JP2018504103A - 高い収集能力で哺乳動物細胞を操作(マニピュレーション)する装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのような細胞集合体は基礎生物学、とりわけ発生生物学や癌生物学、再生医療や調剤スクリーニングにおいて使用される。
また本発明は、そのような装置の製作方法にも関する。
この多要素ミクロ環境は適所(niche)と呼ばれ、所望の細胞の種類の分化を調べる発達生物学から腫瘍化細胞などの薬学スクリーニングに渡る基礎研究のための標準化されたプラットフォームとしての礎をなす古典的な2次元細胞培養システムにおいては最小限に単純化されてきた。
しかしながら、そのような2次元分析による結果は3次元生体内環境(グリフィス等2006年)に対する技術移転が致命的に欠如している。
その結果として実験計画は過去10年の間に、細胞集合体培養(アボット2003年、ザン2004年、パンパローニ等2007年)のようにより適切な3次元モデルの実施へと強く移行している。
すなわち細胞は、重力により細胞収集を誘導するために培養プレートの蓋から媒体の液滴中に浮遊している。
この手法は非常に重労働であって時間を消費するものであり、一般的には大規模培養には容易に適用できるものではない。
発生した球状体の全表面に対する栄養物の受渡は保証される一方で、この方式では集合体の長期培養を可能にする媒体交換をすることはできない。
さらにこの方式では、ある特定範囲のサイズの細胞クラスタだけが実現されるのみである(リン等2008年)。
この培養フォーマットは自然に近い形態(すなわち球状底面の開孔)を許容するものの、様々なサイズ範囲の細胞クラスタ生成用としては、形成された球状体を妨害せずに媒体交換することは困難であり今なおスループットが不足しているという欠点がある。
それにも関わらず96個の曲面底ウェルプレートは、生体外の器官形成分析用に最も広く使用されている培養フォーマットである(エイラク等2011年、スガ等2011年、ナス等2012年、ランカスター等2013年)。
AggreWell(商標)として販売されている装置(ステムセルテクノロジーズ社、カナダ、PCT/CA08/00397)は、均一でサイズ制御された胚性組織(EB)の再生産可能な大規模製造に対する簡便かつ標準化されたアプローチであるものと広告されている。
同EBは、24時間以内の細胞収集を開始するためのピラミッド底面の直径が400または800ミクロンの大きさのピラミッド型マイクロウェルの高密度アレイのなかで決められた濃度の細胞懸濁液を遠心分離することによって生成される。
実際にAggreWell(商標)800システムは平底プレーンを持つマイクロウェル(最終的なピラミッド型の円錐構造を代表する)をかくまうものであり、充分でない場合、重力の足し合わされる中心点に全細胞を集める細胞収集装置の提供という当初の発明目的が部分的に損なわれる。
さらに同システムは一般的に、細胞球状体の長期培養に対する応用を困難なものとするいくつかの制限を示す。
高い初期細胞播種密度もしくは24時間よりも長い球状体成長による細胞収集のいずれかによりAggreWell(商標)プレート内で形成されたサイズのより大きなEBは、AggreWell(商標)マイクロウェル構造を反映する円錐様の構造を形成しやすい。
非天然構造の抑制細胞は生物学的機能において未知の効果を有し、現在では培養基板の形状が非制御かつ非特定の分化系列決定を誘発しうるものと提唱されている(シク等2013年)。
さらにAggreWell(商標)プレートは、バルク媒体にさらされる面が大きく開いていることによりピペット操作のような操作ステップがマイクロウェル中の球状体の抑制を妨げてしまうので、培養の最中における最適な媒体交換に制限がある。
そのうえPDMSはその表面において生体分子の吸収が起こりやすいこと(細胞シグナリングと薬物スクリーニング実験の最終結果に偏りを生じさせるリスク要因)がよく知られている(テプケ等2006年)。
近年の技術は、2次元の平底マイクロウェル(ゴバー等2011年)や3次元スキャフォールド(ランガ等2014年)を介して適所のマイクロアレイによる生体活性分子の分配に対する生体材料の使用を探求し始めている。
形成された球状体の幾何学的仕様を模倣するような細密な開孔(所定の生物学的システムの個々の要件を充足するように充分カスタマイズされた幾何学的配置のもの)中でこれらの細胞集合体を発生させる技術が必要とされている。
臨床的に妥当な数を提供するために、細胞球状体の大規模生産に対して上述した全要件を適用できる技術が必要とされている。
また、生成された細胞集合体の実験ならびにマニピュレーションを同一装置上で行うことのできる技術が必要とされている。
例えば韓国公開特許第2013−0013537号公報は、ミクロ構造の製造方法ならびに同ミクロ構造を使用した細胞収集方法に関連するものである。
ウェルの形状が、半球型ないしは楕円面であること
ウェル開口部における接触角が、最低限20°であること。
サイズの小さなウェルを実現することができないこと。
ピッチ(ウェルの距離)は、ウェルの開口径と同一であること。
使用する材料が、PDMSに限定されてしまうこと。
ウェルの距離(ピッチ)によりスループットが制限されてしまうこと。
長期培養ができないこと。
