JP2018501182A - 沈降炭酸カルシウムの改善された製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、石灰乳をより持続可能およびコスト効率的に使用できるようにする、沈降炭酸カルシウムの製造方法に関する。得られる生成物は、良好な光学特性ならびに微細な粒径分布を示す。

Description

本出願は、沈降炭酸カルシウムの製造方法に関する。
一般に炭酸カルシウムは、製紙産業において紙のフィラー成分またはコーティング顔料として広範に使用されている。炭酸カルシウムは、シートの白色度および不透明度を上昇させるために使用される、低コストの高白色度フィラーである。炭酸カルシウムの使用は、製紙工場での酸性抄紙からアルカリ性抄紙への転換のために、過去数十年の間に劇的に増加した。製紙業界では、粉砕天然炭酸カルシウム(GCC)および合成炭酸カルシウムが使用されている。通例、天然炭酸カルシウム源(例えば、石灰石)は、紙への使用前に小さい粒度まで粉砕されるが、合成炭酸カルシウムは沈降反応によって製造され、従って沈降炭酸カルシウム(PCC)と呼ばれる。
沈降炭酸カルシウムは、製紙業界での使用に加えて、例えば塗料工業におけるフィラーまたは顔料として、およびプラスチック材料、プラスチゾル、シーリング化合物、印刷インク、ゴム、歯磨剤、化粧品などを製造するための機能性フィラーとして各種の他の目的にも使用される。
沈降炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイトおよびファーテライトの3種類の主な結晶形態として存在し、これらの結晶形態それぞれについて多くの異なる多形(晶癖)がある。カルサイトは、偏三角面体(S−PCC)、菱面体(R−PCC)、六方晶柱状、卓面体晶系、コロイド晶系(C−PCC)、立方晶系および柱状(P−PCC)などの代表的晶癖を有する、三方晶系構造を有する。アラゴナイトは、六方晶柱状系双晶、ならびに薄い細長柱状、湾曲ブレード状、鋭利な角錐状、チゼル形状結晶、分枝樹およびサンゴまたはワーム様形状の多様な組合せの代表的晶癖を有する斜方晶系構造である。
これらの形態の中でも、カルサイトの偏三角面体形態は、比較的安価に製造され、望ましい光散乱特性を有するため、製紙産業における増量顔料として使用するために特に望ましい。
通例、沈降炭酸カルシウムは、以下の炭酸化ステップにおいて、二酸化炭素を水酸化カルシウムの水性懸濁物、いわゆる「石灰乳」中に導入することによって調製される。
Ca(OH)+CO→CaCO↓+H
通例、石灰乳を炭酸化することによって得られる沈降炭酸カルシウムは、製紙用途におけるフィラーまたはコーティング顔料として使用される場合、粉砕天然炭酸カルシウムと比較して、優れた不透明化特性および増白効果を示す。
先行技術では、いわゆる「逆」炭酸化によって水酸化カルシウムの水性懸濁物を炭酸水に導入することによって沈降炭酸カルシウムを調製することも既知である。または、沈降炭酸カルシウムは、水性環境中でのカルシウムと炭酸塩(例えば塩化カルシウムと炭酸ナトリウム)との接触の生成物であることも可能である。沈降炭酸カルシウムは、例えば、EP2447213、EP2524898およびEP2371766に記載されている。
すでに上述したように、沈降炭酸カルシウムを製造するための最も一般的な方法は、いわゆる消和工程において、(生石灰(burnt lime)または生石灰(quicklime)とも呼ばれる)酸化カルシウムを水と接触させることによって得られる石灰乳の炭酸化を含む。
CaO+HO→Ca(OH)
水酸化カルシウムは水に難溶性であり、1.2から1.7g/l水の範囲に及ぶ溶解度を示す。従って、上記の消和工程から生じる生成物は、懸濁物の形態で得られる。
実際には、このような水酸化カルシウム懸濁物は、前記懸濁物の総重量に対して約40重量%以下の最大固形分を有する。しかし、EP2371766では、粘度低下物質を添加することなく、30重量%を超える固形分を有する石灰乳を調製および処理することがすでに困難になり得ることが記載されている。
石灰乳の調製および炭酸化における別の主要な問題は、炭酸化工程において反応性を全くまたはごくわずかしか示さない微粒子物質であるグリットの存在に関する。
二酸化炭素に対するグリットの低い反応性は、グリットの化学組成によって説明され得る。通例、グリットは、50から90重量%、たいてい70から90重量%の炭酸カルシウムおよび他の無機鉱物で構成される。このためグリット画分中に存在するさらなる成分は、他の不溶性または難溶性の炭酸塩(例えば炭酸マグネシウム)であっても、非常に多くの場合、砂であってもよい。さらにグリットは、例えば、炭酸カルシウムによって少なくとも部分的に被覆されている水酸化カルシウム粒子の形態の、少量の水酸化カルシウムも含有してよい。
炭酸化ステップにおいて石灰乳中にグリットが存在することには、幾つかの欠点があり、例えば沈降炭酸カルシウムの白色度の低下につながることがあり、このことは前記グリット中に砂および他の非白色鉱物が存在することによって説明され得る。さらに、グリットが存在すると、沈降炭酸カルシウムの望ましくない粒径分布に、例えば粒径トップカット(d98)の著しい増大にもつながり得る。
これらの欠点を克服するために、炭酸化前の分離工程において、例えば上流ふるい分け工程において、石灰乳からグリットを除去することはきわめて一般的である。なお今日でも、石灰乳から分離されたグリット画分は、特にほとんどの場合、90%未満または80%未満でさえある低い白色度(R457)のために、廃棄物と見なされる。
例えばWO2005/033403には、アルカリ土類金属炭酸塩および基材を含む組成物が開示され、該組成物は、例えば組成物の総量に対して約0.5重量%以下など低下したグリットの量を有する。該組成物は、例えば製紙用途に使用するためのフィラー組成物であることができる。アルカリ土類金属が炭酸カルシウムである場合、アルカリ土類金属の基材による沈降の前に、消石灰スラリーをデグリッティングすることによってグリットを減少させることができる。デグリッティングは、石灰スラリーをハイドロサイクリングすることによって行うことができる。
WO2011/154610は、繊維ウェブ装置に連結して配置したPCCのインライン製造工程への石灰乳のインライン製造のための方法および装置を開示している。前記工程により、石灰を少なくとも80℃、好ましくは少なくとも85℃、より好ましくは少なくとも100℃の温度にて消和装置内で消和し、その後、生成された石灰乳から、ただちに、石灰乳をPCCの製造工程に導入する前に、過度に大きい水酸化カルシウム粒子を分離することによって浄化する。
しかし、望ましくないグリットを除去することは、一方で、除去したグリット材料が酸化カルシウムまたは石灰乳の購入価格に含まれるために、材料の増加および生産コストの上昇につながることがあり、他方では、多大な処分費用が発生するおそれがある。
従って、上記の技術的な欠点の1つ以上を減らすまたは回避するために、沈降炭酸カルシウムの調製方法を改善する必要が依然として存在する。
欧州特許第2447213号明細書 欧州特許第2524898号明細書 欧州特許第2371766号明細書 国際公開第2005/033403号 国際公開第2011/154610号
この点で、本発明の1つの目的は、石灰乳をより持続可能およびコスト効率的に使用できるようにする、沈降炭酸カルシウムの製造方法を提供することに見出され得る。
上記および他の課題は、独立請求項において本明細書に定義するような主題によって解決され得る。
本発明の第1の態様は、沈降炭酸カルシウムの調製方法であって、以下のステップ:
(a)石灰乳を提供するステップ、
(b)ステップ(a)で提供された石灰乳から1つ以上のステップでグリットを分離するステップであって、前記グリットは400μm以下の開口サイズを有するふるいによって保持されるオーバーサイズ画分に相当し、
