JP2018510778A - 液滴集合体および液滴集合体を生成するための方法 - Google Patents

液滴集合体および液滴集合体を生成するための方法 Download PDF

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Abstract

一体化カプセルの集合体を調製するための方法が提供される。前記方法は、(i)物体媒体であるかまたは物体媒体内に含まれている物体試薬を含む第1の物体を準備するステップ;ii)前記第1の物体を、バルク試薬を含むバルク媒体と接触させ、前記物体媒体と前記バルク媒体との境界での第1のカプセルシェルの形成を可能にし、それにより第1のカプセルを準備し、前記シェルが、前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応の生成物を含むステップ;(iii)物体媒体であるかまたは物体媒体内に含まれている物体試薬を含む第2の物体を準備するステップ;(iv)前記第2の物体を、バルク試薬を含むバルク媒体と接触させ、前記第2の物体媒体と前記バルク媒体との境界での第2のカプセルシェルの形成を可能にし、それにより、前記シェルが、前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応の生成物を含む第2のカプセルを準備するステップ;および(v)前記第1のカプセルシェルおよび前記第2のカプセルシェルの一体化を可能にし、それにより第1の物体および第2の物体の集合体を形成するステップを含む。前記方法により得られるかまたは得ることができる集合体も提供される。

Description

本クレームは、2015年3月12日(13/03/2015)に出願された英国特許出願第1504222.9号明細書の利益および優先権を請求するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、物体の集合体、特に液滴の集合体、およびそれらの集合体を生成するため方法に関する。
3D印刷法では液滴の集合体を生成することが知られている。国際公開第2014/087175号公報には、液滴集合体を生成するために装置が記載されている。集合体の各液滴は、水性媒体からなり、疎水性媒体内に供給される。液滴媒体とバルク媒体との界面で各液滴の周囲に両親媒性分子が自己集合することにより、液滴を安定させる単層が生成される。2つの液滴が接触すると、液滴の単層が結合して、液滴間の界面に二重層が形成される。結果として、疎水性媒体内の複数の水性液滴の集合体が、液滴間の界面および液滴とバルク媒体との界面の両親媒性分子により安定化される。
また、国際公開第2014/087175号公報には、液滴媒体が疎水性であり、バルク媒体が水性であるという逆の場合での同じ概念が記載されている。
加えて、水性液滴の集合体が疎水性媒体内で生成され、その疎水性媒体それ自体が、水性媒体に懸濁された液滴物であるプロセスが記載されている。この疎水性液滴物は、両親媒性分子の単層により安定化され、液滴物内の各水性液滴は、両親媒性分子の単層により安定化される。国際公開第2013/064837号公報には、こうしたいわゆる「マルチソーム」集合体も記載されている。
国際公開第2014/087175号公報では、液滴集合体を生成するために使用される装置は、液滴生成器、生成器に対して移動可能な容器、ならびに生成器からの液滴の供給および生成器に対する容器の動きを制御するように構成されている制御ユニットを備える。また、追加の液滴生成器が、装置に存在していてもよい。
このように、3D印刷により安定した液滴の集合体を形成するための試みがなされていることを理解することができる。そのような集合体は、ある範囲の応用に、例えば薬物送達媒体として使用する場合に有用であり得る。国際公開第2014/087175号公報では他の使用も認識されており、それらには、組織工学、合成生物学、材料科学および材料工学、ならびに固体材料にパターンを形成するためのテンプレートとしての使用が挙げられる。しかしながら、液滴集合体には、これまで認識されていない他の有用な応用が存在する。それは、国際公開第2014/087175号公報に記載されているもの等の公知の液滴集合体が、より多様な範囲の応用における有用性に必要とされる特性を欠如しているからである。
例えば、集合体は、両親媒性層が比較的不安定であるため、バルク媒体から取り出すと典型的には崩壊してしまう。したがって、国際公開第2014/087175号公報の集合体の有用性には制限がある。これは、特に直径がより大きな液滴の場合に当てはまる。したがって、水性液滴の集合体は、それが生成される疎水性媒体内に限定される。更に、最終的には自己集合する両親媒性層の性質に依存するため、完成した集合体の特性を調整するのは非常に難しい。両親媒性層は、厚さ、安定性、化学的組成、および他の特性に制限があり、ひいては、そうした制約により、液滴の形状、サイズ、安定性、化学的組成、および他の特性が制限される。例えば、両親媒性二重層を安定化するためには、液滴が非常に小さくなければならず、この場合も集合体の有用性が制限される。
したがって、公知の液滴集合体でこれまで可能とされているものよりも広範な応用での使用に好適な、より安定性の集合体が必要とされている。
発明の概要
本発明者らは、物体媒体に保持されている試薬と、物体媒体が接触するバルク媒体に提供されている試薬との反応から形成されるカプセルのシェルを一体化することにより、カプセルの集合体を容易に調製することができることを見出した。
本発明は、上記の課題の少なくとも1つに取り組むために考案されたものである。本発明は、好ましくは、上記の課題の少なくとも1つを低減、改善、回避、または克服する。
集合体は、完全に自己支持性であり耐久性である。集合体のサイズおよび集合体内のカプセルのサイズは制御可能であり、集合体および個々のカプセルは、必要に応じて、ある範囲の寸法に比較的大規模で調製することができる。
本発明の第1の態様によると、複数の一体化カプセルを含む集合体を調製するための方法が提供され、前記方法は、
(i)物体媒体であるかまたは物体媒体内に含まれる物体試薬を含む第1の物体を準備するステップ;
(ii)バルク試薬を含むバルク媒体と前記第1の物体を接触させ、前記物体媒体と前記バルク媒体との境界での第1のカプセルシェルの形成を可能にし、それにより、前記シェルが、イオン性架橋のように、前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応の生成物を含む第1のカプセルを準備するステップ;
(iii)物体媒体であるかまたは物体媒体内に含まれる物体試薬を含む第2の物体を準備するステップ;
(iv)バルク試薬を含むバルク媒体と前記第2の物体を接触させ、前記第2の物体媒体と前記バルク媒体との境界での第2のカプセルシェルの形成を可能にし、それにより、前記シェルが、イオン性架橋のように、前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応の生成物を含む第2のカプセルを準備するステップ;および
(v)前記第1のカプセルシェルおよび前記第2のカプセルシェルの一体化を可能にし、それにより第1の物体および第2の物体の集合体を形成するステップを含む。
本発明の更なる態様では、複数の一体化カプセルを含む集合体を生成するための方法が提供され、前記方法は、
(i)各媒体が第1の試薬であるかまたは第1の試薬を含み、複数の個別の媒体を準備するステップ;
(ii)各媒体を、第2の試薬を含むバルク媒体と接触させるステップ;
(iii)各媒体と前記バルク媒体との境界でのカプセルシェルの形成を可能にし、それによりカプセルを準備し、前記シェルが、イオン性架橋のように、前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応の生成物を含むステップ;および
(iv)個別の媒体のカプセルシェルと、少なくとも1つの他の個別の媒体のシェルとの一体化を可能にし、それにより集合体を形成するステップを含む。
幾つかの実施形態では、物体試薬およびバルク試薬は各々、反応で消費されて、カプセルシェルを形成する反応物質である。幾つかの実施形態では、前記反応は、物体媒体の境界で生じ、反応拡散プロセスとして物体の表面にわたって進行する。
別の実施形態では、物体試薬およびバルク試薬の一方は、他方の試薬を、カプセルシェルを形成する物質へと変換する反応を触媒する触媒であってもよい。
カプセルシェルを形成する反応は、水性−疎水性界面での両親媒性物質の吸着を含まない。
物体試薬とバルク試薬との反応は、ポリマー鎖のイオン性架橋等のゲル化反応であってもよい。
第1のカプセルシェルおよび第2のカプセルシェルは、例えば、シェル成長の進行によりシェルが一体化して集合体が形成されるように、第1の物体および第2の物体を緊密な近傍に配置することにより、一体化することが可能である。カプセルシェル構造、および複数の物体のシェルの一体化は、各個々の物体および全体としての集合体が、ロバストであり、単離や更なる操作(例えば更なる水性媒体または疎水性媒体への浸漬)に耐性であり、比較的長期間保管しても構造的完全性を失わないことを保証する。
個々の物体の形状およびサイズには特に制限がなく、全体的な集合体の所望の特性に基づいて選択することができる。幾つかの実施形態では、第1の物体および第2の物体は、個別の液滴である。あるいは、物体は、より連続的に延在した構造、例えば、物体媒体の連続押出しにより形成される繊維状構造であってもよい。
幾つかの実施形態では、物体試薬およびバルク試薬が関与する反応の生成物は、ゲル、例えばヒドロゲルである。ゲルは、本発明の液滴集合体の目的では特に望ましい特性を示すが、液滴集合体での使用は、これまで不可能であると考えられていた。
ゲルを使用すると、多孔性カプセルシェルがもたらされ、シェル形成中に物体試薬が初期シェルを通じて拡散していくことが容易になる。それによりシェル成長が促進され、したがって隣接シェルの一体化が促進される。
しかしながら、反応生成物は、物体媒体を完全に封入して、安定なカプセルを生成することが可能であり、シェル形成が、隣接シェルの一体化を可能にする程度に、物体から外側に向かって進行する限り、必ずしもゲルに限定されない。シェル成長の進行は、外側方向のみであってもよく、または外側および内側の両方であってもよい。幾つかの実施形態では、反応生成物は、タンパク質(例えば、ゼラチン)、固体合成ポリマー(例えば、ナイロン)、または金属塩(例えば、炭酸カルシウム)の固形沈殿物から選択してもよい。選択する物質は、生成後に集合体の使用目的に依存することになる。好ましい実施形態では、反応生成物は、物体試薬がシェルを通じて拡散していくことを容易する多孔性構造を含む。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、物体試薬を含む。例えば、試薬は、物体媒体内に溶解されていてもよい。あるいは、物体媒体は、物体試薬の懸濁液を含んでいてもよい。他の実施形態では、物体媒体と物体試薬は同じであり、つまり物体媒体は、物体試薬である。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、物体試薬とは異なっていてもよい。例えば、試薬は、物体媒体の表面に存在していてもよい。
幾つかの実施形態では、第1の物体媒体および/または第2の物体媒体は、水性媒体である。このようにすると、集合体は、高い生体適合性を有し、幅広く多様な更なる有用成分を含有するように物体媒体をより容易に構成することが可能である。
幾つかの実施形態では、バルク媒体は、水性媒体である。好ましい実施形態では、本方法は、物体投入および集合体形成中は水性媒体のみの使用しか必要としない。これは、これまでの液滴集合体を生成するための方法では可能ではない。水性バルク媒体を使用すると、方法の実施が簡単になり、バルク媒体の組成をより効果的に構成することが可能になる。また、その結果得られる集合体の生体適合性が、より容易にもたらされる。
更に、バルク媒体が疎水性である両親媒性物質安定化集合体では、集合体の内容物は、経時的にバルク媒体内へと移動し、最終的には集合体の破壊に結び付くことになる。この問題は、本発明により克服される。
幾つかの実施形態では、物体媒体およびバルク媒体は、水性媒体である。これは、一方の媒体の液滴が、ある質量の他方の媒体内に懸濁され得るように不混和性媒体の存在が一般に必要とされる、液滴集合体生成プロセスではこれまで不可能であった。
幾つかの実施形態では、第1カプセルシェルおよび第2のカプセルシェルは、逆球状化プロセスで形成される。そのような方法では、第1の物体媒体および第2の物体媒体は、バルク媒体を含む液浴内に供給(dispense)される。
逆球状化では、シェルを形成する反応拡散プロセスは、物体の境界から外側に向かって進行し、それにより完全な状態の物体媒体の容積が保存される。これは好ましい方法であるが、球状化反応を含む方法による物体の形成も、本発明により起想される。しかしながら、球状化では、反応拡散プロセスは、境界から内側に向かって進行するため、物体媒体を消費し、集合体に保持されている完全な状態の物体媒体の容積を低減させることになる。
幾つかの実施形態では、第1の物体および第2の物体は両方とも、バルク媒体を保持する単一の液浴内に供給される。このようにすると、集合体は、形成中は液浴内に浸漬される。液浴はバルク試薬の「タンク(reservoir)」を含むため、カプセルシェルの構造および特性は、物体中の物体試薬の濃度および/または液浴中での物体の滞留時間、ならびに液浴中のバルク試薬の濃度に基づいて調整することができる。したがって、集合体の特性は、幅広く多数の応用のいずれに使用する場合でも容易に構成される。
幾つかの実施形態では、各物体試薬は、物体媒体に溶解されている。そのようにすると、カプセルシェルの形成速度ならびに最大で可能な厚さおよびシェル強度等のカプセルシェルの特性の制御をもたらすことになる、物体媒体内の物体試薬の濃度を制御することが可能である。
幾つかの実施形態では、各物体を、バルク媒体内に落下させる。例えば、物体を、バルク媒体の外部で形成および供給させてから、その後のある時点でバルク媒体と接触させてもよい。幾つかの実施形態では、物体を、バルク媒体からある距離だけ上方で形成し、重力の影響下でバルク媒体内に落下させる。他の実施形態では、物体を、ジェット法(インクジェット法と類似)等で、速度を追加して放出する。
物体は、液浴の表面から少なくとも100μm上方の、例えば、表面から少なくとも200μm、少なくとも400μm、少なくとも600μm、少なくとも800μm、または少なくとも1mm上方の距離から供給してもよい。このようにすると、物体は、液浴表面を貫通するのに十分な運動量を得ることになる。更なる運動量が必要とされる幾つかの場合では、例えば、直径が約2〜6mmの物体が、重力のみで落下する場合は、物体を、液浴の表面から少なくとも1cm上方の、例えば、表面から少なくとも2cm、3cm、4cm、または5cm上方の距離から供給してもよい。
物体は、液浴の表面から最大30cm上方の、例えば、表面から最大25cm、20cm、または15cm上方の距離から供給してもよい。幾つかの実施形態では、物体は、表面から最大1cm上方の、例えば、最大8mm、6mm、4mm、2mm、または1mm上方の距離から供給される。液浴から上方の高さをこのように制限することにより、物体軌道に対する気流の影響が低減される。これは、非常に小さな液滴の場合に特に重要である。
あるいは、物体は、供給要素(dispensing element)によりバルク媒体内に直接供給してもよい。そのような実施形態では、物体を供給要素から分離させる必要があり得る。例えば、供給要素にて物体を形成した後で前記要素を上昇させることにより、前記要素が表面に達した際に物体を分離させることができる。あるいは、前記要素を振動させて、物体を分離してもよい。前記要素はノズルであってもよい。
幾つかの実施形態では、バルク試薬および物体試薬の一方は、他方よりも大きな分子量を有する。このようにすると、より小さな分子量の試薬は、初期カプセルシェルを通じてより容易に拡散することになり、シェル成長の方向および速度を制御することができる。好ましい実施形態では、バルク試薬は、物体試薬よりも大きな分子量を有する。このようにすると、物体試薬の拡散がバルク試薬の拡散よりも迅速になり、シェルが形成されると共に、物体試薬がシェルを通じて外側に向かって拡散し、シェルが外側へと成長して、隣接するシェルの一体化が促進されることになる。好ましい実施形態では、バルク試薬の分子量は、物体試薬の分子量と比べて非常に大きく、例えば、少なくとも200倍大きく、例えば、少なくとも250倍、300倍、350倍、または400倍大きい。「分子量」は、本明細書では、該当する場合は原子量も含む。
幾つかの実施形態では、バルク試薬および物体試薬の一方は、ポリマーである。ポリマーは、本発明による方法でカプセルシェルを形成する場合、望ましい特性を提供する。
幾つかの実施形態では、ポリマーは、バイオポリマーであるかまたはバイオポリマーを含む。バイオポリマーは、生体適合性であり、食用を含む応用に集合体を使用することが可能になるため、特に好ましい。
幾つかの実施形態では、バイオポリマーは多糖である。
幾つかの実施形態では、多糖はアルギン酸塩である。アルギン酸塩は、そのゲル形成特性が有利であるため、特に好ましい。
幾つかの実施形態では、アルギン酸塩の対イオンは、アルカリ金属イオン、例えばナトリウムイオンを含む。アルギン酸ナトリウムは、少なくとも0.1w/v%、例えば少なくとも0.2w/v%、少なくとも0.3w/v%、少なくとも0.4w/v%、少なくとも0.5w/v%、または少なくとも0.6w/v%の濃度で溶液中に存在していてもよい。アルギン酸ナトリウムは、最大5w/v%、例えば、最大4w/v%または最大3w/v%の濃度で溶液中に存在していてもよい。幾つかの実施形態では、アルギン酸ナトリウムは、最大0.5w/v%、例えば、最大0.4w/v%または最大0.3w/v%の濃度で溶液中に存在していてもよい。
