507の間では輸送されない。患者は、必要に応じて急速投与の追加実施ができてもよい。
薬剤輸送処方計画は、図11Aから11Dに示された一つ、あるいは複数のフローレートスキームの種々の組み合わせであってもよい。幾つかの実施形態では、ここで参照として組み込まれる共同保有米国特許第9,180,282に記載されているように、注入液の特別な投与が複数のパルス、あるいは注入液の複数にわたる急速投与という形で行われても良く、これにより、処置期間を通じて投与全量が提供される。急速投与間の期間は、輸送サイトの近傍組織に肉芽腫が形成されることを防ぐための予防処置が提供できるように選択される。
薬剤輸送処方計画は、あらかじめプログラムされた計画的な薬剤輸送処方計画スケジュールではなく、ユーザによって選択される急速投与のみによる輸送であってもよい。この処方計画は、ユーザ選択による急速投与薬剤輸送計画と呼ばれることがある。このような処方計画では、患者は、図1Aから図1Dを参照して既に述べた患者用プログラマーユニット401、501、601などの患者用プログラマーユニットを用いて急速投与による輸送を制御することができる。この処方計画では、患者に対するあらかじめプログラムされた恵沢的な薬剤輸送はなくてもよく、薬剤はもっぱらユーザが要求した急速投与を通じて患者に輸送されてもよい。
幾つかの実施形態では、内科医は、患者用プログラマーユニット、および/または薬剤輸送装置をプログラムし、急速投与による注入液の輸送に関する一定のパラメータ、あるいは制限を付与してもよい。プログラムされたパラメータは、例えば、次の急速投与を実行するまでの最短待機時間(回復時間)、所定期間(例えば1日あたり、一時間あたり、一週間あたりなど)内に患者が実行可能な薬剤の急速投与の合計回数、所定期間内に患者が投与可能な薬剤の総量、急速投与を実行してもよい時刻などに関連してもよい。
例えば図11Dを参照すると、内科医は、患者によって要求された急速投与1507と、その次に患者が急速投与を要求することができるまでの間の最短回復期間(tR)をプログラムしてもよい。最短回復期間(tR)内に次の急速投与の要求は受け付けられない(すなわち、患者用プログラマーユニット上で行われた患者の要求に対する応答において、注入液は薬剤輸送装置によって輸送されない)。最短回復期間(tR)が経過したのち、患者は次の急速投与を要求することが可能となる。
図11Eは、さらなる実施形態を、グラフを用いて示すものであり、ここでは患者用プログラマーユニットは、患者が特定サイズの急速投与を行うことを可能にするように構成することができる。例えば、患者用プログラマーユニット、および/または薬剤輸送装置は、図11Eに示す三つのサイズ(1、2、3)のように、様々なサイズの(すなわち、薬剤の量が異なる)急速投与が選択的に行えるようにプログラムすることができる。患者用プログラマーユニットはユーザが選択可能なオプションを提供してもよく、これにより、患者は異なるサイズの急速投与を選択することができる(例えば、患者用プログラマーユニットの独立したハードキー/ボタンを介して、および/または患者用プログラマーユニットのユーザインタフェースディスプレイ上のユーザが選択可能なオプションメニューを介して)。三つ以上、あるいは三つ以下の異なる急速投与サイズを利用できることが理解されるであろう。さらに図11Eでは、異なるサイズ(すなわち、サイズ1、2、3)の急速投与は、ある一定の輸送時間tDにおいて異なる体積フローレート1509、1511、1513を有するように図示されているが、急速投与のサイズは、輸送時間tDを変えて、あるいはある輸送時間tD内で各投与量のデューティーサイクルを変えることによって調整しても良い。
幾つかの実施形態では、内科医は、装置をプログラミングする際、急速投与の大きさを種々のサイズに規定してもよく、さらに/あるいは患者が利用できる急速投与のサイズを制限してもよい。内科医はさらに、急速投与の実行の回数や頻度に対する制限をプログラムしてもよい。幾つかの実施形態では、患者が一定時間に特定の急速投与サイズ(すなわち、1、2、あるいは3)を選択することができるかどうかは、過去に実施された一回、あるいは複数回の急速投与の関数で決められてもよい。例えば、比較的大量の投与(例えば、投与サイズ3)が実行されたのちに患者が次の投与を行うことが許可されるまでの最短回復時間は、比較的少量の投与(例えば、投与サイズ1あるいは2)が実行されたのちの最短回復時間よりも長くてもよい。さらに、急速投与が行われた後の最短回復時間は、引き続き要求される急速投与のサイズに基づいて変化させてもよい。例えば、第1の急速投与(例えばサイズ1の急速投与)の実行の後、次のサイズ1の急速投与の実行が許可されるまでの最短回復時間trは、より大きな(例えばサイズ2あるいは3の)急速投与が次に実行される前の最短回復時間trよりも短くてもよい。
