JP2018503065A - 調整可能な生体模倣特性を備えた薬物透過性評価アセンブリ - Google Patents

調整可能な生体模倣特性を備えた薬物透過性評価アセンブリ Download PDF

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Abstract

本発明は、1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するためのバリアアセンブリ(1)を提供する。本発明のバリアアセンブリ(1)は、化学物質又は化学物質を含む組成物を添加するためのドナーコンパートメント(2)とバリア(4)の透過に際して化学物質を受容するためのアクセプタコンパートメント(3)と、ドナーコンパートメント(2)及びアクセプタコンパートメント(3)を隔てるバリア(4)とを備えている。バリア(4)は、高分子支持体(5)と、高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)とを備えている。また本発明は、1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するためのバリア(4)及びその製造プロセスも提供する。更に本発明は、1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定する方法も提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、リン脂質類及び添加剤の混合物で被覆されたセルロース水和物薄膜等の生体模倣バリアに関する。より具体的には、本発明は、このような改質バリアを含む透過性アッセイに関する。
ハイスループットスクリーニング環境において、透過性等の物理化学特性を測定することは、薬学及び生物工学の研究開発においてリード最適化を図るために最も有望な生物活性分子を選択するのに際して、また農薬の研究開発において好適な分布特性を備えた活性化合物を特定するのに際して、重要な役割を果たす。
薬学研究において、薬剤として有用である可能性を秘めている新たな化学成分の研究は、探索、発見、及び開発の3段階で行われる。第1段階において、薬効標的が選択され、生物学的なスクリーニング評価法が開発される。大規模な製薬会社では、年間に、特定の薬効標的に対して100,000〜1,000,000個のライブラリ化合物が試験されることは珍しくない。生物活性について評価された分子のうち、約3,000〜10,000個が活性を有する(ヒット)。発見ステップの初期部分は、「リード」生成と称され、さらなる試験のため、これらのヒットの中で最も有望なサブセットが選択される。リードの選択では、水溶性、オクタノール−水分配係数、血漿安定性、ヒト血清蛋白結合、シトクロムP450阻害(酸化代謝)、肝ミクロソームアッセイ(一般的代謝)、及び膜透過性等の測定、ヒットの生物薬剤学的特性を考慮に入れる。これら種々の試験では、好ましくない生物薬剤学的なADME特性(吸収、分布、代謝、及び排泄)を有する多くの分子を除外する。
ADMEは、薬剤開発中止の唯一かつ最大の要因である。より少ない時間で高い中止率を下げることのできる方法があれは、失敗率を低下させることによって製薬業界は恩恵を受け、開発コストを低下させることによって製薬会社は恩恵を受け、よりよい薬剤を上市一助となることによって消費者は恩恵を受けるであろう。
新規化合物で見られる共通の問題の1つに、例えば、胃腸から血液循環に入る、又は細胞内部に入るといった、生物学的バリアを透過する能力についてである。この能力は、薬理作用が発現可能な部位に輸送される成分にとって重要かつ必須の条件であるため、ルーチン的に評価される。これらの実験に基づいて、生物学的バリアを透過する能力を有する新規化合物を開発するかについての判断がなされる。さらに、FDA(米国食品医薬品局)は、新薬開発段階における処方設計の程度を減らすことができ、且つ新薬申請の際に必要となる生物薬剤学分類体系[1]を承認している。この判断は、医薬品成分で実施された溶解性及び透過性の実験に基づくものである(「In Vitro Biowaiver」[2])。
従って、薬物透過性スクリーニングは、製薬業界におけるルーチン方法となっている。多くの大規模の製薬会社では、これらの実験を自社内で行うが、このような研究を専門とする多数の委託実験施設のうちの1つを使用する会社もある。
薬物透過性研究に用いられる標準的な細胞モデルは、細胞株がフィルタインサート支持体上で増殖されるマイクロウェルプレート形式に基づく。この種の最も一般的な細胞モデルは、Caco−2アッセイ[3]と称され、多くの場合、ヒトの腸からの薬剤吸収を予測するのに使用される。これらの細胞は、増殖して細胞の単一層のタイトバリアを作るが、その過程は約3週間を要し、その間、専門の細胞培養実験室において頻繁に世話をすることを必要とする。透過試験については、支持体上のこれらの細胞層を薬液に晒し、細胞層を通じた薬物分子のフラックスが測定される。この測定には、受動輸送及び能動輸送の双方が含まれる。自社内でこのような設備を有していない場合、多数の専門の実験施設がこのような実験の委託サービスを提供する。このような透過実験の結果は、多くの場合、大きなばらつきを示す。委託施設cryprotex[4]で公開された値から推定されるように、予測される最大の再現性度の推定値は、約50%である。一般的には、はるかに大きなばらつきが見られる。また、残念ながら、実験施設間の相互比較性は非常に乏しい傾向にある。
フランツ型拡散セル装置[5]もまた、幅広く使用され、上述の試験に必要とされる装置は、様々な設計で市販されている。この拡散セルは、2つのホウケイ酸ガラス製の隔室からなる拡散チャンバに基づく。
この実験のために、一般的には、生物組織は、動物を生かした状態で(能動輸送を含む)又は動物が死んだ状態で(受動輸送のみ)取り出され、2つのコンパートメント間に載置される。薬物分子のフラックスは、時間の経過とともに受け側のコンパートメントからサンプルを収集することによって測定される。このモデルの取扱いは労力を要し、不快であることもあり、そして得られる結果は、生物学的なばらつきによって偏りを生じる。
非細胞系モデルは、PAMPA(並行人工膜透過性アッセイ)及びPVPA(リン脂質小胞系透過性アッセイ)のモデルである。これらはともに、マルチウェルプレート形式に基づく。PAMPAモデルは、多くの場合、薬物スクリーニングに使用される。これは、いくつかのバリエーションでもっぱら市販されており、バリア及び溶媒の双方の機密組成が使用される。ハイスループットにおいて上述のモデルを十分に頑健にするために、細胞膜を模倣すべく、多孔質基体に親油相を含浸させる。一般的に、ウェルプレートは、脂質のドデカン有機溶液、脂質化合物としてヘキサデカン、又は特殊3層構造(脂質/油/脂質)等複合化合物などの有機溶液中に浸されたフィルタインサートを備える。PAMPAの他の構成及びモデルの方法は、実験の目的に応じて変更する。この実験においては、使用する膜は、提供された溶液に新たに浸される必要がある。
PVPAモデル(リン脂質小胞透過性アッセイ)もまた、脂質系モデルである。しかしながら、本モデルはタイトパッキング内に細胞に類似したリポソーム(リン脂質2重層の閉塞小胞)を含む。この機構は、生理学的特性にとても類似するものと考えられ、PAMPAモデルよりも優れ、且つ、CaCo2−細胞アッセイ(受動輸送のみ)と同等に、良好な再現性(n=3で標準偏差約10%であり、最大値が25%[6])をもって、ヒト経口吸収における受動輸送を予測することが示されている。
この方法は、中程度のスループットに対しては自動化が可能である。しかしながら、これらの膜は、労力を要する手順によって調製する必要があり、その労力は相当なものである。要するに、特定サイズのリポソーム分散液は、押出によって調製され、遠心分離によってフィルタ支持体上に付着される。リポソームは、最少のものから開始して、連続ステップで添加される。リポソームの融合によって膜を密着させるために、凍結融解が繰り返し行われる。この正確な手順については公開されている[6]。このモデルは、様々な研究グループで使用されているが、工業的に一般的に使用されるものでない。最近では、他の生物学的バリア、例えば皮膚を模倣するために、他の脂質組成物及び溶媒を使用することで改良されている[7]。
PAMPAは、長期間保管可能な完全なキットとして様々な改良型が市販されており、すぐに使用可能なものである。しかしながら、PAMPAバリアは、非生理学的な油相への分配係数よりも、in vivoにおける透過特性の近似に劣る。このバリアは、いくつかの添加剤に対して限定的な抵抗性を示す。PAMPAの装置は、マイクロタイタープレートの形式のみである。このキットは、非常に高価となる。PVPAは、機序の視点から、生理的脂質からなる透過層と同様の原理に基づく。しかしながら、この実験を行うには、かなりの労力を要する。これは、PVPAバリアの調製手順に時間がかかることと、それらの長期安定性に欠けること(凍結可能であり、2週間以内には使用しなければならない)とに関連する。PVPAバリアは、市販されていない。実験中においては、機械的な理由により、PVPAバリアを長時間使用することができず、これらは多くの添加剤に対応していない。
組織を使用したフランツ型拡散セルモデルは、組織(新鮮又は凍結)の規格を統一する必要がある。故に、組織サンプルの出所による内在的変動性がある。組織の確保も、もう一つの深刻な制約となる。細胞系アッセイは、長期にわたり(数週間)、特殊実験室施設で増殖される必要がある。これらは、能動輸送を評価できるが、受動輸送は常に存在しており、別途評価される必要がある。細胞系アッセイは、再現性に欠ける;実験室間のばらつきが非常に大きいため、同一の細胞株が使用される場合であっても、データを比較すべきでない。細胞の感受性に起因して、高濃度の製剤及び種々の添加剤とともに使用することはできない。
