JP2018506303A - 低分散性植物タンパク質の水分散液を調製する方法 - Google Patents

低分散性植物タンパク質の水分散液を調製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、水性流体中に分散するコロイド状のタンパク質粒子を含む、水性分散液を調製する方法に関する。コロイド状のタンパク質粒子は、カゼイン塩と1以上の植物タンパク質とを含む。その方法は、水性流体中においてカゼイン塩と1以上の植物タンパク質を含む粒子との中間体分散液を供給することと、中間体分散液に破壊的な加圧を加え、前記1以上の植物タンパク質を含む粒子を破壊し、コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液を形成する工程と、を含む。さらに、本発明は、そのような方法により得られた分散液、そのような方法により得られた粒子、及び本願発明の分散液又は粒子を含む食品製品に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、植物タンパク質を含むコロイド状の水性分散液を調製する方法、植物タンパク質粒子を含む水性コロイド分散液、植物タンパク質を含むハイブリッドタンパク質粒子、及びそのようなタンパク質粒子を含む食品製品又は飼料製品に関する。
植物タンパク質は、植物材料からの油、消化性炭水化物及び食物繊維のような有用な栄養素の生産において、豊富な副産物である。植物タンパク質は、液体への溶解性に基づいて、水(アルブミン)、希薄塩溶液(グロブリン)、アルコール−水混合物(プロラミン)、及び希アルカリ又は希酸(グルテリン)に分類されることができる。特に、イネ、コーン、小麦、オート麦等のような穀物(穀草及び草)の種子等の特定の単子葉植物の種子は、本質的に水中で(中性付近のpHで)低い溶解性を有するタンパク質を高含有し、プロラミンのように水への分散性は低い。水への分散性が低いことは、これらのタンパク質を、工業的規模で食品及び他の製品に使用する可能性を制限する。これは、最終製品が水性生成物である場合の欠点であるだけでなく、それらから有用な生成物を調製する為の低分散性タンパク質の処理に制限を加える。例えば、タンパク質を十分に分散させてそれらを処理する為に、有機液体が必要とされる場合がある。
例えば、Patelらは、[Sodium caseinate stabilized zein colloidal particles.J.Agric.Food Chem.58(2010),12497−12503]において、ゼイン(プロラミン)が溶解したエタノール/水二成分溶媒を使用した貧溶媒(antisolvent)沈殿により、ゼインのコロイド分散液を製造する方法を開示している。そして、エタノール/水中のゼインと、水性カゼイン塩の調製液とを混合することにより、分散液が調製される。そのゼインの濃度は、比較的低かった(2.5%w/v)。安定したコロイド分散液を調製する為に、比較的多量のカゼイン塩が必要とされた(ゼイン対カゼインは、最大で1:0.3)。乳製品の需要が世界的に増加しているので、(カゼインやカゼイン塩などの)乳タンパク質は、ますます希少な製品になることに注意すべきである。特に、水中で分散性が低い植物タンパク質の安定した、有機溶媒の使用を必要としないコロイド分散液を提供できること、及び/又は、2.5%w/vよりも高い濃度で水に安定して分散できる植物タンパク質を含むタンパク質粒子を提供できることが望ましい。
本発明は、現在、市販の食品製品、飼料製品、又は他の(消費者)製品に使用され、特に、分散液で使用されるタンパク質の良好な代替物を提供することを目的とする。
特に、本発明は、現在、食品生産に使用されていない又は動物の飼料に使用されている原料又はその一部に存在する植物タンパク質を、人間の食品用途に利用できるようにすることを目的とする。
特に、本発明は、水性媒体中の植物タンパク質の分散性及び/又は熱安定性を改良する方法を提供すること、水性流体中で改善された分散性を有する植物タンパク質を含む粒子を提供すること、及びそのような粒子を含む製品を提供することを目的とする。
これらの一以上の目的は、ミルクから得られた特定のタンパク質の存在下で、1以上の低分散性の植物タンパク質を含む粒子を特定の技術で処理することにより、達成されることが分かった。
それに応じて、本発明は、水性流体中に分散されたコロイド状のタンパク質粒子を含み、前記コロイド状のタンパク質粒子が、カゼイン塩とイネ科の植物種子の1以上の植物タンパク質とを含む、水性分散液を調製する方法であって、
a)水性流体中に、カゼイン塩と前記1以上の植物タンパク質を含む粒子とを分散させた中間体分散液を供給する工程と、
b)前記中間体分散液に破壊的な加圧工程にかけ、前記1以上の植物タンパク質を含む粒子を破壊し、前記コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液を形成する工程と、
を含む、方法に関する。
さらに、本発明は、水性流体中に分散されたコロイド状のタンパク質粒子を含み、前記コロイド状のタンパク質粒子が、カゼイン塩と20℃の水中において15%以下、好ましくは10%以下の分散性を有する1以上の植物タンパク質(好ましくは、及びイネ科の植物の1以上の植物タンパク質)とを含む、水性分散液を調製する方法であって、
a)水性流体中に、カゼイン塩と前記1以上の植物タンパク質を含む粒子とを分散させた中間体分散液を供給する工程と、
b)前記中間体分散液に破壊的な加圧工程をかけ、前記1以上の植物タンパク質を含む粒子を破壊し、前記コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液を形成する工程と、
を含む、方法に関する。
さらに、本発明は、コロイド状のタンパク質粒子を含む、水性コロイド分散液、好ましくは本発明の方法により得られる分散液に関し、その粒子は1以上の植物タンパク質を豊富に含むコアとカゼイン塩を豊富に含む表面とを備える。
さらに、本発明は、本発明により(得られる)水性分散液を乾燥させることを含む、1以上の植物タンパク質を豊富に含むコアと、カゼインを豊富に含む表面とを備えたハイブリッドタンパク質粒子を調製する方法に関する。
さらに、本発明は、少なくとも実質的に1以上の植物タンパク質からなり、少なくとも実質的にカゼイン塩で囲まれたコアを含む、好ましくは本発明の方法で得られるハイブリッドタンパク質粒子に関する。
実施例に示されるように、カゼイン塩の存在下での破壊的な加圧による低分散性植物タンパク質粒子の処理は、植物タンパク質の分散性をかなり改善する。
有利な実施形態では、本発明による水性分散液は、改善された熱安定性を有する。
さらに、本発明は、世界的な需要の増加により、ますます希少になっている乳タンパク質を使う必要性を低減する手段を提供する。本発明のハイブリッド粒子は、乳タンパク質を完全に又は部分的に代替する為に使用できる。特に、乳タンパク質の機能的能力は、本発明のハイブリッド粒子によって引き継がれてもよい。完全な乳タンパク質ベースの製品と比較して、乳タンパク質(カゼイン塩)は少量必要とされるだけなので、本発明は乳タンパク質代替品を提供する際の効率を高める。
乳タンパク質は、その高い栄養品質のため人気があり、これは9種の必須アミノ酸の全てが利用可能であることを意味している。植物ベースのタンパク質は、その植物ベースのタンパク質源に依存して1以上の必須アミノ酸が不足しているので、しばしば栄養品質が低いものであるとみなされている。本発明のハイブリッドタンパク質粒子は、低い品質の植物タンパク質を、高い品質の乳タンパク質で補完することができる。
他に定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書で使用される用語である「又は」は、他に特定がない限り、「及び/又は」を意味する。
本明細書で使用される用語である「1つ」は、他に限定がない限り、「少なくとも1つ」を意味する。
「実質的」又は「本質的」の用語は、一般的に、特定された一般的な性質又は機能を有することを示すために、本明細書で使用される。定量化できる特徴に言及する時、これらの用語は、特にその特徴の最大値の少なくとも75%、より詳細には少なくとも90%、さらにより詳細には少なくとも95%であることを示す為に使用される。
「本質的に含まない」の用語は、一般的に、物質が存在しない(有効な出願日において利用できる分析技術により達成できる検出限界値よりも低いこと)、又は物質が製品の特性に著しく影響を及ぼさない程少量だけ存在すること、又は物質が、包装された製品にラベル表示をする必要がない程の少量だけ存在することを示す為に使用される。量に関する用語において、実際には、製品に含まれる物質の含有量が製品の総重量に基づいて0〜0.1wt%、特に0〜0.01wt%、さらには0〜0.005wt%であるならば、通常、その製品は、その物質を本質的に含まないとみなされる。
値に関する「約」の用語は、一般的に、当業者によって理解されるように、その値の周囲の範囲を含む。特に、その範囲は、その値の少なくとも10%低い値から、その値の少なくとも10%高い値まで、さらに詳細には、その値の5%低い値から、その値の5%高い値までである。
