JP2018507260A - 鉄欠乏性貧血の治療におけるクエン酸第二鉄の使用 - Google Patents

鉄欠乏性貧血の治療におけるクエン酸第二鉄の使用 Download PDF

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Abstract

本明細書に記載されるものは、鉄欠乏性貧血(IDA)の患者を治療するための方法であって、そのような患者にクエン酸第二鉄を投与することを含む、前記方法である。ある態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、胃腸障害、例えば、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性もしくはリンパ球性大腸炎)、又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)誘導性大腸炎)に罹患している。ある態様において、鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、出産、月経、又は感染症に関連して失血している。ある態様において、鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の食事摂取量及び/又は不十分な鉄の吸収を有する。【選択図】無し

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年3月4日に出願された米国仮特許出願第62/127,963号の利益を主張し、その全体は本明細書に引用により組み込まれている。
(1.分野)
本明細書に記載されるものは、鉄欠乏性貧血(IDA)の患者を治療するための方法であって、そのような患者にクエン酸第二鉄を投与することを含む、前記方法である。ある態様において、鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、胃腸障害、例えば、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性もしくはリンパ球性大腸炎)、又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)誘導性大腸炎)に罹患している。ある態様において、鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、出産、月経、又は感染症に関連して失血している。ある態様において、鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の食事摂取量及び/又は不十分な鉄の吸収を有する。
(2.背景)
全世界で約20億人が貧血に罹患しており、鉄欠乏が貧血の最も一般的な原因であり、先進国及び開発途上国の双方において数百万人の小児、女性、及び男性に影響を及ぼしている(Baltussenらの文献、Journal of Nutrition (2004) 134, 2678-2684; McLeanらの文献、Public Health Nutr. (2009) 12, 444-454)。ヒトの健康に対する鉄欠乏性貧血(IDA)の影響は重要ではあるものの、それはしばしば見逃されているか、不十分に治療されているかのいずれかである(Millerらの文献、Cold Spring Harb. Perspect. Med. (2013) 3, a011866)。
先進国に住む栄養状態が良く鉄欠乏性ではない人々の大部分は、いくつかの様式(例えば、循環鉄もしくは貯蔵鉄又は双方)で体内に貯蔵された約4〜5グラムの鉄を有している。この量の減少は、鉄欠乏を意味し、これはIDA患者によくみられる。鉄欠乏の症状が、状態がIDAまで進行する前に患者に現れることがあり、この症状としては、例えば、疲労感、めまい、蒼白、脱毛、易刺激性、脱力感、異食症、脆い爪又はすじ爪、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭、及び食道を覆う粘膜の有痛性の萎縮)、免疫機能障害、氷食症、及び下肢静止不能症候群を特に挙げることができる。
IDAは、通常、蒼白(皮膚及び粘膜内のオキシヘモグロビンの減少の結果生じる血色の悪さ)、疲労感、立ちくらみ、及び脱力感を特徴とする。しかしながら、IDAの兆候は、患者間で異なり得る。IDA患者における鉄欠乏は、ゆっくりと発症する傾向があるので、該疾患への適応が起こることがあり、これは、しばらくの間、時には数年間認識されないまま進行することがある。ある例では、IDAの患者は、とりわけ、呼吸困難(dyspnea)(呼吸困難(trouble breathing))、異食症(異常な強迫性の食物渇望)、多くの場合強迫性障害(OCD)型の強迫行為及び強迫観念をもたらす不安、易刺激性又は悲嘆、狭心症、便秘、眠気、耳鳴、口腔内潰瘍、動悸、脱毛、失神又は気が遠くなる感覚、うつ状態、労作時の息切れ、筋肉のけいれん、淡黄色の皮膚、刺痛(しびれ)又は灼熱感、無月経、月経過多、社会性の発達の遅れ、舌炎(舌の炎症もしくは感染症)、口角口唇炎(口角での炎症性の病変)、匙状爪(スプーン形状の爪)もしくは弱いか脆い爪、食欲不振、そう痒(全身性の痒み)、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭、及び食道を覆う粘膜の有痛性の萎縮)、不眠症、並びに下肢静止不能症候群を発症し得る。
IDAは、不十分な鉄の食事摂取量、不十分な鉄の吸収、不十分な鉄の貯蔵、及び/又は消化管、子宮管、又は尿路などのいくつかの出所を起源とし得る出血による鉄の損失によって引き起こされ得る。したがって、IDAは通常、急性失血、慢性失血、出産、月経、胃腸障害(例えば、炎症性腸疾患(IBD))、慢性腎疾患(CKD)、寄生生物感染症、不十分な鉄の食事摂取量、及び不十分な鉄の吸収などの状態及び障害と関連する。
典型的には、IDAを治療し得る3つの手段が存在する。第1のアプローチは、鉄が多い食品を食べることによるものである。それでは不十分な場合には、臨床医は、経口鉄補給剤を処方する可能性がある。しかしながら、多くの経口鉄補給剤は、患者において多数の有害な副作用を引き起こし、これは患者の服薬不順守に繋がる。IDA患者が、経口鉄補給剤を服用できない場合には、患者は静脈内鉄補給を受けなくてはならない可能性がある。
静脈内(IV)鉄補給は、針で注射することによって、経筋肉又は静脈内のいずれかで鉄を送達する方法である。IV鉄を受けているIDA患者は、通常、経口の鉄に耐容性を示さないという理由でそれを受けている。静脈内鉄は、鉄溶液が入ったIVバッグに取り付けられた針を通ってIDA患者の静脈内に送達される。該手順は、医院又は診療所で行われ、医師がどの治療を処方したかによって、最大で数時間を要することもある。患者は、通常、鉄レベルが正常なものとなるまでの数回の来院過程にわたって鉄注射を受ける。ある例では、IDA患者は、長期にわたるIV鉄補給を必要とすることもある。
しかしながら、IV鉄もまた、短期的な副作用、例えば、胃腸痛(例えば、嘔気及び腹痛発作)、呼吸障害、皮膚障害(例えば、発疹)、胸痛、低血圧、アナフィラキシー、及び死、並びにアテローム性動脈硬化症の進行、感染症、及び増加した死亡率を含む長期的な毒性と関連している(Quinibiの文献Arzneimittelforschung (2010) 60, 399-412)。さらに、多くの診療所、特にコミュニティサイトは、静脈内鉄を投与するには設備が不十分である。このことが、IDA患者の大多数を、静脈内鉄治療を受けられないままとしている。
IDA患者はまた、貧血を制御しようとして1以上の赤血球生成刺激剤(ESA)を服用し得る。しかしながら、ESAの使用では副作用が生じ得る。最も頻発する副作用としては、特に:血圧上昇;腫脹;発熱;めまい;嘔気;及び注射部位での疼痛が挙げられる。これらの副作用に加えて、ESAの使用に起因する安全性の問題がいくつか存在する。ESAは、静脈血栓塞栓症(静脈での血餅)のリスクを増加させる。ESAはまた、ヘモグロビンを過度に上昇させることもあり、これにより、患者は、心臓発作、卒中、心不全、及び死のより高いリスクにさらされる。加えて、ESAは、ある場合には、鉄枯渇を悪化させ得ると共に、かつ血小板増加症の増加に繋がり得る。
従って、IDA患者の経口鉄治療のための改良方法を開発する必要がある。
(3.概要)
一態様において、本明細書において提供されるものは、鉄欠乏性貧血(IDA)を治療するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物をそれを必要としている対象に投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法(dosing and administration)に関しては下記のセクション4.3、及びクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。一実施態様において、本明細書において提供されるものは、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、ある頻度(例えば、ある期間にわたって、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎など)で、それを必要としている対象に経口投与することを含む、鉄欠乏性貧血を治療する方法である。特定の実施態様において、前記低用量は、ある期間、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間にわたり、1日1回、1日おき、又は2日毎に投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、ある時間枠内に食品を摂取していない対象に投与される。例えば、そのような食品を摂取していない時間枠の例については下記のセクション4.3を参照されたい。いくつかの実施態様において、前記対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、トランスフェリン飽和度(TSAT)値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、総鉄結合能(TIBC)値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又は遊離赤血球プロトポルフィリン(FEP)レベルがモニターされ(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされ)、かつ、ある実施態様においては、該対象が受けるクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の投与の頻度及び/又はクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の量は、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターに基づいて変更される(例えば、ある期間の後にヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は増加され、ヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は低減される)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。いくつかの実施態様において、前記患者は、胃腸障害、例えば、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性もしくはリンパ球性大腸炎)、及び/又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)誘導性大腸炎)に罹患している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、失血(例えば、出産もしくは月経に関連する失血、又は感染症に関連する失血)を被っている。いくつかの実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の食事摂取量を有している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の吸収を有している。
具体的な実施態様において、本明細書において提供されるものは、患者(例えば、ヒト患者)における鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、該患者は、慢性腎疾患と診断されておらず、該方法は約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄錠剤を該患者に経口投与することを含み、該錠剤中の該クエン酸第二鉄が、鉄(+3)、0.70〜0.87(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、1.9〜3(H2O)の錯体である、前記方法である。いくつかの実施態様において、前記患者は、5ng/ml〜300ng/ml(例えば、5ng/ml〜250ng/ml、5ng/ml〜150ng/ml、5ng/ml〜100ng/ml、5ng/ml〜75ng/ml、5ng/ml〜50ng/ml、5ng/ml〜25ng/ml、5ng/ml〜15ng/ml、又は5ng/ml〜10ng/ml)の血清フェリチンレベルを有する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄は、食品と共には投与されない。いくつかの実施態様において、前記対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルがモニターされ(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされ)、かつ、ある実施態様においては、該対象が受けるクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の投与の頻度及び/又はクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の量は、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターに基づいて変更される(例えば、ある期間の後にヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は増加され、ヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は低減される)。ある実施態様において、前記患者は、胃腸障害、例えば、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性大腸炎もしくはリンパ球性大腸炎)、及び/又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID誘導性大腸炎)に罹患している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、失血(例えば、出産もしくは月経に関連する失血、又は感染症に関連する失血)を被っている。いくつかの実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の食事摂取量を有している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の吸収を有している
別の具体的な実施態様において、本明細書において提供されるものは、患者(例えば、ヒト患者)における鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、該患者は、慢性腎疾患と診断されておらず、かつ5ng/ml〜300ng/ml(例えば、5ng/ml〜250ng/ml、5ng/ml〜150ng/ml、5ng/ml〜100ng/ml、5ng/ml〜75ng/ml、5ng/ml〜50ng/ml、5ng/ml〜25ng/ml、5ng/ml〜15ng/ml、又は5ng/ml〜10ng/ml)の血清フェリチンレベルを有し、該方法は約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄錠剤を該患者に経口投与することを含み、該クエン酸第二鉄が、食品が該患者に摂取されてから2時間以内には投与されず、かつ該錠剤中の該クエン酸第二鉄が、鉄(+3)、0.70〜0.87(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、1.9〜3(H2O)の錯体である、前記方法である。いくつかの実施態様において、前記対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルがモニターされ(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされ)、かつ、ある実施態様においては、該対象が受けるクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の投与の頻度及び/又はクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の量は、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターに基づいて変更される(例えば、ある期間の後にヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は増加され、ヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は低減される)。ある実施態様において、前記患者は、胃腸障害、例えば、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性大腸炎もしくはリンパ球性大腸炎)、及び/又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID誘導性大腸炎)に罹患している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、失血(例えば、出産もしくは月経に関連する失血、又は感染症に関連する失血)を被っている。いくつかの実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の食事摂取量を有している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の吸収を有している。
別の具体的な実施態様において、本明細書において提供されるものは、慢性腎疾患と診断されていないヒト患者における鉄欠乏性貧血を治療する方法であって:(a)該患者に、約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄錠剤を1日あたり1錠経口投与することであって、該クエン酸第二鉄は、食品が該患者に摂取されてから2時間以内には投与されず、かつ該錠剤中の該クエン酸第二鉄が、鉄(+3)、0.70〜0.87(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、1.9〜3(H2O)の錯体である、前記経口投与すること;並びに(b)4週間後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、又は2g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄の用量を低減させること、及び4週間後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄の用量を増加させることを含む、前記方法である。いくつかの実施態様において、前記対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルがモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記患者は、胃腸障害、例えば、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性大腸炎もしくはリンパ球性大腸炎)、及び/又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID誘導性大腸炎)に罹患している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、失血(例えば、出産もしくは月経に関連する失血、又は感染症に関連する失血)を被っている。いくつかの実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の食事摂取量を有している。ある実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、不十分な鉄の吸収を有している。
前述の実施態様のうちの任意のものの具体的な実施態様において、前記鉄欠乏性貧血の治療を受ける患者は、1つ以上の鉄貯蔵パラメーターについてモニターされる。該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、ヘモグロビン濃度、血清フェリチンレベル、TSAT値、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及びFEPレベルからなる群から選択することができる。
(4.詳細な説明)
本開示は、クエン酸第二鉄を使用して、鉄欠乏性貧血(IDA)の患者を治療する方法を提供する。本開示はまた、鉄欠乏患者に投与され得る医薬組成物を提供する。クエン酸第二鉄を投与する前及び/又はその後に患者を評価する方法もまた提供される。
(4.1.IDAを治療するための方法)
一態様において、本明細書において提供されるものは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物をそれを必要としている対象に投与することを含むIDAを治療するための方法である。一実施態様において、本明細書において提供されるものは、有効量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物をそれを必要としている対象に投与することを含むIDAを治療する方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、有効量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、それを必要としている対象に経口投与することを含むIDAを治療する方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。ある実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT(トランスフェリン飽和度)値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、総鉄結合能(TIBC)値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又は遊離赤血球プロトポルフィリン(FEP)レベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
具体的な実施態様において、本明細書において提供されるものは、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、ある頻度(例えば、ある期間にわたって、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎など)で、それを必要としている対象に経口投与することを含むIDAを治療する方法である。特定の実施態様において、該低用量は、ある期間、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間にわたり、1日1回、1日おき、又は2日毎に投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、ある時間枠内に食品を摂取していない対象に投与される。例えば、そのような食品を摂取していない時間枠の例については下記のセクション4.3を参照されたい。いくつかの実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルがモニターされ(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされ)、かつ、ある実施態様においては、該対象が受けるクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の投与の頻度及び/又はクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の量は、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターに基づいて変更される(例えば、ある期間の後にヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は増加され、ヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は低減される)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
本明細書で使用される、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の文脈での用語「低用量」とは、第二鉄が1100mgである用量と等しいかそれよりも少ないものであるが、第二鉄が50mgよりも多い(ある実施態様において、第二鉄が100mg又は200mg超)。一実施態様において、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、第二鉄が1050mg、840mg、630mg、420mg、又は210mgである用量と等しい。別の実施態様において、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、第二鉄が1050mg〜1100mg、840mg〜1050mg、840mg〜1100mg、630mg〜840mg、630mg〜1050mg、630mg〜1100mg、420mg〜630mg、420mg〜840mg、420mg〜1050mg、210mg〜420mg、210mg〜630mg、210mg〜840mg、又は210mg〜1050mgである用量と等しい。具体的な実施態様において、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、1日あたり又は1日おきに1、2、3、4、又は5錠のAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)と等しい。
