JP2018505399A - テストベンチの上でのテスト運転の実施のための方法および装置 - Google Patents
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Abstract
Description
その際、被試験体が負荷機械によって負荷され、且つ、
この負荷機械が、駆動制御ユニットによって制御され、且つ、
前記負荷機械の制御のための前記駆動制御ユニットが、少なくとも1つのダイノ目標値を使用し、前記少なくとも1つのダイノ目標値が、シミュレーションから計算され、
並びに、テスト運転の実施のための、テストベンチの制御のための、所属する装置に関する。
このシミュレーションから、テストベンチにおける被試験体のために、および、この被試験体と結合された負荷機械のための、目標基準値、例えば、回転数、回転トルク、電流、電圧、等を計算するために、求められている。
このことは、テストベンチにおける被試験体が、物的に(physisch)構成されており、且つ、負荷機械によって、例えば、回転トルク、または、回転数によって負荷されることを意味する。
車両、または、その内において被試験体が使用されるこの車両の一部は、その際、シミュレーションモデルによってシミュレーションされ、且つ、このシミュレーションが、テスト運転のために、テストベンチにおいて物的に構成された被試験体を補充する。テスト運転という語でもって、一般的に、被試験体を、インターフェース(Schnittstelle)を介して、例えば、回転トルク−時間−ダイヤグラム、または、回転数−時間−ダイヤグラムの様式における、時系列的な負荷経過でもって負荷することが理解される。
その際、この目的は、例えば、被試験体でもっての、走行トラックの移動であり、その際、この被試験体が、テストベンチに設けられており、この被試験体が、即ち、このテストベンチにおいて、この被試験体が実際的な車両内において実際的に走行トラックの上で走行中である場合と同じ負荷を受けるべきである。
より高い動力学的な制御過程、例えば、ブレーキ操作、または、迅速な加速のために、しかしながら、比較的に短い時間ステップが所望され、もしくは、現実的なテスト運転のために必要である。一般的に、その際、使用可能な演算性能に基づいて、極めて速く限界に突き当たる。何故ならば、目標値が、迅速に、十分に算出され得ないからである。
高動力学的な、現実に即した使用のために、10kHzに至るまで、または、それ以上の制御のサイクル時間が必要であり、このことは、現在、十分な精度でもって、経済的に置換可能ではない。
使用可能な演算性能で十分であるために、この目的のために、シミュレーションモデルが簡略化されなければならないか、それとも、より長い時間ステップで満足されなければならない。両方のことは、しかしながら、実際上は、高動力学的な過程のために、あまり満足させる状態にない。
特許文献1が、この目的のために、1つの方法を示しており、この方法は、走行路の上での車両の特性を、可能な限り現実に即して、シミュレーションすることを許容している。その際、タイヤのスリップ特性は、タイヤモデルに基づいて、シミュレーションユニット内において計算される。
このタイヤモデルは、タイヤをテストベンチにおいてシミュレーションする負荷機械に目標値として予め設定されており且つこのテストベンチにおいて制御される、回転トルクと、車両モデルにおいて車両速度の計算のために処理される、このタイヤから走行路に伝達される前後力とを提供する。ここで、タイヤ特性は、従って、シミュレーションコンピュータで完全にシミュレーションされる。可能な動力学的な動態は、これに伴って、このシミュレーションコンピュータの能力によって、及び/または、このシミュレーションモデルの複雑性から、規定される。
この方法でもって、典型的に1〜3kHzの、制御のためのサイクル時間が可能であり、このことは、現実に即した、高動力学的なテスト運転のために、しかしながら、十分ではない。
それは別として、これらの理由から、同様にこのタイヤモデルの変化または適合も、同様にただその一部だけも困難である。特に、このタイヤモデルは、同様に、非自在的でもある。何故ならば、実施されるタイヤモデルが、文書に書き記されているからである。例えば、横力またはタイヤのスリップの計算のために、他のタイヤモデル、または、このタイヤモデルの他の一部分を使用することが意図される場合、全てのタイヤモデルが交換、または、適応されねばならない。
第1のシミュレーションユニット内において、第1のシミュレーションモデルでもって、タイヤの少なくとも1つの前後速度が計算され、且つ、前記前後速度が、第2のシミュレーションユニットに引き渡されること、
この第2のシミュレーションユニット内において、前記前後速度に基づいて、第2のシミュレーションモデルでもって、前記タイヤの前後力、及び/または、転がり抵抗モーメントが計算されること、および、
前記前後力、及び/または、前記転がり抵抗モーメントでもって、前記駆動制御ユニットのための前記少なくとも1つのダイノ目標値が算出されること、