(i)グリット低減石灰乳、および
(ii)1つ以上のグリット画分
を得るステップ、
(c)少なくとも1つのミル粉砕ユニットで、ステップ(b)の1つ以上のグリット画分をミル粉砕して、微細グリットを得るステップ、ならびに
(d)炭酸化ステップに、
(i)ステップ(c)の微細グリット、または
(ii)ステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物、
のどちらかを供するステップ、
を含み、前記炭酸化ステップが、沈降炭酸カルシウムを得るための二酸化炭素の導入を含む、方法に関する。
本発明の方法は、炭酸化ステップを含む、石灰乳から沈降炭酸カルシウムを調製する方法である。ステップ(d)と呼ぶ前記炭酸化ステップにおいて、(i)微細グリットまたは(ii)微細グリットおよびグリット低減石灰乳の両方の混合物のいずれかを二酸化炭素と接触させて、固体炭酸カルシウムの沈殿物を形成させる。炭酸化ステップ(d)の選択肢(i)と(ii)の両方の共通の特徴は、方法ステップ(a)で提供された石灰乳からグリットを分離し、炭酸化の前に前記グリットをミル粉砕して得られる微細グリットの炭酸化である。
本発明の別の態様は、鉱物フィラー生成物に関する。前記生成物は、本発明による方法によって得られる。
本発明のなお別の態様は、本発明による沈降炭酸カルシウムの、ポリマー組成物、製紙、紙製品、紙コーティング、農業用途、塗料、接着剤、シーラント、建築用途、食品用途、医薬品用途または化粧品用途における、好ましくは製紙、紙製品または紙コーティングにおける使用に関する。
「グリット」または「グリット画分」という用語は、本明細書で使用する場合、特定の開口サイズ、例えば400μmを有するふるいによって保持されたオーバーサイズ画分として定義され得る。グリット画分は、ふるい分けに使用される開口サイズに応じて、石灰乳中に存在する全固形分の3から8重量%に相当し得る。例えば、グリットはか焼石灰または石灰乳中に見出すことができ、とりわけ石英および不焼成炭酸カルシウムを含み得る。これらの化合物は、石灰乳中に存在する場合、二酸化炭素に対して反応性を全くまたはごくわずかしかしか示さないことがあるため、前記石灰乳の炭酸化の前に除去すべきである。
本出願で使用し、図1に示す「開口サイズ」(記号「w」)という用語は、ISO 3310−1:2000(E)に従って定義したワイヤふるいの開口サイズを示す。
グリット画分の粒径が「粒径分布」によって説明される場合、値dは、この値に対して粒子のx体積%がd未満の直径を有する直径を表す。このことは例えば、d98値(「トップカット」とも呼ぶ)がグリット画分の全粒子の98体積%が示した値よりも小さい粒径であることを意味する。この場合、d50値は、全粒子の50体積%が示した粒径より小さい「体積中央粒径」である。本出願内で定義される粒径45μm未満であるグリット粒径は、定義された1.57のRIおよび0.005のiRIを用いるMalvern Mastersizer 2000レーザー回折システムならびにMalvernアプリケーションソフトウェア5.60を使用して測定できる。測定は水性分散液を用いて行った。高速撹拌機を使用して試料を分散させた。グリット粒径が45μm以上である場合、ISO 3310−1:2000(E)規格による分画ふるい分けを使用して粒径分布を求める。
他のすべての粒子、特に本発明の方法により得られる沈降炭酸カルシウムの粒子については、値dは、この値に対する粒子のx重量%がd未満の直径を有する値を示す。このことは例えば、d98値(「トップカット」とも呼ぶ)が画分の全粒子の98重量%が示した値よりも小さい粒径であることを意味する。この場合、d50値は、全粒子の50重量%が示した粒径より小さい「重量中央粒径」である。45μm未満の粒径は、Micromeritics Instrument Corporation製のSedigraph(商標)5100を使用して得た測定値に基づいて求めることができる。方法および機器は当業者に公知であり、フィラーおよび顔料の粒径を決定するためによく使用されている。測定は0.1重量%Na水溶液中で行う。高速撹拌機および超音波を使用して試料を分散させる。粒径が45μm以上である場合、ISO 3310−1:2000規格による分画ふるい分けを使用して粒径分布を求める。
必要な場合、本発明の意味における懸濁物の「固形分」は、Mettler−Toledo製の水分計HR73(T=120℃、自動スイッチオフ3、標準乾燥)を、試料サイズ5から20gで使用して求めることができる。
%として与えられ、ある期間のグリット添加に関連する、炭酸化ステップにおけるいずれかの特定の「水酸化カルシウムの沈降炭酸カルシウムへの転化率」は、炭酸カルシウムの沈降が完了するまでの推定された一定の反応速度に基づく。この一定の反応速度に基づいて、本明細書で定義する転化パーセンテージは、比較実験の全反応時間(100%転化)からの線形時間尺度に対して計算される。前記比較実験における全反応時間は、同一の、しかしグリットを添加しない条件下で、45°を超える導電率曲線変曲点の勾配を有する導電率最小値を認めることができる時間である。例えば、微細グリットを水酸化カルシウムの50%転化率に相当する時点にグリット低減石灰乳に添加する場合、このことは、前記微細グリットが、微細グリットを添加しない比較実験で求めた全反応時間の50%にて(例えば、比較実験で認められた全反応時間が30分である場合、炭酸化の開始から15分にて)添加されることを意味する。懸濁物の導電率は、反応中に、対応するMettler Toledo導電率拡張ユニットおよびMettler Toledo InLab(R)730導電率プローブを装備したMettler Toledo Seven Multiを用いて反応槽内で直接測定する。該機器は、最初に、Mettler Toledoによる市販の導電率較正ソリューションを使用して、関連する導電率の範囲で較正した。導電率に対する温度の影響は、線形補正モードによって自動的に補正される。
本出願において規定される「白色度(R457)」値(%)は、ISO 2469:2007(Elrepho分光光度計を使用するR457)に従って測定できる。この目的のために、測定前に試料すべてを105℃にて一晩脱水して、総試料重量に対して0.5重量%未満の総含水率を得る。
本文書を通じて、鉱物フィラーの「比表面積」(m/gで表す。)は、当業者に周知である(吸着ガスとして窒素を使用)BET法を使用して求めた(ISO 9277:1995)。鉱物フィラーの総表面積(m)は、鉱物フィラーの比表面積(m/g)と質量(g)との積によって得ることができる。
単数名詞を参照するときに不定冠詞または定冠詞、例えば「a」、「an」または「the」を使用する場合、別段の言及がない限り、その名詞の複数を含む。
「含む(comprising)」という用語を本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、これは他の要素を排除しない。本発明の目的のために、「より成る(consisting of」という用語は、用語「含む(comprising)」の好ましい実施形態であると見なされる。以下で群が少なくとも幾つかの実施形態を含むと定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみから成る群を開示すると理解されるものとする。
「得られる(obtainable)」または「定義できる」と、「得られた(obtained)」または「定義された」というような用語は、互換的に使用される。このことは例えば、文脈上明確に別の意味でない限り、例えば「得られた」という用語は、例えば、「得られた」という用語に続く一連のステップによって得られなければならない実施形態を意味するものではないことを意味するが、そのような限定された理解は、「得られた」または「定義された」という用語によって、好ましい実施形態として常に含まれる。