単数形の名詞(例えば、化合物、添加剤など)に言及する時、別段に定めがない限り、複数も含まれるものとする。
明確及び簡潔な説明の為に、特徴は、本明細書において同じ又は別の実施の形態の一部として記載されるが、本発明の範囲は、その実施の形態に記載された特徴の全て又は一部の組み合わせを含んでもよい。
「カゼイン塩」は、カゼインに由来する非ミセルタンパク質であり、ミルクなどの可溶性カゼイン(カゼインミセル)を含む液体から酸沈殿し、水酸化物(例えばNaOH,KOH,Mg(OH),Ca(OH),NHOH又は塩基性塩、例えば、CaCO,NaCO又はKCO及びそれらの混合物)のような塩基で中和されることで得られる。また、カゼイン塩の用語は、修飾されたもの(例えば、糖化カゼイン塩又は脱アミドカゼイン塩)を包含する。脱アミドカゼイン塩は、例えば、カゼイン塩を酵素(例えば、脱アミド酵素又はグルタミン転移酵素)の脱アミド活性に付すことにより、得ることができる。その時、グルタミン及び/又はアスパラギンの側鎖の一部又は全部のアミド基は、カルボキシル基を形成する為に、脱アミド化される。カゼインのように、カゼイン塩は、4つの主なカゼインのタイプ(alpha S1,alpha S2,bata及びkappa カゼイン)の混合物から構成される。しかしながら、(ミセルの)カゼインは、タンパク質構造に結合したカルシウム及びリン酸塩を含み、ミセル構造を安定化させる。カゼイン塩の調製物にカルシウム又はリン酸塩が含まれても良いが、カゼイン塩はカルシウムもリン酸塩も含む必要はない。
好ましくは、カゼイン塩は、牛乳のカゼイン塩である。他の適切な供給源として、他の有蹄動物のミルク、特にひづめのある有蹄動物のミルク(例えば、羊のミルク、ヤギのミルク、雌馬、ラクダ及びバッファローのミルク)を含む。
本明細書で使用されるように、物質、特にタンパク質粒子の「分散性」は、10分の間、水(添加物が添加されていない、蒸留水又は水道水)中にその物質を含む5wt%の混合物を、1360gで遠心分離することにより決定される。この試験は、通常、約20℃で実施される。タンパク質の分散性は、通常、上清中に残存しているタンパク質の窒素の量を、タンパク質の窒素の全総量で割り、その百分率により計算される。
分散性を決定する為のこれらの試験条件の下で、上清中に残存しているタンパク質粒子は、一般的にコロイド粒子である。
特に、本発明のハイブリッド粒子を構成成分として含む植物タンパク質の分散性に関して、その分散性は、実施例に記載のように決定することができる。カゼイン塩が上清及びペレット(残渣)を覆って比例的に分布し、植物タンパク質の窒素の分散性が植物タンパク質の窒素の総量の百分率で表現されると仮定して、上清中の植物タンパク質の窒素含有量は、上清分画の窒素含有量をカゼイン塩の寄与に対して補正することによって、どのように概算されるかについて、本明細書で述べられる。
タンパク質の含有量は、ケルダール方法(TKN)を使用して、タンパク質の窒素含有量を決定することにより測定できる。
特に、タンパク質は、その分散性が15%以下であるか、好ましくは10%以下であるか、さらに好ましくは5%以下であるか、特に3%以下であれば、分散性が少ない(又は低い)とみなされる。本明細書で分散性について言及するとき、特に明記しない限り、20℃での分散性を意味する。
粒子は、その特定の構造、大きさ、又は組成に応じて、様々な方法で定義及び分類される。本明細書で使用される場合、粒子は、一般的には、少なくとも1つの固体材料から構成されるマイクロ又はナノスケールの粒子として広く定義される。一般的に、このような粒子の重量平均直径は、顕微鏡検査(当業者に理解されるように、大きさに応じて、光学顕微鏡検査又は電子顕微鏡検査)により決定されてもよく、約10nmから約100μmの範囲である。
本発明のコロイド状の分散液において、コロイド粒子の平均粒子径は、一般的に、約0.01μmと約4μmの間、特に約0.05μmと約0.2μmの間、さらには約1.5μm以下(例えば、約1μm以下)である。好ましくは、平均粒子径は、少なくとも0.1μm、さらに好ましくは少なくとも0.2μm、さらに好ましくは少なくとも0.4μm、さらに好ましくは少なくとも0.5μmである。
本発明のコロイド状の分散液において、コロイド粒子は、通常、動的光散乱法(Malvern Mastersize X analyser)により測定可能な粒径分布(D(4,3))を有し、約0.01μmと約4μmの間である。特に、D(4,3)は、少なくとも約0.05μmであり、さらには少なくとも約0.1μmである。好ましくは、コロイド粒子のD(4,3)は、少なくとも0.2μm、さらに好ましくは少なくとも0.3μm、さらに好ましくは少なくとも0.4μm、さらに好ましくは少なくとも0.5μmである。好ましくは、コロイド粒子のD(4,3)は、約2μm以下であり、特に約1μm以下である。特に、0.2〜2μm、さらには0.5〜1.5μmの範囲のD(4,3)を有する粒子で、良好な結果が達成された。
粒子は、均質構造又は不均質構造を有してもよい。均質な粒子は、一般的に、単一相(物質の状態)の材料からなる。2以上の物質の状態(相)が識別できる不均質構造を有する粒子は、階層的粒子と呼ばれる場合がある。特に、階層的粒子は、内部コア及び外層を備える粒子を含む。外層は、そのコアとは別の物質の層により形成されてもよい。例えば、カゼイン塩は、植物タンパク質の表面で複合体を形成してもよく、それにより、植物タンパク質を構成するコアの少なくとも一部上に層を形成してもよい。層は本質的にコアを覆ってもよく、又はコアの一部上にパッチとして存在してもよい。層は単層であってもよい。コアは、少なくともカゼイン塩を含む厚い層により実質的に囲まれ、それにより、コーティング、シェル又はそれと同様のものを形成することが可能である。
本明細書で使用される「タンパク質粒子」は、少なくとも実質的に1以上のタンパク質からなる粒子である。粒子の重量の好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも80%、さらに特に少なくとも90%が、1以上のタンパク質から形成される。植物タンパク質粒子は、1以上の低分散性植物タンパク質を含む粒子の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも80%、さらに特に少なくとも90%を構成する粒子である。
「タンパク質粒子」は、「ハイブリッドタンパク質粒子」であってもよい。
「ハイブリッドタンパク質粒子」は、本明細書で定義される少なくとも1つの植物タンパク質を含む粒子、特に、本明細書で定義される少なくとも1つの低分散性植物タンパク質と、カゼイン塩と、を含む粒子を意味する。特に、ハイブリッド粒子は、前述の植物タンパク質又はタンパク質が豊富なコアと、カゼイン塩が豊富な周囲層とを有する階層的粒子である。「植物タンパク質が豊富な」とは、コア中で前述のタンパク質が最も豊富であることを意味し、「カゼイン塩が豊富な」とは、表面におけるカゼイン塩の濃度がコアよりも高いことを意味する。特定の実施の形態において、ハイブリッド粒子は、少なくとも実質的に、植物タンパク質からなるコアと、少なくとも実質的にカゼイン塩からなる周囲層とを有する。このような層は、カゼイン塩の単層であってもよく、又は、カゼイン塩の単層の厚さを超える厚さを有するコーティングであってもよい。また、層は、不連続性であってもよく、これは層が植物タンパク質(粒子)の表面全体を覆っていなくても良く、「パッチワイズ」に存在していることを意味する。
pHは、特に指定のない限り、20℃において、標準pH電極により測定される明白なpHとして定義される。
「水性」の用語は、水を、唯一の溶媒又は主な溶媒として含む流体を説明するために本明細書で使用される。一般に、水性流体中の水の含有量は、溶媒(25℃の液体状態である物質)の総重量に基づいて50wt%より多く、好ましくは80〜100wt%であり、より好ましくは90〜100wt%であり、特に95〜100wt%である。水ではない溶媒を本質的に含まない流体で良好な結果が得られる。もし、1以上の他の溶媒が存在するならば、これらは通常、GRASの溶媒であり、好ましくは食品等級の溶媒である。特に、エタノールは、少量で存在してもよい。エタノールのような他の溶媒は、破壊的な加圧工程を容易にする為に添加されてもよい。例えば、均質化のサイクル数又は均質化の圧力は、同様の効果を達成しながら、減らされ得る。使用される場合、エタノールの含有量は、通常、少なくとも5wt%であり、特に10〜20wt%である。さらに、水性流体は、水に加えて、トリグリセリド油のような食用油を含んでもよいが、油を本質的に含まない流体で良好な結果が達成されている。
中間体分散液を製造する為の出発物質として使用される植物タンパク質を含む個々の粒子は、単一の均質な材料からなってもよく、又は複数のより小さい粒子(例えば、ナノ粒子)から構成される凝集体であってもよい。
