JP2018501065A

JP2018501065A - 人工角膜

Info

Publication number: JP2018501065A
Application number: JP2017552539A
Authority: JP
Inventors: ダフナ，オフェル; マルコビッチ，アリー; オーレン，ガイ; フェレーラ，ナウム
Original assignee: アイヨン・メディカル・リミテッド
Priority date: 2014-12-29
Filing date: 2015-12-28
Publication date: 2018-01-18
Also published as: EP3240505A1; US20170265991A1; EP3240505B1; CN107106291A; CA2972202A1; CA2972202C; ES2698416T3; WO2016108175A1; US20160184084A1

Abstract

人工角膜（１０）は、透明な合成コラーゲンから作製された前部コラーゲン層（１２）と、疎水性後部層（１４）であって、後部層（１４）の前部表面が、コラーゲン層（１２）の前部表面の後ろにある、疎水性後部層とを含む。【選択図】図１

Description

本発明は、一般に、人工角膜、すなわち、損傷した角膜組織を置き換えるためのデバイスに関する。

多様な病理学的および偶発的原因で、眼の角膜損傷が起こる。角膜の潰瘍形成およびその結果生じる角膜瘢痕は、世界的に見て、視覚の損失の最もよくある原因の１つである。潰瘍形成は、シュードモナス菌（Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ）、Ｓｔａｇｈｇｌｏｃｏｃｃｕｓ、ヘルペスおよび真菌に関する感染症の結果から、ならびに時に加熱角膜形成術後を含む、化学的および熱的火傷の結果から生じ得る。潰瘍形成はまた、深刻なビタミンＡおよびタンパク質の不足（角膜軟化症）に関連して、特定のドライアイ状態において、および神経麻痺性角膜炎において、角膜に明らかに限定された自己免疫疾患（モーレン潰瘍）を有する患者の眼において、ならびにエリテマトーデスおよびウェジナー肉芽腫症（Ｗｅｇｅｎｅｒ’ｓｇｒａｎｕｌｏｍａｔｏｓｉｓ）のような知られている全身性自己免疫疾患、および関節リュウマチのような考えられる自己免疫疾患に関連しても起こり得る。潰瘍形成は、時に、虹彩と角膜の間の癒着の形成を伴う実際の穿孔、続発性緑内障、および視神経の死滅による盲目にまで進行する。しかし、通常、角膜に対する深刻な障害、および角膜実質マトリックスの酵素浸食の後、潰瘍形成は止められ、負傷した皮膚のような角膜は、光をまき散らす瘢痕組織を形成し、それによって視力の損失を引き起こす。他の機械的損傷もまた、引っ掻きまたは異物による突刺から角膜に起こり得る。これらのおよび多様な他の理由のため、眼の角膜部分は、外科的に補修されまたは取り換えられなければならない。

角膜移植は、特に米国では極めて一般的になってきている。残念なことに、ドナー角膜を得ることは非常に難しい。寄与される角膜は、使用するからには、ドナーの死亡時から数日または数週間のうちに使用されなければならない。

さまざまなデバイスが、これらの問題を解決するために提案されている。ガラス、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、さまざまなプラスチック、ポリマーおよびヒドロゲルが、不定の成功を伴って試されている。１つの知られている人工角膜は、Ｄｒ．ＣｌａｅｓＨ．Ｄｏｈｌｍａｎによって導かれたチームによって開発されたボストン人工角膜と呼ばれものである。これは、デバイスの光学部分を収容する、幹部を備えた前部プレートと、後部プレートと、チタン製掛止ｃ−リングとを含む。デバイスは、ＰＭＭＡから作製されているが、近年のバージョンでは、後部プレートは、チタンから作製される。ＡｌｐｈａＣｏｒ（オーストラリア、パースのＡｒｇｕｓＢｉｏｍｅｄｉｃａｌＰｔｙＬｔｄ）は、別の知られている人工角膜デバイスである。移植片は、７ｍｍ直径の、一体型の非剛性の合成角膜である。これは、不透明であり、多孔性であり、高水ＰＨＥＭＡ（ポリ［２−ヒドロキシエチルメタクリレート］）の外側周囲部と、ゲルＰＨＥＭＡの透明の中央光コアとを有する。

歯根部利用人工角膜（Ｏｓｔｅｏ−ｏｄｏｎｔｏｋｅｒａｔｏｐｒｏｓｔｈｅｓｉｓ）（ＯＯＫＰ）は、かなり異なる処置であり、ここでは、歯が患者またはドナーから取り出され、歯からの組織の層が、組織薄膜内に穿孔された穴内に置かれた人工レンズに嵌合される。薄膜は、数ヶ月間患者の頬内で成長し、次いで、眼上に移植される。眼は最初、まぶたの内側表面全体、角膜表面、およびすべての瘢痕組織を取り除くことによって準備されなければならない。これは、頬の粘膜内層の眼組織内に移植することによって置き換えられる。歯骨移植片が所定位置に置かれた後、粘膜内層は、移植片上に戻される。

角膜の人工角膜移植手術の１つの知られている術後合併症は、角膜融解として知られている。角膜上皮欠損が、再上皮化不良を伴って融解プロセスを開始し、感染症または栄養プロセスおよびその後のデバイス不良を招く。分子レベルでは、免疫伝達物質およびコラゲナーゼが、角膜実質を攻撃する。角膜融解の２つの最も一般的な原因は、単純ヘルペスウイルス（ＨＳＶ）角膜炎および保持された水晶体材料である。別の合併症は、通常は密集した維管束組織からなる、後層状開口部の炎症性／線維性の再閉鎖によって特徴付けられる、人工角膜後膜（ＲＰＭ）である。

