JP2018511549A - ニトロセルロースベースの発射薬用のトコフェロール安定剤 - Google Patents

ニトロセルロースベースの発射薬用のトコフェロール安定剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)ニトロセルロースを含む硝酸エステルベースの発射薬と;(b)一般式(I)(式中:Xは酸素であり;R1は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、カルボキシレ−ト、エステル、サッカリド、アルコキシ−連結サッカリド、アルコール、およびエーテルからなる群から選択され;R2は、水素 メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;R3は、水素、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;R4は、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;R5は、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択される)のトコフェロール化合物からなる安定剤とを含むニトロセルロースベースの発射薬組成物に関する。

Description

本発明は、安定化したニトロセルロースベースの発射薬組成物に関する。特にそれは、発癌性および変異原性副生成物をほとんどからまったく生成しない安定剤で安定化したニトロセルロースベースの発射薬に関する。
無煙火薬が19世紀以来開発されて、発砲されたときにかなりの量の煙を発生させる、伝統的な黒色火薬に取って代わってきた。最も広く使用される無煙火薬は、ニトロセルロースベースである。ニトロセルロースは、一般的な反応:
3HNO+C10→C(NO+3H
に従って硝酸を使用してセルロースをセルロース硝酸エステルと水とに変換することによって得られる。ニトロセルロースベースの無煙火薬は次に、このようにして得られたニトロセルロースを、溶媒ありもしくはなしで、押出もしくは球形造粒(当業者に周知である2つの技術)により処理することによって得られる。
様々な改善が、爆発速度の増加を可能にするニトログリセリンおよび/またはニトログアニジンなどの、さらなる成分の添加によって、ニトロセルロースの第1発見以来進められてきた。純粋なニトロセルロース発射薬は、シングルベース発射薬と言われ、ダブルおよびトリプルベース発射薬は、ニトロセルロースと、それぞれ、1つもしくは2つの追加のエネルギッシュベース、典型的にはニトログリセリンなどの爆破油、ニトログアニジン、または第2爆薬とを含む組成物を意味する。
ニトロセルロースは、ほとんどの硝酸エステルのように、そのO−N結合の弱さのために熱分解の結果として自己発火しやすい。発射薬または他の爆薬組成物の原料として用いられる場合、ニトロセルロースの自然発火は、重大事故の原因になっている。安全上の理由でこの分解を阻止するかまたはスローダウンすることは明らかに不可欠であるが、エネルギッシュ組成物の初期特性を保持することもまた重要である。分解は通常、ガス放出、発熱ならびに材料構造および弾道特性に悪影響を及ぼすモル質量の低下をもたらす。
ニトロセルロースの分解は通常、アルコキシラジカルおよび窒素酸化物(NOx)化学種を発生させる、結合切断または加水分解から始まる(図1を参照されたい)。ラジカルはさらに反応してより多くのラジカルを発生させ、分解プロセスをスピードアップし、究極的には発熱を伴う鎖切断をもたらす。発射薬の耐用年数を引き延ばすために、安定剤が、これらのラジカル化学種を捕捉し、そして分解パターンをスローダウンするためにエネルギッシュ混合物に添加される。
ニトロセルロースベースの発射薬について今までに使用されたすべての従来型安定剤は、(a)芳香族アミン(例えば、ジフェニルアミン、4−ニトロ−N−メチルアミン)または(b)芳香族ウレア誘導体(例えば、アカルダイト、セントラリット)に属し、発射剤の寿命中にある時点で毒性のおよび/または潜在的に発癌性の化学種であるかまたは化学種を生成する。例えば、今まで最も広く使用された安定剤は、ジフェニルアミン、アカルダイト、およびセントラリットである。しかし、これらの化合物は、N−ニトロソジフェニルアミン(図2(a)を参照されたい)またはN−ニトロソエチルフェニルアミンなどの発癌性誘導体を形成する。
トリフェニルアミンなどの、ヒンダードアミンは、N−NO基の形成を減少させるが、ニトロセルロースを満足できるほど安定させることができない。プラスチックス業界で使用される従来型ヒンダードフェノールは試験されており、N−NO形成がほとんどからまったくなしにニトロセルロースを短期間安定させる。フェノール類は、ニトロセルロースの分解中に発生するアルコキシラジカルを捕捉することができ、こうして、図2(b)に例示されるように電子に富む、ヒンダード基の足元での電子の非局在化によって、新たな、比較的安定したアルコキシラジカルを形成する。しかし、長期間安定性は、多分、速いフェノール消耗および新たに形成されたアルコキシラジカルの相対的安定性のために、必ずしも保証されるとは限らない。
国際公開第20105019178号パンフレットは、置換テトラヒドロキノリンで安定化したニトロセルロースベースの発射薬を記載している。
国際公開第2012066126号パンフレット、国際公開第2014016336号パンフレット、米国特許第2,249,054号明細書、および国際公開第9703974号パンフレットは、酸化防止剤としておよび安定剤としてトコフェロールおよび/またはトコトリエノールを含むポリマーを記載している。