出発物質として使用される植物タンパク質を含む粒子は、少なくとも実質的に1以上のタンパク質から形成されてもよい。しかしながら、実質的な量の1以上の他の(植物)成分を含む粒子を使用することは可能である。例えば、穀粉を使用することができる。通常、植物タンパク質を含む粒子におけるタンパク質の含有量は、少なくとも約10wt%であり、特に約25wt%であり、又は、さらに好ましくは少なくとも約40wt%であり、さらに好ましくは50wt%以上である。しかしながら、本発明の利点は、タンパク質粒子を除く実質的な量の1以上の成分(例えば、炭水化物又は脂質)を含む比較的粗製のタンパク質粒子からコロイド状の分散液の調製を可能にすることである。そして、特定の実施の形態において、タンパク質粒子は、約90wt%未満のタンパク質を含み、特に約80wt%未満を含む。通常、植物タンパク質を含む粒子は、イネ科の植物のタンパク質を含む粒子であり、好ましくは、その種子のタンパク質を含む粒子である。好ましくは、低溶解性植物タンパク質は、穀物由来であり、さらに好ましくは米、オート麦、小麦、コーン、大麦、ライ麦、及びモロコシからなる群から選択される穀草又は草であり、さらに好ましくは、米、オート麦、小麦、及びコーンから選択される穀草又は草であり、最も好ましくは米、オート麦、及びコーンから選択される穀草又は草である。
好ましい実施の形態では、低分散性植物タンパク質は、米粒タンパク質のような穀物の穀粒タンパク質、オート麦糠タンパク質のような糠タンパク質、グルテン粒子及びプロラミンからなる群より選択される。好ましくは、プロラミンは、グリアジン、ホルデイン、セカリン、ゼイン、カフィリン、及びアベニンからなる群より選択される。さらに好ましくは、プロラミンはゼインである。
本発明の方法では、中間体分散液は、植物タンパク質及びカゼイン塩を含む粒子から調製される。中間体分散液用の植物タンパク質を含む粒子は、コロイド粒子であることができるが、コロイド粒子である必要はなく、より大きな粒子を含むことができる。一般に、粒子は、1mmまでの直径を有する。好ましくは、D(4,3)は400μmまでであり、特に1〜200μmの範囲であり、特に5〜100μmまでの範囲である。
有利な実施の形態では、植物タンパク質の水性調製液とカゼイン塩の別個の水性調製液が、調製される。カゼイン塩調製液のpHは、カゼイン塩が十分に可溶化される調製液を供給する為に、通常pH5超、特にpH5.5〜9の範囲で選択される。植物タンパク質調製液について、pHは5より低くなってもよいが、実用的な理由から、pHは5より大きいことが好ましく、特に、カゼイン塩調製液と概ね同一であることが好ましい。その調製液の全タンパク質の濃度は、通常、1〜30wt%の範囲であり、特に2〜20wt%の範囲であり、さらには約3〜約15wt%(例えば約12wt%以下)の範囲である。
好ましい実施の形態では、工程a)の前に、水性流体中において1以上の植物タンパク質を含み、好ましくはカゼイン塩を含まない粒子の分散液の先行する破壊的高圧力均質化工程が行われる。
好ましくは、先行する高圧力均質化工程は、水性流体中のカゼイン塩と1以上の植物タンパク質を含む粒子との中間体分散液の均質化工程で述べた圧力の範囲と同じ範囲の圧力を含んでもよい。特定の好ましい実施の形態において、先行する破壊的高圧力均質化工程での圧力は、工程aでの圧力と概ね同じである。
植物タンパク質を含む粒子とカゼイン塩との中間体分散液は、有利には、植物タンパク質の水性調製液とカゼイン塩の水性調製液とを混合することにより調製される。あるいは、中間体分散液は、植物タンパク質を含む粉末とカゼイン塩を含む粉末とを混合し、得られた混合物を水性流体に混合することで調製される。
中間体分散液が調製される温度は、広い範囲から選択でき、通常、5〜90℃の範囲、好ましくは10〜70℃の範囲、特に15〜65℃の範囲、さらに約周囲温度又はそれ以上である。十分な混合は、(緩やかな)撹拌により達成することができる。
通常、これらの調製液は、植物タンパク質対カゼイン塩との重量比が、1:1又はそれ以上である中間体分散液を得るために混合される。好ましくはその重量比は少なくとも3:1であり、さらに好ましくは少なくとも4:1であり、特に少なくとも5:1であり、少なくとも6:1であり、又は少なくとも7:1である。通常、その重量比は20:1以下であり、好ましくは15:1以下であり、さらに好ましくは12:1以下であり、特に10:1以下であり、さらに8:1以下である。
中間体分散液中の全タンパク質の含有量は、通常、1〜30wt%の範囲である。全タンパク質含有量は、好ましくは少なくとも5wt%であり、さらに好ましくは少なくとも8wt%であり、特に約10wt%以上である。好ましくは、全タンパク質含有量は、25wt%以下であり、さらに好ましくは20wt%以下であり、特に約15wt%以下(例えば約12wt%以下)である。
中間体分散液中における、水中で低分散性を有する植物タンパク質の全含有量は、通常、全タンパク質の25wt%より多く、好ましくは中間体分散液中における全タンパク質含有量の少なくとも50wt%であり、さらに好ましくは少なくとも65wt%であり、特に約80wt%以上である。残りの部分は、少なくとも実質的にカゼイン塩から形成されることが好ましい。
破壊的な圧力を加えることで、典型的に、植物タンパク質を含む粒子の粒子径は減少する。その破壊的な加圧を受けた中間体分散液は、通常、pHが5より大きい。pHが5より大きいと、カゼイン塩と植物タンパク質を含む粒子との十分な相互作用がもたらされると考えられる。特に、中間体分散液のpHは、5.5〜9の範囲であり、好ましくは6.0〜8の範囲であり、特に6.3〜7.5の範囲である。所望であれば、pHは、HClのような酸、又はNaOHのような塩基で調整される。
中間体分散液の破壊的な加圧は、好ましくは、ホモジナイザー又はマイクロフルダイザーにより実行される。加えられる圧力は、通常、約40MPa以上であり、好ましくは50MPa以上であり、好ましくは75MPa以上である。特に約100MPa以上の圧力で良好な結果が得られた。圧力の上限は、通常、使用される加圧装置によって加えられる最大圧力により定義される。市販のホモジナイザーにより加えられる既知の最大圧力を考慮すると、最大圧力は通常約500MPa以下である。かなり低い圧力で良好な結果が得られた。特に加えられる圧力は、250MPa以下であってもよく、特に200MPa以下であってもよい。
加圧処理は、1サイクル以上、好ましくは2サイクル以上、特に3サイクル以上、さらに5サイクル以上を含む。サイクル数は、通常15以下であり、特に10以下であり、好ましくは6以下である。
加圧中の温度は、通常100℃未満であり、特に90℃未満であり、好ましくは70℃まで又は60℃までである。加圧温度は、より高い温度又はより低い温度で開始することができるが、通常、概ね周囲温度で開始される。典型的には、処理は5〜40℃の範囲の温度で開始され、特に10〜30℃で開始される。加圧の結果、その処理中の温度は、一般的に、又は能動冷却の存在下でも、増加する。通常、温度は40〜90℃の温度に、特に40〜80℃の温度に、さらに40〜70℃の温度に増加させることができる。必要に応じて、得られたコロイド分散液は、特に約5℃〜約20℃の範囲の温度に、能動的に冷却される。
有利な実施の形態では、破壊的な加圧は、少なくとも約10MJ/mのエネルギー強度(体積単位当たりの製品に導入されるエネルギー)での分散を実行させ、好ましくは少なくとも約25MJ/mでの分散であり、特に少なくとも約50MJ/mでの分散である。上限は特に重要ではなく、例えば、約2000MJ/mまでの分散であってもよく、好ましくは、約1500MJ/m以下での分散であってもよく、特に約1000MJ/m以下での分散であってもよく、特に約500MJ/m以下での分散であってもよい。
発明者が行った実験に基づいて、中間体分散液の加圧工程の間、植物タンパク質を含む粒子は破壊され、コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液が形成されると結論付けられる。理論に拘束されるものではないが、発明者は、実施された実験結果から、破壊的な加圧工程の後に、カゼイン塩が粒子の表面と相互作用し、少なくとも実質的にその粒子を取り囲むと結論付けた。こうして、20℃の水中で10%以下の分散性を有する1以上の植物タンパク質に富んだコアと、カゼイン塩に富んだ表面とを含むコロイド状タンパク質粒子を含む水性コロイド状分散液が供給される。
