JP2018510761A - 熱硬化性コーティングを有する物品及びコーティング方法 - Google Patents

熱硬化性コーティングを有する物品及びコーティング方法 Download PDF

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Abstract

2物品システムにおける感受性の高い物品の腐食を防止するための方法であって、2物品システムの第1の物品及び第2の物品は、互いに面する表面を有しており、2つの物品は異なる陽極指数を有する。この方法は、第1の物品の表面にコーティング材を塗布するステップと、第1の物品の表面上のコーティング材を硬化させるステップとを含む。この方法は更に、第1の物品の表面を第2の物品の表面に接触させて固定するステップを含む。2つの物品は、標準規格GMW17026下での15年シミュレーション試験における腐食環境への曝露後、実質的に腐食を呈さない。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年2月3日に出願の米国特許仮出願第62/111,495号明細書、及び2015年11月18日に出願の米国特許仮出願第62/257,015号明細書の利益及び優先権を主張する。これらの開示の全体は、本明細書に組み込まれる。
本開示のある態様は、コーティングされた構成要素若しくは特徴部を有する物品及び/又はアセンブリ、並びに、このような物品をコーティングするためのプロセスに関する。特に、本開示のある態様は、電解質の存在下で物品が異種金属若しくはその他の材料と接触しているときにガルバニック腐食の発生を防止することができる1種以上の熱硬化性コーティング及び/又は無機コーティングで少なくとも部分的に被覆された金属物品、このような物品を有するアセンブリ、並びに、このような物品を製造するためのプロセスに関する。
多くの異なる種類の腐食がある。一般に、腐食は、材料、例えば金属における、より安定した形態への転換である。しかしながら、2つの主要な腐食の種類、すなわち、全面又は均一侵食腐食(general or uniform attack corrosion)と、ガルバニック腐食(galvanic corrosion)とがある。全面又は均一侵食腐食は、例えば、鉄が濡れた又は湿った環境にあり、プロセスにおいて、腐食し、酸化鉄を形成する場合に生じ得る。
一方、ガルバニック腐食は、異なる陽極指数(anodic indices)若しくは電極電位を有する2つの材料が電解質の存在下で互いに接触している又は互いに近接している場合に生じる。電極電位差は、材料間に電子の流れを生じさせる。このようなシステムでは、材料のうち1つがより活性であり(より貴でない)、陽極として機能し、もう一方の材料は活性がより低く(又はより貴である)、陰極として機能する。陽極は加速的な速度で腐食し、陰極はより遅い速度で腐食する。
ガルバニック腐食が起こり得るシステムの一例は、塩水噴霧環境などの非蒸留水の存在下で、マグネシウムパネルを物体に固定する鋼ボルトである。鋼に比してより貴でないマグネシウムは加速的な速度で腐食し、鋼はより遅い速度で腐食する。この問題は、ガルバニック腐食が、例えば、鋼ボルトを用いて炭素繊維パネルなどの非金属パネルを固定する場合に生じ得るという点で、異種金属に限定されない。このシステムでは、炭素繊維に比してより貴でない鋼が加速的な速度で腐食し、炭素繊維パネルはより遅い速度で腐食する。また、異なる陽極指数を有する2つの材料が互いに接触している又は近接している場合、ガルバニック腐食の可能性は、加速的な腐食を示すより貴でない材料に存在する。
例えば、塩水噴霧等のような非蒸留水の存在によって電解質が存在すると腐食が生じる恐れがあり、陽極として機能する材料が何であってもその相対的な電極電位によって構造的完全性が弱化するおそれがあり、及び/又は、望ましくない審美的外観を生じるおそれがある。ガルバニック腐食は、とりわけ自動車及び航空宇宙分野において問題となっている。
例えば、自動車業界では、車両の重量を低減することへの強い欲求がある。このような軽量化は、燃料効率を上昇しようと努めることによって推進されている。したがって、ボディ及び駆動系部品には、アルミニウム、マグネシウム及び炭素繊維などの軽量材料が使用されている。しかしながら、多くの場合、軽量部品の使用をボルト等のような締結具に引き継ぐことはできない。したがって、使用されるボルトは、通常、鋼などの鉄合金材料である。これら軽量素材を締結具に用いるのをためらう理由は、それらの高いコスト及び鋼締結具が受け入れられていること、それらの強度及び全体的な機械的特性である。
ガルバニック腐食を防止するために、類似の電極電位(陽極指数)を有する類似の材料又は異なる材料を使用することもできる。しかしながら、このことは、所望の用途に利用できる材料の組み合わせの種類を限定する。
別の場合では、異種材料間にバリアを施すこともできる。例えば、ナイロン又は高分子シールなどの高分子材料でコーティングしたボルトを、ボルトの頭部とパネルとの間に配置することができる。しかしながら、ナイロンコーティング又はシールはガルバニック腐食を阻止しない場合があり、システムの全般的な機械的要件を満たさない場合がある。例えば、コーティングが厚すぎて、ボルトと雌部材(例えば、ナット)との係合を妨げる場合があり、又はボルトを回す際の摩擦係数が増加する場合があり、又はコーティング若しくはシールの弾力性により、温度変化、例えば、システムの加熱及び冷却に曝された場合に張力損失がもたらされる可能性がある。加えて、そのような高分子コーティング又はシールは、異種材料間の電子移動を防止するのに必要なバリアを提供しない場合がある。更に、弾性の高分子材料は、温度変動、振動及びシステムが曝される可能性があるその他の力によって構造的完全性を維持しない可能性がある。
したがって、電解質の存在下で互いに接触している又は近接している異種材料を有するシステムのガルバニック腐食を防止するための方法が必要とされている。望ましくは、このような方法は、システムの加熱及び冷却サイクルに耐えると共に、ガルバニック腐食からの材料の保護を維持する材料を使用する。更により望ましくは、このような方法は、システムの機械的特性及び要件を維持する材料を使用する。更により望ましくは、このような方法は、製造環境においてコスト効果的な手法で実施することができる。
種々の有害な環境条件下でガルバニック腐食への抵抗を示すと共に、システムの必要な機械的特性、条件、特徴及び仕様を維持する複数部品物品システムも必要とされている。
1つの代表的態様によれば、少なくとも第1表面を含む金属物品などの、第1材料で作られた物品が開示されており、第1表面は少なくとも部分的に、熱硬化性コーティングにより被覆されている。いくつかの例では、物品は熱硬化性コーティングにより完全に被覆されている。種々の例では、熱硬化性コーティングは急速硬化熱硬化性コーティングである。ある実施形態では、急速硬化熱硬化性コーティング材は、コーティング材が金属物品に接触し、誘導加熱器に曝されると、約1分以下で硬化する。他の例では、コーティング材は約30秒以下で硬化する。いくつかの実施形態では、コーティングは、華氏約350度〜475度の温度に曝されると、上記時間のいずれか(又はその他)で硬化する。いくつかの例では、熱硬化性コーティングは架橋エポキシコーティングであり、融着エポキシコーティングであってもよい。
いくつかの実施形態では、熱硬化性コーティングは、後に硬化されて熱硬化性コーティングを形成する、エポキシ粉末などの粉末から作製される。種々の例では、コーティングは、エポキシ樹脂を含む粉末と、1種以上の硬化剤又はハードナーとから作製される。硬化剤又はハードナーは、1種以上のアミン類、無水物類、酸類、フェノール類及び/若しくはアルコール類からなってもよく、又はこれらを含んでもよい。いくつかの例では、熱硬化性コーティングは、3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413、3M(登録商標)Scotchkote 426 FAST及び/又はAxalta Alesta 74550などの融着エポキシコーティングから作製される。いくつかの例では、コーティング材は、物品に粉末として塗布された後、華氏約400〜450度の温度、他の例では華氏約420〜430度、更に他の例では華氏約425度に曝されると約30秒以下で硬化する。
各種実施形態では、物品は、物品の少なくとも一部分と接触している潤滑剤コーティングを更に含む。いくつかの例では、潤滑剤コーティングは、熱硬化性コーティングの少なくとも一部分を被覆しているか、又は熱硬化性コーティングの少なくとも一部分と接触している。その一方で、他の例では、潤滑剤コーティングは、物品全体及び/又は熱硬化性コーティングの表面全体を被覆している。いくつかの実施形態では、潤滑剤コーティングは、1種以上のワックス、例えば、ポリエチレンワックス、二硫化モリブデン又は1種以上のフルオロポリマーからなる又はこれを含む。
いくつかの例では、熱硬化性コーティングは実質的に均一な厚さを有する。各種実施形態では、コーティング厚(物品の幾何学的配置及び/又は形状を問わず)は、全体的な平均コーティング厚から、わずか約0.002インチ以下、他の実施形態では約0.001インチ以下、更に他の実施形態では約0.0005インチ以下、逸脱している。ある実施形態では、熱硬化性コーティング厚は約0.005インチ以下である。その一方で、他の実施形態では、熱硬化性コーティング厚は約0.0035インチ以下、又は約0.0025インチ以下、又は約0.0015インチ以下、又は約0.0010以下、又は約0.0005インチ以下である。各種実施形態では、厚さは約0.0005〜0.005インチ、約0.0015〜0.0035インチ及び約0.0025インチである。
いくつかの例では、物品は、セラミックコーティングが挙げられるがこれに限定されない無機コーティングを含む。いくつかの例では、物品は電気めっきされるか、及び/又はプラズマ処理される。例えば、物品は、Keronite(登録商標)コーティングを含んでもよい。これらの例はまた、無機、例えばセラミックコーティングの上に、本明細書に記載される熱硬化性コーティングの1種以上及び/又は1種以上の潤滑剤コーティングを含んでもよい(すなわち、物品→セラミックコーティング→熱硬化性コーティング→潤滑剤→)。
いくつかの例では、熱硬化性コーティングが施された物品は、コーティングに悪影響を及ぼすことなく長期間高温に曝されてもよいように耐熱性を有する。例えば、ある実施形態では、コーティングされた物品は、軟化、融解、流動、滴下、炭化等などの悪影響をコーティングに及ぼすことなく、華氏約350度に約30分間耐えることができる。
いくつかの実施形態では、物品は、締結具、例えば、締結具、ボルト、クリップ又はシャンクである。物品は、任意の金属若しくは金属合金からなってもよく、又は任意の金属若しくは金属合金を含む。ある実施形態では、物品は、鉄、又は鋼などの鉄合金である。セラミックコーティングも含む物品などの他のものにおいては、物品は、マグネシウム、アルミニウム、チタン、又はこれらの合金類である。