この範囲内だと、アルギン酸塩を好適な陽イオンと反応させた後、十分な厚さおよび強度のアルギン酸塩シェルが物体媒体の周囲に形成される。更に、濃度が最大5w/v%であると、所与の液浴温度および物体組成で、物体が、表面を完全に貫通する可能性がより高くなることが保証される。アルギン酸塩濃度がそれより高いと、液浴温度を上昇させて、比較的高いアルギン酸塩濃度により引き起こされる粘性増加を打ち消すことが必要とされる場合がある。
幾つかの実施形態では、バルク試薬および物体試薬の余は、ポリマーのゲル化用である。言いかえれば、ポリマーと他の試薬との反応により、カプセルシェルを形成するゲルが生成される。
幾つかの実施形態では、多価金属陽イオンが、ポリマーのゲル化に用いられる。例えば、3価陽イオンは、一般に2価陽イオンよりも強度が高いシェルを生成する。
幾つかの実施形態では、多価金属陽イオンは、2価イオンである。幾つかの実施形態では、これは、カルシウムイオンである。
カルシウムイオンは、少なくとも5mM、例えば、少なくとも10mM、少なくとも15mM、少なくとも20mM、少なくとも25mM、または少なくとも30mMの濃度で溶液中に存在していてもよい。カルシウムイオンは、最大250mM、例えば、最大180mM、最大140mM、最大90mM、最大50mMの濃度で溶液中に存在していてもよい。
幾つかの実施形態では、カルシウムイオンの対イオンは、乳酸塩を含む。集合体の意図されている応用が食用を伴う場合、乳酸カルシウムが好ましい。乳酸カルシウムは、塩化カルシウム等の他のカルシウム塩ほど苦みがない。必要とされる溶液中のカルシウムイオン濃度を提供するには、乳酸カルシウムは、少なくとも0.1w/v%、例えば少なくとも0.2w/v%、少なくとも0.3w/v%、少なくとも0.4w/v%、少なくとも0.5w/v%、または少なくとも0.6w/v%の濃度で溶液中に存在していてもよい。乳酸カルシウムは、最大5w/v%、例えば、最大4w/v%、最大3w/v%、最大2w/v%、または最大1w/v%の濃度で溶液中に存在していてもよい。
上記の範囲内だと、物体媒体の周囲に形成されるカルシウム−ポリマーゲルは、十分な厚さおよび強度を有し、所与の液滴密度で、構築時の集合体は、より自己支持性であり、構造的完全性が増加されている。
好ましくは、バルク試薬はポリマーであり、物体試薬は、ポリマーのゲル化用である。
好ましくは、バルク試薬はポリマーであり、物体試薬は、多価金属陽イオン等の多価陽イオンである。このようにすると、試薬間の反応は、中間陽イオンによる個々のポリマー鎖のイオン性架橋を引き起こし、それによりポリマーのゲル化がもたらされる。
好ましくは、ポリマーは、アルギン酸塩を含み、他の試薬は、カルシウムイオンを含む。より好ましくは、ポリマーは、アルギン酸ナトリウム溶液の形態でアルギン酸塩を含み、他の試薬は、乳酸カルシウム溶液の形態でカルシウムイオンを含む。
好ましくは、バルク媒体は、アルギン酸ナトリウム溶液を含み、物体媒体は、乳酸カルシウム溶液を含む。
あるいは、バルク試薬および物体試薬の余は、グアーガム、キトサン、カッパカラギナン、イオタカラギナン、ペクチン酸、ゼラチン、アルブミン、炭酸塩、硝酸鉛、尿素、またはヘキサン−1,6−ジアミンから選択される。好ましくは、これは、バルク試薬である。
あるいは、バルク試薬および物体試薬の余は、他の金属イオン、例えばストロンチウム、バリウム、またはカリウム、ホウ酸塩、リン酸塩、エタノール、アラビアゴム、キサンタンガム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、デカンジオイルジクロリド、またはヘキサン二酸から選択してもよい。好ましくは、これは、物体試薬である。
幾つかの実施形態では、2つの物体は、異なる物体媒体を含む。例えば、2つの物体は、各々が異なる物体試薬を含んでいてもよい。このようにすると、異なる特性を有する構成物体を有する集合体を提供することができる。例えば、幾つかの物体は、他の物体よりも厚いかまたはより強度の高いシェルを有していてもよい。例えば、バルク媒体が、アルギン酸塩溶液を含む場合、Ba2+イオンを物体試薬として含む物体は、Ca2+イオンを物体試薬として含む物体よりも強度が高く、化学的により耐性のシェルを形成すると予想されるだろう。Morchらを参照されたい[Y.Morch,I.Donati,B.L.Strand and G.Skjak−Braek,“Effect of Ca2+,Ba2+,and Sr2+ on Alginate Microbeads”,Biomacromolecules,2006,Vol.7,pp.1471−1480]。これは、集合体内の物体の幾つかのみが、構築後に、加えられた刺激に応答して内容物を放出することが意図されている集合体が求められている場合に、例えば、薬物送達応用に有用であり得る。更に、例えばカプセルシェルを通じて拡散することにより相互作用することが意図されている場合、異なる物体媒体が望ましい場合がある。
幾つかの実施形態では、反応生成物(カプセルシェル)は、集合体構造を支持することが可能である。
幾つかの実施形態では、反応生成物カプセルシェルの強度は、物体試薬の濃度を制御することにより制御される。あるいはまたはそれに加えて、強度は、バルク試薬の濃度を制御することにより制御することができる。強度は、各物体が液浴に滞留する時間を調整することにより更に制御することができる。バルク試薬を含む液浴内により長時間にわたって静置させた物体は、より短時間静置させた同じ物体よりも厚く、より強度の高いカプセルシェルを形成することになる。
幾つかの実施形態では、所与の物体は、第2の物体がその近傍に投入されるまで、最大120秒間、例えば、最大100秒間、最大80秒間、最大60秒間、または最大40秒間静置される。このようにすると、両シェルの外側への成長が依然として進行中である間に物体が互いに並んで配置されるため、シェルの一体化が成功する可能性はより高くなる。更に、静置期間が長すぎた物体は、他の物体と比較して望ましくない厚さのシェルを形成し、集合体の最終構造の欠陥に結び付く場合がある。
更に、反応拡散プロセスでの物体試薬およびバルク試薬の反応速度は、物体媒体中の物体試薬および/またはバルク媒体中のバルク試薬の濃度を調整することにより制御することができる。したがって、速度を増加させて、集合体全体の構築時間を低減してもよく、または速度を低下させて、より大きな集合体の構築を可能にしてもよい。
各物体が液浴中に残留する時間は、例えば、1つの物体を形成した後だが、次の物体を形成する前に遅延を導入することにより、増加させることができる。
幾つかの実施形態では、任意の2つの隣接する物体を形成する間の期間は、少なくとも0.5秒間、例えば、少なくとも1秒間、少なくとも2秒間、少なくとも3秒間、少なくとも4秒間、または少なくとも5秒間である。付近の横方向位置にある以前の液滴の後で時間を十分に置かずに直ぐに形成された液滴は、液浴内を沈降する間に以前の液滴と相互作用する場合があり、その相互作用により、目的位置から横方向に離れた位置に液滴が沈殿するという望ましくない効果が引き起こされる場合がある。また、この望ましくない効果は、最初の投入位置を調整することにより相殺することができる。例えば、国際公開第2014/087175号公報を参照されたい。
しかしながら、幾つかの実施形態では、任意の2つの隣接する物体を形成する間の期間は、少なくとも10ミリ秒間、例えば、少なくとも20ミリ秒間、少なくとも30ミリ秒間、少なくとも40ミリ秒間、または少なくとも50ミリ秒間である。そのような短い間隔は、例えば、物体を生成するためのインクジェット印刷法により達成することができる。
幾つかの実施形態では、任意の2つの連続する物体を形成する間の期間は、最大10秒間、例えば、最大9秒間、最大8秒間、最大7秒間、または最大6秒間である。これにより、構築時間を可能な限り短く維持することが保証され、これは、大きな集合体が構築されている場合、特に重要である。
幾つかの実施形態では、第1のカプセルシェルおよび第2のカプセルシェルを、第1のカプセルシェルまたは第2のカプセルシェルの生成中に接触させる。
幾つかの実施形態では、ステップ(iii)〜(v)を、1回または複数回繰り返す。幾つかの実施形態では、ステップ(iii)〜(v)を、少なくとも50回繰り返して、少なくとも50個の物体を含む集合体を提供する。最大反復数には特に制限はなく、使用する装置にある程度依存する。例えば、インクジェット印刷法では、数千個または数百万個の物体を集合体内に形成することが可能である。つまり、単一の集合体の構築中に、本方法のステップ(iii)〜(v)を数千回または数百万回繰り返して実施することが可能である。幾つかの実施形態では、ステップ(iii)〜(v)を、最大200回繰り返して、最大200個の物体を含む集合体を提供する。
幾つかの実施形態では、集合体は、連続する物体の投入を制御することにより構築される。幾つかの実施形態では、この投入は自動化される。
幾つかの実施形態では、供給要素にて形成される物体は、蠕動ポンプ送液により形成される液滴である。センサを使用して、1つまたは複数の蠕動ポンプにより形成される液滴の数を制御してもよい。センサは、透過型光学センサ、反射型光学センサ、電気センサ、または音響センサから選択されるセンサであってもよい。好ましくは、透過型光学センサが使用される。蠕動ポンプ送液では、容積を非常に小さく低減した液滴が提供され、また、液滴サイズの変動はほとんどない。例えば、液滴直径の変動は、500μm未満であり得る。
別の実施形態では、物体は、インクジェット印刷での使用に開発されたもの等のジェット印刷ヘッドにより形成される液滴である。ジェット印刷技術を使用すると、非常に小さな容積の液滴を短期間に多数生成することが可能になる。
別の実施形態では、マイクロ流体技術を使用して、物体を生成してもよい。このようにすると、正確に制御された直径(30μm〜2mmの範囲等)を有する液滴の迅速な自動生産を達成することができる。
幾つかの実施形態では、蠕動ポンプ送液により形成される液滴は、2mL未満、例えば1.5mL未満、1mL未満、または0.5mL未満の容積を有する。このような小さな容積が蠕動ポンプ送液により提供されるため、集合体をより高い「解像度」で構築することが可能になる。言いかえれば、より大量の構造的詳細を達成することができる。幾つかの実施形態では、蠕動ポンプ送液により形成される液滴は、50μL未満、例えば、40μL未満、30μL未満、20μL未満、15μL未満、または10μL未満の容積を有する。
本方法の幾つかの実施形態では、蠕動ポンプ送液中に、液滴の落下を検出し、逆送液を実施して、更なる液滴の形成を防止する。このようにすると、一度に単一の液滴しか生成されず、各液滴の位置および液滴間の遅延の適切な制御が確保される。
幾つかの実施形態では、インクジェット印刷により形成される液滴は、少なくとも1pL、例えば、少なくとも2pL、少なくとも3pL、少なくとも4pL、または少なくとも5pLの容積を有する。
幾つかの実施形態では、第1の態様の方法は、形成後に集合体を単離するステップを更に含む。集合体は、液浴から完全な状態で取り出すことができる。その取り出しは、スプーンを使用することにより、ふるいを使用することにより、または器具で集合体を突き刺すことにより達成してもよい。あるいは、集合体を適所に残留させたまま、バルク媒体を液浴から排出してもよい。
取り出した後、集合体を、更なる媒体内に浸漬させてもよい。このようすると、集合体内にある物体の内容物の蒸発を低減または防止することができる。更なる媒体は、同じまたは異なる水性媒体または疎水性媒体であってもよい。幾つかの実施形態では、更なる媒体は、集合体の外側のシェルを硬化させる手段を提供する追加の物体試薬を含む。
幾つかの実施形態では、構築後に集合体の外側表面に残留する残留バルク媒体は、例えば、排出、吸上、蒸発、または浸透の1つまたは複数により除去される。
幾つかの実施形態では、本方法は、構築後に集合体を脱水するステップを含む。このようにすると、物体媒体の除去後に、中空物体の脱水集合体を生成することができる。したがって、物体媒体は、完成乾燥製品を構築するための一時的な手段として作用する。幾つかの実施形態では、集合体の構造は、乾燥ステップ実施中、実質的に保存される。
幾つかの実施形態では、集合体は、構築後にコーティングされる。コーティングは、集合体の幾何学的構造を保存するため、集合体からの蒸発速度を低減するため、装飾目的のため、または集合体の食感または口当たりを変更するために施してもよい。組織工学等の幾つかのバイオテクノロジー応用では、集合体を、例えばポリエチレングリコールまたはポリ−L−リジンでコーティングすることが有益であり得る。
集合体をコーティングするためのコーティング材料は、ポリエチレングリコール、ポリ−L−リジン、糖、金箔、チョコレート、シェラック、カルナウバワックス、またはシリコーンゴムの1つまたは複数から選択してもよい。
本発明の第2の態様は、複数の一体化カプセルを含む集合体を生成するための方法であって、この方法は、
(i)バルク試薬を含むある容積のバルク媒体を投入して液浴を形成するステップ;
(ii)各々が物体試薬を含む1つまたは複数の物体を前記液浴内にまたは前記液浴上に投入し、各物体の表面の部分を、投入後に前記液浴の表面上方に露出したままにするステップ;
(iii)各物体と前記バルク媒体との界面で反応を生じさせて、前記バルク媒体と接触している各物体の部分の周囲に部分的なカプセルシェルを形成するステップ;
(iv)追加のバルク媒体を投入して、各物体の表面の部分が前記液浴の表面上方に露出したままになるように、前記液浴の深さを、各物体の上部表面よりも低い液位まで増加させるステップ;
(v)各物体と前記バルク媒体との界面で反応を生じさせて、前記バルク媒体と接触している各物体の部分の周囲に部分的なカプセルシェルを形成するステップ;
(vi)ステップ(ii)〜(v)を、所定の回数繰り返して、集合体を形成するステップ;および
(vii)前記集合体をバルク媒体で完全に覆って、液滴媒体の1つまたは複数の非中断領域(uninterrupted)を含む、物体の封入集合体を形成するステップを含む。
本発明の第3の態様は、複数の一体化カプセルを含む集合体を生成するための方法であって、この方法は、
(i)バルク試薬を含むバルク媒体の液浴を準備するステップ;
(ii)前記液浴を持続的に撹拌するステップ;
(iii)各物体が物体媒体を含み、前記物体または前記物体媒体が物体試薬を含み、複数の物体を前記液浴に投入するステップ;
(iv)前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応を、各物体と前記バルク媒体との界面で生じさせて、各物体の周囲にカプセルシェルを形成するステップ;
(v)前記複数の物体を、前記液浴の中心に向けて移動させ、前記液浴の中心で凝集体を形成させるステップ;および
(vi)前記凝集体の隣接する物体のカプセルシェルを一体化させ、それにより物体の集合体を形成するステップを含む。
好ましくは、第3の態様で使用される物体は、球状の液滴である。
第1の態様の文脈で本明細書に記載されている任意選択の特徴は全て、第2の態様および第3の態様にも等しく適用可能である。
本発明の第4の態様は、第1のカプセルシェルを有し、物体を封入する第1のカプセル、および第2のカプセルシェルを有し、物体を封入する第2のカプセルを含み、第1のカプセルシェルおよび第2のカプセルシェルが一体化されている液滴集合体である。
幾つかの実施形態では、各シェルは、ゲルである。
本発明の第5の態様は、物体の集合体を生成するための装置であって、個々の物体を生成するための供給要素を含む装置である。
幾つかの実施形態では、第5の態様の装置は、所定の特定位置に物体を投入し、それにより所定の設計の集合体を生成するように構成されている。
これより、以下の非限定的な図および実施例を参照して、本発明を更に説明するものとする。当業者であれば、以下の説明に照らして、本発明の他の実施形態を起想するだろう。
<<更なる利点、選択肢、および優先性>>
反応拡散プロセス
反応拡散系は、1つまたは複数の化学種が、反応することができ(それら自体または互いにのいずれかで)、かつ空間に拡散することができるものである。逆球状化プロセスでは、バルク媒体内に浸漬される、液滴等の物体の周囲に膜が構築される。アルギン酸カルシウム系を例に挙げると、まず、液滴中のカルシウムが、液浴の直接周囲容積中のアルギン酸塩と反応し、それにより、液滴の境界にアルギン酸カルシウムゲルの薄いシェルが生成される。その後、液滴中のカルシウムは、このシェルを通じて液浴内へと更に拡散し、シェルの直接周囲でアルギン酸塩と反応し、それによりアルギン酸カルシウムシェルが肥厚化される。このような反応および拡散の組み合わせを、反応拡散プロセスと定義する。カルシウムは、アルギン酸塩よりもはるかに容易にゲルを通じて拡散するため、シェル成長は、液滴内へと進行するのではなく、液滴から遠ざかるように進行する。
「塩基性」または「直接的」球状化にも、同じプロセスが関与する。しかしながら、直接的球状化では、シェル成長は液滴内へと進行する。本発明は、好ましくは、外側に向かって進行するシェル形成に結び付く逆球状化を含む。これにより、隣接するシェルの一体化がもたらされると共に、物体の内部容積が保存され、内容物の完全な状態を維持することが可能なる。
物体媒体およびバルク媒体