Cortiら[8]は、PAMPA法と類似した、薬剤の人工膜への透過性を予測するアッセイの開発について記載している。このアッセイに使用される装置は、i)化学物質を含む組成物を添加するためのドナーコンパートメントと、ii)前記支持体上でリン脂質類(<2%)、コレステロール及び主に溶媒としてオクタノール(96%)の混合物に含浸された多孔質支持体リン脂質を備えるバリアと、iii)バリア透過後の化学物質を受容するアクセプタコンパートメントとを備えるザルトリウス吸収シミュレータモデルである。
特許文献1は、PAMPAアッセイにおいて使用する改良リン脂質膜を開示している。例えば、ポリカーボネートからなる多孔質支持体には、例えば、ヘキサデカン等の不揮発性支持体液を最初に塗布する。揮発性溶媒中のリン脂質溶液が多孔質支持体の表面に塗布され、溶媒が蒸発して、多孔質支持体上に脂質層を残す。支持体液の量は、最少化されることが好ましく(段落[0020])、使用量に応じて、リン脂質層は、多孔質支持体の上方、多孔質支持体上、又は支持体の細孔内に形成されてもよい。さらに特許文献1は、PAMPAアッセイにおけるリン脂質類の使用についても説明しており、ドナーコンパートメントが支持体に接着するリン脂質層を備えた前記多孔質支持体を備えるバリアによってアクセプタコンパートメントと隔てられている複合的な装置として説明している。
以上の課題は、薬物透過性研究のための新規の生体模倣人工バリアに関する本発明によって解決される。このバリアは、費用対効果が高く、容易に使用でき、他のすべての利用可能なモデルと比較してはるかに高い耐薬品性を有する。本発明のバリアは、フランツ型拡散セルに適用可能であり、薬物の透過係数を測定することができる。さらに、それらの機能の点で、親水性物質に対するバリアの強固さ、プロトン透過(pH変化)に対するバリアの抵抗性、及び保存可能期間の安定性といった機能性の点から、適用可能性が非常に高い。
欧州特許出願公開第1779921号明細書
本発明は、例えば界面活性剤及び共溶媒が存在する時の、従来技術のバリアに関する問題の解決も図るものである。従って、本発明の目的は、バリアの完全性と、引いてはその透過性に影響を与えることなく、界面活性剤及び共溶媒に耐え得るバリアを提供することにある。
本発明は、脂質で被覆されたバリアの使用に関する。
〔バリアアセンブリ〕
本発明の一態様において、本発明は、化学物質の透過性を予測するバリアアセンブリ(又はアッセイ)であって、
・前記化学物質を含む組成物を添加するためのドナーコンパートメントと、
・高分子支持体及び該高分子支持体の表面に接着するリン脂質層に基づくバリアと、
・前記バリアの透過に際して前記化学物質を受容するためのアクセプタコンパートメントとを備え、
前記バリアは、前記ドナーコンパートメント及び前記アクセプタコンパートメントを隔てており、前記支持体はリン脂質層を介在させる2〜4個の支持体シートを備える、バリアアセンブリを提供するものである。前記高分子支持体は、多孔質であってもよく、非多孔質であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、化学物質の透過性を予測するバリアアセンブリであって、
・化学物質を含む組成物を添加するためのドナーコンパートメントと、
・高分子支持体及び該高分子支持体の表面に接着するリン脂質層に基づくバリアと、
・バリアの透過に際して前記化学物質を受容するためのアクセプタコンパートメントとを備え、
前記バリアは、前記ドナーコンパートメント及び前記アクセプタコンパートメントを隔てており、前記支持体は、リン脂質層を介在させる2〜4個の支持体シートを備え、シートの厚さは、0.1〜300ミクロンの範囲であり、1〜150ミクロンの範囲であることが好ましく、リン脂質層の厚さは、0.1〜300ミクロンの範囲であり、1〜150ミクロンの範囲であることが好ましいバリアアセンブリに関する。
他の態様において、本発明は、1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するためのバリアアセンブリ(1)であって、
−前記化学物質又は該化学物質を含む組成物を添加するためのドナーコンパートメント(2)と、
−バリア(4)の透過に際して前記化学物質を受容するためのアクセプタコンパートメント(3)と、
−前記ドナーコンパートメント(2)及び前記アクセプタコンパートメント(3)を隔てるバリア(4)とを備え、
前記バリア(4)は、高分子支持体(5)と、該高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、該リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)とを備えるバリアアセンブリ(1)に関する。
本明細書において、本発明のバリアアセンブリは、胃腸関門といった通常の(ヒト)バリアを模倣するものであるため、「透過性を判定する」という用語は、「透過性を予測する」として理解されるであろう。
図4は、本発明に係るバリアを構築する方法を示す例であり、図3は、本発明に係るバリアアセンブリを構築する方法を示す。
本発明のバリアは、種々の生物学的バリアに模倣するように構築可能である。生物学的バリアの1つの特徴に、その空間的寸法がある。本発明においては、種々の脂質組成からなる異なる組織における細胞層といった種々の生物学的バリアを模倣するために、本発明のバリアの厚さは変更可能である。
一実施形態において、高分子支持体(5)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、1〜150μmの範囲であることが好ましく、2〜50μmの範囲であることがより好ましい。さらに他の実施形態において、リン脂質層(6)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、0.5〜150μmの範囲であることが好ましく、1〜20μm又は4〜15μmの範囲であることがより好ましい。
他の実施形態において、リン脂質層は、高分子支持体(5)の表面上に、0.1〜5mg/cm、0.2〜3mg/cm、又は0.4〜1mg/cm等、0.05〜10mg/cmの分量で存在する。従って、リン脂質層は高分子支持体の上部に層を形成することがわかる。
高分子支持体は、異なる材料を含む(又は、異なる材料からなる)。従って、一実施形態において、高分子支持体(5)は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン類、又はポリカーボネートを含み、セルロース水和物を含むことが好ましい。様々な材料は、発明者グループによって試験されている。高分子支持体は、透過性の高い材料から選択されることにより、透過性が主にリン脂質層の影響を受けるようにすることが好ましい。実施例の節では、セルロース水和物を非限定的な一例として含んでいる。
高分子支持体は、他のバリアシステムと比較すると非常に小さい細孔を有する。従って、一実施形態において、高分子支持体(5)は、直径5nm未満、直径2nm未満等、直径10nm未満の細孔を備える。さらに他の実施形態において、高分子支持体における細孔の直径は、0.1nm〜5nm等、0.05nm〜10nmの範囲である。いかなる理論にも拘束されるものではないが、この小さな細孔サイズを有することにより、支持体層内の脂質ネットワークではなく、支持体上部への脂質層の形成を可能にすると考えられる。
リン脂質層は、異なるリン脂質類及び他の脂質類によって形成されてもよい。従って、一実施形態において、リン脂質層(6)は、グリセロホスホコリン類、グリセロホスホエタノールアミン類、グリセロホスホセリン類、グリセロホスホグリセロール類、グリセロホスホグリセロリン酸類、グリセロホスホイノシトール類、グリセロホスホイノシトールモノリン酸類、グリセロホスホイノシトールビスリン酸類、グリセロホスホイノシトールトリスリン酸類、グリセロリン酸類、グリセロピロリン酸類、グリセロホスホグリセロホスホグリセロール類(カルジオリピン類)、CDP−グリセロール類、グリセロホスホグルコース脂質類、グリセロホスホイノシトールグリカン類、グリセロホスホノコリン類、グリセロホスホノエタノールアミン類、ジ−グリセロールテトラエーテルリン脂質類(カルダルカエオール類)、グリセロール−ノニトールテトラエーテルリン脂質類、及び/又は酸化グリセロリン脂質類等のグリセロリン脂質類を含む。他の実施形態において、リン脂質層(6)は、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類、トリアシルグリセロール類、及びその他のグリセロ脂質類、スフィンゴイド塩基類、セラミド類、ホスホスフィンゴ脂質類、ホスホノスフィンゴ脂質類、中性スフィンゴ糖脂質類、酸性スフィンゴ糖脂質類、塩基性スフィンゴ糖脂質類、両性スフィンゴ糖脂質類、アルセノスフィンゴ脂類、及びその他のスフィンゴ脂質、コレステロールを含むステロール類等のステロール脂質、ステロイド類、ビタミンD、ステロイド抱合体の誘導体、ワックスエステル類、脂肪酸類、トリグリセリド類、スクアレン、トコフェロール、オリゴペプチド類、胆汁酸類及びその誘導体等のセコステロイド類、ホパン、及びホパノイド類を含む。脂質組成は、本発明のバリアが模倣すべきバリアの種別によって適宜調節してもよい。好適な実施形態においては、脂質は、卵黄レシチン及び/又はホスファチジルコリンである。
他の実施形態において、リン脂質層(6)は、さらに、ヒアルロン酸、炭水化物類、蛋白質類、及びそれらの誘導体等の添加剤を含む。さらなる実施形態において、添加剤は、界面活性剤、胆汁酸塩類、シクロデキストリン類、親油性ポリマー及び親水性ポリマーからなる群より選択される。さらに他の実施形態において、リン脂質層(6)は、10%(w/w)未満、好ましくは5%(w/w)未満等、15%(w/w)未満の有機溶媒を含有することが好ましい。
より具体的な実施形態において、高分子支持体(5)は、セルロース水和物を含み、リン脂質層(6)は、ホスファチジルコリンを含む。