水性コロイド分散液は、例えば、必要に応じてコロイド粒子の濃度を減少又は増加させる希釈工程又は濃縮工程の後に、飲料、他の食品製品、又は飼料製品の調製において、そのまま使用されてもよい。実施の形態において、水性コロイド分散液は、その後の使用の前に、非コロイド粒子がコロイド分散液から分離される工程にかけられる。これは、例えば、遠心分離のろ過により行うことができる。このように、得られるコロイド状タンパク質粒子を含む水性分散液中における、タンパク質粒子の含有量、低分散性植物タンパク質の含有量及びカゼイン塩含有量は、分散液が調製される中間体分散液と同じである必要はない。コロイド状タンパク質粒子を含む水性分散液中の低分散性植物タンパク質の濃度は、一般に、少なくとも0.5wt%である。通常、そのコロイド分散液中の低分散性植物タンパク質の濃度は、0.5〜50wt%の範囲である。原則として、水性コロイド分散液は、水性コロイド分散液で調製される最終製品(特に食品製品又は飼料製品)中の濃度とは異なるタンパク質濃度で調製されてもよい。有利な実施形態では、水性コロイド分散液は、最終製品中のタンパク質濃度と概ね同じタンパク質濃度で調製されてもよい。第1の実施の形態では、植物タンパク質の濃度は、総重量に基づいて0.5〜2.0wt%の範囲であり、特に分散液は、製品を調製する為に、比較的低いタンパク質の含有量(一般的に製品の総重量に基づいて3wt%以下であり、特に0.5〜2.0wt%の総タンパク質)であることが好ましい。第2の実施の形態では、植物タンパク質の濃度は、総重量に基づいて2.0〜5.0wt%の範囲であり、特に分散液は、製品を調製する為に、中間のタンパク質の含有量(一般的に製品の総重量に基づいて6.5wt%までであり、特に3.0〜5.0wt%の総タンパク質)であることが好ましい。第3の実施の形態では、植物タンパク質の濃度は、総重量に基づいて5.0wt%以上、特に5.0〜15wt%の範囲であり、特に分散液は、製品を調製する為に、比較的高いタンパク質の含有量(一般的に製品の総重量に基づいて6.5wt%より多い総タンパク質であり、特に7.0〜15wt%)であることが好ましい。
一般的に、植物タンパク質とカゼイン塩の少なくとも実質的な部分は、水性分散液中において、コロイド粒子を形成する。好ましくは、本質的に少なくとも植物タンパク質の全てがコロイド粒子を形成する。
本発明による水性のコロイド状分散液は、好ましくは、低分散性植物タンパク質対カゼイン塩の重量比で、3.5:1以上、好ましくは4:1以上、特に5:1以上、さらに6:1以上、7:1以上、8:1以上、9:1以上である。また、その比は、好ましくは20:1以下であり、特に4:1〜20:1の範囲であり、さらに好ましくは15:1以下であり、特に5:1〜10:1の範囲である。
水性コロイド分散液は、例えばコロイド状分散液から得られる飲料、他の食品製品、飼料製品又は単離されたハイブリッドタンパク質粒子の調製において使用されてもよい。ハイブリッド粒子は、通常、本発明による水性分散液を乾燥することにより得られる。乾燥工程として一般的に知られている技術、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥又は凍結乾燥を使用できる。本発明のハイブリッド粒子は、破壊的な加圧工程を受けていない植物タンパク質及びカゼイン塩を含む水性流体を乾燥することによって得られるハイブリッド粒子と比較して、改良された分散性を有する。特に適した乾燥技術は噴霧乾燥である。特に、噴霧乾燥は、コアが少なくとも実質的に植物タンパク質からなり、シェルが少なくとも実質的にカゼイン塩からなるコア−シェル形態を有する粒子の粉末を得るために使用されてもよい。この技術は、当業界で一般的に知られており、当業者は、共通の一般的な知識、本明細書に開示された情報、及び任意に限定された量のルーチン試験に基づいて、噴霧乾燥を実行することができる。
また、粒子を水相から分離する技術(例えば、限外ろ過、超遠心分離又は沈殿)を使用してもよい。
本発明の(単離された)ハイブリッドタンパク質粒子は、好ましくは粉末である。
単離された粒子(例えば粒子の粉末)の(低分散性)植物タンパク質対カゼイン塩の重量比は、水性分散液のものと概ね同じであってもよい。しかしながら、例えば、分散液の大部分に存在するカゼイン塩が、乾燥中に、分散液中のコロイド粒子上に沈殿する場合があるので、調製技術に依存して、植物タンパク質対カゼイン塩の重量比がより低い粒子を提供することも可能である。通常、低分散性植物タンパク質対カゼイン塩の重量比は、1:2以上であり、特に1:1以上であり、さらに2:1以上であり、好ましくは、3.5:1以上であり、さらに好ましくは4:1以上であり、さらには5:1以上であり、さらには6:1以上、7:1以上、8:1以上又は9:1以上である。通常、その比は、20:1以下、特に15:1以下、さらに10:1以下である。
カゼイン塩を欠き、本質的にコア材料(低分散性植物タンパク質粒子)からなる植物タンパク質粒子と比較して、本発明のハイブリッド粒子の利点は、水中における(窒素の測定に基づく)分散性が改良されたことである。すなわち、20℃における水中での分散性は、通常10%より大きく、好ましくは15%以上であり、さらに好ましくは20%以上であり、特に約25%以上である。原則として、少なくとも特定の実施の形態において、分散性は100%までであってもよい。実際には、分散性は、より低く、特に約70%以下、約65%以下、約50%以下、約40%以下、又は約30%以下であってもよい。
分散液から単離された分散液又は粒子は、食品製品、飼料製品又は他の製品(例えば、ヘルスケア食品)を提供するために利用されてもよい。食品は、好ましくは人間による消費に適するものである。食品製品又は飼料製品は、固体製品、半固体製品(例えば、ゲル化した製品又は(その意図された消費温度で)流体の製品であってもよい。食品製品又は飼料製品は、すぐに使える食品(例えば、開封すると消費できる飲料、インスタント食品又は飼料製品)として包装されてもよい。
製品は、斜めに保持され流出開口を下方に保持した時に、充填されたパッケージから注がれ得るならば、流体であるとみなされる。特に、製品は、ブルックフィールド型粘土計(軸を5,10rpm、7℃)で測定した粘土が100mPa・s以下であり、特に70mPa・s以下であり、さらに1〜50mPa・sであれば流体とみなされる。
固体製品及び半固体製品は、外部から加えられる力がない状態で、寸法に関して安定している製品である。半固体は、典型的には(本物の)固体よりも軟質の粘度を有し、すなわち、比較的低い押圧で流動学的な流れを示す。典型的に、半固体はすくい上げることが可能であり、製品をプレート又はボールから容易にすくい上げることが可能であることを意味する。特に、例えば、半固体は、ゲル、ムース、及びクリームであり、特にサワークリーム、ホイップクリーム、アイスクリーム及びソフトカードチーズである。
本発明の分散液又は粒子は、特に、スープ又は飲料のような飲用可能製品の提供に適している。食品製品又は飼料製品、特に飲用可能製品は、すぐに使える食品又はインスタント製品であってもよい。
好ましい食品製品は、乳製品と代替乳製品を含む。
本発明の利点は、微生物的な品質を改良するために、食品製品又は飼料製品を熱処理することができることである。従って、本発明は、減菌、低温殺菌又はUHT処理された食品製品又は飼料製品にも関係する。
特に好ましい食品製品は、栄養飲料、ミルク様飲料、飲用ヨーグルトのような発酵(ミルク様)製品、シェイク、スムージー、ラテコーヒーやカプチーノ飲料のようなコーヒー飲料、チョコレート及びココアベースの飲料からなる群より選択される。
好ましい食品製品は、無糖練乳(EVAP)又は加糖練乳(SCM)製品類似体を含む。
EVAP又はSCMは当業者によく知られており、これらは、コーヒー又はミルクのホワイトナーとして長い間すでに使用されている伝統的な製品であり、そのまま又は薄めた形態で消費されてもよい。それらは熱い飲料でしばしば使用されるので、本発明により提供される改良された熱安定性は、特に有用である。本発明によれば、類似体の内容物は、少なくとも一部で、好ましくは少なくとも実質的な部分で、特に本質的に全てのミルクタンパク質が本発明のタンパク質粒子で代替されるというという条件で、EVAP及びSCMとにそれぞれ同一又は類似である。
EVAP類似体は、約22〜27%の固形体を含む液体殺菌製品として定義され、その割合のうち約7〜11%が糖(好ましくは乳糖)、約6〜8%が脂肪、及び約5〜8%がタンパク質であり、タンパク質は本発明のコロイド状タンパク質粒子を含む。
脂肪は、乳脂肪及び/又は植物性脂肪であってもよい。
SCM類似体は、約70〜75%の固形体を含む液体殺菌製品として定義され、その割合のうち約6〜10%が脂肪、約50〜56%がスクロース及び乳糖を含む糖、及び約6〜10%がタンパク質であり、タンパク質は本発明のコロイド状タンパク質粒子を含む。
脂肪は、乳脂肪及び/又は植物性脂肪であってもよい。
栄養ドリンクは、典型的には、少なくとも30kcal/10ml、特に50〜150kcal/100ml、さらには60〜100kcal/100mlのエネルギー密度を有する流動食品製品である。好ましくは、栄養ドリンクは、牛乳よりも高いタンパク質及び/又は炭水化物の含有量を有する。タンパク質及び炭水化物に加えて、栄養ドリンクは、原則として、いくらかの追加の食品成分、特に1以上の香料、1以上のビタミン、1以上のミネラルを含んでもよい。特定の実施の形態において、栄養ドリンクは、(脱脂)乳から調製され、これに本発明の粒子及び選択的に1以上の他の成分が添加されている。
栄養ドリンクの総タンパク質含有量は、好ましくは、少なくとも約3.6wt%である。タンパク質は、好ましくは乳タンパク質及び植物タンパク質からなる群より選択される。
