JP2018500298A - 医薬組成物、その調製及び使用 - Google Patents

医薬組成物、その調製及び使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、(i)少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と(ii)少なくとも1つの医薬化合物との組み合わせを含み、このような医薬化合物を必要とする対象に投与され、そしてここで、ナノ粒子は、医薬化合物の効率を増強する、医薬組成物に関する。生体適合性ナノ粒子の最長径は、典型的には、約4〜約500nmであり、その表面電荷絶対値は、少なくとも10mV(|10mV|)であり、そのヤング率は、100kPa未満である。また、本発明は、医薬化合物を必要とする対象に医薬化合物を投与するのに使用するためのものであり、少なくとも1つのナノ粒子と少なくとも1つの医薬化合物とが互いに、5分超〜約72時間の間で対象に投与される、このような組成物に関する。

Description

[発明の分野]
本発明は、(i)少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と(ii)少なくとも1つの対象となる化合物、典型的には、少なくとも1つの医薬化合物との組み合わせを含み、このような対象となる化合物を必要とする対象に投与され、そしてここで、ナノ粒子は、対象となる化合物の効率を増強する、医薬組成物に関する。少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子の最長径は、典型的には、約4〜約500nmであり、その表面電荷絶対値は、少なくとも10mV(|10mV|)であり、そのヤング率は、100kPa未満である。
また、本発明は、少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と少なくとも1つの対象となる化合物が、典型的には、互いに5分超〜約72時間の間で、連続して対象に投与される、少なくとも1つの対象となる化合物をそれを必要とする患者への投与における使用のための医薬組成物に関する。
少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と少なくとも1つの対象となる化合物との対象への組み合わせ投与、典型的には、連続的な投与は、標準的な薬学的用量で投与された場合に、前記化合物により引き起こされる薬学的利益及び毒性と比較したときに、前記対象におけるその低下した毒性で、前記対象となる化合物の薬学的(すなわち、治療的、予防的、又は診断的)利益を維持し、又は、同等もしくは低下した毒性でその薬学的利益を増大させる。
本発明の医薬組成物は、典型的には、前記化合物の標準的な薬学的用量と比較したときに、投与される対象となる化合物の薬学的用量を少なくとも10%減少させ、一方で、対象に対して同等の毒性、好ましくは、低下した毒性で同じ薬学的利益を維持し、又は一方で、対象に対して同等もしくは低下した毒性で薬学的利益を増大させる。
[背景]
安全性及び有効性を確保するために、医薬化合物は、それを必要とする対象において、そのターゲット部位に最適な速度で選択的に送達される必要がある。
薬物動態(pK)は、生きている組織に外部から投与された物質の運命を決定するのに寄与する薬理学の一分野である。この決定には、十分長い期間にわたる、好ましくは、化合物が排出されるまでの、全ての主要な組織における化合物濃度を測定する工程が含まれる。薬物動態は、in vivoにおける化合物の挙動を効率的に説明するのに必須である。同挙動は、その吸収及び分布のメカニズムならびに生物におけるその化学変化を含む。血中のpKプロファイルは、身体が化合物をどのように扱うのかを定量的に説明する重要なpKパラメータを得るための種々のプログラムを使用して当て嵌めることができる。重要なパラメータは、最大濃度(Cmax)、半減期(t1/2)、クリアランス、曲線下面積(AUC)、及び平均滞留時間(MRT)、すなわち、化合物が生物に滞在する間の平均時間を含む。化合物調製物の延長した血液循環が観察されると、この延長は、通常、延長したt1/2、低下したクリアランス、増大したAUC、及び延長したMRTに関連する。pKデータは、多くの場合、最少の副作用で治療効率を改善するために、望ましい血中濃度を維持するのに最適な用量及び投与計画を決定するのに使用される。加えて、当業者に周知であるように、化合物の血中濃度は、ほとんどの場合、典型的には、遊離した薬剤についてのその有効性及び毒性の両方に関連する。