本発明は、以下においてさらに詳細に説明されるような、新規および改良された人工角膜を提供しようとするものである。

本発明の実施形態によれば、透明な合成コラーゲンから作製された前部コラーゲン層と、良好または比較的良好な水封止性または疎水性特性を有する材料から作製された後部層（たとえばシリコーン層）とを含む、人工角膜が提供される。後部層の前部分は、前部層の後部分に取り付けられる。層は、同じサイズでも異なるサイズでもよく、すなわち後部層は、前部層と比較して、より大きい半径、同じ半径、またはより小さい半径を有することができる。

本発明は、図を併用して以下の詳細な説明からより完全に理解され、認識されるであろう。

本発明の実施形態によって構築され作動する人工角膜の簡単な前面図である。本発明の１つの実施形態による、図１の人工角膜の断面図である。本発明の別の実施形態による、図１の人工角膜の断面図である。

次に、図１に参照がなされ、この図では、本発明の実施形態によって構築され作動する人工角膜１０を示す。
人工角膜１０は、透明の合成コラーゲンから作製され、ボタン状の角膜として成形された中央コラーゲン層１２を含む。それだけに限定されないが、凸性、光強度、および屈折特性などのコラーゲン層１２の光学特性は、個々の患者に合わせて選択される。後部層１４は、それだけに限定されないが、ＰＭＭＡまたはシリコーンおよび他のものなどの良好な水封止性または疎水性特性を有する材料から作製される。

コラーゲン層１２は、限定的ではないが、１００〜５５０μｍの範囲内の厚さと、後部層１４より大きい直径とを有する。そのより大きい直径により、コラーゲン層１２は、受容者の生まれつきの眼球組織と３６０度の全周囲で接触する。この生まれつきの組織との接触は、角膜融解の問題を解消するはずである。しかし、本発明は、これに限定されず、コラーゲン層１２は、後部層１４に対して同じサイズでもこれより小さいサイズのものでもよい。後部層１４は、コラーゲン層１２の真後ろ（すなわち真下）にあることができ（図２および３）、またはコラーゲン層１２のポケット内に配置されてもよい（図２の破線で示される）。いずれの場合も、後部層１４の前部表面（すなわち最前表面）は、コラーゲン層１２の前部表面（すなわち最前表面）の後にある。

後部層１４の前面は、コラーゲン層１２の後面に結合され得る。適切な結合剤は、たとえば、それだけに限定されないが、ポリ−Ｌ−リシンおよびポリ−Ｄ−リシン、または重合Ｎ−イソプロピルアクリルアミド（ＰｏｌｙｍｅｒｉｚｅｄＮ−ｉｓｏｐｒｏｐｙｌａｃｒｙｌａｍｉｄｅ）（ｐＮＩＰＡＭ）を含む。

前部コラーゲン層は、角膜実質（本体）として働き、良好な上皮性予備を有する患者においては、宿主上皮によって覆われる。図２の実施形態では、追加の前部層１６が、コラーゲン層１２上に配設される。追加の前部層１６は、受容者の上皮細胞から作製されてよく、コラーゲン層１２の上で成長する。代替的には、図３の実施形態では、追加の前部層１６Ａは、それだけに限定されないが、ＰＭＭＡ，剛性ガス透過性（ＲＧＰ）ポリマー、アクリル樹脂、シリコーン、および他のものなどの適切なレンズ材料から構築されたコンタクトレンズである。このコンタクトレンズは、角膜表面問題に関するものなどの上皮細胞の成長の問題を有する患者に使用される。

Claims

デバイスであって、
透明な合成コラーゲンから作製された前部コラーゲン層（１２）と、
疎水性後部層（１４）であって、前記後部層（１４）の最前表面が、前記前部層（１２）の最前表面の後ろにある、疎水性後部層とを含む人工角膜（１０）を備える、デバイス。
前記コラーゲン層（１２）の最前表面上に位置する追加の前部層（１６、１６Ａ）をさらに含む、請求項１に記載のデバイス。
前記追加の前部層（１６）が、前記デバイスの受容者の上皮細胞から作製される、請求項２に記載のデバイス。
前記追加の前部層（１６Ａ）が、コンタクトレンズを含む、請求項２に記載のデバイス。
前記コラーゲン層（１２）が、前記疎水性後部層（１４）に結合される、請求項１に記載のデバイス。
前記コラーゲン層（１２）が、前記後部層（１４）の直径より大きい直径を有する、請求項１に記載のデバイス。
前記コラーゲン層（１２）が、前記後部層（１４）の直径と等しい直径を有する、請求項１に記載のデバイス。
前記コラーゲン層（１２）が、前記後部層（１４）の直径より小さい直径を有する、請求項１に記載のデバイス。
前記コラーゲン層（１２）が、結合剤によって前記疎水性後部層（１４）に結合される、請求項５に記載のデバイス。
前記結合剤が、ポリ−Ｌ−リシンを含む、請求項９に記載のデバイス。
前記結合剤が、ポリ−Ｄ−リシンを含む、請求項９に記載のデバイス。
前記結合剤が、重合Ｎ−イソプロピルアクリルアミド（ｐＮＩＰＡＭ）を含む、請求項９に記載のデバイス。