「含む(including)」または「有する(having)」という用語を使用する場合は必ず、これらの用語は上で定義した「含む(comprising)」と同等であることを意味する。
本発明による方法の有利な実施形態および本発明による方法によって得られる沈降炭酸カルシウムの実施形態は、対応する従属請求項で定義する。
本発明による方法の一実施形態において、ステップ(a)で提供する石灰乳は、前記石灰乳の総重量に対して1.0から40.0重量%、好ましくは5.0から35.0重量%およびより好ましくは10.0から32.0重量%の固形分を有する。
別の実施形態によれば、ステップ(b)は、400μm以下、好ましくは400から150μm、より好ましくは350から180μmおよび最も好ましくは250μmから200μmの開口サイズを有する1つ以上のふるいを用いる、ふるい分けステップを含む。
また別の実施形態によれば、ステップ(c)の少なくとも1つのミル粉砕ユニットは、サンドミル、ローラーミル、ボールミルまたはハンマーミルを含み、好ましくは、ステップ(c)の少なくとも1つのミル粉砕ユニットは、サンドミルを含む。
また別の実施形態により、ミル粉砕中のグリット画分の固形分は、前記グリット画分の総重量に対して20.0から80.0重量%、好ましくは25.0から50.0重量%およびより好ましくは30.0から45.0重量%の範囲内にある。
別の実施形態において、ステップ(c)は、前記画分のミル粉砕に続いて、1つ以上のふるいを使用して1つ以上のグリット画分をふるい分けして、前記1つ以上のふるいによって保持された1つ以上のオーバーサイズ画分を除去するステップをさらに含む。
別の実施形態において、前記1つ以上のふるいは、300μm以下、好ましくは300から45μm、より好ましくは250から50μmおよび最も好ましくは200から80μmの開口サイズを有する。
また別の実施形態によれば、ステップ(c)の微細グリットは、0.1から10.0μm、好ましくは0.2から5.0μmおよびより好ましくは0.3から3.0μmの範囲に及ぶd50を有する。
また別の実施形態によれば、ステップ(c)の微細グリットは、2.0から20.0μm、好ましくは5.0から15.0μmおよびより好ましくは6.0から12.0μmの範囲に及ぶd98を有する。
本発明による方法の別の実施形態において、ステップ(d)の開始温度は5から80℃の範囲および好ましくは10から75℃の範囲に及ぶ。
また別の実施形態によれば、前記方法は、単糖類、二糖類、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、ステップ(a)で提供した石灰乳および/またはステップ(b)のグリット低減石灰乳および/またはステップ(b)のグリット画分の1つ以上および/またはステップ(c)の微細グリットに、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で添加するステップをさらに含む。
本発明による方法の一実施形態において、ステップ(d)は、ステップ(c)の微細グリットを炭酸化ステップに供することから成る。
別の実施形態において、ステップ(d)は、ステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物を炭酸化ステップに供することから成り、該微細グリットは、該グリット低減石灰乳に1回にまたは2回以上に分けて添加される。
好ましい実施形態により、グリット低減石灰乳に添加される微細グリットの総量は、総乾燥重量に対して0.1から15.0重量%、好ましくは0.2から10.0重量%およびより好ましくは0.5から5.0重量%の範囲に及ぶ。
別の好ましい実施形態により、微細グリットは、水酸化カルシウムの沈降炭酸カルシウムへの転化の0から100%、好ましくは35から95%、より好ましくは50から90%および最も好ましくは60から80%に相当する時点に、グリット低減石灰乳に添加される。
また別の実施形態において、本発明による方法によって得られる沈降炭酸カルシウムは、少なくとも80.0%、好ましくは少なくとも90.0%、より好ましくは少なくとも92.0%、またより好ましくは少なくとも93.0%および最も好ましくは少なくとも93.5%の白色度(R457)を有する。
当分野において、沈降炭酸カルシウムの粒径分布を改善するために、および例えば白色度などの光学特性を改善するために、炭酸化の前に、石灰乳に含有されるグリットを(例えばふるい分けまたは他の分離方法によって)除去することはきわめて一般的である。
一般にグリット自体は微粒子材料であり、比較的粗い粒径分布および例えば90%または80%もの低さであり得る、低い白色度(R457)を特徴とする。従って、グリットは、価値の低い材料に相当するが、酸化カルシウムまたは石灰乳の購入価格で支払う必要があるため、製造コスト全体の大幅な上昇につながり得る。
炭酸化の前に石灰乳からグリットを分離することはなお必要であるが、発明者らは、驚くべきことに、分離されたグリットのミル粉砕後に得られる微細グリットの形態での炭酸化工程においても、分離グリットを使用できることを見出した。前記微細グリットは、単独でまたは微細グリットおよびグリット低減石灰乳を含む混合物のいずれかで炭酸化され得ることがさらに見出された。
純粋な微細グリットの炭酸化時に、驚くべきことに、炭酸化前の微細グリット(即ち分離したミル粉砕グリット)と比較して、白色度(R457)が著しく上昇することが見出された。多くの場合、白色度(R457)は1から5%上昇され得る。通例、純粋な微細グリットの白色度(R457)は、炭酸化時に2から4%、例えば3.3%上昇され得る。いずれの理論にも拘束されることなく、炭酸化時の白色度の上昇は、分離したグリットのミル粉砕中に放出された未反応の水酸化カルシウムの炭酸化に起因し得ると考えられる。
上記の観察の観点から、複合炭酸化において、微細グリットおよびグリット低減石灰乳を含む混合物を炭酸化することも可能である。多くの用途にとって、沈降炭酸カルシウムの高い白色度は、例えば紙の充填またはコーティングの分野において特に重要である。驚くべきことに、沈降炭酸カルシウムの白色度は、炭酸化ステップ(d)において微細グリットを添加する場合にごくわずかに低下するため、可能な場合には、複合炭酸化後に少なくとも90.0%の高い白色度値(R457)を得ることができ、同時に、相当量の微細グリットを、廃棄にする代わりに、添加することが可能である。
同様に、微細グリットおよびグリット低減石灰乳の複合炭酸化中に微細グリットを添加することによって、より微細な粒径分布が生じ得るが(d50およびd98として認められる。)、このことは沈降炭酸カルシウムが例えばポリマーまたは紙用途で使用される場合に、複数の利点も有し得る。
要するに、本発明による方法は、炭酸化ステップにおいてグリットの再使用を可能にする、沈降炭酸カルシウムの調製のための持続可能でコスト効率の良い方法に相当する。
以下では、本発明による方法の好ましい実施形態をより詳細に論じる。これらの詳細事項および実施形態はまた、本発明によって得られる沈降炭酸カルシウムならびに特定の用途のいずれにもおける前記生成物の使用に適用されることが理解されるものとする。
<ステップ(a)−石灰乳の提供>
本発明による方法のステップ(a)において、石灰乳が提供される。前記石灰乳は、市販され得るか、または酸化カルシウム源(例えば生石灰(burnt lime)もしくはまたは生石灰(quicklime))を水と接触させることによって得られ得る。
該酸化カルシウムと水との反応によって、石灰乳としてよりよく知られる、乳状水酸化カルシウム懸濁物が形成される。前記反応は高度に発熱性であり、当該分野において、「石灰消和」または単に「消和」とも呼ばれる。
消和反応の進行は、最初に迅速に低下し、反応が完了するとただちに本質的に一定レベルに達する反応混合物の導電率を測定することによって観察され得る。同様に、消和反応の進行は、温度および濁度の制御によって監視され得る。