丸底型は、U底型に包含される。
丸底のマイクロウェルは、マイクロウェルの高さが球状底の半径と等しいU字型底のマイクロウェルを参照するものである。
以下では、U底またはU字型なる用語を用いる。
PEGを基礎とするヒドロゲルを基板材料として特別に使用する利点は、栄養の高い浸透性、生物学的不活性を確保している間の最適かつ要求に適合した生物活性にある(ルトルフ等2005年)。
そのうえPEGを基礎とする基板は、細胞の振舞における不溶性因子ならびに集合体内における成長の研究を実現しつつ、図示されたマイクロウェルの底部に所望の生体分子を選択的に配合できる。
U底部マイクロウェルの構造(とりわけ開口径に対するウェルの深さのアスペクト比)を仕掛けることにより、移動と媒体交換のような操作手順を介して妨害を最小限に抑制して、培養基板の表面平板の下に球状体を埋込むことができる。
ウェル同士の間の細胞径の範囲における最小のピッチサイズは単一細胞の端が広がること(各ウェルにおける均一な細胞の分配を阻止できる過程、ならびに非制御のサインを示す過程)を充分に抑制する。
さらには所望の分子を局所的かつ定期的に配送するためにマイクロウェル平面に近接する微小流体ネットワークの統合は、長期培養のさなかに形成された集合体の選択的な操作(マニピュレーション)を実現する。
加えて当該のプラットフォームは、形成された球状体の頂上に第2層目の基板をサンドイッチ鋳込することによって形成された集合体の完全なカプセル封入(平面的な局所化および培養のさなかにおける自動撮影を劇的に容易化するもの)に適用できる。
(1)単一もしくは複数の細胞腫を同時に重力沈殿もしくは遠心沈降させること
(2)続いて、先に収集したあとの任意の時間における重力沈殿を介して他の細胞腫を追加することにより単一の細胞腫を重力沈殿もしくは遠心沈降させること
を通じて、単一もしくは複数の細胞腫を有する細胞集合体を生成する方法を提供する。
[発明の詳細な説明]
第1の前駆体コンポーネントはn個の求核性の官能基を有するとともに第2の前駆体コンポーネントはm個の求電子性の官能基を有しており、nならびにmは少なくとも2であり且つ「n+m」の合計が少なくとも5であって、
さらに架橋は、多腕PEGマクロマー(好ましくは4腕PEGマクロマーであって、求核性の官能基(好ましくはチオール基)を終端に持つもの)と、多腕PEGマクロマー(好ましくは8腕PEGマクロマーであって、求電子性の官能基(好ましくは0.1乃至100kPaの剛性率を示すようにヒドロゲル層と架橋する適度な濃度と条件のビニルスルホン基)を終端に持つもの)と、により行われることが好ましい。
同リンカーの1つの官能基は、ポリマー鎖の終端に結合された官能基に反応し、
同リンカーの他の官能基は、サクシニミジル活性エステル(N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、スクシンイミジル α−メチルブタノエート、スクシンイミジル プロピオン酸塩、アルデヒド、チオール、アクリル酸塩・マレイミドないしはビニルスルホンを有するチオール選択基、ピリジルチオエステルおよびピリジルジスルフィド)を有するグループから選択されたものであり、アミン基を介して所望の生体分子を非特異的に係留することができる。
このようなプラットフォームは、これらの集合体がより強化された細胞機能の表れる自己組織構造を形成することが観察されるためにとても興味深いものであり、したがって既存の培養システムと比較してさらに妥当なものである。
実際に、標準的な過程のほとんどが角を持つ構造を形成してしまうため、球状のμm規模のパターン生成はミクロ技術における主だった障害である。
一般的に利用できるツールにより簡素で容易に生産されるものの、この技術は今なお形成されたマイクロウェルの高さ・開口径・ピッチサイズの相互依存によって制限されている。
さらにプラットフォームの拡張性が疑わしい。なぜなら、1アレイあたりの球状体数が少ない数(25以下)で実証なされているからである。
これらの3つの変数を独立的に変更できること(上述した既存の先行技術プラットフォームでは実現されないこと)は、研究応用におけるプラットフォームよりもむしろ生物学的応用を基礎とするプラットフォームを発展させる必要がある。
さらにプラットフォームがヒドロゲルから作られているため、プラットフォームの中へと微小流体ネットワークを統合できる可能性も示すことができる。
3次元培養と、微小流体ネットワークと、マイクロウェルパターン形成ならびに生体機能化との同一プラットフォーム内における統合は、3次元ミクロ組織の高解像度スクリーニングに対して物理化学的かつ時空間的な総合的に新しい領域を開く。
同時培養は、最初に複数の細胞種を同時に播種するか、ないしは球状体培養に他の細胞種を加えることのいずれか一方により可能である。
さらに2つ以上の細胞種は、自己組織・統合・細胞の再分配のシステム研究のための培養を行っている間にいつでも加えることができる。
本願のアプローチは多くの上述したプラットフォームとは異なり、生物学的な応用特有のものを基礎とするプラットフォーム展開から成る。
これらの種類の完全な統合された技術は、臨床のための伝統的な研究に強く触媒作用を及ぼすだけでなく、基礎的な生物学の進展を支えるものと信じられている。
この原理によれば、プレート1には一連のウェル2が設けられている。