治療化合物及び予防化合物の物理化学特性は、身体におけるその薬物動態及び代謝運命に重大な影響を有する。したがって、適切な物理化学特性の選択は、このような化合物を設計する際に重要である。しかしながら、このような化合物は、生物自体によって常に内因的に提供されるものではなく、通常、外部から投与されるため、その生体分布プロファイルは、その所望の薬理学的作用と適合し、好ましくは、同作用を最適化するために最適化される必要がある。
複数のアプローチが、そのターゲット部位への化合物の送達を最適化するのに調査されてきた。その血中半減期を延長させ、その結果として、ターゲット部位へのその蓄積を増大させるステルス性を有する治療化合物を設計するというのが、戦略である。1つの好ましいアプローチは、治療化合物へのポリエチレングリコール(PEG)の共有結合である。これは、循環中の化合物のin vivoでの半減期(t1/2)を延長することが証明されている。in vivoでの半減期の延長レベルは、化合物の性質及びコーティングの性質に部分的に応じて変動する。また、薬物担体、例えば、リポソーム、エマルジョン、又はミセルが、対象の身体におけるその生体分布プロファイルを改良することにより、薬剤の治療効果を向上させるのに開発されてきた。
しかしながら、治療化合物の生体分布についての選択性の欠如は、依然として懸念事項である。従来から、乏しい薬物動態及び高い毒性は、治療化合物開発における失敗の主因である。
例として、ガン処置に関して、ガン細胞を殺傷するために、身体に必須の機能の意図的な阻害により、正常な細胞における毒性がもたらされ、臨床医は、有効な治療ウインドウを見出すために、用量応答及び腫瘍と正常組織との間の治療化合物分布における差異に依存しなければならない。特に、肝毒性は、肝臓における薬剤誘引性細胞傷害の直接的及び間接的メカニズムのために、薬剤開発及び臨床使用から薬剤を中止させる主な理由となっている。
ナノ粒子状化合物、例えば、薬物担体について提案されたアプローチ[Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 11(1):31-59 1994]は、網内皮系(RES)の貪食能を低下させ、飽和させ、又は更に、不活性化するデコイ担体を予め注入することである。機能障害又は遮断も、オプソン分子の低下した血漿レベルに関連する場合がある。試験粒子の投与前の、特定の作用剤、例えば、脂肪酸のアルキルエステル、デキストランスルファート、希土類元素の塩(例えば、GdCl)、薬物担体、空又はカプセル化のいずれかのクロドロナートの静脈内投与は、クッパー細胞取込みの中程度〜劇的な減少を誘引することが証明されている。
例えば、「Biomimetic amplification of nanoparticle homing to tumors」[PNAS 2007]において、著者は、同著者のナノ粒子「CREKA-SPIO」のクリアランスにおけるRESの役割を報告した。最初の実験から、静脈内(IV)注入された「CREKA-SPIO」ナノ粒子は、MDA-MB-435乳ガン異種移植片に効果的に蓄積しないことが示された。対照的に、高濃度の粒子が、RES組織中に見られた。リポソームクロドロナートにより肝臓中のRESマクロファージを枯渇させることにより、その粒子の半減期の5倍の延長が見出された。しかしながら、クロドロナート剤は、肝臓及び脾臓からのマクロファージのアポトーシスを誘引し、これにより、マクロファージ枯渇が免疫サプレッション及び感染に関連するリスクを増大させるため、全体としては有害であると考えられる。2番目の実験において、著者は、キレート化Ni(II)でコートされたリポソームを、強力なデコイ粒子として試験した。同粒子により、酸化鉄及びNi(II)が類似する血漿オプソニンを引きつけるであろうために、Ni−リポソームが全身循環において同オプソニンを枯渇させることができると仮定される。実際には、静脈内(IV)注入されたNi−リポソームは、CREKA-SPIOナノ粒子の投与前5分又は48時間のいずれかに投与されるが、ナノ粒子の血中半減期の5倍延長を可能にする。しかしながら、腫瘍マウスの中でも、死亡をまねく高い毒性が観察された。平坦リポソームも、Ni−リポソームに代えて試験された。しかしながら、前記Ni−リポソームと比較して毒性は低下したが、平坦リポソームは、Ni−リポソームよりはるかに有効性が低かった。実際には、血中半減期の延長は、約2倍のみであった。
国際公開公報第2005086639号は、典型的には、超音波処理もしくはX線暴露又は磁気共鳴画像化(MRI)及び治療に関して、所望の作用剤を対象におけるターゲット部位に選択的に投与する方法に関する。記載された方法の目的は、対象となる作用剤の効率を改善し、又は、維持し、一方で、不活性なデコイ担体の同時投与により、具体的に投与された作用剤の総用量を減少させることである。