具体的な実施態様において、本明細書において提供されるものは、食品を伴うことなく、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、ある頻度(例えば、ある期間にわたって、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎など)で、それを必要としている対象に経口投与することを含むIDAを治療する方法である。別の具体的な実施態様において、本明細書において提供されるものは、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、ある頻度(例えば、ある期間にわたって、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎など)で、それを必要としている対象に経口投与することを含むIDAを治療する方法であって、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の摂取の3時間、2時間、又は1時間以内に、食品が該対象によって摂取されることがない、前記方法である。特定の実施態様において、ある期間、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間にわたり、1日1回、1日おき、又は2日毎に、前記低用量が投与される。ある実施態様において、1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルがモニターされ(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされ)、かつ、ある実施態様においては、該対象が受けるクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の投与の頻度及び/又はクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の量は、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターに基づいて変更される(例えば、ある期間の後にヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は増加され、ヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は低減される)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)該対象の以下の鉄貯蔵パラメーター:(i)ヘモグロビン濃度、(ii)TSAT値、(iii)血清フェリチンレベル、(iv)血清鉄レベル、(v)組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、(vi)ヘマトクリットレベル、(vii)TIBC値、(viii)血漿エリスロポエチンレベル、及び/又は(ix)FEPレベルのうちの1つ以上を評価すること;及び(b)クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、あるヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルを有する対象に投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、前記方法である。本明細書に記載される方法によりクエン酸第二鉄又は医薬組成物が投与され得る対象のヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルについては、例えば、下記のセクション4.2を参照されたい。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される対象は、クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の前に、以下のもの:(i)約6グラム/dl〜約8グラム/dl、約6グラム/dl〜約10グラム/dl、約6グラム/dl〜約12グラム/dl、約7グラム/dl〜約9グラム/dl、約7グラム/dl〜約11グラム/dl、約7グラム/dl〜約13グラム/dl、約8グラム/dl〜約10グラム/dl、約8グラム/dl〜約12グラム/dl、約9グラム/dl〜約11グラム/dl、約9グラム/dl〜約12グラム/dl、約9グラム/dl〜約13グラム/dl、約10グラム/dl〜約11グラム/dl、約10グラム/dl〜約12グラム/dl、約10グラム/dl〜約13グラム/dl、約11グラム/dl〜約12グラム/dl、約11グラム/dl〜約13グラム/dl、又は約12グラム/dl〜約13グラム/dlのヘモグロビン濃度;(ii)10%〜45%、12%〜45%、20%〜45%、20%〜40%、10%〜35%、20%〜25%、15%〜50%、10%〜30%、又は10%〜25%のTSAT値;(iii)約5ng/ml〜約25ng/ml、約25ng/ml〜約50ng/ml、約50ng/ml〜約100ng/ml、約100ng/ml〜約150ng/ml、約150ng/ml〜約200ng/ml、約150ng/ml〜約250ng/ml、約100ng/ml〜約300ng/ml、約200ng/ml〜約300ng/ml、又は約250ng/ml〜約300ng/mlの血清フェリチンレベル;(iv)約10μg/dl〜約20μg/dl、約10μg/dl〜約30μg/dl、約10μg/dl〜約40μg/dl、約10μg/dl〜約50μg/dl、約10μg/dl〜約60μg/dl、約20μg/dl〜約30μg/dl、約20μg/dl〜約40μg/dl、約20μg/dl〜約50μg/dl、約20μg/dl〜約60μg/dl、約30μg/dl〜約40μg/dl、約30μg/dl〜約50μg/dl、約30μg/dl〜約60μg/dl、約40μg/dl〜約50μg/dl、又は約40μg/dl〜約60μg/dlの血清鉄レベル;(v)グレード2、グレード1、又はグレード0の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル);(vi)10%〜15%、10%〜20%、10%〜25%、10%〜30%、10%〜35%、10%〜40%、10%〜45%、15%〜20%、15%〜25%、15%〜30%、15%〜35%、15%〜40%、15%〜45%、20%〜25%、20%〜30%、20%〜35%、20%〜40%、25%〜45%、25%〜30%、25%〜35%、25%〜40%、25%〜45%、30%〜35%、30%〜40%、30%〜45%、35%〜40%、35%〜45%、又は40%〜45%のヘマトクリットレベル;(vii)約390μg/dl〜約600μg/dl、約390μg/dl〜約800μg/dl、約390μg/dl〜約1000μg/dl、約390μg/dl〜約1200μg/dl、約500μg/dl〜約700μg/dl、約500μg/dl〜約900μg/dl、約500μg/dl〜約1100μg/dl、約600μg/dl〜約800μg/dl、約600μg/dl〜約1000μg/dl、約600μg/dl〜約1200μg/dl、約700μg/dl〜約900μg/dl、約700μg/dl〜約1100μg/dl、約800μg/dl〜約1000μg/dl、約800μg/dl〜約1200μg/dl、約900μg/dl〜約1100μg/dl、約1000μg/dl〜約1200μg/dlのTIBC値;(viii)約20mU/ml〜約30mU/ml、約20mU/ml〜約40mU/ml、約20mU/ml〜約50mU/ml、約20mU/ml〜約60mU/ml、約30mU/ml〜約40mU/ml、約30mU/ml〜約50mU/ml、約30mU/ml〜約60mU/ml、約40mU/ml〜約50mU/ml、約40mU/ml〜約60mU/ml、又は約50mU/ml〜約60mU/mlの血漿エリスロポエチンレベル;及び/又は(ix)約50μg/dl〜約60μg/dl、約50μg/dl〜約70μg/dl、約50μg/dl〜約80μg/dl、約50μg/dl〜約90μg/dl、約50μg/dl〜約100μg/dl、約60μg/dl〜約70μg/dl、約60μg/dl〜約80μg/dl、約60μg/dl〜約90μg/dl、約60μg/dl〜約100μg/dl、約70μg/dl〜約80μg/dl、約70μg/dl〜約90μg/dl、約70μg/dl〜約100μg/dl、約80μg/dl〜約90μg/dl、約80μg/dl〜約100μg/dl、又は約90μg/dl〜約100μg/dlのFEPレベルのうちの1つ、2つ、又は全てを有する。本明細書において開示される方法により治療される対象が女性のある実施態様において、該対象は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5%〜45%、5%〜35%、5%〜25%、5%〜15%、5%〜12%、5%〜10%、10%〜45%、10%〜35%、10%〜25%、10%〜15%、10%〜12%、12%〜45%、12%〜35%、12%〜25%、12%〜15%、20%〜45%、20%〜35%、20%〜25%、30%〜45%、30%〜35%、又は40%〜45%のTSAT値を有する。本明細書において開示される方法により治療される対象が男性のある実施態様において、該対象は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5%〜50%、5%〜40%、5%〜30%、5%〜20%、5%〜15%、5%〜10%、10%〜50%、10%〜40%、10%〜30%、10%〜20%、10%〜15%、15%〜50%、15%〜40%、15%〜30%、15%〜25%、15%〜20%、20%〜50%、20%〜40%、20%〜30%、20%〜25%、30%〜50%、30%〜40%、30%〜35%、40%〜50%、40%〜45%、又は45%〜50%のTSAT値を有する。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、ある頻度で(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎に)投与される。別の具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、食品を伴わずにか、又は該対象による食品の摂取の数時間以内ではない時点、例えば、3時間未満以内ではない時点に、該対象に経口投与される。いくつかの実施態様において、該対象が受けるクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の投与の頻度及び/又はクエン酸第二鉄もしくはその医薬組成物の量は、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターに基づいて変更される(例えば、ある期間の後にヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は増加され、ヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加した場合には、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の量は低減される)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり又は1日おきに210mg〜1100mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;及び(b)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量は、第二鉄の増分が210mgなどの増分で増量される。別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり又は1日おきに210mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;及び(b)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記用量は、1日あたり又は1日おきに420mgの第二鉄に増加される。他の実施態様において、前記用量は、1日おきに210mgの第二鉄から1日あたり210mgの第二鉄に増加される。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、食品を伴わずにか、又は該対象による食品の摂取から数時間以内ではない時点、例えば、3時間未満以内ではない時点に、前記対象に経口投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり又は1日おきに210mg〜1100mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;(b)該対象を、ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後にモニターすること;及び(c)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量は、第二鉄の増分が210mgなどの増分で増量される。別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり又は1日おきに210mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;(b)該対象を、ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後にモニターすること;及び(c)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記用量は、1日あたり又は1日おきに420mgの第二鉄に増加される。他の実施態様において、前記用量は、1日おきに210mgの第二鉄から1日あたり210mgの第二鉄に増加される。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、食品を伴わずにか、又は該対象による食品の摂取から数時間以内ではない時点、例えば、3時間未満以内ではない時点に、前記対象に経口投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり又は1日おきに210mg〜1100mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;及び(b)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量は、第二鉄の増分が210mgなどの増分で漸減される。別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり210mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;及び(b)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記用量は、1日あたり210mgの第二鉄から1日おきに210mgの第二鉄に低減される。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、食品を伴わずにか、又は該対象による食品の摂取から数時間以内ではない時点、例えば、3時間未満以内ではない時点に、前記対象に経口投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり又は1日おきに210mg〜1100mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;(b)該対象を、ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後にモニターすること;及び(c)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量は、第二鉄の増分が210mgなどの増分で漸減される。別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり210mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;(b)該対象を、ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後にモニターすること;及び(c)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記用量は、1日あたり210mgの第二鉄から1日おきに210mgの第二鉄に低減される。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、食品を伴わずにか、又は該対象による食品の摂取から数時間以内ではない時点、例えば、3時間未満以内ではない時点に、前記対象に経口投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり又は1日おきに210mg〜1100mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;並びに(b)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させること、及びある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量は、第二鉄の増分が210mgなどの増分で漸減又は増量される。別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり210mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;並びに(b)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させること、及びある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記用量は、1日あたり210mgの第二鉄から1日おきに210mgの第二鉄に低減される。他の実施態様において、前記用量は、1日あたり又は1日おきに420mgの第二鉄に増加される。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、食品を伴わずにか、又は該対象による食品の摂取から数時間以内ではない時点、例えば、3時間未満以内ではない時点に、前記対象に経口投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり210mg〜1100mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;(b)該対象を、ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後にモニターすること;並びに(c)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させること、及びある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量は、第二鉄の増分が210mgなどの増分で漸減又は増量される。別の実施態様において、本明細書において提供されるものは、対象におけるIDAを治療する方法であって:(a)1日あたり210mgの第二鉄に等しい用量で、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を対象に経口投与すること;(b)該対象を、ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後にモニターすること;並びに(c)ある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dl、4g/dl、3g/dl、2g/dl、又は1.5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を低減させること、及びある期間(例えば、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間)の後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、該クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量を増加させることを含む、前記方法である。ある実施態様において、前記用量は、1日あたり210mgの第二鉄から1日おきに210mgの第二鉄に低減される。他の実施態様において、前記用量は、1日あたり又は1日おきに420mgの第二鉄に増加される。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、食品を伴わずにか、又は該対象による食品の摂取から数時間以内ではない時点、例えば、3時間未満以内ではない時点に、前記対象に経口投与される。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、治療的利益を経験する。具体的な実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、以下の効果:(i)1以上のIDAの症状の向上;(ii)IDAに伴う症状数の減少;(iii)1以上の症状の期間の減少;(iv)1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルの向上(例えば、増加);(v)静脈内鉄及び/又は赤血球生成刺激剤の投与の減少;(vi)鉄欠乏の低減;及び/又は(vii)1つ、2つ、3つ、又は4以上のIDAの症状の低減もしくは除去のうちの1つ、2つ、もしくは3つ以上、又は全てを経験する。IDAの症状としては、疲労感、めまい、立ちくらみ、蒼白、脱毛、易刺激性、脱力感、異食症、脆い爪又はすじ爪、呼吸困難、不安、悲嘆、狭心症、便秘、眠気、耳鳴、口腔内潰瘍、プランマー・ヴィンソン症候群(舌、咽頭、及び食道を覆う粘膜の有痛性の萎縮)、動悸、脱毛、失神又は気が遠くなる感覚、うつ状態、筋肉のけいれん、淡黄色の皮膚、刺痛(しびれ)、又は灼熱感、無月経、月経過多、社会性の発達の遅れ、舌炎、口角口唇炎、匙状爪、食欲不振(poor appeitite)、そう痒症(prurius)、不眠症、めまい、非食品(例えば、土、氷、及びクレイ)への奇妙な渇望、速いもしくは不規則な心拍、頭痛、息切れ、手足の冷え、免疫機能障害、氷食症、下肢静止不能症候群、及び前述のものの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、鉄欠乏の低減は、IDA患者の体内の鉄の総量が、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与によって増加するために起こる。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において鉄吸収を増加させるための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象における鉄貯蔵を維持するか又は増加させるための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。IDA患者が十分な健康を維持するのに十分な鉄貯蔵を有しているかどうかを決定するために測定し得る全身鉄状態のマーカーがいくつか存在する。これらのマーカーは、循環鉄貯蔵、鉄結合錯体において貯蔵される鉄、又は双方のものであってもよく、通常鉄貯蔵パラメーターとも称される。鉄貯蔵パラメーターとしては、例えば、ヘマトクリット、ヘモグロビン濃度(Hb)、総鉄結合能(TIBC)、TSAT、血清鉄レベル、可染組織鉄レベル又は組織鉄濃度として測定される組織鉄レベル(例えば、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル)、血清フェリチンレベル、血漿エリスロポエチンレベル、及びFEPレベルを挙げることができる。これらのうち、ヘマトクリット、ヘモグロビン濃度(Hb)、総鉄結合能(TIBC)、TSAT、及び血清鉄レベルは、一般に、循環鉄貯蔵として知られている。肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルは、一般に、貯蔵鉄又は鉄結合錯体において貯蔵される鉄と称される。ある実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において1つ以上の鉄貯蔵パラメーターを向上させるための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。いくつかの実施態様において、前記1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、ヘマトクリット、ヘモグロビン濃度(Hb)、総鉄結合能(TIBC)、TSAT、血清鉄レベル、可染組織鉄レベル又は組織鉄濃度として測定される組織鉄レベル(例えば、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル)、血清フェリチンレベル、血漿エリスロポエチンレベル、及びFEPレベルから選択される。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において血清フェリチンレベルを増加させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象の血清フェリチンレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の血清フェリチンレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
