発明の要約
本発明は、植物中でのロタウイルス様粒子の産生に関する。
植物中でロタウイルス様粒子を産生するのが本発明の目的である。
植物、植物の一部または植物細胞中でロタウイルス様粒子(RLP)を産生するいくつかの方法を記載する。
例えば、宿主または宿主細胞においてロタウイルス様粒子(RLP)を産生する方法(A)は
a)第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を含む宿主または宿主細胞を提供し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一方をコードし;
b)該宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、RLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含み得る。
上記方法(A)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP2、VP4またはVP7をコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP4およびVP7の2個の各々は、1以上の核酸から発現される。
宿主または宿主細胞においてロタウイルス様粒子(RLP)を産生する方法(B)がさらに記載され、該方法は
a)第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を含む宿主または宿主細胞を提供し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二および第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一つをコードし;
b)該宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、RLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含み得る。
上記方法(B)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP2、VP7またはVP4の二つをコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP7またはVP4の二つの各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(A)および(B)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードし、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(A)または(B)において、1以上の核酸が第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列、第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含み、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されている宿主または宿主細胞が提供されるならば、1以上の核酸は、該第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列を含んでよく、または1以上の核酸は、例えば2核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列を含む第二核酸を含んでよく、または1以上の核酸は、例えば2核酸、第一および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第一および第二ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三、第四および第五ヌクレオチド配列を含む第二核酸を含んでよく、または1以上の核酸は、例えば3核酸、第一および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第一および第二ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第三および第四ロタウイルスタンパク質をコードする第三および第四ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸を含んでよく、または1以上の核酸は、例えば3核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三、第四および第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸を含んでよく、または1以上の核酸は、例えば4核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸および第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第四および第五ヌクレオチド配列を含む第四核酸を含んでよく、または1以上の核酸は、例えば5核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸、第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列を含む第四核酸および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第五核酸を含んでよい。
上記方法(A)または(B)は、さらに
c)宿主または宿主細胞を採取し、そして
d)宿主または宿主細胞からRLPを精製する
工程をさらに含んでよく、ここで、RLPは、70〜100nmのサイズの範囲である。
上記方法(A)または(B)の1以上のヌクレオチド配列は、1以上の発現エンハンサーに操作可能に結合され得る。さらに、発現エンハンサーは、CPMV HT、CPMV 160、CPMV 160+およびCPMV HT+からなる群から選択され得る。
a)宿主または宿主細胞に第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を導入し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一方をコードし;
b)宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、RLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む、宿主または宿主細胞においてロタウイルス様粒子(RLP)を産生する方法(C)も記載する。
上記方法(C)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP2、VP4またはVP7をコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP4およびVP7の2個の各々は、1以上の核酸から発現される。
a)宿主または宿主細胞に第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を導入し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二および第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一つをコードし;
b)宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、RLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む、宿主または宿主細胞においてロタウイルス様粒子(RLP)を産生する方法(D)も記載される。
上記方法(D)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP2、VP7またはVP4の二つをコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP7またはVP4の二つの各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(C)および(D)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードし、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(C)または(D)は、さらに
c)宿主または宿主細胞を採取し、そして
d)宿主または宿主細胞からRLPを精製する
工程を含んでよく、ここで、RLPは、70〜100nmのサイズの範囲である。
上記方法(C)または(D)において、1以上の核酸が第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列、第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含み、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されている宿主または宿主細胞が提供されるならば、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、NSP4をコードする第一核酸およびVP2、VP4、VP6およびVP7をコードする第二核酸の2核酸を含み、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸の量の比が1:0.8〜1:2である。比は1:1であり得る。あるいは、1以上の核酸は、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第三〜第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三〜第五ヌクレオチド配列を含む第二核酸の2核酸を含み得る。
上記方法(C)または(D)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、第一および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第一および第二ヌクレオチド配列、第三および第四ロタウイルスタンパク質をコードする第三および第四ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸の3核酸を含んでよく、ここで、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸および第三核酸の比は、1:1:1である。
あるいは、上記方法(C)または(D)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第三〜第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三〜第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸の3核酸を含んでよく、ここで、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸および第三核酸の比は、1:1:1である。
さらに、上記方法(C)または(D)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、4核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一核酸を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸および第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第四および第五ヌクレオチド配列を含む第四核酸を含んでよく、ここで、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸、第三核酸および第四核酸の量の比は、1:1:1:1である。
上記方法(C)または(D)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、5核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸、第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列を含む第四核酸および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第五核酸を含んでよく、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第三核酸、第四核酸および第五核酸の量の比は1:1:1:1:1である。
上記方法(C)または(D)の1以上のヌクレオチド配列は、1以上の発現エンハンサーに操作可能に結合され得る。さらに、発現エンハンサーは、CPMV HT、CPMV 160、CPMV 160+およびCPMV HT+からなる群から選択され得る。
ロタウイルス様粒子(RLP)におけるVP4、VP7またはVP4およびVP7両者の取り込みを増加させる方法(E)も記載され、該方法は
a)第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を含む宿主または宿主細胞を提供し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一方をコードし;
b)該宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、NSP4を含まない1以上の核酸を発現する第二宿主または宿主細胞により、同じ条件下で産生されたVP4またはVP7のレベルと比較したとき、VP4、VP7またはVP4およびVP7両者のレベルが増強されたRLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む。
上記方法(E)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP2、VP4またはVP7をコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP4およびVP7の2個の各々は、1以上の核酸から発現される。
ロタウイルス様粒子(RLP)におけるVP4、VP7またはVP4およびVP7両者の取り込みを増加させる方法(F)も記載され、該方法は
a)第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を含む宿主または宿主細胞を提供し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二および第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一つをコードし;
b)該宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、NSP4を含まない1以上の核酸を発現する第二宿主または宿主細胞により、同じ条件下で産生されたVP4またはVP7のレベルと比較したとき、VP4、VP7またはVP4およびVP7両者のレベルが増強されたRLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む。
上記方法(F)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP2、VP7またはVP4の二つをコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP7またはVP4の二つの各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(E)および(F)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードし、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(E)または(F)の1以上のヌクレオチド配列は、1以上の発現エンハンサーに操作可能に結合され得る。さらに、発現エンハンサーは、CPMV HT、CPMV 160、CPMV 160+およびCPMV HT+からなる群から選択され得る。
ロタウイルス様粒子(RLP)におけるVP4、VP7またはVP4およびVP7両者の取り込みを増加させる方法(G)も記載され、該方法は
a)宿主または宿主細胞に第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を導入し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一方をコードし;
b)該宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、NSP4を含まない1以上の核酸を発現する第二宿主または宿主細胞により、同じ条件下で産生されたVP4またはVP7のレベルと比較したとき、VP4、VP7またはVP4およびVP7両者のレベルが増強されたRLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む。
上記方法(G)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4をコードし、該第二ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP6をコードし、該第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP2、VP4またはVP7をコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP4およびVP7の2個の各々は、1以上の核酸から発現される。
ロタウイルス様粒子(RLP)におけるVP4、VP7またはVP4およびVP7両者の取り込みを増加させる方法(H)も記載され、該方法は
a)宿主または宿主細胞に第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を導入し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二および第三ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP7またはVP4の一つをコードし;
b)該宿主または宿主細胞を、NSP4、VP6およびVP7またはVP4の各々が発現され、それにより、NSP4を含まない1以上の核酸を発現する第二宿主または宿主細胞により、同じ条件下で産生されたVP4またはVP7のレベルと比較したとき、VP4、VP7またはVP4およびVP7両者のレベルが増強されたRLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む。
上記方法(H)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質NSP4、VP6の一つおよびロタウイルスタンパク質VP2、VP7またはVP4の二つをコードし、ここで、NSP4、VP6およびVP2、VP7またはVP4の二つの各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(G)および(H)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードし、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(G)および(H)において、1以上の核酸は第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列をさらに含んでよく、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードし、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々は1以上の核酸から発現される。
上記方法(G)または(H)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、NSP4をコードする第一核酸およびVP2、VP4、VP6およびVP7をコードする第二核酸の2核酸を含み、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸の量の比が1:0.8〜1:2である。比は1:1でもあり得る。あるいは、1以上の核酸は、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第三〜第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三〜第五ヌクレオチド配列を含む第二核酸の2核酸を含み得る。
上記方法(G)または(H)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、第一および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第一および第二ヌクレオチド配列、第三および第四ロタウイルスタンパク質をコードする第三および第四ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸の3核酸を含んでよく、ここで、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸および第三核酸の比は、1:1:1である。
あるいは、上記方法(G)または(H)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第三〜第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三〜第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸の3核酸を含んでよく、ここで、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸および第三核酸の比は、1:1:1である。
さらに、上記方法(G)または(H)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は4核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一核酸を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸および第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第四および第五ヌクレオチド配列を含む第四核酸を含んでよく、ここで、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第二核酸、第三核酸および第四核酸の量の比は、1:1:1:1である。
上記方法(G)または(H)において、導入の工程(工程a)において、1以上の核酸は5核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸、第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列を含む第四核酸および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第五核酸を含んでよく、植物、植物の一部または植物細胞に導入された第一核酸対第三核酸、第四核酸および第五核酸の量の比は1:1:1:1:1である。
上記方法(G)または(H)の1以上のヌクレオチド配列は、1以上の発現エンハンサーに操作可能に結合され得る。さらに、発現エンハンサーは、CPMV HT、CPM 160、CPMV 160+およびCPMV HT+からなる群から選択され得る。
上記方法(G)または(H)は、さらに
c)宿主または宿主細胞を採取し、そして
d)宿主または宿主細胞からRLPを精製する
工程を含んでよく、ここで、RLPは、70〜100nmのサイズの範囲である。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列を含む1核酸を含み得る。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、2核酸、例えば、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第二〜第五ロタウイルスタンパク質をコードする第二〜第五ヌクレオチド配列を含む第二核酸を含み得る。あるいは、1以上の核酸は、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第三〜第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三〜第五ヌクレオチド配列を含む第二核酸の2核酸を含み得る。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸はまた、3核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列および第四ロタウイルスタンパク質をコードする第二核酸第四ヌクレオチド配列および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸を含み得る。あるいは、1以上の核酸は、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第三〜第五ロタウイルスタンパク質をコードする第三〜第五ヌクレオチド配列を含む第三核酸の3核酸を含み得る。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、4核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸および第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第四および第五ヌクレオチド配列を含む第四核酸を含む。
さらに、上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸、第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列を含む第四核酸および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列を含む第五核酸の5核酸を含み得る。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)の1以上のヌクレオチド配列は、1以上の発現エンハンサーに操作可能に結合され得る。さらに、発現エンハンサーは、CPMV HT、CPM 160、CPMV 160+およびCPMV HT+からなる群から選択され得る。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、宿主または宿主細胞は、昆虫細胞、哺乳動物細胞、植物、植物の一部または植物細胞を含み得る。植物はベンサミアナタバコであり得る。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)により産生されたRLPもここに記載され、ここで、RLPはロタウイルスタンパク質を含む三層RLPであり、ロタウイルスタンパク質はVP2、VP4、VP6およびVP7からなる。RLPはNSP4を含まなくてよい。
対象における免疫応答の誘発のための有効用量のRLPおよび薬学的に許容される担体を含む組成物および組成物を投与することを含む対象にロタウイルス感染に対する免疫を誘発する方法も記載される。免疫を誘発する方法において、組成物を、経口、皮内、鼻腔内、筋肉内、腹腔内、静脈内または皮下で対象に投与し得る。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)により産生された、RLPを含む植物もここに記載する。