記載された発明は、確率に基づくアプローチを利用している。非ターゲット化不活性作用剤(「不活性担体」)が、対象となるターゲット化作用剤によるRES系の回避を容易にすることにより、対象となる作用剤の所望の部位での改善された取込みを可能するために、類似する物理的特徴を示す(「活性組成物」中に存在する)対象となるターゲット化作用剤と共に、同時に(すなわち、「実質的に同時に」)投与される。このアプローチは、対象となる作用剤への患者のより少ない暴露をもたらし、その結果として、前記対象となる作用剤の投与あたりのコストがより低くなる。活性組成物及び不活性なデコイ担体は、互いに5分以内、好ましくは、互いに2分以内、又は更に短い間に投与される。このアプローチは、大過剰の非ターゲット化「担体」又は「デコイ」媒体の存在に依拠し、所望の位置にターゲット化される媒体の存在下において供給された場合、過剰のこのデコイ担体が対象となるターゲット化作用剤と網内皮系による取込みについて競合するであろう確率に依拠している。RESにより捕捉された粒子の半減期は、用量依存的である、すなわち、粒子の循環半減期は、用量の増大と共に延長する。より高い用量に関連するより遅いクリアランスは、総作用剤を高濃度に維持し、投与される対象となる作用剤の用量を減少させる。すなわち、その全体的に高い用量による対象となる作用剤の延長した半減期は、国際公開公報第2005086639号の著者らによれば、ターゲット化作用剤に当然有益である。このアプローチにより必要とされる要件は、活性な作用剤と不活性な作用剤とがそれらの各組成に関わらずRESにおけるそのクリアランス特性に関して類似して挙動することである。
このアプローチにおいて、不活性な作用剤と活性な作用剤との準同時注入が、血中に存在する作用剤の全量を増大させ、この結果として、その血中半減期を延長させるのに必要とされる。このような戦略は、確率に基づくアプローチに明確に依拠しており、前記活性な作用剤に不活性な作用剤を上回る利点を付与することによりターゲット部位におけるその成功した蓄積を達成するために、活性な作用剤とターゲット化作用剤との会合を必然的に必要とする。加えて、準同時注入のために、不活性な担体の特別な設計が、活性組成物の使用意図に応じて必要とされる場合がある。
国際公開公報第2005/063305号は、(典型的には、少なくとも0.5μmのサイズを有する)ガス充填マイクロベシクルと、前記マイクロベシクルに関連する(約100nmを下回るサイズを有する)コンポーネントとを含むアッセンブリに関する。得られたアッセンブリは、診断及び/又は治療活性配合物における、薬学活性成分として使用される。2つのコンポーネント、すなわち、ガス充填マイクロベシクル及びマイクロベシクル関連コンポーネントは、典型的には、ターゲット化超音波画像化、超音波媒介性薬剤送達を含む超音波コントラスト画像化、及び他の画像化技術の分野における画像化を向上させるために、同時に投与される。
従来技術から明らかであり、長い医療ニーズにも関わらず、その許容できない毒性又はその望ましくない薬物動態パラメータのために、患者において最適に使用することができない、(治療的、予防的、及び診断的化合物を含む)化合物の効率の改善は、依然として懸念事項である。
化合物のサイズ(最長寸法)に応じた、治療化合物を血液循環から除去するための可能性のある経路の模式図。 MDA-MB-231-lucD3H2LN異種移植片における、(i)実施例3の生体適合性ナノ粒子と(ii)Dox-NP(登録商標)とを含む医薬組成物のついての処置スケジュールの概略図。 MDA-MB-231-lucD3H2LN異種移植片における、実施例3の生体適合性ナノ粒子とDox-NP(登録商標)とを含む医薬組成物の腫瘍再成長遅延(平均RTV±SD)。 L−グルタミン酸,N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−,1,5−ジヘキサデシルエステル(SA−脂質)の化学式。
[詳細な説明]
次に、本発明は、治療、予防、又は診断に関するその使用意図に関わらず、対象となる化合物(本明細書において、単に「化合物」と特定される)の効率の最適化を可能にする。(i)少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と(ii)少なくとも1つの対象となる化合物、典型的には、少なくとも1つの医薬化合物との組み合わせである、本明細書に記載された組成物は、少なくとも1つの対象となる化合物の薬物動態パラメータを最適化し、その結果として、例えば、その許容し得ない毒性のために、別の方法では開発することができなかった医薬化合物の開発をまさに可能にする。典型的には、生体適合性ナノ粒子は、例えば、医薬化合物として、すなわち、治療、予防、又は診断化合物としては使用されない。