本発明者らは、驚くことに、リン脂質層の上部に被覆層を追加することにより、本発明のバリアが界面活性剤及び溶媒に対して抵抗性を有する(その完全性を保持する)ことを発見した。換言すると、高分子支持体及び被覆層の間にリン脂質層が存在する。化合物を生体模倣液内に添加する場合、このような抵抗性は重要である。被覆層は、支持体層と同一であってもよく、又は異なってもよい。一実施形態において、被覆層(7)は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン類、又はポリカーボネートからなる群より選択され、セルロース水和物であることが好ましい。被覆層の材料は、生物学的バリアの化学的相互作用及び機械的安定性の観点から機能特性を反映するように選択されてもよい。さらに、被覆層の材料は、粘液又は上皮等、特定組織の生体模倣機能を模倣するために選択されてもよい。
一実施形態において、被覆層は、バリアアセンブリのドナーコンパートメントに面するよう配される。他の実施形態において、被覆層は、バリアアセンブリのアクセプタコンパートメントに面するように配される。被覆層が高分子支持体層と同一である場合、この方向は問題とならない。
以上に述べた通り、バリアが界面活性剤及び溶媒に対して抵抗性を有することが重要である。従って、一実施形態において、バリア(4)は、Polysorbat80又は60といったポリソルベート等の非イオン性界面活性剤、Cremophor及びTriton−X等の非イオン性可溶化剤及び界面活性剤、タウロコール酸塩、コール酸、リトコール酸、及びケノデオキシコール酸等の胆汁酸塩類、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のアニオン性界面活性剤、及び塩化セチルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤からなる群より選択されるもの等の界面活性剤の存在下において、その完全性を保持している。実施例3では、異なる界面活性剤及び溶媒に対する抵抗性を示している。
さらに他の実施形態において、バリア(4)は、
−3%以下又は1%以下等、5%(M/M)以下のTriton−X、及び/又は、
−7%以下又は5%以下等、10%以下のSDS、及び/又は、
−12%以下又は10%以下等、15%以下のDMSO、及び/又は、
−5%以下等、10%以下のPolysorbat60又は80、及び/又は、
−5%以下等、10%以下のポリエトキシ化ひまし油、及び/又は、
−7%以下又は4%以下等、10%以下のエタノール
の濃度でその完全性を保持する。
本発明のバリアは、より高い界面活性剤及び/又は溶媒濃度でもその完全性を保持していることが理解されるだろう。
バリアは、生体模倣媒体(BMM)に対する抵抗性も有する。従って、一実施形態において、バリア(4)は、FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF、又はFeSSIF−5 V2等、生体模倣媒体(BMM)の溶液中でその完全性を保持する。実施例4及び5では、本発明に係るバリアアセンブリの完全性を、様々な生体模倣媒体(BMM)の溶液中で評価している。
本発明のバリアは、異なるpHでも安定(抵抗性)でなければならない。従って、一実施形態において、バリアは、2〜9、4〜9、又は5〜8等、1〜9のpH範囲でその完全性を保持する。図8には、本発明に係るバリアのpH安定性を示す。
本明細書において、「に対する抵抗性」及び「その完全性を保持する」という用語は、PBS緩衝液と比較した時、試験化合物に対して、本発明のバリアの透過性がほぼ変化しないものであると理解される(実施例3の表1参照のこと)。ほぼ変化しないとは、試験化合物の透過性が、PBSにおける試験と比較した時、4倍以下、3倍以下、2倍以下等、5倍を超えて増加しないこととして理解されてもよい。このような透過性は、表1の数字に示されるように判定されてもよい。
図4に示される通り、本発明のバリアは、高分子支持体(5)及びリン脂質層(6)の複数の交互層と、被覆層(7)とを備えてもよいと考えられる。本明細書において、「交互層」という用語は、第1高分子支持体に第1リン脂質層が続き、第1リン脂質層に第2高分子支持体が続き、第2高分子支持体に第2リン脂質層が続くなどを意味する。従って、さらに他の実施形態において、本発明のバリア(4)は、高分子支持体(5)及びリン脂質(6)の3つ以上の交互層と被覆層(7)(で仕上げる)や、高分子支持体(5)とリン脂質(6)の1〜5個の交互層と被覆層(7)(で仕上げる)や、高分子支持体(5)とリン脂質(6)の2〜4個、又は2〜3個等、1〜4個の交互層と被覆層(7)(で仕上げる)等、高分子支持体(5)とリン脂質層(6)の2つ以上の交互層と、被覆層(7)とを備える。上述の通り、被覆層は、高分子支持体(5)と同一であってもよい。
一実施形態において、ドナーコンパートメント(2)若しくはアクセプタコンパートメント(3)、又は双方のコンパートメント(2及び3)には、
−Polysorbat80又は60等のポリソルベート、タウロコール酸塩、コール酸、リトコール酸、及びケノデオキシコール酸等の胆汁酸塩、及び/又は、
−Cremophor及びTriton−X等の非イオン性可溶化剤及び界面活性剤、及び/又は、
−ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のアニオン性界面活性剤、及び/又は、
−カチオン性界面活性剤、及び/又は、
FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF、又はFeSSIF−5 V2等の生体模倣媒体(BMM)、及び/又は、
−1種以上の有機溶媒、
を含む液体組成物が添加される。上述の通り、本発明のバリアは、このような組成物に対して抵抗性を有する。
さらなる実施形態において、ドナーコンパートメント(2)には、ドナーコンパートメント(2)内への化学物質及び溶媒を添加可能な開口添加口が設けられ、アクセプタチャンバ(3)には、サンプリング口が設けられている。
本発明のバリアアセンブリは、測定装置に容易に挿入可能であればより好都合である。従って、一実施形態において、バリアアセンブリ(1)は、UV/VIS分光光度計、質量分析計、NMR分光計、又は蛍光光度計等の化学分析機器の測定セルに収まるように適合される。
上述の通り、本発明のバリアは、異なる(ヒト)生物学的バリアを模倣してもよい。従って、一実施形態において、生物学的バリアは、(ヒト)胃腸関門、(ヒト)血液脳関門(BBB)、鼻内、口腔、真皮、直腸、膣、眼、肺、皮膚、角膜、又は膀胱関門からなる群より選択される。
本発明に係るアセンブリにおいて試験可能な化学物質又は組成物の種別は、多種多様である。従って、さらなる実施形態において、1種以上の化学物質は、医薬品成分、医薬品候補化合物、処方薬、製剤、薬物、食物/飼料原料、及び食物/飼料組成物、(環境)毒素又は細菌毒素等のその他の化学物質からなる群より選択される。
本発明者らは、本発明のバリアアセンブリの機能は、特に、プロトンの存在に影響を受けず(pH変化、図6を参照のこと)、機能性の点において長期間安定して保存できることを見出した。バリアアセンブリは、迅速で、費用対効果が高く、薬物及び化学成分の受動透過性を確実にスクリーニング可能なツールを構成する。さらに、本発明のバリアは、該バリアの完全性と、引いては化学物質に対するその透過性に影響を与えることなく、異なる界面活性剤及び共溶媒に耐え得る。
本発明に使用される支持体は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン類、若しくはポリカーボネート、又はそれらの複合体の1つ以上のシートを備えていてもよい。
本発明の好適な実施形態において、リン脂質層は、グリセロホスホコリン類、グリセロホスホエタノールアミン類、グリセロホスホセリン類、グリセロホスホグリセロール類、グリセロホスホグリセロリン酸類、グリセロホスホイノシトール類、グリセロホスホイノシトールモノリン酸類、グリセロホスホイノシトールビスリン酸類、グリセロホスホイノシトールトリスリン酸類、グリセロリン酸類、グリセロピロリン酸類、グリセロホスホグリセロホスホグリセロール類(カルジオリピン類)、CDP−グリセロール類、グリセロホスホグルコース脂質類、グリセロホスホイノシトールグリカン類、グリセロホスホノコリン類、グリセロホスホノエタノールアミン類、ジ−グリセロールテトラエーテルリン脂質類(カルダルカエオール類)、グリセロール−ノニトールテトラエーテルリン脂質類、及び/又は酸化グリセロリン脂質類等のグリセロリン脂質類を含む。
特に好適な実施形態において、支持体は、リン脂質層を介在させる2〜4個の支持体シートを備える。
本発明のバリアアセンブリは、分光光度計等の化学分析機器の測定セルに収まるように適合されてもよい。
一実施形態において、ドナーコンパートメントには、ドナーコンパートメントにドナーコンパートメント内への化学物質及び溶媒を添加可能な、開口添加口がドナーコンパートメントに設けられている。
リン脂質層は、さらに、グリセロ脂質類(モノラジルグリセロール類、ジラジルグリセロール類、トリアシルグリセロール類、及びその他等)、スフィンゴ脂質(スフィンゴイド塩基類、セラミド類、ホスホスフィンゴ脂質類、ホスホノスフィンゴ脂質類、中性スフィンゴ糖脂質類、酸性スフィンゴ糖脂質類、塩基性スフィンゴ糖脂質類、両性スフィンゴ糖脂質類、アルセノスフィンゴ脂類、及びその他等)、ステロール脂質(ステロール類等(例えば、コレステロール))、ステロイド類、ビタミンD、ステロイド抱合体の誘導体、ワックスエステル類、脂肪酸類、トリグリセリド類、スクアレン、トコフェロール、オリゴペプチド類、胆汁酸類及びその誘導体等のセコステロイド類、ホパン、及びホパノイド類を含んでいてもよい。
リン脂質層は、さらに、ヒアルロン酸、炭水化物類、蛋白質類、及びそれらの誘導体(例えば、グリコシル化蛋白質)等の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤は、界面活性剤、胆汁酸塩類、シクロデキストリン類、親油性ポリマー及び親水性ポリマーからなる群より選択されることが好ましい。
〔バリア〕