フェリチンの肝貯蔵は、体内の貯蔵鉄の主な供給源である。フェリチンは、鉄を貯蔵し、それを制御された方法で放出する細胞内タンパク質である。医学的に、血液試料及び/又は肝組織の試料中に存在するフェリチンの量は、肝臓に貯蔵されている鉄の量を反映する(とはいえ、フェリチンは遍在性であり、肝臓に加えて体内の多くの他の組織に見出すことができる)。フェリチンは、鉄を肝臓に無毒性の形態で貯蔵し、必要とする部位にそれを輸送する役割を果たす。基準範囲と呼ばれることもある正常フェリチン血清レベルは、通常、男性で30〜300ng/ml、女性で15〜200ng/mlである。しかしながら、IDA患者では、フェリチンによって結合され、肝臓に貯蔵するのに利用可能な鉄の量が減少するので、血清フェリチンレベルは、通常、顕著に低下している。これは、体が、鉄を吸収及び/又は貯蔵するその能力を失うために起こる。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、5〜15ng/ml、5〜25ng/ml、5〜50ng/ml、5〜100ng/ml、5〜200ng/ml、5〜300ng/ml、5〜400ng/ml、25〜50ng/ml、25〜100ng/ml、25〜200ng/ml、25〜300ng/ml、25〜400ng/ml、50〜100ng/ml、50〜200ng/ml、50〜300ng/ml、50〜400ng/ml、100〜200ng/ml、100〜300ng/ml、100〜400ng/ml、200〜300ng/ml、又は200〜400ng/mlの血清フェリチンレベルの平均増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約5ng/ml以上、約10ng/ml以上、約25ng/ml以上、約50ng/ml以上、約100ng/ml以上、約110ng/ml以上、約120ng/ml以上、約130ng/ml以上、約140ng/ml以上、約150ng/ml以上、約160ng/ml以上、約170ng/ml以上、約180ng/ml以上、約190ng/ml以上、約200ng/ml以上、約210ng/ml以上、約220ng/ml以上、約230ng/ml以上、約240ng/ml以上、約250ng/ml以上、約260ng/ml以上、約270ng/ml以上、約280ng/ml以上、約290ng/ml以上、約300ng/ml以上、約310ng/ml以上、約320ng/ml以上、約330ng/ml以上、約340ng/ml以上、約350ng/ml以上、約360ng/ml以上、約370ng/ml以上、約380ng/ml以上、又は約390ng/ml以上の血清フェリチンレベルの平均増加を経験する。ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜100%、1〜95%、10〜95%、10〜90%、10〜85%、10〜80%、10〜75%、10〜70%、10〜65%、10〜60%、10〜50%、10〜45%、10〜40%、10〜35%、10〜30%、10〜25%、10〜20%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜70%、20〜80%、20〜90%、30〜90%、30〜80%、30〜70%、30〜60%、30〜50%、30〜40%、40〜90%、40〜80%、40〜70%、40〜60%、40〜50%、50〜90%、50〜80%、50〜70%、50〜65%、50〜60%、60〜90%、60〜80%、60〜75%、60〜70%、70〜90%、70%〜80%、又は80〜90%の血清フェリチンレベルの平均増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える血清フェリチンレベルの平均増加を経験する。ある実施態様において、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、前記対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、血清フェリチンレベルの平均増加が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に血清フェリチンレベルが実質的に変化しないままであるような、血清フェリチンレベルの維持を経験する。
本明細書で使用される、鉄貯蔵パラメーターのレベルの文脈での用語「実質的に変化しない」は、鉄貯蔵パラメーターのレベルが、5%未満変化することを意味する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において可染組織鉄レベル又は組織鉄濃度として測定される組織鉄レベル(例えば、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル)を増加させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。具体的な実施態様において、該組織鉄レベルは、可染組織鉄レベルとして測定される。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
組織鉄レベルは、組織(例えば、肝臓、脾臓)内の鉄含量を反映しており、可染組織鉄レベル又は組織鉄濃度として測定可能である。可染組織鉄レベル及び血清フェリチンレベルが、軽度鉄欠乏の最も高感度の検査指標であり、特に、鉄欠乏と慢性障害との貧血とを区別するのに有用である。可染組織鉄レベルは、可染鉄の組織学的分類によって決定される。正常な可染肝臓鉄レベルは、通常、グレード3超である。しかしながら、IDA患者では、身体が鉄を吸収及び/又は貯蔵するその能力を失っているために、可染肝臓鉄レベルは、典型的には、顕著に減少している。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜100%、1〜95%、10〜95%、10〜90%、10〜85%、10〜80%、10〜75%、10〜70%、10〜65%、10〜60%、10〜50%、10〜45%、10〜40%、10〜35%、10〜30%、10〜25%、10〜20%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜70%、20〜80%、20〜90%、30〜90%、30〜80%、30〜70%、30〜60%、30〜50%、30〜40%、40〜90%、40〜80%、40〜70%、40〜60%、40〜50%、50〜90%、50〜80%、50〜70%、50〜65%、50〜60%、60〜90%、60〜80%、60〜75%、60〜70%、70〜90%、70%〜80%、又は80〜90%の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)の平均増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)の平均増加を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)の平均増加が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)が前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるような、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)の維持を経験する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において、TSAT値を増加させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象のTSAT値は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象のTSAT値は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
貯蔵鉄に加えて、通常約3〜4mgの少量の鉄が、トランスフェリンと呼ばれるタンパク質に結合して血漿を循環している。したがって、血清鉄レベルは、タンパク質トランスフェリンに結合している、血液中を循環している鉄の量で表すことができる。トランスフェリンは、1個又は2個の第二鉄(鉄(III)又はFe3+)イオンに結合することができる、肝臓によって産生される糖タンパク質である。トランスフェリンは、最も一般的かつ動的な血液中の鉄の担体であり、したがって、全身で使用するための貯蔵鉄を輸送する身体能力の必須構成要素である。トランスフェリン飽和度(又はTSAT)は、百分率として測定され、血清鉄と総鉄結合能の割合に100を乗じたものとして計算される。この値は、鉄に結合することができるトランスフェリンの総量に対して、どのくらいの血清鉄が実際に結合しているかを臨床医に知らせる。例えば、35%のTSAT値は、血液試料中のトランスフェリンの利用可能な鉄結合部位の35%が鉄によって占められていることを意味する。非IDA患者では、典型的なTSAT値は、男性で約15〜50%であり、女性で12〜45%である。しかしながら、IDA患者では、トランスフェリンによって結合できる鉄の量が減少するので、TSAT値は、通常、顕著に低下している。これは、身体が、鉄を吸収及び/又は貯蔵するその能力を失うために起こる。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、1〜50%、1〜75%、1〜100%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、5〜50%、5〜75%、5〜100%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、10〜50%、10〜75%、10〜100%、15〜20%、15〜25%、15〜50%、15〜75%、15〜100%、20〜25%、20〜50%、20〜75%、20〜100%、25〜50%、25〜75%、25〜100%、50〜75%、又は50〜100%のTSAT値の平均増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、50%、75%、100%、又はそれを超えるTSAT値の平均増加を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、TSAT値の平均増加が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、TSAT値が前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるような、TSAT値の維持を経験する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において、ヘモグロビン濃度を増加させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、該対象のヘモグロビン濃度は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、該対象のヘモグロビン濃度は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
ヘモグロビン濃度は、全血の体積(デシリットル)あたりのヘモグロビン(グラム)の濃度の測定である。ヘモグロビン濃度はまた、質量分率又は重量分率として測定して百分率(%)として表してもよい。非IDA患者では、典型的なヘモグロビン濃度は、男性では13.8〜18.0g/dl(すなわち、8.56〜11.17mmol/L)、女性では12.1〜15.1g/dl(すなわち、7.51〜9.37mmol/L)、小児では11.0〜16.0g/dl(すなわち、6.83〜9.93mmol/L)、妊娠中の女性では11.0〜14.0g/dl(すなわち、6.83〜8.69mmol/L)の範囲である。しかしながら、IDA患者では、身体が鉄を吸収及び/又は貯蔵するその能力を失っているために、ヘモグロビン濃度は、前記正常範囲未満に減少することもある。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、0.1〜0.5g/dl、0.1〜1g/dl、0.1〜1.5g/dl、0.1〜2g/dl、0.1〜2.5g/dl、0.1〜3g/dl、0.1〜3.5g/dl、0.1〜4g/dl、0.1〜4.5g/dl、0.1〜5g/dl、0.4〜0.8g/dl、0.4〜1g/dl、0.4〜1.5g/dl、0.4〜2g/dl、0.4〜2.5g/dl、0.4〜3g/dl、0.4〜3.5g/dl、0.4〜4g/dl、0.4〜4.5g/dl、0.4〜5g/dl、0.5〜0.8g/dl、0.5〜1g/dl、0.5〜1.5g/dl、0.5〜2g/dl、0.5〜2.5g/dl、0.5〜3g/dl、0.5〜3.5g/dl、0.5〜4g/dl、0.5〜4.5g/dl、0.5〜5g/dl、1〜1.5g/dl、1〜2g/dl、1〜2.5g/dl、1〜3g/dl、1〜3.5g/dl、1〜4g/dl、1〜4.5g/dl、1〜5g/dl、1.5〜2g/dl、1.5〜2.5g/dl、1.5〜3g/dl、1.5〜3.5g/dl、1.5〜4g/dl、1.5〜4.5g/dl、1.5〜5g/dl、2〜2.5g/dl、2〜3g/dl、2〜3.5g/dl、2〜4g/dl、2〜4.5g/dl、又は2〜5g/dlのヘモグロビン濃度の平均増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約0.1g/dl以上、約0.2g/dl以上、約0.3g/dl以上、約0.4g/dl以上、約0.5g/dl以上、約1g/dl以上、約1.5g/dl以上、約2g/dl以上、約2.5g/dl以上、約3g/dl以上、約3.5g/dl以上、約4g/dl以上、約4.5g/dl以上、又は約5g/dl以上のヘモグロビン濃度の平均増加を経験する。ある実施態様において、ヘモグロビン濃度は、2g/dl、3g/dl、4g/dl、又は5g/dlを超えて増加しない。いくつかの実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、平均増加ヘモグロビン濃度が結果として生じる。ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、ヘモグロビン濃度が前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるようなヘモグロビン濃度の維持を経験する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において、ヘマトクリットレベルを増加させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象のヘマトクリットレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象のヘマトクリットレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
パック細胞容積又は赤血球の体積分率とも呼ばれるヘマトクリットは、血液中の赤血球の体積百分率である。非IDA患者では、ヘマトクリットは、通常、男性では血液体積の約45%であり、女性では血液体積の約40%である。しかしながら、IDA患者では、ヘマトクリットは、鉄吸収の不足及び/又は鉄貯蔵能の不足が原因で、顕著に減少している場合が多い。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜25%、1〜20%、1〜15%、1〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、又は20〜25%のヘマトクリットレベルの増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、又はそれを超えるヘマトクリットレベルの増加を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、ヘマトクリットレベルの増加が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、ヘマトクリットが前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるような、ヘマトクリットレベルの維持を経験する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において、総鉄結合能(TIBC)値を低減させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象のTIBC値は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象のTIBC値は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
総鉄結合能(TIBC)は、鉄をタンパク質トランスフェリンと結合させる血液の能力の尺度である。TIBCは、通常、血液試料を採取し、該試料が担持することができる鉄の最大量を測定することによって測定される。したがって、TIBCは、血液中で鉄を輸送するタンパク質であるトランスフェリンを間接的に測定するものである。非IDA患者では、TIBCの典型的な質量濃度又はモル濃度測定値は、それぞれ、250〜370μg/dl又は45〜66μmol/Lの範囲である。しかしながら、IDA患者では、体が、鉄を赤血球前駆細胞に送達してヘモグロビンを産生するためには、より多くのトランスフェリンを産生しなければならないので、TIBCは、通常、これらのレベルを上回って増加している。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜25%、1〜20%、1〜15%、1〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、又は20〜25%のTIBC値の低減を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、又はそれを超えるTIBC値の低減を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、TIBC値の低減が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、TIBC値が前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるような、TIBC値の維持を経験する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において、血清鉄レベルを増加させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記血清鉄レベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の血清鉄レベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
鉄の血清貯留は、血液中を循環している及び主にトランスフェリンに結合している体内の全鉄の画分である。この貯留における鉄は、回転が非常に速く、ある場所から別の場所へと輸送されている鉄を表す。血清鉄レベルは、血液中の循環鉄のこの貯留の量の尺度である。正常な血清鉄レベルは、通常、男性では65〜176μg/dl、女性では50〜170μg/dl、小児では50〜120μg/dlである。しかしながら、IDA患者では、該血清鉄レベルは、身体が鉄を吸収及び/又は貯蔵するその能力を失っているために、典型的には、前記正常範囲未満に減少している。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜100%、1〜95%、10〜95%、10〜90%、10〜85%、10〜80%、10〜75%、10〜70%、10〜65%、10〜60%、10〜50%、10〜45%、10〜40%、10〜35%、10〜30%、10〜25%、10〜20%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜70%、20〜80%、20〜90%、30〜90%、30〜80%、30〜70%、30〜60%、30〜50%、30〜40%、40〜90%、40〜80%、40〜70%、40〜60%、40〜50%、50〜90%、50〜80%、50〜70%、50〜65%、50〜60%、60〜90%、60〜80%、60〜75%、60〜70%、70〜90%、70%〜80%、又は80〜90%の血清鉄レベルの平均増加を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える血清鉄レベルの平均増加を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、血清鉄レベルの平均増加が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、血清鉄レベルが前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるような血清鉄レベルの維持を経験する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において、血漿エリスロポエチンレベルを低減させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象の血漿エリスロポエチンレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の血漿エリスロポエチンレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
エリスロポエチンは、赤血球系前駆細胞(committed erythroid progenitor cell)の増殖及び分化の必須増殖因子である腎臓の糖タンパク質ホルモンである。血漿エリスロポエチンレベルは、通常、ヘマトクリットレベルが低減するにつれて増加する。正常な血漿エリスロポエチンレベルは、通常、成人で4.1〜19.5mU/ml、小児で9〜28mU/mlである。しかしながら、IDA患者では、身体が鉄を吸収及び/又は貯蔵するその能力を失っているために、血漿エリスロポエチンレベルは、典型的には、正常範囲を超えて増加している。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜100%、1〜95%、10〜95%、10〜90%、10〜85%、10〜80%、10〜75%、10〜70%、10〜65%、10〜60%、10〜50%、10〜45%、10〜40%、10〜35%、10〜30%、10〜25%、10〜20%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜70%、20〜80%、20〜90%、30〜90%、30〜80%、30〜70%、30〜60%、30〜50%、30〜40%、40〜90%、40〜80%、40〜70%、40〜60%、40〜50%、50〜90%、50〜80%、50〜70%、50〜65%、50〜60%、60〜90%、60〜80%、60〜75%、60〜70%、70〜90%、70%〜80%、又は80〜90%の血漿エリスロポエチンレベルの平均低減を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える血漿エリスロポエチンレベルの平均低減を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、血漿エリスロポエチンレベルの平均増加が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、血漿エリスロポエチンレベルが前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるような、血漿エリスロポエチンレベルの維持を経験する。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象において、遊離赤血球プロトポルフィリン(FEP)レベルを低減させるか又は維持するための方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、前記対象のFEPレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象のFEPレベルは、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、及び/又は血漿エリスロポエチンレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、前記対象の1以上の他の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、及び/又は血漿エリスロポエチンレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後にモニターされる(例えば、該1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎にモニターされる)。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
骨髄において、ヘモグロビン合成の間にヘム基へ組み込むための鉄が不足する場合、その代わりに亜鉛が組み込まれ、亜鉛プロトポルフィリン(ZPP)と呼ばれる化合物が形成される。遊離の赤血球プロトポルフィリン(FEP)は、抽出及び化学的測定プロセスの間に亜鉛イオンが除去された後に残される化合物である。FEPレベルの上昇は、骨髄における不十分な鉄の第1の指標の一つである。正常FEPレベルは、通常、30〜40μg/dl赤血球である。しかしながら、IDA患者では、身体が鉄を吸収及び/又は貯蔵するその能力を失っているために、該血清鉄レベルは、典型的には正常範囲を超えて増加している。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜100%、1〜95%、10〜95%、10〜90%、10〜85%、10〜80%、10〜75%、10〜70%、10〜65%、10〜60%、10〜50%、10〜45%、10〜40%、10〜35%、10〜30%、10〜25%、10〜20%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜70%、20〜80%、20〜90%、30〜90%、30〜80%、30〜70%、30〜60%、30〜50%、30〜40%、40〜90%、40〜80%、40〜70%、40〜60%、40〜50%、50〜90%、50〜80%、50〜70%、50〜65%、50〜60%、60〜90%、60〜80%、60〜75%、60〜70%、70〜90%、70%〜80%、又は80〜90%のFEPレベルの平均低減を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超えるFEPレベルの平均低減を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、FEPレベルの平均増加が結果として生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、FEPレベルが前記クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の間に実質的に変化しないままであるような、FEPレベルの維持を経験する。
典型的には、IDAを治療し得る3つの手段が存在する。第1のアプローチは、鉄が多い食品を食べることによるものである。それでは不十分な場合には、臨床医は、経口又は静脈内(IV)鉄補給剤を処方する可能性がある。静脈内(IV)鉄補給は、針で注射することによって、経筋肉又は静脈内のいずれかで鉄を送達する方法である。IV鉄を受けているIDA患者は、通常、経口の鉄に耐容性を示さないという理由でそれを受けている。静脈内鉄は、鉄溶液が入ったIVバッグに取り付けられた針を通ってIDA患者の静脈内に送達される。該手順は、医院又は診療所で行われ、医師がどの治療を処方したかによって、最大で数時間を要することもある。患者は、通常、鉄レベルが正常なものとなるまでの数回の来院過程にわたって鉄注射を受ける。ある例では、IDA患者は、長期にわたるIV鉄補給を必要とすることもある。IV鉄は、短期的な副作用、例えば、胃腸痛(例えば、嘔気及び腹痛発作)、呼吸障害、皮膚障害(例えば、発疹)、胸痛、低血圧、アナフィラキシー、及び死、並びにアテローム性動脈硬化症の進行、感染症、及び増加した死亡率を含む長期的な毒性と関連している(Quinibiの文献、Arzneimittelforschung (2010) 60, 399-412)。さらに、多くの診療所、特にコミュニティサイトは、静脈内鉄を投与するには設備が不十分である。このことが、IDA患者の大多数を、静脈内鉄治療を受けられないままとしている。