本発明の典型的な組成物(本明細書において、「医薬組成物」と一般的に特定される)は、(i)少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と(ii)少なくとも1つの化合物(「対象となる化合物」)との組み合わせを含み、そしてここで、生体適合性ナノ粒子の最長径又は最大径は、典型的には、約4nm〜約500nmであり、生体適合性ナノ粒子の表面電荷絶対値は、少なくとも10mVであり、生体適合性ナノ粒子のヤング率は、100kPa未満である、組成物である。
典型的には、(少なくとも1つの)生体適合性ナノ粒子と対象となる化合物との間の比は、0.1/1〜1000/1又は0.5/1〜1000/1、好ましくは、0.5/1〜500/1、更により好ましくは、0.5/1〜300/1である。
例えば、ナノ粒子のサイズ又は時間間隔等の値に関する場合、「約(about)」及び「約(around)」という用語は、当業者に小さな偏差と認識されるであろう示された値についての偏差がその値が関連する主題の特性に実質的に影響を及ぼさず、前記主題が特許請求の範囲の発明の精神の範囲内にあることを示す。
本発明の好ましい目的は、(i)少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と(ii)少なくとも1つの医薬化合物との組み合わせを含み、そしてここで、生体適合性ナノ粒子の最長径又は最大径は、約4nm〜約500nmであり、生体適合性ナノ粒子の表面電荷絶対値は、少なくとも10mV(|10mV|)であり、生体適合性ナノ粒子のヤング率は、100kPa未満であり、少なくとも1つの医薬化合物を、それを必要とする対象に投与するのに使用するためのものであり、そしてここで、少なくとも1つのナノ粒子及び少なくとも1つの医薬化合物は、前記医薬化合物を必要とする対象に、互いに5分超〜約72時間の間で投与され、そしてここで、生体適合性ナノ粒子は、例えば、医薬化合物として使用されない、医薬組成物である。
本発明の組成物による、生体適合性ナノ粒子と医薬化合物との対象への組み合わせ投与及び連続的な投与は、典型的には、いずれのナノ粒子が存在しない場合に、標準的な薬学的用量の前記化合物により引き起こされる薬学的利益及び毒性と比較したとき、対象に対してその低下した毒性で、化合物の同じ薬学的(すなわち、治療的、予防的、又は診断的)利益を可能にし(維持し)、又は、対象に対してその同等もしくは低下した毒性(好ましくは、低下した毒性)で化合物の薬学的利益を増大させる。
本発明の医薬組成物は、典型的には、いずれのナノ粒子が存在しない場合に、前記化合物の標準的な薬学的用量と比較したとき、少なくとも10%、好ましくは、少なくとも15%の投与される化合物の薬学的(すなわち、治療的、予防的、又は診断的)用量を減少させ、一方で、(i)対象に対して同等の毒性、好ましくは、低下した毒性で同じ薬学的利益を維持し、又は一方で、(ii)対象に対して同等もしくは低下した毒性で薬学的利益を増大させる。
粒子の形状がその「生体適合性」に影響を及ぼすおそれがある場合には、本明細書では、全く均質な形状を有する粒子が好ましい。このため、薬物動態学的な理由で、特に、形状が球状/円形又は卵形であるナノ粒子が好ましい。また、このような形状は、細胞とのナノ粒子の相互作用又は細胞によるナノ粒子の取込みにも望ましい。球状/円形が、特に好ましい。
本発明の趣旨において、「ナノ粒子」という用語は、ナノメートルの範囲、典型的には、約1nm〜約500nm、好ましくは、約4nm〜約500nm、約4nm〜約400nm、約30nm〜約300nm、約20nm〜約300nm、約10nm〜約300nm、例えば、約4nm〜約100nm、例えば、約10nm、15nm、もしくは20nm〜約100nm、又は、約100nm〜約500nm、典型的には、約100nm〜約300nmのサイズを有する製品、特に、合成品を意味する。
本明細書において、「ナノ粒子のサイズ」、「ナノ粒子の最大径」、及び「ナノ粒子の最長径」という用語は、典型的には、形状が球状/円形又は卵形である場合、「ナノ粒子の最長径もしくは最大径」又は「ナノ粒子の直径」を意味する。透過型電子顕微鏡(TEM)又はCryo−TEMは、ナノ粒子のサイズを測定するのに使用することができる。また、動的光散乱(DLS)は、溶液中のナノ粒子の流体力学的直径を測定するのに使用することができる。これらの2つの方法は、前記サイズを確認するために、DLSにより測定されたナノ粒子の流体力学的直径をTEM又はCryo−TEMにより測定された前記ナノ粒子のサイズと比較するのに、互いに続けて更に使用することができる。好ましい方法は、DLS(参照.International Standard ISO22412 Particle Size Analysis - Dynamic Light Scattering, International Organisation for Standardisation (ISO) 2008)である。
