JP2018510212A - 向上した半減期を有する改変したフォンヴィレブランド因子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液凝固障害の治療に使用するための改変したVWF分子に関する。

Description

本発明は、血液凝固障害の治療を改善するための製品及び方法に関する。
血液凝固因子の欠失に起因する様々な出血性障害がある。最も一般的な障害は、
血友病A及びBであり、夫々血液凝固因子、第VIII(FVIII)及びIX、の欠失がもたらす。もう一種の既知の出血性障害はフォンヴィレブランド病(VWD)である。
FVIIIは、血漿中に、ほとんどフォンヴィレブランド因子(VWF)との非共有
結合複合体として存在し、その凝固機能は、因子XからXaへの転換に依存する因子IXaを促進することである。
古典的血友病又は、血友病Aは、遺伝性出血性疾患である。これは、血液凝固因子FVIIIの染色体X−結合欠失がもたらす結果であり、ほぼ独占的に男性に影響を及ぼし、発症率は10,000人あたり1〜2人である。X染色体欠損は、女性キャリアによって伝達されるが、彼女達自身は血友病患者ではない。血友病Aの臨床症状は出血傾向が大きいことである。
予防的にFVIII治療により療養している重症の血友病Aの患者は、FVIIIの血漿半減期が約12〜14時間と短いために、週に約3回静脈内(i.v.)投与をしなければならない。毎回のi.v.投与は煩わしく、痛みを伴い、かつ、感染の危険性を伴う、というのは、これは特に患者自身で、又は、血友病Aと診断された子供の両親により、家庭で行われるからである。
従って、FVIIIの半減期を増加し、投与しなければならない頻度を低減したFVIIIを含有する医薬組成物が強く望まれている。
活性化していないFVIIIの半減期を延長するための、数種の試みとしては、細胞受容体とのその相互作用を低減することにより(特許文献1、特許文献2)、ポリマーをFVIIIに共有結合させることにより(特許文献3、特許文献4及び特許文献5)、FVIIIをカプセル化することにより(特許文献6)により、新規な金属結合部位を導入することにより(特許文献7)により、A2領域をA3領域に、ペプチド結合(特許文献8及び特許文献9)で、又は、ジスルフィド結合(特許文献10)の何れかで共有結合させることにより、又は、A1領域をA2領域に共有結合させることにより(特許文献
11)なされている。
FVIII又は、VWFの機能的半減期を増強するための別のアプローチは、FVIIIのPEG化(特許文献12、特許文献13、特許文献14)又は、VWFのPEG化(特許文献15)であり、増加した半減期を有することにより、PEG化したVWFが血漿中に存在するFVIIIの半減期をも間接的に増強する。また、FVIIIの融合タンパク質も記載されている(特許文献16、特許文献17、及び特許文献18)。
フォンヴィレブランド病(VWD)の異なる形態中において、欠損しているか、機能的な欠陥を有するか、又は、減少した量でのみ得られる、VWFは、複数の生理学的機能を有し、哺乳動物の血漿中に存在する多量体接着性糖タンパク質である。一次止血の間、VWFは、血小板表面上の特異的受容体と、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの成分との間の介在物質として作用する。更に、VWFは、凝血原FVIIIのための担体及び安定化タンパク質としての役割を有する。VWFは2813アミノ酸前駆体分子として内皮細胞及び巨核球内で合成される。野生型VWFのアミノ酸配列及びcDNA配列は、非特許文献1に開示されている。前駆体ポリペプチドである、プレプロVWFは、成熟血漿VWF中に見出される22残基のシグナルペプチド、741残基のプロペプチド及び2050残基のポリペプチドからなる(非特許文献2)。小胞体におけるシグナルペプチドの切断後、VWFの2つの単量体の間でC末端ジスルフィド架橋が形成される。分泌経路を更に輸送する間に、13N結合型及び10 O結合型炭水化物側鎖が付加される(非特許文献3、Canis ら、(2012))。重要なことは、VWF二量体は、N末端ジスルフィド架橋を介して多量体化され、741アミノ酸長のプロペプチドは、後期ゴルジ体内の酵素PACE/フューリンによって切断されることである。プロペプチド並びにVWFの高分子量多量体(VWF−HMWM)は、内皮細胞のバイベル−パラード(Weibel−Palade)小体又は、血小板のα−顆粒に貯蔵される。
一旦、血漿中に分泌されたプロテアーゼADAMTS13は、VWFのA1領域内でVWFを切断する。従って、血漿VWFは、500kDaの単一の二量体から10,000kDaを超える分子量を有する二量体20以上からなる多量体までの全範囲の多量体からなる。これにより、最強の止血活性を有する VWF−HMWM(HMWM)は、リストセチン補因子活性(VWF:RCo)中で測定しても良い。VWF:RCo/VWF抗原の比率が高いほど、高分子量多量体の相対量が高くなる。
VWFの欠損が、フォンヴィレブランド病(VWD)の原因であり、多かれ少なかれ明白な出血性表現型を特徴とする。VWD3型は、最も重篤な形態であり、VWFが完全に欠損しており、VWD1型は、VWFの定量的な損失に関連し、その表現型は非常に軽度となり得る。VWD2型は、VWFの定性的欠損に関連し、VWD3型と同等に重篤となり得る。VWD2型は、多くの副次的形態を有し、その内、いくつかは高分子量多量体の損失又は、減少と関連している。Von VWD2a型は、中間型多量体と大型多量体の両方の損失が特徴的である。VWD2B型は、最高分子量の多量体の損失が特徴的である。
VWDは、ヒトにおいて最も頻出する遺伝性の出血性疾患であり、血漿又は、組換え由来のVWFを含有する濃縮物を用いる補充療法によって治療しても良い。
血漿中で、FVIIIは高い親和性でVWFに結合し、成熟前の異化作用から保護し、従って一次止血における役割の他に、FVIIIの血漿レベルを調節する重要な役割を果たし、結果として二次止血を制御する中心的因子でもある。VWFに結合した活性化していないFVIIIの半減期は、血漿中で約12〜14時間である。VWFがほとんど又は全く存在しないフォンヴィレブランド病3型では、FVIIIの半減期は僅か約6時間であり、FVIIIの濃度低下のため、そのような患者が、軽度から中等度の血友病Aの症状に至るのである。FVIIIに及ぼすVWFの安定化効果は、又、CHO細胞におけるFVIIIの組換え発現を補助するためにも使用されている(非特許文献4)。
VWF、FVIII又は、両因子の半減期を増加させるための製品及び方法についての必要性がある。
国際特許公開第03/093313号 国際特許公開第02/060951号 国際特許公開第94/15625号 国際特許公開第97/11957号 米国特許第4970300号 国際特許公開第99/55306号 国際特許公開第97/03193号 国際特許公開第97/40145号 国際特許公開第03/087355号 国際特許公開第02/103024号 WO2006/108590 国際特許公開第2007/126808号 国際特許公開第2006/053299号 国際特許公開第2004/075923号 国際特許公開第2006/071801号 国際特許公開第2004/101740号 国際特許公開第2008/077616号 国際特許公開第2009/156137号
Collinsら、1987、Proc Natl.Acad.Sci.USA 84,4393−4397 Fischerら、FEBS Lett。351:345−348,1994 Canisら(2010)Journal of Thrombosis and Haemostasis,8: 137−145 Kaufmanら、1989、Mol Cell Biol
別の発明で、VWFモノマーが、マクロファージ上に存在する受容体タンパク質であるカルシウム型レクチンドメインファミリー10メンバーA(CLEC10A)に強く結合することが見出されている。特に、CLEC10AがVWFクリアランスにおいて決定的な役割を果たし得ることが示された。更に、本発明において、VWF上に存在するO−結合グリカン部位2298はCLEC10Aと相互作用することが見出された。従って、本発明は、インビボでのVWF分子の半減期を延長するために、2298部位にO−結合グリコシル化を欠く改変VWF分子を提供するものである。
従って、本発明は、[1]項〜[21]項に定義される主題に関する。
[1] アミノ酸位置2298にO−グリコシル化部位を欠くC1ドメインを含む、第VIII因子に結合し得るフォン・ヴィレブランド因子(VWF)分子。好ましくは、VWF分子はマウスではない。より好ましくは、VWF分子はヒトである。
[2] 天然VWFに存在する2298位のO−グリコシル化部位が、VWFアミノ酸配列の2292位〜2303位の1つ又はそれ以上のアミノ酸を欠失又は置換することによって不活性化されている、[1]項に記載のVWF分子。
[3] 2298位のスレオニンが欠失しているか、又はスレオニン及びセリン以外のアミノ酸で置換されている、[2]項に記載のVWF分子。
[4] 前記スレオニン及びセリン以外のアミノ酸がグリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン、及びバリンからなる群から選択される、[3]項に記載のVWF分子。
[5] 配列番号10又は11に示されるアミノ酸配列を含む、前記1〜4項の何れか1項に記載のVWF分子。
[6] 2295位、2297位及び2302位のうちの1箇所にあるプロリンが欠失しているか、又は異なるアミノ酸で置換されている、[2]項に記載のVWF分子。
[7] 天然血漿由来のVWFよりも低減したインビボでのクリアランスを有する、前記1〜6項の何れか1項に記載のVWF分子。
[8] 半減期延長部分に連結した、好ましくはヒトアルブミンに融合した、アミノ酸位置2298にO−グリコシル化部位を含むVWF C1ドメイン。
[9] 天然血漿由来のVWFを同時投与した第VIII因子の半減期と比較したとき、前記のVWF分子を同時投与した方の第VIII因子の半減期を増加し得る、前記1〜8項の何れか1項に記載のVWF分子。
[10] 血液凝固障害の治療に使用するための、前記1〜9項の何れか1項に定義したVWF分子。
[11] 前記血液凝固障害が血友病A又はフォンビレブランド病である[10]項に記載した使用のためのVWF分子。
[12] 前記治療が更に第VIII因子分子を投与することを含む[10]項又は[11]項に記載した使用のためのVWF分子。
[13] 前記VWF分子と前記第VIII因子分子とを別々に投与する、[12]項に記載した使用のためのVWF分子。
[14] [1]〜[9]項の何れか1項に記載のVWF分子を含む医薬組成物。
[15] (i)[1]〜[9]項の何れか1項に記載のVWF分子と、(ii)第VIII因子分子とを含む医薬キット。
[16] 前記VWF分子と前記第VIII因子分子とを別々の組成物中に含む[15]項に記載の医薬キット。
[17] 血液凝固障害の治療において、同時に、別々に、又は逐次使用するための、(i)[1]〜[9]項の何れか1項に記載のVWF分子と、(ii)第VIII因子分子とを含む医薬キット。
[18] 第VIII因子の半減期をインビボで増加させるための[1]〜[9]項の何れか1項に記載のVWF分子の使用。
[19] 治療処置において第VIII因子の半減期を延長するのに使用するための[1]〜[9]項の何れか1項に定義したVWF分子。
[20] [1]〜[9]項の何れか1項に記載のVWF分子の有効量を被験者に投与することを含む、インビボでの第VIII因子の半減期を増加する方法。
[21] [1]〜[9]項の何れか1項に記載のVWF分子の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、血液凝固障害を治療する方法。