通例、酸化カルシウムの水に対する重量比は、1:6未満、通常は1:9または1:10である。しかし、比較的高い固形分を有する懸濁物を調製する際に粘度低下添加剤を使用する場合、1:2.5から1:6の重量比で水および酸化カルシウムから調製した石灰乳の使用および取り扱いも可能である。
本発明による方法で使用する石灰乳は、これの固形分によって特徴付けることができる。一実施形態において、ステップ(a)で提供する石灰乳は、前記石灰乳の総重量に対して1.0から40.0重量%、好ましくは5.0から35.0重量%およびより好ましくは10.0から32.0重量%の固形分を有する。
すでに上述したように、多くの場合、特に固形分が15重量%より高い場合には、好適な添加剤の添加によって石灰乳の粘度を低下させることが有利であり得る。
本発明の一実施形態において、前記方法は、単糖類、二糖類、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、ステップ(a)で提供した石灰乳に、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で添加するステップをさらに含む。
従って、本発明による方法の別の実施形態において、ステップ(a)で提供した石灰乳は、単糖類、二糖類、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で含む。
本出願の意味において、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸は、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはこれの混合物によって中和または部分中和されると理解される。
好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの添加剤は、スクロース、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択され、より好ましくはスクロースである。
本発明の別の実施形態により、ステップ(a)で提供した石灰乳は、20℃にて1から1000mPa・s、好ましくは5から800mPa・sおよびより好ましくは10から500mPa・sのBrookfield比粘度を有する。
本発明の目的のために、「粘度」または「Brookfield粘度」という用語は、Brookfield(Type RVT)粘度計により25℃±1℃、100rpmにて、Brookfield RVスピンドルセットの適切なスピンドルを使用して測定し、mPa・sで規定する粘度を示す。当業者は、自分の技術知識に基づいて、Brookfield RVスピンドルセットから測定する粘度範囲に好適であるスピンドルを選択する。例えば200から800mPa・sの間の粘度範囲では、スピンドル番号3が使用され得て、400から1600mPa・sの間の粘度範囲では、スピンドル番号4が使用され得て、800から3200mPa・sの間の粘度範囲では、スピンドル番号5が使用され得る。
<ステップ(b)−グリットの分離>
本発明の方法のステップ(b)により、グリットは、ステップ(a)で提供された石灰乳から1つ以上のステップで分離されて、グリット低減石灰乳および1つ以上のグリット画分を得る。
すでに上で定義したように、「グリット」または「グリット画分」という用語は、特定の開口サイズ、例えば400μmを有するふるいによって保持されたオーバーサイズ画分として定義され得る。
光学特性を改善し、より微細な粒径分布を得るために、石灰乳を炭酸化する前に1つ以上のグリット画分を分離することが一般的な手法となっている。通例、グリットまたはグリット画分は、特定の開口サイズ、例えば400μmを有するふるいによって保持されたオーバーサイズ画分として定義され得る。グリット画分は、ふるい分けに使用される開口サイズに応じて、石灰乳中に存在する総固形分の3から8重量%に相当し得る。この点で、本発明の意味における「グリット低減石灰乳」とは、1回以上のグリット分離工程に供された石灰乳である。
一般に、当分野で公知の任意の分離方法により、1つ以上のグリット画分が石灰乳から分離され得る。この目的のために、ふるい分け装置ならびに重力に基づく装置、例えば遠心分離機、サイクロン、沈降装置ならびに上述の装置および方法の任意の組合せ(例えば直列または翼列)が使用され得る。
本発明の幾つかの実施形態において、ステップ(b)はふるい分けステップを含み、前記ふるい分けステップは1つ以上のふるいの使用によって実施され得る。
一般に、グリットは二酸化炭素に対する反応性が低いことを特徴とし得て、主に比較的大型の粒子から成る。このため、1つ以上のグリット画分は、400μm以下の開口サイズを有する1つ以上のふるいを使用することによって除去され得る。
本発明の方法の一実施形態において、ステップ(b)は、400μm以下、好ましくは400から150μm、より好ましくは350から180μmおよび最も好ましくは250μmから200μmの開口サイズを有する1つ以上のふるいを用いる、ふるい分けステップを含む。
また別の実施形態により、ステップ(b)は、第1のふるいおよび第2のふるいの使用によるふるい分けステップを含み、前記第1のふるいは400から200μmの開口サイズを有し、前記第2のふるいは150μmから100μmの開口サイズを有し、
(i)グリット低減石灰乳、ならびに
(ii)第1および第2のグリット画分
を得る。
分離ステップ(b)で得た1つ以上のグリット画分は、水性懸濁物である石灰乳からグリットを分離することにより生じる。このため当業者は、前記1つ以上のグリット画分が相当量の水を含み得て、また水性懸濁物と見なされ得ることを認識する。
従って、幾つかの実施形態において、1つ以上のグリット画分は、前記グリット画分の総重量に対して20.0から80.0重量%、好ましくは25.0から50.0重量%およびより好ましくは30.0から45.0重量%の固形分を有し得る。
別の実施形態において、本発明による方法は、単糖類、二糖類、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、ステップ(b)のグリット低減石灰乳および/またはステップ(b)のグリット画分の1つ以上に、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で添加するステップをさらに含み得る。
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤は、スクロース、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択され、より好ましくはスクロースである。
<ステップ(c)−グリットミル粉砕>
本発明の方法のステップ(c)により、ステップ(b)で得たグリット画分の1つ以上をミル粉砕ステップに供して、いわゆる微細グリットを得る。
前記ミル粉砕工程は、グリット画分の粒径を低減するよう作用する。この目的のために、当業者に既知の任意の好適なミル、例えばサンドミル、ローラーミル、ボールミルまたはハンマーミルが使用され得る。
一般に、1つ以上の分離ステップが方法ステップ(b)で使用されるか否かに応じて、1つのグリット画分もしくはまたはより多くのグリット画分をミル粉砕ステップ(c)に供することができる。ステップ(b)において1を超える(例えば2つまたは3つ)のグリット画分を得る場合、一般に、前記画分の一部のみまたは全部をミル粉砕ステップ(c)に供することが可能である。例えばステップ(b)は、(i)グリット低減石灰乳ならびに(ii)第1および第2のグリット画分を得るための、第1のふるいおよび第2のふるいの使用によるふるい分けステップを含み得る。後者の場合、第1、第2または両方のグリット画分をミル粉砕することが可能である。