脂肪の含有量は、好ましくは、少なくとも約0.5wt%である。脂肪は、特に、植物性脂肪及び乳脂肪から選択されてもよい。脂肪という用語は、固体及び液体脂肪、特に固体及び液体のトリグリセリドを含む。
1以上の消化の良い炭水化物が任意に存在する。炭水化物の含有量は、通常、16wt%以下であり、好ましくは、0.5〜12wt%である。一実施の形態では、栄養ドリンクは本質的に炭水化物を含まない。そのような実施の形態では、好ましくは、1種以上の他の天然甘味料又は1種以上の人口甘味料が存在する。
炭水化物の例としては、乳糖、スクロース、グルコース、オリゴ糖、マルトデキストリン、及びデンプンである。
特定の実施の形態では、栄養ドリンクは、3.6〜7wt%のタンパク質、0.5〜3wt%の脂肪、及び0.5〜16wt%の可消化炭水化物を含む、70〜114kCal/mlのエネルギー密度を有する。
さらなる実施の形態では、食品製品は、トッピング、デザート、ベーカリー製品、菓子製品、チーズ製品からなる群より選ばれる。
さらなる実施の形態では、食品製品は、スポーツドリンクである。
さらなる実施の形態では、食品製品は、乳児用調製粉乳である。
さらなる実施の形態では、食品製品は、体重管理溶液である。
特定の好ましい実施の形態では、食品製品は、臨床栄養ドリンクのような臨床食品製品である。臨床食品は、医師、看護師、又は栄養士のような医療専門家によって処方され、それを必要とする人に供給されることになる、健康の向上、維持又は回復、及び/又は病気の予防の為に使用される食品製品である。臨床栄養ドリンクは、好ましくは、65kcal/100mlより多いエネルギー含有量を有する。多くの場合、患者には、量制限があり、又は患者は、大量の食物を消費することを困難に感じるので、高いエネルギー密度が特に好ましい。
さらなる実施の形態では、食品製品は乳酸飲料である。
さらなる実施の形態では、食品製品は、高齢者(65歳以上の人)用、又は病人用の食品であり、特に、高齢者又は病人用のドリンク、又はドリンク用の調製食品である。
さらなる実施の形態では、食品製品は、ヨーグルトタイプの飲料である。
さらなる実施の形態では、食品製品は、食事代替品である。
さらなる実施の形態では、食品製品は、インスタントドリンクの粉末である。
さらなる実施の形態では、食品製品は、栄養バーである。
さらなる実施の形態では、製品は、動物飼料製品又はペットフード製品である。好ましい動物飼料製品は、ミルク代替品である。これらは、特に農業環境で使用されてもよい。動物に餌を与えるのに好ましいミルク代替品は、子牛用ミルク代替品、及び子豚用ミルク代替品である。
次に、実施例により本発明を説明する。
(実施例1)
水中で、10wt%の米粒タンパク質粉末(RemyPro,Beneo)、10wt%のオート麦糠タンパク質粉末(Proatein,Tate&Lyle)、及び10%のコーンタンパク質粉末(Zein F4400FG,Flo Chemical)のいずれかを含むいくらかの穀物タンパク質分散液が、20℃で作製されて、典型的に3時間撹拌された。
さらに、水中で、10wt%のカゼインナトリウム塩粉末(EM7又はNaCas S,FrieslandCampina DMV)分散液が、20℃で作製され、典型的に3時間撹拌された(粉末中の代表的なタンパク質含有量は、カゼインナトリウム塩約92%、米粒約80−85%、オート麦糠約51−54%、コーンタンパク質約88−96%であった)。
分散液を、さらに使用するまで5℃で保存した。
一晩貯蔵した後、分散液を約20℃にした。その後、穀物タンパク質粉末とカゼイン塩粉末とが異なる比である、穀物タンパク質粉末とカゼイン塩粉末との中間体分散液を、異なる比で2つの分散液を混合することにより調製して、脱気した(コーンタンパク質の場合のみ)。
その後、分散液のpHを決定し、必要に応じてpHを6〜9の範囲に調製した。
分散液を、供給者の使用説明書に従って操作されるパンダ(GEA)ホモジナイザー、ベンチトップスタンステッドホモジナイザー、及びスタンステッドツイン増力高圧ホモジナイザーのいずれかを使用した均質化工程にかけた。均質化の間、装置を流水(水道水)で冷却し、試料を氷上に保った。均質化の条件は、50〜330MPaの範囲で1〜10サイクルであった。
(分散性)
穀物タンパク質の調製物の水性分散性の増加を測定する為に、試料を5wt%乾物(DM)に希釈し、45gの分散液を、20℃で10分の間、1360gで、50mlのプラスチックチューブ中で遠心分離した。上清及びペレットの量は、重量ベースで測定された。上清は、窒素含有量の測定の為に集められた(ケルダール法に従い、カゼイン塩が上清及びペレット分画にわたって比例的に分布していると仮定して、カゼイン塩の窒素含有量への寄与に対して補正された。)。穀物タンパク質の調製物の水性分散性の増加を測定する為に、当該混合物について得られた結果が、全ての穀物の窒素と比較して表され、カゼイン塩の非存在下で穀物粉末の均質化で処理された穀物粉末の(単独の)分散液、及び均質化されていない穀物粉末とカゼイン塩粉末との混合物の分散性と比較された。実験の結果を次の表に要約する。
※穀物タンパク質/カゼイン塩の比、均質化条件及びpH、非調製pHでの参照標準に依存する。
詳細には、次の表で、米粒のタンパク質の分散性についての、ホモジナイザーの圧力及び/又はサイクル数を増加させることによる影響を示す(10%のDM、米粒:カゼイン塩が5:1、pH7)。
次の表で、オート麦糠のタンパク質の分散性についての、ホモジナイザーの圧力及び/又はサイクル数を増加させることによる影響を示す(10%のDM、オート麦糠:カゼイン塩が20:1、pH6.3)。
次の表は、破壊的な加圧工程と組み合わせて、pHを7から8に引き上げることが、米粒のタンパク質の分散性に肯定的な影響を及ぼすことを示す(米粒:カゼイン塩は10:1であり、10サイクル、10%のDMである)。
次の表は、米粒:カゼイン塩の比率を変化させることが穀物タンパク質の分散性に影響を及ぼすことを示す(150MPa、10サイクル、10%のDM、pH7)。
次の表は、オート麦糠:カゼイン塩の比率を変化させることが穀物タンパク質の分散性に影響を及ぼすことを示す(100MPa、10サイクル、10%のDM、pH6.3)。
下の表は、より高い圧力で操作することができる他のタイプのホモジナイザー(ベンチトップスタンステッドホモジナイザー)を適用することにより、破壊的な加圧工程は、最大150MPaの操作に限定されたパンダ(GEA)ホモジナイザーよりも影響を与える。
上記の結果より、カゼインと破壊的技術を含む手順により、異なる穀物タンパク質の分散性を大幅に改善できると結論付けられた。
(粒径)
以下の表に、マルバーンマスターサイザー(Sysmex)を、メーカーの使用説明書に従って操作することにより測定した、いくつかの代表的な粒径を示す。試料を、マルバーンハイドロ2000Gで、デミウォータ(1500rpmのポンプで吸い出し、300rpmで撹拌)において懸濁させた。以下の表から分かるように、均質化工程は、粒径(2重に測定された2つの試料の平均値)の明らかな減少をもたらした。1360gでの遠心分離の結果、大きな粒子の分画は除去され、より小さいハイブリッド粒子を含む上清分画が得られた。
(熱安定性)
カゼイン塩の非存在下で均質化されたオート麦糠のタンパク質(10%のオート麦糠)、並びにオート麦糠およびカゼイン塩(20:1)の非均質混合物と比較された、オート麦糠−カゼイン塩のハイブリッド粒子のコロイド分散液(オート麦:カゼイン塩が20:1、10%のDM、pH6.3、10*100MPa)の熱安定性の試験が行われた。熱安定性の試験は、2.5%のDMで行われた。分散液を90℃で35分の間保持した。その後、それらを遠心分離した(1360gで10分間の遠心分離)。熱安定性は、上清に残っているタンパク質のパーセンテージとして表した。ハイブリッド粒子は、カゼイン塩の非存在下で均質化されたオート麦糠(10%のオート麦糠)、並びにオート麦糠およびカゼイン塩(20:1)の非均質化混合物と比較して、より熱安定性が高かった。特に、遠心分離(10分、1360g)によって、より大きな粒子が取り除かれたハイブリッド粒子は、加熱後に、視覚的には沈殿が見られなかった。
図1は、90℃で35分間の間加熱した(一晩中、遠心分離せずに、+4℃でインキュベートした)試料の写真を示す。左から右に、オート麦糠とカゼイン塩(20:1)の非均質化混合物、オート麦糠とカゼイン塩(20:1)の均質化混合物、及びオート麦糠とカゼイン塩(20:1)の均質化及び遠心分離した混合物、及びカゼイン塩の非存在下で均質化されたオート麦糠のタンパク質(10%のオート麦糠)である。