幾つかの実施形態では、バルク媒体は、食料品を含む。これは、水、果汁、ハチミツ、ヨーグルト、ワイン、蒸留酒、およびビール等のアルコール飲料、茶、コーヒー、ドレッシング、ソース、およびスープの1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、バルク媒体は、栄養補助食品を含んでいてもよい。それらは、ビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、アミノ酸、およびポリペプチドの1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、バルク媒体は、医薬品またはバイオテクノロジー製品を含んでいてもよい。それらは、薬物、動物細胞、植物細胞、細菌、および他の生物の1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、バルク媒体は、化粧品を含んでいてもよい。それらは、口内洗浄液、練り歯磨き、石鹸、クリーム、および芳香剤の1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、バルク媒体は、果物抽出物、種子抽出物、葉抽出物、茎抽出物、または野菜抽出物等の植物抽出物を含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、水性媒体でないが、水性媒体でコーティングされている。例えば、物体媒体は、物体試薬を含む水溶液でコーティングされた油状物であってもよい。したがって、考え得る物体媒体の範囲は、炭化水素、脂質、疎水性医薬品、エタノールおよびイソプロパノール等の有機溶媒、有機溶媒中の溶液、植物油、および油中水型エマルジョン等の広範な非水性媒体を含むように拡大される。したがって、物体媒体は、固形物であってもよい。
物体媒体が非水性の場合、幾つかの実施形態では、物体試薬を含む水性媒体を、形成後の物体媒体に噴霧する。あるいは、物体を、コーティング用水溶液にくぐらせてもよい。幾つかの実施形態では、物体媒体は、形成時には液体であるが、形成した後、コーティングする前に固化させて、水性媒体でのコーティングを容易にする。例えば、物体媒体の融解温度を超える温度で物体を形成し、コーティング前に融解温度未満の温度に冷却してもよい。冷却は、例えば、物体が形成後にバルク媒体に向かって落下すると共に生じてもよい。
幾つかの実施形態では、物体媒体およびバルク媒体は、反応してオルガノゲルを形成する化学系を含む。オルガノゲルは、液相が水性ではなく有機であるゲルである(Jhaら、[”Organogel:A Novel Drug Delivery System”,Journal of Current Pharmaceutical Research,2013,Vol.11,No.1,pp.6−15]を参照)。したがって、幾つかの実施形態では、バルク媒体は、疎水性であり、形成されるカプセルシェルは、オルガノゲルである。幾つかの実施形態では、バルク媒体はレシチンを含み、物体媒体は、水性または他の極性の溶液を含み、それにより、物体媒体とバルク媒体との界面でのレシチンオルガノゲル形成が引き起こされる。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、懸濁液である。幾つかの実施形態では、バルク媒体は、懸濁液である。例えば、物体媒体および/またはバルク媒体は、エマルジョンであってもよい。水性連続相が存在すると、本明細書に記載の技術を順応させる必要がほとんどまたは全くないため、水中油型エマルジョンが好ましい。幾つかの実施形態では、集合体の生成後、エマルジョンは分離する。
幾つかの実施形態では、物体形成前に、物体媒体を脱気する。これは、例えば、媒体を真空チャンバまたは遠心機に配置することにより達成することができる。気泡が存在すると、集合体の形成または集合体の特性に有害であり得るため、脱気することにより、集合体の形成後にガスの気泡が媒体に残留しないことを確実にする。
しかしながら、幾つかの実施形態では、ガスが媒体内に存在することが望ましい場合がある。したがって、既に存在するガスを物体形成中に保持してもよく、または物体の投入中、ガスを媒体内に意図的に捕捉してもよい。
物体をバルク媒体内に落下させる場合、物体媒体およびバルク媒体の一方または両方を改変して、物体によるバルク媒体の貫通(penetration)を容易にしてもよい。幾つかの実施形態では、物体媒体の粘性を、例えば、物体媒体中の溶質濃度を増加させることにより、物体の温度を低下させることにより、またはキサンタンガム、糖、または他の公知作用剤等の増粘剤を添加することにより、増加させてもよい。あるいはまたはそれに加えて、バルク媒体の粘性を、例えば、バルク媒体中の溶質濃度を低下させることにより、またはバルク媒体の温度を上昇させることにより、低下させてもよい。後者の場合、バルク媒体の温度を、液滴生成と同調して能動的に制御してもよい。
個々の溶液の粘性は、特に、温度、ポリマー(例えば、アルギン酸塩)の長さ分布、およびプロセス中に溶液に加えられる剪断率に応じて様々であり得る。当業者であれば、バルク溶液、液浴溶液、またはその両方の粘性を調整して、必要とされる条件を達成することができる。それは、経験的に決定することができる。絶対粘性を測定する必要はない。とはいえ、キサンタンガム溶液の粘性の測定は、Garcia−Ochoaら、[F.Garcia−Ochoa,V.E.Santos,J.A.Casas and E.Gomez,“Xanthan gum:production recovery,and properties”,Biotechnology Advances,2000,Vol.18,pp.549−579]およびZhongら、[L.Zhong,M.Oostrom,M.J.Truex,V.R.Vermeul and J.E.Szecsody,“Rheological behaviour of xanthan gum solution related to shear thinning fluid delivery for subsurface remediation”,Journal of Hazardous Materials,2013,pp.160−170]に記載されている。スクロース溶液の粘性は、Swindellsら、[J.F.Swindells,C.F.Snyder,R.C.Hardy and P.E.Golden,“Viscosities of Sucrose solutions at Various Temperatures:Tables of Recalculated Values”,Supplement to National Bureau of Standards Circular 440,July 31 1958]で考察されている。
キサンタンガムの溶液は、擬塑性であることが知られており、剪断率が高くなると共に粘性は低下する。供給要素からの物体の放出速度が速いほど、剪断率の増加が引き起こされ、それによりキサンタンガム溶液の粘性が低減されることになる。したがって、高速放出速度が使用される(例えば、インクジェットプリンタヘッドが供給要素として使用される)幾つかの実施形態では、この効果を相殺し、必要な粘性を維持するために、より高い濃度のキサンタンガムが必要とされる場合がある。あるいは、ずり減粘特徴がそれほど著しくない溶液を使用してもよい。
物体試薬とバルク試薬との反応速度は、物体が液浴を貫通する能力に影響を及ぼす場合がある。例えば、反応速度が速い場合、物体がバルク媒体の表面と接触すると、物体の下部表面でカプセルシェルが急速に形成される。これは、液滴全体が液浴の表面を貫通するのを妨げる場合がある。幾つかの実施形態では、この状況を回避するために反応速度を低減する。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、カルシウムイオンの溶液、キサンタンガムまたはカルボキシメチルセルロース等の多糖であってもよい粘性増加剤、および糖、多糖、またはグリセロールであってもよい密度増加剤を含む。糖は、スクロースまたはフルクトースであってもよい。多糖は、マルトデキストリンまたはカルボキシメチルセルロースであってもよい。
密度増加剤をカルシウム溶液に直接添加して、物体媒体を形成してもよい。あるいは、密度増加剤を含有する成分、例えば、果汁またはハチミツ等の糖溶液を物体媒体に添加してもよい。果汁は、天然であってもよく、または合成であってもよい。
好ましくは、物体媒体は、少なくとも0w/v%、例えば、少なくとも0.1w/v%、少なくとも0.2w/v%、少なくとも0.3w/v%、少なくとも0.4w/v%、または少なくとも0.5w/v%の濃度の増粘剤を含む。幾つかの実施形態では、物体媒体は、少なくとも1w/v%の濃度の増粘剤を含む。好ましくは、物体媒体は、最大5w/v%、例えば、最大4w/v%、最大3w/v%、最大2w/v%、または最大1w/v%の濃度の増粘剤を含む。
好ましくは、物体媒体は、少なくとも0w/v%、例えば、少なくとも0.1w/v%、少なくとも0.2w/v%、少なくとも0.3w/v%、少なくとも0.4w/v%、または少なくとも0.5w/v%の濃度の密度増加剤を含む。幾つかの実施形態では、物体媒体は、少なくとも5w/v%、例えば、少なくとも10w/v%または少なくとも15w/v%の濃度の密度増加剤を含む。好ましくは、物体媒体は、最大50w/v%、例えば、最大40w/v%、最大30w/v%、最大20w/v%、最大15w/v%、または最大10w/v%の濃度の密度増加剤を含む。必要とされる密度増加剤の量は、液浴の粘性および密度等の要因に依存することになり、それらは、ひいては液浴温度に依存する場合がある。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、食料品を更に含む。これは、水、果汁、ハチミツ、ヨーグルト、ワイン、蒸留酒、およびビール等のアルコール飲料、茶、コーヒー、ドレッシング、ソース、およびスープの1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、物体媒体は、栄養補助食品を更に含んでいてもよい。これらは、ビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、アミノ酸、およびポリペプチドの1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、物体媒体は、医薬品またはバイオテクノロジー製品を更に含んでいてもよい。これらは、薬物、動物細胞、植物細胞、細菌、および他の生物の1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、物体媒体は、化粧品を更に含んでいてもよい。これらは、口内洗浄液、練り歯磨き、石鹸、クリーム、および芳香剤の1つまたは複数から選択してもよい。あるいはまたはそれに加えて、物体媒体は、果物抽出物、種子抽出物、葉抽出物、茎抽出物、または野菜抽出物等の植物抽出物を更に含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、液浴の温度を調整して、物体による貫通を容易にする。液浴温度は、少なくとも1℃であってもよい。このようにすると、液浴の不凍結を確実にすることができる。幾つかの実施形態では、液浴温度は、少なくとも20℃、例えば、少なくとも21℃、少なくとも22℃、少なくとも23℃、少なくとも24℃、または少なくとも25℃であってもよい。このようにすると、液浴粘性を比較的低くすることが可能である。より高い液浴粘性が必要とされる場合、例えば、物体が大きいかまたは高密度である場合、液浴温度は、最大60℃、例えば、最大50℃、最大40℃、最大30℃、または最大25℃であってもよい。幾つかの実施形態では、液浴温度は、最大100℃であってもよい。このようにすると、非常に小さな物体、または非常に粘性のバルク媒体を含む液浴の使用を受容することができる。
温度を調整して、バルク媒体および/または物体媒体の特性の他の変化を相殺してもよい。例えば、バルク媒体がより高濃度のバルク試薬(例えば、アルギン酸塩)を含む場合、それに応じて温度を上昇させて、高試薬濃度により付与される粘性増加を相殺してもよい。液浴中の物体の沈降速度は、液浴粘性にも依存し、したがって液浴温度にも依存する。したがって、液浴温度を上昇させて、物体の沈降速度を増加させることができる。
幾つかの実施形態では、物体媒体および/またはバルク媒体の表面張力を調整して、貫通を容易にしてもよい。例えば、物体媒体の表面張力を増加させてもよく、および/またはバルク媒体の表面張力を減少させてもよい。表面張力の減少は、界面活性剤をバルク媒体に添加することにより達成してもよい。
液滴周囲での両親媒性単層および二重層の形成を使用して集合体を構築する公知の方法では、このような界面活性剤の添加は、集合体を不安定にするため、許容されないだろう。したがって、本方法は、以前のプロセスでは不適切であると考えられる方法による集合体形成を容易にする。
別の実施形態では、物体は、物体の形成および投入後、バルク媒体を完全には貫通しないことが望ましい場合がある。例えば、物体が、少なくとも部分的にバルク媒体の表面に留まることが望ましい場合がある。
幾つかの実施形態では、物体試薬とバルク試薬との反応の範囲は、例えば、物体媒体およびバルク媒体の一方または両方の試薬の濃度を低下させることにより限定される。あるいはまたはそれに加えて、反応の範囲は、物体媒体およびバルク媒体の一方または両方内に、律速化学種、例えば、キレート剤を提供することにより限定することができる。
このようにすると、媒体の一方が、密度増加剤または別の成分に好適な環境を提供するための試薬等の補助成分を含有している場合、キレート剤は、この補助成分をキレート化し、他の成分との望ましくない反応を防止する。例えば、補助成分は、シェル形成速度および達成可能なシェル厚さに影響を及ぼすと考えられる、物体試薬および/またはバルク試薬に対する反応性をいくらか有している場合がある。補助成分のキレート化は、補助成分の目的機能を保存しつつ、こうした副反応の発生を低減することになる。
幾つかの実施形態では、バルク媒体内への貫通を容易にするために、投入後の物体に力を及ぼす器具を使用する。器具は、物体が生成されるノズルの一部であってもよい。液滴がバルク媒体の液浴上方のある距離で形成される場合、ノズルを液浴に向けて下降させ、物体を液浴内に投入してから、引き続き物体投入の初期位置へと再び上昇させてもよい。
本発明の第1の態様による方法では、物体が互いに結合してシェル一体化が可能になる速度は、所望の集合体を効率的および効果的な様式で構築することができる程度に急速に物体が結合するように制御されることが重要である。
本発明者らは、沈降およびシェル形成の相対速度の制御は、投入した液滴を目的位置に確実に静置することにより集合体の構造的欠陥を回避し、良好な集合体を構築するために重要であることを発見した。沈降速度が、シェル一体化速度と比べて速すぎる場合、物体は遭遇しても互いに結合せず、転がりながら互いに離れて意図しない位置へと移動してしまう可能性がある。対照的に、シェル一体化速度が沈降速度と比べて速すぎる場合、各物体のシェルは、別の物体と結合する前に肥厚化し過ぎるか、または物体は、意図されているものとは異なる物体と結合するか、または物体は、シェルが急速に成長するため沈降が遅すぎる。その結果、沈降速度が十分に急速で、集合体構築の効率が実用的であることが保証されると共に、上述したように相対速度が良好になるようにシェル形成速度が制御されるはずである。
加えて、本発明者らは、2つの連続する物体を形成する間の期間が短すぎると、沈降する物体が相互作用し、目的の位置から離れた位置でバルク媒体内に沈殿する結果となることを見出した。これにより、不完全なシェル一体化、シェル一体化の欠如、または一体化されたが物体の位置が不正確であるシェルがもたらされる。したがって、幾つかの実施形態では、この問題を克服するために、連続して物体を投入する間に遅延が導入される。
幾つかの実施形態では、物体および/またはバルク媒体は、物体が、最大5mm s−1、例えば最大4.5mm s−1、最大4mm s−1、最大3.5mm s−1、または最大3mm s−1の速度でバルク媒体内を沈降するように構成されている。このようにすると、沈降速度は、液滴の形状または位置に有害な影響を及ぼすほど高くならない。
幾つかの実施形態では、物体は、中性浮力を有していてもよく、つまり沈降速度がゼロであってもよい。これは、集合体が突出構造を含む予定である場合、重要であり得る。幾つかの実施形態では、沈降速度は、少なくとも0μm s−1、例えば、少なくとも100μm s−1、または少なくとも200μm s−1であってもよい。集合体構築中にバルク溶液が漸増的に液浴に添加されるプロセスでは、より低い沈降速度が有用であり得る。
沈降速度がこの範囲内であると、物体がより効果的に相互結合して集合体が形成され、より正確に液浴に配置される。
沈降速度は、物体のサイズを改変することにより制御することができる。低いレイノルズ数で液体中を重力降下する球体の終端速度(粘性液体中をゆっくりと沈降する場合に適用される)は、以下の式で算出されることは周知である。

v=gd(r−r)/(18m)

式中、vは、球体の終端沈降速度であり、gは、重力加速度であり、dは、球体直径であり、rdは、球体密度であり、rbは、液浴密度であり、mは、液浴の動粘度である。この式は、シェル成長がゆっくりである本発明ではほぼ正確である。シェル成長が速いと、球体直径が球体の落下と共に増加することになり、それは上記の式では想定されていない。
あるいは、物体媒体の密度および/またはバルク媒体の密度を改変して、沈降速度を制御してもよい。後者の場合、いずれの密度も、媒体内の化学種の濃度の変化させることにより改変することができる。この種は、物体試薬であってもよく、またはバルク試薬であってもよい。あるいはまたはそれに加えて、前記の種は、糖または多糖、例えばマルトデキストリンであってもよい。前記の種は、別の溶質であってもよく、または懸濁されていてもよい。