したがって、固体発射薬の分野では、少なくともSTANAG 4582(Ed.1)を満たし、そして発癌性および/または変異原性副生成物を生成しない、ニトロセルロースベースの発射薬の長期安定化を可能にする安定剤が依然として必要とされている。本発明は、両方の上記要件を満たす系統の安定剤を提案する。本発明のこれらのおよび他の利点は、継続して提示される。
本発明は、添付の独立クレームにおいて定義される。好ましい実施形態は、従属クレームにおいて定義される。特に、本発明は、
(a)ニトロセルロースを含む硝酸エステルベースの発射薬と;
(b)一般式(I):
Figure 2018511549
(式中:
Xは酸素であり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、カルボキシレ−ト、エステル、サッカリド、アルコキシ−連結サッカリド、アルコールおよびエーテルからなる群から選択され;
は、水素 メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
は、水素、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
は、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
は、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択される)
の、トコフェロールまたはトコトリエノール−型化合物からなる安定剤と
を含むニトロセルロースベースの発射薬組成物に関する。
硝酸エステルベースの発射薬は、ニトロセルロース単独からなるシングルベース発射薬であっても、あるいはまた、少なくとも1つの爆破油および/もしくは少なくとも1つのエネルギッシュ添加剤と組み合わせてニトロセルロースを含むダブルベースもしくはそれ以上ベース発射薬であってもよい。当業者によって知られているように、爆破油は本明細書では、グリセロール、グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、メトリオールなどのポリオールのニトロ化によって得られるエネルギッシュ化合物と定義される。得られる硝酸エステルはほとんどの場合、重質で、油状であり、爆発特性を示す。ニトログリセリンは多分、業界で用いられる最も一般的な爆破油である。用語「NOx」は、一窒素酸化物NOおよびNO(酸化窒素および二酸化窒素)に対する総称として、その一般に認められる意味で本明細書では用いられる。好ましい実施形態では、爆破油は少なくともニトロ化ポリオールを含み、前記ニトロ化ポリオールは、グリセロール、グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびメトリオール、好ましくはグリセロールからなる群から選択されるポリオールのニトロ化によって得られる。
爆破油のような、本発明に好適なエネルギッシュ添加剤は、ニトロセルロースの爆破力を高めるために使用される。エネルギッシュ添加剤は、エネルギッシュ可塑剤または爆薬であり得る。エネルギッシュ可塑剤の例は、ブチル−NENAまたはジニトロジアザアルカン(DNDA)などの、ニトラミンを含む。エネルギッシュ添加剤としての使用に好適な爆薬の例としては、RDX、HMX、FOX7、FOX12、CL20が挙げられる。
本発明の好ましい安定剤は、硝酸エステルの分解生成物:アルコキシラジカルおよびNOxの両方と反応することができる。第一に、安定剤の不安定なプロトンの水素引き抜きによって、アルコキシラジカル基との反応によって、こうして、安定したアルコール化合物と、NOx化学種を捕捉することができる第1副生成物とを形成する。こうして形成された一連の副生成物は、硝酸エステルの分解からのNOxおよびアルコキシラジカルと反応することができる。有害なNNO基は、安定剤構造中の窒素原子の欠如のためにまったく形成されない。
本発明の好ましい安定剤は、硝酸エステルの分解により形成されたラジカルアルコキシ基とH−引き抜きによって反応して、硝酸エステルの分解によって形成されたNOxと反応してNNO基をまったく含まない第2副生成物を形成することができる第1副生成物を形成することができる。第2副生成物がそれ自体また、硝酸エステルの分解によって形成されたラジカルアルコキシ基とまたはNOxと反応して、第3副生成物を形成することができる場合に、それは、さらにより好ましい。任意選択的に、第3および後続副生成物はまた、そのようなラジカルアルコキシ基とまたはNOxと反応し、こうして安定剤の効能を実質的に引き延ばすことができる。
爆破油は少なくともニトロ化ポリオールを含むことが好ましく、前記ニトロ化ポリオールは、グリセロール、グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびメトリオール、好ましくはグリセロールからなる群から選択されるポリオールのニトロ化によって得られる。
好ましい実施形態では、安定剤は、アルファ−トコフェロール、ベータ−トコフェロール、ガンマ−トコフェロール、デルタ−トコフェロール、アルファ−トコトリエノール、ベータ−トコトリエノール、ガンマ−トコトリエノール、デルタ−トコトリエノールまたはそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、安定剤は、(+)‑アルファ−トコフェロール、(+)−ベータ−トコフェロール、(+)−ガンマ−トコフェロール、(+)−デルタ−トコフェロール、(−)−アルファ−トコフェロール、(−)−ベータ−トコフェロール、(−)−ガンマ−トコフェロール、(−)−デルタ−トコフェロールまたはそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい安定剤は、式(Ia)の(+)−アルファ−トコフェロールである。