本発明の文脈に有用であるために、生体適合性ナノ粒子の絶対静電表面電荷(本明細書において、「電荷」又は「表面電荷」とも特定される)は、|10mV|(絶対値)より高い。ナノ粒子の表面電荷は、典型的には、0.2〜10g/Lのナノ粒子濃度、pH6〜8での、及び典型的には、0.001〜0.2M、例えば、0.01M又は0.15Mの水性媒体における電解質濃度での、水性媒体中におけるゼータ電位測定により決定される。
典型的には、本発明の生体適合性ナノ粒子は、少なくとも|10mV|、すなわち、−10mVを下回る又は+10mVを上回る、例えば、−12mVもしくは15mVを下回る〜−20mV、又は、+12mVもしくは+15mVを上回る〜+20mV以上、典型的には、−15mVを下回る又は+15mV上回る静電表面電荷を有する。好ましくは、本発明の生体適合性ナノ粒子は、10mV超の電子表面電荷絶対値(「表面電荷絶対値」)を有する。前記電荷は、更により好ましくは、負の電荷である。
本発明の文脈に有用であるために、生体適合性ナノ粒子の弾性を反映する、生体適合性ナノ粒子のヤング率は、500kPa未満、典型的には、400kPa未満、より好ましくは、300又は200kPa未満、好ましくは、100kPa未満である。生体適合性ナノ粒子のヤング率は、例えば、70kPa未満、又は60、50、40、30、20、もしくは10kPa未満であることができる。
ヤング率は、典型的には、原子間力分光(AFM)技術を使用して測定される。典型的な実験において、生体適合性ナノ粒子は、ホウケイ酸ガラス面等の平面に付着され、又は、固定される。表面に固定された生体適合性ナノ粒子は、適切な媒体、典型的には、PBS又はHEPESバッファー中に浸漬される。力測定は、典型的には、「コロイド状プローブ法」を使用して行われる[Attachment of micro- and nano-particles on tipless cantilevers for colloidal probe microscopy. J. Colloid and Interface Science. 426 (2014) 190-198]。同方法では、コロイド状粒子、典型的には、シリカマイクロスフェアが、原子間力分光(AFM)カンチレバーに付着される。本発明の文脈において、カンチレバーのバネ定数は、ナノ粒子の弾性に併せられ、典型的には、500mN.m-1を下回る。表面上のナノ粒子の局在化は、典型的には、表面を散乱させることにより行われる。接近及び後退力曲線は、一定速度、典型的には、100nm.s-1を下回るチップを使用して記録される。ヤング率は、力のプロファイルを適切なモデルに当てはめることにより、実験による曲線から抽出される。「Herztモデル」は、典型的には、算出のために十分に確立されたモデルである[Determining the elastic modulus of biological samples using atomic force microscopy. JPK Instruments Application Note]。
「改良Herztモデル」も、生体適合性ナノ粒子のヤング率を算出するのに使用することができる。文献「Young’s moduli of surface-bound liposomes by atomic force microscopy force measurements」(Langmuir 2008, 24; 2009-2014)において、著者は、典型的には、40kPaを下回る、好ましくは、10kPaを下回るヤング率のリポソームを報告している。比較のために、生きた細胞は、典型的には、100kPaを下回るヤング率の値を有する。ゲルのヤング率は、架橋の度合いに応じて変動する場合がある。同著者の文献「Effect of mechanical properties of hydrogel nanoparticles on macrophages cell uptake」(Soft Matter, 2009, 5; 3984-3991)において、著者は、N,N−ジエチルアクリルアミドとN,N−メチレン−ビス−アクリルアミドと架橋した2−ヒドロキシエチルメタクリラートとから構成されるその生体適合性ナノ粒子における架橋が増大する(mol%)のと共に、ヤング率の値が大きくなること(18.04kPa〜最大211.39kPa)を報告している。