上述した方法の説明とプロセスフロー図は、単に例示説明として与えられるに過ぎず、示された順序で種々の実施形態のステップが実行されなければならないということを要求する、あるいは意味するものではない。当業者に容易に理解されるように、上述した実施形態におけるステップは、いかなる順序で実施されてもよい。「こののち」、「その後」、「次に」などの単語は、ステップの順序制限を意図するものではなく、これらの単語は単に、方法の説明を通じて読者を手引きするために使用しているにすぎない。さらに、例えば冠詞「a」、「an」、「the」を用いる単数形のクレーム構成要素に対する参照符号は、その構成要素を単数に限定することを意味するものではない。
ここに開示された実施形態に関連して記述され、例示された種々の論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、あるいはこれら両者の組み合わせとして実施することができる。例示された種々のコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、ステップは、このハードウェアとソフトウェア間の互換性をより明確に説明するため、基本的にはこれらの機能の点から説明を行った。このような機能がハードウェア、あるいはソフトウェアとして実施できるか否かは、システム全体に課せられた特定の用途や設計制約に依存する。当業者は、各特定の用途のために記述された機能を種々の方式で実施することができるが、このような実施の決定は、本発明の範囲から逸脱するものと理解すべきではない。
ここに開示された実施形態に関連して記述され、例示された種々の論理、論理ブロック、モジュール、回路を実施するために用いられるハードウェアには、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、あるいはその他のプログラマブル論理装置、ディスクリートゲートあるいはトランジスターロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、もしくはここで記載された機能を実現するために設計されたこれらの組み合わせによって実行されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサでもよく、あるいはプロセッサは一般的なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでもよい。プロセッサは、例えばDSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結された一つ、あるいは複数のマイクロプロセッサ、もしくは他のこのような構成といったコンピューティングデバイスの組み合わせとして提供されてもよい。あるいは、いくつかのステップや方法は、ある機能に特化した回路によって実行されてもよい。
一つ、あるいは複数の例示的実施形態では、記述された機能はハードウェア、ソフトウェア、もしくはこれらの組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアによって実現される場合、これらの機能は一つ、あるいは複数の命令やコードとして非一時的コンピュータ可読媒体、あるいは非一時的プロセッサ可読媒体に格納されてもよい。ここで記述される方法、あるいはアルゴリズムのステップは、非一時的コンピュータ可読、あるいはプロセッサ可読記録媒体上のプロセッサ実行可能なソフトウェア内で具現化されてもよい。非一時的コンピュータ可読、あるいはプロセッサ可読記録媒体は、コンピュータ、あるいはプロセッサによってアクセス可能ないかなる記録媒体であってもよい。限定されることなく一例を挙げると、このような非一時的コンピュータ可読、あるいはプロセッサ可読記録媒体は、RAM、ROM、EEPROM、FLASHメモリ、CD−ROM、あるいはその他の光ディスク記録装置、磁気ディスク記録装置またはその他の磁気記録装置、もしくは目的とするプログラムコードを命令やデータ構造として格納するために使用可能であり、コンピュータによってアクセス可能なその他の媒体でよい。