成熟VWF単量体のドメイン構造、機能的結合部位及びグリカン位置 VWF単量体のタンパク質構造では、A、C及びDドメインと名付けた内部相同性の領域を示す。VWFは、ある範囲の生物学的機能を有する多数のリガンドと相互作用する。各成熟VWF単量体は、図示するように分布した13箇所のN−連結(上向き矢印)及び10箇所のO−連結(下向き矢印)グリコシル化部位を含む。グリコシド結合に関与するアミノ酸の配列番号を示す。VWF成熟サブユニット構造の改訂された注釈はZhouら、(2012)Blood 120(2):449−458からの適正化と修正によるものである トリプシンVWF断片を可溶性CLEC10Aと共にインキュベートした後の溶出画分で検出した主要なO−グリカン(NeuGc=N−グリコリルノイラミン酸、GlcNAc=N−アセチルグルコサミン、Gal=ガラクトース、GalNAc=N−アセチルガラクトサミン) コア2グリカン(A)、1つのNeuGc残基を有するコア1グリカン(B)、及びジサッカリドGlcNAcβ1,3Galで伸長したコア2グリカン(C)を、溶出画分中に存在する主要なO−グリカン構造として同定した。トリプシンVWF断片を可溶性CLEC10Aと共にインキュベートし、結合したVWFペプチドを洗浄及び溶出した後、遊離グリカンのMALDI−TOF−MS分析から、CLEC10Aとのインキュベーション前の出発物質と比較した場合、グリカン構造A(濃度因子>40)、B(因子9)及びC(因子7)が顕著に富化していることを示した。 表示された3種のO−グリカンは、検出されたすべてのO−グリカン構造の約80%を代表したものである(40%は構造Bに関連し、A及びCはそれぞれ20%を占めた)。
第1の態様において、本発明は、アミノ酸位置2298にO−グリコシル化部位を欠失したC1ドメインを含む、第VIII因子に結合し得る改変したフォンヴィレブランド因子(VWF)分子に関する。
VWF
本明細書で使用する用語「フォンヴィレブランド因子」(VWF)とは、天然に存在する(天然)VWFを含むが、その変異体をも含み、例えば、断片、融合タンパク質又は、コンジュゲート、又は1種若しくはそれ以上の残基を挿入、欠失又は、置換した配列変異体であり、生物学的活性を保持している天然のVWFである。もし、VWF変異体が野生型の少なくとも1種の生物学的活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%を保持しているならば、本発明の意味において生物学的活性が保持されていることになる。野生型VWF及びその変異体の生物学的活性は、リストセチン補因子活性に関する方法(Federici AB ら、2004.Haematologica 89:77−85)、血小板糖タンパク質複合体Ib−V−IXのGPIbαへのVWFの結合(Suckerら.2006.Clin Appl Thromb Hemost.12:305−310)、又は、コラーゲン結合アッセイ(Kallas&Talpsep.2001.Annals of Hematology 80:466−471)、又は第VIII因子結合アッセイ(Veyradier et al.(2011)Haemophilia,vol.17,pp944−951).を使用して、当業者により、決定することができる。
ヒト天然VWFをコードする遺伝子は、推定分子量310,000Daを有する2813アミノ酸のプレプロポリペプチドに翻訳される9kbのmRNAに転写される。プレプロポリペプチドは、22アミノ酸シグナルペプチド、741アミノ酸プロポリペプチド(配列番号2のアミノ酸23〜763)及び成熟サブユニット(配列番号2のアミノ酸764〜2813)を含む。N末端からの741アミノ酸のプロポリペプチドの切断は、2050アミノ酸からなる成熟VWFを生じる。ヒト天然VWFプレプロポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号2に示される。特に指示しない限り、本出願におけるVWF残基のアミノ酸番号付けは、たとえ、VWF分子が配列番号2の全ての残基を含まなくても、配列番号2を意味する。本明細書で使用する用語「VWF」は、特に指示しない限り、成熟型VWFを意味する。
天然のVWFのプロポリペプチドは複数のドメインを含む。異なるドメイン注釈は、文献に見出すことができる(例えば、Zhouら(2012)Blood 120(2):449−458を参照)。本出願では、VWFの天然プレプロペプチドには以下のドメイン注釈を適用している(図1も参照)。
D1−D2−D’−D3−A1−A2−A3−D4−C1−C2−C3−C4−C5−C6−CK
配列番号2を参照すると、D’ドメインはアミノ酸764〜865からなり、D3ドメインはアミノ酸866−1242からなり、かつ、C1ドメインはアミノ酸2255−2388からなる。
「改変した」VWF分子は、成熟ヒト天然VWFのアミノ酸配列(配列番号2のアミノ酸764−2813)とは異なるアミノ酸配列を有する。
本発明の改変VWF分子は、アミノ酸位置2298にO−グリコシル化部位を欠失したVWFのC1ドメインを含む。本発明の改変VWF分子に含まれるC1ドメインのアミノ酸配列は、アミノ酸配列番号2の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸2255〜2328と同一の配列を有する。
好ましい実施形態では、配列番号2のアミノ酸2255〜2328中に存在する1個、2個又は3個(但しそれを超えない)のアミノ酸は、本発明の改変VWF分子内に含まれるC1ドメインにおいて欠失しているか及び/又は置換されている。
第1の実施形態では、本発明の改変VWF分子は、3種のアミノ酸を除く、配列番号2のアミノ酸2255〜2328を含み、3種のアミノ酸の各々が欠失しているか、又は配列番号2内の夫々の位置に存在しないアミノ酸で置換されている。即ち、本発明の改変VWF分子のC1ドメインのアミノ酸配列は、配列番号2のC1ドメインのアミノ酸配列とは、3種(そして、それを超えない)のアミノ酸が異なる。
第2の実施形態では、本発明の改変VWF分子は、2種のアミノ酸を除く配列番号2のアミノ酸2255〜2328を含み、前記2種のアミノ酸の夫々れが欠失しているか、配列番号2の中の夫々の位置に存在しないアミノ酸で置換されている。即ち、本発明の改変VWF分子のC1ドメインのアミノ酸配列は、配列番号2のC1ドメインのアミノ酸配列と2種(そして、それを超えない)のアミノ酸が異なる。
第3の実施形態では、本発明の改変VWF分子は、1種のアミノ酸を除く配列番号2のアミノ酸2255〜2333を含み、前記1種のアミノ酸は欠失しているか、又は配列番号2の中の夫々の位置に存在しないアミノ酸で置換されている。即ち、本発明の改変VWF分子のC1ドメインのアミノ酸配列は、配列番号2のC1ドメインのアミノ酸配列とは1種(そして、それを超えない)のアミノ酸が異なる。
好ましくは、VWFアミノ酸配列の2298位のO−グリコシル化部位は、2298位のスレオニンを欠失させるか、又はそれを異なるアミノ酸、好ましくはスレオニン及びセリン以外のアミノ酸で置換することによって不活性化される。
従って、本発明は、更なる実施形態において、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む改変VWF分子を提供するものである。好ましい態様において、本発明のVWF分子は、
・ Xaaが存在しない配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがグリシンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアラニンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアルギニンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアスパラギンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアスパラギン酸である配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがシステインである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがグルタミン酸である配列番号10に示されるアミノ酸配列。
・ Xaaがグルタミンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがヒスチジンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがイソロイシンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがロイシンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがリジンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがメチオニンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがフェニルアラニンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがプロリンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがトリプトファンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがチロシンである配列番号10に示されるアミノ酸配列、又は
・ Xaaがバリンである配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む。
通常、本発明の改変VWF分子は、D’D3ドメインを更に含む。好ましくは、改変VWF分子は、配列番号2のアミノ酸764〜1242、又は配列番号2のアミノ酸764〜1242からなるアミノ酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%が同一の配列を有するアミノ酸配列を含む。
更なる実施形態では、本発明の改変VWF分子は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。好ましい態様において、本発明のVWF分子は、
・ Xaaが存在しない配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがグリシンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアラニンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアルギニンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアスパラギンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがアスパラギン酸である配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがシステインである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがグルタミン酸である配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがグルタミンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがヒスチジンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがイソロイシンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがロイシンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがリジンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがメチオニンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがフェニルアラニンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがプロリンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがトリプトファンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、
・ Xaaがチロシンである配列番号11に示されるアミノ酸配列、又は
・ Xaaがバリンである配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む又はからなる。