加えて、IDA患者もまた、貧血を制御する試みで、1以上の赤血球生成刺激剤(ESA)を服用することができる。ESAは、体が赤血球を産生するのを助けることによって作用する。これらの赤血球は、その後、骨髄から血流中に放出され、そこで血液鉄レベルの維持を助ける。一般にESAと略記される赤血球生成刺激剤は、体内での赤血球産生(赤血球生成)を刺激するサイトカインであるエリスロポエチンと構造及び/又は機能が類似している薬剤である。典型的なESAは、構造的かつ生物学的に、天然タンパク質のエリスロポエチンと類似している。商業的に入手できるESAの例としては、エリスロポエチン(Epo)、エポエチンアルファ(プロクリット(Procrit)/エポゲン(Epogen))、エポエチンベータ(ネオレコルモン(NeoRecormon))、ダルベポエチンアルファ(アラネスプ(Aranesp))、及びメトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ(ミルセラ(Mircera))が挙げられる。米国での販売が現在許可されている2つのESAは、エポエチンアルファ(プロクリット、エポゲン)、及びダルベポエチンアルファ(アラネスプ)である。
ESA使用によって最もよく生じる副作用としては、とりわけ:血圧上昇;腫脹;発熱;めまい;嘔気;及び注射部位での疼痛が挙げられる。これらの副作用に加えて、ESA使用によって生じるいくつかの安全性の問題がある。ESAは、静脈血栓塞栓症(静脈内の血餅)のリスクを高める。ESAは、ヘモグロビンをあまりに高く上昇させることもあり、患者の心臓発作、卒中、心不全、及び死のリスクがより高まる。加えて、ESAは、ある場合には、鉄枯渇を悪化させ、血小板増加症における増加に繋がることもある。
具体的な態様において、本明細書において提供されるものは、IDAの対象及び/又はIDAと診断された対象による静脈内鉄及び/又は赤血球生成(erythropoeisis)刺激剤摂取量を低減させる又は維持する方法であって、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を、該対象に経口投与することを含む、前記方法である。例えば、治療される患者集団に関しては下記のセクション4.2、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の用量・用法に関しては下記のセクション4.3、並びにクエン酸第二鉄及びその医薬組成物の形態に関しては下記のセクション4.5を参照されたい。具体的な実施態様において、前記対象には、低用量のクエン酸第二鉄が、ある頻度(例えば、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、又は5日毎)で投与される。ある実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の前に評価される。いくつかの実施態様において、該対象の1つ以上の鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度、TSAT値、血清フェリチンレベル、血清鉄レベル、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及び/又はFEPレベルが、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の該対象への投与の後に(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間毎に)モニターされる。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物を投与される対象は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜25%、1〜20%、1〜15%、1〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、20〜25%、1〜100%、20〜25%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜70%、20〜80%、20〜90%、25〜30%、25〜45%、25〜50%、25〜75%、25〜80%、25〜85%、25〜90%、25〜95%、30〜40%、30〜60%、30〜70%、30〜80%、30〜90%、40〜50%、40〜80%、40〜95%、50〜60%、50〜75%、50〜95%、60〜70%、60〜90%、60〜95%、75〜85%、75〜95%、又は75〜100%の平均累積IV鉄摂取量の平均減少を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える平均累積IV鉄摂取量の平均減少を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、平均累積IV鉄摂取量の平均減少が結果として生じる。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、約1〜25%、1〜20%、1〜15%、1〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、20〜25%、1〜100%、20〜25%、20〜30%、20〜40%、20〜50%、20〜60%、20〜70%、20〜80%、20〜90%、25〜30%、25〜45%、25〜50%、25〜75%、25〜80%、25〜85%、25〜90%、25〜95%、30〜40%、30〜60%、30〜70%、30〜80%、30〜90%、40〜50%、40〜80%、40〜95%、50〜60%、50〜75%、50〜95%、60〜70%、60〜90%、60〜95%、75〜85%、75〜95%、又は75〜100%の中央値ESA摂取量の低減を経験する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法によりIDAの治療を受ける対象は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える中央値ESA摂取量の低減を経験する。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物が、対象に、ある期間にわたって(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれを超える期間)投与された後に、中央値ESA摂取量の低減が結果として生じる。
(4.2.患者集団)
用語「患者」及び「対象」は、本明細書で互換的に使用され、動物を指す。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、哺乳動物、例えば、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)、又は霊長類(例えば、サル又はヒト)である。好ましい実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、ヒトである。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、雄、又は妊娠中ではなく授乳中でもない雌である。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、18歳以上の年齢のヒトである。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、高リン酸血症に罹患していないかつ/又はそれと診断されていない。他の実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、高リン酸血症である。
いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、慢性腎疾患(CKD)に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれに罹患していると診断されている。CKDは、経時的な腎機能のゆっくりした喪失を特徴とする状態であり、IDAは、CKDのよくある合併症である。3ヶ月間にわたり糸球体濾過量(GFR)が<60ml/分/1.73m2である個体は全て、腎損傷の有無に関わらずCKDに罹患していると分類される。重症度に基づき、CKDは、5つのステージに分類することができる。ステージ1が、最も軽度であり、通常、いくつかの症状を引き起こしている。ステージ2は、腎損傷を伴うGFRの軽度の減少(60〜89ml/分/1.73m2)を特徴とする。ステージ3は、GFRの中程度の減少(30〜59ml/分/1.73m2)を特徴とする。ステージ4は、GFRの重篤な減少(15〜29ml/分/1.73m2)を特徴とする。ステージ5は、確立された腎不全(GFR<15ml/分/1.73m2)を特徴とする。ステージ5は、治療を行わないと期待生存時間が短い重篤な病気である。透析又は腎移植のいずれかを必要とするCKDを有する個人は、通常、末期腎疾患(ESRD)患者と呼ばれる。したがって、従来、CKDの非透析依存的なより早いステージの終わりに到達している場合に、患者はESRD患者と分類される。その時点より前は、該患者は、非透析依存性CKD(ND-CKD)患者と呼ばれる。典型的には、患者は、透析が医学的に必要となる前に、ステージ1〜4を経て進行する。しかしながら、透析をまだ開始していない、又は移植が勧められていないステージ5の患者も、非透析依存性CKD患者である。様々な実施態様において、前記IDA患者は、ステージ3〜5のCKD患者である。
いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、慢性腎疾患に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患と診断されていない。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、ステージ1、2、3、4、又は5の慢性腎疾患に罹患していないかつ/又はそれと診断されていない。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、末期慢性腎疾患に罹患していないかつ/又はそれと診断されていない。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症に罹患していないかつ/又は慢性腎疾患及び/又は高リン酸血症と診断されていない。
いくつかの他の実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、慢性腎疾患に罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、ステージ1、2、3、4、又は5の慢性腎疾患に罹患しているかつ/又はそれと診断されている。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、末期慢性腎疾患に罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、慢性腎疾患に罹患しているかつ/又はそれと診断されており、かつ透析を受けている。他の実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、慢性腎疾患に罹患しているかつ/又はそれと診断されており、透析は受けていない。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約9グラム/dl以上、例えば、約9.5グラム/dl、10グラム/dl、11グラム/dl、11.5グラム/dl、又は12グラム/dlのヘモグロビン濃度を有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約9グラム/dl、かつ約12.5グラム/dl、12グラム/dl、又は11.5グラム/dl以下のヘモグロビン濃度を有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約6グラム/dl〜約8グラム/dl、約6グラム/dl〜約10グラム/dl、約6グラム/dl〜約12グラム/dl、約7グラム/dl〜約9グラム/dl、約7グラム/dl〜約11グラム/dl、約7グラム/dl〜約13グラム/dl、約8グラム/dl〜約10グラム/dl、約8グラム/dl〜約12グラム/dl、約9グラム/dl〜約11グラム/dl、約9グラム/dl〜約12グラム/dl、約9グラム/dl〜約13グラム/dl、約10グラム/dl〜約11グラム/dl、約10グラム/dl〜約12グラム/dl、約10グラム/dl〜約13グラム/dl、約11グラム/dl〜約12グラム/dl、約11グラム/dl〜約13グラム/dl、又は約12グラム/dl〜約13グラム/dlのヘモグロビン濃度を有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、12%、又は10%未満のTSAT値を有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5%〜50%、5%〜45%、5%〜40%、5%〜35%、5%〜30%、5%〜25%、5%〜20%、5%〜15%、5%〜12%、5%〜10%、10%〜50%、10%〜45%、10%〜40%、10%〜35%、10%〜30%、10%〜25%、10%〜20%、10%〜15%、10%〜12%、12%〜50%、12%〜45%、12%〜40%、12%〜35%、12%〜30%、12%〜25%、12%〜20%、12%〜15%、15%〜50%、15%〜45%、15%〜40%、15%〜35%、15%〜30%、15%〜25%、15%〜20%、20%〜50%、20%〜45%、20%〜40%、20%〜35%、20%〜30%、20%〜25%、30%〜50%、30%〜45%、30%〜40%、30%〜35%、40%〜50%、40%〜45%、又は45%〜50%のTSAT値を有する。本明細書において開示される方法により治療される患者が女性のある実施態様において、該患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5%〜45%、5%〜35%、5%〜25%、5%〜15%、5%〜12%、5%〜10%、10%〜45%、10%〜35%、10%〜25%、10%〜15%、10%〜12%、12%〜45%、12%〜35%、12%〜25%、12%〜15%、20%〜45%、20%〜35%、20%〜25%、30%〜45%、30%〜35%、又は40%〜45%のTSAT値を有する。本明細書において開示される方法により治療される患者が男性のある実施態様において、該患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5%〜50%、5%〜40%、5%〜30%、5%〜20%、5%〜15%、5%〜10%、10%〜50%、10%〜40%、10%〜30%、10%〜20%、10%〜15%、15%〜50%、15%〜40%、15%〜30%、15%〜25%、15%〜20%、20%〜50%、20%〜40%、20%〜30%、20%〜25%、30%〜50%、30%〜40%、30%〜35%、40%〜50%、40%〜45%、又は45%〜50%のTSAT値を有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、300ng/ml未満(例えば、275ng/ml以下、250ng/ml以下、225ng/ml以下、200ng/ml以下、175ng/ml以下、150ng/ml以下、125ng/ml以下、100ng/ml以下、75ng/ml以下、50ng/ml以下、25ng/ml以下、15ng/ml以下、10ng/ml以下、又は5ng/ml以下)の血清フェリチンレベルを有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、45ng/ml、50ng/ml、55ng/ml、60ng/ml、65ng/ml、70ng/ml、75ng/ml、80ng/ml、85ng/ml、90ng/ml、95ng/ml、100ng/ml、125ng/ml、150ng/ml、175ng/ml、200ng/ml、225ng/ml、250ng/ml、275ng/ml、又は300ng/mlの血清フェリチンレベルを有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約5ng/ml〜約15ng/ml、約5ng/ml〜約25ng/ml、約5ng/ml〜約50ng/ml、約15ng/ml〜約25ng/ml、約15ng/ml〜約50ng/ml、約15ng/ml〜約75ng/ml、約25ng/ml〜約50ng/ml、約25ng/ml〜約75ng/ml、約25ng/ml〜約100ng/ml、約50ng/ml〜約75ng/ml、約50ng/ml〜約100ng/ml、約50ng/ml〜約150ng/ml、約75ng/ml〜約100ng/ml、約75ng/ml〜約150ng/ml、約100ng/ml〜約150ng/ml、約150ng/ml〜約200ng/ml、約150ng/ml〜約250ng/ml、約100ng/ml〜約300ng/ml、約200ng/ml〜約300ng/ml、又は約250ng/ml〜約300ng/mlの血清フェリチンレベルを有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5ng/ml〜300ng/ml(例えば、5ng/ml〜250ng/ml、5ng/ml〜150ng/ml、5ng/ml〜100ng/ml、5ng/ml〜75ng/ml、5ng/ml〜50ng/ml、5ng/ml〜25ng/ml、5ng/ml〜15ng/ml、又は5ng/ml〜10ng/ml)の血清フェリチンレベルを有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、又は10%未満のヘマトクリットレベルを有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、10%〜15%、10%〜20%、10%〜25%、10%〜30%、10%〜35%、10%〜40%、10%〜45%、15%〜20%、15%〜25%、15%〜30%、15%〜35%、15%〜40%、15%〜45%、20%〜25%、20%〜30%、20%〜35%、20%〜40%、25%〜45%、25%〜30%、25%〜35%、25%〜40%、25%〜45%、30%〜35%、30%〜40%、30%〜45%、35%〜40%、35%〜45%、又は40%〜45%のヘマトクリットレベルを有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、390μg/dl超(例えば、390μg/dl以上、400μg/dl以上、450μg/dl以上、450μg/dl以上、500μg/dl以上、550μg/dl以上、600μg/dl以上、650μg/dl以上、700μg/dl以上、800μg/dl以上、900μg/dl以上、1000μg/dl以上、1100μg/dl以上、又は1200μg/dl以上)のTIBC値を有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約390μg/dl、400μg/dl、450μg/dl、500μg/dl、550μg/dl、600μg/dl、650μg/dl、700μg/dl、800μg/dl、900μg/dl、1000μg/dl、1100μg/dl、又は1200μg/dlのTIBC値を有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約390μg/dl〜約600μg/dl、約390μg/dl〜約800μg/dl、約390μg/dl〜約1000μg/dl、約390μg/dl〜約1200μg/dl、約500μg/dl〜約700μg/dl、約500μg/dl〜約900μg/dl、約500μg/dl〜約1100μg/dl、約600μg/dl〜約800μg/dl、約600μg/dl〜約1000μg/dl、約600μg/dl〜約1200μg/dl、約700μg/dl〜約900μg/dl、約700μg/dl〜約1100μg/dl、約800μg/dl〜約1000μg/dl、約800μg/dl〜約1200μg/dl、約900μg/dl〜約1100μg/dl、又は約1000μg/dl〜約1200μg/dlmlのTIBC値を有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、グレード2の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)を有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、グレード1の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)を有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、グレード0の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)を有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、60μg/dl未満(例えば、50μg/dl以下、40μg/dl以下、30μg/dl以下、20μg/dl以下、又は10μg/dl以下)の血清鉄レベルを有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約5μg/dl、10μg/dl、15μg/dl、20μg/dl、25μg/dl、30μg/dl、40μg/dl、50μg/dl、又は60μg/dlの血清鉄レベルを有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約10μg/dl〜約20μg/dl、約10μg/dl〜約30μg/dl、約10μg/dl〜約40μg/dl、約10μg/dl〜約50μg/dl、約10μg/dl〜約60μg/dl、約20μg/dl〜約30μg/dl、約20μg/dl〜約40μg/dl、約20μg/dl〜約50μg/dl、約20μg/dl〜約60μg/dl、約30μg/dl〜約40μg/dl、約30μg/dl〜約50μg/dl、約30μg/dl〜約60μg/dl、約40μg/dl〜約50μg/dl、又は約40μg/dl〜約60μg/dlの血清鉄レベルを有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、20mU/ml超(例えば、20mU/ml以上、25mU/ml以上、30mU/ml以上、40mU/ml以上、50mU/ml以上、又は60mU/ml以上)の血漿エリスロポエチンレベルを有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約20mU/ml、25mU/ml、30mU/ml、35mU/ml、40mU/ml、45mU/ml、50mU/ml、55mU/ml、又は60mU/mlの血漿エリスロポエチンレベルを有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約20mU/ml〜約30mU/ml、約20mU/ml〜約40mU/ml、約20mU/ml〜約50mU/ml、約20mU/ml〜約60mU/ml、約30mU/ml〜約40mU/ml、約30mU/ml〜約50mU/ml、約30mU/ml〜約60mU/ml、約40mU/ml〜約50mU/ml、約40mU/ml〜約60mU/ml、又は約50mU/ml〜約60mU/mlの血漿エリスロポエチンレベルを有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、50μg/dl超(例えば、50μg/dl以上、60μg/dl以上、70μg/dl以上、80μg/dl以上、90μg/dl以上、又は100μg/dl以上)のFEPを有する。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約50μg/dl、60μg/dl、70μg/dl、80μg/dl、90μg/dl、又は100μg/dlのFEPレベルを有する。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、約50μg/dl〜約60μg/dl、約50μg/dl〜約70μg/dl、約50μg/dl〜約80μg/dl、約50μg/dl〜約90μg/dl、約50μg/dl〜約100μg/dl、約60μg/dl〜約70μg/dl、約60μg/dl〜約80μg/dl、約60μg/dl〜約90μg/dl、約60μg/dl〜約100μg/dl、約70μg/dl〜約80μg/dl、約70μg/dl〜約90μg/dl、約70μg/dl〜約100μg/dl、約80μg/dl〜約90μg/dl、約80μg/dl〜約100μg/dl、又は約90μg/dl〜約100μg/dlのFEPレベルを有する。
いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の前に、以下:(i)約12.5グラム/dl、12グラム/dl、又は11.5グラム/dl以下のヘモグロビン濃度;(ii)50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、12%、又は10%未満のTSAT値;(iii)300ng/ml未満(例えば、275ng/ml以下、250ng/ml以下、225ng/ml以下、200ng/ml以下、175ng/ml以下、150ng/ml以下、125ng/ml以下、100ng/ml以下、75ng/ml以下、50ng/ml以下、25ng/ml以下、15ng/ml以下、10ng/ml以下、又は5ng/ml以下)の血清フェリチンレベル;(iv)60μg/dl未満(例えば、50μg/dl以下、40μg/dl以下、30μg/dl以下、20μg/dl以下、又は10μg/dl以下)の血清鉄レベル;(v)グレード2、グレード1、又はグレード0の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル);(vi)45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、又は10%未満のヘマトクリットレベル;(vii)390μg/dl超(例えば、390μg/dl以上、400μg/dl以上、450μg/dl以上、450μg/dl以上、500μg/dl以上、550μg/dl以上、600μg/dl以上、650μg/dl以上、700μg/dl以上、800μg/dl以上、900μg/dl以上、1000μg/dl以上、1100μg/dl以上、又は1200μg/dl以上)のTIBC値;(viii)20mU/ml超(例えば、20mU/ml以上、25mU/ml以上、30mU/ml以上、40mU/ml以上、50mU/ml以上、又は60mU/ml以上)の血漿エリスロポエチンレベル;及び/又は(ix)50μg/dl超(例えば、50μg/dl以上、60μg/dl以上、70μg/dl以上、80μg/dl以上、90μg/dl以上、又は100μg/dl以上)のFEPのうちの1つ、2つ、もしくは3つ以上、又は全てを有する。本明細書において開示される方法により治療される患者が女性のある実施態様において、該患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、又は12%未満のTSAT値を有する。本明細書において開示される方法により治療される患者が男性のある実施態様において、該患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、又は10%未満のTSAT値を有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又は医薬組成物の投与の前に、以下:(i)約6グラム/dl〜約8グラム/dl、約6グラム/dl〜約10グラム/dl、約6グラム/dl〜約12グラム/dl、約7グラム/dl〜約9グラム/dl、約7グラム/dl〜約11グラム/dl、約7グラム/dl〜約13グラム/dl、約8グラム/dl〜約10グラム/dl、約8グラム/dl〜約12グラム/dl、約9グラム/dl〜約11グラム/dl、約9グラム/dl〜約12グラム/dl、約9グラム/dl〜約13グラム/dl、約10グラム/dl〜約11グラム/dl、約10グラム/dl〜約12グラム/dl、約10グラム/dl〜約13グラム/dl、約11グラム/dl〜約12グラム/dl、約11グラム/dl〜約13グラム/dl、又は約12グラム/dl〜約13グラム/dlのヘモグロビン濃度;(ii)10%〜45%、12%〜45%、20%〜45%、20%〜40%、10%〜35%、20%〜25%、15%〜50%、又は10%〜30%のTSAT値;(iii)約5ng/ml〜約15ng/ml、約5ng/ml〜約25ng/ml、約5ng/ml〜約50ng/ml、約15ng/ml〜約25ng/ml、約15ng/ml〜約50ng/ml、約15ng/ml〜約75ng/ml、約25ng/ml〜約50ng/ml、約25ng/ml〜約75ng/ml、約25ng/ml〜約100ng/ml、約50ng/ml〜約75ng/ml、約50ng/ml〜約100ng/ml、約50ng/ml〜約150ng/ml、約75ng/ml〜約100ng/ml、約75ng/ml〜約150ng/ml、約100ng/ml〜約150ng/ml、約150ng/ml〜約200ng/ml、約150ng/ml〜約250ng/ml、約100ng/ml〜約300ng/ml、約200ng/ml〜約300ng/ml、又は約250ng/ml〜約300ng/mlの血清フェリチンレベル;(iv)約10μg/dl〜約20μg/dl、約10μg/dl〜約30μg/dl、約10μg/dl〜約40μg/dl、約10μg/dl〜約50μg/dl、約10μg/dl〜約60μg/dl、約20μg/dl〜約30μg/dl、約20μg/dl〜約40μg/dl、約20μg/dl〜約50μg/dl、約20μg/dl〜約60μg/dl、約30μg/dl〜約40μg/dl、約30μg/dl〜約50μg/dl、約30μg/dl〜約60μg/dl、約40μg/dl〜約50μg/dl、又は約40μg/dl〜約60μg/dlの血清鉄レベル;(v)グレード2、グレード1、又はグレード0の組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル);(vi)10%〜15%、10%〜20%、10%〜25%、10%〜30%、10%〜35%、10%〜40%、10%〜45%、15%〜20%、15%〜25%、15%〜30%、15%〜35%、15%〜40%、15%〜45%、20%〜25%、20%〜30%、20%〜35%、20%〜40%、25%〜45%、25%〜30%、25%〜35%、25%〜40%、25%〜45%、30%〜35%、30%〜40%、30%〜45%、35%〜40%、35%〜45%、又は40%〜45%のヘマトクリットレベル;(vii)約390μg/dl〜約600μg/dl、約390μg/dl〜約800μg/dl、約390μg/dl〜約1000μg/dl、約390μg/dl〜約1200μg/dl、約500μg/dl〜約700μg/dl、約500μg/dl〜約900μg/dl、約500μg/dl〜約1100μg/dl、約600μg/dl〜約800μg/dl、約600μg/dl〜約1000μg/dl、約600μg/dl〜約1200μg/dl、約700μg/dl〜約900μg/dl、約700μg/dl〜約1100μg/dl、約800μg/dl〜約1000μg/dl、約800μg/dl〜約1200μg/dl、約900μg/dl〜約1100μg/dl、又は約1000μg/dl〜約1200μg/dlのTIBC値;(viii)約20mU/ml〜約30mU/ml、約20mU/ml〜約40mU/ml、約20mU/ml〜約50mU/ml、約20mU/ml〜約60mU/ml、約30mU/ml〜約40mU/ml、約30mU/ml〜約50mU/ml、約30mU/ml〜約60mU/ml、約40mU/ml〜約50mU/ml、約40mU/ml〜約60mU/ml、又は約50mU/ml〜約60mU/mlの血漿エリスロポエチンレベル;及び/又は(ix)約50μg/dl〜約60μg/dl、約50μg/dl〜約70μg/dl、約50μg/dl〜約80μg/dl、約50μg/dl〜約90μg/dl、約50μg/dl〜約100μg/dl、約60μg/dl〜約70μg/dl、約60μg/dl〜約80μg/dl、約60μg/dl〜約90μg/dl、約60μg/dl〜約100μg/dl、約70μg/dl〜約80μg/dl、約70μg/dl〜約90μg/dl、約70μg/dl〜約100μg/dl、約80μg/dl〜約90μg/dl、約80μg/dl〜約100μg/dl、又は約90μg/dl〜約100μg/dlのFEPレベルのうちの1つ、2つ、もしくは3つ以上、又は全てを有する。本明細書において開示される方法により治療される患者が女性のある実施態様において、該患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5%〜45%、5%〜35%、5%〜25%、5%〜15%、5%〜12%、5%〜10%、10%〜45%、10%〜35%、10%〜25%、10%〜15%、10%〜12%、12%〜45%、12%〜35%、12%〜25%、12%〜15%、20%〜45%、20%〜35%、20%〜25%、30%〜45%、30%〜35%、又は40%〜45%のTSAT値を有する。本明細書において開示される方法により治療される患者が男性のある実施態様において、該患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の投与の前に、5%〜50%、5%〜40%、5%〜30%、5%〜20%、5%〜15%、5%〜10%、10%〜50%、10%〜40%、10%〜30%、10%〜20%、10%〜15%、15%〜50%、15%〜40%、15%〜30%、15%〜25%、15%〜20%、20%〜50%、20%〜40%、20%〜30%、20%〜25%、30%〜50%、30%〜40%、30%〜35%、40%〜50%、40%〜45%、又は45%〜50%のTSAT値を有する。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の初回用量の投与の2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間内にリン酸塩結合剤薬物を服用していない。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の初回用量の投与の2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間内に急性腎障害を経験していない。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の初回用量の投与の2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間内に透析を受けていないか、又は透析を必要としていない。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄又はその医薬組成物の初回用量の2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、又はそれを超える期間内に、腎移植を必要とすること又は透析を開始することが見込まれていない。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、静脈内鉄を受けていない、かつ/又はクエン酸第二鉄又はその医薬組成物の初回用量の投与の2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間内に静脈内鉄を受けたことがない。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、赤血球生成刺激剤(ESA)を受けていない、かつ/又はクエン酸第二鉄又はその医薬組成物の初回用量の投与の2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間内に赤血球生成刺激剤(ESA)を受けたことがない。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、静脈内鉄及び赤血球生成刺激剤(ESA)を受けていない、かつ/又はクエン酸第二鉄又はその医薬組成物の初回用量の投与の2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれを超える期間内に静脈内鉄及び赤血球生成刺激剤(ESA)を受けたことがない。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、静脈内鉄及び/又は赤血球生成刺激剤(ESA)を受けていない。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、以下の状態:慢性失血;急性失血;出産;月経;月経過多;透析;慢性腎疾患(CKD);機能障害性の子宮出血;重度の子宮出血;尿路出血;ヘモグロビン尿症;慢性内出血;消化管出血;血管異形成;特発性肺血鉄症; 受傷による失血、外科手術、急性外傷、又は高頻度な採血;出血性潰瘍;胃潰瘍;十二指腸潰瘍;血管内溶血;慢性再発性喀血;結腸ポリープ;胃腸がん(例えば、結腸がん、胃がん、及び腸がん);胃腸障害(例えば、炎症性腸疾患(IBD)及びクローン病);セリアック病;外科治療後腸管切除;消化管切除又はバイパス;ウィップル病;慢性心不全;全身性炎症;寄生生物の感染症(例えば、マラリア、及び鈎虫、条虫、吸虫、鞭虫(whipworm)、回虫、鞭虫(T. trichiura)、又はピロリ菌(H. Pylori)の感染症);及び/又は妊娠のうちの1つ又は2つ以上に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそのようなIDAと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、プロトンポンプ阻害剤の使用;制酸薬の使用;非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、アスピリン、抗凝血剤、例えば、クロピドグレル及びワルファリン)の使用;アルコールの慢性的摂取;サリチレートの慢性的摂取;ステロイドの慢性的摂取;非ステロイド性抗炎症剤の慢性的摂取;赤血球生成刺激剤の慢性的摂取;不十分な鉄の食事摂取量及び/もしくは不十分な鉄の吸収;欠乏したヘモグロビンレベル;小児期の発達;小児における精神運動及び認知発達;並びに/又は泣き入りひきつけに関連するIDAに罹患している。
不十分な鉄の食事摂取量、女性の失血、及び感染性の疾患もまた、IDAの主要な原因である。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、不十分な鉄の食事摂取量に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、不十分な鉄の吸収に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、不十分な鉄の食事摂取量及び/又は不十分な鉄の吸収に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、月経に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、出産に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、鈎虫感染症に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、マラリアに関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。
いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、以下の状態:消化管出血;血管異形成;胃潰瘍;十二指腸潰瘍;結腸ポリープ;胃腸がん(例えば、結腸がん、胃がん、及び腸がん);胃腸障害(例えば、炎症性腸疾患(IBD)及びクローン病);セリアック病;外科治療後腸管切除;消化管切除又はバイパス;並びにウィップル病のうちの1つ又は2つ以上に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。具体的な実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、胃腸がん(例えば、結腸がん、胃がん、及び腸がん)に関連するIDAに罹患しているかつ/又はそれと診断されている。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、胃腸の疾病に罹患しているかつ/又はそれと診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性もしくはリンパ球性大腸炎)、及び/又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID誘導性大腸炎)に罹患しているかつ/又はそれと診断されている。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、消化管出血を被っている。具体的な実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、胃腸の疾病、例えば、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎(例えば、コラーゲン性もしくはリンパ球性大腸炎)、又は化学物質誘導性大腸炎(例えば、NSAID誘導性大腸炎)に関連する消化管出血を被っている。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄の投与の開始の2週、3週、4週、5週、6週、又はそれを超える期間内に輸血を受けていない。他の実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄の投与の開始の2週、3週、4週、5週、6週、又はそれを超える期間内に輸血を受けている。
ある実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、クエン酸第二鉄の投与の開始の1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、又は6年以内に、悪性腫瘍と診断されていない。他の実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、悪性腫瘍と診断されている。いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、ヘモクロマトーシスと診断されていない。他の実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、ヘモクロマトーシスと診断されている。具体的な実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、鉄製品に対する既知のアレルギーを有さない、かつ/又は以前に経口クエン酸第二鉄に対する不耐性を有さない。
具体的な実施態様において、本明細書において開示される方法により治療される患者は、下記のセクション5の組み入れ基準のうちの1つ、2つ、又は3つ以上を満たす、かつ/又は下記のセクション5の除外基準のうちの1つ、2つ、又は3つ以上を満さない。
(4.3.用量・用法)
本明細書において開示される方法による一態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、IDAを治療するのに必要かつ/又は望まれる頻度で対象に投与される。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、1日あたり1回対象に投与される。ある実施態様において、本明細書において開示される方法により、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、1日あたり2回対象に投与される。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、1日あたり3回対象に投与される。本明細書において開示される方法による具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、対象に経口的に投与される。
様々な態様において、対象に投与されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物の1日用量は、1日の経過の間に分割される。一例として、クエン酸第二鉄の単一の1日用量は、6グラムとしてもよく、1日の経過にわたって合計6グラムを、2グラムを午前中に服用し、2グラムを午後に服用し、最後の2グラムを晩に服用するといったように、この6グラムをその日の経過の間に分散させてもよい。
本明細書において開示される錠剤及び他の経口剤形などの医薬組成物に、クエン酸第二鉄の一回用量をいくつか収容させることができる。対象に投与され得るクエン酸第二鉄を含む医薬組成物は、下記のセクション4.5に記載されている。ある実施態様において、個々の錠剤又は他の経口剤形の重量は、製造される最終の投薬量次第であり;例えば、錠剤1錠あたりクエン酸第二鉄が125mg、250mg、500mg、667mg、750mg、及び1,000mgである。具体的な実施態様において、クエン酸第二鉄は、約210mgの第二鉄に相当する約1グラムのクエン酸第二鉄を含む錠剤剤形中に提供される。対象に投与される錠剤又は他の経口剤形の数を調整して、投与されるクエン酸第二鉄の所望の量に一致させることができる。例えば、対象が、単回投与で毎日4グラムのクエン酸第二鉄を服用するよう指示された場合、該対象は、各々が1グラムのクエン酸第二鉄を含む錠剤又は他の経口剤形を4錠服用してもよいか、又は各々が500mgのクエン酸第二鉄を含む錠剤又は他の経口剤形を8錠服用してもよい。
いくつかの実施態様において、本明細書において開示される方法により対象に投与されるクエン酸第二鉄の1日用量は、1グラム〜12グラムであり、第二鉄の用量で210mg〜2,520mgの範囲である。いくつかの実施態様において、各々の錠剤が、210mgの第二鉄の用量を有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む錠剤の1錠以上が、本明細書において開示される方法により対象に投与される。
いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄が1グラム及び第二鉄が210mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤1錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、該錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、クエン酸第二鉄が2グラム及び第二鉄が420mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤2錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄が3グラム及び第二鉄が630mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤3錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、クエン酸第二鉄が4グラム及び第二鉄が840mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤4錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄が5グラム及び第二鉄が1,050mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤5錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、クエン酸第二鉄が6グラム及び第二鉄が1,260mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤6錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄が7グラム及び第二鉄が1,470mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤7錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、クエン酸第二鉄が8グラム及び第二鉄が1,680mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤8錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄が9グラム及び第二鉄が1,890mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤9錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、クエン酸第二鉄は、クエン酸第二鉄が10グラム及び第二鉄が2,100mgの総1日用量について、1日あたり錠剤10錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄は、クエン酸第二鉄が11グラム及び第二鉄が2,310mgの総1日用量について、1日あたり錠剤11錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄が12グラム及び第二鉄が2,520mgの総1日用量について、クエン酸第二鉄は、1日あたり錠剤12錠の1日用量で本明細書において開示される方法により対象に投与され、各錠剤は、210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。対象に投与され得る錠剤は、下記のセクション4.5に記載されている。具体的な実施態様において、前記錠剤は、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)である。
具体的な態様において、前記方法により対象に投与されるクエン酸第二鉄の各用量は、食品を伴わない。本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約1時間前に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約2時間前に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約3時間前に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約4時間前に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約1〜2、1〜3、1〜4、2〜3、2〜4、又は3〜4時間前に対象に投与される。これらの実施態様により、クエン酸第二鉄を、下記のセクション4.5に記載されているような医薬組成物として投与することができる。
本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約1時間後に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約2時間後に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約3時間後に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約4時間後に対象に投与される。本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量は、食品の摂取の約1〜2、1〜3、1〜4、2〜3、2〜4、又は3〜4時間後に対象に投与される。これらの実施態様により、クエン酸第二鉄を、下記のセクション4.5に記載されているような医薬組成物として投与することができる。
本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量の投与の約1時間以内に、対象によって食品が摂取されることはない。本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量の投与の約2時間以内に、対象によって食品が摂取されることはない。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量の投与の約3時間以内に、対象によって食品が摂取されることはない。本明細書において開示される方法によるある実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量の投与の約4時間以内に、対象によって食品が摂取されることはない。本明細書において開示される方法によるいくつかの実施態様において、クエン酸第二鉄の各用量の投与の約1〜2、1〜3、1〜4、2〜3、2〜4、又は3〜4時間以内に、対象によって食品が摂取されることはない。これらの実施態様により、クエン酸第二鉄を、下記のセクション4.5に記載されているような医薬組成物として投与することができる。