いくつかの例では、熱硬化性コーティングは第1の熱硬化性コーティングを含み、第2の熱硬化性コーティングは、物品における、第1の熱硬化性コーティング、第1の熱硬化性コーティングの一部分、又は第1の熱硬化性コーティングによりすでに被覆されている一部分若しくは全部分を含む物品の表面全体上に塗布されている。種々の例では、第1の熱硬化性コーティングは急速硬化熱硬化性コーティングであり、第2の熱硬化性コーティングは急速硬化熱硬化性コーティングではない。例えば、いくつかの実施形態では、第1の熱硬化性コーティングは、金属物品と接触している間に誘導加熱器に曝されると、約1分以下で硬化する。その一方で、第2の熱硬化性コーティングは、第1の熱硬化性コーティングの硬化に使用したものと同等の温度範囲において、例えば、10分以上又は15分以上のより長い硬化時間を必要とする。
いくつかの例では、第2の熱硬化性コーティングは、1種以上のエポキシ、ポリエステル又はポリウレタンを含む。他の例では、第2のコーティングはエポキシ/ポリエステル混合物を含む。一例では、第2の熱硬化性コーティングは、Valspar(登録商標)TGICポリエステル(PRA60001など)から作製される。種々の例では、第2の熱硬化性コーティングは、例えば、完全硬化を得るために要する時間よりも短い時間熱に曝されると、一部のみが架橋される。第2の熱硬化性コーティングを含むこれらの例は更に、潤滑剤コーティングを含んでもよく、例えば、この場合、潤滑剤コーティングは第2の熱硬化性コーティングの頂部表面の少なくとも一部分を被覆する。(すなわち、物品→第1の熱硬化性コーティング→第2の熱硬化性コーティング→潤滑剤)
別の態様によれば、アセンブリが開示されている。アセンブリは、第1の物品と、第1の物品に固定される又は接続されるように構成された第2の物品とを含み、この2つの物品は、物品が電解質の存在下にあるときにガルバニック腐食が起こり得るような異なる電極電位を有する。第1の物品は、本開示の上又は別の場所に記載したコーティングのいずれかなどの1種以上の熱硬化性コーティングで部分的に又は全体的にコーティングされてもよく、及び任意選択的に、熱硬化性コーティングの頂部表面上を潤滑剤コーティングで部分的に又は全体的にコーティングしてもよい。ある例では、第2の物品は、第3の物品を含むか、第3の物品に接続されているか、又は第3の物品に接続されるように構成されている。各種実施形態では、第2の物品はまた、1種以上の熱硬化性コーティングで部分的に又は全体的に被覆されており、任意選択的に、熱硬化性コーティングの頂部表面上を潤滑剤コーティングで部分的に又は全体的にコーティングしてもよい。ある例では、第2の物品は更に、熱可塑性コーティングなどの非熱硬化性コーティングを含んでもよい。
別の態様によれば、プロセスが開示される。いくつかの例では、プロセスは、物品に粉末コーティングを塗布するステップを含む(例えば、任意選択的に、粉末コーティング及び/又は物品に対して、粉末コーティング及び/又は物品の表面上に摩擦電荷などの電荷を生成するプロセスを実施した後、物品上に粉末コーティングを噴霧することによって)。プロセスは更に、誘導加熱器などの熱源に粉末物品を搬送するステップを含んでもよい。ある例では、金属物品は室温又は周囲温度にあり、粉末は、任意選択的に、粉末コーティング及び/又は物品に対して、粉末コーティング及び/又は物品の表面上に摩擦電荷などの電荷を生成するプロセスを実施した後、金属物品に塗布され、その後、粉末が架橋熱硬化性コーティングへと硬化するように、物品及び粉末は、例えば、誘導加熱器に曝されることにより加熱される。当該プロセスは、コーティングされた物品を潤滑ステーションに搬送するステップを更に含んでもよく、潤滑ステーションでは、例えば、噴霧によって、1種以上の潤滑剤(例えば、ポリエチレンワックスエマルション)が物品に塗布される。
当該プロセスは更に、潤滑剤が施された物品を、例えば、誘導加熱の再度の適用により乾燥するステップを含んでもよい。いくつかの例では、潤滑の前に別の熱硬化性コーティング材を塗布し、物品上で少なくとも部分的に硬化する。ある例では、当該プロセスは、物品上にセラミックコーティングを形成するステップと、次いで、1種以上の熱硬化性コーティングを塗布するステップ(例えば、急速硬化熱硬化性コーティングの次に非急速硬化熱硬化性コーティング)と、次いで、任意選択的に、1種以上の潤滑剤コーティングを塗布するステップとを含んでもよい。
2物品システムにおける感受性の高い物品のガルバニック腐食などの腐食を阻止する及び/又は防止するための方法も開示されている。2物品システムの第1の物品及び第2の物品は、互いに面する表面を有しており、2つの物品は異なる陽極指数を有する材料を含む。当該方法は、第1の物品の表面にコーティング材を塗布するステップと、第1の物品の表面上のコーティング材を硬化させるステップと、標準規格General Motors Worldwide Engineering Standards試験手順GMW17026である「ガルバニック腐食機構の加速腐食実験室試験(Accelerated Corrosion Laboratory Test for Galvanic Corrosion Mechanisms)」下での15年曝露シミュレーション試験における腐食環境への曝露後、2つの物品が実質的にガルバニック腐食を呈さないように、第1の物品の表面を第2の物品の表面に接触させて固定するステップとを含む。この方法の一実施形態では、硬化させたコーティング材が少なくとも、マグネシウム試験片に取り付けられた鋼ボルトの頭部上に存在する場合、マグネシウム試験片は、標準規格GMW17026下での15年シミュレーション試験における腐食環境への曝露後、マグネシウム試験片腐食(magnesium coupon corrosion)上に取り付けられたコーティングされていない鋼ボルトと比較して、約20%、10%、5%、3%、又は1%未満の孔食を示す。
ガルバニック腐食などの腐食を阻止する及び/又は防止するための方法の一実施形態では、コーティング材は熱硬化性材料である。熱硬化性材料は、硬化中に架橋結合して架橋エポキシコーティングを形成するエポキシ材料であり得る。このようなエポキシ材料の1つは、融着エポキシ材料である。エポキシ材料は、より多くのアミン類、無水物類、酸類、フェノール類、アルコール類及びチオール類の1種以上などの硬化剤又はハードナーを更に含み得る。エポキシ材料は、充填剤及び色素の1種以上を更に含み得る。一方法では、エポキシ材料は華氏約400〜450度の温度に曝されると約30秒以下で硬化し、架橋エポキシコーティングを形成する。
当該方法は、コーティング材を粉末として塗布するステップを含むことができる。粉末は、例えば、粉末及び/又は物品に電荷が印加された後、物品上に噴霧され得る。
一方法では、第1のコーティング材は完全に硬化されて第1の硬化層を形成し、第2のコーティング材が第1の硬化層上に塗布されるように、コーティング材は、第1のコーティング材及び第2のコーティング材を含む。第2のコーティング材は熱硬化性材料であり得る。第1のコーティング材は速硬性材料であり得る。第2のコーティング材は、第1のコーティング材よりも遅い速度で硬化することができる。
一方法では、硬化は熱硬化である。熱硬化は誘導加熱硬化であり得るとともに、熱硬化性材料を物品の表面の少なくとも一部分に塗布した後、物品を磁場に曝すことを含み得る。
この方法の一実施形態では、第2のコーティング材は潤滑剤である。潤滑剤は、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス及び固体潤滑剤の1種以上であり得る。固体潤滑剤は、二硫化モリブデン及びフルオロポリマーの1種以上であり得る。
この方法の一実施形態では、コーティング材は、硬化したとき、約0.005インチ以下の実質的に均一な厚さを有する。その一方で、他の実施形態では、コーティング材は、約0.0035インチ以下、又は約0.0025インチ以下、又は約0.0015インチ以下、又は約.0010以下、又は約0.0005インチ以下である。各種実施形態では、厚さは、約0.0005〜0.005インチ、約0.0015〜0.0035インチ及び約0.0025インチである。厚さは、約0.0015インチであり得る。
この方法では、第1の物品と第2の物品は、異種金属で作製することができる。例えば、第1の物品は、鉄又は鉄合金で作製することができ、第2の物品は、マグネシウム若しくはマグネシウム合金、アルミニウム若しくはアルミニウム合金、又はチタン若しくはチタン合金で作製することができる。第1の物品と第2の物品の一方は、非金属(例えば、黒鉛などの炭素系材料、例えば、炭素繊維材料)で作製することができる。第1の物品と第2の物品は、異なる陽極指数、例えば、少なくとも、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5以上異なる陽極指数を有する材料で作製することができる。
第1の物品は、第2の物品よりも低い陽極指数を有することができる。第1の物品は鉄又は鉄合金を含んでもよく、第2の物品はマグネシウム又はマグネシウム合金を含んでもよい。その代わりに、第2の物品は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含んでもよい。
第1の物品は、ボルト又はネジなどの雄型部品締結具であり得る。このような方法では、ボルトは、800時間にわたり少なくとも約125℃の温度で加熱したとき、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%以下の張力損失、及び約−40℃〜80℃(約−40°F〜176°F)の温度の熱サイクルに13サイクル曝し、各温度に3時間維持したとき、約25%、20%、15%、10%、5%以下の張力損失を示し得る。
互いに面する表面を有する、第1の物品と第2の物品とを有する2物品システムも開示される。2つの物品は、異なる陽極指数を有し、更に、第1の物品の表面は、第1の物品の表面上でコーティング材を硬化することによって形成されたコーティング層を含み、第1の物品の表面は、第2の物品の表面と接触して固定されている。2つの物品は、標準規格GMW17026下で15年曝露シミュレーション試験における腐食環境への曝露後、実質的にガルバニック腐食を呈さない。システムの一実施形態では、硬化させたコーティング材が少なくとも、マグネシウム試験片に取り付けられた鋼ボルトの頭部上に存在する場合、試験手順GMW17026下での15年シミュレーション試験後、マグネシウム試験片は、マグネシウム試験片上に取り付けられた無コーティングの鋼ボルトと比較して約20%、10%、5%、3%、又は1%未満の孔食を示す。
一実施形態では、コーティング材は熱硬化性材料である。熱硬化性材料は、融着エポキシ材料などの架橋エポキシコーティングであり得る。一実施形態では、エポキシ材料は硬化剤又はハードナーを含む。硬化剤又はハードナーは、より多くのアミン類、無水物類、酸類、フェノール類、アルコール類及びチオール類の1種以上を含むことができる。一実施形態では、エポキシ材料は、充填剤及び色素の1種以上を含む。エポキシ材料は、華氏約400〜450度の温度に曝されると約30秒以下で硬化し、架橋エポキシコーティングを形成することができる。
一実施形態では、第1のコーティング材は完全に硬化されて第1の硬化層を形成し、第2のコーティング材は第1の硬化層の外部表面の少なくとも一部分上に塗布されてコーティング材を形成するように、コーティング材は第1のコーティング材及び第2のコーティング材を含む。