商業的利用が可能なウェル2の代表的なサイズは、開口径がおよそ6.4〜34.8mmであり、実用的容量0.1〜0.2mL乃至1.9〜2.9mLに対応する総液体容量が0.36〜16.8mLを保持する深さが1.76cmである。
これはあくまで一例であり、商業利用可能なプレートや特殊に作成されたプレートのいずれか一方のサイズが異なる他のプレート1を使用してもよい。
同図1Bにおいては、本発明の1つの特徴を構成する各ウェル2の底に設置された一連のマイクロウェル3が看取される。
これは、U底マイクロウェルアレイの成型に用いられるネガ型PDMSスタンプ(例)の斜視図におけるU底マイクロウェル3の一般的な構造を示す図である。
ここでは、これらのアレイ4の理論的平面図を示す。
マイクロウェル3は、アレイ4の所定領域に対するウェルの密度を最大化するために組織される。
また、マイクロウェル3のこの組織化によりウェル間の距離を最小化することが実現され、したがって細胞がマイクロウェル3の間で成長することを阻止する。
例としては、dとhのサイズは1μm〜3000μm(3mm)の範囲にでき、pのサイズ範囲は自由に選択できる。
デバイスの適切な使用のために、hは常にdよりも大きいか若しくは等しく、pはできる限り小さく(dよりもずっと小さく(p<<d)かつ典型的には1μm〜100μmの範囲に)すべきである。
もし必要であれば、制約されることなくpを100μmよりも大きくすることもできる。
10:1の比においては、マイクロウェルはすでに全領域の74.95%を占めている。このパーセンテージは、ピッチサイズをさらに減少させても著しく増やすことはできない。
直径8mmの底を持つアレイは、12ウェルプレート1のウェル2(図1A参照)の中に注型される。
Oct4::GFP ESCのクラスタを含む72個のマイクロウェル3(小さく挿入。左)を有するアレイ4の領域の明視野と蛍光性の表現を示す。
集合体のサイズは単分散であり、多能性マーカOct4が各細胞クラスタ中に表示されている。
この集合体の均一性は、U底マイクロウェル3プラットフォームの強い再現性を示す。
実際に、各マイクロウェル3を個々に補充するよりもむしろ、所定のマイクロウェルのサイズ以下にすることは不可能である。
本願発明を用いれば、マイクロウェル3よりも大きなウェル2のレベルで作用させることができ、ひいては補充がもっと容易になる。
U底マイクロウェル3は、溶媒蒸発を介して球状形の底を形成するために、希釈溶液材料(例えば、エポキシを基礎とするフォトレジストSU−8のようなポリマー)の定められた体積の沈殿物を介して形成される。
表面張力を介してウェルの底部に反転された半球型底5を形成するために、溶媒蒸発の間、沈積した材料は濃縮してマイクロウェル3の壁を濡らしている。
沈積した材料が凝固した後、その構造はマイクロウェル3アレイ4を形成するための複製した鋳型に用いられる。
ウェル底部の反転されたSU−8キャップ5を有する単一のシリコン(Si)ウェル3の斜視図は、中心に沿った断面図を含めて図示される。rは反転されたキャップの半径(あらかじめエッチングされたウェルの半径に等しい)を表し、h1はウェルの深さ(あらかじめエッチングされたシリコン(Si)の深さと等しい)に関連があり、h2は溶媒蒸発前のSU−8の統合した高さ(ウェル(図6B)の半径と概ね等しい)に関連がある。
U字型ウェル底部(底左)を形成するためにSU−8が沈積したマイクロウェル3、ないしはSU−8が沈積していない(底右)PEGヒドロゲル中に成型された複製の一例を図6Cの画像中に示す。
疎水性の表面を下塗りするためのテンプレートシリコンスタンプのシリコン処理の後、U底構造はPDMSの中へと成型された複製である。
形成されたPDMS U底マイクロウェルネガ型は、その後、カバーガラス上に若しくは組織培養プレート1のウェル2の底部に直接的に、任意の所望の材料を注型するために使用される。
カバーガラスは使用された箇所に、任意の適切な手法により(例えば生体適合性のある粘着性の薄膜(例えばPEGヒドロゲルの薄層)を介して)ウェル2内に固定される。
PEGヒドロゲルを用いることで(G’〜12.5kPa)、距離d・高さh・ピッチpのパラメータを変えた異なる組合せが実現される。
開口径が100μm、250μm、400μmおよび1.25mmのマイクロウェル3の共焦点の画像(直交する観点)が示される(図8A〜図8D)。
これら3つのサンプルの異なる正確な設計は、以下の通りである。
図8A:マイクロウェル3は、開口径100μm、高さ200μmおよびウェル間の距離40μmである。
図8B:マイクロウェル3は、開口径250μm、高さ400μmおよびウェル間の距離40μmである。
図8C:マイクロウェル3は、開口径400μm、高さ400μmおよびウェル間の距離40μmである。
図8D:マイクロウェル3は、開口径1.25mm、高さ1mmおよびウェル間の距離40μmである。
ポリマー含有量(図示したように、w/v 1.25%、2.5%、5%、10%)を変えて絶対的な剛性が異なるPEGヒドロゲルを用いることで、U底マイクロウェルアレイとして成形できることを実証する。
本願発明のU底マイクロウェル構造は、図9Aの150Pa(G’)から図9Dのおよそ30kPa(G’)までの剛性を持つヒドロゲル中で容易に型押しされる。