一実施態様において、クエン酸第二鉄は、下記のセクション5の実施例に記載されている用量で対象に投与される。具体的な実施態様において、クエン酸第二鉄は、下記のセクション5の実施例に記載されている用量及び錠剤形態で対象に投与される。別の具体的な実施態様において、本明細書において開示される方法により対象に投与されるクエン酸第二鉄の用量は、高リン酸血症を治療するのに十分なものではない。
前記クエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、任意の期間、例えば、医療専門家(例えば、医師、特定看護師(nurse practitioner)、又は医師助手(physician assistant))によって処方される期間投与することができる。本明細書に記載される方法のいずれかにおいて、クエン酸第二鉄又はその医薬として許容し得る組成物は、長期間、例えば、最大で52週以内、最大で56週以内患者に投与することができる。クエン酸第二鉄を、患者に短期間、例えば、2週、4週、6週、8週、9週、10週、又は12週間投与してもよい。
(4.4.組合せ療法)
ある実施態様において、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、単独で又は他の薬剤と組み合わせて投与又は適用し得る。本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物はまた、単独で、又は1つ以上の鉄貯蔵パラメーターを向上する(例えば、血清フェリチンレベルを増加させる、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる、ヘモグロビン濃度を増加させる、血清鉄レベルを増加させる、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)を増加させる、TIBC値を増加させる、血漿エリスロポエチンレベルを増加させる、FEPレベルを増加させる)、鉄吸収を増加させる、鉄貯蔵を維持する、鉄欠乏を治療する、又は貧血を治療することが知られている他の薬剤を含む他の医薬として活性な薬剤と組み合わせて、投与又は適用し得る。具体的な実施態様において、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、1つ以上の鉄貯蔵パラメーターを向上する(例えば、血清フェリチンレベルを増加させる、トランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる、ヘモグロビン濃度を増加させる、血清鉄レベルを増加させる、組織鉄レベル(例えば、可染組織鉄レベル)を増加させる、TIBC値を増加させる、血漿エリスロポエチンレベルを増加させる、FEPレベルを増加させる)鉄吸収を増加させる、鉄貯蔵を維持する、鉄欠乏を治療する、又は貧血を治療することが知られている他の医薬として活性な薬剤と組み合わせて投与されることはない。例えば、具体的な実施態様において、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、以下:赤血球生成刺激剤(複数可)、静脈内鉄及び/又は輸血のうちの1つ、2つ、又は全てと組み合わせて投与されることはない。
本明細書で使用される、薬剤又は療法の投与又は実施の文脈での「組み合わせて」とは、2つ以上の薬剤又は療法の使用を指す。用語「組み合わせて」の使用は、薬剤又は療法を、疾患を有する患者に投与又は実施する順序を制限しない。ある実施態様において、疾患を有する患者への1以上の薬剤又は療法の投与又は実施としては、疾患に罹患していた、疾患に罹患している、又は疾患に罹患しやすい患者に第2の薬剤又は療法の投与又は実施の前に(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前に)、それと同時に、又はそれの後に(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後に)投与又は実施することができる第1の薬剤又は療法が挙げられるが、これに限定するものではない。
ある実施態様において、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、胃腸の疾病、例えば、大腸炎もしくは炎症性腸疾患を治療することが知られている医薬として活性な薬剤、又はその1以上の症状を改善することが知られている薬剤と組み合わせて投与される。例えば、いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物は、抗炎症薬(例えば、アミノサリチレートもしくはコルチコステロイド)、免疫抑制剤(immunosuppressent)(例えば、アザチオプリン(アザサン(Azasan)、イムラン(Imuran))、メルカプトプリン、シクロスポリン、インフリキシマブ(レミケード(Remicade)(登録商標))、アダリムマブ(ヒュミラ(Humira)(登録商標))、ゴリムマブ(シンポニー(Simponi)(登録商標))、ベドリズマブ(エンティビオ(Entyvio)(登録商標)))、抗生物質、止瀉薬、及び/又は鎮痛薬と組み合わせて投与される。クエン酸第二鉄及び追加の薬剤(複数可)は、単位剤形(unitary dosage form)などの当技術分野において公知の任意の様式で組み合わせ得る。あるいは、クエン酸第二鉄及び追加の薬剤(複数可)を、対象への同時又は逐次投与を意図して分離した剤形で該対象に投与してもよい。逐次投与する場合、前記組合せを、2回以上の投与で投与し得る。ある実施態様において、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物及び1以上の追加の薬剤は、異なる経路で投与される。他の実施態様において、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄又はその医薬組成物及び1以上の追加の薬剤は、同じ経路で投与される。
(4.5.クエン酸第二鉄)
本明細書において開示されるものは、本明細書に記載される方法による使用のためのクエン酸第二鉄の調製物及びクエン酸第二鉄を含む医薬組成物である。様々な実施態様において、該クエン酸第二鉄調製物、及び該クエン酸第二鉄調製物を含む医薬組成物は、ある溶解基準、錠剤化基準、及び崩壊基準を満たす。様々な態様において、該医薬組成物は、活性成分としてのクエン酸第二鉄と、結合剤とを含むことができる。該医薬組成物は、滑沢剤及び/又は崩壊剤(これは、いくつかの実施態様において、結合剤と同じとすることもできる)も含むことができる。
ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、米国特許第7,767,851号、第8,093,423号、第8,299,298号、第8,338,642号、第8,754,258号、第8,846,976号、及び/もしくは第8,754,257号、並びに/又は国際特許公開第WO2004/074444号、第WO2007/022435号、第WO2007/089571号、第WO2007/089577号及び/もしくは第WO2011/011541号に開示されている。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、米国特許第7,767,851号、第8,093,423号、第8,299,298号、第8,338,642号、第8,754,258号、第8,846,976号、及び/もしくは第8,754,257号、並びに/又は国際特許公開第WO2004/074444号、第WO2007/022435号、第WO2007/089571号、第WO2007/089577号及び/もしくは第WO2011/011541号に開示されているクエン酸第二鉄のある種の特性又は特徴を有している。
具体的な態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、市販又は化学薬品グレード形態のクエン酸第二鉄と比べて、増大したBET活性表面積を示す。BET理論は、固体表面上への気体分子の物理的吸着を説明するものである。この理論は、材料の比表面積の測定の根拠として役立つ。この理論は、非常に正確な方法での材料の表面積の計算を可能にし、それにより、それ以外の方法では同じ材料であるように見える別々の調製物の違いを見分けることができる。例えば、活性炭は、それが極めて多孔性となり、それにより、非常に大きい表面積を有するように加工されている炭素の形態である。活性炭は、BET理論から導き出される計算を用いて、約3000m2g-1の表面積を有することが実験的に明らかにされている。この表面積は、同じ材料でできているのにもかかわらず、炭素の他の調製物の活性表面積よりも顕著に大きい。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、16m2/gを超えるBET活性表面積を有する。ある実施態様において、本明細書に記載される方法により用いられるクエン酸第二鉄は、20m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、25m2/gを超えるBET活性表面積を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、30m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、35m2/gを超えるBET活性表面積を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、40m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、45m2/gを超えるBET活性表面積を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、50m2/gを超えるBET活性表面積を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、16.17m2/g〜19.85m2/gの範囲のBET活性表面積を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、16.17m2/g及び19.85m2/gから選択されるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、27m2/gを超えるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、27.99m2/g〜32.34m2/gの範囲のBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、28.5m2/g〜31.5m2/gの範囲のBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、27.99m2/g、28.87m2/g、及び32.34m2/gから選択されるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、28.5m2/g、29.1m2/g、30.6m2/g、及び31.5m2/gから選択されるBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄調製物は、30m2/g〜40m2/gのBET活性表面積を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄調製物は、20m2/g〜35m2/gのBET活性表面積を有する。
ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄の第二鉄含量は、約19%w/wよりも多いか又はそれを超える。いくつかの実施態様において、前記クエン酸第二鉄の第二鉄含量は、21.2%w/w、22.1%w/w、又は22.4%w/wである。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄の第二鉄含量は、19.5%w/w〜22.5%である。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄の第二鉄含量は、21%w/w〜23%w/wである。当業者に公知の技術を使用して、クエン酸第二鉄の鉄含量を決定することができる。具体的な実施態様において、第二鉄含量は以下の様に決定される:予め重量を測定したクエン酸第二鉄を、適切な量の水及び適切な量の塩酸と混合する。該混合物を、沸騰するまで加熱し、その後冷却する。固体のヨウ化カリウムを混合物中に加えると、溶液が、暗い赤色及びほぼ褐色に変化する。試料を、溶液から取り出し、チオ硫酸ナトリウムで、該試料が、オリーブグリーンに変化するまで滴定し、そこでデンプン溶液を添加し、その後該試料が青黒色へと変化する。チオ硫酸ナトリウムでの滴定は、該青黒色が消失するまで続けられる。その後、クエン酸第二鉄の重量、前もって決定しておいたチオ硫酸ナトリウムの力価、及び添加したチオ硫酸ナトリウムの総体積を用いて、鉄含量を計算する。
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、鉄(III)及びクエン酸を含む錯体である。具体的な態様において、該鉄(III)及びクエン酸の錯体は、水を含む。いくつかの実施態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.70〜1:0.78である。ある態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.69〜1:0.87である。ある実施態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.75〜1:1.10である。いくつかの実施態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.78〜1:0.95である。ある実施態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.80〜1:0.92である。いくつかの実施態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.81〜1:0.91である。ある実施態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.75〜1:1.15である。いくつかの実施態様において、鉄(III)のクエン酸に対するモル比は、1:0.80〜1:1.10である。
いくつかの実施態様において、鉄(III)の水に対するモル比は、1:0.32〜1:0.42である。ある実施態様において、鉄(III)の水に対するモル比は、1:0.32〜1:0.46である。いくつかの態様において、鉄(III)の水に対するモル比は、1:1.8〜1:3.2である。いくつかの実施態様において、鉄(III)の水に対するモル比は、1:1.8〜1:3.2である。ある実施態様において、鉄(III)の水に対するモル比は、1:2.4〜1:3.1である。いくつかの実施態様において、鉄(III)の水に対するモル比は、1:2.7〜1:3.1である。
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、鉄(+3)、x(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、y(H2O)として化学的に知られている
Figure 2018507260
x=0.70〜0.87、y=1.9〜3.3。
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、トリクエン酸テトラ第二鉄(tetraferric tricitrate)十水和物である。
具体的な実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、ベータ-酸化水酸化鉄などの不純物を実質的に含まない。特定の実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、クエン酸第二鉄の総重量基準で、6重量%未満のベータ-酸化水酸化鉄などの不純物を含有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、クエン酸第二鉄の総重量基準で、5重量%未満のベータ-酸化水酸化鉄などの不純物を含有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、クエン酸第二鉄の総重量基準で、4重量%未満のベータ-酸化水酸化鉄などの不純物を含有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、クエン酸第二鉄の総重量基準で、3重量%未満のベータ-酸化水酸化鉄などの不純物を含有する。
具体的な態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、市販の又は化学グレード形態のクエン酸第二鉄と比べてより可溶性である。具体的な実施態様において、溶解試験では、溶解するクエン酸第二鉄の百分率は、装置IIを用いてUSP<711>容器中でクエン酸第二鉄調製物に対して行われる溶解試験において5分以内では91%以上であり、15分以内では96%以上であり、30分以内では96%以上であり、60分以内では95%以上である。該溶解試験に使用される特定の標準物質は、100というベースラインを設定するものであり、したがって、あるバッチが100%を超えて溶解する程度までは、それは、その標準物質と比較した溶解率である。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の80%以上は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の85%以上は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の90%以上は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の91%以上は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の95%以上は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の96%以上は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の97%以上は、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄の100%が、装置IIを用いてUSP<711>容器中で行われる溶解試験において、15分以内に溶解する。
いかなる理論に束縛されるものではないが、クエン酸第二鉄のこの溶解度の増加は、該クエン酸第二鉄の特有の、顕著に大きい活性表面積の結果であるとと考えられる。固有溶解速度は、一定の表面積の条件下での純物質の溶解速度と定義される。原薬の固有溶解速度及び生体利用率は、その固体状態特性の影響を受け、該特性には:結晶化度、無定形性、多形性、水和、溶媒和、粒径及び粒子表面積が含まれる。測定される固有溶解速度は、これらの固体状態特性に依存し、通常、一定の温度、撹拌速度、及びpHを維持しながら、材料の一定の表面積を適当な溶解媒体に露出させることによって決定される。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、1.88mg/cm2/分〜4mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、2.28mg/cm2/分を超える固有溶解速度を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、2.28mg/cm2/分を超える固有溶解速度を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、2.99mg/cm2/分の固有溶解速度を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、2.28mg/cm2/分〜2.99mg/cm2/分の範囲の固有溶解速度を有する。ある実施態様において、本明細書に記載されるように用いられるクエン酸第二鉄は、2.28mg/cm2/分及び2.99mg/cm2/分から選択される固有溶解速度を有する。具体的な実施態様において、市販グレードのクエン酸第二鉄の調製物は、本明細書に記載されるクエン酸第二鉄よりも実質的に低い固有溶解速度を有する。
クエン酸第二鉄の調製物の例示的な生産方法は、米国特許第7,767,851号、第8,093,423号、第8,299,298号、第8,338,642号、第8,754,258号、第8,846,976号、及び第8,754,257号、米国公報第2012/0238622号、並びに国際公報第WO2004/074444号、第WO2007/022435号、第WO2007/089571号、第WO2007/089577号、及び第WO2011/011541号に開示されている。
(4.5.1.クエン酸第二鉄の医薬組成物)
具体的な実施態様において、クエン酸第二鉄は、医薬組成物中に含有される。一実施態様において、医薬組成物は、クエン酸第二鉄及び医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む。特定の実施態様において、医薬組成物は、クエン酸第二鉄及び結合剤を含む。いくつかの実施態様において、前記医薬組成物は、滑沢剤及び/又は崩壊剤をさらに含む(ある実施態様において、これらは、前記結合剤と同じものとすることができる)。具体的な実施態様において、前記医薬組成物は、クエン酸第二鉄を活性成分として含む。いくつかの実施態様において、前記医薬組成物は、経口錠剤剤形である。ある実施態様において、前記医薬組成物は、錠剤以外の経口製剤、例えば、カプセル剤、懸濁剤、シロップ剤、又はサッシェ(sachet)である。具体的な実施態様において、前記医薬組成物において用いられるクエン酸第二鉄は、下記のセクション4.5に記載されるクエン酸第二鉄の1つ以上の形態である。具体的な実施態様において、本明細書に記載される医薬組成物において用いられるクエン酸第二鉄は、鉄(+3)、x(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、y(H2O)として化学的に知られている
Figure 2018507260
x=0.70〜0.87、y=1.9〜3.3。
具体的な実施態様において、本明細書に記載される医薬組成物において用いられるクエン酸第二鉄は、トリクエン酸テトラ第二鉄十水和物である。
本明細書に記載される医薬組成物を、本明細書に記載される方法において利用し得る。
いくつかの実施態様において、本件開示によって提供される医薬組成物及び経口錠剤剤形は、国際公報第WO2011/011541号及び米国公報第2012/0115945号に開示されている。
具体的な態様において、前記医薬組成物は、クエン酸第二鉄及び結合剤を含む錠剤又は他の経口製剤である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、クエン酸第二鉄、結合剤、滑沢剤、及び崩壊剤を含むことができる。具体的な実施態様において、錠剤一錠は、第二鉄の210mg用量を有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。
いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、該製剤の約65重量%を超える、該製剤の約70重量%を超える、該製剤の約75重量%を超える、該製剤の約80重量%を超える、該製剤の約85重量%を超える、該製剤の約90重量%を超える、及び該製剤の約92%又は約95%に達する値で、該錠剤中に存在するクエン酸第二鉄で高度に薬物負荷されていることを特徴とする。中間値、例えば、約80重量%のクエン酸第二鉄、約85重量%のクエン酸第二鉄、及び約90重量%のクエン酸第二鉄もまた、前記クエン酸第二鉄錠剤又は他の経口製剤において使用し得る。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約75%〜約92%、約80%〜約92%、約85%〜約92%、約80%〜約90%、約85%〜約90%、約90%〜約92%、約80%〜約95%、約85%〜約95%、又は約90%〜約95%の値で該錠剤中に存在するクエン酸第二鉄で高度に薬物負荷されていることを特徴とする。これらの高度に負荷された重量百分率で製造される錠剤の特性は、結合剤、結合剤量、崩壊剤、崩壊剤量、用いる製剤方法(例えば、造粒、直接的な圧縮)、錠剤化パラメーターなどの変数によって制御し得る。したがって、錠剤が作製され、それがわずかな量のラミネーション又はキャッピングを有する場合には、上記変数のうちの1つ以上を変化させることによって、該ラミネーション又はキャッピングを修正することができる。
様々な実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、第二鉄、並びに1以上の結合剤、1以上の滑沢剤、及び1以上の崩壊剤から選択される1以上の成分を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、クエン酸第二鉄及び1以上の結合剤を含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、クエン酸第二鉄、1以上の結合剤、及び1以上の滑沢剤を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、クエン酸第二鉄、1以上の結合剤、1以上の滑沢剤、及び1以上の崩壊剤を含む。
当業者に公知の任意の結合剤を、本明細書に記載される錠剤又は他の経口製剤中に用いてもよい。ある実施態様において、該結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、グアーガム、アラビアゴム、キサンタンガム、カルボポル(carbolpol)、セルロースガム(カルボキシメチルセルロース)、エチルセルロース、マルトデキストリン、PVP/VA、ポビドン、微結晶性セルロース、デンプン、部分又は完全アルファ化デンプン、又はメチルセルロースである。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、以下の結合剤:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、グアーガム、アラビアゴム、キサンタンガム、カルボポル、セルロースガム(カルボキシメチルセルロース)、エチルセルロース、マルトデキストリン、PVP/VA、ポビドン、微結晶性セルロース、デンプン、部分又は完全アルファ化デンプン、又はメチルセルロースのうちの2つ以上の組合せを含む。前記クエン酸第二鉄錠剤又は他の経口製剤において用いられる場合、マルトデキストリン、PVP/VA、及びメチルセルロースは、即時放出結合剤として機能する。具体的な実施態様において、錠剤又は他の経口製剤において用いられる前記結合剤は、部分又は完全アルファ化デンプンを含む。