第2のコーティング材は第1のコーティング材よりも遅い速度で硬化し、第2のコーティング材は熱硬化性材料であり得、第1のコーティング材は速硬性材料であり得る。一実施形態では、第2のコーティング材は潤滑剤である。潤滑剤は、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス及び固体潤滑剤の1種以上であり得る。固体潤滑剤は、二硫化モリブデン及びフルオロポリマーの1種以上であり得る。
一実施形態では、コーティング材は、硬化したときに、約0.0001〜0.005インチの実質的に均一な厚さを有する。熱硬化性コーティングの厚さは、約0.005インチ以下、約0.0035インチ以下、約0.0025インチ以下、約0.0015インチ以下、約.0010以下、又は約0.0005インチ以下であり得る。各種実施形態では、厚さは、約0.0005〜0.005インチ、約0.0015〜0.0035インチ、及び約0.0025インチである。
一システムでは、第1の物品と第2の物品は異種金属である。第1の物品と第2の物品の一方は、非金属であり得る。第1の物品は、鋼ボルトであり得るとともに、第2の物品は、より低い陽極指数を有する金属から形成されている。試験手順GMW17026下での15年曝露シミュレーション試験後、コーティングされていない鋼ボルトを備える試験片がピンホール孔(又は貫通孔)を示す場合、マグネシウム試験片に取り付けられたときに、マグネシウム試験片が、マグネシウム試験片上のコーティングされていない鋼ボルトと比較して、約20%、10%、5%、3%、又は1%未満の孔食を示すように、第2の物品はマグネシウムから形成することができ、硬化させたコーティング材は少なくとも鋼ボルトの頭部上に存在し得る。
一実施形態では、第1の物品は第2の物品よりも高い陽極指数を有する。第1の物品は、鉄又は鉄合金を含むことができる。第2の物品は、マグネシウム若しくはマグネシウム合金、又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金を含むことができる。
一システムでは、第1の物品は雄型部品締結具である。雄型部品締結具は、ボルト又はネジであり得る。このようなシステムでは、ネジは、少なくとも約800時間にわたり少なくとも約125℃の温度で加熱したとき、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、又は10%以下の張力損失を示し、約−40℃〜80℃(約−40°F〜176°F)の温度の熱サイクルに13サイクル曝し、各温度に3時間維持したとき、約25%、20%、15%、10%、5%以下の張力損失を示す。
一実施形態では、第1の物品は鋼ボルトであり、コーティング層は少なくとも、鋼ボルトの頭部上と、鋼ボルトの頭部の下側とに存在する。任意選択的に、ボルトがフランジを含む場合、コーティングはフランジの少なくとも一部分上に存在してもよい。任意選択的に、コーティングは、ボルトシャンク上のボルトのネジ山の少なくとも一部分上に存在してもよい。
他の、本開示の物体、機能及び利点は、同一番号が同一部品、要素、構成要素、ステップ及びプロセスを意味する、添付の数枚の図面と併せて解釈される以下の説明により明らかとなるであろう。
ここで、本開示の代表的実施形態を、単に例として、及び添付図面を参照して記載する。
締結具の一例の概略図である。締結具はその上に熱硬化性コーティングを有している。説明を容易にするために、一部分解図において締結具はパネルと下部構造とを有して示されている。 本開示の2つの例示的物品を示している。1つはいかなるコーティングも有さず、1つはその一部分に塗布された熱硬化性コーティングを有する。 熱硬化性コーティングを塗布した後の本開示の例示的物品の断面図を示す。 厚さに関して本熱硬化性コーティングの厚さほど均一でない異なる熱硬化性コーティングでコーティングした例示的物品の図を示す。 本開示のプロセスのある実施形態を実施するための例示的製造設備を示す。 本開示のアセンブリの例示的な構成要素、又は例示的アセンブリの組み立て後の構成要素の図を示す。6A及び6Bは、6Cに図示されるようにコーティングされた物品に固定されるように構成された、非熱硬化性コーティングが施された物品の図を提供する。 試験用アセンブリの写真である。2つのサンプル鋼ボルトが炭素繊維サンプルパネルに取り付けられており、図の下のボルトは、事前設定(preset)開示の実施形態による熱硬化性コーティングを有し、図の上のボルトは、このようなコーティングを有しない。 種々の一般に使用される材料の相対的な陽極指数を示す表である。表中、最も貴でない材料は表の上部に示され、より貴な材料は表の下部に示される。 図9A−Gは、標準規格GMW17026下での腐食環境における、マグネシウム試験片内の疲労してしていないコーティングされていないボルト(右側)及び疲労していない熱硬化性コーティングされたボルト(左側)の1、2、3、4、5、及び8〜9年曝露シミュレーションにおいてシミュレーションした腐食試験の結果を視覚的に示す写真である。図9Aは、測定前のボルト及び試験片を示す。 1年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 2年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 3年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 4年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 5年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 8〜9年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 標準規格GMW17026下での腐食環境における15年曝露シミュレーション試験後の、試験片に取り付けられた、疲労していないコーティングされていないボルト(右側)と、疲労していない熱硬化性コーティングされたボルト(左側)とを有するマグネシウム試験片の写真である。 図11A−Lは、標準規格GMW17026下での腐食環境における、試験片に取り付けられた、疲労していないコーティングされていないボルト(左側)及び疲労していない熱硬化性コーティングされたボルト(右側)を有する炭素繊維試験片の1、2、3、4、5、10、11、12、13、14、及び15年曝露をシミュレーションした腐食試験の結果を視覚的に示す写真である。図11Aは、測定前のボルト及び試験片を示する。 1年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 2年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 3年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 4年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 5年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 10年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 11年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 12年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 13年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 14年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 15年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 図12A−Lは、標準規格GMW17026下での腐食環境における、試験片に取り付けられた、疲労したコーティングされていないボルト(右側)及び疲労した熱硬化性コーティングされたボルト(左側)を有する炭素繊維試験片の1、2、3、4、5、10、11、12、13、14、及び15年曝露をシミュレーションした腐食試験の結果を視覚的に示す写真である。図12Aは、測定前のボルト及び試験片を示す。 1年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 2年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 3年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 4年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 5年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 10年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 11年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 12年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 13年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 14年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。 15年曝露シミュレーションにおけるボルト及び試験片を示す。
本開示は種々の形態の実施形態が可能であるが、本開示は単に例示とみなされ、記載される又は図示される任意の特定の実施形態に本開示を限定するものではないとの理解を前提として、1つ以上の実施形態を図中に示すとともに、以下に記載する。
本開示において、物品、コーティング、アセンブリ及びその構成要素、又はこのいずれかを製造するためのプロセスの各種例の以下の説明では、本明細書の一部を成すとともに、実例として、種々の例示的構造及び本開示の態様を実施してもよい環境を示す添付図面について述べる。本開示では、以下及び本出願の全体を通して記載するように、いくつかの定義を使用する。
本開示の範囲を逸脱することなく、他の構造及び環境を用いてもよく、具体的に記載した構造及び方法の構造的及び機能的修正を施してもよいことを理解すべきである。更に、本開示の図は、1つ以上の実施形態による縮尺及び/又は寸法を示す場合があり、したがって、このような寸法縮尺の教示に寄与する。しかしながら、当業者であれば、本明細書の開示は図に示される縮尺、寸法、比率及び/又は方向に限定されないことを即座に理解するであろう。