本発明の好ましい実施形態において、沈降炭酸カルシウムの調製方法は、以下のステップ:
(a)石灰乳を提供するステップ、
(b)ステップ(a)で提供された石灰乳から、400から200μmの開口サイズを有する第1のふるいおよび150μmから100μmの開口サイズを有する第2のふるいの使用により、グリットを分離するステップであって、前記グリットは400μm以下の開口サイズを有するふるいによって保持されるオーバーサイズ画分に相当し、
(i)グリット低減石灰乳、および
(ii)第1および第2のグリット画分
を得るステップ、
(c)少なくとも1つのミル粉砕ユニットで、ステップ(b)の第1のグリット画分をミル粉砕して、微細グリットを得るステップ、ならびに
(d)炭酸化ステップに、
(i)ステップ(c)の微細グリット、または
(ii)ステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物、
のどちらかを供するステップ、
を含み、前記炭酸化ステップが、沈降炭酸カルシウムを得るための二酸化炭素の導入を含む。
上述のように、分離ステップ(b)で得た1つ以上のグリット画分は相当量の水を含有し得るため、ミル粉砕ステップ(c)は湿式ミル粉砕または湿式粉砕工程と見なすことができる。この点で、および1つ以上のグリット画分の粒径分布に関して、ステップ(c)の少なくとも1つのミル粉砕ユニットは、好ましくはサンドミルを含む。
分離ステップ(b)で得た1つ以上のグリット画分の固形分に応じて、ミル粉砕中の前記画分の固形分は、前記グリット画分の総重量に対して20.0から80.0重量%、好ましくは25.0から50.0重量%およびより好ましくは30.0から45.0重量%の範囲内にあり得る。
一般に、ミル粉砕ステップ(c)の前に1つ以上のグリット画分の固形分を、例えば水の添加または部分的な除去によって、該方法の特定の要求に、例えば本明細書の上で規定した値のいずれかまたは他の好適な値に調整することも可能である。
方法ステップ(c)で得た微細グリットの粒径分布を改善するために、前記ステップ(c)は、前記画分のミル粉砕に続いて、1つ以上のふるいを使用して1つ以上のグリット画分をふるい分けして、前記1つ以上のふるいによって保持された1つ以上のオーバーサイズ画分を除去するステップをさらに含み得る。
一実施形態において、前記1つ以上のふるいは、300μm以下、好ましくは300から45μm、より好ましくは250から50μmおよび最も好ましくは200から80μmの開口サイズを有する。
上述のふるい分けステップは、ミル粉砕後のグリット画分の粒径をさらに低減するために、例えばd50またはd98を低減するために使用され得る。
ミル粉砕ステップ(c)がさらなるふるい分けステップを含むか否かとは無関係に、ステップ(c)の後に得た微細グリットは、特定の粒径分布によって特徴付けられ得る。
一実施形態において、ステップ(c)の微細グリットは、0.1から10.0μm、好ましくは0.2から5.0μmおよびより好ましくは0.3から3.0μmの範囲に及ぶd50を有する。
50に追加してまたはd50に代えて、ステップ(c)の微細グリットは、2.0から20.0μm、好ましくは5.0から15.0μmおよびより好ましくは6.0から12.0μmの範囲に及ぶd98を有し得る。
<ステップ(d)−炭酸化>
本発明による方法のステップ(d)において、ステップ(c)の微細グリットまたはステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットの混合物を炭酸化ステップに供する。
微細グリットのみまたは微細グリットおよびグリット低減石灰乳を含む混合物のどちらをステップ(d)で炭酸化するかには無関係に、前記ステップ中の固形分は、前記石灰乳の総重量に対して1.0から40.0重量%、好ましくは5.0から35.0重量%およびより好ましくは10.0から32.0重量%の範囲に及び得る。
一般に、ステップ(c)の微細グリットまたはステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物の固形分を、例えば水の添加または部分的な除去によって、該方法の特定の要求に、例えば本明細書の上で規定した値のいずれかまたは他の好適な値に調整することも可能である。
前記炭酸化ステップでは、ステップ(c)の微細グリットまたはステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物のいずれかを、二酸化炭素の物理的状態に応じて、例えばガス状二酸化炭素の注入によって、該方法に導入され得る二酸化炭素と接触させる。すでに上述したように、前記炭酸化ステップで形成された沈降炭酸カルシウムは、ステップ(c)の微細グリット中、特にステップ(b)のグリット低減石灰乳中に存在し得る水酸化カルシウムの転化から生じる。
一般に、二酸化炭素を任意の物理的条件で使用することが可能である。しかし、実際には、固体二酸化炭素(いわゆるドライアイス)、ガス状二酸化炭素またはこれの混合物を使用することが好ましい。
本発明による方法の好ましい実施態様において、ステップ(d)はガス状二酸化炭素の注入を含む。
ガス状二酸化炭素を注入する場合、未希釈ガス状二酸化炭素(注入ガスの総体積に対して100体積%の二酸化炭素)または希釈ガス状二酸化炭素(例えば注入ガスの総体積に対して1.0から99.0体積%の二酸化炭素)のどちらかを注入することが可能である。後者の場合、ガス状二酸化炭素は空気または窒素ガスで希釈され得るが、空気が好ましい。幾つかの実施形態において、希釈ガス状二酸化炭素の供給源として煙道ガスが注入され得る。
本発明による方法の一実施形態によれば、ステップ(d)は未希釈ガス状二酸化炭素の注入を含む。
別の実施形態により、ステップ(d)は、注入ガスの総体積に対して2.0から75.0体積%、好ましくは5.0から50.0体積%およびより好ましくは10.0から35.0体積%の濃度を有する希釈ガス状二酸化炭素の注入を含み、前記ガス状二酸化炭素を空気で希釈することが好ましい。
炭酸化に供した材料の温度を二酸化炭素の導入の前、例えばガス状二酸化炭素の注入の前に調整する場合、白色度および粒径分布に関して最適な炭酸化結果が得られることが見出された。
本出願の意味において、炭酸化ステップ(d)における二酸化炭素の導入前に調整される温度を、「開始温度」と呼ぶ。
本発明による方法の幾つかの実施形態において、ステップ(d)の開始温度は5から80℃および好ましくは10から75℃の範囲に及ぶ。
別の実施形態において、ステップ(d)の開始温度は、20から80℃、好ましくは30から70℃およびより好ましくは40から60℃の範囲に及ぶ。
選択肢(i)および(ii)に関して、一実施形態において、方法ステップ(d)は、ステップ(c)の微細グリットのみ(選択肢(i))を炭酸化ステップに供することから成り得る。
しかし、ステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物のみ(選択肢(ii))を炭酸化することも可能である。
従って、別の実施形態において、ステップ(d)は、ステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物を炭酸化ステップに供する工程から成り、該微細グリットは、該グリット低減石灰乳に1回にまたは2回以上に分けて添加される。
一般に、炭酸化ステップ(d)のどの時点でも、微細グリットを添加することが可能である。例えば、水酸化カルシウムの沈降炭酸カルシウムへの転化率が0または100%に相当する時点で、グリット低減石灰乳に微細グリットを添加することさえ可能である。水酸化カルシウムの転化率が0%に相当する時点に微細グリットを添加すると、この添加は二酸化炭素を導入することによって炭酸化を開始する前の添加と見なされ得る。水酸化カルシウムの100%の転化率に相当する時点に微細グリットを添加すると、この添加はグリット低減石灰乳の水酸化カルシウムへの完全転化に続く、微細グリットの添加と見なされ得る。