Figure 2018511549
安定剤は、組成物の総重量に対して、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜2.0重量%、より好ましくは0.5〜1.5重量%に含まれる量で組成物中に存在してもよい。硝酸エステルベースの発射薬は、ニトロセルロースのみを含み、こうしてシングルベース発射薬を規定しても、あるいはまた、それは、ダブルベース発射薬を規定するために、ニトログリセリンなどの、爆破油を含んでもよい。本発明によるダブルベース発射薬は好ましくは、硝酸エステルベースの発射薬の総重量に対して、60重量%以下のニトログリセリンを含み、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは7〜22重量%のニトログリセリンを含む。
本発明の発射薬組成物は、STANAG 4582(Ed.1)に定義された安定性要件、すなわち、90℃の温度で少なくとも3.43日間350μW/g未満の熱流を発生させることを満たすべきである。本発明の多くの発射薬組成物は、これをはるかにより良好に達成することができ、90℃で30日間を上回って安定したままであり得る。
好ましい実施形態では、安定剤は、補助安定剤と組み合わせって使用される。補助安定剤は好ましくは、以下の群:
(a)一般式(13−I):
Figure 2018511549
[式中:Rは、(i)H、(ii)置換もしくは非置換アルキル、または(iii)アルコキシ基を表し;RおよびRは、同じもしくは異なり、(i)置換もしくは非置換アルキル、または(ii)アルコキシ基を表す]
を有する置換フェノール化合物(13);
(b)一般式(14−I)または(14−II):
Figure 2018511549
(式中、R、R10およびR11は、同じもしくは異なり、非置換もしくはアルコキシ基で置換されたC1〜5アルキルを表す)
を有するトリアルコキシベンゼン(14);ならびに
(c)一般式(15−I):
Figure 2018511549
[式中:R12は、置換もしくは非置換アルキルを表し;R13は、(i)H、(ii)不飽和アルキル基、
Figure 2018511549
を表し、
14は、H、置換もしくは非置換アルキル、またはOR18を表し;
15は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換芳香環、またはOR18を表し;
16は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換芳香環、またはOR19を表し;
17は、置換もしくは非置換芳香環を表し;
18は、置換もしくは非置換アルキル、または置換芳香環を表し;
19は、置換もしくは非置換アルキル、または置換芳香環を表す]
を有する芳香族化合物(15)、
(d)一般式(16−I):
Figure 2018511549
[式中:R20、R21およびR22は、同じもしくは異なるものであり、(i)置換もしくは非置換基アルキル、(ii)アルコキシ基を表す]
を有する置換フェノール化合物(16)、
(e)一般式(17−I):
Figure 2018511549
[式中:R23、R24、R25およびR26は、同じもしくは異なるものであり、(i)置換もしくは非置換基アルキル、(ii)アルコキシ基を表す]
を有する置換フェノール化合物(17)、
(f)一般式(18−I)、(18−II)、(18−III)または(18−IV):
Figure 2018511549
(式中、R27は、ケトン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒドまたは不飽和アルキル基を表す)
の、イオノン型の化合物
から選択される。
硝酸エステルベースの発射薬および安定剤と並んで、本発明の発射薬組成物は、添加剤を含んでもよい。特に、それらは、以下の添加剤:
(a)好ましくは0.01〜1.5重量%に含まれる量での、硝酸カリウム(KNO)または硫酸カリウム(KSO)などの、カリウム塩;
(b)好ましくは1.0〜10.0重量%に含まれる量での、フタレート、Clおよびシトレート誘導体などの燃焼調節剤;
(c)好ましくは0.01〜0.5重量%に含まれる量での、黒鉛などの帯電防止剤;ならびに
(d)好ましくは0.01〜0.7重量%に含まれる量での、炭酸カルシウム
の1つもしくは複数を含んでもよく、
ここで、重量%は、発射薬組成物の総重量の観点から表される。
本発明はまた、ニトロセルロースベースの発射薬組成物を安定させるための、上に定義されたような式(I)の安定剤の使用に関する。安定剤は好ましくは、上に定義されたような式(Ia)のものである。
本発明の本質のより完全な理解のために、添付図面と併用される以下の詳細な説明について言及される。
図1は、フリーラジカルおよびNOxの形成を伴うニトロセルロースの自然分解の反応を示す。 図2は、アカルダイト(AkII)およびジフェニルアミン(DPA)(先行技術)の想定安定化メカニズムを示す。 図3は、(a)シングルベースニトロセルロース発射薬、(b)ダブルベースニトロセルロース/ニトログリセリン(80/20重量%)発射薬および(c)ダブルベースニトロセルロース/ニトログリセリン(60/40重量%)発射薬について様々な量の式(Ia)の安定剤で安定化した発射薬組成物によって発生するμW/g単位で表される正規化熱流を示す。