本明細書に記載される実施形態、装置及び方法は、とりわけ、図8の表に示される材料のいずれかのような、少なくとも2つの、異種材料でできた物品が互いに接触又は近接しており、物品のうち少なくとも1つが、ガルバニック腐食の発生を防止することができる材料で少なくとも部分的にコーティングされているシステムを提供する。このようなシステムは、電解質の存在下で、例えば、互いに接触した2つの異種金属を有するアセンブリ、又は炭素繊維材料等などの非金属と接触している金属であり得る。このようなシステムのガルバニック腐食を防止するための方法も開示する。非限定的な例では、鋼ボルトなどの鋼構成要素は、ガルバニック腐食の発生を防止することができる材料で部分的に又は全体的にコーティングされており、このボルトは、システムの機械的特性、要件、条件及び仕様に悪影響を及ぼすことなく、クロム物品、マグネシウム物品、アルミニウム物品、ステンレス鋼物品、又は炭素繊維物品(パン、パネル又はアップリケなど)を構造体(ケーシング又は下部構造など)に固定するために使用される。本発明の方法及びシステムは、例えば、マグネシウムオイルパンなどの下部構成要素を、鋼ボルトを用いてケーシングに固定するときに下部構成要素を保護するとともに、鋼ボルトを使用して炭素繊維パネルを下部構造に固定するときに鋼ボルトを保護することは理解されよう。図8に見られるように、鋼は陽極指数のほぼ中間点にあり、マグネシウム及び炭素繊維は陽極指数範囲の最も反対端にあることに留意されたい。
本開示又は本開示のある実施形態のこれら及び他の態様、特徴並びに利点は、以下の代表的実施形態の説明から当業者には更に理解されよう。利点の中でもとりわけ本開示のコーティングされた物品は、大量製造プロセスにより非常に素早く製造することができ、高強度/耐久性/耐引掻性を有し、高温に長期間耐えることができる。加えて、コーティングされた物品は、モータ油、燃料(ディーゼル、ガソリン、バイオ系及び混成燃料、例えば、エタノール系燃料)、パワーステアリング液、風防ガラスウォッシャ液等などの自動車用途に見られる化学物質に対し良好な耐性を示す。
1つの代表的態様によれば、少なくとも第1表面を含む金属物品が開示されており、第1表面は少なくとも部分的に、熱硬化性コーティングにより被覆されている。
図1は、1つのこのような例を示している。図1では、コーティングされたボルト1を使用して、変速機オイルパンなどのパネルPを変速機ケーシングCに固定している。図1では、ボルト1の頭部2、ボルト1のフランジ3、及びシャンク5の一部分4に、熱硬化性コーティング6が塗布されている。ボルト1は鋼から形成することができ、パネル又はパンPはマグネシウムから形成することができ、下部構造又はケーシングCはアルミニウムから形成することができる。マグネシウムパンPはボルト1の鋼に比べて著しくより陽極であるため、ガルバニック腐食しやすいことは理解されよう。示される例では、コーティング6は、頭部2及びフランジ3上、並びにボルト1のシャンク5上のネジ山に沿って部分的4に存在し、したがって、ボルト1とパンPとの間に、ガルバニック腐食を防止する及び/又は阻止するためのバリアを提供する。コーティングの範囲は、用途に応じてより多く又はより少なくすることができることは理解されよう。
図2は、コーティングされた物品及びコーティングされていない物品における、他の例示的実施例を提供している。図2では、コーティングされていない物品10(この例では、異なる形態のボルト)は、ネジ山部分14と、第2の物品を受け入れるように構成された固定アセンブリ12とを有する。固定アセンブリは、第1の摩耗表面16と、第2の摩耗表面(この例では、ボルトの頭部)18と、連結部分17とを含む。この例では、固定アセンブリの表面は、異種金属で作製された物品と接触するように構成されている。また、図1はコーティングされた物品20を示しており、この物品の一部は、熱硬化性コーティングを有する。いくつかの例では、物品は熱硬化性コーティングにより完全に被覆されているが、他の例では、物品の一部分のみがコーティングされている。図2の例では、ネジ山部分24を含む、コーティングされた物品20の固定アセンブリ22の全体が熱硬化性コーティングで被覆されており、コーティングされた摩耗表面26及び28と、コーティングされた連結部分27とを設けている。しかしながら、いくつかの例では、ネジ山部分24はコーティングされていなくてもよいことに留意すべきである。
代表例として、コーティングされた物品は、ここではネジ山部分24などのコーティングされていない部分を介して、又はコーティングされていない部分によって、より大きなアセンブリに接続されても組み込まれてもよい。その後、異なるガルバニック若しくは電極電位又は陽極指数を有する別の金属又は非金属構成要素が、固定アセンブリに接続又は固定される。固定アセンブリは、ともに接合される部品に基づき必要に応じて、任意の適切な大きさ、幾何学的配置又は構成を有してもよい。多くの例では、物品は、第2の物品上の適切な特徴と相互作用するように、又は第2の物品上の適切な特徴に締結するように構成された1つ以上のくぼみ、中空、チャネル、空洞又は他の特徴を含み、くぼみ等の内側は1種以上のコーティングでコーティングされている。他の例では、コーティングされた物品はあらゆる種類の固定アセンブリを有さず、むしろ、熱硬化性コーティングなしでガルバニック腐食がさもなければ発生し得るように、異なるガルバニック若しくは電極電位又は陽極指数を有する異種金属又は非金属構成要素と単に接触するように構成されている。
図2の例示的実施例では、部分26及び部分28によって画定されると共に部分26と部分28との間にあるスロットには、主要摩耗保護が必要である。例えば、最終的に2つの平らなプレート間のスロットに、クロムめっきアップリケ構成要素が滑り入れられる。図2のコーティングされた物品20などのいくつかの例では、摩耗表面として機能する構成要素の一切の表面は、熱硬化性コーティング(又は以下でより詳細に記載するようなコーティング)によってコーティングされている。その一方で、他の例では、特定の摩耗表面のみがコーティングされている。コーティングされた物品20を一例として用いると、他の実施形態では、スロットを画定するか又はスロット内にある、異なるガルバニック若しくは電極電位又は陽極指数を有する異種金属又は非金属構成要素に最終的に接触する、固定アセンブリ22の内部表面のみにコーティングを塗布してもよく、同構成要素の外側に面する表面には塗布しなくてもよい。
本明細書に開示される物品、アセンブリ、システム、及び方法は、熱硬化性材料をコーティングとして含む又は用いる。当該技術分野において理解されるように、熱硬化性材料は、一般に、392Fを超える熱、化学反応、及び/又は、適切な照射に曝露後、不可逆的に硬化するプレポリマーを含む。したがって、本明細書に開示される物品、アセンブリ、システム、及び方法に含まれる又は用いられる熱硬化性材料は、熱、化学反応、及び/又は、適切な照射を含む、任意の好適な手段によって硬化させることができる。熱硬化性材料を硬化させるための適切な加熱方法としては、熱硬化性材料を、誘導によって生成された熱に曝すことが挙げられるがこれに限定されない。開示される物品、アセンブリ、システム、及び方法において使用するのに適した熱硬化性材料の例としては、エポキシ樹脂又はポリエポキシドなどのエポキシ材料、ポリエステル又はポリエステル樹脂材料、ポリウレタン材料、加硫ゴム材料、ベークライトなどのフェノールホルムアルデヒド樹脂材料、メラミン材料、ジアリルフタレート(DAP)材料、ポリイミド材料、及びシアン酸エステル又はポリシアヌレート材料が挙げられるがこれらに限定されない。任意選択的に、熱硬化性材料としては、プレポリマー及びハードナー(例えば、多官能性アミン類、酸類(及び酸無水物類)、フェノール類、アルコール類及び/又はチオール類を含む共反応物)が挙げられる。
種々の例では、熱硬化性コーティングは、急速硬化熱硬化性コーティングである。ある実施形態では、急速硬化熱硬化性コーティング材は、コーティング材が金属物品と接触している間に誘導加熱器に曝されると、約1分以下で硬化する。その一方で、他の実施形態では、急速硬化熱硬化性コーティング材は約30秒以下で硬化する。いくつかの例では、コーティングは、華氏約350度〜475度の温度に曝されると、上記時間のいずれか(又はその他)で硬化する。いくつかの例では、コーティング材は、物品に粉末として塗布された後、華氏約400〜450度、他の例では、華氏約350〜490度、他の例では、華氏約420〜430度、更に他の例では、華氏約425度の温度に曝されると約30秒以下で硬化する。
種々の例では、熱硬化性コーティングは、エポキシ樹脂材料又はポリエポキシド材料などのエポキシ材料を含む。熱硬化性コーティングのエポキシ樹脂材料は、触媒による単独重合によりそれ自体と、又は多官能性アミン類、酸類(及び酸無水物類)、フェノール類、アルコール類及びチオール類を含む広範囲の共反応物と、のいずれかにおいて反応(架橋)させてもよい。これらの共反応物は、ハードナー又は硬化剤であってもよく、架橋反応は、「硬化(curing)」と呼ばれることもある。熱硬化性コーティングに好適なエポキシ樹脂材料としては、ビスフェノールAエポキシ樹脂材料(例えば、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとを組み合わせてビスフェノールAジグリシジルエーテルを得ることにより生成されるような)、ビスフェノールFエポキシ樹脂材料、エポキシフェノールノボラック材料、及びエポキシクレゾールノボラック材料(例えば、フェノール類とホルムアルデヒドとを反応させた後、エピクロロヒドリンでのグリシジル化により生成されるような)、脂肪族エポキシ樹脂材料(例えば、脂肪族アルコール類又はポリオール類のグリシジル化により生成されるような)、及びグリシジルアミンエポキシ樹脂材料(例えば、芳香族アミンをエピクロロヒドリンと反応させたときに形成されるような)が挙げられるが、これらに限定されない。
種々の例では、熱硬化性コーティングは、架橋エポキシコーティングである。コーティングは、融着エポキシコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、熱硬化性コーティングは、エポキシ粉末などの粉末から作製され、硬化/架橋されて熱硬化性コーティングを形成する。その一方で、他の実施形態では、熱硬化性コーティングは、液体前駆体から作製される。種々の例では、コーティングは、エポキシ樹脂を含む粉末と、1種以上の硬化剤又はハードナーとから作製される。硬化剤又はハードナーは、1種以上のアミン類(例えば、芳香族アミン類、脂肪族ジアミン類)、無水物類、酸類、フェノール類、アルコール類及び/又はチオール類からなってもよい又はこれを含んでもよい。いくつかの例では、粉末は更に、1種以上の充填剤、及び/又は1種以上の色素、又は他の追加の成分を含む。融着エポキシコーティングを用いるある例では、熱硬化性コーティングは、3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413、3M(登録商標)Scotchkote 426 FAST及び/又はAxalta Alesta 74550から作製される。
架橋熱硬化性コーティングは、コーティングが摩耗力に曝される用途で使用するために高強度及び耐久性を付与し、例えば、当技術分野において公知のナイロンコーティング及び/又は熱可塑性コーティングに比べてより高い耐久性を付与する。上に示した特定のエポキシを使用することで、物品基材への強固な接着(ナイロン熱可塑性コーティングと比較して)、良好な耐衝撃性、及び/又は向上した耐引掻性/耐摩耗性も有利に提供してもよい。例えば、熱硬化性コーティングの形成のために3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413を有する例示的な物品は、顕微鏡分析に基づくと、構成要素の繰り返しの挿入後、頂部表面の引掻のみが、物品に接触した領域のナイロン熱可塑性コーティングの除去に至ったことが明らかとなった。