上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、第一、第二および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第一、第二および第三ヌクレオチド配列を含む1核酸を含み得る。さらに、上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、2核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第二および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第二および第三ヌクレオチド配列を含む第二核酸を含み得る。さらに、上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、2核酸、第一および第二ロタウイルスタンパク質をコードする第一および第二ヌクレオチド配列を含む第一核酸および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第二核酸を含み得る。あるいは、上記方法(A)、方法(B)、方法(C)、方法(D)、方法(E)、方法(F)、方法(G)または方法(H)において、1以上の核酸は、3核酸、第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列を含む第一核酸、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列を含む第二核酸および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む第三核酸を含み得る。
ここに記載するように、NSP4を、VP6およびVP4またはVP7と共に、宿主または宿主細胞、例えば植物、植物の一部または植物細胞で共発現させることにより、VP6およびVP4またはVP7をコードし、NSP4をコードしない1以上の核酸を発現する、第二宿主または宿主細胞、例えば植物、第二植物の一部または第二植物細胞により、該第二宿主または第二宿主細胞、例えば第二植物、植物の第二の一部または第二植物細胞が、宿主または宿主細胞、例えば植物、植物の一部または植物細胞と同じ条件下でインキュベートまたは増殖させたとき、産生されたRLPにおけるVP4およびVP7のレベルと比較したとき、増加したレベルのVP4、VP7またはVP4およびVP7両者を含むRLPが観察される。
本発明の概要は、必ずしも本発明の全ての特徴を記載していない。
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の特性は、添付する図面を参照する次の記載からより明らかとなり、図面は以下のとおりである。
詳細な記載
次の記載は、好ましい態様である。
本発明は、1以上のロタウイルス構造タンパク質を含むウイルス様粒子(VLP)(すなわちロタウイルス様粒子、ロタウイルスVLPまたはRLP)および何らかの宿主、特に植物、植物の一部または植物細胞においてロタウイルス様粒子(RLP)を産生する方法に関する。他の宿主は、例えば、昆虫細胞および哺乳動物細胞を含む。ロタウイルス様粒子(RLP)は、1以上のロタウイルス構造タンパク質を含み得る。RLPは、三層であり得る。RLPは、植物におけるロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質の共発現により産生され得るが、しかしながら、RLPは、あらゆるロタウイルス非構造タンパク質を含まない。
宿主または宿主細胞は、植物、真菌、細菌、昆虫および動物を含む、任意の源由来であり得る。好ましい態様において、宿主または宿主細胞は植物または植物細胞である。
本発明は、一部、植物、植物の一部または植物細胞のような宿主において、ロタウイルス様粒子(RLP)を産生する方法に関する。方法は、植物、植物の一部または植物細胞のような宿主において活性な制御領域(制御領域は1以上のロタウイルス構造タンパク質および1以上のロタウイルス非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列と操作可能に結合している)を含む、1以上の核酸を、植物、植物の一部または植物細胞のような宿主に導入することを含む。その後、植物、植物の一部または植物細胞のような宿主を、核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートし、それにより1以上のロタウイルス構造タンパク質を含むRLPを産生する。1以上のロタウイルス構造タンパク質はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6またはVP7であり得る。ロタウイルス非構造タンパク質はNSP4であり得る。RLPは三層であり得る。RLPはロタウイルス構造タンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7を含んでよく、非構造タンパク質NSP4を含まない。
本発明は、一部、宿主または宿主細胞においてロタウイルス様粒子(RLP)を産生するさらなる方法を提供し、該方法は、
第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列および第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を含む宿主または宿主細胞を提供し、該第一、第二および第三ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二および第三ヌクレオチド配列はNSP4および1または2のロタウイルスタンパク質VP2またはVP6および1または2のロタウイルスタンパク質VP7またはVP4をコードし;
宿主または宿主細胞を、NSP4およびVP2、VP4およびVP7またはVP2、VP6およびVP7またはVP2、VP6およびVP4またはVP6、VP4およびVP7のいずれかが発現され、それによりRLPが産生されるように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む。
さらに、1以上の核酸は、第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列を含み得る。該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして該第一ヌクレオチド配列、第二ヌクレオチド配列、第三および第四ヌクレオチド配列はロタウイルスタンパク質VP2またはVP6、VP4またはVP7およびNSP4をコードし、ここで、NSP4およびVP2またはVP6およびVP4またはVP7のいずれかが1以上の核酸から発現される。
さらに、本発明は、一部、植物、植物の一部または植物細胞のような宿主においてロタウイルス様粒子(RLP)ワクチン候補を産生する方法を提供する。方法は、植物または植物の一部のような宿主において、植物、植物の一部または植物細胞のような宿主で活性な1以上の制御領域を含む1以上の核酸(R1〜R5)を発現させることを含み、制御領域がヌクレオチド配列R1〜R5に操作可能に結合されており、ここで、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、ヌクレオチド配列R2はロタウイルスタンパク質X2をコードし、ヌクレオチド配列R3はロタウイルスタンパク質X3をコードし、ヌクレオチド配列R4はロタウイルスタンパク質X4をコードし、そしてヌクレオチド配列R5はロタウイルスタンパク質X5をコードし、X1〜X5の各々がロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4からなる群から選択され、それにより、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々が植物、植物の一部または植物細胞のような宿主で発現される(表1参照)。RLPは、ロタウイルス構造タンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7を含み得る。RLPは非構造タンパク質NSP4を含まない。
植物または植物の一部のような宿主にロタウイルス構造タンパク質およびロタウイルス非構造タンパク質を導入し、共発現させることにより、産生されるRLPの収量が調節され得ることが判明した。特に、植物、植物の一部または植物細胞のような宿主においてロタウイルス構造タンパク質をロタウイルス非構造タンパク質NSP4と共に共発現させることにより、RLPへの構造タンパク質VP4、VP7またはVP4およびVP7両者の取り込みが、同じ条件下で、同じロタウイルス構造タンパク質を発現するが、ロタウイルス非構造タンパク質を発現しない第二植物、第二植物の一部または第二植物細胞のような第二宿主により産生されるVP4およびVP7のレベルと比較して、増加し得ることが判明した。
例えば、ロタウイルス様粒子(RLP)におけるVP4、VP7またはVP4およびVP7両者の取り込みを増加させる方法が提供される。該方法は、
a)第一ロタウイルスタンパク質をコードする第一ヌクレオチド配列、第二ロタウイルスタンパク質をコードする第二ヌクレオチド配列、第三ロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列および第四ロタウイルスタンパク質をコードする第四ヌクレオチド配列を含む1以上の核酸を含む宿主または宿主細胞を提供し;該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、該宿主または宿主細胞で活性な1以上の制御領域に操作可能に結合されており;そして
該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、ロタウイルスタンパク質VP7、VP4、NSP4およびVP2の一つまたはVP6をコードし;
b)VP7、VP4、NSP4およびVP2またはVP6の各々が発現され、それにより同じ条件下で、NSP4を含まない1以上の核酸を発現する第二宿主または宿主細胞により産生されたVP4またはVP7のレベルと比較したとき、VP4、VP7またはVP4およびVP7両者の増強されたレベルを有するRLPを産生するように1以上の核酸の発現を可能にする条件下で宿主または宿主細胞をインキュベートする
ことを含む。
さらに、ロタウイルス様粒子(RLP)におけるVP4、VP7またはVP4およびVP7両者の産生を増加させる別法は
a)植物、植物の一部または植物細胞に、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列に操作可能に結合した1以上の制御領域を含む1以上の核酸を導入し、該1以上の制御領域は植物、植物の一部または植物細胞で活性であり、該第一ヌクレオチド配列は第一ロタウイルスタンパク質をコードし、該第二ヌクレオチド配列は第二ロタウイルスタンパク質をコードし、該第三ヌクレオチド配列は第三ロタウイルスタンパク質をコードし、該第四ヌクレオチド配列は第四ロタウイルスタンパク質をコードし、そして、該第五ヌクレオチド配列は第五ロタウイルスタンパク質をコードし、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列の各々は、VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードし、そして
b)植物、植物の一部または植物細胞を、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々が一過性に発現され、それにより、同じ条件下で、NSP4を含まない1以上の核酸を発現する第二植物、第二植物の一部または第二植物細胞により産生されたVP4およびVP7のレベルと比較したとき、増強されたレベルのVP4およびVP7を有する
ことを含み得る。
所望により、該方法は、さらに
c)植物、植物の一部または植物細胞を採取し、そして
d)植物、植物の一部または植物細胞からRLPを精製する
工程をさらに含んでよく、ここで、RLPは、70〜100nmのサイズの範囲である。
ロタウイルス様粒子(RLP)におけるVP4、VP7またはVP4およびVP7両者の産生を増加させる別法も提供し、該方法は
a)第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列に操作可能に結合した1以上の制御領域を含む1以上の核酸を含む植物、植物の一部または植物細胞を提供し、該1以上の制御領域は植物、植物の一部または植物細胞で活性であり、該第一ヌクレオチド配列は第一ロタウイルスタンパク質をコードし、該第二ヌクレオチド配列は第二ロタウイルスタンパク質をコードし、該第三ヌクレオチド配列は第三ロタウイルスタンパク質をコードし、該第四ヌクレオチド配列は第四ロタウイルスタンパク質をコードし、そして該第五ヌクレオチド配列は第五ロタウイルスタンパク質をコードする、該第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列の各々はVP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードし、そして
b)植物、植物の一部または植物細胞を、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が発現され、それにより同じ条件下で、NSP4を含まない1以上の核酸を発現する第二植物、第二植物の一部または第二植物細胞により産生されるVP4およびVP7のレベルと比較したとき、増強されたレベルのVP4およびVP7を有するRLPを産生するように、1以上の核酸の発現を可能にする条件下でインキュベートする
ことを含む。
植物、植物の一部または植物細胞のような宿主での一過性発現中のロタウイルス構造タンパク質をコードする核酸を含む構築物と、非構造タンパク質NSP4をコードする核酸を含む構築物の比率を調節することにより、RLP産生の収量および構造タンパク質VP4およびVP7のRLPへの取り込みが改善され得ることも判明した。
理論に縛られることを望まないが、ロタウイルス非構造タンパク質、例えばNSP4と1以上のロタウイルス構造タンパク質、例えばVP2、VP4、VP6および/またはVP7の共発現は、VP4および/またはVP7のRLPへの取り込みを増加させ得る。このVP4および/またはVP7のRLPへの取り込みの増加は、ロタウイルスタンパク質の発現または産生の増加によりおよび/またはRLPの組立の有効性の増加によりおよび/またはRLP組立部位へのロタウイルスタンパク質の動員の増加により、生じ得る。
図3Aおよび3Bに示すとおり、植物におけるロタウイルス非構造タンパク質NSP4とロタウイルス構造タンパク質VP2、VP6、VP4およびVP7の共発現は、NSP4非存在下の構造タンパク質VP2、VP6、VP4およびVP7の発現と比較して、VP4およびVP7のRLPへの取り込みを増加させる(図3B参照)。
植物、植物の一部または植物細胞のような宿主で一過性に発現される種々の構造タンパク質および非構造タンパク質をコードする構築物の比は、2、3、4または5構築物上にロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質NSP4をコードする核酸配列を含む構築物を提供し、宿主に構築物を導入する工程(植物、植物の一部または植物細胞にアグロバクテリウムを使用)中に、各構築物の量を変えることにより、改変し得る。例えば、各々一つの構造タンパク質および非構造タンパク質をコードする5個の別々の構築物を、種々の比率で共発現して、植物、植物の一部または植物細胞内で種々の比率での核酸の共発現をもたらし得る。あるいは、下記のとおり、核酸配列を、2、3または4構築物に種々の組み合わせで提供し、構築物を、種々の比率で植物、植物の一部または植物細胞に導入し得る。
さらに、これら核酸配列は、同じ構築物に提供され得る。
“ロタウイルスタンパク質”は、ロタウイルス構造タンパク質またはロタウイルス非構造タンパク質を指し得る。“ロタウイルス構造タンパク質”は、あらゆる天然に存在するロタウイルス株または単離株またはあらゆる天然に存在するバリアントに存在する、ロタウイルスから単離されたロタウイルス構造タンパク質の全てまたは一部を指し得る。それゆえに、用語ロタウイルス構造タンパク質は、天然に存在するロタウイルス構造タンパク質またはウイルス生活環中の変異により生じ得るまたは選択圧(例えば、薬物治療、宿主細胞指向性拡張または感染力など)に応答して生じるロタウイルス構造タンパク質のバリアントを含む。当業者には明らかなとおり、このようなロタウイルス構造タンパク質およびそのバリアントは、組み換え技術を使用しても産生できる。ロタウイルス構造タンパク質は、カプシドタンパク質、例えばVP2およびVP6、表面タンパク質、例えばVP4またはカプシドと表面タンパク質の組み合わせを含み得る。構造タンパク質は、さらに、例えばVP7を含み得る。
ロタウイルス“構造タンパク質ではないタンパク質”、“非構造タンパク質”、“非−構造タンパク質”、“NSP”または“非構造的ロタウイルスタンパク質”により、ロタウイルスゲノムによりコードされるが、ウイルス粒子に包含されないタンパク質を意味する。ロタウイルス非構造タンパク質の非限定的例は、ロタウイルスNSP4である。
“共発現”により、2または2を超えるヌクレオチド配列が、植物内、植物の同じ組織内および植物の同じ細胞内でほぼ同時に発現されることを意味する。ヌクレオチド配列は、必ずしも正確に同時に発現されない。むしろ、2以上のヌクレオチド配列は、コード化産物が、所望の細胞内区画内で相互作用する機会を有するような方法で、発現される。例えば、非構造タンパク質は、好ましくは構造タンパク質が発現される前または発現中に発現され得る。2または2を超えるヌクレオチド配列は、2以上の配列が、該2以上の配列が発現される条件下、ほぼ同時に植物内に導入される、一過性発現系を使用して、共発現され得る。2または2を超える配列は異なる構築物に存在し、共発現は、構築物の各々の植物、植物の一部または植物細胞への導入を必要とする可能性がありまたは2または2を超える配列が1構築物に存在し、該構築物を植物、植物の一部または植物細胞に導入する可能性がある。
用語“ウイルス様粒子”(VLP)または“ウイルス様粒子”または“VLP”は、自己組立て、例えばロタウイルス構造タンパク質、例えばVP2、VP4、VP6、VP7またはVP2、VP4、VP6、VP7構造タンパク質の組み合わせであるが、これらに限定されないような1以上の構造タンパク質を含む、構造をいう。ロタウイルス構造タンパク質を含むVLPは、“ロタウイルスVLP”、“ロタウイルス様粒子(RVLP)”、“ロタウイルス様粒子(RLP)”、“ロタウイルス様粒子”、“RVLP”または“RLP”とも称する。VLPまたはRLPは、一般に形態学的および抗原性に、感染において生じるビリオンに類似するが、複製に十分な遺伝情報を欠き、故に非感染性である。VLPは、植物宿主細胞を含む適当な真核宿主細胞で産生され得る。宿主細胞からの抽出物後ならびに適当な条件下での単離およびさらなる精製により、VLPは、完全な構造物として取得され得る。RLPは、単層、二層または三層RLPであり得る。三層RLPは、3以上のロタウイルス構造タンパク質の同時発現と、ここに記載するとおり、1以上の非構造タンパク質の共発現により得られ得る。例えば、構造タンパク質VP2、VP6、VP7、VP4および非構造タンパク質NSP4の共発現は、三層RLPの産生に至る。
VP4の、VP2、VP6、VP7と、そして必要に応じて1以上の非構造タンパク質との共発現は、天然ロタウイルスに似たスパイクを伴う粒子をもたらす。VP4は、プロセシングまたは開裂されて、VP5およびVP8を生じ得る。このプロセシングは、内在性プロテアーゼを使用して、または適当なプロテアーゼ、例えば、トリプシン、トリプシン様プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、キモトリプシン様プロテアーゼ、スブチリシンの共発現により、宿主内で起こり得る。あるいは、VP4を、RLP抽出手順の何らかの工程中またはRLP精製後に、適当なプロテアーゼ、例えば、トリプシン、トリプシン様プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、キモトリプシン様プロテアーゼ、スブチリシンを添加することにより、VP5およびVP8を生じるようにプロセシングし得る。
ロタウイルス構造タンパク質の各々は、特徴およびサイズが異なり、RLPへの組込のための必要な量が異なる。用語“ロタウイルスVLP”、“ロタウイルスウイルス様粒子(RVLP)”、“ロタウイルスウイルス様粒子(RLP)”、“ロタウイルスウイルス様粒子”、“RVLP”または“RLP”は、1以上のロタウイルス構造タンパク質を含むウイルス様粒子(VLP)をいう。ロタウイルス構造タンパク質の例は、VP2、VP4(またはVP5およびVP8)、VP6およびVP7構造タンパク質を含み得るが、これらに限定されない。RLPは、ロタウイルス非構造タンパク質を含み得ない。
本発明は、植物においてRLPを産生する方法を提供し、ここで、植物において活性な1以上の制御領域を含む1以上の核酸(N1〜N5)がヌクレオチド配列R1〜R5に操作可能に結合し、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、ヌクレオチド配列R2はロタウイルスタンパク質X2をコードし、ヌクレオチド配列R3はロタウイルスタンパク質X3をコードし、ヌクレオチド配列R4はロタウイルスタンパク質X4をコードし、そしてヌクレオチド配列R5はロタウイルスタンパク質X5をコードし、X1〜X5は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4からなる群から選択され、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は、各々1回選択される(表1参照)。宿主のトランスフォームに使用する核酸の最終セットまたは組み合わせは、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の発現と、RLPの形成をもたらす、宿主内での各ロタウイルスタンパク質の発現に至る。
例えば、表1を参照して、2核酸(N1およびN2)を宿主のトランスフォームに使用できる(例番号2.1参照)。この場合、N1はR1ヌクレオチド配列を含み、R1はVP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の1個をコードし得る。核酸N2は、4配列R2〜R5を含み、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の各々が宿主内で発現され、それによりRLPが産生されるように、R2〜R5の各々はVP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の一つをコードするが、R1によりコードされるタンパク質をコードしない。非限定的例として、N1は、VP2をコードし得るR1を含んでよく、N2は、それぞれVP4、VP6、VP7およびNSP4をコードし得るR2〜R5を含んでよい。
表1は、VP2、VP4、VP6およびVP7を含むRLPを産生するために、宿主内で発現または共発現され得る、核酸(N)およびヌクレオチド配列(R)の、限定と見なしてはならない組み合わせの概要を提供する。
1. 1個の構築物
1.1 五重遺伝子構築物
ここに記載するとおり、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1、X2、X3、X4、X5)をコードする第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列(R1、R2、R3、R4、R5)を含む核酸(N1;第一核酸)が、植物または植物の一部で発現される、植物においてRLPを産生する方法を提供する(表1、組み合わせ番号1.1参照)。
従って、核酸N1はヌクレオチド配列R1、R2、R3、R4およびR5を含み、ここで、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R5は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R5は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2、R4およびR5は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3およびR5は、X4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R4は、X5ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4をコードするヌクレオチド配列は核酸N1に含まれ、それによりトランスフォーム宿主における各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の発現を可能にする。
核酸は、ヌクレオチド配列R1(ここで、R1は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードできる)およびヌクレオチド配列R2〜R5(ここで、R2〜R5はVP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4から選択されるロタウイルスタンパク質をコードし、該ロタウイルスタンパク質はR1によりコード化されない)を含み得る。限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP2をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP4、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP2をコードし得ない。限定と見なしてはならない他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP4をコードし得ない。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP6をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP6をコードし得ない。限定と見なしてはならないさらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP7をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP7をコードし得ない。限定と見なしてはならないさらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質NSP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はNSP4をコードし得ない。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP7をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP4をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質NSP4をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)、第四ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP2をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む。
さらなる非限定的例において、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP4をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP7をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質NSP4をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)、第四ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP2をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む。