ナノ粒子の組み合わせられた特性、サイズ、表面電荷、及び弾性により、ナノ粒子の短い血液循環及び肝臓への滲出が可能となる。さらに、機械的処理は、細胞とその微小環境との間での複雑な相互作用における重要なレギュレーターとして明らかとなっている。細胞と周囲の細胞外マトリックス(ECM)との間の相互作用は、その適切な機能ならびに組織アーキテクチャ及びホメオスタシスの維持に必須である。細胞は、ECMに結合可能なレセプターの大きなレパートリーを発達させてきた。これらのレパートリーは、ECMへの物理的な結合を提供し、その挙動をこの複雑な環境の特性に併せることにより、ECMから発せられるシグナルを伝達することができる。注目すべきことに、細胞挙動は、ECMの組成、局所分布、及び機械的特性により影響を受ける。細胞は、典型的には、100Pa〜100kPaの弾性率(すなわち、ヤング率)を有する[Demichelis A. et al. Study of AFM Force Spectroscopy method for elastic modulus measurement of living cells. Journal of Physics: Conference Series 459 (2013) 012050]。本発明の文脈において、生体適合性ナノ粒子は、典型的には、細胞との安全な相互作用(すなわち、細胞の機能に影響を及ぼさない)ために、細胞の弾性より小さい弾性(すなわち、弾性率又はヤング率)を有する。したがって、本発明の生体適合性ナノ粒子と対象となる化合物を連続的に投与することにより、2つの化合物(すなわち、生体適合性ナノ粒子及び対象となる化合物)が同時循環しないか、又は、2つの化合物の限られた同時循環が達成される。したがって、生体適合性ナノ粒子の組み合わせられた特性、サイズ、表面電荷、及び弾性により、対象となる化合物の安全な使用が可能となり、一方で、標準的な薬学的用量の前記化合物により、典型的には、いずれのナノ粒子が存在しない場合、引き起こされる薬学的利益及び毒性と比較したとき、対象に対してその低下した毒性で、化合物の同じ薬学的(すなわち、治療的、予防的、又は診断的)利益を可能にし(維持し)、又はすなわち、一方で、対象に対してその同等もしくは低下した毒性(好ましくは、低下した毒性)で、化合物の薬学的利益を増大させる。
ナノ粒子は、典型的には、有機ナノ粒子、例えば、脂質系ナノ粒子(グリセロ脂質、リン脂質、ステロール脂質等)、例えば、固体脂質ナノ粒子、タンパク質系ナノ粒子(本明細書において、「タンパク質ナノ粒子」とも特定される)(例えば、アルブミン)、ポリマー系ナノ粒子(「ポリマー性ナノ粒子」)、コポリマー系ナノ粒子(「コポリマー性ナノ粒子」)、カーボン系ナノ粒子、ウイルス様ナノ粒子(例えば、ウイルスベクター)であることができる。
有機ナノ粒子は、更に、ナノスフェア(平らなナノ粒子)又はナノカプセル(中空のナノ粒子)、例えば、リポソーム、ゲル、ヒドロゲル、ミセル、デンドリマー等であることができる。本明細書で記載された有機ナノ粒子の混合物も使用することができる。ポリマー又はコポリマーは、天然又は合成起源であることができる。
本発明の文脈において有機ナノ粒子を調製するのに有用な合成(人工)及び天然のポリマー又はコポリマーの例は、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ラクチド−コ−グルコール)酸(PLGA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグラクチン、ポリラクチド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール、ポリソルベート、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリラート、ポリアルキルシアノアクリラート、ポリラクタート−コ−グリコラート、ポリ(アミドアミン)、ポリ(エチレンイミン)、アルギナート、セルロース及びセルロース誘導体ポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸(PGA)、アクチン、多糖類、及びゼラチンから選択することができる。
本明細書で記載された組成物に使用されるナノ粒子は、生体適合性、すなわち、生きた組織に適合性である。その組成物に必要とされる場合には、ナノ粒子は、有用になるように生体適合性材料でコーティングされる。このため、本発明の特定の実施態様では、本明細書で言及されたナノ粒子は、生体適合性コーティングで覆われている。
生体適合性材料は、生体ターゲットとの相互作用を可能にする作用剤であることができる。このような作用剤は、典型的には、ナノ粒子表面に正又は不の電荷をもたらすであろう。この場合、ナノ粒子の絶対電荷は、少なくとも10mVである。
