JP2018512228A - 単位用量パッケージ - Google Patents

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Abstract

歯科用組成物のための単位用量パッケージであって、(a) 近位端部および遠位端部を有する剛性の支持部材であって、歯科用組成物のための1つまたは複数の貯蔵コンパートメントを支持し、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントと1つまたは複数のノズルとの間に流体流連通を提供し、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントは10マイクロリットル〜1000マイクロリットルの容積をそれぞれ有する剛性の支持部材と、(b) 近位端部から遠位端部に延在する縦軸を有する吐出し導管であって、その縦軸の周りでの回転のために剛性の支持部材の遠位端部に回転可能に取り付けられる吐出し導管とを備え吐出し導管(b)と剛性の支持部材(a)とのアタッチメントは、2要素射出成形により設けられ、それにより、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通は、第1の位置から第2の位置まで剛性の支持部材に対して吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより確立され得、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通は、第2の位置から第1の位置まで剛性の支持部材に対して吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより遮断され得、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントは、剛性の支持部材に取り付けられる複合材料フィルムで作られた可撓性フィルムによって形成される、歯科用組成物のための単位用量パッケージ。

Description

本発明は、歯科用組成物のための単位用量パッケージに関する。単位用量パッケージは、単一の構成要素または2つ以上の構成要素を含み得る。本発明の単位用量パッケージは、2つ以上の構成要素を混合するために適合され得る。
さらに、本発明は、本発明の単位用量パッケージの準備のためのプロセスに関する。
最後に、本発明は、歯科用組成物、特に歯科用接着剤を分注するための、本発明の単位用量パッケージの使用に関する。
歯科用組成物、詳細には、歯科用接着剤は、歯面を湿らせることを可能にするために極性溶媒を必要とする。さらに、溶媒は、歯科用組成物を硬化する前に溶媒を除去するために揮発性であることが要求される。したがって、歯科用接着剤組成物は、有機水溶性溶媒および/または水を含み得る。有機水溶性溶媒は、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの揮発性アルコールならびに/またはアセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトンから選択され得る。歯科用組成物の貯蔵の間に、揮発性溶媒は、包装材料を通り抜け得る。したがって、高価になりがちな特殊な包装が要求される。
欧州特許第1577227号は、材料、好ましくは歯科材料を貯蔵、混合および分注するためのカプセルを開示する。そのカプセルは、メインチャンバを設けたカプセル本体部材を備え、分注開口部、補助チャンバを設けたレセプタクルを備え、前記レセプタクルが前記カプセル本体部材に収容され、アプリケータ部材が前記カプセル本体部材に摺動可能に収容されている。
欧州特許第1843952号は、第1の構成要素を収容するための第1のチャンバ、第2の構成要素を収容するための少なくとも1つの第2のチャンバ、前記チャンバに接続できる吐出ダクト、吐出ダクト内部で構成要素を混合するための偏向要素、ならびに使用前に構成要素の混合を防止しおよび構成要素を排出するために開放できる封止部を備える複数要素用フォイルタイプ容器に関する。そのチャンバは、可撓性あるにもかかわらず寸法が安定した材料から構成される2つの半殻体中に形成される。2つの半殻体は充填され、次いで互いと組み合わされ得る。使用前に構成要素の混合を防止するための封止部が、2つのチャンバ間に配置された1つまたは複数の分離フィルムにより形成される。