さらなる非限定的例において、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP4をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP7をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)、第四ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP2をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質NSP4をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む。
他の非限定的例において、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP7をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP4をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)、第四ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP2をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質NSP4をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む(図5参照)。植物は、第一、第二、第三、第四および第五タンパク質の各々が植物で発現されるように、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質をコードする第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列(R1、R2、R3、R4、R5)を含む単一核酸(N1)でトランスフォームし得る。ロタウイルスタンパク質は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が植物で発現されるように、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される。単一核酸を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
VP4は、適当なプロテアーゼ、例えば、トリプシン、トリプシン様プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、キモトリプシン様プロテアーゼ、スブチリシンをコードする核酸の共発現により、宿主内でVP5およびVP8を産生するようにプロセシングまたは開裂され得る。あるいは、VP4は、RLP抽出物の任意の工程中またはRLP精製後、適当なプロテアーゼ、例えば、トリプシン、トリプシン様プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、キモトリプシン様プロテアーゼ、スブチリシンの添加により、プロセシングし得る。
1.2 四重遺伝子構築物
ここに記載するとおり、第一、第二、第三および第四ロタウイルスタンパク質(X1、X2、X3、X4)をコードする第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列(R1、R2、R3、R4)を含む核酸(N1;第一核酸)が、植物または植物の一部で発現される、植物においてRLPを産生する方法を提供する(表1、組み合わせ番号1.2参照)。
従って、核酸N1はヌクレオチド配列(R1、R2、R3、R4)を含んでよく、ここで、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4をコードするヌクレオチド配列は核酸N1に含まれ、それによりトランスフォーム宿主における各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4の発現を可能にする。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP4をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP2をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質NSP4をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む。
さらに、核酸N1はヌクレオチド配列(R1、R2、R3、R4)を含んでよく、ここで、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP7、VP6およびNSP4をコードするヌクレオチド配列は核酸N1に含まれ、それによりトランスフォーム宿主における各ロタウイルスタンパク質VP2、VP7、VP6およびNSP4の発現を可能にする。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP7をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP2をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質NSP4をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む。
さらに、核酸N1はヌクレオチド配列(R1、R2、R3、R4)を含んでよく、ここで、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP7、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP7、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP7、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP7、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP7、VP4、VP6およびNSP4をコードするヌクレオチド配列は核酸N1に含まれ、それによりトランスフォーム宿主における各ロタウイルスタンパク質VP7、VP4、VP6およびNSP4の発現を可能にする。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP4をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP7をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質NSP4をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む。
1.3 三重遺伝子構築物
ここに記載するとおり、第一、第二および第三ロタウイルスタンパク質(X1、X2、X3)をコードする第一、第二および第三ヌクレオチド配列(R1、R2、R3)を含む核酸(N1;第一核酸)が、植物または植物の一部で発現される、植物においてRLPを産生する方法を提供する(表1、組み合わせ番号1.3参照)。
従って、核酸N1は、ヌクレオチド配列(R1、R2、R3)を含んでよく、ここで、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R3は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2はX3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP4、VP6およびNSP4をコードするヌクレオチド配列は核酸N1に含まれ、それによりトランスフォーム宿主における各ロタウイルスタンパク質VP4、VP6およびNSP4の発現を可能にする。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP4をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)を含む。
さらに、従って、核酸N1は、ヌクレオチド配列(R1、R2、R3)を含んでよく、ここで、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R3は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2はX3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP7、VP6およびNSP4をコードするヌクレオチド配列は核酸N1に含まれ、それによりトランスフォーム宿主における各ロタウイルスタンパク質VP7、VP6およびNSP4の発現を可能にする。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列(N1)は、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP6をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質VP7をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルスタンパク質をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)を含む。
2. 2個の構築物
2.1 四重遺伝子構築物+単一遺伝子構築物
本発明はまた、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)が、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列(R1〜R5)が植物で共発現されるように、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X2〜X5)をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)参照を含む第二核酸(N2)と共発現される、植物においてRLPを産生する方法も提供する(表1、組み合わせ番号2.1)。
この非限定的例においては、N1はヌクレオチド配列(R1)を含み、N2はヌクレオチド配列(R2、R3、R4、R5)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質が、両構築物N1およびN2の組み合わせでコード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R5は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R5は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2、R4およびR5は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3およびR5は、X4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R4は、X5ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が宿主で発現される。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP2をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP4、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP2をコードし得ない。他の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP4をコードし得ない。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP6をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP6をコードし得ない。限定と見なしてはならないさらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP7をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP7をコードし得ない。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質NSP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はNSP4をコードし得ない。
第一核酸(N1)および第二核酸(N2)は、同じ工程で植物に導入されても、逐次的に植物に導入されてもよい。
限定と解釈すべきではない例として、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP7、VP4、VP6およびVP2をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる(図5参照)。
他の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP4、VP7、VP6およびVP2をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP7、VP4、VP2およびVP6をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP4、VP7、VP2およびVP6をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP6、VP2、VP4およびVP7をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP6、VP2、VP7およびVP4をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP2、VP4、VP6およびVP7をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばVP7、VP6、VP4およびVP2をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばVP7をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4、VP2、VP6およびVP4をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。さらに別の非限定的例において、第一ロタウイルスタンパク質、例えばVP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一ヌクレオチド配列(N1)を、それぞれ第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4、VP2、VP6およびVP7をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる。
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X2〜X5)をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)でトランスフォームし得る。さらに、ロタウイルスタンパク質X2〜X5をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第一核酸(N2)を発現する植物を、第一および第二ヌクレオチド配列R1〜R5が植物で共発現されるように、ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第二核酸(N1)でトランスフォームしてよい。ロタウイルスタンパク質X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、ロタウイルスタンパク質X2〜X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよいが、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が発現されるように、X1ではない。さらに、植物を、第一および第二ヌクレオチド配列R1〜R5が植物で共発現されるように、ロタウイルスタンパク質X2〜X5をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第一核酸(N2)およびロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)で同時に共トランスフォームし得る。ロタウイルスタンパク質X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、ロタウイルスタンパク質X2〜X5は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよいが、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が発現されるように、X1で選択したタンパク質ではない。第一核酸(N1)および第二核酸(N2)を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
限定と解釈すべきではない例として、第一ロタウイルスタンパク質(X1)、例えばNSP4をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する植物を、NSP4、VP7、VP4、VP6およびVP2が植物で共発現されるように、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X2〜X5)、例えばVP7、VP4、VP6およびVP2をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)をコードする第二核酸(N2)でトランスフォームし得る。
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する第一植物を、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X2〜X5)をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)を発現する第二植物と交配させて、該第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜X5)を共発現する子孫植物(第三植物)を産生し得る。さらに、ロタウイルスタンパク質X2〜X5をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第一核酸(N2)を発現する第一植物を、ヌクレオチド配列R1〜R5が子孫植物で共発現されるように、ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)を発現する第二植物と交配させ得る。ロタウイルスタンパク質は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が子孫植物で発現されるように1回選択する。
VP4は、適当なプロテアーゼ、例えば、トリプシン、トリプシン様プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、キモトリプシン様プロテアーゼ、スブチリシンをコードする核酸の共発現により、宿主内でVP5およびVP8を産生するようにプロセシングまたは開裂され得る。あるいは、VP4は、RLP抽出物の任意の工程中またはRLP精製後、適当なプロテアーゼ、例えば、トリプシン、トリプシン様プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、キモトリプシン様プロテアーゼ、スブチリシンの添加により、プロセシングし得る。
2.2 三重遺伝子構築物+デュアル遺伝子構築物
本発明はまた、それぞれ第一ロタウイルスタンパク質(X1)および第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする2ヌクレオチド配列(R1およびR2)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X3〜X5)をコードする3ヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第二核酸(N2)と共発現させる、植物においてRLPを産生する方法も提供する(表1、組み合わせ番号2.2参照)。
非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1、R2)を含み、N2はヌクレオチド配列(R3、R4、R5)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R5は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R5は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2、R4およびR5は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3およびR5は、X4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R4は、X5ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が宿主で発現される。
それゆえに、第一核酸(N1)は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードし得るヌクレオチド配列R1およびR1によりコード化されないVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質をコードし得る第二ヌクレオチド配列R2を含み得る。第二核酸(N2)はヌクレオチド配列R3〜R5を含んでよく、ここで、R3〜R5は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードするが、R1またはR2によりコード化されるロタウイルスタンパク質をコードしない。限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP2をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP4、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP2をコードし得ない。他の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番で、ロタウイルスタンパク質VP2、VP6、VP7およびNSP4をコードしてよい。さらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP6をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP7およびNSP4をコードしてよい。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP7をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4をコードしてよい。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質NSP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をコードしてよい。
第一および第二ロタウイルスタンパク質(X1+X2)をコードする第一および第二ヌクレオチド配列(R1+R2)を含む第一核酸(N1)を発現する植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X3〜X5)をコードする3ヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第二核酸(N2)でトランスフォームし得る。第一核酸(N1)および第二核酸(N2)を、植物に、一過性様式または安定性様式で導入し得る。
さらに、第一、第二および第三ロタウイルスタンパク質(X3〜X5)をコードする3ヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第一核酸(N2)を発現する植物を、第一および第二核酸R1〜R5が植物で共発現されるように、第四ロタウイルスタンパク質(X1)および第五ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第四ヌクレオチド配列(R1)を含む第二核酸(N1)でトランスフォームし得る。ロタウイルスタンパク質X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、ロタウイルスタンパク質X2〜X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよいが、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が発現されるように、X1ではない。限定と解釈すべきではない例として、第一、第二および第三ロタウイルスタンパク質(X3〜X5)、例えばVP7、VP4およびVP6をコードするヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第一核酸(N2)を発現する植物を、NSP4、VP7、VP4、VP6およびVP2が植物で共発現されるように、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜〜X2)、例えばVP2およびNSP4をコードする第四および第五ヌクレオチド配列(R1〜R2)を含む第二核酸(N1)でトランスフォームし得る。さらに、植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第一および第二ロタウイルスタンパク質(X1+X2)をコードする第一および第二ヌクレオチド配列(R1+R2)を含む第一核酸(N1)および第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X3〜X5)をコードする3ヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第二核酸(N2)で同時に共トランスフォームし得る。第一核酸(N1)および第二核酸(N2)を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)および第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第一核酸(N1)を発現する第一植物を、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X3〜X5)をコードする3ヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第二核酸(N2)を発現する第二植物と交配させて、該第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜X5)を共発現する子孫植物(第三植物)を産生し得る。さらに、ロタウイルスタンパク質X3〜X5をコードする3ヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第一核酸(N2)を発現する第一植物を、ヌクレオチド配列R1〜R5が子孫植物で共発現されるように、ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)および第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を発現する第二植物と交配させ得る。ロタウイルスタンパク質は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が子孫植物で発現されるように1回選択する。
2.3 三重遺伝子構築物+単一遺伝子構築物
本発明はまた、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする1ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列が植物において共発現されるように、第二、第三および第四ロタウイルスタンパク質(X2〜X4)をコードする3ヌクレオチド配列(R2〜R4)を含む第二核酸(N2)と共発現させる、植物においてRLPを産生する方法も提供する(表1、組み合わせ番号2.3参照)。