図1に例示されるように、ニトロセルロースの分解は、フリーオキシドラジカル2(R−O)およびNOxを形成する。これらの分解生成物は、さらにおよびニトロセルロース1と反応することができ、それは、過剰の発熱のために硝酸エステルベースの発射薬の爆発に迅速につながり得る。最も一般的に使用される安定剤は確実に、図2(a)に例示されるようなアカルダイト(AkII)4およびジフェニルアミン(DPA)5である。アカルダイト(AkII)4は、NOxに曝された場合に、図2(a)の反応(A)に例示されるような発癌性N−NO化合物6を形成する。同時にまたは順次、それは、熱への暴露時に解離して図2(a)の反応(B)に従ってジフェニルアミン(DPA)5を形成する。安定剤として直接使用されるにしろ、アカルダイト4の熱解離(B)後に組成物中に存在するにしろ、ジフェニルアミン(DPA)5は、次のメカニズムによって発射薬組成物を安定させる。発射薬によって発生したフリーラジカルアルコキシ基は、DPA5のアミン基の水素を引き抜いて安定した化合物(ROH、9)を形成する(図2(a)の反応(C)を参照されたい)。アミン8上に形成されたラジカルは、NOxと反応して安定したN−ニトロソジフェニルアミン10を形成することができる(図2(a)の反応(D)を参照されたい)。しかし、N−ニトロソジフェニルアミン10のNNO基は、発癌性であり、安全上の理由で回避されるべきである。トリフェニルアミンは、NNO基の形成を防ぐために昔は試験されてきたが、安定化特性の点でほとんど成功しなかった。図2(b)に例示されるようなヒンダードフェノールは、フリーオキシドラジカル(R−O)と効果的に反応するが、NOxとさらに反応する可能性が低い安定した成分を形成する(図2(b)の反応「丸1」を参照されたい)。そのような安定剤の効率は、速いフェノール消耗のために短期間のみに限定される。
本発明に使用されるような安定剤は、一般式(I)
Figure 2018511549
(式中:
Xは酸素であり;
は、次のもの:水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、カルボキシレ−ト、エステル、サッカリド、アルコキシ−連結サッカリド、アルコール、およびエーテル基から選択され;
は、水素 メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
は、水素、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステル、およびサッカリドからなる群から選択され;
は、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステル、およびサッカリドからなる群から選択され;
は、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択される)
を有する。
いかなる理論にも制約されることなく、本発明において定義されるような、安定剤(I)は、硝酸エステル1の分解によって形成されたラジカルアルコキシ基2およびNOx化学種と反応することができる(図1)非常に不安定なプロトンを含有すると考えられる。一連の副生成物が形成されそうであり、そしてまた、硝酸エステル1の分解からのNOxおよびアルコキシラジカルと反応し、安定剤機能の効率を高めることができる。化合物(I)構造中に窒素原子が欠如するために、有害なNNO基はまったく形成されないので、本発明による安定剤は、発癌性および変異原性副生成物をほとんどからまったく生成しない。
好ましい実施形態では、安定剤は、アルファ−トコフェロール、ベータ−トコフェロール、ガンマ−トコフェロール、デルタ−トコフェロール、アルファ−トコトリエノール、ベータ−トコトリエノール、ガンマ−トコトリエノール、デルタ−トコトリエノールまたはそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、安定剤は、(+)−アルファ−トコフェロール、(+)−ベータ−トコフェロール、(+)−ガンマ−トコフェロール、(+)−デルタ−トコフェロール、(−)−アルファ−トコフェロール、(−)−ベータ−トコフェロール、(−)−ガンマ−トコフェロール、(−)−デルタ−トコフェロールまたはそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい安定剤は、式(Ia)の、(+)−アルファ−トコフェロールである。
Figure 2018511549
本発射薬組成物は、硝酸エステル発射薬がニトロセルロースのみからなる、シングルベース発射薬であっても、ニトロセルロースが爆破油および/もしくは少なくとも1つのエネルギッシュ添加剤と組み合わせられている、ダブルベース発射薬であってもよい。最も一般的な爆破油はニトログリセリンである。図3(a)は、本発明による安定剤(Ia)で安定化したシングルベース発射薬組成物の安定性を例示する。図3(b)は、硝酸エステル発射薬が、80重量%ニトロセルロースと20重量%ニトログリセリン(一般に使用される爆破油)とを含むダブルベース発射薬組成物についての同じものを例示する。図3(c)は、硝酸エステル発射薬が、60重量%ニトロセルロースと40重量%ニトログリセリンとを含むダブルベース発射薬組成物についての同じものを例示する。エネルギッシュ添加剤は、ブチル−NENA、ジニトロジアザアルカン(DNDA)などのニトラミン、またはRDX、HMX、FOX7、FOX12、CL20などの爆薬の群から選択されるエネルギッシュ可塑剤であり得る。本発明によるダブルベース発射薬組成物は好ましくは、硝酸エステルベースの発射薬の総重量に対して60重量%以下の(ニトログリセリンなどの)爆破油またはエネルギッシュ添加剤を含む硝酸エステルベースの発射薬を含む。より好ましくは、それは、硝酸エステルベースの発射薬の総重量に対して、5〜45重量%、最も好ましくは7〜22重量%の爆破油またはエネルギー添加剤を含む。好ましい爆破油はニトログリセリンである。