ナノ粒子表面に正の電荷を形成する作用剤は、例えば、アミノプロピルトリエトキシシラン又はポリリシンから選択することができる。ナノ粒子表面に負の電荷を形成する作用剤は、例えば、ホスファート(例えば、ポリホスファート、メタホスファート、ピロホスファート等)、カルボキシラート(例えば、シトラート又はジカルボン酸、特に、コハク酸)、又はスルファートから選択することができる。
特定の実施態様では、ナノ粒子の絶対電荷が少なくとも10mV(|10mV|)である限り、ナノ粒子は、立体基を提示する作用剤から選択される生体適合性材料でコーティングすることができる。このような基は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリアクリラート;ポリアクリルアミド(ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド));ポリカルバミド;生体ポリマー;多糖類、例えば、デキストラン、キシラン、及びセルロース;コラーゲン;双性イオン化合物、例えば、ポリスルホベタイン;等から選択することができる。
生体適合性コーティングは、有利に、「完全なコーティング」(完全な単層)であることができる。これは、ナノ粒子の全表面に適切な電荷を形成する、非常に高密度の生体適合性分子の存在を含む。
生体適合性コーティングは、更に、ラベル剤、典型的には、標準的な画像化装置を使用して、色の可視化を可能にする作用剤を含むことができる。
少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と少なくとも1つの対象となる化合物との組み合わせ投与は、典型的には、対象となる化合物を必要とする対象に、互いに5分超〜約72時間の間で投与された場合に、標準的な薬剤、典型的には、治療用量の前記化合物により、典型的には、いずれのナノ粒子が存在しない場合に、引き起こされる薬学的利益及び毒性と比較したとき、低下した毒性で、対象となる化合物の薬学的(すなわち、治療的、予防的、又は診断的)、典型的には、治療的利益を維持し、又は、対象に対して同等もしくは低下した毒性で、化合物の薬学的利益を増大させる。
特定の実施態様では、少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と少なくとも1つの対象となる化合物との組み合わせ投与は、典型的には、互いに5分超〜約72時間の間で、対象となる化合物を必要とする対象に投与された場合、前記化合物の標準的な治療用量と比較したとき、少なくとも10%、好ましくは、少なくとも15%の投与される化合物の治療用量を減少させ、一方で、典型的には、いずれのナノ粒子が存在しない場合に、対象に対して化合物の同等の毒性もしくは低下した毒性(好ましくは、低下した毒性)で、同じ治療的利益を維持し、又は一方で、対象に対して化合物の同等もしくは低下した毒性で、治療的利益を増大させる。
特定の実施態様では、ナノ粒子は、複数の対象となる化合物、典型的には、少なくとも2つの対象となる化合物と共に投与される。
ナノ粒子は、好ましくは、それが投与された対象から、典型的には、少なくとも1つの対象となる化合物を必要とする対象へのその投与後、1時間〜6週間、例えば、1か月(4週間)以内、1時間〜1か月、例えば、1時間〜3週間、又は1時間〜2週間、又は1時間〜1週間以内に排出される。
ナノ粒子(存在する場合には、その生体適合性コーティングを含む)を構成する材料は、ナノ粒子の生体持続性(すなわち、対象の身体中での持続性)を決定するのに重要である。ナノ粒子は、例えば、生分解性ポリマー、例えば、PLGA又はPLAで構成された場合、生分解性であると認識することができる。生分解性は、対象からのナノ粒子の急速なクリアランスを容易にする。
種々の分子又は作用剤は、上記された少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子との組み合わせで投与される、少なくとも1つの対象となる化合物として、典型的には、少なくとも1つの対象となる医薬化合物として、本教示に従って使用することができる。この化合物は、先で説明されたように、治療的、予防的、又は診断的化合物であることができる。この化合物は、有機化合物又は無機化合物であることができる。
対象となる化合物として有用な有機化合物の例は、生体化合物、抗体、オリゴヌクレオチド、合成ペプチド、小分子ターゲット化治療剤、腫瘍溶解性ウイルス、細胞毒化合物、及びそれらの任意の対応するプロドラッグ又は誘導体から選択することができる。
特定の実施態様では、本発明の文脈において使用される対象となる化合物は、好ましくは、生体化合物、小分子ターゲット化治療剤、腫瘍溶解性ウイルス、及び細胞毒化合物から選択される有機化合物である。別の特定の実施態様では、対象となる化合物は、抗体、オリゴヌクレオチド、及び合成ペプチドから選択される。