非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1)を含み、N2はヌクレオチド配列(R2、R3、R4)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
さらなる非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1)を含み、N2はヌクレオチド配列(R2、R3、R4)を含み、ここで、VP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
さらに別の非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1)を含み、N2はヌクレオチド配列(R2、R3、R4)を含み、ここで、VP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP4、VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
2.4 2個の二重遺伝子構築物
本発明はまた、第一および第二ロタウイルスタンパク質(X1〜X2)をコードするヌクレオチド配列(R1〜R2)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第三および第四ロタウイルスタンパク質(X3〜X4)をコードする2ヌクレオチド配列(R3〜R4)を含む第二核酸(N2)と共発現させる、植物においてRLPを産生する方法も提供する(表1、組み合わせ番号2.4参照)。
非限定的例において、N1はクレオチド配列(R1、R2)を含み、N2はヌクレオチド配列(R3、R4)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
さらなる非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1、R2)を含み、N2はヌクレオチド配列(R3、R4)を含み、ここで、VP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
さらに別の非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1、R2)を含み、N2はヌクレオチド配列(R3、R4)を含み、ここで、VP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP4、VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
2.5 二重遺伝子構築物+単一遺伝子構築物
本発明はまた、第一および第二ロタウイルスタンパク質(X1〜X2)をコードするヌクレオチド配列(R1〜R2)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二および第三ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードするヌクレオチド配列(R3)を含む第二核酸(N2)と共発現させる、植物においてRLPを産生する方法も提供する(表1、組み合わせ番号2.5参照)。
非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1、R2)を含み、N2はヌクレオチド配列(R3)を含み、ここで、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R3は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR2はX3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP4、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
さらなる非限定的例において、N1はヌクレオチド配列(R1、R2)を含み、N2はヌクレオチド配列(R3)を含み、ここで、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R3は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR2はX3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
3. 3個の構築物
3.1 2個のデュアル遺伝子構築物+1個の単一遺伝子構築物
本発明はまた、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)および第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第二核酸(N2)ならびに第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(N3)を共発現させる、植物においてRLPを産生する方法も提供する(表1、組み合わせ番号3.1参照)。
この非限定的例においては、N1は(R1、R2)を含み、N2は(R3、R4)を含み、N3は(R5)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質が1回コード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R5は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R5は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2、R4およびR5は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3およびR5は、X4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R4は、X5ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が宿主で発現される。
例えば、第一核酸(N1)は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードし得るヌクレオチド配列R1およびR1によりコード化されないVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4から選択される任意のロタウイルスタンパク質をコードし得る第二ヌクレオチド配列R2を含み得る。第二ヌクレオチド配列はヌクレオチド配列R3およびR4を含んでよく、ここで、R3はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードするが、R1またはR2によりコード化されるロタウイルスタンパク質ではなく、R4はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードするが、R1、R2またはR3によりコード化されるロタウイルスタンパク質ではない。第三ヌクレオチド配列はヌクレオチド配列R5を含んでよく、ここで、R5は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードするが、VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4の各々が宿主で発現されるように、R1、R2、R2またはR4によりコード化されたロタウイルスタンパク質ではない。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP2をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP4、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP2をコードし得ない。他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番で、ロタウイルスタンパク質VP2、VP6、VP7およびNSP4をコードしてよい。さらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP6をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP7およびNSP4をコードしてよい。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP7をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4をコードしてよい。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質NSP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をコードしてよい。
限定と解釈すべきではない例として、第一ロタウイルスタンパク質、例えばVP6をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)および第二ロタウイルスタンパク質、例えばVP2をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第一核酸(N1)を、第三ロタウイルスタンパク質、例えばVP7をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質、例えばVP4をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第二核酸(N2)ならびに第五ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(N3)と共発現させる(図2および3参照)。
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する植物および第二ロタウイルスタンパク質(X2)を、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第二核酸(N2)でトランスフォームし得る。植物を、さらに、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(R3)でトランスフォームし得る。ロタウイルスタンパク質X1〜X5は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択でき、ここで、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が植物で発現されるように、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は1回選択される。さらに、植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第一および第二ロタウイルスタンパク質(X1+X2)をコードする第一および第二ヌクレオチド配列(R1+R2)を含む第一核酸(N1)、第三および第四ロタウイルスタンパク質(X3+X4)をコードする第三および第四ヌクレオチド配列(R3+R4)を含む第二核酸(N2)ならびに第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(N3)で同時に共トランスフォームし得る。第一核酸(N1)、第二核酸(N2)および第三核酸(N3)を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
3.2 2個の単一遺伝子構築物+1個の三重遺伝子構築物
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)および第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)、第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(N3)と共発現させる、植物においてRLPを産生する別法も提供する(表1、組み合わせ番号3.2参照)。
別の例において、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3、R4、R5)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質が1回コード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R5は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R5は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2、R4およびR5は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3およびR5は、X4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R4は、X5ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が宿主で発現される。
限定と解釈すべきではない例として、第一核酸(N1)は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードし得るヌクレオチド配列R1およびR1によりコード化されないVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4から選択される任意のロタウイルスタンパク質をコードし得る第二ヌクレオチド配列R2を含み得る。第二ヌクレオチド配列はヌクレオチド配列R3およびR4を含んでよく、ここで、R3はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードするが、R1またはR2によりコード化されるロタウイルスタンパク質ではなく、R4はロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードするが、R1、R2またはR3によりコード化されるロタウイルスタンパク質ではない。第三ヌクレオチド配列はヌクレオチド配列R5を含んでよく、ここで、R5は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4をコードするが、R1、R2、R3またはR4によりコード化されるロタウイルスタンパク質ではなく、VP2、VP4、VP6、VP7またはNSP4は1回コード化される。例えばヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP2をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP4、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP2をコードし得ない。他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番で、ロタウイルスタンパク質VP2、VP6、VP7およびNSP4をコードしてよい。さらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP6をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP7およびNSP4をコードしてよい。さらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP7をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4をコードしてよい。さらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質NSP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をコードしてよい。
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する植物を、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)でトランスフォームし得る。植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)、第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(N3)でさらにトランスフォームし得る。ロタウイルスタンパク質X1〜X5は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択でき、ここで、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が植物で発現されるように、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は1回選択される。さらに、植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)ならびに第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X3〜X5)をコードする第三、第四および第五ヌクレオチド配列(R3〜R5)を含む第三核酸(N3)で同時に共トランスフォームし得る。第一核酸(N1)、第二核酸(N2)および第三核酸(N3)を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
例えば、第一、第二および第三ロタウイルスタンパク質(X1、X2およびX3)をコードする第一、第二および第三ヌクレオチド配列(R1、R2およびR3)を含む第一核酸(N1)を発現する第一植物を、第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第二核酸(N2)を発現する第二植物と交配させて、子孫植物(第三植物)を産生し得る。第三植物を、第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(N3)を発現する第四植物と交配させて、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜X5)を共発現する子孫植物を産生し得る。さらに、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する第一植物を、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)を発現する第二植物と交配させて、子孫植物(第三植物)を産生し得る。第三植物を、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X3、X4およびX5)をコードする第三、第四および第五ヌクレオチド配列(R3、R4およびR5)を含む第三核酸(N3)を発現する第四植物と交配させて、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜X5)を共発現する子孫植物を産生し得る。ロタウイルスタンパク質X1〜X5は、植物で各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が発現されるように、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択され得る。
3.3 2個の単一遺伝子構築物+1個のデュアル遺伝子構築物
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列が植物において共発現されるように第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)ならびに第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第三核酸(N3)と共発現させる、植物においてRLPを産生する別法も提供する(表1、組み合わせ番号3.3参照)。
非限定的例として、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3、R4)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質は1回コード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
他の非限定的例として、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3、R4)を含み、ここで、VP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質は1回コード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP6、VP7およびNSP4が宿主で発現される。
さらなる非限定的例として、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3、R4)を含み、ここで、VP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質は1回コード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP4、VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
3.4 3個の単一遺伝子構築物
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二および第三ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)および第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)と共発現させる、植物においてRLPを産生する別法も提供する(表1、組み合わせ番号3.4参照)。
非限定的例として、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3)を含み、ここで、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質は1回コード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R3は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR2はX3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP4、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
さらなる非限定的例として、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3)を含み、ここで、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質は1回コード化され、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R3は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR2はX3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
4. 4個の構築物
4.1 3個の単一遺伝子構築物+1個のデュアル遺伝子構築物
またここに提供されるのは、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)ならびに第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第四核酸(N4)と共発現させる、植物においてRLPを産生する方法である(表1、組み合わせ番号4.1参照)。
この例において、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3)を含み、N4は(R4およびR5)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R5は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R5は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2、R4およびR5は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3およびR5は、X4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R4は、X5ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が宿主で発現される。
4核酸は、任意の順番で植物に導入され得る。限定と解釈すべきではない例として、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する植物を、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)でトランスフォームし得る。植物を、さらに、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)でトランスフォームし得る。さらに、植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第四核酸(N4)でトランスフォームし得る。さらに、植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)および第四および第五ロタウイルスタンパク質(X4〜X5)をコードする第四および第五ヌクレオチド配列(R4〜R5)を含む第四核酸(N4)で同時に共トランスフォームし得る。第一核酸(N1)、第二核酸(N2)、第三核酸(N3)および第四核酸(N4)を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
さらに、第一ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第一ヌクレオチド配列(R4)および第二ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第二ヌクレオチド配列(R5)を含む第一核酸(N4)を発現する植物を、第三ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第三ヌクレオチド配列(R1)を含む第二核酸(N1)でトランスフォームし得る。植物を、さらに、第四ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R2)を含む第三核酸(N2)でトランスフォームし得る。次いで、植物を、さらに、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第五ロタウイルスタンパク質をコードする第五ヌクレオチド配列(R3)および第五ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第五ヌクレオチド配列(R3)を含む第四核酸(N3)でさらにトランスフォームし得る。ロタウイルスタンパク質X1〜X5は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択でき、ここで、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が植物で発現されるように、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は1回選択される。第一核酸(N4)、第二核酸(N1)、第三核酸(N2)および第四核酸(N3)を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する第一植物を、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)を発現する第二植物と交配させて、子孫植物(第三植物)を産生し得る。第三植物を、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)を発現する第四植物と交配させて、子孫植物(第五植物)を産生し得る。第五植物を、第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第四核酸(N4)を発現する第六植物と交配させて、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜X5)を共発現する子孫植物を産生し得る。