によって解決される。
別個の第1のシミュレーションモデル、および、第2のシミュレーションモデルへの、シミュレーションモデルの分割によって、機能的な抽象化およびモジュール化(Modularisierung)が達成され、この分割が、個別のシミュレーションモデル、もしくは、部分モデルを、相互に依存せずに、パラメータ化すること、メンテナンスすること、または、適応させることを可能にする。
このことは、ここで、明確に、見通し可能に行われ得る。何故ならば、個別のシミュレーションモデルが、相互に分離され、且つ、それぞれに、タイヤのシミュレーションのただある程度の部分観点だけをカバーするからである。これらシミュレーションモデルの間の、インターフェースによって、一方のシミュレーションモデルは、他方のシミュレーションモデルのどんな種類の知識も有する必要はない。
このことは、他方また、異なる製造者のシミュレーションモデルを使用すること、または、所定のシミュレーションモデルを、異なる、他のシミュレーションモデルと組み合わせることを可能にする。
これらシミュレーションモデルの製造者は、更に、同様に、如何なる専門知識に裏付けられた能力も、負荷機械、または、テストベンチの機械動力学の事項において帯同する必要がなく、且つ、このテーマに関わる必要がない。何故ならば、これに伴って、ただ1つのインターフェースが使用に供され、このインターフェースが、テストベンチにおいて利用され得るからである。従って、課題に適合されたインターフェースが与えられる。複雑なシミュレーションモデル、および、テストベンチ内におけるシミュレーション周囲環境の一体化は、このことによって、同様に簡略化される。
第1のシミュレーションユニットが第1のシミュレーションモデルを、および、第2のシミュレーションユニットが、第2のシミュレーションモデルを備えており、
その際、前記第1のシミュレーションモデルが、タイヤの少なくとも1つの前後速度を計算し、且つ、前記第2のシミュレーションユニットに引き渡すことのために設備され、および、
前記第2のシミュレーションユニットが、前記前後速度に基づいて、前記タイヤの前後力、または、転がり抵抗モーメントを計算し、且つ、この前後力または転がり抵抗モーメントから、前記少なくとも1つのダイノ目標値を前記駆動制御ユニットのために算出することのために設備されている。
このことは、テストベンチに存在する適宜の駆動制御ユニットを使用することを、特に同様にこれら駆動制御ユニットを適応させること無しに可能にする。
この課題は、本発明に従い、
前後速度、接地荷重、横力、セルフアライニングトルク、または、オーバターニングモーメントの内の少なくとも1つの量は、第1のシミュレーションユニット内において、第1の周波数でもって計算され、および、
前記量から、前後力、及び/または、転がり抵抗モーメントが、第2のシミュレーションユニット内において、第2の周波数でもって計算されることによって解決される。有利には、その際、第1の周波数は、第2の周波数より低い。
従って、高いテストベンチの動力学的な動態の達成のために必要な、タイヤのクラフトワインダ(Kraftwinder)の量は、前後速度として、もしくは、このクラフトワインダの残りの量として、算出される。これらシミュレーションモデルの分割に基づいて、この目的のために、第2のシミュレーションユニット内における、使用可能な演算容量は十分である。
第1のシミュレーションユニット内において計算された量は、シミュレーションの品質の制限無しに、あまり頻繁にではなく、実現化、即ち、計算され得る。このことは、特に、テストベンチの上での、高動力学的なテスト運転の実施を可能にし、これらテストベンチにおいて、被試験体が、駆動制御ユニットによって制御される負荷機械と結合されている。
テストベンチにおいて、曲線走行をシミュレーションすることは、同様に可能である。
同様に、第1のシミュレーションモデル、及び/または、第2のシミュレーションモデルにおいて、シミュレーションの際に、前後力が依存するタイヤのスリップが顧慮される場合、シミュレーション精度の向上が誘起される。
この場合、有利には、ローラーのローラートルクが測定される。何故ならば、この測定量が、通常の場合、ローラーテストベンチで使用可能であるからである。
第2のシミュレーションユニット内において、その場合に、第2のシミュレーションモデルから、前後力、または、転がり抵抗モーメントが計算され、且つ、それぞれの他の量が運動方程式(例えば、オイラーの運動方程式)から計算される。
従って、前後力、または、転がり抵抗モーメントの計算は、簡略化され得る。
このタイヤ1は、走行路2の上のホイール接地点Pにおいて起立し(図1は、ホイール接地点Pにおける、湾曲された走行路2に対する、接面3を示している)、且つ、このタイヤ1が、ホイール中心点Cを中心として、回転軸線ycの周りを回転する。このタイヤ1は、その際、ホイール接地点Pにおいて、走行路2の上に起立しているのではなく、むしろタイヤの接地面の上に起立しており、このタイヤの接地面が、一般に、ラッチLと称される。