さらなる態様において、本発明は、1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するためのバリア(4)であって、高分子支持体(5)と、高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)を備えるバリア(4)に関連する。
本発明に係るバリアの概略図を図4A及び図4Bに示す。
バリアアセンブリとの関連でバリアについて開示された実施形態も、それ自体で、バリアに関連の態様と組み合わせ可能であることが理解されるべきである。本発明のすべての態様についても同じであることが理解されるべきである。
〔バリアアセンブリの使用〕
本発明に係るバリアアセンブリ及びバリアは、様々な方法で使用されてもよい。従って、本発明の他の態様は、1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するための、本発明に係るバリアアセンブリ(1)又は本発明に係るバリア(4)の使用に関する。
一実施形態において、前記1種以上の化学物質は、BMM溶液中に添加される。さらなる実施形態において、生物学的バリアは、(ヒト)胃腸関門、(ヒト)血液脳関門(BBB)、鼻内、口腔、真皮、直腸、膣、眼、肺、皮膚、角膜、又は膀胱関門からなる群より選択される。
〔使用方法〕
さらに他の態様において、本発明は、1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定する方法であって、
−本発明に係るバリアアセンブリ(1)を提供することと、
−化学物質又は化学物質を含む組成物をバリアアセンブリ(1)のドナーコンパートメント(2)に添加することと、
−アクセプタコンパートメント(3)に透過する化学物質の量を測定することと、を備える方法に関する。
一実施形態において、この方法は、さらに、化学物質の透過性を判定する方法を備える。
さらなる実施形態において、ドナーコンパートメント(2)には、
−Polysorbat80又は60等のポリソルベート、タウロコール酸塩、コール酸、リトコール酸、及びケノデオキシコール酸等の胆汁酸塩、及び/又は、
−Cremophor及びTriton−X等の非イオン性可溶化剤及び界面活性剤、及び/又は、
−ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のアニオン性洗浄剤、及び/又は、
カチオン性洗浄剤、及び/又は、
−FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF、又はFeSSIF−5 V2等の生体模倣媒体(BMM)、及び/又は、
−1種以上の有機溶媒
を含む液体組成物が添加される。
〔バリア製造プロセス〕
本発明は、また、高分子支持体及び高分子支持体に接着するリン脂質層に基づくバリアの製造プロセスであって、
1)任意に、リン脂質成分と、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、クロロホルム、アセトン、t−ブタノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トリクロロエタン、トリクロロエテン、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物等の揮発性溶媒とを混合するステップと、
2)リン脂質層を構築するために、支持体の表面上にリン脂質成分を付与するステップであって、支持体は、リン脂質層を介在させる2〜4個の支持体シートを備えるステップと、
3)リン脂質成分を乾燥するステップとを備えるプロセスを提供する。シートの厚さは、0.1〜300ミクロンの範囲であり、1〜150ミクロンの範囲であることが好ましく、リン脂質層の厚さは、0.1〜300ミクロンの範囲であり、1〜150ミクロンの範囲であることが好ましい。
さらなる態様において、本発明は、高分子支持体(5)と、高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)とを備えたバリア(4)の製造プロセスであって、
1)任意で、リン脂質成分と、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、クロロホルム、アセトン、t−ブタノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トリクロロエタン、トリクロロエテン、テトラヒドロフラン等の揮発性溶媒とを混合するステップと、
2)第1高分子支持体に接着する第1リン脂質層を構築するために、第1高分子支持体の表面上にリン脂質成分を付与するステップと、
3)リン脂質成分を乾燥するステップと、
4)任意で、交互リン脂質組成の1つ以上の交互2次層を添加するために、ステップ2)及び3)を繰り返すステップと、
5)任意で、高分子支持体及びリン脂質の2つ以上の交互2次層を第1リン脂質層に添加するために、ステップ1)〜3)を繰り返すステップと、
6)第1リン脂質層又は2次リン脂質層の上部に被覆層を付与するステップとを備えるプロセスに関する。
一実施形態において、高分子支持体(5)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、1〜150μmの範囲であることが好ましく、2〜50μmの範囲であることがより好ましい。さらに他の実施形態において、リン脂質層(6)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、0.5〜150μmの範囲であることが好ましく、1〜20μmの範囲であることがより好ましい。
他の実施形態において、リン脂質層(6)は、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類、トリアシルグリセロール類、及びその他のグリセロ脂質類、スフィンゴイド塩基類、セラミド類、ホスホスフィンゴ脂質類、ホスホノスフィンゴ脂質類、中性スフィンゴ糖脂質類、酸性スフィンゴ糖脂質類、塩基性スフィンゴ糖脂質類、両性スフィンゴ糖脂質類、アルセノスフィンゴ脂類、及びその他のスフィンゴ脂質類、コレステロールを含むステロール類等のステロール脂質、ステロイド類、ビタミンD、ステロイド抱合体の誘導体、ワックスエステル類、脂肪酸類、トリグリセリド類、スクアレン、トコフェロール、オリゴペプチド類、胆汁酸類及びその誘導体等のセコステロイド類、ホパン、及びホパノイド類を含む。
さらに他の実施形態において、高分子支持体(5)は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン類、又はポリカーボネートを含む。
さらに他の実施形態において、リン脂質層(6)は、さらに、ヒアルロン酸、炭水化物類、蛋白質類、及びそれらの誘導体等の添加剤を含む。
一実施形態において、添加剤は、界面活性剤、胆汁酸塩、シクロデキストリン類、親油性ポリマー及び親水性ポリマーからなる群より選択される。
他の実施形態において、リン脂質層(6)は、噴霧、成形、キャスティング、又は固体積層により、高分子支持体(5)上に付与されたものである。
一実施形態において、シートの厚さは、0.1〜300ミクロンの範囲であり、1〜150ミクロンの範囲であることが好ましく、リン脂質層の厚さは、0.1〜300ミクロンの範囲であり、1〜150ミクロンの範囲であることが好ましい。
さらに他の実施形態において、リン脂質層は、モノラジルグリセロール類、ジラジルグリセロール類、トリアシルグリセロール類、及びその他のグリセロ脂質類、スフィンゴイド塩基類、セラミド類、ホスホスフィンゴ脂質類、ホスホノスフィンゴ脂質類、中性スフィンゴ糖脂質類、酸性スフィンゴ糖脂質類、塩基性スフィンゴ糖脂質類、両性スフィンゴ糖脂質類、アルセノスフィンゴ脂類、及びその他のスフィンゴ脂質、コレステロールを含むステロール類等のステロール脂質、ステロイド類、ビタミンD、ステロイド抱合体の誘導体、ワックスエステル類、脂肪酸類、トリグリセリド類、スクアレン、トコフェロール、オリゴペプチド類、胆汁酸類及びその誘導体等のセコステロイド類、ホパン、及びホパノイド類を含む。
さらに他の実施形態において、支持体は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン類、又はポリカーボネートを含む。
他の実施形態において、リン脂質層は、さらに、ヒアルロン酸、炭水化物類、蛋白質類、及びそれらの誘導体等の添加剤を含む。一実施形態において、添加剤は、界面活性剤、胆汁酸塩、シクロデキストリン類、親油性ポリマー及び親水性ポリマーからなる群より選択される。
さらなる実施形態において、リン脂質層は、噴霧、成形、キャスティング、又は固体積層により、支持体上に付与されたものである。
支持体に接着するリン脂質成分は、10%(w/w)未満、好ましくは5%(w/w)未満等、15%(w/w)未満の有機溶媒を含有することが好ましい。これにより、生体膜を模倣したより信頼性の高いフラックスが達成される。
さらに他の実施形態において、このプロセスは、さらに、
−化学物質又は該化学物質を含む組成物を添加するためのドナーコンパートメント(2)と、
−バリア(4)の透過に際して化学物質を受容するためのアクセプタコンパートメント(3)とを備えるバリアアセンブリ内にバリアを組み込むことを備え、
組み込まれたバリア(4)は、ドナーコンパートメント(2)及びアクセプタコンパートメント(3)を隔てているものである。本発明のバリアアセンブリは、1種以上の化学物質の(ヒト)胃腸関門への透過性を予測するためのものであってもよいことが理解される。
総括すると、本発明の生体模倣バリアは、1%のTriton−Xなど、かなり高い濃度のポリソルベート80、DMSOを含んだ多岐にわたる界面活性剤/共溶媒に対応している。また本発明のバリアは、FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF、及びFeSSIF−V2等、種々の生体模倣媒体に対応できる。従って、本発明者らは、迅速かつ確実な薬物の受動透過性の予測を提供する。