物体媒体が高密度である実施形態では(例えば、物体媒体が高濃度の糖を含む場合)、それに応じて液浴の密度を増加させ、必要とされる物体の沈降速度を達成させる必要があり得る。したがって、密度増加剤を、液浴溶液に添加してもよい。これは、糖であってもよく、または多糖であってもよい。
沈降速度を制御するため、物体媒体の密度および/またはバルク媒体の密度を、それらの温度を変化させることにより改変させてもよい。
沈降速度を制御するため、バルク媒体の粘性を、貫通に関して上述したのと同様に改変してもよい。
幾つかの実施形態では、バルク媒体の液浴内を物体が沈降する時間は、集合体形成に必要とされるバルク媒体の液位を最小限にすることにより、最小化される。例えば、バルク媒体の液位は、構築中の集合体の最上部表面の上方300mm以内であってもよい。これにより、比較的大きな物体を使用して集合体を形成するプロセスが可能になるだろう。幾つかの実施形態では、例えば、バルク媒体の液位は、構築中の集合体の最上部表面の上方30mm以内、例えば、25mm以内、20mm以内、15mm以内、または10mm以内であってもよい。液位は、少なくとも100μm、例えば、少なくとも500μm、または少なくとも1mmであってもよい。より大きな液滴の場合、少なくとも5mmの液位を使用してもよい。
集合体の構築中、バルク媒体の液位は、構築中にバルク媒体を液浴に添加することにより十分に維持することができる。あるいは、媒体に付加した物体によりバルク媒体が単に置換されること自体で、十分にバルク媒体の適切な液位を提供することができる。
本発明の第2の態様によると、集合体を生成するための方法は、
(i)バルク試薬を含むある容積のバルク媒体を投入して液浴を形成するステップ;
(ii)各物体の表面の部分を、投入後に前記液浴の表面上方に露出したままにし、各々が物体試薬を含む1つまたは複数の物体を前記液浴内にまたは前記液浴上に投入するステップ;
(iii)各物体と前記バルク媒体との界面で反応を生じさせて、前記バルク媒体と接触している各物体の部分の周囲に部分的なカプセルシェルを形成するステップ;
(iv)追加のバルク媒体を投入して、各物体の表面の部分が前記液浴の表面上方に露出したままになるように、前記液浴の深さを、各物体の上部表面よりも低い液位まで増加させるステップ;
(v)各物体と前記バルク媒体との界面で反応を生じさせて、前記バルク媒体と接触している各物体の部分の周囲に部分的なカプセルシェルを形成するステップ;
(vi)ステップ(ii)〜(v)を、所定の回数繰り返して、集合体を形成するステップ;および
(vii)前記集合体をバルク媒体で完全に覆って、液滴媒体の1つまたは複数の非中断領域を含む、封入された物体の集合体を形成するステップを含む。
ここで、「非中断」は、集合体が、集合体の各物体の表面全体が、投入後にバルク媒体と接触することにより形成されることになる、個々の物体間の内部隔壁の少なくとも幾つかが欠如していることを意味する。
幾つかの実施形態では、物体は、物体の部分が、以前に投入された物体の露出部分と接触するように投入される。このようにすると、複数の投入された液滴に由来する液滴媒体の領域は、最終集合体内の単一均質領域として、つまり、内部カプセルシェルが個々の液滴を分離することなく保存される。したがって、幾つかの実施形態では、本方法は、個々の液滴から構築される均質な媒体を含む、所定の形状およびサイズの大型カプセルを可能にする。例えば、液滴を互いの上部に垂直に積み重ねることにより柱状体を構築することができる。したがって、集合体は、液滴媒体の単一非中断領域からなっていてもよい。
この方法を使用して、一連の集合体形状を構築することができる。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、物体が液浴を貫通せず、表面に浮遊するように構成されている。したがって、ステップ(ii)では、第1の物体が、液浴上に投入され、ステップ(iii)では、部分的なシェルが、物体の底部に形成され、物体は、液浴表面上に留まることになる。その後、ステップ(iv)を使用して、物体周囲のバルク媒体の液位を増加させてもよい。
幾つかの実施形態では、物体は液浴内を沈降するが、液浴の深さは、ステップ(ii)にて、物体の表面の部分が、投入後に液浴の表面上方に露出したままであることを確実にするように調整される。例えば、液浴の深さは、投入した物体の直径よりも浅く設定されるだろう。
幾つかの実施形態では、物体は、ほぼ中性浮力を有し、液浴を部分的にまたはわずかに貫通する。
幾つかの実施形態では、物体の少なくとも1つは、複数の個々に投入された物体が合体することにより形成された連続した物体である。例えば、ステップ(ii)の実施中、最初の物体を、液浴表面上に投入し、その後更なる物体を隣接位置に投入してもよい。2つの物体は、合体して(全体がカプセルシェルに囲まれているわけではないため)、連続した第1の物体を形成することになる。その後、本方法のステップ(iii)および(iv)を実施することになる。その後、ステップ(ii)におけるそれ以降の物体は、複数の個々に投入された物体が合体することにより形成される連続した物体であってもよい。
幾つかの実施形態では、ステップ(iv)で、ある追加容積のバルク媒体が、以前のステップ(ii)で投入された物体がバルク媒体で完全に囲まれるように投入される。このようすると、以前のステップ(ii)で投入された物体が、それらの上部表面を覆うカプセルシェルを獲得し、それによりその後のステップ(ii)でそれらの上方に投入される物体と隔てられる。
第1の態様による方法に関して本明細書に記載されている好ましい選択肢はいずれも、第2の態様による方法に等しく適用することができる。
本発明の第3の態様によると、複数の一体化カプセルを含む集合体を生成するための方法は、
(i)バルク試薬を含むバルク媒体の液浴を準備するステップ;
(ii)前記液浴を持続的に撹拌するステップ;
(iii)各物体が物体媒体を含み、前記物体または前記物体媒体が物体試薬を含み、複数の物体を前記液浴に投入するステップ;
(iv)前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応を、各物体と前記バルク媒体との界面で生じさせて、各物体の周囲にカプセルシェルを形成するステップ;
(v)前記複数の物体を、前記液浴の中心に向かって移動させ、前記液浴の中心で凝集体を形成させるステップ;および
(vi)前記凝集体の隣接物体のカプセルシェルを一体化させ、それにより物体の集合体を形成するステップを含む。
このようにすると、非常に単純で低コストの装置を使用して、無作為に配置された液滴の集合体を非常に迅速に形成することができる。液浴は、任意の好適な撹拌手段、例えば、液浴が存在する容器を持続的に回転させることにより、撹拌することができる。液滴は、回転軸上または回転軸外の液浴の上方に位置する固定ノズルにより投入してもよい。投入後、液滴は、容器の撹拌液体中にある遊離物体は、物体が液体よりも密度が高い場合、容器の底部中心に移動することになるという「茶葉パラドックス」により液浴の中心に移動することになる。
この方法を使用して、任意のサイズの集合体を構築することができ、構築時間は、本明細書に記載の制御投入プロセスと比べて低減される。集合体構築の速度が、集合体の幾何学的構造を制御することよりも重要である応用では、この方法は、非常に有利である。
第1の態様による方法に関して本明細書に記載されている好ましい選択肢はいずれも、第3の態様による方法に等しく適用することができる。
集合体
幾つかの実施形態では、完成した集合体の外側表面の厚さは、集合体が完成した後だが液浴から取り出される前に遅延を導入することにより制御される。このようにすると、(a)集合体の各内部物体の周囲に、および(b)集合体の各外部物体の周囲に、つまり完成した集合体の外縁部の周囲に、異なる厚さのカプセルシェルをもたらすことができる。
幾つかの実施形態では、集合体の構築が完了した後、集合体を、少なくとも0秒間、例えば、少なくとも5秒間、少なくとも10秒間、少なくとも15秒間、少なくとも20秒間、少なくとも25秒間、または少なくとも30秒間、バルク媒体液浴に残留させる。これにより、構造を支持するのに十分な厚さの外縁部カプセルが、集合体全体の周囲に確実に形成される。
幾つかの実施形態では、集合体の構築が完了した後、集合体を、最大24時間にわたってバルク媒体液浴に残留させる。滞留時間がより長いと、より厚い膜が提供される。これは、集合体を更に保護することが必要とされる場合、またはより大きな拡散障壁が必要とされる場合、有用であり得る。他の実施形態では、集合体は、最大10分間、例えば、最大9分間、最大8分間、最大7分間、最大6分間、最大5分間、または最大4分間、バルク媒体液浴に残留する。このようにすると、カプセルシェルは、ある応用での、例えば、外部シェルの容易な溶解または破裂が求められる応用での集合体の有用性を制限するほど肥厚化しない。
幾つかの実施形態では、集合体内の各物体周囲のカプセルシェルの厚さは、少なくとも20μmである。これにより、集合体の物体の内容物を支持するのに十分な厚さのシェルが提供される。非常に小さな物体が組み込まれている、繊細な「高解像度」集合体が必要とされる場合、より薄い膜が有用である。他の実施形態では、集合体内の各物体の周囲のカプセルシェルの厚さは、少なくとも1mm、例えば、少なくとも2mm、少なくとも3mm、または少なくとも4mmである。幾つかの実施形態では、集合体内の各物体の周囲のカプセルシェルの厚さは、最大5mm、例えば、最大4.5mm、最大4mm、最大3.5mm、または最大3mmである。
幾つかの実施形態では、カプセルシェルには、物体媒体が完全に封入されている。幾つかの実施形態では、集合体の全ての物体が、カプセルシェルにより完全に封入されている。
幾つかの実施形態では、物体は、直径が少なくとも20μm、例えば、少なくとも30μm、40μm、または50μmの、実質的に球状の液滴である。そのような小さな直径の液滴は、例えば、液滴を生成するためのインクジェットプリンタヘッドを使用するインクジェット印刷法により生成することができる。幾つかの実施形態では、物体は、直径が少なくとも2mm、例えば直径が少なくとも2.5mmまたは3mmの、実質的に球状の液滴である。このようにすると、より少数でより大きな物体を使用して、所与のサイズの目的物を、より迅速に構築することが可能である。
液滴は、直径が最大6mm、例えば、直径が最大5.5mm、5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、または3mmであってもよい。このようにすると、液滴は、カプセルシェルの強度が高くなるため、構造的完全性が維持される。
液滴は、所与の放出速度および相対粘度(つまり、バルク媒体に対する物体媒体の粘度)に対して小さ過ぎると、バルク媒体液浴の表面を適切に貫通しないだろう。更に、液滴は、所与の放出速度および相対粘度に対して大きすぎると、非球状になる可能性がより高くなる。これは、球状の液滴が必要とされる応用には望ましくないが、他の場合には望ましい場合がある。
幾つかの実施形態では、物体は、球状または実質的に球状の液滴である。他の実施形態では、物体は、異なる形状、例えば、「涙滴」形状等のテーパ形状を有する。これは、いったん形成された物体の形状を維持する構造的に強固なカプセルシェルの存在により可能になる。液滴形状をこのように仕上げることは、両親媒性分子を使用して液滴周囲に単層膜を形成するという以前の方法では不可能である。
物体の形状は、物体容積、物体の放出速度、バルク媒体液浴に対する物体の放出方向、物体の密度、液浴の密度、液浴の表面張力、または液浴の粘度の1つまたは複数を改変することにより制御することができる。
幾つかの実施形態では、集合体内の物体の配向性は、バルク媒体の液浴に進入する際の物体の速度の方向により決定される。
次いで、バルク媒体の液浴に進入する際の物体の速度の方向は、物体の放出速度により決定することができる。放出の速度は、例えば、物体の放出後に制御してもよい。これは、静電気的メカニズムによるものであってもよい。
幾つかの実施形態では、集合体は、一次元の幾何学的構造を有する。言いかえれば、集合体は、2つ以上液滴が一列に並んだ構成であってもよい。あるいは、集合体は、複数の液滴が単一平面内に並んだ二次元の幾何学的構造を有していてもよい。
幾つかの実施形態では、集合体は、例えば、互いに積み重ねられた物体の複数の平面を含む三次元の幾何学的構造を有している。
幾つかの実施形態では、集合体は、水平層を連続形成することにより構築される。幾つかの実施形態では、各水平層は、各々が複数の物体を含む2つ以上の領域を含む。第1の領域の物体は、第2の領域の物体の物体媒体とは異なっており、第2の領域の物体の物体媒体に対して反応性である物体媒体を含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、集合体の物体は、規則的な配列構造を形成している。配列構造は、格子構造であってもよい。
幾つかの実施形態では、第1の領域の物体は、サイズ、形状、および集合体構造から選択される1つまたは複数の特性が異なる。例えば、第1の領域の物体は、第1のパターンに配置されていてよく、第2の領域の物体は、第2のパターンに配置されていてもよく、第1のパターンは第2のパターンと異なる。
幾つかの実施形態では、集合体の領域は、最密格子構造の液滴を含んでいてもよい。例えば、この領域は、六方最密または立方最密の液滴を含んでいてもよい。このようにすると、集合体の物体媒体の容積を、バルク媒体の容積に対して最大化することができる。これにより、集合体が食用を目的とする場合、集合体の液体の割合がより大きくなるため、口当たりの向上がもたらされることになる。また、最密充填では、隣接する物体間の分離が最小になり、物体間の種の移動が容易になる。これは、例えば幾つかの組織工学応用で必要とされる。
当業者であれば、最密充填配置の球体により占められる空間の考え得る最大の割合は、π/3√2、つまり74.048%であることを理解するだろう。集合体の残りの容積は、残留バルク媒体、および球体領域間に成長するカプセルシェル材料により占められることになる。
他の実施形態では、単純立方格子配置等の液滴の非最密配置を、集合体の領域に使用してもよい。
幾つかの実施形態では、集合体は、複数種類の物体、例えば複数種類の液滴を含む。各種類の液滴は、異なる媒体を含んでいてもよく、異なるサイズおよび/または異なる形状であってもよい。幾つかの実施形態では、集合体内の液滴はサイズが異なり、集合体の「解像度」を集合体内で変化させることが可能になる。例えば、集合体の外縁部領域は、より高いレベルの詳細が外側表面の幾何学的構造に達成可能になるように、より小さなサイズの物体を含んでもよい。
集合体構築の効率が、集合体のサイズまたは構造の制御よりも重要である別の実施形態では、本生成方法により、直径の変動を制御せずに物体を生成してもよい。
幾つかの実施形態では、集合体は、目的物の表面に構築される。したがって、目的物は、液滴集合体を付加することにより大きくなる場合がある。例えば、目的物は、集合体がその上に構築される果物であってもよい。集合体は、他の特性の中でも、果物の全体的形状、色、風味、および/または食感を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、集合体は、第1の物体媒体を含む第1の物体を含み、第1の物体媒体は第1の化学種を含み、集合体は、第2の物体媒体を含む第2の物体を更に含み、第2の物体媒体は第2の化学種を含む。第1の化学種および第2の化学種は、互いに対して反応性であってもよい。第1の化学種および第2の化学種は、介在するカプセルシェルを越えて拡散することにより反応することができる。あるいはまたはそれに加えて、第1の化学種および第2の化学種は、カプセルシェルが、例えば物理的な破砕により破壊されて混合が可能にされた際に、反応してもよい。
第1の化学種と第2の化学種との反応は、望ましい生産物を生成することができる。例えば、光、色の変化、温度の変化、pHの変化、風味の変化、匂いの変化、可溶性反応生成物、沈殿物、またはガスの1つまたは複数を生成してもよい。
幾つかの実施形態では、集合体の1つまたは複数の物体は、1つまたは複数の外部刺激に応答する。あるいはまたはそれ加えて、カプセルシェルは、1つまたは複数の外部刺激に応答してもよい。Yoshidaら、[R.Yoshida and T.Okano,“Stimuli−Responsive Hydrogels and Their Application to Functional Materials”,Biomedical Applications of Hydrogels Handbook,2010,pp.19−43]およびGargら、[T.Garg,S.Singh and A.K.Goyal,“Stimuli−Sensitive Hydrogels:An Excellent Carrier for Drug and Cell Delivery”,Critical ReviewsTM in Therapeutic Drug Carrier Systems,2013,Vol.30,pp.369−409]には、そのようなカプセルシェルに使用することができる刺激応答性ヒドロゲルが記載されている。
刺激は、機械的刺激、温度の変化、照明レベルの変化、電場または磁場の適用、1つまたは複数の特定の化学薬品の存在、またはpHの変化の1つまたは複数から選択してもよい。物体は、例えば、変形(刺激応答性ゲルで一般的な)、発光、変色、温度変化、pH変化、風味変化、芳香変化、沈殿物生成、またはガス生成による刺激に応答することができる。
幾つかの実施形態では、集合体の1つまたは複数の物体の色の変化は、温度応答性染料の存在により達成される。他の実施形態では、色の変化は、物体媒体内に懸濁されている粒子の凝集および脱凝集を抑制することにより達成され、その場合、制御は、光、pH、特定の化学薬品、または電場もしくは磁場により達成される。