欧州特許第1991155号は、歯科材料を貯蔵し、分注するためのカプセルを開示する。そのカプセルは、歯科材料用のカートリッジおよびノズルを備える。ノズルは、カートリッジに対して、貯蔵するためにカプセルが閉じる第1の位置と、歯科材料を分注するためにカプセルが開く第2の位置との間で、旋回可能である。ノズルおよびカートリッジのうちの一方は、ベアリング部材を備え、ノズルおよびカートリッジのうちの他方は、ベアリングシェルを備え、ベアリング部材およびベアリングシェルはピボットを形成する。
欧州特許第1991155号によるカプセルは、ピボットアセンブリがやや大きく扱いにくく、したがって医師の視野を妨げるという問題がある。さらに、ノズルは、歯科処置において使用されるとき、不注意で位置が変化する可能性があるレバーに相当する。
本発明の課題は、歯科用組成物を分注するのに適し、歯科用組成物の安定した貯蔵を可能にし、視野角において歯腔内部でわずかな領域を占めることにより直視制御により使用可能となり、光学撮像システムの必要性を回避する、単位用量パッケージを提供することである。
さらに、本発明の課題は、本発明の単位用量パッケージの準備のためのプロセスを提供することである。
本発明は、
a) 近位端部および遠位端部を有する剛性の支持部材であって、歯科用組成物のための1つまたは複数の貯蔵コンパートメントを支持し、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントと1つまたは複数のノズルとの間に流体流連通を提供し、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントは10マイクロリットル〜1000マイクロリットルの容積をそれぞれ有する剛性の支持部材と、
b) 近位端部から遠位端部に延在する縦軸を有する吐出し導管であって、その縦軸の周りでの回転のために剛性の支持部材の遠位端部に回転可能に取り付けられる吐出し導管とを備え、
吐出し導管(b)と剛性の支持部材(a)とのアタッチメントは、2要素射出成形により設けられ、
それにより、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通は、第1の位置から第2の位置まで剛性の支持部材に対して吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより確立され得、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通は、第2の位置から第1の位置まで剛性の支持部材に対して吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより遮断され得、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントは、剛性の支持部材に取り付けられる複合材料フィルムで作られた可撓性フィルムによって形成される、歯科用組成物のための単位用量パッケージを提供する。
さらに、本発明は、本発明による単位用量パッケージの準備のためのプロセスであって、支持部材および吐出し導管の少なくとも第1の部材は2要素射出成形により作られ、吐出し導管の少なくとも第1の部材および支持部材は異なる樹脂材料で作られるプロセスを提供する。
最後に、本発明は、歯科用接着剤組成物、減感剤、小窩裂溝封鎖材および保護ワニスから選択される歯科用組成物を分注するための単位用量パッケージの使用を提供する。
本発明の単位用量パッケージは、歯科用組成物を分注する便利で簡単な手順を提供し、優れた密封特性を有し、歯科用組成物の安定した貯蔵を提供する。本発明の単位用量パッケージは、2〜28℃で2年間、低粘度の歯科用組成物、特に、アルコール、ケトンおよび水から選択される1つまたは複数の揮発性の溶媒を含む歯科用組成物の安定した貯蔵を提供する。
本発明の単位用量パッケージは、剛性の支持部材および吐出し導管を備える。吐出し導管は、単位用量パッケージが貯蔵のために閉じている第1の位置と単位用量パッケージが分注のために開いている第2の位置との間で、剛性の支持部材に対してその縦軸の周りで回転可能である。単位用量パッケージが貯蔵のために閉じているとき、単一単位容量は非動作状態である。単位用量パッケージが分注のために開いているとき、単位用量パッケージは動作状態である。剛性の支持部材と吐出し導管が協働するため剛性の支持部材に対して吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通が第2の位置において確立され得、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通が、第1の位置へ吐出し導管が回転することにより遮断され得る。