さらに、第一ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第一ヌクレオチド配列(R4)および第二ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第二ヌクレオチド配列(R5)を含む第一核酸(N4)を発現する第一植物を、第三ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第三ヌクレオチド配列(R1)を含む第二核酸(N2)を発現する第二植物と交配させて、子孫植物(第三植物)を産生し得る。第三植物を、第四ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第四ヌクレオチド配列(R2)を含む第三核酸(N2)を発現する第四植物と交配させて、子孫植物(第五植物)を産生し得る。第五植物を、第五ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第五ヌクレオチド配列(R3)を発現する第六植物と交配させて、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜X5)を共発現する子孫植物を産生し得る。ロタウイルスタンパク質X1〜X5は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択でき、ここで、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が植物で発現されるように、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は1回選択される。
4.2 4個の単一遺伝子構築物
またここに提供されるのは、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)および第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第四核酸(N4)と共発現させる、植物においてRLPを産生する方法である(表1、組み合わせ番号4.2参照)。
非限定的例において、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3)を含み、N4は(R4)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4は、VP2、VP4、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
他の非限定的例において、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3)を含み、N4は(R4)を含み、ここで、VP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
さらなる非限定的例において、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3)を含み、N4は(R4)を含み、ここで、VP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質がコードされ、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R4は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R4は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2およびR4は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP4、VP7、VP6およびNSP4の群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3はX4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP4、VP7、VP6およびNSP4が宿主で発現される。
5. 5個の構築物
5. 5個の単一遺伝子構築物
本発明はまた、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)および第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)および第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第四核酸(N4)および第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第五核酸(R5)と共発現させる、植物においてRLPを産生する方法も提供する(表1、組み合わせ番号5参照)。
この非限定的例においては、N1は(R1)を含み、N2は(R2)を含み、N3は(R3)を含み、N4は(R4)を含み、N5は(R5)を含み、ここで、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択される各ロタウイルスタンパク質およびここで、R1はロタウイルスタンパク質X1をコードし、X1はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R2〜R5は、X1ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X2はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1およびR3〜R5は、X2ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X3はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1、R2、R4およびR5は、X3ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X4はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R3およびR5は、X4ではないロタウイルスタンパク質をコードし、X5はVP2、VP4、VP6、VP7およびNSPからなる群から選択される任意のロタウイルスタンパク質であってよく、R1〜R4は、X5ではないロタウイルスタンパク質をコードし、その結果、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が宿主で発現される。
限定と解釈すべきではない例として、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP2をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5はロタウイルスタンパク質VP4、VP6、VP7およびNSP4をいずれの順番でコードしてもよいが、R2〜R5はVP2をコードし得ない。他の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番で、ロタウイルスタンパク質VP2、VP6、VP7およびNSP4をコードしてよい。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP6をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP7およびNSP4をコードしてよい。限定と見なしてはならないさらに他の例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質VP7をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびNSP4をコードしてよい。さらに別の非限定的例において、ヌクレオチド配列R1はロタウイルスタンパク質NSP4をコードしてよく、ヌクレオチド配列R2〜R5は、任意の順番でロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をコードしてよい。
限定と解釈すべきではない例として、第一ロタウイルスタンパク質、例えばVP2をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を、第二ロタウイルスタンパク質、例えばVP6をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えばVP4をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)を含む第三核酸(N3)、第四ロタウイルスタンパク質、例えばVP7をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第四核酸(N4)および第五ロタウイルスタンパク質、例えばNSP4をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第五核酸(N5)と共発現させる(図3参照)。
5核酸は、任意の順番で植物に導入され得る。限定と解釈すべきではない例として、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する植物を、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)でトランスフォームし得る。植物を、さらに、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)でトランスフォームし得る。次いで、植物を、さらに第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第四核酸(N4)でトランスフォームし得る。次いで、植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第五核酸(N5)でトランスフォームし得る。ロタウイルスタンパク質X1〜X5は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択でき、ここで、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が植物で発現されるように、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は1回選択される。さらに、植物を、第一、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列が植物で共発現されるように、第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)、第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第四核酸(N4)および第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第五核酸(N5)で同時にトランスフォームし得る。第一核酸(N1)、第二核酸(N2)、第三核酸(N3)、第四核酸(N4)および第五核酸(N5)を、植物に、一過性にまたは安定的に導入し得る。
第一ロタウイルスタンパク質(X1)をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を発現する第一植物を、第二ロタウイルスタンパク質(X2)をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)を発現する第二植物と交配させて、子孫植物(第三植物)を産生し得る。第三植物を、第三ロタウイルスタンパク質(X3)をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)含む第三核酸(N3)を発現する第四植物と交配させて、子孫植物(第五植物)を産生し得る。第五植物を、第四ロタウイルスタンパク質(X4)をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第四核酸(N4)を発現する第六植物と交配させて、子孫植物(第七植物)を産生し得る。第七植物を、第五ロタウイルスタンパク質(X5)をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第五核酸(N5)を発現する第八植物と交配させて、第一、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質(X1〜X5)を共発現する子孫植物を産生し得る。ロタウイルスタンパク質X1〜X5は、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4の群から選択でき、ここで、各ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4が植物で発現されるように、VP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4は1回選択される。
宿主のトランスフォームに使用する核酸(N)の比
図5に見られるように、植物、植物の一部または植物細胞におけるRLP蓄積のレベルは、植物で発現されるロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質をコードする核酸の比の影響を受け得る。限定と解釈すべきではない例として、植物に導入される核酸(N)の比は、植物、植物の一部または植物細胞の浸潤に使用するアグロバクテリウムの異なる量を提供することにより修飾でき、ここで、各アグロバクテリウムは、上の表1(および付随する本文)に示す核酸(N)を含む構築物を含む。限定と解釈すべきではない例として、構造タンパク質含有アグロバクテリウム対非構造タンパク質含有アグロバクテリウムの比は、例えば約0.8:1〜約2.5:1.5(構造タンパク質:非構造タンパク質)またはその間の任意の数値、例えば、約0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:0.5、2:1、2.2:1、2.3:1、2.4:1、2.5:1、2.5:1.1、2.5:1.2、2.5:1.3、2.5:1.4、2.5:1.5(構造タンパク質:非構造タンパク質)またはその間の任意の数値の範囲であり得る。例えば、下記のとおり、ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、例えば、種々の比のロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質(X)をコードする1以上のヌクレオチド配列(R)を含む1以上の核酸(N)を含むアグロバクテリウムを宿主、例えば植物、植物の一部または植物細胞に導入することにより変えることができる。例えば、細菌懸濁液中のアグロバクテリウム株の吸光度または光学密度(OD)を、構造タンパク質を含むアグロバクテリウム株対非構造タンパク質を含むアグロバクテリウム株の比を確立する指標として使用し得る。限定と解釈されない例として、ODは、例えば約0.2:0.4〜約1:0.6(細菌懸濁液中の構造タンパク質含有アグロバクテリウム株:非構造タンパク質アグロバクテリウム株)またはその間の任意の数値、例えば約0.2:0.4、0.3:0.4、0.4:0.4、0.5:0.4、0.6:0.4、0.7:0.4、0.8:0.4、0.9:0.4、1:0.4、0.2:0.5、0.3:0.5、0.4:0.5、0.5:0.5、0.6:0.5、0.7:0.5、0.8:0.5、0.9:0.5、1:05、0.2:0.6、0.3:0.6、0.4:0.6、0.5:0.6、0.6:0.6、0.7:0.6、0.8:0.6、0.9:0.6、1:06、0.3:0.4、0.3:0.5、0.3:0.6、0.4:0.4、0.4:0.5、0.4:0.6、0.5:0.4、0.5:0.5、0.5:0.6、0.6:0.4、0.6:0.5、0.6:0.6、0.7:0.4、0.7:0.5、0.7:0.6、0.8:0.4、0.8:0.5、0.8:0.6、0.9:0.4、0.9:0.5、0.9:0.6、1:0.4、1:0.5、1:0.6(細菌懸濁液中の構造タンパク質含有アグロバクテリウム株:非構造タンパク質アグロバクテリウム株)またはその間の任意の数値の範囲であり得る。限定と解釈されない例として、細菌懸濁液中のアグロバクテリウム株の0.4のODは、1の基準として指定することができる。それゆえに、構造タンパク質対非構造タンパク質の1.5:1の比は、細菌懸濁液における構造タンパク質含有アグロバクテリウム株の0.6のOD対非構造タンパク質含有アグロバクテリウム株の0.4のODにより決定され得る。
ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、例えば植物、植物の一部または植物細胞にロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質(X)をコードする1以上のヌクレオチド配列(R)を含む1以上の核酸(N)を含むアグロバクテリウムを種々の非で導入することにより変え得る。あるいは、ロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質が同じ構築物に存在し、それゆえに1アグロバクテリウムを使用して植物、植物の一部または植物細胞に導入されるならば、ロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質の所望の比が得られるように、適当なプロモーターを使用して、植物、植物の一部または植物細胞で異なって発現させ得る。
それゆえに、ここに記載するとおり、ロタウイルス構造タンパク質(X)をコードする1以上のヌクレオチド配列(R)を含む1以上の核酸(N)と、ロタウイルス非構造タンパク質(X)をコードする1以上のヌクレオチド配列(R)を含む1以上の核酸(N)の比を調節することにより、RLP産生収量増加、VP4およびVP7収量増加またはRLPSならびにVP4およびVP7両者の収量増加のための方法が提供される。
例えば、ロタウイルス非構造タンパク質を含むアグロバクテリウムの比率は、植物、植物の一部または植物細胞浸潤に使用するアグロバクテリウム総量の20%〜60%またはその間の任意の率であり得る。例えばロタウイルス非構造タンパク質含有アグロバクテリウムのパーセンテージは、植物、植物の一部または植物細胞浸潤に使用する総アグロバクテリウムの20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%またはその間の任意の率であり得る。同様に、浸潤アグロバクテリウムの総量中の構造タンパク質含有アグロバクテリウムのパーセンテージは、植物、植物の一部または植物細胞浸潤に使用する総アグロバクテリウムの80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%または40%またはその間の任意の率であり得る。
例えば、ロタウイルス構造タンパク質含有アグロバクテリウム対非構造タンパク質含有アグロバクテリウムパーセンテージ比は、70%:30%、60%:40%、50%:50%、40%:60%またはその間の任意のパーセンテージ比率であり得る。例えば、構造タンパク質含有アグロバクテリウムと非構造タンパク質含有アグロバクテリウムのパーセンテージ比は、50%:50%、51%:49%、52%:48%、53%:47%、54%:46%、55%:45%、56%:44%、57%:43%、58%:42%、59%:41%、60%:40%またはその間の任意のパーセンテージ比であり得る。
下記のとおり、ロタウイルス構造タンパク質対ロタウイルス非構造タンパク質の比は、例えば、ロタウイルス構造タンパク質およびロタウイルス非構造タンパク質を異なって発現させることにより、さらに変わり得る。発現は、ロタウイルス構造タンパク質、ロタウイルス非構造タンパク質またはロタウイルス構造タンパク質およびロタウイルス非構造タンパク質両者の例えば複製、転写、翻訳またはそれらの組み合わせの調節により変え得る。例えば、プロモーター、増幅要素、エンハンサーまたはそれらの組み合わせを含む、異なる制御要素を、上記のとおり、浸潤させたロタウイルス構造タンパク質含有アグロバクテリウム対ロタウイルス非構造タンパク質含有アグロバクテリウムの比の変更に加えて、使用し得る。制御要素の第一セットまたは組み合わせを、ロタウイルス構造タンパク質をコードする1以上のヌクレオチド配列を含む1以上の核酸の複製、転写またはそれらの組み合わせの制御に使用してよく、制御要素の第二セットまたは組み合わせを、ロタウイルス非構造タンパク質をコードする1以上のヌクレオチド配列の複製、転写またはそれらの組み合わせの制御に使用してよい。制御要素の第一セットまたは組み合わせは制御要素の第二セットまたは組み合わせと異なり、インビボでロタウイルス構造タンパク質:ロタウイルス非構造タンパク質の比の調節を可能とするために、ロタウイルス構造タンパク質をコードする1以上のヌクレオチド配列を含む1以上の核酸およびロタウイルス非構造タンパク質をコードする1以上のヌクレオチド配列を含む1以上の核酸の異なった発現を可能とする。
限定と解釈すべきではない例として、制御要素のあるセットまたは組み合わせ、例えば第一セットは、エンハンサー要素、例えばCPMV HTまたはCPMV 160のようなCPMVから得た要素を含み得る(図6参照)。CMPV HTはUS61/971,274号(これは、引用により本明細書に包含させる)に記載され、CPMV 160はUS61/925,852号(これは、引用により本明細書に包含させる)に記載される。エンハンサー要素、例えばCPMV、例えばCPMV HTまたはCPMV 160から得たもの(図6参照;それぞれUS61/971,274号およびUS61/925,852号)は、制御要素の他のセットまたは組み合わせ、例えば第二セットに存在しなくてよい。あるいは、第二セットは、エンハンサー要素(例えばCPMV、例えばCPMV HTまたはCPMV 160から得た要素)を含んでよく、同時に増幅要素(例えばCPMV、例えばCPMV HTまたはCPMV 160から得た要素)が、制御要素の第一セットまたは組み合わせに存在しなくてよい。類似の方法で、プロモーターの強度が第一および第二セットまたは制御要素の組み合わせで異なってよく、または、インビボでロタウイルス構造タンパク質対ロタウイルス非構造タンパク質の異なった発現が達成されるように、プロモーターの一方が誘導性であり、他方が構成的であってよい。
例えば、ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、例えば、第一ロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルス非構造タンパク質NSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を含むアグロバクテリウムと、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えば任意の順番でロタウイルス構造タンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)を含むアグロバクテリウムを、異なる比で導入することにより、変えることができる。例えば、ロタウイルス非構造タンパク質NSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)を含むアグロバクテリウム対ロタウイルス構造タンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)を含むアグロバクテリウムの比は、0.8:1〜1:2(N1を含むアグロバクテリウム対N2を含むアグロバクテリウム)またはその間の任意の量、例えば1:1.5(N1を含むアグロバクテリウム対N2を含むアグロバクテリウム)であり得る。
さらに、ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、エンハンサー要素を使用して、ロタウイルス構造タンパク質に対する非構造タンパク質を、植物、植物の一部または植物細胞内で異なって発現させることにより変えることができる。例えば、ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、例えば、第一ロタウイルスタンパク質、例えば非構造タンパク質NSP4をコードするヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)と、第二、第三、第四および第五ロタウイルスタンパク質、例えば任意の順番でロタウイルス構造タンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7をコードする4ヌクレオチド配列(R2〜R5)を含む第二核酸(N2)を、植物、植物の一部または植物細胞内で共発現させることにより変えることができ、ここで、第二、第三、第四および第五ヌクレオチド配列は、下記のとおり、エンハンサー配列、例えばCPMV HT、CPM 160、CPMV 160+およびCPMV HT+に操作可能に結合される(それぞれ、本明細書に引用により包含させるUS61/971,274号およびUS61/925,852号に記載)。他の例において、ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、例えば、第一ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP6またはVP7をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)および第二ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP2またはVP4をコードするおよび第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第一核酸(N1)、第三ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP7またはVP6をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP4またはVP2をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第二核酸(N2)および第五ロタウイルスタンパク質、例えば非構造タンパク質NSP4をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第三核酸(N3)を、植物、植物の一部または植物細胞で共発現させることにより変えることができ、ここで、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、下記のとおり、エンハンサー配列、例えばCPMV HT、CPMV 160、CPMV 160+およびCPMV HT+に操作可能に結合される。
他の例において、ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、例えば、第一ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP6またはVP7をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)および第二ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP2またはVP4をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP7またはVP6をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)および第四ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP4またはVP2をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)および第五ロタウイルスタンパク質、例えば非構造タンパク質NSP4をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む1以上の核酸を植物、植物の一部または植物細胞で共発現させることにより変えることができ、ここで、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、下記のとおりエンハンサー配列、例えばCPM 160、CPMV 160+およびCPMV HT+に操作可能に結合され、第五ヌクレオチド配列は、下記のとおりCPMV HTに操作可能に結合される。