〔プロセスによって取得される/取得可能であるバリア〕
本発明のさらなる態様は、本発明に係るプロセスによって取得可能である/取得されるバリアに関する。
他の態様において、本発明は、本発明に係るプロセスによって取得可能な、支持体と支持体に接着するリン脂質層とに基づくバリアに関する。
一態様は、本発明に係るバリアアセンブリ(1)に関し、バリア(4)は、本発明に係るプロセスによって取得可能である/取得される。
他の態様は、本発明に係るプロセスによって取得可能である、高分子支持体(5)と、高分子支持体(5)に接着するリン脂質層(6)と、及びリン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)とに基づくバリア(4)に関する。
本発明のバリアを通過するカルセイン及びヒドロコルチゾンのフラックスの比較を示す。 本発明のバリアを通過するマーカーであるカルセインと比較したヒドロコルチゾン、ナドロール、及びカフェインの透過性を示す。 ドナーコンパートメント(2)、本発明のバリア(4)、及びアクセプタコンパートメント(4)を備える透過性実験用装置を示す。 本発明のバリアの一般的組成及び構造を示す。このバリアは、高分子支持体(5)と、高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)を備える(A)。このバリアは、さらなる層を備えていてもよい(B)。 いくつかの薬物の透過性に対して本発明のバリアの様々な脂質組成が有する影響を示す。 本発明のバリアの完全性及び機能的安定性に対するpHの影響を示す。
バリア及び透過装置の作成には、周知の、量産用大規模生産において頻繁に使用される、安価で簡単な作成プロセスを使用することができる。透過装置は、柔軟であり、特殊なニーズに合わせて容易に変更される。バリア層は、特殊ニーズに合わせて、支持体(薄片、「膜」)及び被覆材(例えば、脂質及び賦形剤)の双方の特性及び組成の点で、修正可能である。
バリアインサート(及び完成品装置、キット)の技術的な規格は、例えば、フランツ型拡散セル等の好適な実験装置に合わせて変更可能である。サイズ(直径)及び形状(円形、細長形状等)には特に制約がない。バリア又は完成品装置も、大規模に事前作成可能であり、比較的長期の保存が可能であるため、バリア又は完成品装置の双方の輸送が可能となる。
本発明のバリアは、他の任意のモデルと比べて、機械的により安定であり、添加剤に対してより抵抗性を有する。これにより、代替実験方法の使用が可能となる。このような透過実験には、標準的な実験室装備のみが必要となる。特に待機時間も(3週間にわたる細胞増殖に比較すると)必要としない。再現性は、良好である;実験室間のさらなるばらつきもない。本発明では、作成プロセスにおいて生理的脂質を利用するが、これは時間対効果及び費用対効果が高く、本発明の製品は規格について融通が利き、使用が容易であり、種々の生物学的バリアを模倣するように調整可能である。
さらに、本発明は、様々な脂質/添加剤組成、被覆付与の技術的手順(噴霧、成形、キャスティング、又は固体積層等による)、層の厚さ、及びその他の加工パラメータの調整(例えば、水分添加、溶媒、乾燥条件、温度処理)を想定するものである。当然のことながら、これらの特徴により、何らかの予期せぬ利点が達成された場合、その特許性をさらに高めることができる。
発明の目的は、製造が簡単で、取扱いがより容易であり、様々な受動輸送経路を予測可能な、融通が利き、より安価な新規の透過モデルを提供することにある。
本発明の第1部分は、バリアの組成物及び製造である。これに関して、セルロース、セロファン、又はセルロース水和物の膜(例えば、透析チューブ)等、標準的な市販の薄膜を、添加剤と、好ましくは生理的脂質を含む脂質との分散液を塗布した(積層した)支持体として使用する。このような塗布の特定組成は、例えば、血液脳関門、経皮輸送、眼内輸送の模倣等、特定の細胞脂質膜及びバリアを模倣するように変更可能である。
バリア全体は、関心対象の薬物輸送経路に応じて、薄膜及び分散液のいくつかの層を備えてもよい。特定の透過性及び透過率の点で、バリア全体の厚さは、一般的な加工と、様々な脂質/賦形剤組成、被覆付与の技術的手順(噴霧、成形、キャスティング、又は固体積層等による)、層の厚さ、及び他の加工パラメータの調整(例えば、水分添加、溶媒、乾燥条件、温度処理等)等の製造調整を行うことにより、調整可能である。
本発明によって実施される技術は、特殊な実施形式又は市場で利用可能なもののいずれかに限定されるものでない;市販のフランツ型拡散セル又はウェルプレートのみで使用可能であるのではなく、他の装置においても使用可能であり、本発明のバリアが機械的により安定であることに起因して、透過バリアの最大直径における現在の制約ですら回避できるという更なる利点がある。本発明のバリアは、ほぼ任意のサイズで作成可能であり、実験装置は、例えば、自動化及びインライン測定等、特殊ニーズに合わせて調節可能である。
さらに、バリアは、化学物質に対して比較的抵抗性を有するが、これは、特定の製剤及びより濃縮されたドナー相又はアクセプタ相も試験可能であることを意味する。本発明の第2部分は、ガラス、金属、又はプラスチックの材料で作成されることが好ましいすべての装置(ホルダと、ドナー及びアクセプタ用のコンパートメントとを含む)の新たな形式の設計である。新たな設計は、特殊なニーズに合わせて容易に開発可能である。これにより、例えば、試験対象溶液の容積及び特性、濃縮製剤及び添加剤の使用を調整し、又は取扱いを簡便にする可能性を広げる。
バリアと完成品装置の双方の作成プロセスは、利用可能な技術に基づいて、融通が利き、且つ簡単である。
本発明の一態様において説明されている実施形態及び特徴は、本発明の他の態様にも適用されることに留意しなければならない。
本願において参照したすべての特許及び非特許参考文献は、参考文献としてここに組み込む。
以下に、以下の非限定的である実施例において、本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
本発明に係るバリアにより、親水性マーカー化合物(カルセイン)と薬物(ヒドロコルチゾン)の透過性を測定した。
セルロース水和物のシートは、脱塩水で事前洗浄した。シートは、平坦面に載置し、エタノール中の卵黄レシチン(E−80、Lipoid GmbH、ルートヴィヒスファーフェン、ドイツ)の1%(M/M)溶液を噴霧した。堆積したリン脂質類の総量は、0.4〜0.5mg/cmであった。有機溶媒が蒸発した時点で、リン脂質類を挟んで重なるように2つの被覆シートを配した。
1cmの透過表面と、1.8mLの最大容積の上方コンパートメントと、8mLの固定容積の下方コンパートメントとを備えたフランツ型拡散セルを使用した。
バリアは、ドナーチャンバとアクセプタチャンバとの間に配し、透過性実験を25℃で実施した。
リン酸緩衝液(pH7.4)中のヒドロコルチゾン飽和分散液を、8mLの下方コンパートメント内に投入した。バリアを、下方コンパートメントと上方コンパートメントの間に載置し、時間ゼロで(実験開始時)、1.8mLのリン酸緩衝液(pH7.4)を上方コンパートメント内に投入した。30分置きに、上方コンパートメント内の溶液0.2mLを抜き取り、HPLCで薬物濃度を定量した。抜き取った分の体積を、同等体積の新たな緩衝液と入れ替えた。
8mLのリン酸緩衝液を下方コンパートメント内に投入した。バリアを載置し、時間ゼロで(実験開始時)、1.5mLのカルセインの10mMリン酸緩衝液を上方コンパートメントに投入した。60分置きに、下方コンパートメント内の溶液0.2mLを抜き取り、蛍光分光法でカルセイン濃度を定量した。抜き取った分の体積を、同等体積の新たな緩衝液と入れ替えた。
図1は、経時的なバリア及び表面を透過するヒドロコルチゾン及びカルセインの量の比較を示している。ヒドロコルチゾンについて計算された透過性係数(P)は、1.27±0.15×10−5cm/秒であり、カルセインについては、0.12±0.01×10−5cm/秒であり、ヒドロコルチゾンはカルセインに比較して、バリアへの透過性がより良好であることを示している。
〔実施例2〕
本例において、3つの薬物の透過性を、実施例1に記載のバリアへのマーカー化合物カルセインの透過性と比較した。S100を使用して同様の結果が得られた。
図2は、本発明のバリアへのマーカーであるカルセインと比較した、ヒドロコルチゾン、ナドロール、及びカフェインの透過性係数を示している。これらのデータは、他のアッセイにおいて測定された透過性と一致しており、生体膜に対応するフラックスをよく模倣している。
これらの3つの化合物はこのようなアッセイのための代表的な基質を網羅しているので、本発明のバリアは、このような測定に対して十分に適用可能であると結論付けられる。
〔実施例3〕
本例において、親水性マーカー化合物(カルセイン)及び医薬品化合物(ヒドロコルチゾン)の本発明に係るバリアへの透過性を測定する。バリアの完全性は、(Flaten、Dhanikulaら、2006年[9])に示される通り、カルセインの透過性によってのみ測定した。
本例の目的は、界面活性剤、共溶媒がいかに本発明のバリアに影響するかを評価することである。
透過性研究は、バリアの漏出可能性を示すために高濃度で使用された親水性マーカーであるカルセインとともに、媒体として、界面活性剤及び共溶媒を採用して実施した。見かけの透過性係数(Papp)を判定し、緩衝液中の値、及び他のin−vitroモデルに関する文献と比較した。
すべての透過性研究について、1cmの表面積と、2mLの上方チャンバ呼び容積と、8mLの下方チャンバ容積を備えたフランツ型拡散セルを採用した。ドナー位相(上方チャンバ)には、1.5mLの親水性マーカーであるカルセイン(5mM)と様々な界面活性剤及び溶媒を充填し、アクセプタコンパートメント(下方チャンバ)には、8mLのPBS(7.4±0.05)を充填した。バリアをドナーコンパートメント及びアクセプタコンパートメントの間に載置し、経時的なカルセインのフラックス(J)を測定した。透過性研究は、5時間かけて実施し、最初の2時間は30分置きに、その後は60分置きに200μLのサンプルをアクセプタチャンバから抜き出した。各時間点において、抜き出されたサンプルの体積分は、同等量の新たなPBSと入れ替えた。サンプルは、BMG Fluostar Omega96プレートリーダ(励起波長:485〜512nm、蛍光波長:520nm、BMG Labthech GmbH、オルテンベルグ、ドイツ)を採用した蛍光分光法で解析した。