結合剤の組合せを用いて、結合剤の効果を制御し、かつ変化させ得ることも理解されるべきである。例えば、結合剤系を、微結晶性セルロースを用いて又は用いずに、ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルピロリドン(ポビドン)から作製することができる。ヒドロキシプロピルセルロース及びポビドンのうちの一方又は双方を、アルファ化デンプンと置き換えることができる。
様々な態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、滑沢剤を含むことができる。当業者に公知の任意の滑沢剤を、該錠剤又は他の経口製剤において使用し得る。ある実施態様において、前記クエン酸第二鉄錠剤又は他の経口製剤において用いられる滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムである。いくつかの実施態様において、前記クエン酸第二鉄錠剤は、以下:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムのうちの2つ以上の組合せを含む。前記クエン酸第二鉄錠剤又は他の経口製剤において使用し得る他の適当な滑沢剤としては、ポリエチレングリコール(分子量3350超)、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、鉱油、ロイシン、及びポロクサマーのうちの1つ以上が挙げられる。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄錠剤又は他の経口製剤において用いられる滑沢剤は、ステアリン酸カルシウムである。
様々な態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、崩壊剤を含むことができる。崩壊剤は、結合剤と同じもの又は異なるものであり得る。限定するものではないが、例として、微結晶性セルロースは、結合剤と崩壊剤の両方の性質を有しており、微結晶性セルロースは、該錠剤中及び/又は経口鉄補給剤中の唯一の結合剤/崩壊剤として使用することができる。他の適当な崩壊剤の例としては、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、及びデンプンが挙げられる。
前記結合剤は、前記錠剤又は他の経口製剤中に、約4.5重量%〜約30重量%の範囲の量で存在し得る。ある実施態様において、該結合剤は、前記錠剤又は他の経口製剤中に、約5重量%〜約15重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施態様において、前記結合剤は、約10重量%〜約15重量%の範囲の量で前記錠剤又は他の経口製剤中に存在する。前記崩壊剤は、該錠剤又は他の経口製剤中に約1.5重量%〜約15重量%の範囲の量で存在し得る。様々な実施態様において、いくつかの非デンプン崩壊剤は、より低い重量パーセント、例えば、わずか0.25%程度で使用される場合が多く、したがって、該錠剤又は他の経口製剤中に存在する崩壊剤は、いくつかの条件では、わずか0.25%程度とすることができる。
前記滑沢剤は、前記錠剤又は他の経口製剤中に、約0.5重量%〜約3重量%の範囲の量で存在し得る。ある実施態様において、前記滑沢剤は、前記錠剤又は他の経口製剤中に、約0.5重量%〜2重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施態様において、前記滑沢剤は、錠剤又は他の経口製剤中に、約0.5重量%〜約1重量%の範囲の量で存在する。いくつかの成分、例えば、微結晶性セルロースは、崩壊剤と結合剤の両方の性質をもって機能することができることが理解されるべきである。
個々の錠剤又は他の経口製剤の重量は、製造されるべき最終の投薬量;例えば、125mg、250mg、500mg、667mg、750mg、及び1,000mgのクエン酸第二鉄に依存し得る。いくつかの実施態様において、錠剤は、1グラムのクエン酸第二鉄、したがって、210mg用量の第二鉄を含む。
様々な実施態様において、前記クエン酸第二鉄錠剤又は他の経口製剤は、約2%〜5%の重量増までコーティングされる。具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄錠剤は、Opadry懸濁液又は同等物で有孔パンコーターを用いてコーティングされる。
具体的な態様において、前記錠剤及び/又は経口鉄補給剤は、減少した含水量を有する。一実施態様において、乾燥減量(LOD)百分率で測定したときの前記錠剤の含水量は、20%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、19%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、18%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、17%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、16%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、15%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、14%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、13%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、12%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの含水量は、11%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの含水量は、10%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、9%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、8%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、7%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、6%未満である。別の実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、5%未満である。
ある実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、10%〜15%である。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、5%〜10%である。ある実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、5%〜14%である。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、5%〜12%である。ある実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、10%〜14%である。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、2%〜14%である。ある実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、2%〜10%である。いくつかの実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、2%〜12%である。ある実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、8%〜10%である。ある実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、6%〜9%である。ある実施態様において、LOD%で測定したときの前記錠剤の含水量は、7%〜9%である。
LOD(乾燥減量)は、熱重量分析による水分測定法である。熱重量分析過程において、材料の水分は、加温中に揮発する物質を含み、したがって、該材料の質量減少の一因となる。水とともに、これは、アルコール又は分解産物も含まれ得る。熱重量測定法を使用する(赤外線、ハロゲン、マイクロ波、又はオーブンを用いて乾燥させる)場合、水と他の揮発性成分とは区別されない。当業者に公知の技術を使用して、LODを測定し得る。具体的な実施態様において、錠剤のLOD%は、温度を105℃に設定し、エンドポイントを50秒で1mg未満の平均重量減少に設定する「標準的な」乾燥プログラムを用い、かつ0.9〜1.1グラムの試料を用いるメトラー・トレドのHB-43-Sモデル水分計によって測定される。
いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約1000mg、約667mg、約500mg、約250mg、及び約125mgから選択される量のクエン酸第二鉄を含む。具体的な実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、1グラム(1000mg)のクエン酸第二鉄を含む。具体的な実施態様において、前記錠剤又は経口製剤は、約210mgの第二鉄を含有する1グラムのクエン酸第二鉄を含む。
ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、1.1グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、1.2グラムのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、1.3グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、1.5グラムのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、1.6グラムのクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1025mg、1050mg、1075mg、1100mg、1125mg、1150mg、1175mg、1200mg、1225mg、1250mg、1275mg、1300mg、1325mg、1350mg、1375mg、1400mg、1425mg、1450mg、1475mg、1500mg、1525mg、1550mg、1575mg、1600mg、1625mg、1650mg、1675mg、1700mg、1725mg、1750mg、1775mg、1800mg、1825mg、1850mg、1875mg、1900mg、1925mg、1950mg、1975mg、及び2000mgから選択される量のクエン酸第二鉄を含む。具体的な実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約1gのクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約1000mg〜1050mg、975mg〜1050mg、又は950mg〜1050mgのクエン酸第二鉄を含む。
いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約65重量%〜92重量%のクエン酸第二鉄;約4.5重量%〜30重量%の結合剤;及び0.5重量%〜3重量%の滑沢剤を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約80重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約2重量%の滑沢剤を含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約85重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約1重量%の滑沢剤を含む。ある実施態様において、前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムのうちの1つ以上から選択される。具体的な実施態様において、前記滑沢剤は、ステアリン酸カルシウムである。具体的な実施態様において、前記結合剤は、アルファ化デンプンであり、前記滑沢剤はステアリン酸カルシウムである。
いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、65重量%〜92重量%のクエン酸第二鉄及び4.5重量%〜30重量%の結合剤を含み、該錠剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり1m2以上であり、かつ該錠剤のLOD%水は、20%水w/w未満である。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり5m2以上である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり10m2以上である。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、70%〜92重量%のクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、80%〜92重量%のクエン酸第二鉄を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、90%〜93重量%のクエン酸第二鉄を含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤のLOD%水は、15%未満であるが、2%、3%、4%、又は5%の水w/wを超える。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤のLOD%水は、10%未満であるが、2%、3%、4%、又は5%の水w/wを超える。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びフマル酸ステアリルナトリウムのうちの1つ以上から選択される滑沢剤をさらに含む。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、0.5%〜3%の滑沢剤を含む。具体的な実施態様において、前記結合剤は、アルファ化デンプンを含み、かつ前記滑沢剤は、ステアリン酸カルシウムである。いくつかの実施態様において、試験方法USP<711>で測定したときに、前記錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、60分以内に溶解する。ある実施態様において、試験方法USP<711>で測定したときに、前記錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、45分以内に溶解する。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は経口製剤は、約1000mgのクエン酸第二鉄を含む。
ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約80重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄及び約5重量%〜約15重量%の結合剤を含み、該錠剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり1m2以上であり、かつ該錠剤のLOD%水は、5%〜14%である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約85重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄及び約5重量%〜約15重量%の結合剤を含み;該錠剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり1m2以上であり、かつ該錠剤のLOD%水は、5%〜14%である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり5m2以上とすることができる。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり10m2以上である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約0.5%〜約3%の滑沢剤を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約0.5%〜約2%の滑沢剤を含む。具体的な実施態様において、前記結合剤は、アルファ化デンプンを含む。別の具体的な実施態様において、前記滑沢剤は、ステアリン酸カルシウムを含む。いくつかの実施態様において、試験方法USP<711>で測定したときに、前記錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、60分以内に溶解する。ある実施態様において、試験方法USP<711>で測定したときに、前記錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、45分以内に溶解する。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約1000mgのクエン酸第二鉄を含む。具体的な実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、コーティングを含む。
ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約80重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約2重量%の滑沢剤を含み、試験方法USP<711>で測定したときに、該錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、45分以内、又は60分以内に溶解する。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約85重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄;約5重量%〜約15重量%の結合剤;及び約0.5重量%〜約1重量%の滑沢剤を含み、試験方法USP<711>で測定したときに、該錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、45分以内、又は60分以内に溶解する。具体的な実施態様において、前記結合剤は、アルファ化デンプンであり、かつ前記滑沢剤は、ステアリン酸カルシウムである。別の具体的な実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、コーティングを含む。
ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約80重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄及び約5重量%〜約15重量%の結合剤を含み、該錠剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり1m2以上であり、かつ該錠剤のLOD%水は、5%〜10%である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約85重量%〜約92重量%のクエン酸第二鉄及び約5重量%〜約15重量%の結合剤を含み;該錠剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり1m2以上であり、かつ該錠剤のLOD%水は、5%〜10%である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり5m2以上とすることができる。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤の平均表面積対質量比は、1グラムあたり10m2以上である。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約0.5%〜約3%の滑沢剤を含む。ある実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約0.5%〜約2%の滑沢剤を含む。具体的な実施態様において、前記結合剤は、アルファ化デンプンを含む。別の具体的な実施態様において、前記滑沢剤は、ステアリン酸カルシウムを含む。いくつかの実施態様において、試験方法USP<711>で測定したときに、前記錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、60分以内に溶解する。ある実施態様において、試験方法USP<711>で測定したときに、前記錠剤又は他の経口製剤中のクエン酸第二鉄の少なくとも80%が、45分以内に溶解する。いくつかの実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、約1000mgのクエン酸第二鉄を含む。具体的な実施態様において、前記錠剤又は他の経口製剤は、コーティングを含む。
表1は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤用の製剤を提供する:
表1.
Figure 2018507260
*-精製水は、生産プロセスの乾燥段階の間に除去される。
表2は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤用の製剤を提供する:
表2.
Figure 2018507260
(1)-ステアリン酸カルシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムのいずれかを滑沢剤として使用。
*-精製水は除去される。
表3は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄錠剤用の製剤を提供する:
表3.
Figure 2018507260
表4は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄経口製剤用の製剤を提供する:
表4.
Figure 2018507260
*精製水は除去される。
表5は、本開示の一実施態様によるクエン酸第二鉄経口製剤用の製剤を提供する:
表5.
Figure 2018507260
*精製水は除去される。
具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄錠剤は、JTT-751(Japan Tobacco Inc.及びTorii Pharmaceutical Co., Ltd.)と呼ばれるクエン酸第二鉄錠剤である。別の具体的な実施態様において、前記クエン酸第二鉄錠剤は、Keryx Biopharmaceuticals, Incによって販売されているAuryxia(商標)錠である。
(4.6.鉄貯蔵パラメーターを評価する方法)
上述のように、IDA患者が、十分な健康を維持するのに十分な鉄貯蔵を有しているかどうかを決定するために、鉄貯蔵パラメーターを測定し得る。これらの鉄貯蔵パラメーターは、IDA患者をクエン酸第二鉄で適切に治療することができるかどうか、及びクエン酸第二鉄による治療の有効性を評価して、医療専門家が該患者に対する投薬計画を決定する及び/又は調整する際の指針を与えるのに有用である。前記1つ以上の鉄貯蔵パラメーターを評価するためには、腕の静脈から針で血液試料を抜き出し、鉄試験(すなわち、鉄調査)及び全血球数試験を行って、血液中の循環鉄の量、血液の鉄輸送能、及び組織における貯蔵鉄の量を決定してもよい。いくつかの実施態様において、前記1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、ヘマトクリット、ヘモグロビン(Hb)濃度、総鉄結合能(TIBC)、TSAT、血清鉄レベル、肝臓鉄レベル、脾臓鉄レベル、及び血清フェリチンレベルから選択される。具体的な実施態様において、前記1つ以上の鉄貯蔵パラメーターは、ヘモグロビン濃度、TSAT、又は血清フェリチンレベルである。
(5.実施例)
本セクション(すなわち、セクション5)における以下の実施例では、IDAを治療するクエン酸第二鉄の使用を記載する。特に、実施例1は、赤血球生成刺激剤及び静脈内鉄の非存在下で、IDA患者において臨床的に意義のあるヘモグロビン濃度の増加を達成するクエン酸第二鉄の使用を実証する。驚くべきことに、IDA患者において、食品を伴うことなく服用された低用量のクエン酸第二鉄は良好な耐容性を示し、臨床的に意義のあるヘモグロビン濃度の増加をもたらした。
実施例は、制限としてではなく例示として示されたものである。
(5.1.実施例1:ステージ3〜5の非透析依存性慢性腎疾患(NDD-CKD)患者におけるIDAの治療におけるKRX-0502(クエン酸第二鉄配位錯体)の第2相パイロット研究)
(5.1.1.プロトコール)
本研究の目的は、ステージ3〜5非透析依存性慢性腎疾患(NDD-CKD)の対象におけるIDAの治療において、8週間の治療期間にわたるヘモグロビンの変化によって測定されるAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)の有効性及び安全性を評価することであった。本研究の主要評価項目は、ベースライン(第0日)から前記8週間の治療期間の終わり(第8週)までのヘモグロビン濃度の変化であった。本研究の副次的評価項目には、ベースラインから最高ヘモグロビン値までの平均変化;本研究の間の任意の来院においてヘモグロビンの変化≧1.0g/dlを達成した対象の百分率;及び本研究の間の任意の来院においてヘモグロビン≧12.0g/dlヘモグロビンを達成した患者の百分率が含まれていた。
(5.1.1.1.総合的な設計)
これは、第2相、単一群、多施設、非盲検臨床試験であった。
スクリーニング来院後に、適格な対象が登録され、該対象は、食品を伴うことなく1錠/日のAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)の固定開始用量を受けた。前記8週間の治療期間に参加するには、対象はすべて、スクリーニング来院においてヘモグロビン≧9.0g/dlかつ≦11.5g/dlを有する必要があった。