本発明は、歯科用組成物の低粘度および高粘度による単位用量パッケージの貯蔵の問題が、単位用量パッケージが剛性、気密性、コンパクト性、および縦軸に沿った視野角における小断面積を有するように組み立てられる、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントを含む剛性の支持部材と特有の吐出し導管の特有の組合せによって、解決され得るという認識に基づいている。したがって、光学撮像システムの必要性を回避し、単位用量パッケージが直視制御のもとで使用され得ると同時に、貯蔵の問題も解決され得る。
本発明による単位用量パッケージの好ましい実施形態を示す斜視側面図である。 図1に示す本発明による単位用量パッケージの好ましい実施形態を示す断面側面図である。 本発明の単位用量パッケージの剛性の支持部材および吐出し導管の好ましい実施形態を示す断面図である。 本発明の単位用量パッケージの好ましい実施形態を示す断面図である。 本発明による単位用量パッケージが動作している状態において吐出し導管とともに剛性の支持部材を示す上面図である。 本発明による単位用量パッケージが動作していない状態において吐出し導管とともに剛性の支持部材を示す上面図である。 本発明による単位用量パッケージの好ましい実施形態における単位用量パッケージの剛性の支持部材を示す斜視図である。 本発明の単位用量パッケージの好ましい実施形態における貯蔵コンパートメントを示す断面図である。
本発明は、歯科用組成物のための単位用量パッケージを提供する。歯科用組成物は、低粘度の歯科用組成物であることが好ましい。特に、歯科用組成物は、23℃で、最大1パスカル、好ましくは最大100ミリパスカル、より好ましくは最大50ミリパスカルの粘性係数を有する。歯科用組成物は、好ましくは、水、アルコールまたはケトンから選択される1つまたは複数の溶媒を含む。歯科用組成物は、歯科用接着剤、減感剤、小窩裂溝封鎖材および保護ワニスから選択された1つであることが好ましい。歯科用組成物は、歯科用接着剤、より好ましくはアルコール、ケトンおよび水から選択される1つまたは複数の溶媒を含む歯科用接着剤であることが好ましい。好ましい実施形態において、歯科用組成物は、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール、t−ブタノール、メチルエチルケトン、アセトンおよび水から選択される1つまたは複数の溶媒を含む歯科用接着剤である。本発明のより好ましい実施形態において、歯科用組成物は、アセトンを含む歯科用接着剤である。
本発明による単位用量パッケージは、好ましくは1要素歯科用組成物であり得る歯科用組成物を保持し得る。本発明による単位用量パッケージはまた、2要素組成物または複数要素組成物である歯科用組成物を保持し得、歯科用組成物の2つまたは複数の要素は単位用量パッケージにおける別々の貯蔵コンパートメントで貯蔵され、2つまたは複数の要素の歯科用組成物が分注されるとき混合される。
歯科用組成物のための単位用量パッケージは、近位端部および遠位端部を有する剛性の支持部材を備える。剛性の支持部材は、歯科用組成物の構成要素のための1つまたは複数の貯蔵コンパートメントを支持する。剛性の支持部材はさらに、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントと1つまたは複数のノズルとの間の流体流連通を提供する。単位用量パッケージが1より多い貯蔵コンパートメントを備える場合、貯蔵コンパートメントは単位用量パッケージの動作前に分けられる。
歯科用組成物のための単位用量パッケージはさらに、近位端部から遠位端部へ延在する縦軸を有する吐出し導管を備える。吐出し導管は、その縦軸の周りでの回転のために剛性の支持部材の遠位端部に回転可能に取り付けられる。好ましくは、吐出し導管と剛性の支持部材とのアタッチメントは、2要素射出成形により設けられる。したがって、剛性の支持部材は、ポリエチレンまたはポリプロピレン樹脂材料で作られることが好ましい。吐出し導管は、ポリアミド樹脂またはPBT樹脂から選択された材料で作られることが好ましい。
本発明によれば、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通は、第1の位置から第2の位置まで剛性の支持部材に対して吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより確立され得る。
さらに、本発明によれば、吐出し導管と1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通は、第2の位置から第1の位置まで剛性の支持部材に対して吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより遮断され得る。
本発明の単位用量パッケージの1つまたは複数の貯蔵コンパートメントは、剛性の支持部材に取り付けられる可撓性フィルムにより提供される。