他の例において、ロタウイルス構造タンパク質対非構造タンパク質の比は、例えば、第一ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP6またはVP7をコードする第一ヌクレオチド配列(R1)を含む第一核酸(N1)、第二ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP2またはVP4をコードする第二ヌクレオチド配列(R2)を含む第二核酸(N2)、第三ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP7またはVP6をコードする第三ヌクレオチド配列(R3)を含む第三核酸(N3)、第四ロタウイルスタンパク質、例えば構造タンパク質VP4またはVP2をコードする第四ヌクレオチド配列(R4)を含む第四核酸(N4)および第五ロタウイルスタンパク質、例えば非構造タンパク質NSP4をコードする第五ヌクレオチド配列(R5)を含む第五核酸(N5)を植物、植物の一部または植物細胞内で共発現させることにより変えることができ、ここで、該第一、第二、第三および第四ヌクレオチド配列は、下記のとおり、エンハンサー配列、例えばCPMV HT、CPMV 160、CPMV 160+およびCPMV HT+に操作可能に結合される。
増幅要素およびエンハンサー要素/制御要素
ロタウイルスタンパク質またはポリペプチドは、ウイルスベースの、DNAまたはRNA発現系、例えば、限定しないが、コモウイルスベースの発現カセットおよびジェミニウイルスベースの増幅要素を含む、発現系で発現させ得る。
エンハンサー要素を使用して、ロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質の高レベルの一過性発現を達成し得る。エンハンサー要素は、ササゲモザイクウイルスのような、コモウイルスを含むRNA植物ウイルスに基づき得る(CPMV;例えば、WO2007/135480号;WO2009/087391号;US2010/0287670号、Sainsbury F. et al., 2008, Plant Physiology; 148: 121-1218; Sainsbury F. et al., 2008, Plant Biotechnology Journal; 6: 82-92; Sainsbury F. et al., 2009, Plant Biotechnology Journal; 7: 682-693; Sainsbury F. et al. 2009, Methods in Molecular Biology, Recombinant Proteins From Plants, vol. 483: 25-39参照)。
CPMV 160(CPMVX)およびCPMV 160+(CPMVX+)
ある態様において、エンハンサー要素は、“CPMVX”(別名“CPMV 160”)および/または“CPMVX+”(別名“CPMV 160+”)と称され、US61/925,852号(これは、引用により本明細書に包含させる)に記載される。
発現エンハンサー“CPMVX”は、コモウイルスササゲモザイクウイルス(CPMV)5'非翻訳領域(UTR)を含む。CPMV RNA−2配列(配列番号1)のヌクレオチド1〜160からの5'UTRは、転写開始部位から第一フレーム内開始コドン(161位)で開始し、これは、野生型コモウイルスゲノムセグメントによりコード化される2個のカルボキシコターミナルタンパク質の長い方の産生の開始部位として働く。さらに、CPMV RNA−2ゲノム配列の115位の(または対応する)‘第三'開始部位も変異、欠失または他に改変させてよい。AUG 161の除去に加えて、AUG 115の除去は、不完全Mタンパク質と組み合わせたとき、発現を増強することが示されている(Sainsbury and Lomonossoff, 2008, Plant Physiology; 148: 1212-1218;WO2009/087391号;これらは、引用により本明細書に包含させる)。
CPMVXは、配列番号1のXヌクレオチド(ここで、X=配列番号1の160、155、150または114である)またはCPMVXと80%〜100%配列類似性を含む配列(ここで、X=配列番号93の160、155、150または114)を含む。この発現エンハンサーは、一般にCPMVXと称される(図6c参照)。
発現エンハンサーCPMVX(ここで、X=160)は、配列番号1のヌクレオチド1〜160からなる。
CPMVXエンハンサー配列を、さらに、スタッファー配列と融合させてよく、ここで、CMPVXは配列番号1のXヌクレオチド(ここで、X=配列番号1の160、155、150または114またはCPMVXと80〜100%配列類似性を含む配列(ここで、X=配列番号1の160、155、150または114)を含み、スタッファー配列は、CMPVX配列の3'末端に融合した1〜100ヌクレオチドを含む。例えば、スタッファー配列は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100ヌクレオチドまたはその間の任意の数のヌクレオチドを含み得る。
CMPVX配列がスタッファーフラグメントを含むならば、この発現エンハンサーはCPMVX+と称し(図6d)、ここで、X=配列番号1の160、155、150、114であり、これはまた、スタッファー配列を含むCMPVXと称しても、それぞれ、X=160、155、150または114であるとき、CPMV160+;CPMV155+;CPMV150+;CPMV114+と称してもよい。スタッファー配列を含まないCPMVXを含む構築物は、CPMVX+と称してよく、ここで、X=配列番号1の160、155、150、114であり、スタッファー配列は0ヌクレオチド長である。
スタッファー配列は、ヌクレオチド160の3'に位置する天然CMPV5'UTR配列の短縮化、欠失または置換により修飾し得る。修飾スタッファー配列は、5'UTRに結合した最初のまたは未修飾(すなわち天然)スタッファー配列と比較して、除去され、置換され、切断されまたは短縮されていてよい(Sainsbury F., and Lomonossoff G.P., 2008, Plant Physiol. 148: pp. 1212-1218に記載のとおり)。スタッファー配列は、1以上の制限部位(ポリリンカー、複数クローニング部位、1以上のクローニング部位)、1以上の植物コザック配列、1以上のリンカー配列、1以上の組み換え部位またはそれらの組み合わせを含み得る。限定と解釈すべきではない例として、スタッファー配列は、連続して、植物コザック配列に融合した所望の長さの複数クローニング部位を含み得る。スタッファー配列は、天然CPMV 5'UTRのヌクレオチド160の3'に位置する天然5'UTR配列からのヌクレオチド配列、例えば、Sainsbury F.およびLomonossoff G.P.(2008, Plant Physiol. 148: pp. 1212-1218;これは、引用により本明細書に包含させる)の図1に示すヌクレオチド161〜512または先行技術CPMV HT配列のヌクレオチド161〜509を含まない。すなわち、先行技術CPMV HT配列(Sainsbury F., and Lomonossoff G.P., 2008の図1)に存在する不完全Mタンパク質が、本発明の5'UTRから除去される。
植物コザックコンセンサス配列は、当分野で知られる(例えばRangan et al. Mol. Biotechnol., 2008, July 39(3), pp. 207-213参照)。天然に存在するおよび合成両者のコザック配列を発現エンハンサーに使用しても、ここに記載する目的のヌクレオチド配列に融合してもよい。
植物コザック配列は、次の植物コンセンサス配列を含むが、これらに限定されないあらゆる既知植物コザック配列であり得る(例えばL. Rangan et. al. Mol. Biotechnol.2008参照)。
caA(A/C)a (配列番号2;植物界)
aaA(A/C)a (配列番号3;双子葉類)
aa(A/G)(A/C)a (配列番号4;シロイヌナズナ)
植物コザック配列または
AGAAA (配列番号5)
AGACA (配列番号6)
AGGAA (配列番号7)
AAAAA (配列番号8)
AAACA (配列番号9)
AAGCA (配列番号10)
AAGAA (配列番号11)
AAAGAA (配列番号12)
AAAGAA (配列番号13)
(A/−)A(A/G)(A/G)(A/C)A(配列番号14;コンセンサス配列)
からなる群から選択され得る。
発現エンハンサーCPMVXまたはCPMVX+は、植物宿主内での目的のヌクレオチド配列の発現を駆動するためいん、エンハンサー配列の5'末端で、植物で活性である制御領域と操作可能に結合し、目的のヌクレオチド配列に発現エンハンサーの3'末端で操作可能に結合し得る(図6c)。
CPMV HT+、CPMV HT+[WT115]、CPMV HT+[511]
他の態様において、エンハンサー要素は、US61/971,274号(これは、引用により本明細書に包含させる)に記載する“CPMV HT+”である。発現エンハンサー“CPMV HT+”(図6b参照)は、コモウイルス5'非翻訳領域(UTR)および修飾、延長または切断スタッファー配列を含む。
1または1を超えるここに記載する発現エンハンサー(例えばCPMV HT+、CPMV HT+[WT115]、CPMV HT+[511])に操作可能に結合した制御領域ならびにロタウイルス構造タンパク質または非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む第一核酸配列を含む植物発現系も提供される。さらに、ロタウイルス構造タンパク質または非構造タンパク質をコードする1以上の核酸配列に融合した植物コザック配列と共にプロモーター(制御領域)配列、コモウイルス5'UTRおよびスタッファー配列を含む発現エンハンサー(例えばCPMV HT+またはCPMV HT+[WT115])を含む核酸が記載される。核酸は、さらに、ロタウイルス構造タンパク質または非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、コモウイルス3'非翻訳領域(UTR)、プラストシアニン3'UTRまたは他の3'UTR配列の上流に挿入されるように、ロタウイルス構造タンパク質または非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列(図6aで目的のヌクレオチドと称する)の3'末端に操作可能に結合した、コモウイルス3'非翻訳領域(UTR)、例えば、プラストシアニン3'UTRまたは植物で活性な他の3'UTRおよびターミネーター配列、例えばNOSターミネーターを含む配列を含み得る。
配列番号15は、先行技術(例えばSainsbury and Lomonossoff 2008, Plant Physiol. 148: pp. 1212-1218の図1;これは、引用により本明細書に包含させる)で知られる、“CPMV HT”発現エンハンサーを含む。CPMV HTは、配列番号15のヌクレオチド1〜160の5'UTR配列を含み、115位(cgt)に修飾ヌクレオチドおよび162位(acg)に修飾ヌクレオチドを伴う不完全Mタンパク質を伴い、植物コザック配列を欠く(5'UTR:ヌクレオチド1〜160;不完全Mタンパク質下線、ヌクレオチド161〜509)。配列番号15はまた先行技術CPMV HT配列には存在しない複数クローニング部位(斜体、ヌクレオチド510〜528)も含む。
植物コザックコンセンサス配列を伴うCPMV HT+は、配列番号16に提供する(ヌクレオチド1〜160、5'UTR、115位(GTG)に修飾ATGを含む(小文字太字および斜体);162位(ACG)に修飾ヌクレオチドを伴う、不完全Mタンパク質(下線)、ヌクレオチド161〜509;複数クローニング部位(斜体)、ヌクレオチド510〜528;およびコンセンサス植物コザック配列(大文字および太字)、ヌクレオチド529〜534を含む、スタッファーフラグメント)。
配列番号17(“CPMV HT+511”)は、ヌクレオチド1〜154からのCPMV RNA 2ゲノムの天然配列のセグメントを含む。配列番号17のヌクレオチド1〜511からの5'UTR配列は、ヌクレオチド161〜511からの115位(“a”の代わりに“g”;斜体太字)および162位(“t”の代わりに“c”;斜体太字)および不完全Mタンパク質(下線)に修飾“atg”配列を含む。CPMV HT+511は、天然Mタンパク質コザックコンセンサス配列(ヌクレオチド508〜511;太字)を含む。
CPMV HT+エンハンサー配列の他の非限定的例は、配列番号18の配列(CPMV HT+[WT115])により提供される。CPMV HT+を含み、配列番号18の発現エンハンサー配列およびロタウイルス構造的または非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列に融合した3'末端で転写開始部位(ATG)と操作可能に結合した植物制御領域を含む発現カセットまたはベクターも本発明の一部である。
配列番号18(CPMV HT+[WT115])ヌクレオチド1〜160、5'UTR、115〜117位のATGを伴う(小文字太字);不完全Mタンパク質(下線)、ヌクレオチド161〜509;161〜153位に修飾ATG(小文字太字および下線)、複数クローニング部位(斜体)、ヌクレオチド510〜528;および植物コザック配列(大文字および太字)、ヌクレオチド529〜534を含むスタッファーフラグメント)。
配列番号18の植物コザック配列は、配列番号2〜14の配列の一つを含むが、これらに限定されない、あらゆる植物コザック配列であり得る。
1または1を超えるここに記載する発現エンハンサー(例えばCPMV HT+、CPMV HT+[WT115]、CPMV HT+[511])およびロタウイルス構造タンパク質または非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列に操作可能に結合した制御領域を含む第一核酸配列を含む植物発現系も提供される。さらに、ロタウイルス構造タンパク質、または非構造タンパク質をコードする1以上の核酸配列に融合した、植物コザック配列を伴うプロモーター(制御領域)配列、コモウイルス5'UTRおよびスタッファー配列を含む発現エンハンサー(例えばCPMV HT+またはCPMV HT+[WT115])を含む核酸が記載される。核酸は、さらに、ロタウイルス構造的または非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、コモウイルス3'非翻訳領域(UTR)、プラストシアニン3'UTRまたは他の3'UTR配列の上流に挿入されるように、ロタウイルス構造的または非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列(図6aで目的のヌクレオチドと称する)の3'末端に操作可能に結合した、コモウイルス3'非翻訳領域(UTR)、例えば、プラストシアニン3'UTRまたは植物で活性な他の3'UTRおよびターミネーター配列、例えばNOSターミネーターを含む配列を含む。
ここに記載する方法を使用して産生したRLPの発生は、任意の適当な方法、例えば密度勾配遠心分離またはサイズ排除クロマトグラフィーを使用して検出できる。RLPは、例えば電子顕微鏡、サイズ排除クロマトグラフィーまたは当業者には明白な他の技術で、構造およびサイズについて評価し得る。
サイズ排除クロマトグラフィーに関して、総可溶性タンパク質を、抽出物緩衝液中の凍結粉砕植物原料のサンプルの均質化(Polytron)し、不溶性物質を遠心分離により除去することにより植物組織から抽出し得る。氷冷アセトンまたはPEGでの沈殿も有益であり得る。可溶性タンパク質を定量し、抽出物をSephacrylTMカラム、例えばSephacrylTM S500カラムをとおす。Blue Dextran 2000を較正標準として使用し得る。クロマトグラフィー後、フラクションを免疫ブロットでさらに分析して、フラクションのタンパク質含量を決定し得る。
分離したフラクションは、例えば上清(遠心したら、沈降または沈殿)または濾液(濾過したら)にある可能性があり、タンパク質または上部構造タンパク質が富化され、単層(sl)、二層(dl)または三層(tl)RLPのような高分子量、粒子を含む。
分離したフラクションを、例えば、さらなる遠心分離工程、沈殿、クロマトグラフィー工程(例えばサイズ排除、イオン交換、親和性クロマトグラフィー)、タンジェント流濾過またはそれらの組み合わせにより、タンパク質、上部構造タンパク質または高次粒子を単離、精製、濃縮またはそれらの組み合わせのためにさらに処理し得る。精製タンパク質、上部構造タンパク質またはRLPのような高次粒子の存在は、例えば、適切な検出抗体、キャピラリー電気泳動、電子顕微鏡または当業者には明らかな任意の他の方法を使用する、未変性またはSDS−PAGE、ウェスタン分析により確認し得る。
本発明により製造したRLPは、当業者に知られる方法を使用して、植物、植物の一部または植物から精製、部分的精製しても、経口ワクチンとして投与してもよい。
RLP精製は、勾配遠心分離を含み、例えばスクロース、イオジキサノール、OptiPrepTMまたはセシウムクロライド(CsCl)密度勾配を、トランスフォーム植物バイオマスからのRLPの精製または部分的精製に使用し得る。例えば図4に示すとおり、イオジキサノール段階勾配またはイオジキサノール連続勾配が、RLPおよび/または発現ロタウイルス構造タンパク質の精製に使用される。
カルシウム(Ca2+)濃度は、三層粒子(TLP)から二層粒子(DLP)への変換に重要であり、株依存的であることが示されている(例えば、引用により本明細書に包含させるMartin et al. Journal of Virology, Jan 2002参照)。TLPからの外側カプシドタンパク質の完全喪失(TLP脱カプシド化)は、ナノモル範囲の[Ca2+]中で起こる。それゆえに、RLPの抽出および/または精製は、カルシウム存在下で実施し、勾配遠心分離の工程は、カルシウム存在下、例えばCaCl2存在下で実施し得る。CaCl2の濃度は、例えば、1mM〜1000mMまたはその間の任意の量、例えば2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、20mM、25mM、30mM、40mM、50mM、100mM、150mM、200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、500mM、50mM、600mM、650mM、700mM、750mM、800mM、850mM、900mM、950mMまたはその間の任意の量であり得る。
植物または植物フラグメントは、最小限加工され得る。用語“最小加工”は、植物抽出物、ホモジネート、植物ホモジネートのフラクションなど(すなわち最小限加工)を得るために部分的精製された、目的のタンパク質および/またはRLPを含む植物、例えば、植物またはその一部を意味する。部分的精製は、植物細胞構造を破壊し、それにより例えば、限定しないが、遠心分離、濾過またはそれらの組み合わせにより分離され得る可溶性植物成分および不溶性植物成分を含む組成物を作製することを含み得るが、これらに限定されない。これに関し、葉または他の組織の細胞外空間内に分泌されたタンパク質は、吸引または遠心抽出を使用して容易に得られ、またはタンパク質を細胞外空間内から絞り出すまたは遊離させるために、組織をローラーを通すかまたは粉砕などにより、加圧下に抽出する。これらの調製物の二次的植物産物による汚染は無視できるので、最小加工はまた可溶性タンパク質の粗製抽出物の水性抽出を含む。さらに、最小加工は、葉からの可溶性タンパク質の水性抽出、および次いで行う適当な塩類による沈殿操作を含む。他の方法は、抽出物の直接使用を可能にするための、大規模浸漬および浸漬液取得を含む。RLPは、任意の適当な方法、例えば機械的または生化学的抽出を使用して、精製または抽出し得る。
1以上のロタウイルス構造タンパク質を、植物生重量1kgあたり、最大2gの収量で製造し得る。例えば、製造された構造タンパク質の重量は、植物生重量1kgあたり1〜2gまたはその間の重量、例えば植物生重量1kgあたり、1.0g、1.1g、1.2g、1.3g、1.4g、1.5g、1.6g、1.7g、1.8g、1.9g、2gまたはその間の何れかの重量であり得る。例えば、構造タンパク質は、植物生重量1kgあたり最大1.54gの量で合成され得る。
上に定義したRLPのサイズ(すなわち直径)は、例えば動的光散乱法(DLS)または電子顕微鏡(EM)技術により測定でき、通常50〜110nmまたはその間の任意のサイズである。例えば、完全なRLP構造のサイズは、約70nm〜約110nmまたはその間の任意のサイズ、例えば、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nmまたはその間の何れかのサイズであり得る。
ヌクレオチド配列
本発明は、さらに植物で活性な制御領域に操作可能に結合した1以上のロタウイルス構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。ヌクレオチド配列は、例えばヒトコドン使用または植物コドン使用に最適化され得る。さらに、1以上のロタウイルス構造タンパク質を、1または1を超える増幅要素と操作可能に結合し得る。さらに、1以上のロタウイルス構造タンパク質を、1または1を超える区画ターゲティング配列に操作可能に結合し得る。ヌクレオチド配列によりコード化される1以上のロタウイルス構造タンパク質は、例えばVP2、VP4、VP6またはVP7であり得る。さらに、ヌクレオチド配列によりコード化される1以上のロタウイルス構造タンパク質は、例えば任意のロタウイルスA群〜G群からであり得るが、より好ましくはロタウイルスA群からであり得る。さらに、ヌクレオチド配列によりコード化される1以上のロタウイルス構造タンパク質は、G1P[8]、G2P[4]、G2P[8]、G3P[8]、G4P[8]、G9P[6]、G9P[8]、ロタウイルスA WA株、ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株またはロタウイルスSA11株を含むが、これらに限定されない、G1〜G27およびP1〜P34、より好ましくはG1〜G19およびP1〜P27からのG型およびP型の任意の組み合わせの遺伝子型を有する任意のロタウイルス株からであり得る。
本発明において言及される核酸配列は、核酸配列が、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、ここに定義する核酸配列の1または1を超えるヌクレオチド配列または相補鎖とハイブリダイズするならば、該配列または配列の相補鎖と“実質的に相同”、“実質的に類似”または“実質的に同一”である。配列は、ヌクレオチドの少なくとも約70%または70〜100%またはその間の任意の比率、例えば70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、98%、100%またはその間の任意の比率が、ヌクレオチド配列の規定の長さにわたりマッチするとき、“実質的に相同”、“実質的に類似”、“実質的に同一”であるが、ただし、このような相同配列は、ここに記載する配列またはコード化産物の1または1を超える性質を示す。
例えば、本発明は、例えば配列番号21、27、32、37または42に定義する配列と、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%またはその間の任意の率で同一である、1以上のロタウイルスタンパク質、例えばロタウイルス構造タンパク質または非構造タンパク質をコードする、ヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、当分野で知られる方法のいずれかによりヒトコドン最適化され得る。ヌクレオチド配列は、例えば、配列番号24、29、34、39または44のアミノ酸配列と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%またはその間の任意の率で同一であるロタウイルスタンパク質をコードし得る。
さらに、本発明は、例えば配列番号21、27、32、37または42に定義する配列と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%またはその間の任意の率で同一である核酸により、例えばコード化される、ロタウイルス構造タンパク質を含むRLPSを提供する。
このような配列類似性または同一性は、DNASIS(例えば次のパラメータを使用するが、これに限定されない:GAPペナルティ5、頂点対角数5、固定GAPペナルティ10、kタプル2、フローティングギャップ10およびウインドウサイズ5)内に提供さえるようなヌクレオチド配列比較プログラムを使用して、決定し得る。しかしながら、比較のための配列のアライメントの他の方法が当分野で周知であり、例えばSmith & Waterman(1981, Adv. Appl. Math. 2:482)、Needleman & Wunsch(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)、Pearson & Lipman(1988, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444)のアルゴリズムおよびこれらのアルゴリズムのコンピュータ化実行(GAP、BESTFIT、FASTAおよびBLAST、NIHから入手可能)または手動アライメントおよび目視検査(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al., eds. 1995 supplement参照)またはストリンジェント条件下サザンもしくはノーザンハイブリダイゼーションの使用(Maniatis et al., in Molecular Cloning (A Laboratory Manual), Cold Spring Harbor Laboratory, 1982)がある。好ましくは、実質的に相同である配列は、規定した長さの分子にわたり、少なくとも約80%、最も好ましくは少なくとも約90%配列類似性を示す。
一つのこのようなストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、4×SSC、65℃で一夜(約16〜20時間)ハイブリダイゼーションし、次いで0.1×SSC、65℃で1時間洗浄するか、または各20分もしくはは30分、0.1×SSC、65℃で2回洗浄することである。また、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、50%ホルムアミド、4×SSC、42℃で、一夜(16〜20時間)行い、次に0.1×SSC、65℃で1時間洗浄または各20分もしくはは30分、0.1×SSC、65℃での2回洗浄するか、Churchリン酸緩衝水溶液(7%SDS;0.5M NaPO4緩衝液pH7.2;10mM EDTA)中、65℃で一夜(16〜20時間)ハイブリダイゼーションし、50℃で各20分もしくは30分の0.1×SSC、0.1%SDSでの2回洗浄または独特の配列領域について各20分もしくは30分の65℃、2×SSC、0.1%SDSでの2回洗浄である。
ロタウイルス構造ポリペプチドをコードする核酸は、“ロタウイルス核酸”、“ロタウイルスヌクレオチド配列”と記載し得る。限定と解釈すべきではない例として、1以上のロタウイルス構造タンパク質またはロタウイルス構造ポリペプチドを含むウイルス様粒子は、“ロタウイルスVLP”、“RVLP”または“RLP”と記載し得る。