各種実施形態では、物品は、物品の少なくとも一部分と接触している潤滑剤コーティングを更に含む。いくつかの例では、潤滑剤コーティングは、熱硬化性コーティングの少なくとも一部分を被覆しているか、又は熱硬化性コーティングの少なくとも一部分と接触している。その一方で、他の例では、潤滑剤コーティングは、物品全体及び/又は熱硬化性コーティングの表面全体を被覆している。いくつかの例では、潤滑剤は、ボルトのネジ山上などの表面、及び締結具など、物品の使用中、力に曝される座面に塗布される。1つの代表例として、図2に示されるコーティングされた物品20は、固定アセンブリの表面(例えば、コーティングされた摩耗表面26及び28並びにコーティングされた連結部分27)上のみに潤滑剤コーティングを有してもよく、又は最大力を受ける表面(この例では連結部分27)上のみに潤滑剤コーティングを有してもよい。潤滑剤は、固体であっても液体潤滑剤であってもよい。いくつかの実施形態では、潤滑剤コーティングは、1種以上のワックス、例えば、1種以上のポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、固体潤滑剤、例えば、二硫化モリブデン、若しくは1種以上のフルオロポリマー類(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)からなる又はこれを含む。図1のボルトでは、潤滑剤は、ネジ山5上(所望の摩擦係数を得るため)、及び/又は、フランジ3の下面に存在してもよい。
いくつかの例では、熱硬化性コーティングは、実質的に均一な厚さを有する。各種実施形態では、コーティング厚は(物品の幾何学的配置及び/又は形状を問わず)、全体的な平均コーティング厚からわずか約0.002インチ以下、他の実施形態では、約0.001インチ以下、更に他の実施形態では、約0.0005インチ以下、逸脱している。ある実施形態では、熱硬化性コーティング厚は、約0.005インチ以下である。その一方で、他の実施形態では、熱硬化性コーティング厚は、約0.0035インチ以下、又は約0.0025インチ以下、又は約0.0015インチ以下、又は約.0010インチ以下、又は約0.0005インチ以下である。各種実施形態では、厚さは、約0.0005〜0.005インチ、約0.0015〜0.0035インチ、及び約0.0025インチである。
いくつかの例では、物品は、セラミックコーティングのような無機コーティングを含み、及び/又は、電気めっきされ、及び/又は、プラズマ処理される。例えば、物品は、Keronite(登録商標)コーティングを含んでもよい。いくつかの例では、アルミニウム物品は、マグネシウム物品とともに使用される場合、Keronite(登録商標)コーティングによってコーティングされる。マグネシウム物品は、当事者であれば理解するように、その陽極指数の位置から判断して、ガルバニック腐食しやすい。陰極として機能するアルミニウム締結具をコーティングすることによって、これらの例では、マグネシウムなどの材料であってもガルバニック腐食を防ぐバリアを提供する。これにより、現時点で当該技術分野において公知のような高価な構成要素を使用することなく、マグネシウム部品の結合を有利に可能にする。更に、マグネシウムコーティングのどのような微小な穴でもマグネシウムの高濃度領域にガルバニック腐食を生じさせ(マグネシウムはガルバニ電池の陽極であるがゆえに劣化するため)、特に高濃度の腐食が部品の重要な位置にある場合には、部品の構造的完全性をひどく弱化させる可能性があることから、これらの例では、アルミニウム陰極をコーティングすることによって、マグネシウム構成要素のコーティングに起因する潜在的問題を回避してもよい。更に他の例では、マグネシウム表面は、本明細書で記載されるように、例えば、セラミックコーティングによってコーティングされてもよく、いくつかの例では、腐食の可能性を更に阻止するために、アルミニウム片及びマグネシウム片の両方をコーティングして使用してもよい。これらの例のいずれかは更に、例えばセラミックコーティングの上に、本明細書に記載される熱硬化性コーティングの1種以上及び/又は1種以上の潤滑剤コーティングを含んでもよい。このことは、無機コーティングが幾分多孔質である、又はそうでなければ表面不規則性を有する(しかし依然として、ガルバニック腐食を防ぐのに十分なコーティングは提供する)場合、更なる利点をもたらす可能性がある。例えば、Keronite(登録商標)セラミックコーティングは細孔を有し、細孔には、接着の促進及びより総合的なガルバニックバリアの提供を補助するための熱硬化性コーティングが充填されていてもよい。
いくつかの例では、熱硬化性コーティングが施された物品は、軟化、融解、流動、滴下、炭化等などの悪影響をコーティングに及ぼすことなく長期間高温に曝され得るように、耐熱性を有する。例えば、ある実施形態では、コーティングされた物品は、コーティングに悪影響を及ぼすことなく、華氏約350度に約30分間耐えることができる。上述のエポキシ熱硬化性樹脂、例えば、3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413、3M(登録商標)Scotchkote 426 FAST及び/又はAxalta Alesta 74550は、これらの向上した耐熱性水準を有するコーティングを提供する。このことは、コーティングがこれら種類の熱条件に曝されたときに、融解しない及び/又は流出しないことを意味する。このことは、例えば、コーティングされた物品が更なる製造工程に曝される実施形態において有用であり得る。アルミニウムフェンダを車体に保持するように設計された鋼クリップは、これらの構成要素が、自動車の製造中、高温(上記の30分、華氏350度条件を含む)に曝される場合があることから、このような実施形態の一例である。
図3及び図4は、例示的な材料である3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413(図3)及び3M(登録商標)Scotchkote 426 FAST(図4)によってコーティングした物品の例示的な図を提供している。図3の例では、鋼締結具30Aを、3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413の層でコーティングし、誘導加熱により硬化温度まで加熱し、実質的に均一な熱硬化性コーティング32A(外側材料)を付与した。図4の例では、鋼締結具30Bを、3M(登録商標)Scotchkote 426 FASTの層でコーティングし、誘導加熱により硬化温度まで加熱し(図3に示す例に比してより高い硬化温度、例えば、華氏約425度に比して約華氏450度を必要とする)、熱硬化性コーティング32B(図3の例と比較した場合、均一な厚さを有しない外側材料)を付与した。
いくつかの実施形態では、物品は、締結具、例えば、ボルト、クリップ又はシャンクである。物品は、任意の金属若しくは金属合金からなるか、又は任意の金属若しくは金属合金を含んでもよい。ある実施形態では、物品は鋼である。セラミックコーティングも含む物品などであるがこれに限定されない他のものでは、物品は、マグネシウム、アルミニウム、チタン、又はこれらの合金類である。いくつかの例では、物品は、鋼、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、銅、青銅、黄銅、すず、鉛、鉄、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム若しくはこれらの合金類からなるか、又はこれらを含む。このようなクリップは、例えば、アルミニウムフェンダを車両に取り付けるために使用することのできる鋼クリップであってもよい。このようなクリップは、例示的な3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413、3M(登録商標)Scotchkote 426 FAST及び/又はAxalta Alesta 74550によって全体的にコーティングしてもよいが、本明細書に記載する他の架橋熱硬化性樹脂は利用可能である。あるいは、このようなクリップは、例えば、1つの表面若しくは全表面の部分集合を部分的にコーティングしてもよい。
いくつかの例では、熱硬化性コーティングは第1の熱硬化性コーティングを含み、第2の熱硬化性コーティングは、物品における、第1の熱硬化性コーティング、第1の熱硬化性コーティングの一部分、又は第1の熱硬化性コーティングによって既に被覆されている任意の部分を含む物品の表面全体上に塗布される。種々の例では、第1の熱硬化性コーティングは急速硬化熱硬化性コーティングであり、第2の熱硬化性コーティングは急速硬化熱硬化性コーティングではない。例えば、いくつかの実施形態では、第1の熱硬化性コーティングは、金属物品と接触している間に誘導加熱器に曝されると約1分以下で硬化する。その一方で、第2の熱硬化性コーティングは、第1の熱硬化性コーティングの硬化に使用したものと同等の温度範囲において、例えば、10分以上又は15分以上のより長い硬化時間を必要とする。いくつかの例では、第2の熱硬化性コーティングは、1種以上のエポキシ、ポリエステル又はポリウレタンを含み、他の例では、第2のコーティングは、エポキシ/ポリエステル混合物を含む。一例では、第2の熱硬化性コーティングは、Valspar(登録商標)TGICポリエステル粉末(PRA60001など)から作製される。
一例として、ポリエステル材料を唯一のコーティングとして塗布した場合、鋼締結具の上にコーティングしたときには乏しい耐衝撃性を有していたが、別の熱硬化性コーティング、本実施例では3M(登録商標)Fusion Bonded Epoxy 413の上に塗布した場合、結果は驚くほど異なっていた。組み合わせたコーティングは、ポリエステル材料が完全に架橋されない(例えば、ポリエステル材料を、急速硬化熱硬化性樹脂を硬化させるために使用した時間と同じ時間だけ誘導加熱に曝したことが理由で)場合であっても高い耐衝撃性を示したとともに、驚くべきことに、エポキシなど下の熱硬化性コーティングの不完全な硬化にもかかわらず高い接着性を有していた。
したがって、種々の例では、第2の熱硬化性コーティングは、例えば、完全硬化を得るために要する時間よりも短い時間熱に曝されると、一部のみが架橋される。このことは有利には、所望する場合、元来より遅く硬化する材料を高速大量製造プロセスに組み込むことを依然として可能にするものの、改良かつ強化されたコーティングされた物品を依然として提供する。これらの例のうちのあるものでは、ベースの急速硬化熱硬化性コーティング材を塗布し、誘導加熱など熱により素早く硬化し、次いで、第2のコーティング材を塗布し、一部硬化させる(又は、いくつかの例では、より長い硬化時間が必要であるにもかかわらず完全硬化される)。第2の熱硬化性コーティングを含むこれらの例は更に、潤滑剤コーティングを含んでもよい。
物品のこれらの説明は単に例示である。ある実施形態では、物品は、上で記載した構成要素のいくつか若しくはすべての更なる組み合わせ又は置換を含む。更に、本開示の利点から、当業者には、物品の更なる且つ代替的な好適な変形形態、形態及び構成要素は理解されよう。