さらに、カゼイン塩の非存在下で均質化された米粒タンパク質(10%の米粒)、並びに米粒およびカゼイン塩(20:1)の非均質化混合物と比較された、米粒−カゼイン塩のハイブリッド粒子のコロイド分散液(米粒:カゼイン塩が5:1、10%のDM、pH7、10*100MPa)に関する熱安定性の試験(2.5%のDM、30分、90℃)が行われた。熱安定性は2.5%のDMで行われた。ハイブリッド粒子は、カゼイン塩の非存在下で均質化された米粒(10%の米粒)、並びに米粒およびカゼイン塩(5:1)の非均質化混合物と比較して、より熱安定性が高いことが明らかに分かった。特に、遠心分離(10分、1360g)によって、より大きな粒子が取り除かれたハイブリッド粒子は、加熱後に、視覚的には沈殿が少し見られた。 図2は、90℃で30分間の間加熱した(1360gで10分間RT、遠心分離した)試料の写真を示す。左から右に、米粒とカゼイン塩(5:1)の均質化混合物、米粒とカゼイン塩(5:1)の均質化及び遠心分離した混合物、カゼイン塩の非存在下で均質化された米粒タンパク質(10%のオート麦糠)、及び、米粒とカゼイン塩(5:1)の非均質化混合物である。
下の表は、加熱されていない試料と比較した、上清(1360gで10分間の遠心分離)で測定されたタンパク質のパーセンテージとして表される、90℃(2.5%のDM)で30分加熱した後の熱安定性を示す。ハイブリッド粒子では、加熱後に、より多くのタンパク質が上清に保持され、ハイブリッド粒子が対照試料よりも熱安定性が高いことを示していることが明らかに分かる。
また、オート麦−カゼイン塩混合物(オート麦糠:カゼイン塩が10:1、10%、pH6.3、10*100MPaで調製)、及び対照標準の熱安定性(2.5%のDM;30分で90℃)が、Turbiscan(商標) AGIFS(Formlation)を使用して測定された。
テストされた試料は、
S1=オート麦糠:カゼイン塩が10:1,10%のDM,10*100MPa、pH6.3
S2=S1の上清(1360gで10分間の遠心分離後)
R1=オート麦糠:カゼイン塩が10:1 未処理
R2=オート麦糠,10%のDM,10*100MPa,pH6.3
R3=10%のカゼイン塩
測定は、円筒形のガラス測定セル内で行われた。適用される光源は、パルス近赤外線LEDであった。2つの同期光学センサは、それぞれ、試料を透過した光(入射放射線から0°)と、試料によって後方散乱された光(入射放射線から135°)を受けた。光学読み取りヘッドは、試料の長さを走査し、40μmごとに透過及び後方散乱データを取得した。試料を、2時間ごとに、26時間の間30℃で測定した。Turbiscanでの測定の開始時に、オート麦糠:カゼイン塩が10:1で未処理である対照標準試料(R1)は、すでに相が分離していた。他の試料は、測定の開始時に均一であった。
異なる試料の不安定化を比較する為に、Turbiscan Stability Index(TSI)計算が使用された。TSIは、サンプルの全ての変化量を合計して、与えられたサンプルの不安定化を反映した固有値とする。TSIが高い程、試料はより不安定である。
オート麦−カゼイン塩ハイブリッド粒子は、(カゼイン塩溶液が安定であると予期して(R3)、)対照標準、オート麦糠及びカゼイン塩の非均質化混合物(R1)、及び均質化したオート麦糠(R2)よりも安定であった。最も安定だったのは、S2における、オート麦糠−カゼイン塩均質化混合物の上清分画であった。22時間後、TSI値は2であり、R2の30、R1の8、R3の4と比較された。
(コーンタンパク質の更なる結果)
さらに詳細には、次の表は、コーンタンパク質(コーンタンパク質:カゼイン塩が5:1)の分散性において、均質化の間のpHの影響を示す。
・オペレータガイド、6章 Malvern Mastersize x:D4,3=体積平均径、そしてD3,2=表面積平均直径(ザウター平均としても知られる)
(実施例2)
分散技術
この実施例では、高い安定性を有する植物タンパク質分散液の製造に関する、異なる分散方法の影響が試験された。4つの出発分散液が製造された。
A)10%のオート麦糠粉末、1%のカゼインナトリウム塩
B)10%の米粒粉末、1%のカゼインナトリウム塩
C)10のオート麦糠粉末
D)10%の米粒粉末
懸濁液は、その天然のpHで使用された。分散液は、いくらかの処理を受けた。
噴霧乾燥(比較例)
噴霧乾燥は、80バールの噴霧圧を用いて操作されるSchlick121圧力ノズルを備えるパイロットドライヤーを使用して行われた。入口および出口の温度は、それぞれ170℃および70℃であった。生成物の温度は50℃であった。分散液Aを使用して、2つの異なる変種を生成した。
1.懸濁液を直接噴霧乾燥する。
2.噴霧乾燥の前に、懸濁液を、35MPaの圧力で均質化する。1日貯蔵した後、生成した粉末を10%の濃度で溶解する。粉末を適切に分散させる為に、溶液に、1分間、14000rpmでIKA laboratory turraxを使用した。その後、溶液を、4℃で一晩保存した。これらの懸濁液の安定性は、最初に分散液を2倍に希釈し、そして、1360gで10分間遠心分離をすることで分析された。結果を下の表に示す。
ジアパックス(比較例)
回転子−固定子装置は、しばしば分散手段として使用される。ここでは、IKA"DISPAX"反応装置/ホモジナイザーを使用して、上述の分散液を分散させた。
懸濁液は、ジアパックスを通して、2つの速度(10L/h及び20L/h、それぞれ約30秒及び15秒の混合室内の基準時間に対応する)で、20℃でポンプ輸送された。ジアパックス処理の間、温度は最大で60℃まで上昇した。生成した懸濁液を、上述の遠心分離法を使用して、その安定性について分析した。結果を以下の表に示す。
結果は、安定した懸濁液を製造することにおいて、ジアパックスを使用した場合、繰り返される高圧均質化よりも影響が少ないことを示している。これは、高圧均質化が、一般的に、ジアパックスよりも多くのエネルギーを製品に導入するという事実によって説明することができる(10J/mと比較して、10J/m)。
超音波(比較例)
超音波は、エネルギーを非常に集約させた方法として知られている。典型的には、超音波処理中に、約10J/mが印加される。試験は、約1Lの体積である実験室規模のCavitus USセットアップを使用して行われた。そのUS装置に(15℃で)製品を充填し、2,4,8又は12分間適用させた。各試験は、新鮮な材料で行った。900Wに対応する最大の出力が使用された。処理の間、温度は25℃(2分)、40℃(4min)、53℃(8min)、及び60℃(12min)に上昇した。生成した懸濁液について、上述の遠心分離法を使用して、安定性を分析した。結果を以下の表に示す。
そのUSによる処理は、エネルギーが非常に集約しているにも関わらず、生成した懸濁液の安定性は、高圧均質化(上記参照)を使用して製造された懸濁液の安定性よりも非常に低い。そのUSで処理された試料の沈降粒子は、むしろ容積が大きいように見えるので、発明者らは、凝結した非常に小さい植物タンパク質粒子が生成され、そのUS処理の影響を部分的に取り除くと推測する。
コロイドミル(比較例)
コロイドミルは、回転子−固定子の原理で動作する。回転子は、高速で回転する(2000−18000rpm)。その結果得られる、処理流体に適用される高レベルの水力による剪断力は、流体中の組織体を破壊する場合がある。試料(A−D)を、(モジュールMK/MKOを備えた)IKA MagicLAB(登録商標)を使用して、周囲温度及び最高速度で処理した。以下の表に見られるように、カゼイン塩の存在下での処理の重要な影響は観察されなかった(試料A対C、及びB対D)。
マイクロフルイダイザー(本願発明による方法)
顕微溶液化は、分散装置の他のエネルギー集約の部分である。実験は、内部寸法が200ミクロンのz−タイプディスラプター(H30Z)を使用したMicrofluidics Model M−110Y Microfluidizerを使用して行われた。懸濁液をマイクロフルイダイザーに3回通した。実験の開始時に、懸濁液は室温であった。マイクロフルイダイザー処理後、40MPaの圧力を使用した場合、温度は30℃又は45℃に増加した。
結果は、カゼイン塩の存在が、オート麦の懸濁液の安定性を増加させることを示す。
(実施例3)
以下の実験は、カゼイン塩が破壊工程中に植物タンパク質粒子に結合することを証明する。米粒タンパク質とカゼイン塩のハイブリッド粒子は、米粒粉末:カゼイン塩粉末が5:1、10%のDM、pH6.9、10*100MPaで調製された。使用前に、カゼイン塩溶液を、100,000gで1時間の間、10%のDMで遠心分離し、その後、0.45μmフィルターでろ過(2x)した。(均質化した)ハイブリッド粒子の10%のDM分散液、米粒粉末とカゼイン塩との非均質化混合物、カゼイン塩及びカゼイン塩の非存在下で均質化した米粒粉末を、5%のDMに希釈し、1360gで10分間(20℃)、遠心分離した。
その後、上清を0.8μmフィルターでろ過し、逆相HPLCを使用してカゼイン塩含有量を分析した。以下の表では、ハイブリッド粒子(米粒とカゼイン塩粉末の均質化混合物)は、対照標準、非均質化混合物及びカゼイン塩溶液と比較して、濾液中に存在するカゼイン塩が少ないことを明らかにしている。これは、カゼイン塩タンパク質と米粒タンパク質との相互作用を明らかに示し、カゼイン塩の一部が膜を通過するのを防止する。
予想されるように、均質化した米粒粉末分散液の濾液中に、カゼイン塩又は他のタンパク質は、検出範囲において測定することが出来なかった。カゼイン塩対照標準の濾液中のカゼイン塩含有量は推定値に従うので、選択された孔径(0.8μm)は、カゼイン塩タンパク質に対して完全に透過性である。