ここで用いられれるdiskとdiscは、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、ブルーレイディスクを含み、diskは通常データを磁気的に再生し、discはレーザを用いてデータを光学的に再生する。これを組み合わせたものも非一時的コンピュータ可読、プロセッサ可読媒体に含まれる。さらに、方法やアルゴリズムの操作は、コードおよび/または命令の一つ、もしくは組合せか組として非一時的プロセッサ可読媒体、および/またはコンピュータ可読媒体上に配されてもよく、これらはコンピュータプログラム製品へ組み込んでもよい。
開示された態様に関する上述した記述は、当業者が本発明を行う、あるいは使用することができるように提供されたものである。これらの態様に対する種々の変更は当業者にとって自ずと自明であり、ここで定義された基本的な原理は、本発明の範囲を逸脱することなく他の態様に適用可能である。したがって、本発明はここで示された態様に制限されるものではなく、ここで開示された原理と新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲が与えられる。
遠隔計測ユニットはさらに筐体を有してもよく、筐体は、モバイルコンピューティングデバイスが筐体と連結されている間、遠隔計測ユニットがモバイルコンピューティングデバイスと通信リンクを確立できるよう、モバイルコンピューティングデバイスと連結されてもよい。幾つかの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイスは筐体に収納され、埋込型薬剤輸送装置のプログラミングの間、遠隔計測ユニットと物理的に連結されてもよく、埋込型装置のプログラミングの後、筐体から取り外してもよい。
図1Aは、本発明の一つの態様に係る、モバイルコンピューティングデバイス301を用いる埋込型薬剤輸送装置101をプログラミングするためのシステム100を示す。図1Aは、埋込型薬剤輸送装置101を有する患者10、および埋込型薬剤輸送装置101が患者10の内部に存在する際に、埋込型薬剤輸送装置101と通信するための外部遠隔計測ユニット201を模式的に示す。患者10は人間などの哺乳類の患者であってよい。埋込型薬剤輸送装置101は、無線リンク203上で遠隔計測ユニット201と通信してもよい。一つの実施形態では、無線リンク203は、他の技術やプロトコルを使用してもよいが、磁気ベースパルス位置変調(PPM)プロトコルを利用してもよい。
様々な実施形態で用いられる典型的なモバイルコンピューティングデバイス301は、図2に模式的に示された構成を含むことができる。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301は、内部メモリ313とディスプレイ315と連結されるプロセッサ311を備えてもよい。モバイルコンピューティングデバイス301はさらに、電磁波を送受信し、無線データリンクに接続されるアンテナ317、および/またはプロセッサ311に連結されるセルラー方式電話トランシーバ319を有してもよい。幾つかの実施形態では、セルラー方式電話通信に用いられるトランシーバ319、およびプロセッサ311とメモリ313の一部を総じて無線インターフェースと記す。モバイルコンピューティングデバイス301はさらに、USBポートと関連する制御回路を含むことができるUSB通信モジュール321、無線PAN(例えばブルートゥース(登録商標))送受信機と関連する制御回路を含むことができるPAN通信モジュール323、およびNFC送受信機と関連する制御回路を含むことができる近距離通信(NFC)モジュール325などの、プロセッサ311と連結される一つあるいは複数の追加的通信モジュール321、323、325を含んでもよい。モバイルコンピューティングデバイス301はまた、プロセッサ311と連結されるユーザ入力コンポーネント327を含むことができ、ユーザ入力コンポーネント327は例えば、タッチスクリーンユーザインターフェース、キーパッド、あるいは/または一つ、または複数のボタンかスイッチであってもよい。