本開示の他の態様は、アセンブリに関する。アセンブリは、第1の物品と、第1の物品に固定されるか、接続されるか、又は近接するように構成された第2の物品と、を含むことができ、2つの物品は、物品が電解質の存在下にあるときにガルバニック腐食が起こり得るような異なる電極電位(陽極指数)を有する。第1の物品は、本開示の上又は別の場所に記載したコーティングのいずれかなどの1種以上の熱硬化性コーティングで部分的に又は全体的にコーティングしてもよく、任意選択的には、潤滑剤コーティングである。
いくつかの例では、第2の物品は、第3の物品を含むか、第3の物品に接続されているか、又は第3の物品(自動車又はその構成要素など)に接続されるように構成されている。本明細書中に記載される1つ以上のコーティングを備える物品を有するアセンブリは、締結具、クリップ若しくは他の連結材料などの自動車又は航空宇宙用材料を含んでもよい。アセンブリにおける使用が可能な更に他の物品は、装飾的な自動車用アップリケ用の締結具、又はフェンダ、若しくはマグネシウムオイルパンを含むオイルパンとともに使用するための締結具、クリップ若しくは固定物品などであるが、これらに限定されない他の自動車材料であってもよい。例えば、図6は、アップリケアセンブリの図を示しており、図6A及び図6Bは、図6Cに示すようにコーティングされた締結具に固定されるように構成されたコーティングされていない物品である、クロムめっきを施したアップリケ38の図を提供している。締結具は、図2のコーティングされた物品20と同一である又は実質的に類似している。
図7は、標準規格GMW17026の下での腐食環境における15年シミュレーション試験後の、2つのサンプル鋼ボルトが炭素繊維サンプルパネルに取り付けられた一例を示す写真である。写真の上のボルトは、熱硬化性コーティングでコーティングされてい。これに対して、写真の下のボルトは、熱硬化性コーティングでコーティングされている。コーティングされていないボルトの顕著な腐食があること、及び熱硬化性材料でコーティングされたボルトが示す腐食はほとんどないことは、容易に明らかである。したがって、写真のサンプルボルトが、本熱硬化性コーティングによりもたらされる顕著な耐食性を示すことは理解されよう。
これらのアセンブリの説明は単に例示である。ある実施形態では、アセンブリは、上に記載した構成要素のいくつか若しくはすべての更なる組み合わせ又は置換を含む。本開示の利点から、当業者には、アセンブリの更なる及び代替的な好適な変形形態、形態及び構成要素は理解されよう。更に、上記の物品の代表的実施形態に記載される特徴のいずれかは、アセンブリ又はその構成要素の実施形態の特徴であってもよく、逆もまた同様である。
本開示の更に他の態様は、プロセスに関する。いくつかの例では、当該プロセスは、物品に粉末コーティングを塗布するステップ(例えば、物品上に粉末コーティングを噴霧することによって)を含む。粉末前駆体物質を空気流中に浮遊させ、適切なスプレーガンを使用して物品上に噴霧してもよく、これにより、硬化前に粉末が金属物品を適切にコーティングするように粉末をイオン化してもよい。いくつかの実施形態では、必要に応じて、強い静電気力の使用により、これらの領域を粉末がコーティングするのを妨げるかご効果が生じるため、摩擦帯電プロセスを使用して、凹設された又は他の到達が困難な領域に粉末コーティングが適切に受け入れられるようにする。ある例では、粉末はスプレーガン内で熱可塑性材料を通過し、所望の電荷を得る。しかしながら、他の適用方法も可能であり、例えば、物品は、粉末前駆体の層に浸漬されてもよい。到達困難な表面又は内部表面をコーティングする必要がある実施形態では、更なるスプレーガンアタッチメント又は拡張部を使用してもよい。他の例では、物品のある部分のみが粉末で被覆される(及びしたがって、最終的に熱硬化性コーティングによってコーティングされる)ように、スプレーガンと物品との間にシールドを配置してもよい。ある例では、物品は、硬化前にコーティング前駆体物質の接着を促進するために清掃される及び/又はかき傷が付けられる及び/又はそうでなければプライマーが施される。
当該プロセスはまた、粉末物品を加熱するステップを含んでもよい。いくつかの例では、当該プロセスは、磁場を印加する誘導加熱器などの熱源に粉末物品を搬送するステップを含んでよい。ある例では、金属物品は室温又は周囲温度にあり、粉末は金属物品に塗布され、次いで、粉末が架橋熱硬化性コーティングへと硬化するように、物品及び粉末は、例えば、誘導加熱器に曝されることにより加熱される。他の例では、物品は、粉末が塗布された位置と同じ位置において加熱されてもよい、又は物品は、金属中のあらゆる残留熱が硬化をもたらす若しくは粉末を少なくとも部分的に硬化するように、粉末の塗布の前に加熱されてもよい。しかしながら、行われる製造プロセスの相対的な簡略化のため、室温の物品に粉末が塗布されるプロセスの実施形態が好ましい。
物品は、(このステップ又は別のステップにおいては)コンベヤベルト、1つ以上のグリッパホイール、ロータリーベンチ、又は図5に示される例のような磁気テーブル50など、当該技術分野において公知の任意の搬送システムを使用して搬送してもよい。いくつかの例では、コンベヤは、物品を、誘導加熱器52などの熱源内において及びこの熱源を通過させて運ぶ。他の例では、1つ又は複数の構成要素を、粉末48が物品に塗布される位置にある粉末スプレーガン46などの静止したままの物品の近傍に移動又は搬送してもよい。空気の流れ(図示せず)を使用して、物品から余分な材料を吹き飛ばしてもよい。
他の可能な加熱方法としては、赤外線熱及び/若しくは他の熱放射、硬化オーブン、ヒートトンネル、ヒートガンの使用、又は伝導等により熱を伝えるために熱源を物品と直接接触させること等が挙げられる。粉末を硬化させるために使用される温度は、コーティング材の特徴(例えば、樹脂及び任意の硬化剤の配合)並びに特定のプロセスに応じて、上記のいずれか(すなわち、華氏約350〜490度、又は華氏約425度、又はその他)とすることができる。
例えば、いくつかの実施形態では、熱は5秒以下、他の実施形態では10秒以下、及び他の実施形態では、15秒以下、30秒以下、60秒以下の間、印加される。硬化時間がより長い(longer−cure)材料又はより低い温度を使用するプロセスなどの他の例では、分のオーダーのより長い時間(例えば、2分以下、5分以下、10分以下、15分以下、又は30分以下)を要してもよい。しかしながら、製造速度においてもたらされる利点のため、少なくともベース熱硬化性樹脂層をより短い時間範囲で完全硬化又はほぼ完全硬化することを可能にする実施形態が好適である。
当該プロセスは、コーティングされた物品を潤滑ステーションに搬送するステップを更に含んでもよく、潤滑ステーションでは、例えば噴霧又は浸漬によって、1種以上の潤滑剤(例えば、ポリエチレンワックスエマルション)が物品に塗布される。当該プロセスは更に、潤滑剤が施された物品を、例えば、誘導加熱の再度の適用又は別の熱源(あるいは樹脂を架橋済み材料へと硬化させるために使用するものと同じ熱源)の使用により乾燥させるステップを含んでもよい。種々の例では、更なる熱は提供されず、物品を空気乾燥する、又は潤滑剤の選択に基づき(例えば、二硫化モリブデンなどの乾燥潤滑剤が使用される場合)乾燥は必要ない。いくつかの実施形態では、潤滑剤が施された物品を乾燥するために、より短い熱の印加、例えば、誘導加熱の1秒〜2秒の印加のみを必要とする。これにより、当該プロセスの製造効率を更に補助する。
いくつかの例では、潤滑の前に、第2の熱硬化性コーティング材が塗布され、物品上で少なくとも部分的に硬化される。いくつかの例では、プロセスは、物品上にセラミックコーティングを形成するステップと、次いで、1種以上の熱硬化性コーティングを塗布するステップ(例えば、急速硬化熱硬化性コーティングの次に非急速硬化熱硬化性コーティング)と、次いで、任意選択的に、1種以上の潤滑剤コーティングを塗布するステップとを含んでもよい。
上で記載したように、図5は、当該方法の実施形態を実施するための例示的なシステムを示している。本実施例では、システムは、これらの実施形態においては室温である複数の物品を保持すると共に搬送する磁気テーブルを含む。本実施例のプロセスのステップAでは、スプレーガンにより粉末前駆体物質(例えば、粉末エポキシ)を物品に塗布し、次いで、物品は誘導加熱器の間の位置に運ばれる。ステップBでは、ヒータにより熱を加えて粉末を硬化させ、物品上に架橋熱硬化性コーティングを生じさせる。任意選択的に、磁気テーブルは、コーティングされた物品をスプレーガンなどの潤滑剤塗布器に運ぶ。このスプレーガンは、ステップCにおいて潤滑剤を塗布する。次いで、磁気テーブルは完成物品を仕上げ位置に運び、例示的なステップDにおいてテーブルから取り外す。当該プロセスは、コーティングを、例えば、ボルトの頭部、ボルトの頭部及びフランジ(存在する場合)、頭部の下側、及び所望であれば、ボルトのネジ山又はネジ山の一部に選択的に塗布することを可能にすることは理解されよう。
ガルバニック腐食を防止することが可能な材料によって、アセンブリの2つの物品のうち1つをコーティングする有効性を決定するために、アセンブリの種々のサンプルを試験した。物品上にコーティングした材料は、融着され硬化された熱硬化性高分子材料であるAxalta Alesta 74550であり、摩擦電荷プロセスを使用して、約0.0025〜0.0035インチの厚み(硬化時)に塗布した。試験はすべて、マグネシウム及び炭素繊維パネルに固定された10マイクロメートルのDipzol NZ−200アルカリ性めっきを有するM10締結具(ボルト)を使用して行った。試験には、General Motors Worldwide Engineering Standards試験手順GMW17026である、「ガルバニック腐食機構の加速腐食実験室試験(Accelerated Corrosion Laboratory Test for Galvanic Corrosion Mechanisms)」(腐食試験)による加速腐食試験、張力損失試験、及びアセンブリの機械的要件に対するコーティングの妥当性を決定するための物理的測定が含まれた。
腐食試験は、マグネシウム及び炭素繊維のサンプルパネル(試験片)に取り付けたボルトを使用して実施した。各試験片のボルトの1つを、融着して硬化させた熱硬化性高分子材料によりコーティングし、各試験片の対照ボルトはコーティングしなかった。試験片をステンレス鋼チャンバ内のプラスチックグリッド上に配置し、塩3%、耐火粘土3%及び水94%の溶液を66℃(約150.8°F)の温度で2分間、3時間毎に直接噴霧を行った。噴霧はノズル毎に、毎分約2.5リットル(L)の速度で適用した。噴霧溶液への曝露前、試験片は約3ミリメートル(mm)の初期厚さを有していた。
腐食試験では、試験片を噴霧に5日間(1年シミュレーション)、10日間(2年シミュレーション)、15日間(3年シミュレーション)から35日間(8〜9年シミュレーション)曝すことにより、マグネシウム試験片の1、2、3、4、5、及び8〜9年の曝露をシミュレーションした。35日(8〜9年シミュレーション)後、対照ボルトを固定するナットがマグネシウム試験片を貫通腐食したため、試験を停止した。試験の視覚的な結果を示す写真を、図9A〜図9Gに記載する。図9Aは、曝露又は試験前のコーティングされたボルト及びコーティングされていないボルトを写真の左側及び右側にそれぞれ示している。図9B〜図9Gは、1年、2年、3年、4年、5年、及び8〜9年曝露シミュレーション後のボルトを示している。写真からすぐに明らかなように、コーティングされたボルトを有するマグネシウム試験片は、腐食試験チャンバ内において35日(8〜9年シミュレーション)後、腐食の兆候をほとんど示さなかった。これに対して、コーティングされていないボルトを取り付けた試験片は極度の腐食を示し、上記のように、試験片が試験片の裏側において非処理ナットと接触したことによる試験片(マグネシウム)材料の破壊により、試験の停止が必要であった。この場合、マグネシウムが鋼に比してより活性である、すなわち、より貴でないため、ガルバニック反応において陽極として機能することから、マグネシウム試験片にガルバニック腐食が生じた。