幾つかの実施形態では、物体媒体は、液滴の形成後または集合体の形成後に固化する。これは、例えば、初期液滴形成時にはその融点よりも高い温度にある液滴媒体を提供し、その後のプロセスでは、その融点未満である周囲温度を提供することにより達成することができる。最終集合体の完成時だけに融点未満の周囲温度を提供して、構築中に物体試薬が必要なだけシェルを通じて拡散することを容易にすることができる。このようにすると、液滴の完全固化集合体を生成することができる。あるいは、液滴媒体は、それが周囲温度で液体状態を維持するように選択してもよい。
幾つかの実施形態では、第1の物体および第2の物体は実質的に同一である。例えば、物体は、物体形成装置の許容範囲内で同一のサイズであってもよく、物体は、同じ組成を有していてもよい。これにより、均質な集合体の生成が可能になる。
幾つかの実施形態では、集合体は、構築後に形状が変化してもよい。これは、例えば、集合体のある領域から別の領域への液体の物質移動により、自発的であってもよい。物質移動は、浸透圧調節物質の濃度が領域間で異なることによる浸透圧により引き起こされてもよい。カプセルシェルは、浸透圧調節物質は透過させないが、物体媒体溶媒を透過させるだろう。浸透圧調節物質はアルブミンであってもよい。
あるいは、形状変化は、刺激応答性であってもよい。
幾つかの実施形態では、バルク媒体は、上記で定義されていてもよい食料品を含む。
幾つかの実施形態では、第4の態様の集合体は、カプセルを更に含み、各カプセルは、カプセルシェルを有し、物体を封入しており、カプセルシェルは、別のカプセルの少なくとも1つのカプセルシェルと一体化されており、各々の更なるカプセルのシェルは、ゲルである。
幾つかの実施形態では、集合体の各カプセルは、直径が少なくとも20μm、例えば、少なくとも30μm、40μm、または50μmの直径を有する。そのような小さな直径のカプセルは、例えば、液滴を生成するためのインクジェットプリンタヘッドを使用するインクジェット印刷法により、生成することができる。幾つかの実施形態では、カプセルは、直径が少なくとも2mm、例えば、直径が少なくとも2.5mmまたは3mmである。このようにすると、より少数でより大きな物体を使用して、所与のサイズの目的物を、より迅速に構築することが可能である。
カプセルは、直径が最大10mm、例えば、直径が最大9mm、8mm、7mm、6mm、または5mmであってもよい。このようにすると、カプセルは、集合体内で構造的完全性を維持する。
幾つかの実施形態では、集合体は、少なくとも3個の物体、例えば、少なくとも4個の、5個の、6個の、7個の、8個の、9個の、または10個の物体を含む。幾つかの実施形態では、集合体は、少なくとも15個の物体、例えば、少なくとも20個の、25個の、30個の、35個の、40個の、45個の、または50個の物体を含む。集合体の物体の最大数は特に制限されない。インクジェット印刷等の技術を使用して集合体を生成する実施形態では、集合体は、数千または数百万個の液滴を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、集合体は、最大1000個の物体、例えば、最大900個の、800個の、700個の、600個の、500個の、400個の、300個の、または200個の物体を含む。
集合体の物体の数の上限は、種々の要因に依存することが理解されるだろう。例えば、集合体に存在する所与のサイズの水平層に対して、集合体がもはやそれ自体の重量を支持不能になるまでに可能な、集合体の積層水平層の合計数には制限があるだろう。この点には、物体およびバルク媒体の密度、カプセルシェルの強度、および集合体の構造も影響を及ぼす。更に、時間的制約は、特に、集合生成装置の一部として1つの供給要素しか使用されない場合、集合体の物体の合計数に制限があり得ることを意味する。例えば、3秒毎に1つの物体を生成する単一の供給要素が使用される場合、50個の物体の集合体を生成するのに、150秒間つまり2.5分間かかることになる。より短時間でより大きな集合体を生成するためには、複数の供給要素を含む装置を使用することができる。
幾つかの実施形態では、集合体は、コーティングされる。
幾つかの実施形態では、集合体は、食用である。
幾つかの実施形態では、集合体は、上記で定義されていてもよい食料品を含む。
幾つかの実施形態では、集合体は、1つまたは複数の発酵剤を含む。このようにすると、集合体の構築後に発酵が生じ、集合体内で発酵産物が生成される。産物は、炭酸入りの産物、例えばビールであってもよい。
幾つかの実施形態では、集合体は、果物の形状、サイズ、色、食感、風味、または芳香の1つまたは複数を模倣するように構成されている。
幾つかの実施形態では、集合体は、特定の果物の形状、サイズ、色、食感、風味、または芳香の1つまたは複数を模倣するように構成されており、集合体は、その果物の天然または合成果汁を含む。このようにすると、外観および風味の両方の点で、天然果実と非常に近い近似物が生成される。果汁は、集合体内の少なくとも1つの物体の主成分であってもよい。
別の実施形態では、集合体は、特定の果物の形状、サイズ、色、食感、風味、または芳香の1つまたは複数を模倣するように構成されており、集合体は、異なる果物の天然または合成果汁を含む。
幾つかの実施形態では、物体は、上記で定義されていてもよい食料品を更に含む。
幾つかの実施形態では、集合体は、化粧品として使用するように構成されている。これは、例えば、口内洗浄液、練り歯磨き、石鹸、またはスキンクリームであってもよい。
幾つかの実施形態では、集合体の特性は、データに従って選択される。データとしては、消費者の個人的嗜好、医療データ、天候データ、および/またはソーシャルメディアデータを含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、集合体は、バイオテクノロジー分野で使用するように構成されている。例えば、カプセルまたは周囲物質は、植物組織または動物組織を成長させるための植物細胞または動物細胞を含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、カプセルまたは周囲物質は、細菌細胞、植物細胞、または動物細胞を含み、集合体は、薬物検査等の実験方法のプラットフォームとして使用に、あるいは組織を成長させるためのスキャフォールドの生成、空間充填スキャフォールド、薬物送達用スキャフォールド、細胞送達用スキャフォールド、または傷包帯として、または外科手術訓練もしくは外科手術計画用の組織の模倣体として等の組織工学用に構成されている。
供給装置
本方法の幾つかの実施形態では、物体は、少なくとも1つの供給要素により形成される。供給要素は、バルク媒体の上方に位置決めされていてもよい。供給要素は、1つまたは複数のノズルを含んでいてもよい。供給要素は、インクジェットプリンタヘッドを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、物体は、噴霧器、インクジェットプリンタ、マイクロ流体システム、または静電気発生器により形成される。
幾つかの実施形態では、物体は、重力の影響下のみで供給要素から落下する。他の実施形態では、物体は、有限速度で供給要素から放出される。
幾つかの実施形態では、物体は、複数の供給要素により形成される。幾つかの実施形態では、任意の1時点では1つの供給要素のみが物体を生成する。他の実施形態では、物体は、複数の供給要素により同時に生成される。複数の供給要素を使用して物体を同時形成することにより、集合体構築速度が増加する。
幾つかの実施形態では、第2の供給要素は、第1の供給要素により生成される物体とは異なる特性を有する物体を生成するように構成されている。例えば、第2の供給要素は、異なるサイズ、異なる形状、異なる放出速度、または異なる温度の異なる物体媒体を含む物体を生成してもよい。このようにすると、不均質な構造の集合体を効率的に生成することができる。
幾つかの実施形態では、供給要素は、バルク媒体の液浴に対して移動可能である。このようにすると、物体は、液浴内の特定位置に供給される。供給要素は、例えば、供給要素および/または液浴を移動させるための平行移動台を使用して、移動可能であってもよい。これは、極座標平行移動台もしくはデカルト座標平行移動台、または6軸ロボットもしくはスカラロボット等の任意の他の平行移動機構であってもよい。液滴が投入される順序は、例えば、ラスター走査パターン、牛耕式パターン、交互市松模様パターン、または別のパターンに従っていてもよい。幾つかの実施形態では、供給要素の移動、液浴の移動、および/または供給要素での物体の生成は、マイクロコントローラで制御される。
マイクロコントローラは、印刷プロセス前または印刷プロセス中に、ローカルまたはリモートのコンピュータから一連のコマンドを受け取り、ソフトウェアにより規定されている所定の構造の集合体を構築するように構成されていてもよい。あるいは、ユーザからのリアルタイム入力によりコマンドを受け取ってもよい。
幾つかの実施形態では、供給要素および液浴は、互いに対して固定しており、物体は、特定位置の上方に位置決めされている複数の供給要素を使用して、そうした特定位置に供給される。あるいは、単一の固定供給要素、および各液滴を所望の位置へと誘導するための手段が設けられていてもよい。
第1の態様による方法の文脈で本明細書に記載されている種々の実施形態は、第4の態様の集合体に等しく適用可能である。
第1の態様による方法の文脈で本明細書に記載されている装置の種々の実施形態は、第5の態様の装置に等しく適用可能である。
<<追加の特徴>>
平行移動台
上述のように、供給要素は、スカラロボットを使用して、液浴に対して移動可能であってもよい。スカラロボットは、2つの関節を有する関節式アームであって、実質的に水平な平面上で関節を中心にして回転可能なアームを備えていてもよい。関節を中心とした各アームの運動は、サーボモータ等の好適なモータにより実施することができる。幾つかの実施形態では、Dongbu Robot HerkuleX DRS−0101サーボモータを使用してもよい。あるいは、例えば、ロータリエンコーダを有するDCモータを含む特注のサーボ機構を使用してもよく、それにより、より低コスト実装が可能になるだろう。
スカラロボットを使用すると、供給要素は、広域をカバーすることが可能になり、スカラロボットは、単純なデカルト座標平行移動台とは異なる幾何学的作業域を達成するように、より容易に構成することが可能である。
更に、スカラロボットを使用すると、装置の全体的な設計は、設置面積がより小さくより小型になる。デカルト座標平行移動台と比較して、より少数の部品が使用されており、組み立てがより容易であり、コストがより低く、より軽量である。スカラは、2つのモータ、2つのブラケット、および1つの取付点しか必要としないが、デカルト座標平行移動台は、2つのモータ、2つの送りネジ、2つの送りネジナット、4本のガイド棒、4つのリニア軸受、および2つの端部支持軸受を必要とする。更に、スカラは、1点のみで支持可能であるため、集合体形成プロセスの視認性がより高くなる。これは、プロセスの適切なモニタリングに重要である。
供給要素
上記で考察されているように、供給要素は、液滴をタンクから供給ノズルへと運搬する蠕動ポンプを含んでいてもよい。
あるいは、好ましい供給要素は、使用中に液滴媒体のタンクを収容する保持チャンバと流体連通する空気ポンプを含んでいてもよい。タンクは、供給要素とも流体連通していてもよく、供給要素はノズルであってもよい。
使用中、チャンバ内に含まれているある量の液滴媒体を装置に提供し、空気ポンプを作動させて、チャンバ内の気圧を増加させ、それによりタンクを加圧し、ある量の液滴媒体をノズルから放出して液滴を形成することができる。
装置は、供給される液滴の数および頻度を制御するために、ノズルからの液滴の放出を検出するための光学センサを更に備えていてもよい。
好ましくは、空気ポンプは、ダイヤフラムポンプである。例えば、Clark Solutions社製KPM−12Aポンプを使用してもよい。より好ましくは、Murata社製圧電マイクロブロアMZB1001T02等のマイクロブロアを使用してもよく、軽量という特性のため供給要素への取り付けがより容易である。加えて、マイクロブロアは、微量の増分でより容易に作動させることができるため、液滴容積の良好な制御がもたらされる。対照的に、ダイヤフラムポンプは、他所に取り付け、適切なチューブにより供給要素に接続することができる。
好ましい実施形態では、供給要素は、バルブを備えたノズルである。バルブは、静水圧下でノズルからの液体の受動液だれを低減または防止することができる。例えば、ダックビルバルブまたはクロスカットバルブを使用してもよい。あるいはまたはそれに加えて、ノズルの静水圧は、タンクの縦方向高さを低減することにより、および/またはタンクの横方向幅を増加させることにより低減することができる。受動液だれの防止は、低粘度液体またはより大口径ノズルの場合に、より重要であり得る。
幾つかの実施形態では、空気ポンプは、複数の供給要素に接続されており、各供給要素は、液滴媒体のタンクを保持するためのチャンバおよび液滴放出用のノズルを含む。空気ポンプは、異なる系統のチューブにより各構成要素に接続されていてもよい。幾つかの実施形態では、各チューブ系統は、個々のチューブの選択的な密閉を提供するための、独立して制御可能なバルブを備える。幾つかの実施形態では、バルブは電磁バルブである。
このようにすると、装置は、1つの空気ポンプのみを使用して、複数の供給要素を駆動するように構成されるため、より効率的であり、コストが低く、より小型化される。
洗浄が必要なのはタンクおよびノズルのみなので、空気ポンプを設置すると、装置をより容易に洗浄することが可能になる。あるいは、タンクおよび/またはノズルを使い捨てにして、洗浄の必要性を完全に排除してもよい。
空気ポンプを設置すると、プライミングが不要となり、デッドボリュームが無くなる。より短くより幅広いノズルを使用して液体の流速を増加させてもよく、それにより、より迅速な集合体構築の達成が可能になる。
液浴加熱システム
本発明の更なる態様は、バルク媒体の加熱をもたらすように構成されている、前記バルク媒体を含有するための装置であって、前記装置は、
底部および側壁を画定し、前記側壁の内側表面が、前記底部に対して、90°を超える角度を有するように鈍角に構成されている熱伝導性容器;
前記側壁の外部表面と接触している発熱体;および
前記容器内に配置されるように構成されており、前記熱伝導性容器の前記内側表面と幾何学的に一致する外側表面を含む液浴を備える。
装置は、液浴が熱伝導性容器内にぴたりと嵌合する2部品配置を含む。容器の側壁が鈍角であると、液浴と容器との接触が密接になり、バルク媒体を液浴に含有させると、この接触は増加する。これにより、発熱体から液浴内のバルク媒体への熱伝導率の最大化が可能になる。
幾つかの実施形態では、バルク媒体を含有するための装置は、液滴集合体成形装置の一部である。
「熱伝導性」が参照される場合、金属等の良好な熱伝導体である容器材料が参照される。
幾つかの実施形態では、容器および液浴は、逆円錐台形状(円錐台様)を有する。このようにすると、容器および液浴の側壁が連続し、容器および液浴の底部が円形になる。
幾つかの実施形態では、発熱体は、電流を流すことができる抵抗ワイヤである。ワイヤは、容器の側壁の外側表面に巻回されていてもよい。好ましくは、ワイヤは、側壁の外側表面の部分を、好ましくは大部分を覆っている。あるいはまたはその代わりに、ワイヤは、容器の底部の外側表面の部分を覆っていてもよい。
幾つかの実施形態では、装置は、容器が配置される空隙を画定する底部ユニットを更に含む。好ましくは、空隙の幾何学的構造は、容器の側壁の外側表面の幾何学的構造と一致している。
別の実施形態では、液浴中のバルク媒体は、誘導加熱または放射加熱により加熱してもよい。
幾つかの実施形態では、バルク媒体の温度は、温度センサからのフィードバックにより制御してもよい。幾つかの実施形態では、これは、熱電対またはサーミスタ等の接触温度センサであってもよい。あるいは、赤外線センサ等の非接触センサを使用してもよい。好ましくは、赤外線センサは、その視野全体が、液浴中のバルク媒体の露出表面を占めるように設置される。非接触センサには、集合体構築のセッション間でセンサの洗浄が不要であるという利点がある。
このようにすると、バルク媒体の温度を、無期限に最適温度で維持することができる。
供給プロセス
第1の態様または第2の態様による方法の幾つかの実施形態では、物体の放出は、以下のステップにより実施される:
(a)第1の位置にて第1の物体を供給要素から放出するステップ;
(b)前記供給要素を第2の位置に向けて移動させると同時に、第2の液滴を形成することになる物体媒体をポンプ送液するステップ;
(c)自由選択で、時間遅延を提供して、前記第1の物体の沈殿を可能にするステップ;および
(d)前記第2の位置にて前記第2の物体を放出するステップ。
その後、自由選択で、ステップ(b)〜(d)を繰り返して、集合体を構築する。
好ましくは、物体は液滴であり、物体媒体は液滴媒体である。
第1の位置および第2位置が互いに比較的接近している場合、例えば、互いに1つ〜5つの液滴の直径以内である場合、自由選択のステップ(c)が必要とされる場合がある。しかしながら、第1の位置および第2位置がこれよりも離れている場合、液滴は、互いの軌道に干渉しないため、ステップ(c)は必要ではない場合がある。
第2の液滴は、液滴が正確な位置へと精密に供給されることを確実にするために、第2の位置に到達した時点でまたは到達した後のみに放出しなければならない。これを容易にするために、ポンプ送液速度、つまりポンプ送液ステップの開始と液滴放出との間の時間が調整可能であってもよい。あるいはまたはそれに加えて、供給要素の移動速度を調整してもよい。ポンプ送液時間が移動時間よりも長いことは許容可能であり、それにより、第2の位置への到着後で液滴を放出する前に短い遅延がもたらされることになる。しかしながら、ポンプ送液時間が移動時間よりも短いことは、供給要素が適切な位置に到着する前に液滴が放出されることになるため、許容できない。