この広く網羅する範囲は、剛性を変えた基板により細胞集合体の相互作用に関する生物学上の疑問を扱うために重要である。
PDMSネガ型成形から、由来材料は上記のパターンで型押しされる。PDMSは、PDMS内でU底マイクロウェルから上昇した複製成形できる。
好ましくはU底マイクロウェルアレイは、軟性の生体適合性のポリマー中で再生される。
天然ヒドロゲル(例えばアガロース、アルギン酸塩、ゼラチン、マトリゲルおよびコラーゲン)のみならず、標準的な合成ヒドロゲル(例えば、成型可能なことが実証されるポリエチレングリコール(PEG))を使用すればよい。
もちろん他の同質の材料を使用することもできる。
10μm〜50μmの間のサイズのウェルを備えるマイクロウェル3は、単細胞培養プラットフォームを作成するために12.5kPaのPEGヒドロゲル中で成形される。
単細胞は、別々のウェルにおいてうまく播種される。
採取されたOct4::GFP ESCの明視野画像は、400μm次元のAggreWell(図12E〜図12H)のみならず、開口径400μmのU底マイクロウェル(図12A〜図12D)中で24時間培養した後に集合する(すなわちマイクロウェルあたりの細胞が500個、1000個、2000個および3000個)。
AggreWell(商標)プラットフォームには、いくつかの制約が見られる。
すでに提案されているように(シク等2013年)、ピラミッド型のマイクロウェルにおいて収集した細胞はピラミッド型の形をとる。
これは、マイクロウェルあたり500、1000、2000および3000個の細胞といった様々な異なる細胞播種密度(矢印)において看取される。
しかしながら、U底マイクロウェル中で形成された細胞集合体はさらにもっと著しく丸い。
実際、球状体の偏心度(図12I)、形成因子(図12J)、緻密性(図12K)は、ほとんどの細胞密度に対してU底マイクロウェルとAggreWell(商標)の間で著しく異なることが分かった。
この緻密性の欠如は2つのプラットフォーム(図12L)間で採取した後の浮遊細胞の数を評価することにより確認され、採取後においては本願発明のU底マイクロウェルと比較してAggreWell(商標)の上澄みにはより多くの単細胞が浮いていることが看取された。
最終的にタイムラプス撮影を用いて、細胞集合体(AggreWell(商標)表面(PDMS表面)上に播種されたOct4::GFP ESC(図12M)およびNIH3T3線維芽細胞集合体(図12N)は、マイクロウェルの壁に沿って這うことが観察された。
これらの観察は、新しい培養プラットフォーム(例えば、より不活性の培養基板ならびにPDMSよりもずっと大きな生体適合性を示す培養基板を使用する本願発明)に対する必要性を実証する。
マウスOct4::GFP ESCを使って、3つの異なる細胞密度
図13A マイクロウェルあたり1個の細胞
図13B マイクロウェルあたり100個の細胞
図13C マイクロウェルあたり500個の細胞
が、開口径400μmおよび高さ400μmのU底マイクロウェルの中に播種した。
各密度のサイズの分布は、24時間後に評価した。
この期間を超えると集合体はそれぞれ、マイクロウェルあたり1個の細胞に対しては約25μmに成長し、マイクロウェルあたり100個の細胞に対しては約110μmに成長し、マイクロウェルあたり140個の細胞に対しては140μmに成長した。
異なる単細胞について、成長潜在能力の違いが看取された。
したがって本願発明によるマイクロウェルアレイは、単細胞レベルにおける幹細胞総数の均一性(例えば、クローン増殖潜在能力の変更)を評価する有力なツールである。
本願発明によるアレイは、単細胞生存を著しく支えている。
***は、p<0.001に対応する。
マウスOct4::GFP ESCの集合体の成長は、AggreWell(商標)プラットフォーム(AW PDMS)と比較して、本願発明によるU底マイクロウェルプラットフォーム(RBW PEG)において5日間の間に評価する(図14A)。
細胞の緊密化の後、AggreWell(商標)プラットフォームと比較すると(図14B、図14C)、本願発明によるU底マイクロウェルプラットフォームではクラスタの成長が著しく改善された。
集合体のサイズ分布は、5日目に評価した。
本願発明によるU底マイクロウェルプラットフォームは(図14C)、AggreWell(商標)(図14B)と比較して集合体のサイズのより高度な単分散性を示す。
図14D マイクロウェルあたり500個の細胞の成長の明視野表示は、U底マイクロウェルにおいて5日間以上。
集合体の成長は、アレイを超えてほぼ同一である。
したがって本願発明によるマイクロウェルのプラットフォームは、単分散性の集合体を高スループットで生成するための強い潜在能力を示す。
図14E 加えて、媒体交換における集合体損失は2つのプラットフォームに対して評価した。大きな違いは見られなかった。
平均すると、媒体交換により7%未満の集合体が失われた。
図14F プラットフォームからの集合体の再生についても評価した。大きな違いは看取されなかった。100%に近い集合体を回復できた。
最後に、主としてESC多能性マーカOct4の維持をFACSにより毎日分析した(データは図示略)。
5日目においても(図14G)、標準的な維持培養と同等に、まだ99.0%の細胞がマーカを示している。