1錠/日の開始用量のAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)で第0日に治療を開始した後に、ヘモグロビンを試験来院毎に測定した。最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加<1.0g/dlを有していた対象は、試験の残りの期間は2錠/日に増量した。最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加>1.5g/dlを有していた対象は、試験の残りの期間は1日おきに1錠の用量に減量した(対象1名は、最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加>1.5g/dlを有していたが、治験責任医師(PI)がプロトコールからの逸脱を求めたために、該対象は、試験の残りの期間は1錠/日の用量のままとした)。そのほかは、対象は、試験の残りの期間は1錠/日の用量のままとした(対象2名は、最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加≧1.0g/dlかつ≦1.5g/dlを有しており;該2名の対象のうちの1名は、試験の残りの期間は、1錠/日の用量のままとし、もう1名の対象は、試験の残りの期間は2錠/日に増量した)。
リン酸塩結合剤の使用は、試験中のいかなる時点においても許可されなかった。経口又はIV鉄及び赤血球生成刺激剤(ESA)の使用並びに輸血を受けることは、試験中のいかなる時点においても許可されなかった。
完全な化学プロファイル(CCP)、鉄調査、及び全血球数(CBC)のための血液試料を、第0日;並びに治療開始後1、2、4、6、及び8週にスクリーニングで採取した。
(5.1.1.2.患者集団/組み入れ基準及び除外基準)
ヒト対象をスクリーニングし、32名のヒト対象を本研究に登録した。適格対象は、食品を伴うことなくAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)の1錠/日の開始固定用量を受けた。最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加<1.0g/dlを有していた対象は、試験の残りの期間は2錠/日に増量した。最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加≧1.0g/dlかつ≦1.5g/dlを有していた対象1名もまた、試験の残りの期間は2錠/日に増量した。最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加≧1.0g/dlかつ≦1.5g/dlを有していたもう1名の対象は、試験の残りの期間は1錠/日の用量のままとした。対象1名は、最初の4週間後に、ベースライン(第0日)と比較してヘモグロビン増加>1.5g/dlを有しており、PIがプロトコールからの逸脱を要求したために、試験の残りの期間は1錠/日の用量のままとした。
スクリーニング来院の後に、適格対象は、8週間の治療期間に登録された。本研究への登録(第0日)は、一般にスクリーニング来院の1週間以内に行われた。
組み入れ基準
本研究に登録された対象は、以下の組み入れ基準を満たしていた:
1.男性、及び(妊娠の可能性がある女性については)スクリーニング来院において血清妊娠検査が陰性の授乳中ではない女性
2.年齢>18歳
3.スクリーニング来院において血清フェリチン<300ng/mlかつTSAT<25%
4.スクリーニング来院においてヘモグロビン≧9.0g/dlかつ≦11.5g/dl
5.スクリーニング来院において、4変数型腎疾患における食事の変更(Modification of Diet in Renal Disease;MDRD)式を用いてeGFR<60ml/分
除外基準
以下の除外基準のうちのいずれかを満たす対象は、本研究に登録されなかった。
1.スクリーニング時点で、又はスクリーニングの前4週間以内にリン酸塩結合剤薬物を受けていた対象
2.スクリーニング来院の前24週間以内の症候性の消化管出血、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、及び/又はクローン病
3.スクリーニング来院の前8週間以内の急性腎障害の証拠又は透析を必要としたこと
4.スクリーニング来院の16週間以内に見込まれる腎移植又は透析の開始
5.スクリーニング来院の前4週間以内に投与された静脈内鉄
6.スクリーニング来院の前4週間以内に投与された赤血球生成刺激剤(ESA)
7.スクリーニング来院の前4週間以内の輸血
8.スクリーニング来院の前4週間以内に何らかの治験薬を受けたこと
9.鉄欠乏又は慢性腎疾患以外の貧血の原因
10.最近5年間における悪性腫瘍の病歴(治療済みの子宮頚がん又は皮膚がんは、Keryxによって承認された場合には、許容され得る
11.ヘモクロマトーシスの病歴
12.スクリーニング来院の前12ヶ月以内の活性な薬物もしくはアルコールへの依存もしくはその乱用(タバコの使用を除く)、又はそのような乱用の証拠
13.鉄製品に対する何らかのアレルギーを有することが知られている対象
14.経口クエン酸第二鉄に対する不耐性の前歴
15.対象が本研究のプロトコールに従う能力を妨げる精神障害
16.本試験の間に計画される外科手術又は入院
17.PIの意見によって、対象が、本試験を完了することができないかもしくは完了できそうもないとされる何らかの他の医学的状態、又は本試験への最適な参加を妨害し得るか、もしくは対象への重大なリスクが生じ得る何らかの他の医学的状態
18.研究を担当する人員へ協力できないこと、又は服薬非遵守の過去
(5.1.1.3.薬物投与及び用量設定)
Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)錠中の活性成分は、鉄(+3)、x(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、y(H2O)として化学的に知られている
Figure 2018507260
x=0.70〜0.87、y=1.9〜3.3。
該Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)は、210mgの第二鉄を含有する錠剤であり、これは、1グラムのクエン酸第二鉄に相当する。
最初の4週間後に、第0日と比較して<1.0g/dlのヘモグロビン増加を有していた対象は、本研究の残りの期間は2錠/日へと増量した。最初の4週間後に、第0日と比較してヘモグロビン増加≧1.0g/dlかつ≦1.5g/dlを有していた対象1名もまた、試験の残りの期間は2錠/日に増量した。最初の4週間後に、第0日と比較してヘモグロビン増加≧1.0g/dlかつ≦1.5g/dlを有していたもう1名の対象は、試験の残りの期間は1錠/日の用量のままとした。対象1名は、最初の4週間後に、第0日と比較して>1.5g/dlのヘモグロビン増加を有しており、治験責任医師(PI)がプロトコールからの逸脱を求めたために、試験の残りの期間は1錠/日の用量のままとした。
許容される1日あたりのAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)錠の最大数は2錠、すなわち2g/日であった。治験責任医師(PI)は、Keryx Biopharmaceuticals, Inc.と相談の上、有害事象を理由として治験薬の前記用量を減少することが許されていた。
対象は、食事を摂らずに、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)を経口的に服用した。食事又は軽食の摂取から2時間未満しか経過していなかった場合、対象は、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)を服用しないよう指示された。対象は、各日のうちのほぼ同じ時刻にその1日用量を服用することに努めるよう助言された。本研究の間、毎日の水溶性複合ビタミン剤(すなわち、Centrum、Nephrocaps、Renaphroなど)は許可された。対象は、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)とは別に(少なくとも2時間あけて)複合ビタミン剤を服用するよう助言された。対象は、(もし摂取するのであれば)複合ビタミン剤の安定的な用量及び種類を、本試験の始めから終わりまで維持するよう奨励された。対象は、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)とは別に(少なくとも2時間あけて)カルシウム補給剤を服用するよう助言された。
(5.1.1.4.治験薬の中止)
対象は、以下の理由のうちのいずれかで、治験薬を中止することを許可された:
1.治験薬の中止を余儀なくさせる併発の病気、医療事象、又は入院
2.対象の最大利益のための治験責任医師の裁量
治験薬が、回復した併発の病気又は有害事象が原因で中止される場合、該対象に、その試験参加の残りの期間、該治験薬を再び投与し得る。
(5.1.1.4.1.早期終了)
対象は、以下の理由で、本試験を中止することを許可された:
1.対象からの要請
2.追跡不能
3.任意の時点での、治験依頼者又は治験責任医師の試験終了の決定
4.透析の開始
5.妊娠
6.腎移植
7.前もって明記された早期終了基準(下記を参照されたい)への合致
8.安全性
9.死
10.その他
第0日後の8週間の治療期間のうちの連続した(少なくとも7日間あけた)2回の研究来院で、対象のHgbが、<9.0又は>13.0g/dlである場合、該対象は、治験薬を終了し試験から離脱するよう指示された。
対象が、何らかの理由で試験を早期に終了した場合、該対象に、最終来院評価を完了するよう勧めるべきである。
(5.1.1.4.2.有害事象)
有害事象は全て記録するものとした。有害事象(AE)は、該事象が、薬物に関連するものであると考えられるかどうかに関わらず、ヒトにおいて、薬物、生物学的製剤、又は診断用薬の使用に関連して生じる任意の反応、副作用、又は他の望ましくない事象と定義された。本試験においては、これには、研究中の薬物(複数可)との因果関係にかかわらず、本臨床試験の過程で現れた、又は悪化した任意の病気、兆候、症状、又は臨床的に意義のある臨床検査の異常を含めた。対象の問診及び診察の後に、すべてのAEを記録すべきものとした。分かる場合には、個々の症状ではなく、基礎にある病気又は障害の名称(すなわち、診断)を記録するように要請した。
試験薬物の中断もしくは中止の原因となるAEが生じている対象、又は本試験への参加の最後に存在する有害事象が生じている対象は、必要に応じて(回復もしくは安定化まで)追跡を受けるべきである。
AEの重症度は、治験責任医師によって決定されるか、又は対象から治験責任医師に報告されたAEの強度の度合いの定性的評価として定義された。重症度の評価は、薬物との関連性や事象の重篤度に関係なく行われた。これは、以下の尺度によって評価すべきである:
1=軽度(不快感が認められるが、日常の活動に支障はない)
2=中程度(日常の活動を減少させるか又はそれに影響を及ぼすに十分な不快感
)
3=重篤(働くことや日常の活動を行うことができず、普通の生活ができなくなる)
非重篤有害事象
以下に規定するような、重篤であるとされなかった有害事象は全て記録すべきものとした。
重篤な有害事象
重篤な事象は、記録し、かつ「重篤」とマークすべきものとした。重篤な有害事象(SAE)は、以下の基準のいずれか1つを満たすものであった:
死に至るもの
生命の危険があるもの
>24時間の入院として定義される入院を必要とするもの又は入院期間を延長するもの
持続性又は重大な障害/無能力を引き起こすもの
先天異常をもたらすもの
対象を危険にさらし得るとともに、上で列記した結果のうちの1つを防ぐために医学的な又は外科的な治療介入を必要とし得る重要な医療事象であるもの。
生命の危険があるもの:治験責任医師の見解で、それが起こると、対象を、該有害事象を原因とする差し迫った死のリスクにさらす任意の有害事象(すなわち、仮により重篤な形態で生じた場合に、死をもたらし得るであろう有害事象は含まない)。
持続性又は重大な障害/無能力:人の正常な生活機能を発揮する能力の実質的な混乱をもたらし得る任意の有害事象。
重要な医療事象:対象を危険にさらし得るとともに、上で列記した結果のうちの1つを防ぐためには医学的又は外科的な治療介入が必要となり得る任意の有害事象。死をもたらし得ず、生命の危険がなく、入院を必要としない有害事象は、適切な医学的判断に基づき、それらが、対象を危険にさらし得るとともに、上で列記した結果のうちの1つを防ぐためには医学的又は外科的な治療介入が必要となり得るものの場合には、SAEと見なし得る。
1以上のSAEを被っている対象は、治験責任医師によって治療及び追跡評価を受けることするか、又は別の適当な医師に治療及び追跡を任せることとした。SAEは、同意の時点から、対象が治験薬を中止してから28日までモニターすることとした。
重篤なものであろうと重篤でないものであろうと、有害事象はすべて、回復(もしくは、もし当てはまるのであれば安定化)まで、又は治験責任医師によって、該有害事象がもはや臨床的に意義がないと決定されるまで追跡することとした。
(5.1.1.5.対象となる検査結果)
対象となる検査結果は、以下の基準のいずれか1つを満たすものであった:
フェリチン≧800ng/ml
TSAT≧50%
肝酵素評価≧3×正常値上限(ULN)
(5.1.1.6.解析集団)
有効性
26名の対象が、治験薬での8週間の治療期間を完了した。有効性解析は、該26名の対象からのデータに基づくものであった。
安全性
安全性解析は、治験薬の少なくとも1用量を服用する対象全てからなる安全性集団に基づくものであった。
(5.1.2.結果)
58名の対象をスクリーニングし、32名の対象を登録した。32名の対象はすべて、少なくとも1用量のAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)を受け、前記安全性集団に含められた。26名の対象(81.3%)が、本研究を完了し、前記解析集団に含められた。6名の対象(18.8%)が早期に終了した。3名の対象(9.4%)は有害事象を原因とし、1名(3.1%)は治験責任医師の判断によるものであり、2名(6.3%)は他の理由によるものであった。本試験の対象の多数派は、白人/コーカサス人(96.9%)、男性(53.1%)、年齢65歳以上であり、ステージ3のCKD(43.8%)に罹患していた。
26名の対象が、8週間の治療期間(81.3%)を完了し、解析集団に含められた。本試験における平均及び中央値での曝露期間は、それぞれ、40.2日及び42.0日であった。Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)の平均及び中央値での用量は、1日あたり1.2gであった。全体では、鉄に関連しないパラメーターの検査値は、本研究の始めから終わりまでベースラインでのものと同様であった。
Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)での8週間の治療の結果、ベースラインでの10.8±0.7g/dlから第8週での11.2±0.9g/dlへの、統計学的に有意なヘモグロビンの増加をもたらした(P=0.0212)。下記の表6を参照されたい。ベースラインから最高値へのヘモグロビンの平均変化は、0.6g/dl(P<0.0001)であった。6名の対象(23.1%)で、本研究の間の任意の時点において、ベースラインと比較して少なくとも1.0g/dlのヘモグロビンの増加がみられ、7名の対象(26.9%)は、本研究の間にヘモグロビン≧12.0g/dlを少なくとも1回達成した。下記の表7を参照されたい。
加えて、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)での8週間の治療の結果、ベースラインと比較して、鉄貯蔵パラメーター、血清フェリチン、及びTSAT値の増加をもたらした。血清フェリチンレベルは、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)を服用した対象において、ベースラインでの84.9±64.7ng/mlから第8週での120.1±82.5ng/mlまで平均で35ng/ml、p値0.001で増加した。下記の表8を参照されたい。TSAT値は、Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)を服用した対象において19.2±6.5%から24.9±8.5%まで平均で5.7%、p値0.003で増加した。
このように、本研究において、食品を伴わないAuryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)の投与は概して安全であり、かつ良好な耐容性を示した。Auryxia(商標)(クエン酸第二鉄;Keryx Biopharmaceuticals, Inc.)での8週間の治療の結果、ヘモグロビン並びに血清フェリチンレベル及びTSAT値の有意な増加がもたらされた。
表6.ヘモグロビン濃度
Figure 2018507260
表7.≧1.0g/dlのヘモグロビン濃度の増加の患者、及び≧12.0g/dlのヘモグロビン濃度の患者
Figure 2018507260
表8.血清フェリチンレベル
Figure 2018507260
(5.2.実施例2:大腸炎の動物モデル)
クエン酸第二鉄の、炎症性腸状態の対象におけるIDAを治療する能力を評価するために、大腸炎の動物モデルに、クエン酸第二鉄を投与し、該クエン酸第二鉄の、鉄貯蔵パラメーター、例えば、ヘモグロビン濃度及びTSAT値に対する効果を決定する。
慢性大腸炎のT細胞移入モデル
IL-102/2 CD4+ T細胞の、RAG2/2レシピエントへの養子移入によって、慢性結腸炎をマウスにおいて誘導する。簡潔には、2〜3月齢のRAG2/2レシピエントマウスに、IL-102/2ドナーマウスから得られる106個のCD4+T細胞を注射する。ここで、該T細胞は、商業的に入手可能なキットを用いる負の選択によって濃縮(90%;脾細胞の単細胞懸濁液由来)されている。月齢を一致させた追加のRAG2/2マウス及びC57BL/6マウスを、前記T細胞の代わりにビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水[PBS])のみを注射することを除いては同様に処置する。注射後8週間で、該マウスを、クエン酸第二鉄治療又は対照のために使用する。
急性/自己限定性(self-limiting)大腸炎のDSSモデル
2ヶ月〜3ヶ月のC57BL/6マウスにおいて、飲料水中の5%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)の6日間の投与によって急性の結腸炎症を誘導する。該DSSは、フィルター精製した水に添加する。対照群として、月齢を一致させたC57BL/6マウスに、濾過水(DSSを含まない)を6日間投与する。DSS投与の最後に、該マウスは、クエン酸第二鉄での治療又は対照のために使用される。
大腸炎のT細胞移入モデル及び大腸炎のDSSモデルの双方は、ヘマトクリット、血中ヘモグロビン、及びTSATのかなりの低減を誘導することが知られており、ここで、脾臓及び肝臓は、大腸炎のT細胞移入モデルにおいて鉄含量の低減を示す。加えて、大腸炎の両モデルは、血漿エリスロポエチン及び血漿鉄結合能のかなりの増加を実証している。
処置群
大腸炎が誘導された後に、ある数のマウスに、強制経口投与又は食事での投与によって、ヒトでの有効用量に相当する用量でクエン酸第二鉄を投与する。対照として、ある数のマウスに、強制経口投与又は食事での投与によって硫酸第一鉄を投与する。クエン酸第二鉄の投与の前及び、クエン酸第二鉄又は対照の投与の数日(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくはそれを超える日数)、又は数週(例えば、1週、2週、3週、4週、5週、もしくはそれを超える週数)の後に、鉄及び血液学的分析を行う。
鉄及び血液学的分析
前記マウスを、150mg/kgのケタミン及び10mg/kgのキシラジンの腹腔内注射で麻酔する。血液試料を、カニューレが挿入された右頸動脈から抜き出し、一部を、ヘマトクリット、ヘモグロビン濃度、及びRBCあたりのヘモグロビンの測定のために抗凝血剤EDTAと混合し、残りの未処理の血液を、血清鉄、不飽和鉄結合能、総鉄結合能(TIBC)、トランスフェリン飽和度、血清フェリチン、及び血漿エリスロポエチンの測定のために処理する(全ての測定値は血液学的分析機器を用いて得る)。安楽死の後に、組織切片(又は場合によっては器官全体)を、鉄測定のために切断する。
最後に、本明細書に開示される実施態様を実施する別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施態様は、制限的なものではなく、例示的なものとみなされるべきである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に示された詳細に限定されるべきではなく、その完全な範囲及びその同等物が権利として認められる。
本明細書において引用された全ての参考文献は、各個々の刊行物又は特許又は特許出願が具体的かつ個別にあらゆる目的のためにその全体が引用により組み込まれていることが示された場合と同じ程度に、すべての目的のためにその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。

Claims (25)

  1. ヒト患者における鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、該患者は慢性腎疾患と診断されておらず、該方法は約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄錠剤を該患者に経口投与することを含み、該錠剤中の該クエン酸第二鉄が、鉄(+3)、0.70〜0.87(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、1.9〜3(H2O)の錯体である、前記方法。
  2. 前記患者が、5ng/ml〜300ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記クエン酸第二鉄が、食品と共には投与されない、請求項1又は2記載の方法。
  4. ヒト患者における鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、該患者は慢性腎疾患と診断されておらず、かつ5ng/ml〜300ng/mlの血清フェリチンレベルを有し、該方法は約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄錠剤を該患者に経口投与することを含み、該錠剤中の該クエン酸第二鉄が、鉄(+3)、0.70〜0.87(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、1.9〜3(H2O)の錯体である、前記方法。
  5. ヒト患者における鉄欠乏性貧血を治療する方法であって、該患者は慢性腎疾患と診断されておらず、かつ5ng/ml〜300ng/mlの血清フェリチンレベルを有し、該方法は約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄錠剤を該患者に経口投与することを含み、該クエン酸第二鉄は、食品が該患者に摂取されてから2時間以内には投与されず、かつ該錠剤中の該クエン酸第二鉄が、鉄(+3)、0.70〜0.87(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、1.9〜3(H2O)の錯体である、前記方法。
  6. 前記患者が、5ng/ml〜250ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記患者が、5ng/ml〜150ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記患者が、5ng/ml〜100ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記患者が、5ng/ml〜75ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記患者が、5ng/ml〜50ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記患者が、5ng/ml〜25ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記患者が、5ng/ml〜15ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  13. 前記患者が、5ng/ml〜10ng/mlの血清フェリチンレベルを有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  14. 慢性腎疾患と診断されていないヒト患者における鉄欠乏性貧血を治療する方法であって:
    (a)該患者に、約210mgの第二鉄を含有するクエン酸第二鉄錠剤を1日あたり1錠経口投与することであって、該クエン酸第二鉄は、食品が該患者に摂取されてから2時間以内には投与されず、かつ該錠剤中の該クエン酸第二鉄が、鉄(+3)、0.70〜0.87(1,2,3-プロパントリカルボン酸,2-ヒドロキシ-)、1.9〜3(H2O)の錯体である、前記経口投与すること;並びに
    (b)4週間後に、該対象のヘモグロビン濃度が5g/dlを超えて増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄の用量を低減させること、及び4週間後に、該対象のヘモグロビン濃度が1g/dl未満増加していた場合に、前記クエン酸第二鉄の用量を増加させること、
    を含む、前記方法。
  15. 前記患者が、胃腸障害を有する、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
  16. 前記胃腸障害が、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、又は化学物質誘導性大腸炎である、請求項15記載の方法。
  17. 前記顕微鏡的大腸炎が、コラーゲン性大腸炎又はリンパ球性大腸炎である、請求項16記載の方法。
  18. 前記化学物質誘導性大腸炎が、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)誘導性大腸炎である、請求項16記載の方法。
  19. 前記患者が、失血している、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
  20. 前記失血が、出産又は月経に関連するものである、請求項19記載の方法。
  21. 前記失血が、感染症に関連するものである、請求項19記載の方法。
  22. 前記患者が、不十分な鉄の食事摂取量を有する、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
  23. 前記患者が、不十分な鉄の吸収を有する、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
  24. 前記患者が、1つ以上の鉄貯蔵パラメーターについてモニターされている、請求項1〜23のいずれか1項記載の方法。
  25. 前記1つ以上の鉄貯蔵パラメーターが、ヘモグロビン濃度、血清フェリチンレベル、TSAT値、血清鉄レベル、ヘマトクリットレベル、TIBC値、血漿エリスロポエチンレベル、及びFEPレベルからなる群から選択される、請求項24記載の方法。
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