本発明による発射薬組成物は、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.2〜2.0重量%、最も好ましくは0.5〜1.5重量%に含まれる量で、式(I)の安定剤を含む。図3(a)は、DPA(点線、=先行技術)で、および式(Ia)による1重量%の安定剤(実線、=発明)で安定化したシングルベース発射薬組成物の時間の関数としての安定性を比較する。図3(b)および(c)は、DPA(点線)でおよび式(Ia)による1重量%の安定剤で安定化したダブルベース発射薬組成物(それぞれ、20および40%ニトログリセリン)について時間の関数としての同じ安定性曲線をプロットする。図3において、式(Ia)の安定剤が、1週間およびそれ以上を上回って100μW/gよりも下の完全に安定した放出エネルギーのレベルを維持することを理解することができる。本発明による安定剤の安定化特性は、いかなる発癌性NNO成分も形成することなく、DPAのものと少なくとも同様に良好である−そして多くの場合実質的にそれよりも良好である。
さらにより長い安定化時間は、本発明に定義されるような安定剤を、芳香族化合物の形態での補助安定剤と組み合わせることによって得ることができる。補助安定剤は好ましくは、以下の群:
(a)一般式(13−I):
Figure 2018511549
[式中:Rは、(i)H、(ii)置換もしくは非置換アルキル、または(iii)アルコキシ基を表し;RおよびRは、同じもしくは異なり、(i)置換もしくは非置換アルキル、または(ii)アルコキシ基を表す]
を有する置換フェノール化合物(13);
(b)一般式(14−I)または(14−II):
Figure 2018511549
(式中、R、R10およびR11は、同じもしくは異なり、非置換もしくはアルコキシ基で置換されたC1〜5アルキルを表す)
を有するトリアルコキシベンゼン(14);ならびに
(c)一般式(15−I):
Figure 2018511549
[式中:R12は、置換もしくは非置換アルキルを表し;R13は、(i)H、(ii)不飽和アルキル基、
Figure 2018511549
を表し、
14は、H、置換もしくは非置換アルキル、またはOR18を表し;
15は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換芳香環、またはOR18を表し;
16は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換芳香環、またはOR19を表し;
17は、置換もしくは非置換芳香環を表し;
18は、置換もしくは非置換アルキル、または置換芳香環を表し;
19は、置換もしくは非置換アルキル、または置換芳香環を表す]
を有する芳香族化合物。
好ましい実施形態では、R12は、置換もしくは非置換C1〜5アルキル、好ましくはCHを表し;さらに、R13は、
Figure 2018511549
(式中、R28は、H、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換芳香環を表す)
を表すことが好ましい。例えば、オイゲノール(15−III)またはイソオイゲノール(15−IV)が、本発明による好適な補助安定剤である。
Figure 2018511549
本発明による組成物のより好ましい実施形態は、式(15−II)のクルクミン誘導体を安定剤として含み、
Figure 2018511549
式中、
12およびR29は、同じもしくは異なり、置換もしくは非置換アルキル、好ましくはC1〜5、より好ましくはCHを表し;R14およびR30は、同じもしくは異なり、Hまたは置換もしくは非置換アルキル(例えば、C1〜5アルキル)を表し、式中、R12およびR29、ならびにR14およびR30のそれぞれは、好ましくは同じであり、より好ましくは両方ともHである。
(d)一般式(16−I):
Figure 2018511549
[式中:R20、R21およびR22は、同じもしくは異なるものであり、(i)置換もしくは非置換アルキル、(ii)アルコキシ基である]
を有する置換フェノール化合物(16)、
(e)一般式(17−I):
Figure 2018511549
[式中:R23、R24、R25およびR26は、同じもしくは異なるものであり、(i)置換もしくは非置換アルキル、(ii)アルコキシ基を表す]
を有する置換フェノール化合物(17)、
(f)一般式(18−I)、(18−II)、(18−III)または(18−IV):
Figure 2018511549
[式中、R27は、ケトン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒドまたは不飽和アルキル基を表す。
好ましい実施形態では、R27は、アルファイオノン(18−Ia)およびプソイドイオノン(18−IVb):
Figure 2018511549
を生じさせる−C(O)CHを表す]
の、イオノン型の化合物
から選択される。