吐出し導管は、剛性の支持部材の回転対称な凹部で受容され得、そこで1つまたは複数のノズルが提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、吐出し導管は、その円筒状の側壁に1つまたは複数のノズルを有する円筒状の凹部である凹部で受容され得る。
好ましくは、吐出し導管は、前側が閉じている遠位端部から近位端部へ延在する吐出しチャネルを備え、そこでは流体流連通が、吐出しチャネルの側壁に設けられた1つまたは複数のオリフィスによって近位端部で提供される。
吐出し導管はさらに、剛性の支持部材に取り付けられる第1の部材および第1の部材の遠位端部に取り付けられる第2の部材を備えるため、第1の部材と第2の部材との間に永続的な流体流連通が提供され得る。
本発明の好ましい実施形態において、吐出し導管はさらに第2の部材に取り付けられる第3の部材を備えるため、第3の部材と第2の部材との間に永続的な流体流連通が提供され得る。
第2の部材は、第2の部材が第3の部材に取り付けられていてもいなくても、吐出し導管の縦軸の周りで第1の部材に対して回転され得る。
好ましくは、吐出し導管はスタティックミキサを備える。
好ましい実施形態によれば、支持部材はさらに、単位用量パッケージシステムの充填の間、流体流連通を1つまたは複数の貯蔵コンパートメントに提供する近位端部における1つまたは複数のオリフィスを備え得る。
支持部材の近位端部における1つまたは複数のオリフィスは、キャップで密封され得る。
好ましい実施形態によれば、単位用量パッケージは、最大1パスカル(23℃)、好ましくは最大100ミリパスカル(23℃)の粘性係数を有する歯科用組成物を含む。
好ましい実施形態によれば、歯科用組成物は、1つまたは複数の溶媒を含む。溶媒は、水、アルコールまたはケトンから選択され得る。歯科用組成物は、好ましくは、歯科用接着剤、減感剤、小窩裂溝封鎖材および保護ワニスから選択される。
歯科用組成物のための単位用量パッケージの好ましい実施形態によれば、歯科用組成物は、水、アルコールおよびケトンから選択される1つまたは複数の溶媒を含む歯科用接着剤である。本発明の単位用量パッケージのより好ましい実施形態において、歯科用組成物は、歯科用接着剤、好ましくはt−ブタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、水、メチルエチルケトンおよびアセトンから選択される1つまたは複数の溶媒を含む歯科用接着剤である。より好ましくは、歯科用組成物は、アセトンを含む歯科用接着剤である。
本発明は、本発明の単位用量パッケージの準備のためのプロセスであって、支持部材および吐出し導管の少なくとも第1の部材が2要素射出成形により作られ、吐出し導管の少なくとも第1の部材および支持部材が異なる樹脂材料で作られるプロセスを提供する。
さらに、本発明は、歯科用接着剤組成物、減感剤、小窩裂溝封鎖材および保護ワニスから選択される歯科用組成物を分注するための本発明の単一単位容量の使用を提供する。
好ましい実施形態において、本発明の単位用量パッケージは歯科用接着剤を分注するために使用される。
図1は、本発明の好ましい実施形態による、歯科用組成物のための単位用量パッケージ10の斜視側面図を示す。単位用量パッケージは、剛性の支持部材11を備える。
剛性の支持部材11は、歯科用組成物を貯蔵および分注するための任意の適切な材料で作られ得る。好ましくは、剛性の支持部材11は、プラスチック材料で作られる。プラスチック材料の例としては、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)から選択されることが好ましい。単位用量パッケージにおける歯科用組成物の性質に鑑みて、剛性の支持部材11の材料の選択は、周囲環境に対する歯科用組成物の遮蔽に関して、歯科用組成物における低粘度性、溶媒および構成要素に鑑みた材料の密封特性、ならびに周囲環境から歯科用組成物に転移する酸素による歯科用組成物の安定化などの要求を満たすことに関連する。
剛性の支持部材11は、近位端部110および遠位端部111を有する。近位端部は、キャップ14と結合され得る。遠位端部111は、吐出し導管13と結合される。
剛性の支持部材11は、歯科用組成物のための1つまたは複数の貯蔵コンパートメント12を支持し、1つまたは複数の貯蔵コンパートメント12と1つまたは複数のノズル114との間の流体流連通を提供する。1つまたは複数の貯蔵コンパートメント12の容量は、好適な取扱い性および密封特性を有する単位用量パッケージが提供され得るかぎり、特に制限されない。1つまたは複数の貯蔵コンパートメントはそれぞれ、10マイクロリットル〜1000マイクロリットル、好ましくは20マイクロリットル〜450マイクロリットル、さらにより好ましくは30マイクロリットル〜200マイクロリットル、およびさらにより好ましくは50マイクロリットル〜100マイクロリットルの容量を有する。