好ましくは、ポンプ送液時間および移転時間は、供給要素が第2の位置に到着すると同時に液滴が放出されるように選択される。
このようにすると、集合体構築プロセスは、非常により時間効率的である。
多重集合体形成
幾つかの実施形態では、複数の集合体が、同じバルク媒体内で順次または同時に構築される。物体を互いに比較的離して投入することにより、以前に投入された物体の位置に及ぼす物体の影響は、無視できる程度になる。
幾つかの実施形態では、本発明による多重集合体形成方法は、以下のステップを含む:
(a)第1の位置にて、第1の集合体の少なくとも第1の物体を供給要素からバルク媒体内に投入するステップ;
(b)前記供給要素を第2の位置へと移動させるステップ;
(c)第2の集合体の少なくとも第1の物体を前記バルク媒体内に投入するステップ;
(d)前記供給要素を第3の位置に移動させるステップ;
(e)前記第1の集合体の少なくとも第2の物体を前記バルク媒体内に投入するステップ;
(f)前記供給要素を第4の位置に移動させるステップ;および
(g)前記第2の集合体の少なくとも第2の物体を前記バルク媒体内に投入するステップ。
好ましくは、物体は、液滴である。
第1の位置および第3の位置、ならびに第2の位置および第4の位置は、それぞれ第1の集合体および第2の集合体の形成を可能にするように好適な近傍にある。
その後、ステップ(d)〜(g)を所定の回数繰り返し、両集合体が完成するまで、各集合体に第3の、第4の、第5の...第nの物体を投入してもよい。
この方法は、2つの集合体の同時形成に限定されず、同じバルク媒体で、2つ、3つ、または4つ以上の集合体を同時に形成するためにも適用することができることが理解されるだろう。
上述の方法では、第1の集合体の第1の物体が投入され、その後、第2の集合体の第1の物体が投入されると言及されている。この方法は、第1の集合体の複数の第1の物体が投入され、その後、第2の集合体の複数の第1の物体が投入される方法も包含する。
完成した集合体を単離するための方法
本発明の更なる態様は、集合体をバルク媒体から単離するための方法であり、この方法は、
液浴の少なくとも一部にわたって延在する有孔プラットフォームを含む液浴を準備すること;
前記液浴に、前記有孔プラットフォームを覆う液位までバルク媒体を添加すること;
前記有孔プラットフォーム上に、集合体を本明細書に記載のように構築すること;および
前記有孔プラットフォームを前記バルク媒体から上昇させ、それにより前記集合体を前記バルク媒体から単離することを含む。
好ましくは、集合体は、液滴集合体である。
したがって、本明細書に記載されているような液滴集合体を調製するための方法は、集合体を有孔プラットフォーム上に調製するステップを含んでいてもよいことになる。
幾つかの実施形態では、有孔プラットフォームは、平坦なふるいである。
集合体構築後にプラットフォームを上昇させると、バルク媒体は孔を通過し、バルク媒体が液浴に留まり、集合体がバルク媒体から取り出される。
本発明の更なる態様は、集合体をバルク媒体から単離するための方法であり、この方法は、
第1の区画および第2の区画を含む液浴を準備すること;
第1の区画にバルク媒体を添加すること;
前記第1の区画内に、本明細書に記載のように集合体を構築すること;および
前記バルク媒体の少なくとも一部を前記第1の区画から前記第2の区画内へと移動させ、それにより前記集合体を前記バルク媒体から単離することを含む。
好ましくは、集合体は、液滴集合体である。したがって、本明細書に記載されているような液滴集合体を調製するための方法は、集合体を有孔プラットフォーム上に調製するステップを含んでいてもよいことになる。
このようにすると、バルク媒体は、第1の区画から部分的にまたは完全に除去されるが、集合体は第1の区画に残留し、もはやバルク媒体により覆われていない。これにより、ユーザが液浴と接触する必要性が排除されるため、バルク媒体が汚染されるリスクが低減される。プロセスが単純化される。
例えば、第1の区画および第2の区画は流体連通しており、液浴は、第1の区画から第2の区画へとバルク媒体を移動させるための手段を含む。
集合体を保存するための方法
幾つかの実施形態では、完成した集合体は冷却され、集合体の特性を保存するために低温で保管される。例えば、集合体は、冷蔵してもよく、または冷凍してもよい。例えば、集合体は、4℃以下に、0℃以下に、または−20℃以下に冷却してもよい。
より好ましい実施形態では、完成した集合体は、瞬間冷凍にかけられる。これは、ドライアイス、液体窒素、または別の液体と混合されているドライアイスまたは液体窒素を含む冷却液浴を使用して達成してもよい。他の液体は、エタノールであってもよい。
このようにすると、冷凍は迅速であり、集合体からの液体損失が低減され、解凍後も初期構造が保存される。加えて、ゆっくりと冷凍すると、氷の結晶が大きく成長し、液滴周囲の膜が損傷し、隣接する液滴との望ましくない合体、または集合体の外壁の破砕に結びつく場合がある。
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態による方法で使用される装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態による集合体を示す模式図である。 本発明の第2の態様の一実施形態による方法を示す模式図である。 本発明の第2の態様の一実施形態による方法を示す模式図である。 本発明の第3の態様の一実施形態による方法を示す模式図である。 供給要素と、物体の投入位置を制御するために使用されるデカルト座標平行移動台とを備える、本発明の一実施形態による方法で使用するための供給デバイスの写真である。 液浴貫通の確率を、2つの異なる液浴組成物の液浴温度に対してプロットした図である。 本発明の一実施形態による方法によって形成された二次元集合体の写真である。 本発明の一実施形態による生成方法の実施中の多段階での三次元集合体の写真である。 本発明の一実施形態による方法によって生成された三次元集合体の写真である。 本発明の一実施形態による方法によって生成された三次元集合体の写真である。 液滴がバルク溶液中を降下していく過程を示す一連の写真である。 液滴がバルク溶液中を降下していく過程を示す一連の写真である。 液滴がバルク溶液中を降下していく過程を示す一連の写真である。 液滴がバルク溶液中を降下し、その後第2の液滴と相互作用する過程を示す一連の写真である。 本発明の一実施形態による方法による液滴の三次元集合体の生成を示す一連の写真である。 スカラロボットを示す図であり、(a)斜視図、(b)側面図、(c)第1の関節配置の平面図、(d)第2の関節配置の平面図、および(e)第3の関節配置の平面図である。図17(f)〜(j)は、様々な構成のスカラ機構が接近可能である領域を示す図である。 本発明の1つの実施形態による供給システムの縦方向断面を示す図である。 本発明の1つの実施形態による加熱装置を示す図である。 本発明の1つの実施形態による液浴を示す模式図である。
直接的球状化プロセスおよび逆球状化プロセスは、単一の封入液滴の生成に有用であることが知られている。両技術では、液滴内の試薬と液滴が投入される媒体内の試薬とが自然発生的に反応して、通常はアルギン酸カルシウムの膜を形成する。球状化プロセスでは、液滴が、アルギン酸塩溶液を含み、溶液が、カルシウム溶液を含む。逆球状化プロセスでは、液滴がカルシウム溶液を含み、溶液がアルギン酸塩溶液を含む。両方法では、膜形成後に液滴を完全な状態で液浴から取り出すことができる。米国特許出願公開第2013/0251862号公報には、単一の液滴を生成するための自動逆球状化プロセスが記載されている。
図1には、本発明の第5の態様の一実施形態による装置が示されており、この装置は、本発明の第1の態様による方法を実施するのに好適である。図1には、液滴形成の単一のサイクルに相当する液滴形成プロセスの3つの部分、(a)、(b)、および(c)が示されている。(a)には、液滴形成前の装置が示されている。(b)には、液滴形成直後の装置が示されている。(c)には、液滴投入後の装置が示されている。
装置1は、バルク媒体を含む液体液浴12の表面上方に位置決めされている供給要素10、例えばノズルを含む。供給要素10は、液体の個別な部分をノズルに送達する蠕動ポンプ(非表示)に接続されている。シリンジポンプ等の、任意の他の好適なポンプを使用してもよい。液体は、ノズルに送達された後、球状液滴14の形態でノズル出口を通じて供給される。
液滴14は、物体試薬、例えば乳酸カルシウムの水溶液からなる。増粘剤および/または密度増加剤等の他の成分が液滴に存在していてもよい。また、香味料が存在していてもよい。
溶液12は、アルギン酸ナトリウム等のバルク試薬の水溶液を含む。増粘剤および/または密度増加剤等の他の成分が溶液に存在していてもよい。
液滴14は、液浴12の上部表面を貫通し、液浴内を沈降した後、液浴の床18に静止する。液滴14が液浴12の液体と接触すると直ぐに、液滴14の乳酸カルシウムと液浴12のアルギン酸ナトリウムとの反応が活性化される。この反応の生成物は、アルギン酸カルシウムであり、反応で生成されると共にゲルシェル16を形成し、それにより液滴14が封入される。反応は、利用可能な試薬が使い尽くされるまで、または液滴が液浴から取り出されるまで継続する。反応は、液滴14の表面を越える反応拡散プロセスにより進行する。シェル成長速度は、時間と共に次第により遅くなる。
また、図1には示されていないが、装置は、第2の液滴を第1の液滴と隣接する位置に供給して、幾何学的に制御された液滴集合体の形成を可能にする。
図2(a)には、液浴12内の隣接位置に供給された2つの液滴22aおよび23aからなる一次元集合体20が示されている。液滴は、複数の供給要素(例えば、複数のノズル)により同時に供給されていてもよく、または順次供給されていてもよい。上述されているように、各液滴は、バルク媒体と接触すると、アルギン酸カルシウムシェル22b、23bを生成し始める。2つの液滴22a、23aが液浴の床18の適所に沈殿すると、シェルは、各液滴から、隣接する液滴に向かって外側に成長し、いくらか時間がたつと、シェル22b、23bは、液滴間の領域25内で接触する。この中間領域25にて、2つのシェルは合体または一体化して、ゲル相により2つの液滴が共に結合されている単一構造になる。このようにして、液滴の安定集合体が形成される。集合体を液浴から取り出して、その構造的完全性を危険にさらすことなく更に操作することができる。例えば、集合体を乾燥、脱水、コーティング、または更なる水溶液に浸漬してもよい。
図2(b)には、互いの上に積み重ねられた液滴31の7つの水平平面からなる溶液12内の三次元集合体30が示されている。液滴31は、図1および図2(a)で上述されているものと全て点で同じである。集合体の各液滴31は、各液滴周囲のアルギン酸カルシウムゲルカプセルの一体化により、1つまたは複数の隣接する液滴と結合されている。複数の液滴31の集合体は、このようにして形成されており、各液滴は、ゲル相シェルにより封入されている液体媒体を含み、各液滴は、ゲル相シェルにより少なくとも1つの隣接する液滴と結合されている。集合体を液浴から取り出して、その構造的完全性を危険にさらすことなく、更に操作することができる。例えば、集合体を乾燥、脱水、コーティング、またはカルシウム溶液等の更なる水溶液に浸漬してもよい。更なる水溶液は、物体溶液と同じであってもよい。
図2(c)には、互いの上に積み重ねられた液滴の7つの水平平面からなる液浴12内の三次元集合体40が示されている。この集合体は、図2(c)の集合体が、2つの異なるタイプの液滴を含むという事実を除けば、図2(b)に示されている集合体と類似している。第1のタイプの液滴44は、集合体の中央領域43に位置し、第2のタイプの液滴42は、この中央領域を取り囲む外縁部領域41に位置する。
領域43の液滴と領域41の液滴との違いは、液滴のサイズであってもよい。あるいは、液滴組成に違いがあってもよい。例えば、領域43の液滴は、領域41の液滴よりも高濃度の溶質を含んでいてもよい。あるいは、領域間の液滴形状に違いがあってもよい。当業者であれば、異なっていてもよい、液滴の他の多くの特性は明白である。また、2つを超える異なる領域が集合体に存在していてもよいことが明らかだろう。例えば、集合体は、少なくとも3つ、4つ、または5つの異なる領域を含んでいてもよく、各領域の液滴は、他の全ての領域の液滴と異なる特性を有する。
図3には、本発明の1つの実施形態による集合体構築方法((a)〜(h))が示されている。図4には、類似の方法((a)〜(b))が示されている。
図3(a)〜(h)には、結合して集合体内に非中断領域を生成する複数の液滴を含む集合体の構築が示されている。まず、バルク媒体の浅い層を投入して、容器50内に液浴52を形成する(図3(a))。個々の液滴を、各液滴の部分が溶液の表面上方に露出したままになるように液浴52上に投入して、液滴溶液54aおよび54bの物体の第1の層を形成する。
各液滴54aおよび54bは、乳酸カルシウムを含み、バルク媒体は、アルギン酸ナトリウムの溶液を含む。各液滴54a、54bとバルク媒体52との界面では、乳酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムとの反応が反応拡散プロセスで生じる。アルギン酸カルシウムゲルが形成され、ゲルの形成は、カルシウムイオンが初期ゲルシェルを通じて移動すると共に界面から外側に向かって進行し、アルギン酸塩イオンとの反応が継続してシェルが外側から肥厚化する。各液滴表面のより低い部分だけがバルク媒体と接触しているため、シェルは、液滴54aおよび54bを部分的に封入するに過ぎない。
図3(d)に示されているような次のステップでは、液滴54aおよび54bの表面のより大きな部分(しかしながら、まだ全体ではない)を覆うように、追加のバルク媒体を液浴52内に導入する。各液滴の上部表面は、依然として液浴の表面上方に露出されたままである。
その後、バルク媒体で新たに覆われた液滴の部分の界面でゲルシェルが形成される(図3(e))。
図3(f)に示されているプロセスのステップでは、液滴57aおよび57bからなる液滴の第2の層が、第1の層の上に投入される。液滴57aの部分は、液滴54aの露出部分と接触し、液滴57bの部分は、液滴54bの露出部分と接触する。この液滴間の界面では、アルギン酸カルシウムシェルは形成されず、液滴媒体は、結合して集合体になる。次いで、第2の層を投入した後、追加のバルク媒体を液浴に添加して、図3(e)に示されているように、第2の層液滴の上部の露出部分以外を覆う。
その後、図3(g)に示されているように、第3の層を、同様にして第2の層に投入する。この実施形態では、集合体は、3つの層の液滴で構成されるため、この第3の層の投入後、バルク媒体を液浴に添加して、集合体58を完全に覆い、外部シェルを完成させる。その後、集合体58を、所定の期間にわたって液浴内に静置させ、外側アルギン酸カルシウムシェルの所望厚さを達成することができる。その後、集合体58を液浴から回収して、図3(h)に示されている集合体58を得る。
得られる集合体は、個々に投入された液滴に由来する媒体を合体させることにより形成された連続しており中断されていない内部媒体51からなり、投入した液滴の順序および位置により画定された幾何学的構造を有する外部シェルを含む。
図4(a)および図4(b)には、直近で上述したプロセスの変法により形成される集合体が示されている。同じプロセスを実施するが、非常により多くの個々の液滴の投入を使用して、「高解像度」の弓状集合体59が形成される。これは、本方法が広範な集合体幾何構造に生成に汎用性があることを示すものである。特に、この方法では、集合体59等の、完成時には自己支持性であるが、集合体構築中は自己支持性であるとは限らない、集合体幾何構造を生成することができる。
図5には、本発明による集合体形成の方法であって、「茶葉パラドックス」現象を使用して、個々の液滴を凝集させて集合体にする方法が示されている。
ノズル60の形態である供給要素は、バルク媒体62の液浴を含有する容器61の上方の定位置に位置している。ノズルは、液滴63をバルク媒体内に投入する。この方法の全体にわたって、バルク媒体は、例えばバルク媒体を含有する容器を回転させることにより、一定の速度で撹拌されている。あるいは、撹拌要素を、容器内で使用してもよい。図示されている実施形態では、11個の液滴が、バルク媒体内に投入される。しかしながら、この方法により集合体を形成するために使用することができる液滴の数には特に制限はない。非常に小さなサイズの液滴の場合、数千個または数万個もの液滴を、撹拌作用下で凝集する前に、非常に迅速にバルク媒体内に投入することができる。
液体が撹拌されると共に、バルク媒体内の液滴63は、自然と容器の中心および底部に移動することになる。これは、「茶葉パラドックス」という既知の現象のためである。上述されている実施形態のように、バルク媒体に浸漬すると、アルギン酸カルシウムのゲルカプセルシェルが、各液滴の周囲に形成し始める。液滴が容器の中心で接触する間、シェル成長が継続し、近接液滴のシェルが互いに一体化して、集合体64を形成する。液滴が一体化されたら、撹拌を終了させてもよく、集合体をバルク媒体から取り出す(またはバルク媒体を排出する)ことができる。これは、各液滴の正確な位置がそれほど重要でない場合、液滴の集合体を形成するための非常に効率的な方法である。
上述した集合体は、乳酸カルシウムの液滴溶液およびアルギン酸ナトリウムのバルク溶液を使用して生成されている。しかしながら、これらの代わりとして多くの他の試薬を使用して、液滴周囲に固形物質カプセルを生成することができる。下記の表には、試薬の幾つかの特に有用な組み合わせが示されている。試薬1は、液滴に存在してもよく、またはバルク媒体に存在してもよい。試薬1が液滴に存在する場合、試薬2はバルク媒体に存在する。その逆でもよい。