以下の考察のために、図1内において図示されているように、右手座標系が前提とされる。x軸は、タイヤ1の進路に相応する。y軸は、ホイール接地点Pを通る、回転軸線ycの平行線であり、z軸が、ホイール接地点Pとホイール中心点Cとを通る、接続直線である。
このホイール接地点Pは、従って、湾曲された走行路2とホイール中心点Cとの間の間隔を最低限に抑える、当該の点である。
従って、湾曲された座標系に従うタイヤ1において、接地荷重Fz、進路の方向における前後力Fx、および、横力Fy、転がり抵抗モーメントMy、セルフアライニングトルクMz、および、オーバターニングモーメントMxが与えられる。
これら力およびモーメントは、統合した状態で、同様に、タイヤ−クラフトワインダ(Reifen− Kraftwinder)(=第2タイプスクリュー(Schraube zweiter Art)、または、ダイナーメ(Dyname))とも称される。
このタイヤ−クラフトワインダは、内在的な物理的な大きさとして、所定の座標系内への分解に依存しない。仮想の車両のホイール接地点Pの走行路に固定状態の座標系内において観測される速度は、v(P)でもって参照符号を付けられている。進路上へのこの速度v(P)の投影は、前後速度と称され、且つ、vxでもって略語化されている。
この被試験体10は、その際、実際的なハードウェアとして、物的に、テストベンチ11に構成されている。このパワートレインは、ここで、例えば、燃焼エンジン、または、電気モータような、駆動ユニット12を備えており、これが、伝動機構13を駆動する。駆動軸15が、伝動機構13をディファレンシャル14と結合し、このディファレンシャルが、公知の様式で、2つのサイドシャフト16を駆動する。このサイドシャフト16に、通常の場合には、ホイールキャリア18においてタイヤ1を有する車両ホイールが、設けられている。
本発明のテストベンチ11において、この車両ホイールは、通常は、電気モータ、同様にダイナモメータ、または、短く、ダイノとも称される、負荷機械17に置換されており、この電気モータが、適当なやり方で、例えば、結合フランジ19、および、ダイノシャフト20によって形状的に係合して、これらホイールキャリア18と結合されている。このパワートレインテストベンチは、従って、このパワートレインテストベンチが、被試験体と負荷機械17との間の、形状的に係合した結合を実現していることによって特徴付けられている。同様に、通常は、ブレーキシステム21が、ブレーキのためにブレーキトルクMBをこのパワートレインに与えるために設けられている。
同様に、このパワートレイン内において、同様に、更に別の回転トルク、例えば、ホイールハブモータ、または、電気モータの回転トルクも、更に別の駆動トルクを発生するハイブリッドパワートレイン内において作用可能である。
このタイヤ−クラフトワインダから、ただ前後力Fx、および、転がり抵抗モーメントMyだけが、回転軸線ycを中心とするタイヤ1の回転運動に影響を与える。タイヤ−クラフトワインダの全ての他の量は、スクリュー理論の意味で、第1タイプスクリューに対して直交であり、且つ、如何なる直接的な影響も、タイヤ1の回転運動に対して有してなく、むしろ、これらタイヤ−クラフトワインダの全ての他の量が、ホイール懸架に対して、および、従って、車両に対して影響を有している。
このテストベンチ11に、被試験体10、例えば、図2内において示されているようなパワートレインが、物的に設けられている。この被試験体10は、幾つかの負荷機械17と結合されており、且つ、これら負荷機械によって、例えば、負荷トルクMDによって負荷されている。単純化のために、以下で、しかしながら、ただ1つの負荷機械17が前提とされる。
この被試験体10は、テストベンチ11の自動化ユニット37によって、実施されるべきテスト運転の初期設定に従い制御され得、この自動化ユニット37によって、この自動化ユニット37が被試験体目標値Spを、例えば回転数及び/または回転トルクをこの被試験体10のために計算するというやり方で、例えば、燃焼エンジン12のスロットルバルブが制御され得る。この自動化ユニット37は、この目的のために、同様に、シミュレーションユニット30内において計算された、以下で更に説明されるようなシミュレーション量Gも与えられる。
このダイノ目標値SDは、この目的のために、以下で説明されるように、シミュレーションにおいて算出される。
この第1のシミュレーションモデル31、ここで特に第1のタイヤモデル33でもって、タイヤ−クラフトワインダの力およびモーメントが計算され、これら力およびモーメント、即ち、接地荷重Fz、横力Fy、オーバターニングモーメントMx、および、セルフアライニングトルクMzの量の内の少なくとも1つの量は、回転軸線ycを中心とするタイヤ1の回転運動に、前記で説明されているように、直接的には影響を与えない。それによって、タイヤ1の横方向の動力学的な動態に影響を及ぼす量、即ち、特に、横力Fy、及び/または、セルフアライニングトルクMzの量は、同様に、車両モデル32にもフィードバックされ得、この車両モデルが、これら量を、図3内において示唆されているように、仮想の車両のシミュレーションのために処理する。