1つまたは複数の貯蔵コンパートメント12は、剛性の支持部材11の外部ケーシングに取り付けられる可撓性フィルムによって提供される。可撓性フィルムの性質は、可撓性フィルムが、湿気および酸素に対して優れた障壁特性を提供し、優れた密封特性を保証するかぎり、特に制限されない。可撓性フィルムは複合フィルムで作られる。好ましくは、可撓性フィルムは、ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート(PE/Al/PET)、ポリプロピレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート(PP/Al/PET)、ポリエチレン/アルミニウム/配向ポリアミド(PE/Al/oPA)、ポリプロピレン/アルミニウム/配向ポリアミド(PP/Al/oPA)から選択される複合フィルムである。アルミニウムを含む複合フィルムの使用は、フィルムの着色の必要なく光保護を提供する。複合材料フィルムで作られた可撓性フィルムは、プラスチック溶接プロセスにより剛性の支持部材に取り付けられる。プラスチック溶接は、一般に加熱を利用して(溶媒溶接を除く)、材料の軟化した表面を融合するプロセスとしての、ISO472(プラスチック用語、ISO472国際標準化機構、スイス、1999年)に記載の半仕上げプラスチック材料用の溶接プロセスに関する。熱可塑性プラスチックの溶接は、3つの連続的な段階、すなわち表面処理、加熱および加圧ならびに冷却で達成される。本発明に従って用いるプラスチック溶接プロセスは、好ましくはヒートシーリングプロセスである。ヒートシーリングは、加熱および加圧を用いて一方の熱可塑性プラスチックを他方の同様の熱可塑性プラスチックに接合するプロセスである。ヒートシーリングの直接接触方法は、熱可塑性プラスチックを互いに密封しまたは溶接するように特定の接触領域または経路に熱を加えるために、絶えず加熱した鋳型またはシーリングバーを利用する。好ましくは、複合材料フィルムで作られた可撓性フィルムは、接着剤を用いることなく剛性の支持部材に取り付けられる。
剛性の支持部材は、近位端部130から遠位端部131へ延在する縦軸を有する吐出し導管13を備える。吐出し導管13は、その縦軸の周りでの回転のために剛性の支持部材11の遠位端部111に回転可能に取り付けられる。
吐出し導管13と1つまたは複数の貯蔵コンパートメント12との間の流体流連通は、第1の位置から第2の位置まで剛性の支持部材11に対して吐出し導管13がその縦軸の周りで回転することにより確立され得る。吐出し導管13と1つまたは複数の貯蔵コンパートメント12との間の流体流連通は、第2の位置から第1の位置まで剛性の支持部材11に対して吐出し導管13がその縦軸の周りで回転することにより遮断され得る。
吐出し導管が剛性の支持部材のノズルを閉じるとき、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントから吐出し導管への流路は成立しない。単位用量パッケージのこの段階はまた、非作動状態として示される。非作動状態において、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントへの歯科用組成物の充填が可能である。
吐出し導管が剛性の支持部材のノズルを開くとき、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントから吐出し導管への流路は成立する。したがって、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントと吐出し導管との間の流体連通が確立される。単位用量パッケージのこの段階はまた、作動状態として示される。作動状態において、歯科用組成物の分注が可能である。
図2および3に示すように、好ましい実施形態によれば、吐出し導管13は、剛性の支持部材11の回転対称な凹部115で受容され、1つまたは複数のノズルが提供される114。好ましくは、吐出し導管13は、その円筒状の側壁116に1つまたは複数のノズル114を有する円筒状の凹部である凹部115で受容され得る。
好ましい実施形態によれば、吐出し導管13は、前側が閉じている遠位端部131から近位端部130へ延在する吐出しチャネル136を備え、流体流連通が、吐出しチャネル136の側壁116に与えられた1つまたは複数のオリフィス114によって近位端部130で提供される。