或いは、2298位のO−グリコシル化部位は、欠失により、又は、グリコシルトランスフェラーゼによるグリコシル化部位の認識に関与する1種又はそれより多いアミノ酸と置換することによって不活性化される。推定グリコシル化モチーフは、VWFのアミノ酸2292−2303を含む。一実施形態では、2295位、2297位及び/又は2302位の少なくとも1個のプロリンを欠失しているか、又は異なるアミノ酸で置換されている。或いは、2292位、2293位及び/又は2303位の少なくとも1個のトレオニンを欠失しているか、又は異なるアミノ酸で置換されている。
本発明の改変VWF分子は、第VIII因子分子に結合が可能であり、及び/又はD’ドメイン及びD3ドメイン(例えば、配列番号3のD’ドメイン及びD3ドメイン)を含む。好ましくは、改変VWF分子は、ヒト天然型第VIII因子の成熟形態に結合し得る。別の実施形態では、改変VWF分子は、アミノ酸配列番号12からなる単鎖第VIII因子分子に結合し得る。
VWFの第VIII因子への結合は、以前報告された方法の記述(Veyradierら(2011)Haemophilia、17巻、944−951頁)に基づいて、商業的に頒布されている、即用ELISAキット(Asserachrom VWF:FVIIIB、Diagnostica Stago、Asnieres、France)を用いて決定することができる。試料は、試験キットの供給者によって夫々定義された即用式希釈緩衝液で希釈される。試験される試料中に存在するVWFは、マイクロタイタープレート上にプレコートされたウサギ抗ヒトVWFポリクローナル抗体によって捕捉される。その後、潜在的に付随する内因性FVIIIは、VWFから解離し、排除される。捕捉されたVWFと相互作用した組換えFVIIIを添加した後、ペルオキシダーゼと結合したマウスモノクローナル抗ヒトFVIII抗体を付着したFVIIIに結合させ、引き続く基質反応を5分間の反応時間後、1M硫酸で停止し、450nmで光度測光法で定量した。試験結果は、試験キット関連の基準を用いて計算する。
或いは、フローサイトメトリー/平衡結合アッセイを利用することが出来る、例えば、Bendetowiczら、(1998)Blood、vol 92、No2:pp529−538。
第VIII因子
用語「第VIII因子」と「FVIII」とは、本明細書において同義語として使用する。 「FVIII」は、ある個体から別の個体に存在して発生し得るFVIIIの天然の対立遺伝子変異を含む。FVIIIは、周知の産生及び精製方法を用いて、血漿由来で又は、組換え的に産生しても良い。グリコシル化、チロシン硫酸化及び他の翻訳後改変の程度及び位置は、選択された宿主細胞及びその増殖条件に依存して変化し得る。
用語FVIIIには、FVIII類似体が含まれる。本明細書で使用する用語「FVIII類似体」とは、FVIIIの野生型アミノ酸配列(即ち、UniProt識別子P00451によって定義される配列)と比較して1種又はそれ以上のアミノ酸が置換又は、欠失しているFVIII分子(完全長又は、B−領域切断/欠失)を、又は、B領域切断/欠失FVIII分子については、そのアミノ酸配列に対応する部分を意味する。FVIII類似体は天然では存在しないが、ヒトの操作によって得られる。本発明に従って使用する第VIII因子分子は又、B領域切断/欠失FVIII分子であっても良く、ここで残された領域は、FVIII野生型アミノ酸配列のアミノ酸番号1−740及び1649−2332に示されるような配列に対応する。B−領域欠失FVIII分子の他の形態は、a3領域に部分的欠失を更に有し、単鎖FVIII分子をもたらす。
これらのFVIII分子は、形質転換された、好ましくは哺乳動物由来の宿主細胞内で組換えた分子であることになる。然しながら、B領域欠失FVIII(即ち、3つのA領域、2つのC領域、及びa1、a2及びa3領域)内の残りの領域は、僅かに、例えば各々の野生型アミノ酸配列(アミノ酸1−740及び1649−2332)から約1%、2%、3%、4%又は、5%、異なり得る。
本発明に従って使用されるFVIII分子は、二本鎖FVIII分子又は、一本鎖FVIII分子であっても良い。本発明の組成物に含まれるFVIII分子は又、生物学的に活性なFVIIIの断片であっても良く、即ち、B領域以外の領域が欠失若しくは切断されてはいるが、欠失/切断された形態内でFVIII分子は、血餅の形成を補助するその能力を保持している。FVIII活性は、当該分野で周知の技術を用いてインビトロで評価することが出来る。本発明によるFVIII活性を決定するための好ましい試験は、発色基質アッセイ又は、1段階アッセイ(下記参照)である。アミノ酸の改変(置換、欠失等)を残りの領域等の中に導入して、例えば、(VWF)、低密度リポタンパク質受容体の関連タンパク質(LPR)、種々の受容体、他の凝固因子、細胞表面など種々の他の成分で、第VIII因子の結合能力を改変しても良く、又は、グリコシル化部位などを導入及び/又は、廃止しても良い。本発明の組成物における使用のためにFVIII活性を消失させない他の変異体もまた、FVIII分子/類似体中で適応し得る。
FVIII類似体は又、親ポリペプチドの1種若しくはそれ以上のアミノ酸残基が欠失し、又は、他のアミノ酸残基で置換したFVIII分子を含み、及び/又は、追加的にアミノ酸残基が親FVIIIポリペプチドに付加されている。
更に、第VIII因子分子/類似体は、例えば、切断されたB−領域内に、及び/又は、分子(「FVIII誘導体」)の1種若しくはそれ以上の他の領域内に、他の改変を含み得る。 これらの他の改変は、第VIII因子分子にコンジュゲートした種々の分子の形態、例えば、高分子化合物、ペプチド化合物、脂肪酸由来化合物等でも良い。
用語FVIIIは、グリコPEG化FVIIIを含む。本明細書の文脈上、用語「グリコPEG化FVIII」とは、第VIII因子分子(全長FVIII及びB領域切断/欠失FVIIIを含む)を指定することを意図しており、ここで、1種若しくはそれ以上のPEG基がポリペプチドの多糖類側鎖(グリカン)を介してFVIIIポリペプチドに結合している。
用語FVIIIは、保護基又は、半減期延長部位を有するFVIII分子を含む。用語「保護基」/「半減期延長部部位」とは、本明細書では、1種若しくはそれ以上のアミノ酸サイト鎖官能基に結合した1種若しくはそれ以上の−SH、−OH、−COOH、−CONH、−NHなどの化学基、又は、1種若しくはそれ以上のN−及び/又は、O−グリカン構造を意味し、しかも、これらのタンパク質/ペプチドにコンジュゲートした場合、多数の治療タンパク質/ペプチドのインビボ循環半減期を延長し得るものを意味すると理解する。保護基/半減期延長部位の例としては、生体適合性脂肪酸及びその誘導体、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)、例えば、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、ポリ(Glyx−Sery)n(ホモアミノ酸ポリマー(HAP))、ヒアルロン酸(HA)、ヘパロサンポリマー(HEP)、ホスホリルコリン系ポリマー(PCポリマー)、Fleximer(登録商標)ポリマー(Mersana Therapeutics社製,MA,USA)、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、Fc領域、トランスフェリン、アルブミン、エラスチン様ペプチド、XTEN(登録商標)ポリマー(Amunix社製、CA、USA)、アルブミン結合ペプチド、フォンヴィレブランド因子断片(vWF断片)、カルボキシル末端ペプチド(CTPペプチド、Prolor Biotech社製、IL)、及びそれらの任意の組合わせ(例えば、McCormick、CL、AB Lowe及びN.Ayres、Water−Soluble Polymers、in Encyclopedia of Polymer Science and Technology、2002、John Wiley&Sons、Inc.)。誘導体化の手法には重大な意味はなく、上記から解明することができる。
本発明に従って使用し得るFVIII分子としては、異種アミノ酸配列に融合したFVIIIアミノ酸配列、好ましくは半減期延長アミノ酸配列を含む融合タンパク質が挙げられる。好ましい融合タンパク質としては、Fc融合タンパク質及びアルブミン融合タンパク質である。本明細書において、用語「Fc融合タンパク質」とは、任意の抗体アイソタイプに由来し得るFc領域に融合したFVIIIを包含した意味を有する。IgG Fc領域は、IgG抗体の循環半減期が比較的長いため、好ましいことが多い。Fc領域を、更に改変し、例えば結合を補完し及び/又は、特定のFc受容体へ結合する等の、特定のエフェクター機能、を調節しても良い。FcRn受容体に結合する能力を有するFc領域とFVIIIとの融合は、一般に、野生型FVIII(wt FVIII)の半減期と比較して、融合タンパク質の循環半減期を延長させるであろう。本発明における使用のためのFVIII分子は、FVIII類似体の誘導体、例えば、FVIII類似体の融合タンパク質、PEG化又は、グリコPEG化FVIII類似体又は、又は、ヘパロザンポリマーとコンジュゲートしたFVIII類似体等でも良い。本明細書において、「アルブミン融合タンパク質」という用語は、アルブミンアミノ酸配列又は、その断片に、若しくはその誘導体に融合したFVIIIを包含した意味を有する。異種アミノ酸配列を、FVIIIのN末端やC末端に融合しても良く、又、FVIIIアミノ酸配列内部に挿入しても良い。異種アミノ酸配列は、国際特許公開第2008/077616号に記載されている「半減期延長ポリペプチド」の何れでもよく、その開示は参照により本明細書に組込まれる。
本発明の組成物で使用するためのFVIII分子の例としては、例えば、国際特許公開第2010/045568号、国際特許公開第2009/062100号、国際特許公開第2010/014708号、国際特許公開第2008/082669号、国際特許公開第2007/126808、米国特許公開第2010/0173831号、米国特許公開第2010/0173830号、米国特許公開第2010/0168391号、米国特許公開第2010/0113365号、米国特許公開第2010/0113364号、国際特許公開第2003/031464号、国際特許公開第2009/108806号、国際特許公開第2010/102886号、国際特許公開第2010/115866号、国際特許公開第2011/101242号、国際特許公開第2011/101284号、国際特許公開第2011/101277号、国際特許公開第2011/131510号、国際特許公開第2012/007324号、国際特許公開第2011/101267号、国際特許公開第2013/083858、及び国際特許公開第2004/067566に記載されたFVIII分子を含む。
本発明の組成物に使用し得るFVIII分子の例としては、Advate(登録商標)、Helixate(登録商標)、Kogenate(登録商標)、Xyntha(登録商標)の活性成分ならびに国際特許公開第2008/135501号、国際特許公開第2009/007451号に記載されたFVIII分子、及び国際特許公開第2004/067566号の「dBN(64−53)」と命名した構築物(SEQ ID NO:12)を含む。
凝固障害の治療
本発明の改変したVWF分子は、限定する訳ではないが、血友病及びフォンヴィレブランド病を含む凝固障害の治療に有用である。好ましくは、該疾患は、血友病A又は、フォンヴィレブランド病である。
用語「血友病A」とは、機能性凝固FVIIIの欠損を意味し、通常遺伝性である。
用語「フォンヴィレブランド病」(VWD)とは、VWFの定性的又は、定量的欠損に関連する凝固異常を意味する。
疾患の治療は、いずれかの臨床段階又は、症状において既に疾患の任意の形態を有すると診断された患者の治療を包含し、発症又は進展又は悪化、症状の憎悪、又は疾患の徴候の遅延、及び/又は、疾患の重篤度を予防及び/又は、低減することを含む。
本発明の改変したVWF分子を投与する「被験者」又は、「患者」は、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)又は、霊長類(例えば、サル又は、ヒト)等の哺乳類でも良い。特定の態様において、ヒトは小児患者である。他の態様において、ヒトは成人患者である。
本発明の改変したVWF分子、及び、場合により1種又は、それ以上の追加治療薬、例えば、以下に記載の第2の治療薬、を含む組成物を本明細書に記載する。 組成物は、通常は、薬学的に許容される担体を含む無菌の医薬組成物の一部として供給される。この組成物は、(患者に投与する所望の方法に応じて)適切であれば任意の形態でも良い。