表1は、界面活性剤及び共溶媒の存在下、及び非存在下におけるカルセインのバリアへの透過性を示している。未処理のバリア支持体へのカルセインの透過がはるかに速いことが見て取れる。具体的には、カルセインの透過性は、本発明のバリアと比較して、約10倍高い。バリアに含まれる脂質層が親水性化合物の透過性に対して顕著な保持力を有することが明らかとなっているため、この結果は予想されるものである。
本発明で得られた結果から、「PBS」及び未処理の「バリア支持体」がともに、各々8%及び6%という低い標準偏差(SD)を示したことがわかる。SDがこのように低いため、透過性の小さな変化も有意な差として考慮されるであろう。従って、場合によってはカルセインの透過性が増加したとしても、界面活性剤存在下におけるカルセインの「バリア支持体」への透過性(1.65±0.1・10−5cm/s)と比較すると、依然として非常に低いと考えることができる。表1の結果は、明らかに、特定の濃度における界面活性剤は、バリアの保持性を損なう程度にカルセインの透過性に影響を与えるものでないことを示している。
4%EtOH且つ10%DMSO含むPermpeapad(商標)(本発明のバリア)へのカルセインの透過性は、0.12・10−5cm/s及び0.15・10−5cm/sであり、これらの結果は、有意な差があるわけではなく、本発明のバリアに適合するものであった。
PVPA及びPVPAbiomimetic[10]の双方は、Cremophor(登録商標)に適合するものでないことが示されている。5%Cremophor(登録商標)での今回のバリアへのカルセインの透過性は、0.23・10−5cm/sであった。これは、約2倍増であり、有意な差(p<0.05)と考えられるため、さらに探索的なバリア安定性実験を実施した。溶液がPBSより粘性が高く見受けられたため、より良く攪拌するためにウッシングチャンバを使用した。透過性実験は、フランツ型拡散セル及び隣接する拡散チャンバにおける薬物透過性は、初期濃度(C)及び表面積(A)を考慮に入れて直接比較可能であることを示している(データ図示せず)。ウッシングチャンバにおける5%cremophorによる本発明のバリアへのカルセインの透過性について得られた結果は、0.12±0.01・10−5cm/sであり、「PBS」におけるものと同一であった。これは、5%までのCremophor(登録商標)が本発明に影響を与えないことを結論付けるものである。
PVPA及びPVPAbiomimetic[10]は、低濃度のPolysorbat80に対応するものでなかった。双方の場合において、Polysorbat80が脂質バリアに破壊的作用を及ぼしたため、カルセインの透過性は有意に増加した。しかしながら、本発明のバリアについては、透過性は増加せず、むしろ減少した。このことも、また、Polysorbat80がバリアを破壊させるものでなく、代わりにカルセインと作用し得ることを示している。
最も興味深く観察されたのは、細胞系in−vitroモデルで陽性対象として0.1〜0.5%の濃度範囲で多くの場合に使用されるTriton−Xでは、回復測定のためにバリアを破壊しているという点である。PVPAbiomimetic(Naderkhani、Isakssonら、2014年[10])による研究では、0.05%の濃度のTriton−Xを陽性対象として使用しており、PVPAbiomimeticがその完全性を失うことが示されている。ここで得られた結果は、20倍にも及ぶ濃度(最大1%)のTriton−Xがバリアの完全性に影響しなかったことを示している。カルセインのバリアへの透過性は、Triton−Xの存在下において「PBS」と比較しても変化しておらず、ともに0.12・10−5cm/sの結果となった。
本結果は、本発明のバリアが、バリアの機能的完全性と、引いてはカルセインの透過性に影響を与えることなく、図1に一覧表示した様々な界面活性剤、共溶媒、及びTriton−Xに耐え得ることを明確に示している。
〔実施例4〕
FaSSIF及びFeSSIFは、摂食状態及び絶食状態の双方における胃腸液を模倣するため、ドナー側での溶媒として使用しているので興味深いものである。そのため、in−vitro実験においてBMMを使用することで、薬物がin−vivoにおいてどのように挙動するかの代表的な指標を提供するであろう。
生体模倣媒体(BMM)溶液、すなわち、FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF、及びFeSSIF−V2(Biorelevant Inc.、ロンドン、英国)は、メーカによって提供される情報に応じて調製した。FaSSIF溶液は、使用前に2時間(平衡時間)保管し、FaSSIF−V2及びFeSSIF−V2は、使用前に1時間保管した。
異なるBMMによる透過性実験を2つの異なる透過性実験装置で実施した。フランツ型拡散セルの実験装置には、FaSSIF及びFaSSIF−V2を採用した。フランツ型拡散セルを採用する際には高い粘度に起因した困難さが生じるため、FeSSIF及びFeSSIF−V2は、隣接する拡散チャンバで実施した。FeSSIF及びFeSSIF−V2がフランツ拡散セルの実験装置で採用される時には、何らかの不具合が生じる。カルセインは、残りのアクセプタ中の媒体と十分に混合することなく、アクセプタコンパートメントの上部に積層された。アクセプタチャンバには磁気攪拌があるものの、磁石は媒体を十分に混合するには小さすぎた。FeSSIF及びFeSSIF−V2はともに相当量のタウロコール酸ナトリウム(NaTC)及びレシチンを含有するため、双方の組成に関連し、媒体の粘度増加が生じるはずである。従って、FeSSIF及びFeSSIF−V2は、磁気攪拌をより強力にできる隣接する拡散チャンバで採用され、結果として、各セルで均一なカルセインの分布が得られる。
BMMは、バリアの完全性に影響するか否かを判定するために、アクセプタ内の媒体として使用した。BMMとカルセイン及び添加剤とのミセル相互作用が生じるかもしれないため、ドナー内の媒体として採用しなかった。これが結果としてカルセインの透過性に影響したかもしれず、透過性変化がミセル相互作用によるものであるのか、BMMのバリアに対する作用によるものであるのかはわからない。本実施例のバリアは、ドナー側とアクセプタ側とを区別しておらず、アクセプタ側をBMM用に選択した。実験装置から得られた結果を表2に示す。FaSSIF(0.21±0.03・10−5cm/s)、FaSSIF−V2(0.17±0.03・10−5cm/s)、及びFeSSIF−V2(0.23±0.05・10−5cm/s)をアクセプタ媒体として採用したカルセインの透過値は、結果として僅かに増加したという結果を示している。透過値の僅かに増加したが、本発明のバリアは、「バリア支持体」との比較では依然として低いものと考えられた。
しかしながら、FeSSIF(0.53±0.09・10−5cm/s)は、カルセインの透過性が顕著に増加したことを示しているため、さらに探索的なバリア機能安定性実験を実施した。探索的なバリア機能性実験から得られた結果は、FeSSIFがバリア自体には影響を与えないことを示している:FeSSIFに5時間露出して連続的に濯ぎを行った後、同一のバリアの、PBS中のカルセインについて0.27±0.05・10−5cm/sのPappを示した。FeSSIFがバリアに何らかの支障をきたしていれば、カルセインの透過性は、以前に実施されたFeSSIF実験と同様に高い(0.53±0.09・10−5cm/s)ことが予想されるが、これはそのケースに該当しない。FeSSIF自体がカルセインの透過性を上昇させていることが明白である。考えられる理由としては、等張のドナー(285±5mosm)に対して浸透圧差が生しているFeSSIFのオスモル濃度の高さ(635±10mosm)によるものと思われる。浸透圧の違いは、透過性の増加に繋がり得る。
〔実施例5〕
本発明者は、カルセインに関するこれらのデータを解釈することができなかったため、カフェインをモデル薬物とし、アクセプタ媒体としてFeSSIFを使用した追加の透過性実験を実施した。結果は、アクセプタチャンバにおいて使用される媒体にかかわらず、カフェインのバリアへの透過性が変化しないということを示した。t検定は、有意な差(p>0.05)を示さなかった。これは、FeSSIFの存在は、本発明のバリアにも影響せず、結果として完全性を失うこともないことを示した。
Caco−2細胞に対するFaSSIFの影響については、(Ingels、Beckら、2004年。Fossati、Dechaumeら、2008年[12])によって以前に研究されている。結果として、FaSSIFは、Caco−2細胞に適用可能であり、それらの生理的関連性を向上可能であるという結論であった。
FaSSIFの適合性(Fischer、Buckleyら、2012年[11])に関連して、PVPAモデルについても実施した。結果は、FaSSIFに対応するPVPAを示しており、SDの増加が観察されるものの、PVPAバリアは損傷を受けずに維持される。PVPAがFaSSIF−V2及びFeSSIF−V2に対応することを示す最近の研究はない。本バリアは、4つすべてのBMMに対して良好な抵抗性を示す。
NaTC/レシチンで形成されているような(混合)ミセルは、生理的条件を模倣するため薬物の受動拡散に関連するものであることにより、より良好なIVIVCにより近づくが、これは、すべてのin−vitroモデルと本発明のバリアに関連するものである。
〔実施例6〕
本発明に記載のバリアの生体模倣特性に対する様々な脂質組成が有しうる影響を確認するために、異なる脂質(卵黄レシチン又はホスファチジルコリン)で製造したバリアへの一連の薬剤の透過性を試験した。