このホイール接地点Pの計算された前後速度vxは、第2のシミュレーションユニット35に、更に別の処理のために引き渡される。それに加えて、場合によっては、更に別の、第1のシミュレーションユニット30内において計算された、クラフトワインダの量(接地荷重Fz、横力Fy、オーバターニングモーメントMx、セルフアライニングトルクMz)、または、更に別の量(例えば、幾何学的、運動学的な量、または、(例えば、摩擦係数のような)走行路性状値)が、第2のシミュレーションユニット35に、更に別の処理のために引き渡され得る。
この目的のために、第2のシミュレーションユニット35は、少なくとも、第1のシミュレーションユニット30から与えられた前後速度vxと、および、場合によっては、同様に、接地荷重Fz、横力Fy、オーバターニングモーメントMx、または、セルフアライニングトルクMz、(例えば、傾斜走行角度、または、横速度のような)幾何学的または運動学的な量、または、走行路性状に関係する量のような、更に別の与えられた量をも使用する。
この前後力Fxは、例えば、タイヤ物理学から公知のように、基本的に、ホイール接地点Pの前後速度vxの運動学的な量に依存し、しかしながら、場合によっては、同様に、接地荷重Fzのような、クラフトワインダの量にも依存し、このことから、簡単なモデルが、前後力Fxの算出のために導き出し可能である。この前後速度vxから、および、場合によっては、例えば、クラフトワインダの量、または、傾斜走行角度、または、タイヤ1のキャンバ角のような、車両モデル32において計算され得る他の必要な量から、駆動制御ユニット34のためのダイノ目標値SDが、ここで、例えば、目標負荷トルクMD,soll、または、目標ダイノ回転数nD,sollが算出される。
その際、以下の量を有する:
車両ホイールの慣性モーメント JW、
(測定され得る)回転角度αでもっての、回転加速度
転がり抵抗モーメント My、
前後力 Fx、
車両ホイールの半径 r、
ブレーキトルク MB、
例えば燃焼エンジン12からパワートレインに与えられる、駆動トルク MA、および、
例えば摩擦トルク、空気抵抗トルク、等のような、付加トルク Maux
回転トルクは、代数の量として、場合によっては、正負符号を伴う。
ブレーキトルクMB、および、駆動トルクMAの量は、測定され、または、テスト運転から公知であり、または、テストベンチ11において測定された他の量から計算、または、見積もられる。
横力Fy、および、セルフアライニングトルクMzは、同様に、第1のタイヤモデル33において計算され、且つ、車両モデル32に返還される。それは別として、同様に、第2のシミュレーションユニット35内において計算された、例えば、前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMyのような、クラフトワインダの量も、第1のシミュレーションモデル31に、図3内において示唆されているように、フィードバックされ得る。
同様に異なっていることも可能であり、且つ、通常は、如何なる専門知識に裏付けられた能力も、負荷機械17、または、テストベンチ11の機械動力学の事項において帯同しない、第1および第2のシミュレーションユニット30、35、もしくは、これらでもって実行されたシミュレーションモデル31、36の製造者は、このテーマに関わる必要がない。何故ならば、これに伴って、ただ1つのインターフェースが使用に供され、このインターフェースが、テストベンチ11において利用され得るからである。
従って、課題に適合されたインターフェースが与えられる。複雑なシミュレーションモデル31、36、および、テストベンチ11内におけるシミュレーション周囲環境の一体化は、このことによって、同様に簡略化される。
それは別として、テストベンチ11の上で、第2のシミュレーションユニット35は、たびたび、既に仕上げられた状態に実行され、且つ、存在する。従って、この存在するインターフェースは、容易に、異なる提供者の第1のシミュレーションユニット30と組み合わせ可能である。このことは、多くの使用者に要求される、シミュレーションシステム、および、テストベンチシステムの開放性に関して、価値の高い寄与である。
例えば、タイヤ1の回転運動に対して責任を負っているタイヤ−クラフトワインダの量、前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMyは、第2のシミュレーションユニット35内において10kHzの周波数でもって計算され、これに対して、前後速度vxの計算が、第1のシミュレーションユニット30内において、1kHzの周波数でもって行われる。従って、負荷機械17の制御のために必要なダイノ目標値SDは、(比較的に高い周波数の)比較的に短い時間ステップにおいて存在し、このことは、この負荷機械17の時系列的に比較的に細かく分離された制御を、および、従って、同様に、高動力学的な制御過程の制御を可能にする。