多くの生物が、成長しているペプチド鎖への特定のアミノ酸の挿入をコードするために特定のコドンの使用についてバイアスを示す。生物間のコドン使用の差異であるコドン優先性またはコドンバイアスは、遺伝コードの縮重により提供され、多くの生物で十分証明されている。コドンバイアスは、しばしば、メッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳効率と相関し、これは、とりわけ、翻訳されるコドンの性質および特定のトランスファーRNA(tRNA)分子の利用能に依存すると考えられている。細胞中の選択tRNAの優性は、一般にペプチド合成で最も高頻度で使用されるコドンを反映する。従って、遺伝子を、コドン最適化に基づき、ある生物での最適遺伝子発現のためにあつらえることができる。異種性に発現するタンパク質をコードするヌクレオチド配列の最適化処理は、発現収量改善のための重要な工程であり得る。最適化要求は、外来タンパク質を産生するための宿主の能力を改善する工程を含み得る。
“コドン最適化”は、天然配列の少なくとも1またはそれ以上相当数のコドンを、他の生物または種の遺伝子でより高頻度のまたは最も高頻度のコドンに置き換えることにより、目的の細胞での発現を増強するための核酸配列の修飾として定義される。様々な種が、特定のアミノ酸のあるコドンに特定のバイアスを示す。
本発明は、コドン最適化されている、合成ポリヌクレオチド配列、例えば、ヒトコドン使用または植物コドン使用のために最適化されている配列を含む。次いで、コドン最適化ポリヌクレオチド配列を植物で発現させ得る。より具体的に、ヒトコドン使用または植物コドン使用のために最適化された配列を、植物で発現させ得る。理論に縛られることを望まないが、ヒトコドンのために最適化された配列は、配列のグアニン−シトシン含量(GC含量)が増加し、植物での発現収量が改善されると考えられる。
翻訳非効率的タンパク質コーディング領域の翻訳動態を改善する種々の当分野で知られるコドン最適化技術がある。この技術は、主に、ある宿主生物のためのコドン使用の特定に依存する。ある遺伝子または配列を特定の生中で発現させようするなら、目的の配列のコドンが、宿主生物でより高頻度で使用されるコドンに置き換えるように、該遺伝子および配列のコーディング配列を修飾する。
アミノ酸配列
ロタウイルス構造タンパク質の非限定的例は、ロタウイルスタンパク質VP2、VP4、VP6およびVP7ならびにVP2、VP4、VP6およびVP7のフラグメントである。本発明により使用し得るVP2、VP4、VP6およびVP7またはVP2、VP4、VP6およびVP7タンパク質のフラグメントんぼ非限定的例は、ロタウイルス株G9 P[6]、ロタウイルスA WA株、ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株およびロタウイルスSA11株からのVP2、VP4、VP6およびVP7タンパク質を含む。例えば、限定はしないが、Rotarix−A41CB052A:VP4(受託番号JN849113)、VP7:(受託番号JN849114)、ロタウイルスA WA株:VP2(受託番号X14942)、VP4:(受託番号L34161)、VP6(受託番号K02086)、VP7:(受託番号GU723327)、NSP4(受託番号K02032)、ロタウイルスSA11株:VP2(受託番号NC_011506)、VP4(受託番号NC_011510)、VP6(受託番号NC_011509)、VP7(受託番号NC_011503)およびNSP4(受託番号NC_011504)。
限定と解釈してはならないVP2構造タンパク質の例は、配列番号24のアミノ酸配列に示す。さらに、VP2構造タンパク質は、配列番号24に示す配列またはそれと少なくとも約90〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列を含む。さらに、VP2構造タンパク質は、配列番号21に示すヌクレオチド配列またはそれと少なくとも約80〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列によりコード化され得る。
限定と解釈してはならないVP4構造タンパク質の例は、配列番号34のアミノ酸配列に示す。さらに、VP4構造タンパク質は、配列番号34に示す配列またはそれと少なくとも約90〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列を含み得る。さらに、VP4構造タンパク質は、配列番号32に示すヌクレオチド配列またはそれと少なくとも約80〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列によりコード化され得る。
限定と解釈してはならないVP6構造タンパク質の例は、配列番号29のアミノ酸配列に示す。さらに、VP6構造タンパク質は、配列番号29に示す配列またはそれと少なくとも約90〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列を含み得る。さらに、VP6構造タンパク質は、配列番号27に示すヌクレオチド配列またはそれと少なくとも約80〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列によりコード化され得る。
限定と解釈してはならないVP7構造タンパク質の例は、配列番号39のアミノ酸配列に示す。さらに、VP7構造タンパク質は、配列番号39に配列またはそれと少なくとも約90〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列を含み得る。さらに、VP7構造タンパク質は、配列番号37に示すヌクレオチド配列またはそれと少なくとも約80〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列によりコード化され得る。
限定と解釈してはならないNSP4構造タンパク質の例は、配列番号44のアミノ酸配列に示す。さらに、NSP4非構造タンパク質は、配列番号44に示す配列またはそれと少なくとも約90〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列を含み得る。さらに、NSP4非構造タンパク質は、配列番号42に示すヌクレオチド配列またはそれと少なくとも約80〜100%配列類似性(これらの範囲内のあらゆる類似性パーセント、例えば、それと81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列類似性を含む)を有する配列によりコード化され得る。
アミノ酸配列類似性または同一性は、BLAST(basic local alignment search tool)2.0アルゴリズムを用いるBLASTPおよびTBLASTNプログラムを使用して計算し得る。アミノ酸配列類似性または同一性を計算する技術は当業者に周知であり、BLASTアルゴリズムの使用は、ALTSCHUL et al.(1990, J Mol. Biol. 215: 403-410)およびALTSCHUL et al.(1997, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402)に記載されている。
理論に縛られることを望まないが、タンパク質濃度および種々のロタウイルス構造タンパク質の比は、RLPの組立効率に重要であり得る。それゆえに、感染の多重度および時は、植物におけるタンパク質濃度およびRLPの総体的組立効率の操作に重要であり得る。
本発明の構築物は、植物または植物の一部で一過性に発現させ得る。植物、植物の一部または植物細胞における、組み換えアグロバクテリウム・ツメファシエンスのエピクロモソーム(epichromosomal)発現に依存する一過性発現系を、種々の細胞区画または亜区画を標的とした、ロタウイルス構造タンパク質の発現に使用し得る。一過性発現系は、高速の産生を可能にする。さらに、大量のタンパク質が、植物への組み換えアグロバクテリウム浸潤の数日後に達成され得る(Rybicki, 2010; Fischer et al., 1999)。長遺伝子配列の発現および1を超える遺伝子の同じ細胞での同時発現が可能であり、多量体タンパク質の効率的組立を可能にする(Lombardi et al., 2009)。
ロタウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列を、1、2、3、4または5トランスフォームアグロバクテリウム・ツメファシエンス株を使用して、植物宿主にトランスファーし得る(表1および付随する本文に記載するとおり)。
一過性発現中、転写後遺伝子サイレンシングが、植物における異種性タンパク質の発現を制限し得る。サイレンシングのサプレッサー、例えば、限定しないが、トマト黄化壊疽病ウイルスからのNssの共発現が、トランスジーンmRNAの特定の分解の阻害に使用され得る(Brigneti et al., 1998)。サイレンシングの代替的サプレッサーは当分野で周知であり、ここに記載するとおりに使用でき(Chiba et al., 2006, Virology 346:7-14;これは、引用により本明細書に包含させる)、例えば、HcPro、TEV−p1/HC−Pro(タバコエッチ病ウイルス−p1/HC−Pro)、BYV−p21、トマトブッシースタントウイルスのp19(TBSV p19)、トマトクリンクルウイルスのカプシドタンパク質(TCV−CP)、キュウリモザイク病ウイルスの2b(CMV−2b)、ジャガイモウイルスXのp25(PVX−p25)、ジャガイモウイルスMのp11(PVM−p11)、ジャガイモウイルスSのp11(PVS−p11)、ブルーベリースコーチ病ウイルスのp16(BScV−p16)、カンキツトリステザウイルスのp23(CTV−p23)、ブドウ葉巻随伴ウイルス−2のp24、(GLRaV−2 p24)、ブドウウイルスAのp10(GVA−p10)、ブドウウイルスBのp14(GVB−p14)、ハナウド潜在ウイルスのp10(HLV−p10)またはニンニク潜在ウイルスのp16(GCLV−p16)であるが、これらに限定されない。それゆえに、サイレンシングのサプレッサー、例えばHcPro、TEV−p1/HC−Pro、BYV−p21、TBSV p19、TCV−CP、CMV−2b、PVX−p25、PVM−p11、PVS−p11、BScV−p16、CTV−p23、GLRaV−2 p24、GBV−p14、HLV−p10、GCLV−p16またはGVA−p10を、植物または植物の一部内での高レベルのタンパク質産生をさらに隔日にするために、1以上のロタウイルス構造的または非構造タンパク質、例えばVP2、VP4、VP6、VP7およびNSP4またはそれらの組み合わせと共発現させ得る。
本発明はまた、さらなる(第二、第三、第四、第五または第六)ヌクレオチド配列が植物内で発現され、サイレンシングのサプレッサーをコードするさらなる(第二、第三、第四、第五または第六)ヌクレオチド配列が、植物で活性であるさらなる(第二、第三、第四、第五または第六)制御領域と操作可能に結合される、上記方法も提供する。サイレンシングのサプレッサーをコードするヌクレオチド配列は、例えばNss、HcPro、TEV−p1/HC−Pro、BYV−p21、TBSV p19、TCV−CP、CMV−2b、PVX−p25、PVM−p11、PVS−p11、BScV−p16、CTV−p23、GLRaV−2 p24、GBV−p14、HLV−p10、GCLV−p16またはGVA−p10であり得る。
下記のとおり、一過性発現方法を、本発明の構築物の発現に使用できる(Liu and Lomonossoff, 2002, Journal of Virological Methods, 105:343-348参照;これは、引用により本明細書に包含させる)。あるいは、Kapila et al., 1997(これは、引用により本明細書に包含させる)に記載の吸引ベースの一過性発現方法を使用し得る。これらの方法は、例えば、アグロイノキュレーションまたはアグロインフィルトレーション、シリンジ浸潤の方法を含み得るが、これらに限定されず、しかしながら、他の一過性方法も上記のとおり使用できる。アグロイノキュレーション、アグロインフィルトレーションまたはシリンジ浸潤で、所望の核酸を含むアグロバクテリウムの混合物は、組織、例えば葉、植物の気部(幹、葉および花を含む)、植物の他の部分(幹、根、花)または植物全体の細胞間空間に入る。表皮通過後、アグロバクテリウムは感染し、t−DNAコピーを細胞内に転移させる。t−DNAは、エピソームで転写され、mRNAが翻訳され、感染細胞における目的のタンパク質の産生に至るが、しかしながら、t−DNAの核内の通過は一過性である。
トランスフォーム植物細胞の同定を助けるために、本発明の構築物をさらに操作して、植物選択可能マーカーを含ませ得る。有用な選択可能マーカーは、抗生物質、例えば、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン、カナマイシンまたはホスフィノトリシン、グリホサート、クロルスルフロンなどのような除草剤のような化学物質に対する抵抗性を提供する酵素を含む。同様に、GUS(ベータ−グルクロニダーゼ)のような色変化またはルシフェラーゼもしくはGFPのような発光により同定可能な化合物の産生を提供する酵素も使用し得る。
本発明の一部とまた考えられるのは、構築物ここに記載するトランスジェニック植物、植物細胞または種子である。植物細胞から植物全体を再生する方法も当分野で知られる。一般に、トランスフォーム植物細胞を、選択可能マーカーをトランスフォーム植物細胞の同定促進に使用する場合、抗生物質のような選択剤を含み得る、適切な培地で培養する。カルスが形成されたら、芽形成を、既知方法により適切な植物ホルモンを用いて促進し、植物の再生のために芽を発根培地に移し得る。植物を、次いで、種子からまたは栄養繁殖技術を使用して、反復産生の確立に使用し得る。トランスジェニック植物は、組織培養を使用しなくても、産生できる。
本願における用語“制御領域”、“制御要素”または“プロモーター”の使用は、DNAまたはRNAまたはDNAとRNAの両者を含み得る、遺伝子のタンパク質コーディング領域の、一般に、しかし必ずしもではなく、上流の核酸の部分を反映するよう意図される。制御領域が活性であり、目的の遺伝子と操作可能に結合または操作可能に結合されているならば、目的の遺伝子の発現がもたらされ得る。制御要素は、臓器特異性の仲介ができるかまたは発生的または時間的遺伝子活性化の制御が可能であり得る。“制御領域”は、プロモーター要素、基底プロモーター活性を示すコアプロモーター要素、外的刺激に応答して誘導性である要素、プロモーター活性を仲介する要素、例えば負の制御要素または転写エンハンサーも含み得る。ここで使用する“制御領域”はまた転写後活性な要素、例えば、翻訳および転写エンハンサー、翻訳および転写リプレッサー、上流活性化配列およびmRNA不安定性決定因子のような、遺伝子発現を調節する制御要素も含み得る。これらの後者の要素のいくつかは、コーディング領域の近位に位置し得る。
本明細書の文脈において、用語“制御要素”または“制御領域”は、一般に、RNAポリメラーゼの認識および/または特定の部位で転写開始に必要な他の因子を提供することにより、コーディング領域の発現を制御する、構造的遺伝子のコード配列の、通常、しかし、常にではなく、上流(5')のDNA配列をいう。しかしながら、イントロン内または配列の3'に位置する他のヌクレオチド配列も、目的のコーディング領域の発現の制御に貢献し得る。特定の部位での開始を確実にするためのRNAポリメラーゼまたは他の転写因子の認識のために提供する制御要素の例は、プロモーター要素であり得る。大部分の、しかし全てはないが、真核プロモーター要素は、通常転写開始部位の約25塩基対上流に位置するアデノシンおよびチミジンヌクレオチド塩基対からなる保存的核酸配列であるTATAボックスを含む。プロモーター要素は、転写の開始を担う基底プロモーター要素ならびに遺伝子発現を修飾する他の制御要素(上記のとおり)を含む。
発生的に制御される、誘導性または構成的のものを含む、数タイプの制御領域がある。発生的に制御されるまたはその制御下に遺伝子の異なった発現を制御する制御領域は、ある臓器または組織の発生の特定の時間の間、該臓器または臓器の組織内で活性化される。しかしながら、発生的に制御されるある制御領域は、特定の発生的段階である臓器または組織内で優先的に活性化でき、それらはまた、発生的に制御される方法でまたは植物な胃に同様に他の臓器または組織において基底レベルで活性化され得る。組織特異的制御領域、例えば種子特異的制御領域は、ナピンプロモーターおよびクルシフェリンプロモーターを含む(Rask et al., 1998, J. Plant Physiol. 152: 595-599; Bilodeau et al., 1994, Plant Cell 14: 125-130)。葉特異的プロモーターの例は、プラストシアニンプロモーターを含む(引用により本明細書に包含させるUS7,125,978号参照)。
誘導性制御領域は、インデューサーに応答して1以上のDNA配列または遺伝子の転写を直接的または間接的に活性化できるものである。インデューサー非存在下、DNA配列または遺伝子は転写されない。一般に、転写活性化のために誘導性制御領域に特異的に結合するタンパク質因子は、不活性形態で存在でき、次いで、これはインデューサーにより、直接的または間接的に活性化形態に変換される。しかしながら、タンパク質因子は存在しなくてもよい。インデューサーは、タンパク質、代謝物、成長調節因子、除草剤またはフェノール性化合物のような化学物質または熱、冷却、塩または毒性要素により直接的にまたはウイルスのような病原体または疾患因子の作用により間接的に負荷される生理学的ストレスであり得る。誘導性制御領域を含む植物細胞は、噴霧、給水、加熱または類似方法によるように、細胞または植物にインデューサーを外的に適用することにより、インデューサーに曝し得る。誘導性制御要素は、植物または非植物遺伝子に由来し得る(例えばGatz, C. and Lenk, LR.P., 1998, Trends Plant Sci. 3, 352-358;これは、引用により包含させる)。可能性のある誘導性プロモーターの例は、テトラサイクリン誘導性プロモーター(Gatz, C.,1997, Ann. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. BioI. 48,89-108;これは、引用により包含させる)、ステロイド誘導性プロモーター(Aoyama. T. and Chua, N.H.,1997, Plant 1. 2, 397-404;これは、引用により包含させる)およびエタノール誘導性プロモーター(Salter, M.G., et aI, 1998, Plant 10urnal 16, 127-132; Caddick, M.X., et al,1998, Nature Biotech. 16, 177-180、これらは、引用により包含させる)、サイトカイニン誘導性IB6およびCKI 1遺伝子(Brandstatter, I. and K.ieber, 1.1.,1998, Plant Cell 10, 1009-1019; Kakimoto, T., 1996, Science 274,982-985;これらは、引用により包含させる)およびオーキシン誘導性要素、DR5(Ulmasov, T., et aI., 1997, Plant Cell 9, 1963-1971;これは、引用により包含させる)を含むが、これらに限定されない。
構成的制御領域は、植物の種々の部分にわたりおよび植物発生をとおして連続的に遺伝子発現を指示する。既知構成的制御要素の例は、CaMV 35Sトランスクリプト(Odell et aI., 1985, Nature, 313: 810-812)、コメアクチン1(Zhang et aI, 1991, Plant Cell, 3: 1155-1165)、アクチン2(An et al., 1996, Plant J., 10: 107-121)またはtms 2(引用により本明細書に包含させるU.S.5,428,147号)およびトリオースホスフェートイソメラーゼ1(Xu et. aI., 1994, Plant Physiol. 106: 459-467)遺伝子、メイズユビキチン1遺伝子(Cornejo et ai, 1993, Plant Mol. BioI. 29: 637-646)、アラビドプシスユビキチン1および6遺伝子(Holtorf et aI, 1995, Plant Mol. BioI. 29: 637-646)およびタバコ翻訳開始因子4A遺伝子(Mandel et aI, 1995, Plant Mol. BioI. 29: 995-1004)と関係するプロモーターを含む。
ここで使用する用語“構成的”は、必ずしも、構成的制御領域制御下の遺伝子が、全細胞型で、同レベルで発現されることを意味せず、遺伝子が、量の変動はしばしば観察されるが、広範な細胞型で発現されることを意味する。構成的制御要素を他の配列と結合して、さらにそれらが操作可能に結合しているヌクレオチド配列の転写および/または翻訳を促進し得る。例えば、CPMV−HT系は、ササゲモザイクウイルス(CPMV)の非翻訳領域に由来し、関連するコード配列の翻訳増強を示す。“天然”により、核酸またはアミノ酸配列が天然に存在するかまたは“野生型”であることを意味する。“操作可能に結合”により、特定の配列、例えば制御要素および目的のコーディング領域が、直接的または間接的に、遺伝子発現の仲介または調節のような意図する機能の実施のために相互作用することを意味する。操作可能に結合した配列の相互作用は、例えば、操作可能に結合した配列と相互作用するタンパク質が介在し得る。
植物内で産生されるRLPは、植物特異的N−グリカンを含むロタウイルスVP7構造タンパク質を産生し得る。それゆえに、本発明はまた、植物特異的N−グリカンを有するVP7を含むRLPのためにも提供される。
さらに、植物におけるN−グリカンの修飾は知られ(例えばU.S.60/944,344号参照;これは、引用により本明細書に包含させる)、修飾N−グリカンを有するVP7が産生され得る。修飾グリコシル化パターン、例えばフコシル化、キシロシル化またはフコシル化およびキシロシル化が低減されたVP7を含むN−グリカンを得ることができ、または修飾グリコシル化パターンを有するVP7が得られ、ここで、タンパク質はフコシル化、キシフコシル化または両者を欠き、ガラクトシル化が増加されている。さらに、翻訳後修飾、例えば、末端ガラクトース付加の調節は、VP7を発現する野生型植物と比較したとき、発現VP7のフコシル化およびキシフコシル化の減少をもたらし得る。
限定と解釈すべきではない例として、修飾グリコシル化パターンを有するVP7の合成は、VP7と、ベータ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ(GalT)、例えば、限定されないが、哺乳動物GalTまたはヒトGalTをコードする、ヌクレオチド配列の共発現により達成できるが、しかしながら他の源からのGalTも使用し得る。GalTの触媒ドメインをN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GNT1)のCTSドメイン(すなわち細胞質テイル、膜貫通ドメイン、幹領域)に融合し、GNT1−GalTハイブリッド酵素を産生し、ハイブリッド酵素をVP7と共発現させ得る。VP7はまたN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT−III)、例えば、限定されないが哺乳動物GnT−IIIまたはヒトGnT−IIIをコードするヌクレオチド配列と共発現でき、他の源からのGnT−IIIも使用し得る。さらに、GnT−IIIに融合したGNT1のCTSを含むGNT1−GnT−IIIハイブリッド酵素も使用し得る。
それゆえに、本発明はまた、修飾N−グリカンを有するVP7を含むRLPを提供する。
理論に縛られることを望まないが、VP7への植物N−グリカンの存在は、抗原提示細胞によるVP7の結合の促進により、免疫応答を刺激し得る。植物N−グリカンを使用する免疫応答の使用は、Saint-Jore-Dupas et al.(2007)により提案されている。
表2は、本発明の種々の態様において提供される配列を記載する。
本発明を、次の実施例でさらに説明する。
1. 2X35S/CPMV−HT/RVA(WA)VP2(opt)/NOS(構築物番号1710)
ロタウイルスA WA株からのVP2をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S−CPMV−HT−NOS発現系にクローン化した。VP2コード配列含有フラグメントを、プライマーIF−WA_VP2(opt).s1+3c(図7a、配列番号19)およびIF−WA_VP2(opt).s1−4r(図7B、配列番号20)を使用して、最適化VP2遺伝子配列(図7C、配列番号21)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP2タンパク質配列(Genbank受託番号CAA33074)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して2X35S/CPMV−HT/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1191(図7D)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1191は、CPMV−HTベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図7E(配列番号22)に示す。得られた構築物の番号を1710(図7F、配列番号23)とした。ロタウイルスA 株WAからのVP2のアミノ酸配列を図7G(配列番号24)に示す。プラスミド1710の模式図を図7Hに示す。
2. 2X35S/CPMV−HT/RVA(WA)VP6(opt)/NOS(構築物番号1713)
ロタウイルスA WA株からのVP6をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S−CPMV−HT−NOS発現系にクローン化した。VP6コード配列含有フラグメントを、プライマーIF−WA_VP6(opt).s1+3c(図8A、配列番号25)およびIF−WA_VP6(opt).s1−4r(図8B、配列番号26)を使用して、最適化VP6遺伝子配列(図8C、配列番号27)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP6タンパク質配列(Genbank受託番号AAA47311)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して2X35S/CPMV−HT/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1191(図7D)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1191は、CPMV−HTベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図7E(配列番号22)に示す。得られた構築物の番号を1713(図8D、配列番号28)とした。ロタウイルスA株WAからのVP6のアミノ酸配列を図8E(配列番号29)に示す。プラスミド1713の模式図を図8Fに示す。
3. 2X35S/CPMV−HT/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS(構築物番号1730)
ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からのVP4をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S/CPMV−HT/NOSにクローン化した。VP4コード配列含有フラグメントを、プライマーIF−Rtx_VP4(opt).s1+3c(図9A、配列番号30)およびIF−Rtx_VP4(opt).s1−4r(図9B、配列番号31)を使用して、最適化VP4遺伝子配列(図9C、配列番号32)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP4タンパク質配列(Genbank受託番号AEX30660)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して2X35S/CPMV−HT/NOS発現カセットにクローン化した。構築物番号1191(図7D)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1191は、CPMV−HTベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図7E(配列番号22)に示す。得られた構築物の番号を1730(図9D、配列番号33)とした。ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]のVP4のアミノ酸配列を図9E(配列番号34)に示す。プラスミド1730の模式図を図9Fに示す。