透過性実験は、実施例1と同様に実施した。図5において報告した結果は、脂質組成における変化が、少なくとも3つの化合物(イブプロフェン、ナドロール、及びカルセイン)の透過性に強い影響があることを示している。
この実験は、本特許の主題であるバリア組成物が、生物組織に関連する様々な脂質組成(例えば、腸、皮膚、BBB)を模倣するために容易に変更可能であり、そして薬物透過性をより正確に評価する可能性があることを明らかにするものである。
〔実施例7〕
利用可能であるin−vitroアッセイの最大の課題の1つは、添加剤と強酸性pH条件(胃吸収を模倣)の存在下における安定性である。
本特許出願に記載のバリアがすべてのpHにおいて十分な安定性を有するか否かを評価するために、モデル化合物であるヒドロコルチゾンのバリアへの透過性を、媒体のpHが異なる点(1、3、5、8.5、及び9)以外は、実施例1と同様に測定した。図6は、ヒドロコルチゾンの透過性の結果は、pHの変化の影響をほぼ受けないことを示している。
バリアが強いpHによって損傷を受けると、薬物透過性の増加が予想される。
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[10] Naderkhani, E., J. Isaksson, A. Ryzhakov and G. E. Flaten (2014). "Development of a Biomimetic Phospholipid Vesicle-based Permeation Assay for the Estimation of Intestinal Drug Permeability." Journal of Pharmaceutical Sciences 103(6): 1882-1890.
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[12] Ingels, F., B. Beck, M. Oth and P. Augustijns (2004). "Effect of simulated intestinal fluid on drug permeability estimation across Caco-2 monolayers." International Journal of Pharmaceutics 274(1-2): 221-232.

Claims (40)

  1. 1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するためのバリアアセンブリ(1)であって、
    −前記化学物質又は該化学物質を含む組成物を添加するためのドナーコンパートメント(2)と、
    −バリア(4)の透過に際して前記化学物質を受容するためのアクセプタコンパートメント(3)と、
    −前記ドナーコンパートメント(2)及び前記アクセプタコンパートメント(3)を隔てるバリア(4)とを備え、
    前記バリア(4)は、高分子支持体(5)と、該高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、該リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)とを備える、バリアアセンブリ(1)。
  2. 前記高分子支持体(5)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、1〜150μmの範囲であることが好ましく、10〜50μmの範囲であることがより好ましい、請求項1に記載のバリアアセンブリ(1)。
  3. 前記リン脂質層(6)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、0.5〜150μmであることが好ましく、1〜20μm又は4〜15μmであることがより好ましい、請求項1又は2に記載のバリアアセンブリ(1)。
  4. 前記リン脂質層(6)は、前記高分子支持体(5)の表面上に、0.1〜5mg/cm、0.2〜3mg/cm、又は0.4〜1mg/cm等、0.05〜10mg/cmの分量で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  5. 前記高分子支持体(5)は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン類、又はポリカーボネートを含み、セルロース水和物を含むことが好ましい、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  6. 前記高分子支持体(5)は、直径5nm未満、直径2nm未満等、直径10nm未満の細孔を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  7. 前記高分子支持体(5)における前記細孔の前記直径は、0.1nm〜5nm等、0.05nm〜10nmの範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  8. 前記リン脂質層(6)は、グリセロホスホコリン類、グリセロホスホエタノールアミン類、グリセロホスホセリン類、グリセロホスホグリセロール類、グリセロホスホグリセロリン酸類、グリセロホスホイノシトール類、グリセロホスホイノシトールモノリン酸類、グリセロホスホイノシトールビスリン酸類、グリセロホスホイノシトールトリスリン酸類、グリセロリン酸類、グリセロピロリン酸類、グリセロホスホグリセロホスホグリセロール類(カルジオリピン類)、CDP−グリセロール類、グリセロホスホグルコース脂質類、グリセロホスホイノシトールグリカン類、グリセロホスホノコリン類、グリセロホスホノエタノールアミン類、ジ−グリセロールテトラエーテルリン脂質類(カルダルカエオール類)、グリセロール−ノニトールテトラエーテルリン脂質類、及び/又は酸化グリセロリン脂質類等のグリセロリン脂質類を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  9. 前記リン脂質層(6)は、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類、トリアシルグリセロール類、及びその他のグリセロ脂質類、スフィンゴイド塩基類、セラミド類、ホスホスフィンゴ脂質類、ホスホノスフィンゴ脂質類、中性スフィンゴ糖脂質類、酸性スフィンゴ糖脂質類、塩基性スフィンゴ糖脂質類、両性スフィンゴ糖脂質類、アルセノスフィンゴ脂類、及びその他のスフィンゴ脂質、コレステロールを含むステロール類等のステロール脂質、ステロイド類、ビタミンD、ステロイド抱合体の誘導体、ワックスエステル類、脂肪酸類、トリグリセリド類、スクアレン、トコフェロール、オリゴペプチド類、胆汁酸類及びその誘導体等のセコステロイド類、ホパン、及びホパノイド類を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  10. 前記リン脂質層(6)は、さらに、ヒアルロン酸、炭水化物類、蛋白質類、及びそれらの誘導体等の添加剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  11. 前記添加剤は、界面活性剤、胆汁酸塩、シクロデキストリン類、親油性ポリマー及び親水性ポリマーからなる群より選択される、請求項10に記載のバリアアセンブリ(1)。
  12. 前記リン脂質層(6)は、10%(w/w)未満、好ましくは5%(w/w)未満等、15%(w/w)未満の有機溶媒を含有することが好ましい、請求項1〜11のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  13. 前記高分子支持体(5)は、セルロース水和物を含み、前記リン脂質層(6)は、ホスファチジルコリンを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  14. 前記被覆層(7)は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン、又はポリカーボネートからなる群より選択され、セルロース水和物であることが好ましい、請求項1〜13のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  15. 前記バリア(4)は、Polysorbat80又は60といった、ポリソルベート等の非イオン性界面活性剤、Cremophor及びTriton−X等の非イオン性可溶化剤及び界面活性剤、タウロコール酸塩、コール酸、リトコール酸、及びケノデオキシコール酸等の胆汁酸塩類、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のアニオン性界面活性剤、及び塩化セチルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤からなる群より選択されるもの等の界面活性剤の存在下において、その完全性を保持する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  16. 前記バリア(4)は、
    −3%以下又は1%以下等、5%(M/M)以下のTriton−X、及び/又は、
    −7%以下又は5%以下等、10%以下のSDS、及び/又は、
    −12%以下又は10%以下等、15%以下のDMSO、及び/又は、
    −5%以下等、10%以下のPolysorbat60又は80、及び/又は、
    −5%以下等、10%以下のポリエトキシ化ひまし油(Cremophor)、及び/又は、
    −7%以下又は4%以下等、10%以下のエタノール