様々な細胞腫を、本願発明によるU底マイクロウェルアレイ上に播種した。
C2C12、HEK293T、NIH 3T3線維芽細胞、NMuMG/E9および人間のMSCs PT−2501の明視野表示を示す。
異なる細胞腫はうまく集合体を形成し、5日間にわたって維持できた。
また、それらは全てうまく採取されてクラスタを維持した(代表的な例として、hMSCs PT−2501に対するデータを示す)。
この高度な多用途性は、本願発明によるマイクロウェルプラットフォームの強い潜在能力を実証する。
非球状形を形成する細胞腫は、本願発明によるU底マイクロウェルアレイの上に播種される。
対応する5日目に採取された集合体のみならず、MCF−7、MDA−MB231およびOP9の培養時間の異なる明視野表示を示す。
異なる細胞腫はうまく集合体を形成し、5日間にわたって維持できた。
また、3つの全細胞腫はうまく採取でき、クラスタを維持した。
図17A 基板の第2層6のサンドイッチ注型によりカプセル封入された3次元の集合体の透視図は、カプセル封入された3次元培養を可能にする1つの単一のz平面における集合体の局在化を組合わせる本願発明による技術の潜在力を示す。
図17B サンドイッチ注型の概念を証明する図である。
U底マイクロウェル3の第1層(開口径400μm、高さ400μm、ピッチ40μm)が作り上げられる。
PEGミクロビーズ(直径およそ200μm、G’ 10〜40kPa)は、細胞クラスタを模倣するための重力沈降によりマイクロウェルの当該の第1層において捕捉される。
PEGヒドロゲルの第2層は、PEGミクロビーズを完全にカプセル封入しつつ、3次元培養を形成するためのアレイの頂上に成型される。
図17C サンドイッチ成型法の共焦点の表示。
これは、高スループットの平面上の3次元培養を作り上げるための本願発明によるプラットフォームの潜在力を実証する。
ネットワーク5・6はマイクロウェル3の平面の下に置いたり、それと一列に整列してもよく、せずともよい。
U字型底マイクロウェル3(開口径270μm、高さ400μm、ピッチ40μm)の共焦点の画像。
マイクロウェルの底部は、典型的な蛋白質(ここではBSA)により機能化される。
複数の幾何学的形状を有するマイクロウェル3の概要を表す。
任意の形状(例えば、三角形・四角形・環状体および全くの不規則構造)は、先に検討した技術とともにU底マイクロウェルを作製するために使用できる。
これらは多重の応用に使用できる。とりわけ細胞機能上の培養基板の幾何学的配置の影響を評価するための強力なツールになり得る。
図20は、平面図ならびにA−AおよびB−Bに沿った断面図を図解する。
Si Bosch過程を用いると、所望の次元の平底マイクロウェル(ここでは円筒形)がシリコン基板の中にエッチングされる。
その後、希釈液体材料(例えば、ポジ型フォトレジストSU−8のようなポリマー)の正確な液量がインクジェット印刷を使用することによりこれらのウェル内に追加される。
他の沈着技術は、ロボット液体操作作業ステーションのような自動液体調合、ピペット操作のような手動調合、もしくは任意の他の沈着手法を含みうる。
蒸発した後、材料は蒸発メニスカスを形成し、U字型構造を形成するための球状底を形づくる(図5・図6参照)。
材料は最終的に凝固して、その後に最終的な基板(例えばヒドロゲル)のための成型パターンとして使用されるPDMS複製成形するためのパターンとして使用される。
この複製成型過程は、所望の最終的な基板(図7参照)の中におけるシリコン基板幾何学的配置の複製を実現する。
任意の種類のヒドロゲル(例えば、天然由来ヒドロゲルのみならず合成ヒドロゲル)、例えばPEG・アガロース・アルギン酸塩・ゼラチン・コラーゲン・マトリゲル、PDMS・SU−8等のようなポリマー、PMMA・PLA・PPA・PP・PE等のようなプラスチック、セラミック・金属・合金・鉱物・非金属鉱物およびガラス。
オースティン・スミス(ケンブリッジ大学)から提供されたOct4::GFPマウス胚性幹細胞(mESCs)は、白血病阻止因子(LIF)・ESCスクリーンされたウシ胎児血清(FBS、Gibco)(15%)媒体・非必須アミノ酸(NEAA)ナトリウムピルビン酸(10mM)・b−メルカプトエタノール(0.1mM)が追加されたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(以下ではES細胞媒体という(スミス1991年))において供給機なしで常時増殖した。
細胞をトリプシンから引き離す。
細胞腫特定媒体において所望の密度で(例えば各々、1マイクロウェルあたり500個の細胞については1mLあたり3×105個の細胞、1マイクロウェルあたり100個の細胞については1mLあたり6×104個の細胞、1マイクロウェルあたり1個の細胞については1mLあたり1000個の細胞)、細胞懸濁液を準備する。
U字型底マイクロウェルアレイは24個のウェルプレートのウェル底部に注型され、2mLの準備された細胞溶液がウェルに加えられる。
細胞は重力沈降により安定する。
細胞は5日間培養され、個々の媒体は毎日交換される。
サイズの異なるU底マイクロウェル3アレイ4(図8)は、PDMS・PEG・アガロース・ゼラチン・アルギン酸塩・マトリゲルを含む様々な細胞培養に適合した基板の中で注型される。