複合炭酸化の場合、本発明者らは、白色度および粒径分布に関して最適な結果を達成するためには、グリット低減石灰乳中に二酸化炭素を導入することによって(例えばガス状二酸化炭素を注入することによって)微細グリットの非存在下で炭酸化ステップ(d)を開始して、続いて微細グリットを1回にまたは2回以上に分けて添加することが有益であり得ることを見出した。
従って、別の実施形態により、微細グリットは、水酸化カルシウムの沈降炭酸カルシウムへの35から95%、好ましくは50から90%、より好ましくは60から80%の転化に相当する時点にグリット低減石灰乳に添加される。
本発明による方法の幾つかの実施形態において、微細グリットは、水酸化カルシウムの沈降炭酸カルシウムへの0から100%、好ましくは35から95%、より好ましくは50から90%および最も好ましくは60から80%の転化に相当する時点にグリット低減石灰乳に添加され、ステップ(d)は、注入ガスの総体積に対して2.0から75.0体積%、好ましくは5.0から50.0体積%およびより好ましくは10.0から35.0体積%の濃度を有する希釈ガス状二酸化炭素の注入を含み、前記ガス状二酸化炭素は、好ましくは空気で希釈される。
付加的にまたは代替的に、所望の光学特性、例えば高い白色度(R457)を有する沈降炭酸カルシウムを得るために、グリット低減石灰乳に一定量の微細グリットのみを添加することも有益であり得る。
従って、一実施形態によれば、グリット低減石灰乳に添加される微細グリットの総量は、総乾燥重量に対して0.1から15.0重量%、好ましくは0.2から10.0重量%およびより好ましくは0.5から5.0重量%の範囲に及び得る。
本発明による方法は、単糖類、二糖類、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、ステップ(a)で提供した石灰乳および/またはステップ(b)のグリット低減石灰乳および/またはステップ(b)のグリット画分の1つ以上および/またはステップ(c)の微細グリットに、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で添加するステップをさらに含む。
従って、本発明による方法の別の実施形態において、炭酸化ステップ(d)に供されたステップ(c)の微細グリットならびにまたステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物は、単糖類、二糖類、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で含み得る。
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤は、スクロース、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択され、より好ましくはスクロースである。
<沈降炭酸カルシウム>
本発明による方法によって得られる生成物は、沈降炭酸カルシウムである。
沈降炭酸カルシウムの粒径分布または他のパラメータ、例えば白色度(R457)もしくは比表面積をさらに改善するために、任意選択の分級ステップ(例えばふるい分けステップ)を炭酸化ステップ(d)の後に行ってよい。
本発明による方法の一実施形態において、該方法はこのため、1つ以上のふるいの使用によって炭酸化ステップ(d)で得た沈降炭酸カルシウムをふるい分けするさらなるステップを含み、好ましくは、前記1つ以上のふるいは、300μm以下、好ましくは300から45μm、より好ましくは250から50μmおよび最も好ましくは200から80μmの開口サイズを有する。
好ましくは、本発明の方法は、サイクロンまたは空気分級機の使用によって炭酸化ステップ(d)で得た沈降炭酸カルシウムを分級するさらなる工程を含む。
本発明による方法によって得られる沈降炭酸カルシウムは、特定の粒径分布によって特徴付けられ得る。
一実施形態において、沈降炭酸カルシウムは、0.1から10.0μm、好ましくは0.2から5.0μmおよびより好ましくは0.3から3.0μmの範囲に及ぶd50を有する。
50に追加してまたはd50に代えて、沈降炭酸カルシウムは、2.0から20.0μm、好ましくは5.0から15.0μmおよびより好ましくは6.0から12.0μmの範囲に及ぶd98を有し得る。
本発明者らは、炭酸化ステップ(d)において相当量のグリットが使用されるが、本発明の方法に従って調製した沈降炭酸カルシウムが、良好から優れた光学特性(例えば高い白色度)を示すことを見出した。
一実施形態によれば、本発明により得られる生成物は、少なくとも80.0%、好ましくは少なくとも90.0%、より好ましくは少なくとも92.0%、またより好ましくは少なくとも93.0%および最も好ましくは少なくとも93.5%の白色度(R457)を有する。
幾つかの場合、例えば微細グリットおよびグリット低減石灰乳を含む混合物を炭酸化する場合(ステップ(d)の選択肢(ii))、本発明により得られる生成物は、少なくとも90.0%、好ましくは少なくとも92.0%、より好ましくは少なくとも93.0%および最も好ましくは少なくとも93.5%の白色度(R457)を有し得る。
本発明による方法は、少なくとも1つの添加剤をステップ(a)で提供した石灰乳および/またはステップ(b)のグリット低減石灰乳および/またはステップ(b)のグリット画分の1つ以上および/またはステップ(c)の微細グリットに添加するステップを含み得るため、本発明の方法によって得られる沈降炭酸カルシウムは、単糖類、二糖類、中和または部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で含み得る。
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤は、スクロース、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択され、より好ましくはスクロースである。
当業者は、本発明の方法のいずれの段階でも、さらなる添加剤を使用できることを認識する。この点で、最終生成物の白色度(R457)をさらに向上させるために、粉砕ステップ(c)中に増白剤、例えば亜ジチオン酸ナトリウムを使用することができる。
付加的にまたは代替的に、本発明の方法の沈降炭酸カルシウムをさらなるステップ、例えば表面処理または表面改質ステップに供することもできる。さらなる炭酸化反応において、本発明の方法の沈降炭酸カルシウムを種材料として使用することさえできる。
沈降炭酸カルシウムの使用に応じて、本発明により得られる生成物は、任意の公知の方法によってさらに乾燥され得る。
本発明の沈降炭酸カルシウムを、湿潤状態または乾燥状態のいずれかで、さらなるフィラー材料(例えば鉱物フィラー材料)と混合することもできる。
さらなる態様により、本発明の沈降炭酸カルシウムは、ポリマー組成物、製紙、紙製品、紙コーティング、農業用途、塗料、接着剤、シーラント、建築用途、食品用途、医薬品用途または化粧品用途に使用され得る。この目的のために、本発明の沈降炭酸カルシウムは、直接、または上述のステップもしくは他の公知の追加のステップの1つ以上に供した後のいずれかで使用され得る。
本発明の沈降炭酸カルシウムは、良好な光学特性および微細な粒径分布のために、紙または紙コーティングにおけるフィラー材料として有利に使用され得る。
開口サイズ(記号「w」)を説明する図である。
本発明の範囲および利益は、本発明の実施形態を例証するためである以下の実施例に基づいてさらに深く理解され得る。しかし、これらはいかなる様式においても特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