他の実施形態では、図1Bに示すように、遠隔計測ユニット201と患者用プログラマーユニット401は結合され、患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501へと一体化されてもよい。この実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス301は、埋込型薬剤輸送装置101、および結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501の患者用プログラマーコンポーネントをプログラミングするため、結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501の開口503内に収納されるなどにより、結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501と連結されてもよい。
さらに別の実施形態では、図1Dに示すように、二つの独立した遠隔計測ユニット201A、201bを利用してもよい。各遠隔計測ユニット201A、201Bは、図1Aに関連して既に述べた遠隔計測ユニット201と類似してもよい。第1の遠隔計測ユニット201Aは、上述したように埋込型薬剤輸送装置101をプログラミングするためにモバイルコンピューティングデバイス301との通信インターフェース217を提供するように構成された通信回路215Aを有してもよい。第1の遠隔計測ユニット201Aの筐体207Aは開口219Aを有することができ、開口219Aは、モバイルコンピューティングデバイス301が遠隔計測ユニット201と物理的に連結できるようにモバイルコンピューティングデバイス301を収納するよう構成される。第2の遠隔計測ユニット201Bは、上述したようにプログラムされた薬物輸送処方計画の変更を患者が要求できるようにするため、患者用プログラマーユニット401との通信インターフェース415を提供する通信回路215Bを有してもよい。第2の遠隔計測ユニット201Bの筐体207Bは開口219Bを有することができ、開口219Bは、患者用プログラマーユニット401が第2の遠隔計測ユニット201Bと物理的に連結できるように患者用プログラマーユニット401を収納するよう構成される。
上述したように、また、図1Aから1Dに示したように、遠隔計測ユニット201とのプログラミングインターフェースを提供するように構成されるモバイルコンピューティングデバイス301は、無線遠距離通信ネットワーク303を介して(例えば、セルラー形式ネットワーク305、308との無線通信309を介して)遠方のサーバ331と通信し、インターネット307と接続可能であってもよい。したがって、一度モバイルコンピューティングデバイス301が患者用プログラマー401(例えば図1A)、あるいは結合された患者用プログラマー/遠隔計測ユニット501(例えば図1B)との接続を確立すると、患者用プログラマー、および/または遠隔計測ユニットからのデータは、ブロック705で表示するために遠隔地にいる臨床医のコンピューティングデバイスへ、ブロック703で無線遠距離通信ネットワーク303を介して中継されてもよい。例えば、モバイルコンピューティングデバイス301によって中継された、現在ユーザが選択可能な薬剤輸送設定などの情報を内科医が受信できるように構成されたサーバ331によって管理されるウェブサイトに内科医がログインしてもよい。遠隔地にある内科医のコンピューティングデバイスへ中継され得る情報はさらに、埋込型薬剤輸送装置101によって感知されるであろう患者の生体シグナル、埋込型薬剤輸送装置101内の一つ、あるいは複数の容器の液面レベル、および/または埋込型薬剤輸送装置101によって中継され得る電子的ステータスや診断情報を含んでもよい。
第2の実施形態の遠隔計測ユニット1201を図8AからGに示す。図8Aは遠隔計測ユニット1201とモバイルコンピューティングデバイス301の立体分解図である。図8Bはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1201を示す。図8Cは遠隔計測ユニット1201の断面図であり、図8Dはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1201の背面図である。図7AからGの実施形態と同様、遠隔計測ユニット1201は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信のための送受信素子(例えば遠隔コイル)、関連電子部品、および電源(例えば一つ、あるいは複数の電池)を収納可能な底部筐体1203を有していてもよい。本実施形態の上部カバー1205、1207は、図8BからDに示すように、底部筐体1203に固定することができる。