本発明の改変したVWF分子は、経口、経皮、皮下、鼻腔内、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内、局所的又は、局部的等種々の経路により、患者に投与しても良い。与えられる如何なる場合でも投与のために最も適切な経路は、特定の抗体、被験者、及び疾患の性質及び重症度ならびに被験者の体調に依存する。通常は、本発明の改変したVWF分子を静脈内投与する。
通常の実施形態では、本発明の改変したVWF分子は、静脈内投与を可能にするのに十分な濃度0.5mg/kg〜20mg/kgで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物及び方法における使用に適した改変したVWF分子の濃度としては、0.5mg/kg、0.75mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、13mg/kg、14mg/kg、15mg/kg、16mg/kg、17mg/kg、18mg/kg、19mg/kg、20mg/kg、又は、前記の何れかの値の間の範囲の濃度、例えば、1mg/kg〜10mg/kg、5mg/kg〜15mg/kg、又は、10mg/kg〜18mg/kgを含むが、これに限定する訳ではない。
改変したVWF分子の有効用量は、単回(例えば、ボーラス)投与、複数回投与又は、連続投与当たり約0.001〜約750mg/kgの範囲で良く、又は、(例えば、ボーラス)投与、複数回の投与又は、連続投与で、血清濃度0.01〜5000μg/mlの血清濃度を達成することができ、又は、投与する対象の症状、投与経路及び対象の年齢、体重、及び状態に依存するがその中の任意の有効な範囲又は、値で良い。特定の実施形態では、各用量は、体重1キログラム当たり約0.5mg〜約50mg又は、体重キログラムあたり約3mg〜約30mgの範囲で良い。改変したVWF分子は、水溶液として製剤化しても良い。
医薬組成物は、用量当たり所定量の本発明の改変したVWF分子を含有する単位用量形態で簡便に提供することができる。その単位は、0.5mg〜5gであり、例えば、1mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、750mg、1000mg、又は、前記値の何れか2つの間の任意の範囲、例えば10mg〜1000mg、20mg〜50mg、又は、30mg〜300mgであるが、これに限定する訳ではない。薬学的に許容される担体は、例えば、治療される状態又は、投与経路に応じて多種多様な形態を採り得る。
本発明の改変したVWF分子を用いる有効投薬量、総用量数及び治療期間の決定は、当業者の能力の範囲内に十分納まり、標準的な用量増量試験を用いて決定しても良い。
本明細書に記載した方法に適した本発明の改変したVWF分子の治療用製剤は、凍結乾燥製剤又は、水溶液として保存するために調製しても良く、所望の程度の純度を有する改変したVWF分子を、当該分野で通常使用される任意の薬学的に許容される担体、賦形剤又は、安定剤(これら全てを本明細書で担体と称す)即ち、緩衝剤、安定化剤、保存剤、等張剤、非イオン性界面活性剤、酸化防止剤、及びその他の種々の添加剤と混合する。Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版(Osol、編.1980)を参照のこと。このような添加剤は、使用される用量及び濃度でレシピエントに対して無毒でなければならない。
緩衝剤は、生理学的条件を近似する範囲のpHを維持するのに役立つ。それらは、約2mM〜約50mMの範囲の濃度で提供し得る。適切な緩衝剤としては有機及び無機酸の両方、及びその塩であり、クエン酸塩緩衝液(例、クエン酸一ナトリウム−クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸三ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸塩緩衝液(例、コハク酸−コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸−水酸化ナトリウム混合物、コハク酸−コハク酸二ナトリウム混合物など)、酒石酸塩緩衝剤(例、酒石酸−酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸−酒石酸カリウム混合物、酒石酸−水酸化ナトリウム混合物、フマル酸塩緩衝液(例、フマル酸−フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸−フマル酸二ナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム−フマル酸二ナトリウム混合物等)、グルコン酸塩緩衝液(例、グルコン酸−グルコン酸ナトリウム混合物、グルコン酸-水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸−グルコン酸カリウム混合物等)、シュウ酸塩緩衝液(例、シュウ酸−シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸−水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸−シュウ酸カリウム混合物、等)、乳酸塩緩衝液( 例、乳酸−乳酸ナトリウム混合物、乳酸-水酸化ナトリウム混合物、乳酸−乳酸カリウム混合物等)及び酢酸塩緩衝液(例、酢酸−酢酸ナトリウム混合物、酢酸-水酸化ナトリウム混合物等)等を含む。更に、リン酸塩緩衝液、ヒスチジン緩衝液及びトリスなどのトリメチルアミン塩を使用しても良い。
保存剤を、微生物の増殖を遅らせるために添加しても良く、0.2%〜1%(w/v)の範囲の量を添加しても良い。適切な保存剤としては、フェノール、ベンジルアルコール、メタクレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムハライド(例、塩化物、臭化物及びヨウ化物)、塩化ヘキサメトニウム、及び、メチル若しくはプロピルパラベン等のアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、及び3−ペンタノールを挙げられる。時々は、「安定化剤」として知られる等張化剤を添加し、液体組成物の等張性を確実にしても良く、例えば、多価糖アルコール、好ましくはグリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール及びマンニトールなどの3価又はそれ以上の糖アルコールを含んでも良い。安定剤は、広範囲のカテゴリーの賦形剤を意味し、機能的に、バルキング剤から治療剤を可溶化するか、又は、変質若しくは、容器壁への付着を防止するのに役立つ添加剤までの範囲を有し得る。通常の安定化剤としては、多価糖アルコール(上記に列挙)、アルギニン、リシン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L−ロイシン、2−フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニンなどのアミノ酸、ラクトース、トレハロース、スタキオース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイノシトール、ガラクチトール、グリセロールなどであり、イノシトールなどのシクリトールを含む、有機糖又は糖アルコーを挙げられ、ポリエチレングリコール、アミノ酸ポリマー、硫黄含有還元剤、例えば尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、α−モノチオグリセロール及びチオ硫酸ナトリウム、低分子量ポリペプチド(例、10又はそれ以下の残基を有するペプチド)、タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン又は、免疫グロブリンなど、親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、単糖類、例えばキシロース、マンノース、フルクトース、グルコースなど、二糖類、例えばラクトース、マルトース、スクロース及び三糖類、例ラフィノースなど、及び多糖類 例デキストランなどを挙げられる。安定化剤は、活性タンパク質1重量部当たり0.1〜10,000重量の範囲で存在することができる。
非イオン性表面活性剤又は、界面活性剤(「湿潤剤」としても知られている)を添加して、治療剤の可溶化を補助するとともに、撹拌により誘発される凝集から治療用タンパク質を保護し、又、製剤がタンパク質の変質を引き起こすことなく、せん断面応力に曝されるのを可能にする。適切な非イオン性表面活性剤は、ポリソルベート(20,80等)、ポリオキサマー(184,188等)、プルロニックポリオール、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN(登録商標)−20、TWEEN(登録商標)−80等)を含む。非イオン性表面活性剤は、約0.05mg/ml〜約1.0mg/mlの範囲で、又は、約0.07mg/ml〜約0.2mg/mlの範囲で存在し得る。
更に他の種々の賦形剤としては、バルキング剤(例えばデンプン)、キレート化剤(例えばEDTA)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE)、及び共溶媒が挙げられる。
本明細書の製剤は又、改変したVWF分子の他に第2の治療剤を含有しても良い。第2の治療薬として適切な例を以下に示す。
投与スケジュールは、月に1度から毎日と、変動し得るが、疾患の型、疾患の重症度、及び本発明の改変したVWF分子に対する患者の感受性を含む臨床的因子の数に依拠する。特定の実施形態では、本発明の改変したVWF分子を、毎日、週に2回、週に3回、5日毎に、10日毎に、2週間毎に、3週間毎に、4週間毎に、又は1ヶ月に1回、又は前述の値のうちの任意の2つの値の間の任意の範囲、例えば、4週間から一月毎、10日から2週間毎、又は、1週間に2〜3回などに投与する。
投与される本発明の改変したVWF分子の投与量は、特定の本発明の改変したVWF分子、被験体、及び疾患の性質及び重症度、被験者の体調、治療計画(例えば、第2の治療剤を使用するかどうか)、及び選択された投与経路に従って変動し、適切な投薬量は、当業者により、直ちに決定され得る。
本発明の改変したVWF分子の個々の投薬量の最適な量及び間隔は、治療される状態の性質及び程度、投与の形態、経路及び部位、及び治療を受ける特定の被験者の年齢及び状態により決定され、しかも使用する適切な投薬量を最終的に医師が決定するものであることは当業者には認識されるであろう。この投薬量は、適切な回数繰り返しても良い。もし、副作用が発現する場合、投薬の量及び/又は頻度は、標準的臨床基準に従って、変更や低減しても良い。
併用療法
好ましくは、本発明の改変したVWF分子を用いる治療を受けている患者は、又、従来の凝固障害の療法の治療も受ける。例えば、血友病に罹患している患者は、通常、血液凝固因子、VIII(第VIII因子)を用いる治療も受けている。
本発明に従って使用される組成物中の第VIII因子の濃度は、通常、10〜10,000IU/mLの範囲である。異なる実施形態において、本発明の組成物中のFVIII分子の濃度は、10〜8,000IU/mL、又は、10〜5,000IU/mL、又は、20〜3,000IU/mL、又は、50〜1500IU/mL、又は3,000IU/mL、又は、2,500IU/mL、又は、2,000IU/mL、又は、1,500IU/mL又は、1,200 IU/mL、又は、1,000IU/mL、又は、800IU/mL、又は、600IU/mL、又は、500IU/mL、又は、400IU/mL、又は、300IU/mL、又は、250IU/mL、又は、200IU/mL、又は、150IU/mL、又は、100IU/mLである。