更に、前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMyが、駆動制御ユニット34において計算されるという事態になり、このことによって、同様に、この駆動制御ユニット34に対する、ダイノ目標値SDの伝達のための無駄時間も減少され得、このことは、高動力学的な計算のために、同様に有利である。第1のシミュレーションユニット30内において計算された量は、比較的に長い時間ステップにおいて、例えば、1kHzの周波数でもって計算される。第2のシミュレーションユニット35のために、第1のシミュレーションユニット30から与えられた量、特に、前後速度vxおよび場合によってはクラフトワインダの量は、第2のシミュレーションユニット35がダイノ目標値SDを計算するより長い(低い周波数の)時間ステップでもって現実化される。テスト運転の実施のために、このことは、しかしながら、如何なる問題も具現しない。
第2のシミュレーションユニット35は、一般的に、計算された量、前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMy、および、場合によっては、更に別の量を、第1のシミュレーションユニット30にフィードバックする。
タイヤ1の回転運動に対して責任を負っている、タイヤ−クラフトワインダの量、前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMyのための計算のために、存在する駆動制御ユニット34の使用可能な演算容量は、通常は十分である。
本発明は、言うまでも無く、同様に、他の被試験体10においても使用され得る。
被試験体が、例えば、負荷機械17と結合されているエンジンテストベンチの上のただ1つの燃焼エンジン12である場合、それにも拘らず、現実に即した試験が実施され得る。この目的のために、前記されているように、第1のシミュレーションモデル31を有する第1のシミュレーションユニット30内において、前後速度vx、および、場合によっては、タイヤ1の回転運動に影響を及ぼさない、タイヤ−クラフトワインダの量が計算され得る。第2のシミュレーションユニット35、もしくは、駆動制御ユニット34内において、第2のシミュレーションモデル36でもって、タイヤの回転運動に影響を及ぼす、タイヤ−クラフトワインダの量、即ち、前後力Fx及び/または転がり抵抗モーメントMyが計算され得る。この場合に、負荷機械17のためのダイノ目標値SDを、算出するために、燃焼エンジン12とタイヤ1との間のパワートレインの構成要素は、同様に、有利には、第2のシミュレーションユニット35、または、駆動制御ユニット34内において、シミュレーションされ得る。
ここで、被試験体10において、タイヤ1を有する実際的な車両ホイール40がホイールキャリア18に設けられている。このテストベンチ11において、ローラー41が設けられており、これらローラーの上に、車両ホイール40が、タイヤ1のラッチL(図1を参照)を介して、載置されている。示された実施例において、それぞれの車両ホイール40のために、独自のローラー41が備えられているにもかかわらず、しかしながら、言うまでも無く、同様にただ1つのローラー41が、特に1つの軸の、複数の車両ホイール40のために、設けられていることも可能である。
全輪駆動−パワートレインのために、同様に、4つのローラー41、または、軸当たりそれぞれに1つのローラー41が設けられていることも可能である。それぞれのローラー41は、所属して設けられた負荷機械17によって駆動される。
ローラーテストベンチは、摩擦ローラー伝動機構であり、且つ、従って、摩擦結合的な伝動機構の構造様式の1つの例である。その際、タイヤ1は、摩擦結合的にローラー41を介して転動し、且つ、この場合、負荷機械17を用いて負荷される。この負荷は、この場合、負荷トルクMDによって、または、タイヤ1に摩擦結合的に目標回転数nを与えるというやり方で行われる。摩擦ローラー伝動機構の理論から良く知られているように、ラッチL内における、力およびモーメントは、タイヤ1とローラー41との間の接触ゾーン内におけるタイヤのスリップを誘起する。
そのようなローラーテストベンチ、および、摩擦ローラー伝動機構は、良く知られており、その理由で、ここで、それらについては詳細に説明しない。
このローラー41は、従って、タイヤ1に、摩擦結合的な結合を介して、所定の接地面速度、もしくは、トレッドバンドまたはトレッド面の速度を与えるための、1つの手段である。この接地面速度は、車両速度と、力の法則を介して、しかしながら、純粋に運動学的に連結されない。この車両速度は、この場合、ローラー表面の接線方向速度と等しくない:例えば、タイヤ1のトレッド面、もしくは、ラッチ(接地面)Lは、氷板の上で空転可能であり、それに対して、車両が、100%のタイヤのスリップの場合、静止状態にある。ローラー41は、この走行操作のシミュレーションの場合、静止状態にない。