[実施例1]<グリット分離>
第1の試験において、酸化カルシウムを5重量部の水によって230rpmにて、温度を40℃に維持して25分間にわたって消和した。得られた石灰乳を200μmの開口サイズを有するふるいでふるい分けして、グリット低減石灰乳およびグリット画分を得た。
第2の試験において、酸化カルシウム200kgを1700kgの水によって40℃にて消和した。得られた石灰乳を200μmの開口サイズを有するふるいでふるい分けして、グリット低減石灰乳およびグリット画分を得た。
[実施例2]
<ミル粉砕試験、微細グリットの製造>
以下のミル粉砕試験では200μmの開口サイズを有するふるいによる石灰乳のふるい分けで得たグリット画分(d50=1.1mm)を使用して、微細グリットを製造した。この目的のために、グリット画分を八角形サンドミル(容積1.8m;バッフル数4;ビーズ:1200kgのBitossi Microbits 1.5から2.5mm)に投入した。次に、1400mmの全体の垂直高さの34%に設置され、ポンプを装備したミルの出口として0.4mmグリットを使用して、ミル粉砕を連続工程で行い、微細グリットを製造した。それぞれ100μmおよび45μmの開口サイズを有する二重ネットシーブを前記ポンプの下流に設置した。粉砕ストックの粘度を低下させるために、石灰乳の乾燥重量に基づいて様々な量のスクロースを試験2から5および7に添加した。ミル粉砕試験を下記表1に列挙する。
Figure 2018501182
試験5において、高粘度のためにスラリーを垂直出口のポンプによって圧送できなかった。しかし、サンドミルは、この高い固形分にてなお適正に動作可能であり、0.4mmグリットの詰まりは認められなかった。
[実施例3]
<微細グリットの炭酸化>
グリットミル粉砕(実施例2、試験4)から得た1.9μmのd50、19μmのd98および79.5%の白色度(R457)を有する微細グリットをガラスビーカーに投入し、固形分約15重量%に調整して、7を下回るpHに達するまで100%二酸化炭素を導入した。得られた生成物は10μmのd98を示し、白色度(R457)は、出発物質の79.5%と比較して82.8%であった。
[実施例4]
<異なる量の微細グリットを用いた、微細グリットおよびグリット低減石灰乳の複合炭酸化>
参照試料(試験1)として、酸化カルシウム200kgを40℃の水1700kgで消和した。得られた石灰乳を200μmの開口サイズを有するふるいでふるい分けした。得られたグリット低減石灰乳を50℃まで加熱し、石灰乳の乾燥重量に対して0.04重量%のスクロースを添加した。次に、20%二酸化炭素を200Nm/hおよび240rpmにて、導電率極小後5分まで注入することによって炭酸化を行った。
さらなる炭酸化試験を同一条件下で実施し、各種の量の、グリットミル粉砕から得た1.9μmのd50、19μmのd98および79.5%の白色度(R457)を有する微細グリット(実施例2、試験4)ならびに各種の量のスクロースも、どちらも石灰乳の乾燥重量に基づいて炭酸化の前に添加した(試験2から5)。炭酸化生成物を45μm開口サイズでふるい分けしてから、ふるい分けされた生成物の白色度(R457)および粒径分布ならびに保持された材料のパーセンテージを求めた(表2を参照)。保持されたオーバーサイズ材料を、Bruker AXS D8 Advanced XRDシステム(5から100°の2θブラッグ回折;Cu K−α放射線;自動発散スリット;線形位置感応型検出器;管電流および電圧:50mA、35kV;ステップサイズ:0.02°2θ;カウント時間:0.5秒/ステップ;結果は表3を参照)を使用するXRD分析に供した。
Figure 2018501182
Figure 2018501182
[実施例5]
<微細グリットの時間依存性添加を伴う、微細グリットおよびグリット低減石灰乳の複合炭酸化>
参照試料(試験1)として、酸化カルシウムを5重量部の水によって230rpmにて、温度を40℃に維持して25分間にわたって消和した。得られた石灰乳を200μmの開口サイズを有するふるいでふるい分けした。得られたグリット低減石灰乳を50℃まで加熱し、石灰乳の乾燥重量に対して0.08重量%のスクロースを添加した。次に、20%二酸化炭素を15l/分および750rpmにて、導電率極小後5分まで注入することによって炭酸化を行った。
さらなる炭酸化試験を同一条件下で行い、1.9μmのd50および81.0%の白色度(R457)を有する微細グリットを、下の表4に示す水酸化カルシウムの転化に相当する各種の時点に添加した(試験2から6)。
これらのキャラクタリゼーションの前に、すべての炭酸化生成物を45μm開口サイズにてふるい分けした。
Figure 2018501182
すべてのグリット添加試験2から6によって、93.0%以上の良好な白色度値(R457)を得た。試験4では、比較試験1よりも白色度が高かった。
[実施例6]
<工業規模での複合炭酸化およびグリット添加>
酸化カルシウム(CaO)を40℃の水の存在下で、CaOに対して0.107重量%の総クエン酸配合比で消和して、1086kg/cmの密度および16.5重量%の固形分を有する石灰乳30mを得た。得られた石灰乳を200μmの開口サイズを有するふるいでふるい分けした。
得られたグリット低減石灰乳27mを45mステンレス鋼PCC反応装置に導入した。石灰乳の開始温度は44℃であった。この石灰乳を参照試料(試験8)および本発明の試料(試験9)に使用した。
<参照試料(試験8)>
次に、20体積%二酸化炭素を4770Nm/時にて注入し、導電率極小後5分まで撹拌することによって炭酸化を行った。
<本発明の試料(試験9)>
この炭酸化試験は同一条件下で、以下を例外として行った:
炭酸化を最初の100分間にわたって行った。次に、以下の特性:1.46μmのd50、11.5μmのd98、82.9%の白色度(R457)(実施例2、試験7)、グリットの乾燥重量に対して44重量%のグリット固形分、石灰乳の乾燥重量に対して0.14重量%のグリットスラリースクロース含有率、グリットの乾燥重量に対して0.31重量%のグリットスラリースクロース含有率および1378kg/mのグリットスラリー密度を有する微細グリットのスラリーを、PCC反応装置内の反応混合物に添加した。これは炭酸化時間の約60%に相当する。
導電率極小後の5分まで炭酸化を続けた。
試験8および9から得た生成物の特性を以下の表5から得ることができる。
Figure 2018501182
[実施例7]
<沈降炭酸カルシウムのハンドシートでの使用>
酸化カルシウムを5重量部の水によって230rpmにて、温度を40℃に維持して25分間にわたって消和した。得られた石灰乳1重量部を、実施例5の試験6に従って得たPCC 1重量部(68%の転化率にて8.00重量%のグリットを添加)と混合してから、続いて20%二酸化炭素を15l/分および750rpmにて、導電率極小後5分まで注入することによって炭酸化を行った。
ハンドシートの試験のために、30°SRまで精製したユーカリパルプ(FPI TSI−Lab FP標準繊維)を使用した。本検討の試験1において、(乾燥)パルプ80gおよびPCC 17gを上記のように10dmの総容量まで希釈することによって、水性懸濁物を調製した。得られた懸濁物を30分間撹拌した。続いて、得られた懸濁物450mlを、歩留剤としての0.06重量%(乾燥重量基準)のポリアクリルアミド(Polymin 1530、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェンBASFから市販)と混合した。次いで、Rapid−Kothenハンドシート形成剤を用いて、75g/mのハンドシートを形成した。各ハンドシートを、クロモボードと2種類の調整フェルト(水道水で2から3分間の前処理)を用いて湿式プレスで0.42MPaにて1分間プレスした。シートを105℃にて6分間乾燥させた。ハンドシートのフィラー含有率を、必要に応じて制御および調整した。