好ましくは、吐出し導管13は、剛性の支持部材11に取り付けられる第1の部材132および第1の部材132の遠位端部に取り付けられる第2の部材133を備える、したがって第1の部材132と第2の部材133との間に永続的な流体流連通が提供される。第2の部材は、スロットおよびキーシステムによって第1の部材に取り付けられ得る。
吐出し導管13はさらに、第2の部材133に取り付けられる第3の部材134を備えるため、第3の部材134と第2の部材133との間に永続的な流体流連通が提供される。第3の部材は、スロットおよびキーシステムによって第2の部材に取り付けられ得る。
第3の部材は、その自由端部に分注先端を備え得る細長い部分であり得る。分注先端に、スポンジ、フロックまたはブラシなどのあらゆる適切な塗布形式が提供され得る。塗布形式は、例えば、エポキシ樹脂で分注先端に接着され得る。塗布形式はまた、例えば、熱可塑性プラスチック材料で作られる非常に細い毛を有するボールのような形状であり、共成形であり得る。
第2の部材133は、第2の部材が第3の部材に取り付けられていてもいなくても、吐出し導管13の縦軸の周りで第1の部材132に対して回転され得る。
図3に示すように、吐出し導管13はスタティックミキサ135を備え得る。スタティックミキサは、カートリッジから分注されると、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントに貯蔵された材料を混合する。スタティックミキサは、連続的な材料の混合を提供するかぎり、任意のスタティックミキサであってよい。好ましくは、スタティックミキサは円筒状のまたは方形のハウジングを有する。より好ましくは、スタティックミキサは円筒状のハウジングを有する。本発明の好ましい実施形態において、スタティックミキサは、螺旋状の部分をもつ円筒状のハウジングを有する。
図3では、作動状態でない吐出し導管が示される、すなわち、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントと吐出し導管との間の吐出しチャネルが閉じており、1つまたは複数の貯蔵コンパートメントと吐出し導管との間の流体流連通が遮断されている。
吐出し導管13には、剛性の支持部材11に対して吐出し導管13がその縦軸の周りで回転することを容易にする作動部材137が提供され得る。作動部材はまた、単位用量パッケージの作動または非作動状態の視覚的しるしを提供し得る。
図5または6により示されるように、好ましい実施形態によれば、作動状態から非作動状態への変化は、剛性の支持部材11に対して吐出し導管13がその縦軸の周りで90度回転することによって提供される。
図5および6は、吐出し導管に対する1つのノズルが開いている作動状態および吐出し導管に対する1つのノズルが閉じている非作動状態をそれぞれ示す。
好ましい実施形態によれば、単位用量パッケージはさらに、ユーザに単位用量パッケージの起動の確認を提供する触覚および/または聴覚フィードバックを備える。触覚フィードバックは、単位用量パッケージが始めに使用されるとき、抵抗を提供する方式であり得る。触覚フィードバックはスロットおよびキーシステムであり得る。触覚および/または聴覚フィードバックはまた、単位用量パッケージがすでに起動後および/または操作中であるかどうかを、ユーザに示し得る。
好ましい実施形態によれば、剛性の支持部材11はさらに、単位用量パッケージ10の充填の間、流体流連通を1つまたは複数の貯蔵コンパートメント12に提供する近位端部110における1つまたは複数のオリフィス113を備える。
図7は、本発明の単位用量パッケージ10の好ましい実施形態を示す。剛性の支持部材11の近位端部110に提供された2つのオリフィス113が示され、それぞれ、一方は貯蔵コンパートメントに歯科用組成物を充填し、他方は貯蔵コンパートメントに含まれた空気を吐き出す。
単位用量パッケージ10が2つの貯蔵コンパートメント12を備える場合には、剛性の支持部材11の1つまたは複数のノズル114が閉じているとき、各貯蔵コンパートメントの2つのオリフィス113の1つを通って歯科用組成物を各貯蔵コンパートメントに注入することにより、2つの貯蔵コンパートメント12を並行に充填することが可能である。充填と同時に、貯蔵コンパートメントに含まれる空気は、各貯蔵コンパートメントの第2の他のオリフィス113を通って吐き出される。
例えば、約0.5ミリメートルの直径を有するカニューレによって、対応する貯蔵コンパートメントに1つのオリフィスを通じて充填することが可能である。同時に、コンパートメントに存在する空気が、空気吐出しオリフィスを通って流れ出ることができる。このようにして、空気を含まない単位用量パッケージがもたらされる。液体の押出しで空気がなくなることにより、貯蔵コンパートメント内は圧縮状態でなくなり、また不可逆的に変形可能な可撓性フォイルによって、空気の再循環効果は発生しない。