駆動制御ユニット34は、測定値MWとして、例えば、テストベンチ11において適当な回転数検出器を介して検出され得る、ロール速度nRL、nRR、または、ローラートルクMRL、MRRの目標値を供給され得る。ダイノ目標値SDL、SDRは、他方また、シミュレーションにおいて算出される。
このシミュレーションは、この場合、有利には、ローラー41が摩擦ローラー伝動機構であること、および、このローラー41およびタイヤ1のラッチLが全システムの動力学的な動態に依存する相対的な速度(タイヤのスリップ)を有していることの、ローラーテストベンチに内在する特性を顧慮する。このローラーテストベンチは、従って、接地面速度を制御可能である。これに伴って、両方のテストベンチタイプ、ローラーテストベンチおよびパワートレインテストベンチにおいて、現実に適宜の走行路の上に存在するタイヤのスリップが、実行され得る。
タイヤ−クラフトワインダのただ所定の量だけが回転運動に影響を及ぼすことの本発明に従う基本思想から、特に、前後力Fx、および、転がり抵抗モーメントMyは、オイラーの運動方程式に基づいて、ローラー41のために直接的に与えられる:
公知のローラー半径 RR、
ローラーの慣性モーメント JR、および、
静止している状態の関連システムに対する、ローラーの回転加速度
例えば空気動力学上の、ローラーの摩擦損失、等のような、適宜の付加トルク Maux
この第1のシミュレーションモデル31でもって、他方また、ホイール接地点Pの前後速度vx、および、場合によっては、タイヤ1の回転運動に直接的に影響を及ぼさない、タイヤ−クラフトワインダの量が計算される。
選択的に、これら両方の量は、同様に、前記のオイラーの運動方程式からも計算され得る。このシミュレーションが、ここで、両方の量、前後力Fx、および、転がり抵抗モーメントMy、の内の1つの量を計算、もしくは、見積もった場合、シミュレーションとして、ローラートルクMR、および、ローラー41の回転加速度
既に、前記で説明されているように、ダイノ目標値SDの算出のために、両方の量、前後力Fx、および、転がり抵抗モーメントMy、の内のただ1つの量の計算で十分であることは可能である。
この目的のために、補正項が定義され得、これら補正項が、前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMyの量−これら前後力及び/または転がり抵抗モーメントは、測定され得、または、テスト運転からもしくは車両のシミュレーションモデルから同様に周知され得る−を、現在のキャンバ角、及び/または、現在の傾斜走行に依存して補正する。これら補正項は、周知の、および、予め与えられた、モデル、特性曲線、または、特性マップから算出され得る。
そのような補正は、原則的に、例えば、キャンバ角、および、傾斜走行が、例えば、車両ホイールの適当なシミュレーションモデルを介して、第1のシミュレーションモデル31において顧慮される場合、同様に、図2による配設において考えられ得る。
タイヤ1の目標接地面速度およびローラー/タイヤ接地面の摩擦ローラー伝動機構の摩擦物理学を顧慮する、接地面モデルから、ローラー41の目標接地面速度が与えられ、この目標接地面速度が、駆動制御ユニット34に、ダイノ目標値SDとして、予め与えられ得る。接地面モデルとして、例えば、公知の滑り曲線が援用され得、この滑り曲線は、キャンバ角、トーイン、接地荷重Fz、および、温度の影響を顧慮する。ホイール回転数が直接的に測定されない場合、ローラーテストベンチは、従って、同様に、接地面速度も、モデルに基づいて制御可能である。
この出力損失は、シミュレーション内において、しかも、同様に、ローラーテストベンチの摩擦ローラー伝動機構内における実際的な損失が、仮想的にシミュレーションされた走行周囲環境内においてと異なる場合にも、顧慮され得る。この目的のために、例えば、シミュレーションユニット30内における、第1のシミュレーションモデル31において、または、車両の車両モデル32において、この出力損失は、車両の推進出力の計算のために顧慮されることが行われ得る。
この目的のために、第2のシミュレーションユニット35内において、出力損失が計算され得、および、第1のシミュレーションユニット30に引き渡され得、または、この目的のために、直接的に、前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMyが引き渡される。
第1のシミュレーションモデル31において、曲線走行によって誘起されるタイヤ損失を、(場合によっては、他方また、補正項によって)顧慮することは可能であり、それによって、テストベンチ11において、同様に、曲線走行を伴う現実に即したテスト運転も、実施され得る。