剛性を変えた基板中で再現可能性を試験するために、U底マイクロウェル3アレイ4はポリマー含有量(w/v)2.5%〜10%の範囲でPEG中に注型される(図9)。
最も低いPEG剛性キャスタブルは、2.5%PEGポリマー含有量(流動学により決定される)と等価な150Paに定まり、マイクロウェル3構造の構成はもはや完全には保証されない。
U底マイクロウェル3は、維持された構造(図10参照)によって実証された上述の材料中において効率的に再生できる。
ウェル3内における単細胞分布を最大化するために、より少ない数の低い細胞密度で置かれる。
PEG(RBM PEG)中の開口径400μmを有するU底マイクロウェルとAggreWell(商標)400(AW PDMS)の間に、24時間ごとに5日間の時間枠を超えて単細胞の増殖と生存能力を定量化する(図17D参照)。
培養された単一のOct4::eGFP ES細胞の生存率は、AW PDMSにおける48.36%±31.74%からRBW PEGにおける85.05%±8.51%へと著しく(p<0.0001)増加する(図17E参照)。
さらにRBM PEG上で培養された単細胞はAW PDMSと比較すると、増殖から5日後により大きく且つさらに単分散の集合体の数へと成長する(図17F〜図17G)。
播種から24時間後の集合体のサイズを、最新式のAggreWell(商標)400(図12E〜図12H)で発生したEBと、開口径400μmのU底マイクロウェル(図12A〜図12D)内で発生したEBの間で比較した。
U底マイクロウェルに反して、ピラミッド形状のAgreWell(商標)開孔は、ウェルの形状に適合した集合体に起因する型崩れしたEBを発生させることが看守された(図3、図4、A−C、黒矢印)。
また上澄み中に浮遊する細胞がより少ないことが論証されたように(図12L)、より高い播種密度(EBあたり2000個および3000個の細胞)ではAggreWell(商標「)に比較してU底マイクロウェルについてより強固な球状体を形成することが看取された(図12C〜図12D対図12G〜図12H)。
一般的にU底マイクロウェル内で形成されたEBは、偏心度(図12I)・形成因子・緻密性(図12I〜図12K)についてより良い兆候を示す。
これらの結果は、球状体の形成が一般的にU底マイクロウェルにおいて高められることを示している。
さらにAggreWell(商標)において収集され培養されたES細胞は、24時間に満たないうちにPDMS表面にしばしば付着し始めること(図12M、図12N)が観察された。
付着した集合体は端に沿って這うために、傾斜したピラミッド型のマイクロウェルのへりを利用する。
このことは集合体の統合ならびにより多くの分散した球状体の数の形成を導く。
5%(w/v)PEGヒドロゲル中のU底マイクロウェル3アレイ4は、Oct4:;eGFP遺伝子組換マウスES細胞を収集し培養するために用いられる。
初期の集合体のサイズは、細胞を播種する密度を調整することにより制御しうる。
EBあたり1個・100個・500個の細胞密度を、ターゲットにした。
播種から24時間後の集合体のサイズを測定して比較した(図13A〜図13C参照)。
1個の細胞、100個の細胞、500個の細胞は、直径が10〜40μm、90〜130μmおよび110〜170μmのEBを導いた。
PEG中における直径400μmのU底マイクロウェルとAggreWell(商標)400(AW PDMS)の間で、500個の細胞のEBの開始密度(図14D参照)から5日間以上経過した集合体の成長を定量化した。
成長率は、RBW PEGについて48時間後に著しく(p<0.0001)増加した(図14A)。
さらにマイクロウェルあたり500個のOct4::eGFP細胞の培養は、AW PDMSと比較して(図14C〜図14D)、RBW PEGの方がより大きく且つより単分散である最終的な集合体数を導く。
媒体は、古い媒体の全量を吸引するとともに培養プレートの側壁に丁寧なピペット操作を介して同量を交換することにより、連続する5日間の各々について24時間ごとにAW PDMSならびにRBW PEGの両方について交換した。
媒体交換後にアレイ表面全体を毎回写真撮影し、集合体の損失を定量化した。
集合体の損失は、AEPDMSおよびRBWPEGともに10%を下回っており良好だった(図14E参照)。
この手順ののち、集合体回復を定量化するためにアレイ全体を撮影した。
AW PDMSならびにRBW PEGの両方ともに、集合体は100%ちかく回復した(図14F)。
回復した集合体は、他の生物学的分析に使用できる。
流動細胞計測法によりRBW PEG上で5日間にわたって培養したEBから分離された細胞により、Oct4の発現を測定した。
99%の細胞は、培養した後もOct4の発現を保った(図14G)。
U底マイクロウェルアレイは、5%(w/v)のPEGヒドロゲル中で成形される。
様々な細胞腫の集合体は、所定の開始密度でこれらのマイクロウェルアレイ中に形成された。
C2C12、HEK293T、NIH 3T3線維芽細胞、NMuMGクローンE9および人間の間充織幹細胞は、24時間以内にU底マイクロウェル上に効率的にクラスタを形成する。
クラスタは安定しており、人間のMSCで論証したように(図15)、培養後においても効率的に採取できる。