図10は、マグネシウム試験片の15年曝露シミュレーション後の試験片を示す写真である。容易に分かり得るように、15年シミュレーション試験では、試験片の熱硬化性コーティングされたボルト周囲の領域は実質的に孔食を示さなかったのに対して、試験片のコーティングされていないボルト周囲の領域は極度の孔食を示すとともに孔食が貫通した(厚さ3mmの試験片を貫通した)ことが分かった。
35日シミュレーションにおける試験の停止時、コーティングされていないボルトを有する試験片は、15年シミュレーション試験における試験片がそうであったように、孔食が完全に貫通していた(約3mmの孔食)。その一方で、コーティングされたボルトを有する試験片は、約0.089mm未満、すなわち、コーティングされていないボルトの約3%未満の孔食を有していた。
炭素繊維のサンプルパネル(試験片)に取り付けられた、疲労していないボルト及び疲労したボルト、コーティングされていないボルト及びコーティングされたボルトを使用して、類似の腐食試験を行った。腐食試験では、マグネシウム試験片の1、2、3、4、5、10、11、12、13、14、及び15年曝露を、試験片を噴霧に5日間(1年シミュレーション)、10日間(2年シミュレーション)、15日間(3年シミュレーション)から65日間(15年シミュレーション)曝すことによりシミュレーションした。疲労したボルトの試験では、1kg(約2.2lbs.)のボルトを、高さ約1メートル(39インチ)にある150mm(約6インチ)管の上部に取り付けたホッパー内に置いた。ホッパーの底部にあるトラップドアを開き、ボルトを非金属回収箱内に落下(約39インチ)させた。試験のためにボルトを取り出す前に、この落下手順を3回繰り返した。
疲労していないボルトの試験の視覚的結果を示す写真を、図11A〜図11Lに記載する。図11Aは、写真の左側及び右側に、未曝露の又は試験前のコーティングされたボルト及びコーティングされていないボルトをそれぞれ示している。図11B〜図11Lは、1年、2年、3年、4年、5年、10年、11年、12年、13年、14年、及び15年の曝露シミュレーション後のボルトを示している。同じく、写真からすぐに明らかなように、炭素繊維パネル上のコーティングされたボルトは、腐食試験チャンバ内における65日(15年シミュレーション)後、極めて小さい腐食の兆候を示したのに対して、炭素繊維パネル上のコーティングされていないボルトは極度の腐食を示した。写真(及び特に図11L)の検討では、コーティングされたボルトが、ボルトが取り付けられた炭素繊維パネルへの広がりが限定的な表面の変色を示したのに対して、コーティングされていないボルトは、著しい構造的劣化及び炭素繊維パネル上への著しい広がりのように見えるものを呈したことを示している。
図12A〜図12Lに、疲労したボルトの試験の視覚的結果を示す写真を提供する。図12Aは、写真の右側及び左側に、未曝露の又は試験前のコーティングされたボルト及びコーティングされていないボルトをそれぞれ示している。図12B〜図12Lは、1年、2年、3年、4年、5年、10年、11年、12年、13年、14年、及び15年曝露シミュレーション後のボルトを示している。同じく、写真からすぐに明らかなように、炭素繊維パネル上のコーティングされたボルトは、腐食試験チャンバ内における65日(15年シミュレーション)後、極めて小さい腐食の兆候を示したのに対して、炭素繊維パネル上のコーティングされていないボルトは極度の腐食を示した。写真(及び特に図12L)の検討では、コーティングされたボルトは、ボルトが取り付けられた炭素繊維パネルへの広がりが限定的な表面の変色を示したのに対して、コーティングされていないボルトは、著しい構造的劣化及び炭素繊維パネル上への著しい広がりのように見えるものを呈したことを示している。
炭素繊維試験片内のボルトの場合、鋼は炭素繊維に比してより活性である、すなわち、より貴でないため、ガルバニック反応において陽極として機能するという点で、ガルバニック腐食は、炭素繊維試験片よりもむしろ鋼ボルトに生じたことに留意しなければならない。
試験片よりもむしろボルトがガルバニック腐食に曝されたため、試験片の重量喪失値はないことが理解されよう。それにもかかわらず、図12Lのサンプルの検討では、コーティングされてあいないボルトでは、著しい構造的劣化及び炭素繊維上への著しい広がりがあった。その一方で、コーティングされたボルトは表面の変色のみを示し、ボルトが取り付けられた炭素繊維パネルへの広がりは限定的であったことを示している。
コーティングによって、コーティングされたボルトに、コーティングされていない(対照)ボルト及びナイロン11粉末コーティングでコーティングしたボルトと比較して許容しがたいほどの張力損失の増加が生じたかどうかを決定するために張力損失試験も行った。M−10コーティングされていない(対照)ボルト、本開示の熱硬化性コーティングでコーティングしたボルト、及びナイロン11でコーティングしたボルトを厚さ19mmの鋼ブロック内に置いた。亜鉛コーティングされた鋼ワッシャをボルトの頭部間に配置し、10mmの鋼ナットをボルトのネジ山上にねじ込み、ボルトをブロックに固定した。ボルトを45〜55N−mのトルクで締め付けた。すべてのボルトを含むアセンブリを800時間にわたり125℃(約257°F)の温度に加熱した。Dakota Ultrasonics MINI−MAX bolt Tension Monitorを各ボルトに取り付け、ボルトの張力損失を超音波的に決定した。熱硬化性コーティングを、約0.0025インチ〜0.0035インチの厚さでボルトに塗布した。
コーティングされていない(対照)ボルトは、約20%の張力損失を示し、本開示の熱硬化性コーティングでコーティングしたボルトは、約25%の張力損失を示し、ナイロン11でコーティングしたボルトは、約33%〜65%の張力損失を示した。試験データの検討では、本開示の熱硬化性コーティングでコーティングしたボルトの張力損失は、対照ボルトと比較して許容できるほどに低い張力損失を示したのに対して、ナイロン11でコーティングしたボルトは、許容しがたいほど高い張力損失を示したことを示している。
コーティングされていない(対照)ボルト、及び本開示の熱硬化性コーティングでコーティングしたボルト、及びナイロン11粉末コーティングでコーティングしたボルトの張力損失の熱サイクル試験も行った。試験では、ボルトに−40℃〜80℃(約−40°F〜176°F)の熱サイクルを施した。ボルトに−40℃〜80℃の熱サイクルを13サイクル施し、温度を3時間維持した。対照ボルトは約18.6%の張力損失を示し、ナイロン11粉末コーティングを有するボルトは約33.3%〜42.5%の張力損失を示し、熱硬化性コーティングでコーティングしたボルトは約4.7%〜14.5%の張力損失を示し、熱サイクルにおいては張力損失に対する熱硬化性コーティングの負の影響がないことを示した。
本開示の熱硬化性コーティングでコーティングしたボルトは、また、均一かつ干渉のないコーティングを示している。塗布されたときのコーティング厚は約0.63mm(約0.0021インチ)〜約0.89mm(約0.0029インチ)であり、6角又はTORX(登録商標)ドライブなどの凹設されたドライブ頭部を有するボルトに塗布されたときに、ドライブチップの、ドライブ凹部との係合を妨げない。また、コーティングを、コーティングがネジ山係合部に存在するようにネジ山に沿って十分に塗布したが、ボルトの雌ネジ部材への固定を妨げないことが分かった。有利なことには、本熱硬化性コーティングは磁気干渉しないことも分かった。したがって、磁気ドライブ及びドライブチップの使用、並びにボルトの磁気的固定には影響しない。ボルト上のコーティングの均一性及び厚さの表示を図3に示している。
ボルトを摩擦係数についても試験した。この摩擦は、ボルトがアセンブリ上に締め付けられる際に示される摩擦である。摩擦係数は無次元値であるが、ボルトを適切に締め付けるため又はボルトにある値のトルクをかけるために印加しなければならない力に相当する。ボルトの駆動において所望される摩擦係数は、約0.10〜0.16である。コーティングされたボルトの摩擦係数がほぼこの範囲内になるように、潤滑剤を使用して調整した。
これらプロセスの説明は単に例示である。ある実施形態では、プロセスには、上記ステップのいくつか若しくはすべての更なる組み合わせ又は置換を含んでもよい。更に、本開示の利点から、当業者には、プロセスの更なる及び代替的な好適な変形形態、形態及び構成要素は理解されよう。最後に、上述した物品及び/又はアセンブリの任意の構成要素若しくは特徴部は、プロセスの実施形態によって製造してもよく、物品及び/又はアセンブリに関して記載した任意のステップ若しくは行為は、プロセスの実施形態に組み込んでもよい。
本発明で使用する場合、「約(about)」、「約(approximately)」、「実質的に(substantially)」及び「著しく(significantly)」は当業者には理解されるとともに、それらが使用される状況によってある程度異なる。また、本発明で使用する場合、「含む(comprise)」及び「comprising(含む)」という用語が特許請求の範囲をこれらの移行句に続いて列挙した要素のみに限定しない「オープン」移行句であるという点で、「含む(include)」及び「含む(including)」という用語は、「含む(comprise)」及び「comprising(含む)」という用語と同じ意味を有すると解釈すべきである。「からなる(consisting of)」という用語は「含む(comprising)」という用語に包含される一方、特許請求の範囲をこの移行句に続いて列挙した要素のみに限定する「クローズド」移行句であると解釈されるべきである。「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、「含む(comprising)」という用語に包含される一方、この移行句に続く追加要素を許容するが、その追加要素がクレームの基本の及び新規な特徴に著しく影響を及ぼさない場合に限る「一部クローズド」移行句と解釈されるべきである。
更に、当業者には、側方(sides)、上方(upper)、下方(lower)、後方(rearward)、前方(forward)等などの相対的な方向の用語は単に説明のためであり、本開示の範囲を限定することを目的とするものではないことは認識されよう。
本明細書中で参照されるあらゆる特許は、本開示の文内で具体的に参照される又は参照されないに関わらず、参照により本明細書中に組み込まれる。本開示において、「a」又は「an」という語は、単数形及び複数形の両方を含むものと解釈すべきである。逆に、複数形の物品へのあらゆる言及は、必要に応じて、単数形を含む。