硝酸エステルベースの発射薬および安定剤と並んで、本発明による発射薬組成物は、添加剤を含んでもよい。特に、それは、以下の添加剤:
(a)好ましくは0.01〜1.5重量%に含まれる量での、硝酸カリウム(KNO)または硫酸カリウム(KSO)などの、カリウム塩;
(b)好ましくは1.0〜10.0重量%に含まれる量での、フタレート、セントラリットおよびシトレート誘導体などの燃焼調節剤;
(c)好ましくは0.01〜0.5重量%に含まれる量での、黒鉛などの帯電防止剤;ならびに
(d)好ましくは0.01〜0.7重量%に含まれる量での、炭酸カルシウム
の1つもしくは複数を含んでもよく、
ここで、重量%は、発射薬組成物の総重量の観点から表される。
本発明による発射薬組成物の例は、表1にリストアップされる。
Figure 2018511549
実験試験
「Explosives,nitrocellulose based propellants,stability test procedure and requirements using heat flow calorimetry」という表題の2007年3月9日のSTANAG 4582(Ed.1)は、熱流熱量測定法(HFC)を用いるシングル−、ダブル−、およびトリプルベース発射薬についての加速安定性試験手順を規定している。この試験は、高温での発射薬組成物によって発生する熱の測定に基づく。STANAG 4582(Ed.1)試験の充足は発射薬組成物に、25℃での10年安定性について資格を与える。
発射薬組成物の試料を、密封されたバイアルに入れ、10〜500μW/gに相当する測定範囲を有する熱流熱量計に配置する。試料を加熱し、試験の全体継続時間の間90℃の一定温度に維持し、熱流を測定し、記録する。90℃で3.43日の期間350μW/gを超えない熱流を、25℃で安全貯蔵の少なくとも10年と同等であるとみなす。図3(a)、(b)、および(c)のグラフは、上に規定されたように測定される時間の関数としての組成物の安定性を示す。縦座標(正規化熱流)のフルスケールは、STANAG 4582(Ed.1)に従って超えられるべきではない350μW/gの値に相当し、垂直直線は3.43日を示す。図3a、bおよびcのグラフの初期熱流ピークは、それらが5Jの発熱を超えないという条件で、それらが発射薬組成物のいかなる特異的反応も相変態も代表しないので無視される。
図3(a)、(b)および(c)は、発射薬組成物の総重量に対して、すべての場合に1重量%の安定剤で安定化した、シングルおよびダブルベースニトロセルロースベースの発射薬[ダブルベース発射薬は、20重量%ニトログリセリン(図3(b))または40重量%ニトログリセリン(図3(c))を含む]に関して実施された安定性試験の実線としての結果を示す。比較のために、類似の、しかしジフェニルアミン(DPA)で安定化したニトロセルロースベースの発射薬に関して実施された同じ安定性試験の結果を、図3のグラフにおいて点線としてプロットする。熱流は、STANAG 4582(Ed.1)が350μW/g(縦座標のフルスケール)よりも下の熱量を維持することを要求する場合に、100μW/gを3.43日間決して超えないことを理解することができる。シングルベース発射薬に関する試験は、より長い期間実施し、12日間を上回って150μW/gよりも継続的に低い熱流の組成物の長期安定性を示す。
DPAおよび安定剤(1a)は両方とも、STANAG 4582(Ed.1)の要件を満たす。しかし、本発明による安定剤(Ia)は、以下の理由でDPAおよびアカルダイトよりも有利である。
(a)DPAに反して、本発明による安定剤は、それらの安定化活動状態でいかなるN−NO発癌性副生成物も発生させない。
(b)DPA曲線(破線)は、より高い熱流値でプラトーにおいて鋭いピーク安定化を示し、すべてのDPAがたったの約2日後に使い尽くされたこと(図2(a)での反応(C)および(D)を参照されたい)、その結果として安定化は多分、副生成物との反応によって進行することを示唆する。対照的に、熱流における無不連続性は、シングルベースニトロセルロース発射薬に関して上に考察された図3(a)において明らかにされるように、3.5日を上回って、そして12日間を上回ってさえも安定剤(Ia)で特定することができる。
(c)シングルベースニトロセルロース発射薬に関して上に考察された図3(a)において明らかにされるように、本発明の安定剤は、シングルベース発射薬について12日を十分上回った期間90℃の温度で350μW/gよりも実質的に低い熱流の維持を可能にする。20重量%および40重量%ニトログリセリンを使ったダブルベース発射薬は、少なくとも7日間または10日間さえも完全に安定する。しかし、DPAでのより長期試験は、DPAで安定化した組成物を含有するバイアルが、本発明に従って安定化したものよりも早期に漏れたので容易には行えない。DPAとの反応によるガス発生は、バイアル内部の圧力をそれらの抵抗の限界よりも上に上昇させ、2、3日試験実施後にバイアルの破裂オープンをもたらすと想定される。無制御圧力上昇は、明白な理由で発射薬組成物の輸送または貯蔵の間ずっと回避されなければならない。
本発明の発射薬組成物は、ニトロセルロースベースの発射薬の効率的な、長期安定性をいかなる検出可能量の発癌性または変異原性副生成物の形成もなしと組み合わせる、「無公害のまたは環境にやさしい安定剤」と言うことができる新世代の安定剤の使用の始まりを示す。

Claims (15)

  1. (a)ニトロセルロースを含む硝酸エステルベースの発射薬と;
    (b)一般式(I)