この前後力Fx、及び/または、転がり抵抗モーメントMyの計算と共に、この場合には、同時に、同様に、ダイノ目標値SDも算出される。
例示として、ここで、第1のシミュレーションユニット30内において、前後速度vxに代えて、車両前後軸および車両横軸上への速度v(P)の投影、並びに、トーインが計算され、且つ、第2のシミュレーションユニット35に引き渡され、この第2のシミュレーションユニットが、直接的に、前記車両前後軸および車両横軸上への速度の投影、並びに、トーインから、前後速度vxを導き出し得ることの状況が、引き合いに出される。
例示として、ここで、
従って、第1のシミュレーションユニット30内において、等価値に、接地荷重Fzのために、タイヤ弾性収縮zが計算され、且つ、第2のシミュレーションユニット35に引き渡され、この第2のシミュレーションユニットが、このタイヤ弾性収縮zから、直接的に、接地荷重Fzを導き出し可能である。
2 走行路
3 接面
10 被試験体
11 テストベンチ
12 駆動ユニット、燃焼エンジン
13 伝動機構
14 ディファレンシャル
15 駆動軸
16 サイドシャフト
17 負荷機械
18 ホイールキャリア
19 結合フランジ
20 ダイノシャフト
21 ブレーキシステム
30 第1のシミュレーションユニット、シミュレーションユニット
31 第1のシミュレーションモデル
32 車両モデル
33 第1のタイヤモデル、別個の第1のシミュレーションモデル
34 駆動制御ユニット
35 第2のシミュレーションユニット
36 第2のシミュレーションモデル
37 自動化ユニット
40 車両ホイール
41 ローラー
C ホイール中心点
Fx 前後力
Fy 横力
Fz 接地荷重
G シミュレーション量
L ラッチ、タイヤ接地面
MB ブレーキトルク
MD 負荷トルク
MD,soll 目標負荷トルク
MR ローラートルク
MRL、MRR ローラートルク
MW 測定値
Mx オーバターニングモーメント
My 転がり抵抗モーメント
Mz セルフアライニングトルク
nD,soll 目標ダイノ回転数
nRL、nRR ロール速度
p パラメータ
P ホイール接地点
SD ダイノ目標値
SDL、SDR ダイノ目標値
Sp 試験体目標値
v(P) 速度、車両速度
vx 前後速度
yc 回転軸線
x タイヤ1の軌道
y ホイール接地点Pを通る、回転軸線ycの平行線
z ホイール接地点Pとホイール中心点Cとを通る、接続直線
Claims (16)
- テストベンチ(11)の上でのテスト運転の実施のための方法であって、
被試験体(10)が負荷機械(17)によって負荷され、且つ、
この負荷機械(17)が、駆動制御ユニット(34)によって制御され、且つ、
前記負荷機械(17)の制御のための前記駆動制御ユニット(34)が、少なくとも1つのダイノ目標値(SD)を使用し、
前記少なくとも1つのダイノ目標値(SD)が、シミュレーションから計算される様式の前記方法において、
第1のシミュレーションユニット(30)内において、第1のシミュレーションモデル(31)でもって、タイヤ(1)の少なくとも1つの前後速度(vx)が計算され、且つ、前記前後速度(vx)が、第2のシミュレーションユニット(35)に引き渡されること、
この第2のシミュレーションユニット(35)内において、前記前後速度(vx)に基づいて、第2のシミュレーションモデル(36)でもって、前記タイヤ(1)の前後力(Fx)、及び/または、転がり抵抗モーメント(My)が計算されること、および、
前記前後力(Fx)、及び/または、前記転がり抵抗モーメント(My)でもって、前記駆動制御ユニット(34)のための前記少なくとも1つのダイノ目標値(SD)が算出されること、
を特徴とする方法。 - 前記第1のシミュレーションユニット(30)内において、更に、前記タイヤ(1)の接地荷重(Fz)、横力(Fy)、セルフアライニングトルク(Mz)、オーバターニングモーメント(Mx)の内の少なくとも1つの量が計算され、且つ、前記第2のシミュレーションユニット(35)に、前記前後力(Fx)、及び/または、前記転がり抵抗モーメント(My)の計算のために引き渡されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記第2のシミュレーションユニット(35)内において、前記前後力(Fx)、及び/または、前記転がり抵抗モーメント(My)から、前記駆動制御ユニット(34)のための少なくとも1つのダイノ目標値(SD)が計算されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前後速度(vx)、接地荷重(Fz)、横力(Fy)、セルフアライニングトルク(Mz)、または、オーバターニングモーメント(Mx)の内の少なくとも1つの量は、前記第1のシミュレーションユニット(30)内において、第1の周波数でもって計算され、および、