120時間後にはマイクロウェル3アレイ4から安定的なクラスタすらも回収されるように(図16)、24時間以内に、細胞は緩やかに封入されたクラスタ(その後の培養中にさらに密集する)を形成する。
この形態において培養を保ったままにすることで細胞は、また外因性の脂肪生成の分化する要因(デキサメタゾン、IBMXおよびインシュリン)なしに3日以内に脂肪細胞へと効率的に分化する。
脂肪細胞クラスタは、この時点に合わせてマイクロウェルアレイから採取される(図16参照)。
U底マイクロウェルアレイは撮影品質ならびに時間消費を改善するため、細胞ならびに球状体の平面的な3次元カプセル封入用に使用できる。
概念の証明として、5%(w/v)のPEG−Alexa546 U底マイクロウェルアレイを形成した。
重合した後、200μm 10%のPEG−Alexa488ビーズは、マイクロウェルアレイの上部に分配されるとともに開孔の中に置いたまま放置される。
ビーズで充たしたアレイはその後に5%(w/v)のPEG−Alexa647の第2層により密封され、3次元PEG環境における単焦点平面内のビーズを完全にカプセル封入する(図17参照)。
新しい培養プレートを移すことなく形成後の細胞球状体を局所的かつ一時的な生化学的操作を実現することを目的として、24時間以内に所望の分子の拡散を確保するために近接(距離およそ500μm未満)したマイクロウェル3平面下でのミクロ成形により微小流体チャネルを発生させる。
原理の証明として、FITCで標識化された高分子重量(2000kDa)デキストランはU底マイクロウェルアレイ下方のチャネルを通じて灌流する。
同デキストランはヒドロゲルネットワークを介しては灌流できず、微小流体チャネルの内部だけを効率的に且つ選択的に区別される(図18参照)。
U底マイクロウェル3は、以前に開示された手法(コベル等2012年)により異なる蛋白質を用いて機能化しうる。
つまり蛋白質の薄膜は、PDMS表面上の蛋白質の吸収を実現するために、PDMSスタンプが置かれる親水性のスライドガラス上に形成される。
その後におけるPEGの成形処置の間に、蛋白質は、静的相互作用ないしは共有結合形成のどちらか一方を介してヒドロゲル網状組織の中に組入れられるヒドロゲル表面へと移される。
原理の証明として、5%(w/v)のPEG−Alexa488ヒドロゲルを機能化するために、本願発明者らはBSAを標識化するAlexa647を使用した(図19参照)。
本願の技術によれば、どんな形のU底マイクロウェル3も特定の応用に対して作り上げることができる(図20参照)。
細胞ないしは細胞集合体の機能は、それらの培養基板の幾何学的配置によって強い影響を受けることが実際に示された。
したがって本願のマイクロウェル3アレイ4は、どの機能が幾何学的配置と関連しているかを解き明かす高度な潜在的能力を有している。
また、ここで記載された実施形態は事情に応じて任意に組合せればよい。
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Claims (23)
- 少なくとも1つの開孔(2)を具備してなる細胞を収集するための装置(1)であって、
同開孔は少なくとも1つの細胞を受取るための複数のマイクロウェル(3)を備え、
前記マイクロウェルはそれぞれ垂直な側壁と曲底部を有している。
- 前記装置は複数の開孔(2)を具備し、
同開孔(2)はそれぞれ複数のマイクロウェル(3)を備える、
請求項1に記載の装置。
- 開口径(d)、高さ(h)ならびにマイクロウェル間の距離(ピッチp)が対になっておらず互いに独立して変更が可能である、
請求項1乃至2のいずれか1項に記載の装置。
- 前記マイクロウェル(3)は1μm乃至3mmの開口径(d)を有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
- 前記マイクロウェル(3)は1μm乃至3mmの高さ(h)を有する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
- マイクロウェル(3)は異なるサイズないしは異なる形状の開孔を有する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
- マイクロウェルの領域内に落下する細胞がマイクロウェル(3)内へと落ちて集合体の形成に関与するよう、マイクロウェル(3)間の間隔(ピッチサイズ)が最小となっている、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
- マイクロウェル同士の間隔が1μm乃至100μmの範囲内にある、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
- チャネル(5、6)を有する微小流体ネットワークを備える、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
- チャネルのネットワークがマイクロウェル(3)の平面よりも低いところにある、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
- チャネル(5、6)のネットワークがマイクロウェル(3)と一直線に整列されている、
請求項9または10に記載の装置。