また、本明細書で開示される実施形態の種々の変更及び改良は当業者には明白であることは理解すべきである。このような変更及び改良は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなしに、並びにその意図した利点を減ずることなしに行うことができる。したがって、このような変更及び改良は添付の特許請求の範囲に包含されると意図される。

Claims (62)

  1. 2物品システムにおける感受性の高い物品の腐食を防止するための方法であって、前記2物品システムにおける第1の物品及び第2の物品は、互いに面する表面を有しており、前記2つの物品は、異なる陽極指数を有しており、
    前記第1の物品の表面にコーティング材を塗布するステップと、
    前記第1の物品の表面上の前記コーティング材を硬化させるステップと、
    前記第1の物品の表面を前記第2の物品の表面に接触させて固定するステップと
    を含み、
    前記2つの物品は、標準規格GMW17026下での15年シミュレーション試験後における腐食環境への曝露後、実質的に腐食を呈さない、2物品システムにおける感受性の高い物品の腐食を防止するための方法。
  2. 前記コーティング材は熱硬化性材料である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱硬化性材料は、コーティング中に架橋結合して架橋エポキシコーティングを形成するエポキシ材料である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記エポキシ材料は融着エポキシ材料である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記エポキシ材料は硬化剤を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記硬化剤は、より多くのアミン類、無水物類、酸類、フェノール類、アルコール類及びチオール類の1種以上を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記エポキシ材料は、充填剤及び色素の1種以上を含む、請求項3に記載の方法。
  8. 前記エポキシ材料は、華氏約400〜450度の温度に曝されると約30秒以下で硬化し、前記架橋エポキシコーティングを形成する、請求項3に記載の方法。
  9. 前記コーティング材は粉末として塗布される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記粉末は前記物品上に噴霧される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記粉末は、該粉末に印加される電荷を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記コーティング材は、第1のコーティング材及び第2のコーティング材を含み、
    前記第1のコーティング材は完全硬化されて第1の硬化層を形成し、前記第2のコーティング材は前記第1の硬化層上に塗布される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第2のコーティング材は熱硬化性材料である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1のコーティング材は速硬性材料であり、前記第2のコーティング材は前記第1のコーティング材よりも遅い速度で硬化する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第2のコーティング材は潤滑剤である、請求項12に記載の方法。
  16. 前記潤滑剤は、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス及び固体潤滑剤の1種以上である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記固体潤滑剤は、二硫化モリブデン及びフルオロポリマーの1種以上である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記コーティング材は、硬化したときに、約0.005〜0.0035インチの実質的に均一な厚さを有する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記厚さは約.0015インチである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1のコーティング材は酸化物系セラミック材料である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記硬化は熱硬化である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記熱硬化は誘導加熱硬化であり、磁場の印加を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第1のコーティング材が塗布される前記物品は、前記第1のコーティング材の塗布前に予熱される、請求項1に記載の方法。
  24. 前記第1の物品と前記第2の物品は異種金属である、請求項1に記載の方法。
  25. 前記第1の物品及び前記第2の物品の一方は非金属である、請求項1に記載の方法。
  26. 前記硬化させたコーティング材が少なくともマグネシウム試験片に取り付けられた鋼ボルトの頭部上に存在する場合、前記マグネシウム試験片は、試験手順GMW17026下での15年シミュレーション試験後、前記マグネシウム試験片上のコーティングされていない鋼ボルトと比較して約3%未満の孔食を示す、請求項24に記載の方法。
  27. 前記第1の物品は前記第2の物品よりも高い陽極指数を有する、請求項1に記載の方法。
  28. 前記第1の物品は鉄又は鉄合金を含む、請求項1に記載の方法。
  29. 前記第2の物品はマグネシウム又はマグネシウム合金を含む、請求項1に記載の方法。
  30. 前記第2の物品はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む、請求項1に記載の方法。
  31. 前記第1の物品は雄型部品締結具である、請求項1に記載の方法。
  32. 前記雄型部品締結具はボルト又はネジである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記ボルトは、800時間にわたり125℃の温度で加熱したとき、約25%以下の張力損失を示す、請求項31に記載の方法。
  34. 2物品システムであって、該2物品システムの第1の物品及び第2の物品は、互いに面する表面を有しており、前記2つの物品は異なる陽極指数を有し、
    前記第1の物品の表面は、該第1の物品の表面上でコーティング材を硬化することによって形成されたコーティング層を含み、
    前記第1の物品の表面は、前記第2の物品の表面と接触して固定されており、
    前記2つの物品は、標準規格GMW17026下での15年シミュレーション試験後における腐食環境への曝露後、実質的に腐食を呈さない、2物品システム。
  35. 前記コーティング材は熱硬化性材料である、請求項34に記載のシステム。
  36. 前記熱硬化性材料は架橋エポキシコーティングである、請求項35に記載のシステム。
  37. 前記エポキシ材料は融着エポキシ材料である、請求項36に記載のシステム。
  38. 前記エポキシ材料は硬化剤を含む、請求項36に記載のシステム。
  39. 前記硬化剤は、より多くのアミン類、無水物類、酸類、フェノール類、アルコール類及びチオール類の1種以上を含む、請求項38に記載のシステム。
  40. 前記エポキシ材料は、充填剤及び色素の1種以上を含む、請求項36に記載のシステム。
  41. 前記エポキシ材料は、華氏約400〜450度の温度に曝されると約30秒以下で硬化し、前記架橋エポキシコーティングを形成する、請求項36に記載のシステム。
  42. 前記コーティング材は、第1のコーティング材及び第2のコーティング材を含み、
    前記第1のコーティング材は完全硬化されて第1の硬化層を形成しており、前記第2のコーティング材は前記第1の硬化層上に塗布されて前記コーティング材を形成している、請求項34に記載のシステム。
  43. 前記第2のコーティング材は熱硬化性材料である、請求項42に記載のシステム。
  44. 前記第1のコーティング材は速硬性材料であり、前記第2のコーティング材は前記第1のコーティング材よりも遅い速度で硬化する、請求項43に記載のシステム。
  45. 前記第2のコーティング材は潤滑剤である、請求項42に記載のシステム。
  46. 前記潤滑剤は、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス及び固体潤滑剤の1種以上である、請求項45に記載のシステム。
  47. 前記固体潤滑剤は、二硫化モリブデン及びフルオロポリマーの1種以上である、請求項46に記載のシステム。
  48. 前記コーティング材は、硬化したときに、約0.005〜0.035インチの実質的に均一な厚さを有する、請求項34に記載のシステム。
  49. 前記厚さは約0.001〜0.0025インチである、請求項48に記載のシステム。
  50. 前記第1の物品の表面は、前記コーティング材が塗布される酸化物系セラミック材料を含む、請求項34に記載のシステム。
  51. 前記第1の物品と前記第2の物品は異種金属である、請求項34に記載のシステム。
  52. 前記第1の物品及び前記第2の物品の一方は非金属である、請求項34に記載のシステム。
  53. 前記第1の物品は鋼ボルトであり、前記第2の物品はより低い陽極指数を有する金属から形成されている、請求項34に記載のシステム。
  54. 前記第2の物品はマグネシウムから形成され、前記硬化させたコーティング材が少なくとも前記鋼ボルトの頭部上に存在し、マグネシウム試験片に取り付けられる場合、前記マグネシウム試験片は、試験手順GMW17026下での15年シミュレーション試験後、前記マグネシウム試験片上の類似のコーティングされていない鋼ボルトの約3%未満の孔食を示す、請求項53に記載のシステム。
  55. 前記第1の物品は前記第2の物品よりも高い陽極指数を有する、請求項34に記載のシステム。
  56. 前記第1の物品は鉄又は鉄合金を含む、請求項34に記載のシステム。
  57. 前記第2の物品はマグネシウム又はマグネシウム合金を含む、請求項34に記載のシステム。
  58. 前記第2の物品はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む、請求項34に記載のシステム。
  59. 前記第1の物品は雄型部品締結具である、請求項34に記載のシステム。
  60. 前記雄型部品締結具はボルト又はネジである、請求項59に記載のシステム。
  61. 前記ネジは、800時間にわたり125℃の温度で加熱したとき、約25%以下の張力損失を示す、請求項59に記載のシステム。
  62. 前記第1の物品は鋼ボルトであり、前記コーティング層は少なくとも、前記鋼ボルトの頭部上と、前記鋼ボルトの前記頭部の下側とに存在する、請求項34に記載のシステム。
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