本実施形態の上部カバー1205、1207はツーピースの構成であり、第1の部材1205はモバイルコンピューティングデバイス301を収納し、底部部材1207はモバイルコンピューティングデバイス501の底面でスライドし、モバイルコンピューティングデバイス301、底部筐体1203、およびUSBポートなどの外部ポート1209間の3方向データ/電源接続を提供する。上部カバー1205と底部筐体1203は、ネジなどの適切な締付機構を用いて固定されてもよい。ある実施形態では、上部カバーの部材1205、1207は特定モデルのモバイルコンピューティングデバイス301に適合するようにカスタムメイドされていてもよい。異なるモデルのモバイルコンピューティングデバイスに適合するよう、様々な上部カバー1205、1207を作製してもよい。上部カバー1205は、モバイルコンピューティングデバイス301のボタンやスイッチ(例えば、電源ボタン)の位置に対応する位置に一つ、あるいは複数の切り込み、あるいは切り欠きを有してもよい。
第3の実施形態の遠隔計測ユニット1301を図9AからGに示す。図9Aは遠隔計測ユニット1301とモバイルコンピューティングデバイス301の立体分解図である。図9Bはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1301を示す。図9Cは遠隔計測ユニット1301の断面図であり、図9Dはモバイルコンピューティングデバイス301に連結された遠隔計測ユニット1301の背面図である。図7AからG、図8AからGの実施形態と同様、遠隔計測ユニット1301は、埋込型薬剤輸送装置との無線通信のための送受信素子(例えば遠隔コイル)、関連する電子部品、および電源(例えば一つ、あるいは複数の電池)を収納可能な底部筐体1303含む。図9AからDに示すように、上部カバー1305は底部筐体1303に固定され、モバイルコンピューティングデバイス301を上部カバー1305と底部筐体1303の間に挟むことができる。データ接続や充電のための電子部品は底部筐体1303内に配置してもよい。上部カバー1305は、USBポートなどの外部ポート1309にアクセスするためのスロット、あるいは開口を有していてもよい。上部カバー1305と底部筐体1303は、ネジなどの適切な締付機構を用いて固定されてもよい。ある実施形態では、上部カバー1305は特定モデルのモバイルコンピューティングデバイス301に適合するようにカスタムメイドされていてもよい。異なるモデルのモバイルコンピューティングデバイスに適合するよう、様々な上部カバー1305を作製してもよい。上部カバー1305は、モバイルコンピューティングデバイス301のボタンやスイッチ(例えば、電源ボタン)の位置に対応する位置に一つ、あるいは複数のモールドスイッチを有してもよい。
モバイルコンピューティングデバイス301が埋込型薬剤輸送装置をプログラムしたのち、および/または埋込型装置からデータを収集したのち、上部カバー1305を底部筐体1303から取り外し、モバイルコンピューティングデバイス301を取り外してもよい。幾つかの実施形態では、図9EからGに示すように、患者用プログラマー1313をその後底部筐体1303に固定してもよい。図9Eは、底部筐体1303に固定される前の患者用プログラマー1313を示す。図9Fは完全に組み立てられた遠隔計測ユニット1301の前側鳥瞰図であり、図9Gはユニット1301の背面図である。患者用プログラマー1313と底部筐体1303は、ネジなどの適切な締付機構により固定されてもよい。患者用プログラマー1313は底部筐体1303に容易に固定され、必要に応じて底部筐体1303から取り外すことができる。患者用プログラマー1313は、患者用投与ボタン1315とLED1317を備え、LED1317は電池量、遠隔コイルが埋込型装置の無線範囲にあるか否か、およびボタン押し込み操作が成功したか否かの表示を提供してもよい。ボタン1315と表示器1317は、底部筐体1303内の電子部品と電気的に接続されてもよい。ボタン押し込み操作を埋込型薬剤輸送装置への無線送信に変換する電子部品は、患者用プログラマー1313、および/または底部筐体1303に設けることができる。同様に、メモリ内に格納された患者用変更パラメータに基づいてボタン押し込み操作が許容されるか否かを判断するプロセッサと関連メモリは、患者用プログラマー1313、および/または底部筐体1303に配置することができる。