実施例5の試験2および4のPCCならびに市販のPCC(Omya Syncarb(R)270)を使用することによって、同一条件下でさらなるハンドシートを製造した。下の表6の試験BからDを参照。
Figure 2018501182
得られたハンドシートは、同等のフィラー含有率にてバルク密度の上昇ならびに不透明度の上昇を示している。
ハンドシートのフィラー含有率は、マッフル炉内での570℃における4分の1のハンドシート試料の急速灰化時に恒量に達した後に求めた。燃焼が完了した後、残渣をデシケーターに移し、放冷した。室温に達した後、残渣の重量を測定し、質量を4分の1のハンドシートの初期重量と相関させた。坪量を決定するために、ハンドシートを23℃および相対湿度50%で24時間保持した。DIN 53146に従って不透明度を求めた。

Claims (18)

  1. 沈降炭酸カルシウムの調製方法であって、以下のステップ:
    (a)石灰乳を提供するステップ、
    (b)ステップ(a)で提供された石灰乳から1つ以上のステップでグリットを分離するステップであって、前記グリットが400μm以下の開口サイズを有するふるいによって保持されるオーバーサイズ画分に相当し、
    (i)グリット低減石灰乳、および
    (ii)1つ以上のグリット画分
    を得るステップ、
    (c)少なくとも1つのミル粉砕ユニットで、ステップ(b)の1つ以上のグリット画分をミル粉砕して、微細グリットを得るステップ、ならびに
    (d)炭酸化ステップに、
    (i)ステップ(c)の微細グリット、または
    (ii)ステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物、
    のどちらかを供するステップ、
    を含み、前記炭酸化ステップが、沈降炭酸カルシウムを得るための二酸化炭素の導入を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、ステップ(a)で提供する石灰乳が、前記石灰乳の総重量に対して1.0から40.0重量%、好ましくは5.0から35.0重量%およびより好ましくは10.0から32.0重量%の固形分を有する、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、ステップ(b)が、400μm以下、好ましくは400から150μm、より好ましくは350から180μmおよび最も好ましくは250μmから200μmの開口サイズを有する1つ以上のふるいを用いる、ふるい分けステップを含む、方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の方法であって、ステップ(c)の少なくとも1つのミル粉砕ユニットがサンドミル、ローラーミル、ボールミルまたはハンマーミルを含み、好ましくはステップ(c)の少なくとも1つのミル粉砕ユニットが、サンドミルを含む、方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、ミル粉砕中のグリット画分の固形分が、前記グリット画分の総重量に対して20.0から80.0重量%、好ましくは25.0から50.0重量%およびより好ましくは30.0から45.0重量%の範囲内にある、方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法であって、ステップ(c)が、前記画分のミル粉砕に続いて、1つ以上のふるいを使用して1つ以上のグリット画分をふるい分けして、前記1つ以上のふるいによって保持された1つ以上のオーバーサイズ画分を除去するステップをさらに含む、方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、前記1つ以上のふるいが、300μm以下、好ましくは300から45μm、より好ましくは250から50μmおよび最も好ましくは200から80μmの開口サイズを有する、方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の方法であって、ステップ(c)の微細グリットが、0.1から10.0μm、好ましくは0.2から5.0μmおよびより好ましくは0.3から3.0μmの範囲に及ぶd50を有する、方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の方法であって、ステップ(c)の微細グリットが、2.0から20.0μm、好ましくは5.0から15.0μmおよびより好ましくは6.0から12.0μmの範囲に及ぶd98を有する、方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の方法であって、ステップ(d)の開始温度は5から80℃および好ましくは10から75℃の範囲に及ぶ、方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の方法であって、前記方法が、単糖類、二糖類、中和もしくは部分中和形態のポリアクリル酸、クエン酸またはクエン酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの添加剤を、ステップ(a)で提供した石灰乳および/またはステップ(b)のグリット低減石灰乳および/またはステップ(b)のグリット画分の1つ以上および/またはステップ(c)の微細グリットに、総乾燥重量に対して0.005から1.0重量%、好ましくは0.01から0.5重量%およびより好ましくは0.02から0.2重量%の総量で添加するステップをさらに含む、方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の方法であって、ステップ(d)が、ステップ(c)の微細グリットを炭酸化ステップに供することから成る、方法。
  13. 請求項1から11のいずれかに記載の方法であって、ステップ(d)が、ステップ(b)のグリット低減石灰乳およびステップ(c)の微細グリットを含む混合物を炭酸化ステップに供する工程から成り、ならびに前記微細グリットが、前記グリット低減石灰乳に1回にまたは2回以上に分けて添加される、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、グリット低減石灰乳に添加される微細グリットの総量が、総乾燥重量に対して0.1から15.0重量%、好ましくは0.2から10.0重量%およびより好ましくは0.5から5.0重量%の範囲に及ぶ、方法。
  15. 請求項13または14に記載の方法であって、微細グリットが、水酸化カルシウムの沈降炭酸カルシウムへの転化の0から100%、好ましくは35から95%、より好ましくは50から90%および最も好ましくは60から80%に相当する時点に、グリット低減石灰乳に添加される、方法。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の方法によって得られる沈降炭酸カルシウム。
  17. 請求項16に記載の沈降炭酸カルシウムであって、前記炭酸塩の白色度(R457)が、少なくとも80.0%、好ましくは少なくとも90.0%、より好ましくは少なくとも92.0%、またより好ましくは少なくとも93.0%および最も好ましくは少なくとも93.5%である、沈降炭酸カルシウム。
  18. 請求項16または17のいずれかに記載の沈降炭酸カルシウムの使用であって、ポリマー組成物、製紙、紙製品、紙コーティング、農業用途、塗料、接着剤、シーラント、建築用途、食品用途、医薬品用途または化粧品用途における、好ましくは製紙、紙製品または紙コーティングにおける使用。
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