「国際単位」又は、「IU」は、FVIII活性アッセイ、例えば、一次段階凝固アッセイ又は、発色基質FVIII活性アッセイ等により測定されるFVIIIの血液凝固活性(効力)の測定単位であり、「IU」で較正した国際標準製剤に対する標準の較正を用いる。N Lee、Martin Lら、An Effect of Predilution on Potency Assays of FVIII Concentrates,Thrombosis Research(Pergamon Press社)30,511,519(1983年)に記載されているような、一段階凝固アッセイ法が当該技術分野に知られている。一段階アッセイの原理。この試験は、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)アッセイの改良版として実施される。血漿とリン脂質及び表面活性化剤とのインキュベーションにより、内因性凝固系の因子が活性化する。カルシウムイオンの添加が、凝固カスケードのトリガーとなる。測定可能なフィブリン血餅の形成までの時間を測定する。アッセイは、第VIII因子欠損血漿の存在下で実施される。その欠損血漿の凝固能力は、試験される試料に含まれる凝固因子VIIIによって回復される。凝固時間の短縮は、試料中に存在する第VIII因子の量に比例する。凝固第VIII因子の活性は、活性既知の標準的な第VIII因子の製剤の国際単位と直接比較することによって定量化される。
別の標準的なアッセイは、発色基質アッセイである。発色基質アッセイは、coamatic FVIII試験キット(Chromogenix−Instrumentation Laboratory SpA V.le Monza 338−20128 Milano、Italy)などの市販品を購入しても良い。発色アッセイの原理。カルシウム及びリン脂質の存在下で、第IXa因子により、第X因子が第Xa因子に活性化される。この反応は補因子としての第VIIIa因子によって刺激される。FVIIIaは、測定すべき試料中のFVIII由来の反応混合物中の少量のトロンビンにより形成される。最適濃度のCa2+、リン脂質及び第IXa因子及び過剰量の第X因子を使用する場合、第X因子の活性化は第VIII因子の効力に比例する。活性化した第X因子は発色基質S−2765から発色団pNAを放出する。従って、405nmで測定するpNAの放出は、形成したFXaの量に比例し、従って、サンプルの第VIII因子活性にも比例する。
一実施形態では、治療は、血友病、好ましくは血友病Aに罹患している患者に、本発明の改変VWF分子及び第VIII因子を投与することを含む。
別の実施形態では、治療は、本発明の改変VWF分子及びCLEC10Aに結合し得る化合物を、VWD又は血友病、好ましくは血友病Aに罹患している患者に投与することを含む。
さらに別の実施形態では、治療は本発明の改変VWF分子、第VIII因子分子、及びCLEC10Aに結合し得る化合物を、血友病、好ましくは血友病Aに罹患している患者に、投与することを含む。
特定の実施形態では、本発明の改変VWF分子及び第2の治療剤(例えば、第VIII因子及び/又はCLEC10Aに結合し得る化合物)を同時に投与する。別の実施形態では、本発明の改変VWF分子及び第2の治療剤(例えば、第VIII因子及び/又はCLEC10Aに結合し得る化合物)を別々に投与する。本発明の改変VWF分子及び第2の治療剤(例えば、第VIII因子及び/又はCLEC10Aに結合し得る化合物)の投与の間の時間は、特に限定されない。本発明の改変VWF分子は、CLEC10Aに結合し得る化合物の前に投与するが好ましい。
CLEC10A
CLEC10Aは、マクロファージGal型レクチンとしても知られており、CLECファミリーのヒトII型膜貫通型受容体タンパク質である。更に、C型レクチンスーパーファミリーメンバー14、マクロファージレクチン2及びCD301は同義語である。CLEC10Aは、肝臓ASGPRタンパク質と密接に関連しているが、中間単球、マクロファージ及び樹状細胞によって発現される。 本明細書で使用される場合、用語「CLEC10A」は、識別子Q8IUN9−1、Q8IUN9−2、及びQ8IUN9−3の内の1つのもとでUniProtデータベース内に示されるようなアミノ酸配列を有するか又はそれからなるヒトタンパク質を意味する。最も好ましくは、CLEC10Aは、識別子Q8IUN9−1の1つでUniProtデータベース内に示されるようなアミノ酸配列を含むか又はそれからなる。
CLEC10Aに結合し得る化合物
CLEC10Aに結合し得る化合物(以下、「化合物」という)の種類や分類は特に限定されない。然しながら、好ましくは、化合物はペプチド又は、ポリペプチドであり、最も好ましくは化合物は抗体又は、その断片である。
本明細書で使用する用語「抗体」とは、免疫グロブリン分子を意味し、特定の抗原と結合、又は、免疫学的に反応性を示し、かつポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、遺伝子操作抗体及びその他の改変した形態の抗体を含み、抗体としては、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、ヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディ)、単一領域抗体(ナノボディ)及び抗体の抗原結合断片、例えばFab’、F(ab’)2、Fab、Fv、rIgG及びscFvなど、を含むが、これに限定する訳ではない。更に、特に示さない限り、用語「モノクローナル抗体」(mAb)は、無処置の分子、ならびにタンパク質に結合し得る抗体断片(例えば、Fab及びF(ab’)2断片)の両方を含むことを意味する。Fab及びF(ab’)2断片は、無処置の抗体のFc断片を欠損しており、動物又は、植物の循環からより迅速に除去され、無処置の抗体よりも非特異的組織結合が少ない可能性がある(Wahlら、1983、J Nucl。Med。24:316)。
本発明で使用する抗体は、CLEC10Aの少なくとも1つの変異体に結合し得る。他の実施形態では、抗体はCLEC10Aの細胞外ドメイン、例えばCLEC10Aのアミノ酸配列のアミノ酸61〜316内のエピトープに結合し得る。好ましくは、抗体はCLEC10Aのレクチン結合部位に結合する。
又、抗体がCLEC10Aに特異的に結合することも好ましい。一実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、以下の受容体、ASGPR1、CLEC10A、COLEC12、CLEC4F、CLEC4M、SCARA5及びMMRの全てに結合し得ない。別の実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、ASGPR1(UniProt識別子:P07306)には結合し得ない。別の実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、COLEC12(UniProt識別子、Q5KU26)には結合し得ない。別の実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、CLEC4F(UniProt識別子、Q8N1N0)には結合し得ない。別の実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、CLEC4M(UniProt識別子、Q9H2X3)には結合し得ない。別の実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、SCARA5(UniProt識別子、Q6ZMJ2)には結合し得ない。別の実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、MMR(UniProt識別子、P22897)には結合し得ない。更に別の実施形態では、抗体はCLEC10Aに結合し得るが、以下の受容体、ASGPR1、CLEC10A、COLEC12、CLEC4F、CLEC4M、SCARA5及びMMR、の何れの1種にも結合し得ない。
別の実施形態では、抗体は、CLEC10Aの少なくとも1種のマウスオルソログに結合し得る。その実施形態において、抗体は、MGL1、MGL2、又は、MGL1及びMGL2の両方に結合し得る。抗体は、UniProt識別子番号P49300に定義されるアミノ酸配列を有するか又は、それからなるタンパク質に結合し得る。この抗体は、UniProt識別子番号F8WHB7に定義されるアミノ酸配列を有するか又は、それからなるタンパク質に結合し得る。抗体は、UniProt識別子番号Q8JZN1に定義されるアミノ酸配列を有するか又は、それからなるタンパク質に結合し得る。
別の実施形態では、抗体はCLEC10Aのラットオルソログに結合し得る。別の実施形態では、抗体はCLEC10Aのウサギオルソログに結合し得る。別の実施形態では、抗体は、CLEC10Aのカニクイザル(macaca fascicularis)オルソログ、及び/又はアカゲザル(macaca mulatta)オルソログに結合し得る。
CLEC10A及び抗体によって形成される複合体の解離定数Kは、好ましくは100nM未満、より好ましくは10nM未満、最も好ましくは5nM未満である。通常、Kは、約10pM〜約100nM、又は、約100pM〜約10nM、又は、約500pM〜約5nMの範囲である。
好ましくは、本発明で使用する抗体はモノクローナル抗体である。本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」とは、ハイブリドーマ技術によって産生される抗体に限定されない。用語「モノクローナル抗体」は、任意の真核生物、原核生物又は、ファージクローンを含む単一のクローンに由来する抗体を意味し、それが産生される方法ではない。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え、及びファージディスプレイ技術、又は、それらを組合わせる使用を含む、当該分野で公知の多種多様な技術を用いて調製しても良い。(Harlow and Lane、“Antibodies、A Laboratory Manual”、CSH Press 1988、Cold Spring Harbor、NY)。
ヒトにおける抗CLEC10A抗体のインビボでの使用を含む他の実施形態では、キメラ、霊長類化された、ヒト化された、又は、ヒト抗体を使用しても良い。好ましい実施形態では、抗体はヒト抗体又は、ヒト化抗体であり、より好ましくはモノクローナルヒト抗体又は、モノクローナルヒト化抗体である。
本明細書で使用される用語「キメラ」抗体とは、例えば、ラット又は、マウス抗体等等の非ヒト免疫グロブリン、及び、通常、ヒト免疫グロブリン鋳型から選択されるヒト免疫グロブリン定常領域、から誘導される可変配列を有する抗体を意味する。キメラ抗体を産生するための方法は、当該分野で公知である。例えば、Morrison、1985、Science 229(4719):1202−7を参照のこと。Oiら、1986、BioTechniques 4:214−221、 Gilliesら、1985、J.Immunol。 Methods 125:191−202、米国特許第5,807,715号、第4,816,567号、及び第4,816,397号に記載され、これらは、その全体を参照により本明細書に組込まれる。
非ヒト(例えば、ネズミ)抗体の「ヒト化」形態は、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖又は、その断片(抗体のFv、Fab、Fab’、F(ab’)2又は、他の標的結合サブ配列など)であり、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含む。一般に、ヒト化抗体は、実質的に全ての、少なくとも1種の、及び、通常は2種の可変ドメインを含み、CDR領域の全て又は実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのそれらに対応し、かつFR領域の全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン共通配列のものである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、通常は選択されたヒト免疫グロブリン鋳型のものを含んでも良い。ヒト化は、キメラ抗体を作製するための技術であり、1種又は、それ以上のアミノ酸、又はヒト可変領域の一部分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されている。ヒト化抗体は、非ヒト種で産生した抗体分子であり、非ヒト種由来の1種又は、それ以上の相補性決定領域(CDR)を有する所望の抗原と、ヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク(FR)領域とを結合する。しばしば、ヒトフレームワーク領域内のフレームワーク残基は、CDRドナー抗体由来の対応する残基で置換され、抗原結合を改変し、好ましくは改善する。これらのフレームワーク置換は、当該分野で周知の方法によって同定され、例えばCDRとフレームワーク残基との相互作用をモデリングし、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定し、及び配列比較して、特定の位置での異常なフレームワーク残基を同定する。例えば、Riechmannら、1988、Nature 332:323−7及びQueenら、米国特許第5,530,101号、 第5,585,089号、第5,693,761号、第5,693,762号及び第6,180,370号(その各々は、その全体が参照により組込まれる)を参照のこと。抗体は、ヒト化しても良く、当該分野で周知の種々の技術としては、例えばCDR移植(欧州特許第239400号、国際特許公開第91/09967号、米国特許第5,225,539号、第5,530,101号及び第5,585,089号)、ベニアリング又は、再表面化(欧州特許第592106号、欧州特許第519596号、Padlan,1991,MoI.Immunol,28:489−498、Studnickaら、1994、Prot.Eng.7:805−814、Roguskaら、1994、Proc.Natl.Acad.Sci.91:969−973)、及びチェーンシャッフリング(米国特許第5,565,332号)を使用し、これらはすべて、参照によりその全体を本明細書に組込む。
いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、Queenらの米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、第5,693,761号、第5,693,762号及び第6,180,370号に記載されているように調製する(その各々は、その全体を参照により組込む)。
いくつかの実施形態では、抗CLEC10A抗体はヒト抗体である。完全な「ヒト」抗CLEC10A抗体は、ヒト患者の治療的処置に望ましいものとなり得る。本明細書中で使用する「ヒト抗体」とは、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、かつ、ヒト免疫グロブリンライブラリーから単離された抗体、又は、1種又はそれ以上のヒト免疫グロブリンについてトランスジェニック動物から得られた抗体を含み、しかも、内因性免疫グロブリンを発現しない。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いて上記のファージディスプレイ法を含む、当該分野で公知の種々の方法により作製出来る。米国特許第4,444,887号、及び第4,716,111号、及び国際特許公開第 98/46645号、国際特許公開第98/50433号、国際特許公開第98/24893号、国際特許公開第98/16654号、国際特許公開第96/34096号、国際特許公開第96/33735号、及び国際特許公開第91/10741号、を参照のこと、これらは、各々その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ヒト抗体はまた、遺伝子導入マウスを用いて作製出来、これらは機能的内因性免疫グロブリンを発現することはできないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができる。例えば、国際特許公開第98/24893号、国際特許公開第92/01047号、国際特許公開第96/34096号、国際特許公開第96/33735号、米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号、第5,885,793号、第5,916,771号、及び第5,939,598号を参照のこと、これらは、各々その全体が参照により本明細書に組み込まれる。選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「誘導選択(guided selection)」と称する技術を用いて産生することが出来る。この手法では、選択された非ヒトモノクローナル抗体、例えばマウス抗体を使用して、完全ヒト抗体の選択を誘導し、同じエピトープを認識する(Jespersら、1988、Biotechnology 12:89
9−903)。
いくつかの実施形態では、抗CLEC10A抗体は霊長類化抗体である。用語「霊長類化抗体」とは、サルの可変領域とヒト定常領域とを含む抗体を意味する。霊長類化した抗体を産生する方法は、当該分野で公知である。例えば、米国特許第5,658,570号、第5,681,722号 及び第5,693,780号を参照のこと、これらは、各々その全体が参照により本明細書に組込まれる。
いくつかの実施形態では、抗CLEC10A抗体は誘導体化された抗体である。例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞リガンド又は、他のタンパク質への結合(抗体コンジュゲートの考察については以下を参照のこと)などにより改変された誘導体化抗体が挙げられるが、これに 限定する訳ではない。多数の化学改変の何れも、既知の技術、特異的な化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成等、により、実施することが出来るがこれに限定する訳ではない。更に、その誘導体は、1種又はそれ以上の非古典的アミノ酸を含み得る。
いくつかの実施形態では、抗CLEC10A抗体又は、その断片は、その配列が対応する野生型配列と関連する少なくとも1種の定常領域媒介生物学的エフェクター機能を低下させるように改変された抗体又は、抗体断片であり得る。抗CLEC10A抗体を、Fc受容体への結合の減少を示すように、改変すると、抗体の免疫グロブリン定常領域セグメントはFc受容体(FcR)相互作用に必要な特定の領域で変異させることが出来る(例えばCanfield and Morrison、1991、J.Exp。Med。173:1483−1491、及びLundら、1991、J.Immunol。147:2657−2662参照のこと)。抗体のFcR結合能力の低下はまた、オプソニン作用及び貪食性及び抗原依存性細胞傷害作用のようなFcR相互作用に依存する他のエフェクター機能を低下させ得る。
更に別の態様では、抗CLEC10A抗体又は、その断片は、胎児性Fc受容体FcRnに対するそれらの結合親和性を増加又は、減少させるように改変した抗体又は、抗体断片でも良い。FcRnへの結合親和性を変更するために、抗体の免疫グロブリン定常領域セグメントは、FcRnとの相互作用に必要な特定の領域を突然変異させても良い(例えば、国際特許公開第2005/123780号参照)。FcRnに対する結合親和性が増加すると、抗体の血清半減期が増加する筈であり、FcRnに対する結合親和性が低減すると、逆に抗体の血清半減期が減少する筈である。特定の実施形態では、抗CLEC10A抗体は、重鎖定常領域のアミノ酸残基250、314及び428の少なくとも1種が未改変抗体に存在するアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基で置換されたIgGクラスである。IgGクラスの抗体には、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4の抗体が含まれる。置換は単独の位置250、314、又は428で、又はそれらの組合わせの何れかで、例えば、位置250と428とで、又は位置250と314とで、又は位置314と428とで、又は位置250と314並びに428とを、好ましい組み合わせとして位置250及び428とで行なう。各位置において、置換アミノ酸は、非改変抗体のその位置に存在するものとは異なるどのようなアミノ酸残基でも良い。位置250について、置換アミノ酸残基は、スレオニン以外のどのようなアミノ酸残基でも良く、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、バリン、トリプトファン、又は、チロシン等を含むが、これらに限定する訳ではない。位置314については、置換アミノ酸残基は、ロイシン以外のどのようなアミノ酸残基でも良く、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、又は、チロシン等を含むが、これらに限定する訳ではない。位置428では、置換アミノ酸残基は、メチオニン以外のどのようなアミノ酸残基でも良く、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、又は、チロシン等を含むが、これらに限定する訳ではない。適切なアミノ酸置換の特定の組み合わせは、国際特許公開第2005/123780号の表1と同一であり、この表は、参照によりその全体が本明細書に組込まれる。Hintonら、米国特許第7,217,797号、第7,361,740号、第7,365,168号、及び第7,217,798号も参照のこと、これらも参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
更に他の態様では、抗CLEC10A抗体は、その超可変領域の1種又はそれ以上に挿入された1種又はそれ以上のアミノ酸を有し、これは例えば米国特許公開第2007/0280931号に記載されている。
抗体コンジュゲート
いくつかの実施形態において、抗CLEC10A抗体は、抗体コンジュゲートであり、これは例えば、任意のタイプの分子を抗体へ共有結合することにより改変し、CLEC10Aへの結合を共有結合が妨害しないようにしたものである。エフェクター部分を抗体に結合させる技術は、当該分野において周知である(例えば、Hellstromら、Controlled Drag Delivery、第2版、623−53頁(Robinsonら、eds.,1987)、Thorpeら、1982、Immunol.Rev.62:119−58及びDubowchikら、1999、Pharmacology and Therapeutics 83:67−123)。
1つの実施例において、抗体又はその断片は、共有結合(例えば、ペプチド結合)を介して、場合によりN末端又はC末端で、別のタンパク質(又は、その一部、好ましくはそのタンパク質の少なくとも10、20又は50個のアミノ酸部分)のアミノ酸配列と融合している。好ましくは、抗体又は、その断片は、抗体の定常領域のN末端で他のタンパク質に連結される。組換えDNA手順を使用して、例えば、国際特許公開第86/01533号、及び欧州特許第0392745号に記載されているように、そのような融合物を作製しても良い。別の実施例において、エフェクター分子はインビボで半減期を増加させ得る。この型の適切なエフェクター分子としては、ポリマー、アルブミン、アルブミン結合タンパク質、又は、国際特許公開第2005/117984号、に記載されているようなアルブミン結合化合物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗CLEC10A抗体をポリ(エチレングリコール)(PEG)部分に結合させても良い。例えば、抗体が抗体断片である場合、PEG部分は、抗体断片内に位置する任意の利用可能なアミノ酸側鎖又は、末端アミノ酸官能基、例えば任意の遊離アミノ、イミノ、チオール、ヒドロキシル又は、カルボキシル基を介して結合させても良い。このようなアミノ酸は、抗体断片中に天然に存在するものでもよく、又は、組換えDNA法を用いて断片中に操作したものでも良い。例えば、米国特許第5,219,996号を参照のこと。複数の部位を用いて、2種又はそれ以上のPEG分子を結合させても良い。好ましくは、PEG部分は、抗体断片内に位置する少なくとも1種のシステイン残基のチオール基を介して共有結合的に連結される。チオール基を結合箇所として使用する場合、適切に活性化されたエフェクター部分、例えば、マレイミド及びシステイン誘導体のようなチオール選択性誘導体を使用しても良い。
別の例において、抗CLEC10A抗体コンジュゲートは、例えば欧州特許第0948544号に開示された方法に従ってPEG化された、即ちそれにPEG(ポリエチレングリコール)を共有結合させた改変Fab’断片である。Poly(ethyleneglycol)Chemistry、Biotechnical and Biomedical Applications(J.Milton Harris(ed.)、Plenum Press、New York、1992)Poly(ethyleneglycol)Chemistry、Biotechnical and Biomedical Applications、(J.Milton Harris及びS.Zalipsky編、American Chemical Society、Washington D.C.1997)及びBioconjugation Protein Coupling Techniques for Biomedical Sciences(M.Aslam and A.Dent、編、Grove Publishers、New York、1998)。及びChapman、2002、Advanced Drug Delivery Reviews 54:531−545。も参照のこと。