(実施例4)
乳酸飲料
標準的なレシピに従い、オート麦糠タンパク質(穀物タンパク質:カゼイン塩が10:1、10*1000バール、pH6.3)から調製されたハイブリッド粒子は、乳酸飲料(LAD)を調製するために使用された。乳製品ベースのLADを、対照標準として使用した。
レシピには、砂糖、ペクチン、及び酸が含まれ、UHT処理された。生成物は、5℃で1週間貯蔵した後、評価された。
2つの品種は、視覚的、物理的、及び微生物学的に安定であることが分かった。組成とpHは同等であった。全てのサンプルの味、質感、及び口当たりは、良好であると判断された。
(実施例5)
カゼイン塩対ミセルのカゼイン又は粉乳の影響
次の表は、オート麦糠と米粒タンパク質の両方の分散性(カゼインナトリウム塩に基づいて標準化し、カゼイン(塩)の非存在下における分散性に対して補正したもの)についての、カゼインナトリウム塩の性能に対するカゼイン(塩)の他のタイプの性能を示す。10回の均質化サイクルが、100MPa、10wt%の乾物重量比で行われた。ここで、植物タンパク質の調製物:カゼイン(塩)の重量比は5:1、及びpH6.3(オート麦糠)又はpH7(米粒))である。カゼインナトリウム塩の能力は、カゼインカルシウム塩(Excellion CaCasS,FrieslandCampina DMV;92.6%のタンパク質)、ミセルのカゼイン単離物(MCI80,Refit,FrieslandCampina DOMO;80.3%のタンパク質)、中熱脱脂粉乳(SMP,33.1%のタンパク質)、及び脱アミド化カゼインナトリウム塩の性能と比較された。実験設定では、添加のカゼインカルシウム塩、MCI、及びSMPが、対照標準として、カゼイン塩を使用するタンパク質の基に標準化された。異なるタイプのカゼイン(塩)の調製物のうち、明らかに(脱アミド化された)カゼインナトリウム塩が最もよく機能することは明らかである。カゼインカルシウム塩は、オート麦糠タンパク質について、ミセルカゼイン塩及びSMPよりも良好に機能する。
※脱アミド化カゼインナトリウム塩は、次のように調製された。すなわち、50℃で撹拌した40%のカゼインナトリウム塩(EXCELLION EM7,FrieslandCampina DMV)分散液に、タンパク質グルタミナーゼ(Amano)を、タンパク質1gにつき5ユニットの投与量で添加した。5時間後に、90℃で10分間、分散液を加熱することにより、酵素を熱不活性化した。冷却後、材料を凍結乾燥して、粉末状の脱アミド化カゼインナトリウム塩の試作品を得た。
(実施例6)
予備均質化の影響
オート麦粉末の10%のDMの水性分散液を、100℃で9サイクルにより均質化した(R2)。その後、カゼイン塩を添加して、穀物タンパク質粉末:カゼイン塩粉末を10:1にした。次に、バッチを4等分にした。1つの部分を100MPaで1サイクルで再び均質化し(S1)、1つの部分に静的高圧処理で100MPa与え(S2)、1つの部分は70℃まで熱せられ、1時間その温度で保持され(S3)、第4の部分は、さらなる処理がされなかった(S4)。以下の表に、異なる処理がされた試料の穀物タンパク質の分散性が与えられる。
(付記)
(付記1)
水性流体中に分散されたコロイド状のタンパク質粒子を含み、前記コロイド状のタンパク質粒子が、カゼイン塩とイネ科の植物種子の1以上の植物タンパク質とを含む、水性分散液を調製する方法であって、
a)水性流体中に、カゼイン塩と前記1以上の植物タンパク質を含む粒子とを分散させた中間体分散液を供給する工程と、
b)前記中間体分散液に破壊的な加圧工程にかけ、前記1以上の植物タンパク質を含む粒子を破壊し、前記コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液を形成する工程と、
を含む、
方法。
(付記2)
水性流体中に分散されたコロイド状のタンパク質粒子を含み、前記コロイド状のタンパク質粒子が、カゼイン塩と20℃の水中において15%以下、好ましくは10%以下の分散性を有する1以上の植物タンパク質とを含む、水性分散液を調製する方法、好ましくは付記1に記載の方法であって、
a)水性流体中に、カゼイン塩と前記1以上の植物タンパク質を含む粒子とを分散させた中間体分散液を供給する工程と、
b)前記中間体分散液に破壊的な加圧工程をかけ、前記1以上の植物タンパク質を含む粒子を破壊し、前記コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液を形成する工程と、
を含む、
方法。
(付記3)
前記中間体分散液における前記植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、1:1〜20:1の範囲であり、好ましくは、3:1〜15:1の範囲であり、特に、4:1〜12:1の範囲であり、さらに特に、5:1〜10:1の範囲である、
付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
前記中間体分散液における前記植物タンパク質対前記カゼイン塩との重量比は、6:1〜20:1の範囲であり、特に、7:1〜15:1の範囲である、
付記3に記載の方法。
(付記5)
前記中間体分散液における前記タンパク質の含有量は、1〜30wt%の範囲であり、特に5〜25wt%の範囲であり、さらに特に10〜20wt%の範囲である、
付記1〜4のいずれか1つに記載の方法。
(付記6)
前記中間体分散液における前記1以上の植物タンパク質の含有量は、前記中間体分散液における総タンパク質含有量の、少なくとも25wt%であり、好ましくは少なくとも50wt%であり、さらに好ましくは少なくとも65wt%であり、特に少なくとも80wt%である、
付記1〜5のいずれか1つに記載の方法。
(付記7)
前記加圧は、ホモジナイザーにより、少なくとも40MPa、好ましくは50〜500MPa、特に100〜250MPaの圧力で処理することを含む、
付記1〜6のいずれか1つに記載の方法。
(付記8)
前記加圧の間におけるpHは、5.5〜9.0の範囲であり、好ましくは6.0〜8.0の範囲であり、特に6.3〜7.5の範囲である、
付記1〜7のいずれか1つに記載の方法。
(付記9)
前記1以上の植物タンパク質は、穀物のものであり、好ましくは、米、オート麦、小麦、コーン、大麦、ライ麦及びモロコシからなる群より選択される穀草又は草からのものであり、さらに好ましくは、米粒タンパク質粒子、オート麦糠タンパク質粒子、グルテン粒子、プロラミン粒子からなる群より選択されるものから作られたものである、
付記1〜8のいずれか1つに記載の方法。
(付記10)
前記中間体分散液における前記1以上の植物タンパク質を含む粒子は、1μm〜1mmの範囲のD(4,3)を有し、好ましくは、5〜400μmの範囲のD(4,3)を有する、
付記1〜9のいずれか1つに記載の方法。
(付記11)
前記コロイド状の粒子は、0.2μm〜4μmの範囲のD(4,3)を有し、特に、0.4〜2μmの範囲のD(4,3)を有する、
付記1〜10のいずれか1つに記載の方法。
(付記12)
付記1,2又は9に記載の1以上の植物タンパク質が豊富なコアとカゼイン塩が豊富な表面とを含む、コロイド状のタンパク質粒子を含む水性コロイド分散液、好ましくは、付記1〜11のいずれか1つに記載の方法により得られる、分散液。
(付記13)
少なくとも0.5wt%の前記1以上の植物タンパク質、特に0.5〜2.0wt%、2.0〜5.0wt%、又は5.0〜15wt%の前記1以上の植物タンパク質を含む、
付記12に記載の水性コロイド分散液。
(付記14)
前記植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、3.5:1以上であり、好ましくは4:1〜20:1、特に5:1〜10:1である、
付記12又は13に記載の水性コロイド分散液。
(付記15)
付記12〜14のいずれか1つに記載の水性分散液又は付記1〜11のいずれか1つに記載の方法により調製された水性分散液を乾燥させることを含む、1以上の植物タンパク質が豊富なコアとカゼイン塩が豊富な表面とを含むハイブリッドタンパク質粒子を調製する方法。
(付記16)
少なくとも実質的に付記1,2又は9に記載の1以上の植物タンパク質からなるコアを含み、前記コアは、少なくとも実質的にカゼイン塩で囲まれている、
付記15に記載の方法により得られるハイブリッドタンパク質粒子。
(付記17)
前記1以上の植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、3.5:1以上であり、好ましくは4:1〜20:1、特に5:1〜10:1である、
付記16に記載のハイブリッドタンパク質粒子。
(付記18)
前記1以上の植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、6:1〜20:1の範囲であり、特に7:1〜15:1の範囲である、
付記17に記載のハイブリッドタンパク質粒子。
(付記19)
約25%以上の分散性を有する、
付記16、17又は18に記載のハイブリッドタンパク質粒子。