図17(a)〜(e)には、集合体形成中に供給ノズルの移動を制御するために使用することができるスカラロボット70が示されている。スカラロボット70は、第1のサーボモータ72が固定して設置されている剛性固定基部71からなる。その後、第1のサーボモータ72は、回転可能な関節により第1のブラケット73に接続されている。第2のサーボモータ74は、第1のモータ72よりも低い位置で第1のブラケット73に固定して設置されている。回転可能な関節により第2のモータ74に接続されている第2のブラケット75により、機構が完成される。第2のブラケット75は、供給ノズルを取り付けることができる幾つかの取付点を含む。
図17(c)〜(e)には、モータ72および74の回転により達成される3つの異なる配置のスカラ機構が平面図に示されている。
図17(f)から(j)には、異なる配置にあるスカラ機構の接近可能領域の平面図が示されている。サーボモータ72および74は、水平な線により表わされるブラケット73および75により接続されている、各図の中心にある長方形として視認することができる。(f)〜(j)の各々では、異なる長さのブラケット73が使用されており、その結果、供給ノズルの回転範囲および接近可能領域が異なる。濃灰色領域には、2つの配置のノズルで到達することができ、明灰色領域には、1つのモータ配置のノズルで到達することができる。
図18には、蓋81、マイクロブロア82、ガスケット83、およびマイクロブロアアダプタ84を含む供給装置80が示されている。このユニットは、ある容積の液体を保持することができるタンク85の上部に取り付けられている。タンク85は、ノズル86と流体連通している。タンクは、液滴がノズル86から供給される時点を検知するための、発信器88および受信器89を含むセンサアダプタ87に設置されている。
図19(a)には、水液浴、またはより詳しくは本発明によるバルク媒体の液浴の温度を制御するための加熱システム90が示されている。加熱装置90は、逆円錐台の形状を有する外側金属容器91を含む。発熱体(抵抗ワイヤ)93が、容器91の外側表面に巻回されている。液浴92は、容器91内に配置されている。液浴92の外側形状は、容器91の内側形状と一致している。それにより、容器内での液浴の緊密な嵌合がもたらされる。更に、円錐台の形状は、液浴が満たされていると、液浴は、より密接に容器と接触することになり、容器と液浴とのより良好な熱伝達が容易になることを意味する。
図19(b)には、基部ユニット95に設置した同じ加熱システムが示されている。
図20には、本発明の1つの実施形態による液滴集合体成形装置100の模式的断面図が示されている。液浴101は、1つの側壁から反対側の側壁まで液浴101の内部を横断して延在する内側仕切壁102を含む。したがって、仕切壁により、液浴内に2つの分離したチャンバが形成されている。一方のチャンバは、集合体104が形成されるまで液滴がその中に投入されるバルク媒体103を含有している。集合体が完成した後、装置を、バルク媒体が左側のチャンバ内へと流れ出すまで、非鉛直軸を中心として(紙面に対して垂直な軸を中心として反時計回りに)回転させる。このプロセスは、図20では矢印105により示されている。その後、装置が図20(b)に示されているような初期位置に戻ると、集合体は、一切の介入を必要とせずにバルク媒体から単離される。
実施例
液浴組成物
1gのアルギン酸ナトリウムを、200mLの蒸留水に溶解して、0.5w/v%アルギン酸ナトリウム溶液の液浴組成物B1を準備した。
600mgのアルギン酸ナトリウムを、200mLの蒸留水に溶解して、0.3w/v%アルギン酸ナトリウム溶液の液浴組成物B2を準備した。
600mgのアルギン酸ナトリウムおよび20gの糖を、200mLの蒸留水に溶解して、0.3w/v%アルギン酸ナトリウムおよび10w/v%スクロースの溶液を含む液浴組成物B3を準備した。
600mgのアルギン酸ナトリウムおよび20gのマルトデキストリンを、200mLの蒸留水に溶解して、0.3w/v%アルギン酸ナトリウムおよび10w/v%マルトデキストリンの溶液を含む液浴組成物B4を準備した。
500mgのアルギン酸ナトリウムを、200mLの蒸留水に溶解して、0.25w/v%アルギン酸ナトリウムの溶液を含む液浴組成物B5を準備した。
1gのアルギン酸ナトリウムおよび4mLの食品着色剤を、200mLに蒸留水に溶解して、0.5w/v%アルギン酸ナトリウムの溶液および2v/v%食品着色剤の溶液の液浴組成物B6を準備した。
250mgのアルギン酸ナトリウムを、200mLの蒸留水に溶解して、0.125w/v%アルギン酸ナトリウムの溶液を含む液浴組成物B7を準備した。
液滴組成物
2gの乳酸カルシウム、2gのキサンタンガム、および30gの糖を、200mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウム、1w/v%キサンタンガム、および15w/v%スクロースを含む液滴成形溶液D1を準備した。
2gの乳酸カルシウム、2gのキサンタンガム、および100mLのMarks&Spencer(登録商標)社製Apple and Mango High Juiceを、100mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウム、1w/v%キサンタンガム、および50v/v%のHigh Juicを含む液滴成形溶液D2を準備した。
2gの乳酸カルシウムおよび1gのキサンタンガムを、150mLの蒸留水に溶解してから、その溶液に、糖含有量が80w/v%の50mL液体ハチミツを溶解させて、1w/v%乳酸カルシウム、0.5w/v%キサンタンガム、および25v/v%ハチミツを含む液滴成形溶液D3を準備した。ハチミツの存在下では固形物を溶解し難いため、ハチミツは、第2のステップで別々に添加した。
2gの乳酸カルシウム、0.4gのキサンタンガム、および10gの糖を、200mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウム、0.2w/v%キサンタンガム、および5w/v%スクロースを含む液滴成形溶液D4を準備した。
2gの乳酸カルシウムおよび10gの糖を、200mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウムおよび5w/v%スクロースを含む液滴成形溶液D5を準備した。
2gの乳酸カルシウム、2gのキサンタンガム、30gの糖、および4mLの食品着色剤を、196mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウム、1w/v%キサンタンガム、15w/v%スクロース、および2v/v%食品着色剤を含む液滴成形溶液D6を準備した。
2gの乳酸カルシウム、2gのキサンタンガム、30gの糖、および20mLのヨーグルトを、180mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウム、1w/v%キサンタンガム、15w/v%スクロース、および10w/v%ヨーグルトを含む液滴成形溶液D7を準備した。
2gの乳酸カルシウム、34gの糖、および4mLの食品着色剤を、196mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウム、17w/v%スクロース、および2v/v%食品着色剤を含む液滴成形溶液D8を準備した。
1gの乳酸カルシウムおよび1gのキサンタンガムを、100mLのリトアニアブラックカラントワインに溶解して、リトアニアブラックカラントワイン中に1w/v%乳酸カルシウムおよび1w/v%キサンタンガムを含む液滴成形溶液D9を準備した。
2gの乳酸カルシウム、1gのキサンタンガム、および10gの糖を、200mLの蒸留水に溶解して、1w/v%乳酸カルシウム、0.5%キサンタンガム、および5w/v%スクロースを含む液滴成形溶液D10を準備した。
液滴溶液は、蒸留水および水道水の両方を使用して生成したが、得られた結果に知覚可能な差異は観察されなかった。
溶液の調製
前記液滴形成溶液の調製では、溶質を混合して溶解させるという行為により、液滴集合体形成の成功を妨げる場合がある気泡が高い体積の割合で導入された。遠心分離または真空脱気により、気泡除去を成功させることができた。遠心分離の場合、パスツールピペットを使用して、溶液を2mLチューブに分注し、チューブを、Sprout(登録商標)ミニ遠心機(Heathrow Scientific(登録商標)LLC社)を使用して、およそ2,000gの相対遠心力で遠心分離にかけた。真空脱気の場合、溶液を、5分間およそ5Paの絶対圧力にかけた。非常に粘性の溶液の場合、または界面活性剤を含有している場合のある溶液、例えばハチミツを含有していた溶液の場合、その後、溶液をすぐ大気圧に戻し、真空脱気法を最大10回繰り返すことが必要だった。
実施例1
液滴成形溶液D1を使用して、立方格子配置にある48個の液滴を含む集合体の生成を試みた。各液滴の直径は、およそ3mmだった。集合体形成が可能だった場合(例えば、液浴貫通が可能だった場合)、完成した集合体を、構築後2分間にわたって溶液中に残して、構造を支持する適切な外部シェル形成を確実にした。スプーンを使用して集合体を液浴から取り出し、過剰な液浴溶液を紙タオルに染み込ませた。格子構造に対応する結晶方向を含む、複数の角度から集合体を撮影するにより、集合体構造を評価した。食用集合体の場合、それらの口当たりも試食により試験した。
液滴成形溶液を、蠕動ポンプ、および液浴の10cm上方に位置決めされているノズルを使用して供給させた。蠕動チューブは、1mmの内径および3mmの外径を有していた。ノズルは、蠕動チューブの端部に嵌合された使い捨ての10μLピペットチップで構成されていた。液浴溶液の深さは、およそ25mmだった。連続液滴の供給間の時間間隔は、およそ4秒だった。液浴に対するノズルの移動は、コンピュータからマイクロプロセッサに中継された命令に従って、デカルト座標平行移動台により制御した。液滴を、連続した層に、最も低い層から最も高い層へと供給した。各層内では、液滴を、左から右へのラスター走査パターンに列をなして供給した。供給デバイスは図6に示されている。
液浴温度は、液浴を電子レンジで所与の温度に加熱し、液浴を定期的に撹拌し、温度計を使用して温度をモニタしつつ徐々に冷却させることにより調整した。結果は、下記の表2および図7に示されている。
表2 液浴組成および温度を変更した場合の集合体特性
こうした結果は、液滴成形溶液D1の液浴表面貫通能力に対する液浴温度の影響を示すものである。溶液中のより高濃度のアルギン酸塩を相殺するためには、温度をより高くして、液浴粘性を低減する必要がある。温度が過度に高いと溶液粘性が更に低下し、そのため液滴は、カプセル一体化速度と比較して速く沈降し過ぎてしまい、液滴は、集合体の目的位置で一体化する代わりに、一体化前に集合体を転がり落ちる傾向がある。
実施例2
液滴成形溶液D3を使用して、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、液浴溶液B2中で集合体の生成を試みた。21℃および27℃の液浴温度で、液滴はほぼ100%の確率で液浴を貫通し、良好な印刷忠実性が得られた。
実施例3
液滴成形溶液D6を使用して、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。
1つの集合体を、最後の液滴が集合体と一体化した直後に液浴から取り出した。集合体を液浴から取り出した際、集合体の外縁部の個々の液滴は、1つ1つが明らかに区別される状態であり、集合体から著しく突出していることが観察された。集合体を摂取すると、封入ゲル膜は柔らかな口当たりを有することが分かった。
別の集合体を、最後の液滴が集合体と一体化したおよそ15分後に液浴から取り出した。この集合体を液浴から取り出した時点では、外側封入ゲルは、最初の集合体の厚さよりも著しく厚くなり、したがって、集合体は、より滑らかな外観を有し、集合体の外縁部の個々の液滴を区別することがより難しいことが分かった。集合体を摂取すると、封入ゲル膜は、しっかりとしたゼラチン質の口当たりを有することが分かった。
実施例4
液滴成形溶液D6を使用して、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。液浴溶液の深さは、集合体の目的構造の高さとほぼ等しかった。しかしながら、集合体の最上層の液滴は、液浴内に完全には浸漬されていなかったため、完全には封入されず、したがって、空気に露出することが分かった。余裕のある深さの液浴溶液中で印刷して、集合体の最上部にある液滴を完全に封入させることを可能にすることが必要であるという結論が得られた。
実施例5
液滴成形溶液D6を使用して、連続液滴の供給間の時間間隔が1秒間だったこと以外は、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。液滴間の時間間隔を短くしたため、各液滴が液浴内を沈降する間、以前に供給した液滴も沈降していた。典型的には、連続した液滴は、隣接する位置で供給されたため、液滴は、典型的には、同時に沈降している別の液滴と緊密に隣接して沈降した。そのような1対の液滴は、沈降中に相互作用し、それらの一方または両方は、意図した位置とは異なる位置に沈殿した。
実施例6
液滴成形溶液D6を使用して、10個の液滴を線形に配置した一次元集合体を生成した以外は、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。室温にて、液滴は、ほぼ100%の確率で液浴を貫通し、良好な印刷忠実性が得られた。
実施例7
液滴成形溶液D6を使用して、19個の液滴を六方最密に配置した二次元集合体を生成した以外は、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。室温にて、液滴は、ほぼ100%の確率で液浴を貫通し、室温で良好な印刷忠実性が得られた。液浴内に構築した集合体は、図8に示されている。
実施例8
液滴成形溶液D6およびD7を使用して、およそ100個の液滴を垂直に積み上げた層に配置した集合体を生成し、各液滴成形溶液に別々のポンプ、ある長さのチューブ、およびノズルを使用した以外は、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。2つのノズルは、互いに対して固定された位置にあり、横方向に8mmだけ離れていた。各層は、六方最密に配置された液滴で構成されていた。この配置は、溶液D7の液滴が、そうでなければ溶液D6の液滴で構成されることになる形状にわたって縞帯を形成し、全体的な集合体はイチゴの形状に類似していた。構築の各連続段階での集合体および最終状態の集合体は、図9(a)〜(d)に示されている。
実施例9
液滴成形溶液D6を使用して、111個の液滴を垂直に積み上げた層に配置した集合体を生成した以外は、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。各層は、六角形の輪郭を有する六方最密配置の液滴で構成されていたため、集合体全体は、正六角柱の輪郭を有していた。この集合体は、図10に示されている。
実施例10
液滴集合体の形成に必要ではない種がバルク媒体に含まれている可能性を示すため、およびアルコール飲料を含む液滴集合体を製作することができるか否かを決定するため、液滴成形溶液D9を使用して、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、28℃にて液浴溶液B2中で集合体の生成を試みた。液滴は、ほぼ100%の確率で液浴を貫通し、印刷忠実性は許容し得るものであった。液滴がリトアニアブラックカラントワインを含み、封入ゲルが食品着色剤を含む集合体が、図11に示されている。
実施例11
液浴溶液中のアルギン酸塩の濃度を変化させて液滴形成を検討するために、液滴成形溶液D8を使用し、室温で液浴B7、B5、およびB1中で個々の液滴を製作した。パスツールピペットを使用して溶液表面のおよそ1cm上方から液滴を投入した。
溶液B7の典型的な結果は、図12に示されており、実験のビデオ撮影のフレームが示されている。最初のフレームは、液滴が最初に溶液と接触した時点を示しており、隣接するフレームは149ミリ秒後のものである。スケールバーは、およそ15mmである。この実験から、液浴B7中で製作された溶液D8の液滴は、強度が弱過ぎて液滴の重量を支持することができないゲル膜により封入されるため、液滴は、著しく偏球状になるという結論が得られた。
溶液B5の典型的な結果は、図13に示されており、実験のビデオ撮影のフレームが示されている。最初のフレームは、液滴が最初に液浴と接触した時点を示しており、隣接するフレームは300ミリ秒後のものである。スケールバーは、およそ15mmである。この実験から、溶液B5中で製作された溶液D8の液滴は、液滴の重量を支持するのに十分な強度を有するゲル膜により封入されるため、液滴は、ほぼ球状を維持するという結論が得られた。しかしながら、封入された液滴は、その尾部端から出現する長い巻きひげ状部を示すことが観察された。
溶液B1の典型的な結果は、図14に示されており、実験のビデオ撮影のフレームが示されている。最初のフレームは、液滴が最初に液浴と接触した時点を示しており、隣接するフレームは1.499秒後のものである。スケールバーは、およそ15mmである。液滴は、液浴の表面から沈降するのに数秒間かかり、液浴溶液B7またはB5中で製作された液滴よりもゆっくりと沈降したことが観察された。この実験からも、液浴溶液B1中で製作された溶液D8の液滴は、液滴の重量を支持するのに十分な強度を有するゲル膜により封入されるという結論が得られた。しかしながら、液滴の形状は、不規則であり、その尾部端から出現する長い巻きひげ状部を示した。