    Figure 2018511549
    (式中:
    Xは酸素であり;
    は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、カルボキシレ−ト、エステル、サッカリド、アルコキシ−連結サッカリド、アルコール、およびエーテルからなる群から選択され;
    は、水素 メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
    は、水素、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
    は、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
    は、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択される)
    のトコフェロール化合物からなる安定剤と
    を含むことを特徴とするニトロセルロースベースの発射薬組成物。
  2. 請求項1に記載の発射薬組成物において、前記硝酸エステルベースの発射薬が、ニトロセルロース単独からなる(シングルベース)、または少なくとも爆破油および/もしくは少なくとも1つのエネルギッシュ添加剤と組み合わせてニトロセルロースを含む混合物からなる(ダブルベースもしくはそれ以上ベース)ことを特徴とする発射薬組成物。
  3. 請求項1または2に記載の発射薬組成物において、前記安定剤が、前記硝酸エステルの分解によって形成されたラジカルアルコキシ基と水素引き抜きによって反応して、前記硝酸エステルの分解によって形成されたNOxと反応してNNO基をまったく含まない第2副生成物を形成することができる第1副生成物を形成することができる成分であることを特徴とする発射薬組成物。
  4. 請求項3に記載の発射薬組成物において、前記第2副生成物が、ラジカルアルコキシ基とまたは前記硝酸エステルの分解によって形成されたNOxと反応し、好ましくはそのようなラジカルアルコキシ基とまたはNOxと反応することができる第3および後続副生成物を形成することができることを特徴とする発射薬組成物。
  5. 請求項2乃至4の何れか一項に記載の発射薬組成物において、前記爆破油が、少なくともニトロ化ポリオールを含み、前記ニトロ化ポリオールが、グリセロール、グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびメトリオール、好ましくはグリセロールからなる群から選択されるポリオールのニトロ化によって得られ、そして前記少なくとも1つのエネルギッシュ添加剤が、ブチル−NENA、ジニトロジアザアルカン(DNDA)などの、ニトラミンの群から選択されるエネルギッシュ可塑剤であるか、またはRDX、HMX、FOX−7、FOX−12、CL20などの爆薬であることを特徴とする発射薬組成物。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の発射薬組成物において、前記安定剤が、アルファ−トコフェロール、ベータ−トコフェロール、ガンマ−トコフェロール、デルタ−トコフェロール、アルファ−トコトリエノール、ベータ−トコトリエノール、ガンマ−トコトリエノール、デルタ−トコトリエノールまたはそれらの混合物からなる群から選択される成分からなることを特徴とする発射薬組成物。
  7. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の発射薬組成物において、前記安定剤が、(+)−アルファ−トコフェロール、(+)−ベータ−トコフェロール、(+)−ガンマ−トコフェロール、(+)−デルタ−トコフェロール、(−)−アルファ−トコフェロール、(−)−ベータ−トコフェロール、(−)−ガンマ−トコフェロール、(−)−デルタ−トコフェロールまたはそれらの混合物からなる群から選択される成分からなることを特徴とする発射薬組成物。
  8. 請求項7に記載の発射薬組成物において、前記安定剤が、(+)−アルファ−トコフェロールを含む混合物からなることを特徴とする発射薬組成物。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の発射薬組成物において、前記安定剤が、前記組成物の総重量に対して、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜2.0重量%、より好ましくは0.5〜1.0重量%に含まれる量で前記組成物中に存在することを特徴とする発射薬組成物。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の発射薬組成物において、前記硝酸エステルベースの発射薬が、硝酸エステルベースの発射薬の総重量に対して、60重量%以下のニトログリセリンを含み、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは7〜22重量%のニトログリセリンを含むことを特徴とする発射薬組成物。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の発射薬組成物において、少なくとも3.43日の、好ましくは少なくとも5日の、より好ましくは少なくとも10日の350μW/gよりも上の発熱なしに90℃の温度でSTANAG 4582(Ed.1)に従って測定される安定性を有することを特徴とする発射薬組成物。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の発射薬組成物において、補助安定剤として以下の化合物:
    (a)一般式(13−I):
    Figure 2018511549
    [式中:Rは、(i)H、(ii)置換もしくは非置換アルキル、または(iii)アルコキシ基を表し;RおよびRは、同じもしくは異なり、(i)置換もしくは非置換アルキル、または(ii)アルコキシ基を表す]
    を有する置換フェノール化合物(13);
    (b)一般式(14−I)または(14−II):
    Figure 2018511549
    (式中、R、R10およびR11は、同じもしくは異なり、非置換もしくはアルコキシ基で置換されたC1〜5アルキルを表す)
    を有するトリアルコキシベンゼン(14);ならびに
    (c)一般式(15−I):
    Figure 2018511549
    [式中:R12は、置換もしくは非置換アルキルを表し;R13は、(i)H、(ii)不飽和アルキル基、
    Figure 2018511549
    を表し、
    14は、H、置換もしくは非置換アルキル、またはOR18を表し;
    15は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換芳香環、またはOR18を表し;
    16は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換芳香環、またはOR19を表し;
    17は、置換もしくは非置換芳香環を表し;
    18は、置換もしくは非置換アルキル、または置換芳香環を表し;
    19は、置換もしくは非置換アルキル、または置換芳香環を表す]
    を有する芳香族化合物(15)、
    (d)一般式(16−I):
    Figure 2018511549
    [式中:R20、R21およびR22は、同じもしくは異なるものであり、(i)置換もしくは非置換基アルキル、(ii)アルコキシ基を表す]
    を有する置換フェノール化合物(16)、
    (e)一般式(17−I):
    Figure 2018511549
    [式中:R23、R24、R25およびR26は、同じもしくは異なるものであり、(i)置換もしくは非置換基アルキル、(ii)アルコキシ基を表す]
    を有する置換フェノール化合物(17)、
    (f)一般式(18−I)、(18−II)、(18−III)または(18−IV):
    Figure 2018511549
    (式中、R27は、ケトン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒドまたは不飽和アルキル基を表す)
    の、イオノン型の化合物
    の1つもしくは複数をさらに含むことを特徴とする発射薬組成物。
  13. 請求項1乃至12の何れか一項に記載の発射薬組成物において、以下の添加剤:
    (a)好ましくは0.001〜1.5重量%に含まれる量での、硝酸カリウム(KNO)などの、カリウム塩;
    (b)好ましくは1.0〜10.0重量%に含まれる量での、フタレート、Clおよびシトレート誘導体などの燃焼調節剤;
    (c)好ましくは0.01〜0.5重量%に含まれる量での、黒鉛などの帯電防止剤;ならびに
    (d)好ましくは0.01〜0.7重量%に含まれる量での、炭酸カルシウム
    の1つもしくは複数をさらに含み、前記重量%が、前記発射薬組成物の総重量の観点から表されることを特徴とする発射薬組成物。
  14. ニトロセルロースを含む硝酸エステルベースの発射薬を安定させるための一般式(I):
    Figure 2018511549
    の成分の使用において、
    Xが酸素であり;
    が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、カルボキシレ−ト、エステル、サッカリド、アルコキシ−連結サッカリド、アルコール、およびエーテルからなる群から選択され;
    が、水素 メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
    が、水素、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
    が、メチル、ベンジルカルボン酸、ベンジルカルボキシレ−ト、ベンジルエステルおよびサッカリドからなる群から選択され;
    が、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択されることを特徴とする使用。
  15. 請求項13に記載の使用において、一般式(I)の前記成分が、
    (a)アルファ−トコフェロール、ベータ−トコフェロール、ガンマ−トコフェロール、デルタ−トコフェロール、アルファ−トコトリエノール、ベータ−トコトリエノール、ガンマ−トコトリエノール、デルタ−トコトリエノールおよびそれらの混合物からなる群から、または
    (b)(+)−アルファ−トコフェロール、(+)−ベータ−トコフェロール、(+)−ガンマ−トコフェロール、(+)−デルタ−トコフェロール、(−)−アルファ−トコフェロール、(−)−ベータ−トコフェロール、(−)−ガンマ−トコフェロール、(−)−デルタ−トコフェロールおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする使用。
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