図8は、本発明の単位用量パッケージの好ましい実施形態を示す。剛性の支持部材は、隔壁壁117によって分けられた2つの貯蔵コンパートメント12を支持する。
好ましい実施形態によれば、剛性の支持部材11の近位端部110における1つまたは複数のオリフィス113は、キャップ14により密封される。キャップは、剛性の支持部材の近位端部110におけるいくつかのオリフィス113に対応するいくつかのピンを有することが好ましい。
本発明はまた、単位用量パッケージ10の準備のためのプロセスを提供する。
支持部材11および吐出し導管13の少なくとも第1の部材は2要素射出成形で作られ、吐出し導管の少なくとも第1の部材および支持部材は異なる樹脂材料で作られる。
吐出し導管13は、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)より高い融点を有するプラスチック材料で作られることが好ましい。好ましくは、吐出し導管のプラスチック材料は、ポリアミド(PA)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)から選択される。本発明の好ましい実施形態において、吐出し導管はポリアミドで作られる。
剛性の支持部材は、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)から選択されたプラスチック材料で作られることが好ましい。本発明の好ましい実施形態において、剛性の支持部材はポリエチレンで作られる。
好ましい実施形態によれば、本発明による単位用量パッケージの準備のためのプロセスの第1のステップにおいて、吐出しチャネルを備える吐出し導管が成形される。プロセスの第2のステップにおいて、剛性の支持部材は吐出し導管を中心にして成形することにより作られる。
続いて、吐出しチャネルと同じ形状を有するピストンまたはスタンプが、吐出し導管の前記吐出しチャネルに挿入される。同時に、剛性の支持部材における1つまたは複数のノズルが作られる。
プラスチック材料の冷却によって、剛性の支持部材は吐出し導管の囲まれた部分の上に収縮し、比例した厚みおよび機械的に安定した結合を形成する。支持部材および吐出し導管のために選ばれたプラスチック材料の間の不相容性のため、それらの間に相互作用はなく、どちらか一方が溶解することもない。射出成形方式の処理の後、支持部材および吐出し導管は作動状態である。剛性の支持部材に対して吐出し導管がその回転軸周りで回転することによって、吐出しチャネルは閉じられる。
単位用量パッケージは、歯科用接着剤組成物、減感剤、小窩裂溝封鎖材および保護ワニスから選択される歯科用組成物を分注するために使用される。好ましくは、単位用量パッケージは、歯科用接着剤、より好ましくはt−ブタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、水、アセトン、メチルエチルケトンから選択される1つまたは複数の溶媒を含む歯科用接着剤を分注するために使用される。本発明の好ましい実施形態において、本発明の単位用量パッケージは、アセトンを含む歯科用接着剤を分注するために使用される。

Claims (15)

  1. 歯科用組成物のための単位用量パッケージであって、
    (a)近位端部および遠位端部を有する剛性の支持部材であって、前記歯科用組成物のための1つまたは複数の貯蔵コンパートメントを支持し、前記1つまたは複数の貯蔵コンパートメントと1つまたは複数のノズルとの間に流体流連通を提供し、前記1つまたは複数の貯蔵コンパートメントが10マイクロリットル〜1000マイクロリットルの容積をそれぞれ有する剛性の支持部材と、
    (b)近位端部から遠位端部に延在する縦軸を有する吐出し導管であって、その縦軸の周りでの回転のために前記剛性の支持部材の前記遠位端部に回転可能に取り付けられる吐出し導管とを備え、
    前記吐出し導管(b)と前記剛性の支持部材(a)とのアタッチメントは、2要素射出成形により設けられ、
    それにより、前記吐出し導管と前記1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の流体流連通が、第1の位置から第2の位置まで前記剛性の支持部材に対して前記吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより確立され得、前記吐出し導管と前記1つまたは複数の貯蔵コンパートメントとの間の前記流体流連通が、前記第2の位置から前記第1の位置まで前記剛性の支持部材に対して前記吐出し導管がその縦軸の周りで回転することにより遮断され得、前記1つまたは複数の貯蔵コンパートメントが、前記剛性の支持部材に取り付けられる複合材料フィルムで作られた可撓性フィルムによって形成される、歯科用組成物のための単位用量パッケージ。