    の濃度でその完全性を保持する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  17. 前記バリア(4)は、FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF又はFeSSIF−5 V2等、生体模倣媒体(BMM)の溶液中でその完全性を保持する、請求項1〜16のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  18. 前記バリア(4)は、高分子支持体(5)及びリン脂質層(6)の3つ以上の交互層と被覆層(7)等、高分子支持体(5)及びリン脂質層(6)の2つ以上の交互層と被覆層(7)を備える、請求項1〜17のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  19. 前記ドナーコンパートメント(2)若しくは前記アクセプタコンパートメント(3)、又は双方のコンパートメント(2及び3)には、
    −Polysorbat80又は60等のポリソルベート、タウロコール酸塩、コール酸、リトコール酸、及びケノデオキシコール酸等の胆汁酸塩、及び/又は、
    −Cremophor及びTriton−X等の非イオン性可溶化剤及び界面活性剤、及び/又は、
    −ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のアニオン性洗浄剤、及び/又は、
    −カチオン性洗浄剤、及び/又は、
    −FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF、又はFeSSIF−5 V2等の生体模倣媒体(BMM)、及び/又は、
    −1種以上の有機溶媒
    を含む液体組成物が添加される、請求項1〜18のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  20. 前記ドナーコンパートメント(2)には、前記ドナーコンパートメント(2)内への化学物質及び溶媒を添加可能な開口添加口が設けられ、前記アクセプタチャンバ(3)にはサンプリング口が設けられている、請求項1〜19のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  21. 前記バリアアセンブリ(1)は、UV/VIS分光光度計、質量分析計、NMR分光計又は蛍光光度計等の化学分析機器の測定セル内に収まるように適合される、請求項1〜20のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  22. 前記生物学的バリアは、(ヒト)胃腸関門、(ヒト)血液脳関門(BBB)、鼻内、口腔、真皮、直腸、膣、眼、肺、皮膚、角膜、又は膀胱関門からなる群より選択される、請求項1〜21のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  23. 前記1種以上の化学物質は、医薬品成分、医薬品候補化合物、処方薬、製剤、薬物、食物/飼料原料、及び食物/飼料組成物、(環境)毒素又は細菌毒素等のその他の化学物質からなる群より選択される、請求項1〜22のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  24. 1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するためのバリア(4)であって、
    前記バリア(4)は、高分子支持体(5)と、該高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、該リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)とを備える、バリア(4)。
  25. 1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定するための、請求項1〜23のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)又は請求項24に記載のバリア(4)の使用。
  26. 前記1種以上の化学物質はBMM溶液中に添加される、請求項25に記載の使用。
  27. 前記生物学的バリアは、(ヒト)胃腸関門、(ヒト)血液脳関門(BBB)、鼻内、口腔、真皮、直腸、膣、眼、肺、皮膚、角膜、又は膀胱関門からなる群より選択される、請求項25又は26に記載の使用。
  28. 1種以上の化学物質の生物学的バリアへの透過性を判定する方法であって、
    −請求項1〜23のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)を提供することと、
    −化学物質又は前記化学物質を含む組成物を前記バリアアセンブリ(1)の前記ドナーコンパートメント(2)に添加することと、
    −前記アクセプタコンパートメント(3)に透過する前記化学物質の量を測定することと、を備える方法。
  29. 前記化学物質の前記透過性を判定することをさらに備える、請求項28に記載の方法。
  30. 前記ドナーコンパートメント(2)には、
    −Polysorbat80又は60等のポリソルベート、タウロコール酸塩、コール酸、リトコール酸、及びケノデオキシコール酸等の胆汁酸塩、及び/又は、
    −Cremophor及びTriton−X等の非イオン性可溶化剤及び界面活性剤、及び/又は、
    −ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のアニオン性界面活性剤、及び/又は、カチオン性界面活性剤、及び/又は、
    −FaSSIF、FaSSIF−V2、FeSSIF、又はFeSSIF−5 V2等の生体模倣媒体(BMM)、及び/又は、
    −1種以上の有機溶媒、
    を含む液体組成物が添加される、請求項28又は29に記載の方法。
  31. 高分子支持体(5)と、該高分子支持体(5)の表面に接着するリン脂質層(6)と、該リン脂質(6)の上部に設けられている被覆層(7)とを備えるバリア(4)の製造プロセスであって、
    1)任意で、リン脂質成分と、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、クロロホルム、アセトン、t−ブタノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トリクロロエタン、トリクロロエテン、テトラヒドロフラン等の揮発性溶媒とを混合するステップと、
    2)第1高分子支持体に接着する第1リン脂質層を構築するために、前記第1高分子支持体の表面上に前記リン脂質成分を付与するステップと、
    3)前記リン脂質成分を乾燥するステップと、
    4)任意で、交互リン脂質組成の1つ以上の交互2次層を添加するために、ステップ2)及び3)を繰り返すステップと、
    5)任意で、高分子支持体及びリン脂質の2つ以上の交互2次層を前記第1リン脂質層に添加するために、ステップ1)〜3)を繰り返すステップと、
    6)前記第1リン脂質層又は前記2次リン脂質層の頂上部に被覆層を付与するステップとを備える、プロセス。
  32. 前記高分子支持体(5)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、1〜150μmの範囲であることが好ましく、10〜50μmの範囲であることがより好ましい、請求項31に記載のプロセス。
  33. 前記リン脂質層(6)の厚さは、0.1〜300μmの範囲であり、0.5〜150μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい、請求項31又は32に記載のプロセス。
  34. 前記リン脂質層(6)は、モノアシルグリセロール類、ジアシルグリセロール類、トリアシルグリセロール類、及びその他のグリセロ脂質類、スフィンゴイド塩基類、セラミド類、ホスホスフィンゴ脂質類、ホスホノスフィンゴ脂質類、中性スフィンゴ糖脂質類、酸性スフィンゴ糖脂質類、塩基性スフィンゴ糖脂質類、両性スフィンゴ糖脂質類、アルセノスフィンゴ脂類、及びその他のスフィンゴ脂質、コレステロールを含むステロール類等のステロール脂質、ステロイド類、ビタミンD、ステロイド抱合体の誘導体、ワックスエステル類、脂肪酸類、トリグリセリド類、スクアレン、トコフェロール、オリゴペプチド類、胆汁酸類及びその誘導体等のセコステロイド類、ホパン、及びホパノイド類を含む、請求項31〜33のいずれか一項に記載のプロセス。
  35. 前記高分子支持体(5)は、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース水和物、親水性セルロース混合エステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、親水性ポリエーテルスルホン等のポリスルホン類、又はポリカーボネートを含む、請求項31〜34のいずれか一項に記載のプロセス。
  36. 前記リン脂質層(6)は、さらに、ヒアルロン酸、炭水化物類、蛋白質類、及びそれらの誘導体等の添加剤を含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載のプロセス。
  37. 前記添加剤は、界面活性剤、胆汁酸塩類、シクロデキストリン類、親油性ポリマー及び親水性ポリマーからなる群より選択される、請求項36に記載のプロセス。
  38. 前記リン脂質層(6)は、噴霧、成形、キャスティング、又は固体積層により、前記高分子支持体(5)上に付与されたものである、請求項31〜37のいずれか一項に記載のプロセス。
  39. 前記バリア(4)は、請求項31〜38のいずれか一項に記載のプロセスで取得可能である/取得される、請求項1〜23のいずれか一項に記載のバリアアセンブリ(1)。
  40. 請求項31〜38のいずれか一項に記載のプロセスにより取得可能である、高分子支持体(5)、該高分子支持体(5)に接着するリン脂質層(6)、及び該リン脂質層(6)の上部に設けられている被覆層(7)に基づく前記バリア(4)。
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