CLEC10A受容体を遮断するために用いることができる別の実施形態は、アルブミンに、好ましくはリンカーを介して融合されるような半減期延長部分に連結された、2298位にO−グリコシル化部位を含むVWF−C1ドメインである。好ましい実施形態は、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する融合タンパク質である。
キット
本発明の別の態様は、(i)上記で定義した改変VWF分子及び(ii)第VIII因子、CLEC10Aに結合し得る化合物(好ましくは抗体)及び それらの組合わせからなる群より選択されるポリペプチドを含む医薬キットである。好ましくは、改変したVWF分子及びポリペプチドは、別々の組成物中に含まれる。
本発明の別の態様は、血液凝固障害の治療において、同時に、別々に又は逐次使用するための、(i)上記で定義した改変したVWF分子及び(ii)第VIII因子、CLEC10Aに結合し得る化合物(好ましくは抗体)及びそれらの組合わせからなる群より選択されるポリペプチド、を含む医薬キットである。
本発明の別の態様は、第VIII因子の半減期を増加するか、又はクリアランスを低減するための、上記定義の改変VWF分子の使用である。
用語「半減期」は、インビボでの血流からタンパク質の半分を除去するのに要する時間を意味する。クリアランス効果を評価するために、曲線下面積(AUC)を決定しても良い。クリアランスを低減すると、AUC値はより高くなり、しかも、半減期の増加をもたらす。
本発明の更に別の態様は、第VIII因子の半減期を増加させるための、上記定義の化合物(好ましくは抗体)の、好ましくは治療的処置における、使用である。
本発明はさらに、上記で定義した有効量の改変VWF分子を被験者に投与することを含む、インビボでの第VIII因子の半減期を増加するか又はクリアランスを低減する方法に関する。
本発明の更なる態様は、上記で定義した有効量の改変VWF分子を必要とする患者に、投与することを含む血液凝固障害を治療する方法である。
更なる態様は、血友病Aの治療におけるFVIIIの投与頻度を低減するための、上記に定義した改変したVWF分子の使用である。FVIIIの静脈内又は皮下投与の頻度は、週に2回に低減し得る。或いは、FVIIIの静脈内又は皮下投与の頻度は、1週間に1回に低減し得る。
更なる態様は、VWDの治療におけるVWFの投与頻度を低減するための、上記に定義した改変したVWF分子の使用である。VWFの静脈内又は皮下投与の頻度は、週2回に低減し得る。或いは、VWFの静脈内又は皮下投与の頻度は、週に1回に低減し得る。即ち、本発明の改変したVWF分子は、1週間に1回又は2回投与される。
別の態様は、血友病Aの治療において投与するFVIIIの用量を低減するための、上記で定義した改変したVWF分子の使用である。
別の態様は、VWDの治療において投与するVWFの用量を低減するための、上記で定義した改変したVWF分子の使用である。
以下の表は、配列表に示されるヌクレオチド及びアミノ酸配列をまとめたものである:
Figure 2018510212
実施例1 VWF上に存在する特定のグリコシル化構造が、CLEC10Aと、並びにVWF上に存在するO−結合グリカンサイト2298と、相互作用することを確認した。
CLEC10Aに対するヒトVWF上の結合部位を確認するために、VWFのトリプシン断片を可溶性CLEC10Aと共にインキュベートした。洗浄後、結合したタンパク質断片をpH11で、かつ、GalNAc100mMを含む溶液を用いて、夫々、溶出した。溶出条件は、規定された条件下で、CLEC10Aに結合した全ての成分が完全に溶出することを示す予備のSPR実験に基づいて選択した。 続いて、夫々の溶出画分をMS分析に付した。
遊離のN−及びO−グリカンを、過メチル化し、MALDI−TOF−MS分析によって特徴付けた。得られたデータより、CLEC10AがN−及びO−グリカンの認識において顕著に異なっていることを実証した。出発物質として使用したVWF断片(グリカン分析からは18%の非シアリル化O−グリカンの存在が観察された)と比較して、溶出画分の両方共に非シアリル化O−グリカンの強い富化を示したが、一方、1個又はそれ以上のNeuAc残基を含むシアリル化O−グリカンは、それらのシアリル化状態にかかわらず、N−グリカンと同様に著しく減少した。
溶出条件(GalNAcに対してアルカリ性)の差により、グリカンパターンにほんの僅かの違いをもたらした。溶出画分中にO−グリコシル化構造の主要な3種を同定出来、これは検出されたすべてのO−グリカン構造の内の約80%を表す。夫々の構造を図2に示す。コア2グリカン(濃縮因子40を超える)、1個のNeuGc残基を有するコア1グリカン(濃縮因子約9)、及び二糖GlcNAcβ1,3Galで伸長されたコア2グリカン(濃縮因子約7)の富化をMALDI−TOF−MS分析によって確認した。括弧内に記載した濃縮因子は、CLEC10Aとのインキュベーション前の出発物質と比較した場合の、夫々のグリカンの富化を定量的に記述する。
前述の調査に加え、VWF断片の脱グリコシル化後のナノ液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化MS/MSによる分析を行った。2つの異なる溶出画分中の夫々で検出し、得られたペプチドパターンは類似しており、従って、適用した溶出条件には依存していなかった。その結果、スレオニン2298を含むVWFペプチドを、溶出後に明確に確認した。得られた分析データに基づき、CLEC10A結合における他のグリコシル化VWF断片の関与を除外することができた。従って、O−結合型グリカン部位T2298はシアリル化されていないグリカン構造を含み、従ってそれは、CLEC10Aと相互作用する可能性が最も高い。さらに、VWF上に存在するこのグリコシル化部位は、CLEC10Aの主要な相互作用パートナーであると排他的に確認され、したがって、受容体相互作用の役割を担う唯一のものであることが判明した。他の全てのVWFグリカン部位は、CLEC10A結合に関与していないようであった。
要約すると、可溶性CLEC10Aからトリプシン消化されたVWF断片の溶出後、MS分析から、非シアリル化O−グリカンがCLEC10Aに結合することが判明し、一方で、シアリル化されたO−グリカン並びにN−グリカンは、それらのシアリル化した状態にもかかわらずCLEC10Aと有意な相互作用はしないことが実証された。VWF上に存在する3種の主要なO−グリコシル化構造(コア2グリカン、1種のNeuGc残基を有するコア1グリカン、及び二糖GlcNAcβ1,3Galで伸長したコア2グリカン)が、相互作用の原因であることを確認した。コア2グリカンについては、他の両方の構造と比較して非常に高い濃度因子を検出したという事実により、VWF上に存在するこのグリカンは、CLEC10Aに対して強い親和性を有するようであった。更に、O−結合型グリカン部位2298を含むVWFペプチドのみがCLEC10Aに結合することを確認し、従って、シアリル化していないグリカン構造を含んでいた。最終的に、驚くべきことに、これらの結果はグリカン部位T2298が唯一VWF−CLEC10A相互作用に関与していることを示していた。更に、観察されたグリコシル化パターンは、T2298にのみ存在するようであった。これらの結果及びCLEC10AがVWFのクリアランスに介在するという観察に基づけば、CLEC10Aによる天然にグリコシル化されたVWFのクリアランスは、O−結合グリコシル化部位2298によってのみ影響を受けることが示唆され得る。その結果として、CLEC10A結合を防ぐ目的に関しては、VWF突然変異体のクリアランスの減少は、夫々のO−グリコシル化部位及び/又は夫々の炭水化物構造がこのグリカン部位に存在することを確認する操作の後に想定することができる。
方法
1)VWFの還元及びカルボキシメチル化
前章に記載した方法に従って精製したVWF溶液の30mLを、還元緩衝液(トリス50mM、NaCl 100mM、pH8.5)1Lに対して+4℃で一晩透析した。この手順を再度繰り返したが、但し、2回目の透析は室温で4時間行った。引続き、前記溶液に、穏やかな撹拌下(IKA、Staufen、Germany)、貯蔵溶液DTT 1Mを添加してDTT 15mMに調整した。VWFの還元を+37℃で60分間のインキュベーションにより実施した。 次いで、VWFをヨードアセトアミド40mMと共に、貯蔵溶液1Mを添加することにより、アルキル化し、溶液を室温で60分間インキュベートした。
2)ヒト血漿から精製したVWF単量体の酵素消化
前述の方法に基づく還元及びアルキル化の後、VWF単量体(タンパク質濃度1mg/mL)60mLを+4℃で一晩、Membra−Cel MD25−14透析チューブ(Serva社、Heidelberg、Germany)を介してNHHCO(pH7.8)50mM 20Lで透析した。透析工程を2回繰返した。固定化したトリプシン樹脂(Promega社、Mannheim、Germany)をNHHCO(pH7.8)50mMで洗浄し、タンパク質溶液に加え、タンパク質8mg当たりトリプシン樹脂1mLを得た。続いて、懸濁液を+37℃で24時間、回転混合機(Glaswarenfabrik Karl Hecht社、Sondheim、Germany)上でインキュベートした。反応後、固定化したトリプシンを遠心分離(Multifuge 3SR、Heraeus、Osterode、Germany)+20℃、2,000×gで、15分間分離した。更に濾過工程(孔径0.45μm、Sterivex−HV、Millipore、Cork、Ireland)の後、反応混合物をCentricon Plus−70装置(Merck Millipore、Darmstadt、Germany)に移し替え、次に及び遠心分離(Multifuge 3SR、Heraeus、Osterode、Germany)を、室温中、3,000×gで15分間実施した。成功した切断反応は、SDS−PAGEにより、実証した(データは示さず)。トリプシンの欠乏は、発色基質を適用することにより確認した(データは示さず)。トリプシン断片(タンパク質濃度約0.5mg/mL)をSpeedVac真空濃縮器システム(Thermo Scientific社、Langenselbold、Germany)中で最終濃度約40mg/mLまで濃縮した。最終的に、濃縮したVWF断片のペプチド特性をMS分析によって調べ、最初の遠心分離工程の前の中間画分として得られた特性と比較し、これにより両試料がVWF断片の同組成を有するという証拠を提供した。
3)CLEC10Aと相互作用するトリプシンVWF断片の確認
VWF上に存在するグリカン鎖の何れがCLEC10Aとの相互作用に関与しているかを確認するために、トリプシンVWF断片を可溶性CLEC10A(R&D Systems社、Wiesbaden、Germany)と共にインキュベートした。凍結乾燥した受容体タンパク質1mgを、pH7.4のHEPES 10mM、NaCl 150mM及びCaCl25mMを含む反応緩衝液2mL中に溶解した。タンパク質含量0.5mg/mLを有するトリプシン消化後の濃縮VWF断片20mLを、20倍濃縮した貯蔵緩衝溶液を添加することにより、同じ緩衝液条件に調整し、次いで受容体タンパク質を含む溶液と混合した。インキュベーションは、穏やかな混合(Glaswarenfabrik Karl Hecht社、Sondheim、Germany)下、+37℃で一晩行った。その後、未結合VWF断片を3,000×g(Multifuge 3SR、Heraeus社、Osterode、Germany)での遠心分離(Amicon Ultra−15遠心フィルターユニット、NMWL 10kDa、Merck Millipore、Darmstadt、Germany)により、分離し、廃棄した。遠心分離は、残留容量が0.5mLに達するまで室温で行った。次に、VWF断片と相互作用する受容体タンパク質を含む濃縮反応混合物を反応緩衝液で洗浄し、再び濃縮した。この濃縮液の洗浄工程を2回繰り返した後、反応液を2等分し、次いで、異なる2種類の溶出緩衝液で処理した。一方では、結合したタンパク質断片をpH11(100mMグリシン/NaOH緩衝液、pH11.0)で溶出させ、他方では、GalNAc(100mM GalNAc、pH4.3)を含有する溶液を用いた。溶出緩衝液夫々を、洗浄し濃縮した溶液に添加し、穏やかに混合しながら室温で一晩インキュベートした。遠心分離により分離した後、溶出したVWF断片を含む得られた濾液を回収し、MSにより分析した。