  2. 前記可撓性フィルムが、ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート(PE/Al/PET)、ポリプロピレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート(PP/Al/PET)、ポリエチレン/アルミニウム/配向ポリアミド(PE/Al/oPA)、ポリプロピレン/アルミニウム/配向ポリアミド(PP/Al/oPA)から選択される、請求項1に記載の単位用量パッケージ。
  3. 複合材料フィルムで作られた前記可撓性フィルムが、プラスチック溶接プロセスにより前記剛性の支持部材に取り付けられる、請求項1または2に記載の単位用量パッケージ。
  4. 前記吐出し導管が、前記剛性の支持部材の回転対称な凹部で受容され、1つまたは複数のノズルが提供される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単位用量パッケージ。
  5. 前記凹部が、その円筒状の側壁に1つまたは複数のノズルを有する円筒状の凹部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単位用量パッケージ。
  6. 前記吐出し導管が、前側が閉じている前記遠位端部から前記近位端部へ延在する吐出しチャネルを備え、流体流連通が、前記吐出しチャネルの側壁に設けられた1つまたは複数のオリフィスによって前記近位端部で提供される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単位用量パッケージ。
  7. 前記吐出し導管が、前記剛性の支持部材に取り付けられる第1の部材と、前記第1の部材の遠位端部に取り付けられる第2の部材とを備え、したがって前記第1の部材と前記第2の部材との間に永続的な流体流連通が提供される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単位用量パッケージ。
  8. 前記吐出し導管が、第2の部材に取り付けられる第3の部材をさらに備え、したがって前記第3の部材と前記第2の部材との間に永続的な流体流連通が提供される、請求項5に記載の単位用量パッケージ。
  9. 第2の部材が、前記吐出し導管の前記縦軸の周りで第1の部材に対して回転され得る、請求項5または6に記載の単位用量パッケージ。
  10. 前記吐出し導管がスタティックミキサを備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の単位用量パッケージ。
  11. 前記支持部材が、単位用量パッケージシステムの充填の間、流体流連通を前記1つまたは複数の貯蔵コンパートメントに提供する前記近位端部における1つまたは複数のオリフィスをさらに備え、好ましくは、前記支持部材の前記近位端部における前記1つまたは複数のオリフィスがキャップによって密封されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の単位用量パッケージ。
  12. 最大1パスカル(23℃)の粘性係数を有する歯科用組成物を含み、好ましくは最大100ミリパスカル(23℃)の粘性係数を有する歯科用組成物を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の単位用量パッケージ。
  13. 前記歯科用組成物が、アルコール、ケトンおよび水から選択される1つまたは複数の溶媒を含む歯科用接着剤であり、または、スポンジ、フロックおよびブラシから選択される塗布形式が提供される分注先端を備える、請求項10に記載の単位用量パッケージ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に定義されるような単位用量パッケージの準備のためのプロセスであって、前記支持部材および前記吐出し導管の少なくとも第1の部材が2要素射出成形により作られ、前記吐出し導管の少なくとも前記第1の部材および前記支持部材が異なる樹脂材料で作られる、プロセス。
  15. 歯科用粘着性組成物、減感剤、小窩裂溝封鎖材および保護ワニスから選択される歯科用組成物を分注するための請求項1〜12のいずれか1項に記載の単一単位容量の使用。
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