これら3つの実験から、液滴成形溶液D8から製作された封入液滴を自己支持性にするには、0.25w/v%または0.5w/v%等の、0.125w/v%を超えるアルギン酸塩濃度が必要だったという結論が得られた。
実施例12
液浴溶液との衝突時の液滴速度を変化させて液滴形成を検討するために、液滴成形溶液D8を使用し、室温で液浴B1中に個々の液滴を製作した。液浴溶液の表面との衝突時点で異なる速度を有するように、液滴を異なる高さから供給した。
1つの実験では、液浴表面の1cm上方からパスツールピペットを使用して液滴を供給した。この実験の結果は、図14および実施例11に伴う記載に詳述されている。
別の実験では、溶液表面の1cm上方から以前に供給された液滴を既に含有していた液浴の表面の4.5cm上方からパスツールピペットを使用して液滴を供給した。結果は、図15に示されており、実験のビデオ撮影のフレームが示されている。最初のフレームは、液滴が最初に液浴と接触した時点を示しており、隣接するフレームは1.499秒後のものである。スケールバーは、およそ15mmである。液浴溶液の4.5cm上方から供給された液滴は、液浴溶液の1cm上方から供給されたものと、以下の点で異なっていたことが観察された:前者は、より良好に画定された形状を有し、より尖った前部端を有しており、より迅速に液浴内に沈降した。液浴中を沈降した後、液滴は以前の液滴と接触し、2つの液滴は、直立状態を維持する安定した集合体を形成した。第2の液滴は、以前の液滴との接触時には、およそ3.5mm s−1の速さで沈降していた。これにより、原理的には良好に画定された集合体を構築することができ、そうした集合体は、垂直な縁端または突出した縁端を示すことができることが示された。
実施例13
封入した液滴の形状に対するキサンタンガムの影響を決定するために、液滴形成溶液D4およびD5を各々使用して、室温で液浴溶液B5の容器中で個々の液滴を製作した。実施例1と同じ方法で液滴を製作した。液滴溶液D4で形成した各液滴は、液浴の表面との衝突から約13秒後に液浴内に沈降し、封入された液滴は、その尾部端部に短い突起を有していた。液滴溶液D5で形成した各液滴は、溶液の表面との衝突から約5秒後に液浴内に沈降し、封入された液滴は、その尾部端部から延在する、1つの液滴の直径よりも長い巻きひげ状部を含んでいた。この実験から、液滴形成溶液にキサンタンガムを添加することにより、封入された液滴の球状形状または略球状形状の達成が支援されたという結論が得られた。
実施例14
液滴成形溶液D6を使用して、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。液滴集合体を水中で保管することができるか否かを決定するために、構築した集合体を、液浴から取り出した後に蒸留水の密封バイアルに入れた。24時間後に集合体を蒸留水のバイアルから取り出した。集合体は完全な状態を維持した。唯一の明白な変化は、液滴溶液内の食品着色剤が蒸留水のバイアルへと拡散したことだった。したがって、蒸留水は、食品着色剤により薄く着色され、集合体内の液滴の色は、構築直後よりも薄くなった。
実施例15
液滴成形溶液D6を使用して、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B1中で集合体の生成を試みた。液滴集合体を油中で保管することができるか否かを決定するために、構築した集合体を液浴から取り出し、紙タオルを使用して余分なバルク溶液を除去し、集合体を、オリーブ油の密封バイアルに入れた。24時間後、集合体は完全な状態を実質的に維持していたが、集合体の容積のおよそ15%が集合体から流出して、集合体の外縁部に集まって水相を形成した。
実施例16
液滴成形溶液D10を使用して、32個の液滴を、二層六方最密構造に集合させて、ノズルを使用して各液滴を液浴内に浸漬させたこと以外は、実施例1に記載したものと全く同一の方法により、室温にて液浴溶液B5中で集合体の生成を試みた。集合体構築プロセスおよび構築した集合体は、図16に示されている。
図16(a)〜(f)のプロセスは、以下の通りだった。
a.ペンダント液滴を製作して、液浴上方のノズルから懸下する。
b.ペンダント液滴が液浴溶液と接触するようにノズルを降下させる。
c.ペンダント液滴が液浴溶液に完全に浸漬するようにノズルを更に降下させる。
d.ノズルが液浴溶液から取り出されるように、ノズルを上昇させる。
e.ペンダント液滴がノズルから分離するように、ノズルを更に上昇させる。
f.以前のペンダント液滴を、液浴溶液に沈降させる。
図16(g)〜(j)には、構築した二層集合体が示されている。
g.結晶方向の1つに沿って見た集合体。規則的配列の液滴が正確に充填されているため、この二層は、集合体を結晶方向に沿って見ると区別することが難しい。
h.結晶方向ではない方向から見た集合体。
i.異なる結晶方向に沿って水平方向に見た集合体。
j.結晶方向ではない方向から水平方向に見た集合体。
また、ステップ(a)および(b)を、実施例1のように重力下で液滴を分離するのに十分な液滴成形溶液をポンプ送液することにより、液浴の上方にあるノズルから液滴を放出する単一ステップに置き換えた前記手順の変法を試験した。しかしながら、ノズルを溶液内に低下させてから上昇させて液滴を浸漬する最初のサイクルの後、ノズルから出現するその後の各液滴は、ノズルの外側表面を部分的に湿潤させる傾向があった。したがって、最初の液滴後の液滴は全て、重力下で分離する前により多くの溶液をポンプ送液することが必要とされる傾向があった。したがって、液滴サイズは一貫しなかった。この問題は、集合体構築を開始する前に、ノズルを液浴に浸漬することにより、または各液滴を生成する前にノズルの外側表面を洗浄することにより、解決することができる。また、この問題は、ノズルの外側表面に異なる材料、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の、より疎水性の材料を使用することにより回避することができる可能性がある。
本明細書に引用されている全ての文献の開示は、当業者が本発明を実施するために使用することができる程度に、相互参照により本明細書に具体的に組み込まれる。

Claims (34)

  1. 複数の一体化カプセルを含む集合体を調製するための方法であって、
    (i)物体媒体であるかまたは物体媒体内に含まれる物体試薬を含む第1の物体を準備するステップ;
    (ii)バルク試薬を含むバルク媒体と前記第1の物体を接触させ、前記物体媒体と前記バルク媒体との境界での第1のカプセルシェルの形成を可能にし、それにより、前記シェルが、イオン性架橋のように、前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応の生成物を含む第1のカプセルを準備するステップ;
    (iii)物体媒体であるかまたは物体媒体内に含まれる物体試薬を含む第2の物体を準備するステップ;
    (iv)バルク試薬を含むバルク媒体と前記第2の物体を接触させ、前記第2の物体媒体と前記バルク媒体との境界での第2のカプセルシェルの形成を可能にし、それにより、前記シェルが、イオン性架橋のように、前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応の生成物を含む第2のカプセルを準備するステップ;および
    (v)前記第1のカプセルシェルおよび前記第2のカプセルシェルの一体化を可能にし、それにより第1の物体および第2の物体の集合体を形成するステップ;
    を含む方法。
  2. 前記第1の物体媒体および前記第2の物体媒体が、水性媒体である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バルク媒体が、水性媒体である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1のカプセルシェルおよび前記第2のカプセルシェルが、逆球状化プロセスで形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の物体および前記第2の物体が両方とも、前記バルク媒体を保持する単一液浴内に供給される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 各物体試薬が、物体媒体に溶解される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 各物体が、前記バルク媒体内に落下する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記バルク試薬および前記物体試薬の一方がポリマーである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ポリマーがバイオポリマーであるかまたはバイオポリマーを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記バイオポリマーが多糖である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記多糖がアルギン酸塩である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記バルク試薬および前記液滴試薬の余が、前記ポリマーのゲル化用である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 多価金属陽イオンが、前記ポリマーのゲル化用に提供される、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記多価金属陽イオンがカルシウムイオンである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1のカプセルシェルおよび前記第2のカプセルシェルが、前記第1のカプセルシェルまたは前記第2のカプセルシェルの生成中に接触可能である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記第1の物体の形成と前記第2の物体の形成との間の期間が、最大10秒間である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 液浴内の所定の位置への投入を制御することにより各物体が投入される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記物体媒体および/または前記バルク媒体が、食料品を更に含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記物体媒体および/または前記バルク媒体が、前記バルク媒体内への物体の貫通を容易にし、前記バルク媒体内での物体の沈降速度を制御するように構成されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. ステップ(iii)〜(v)が、1回または複数回繰り返される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 形成後に前記集合体を単離するステップを更に含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 第1のカプセルシェルを有し、物体を封入する第1のカプセルと、第2のカプセルシェルを有し、物体を封入する第2のカプセルとを含み、前記第1のカプセルシェルおよび前記第2のカプセルシェルが一体化された集合体。
  23. 前記シェルがゲルである、請求項22に記載の集合体。
  24. 更なるカプセルを含み、各カプセルが、カプセルシェルを有し、物体を封入し、前記カプセルシェルが、別のカプセルの少なくとも1つのカプセルシェルと一体化されている、請求項22または23に記載の集合体。
  25. 前記集合体の各カプセルが、約20μmから約10mmまでの直径を有する、請求項22〜24のいずれか一項に記載の集合体、
  26. 前記集合体がコーティングされている、請求項22〜25のいずれか一項に記載の集合体。
  27. 前記物体が、
    水、果汁、ハチミツ、ヨーグルト、ワイン、蒸留酒、およびビール等のアルコール飲料、茶、コーヒー、ドレッシング、ソース、およびスープの1つまたは複数から選択される食品;
    ビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、アミノ酸、およびポリペプチドの1つまたは複数から選択される栄養補助食品;
    薬物、動物細胞、植物細胞、細菌、および他の生物の1つまたは複数から選択される医薬品またはバイオテクノロジー製品;
    口内洗浄液、練り歯磨き、石鹸、クリーム、および芳香剤の1つまたは複数から選択される化粧品;ならびに
    果物抽出物、種子抽出物、葉抽出物、茎抽出物、または野菜抽出物の1つまたは複数から選択される植物抽出物;
    の1つまたは複数を更に含む、請求項22〜26のいずれか一項に記載の集合体。
  28. 集合体を生成するための方法であって、
    (i)バルク試薬を含むある容積のバルク媒体を投入して液浴を形成するステップ;
    (ii)各々が物体試薬を含む1つまたは複数の物体を前記液浴内にまたは前記液浴上に投入し、各物体の表面の部分を、投入後に前記液浴の表面上方に露出したままにするステップ;
    (iii)各物体と前記バルク媒体との界面で反応を生じさせて、前記バルク媒体と接触している各物体の部分の周囲に部分的なカプセルシェルを形成するステップ;
    (iv)追加のバルク媒体を投入して、各物体の表面の部分が前記液浴の表面上方に露出したままになるように、前記液浴の深さを、各物体の上部表面よりも低い液位まで増加させるステップ;
    (v)各物体と前記バルク媒体との界面で反応を生じさせて、前記バルク媒体と接触している各物体の部分の周囲に部分的なカプセルシェルを形成するステップ;
    (vi)ステップ(ii)〜(v)を、所定の回数繰り返して、集合体を形成するステップ;および
    (vii)前記集合体をバルク媒体で完全に覆って、液滴媒体の1つまたは複数の非中断領域を含む、封入された物体の集合体を形成するステップ;
    を含む方法。
  29. 複数の一体化カプセルを含む集合体を生成するための方法であって、
    (i)バルク試薬を含むバルク媒体の液浴を準備するステップ;
    (ii)前記液浴を持続的に撹拌するステップ;
    (iii)各物体が物体媒体を含み、前記物体または前記物体媒体が物体試薬を含み、複数の前記物体を前記液浴内に投入するステップ;
    (iv)前記物体試薬および前記バルク試薬が関与する反応を、各物体と前記バルク媒体との界面で生じさせて、各物体の周囲にカプセルシェルを形成するステップ;
    (v)前記複数の物体を、前記液浴の中心に向かって移動させ、前記液浴の中心で凝集体を形成させるステップ;および
    (vi)前記凝集体の隣接する物体のカプセルシェルを一体化させ、それにより物体の集合体を形成するステップ;
    を含む方法。
  30. 供給要素による物体の放出が、
    (a)第1の位置にて、第1の物体を前記供給要素から放出するステップ;
    (b)前記供給要素を第2の位置に向けて移動させると同時に、第2の物体を形成することになる物体媒体をポンプ送液するステップ;
    (c)自由選択で、時間遅延を提供して、前記第1の物体の沈殿を可能にするステップ;および
    (d)前記第2の位置にて前記第2の物体を放出するステップ;
    に従って実施される、請求項1〜21、28、または29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 集合体をバルク媒体から単離するプロセスを含む方法であって、
    前記液浴の少なくとも一部にわたって延在する有孔プラットフォームを含む液浴を準備すること;
    前記液浴に、前記有孔プラットフォームを覆う液位までバルク媒体を添加すること;
    前記有孔プラットフォーム上に、この文書に記載のように集合体を構築すること;および
    前記有孔プラットフォームを前記バルク媒体から上昇させ、それにより前記集合体を前記バルク媒体から単離すること;
    を含む、請求項1〜21または請求項29〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記集合体を前記バルク媒体から単離するプロセスを含む方法であって、
    第1の区画および第2の区画を含む液浴を準備すること;
    第1の区画にバルク媒体を添加すること;
    前記第1の区画内に、この文書に記載のように集合体を構築すること;および
    前記バルク媒体の少なくとも部分を前記第1の区画から前記第2の区画内に移動させ、それにより前記集合体を前記バルク媒体から単離すること;
    を含む、請求項1〜21または請求項29〜30のいずれか一項に記載の方法。
  33. バルク媒体の加熱をもたらすように構成されている、前記バルク媒体を含有するための装置であって、
    底部および側壁を画定し、前記側壁の内側表面が、前記底部に対して90°を超える角度を有するように鈍角に配置されている熱伝導性容器;
    前記側壁の外部表面と接触している発熱体;および
    前記容器内に配置されるように構成されており、前記熱伝導性容器の前記内側表面と幾何学的に一致する外側表面を含む液浴を備える装置。
  34. 前記発熱体が抵抗ワイヤである、請求項33に記載の装置。
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