(付記20)
付記16、17、18又は19に記載のハイブリッドタンパク質粒子、又は付記12〜14のいずれか1つに記載の水性分散液を含む、
食品製品又は飼料製品。
(付記21)
前記製品は流体である、
付記20に記載の食品製品又は飼料製品。
(付記22)
前記食品製品は、無糖練乳(EVAP)又は加糖練乳(SCM)製品類似物である、
付記21に記載の食品製品。
(付記23)
前記食品製品は、スポーツドリンクである、
付記21に記載の食品製品。
(付記24)
前記食品製品は、乳児用調製粉乳である、
付記20又は21に記載の食品製品。
(付記25)
前記食品製品は、体重管理溶液である、
付記21に記載の食品製品。
(付記26)
前記食品製品は、臨床食品製品である、
付記20、21、24又は25に記載の食品製品。
(付記27)
前記食品製品は、栄養ドリンク、ミルク様飲料、飲用ヨーグルトのような発酵(ミルク様)製品、シェイク、スムージー、ラテコーヒーやカプチーノ飲料のようなコーヒー飲料、チョコレート及び他のココアベースの飲料からなる群より選択される、
付記20〜26のいずれか1つに記載の食品製品。

Claims (27)

  1. 水性流体中に分散されたコロイド状のタンパク質粒子を含み、前記コロイド状のタンパク質粒子が、カゼイン塩とイネ科の植物種子の1以上の植物タンパク質とを含む、水性分散液を調製する方法であって、
    a)水性流体中に、カゼイン塩と前記1以上の植物タンパク質を含む粒子とを分散させた中間体分散液を供給する工程と、
    b)前記中間体分散液に破壊的な加圧工程にかけ、前記1以上の植物タンパク質を含む粒子を破壊し、前記コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液を形成する工程と、
    を含む、
    方法。
  2. 水性流体中に分散されたコロイド状のタンパク質粒子を含み、前記コロイド状のタンパク質粒子が、カゼイン塩と20℃の水中において15%以下、好ましくは10%以下の分散性を有する1以上の植物タンパク質とを含む、水性分散液を調製する方法、好ましくは請求項1に記載の方法であって、
    a)水性流体中に、カゼイン塩と前記1以上の植物タンパク質を含む粒子とを分散させた中間体分散液を供給する工程と、
    b)前記中間体分散液に破壊的な加圧工程をかけ、前記1以上の植物タンパク質を含む粒子を破壊し、前記コロイド状のタンパク質粒子を含む水性分散液を形成する工程と、
    を含む、
    方法。
  3. 前記中間体分散液における前記植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、1:1〜20:1の範囲であり、好ましくは、3:1〜15:1の範囲であり、特に、4:1〜12:1の範囲であり、さらに特に、5:1〜10:1の範囲である、
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記中間体分散液における前記植物タンパク質対前記カゼイン塩との重量比は、6:1〜20:1の範囲であり、特に、7:1〜15:1の範囲である、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記中間体分散液における前記タンパク質の含有量は、1〜30wt%の範囲であり、特に5〜25wt%の範囲であり、さらに特に10〜20wt%の範囲である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記中間体分散液における前記1以上の植物タンパク質の含有量は、前記中間体分散液における総タンパク質含有量の、少なくとも25wt%であり、好ましくは少なくとも50wt%であり、さらに好ましくは少なくとも65wt%であり、特に少なくとも80wt%である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記加圧は、ホモジナイザーにより、少なくとも40MPa、好ましくは50〜500MPa、特に100〜250MPaの圧力で処理することを含む、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記加圧の間におけるpHは、5.5〜9.0の範囲であり、好ましくは6.0〜8.0の範囲であり、特に6.3〜7.5の範囲である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記1以上の植物タンパク質は、穀物のものであり、好ましくは、米、オート麦、小麦、コーン、大麦、ライ麦及びモロコシからなる群より選択される穀草又は草からのものであり、さらに好ましくは、米粒タンパク質粒子、オート麦糠タンパク質粒子、グルテン粒子、プロラミン粒子からなる群より選択されるものから作られたものである、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記中間体分散液における前記1以上の植物タンパク質を含む粒子は、1μm〜1mmの範囲のD(4,3)を有し、好ましくは、5〜400μmの範囲のD(4,3)を有する、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記コロイド状の粒子は、0.2μm〜4μmの範囲のD(4,3)を有し、特に、0.4〜2μmの範囲のD(4,3)を有する、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項1,2又は9に記載の1以上の植物タンパク質が豊富なコアとカゼイン塩が豊富な表面とを含む、コロイド状のタンパク質粒子を含む水性コロイド分散液、好ましくは、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法により得られる、分散液。
  13. 少なくとも0.5wt%の前記1以上の植物タンパク質、特に0.5〜2.0wt%、2.0〜5.0wt%、又は5.0〜15wt%の前記1以上の植物タンパク質を含む、
    請求項12に記載の水性コロイド分散液。
  14. 前記植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、3.5:1以上であり、好ましくは4:1〜20:1、特に5:1〜10:1である、
    請求項12又は13に記載の水性コロイド分散液。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の水性分散液又は請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法により調製された水性分散液を乾燥させることを含む、1以上の植物タンパク質が豊富なコアとカゼイン塩が豊富な表面とを含むハイブリッドタンパク質粒子を調製する方法。
  16. 少なくとも実質的に請求項1,2又は9に記載の1以上の植物タンパク質からなるコアを含み、前記コアは、少なくとも実質的にカゼイン塩で囲まれている、
    請求項15に記載の方法により得られるハイブリッドタンパク質粒子。
  17. 前記1以上の植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、3.5:1以上であり、好ましくは4:1〜20:1、特に5:1〜10:1である、
    請求項16に記載のハイブリッドタンパク質粒子。
  18. 前記1以上の植物タンパク質対前記カゼイン塩の重量比は、6:1〜20:1の範囲であり、特に7:1〜15:1の範囲である、
    請求項17に記載のハイブリッドタンパク質粒子。
  19. 約25%以上の分散性を有する、
    請求項16、17又は18に記載のハイブリッドタンパク質粒子。
  20. 請求項16、17、18又は19に記載のハイブリッドタンパク質粒子、又は請求項12〜14のいずれか1項に記載の水性分散液を含む、
    食品製品又は飼料製品。
  21. 前記製品は流体である、
    請求項20に記載の食品製品又は飼料製品。
  22. 前記食品製品は、無糖練乳(EVAP)又は加糖練乳(SCM)製品類似物である、
    請求項21に記載の食品製品。
  23. 前記食品製品は、スポーツドリンクである、
    請求項21に記載の食品製品。
  24. 前記食品製品は、乳児用調製粉乳である、
    請求項20又は21に記載の食品製品。
  25. 前記食品製品は、体重管理溶液である、
    請求項21に記載の食品製品。
  26. 前記食品製品は、臨床食品製品である、
    請求項20、21、24又は25に記載の食品製品。
  27. 前記食品製品は、栄養ドリンク、ミルク様飲料、飲用ヨーグルトのような発酵(ミルク様)製品、シェイク、スムージー、ラテコーヒーやカプチーノ飲料のようなコーヒー飲料、チョコレート及び他のココアベースの飲料からなる群より選択される、
    請求項20〜26のいずれか1項に記載の食品製品。
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