- チャネルのネットワーク(5、6)とマイクロウェル(3)底部の間の距離が500μm未満である、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の装置。
- 前記マイクロウェル(3)がヒドロゲル層において作製された、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ヒドロゲル層は、合成親水性ポリマ、ないしは天然由来成分、または合成ポリマと天然由来成分の混成物を基にするものである、
請求項13に記載の装置。
- 前記合成親水性ポリマは、
ポリ(エチレングリコール)、脂肪族多価ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリエチレン共重合体、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンオキシド)、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、もしくは、これらの混合物からなるグループから選択される、
請求項1乃至14に記載の装置。
- 前記ヒドロゲルは、化学反応を用いる少なくとも2つの前駆体コンポーネントの混合と架橋により調合されるものであり、
第1の前駆体コンポーネントはn個の求核性の官能基を有するとともに第2の前駆体コンポーネントはm個の求電子性の官能基を有しており、nならびにmは少なくとも2であり且つ「n+m」の合計が少なくとも5であって、
さらに架橋は、
多腕PEGマクロマー(好ましくは4腕PEGマクロマーであって、求核性の官能基(好ましくはチオール基)を終端に持つもの)と、
多腕PEGマクロマー(好ましくは8腕PEGマクロマーであって、求電子性の官能基(好ましくは0.1乃至100kPaの剛性率を示すようにヒドロゲル層と架橋する適度な濃度と条件のビニルスルホン基)を終端に持つもの)と、により行われることが好ましい、
請求項15に記載の装置。
- 前記ヒドロゲルは、
自由な官能基(好ましくは求核性の基、さらに好ましくはアミンとチオールを有するグループから選択されたもの)、
ならびに、追加的または代替的に求電子性の基(好ましくは、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アシルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、キノン、ビニルスルホン、マレイミド、および、それらの由来物、を有する基から選択されたもの)
の過剰分を有する、
請求項13乃至16のいずれか1項に記載の装置。
- 前記マイクロウェルは1つ又はそれ以上の生体分子とともに機能化される、
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の装置。
- 前記生体分子が、蛋白質類、オリゴペプチド類、オリゴヌクレオチド類、もしくは糖類である、
請求項18に記載の装置。
- 前記蛋白質類ないしはペプチド類は、
ECM由来もしくはECM模倣のものであって、かつヘテロ二機能性リンカーを使用することにより求核性もしくは求電子性の基(好ましくはPEGを基礎とする層のチオール基)に結合されたものであり、
同リンカーの1つの官能基は、ポリマー鎖の終端に結合された官能基に反応し、
同リンカーの他の官能基は、サクシニミジル活性エステル(N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、スクシンイミジル α−メチルブタノエート、スクシンイミジル プロピオン酸塩、アルデヒド、チオール、アクリル酸塩・マレイミドないしはビニルスルホンを有するチオール選択基、ピリジルチオエステルおよびピリジルジスルフィド)を有するグループから選択されたものであり、アミン基を介して所望の生体分子を非特異的に係留することができる、
請求項19に記載の装置。
- 前記生体分子は、親和力によってヒドロゲル表面に係留されようにタグ付けされる、
請求項18乃至20のいずれか1項に記載の装置。
- 前記タグ付けされた生体分子は、
プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、NTA、抗体、リボヌクレアーゼA(RNaseA)のSフラグメント、カルモデュリン、セルロース、キチン質、グルタチオン、アミロース、またはヒドロゲル組織の官能基と反応可能である求核性もしくは求電子性の官能基を有する機能化されたオリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチド、を備えるグループから選択されたターゲットと結合可能なタグを有している、
請求項21に記載の装置。
- 前記天然由来成分は、
多糖類、ゼラチン様蛋白質、および、ECMコンポーネント(アガロース、アルギン酸塩、キトサン、デキストラン、ゼラチン、ラミニン、コラーゲン、ヒアルロン酸、フィブリン、もしくは、これらの混合物)を有するグループから選択されるか、
もしくは、マトリゲル、ミョーゲル(Myogel)およびカルチゲル(Cartigel)を有する複組織由来のマトリックスのグループから選択される、
請求項14に記載の装置。
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