前記量から、前記前後力(Fx)、及び/または、前記転がり抵抗モーメント(My)が、前記第2のシミュレーションユニット(35)内において、第2の周波数でもって計算されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。 - 第1の周波数は、第2の周波数より低いことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記第2のシミュレーションモデル(36)は、前記駆動制御ユニット(34)内において実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記前後力(Fx)、及び/または、前記転がり抵抗モーメント(My)の量は、前記タイヤ(1)の現在のキャンバ角、及び/または、現在の傾斜走行に依存して補正されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記第1のシミュレーションモデル(31)、及び/または、前記第2のシミュレーションモデル(36)において、このシミュレーションの際に、前記前後力(Fx)が依存するタイヤのスリップが、顧慮されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記テストベンチ(11)として、ローラーテストベンチが使用され、且つ、少なくとも1つのタイヤ(1)が、前記負荷機械(17)によって駆動されるローラー(41)との摩擦結合的な結合の状態にあることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の方法。
- 前記ローラー(41)のローラートルク(MR)が測定され、且つ、前記第2のシミュレーションユニット(35)内において、前記第2のシミュレーションモデル(36)から、前記前後力(Fx)、または、前記転がり抵抗モーメント(My)が計算され、且つ、それぞれの他の量が運動方程式から計算されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- ダイノ目標値SDとして、接地面速度が計算され、この接地面速度を、摩擦ローラー伝動機構としての前記ローラー(41)が、摩擦結合的な結合を介して制御することを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
- テスト運転の実施のための、テストベンチ(11)の制御のための装置であって、
前記テストベンチ(11)において、被試験体(10)が構成されており、且つ、前記被試験体(10)が、負荷機械(17)と結合されており、および、
ダイノ目標値(SD)の制御のために、前記負荷機械(17)に駆動制御ユニット(34)が備えられており、且つ、シミュレーションが、このダイノ目標値(SD)を計算する様式の前記装置において、
第1のシミュレーションユニット(30)が第1のシミュレーションモデル(31)を、および、第2のシミュレーションユニット(35)が、第2のシミュレーションモデル(36)を備えており、前記第1のシミュレーションモデル(31)が、タイヤ(1)の少なくとも1つの前後速度(vx)を計算し、且つ、前記第2のシミュレーションユニット(35)に引き渡すこと、
前記第2のシミュレーションユニット(35)が、前記前後速度(vx)に基づいて、前記タイヤ(1)の前後力(Fx)、または、転がり抵抗モーメント(My)を計算し、且つ、この前後力または転がり抵抗モーメントから、前記少なくとも1つのダイノ目標値(SD)を前記駆動制御ユニット(34)のために算出することを特徴とする装置。 - 前記第1のシミュレーションユニット(30)は、更に、前記タイヤ(1)の接地荷重(Fz)、横力(Fy)、セルフアライニングトルク(Mz)、オーバターニングモーメント(Mx)の内の少なくとも1つの量を計算し、且つ、前記第2のシミュレーションユニット(35)に、前記駆動制御ユニット(34)のための前記ダイノ目標値(SD)の計算のために引き渡すことを特徴とする請求項12に記載の装置。
- 前記第1のシミュレーションユニット(30)は、前記タイヤ(1)の、前後速度(vx)、接地荷重(Fz)、横力(Fy)、セルフアライニングトルク(Mz)、および、オーバターニングモーメント(Mx)の内の少なくとも1つの量を、第1の周波数でもって計算し、且つ、
前記第2のシミュレーションユニット(35)が、前記量から、前記前後力(Fx)、及び/または、前記転がり抵抗モーメント(My)を、第2の周波数でもって計算することを特徴とする請求項12または13に記載の装置。 - 第1の周波数は、第2の周波数より低いことを特徴とする請求項14に記載の装置。
- 前記第2のシミュレーションユニット(35)として、前記駆動制御ユニット(34)が備えられており、且つ、前記第2のシミュレーションモデル(36)が、前記駆動制御ユニット(34)内において実行されることを特徴とする請求項12に記載の装置。
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