4)クリアランス受容体と相互作用するトリプシンVWF断片の分析
単離したトリプシン断片をPNGaseF処理及びβ−脱離により脱グリコシル化し、次いでナノ液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化MS/MSを適用することによって分析した。更に、遊離のN−及びO−グリカンを、過メチル化し、MALDI−TOF−MS分析によって特徴付けた。分析は公開された方法に基づいて行った(Canisら(2010)Journal of Thrombosis and Haemostasis、8:137−145、 Canisら(2012)The Biochemical Journal、447:217−228)。
実施例2 VWF変異体T2298の発現ベクターの産生
多重クローニング部位に全長VWF cDNA配列を含む発現プラスミドが従前より産生されている。このベクターに含まれるVWF cDNA配列は、配列番号1として、表示し、それに対応するタンパク質配列は配列番号2として表示する。
このような発現ベクターを産生するために、VWF cDNAを、当業者に公知の標準的な条件下(及び例えば、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel FMら.(編)John Wiley & Sons,Inc.に記載http://www.currentprotocols.com/WileyCDA/))でプライマーセットVWF+及びVWF−(配列番号3及び4)を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、VWF cDNAを含有するプラスミド(市販品より入手可能なもの、例えばATCC、No.67122からのpMT2−VWF)から、増殖した。得られたPCR断片を制限酵素EcoRIで消化し、EcoRIで線状化した発現ベクターpIRESneo3(BD Biosciences社、Franklin Lakes、NJ、USA)に連結した。得られた発現プラスミドは、正しく配向したインサートを有し、CMVプロモーターの下流にVWFの野生型cDNAを含んでいた。
VWF配列に突然変異を導入するために、部位特異的突然変異誘発(QuickChange XL部位特異的突然変異誘発キット、Stratagene、La Jolla、CA、USA)を、キット製造者により、提案された以下の手順書に従って上記プラスミドに適用した。突然変異誘発反応当たり10倍の反応緩衝液を5μl、プラスミドDNA(50ng)1μl、2種の突然変異誘発オリゴヌクレオチドWe4781及びWe4782(配列番号5及び6)の各々(10pmol/μl)1μl、dNTP混合物1μl、Quick−溶液3μl、ターボポリメラーゼ(2,5U/μl)1μl、及びHO 37μlを混合し、95℃で2分間の初期変性を伴うポリメラーゼ連鎖反応、a)95℃で50秒間の変性、b)60℃で50秒間のアニーリング、及びc)68℃で17分間伸長し、続いて68℃での7分間の単一末端伸長段階に付すサイクルを18回行なった。引続き、キットからのDpnI酵素1μlを添加し、反応物を37℃で更に60分間インキュベートし反応させた。その後、突然変異誘発反応物3μlを大腸菌に形質転換した。クローンを単離し、プラスミドDNAを抽出し、VWF配列内の突然変異をDNA配列決定によって確認した。
上述の手順書及びプラスミドを使用し、かつ当業者に公知の分子生物学技術(及び例えば、Current Protocols in Molecular Biology、前出、に記載されている)を適用することにより、当業者は、他のアミノ酸残基の突然変異についても、他の構築物を作製することができる。
実施例3 T2298残基を含むアルブミン融合VWF断片の発現ベクターの産生
ヒトアルブミンに融合したアミノ酸残基2276〜2326を含むVWF断片の発現ベクターを産生するために、N末端シグナルペプチド及びC末端28アミノ酸グリシン/セリンリンカーを含むVWF断片のコード配列を、5’末端にNheI制限部位を、3’末端にBamH1部位を有する遺伝子合成(Eurofins MWG Synthesis、Ebersberg、Germany)により作製した。この断片を、NheI及びBamH1消化によって提供されるクローニングベクターから切り出し、精製し、次にNheI/BamHI消化発現ベクターpIRESneo3(同書)にクローニングした。
アルブミンコード配列をPCRにより増幅させた。そのために、プラスミドDNA(50ng)を含む野生型アルブミンcDNA1μl、10倍の反応緩衝液5μl、2種類のPCRプライマーHA+及びHA−(配列番号7及び8)(10pmol/μl)の各々1μl、dNTP混合物1μl、ターボポリメラーゼ(2,5U/μl)1μl、及びHO 40μlを混合し、95℃で2分間の初期変性を伴うポリメラーゼ連鎖反応、a)95℃で20秒間の変性、b)61℃で20秒間のアニーリング、及びc)68℃で7分間伸長し、続いて68℃での7分間の単一末端伸長段階に付すサイクルを25回行なった。断片を精製し、BamH1及びNotIで消化し、VWF断片を含む上記ベクターのBamH1及びNotI部位に連結した。連結混合物をE.coliに形質転換する。クローンを単離し、プラスミドDNAを抽出し、配列をDNA配列決定により確認した。発現した構築物のアミノ酸配列を配列番号9に示す。
実施例4 CHO細胞におけるプラスミドのトランスフェクション及びVWF変異体の発現
発現プラスミドを大腸菌TOP10(Invitrogen社、Carlsbad、CA、USA)で増殖させ、標準手順書(Qiagen、Hilden、Germany)を用いて精製した。CHO K1細胞を、Lipofectamine 2000試薬(Invitrogen)を用いて発現プラスミドでトランスフェクトした。単一クローンを単離し、ジェネテシン750μg/mlの存在下で無血清培地(CD−CHO、Life Technologies)中で増殖させた。クローンをT−フラスコを通して振盪フラスコ及びバイオリアクターに広げ、そこから上清を回収し、夫々の組換えVWFタンパク質を精製した。
実施例5 VWF抗原の定量
培養上清中のVWF抗原を、当業者にはその性能が良く知られているELISAにより決定した。簡単に述べると、マイクロプレートを、ウェル当たりの捕捉抗体(ウサギ抗ヒトvWF−IgG、Dako A0082[Dako、Hamburg、Germany]100μL、緩衝液A [Sigma C3041、Sigma−Aldrich、ミュンヘン、ドイツ]で1:2000に希釈した)と共に、周囲温度で一晩インキュベートした。プレートを緩衝液B(Sigma P3563)で3回洗浄した後、各ウェルを緩衝液C(Sigma P3688)200μLと共に周囲温度(ブロッキング)で1.5時間インキュベートした。緩衝液Bで更に3回洗浄した後、緩衝液B中の試験試料の段階希釈液並びに緩衝液B(ウェルあたり:100μL)中の標準ヒト血漿(ORKL21、20-0.2mU/mL、Siemens Healthcare Diagnostics、Marburg、Germany)の段階希釈液を周囲温度で1.5時間インキュベートした。緩衝液Bによる3回洗浄工程の後、緩衝液B中での検出抗体(ウサギ抗ヒトvWF−IgG、Dako P0226、ペルオキシダーゼ標識)の1:16000希釈液100μLを各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。緩衝液Bによる3回洗浄工程の後、基質溶液(OUVF、Siemens Healthcare Diagnostics)100μLをウェルごとに添加し、暗所、周囲温度で30分間インキュベートした。希釈してない希釈停止液(OSFA、Siemens Healthcare Diagnostics)100μLを添加し、マイクロプレートリーダーにより、450nmの波長で適切に読める試料を調製した。そこで、試験試料の濃度を、標準的なヒト血漿を参考として用いる標準曲線を使用して計算した。
実施例6 VWF T2298Q変異体の薬物動態解析
実施例4のVWF−T2298Q及び組換えVWF(野生型)をそれぞれ合計4匹のCDラットに静脈内投与した。用量は、100U(VWF:Ag)/kg体重、であり、一回の注射容量は4mL/kgである。
血液試料は、交互に採取する計画を使用し、試験物質の適用後5分から適切な間隔で逆行的に抜き取りを開始し、2匹の動物/時点(サブセットNo.1についてはt=0、5、30、90分、4時間、1日、及び、サブセットNo.2については0、15分、1、2、8時間及び2日である。)の試料を得た。この計画は、定量すべき血漿濃度に及ぼす採血方法の潜在的影響を最小限に抑えるように設計した。血液は処理を加え、血漿とし、分析するまで冷凍保存した。続いて、血漿中のVWF:Agレベルを実施例5に記述したようにELISAによって定量した。平均血漿濃度を用いて薬物動態パラメーターを計算した。

Claims (19)

  1. アミノ酸位置2298にO−グリコシル化部位を欠失したC1ドメインを含む、第VIII因子に結合し得るフォン・ヴィレブランド因子(VWF)分子。
  2. 天然VWF中に存在する2298位置のO−グリコシル化部位が欠失することにより、又はVWFアミノ酸配列の2292〜2303位置の1種又はそれ以上のアミノ酸を、置換することにより、不活性化した、請求項1に記載のVWF分子。
  3. 2298位置のスレオニンを欠失しているか、又はスレオニン及びセリン以外のアミノ酸で置換した、請求項2に記載のVWF分子。
  4. 前記スレオニン及びセリン以外のアミノ酸が、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン及びバリンからなる群から選択された、請求項3に記載のVWF分子。
  5. 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のVWF分子。
  6. 配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載のVWF分子。
  7. 2295位置、2297位置、又は2302位置のプロリンが欠失しているか、又は異なるアミノ酸で置換された、請求項2に記載のVWF分子。
  8. 天然の血漿由来VWFよりも低減したインビボクリアランスを有する、請求項1〜7の何れか1項に記載のVWF分子。
  9. 天然の血漿由来VWFと同時投与された第VIII因子の半減期と比較して、前記VWF分子と同時投与された第VIII因子の半減期を増加し得る、請求項1〜8の何れか1項に記載のVWF分子。
  10. 血液凝固障害の治療に使用するための、請求項1〜9の何れか1項に特定したVWF分子。
  11. 前記血液凝固障害が、血友病A又はフォン・ヴィレブランド病である、請求項10に記載した使用のためのVWF分子。
  12. 前記治療が第VIII因子分子を投与することを更に含む、請求項10又は11に記載した使用のためのVWF分子。
  13. 前記VWF分子及び前記第VIII因子分子を別々に投与する、請求項12に記載した使用のためのVWF分子。
  14. 請求項1〜9の何れか1項に記載のVWF分子を含む医薬組成物。
  15. (i)請求項1〜9の何れか1項に記載のVWF分子と、(ii)第VIII因子分子とを含む医薬キット。
  16. 前記VWF分子及び前記第VIII因子分子が別々の組成物に含まれる、請求項15に記載の医薬キット。
  17. 血液凝固障害の治療において、同時に、別々に又は逐次使用するための、(i)請求項1〜9の何れか1項のVWF分子及び(ii)第VIII因子分子を含む医薬キット。
  18. インビボで第VIII因子の半減期を増加させるための、請求項1〜9の何れか1項に記載のVWF分子の使用。
  19. 治療的処置において第VIII因子の半減期の延長に使用するための、請求項1〜9の何れか1項に特定したVWF分子。
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