4. 2X35S/CPMV−HT/TrSp−RVA(Rtx)VP7(opt)/NOS(構築物番号1734)
ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの天然シグナルペプチドの切断バージョンを伴うVP7をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S−CPMV−HT−NOS発現系にクローン化した。VP7コード配列含有フラグメントを、プライマーIF−TrSP+Rtx_VP7(opt).s1+3c(図10A、配列番号35)およびIF−Rtx_VP7(opt).s1−4r(図10B、配列番号36)を使用して、最適化VP7遺伝子配列(図10Cからのnt88〜891に対応、配列番号37)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP7タンパク質配列(Genbank受託番号AEX30682)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して2X35S/CPMV−HT/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1191(図7D)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1191は、CPMV−HTベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図7E(配列番号22)に示す。得られた構築物の番号を1734(図10D、配列番号38)とした。ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの切断シグナルペプチドを有するVP7のアミノ酸配列を図10E(配列番号39)に示す。プラスミド1734の模式図を図10Fに示す。
5. 2X35S/CPMV−HT/RVA(WA)NSP4/NOS(構築物番号1706)
ロタウイルスA WA株からのNSP4をコードする配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S−CPMV−HT−NOS発現系にクローン化した。NSP4コード配列含有フラグメントを、プライマーIF−WA_NSP4.s1+3c(図11A、配列番号40)およびIF−WA_NSP4.s1−4r(図11B、配列番号41)を使用し、合成NSP4遺伝子(GenBank受託番号K02032からのnt42〜569に対応)(図11C、配列番号42)を鋳型として使用して増幅した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して2X35S/CPMV−HT/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1191(図7D)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1191は、CPMV−HTベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図7E(配列番号22)に示す。得られた構築物の番号を1706(図11D、配列番号43)とした。ロタウイルスA株WAのNSP4のアミノ酸配列を図11E(配列番号44)に示す。プラスミド1706の模式図を図11Fに示す。
6. 2X35S/CPMV−160/RVA(WA)VP2(opt)/NOS(構築物番号1108)
ロタウイルスA WA株からのVP2をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S/CPMV−160/NOS発現系にクローン化した。VP2コード配列含有フラグメントを、プライマーIF(C160)−WA_VP2(opt).c(図12A、配列番号45)およびIF−WA_VP2(opt).s1−4r(図7B、配列番号20)を使用して、最適化VP2遺伝子配列(図7C、配列番号21)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP2タンパク質配列(Genbank受託番号CAA33074)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して、2X35S/CPMV−160/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1190(図12B)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1190は、CPMV−160ベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図12C(配列番号46)に示す。得られた構築物の番号を1108(図12D、配列番号47)とした。ロタウイルスA株WAからのVP2のアミノ酸配列を図7G(配列番号24)に示す。プラスミド1108の模式図を図12Eに示す。
7. − 2X35S/CPMV−160/RVA(WA)VP6(opt)/NOS(構築物番号1128) −
ロタウイルスA WA株からのVP6をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S/CPMV−160/NOS発現系にクローン化した。VP6コード配列含有フラグメントを、プライマーIF(C160)−WA_VP6(opt).c(図13A、配列番号48)およびIF−WA_VP6(opt).s1−4r(図8B、配列番号26)を使用して、最適化VP6遺伝子配列(図8C、配列番号27)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP6タンパク質配列(Genbank受託番号AAA47311)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して、2X35S/CPMV−160/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1190(図11B、配列番号40)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1190は、CPMV−160ベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図11C(配列番号41)に示す。得られた構築物の番号を1128(図13B、配列番号49)とした。ロタウイルスA株WAからのVP6のアミノ酸配列を図8E(配列番号28)に示す。プラスミド1128の模式図を図13Cに示す。
8. X35S/CPMV−160/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS(構築物番号1178)
ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からのVP4をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S/CPMV−160/NOSにクローン化した。VP4コード配列含有フラグメントを、プライマーIF(C160)−Rtx_VP4(opt).c(図14A、配列番号50)およびIF−Rtx_VP4(opt).s1−4r(図9B、配列番号30)を使用して、最適化VP4遺伝子配列(図9C、配列番号31)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP4タンパク質配列(Genbank受託番号AEX30660)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して、2X35S/CPMV−160/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1190(図11B、配列番号40)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1190は、CPMV−160ベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図11C(配列番号41)に示す。得られた構築物の番号を1178(図H2、配列番号H2)とした。ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]からのVP4のアミノ酸配列を図9E(配列番号33)に示す。プラスミド1178の模式図を図14Cに示す。
9. 2X35S/CPMV−160/TrSp−RVA(Rtx)VP7(opt)/NOS(構築物番号1199)
ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの天然シグナルペプチドの切断バージョンを伴うVP7をコードする最適化配列を、次のPCRベースの方法を使用して、Plasto_pro/P19/Plasto_ter発現カセット含有プラスミドにおける2X35S/CPMV−160/NOS発現系にクローン化した。VP7コード配列含有フラグメントを、プライマーIF(C160)−TrSP+Rtx_VP7(opt).c(図15A、配列番号52)およびIF−Rtx_VP7(opt).s1−4r(図10B、配列番号35)を使用して、最適化VP7遺伝子配列(図10Cからのnt88〜891に対応、配列番号36)を鋳型として使用して増幅した。配列最適化のために、VP7タンパク質配列(Genbank受託番号AEX30682)を戻し翻訳し、ヒトコドン使用、GC含量およびmRNA構造について最適化した。PCR産物を、In-Fusionクローニング系(Clontech, Mountain View, CA)を使用して、2X35S/CPMV−160/NOS発現系にクローン化した。構築物番号1190(図11B、配列番号40)をSacIIおよびStuI制限酵素で消化し、直線化プラスミドをIn-Fusion組立反応に使用した。構築物番号1190は、CPMV−160ベースの発現カセットへの目的の遺伝子の“In Fusion”クローニングのためのアクセプタープラスミドである。アルファルファプラストシアニン遺伝子プロモーターおよびターミネーター下、TBSV P19サイレンシングのサプレッサーの共発現のための遺伝子構築物も組み込む。主鎖はpCAMBIAバイナリープラスミドであり、左から右t−DNA境界の配列を図11C(配列番号41)に示す。得られた構築物の番号を1199(図15B、配列番号53)とした。ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの切断シグナルペプチドを有するVP7のアミノ酸配列を図10E(配列番号38)に示す。プラスミド1199の模式図を図15Cに示す。
10. CPMV−HT発現カセット下のVP6およびVP2の発現のための二重遺伝子構築物(構築物番号1708)
CPMV−HT発現系制御下のロタウイルスA WA株からのVP6およびロタウイルスA WA株からのVP2の共発現のための単一ベクターを、次の制限酵素/リガーゼベースの方法を使用して組立た。ドナープラスミドDNA(構築物番号1710;2X35S/CPMV−HT/RVA(WA)VP2(opt)/NOS)(図7F、配列番号23)をAvrII(2X35Sプロモーター前に位置)およびAscI(NOSターミネーター後に位置)制限酵素で消化し、2X35S/CPMV−HT/RVA(WA)VP2(opt)/NOS発現カセットに対応するフラグメントをゲル精製した。このフラグメントを、次いで、XbaIおよびAscI制限酵素(両部位は、VP6発現カセットのNOSターミネーター後に位置)を使用して直線化したアクセプター構築物番号1713(2X35S/CPMV−HT/RVA(WA)VP6(opt)/NOS)(図8D、配列番号28)に挿入した。得られた構築物の番号を1708とした。プラスミド1708の模式図を図16に示す。
11. CPMV−HT発現カセット下のVP7およびVP4の発現のための二重遺伝子構築物(構築物番号1719)
CPMV−HT発現系制御下のロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの天然シグナルペプチドの切断バージョンを伴うVP7およびロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からのVP4の共発現のための単一ベクターを、次の制限酵素/リガーゼベースの方法を使用して組立た。ドナープラスミドDNA(構築物番号1730;2X35S/CPMV−HT/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS)(図9D、配列番号32)をAvrII(2X35Sプロモーター前に位置)およびAscI(NOSターミネーター後に位置)制限酵素で消化し、2X35S/CPMV−HT/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS発現カセットに対応するフラグメントをゲル精製した。このフラグメントを、次いで、XbaIおよびAscI制限酵素(両部位はVP7発現カセットのNOSターミネーター後に位置)を使用して直線化した、アクセプター構築物番号1734(2X35S/CPMV−HT/TrSp−RVA(Rtx)VP7(opt)/NOS)(図10D、配列番号37)に挿入した。得られた構築物の番号を1719とした。プラスミド1719の模式図を図17に示す。
12. CPMV−160発現カセット下のVP6およびVP2の発現のための二重遺伝子構築物(構築物番号2400)
CPMV−160発現系制御下のロタウイルスA WA株からのVP6およびロタウイルスA WA株からのVP2の共発現のための単一ベクターを、次の制限酵素/リガーゼベースの方法を使用して組立た。ドナープラスミドDNA(構築物番号1108;2X35S/CPMV−160/RVA(WA)VP2(opt)/NOS)(図12D、配列番号47)をAvrII(2X35Sプロモーター前に位置)およびAscI(NOSターミネーター後に位置)制限酵素で消化し、2X35S/CPMV−160/RVA(WA)VP2(opt)/NOS発現カセットに対応するフラグメントをゲル精製した。このフラグメントを、次いで、XbaIおよびAscI制限酵素(両部位は、VP6発現カセットのNOSターミネーター後に位置)を使用して直線化した、アクセプター構築物番号1128(2X35S/CPMV−160/RVA(WA)VP6(opt)/NOS)(図13B、配列番号49)に挿入した。得られた構築物の番号を2400とした。プラスミド2400の模式図を図18に示す。
13. CPMV−160発現カセット下のVP7およびVP4の発現のための二重遺伝子構築物(構築物番号2408)
CPMV−160発現系制御下のロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの天然シグナルペプチドの切断バージョンを伴うVP7およびロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からのVP4の共発現のための単一ベクターを、次の制限酵素/リガーゼベースの方法を使用して組立た。ドナープラスミドDNA(構築物番号1178;2X35S/CPMV−160/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS)(図14B、配列番号51)をAvrII(2X35Sプロモーター前に位置)およびAscI(NOSターミネーター後に位置)制限酵素で消化し、2X35S/CPMV−160/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS発現カセットに対応するフラグメントをゲル精製した。このフラグメントを、次いで、XbaIおよびAscI制限酵素(両部位はVP7発現カセットのNOSターミネーター後に位置)を使用して直線化したアクセプター構築物番号1199(2X35S/CPMV−160/TrSp−RVA(Rtx)VP7(opt)/NOS)(図15B、配列番号53)に挿入した。得られた構築物の番号を2408とした。プラスミド2408の模式図を図19に示す。
14. CPMV−HT発現カセット下のVP7、VP4、VP6およびVP2の発現のための四重遺伝子構築物(構築物番号1769)
CPMV−HT発現系制御下のロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの天然シグナルペプチドの切断バージョンを伴うVP7、ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からのVP4、ロタウイルスA WA株からのVP6およびロタウイルスA WA株からのVP2の共発現のための単一ベクターを、次の制限酵素/リガーゼベースの方法を使用して組立た。ドナープラスミドDNA(構築物番号1730;2X35S/CPMV−HT/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS)(図9D、配列番号32)をAvrII(2X35Sプロモーター前に位置)およびAscI(NOSターミネーター後に位置)制限酵素で消化し、2X35S/CPMV−HT/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS発現カセットに対応するフラグメントをゲル精製した。このフラグメントを、次いで、XbaIおよびAscI制限酵素(両部位はVP7発現カセットのNOSターミネーター後に位置)を使用して直線化したアクセプター構築物番号1734(2X35S/CPMV−HT/TrSp−RVA(Rtx)VP7(opt)/NOS)(図10D、配列番号37)に挿入した。AvrIIおよびXbaIにより産生された粘着性末端のライゲーションは、元の制限部位を破壊し、第二発現カセットのNOSターミネーターの末端に、同じ独特のXbaIおよびAscI制限酵素部位を有する一過性アクセプターベクターを産生した(左から右T−DNA)。CPMV−HT発現系下発現したVP6(構築物番号1713;図8D、配列番号28)およびVP2(構築物番号1710;図7F、配列番号23)を、次いで、得られた一過性アクセプターベクターに、同じ消化戦略を使用して逐次的に挿入し、最終をVP7/VP4/VP6/VP2構築物得た。得られた構築物の番号を1769とした。プラスミド1769の模式図を図20に示す。
15. CPMV−HT発現カセット下のVP4、VP7、NSP4、VP6およびVP2の発現のための五重遺伝子構築物(構築物番号2441)
CPMV−HT発現系制御下のロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からのVP4、ロタウイルスAワクチンUSA/Rotarix−A41CB052A/1988/G1P1A[8]株からの天然シグナルペプチドの切断バージョンを伴うVP7、ロタウイルスA WA株からのNSP4、ロタウイルスA WA株からのVP6およびロタウイルスA WA株からのVP2の共発現のための単一ベクターを、次の制限酵素/リガーゼベースの方法を使用して組立た。ドナープラスミドDNA(構築物番号1734;2X35S/CPMV−HT/TrSp−RVA(Rtx)VP7(opt)/NOS)(図10D、配列番号37)をAvrII(2X35Sプロモーター前に位置)およびAscI(NOSターミネーター後に位置)制限酵素で消化し、2X35S/CPMV−HT/TrSp−RVA(Rtx)VP7(opt)/NOS発現カセットに対応するフラグメントをゲル精製した。このフラグメントを、次いで、XbaIおよびAscI制限酵素(両部位はVP4発現カセットのNOSターミネーターに位置)を使用して直線化したアクセプター構築物番号1730(2X35S/CPMV−HT/RVA(Rtx)VP4(opt)/NOS)(図9D、配列番号32)に挿入した。AvrIIおよびXbaIにより産生された粘着性末端のライゲーションは、元の制限部位を破壊し、第二発現カセットのNOSターミネーターの末端に、同じ独特のXbaIおよびAscI制限酵素部位を有する一過性アクセプターベクターを産生した(左から右T−DNA)。CPMV−HT発現系下発現したNSP4(構築物番号1706;図11D、配列番号42)、VP6(構築物番号1713;図8D、配列番号28)およびVP2(構築物番号1710;図7F、配列番号23)を、次いで、得られた一過性アクセプターベクターに、同じ消化戦略を使用して逐次的に挿入し、最終を得たVP4/VP7/NSP4/VP6/VP2構築物。得られた構築物の番号を2441とした。プラスミド2441の模式図を図21に示す。
実施例2:NSP4の共発現は、RLPにおけるVP4およびVP4取り込みを増加させる
ロタウイルスVP2、VP4、VP6およびVP7構造的抗原を、実施例1に記載のアグロインフィルトレーションを使用して、NSP4発現構築物存在下または非存在下、ベンサミアナタバコ植物に一過性に共発現させた。RLP産生植物からの粗製タンパク質抽出物は、クーマシー染色SDS−PAGEにおける縞模様パターンにより示されるとおり、大量の宿主タンパク質を含んだ(図2B、充填)。ロタウイルス様粒子は、イオジキサノール密度勾配での超遠心分離法により植物タンパク質から分離できる。遠心分離後、イオジキサノール密度勾配からのフラクションの分析は、RLPが35%イオジキサノールフラクションに移動し(図2BのF2およびF3)、一方宿主タンパク質の大部分が25〜30%イオジキサノールフラクション(図2BにおけるF4〜F10)に残ることを示した。ロタウイルス構造的抗原共発現植物からのRLPを、イオジキサノール密度勾配で精製し、RLP含有フラクション(F2およびF3)の分析は、RLPが、単一、デュアルおよび四重遺伝子構築物を含む図3Aで示すように、構築物あたりの遺伝子の数と無関係に、効率的に産生できることを示した。得られた結果は、また、NSP4の共発現がRLP発現を減少させたことを示した(図3Aにおける−NSP4および+NSP4下のフラクション比較)。各フラクションの等体積を、体積あたりのRLP含量を比較するためにゲルに充填したことに注意。
同じ実験からのRLP含有フラクション2をウェスタンブロットで分析して、VP4およびVP7取り込みに対するNSP4共発現の影響を評価した。この比較のために、等量のRLPSをゲルに充填した。得られたウェスタンブロット結果は、NSP4存在下、RLPにおけるVP4およびVP7に対する強いシグナルの産生を示した(図3B、−NSP4および+NSP4下のレーン参照)。これらの結果は、NSP4共発現が、RLP表面へのVP4およびVP7取り込みを増加させることを明らかに示す。
4ロタウイルス抗原および非構造タンパク質NSP4をコードする遺伝子を、CPMV−HTおよびCPMV160に発現の比較のためにクローン化した。共発現試験と、続くイオジキサノール密度勾配における超遠心分離法による抽出および精製により、両発現が、勾配におけるフラクション2および3におけるVP6の量(図4A)および同処理のフラクション2におけるVP4およびVP7の量(図4B)により示されるとおり、RLPを効率的に産生したことを示した。この試験はまた、ロタウイルスタンパク質発現のためにCPMV−HT系を使用したとき、単一遺伝子構築物が、デュアル遺伝子構築物と同程度RLPを産生し(図4A、左パネル対中央パネル)、表面抗原、VP4およびVP7での類似被覆率をもたらすことを示した(図4B、左パネル対中央パネル)。
五重遺伝子構築物(同じプラスミドに5遺伝子を含む)は、4構造的抗原とNSP4の共発現について評価している。図5に示すとおり、五重遺伝子構築物の使用は、四重遺伝子構築物と別のプラスミド上のNSP4遺伝子の使用と類似のRLP産生レベル(図5、上部パネル)ならびに同等レベルのVP4およびVP7取り込み(図5、下部パネル)をもたらした。
アグロバクテリウム形質転換
全プラスミドを、エレクトロポレーション(MMattanovich et al., 1989, Nucleic Acid Res. 17:6747)によるアグロバクテリウム・ツメファシエンス(AGL1;ATCC, Manassas, VA 20108, USA)のトランスポレーションに使用し、あるいはCaCl2調製コンピテント細胞(XU et al., 2008, Plant Methods 4)を使用し得る。産生したアグロバクテリウム・ツメファシエンス株におけるプラスミドの完全性を制限マッピングにより産生した。
植物バイオマスの産生、接種、アグロインフィルトレーションおよび収穫
ベンサミアナタバコ植物を、市販の泥炭ゴケ基質で満たしたフラットで種子から育てた。植物を温室で16/8光周期および25℃昼/20℃夜温度レジメで育てた。種まき3週間後、個々の小植物を採取し、鉢に移植し、温室でさらに3週間、同じ環境条件で生育させた。
各構築物でトランスフェクトしたアグロバクテリウムを、10mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)および50μg/ml カナマイシンpH5.6添加植物起源LB培地で、OD600が0.6〜2.5に到達するまで増殖させた。アグロバクテリウム懸濁液を、各構築物が適切な比になるよう混合し、浸潤培地(10mM MgCl2および10mM MES pH5.6)で2.5X OD600とした。アグロバクテリウム・ツメファシエンス懸濁液を、一夜、4℃で保存した。浸潤の日、培養バッチを浸潤培地で希釈し、使用前に温めた。ベンサミアナタバコの植物全体を、気密性ステンレススチールタンクで、20〜40Torr、2分の吸引下、細菌懸濁液に倒置して入れた。浸潤後、植物を、収穫するまで9日のインキュベーション期間、温室に戻した。収穫バイオマスを、粒子精製まで凍結した(−80℃)。
ロタウイルス様粒子の超遠心分離法による抽出およびスクリーニング
タンパク質を、2体積の抽出物緩衝液(TNC:10mM Tris pH7.4、140mM NaCl、10mM CaCl2)を入れたブレンダー中、機械的抽出により、凍結バイオマスから抽出した。スラリーを大孔ナイロンフィルターで濾過して、大きな残骸を除去し、5000gで5分、4℃で遠心分離した。上清を採取し、再び5000gで30分(4℃)遠心分離して、さらなる残骸を除去した。次いで、上清を不連続イオジキサノール密度勾配に充填する。
分析的密度勾配遠心分離を次のとおり実施した。TNC緩衝液中不連続イオジキサノール密度勾配(イオジキサノール45%を1.2ml、35%を2ml、30%を5mlおよび25%を5ml)を含む38mlチューブを調製し、ロタウイルス様粒子含有抽出物25mlで重層した。勾配を120000gで4時間(4℃)遠心分離した。遠心分離後、1mlフラクションを下部〜上部から回収し、フラクション2および3(35%イオジキサノールに対応)を、タンパク質染色またはウェスタンブロットと組み合わせたSDS−PAGEにより分析した。
SDS−PAGEおよび免疫ブロッティング
タンパク質濃度を、BCAタンパク質アッセイ(Pierce Biochemicals, Rockport, IL)により決定した。タンパク質を、CriterionTM TGX Stain-FreeTMプレキャストゲル(Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA)を使用して還元条件下SDS−PAGEにより分離し、タンパク質をGel DocTM EZ造影系(Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA)で可視化した。
免疫ブロッティングのために、電気泳動したタンパク質をポリビニレンジフルオライド(PVDF)膜(Roche Diagnostics Corporation, Indianapolis, IN)に電気泳動転写した。免疫ブロッティング前に、膜を5%脱脂粉乳および0.1%Tween−20のTris緩衝化食塩水(TBS−T)で、16〜18時間、4℃でブロックした。
免疫ブロッティングを、適当な抗体(表4)と、2%脱脂粉乳の0.1%TBS−Tween 20中、インキュベートすることにより実施した。化学発光検出に使用した二次抗体は表4に示し、2%脱脂粉乳の0.1%TBS−Tween 20で記載するとおり希釈した。免疫反応性複合体を、基質としてルミノールを使用する化学発光により検出した(Roche Diagnostics Corporation, Indianapolis, IN)。
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