生体化合物は、例えば、抗体、抗体薬剤コンジュゲート、好ましくは、モノクローナル抗体(「mAb」)、例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ラニビズマブ、セツキシマブ、パナチムマブ;タンパク質もしくはリコンビナントタンパク質、例えば、エンブレル(エタネルセプト)もしくはインターフェロンベータ−1a;ペプチドもしくはリコンビナントペプチド、例えば、インスリングラルジンもしくはベタセロン;ワクチン、例えば、プレブナー13もしくはガルダシル;生体類似物、例えば、エポジン;酵素もしくはリコンビナント酵素、例えば、レプラガルもしくはクレオン等である。
オリゴヌクレオチドは、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アプタマー、例えば、ミポメルセンナトリウム又はプルセンニド等である。
合成又は人工ペプチドは、例えば、グラチラメルアセタート又はリュープロリドアセタートである。
腫瘍溶解性ウイルスは、正常な組織を害することなく、ガン組織を選択的に感染し、傷害する、治療的に有用なウイルスである。腫瘍溶解性ウイルスは、例えば、アデノウイルス、例えば、Onyx−015、コクサッキーウイルス、例えば、Catavak、ヘルペス単純ウイルス、例えば、talimogene laherparepvec、麻疹ウイルス(maesla virus)、例えば、MV−CEA、ニューキャッスル病ウイルス、パルボウイルス、ポリオウイルス、レオウイルス、セネカバレーウイルス、レトロウイルス、ワクシニア、水泡性口内炎ウイルスから選択される。
小分子ターゲット化治療剤は、一般的には、悪性細胞内で変異され、過剰発現され、又は他の方法で重要なタンパク質(ガン処置に関して有力なターゲット)の酵素ドメインを阻害する。一部の治療剤は、細胞分裂をターゲットにするもの(例えば、オーロラキナーゼ阻害剤又はサイクリン依存性キナーゼ阻害剤)ならびに他の生物学的メカニズム、例えば、タンパク質ターンオーバー及びクロマチン修飾をターゲットにするもの(例えば、ヒストン−デアセチラーゼ阻害剤)を含む。小分子ターゲット化治療剤は、例えば、イマチニブ、ラパマイシン、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ボルテゾミブ、アトルバスタチン等である。
細胞毒化合物は、例えば、DNA修飾剤、例えば、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン等)、アルキル化剤(例えば、メルファラン又はテモゾロミド)、及び、規定された生理学的メカニズム、例えば、微小管重合を非常に正確に妨害する薬剤(例えば、タキソール)もしくは代謝産物合成を非常に正確に妨害する薬剤(例えば、メトトレキサート)である。アクチバブル細胞毒化合物は、典型的には、光線力学的療法に関して使用され(例えば、フォトフリン)に関して使用され、外部線源、例えば、レーザ線源により活性化されて、その治療効果を生じる。他の典型的な細胞毒化合物は、典型的には、本明細書に記載され、又は、熟練の腫瘍学者に公知の化学療法剤から選択される。
プロドラッグ(例えば、カペシタビン又はイリノテカン)は、in vivoにおいて、その活性型に代謝されて、その期待される治療効果を生じる。
少なくとも1つの対象となる化合物として有用な無機化合物の例は、遷移金属配位錯体、放射性医薬化合物、ナノ粒子等から選択することができる。
対象となる化合物がナノ粒子である場合、前記ナノ粒子は、特許請求の範囲における医薬組成物中に言及された、「少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子」とは別のものである。
遷移金属配位錯体は、より一般的な有機系薬剤を上回る強力な利点を提供し、広い範囲の配位数及び幾何形状、アクセス可能な酸化還元状態、リガンド置換の熱力学及び反応速度の「同調性」、ならびに広い構造多様性を含む。金属系物質は、細胞分子ターゲットと相互作用し、悪性細胞の破壊をもたらす生化学的機能に影響を及ぼす。遷移金属配位錯体は、典型的には、DNA構造に作用する細胞毒剤(例えば、プラチナ配位錯体:シスプラチン、カルボプラチン、オキザロプラチン、又はルテニウムもしくは金配位錯体)である。
放射性医薬化合物は、診断目的で、又は、悪性細胞を選択的に破壊するために、放射線を発する。典型的な放射性医薬は、例えば、ストロンチウム−89、タリウム−201、テクネチウム−99、サマリウム−83等を含有することができる。
ナノ粒子は、典型的には、金属酸化物ナノ粒子(例えば、国際公開公報第2009/147214号及び同第2007/118884号を参照のこと)、金属ナノ粒子(例えば、金、プラチナ、又は銀ナノ粒子)、金属硫化物ナノ粒子(例えば、Bi)、及びそれらの任意の混合物(例えば、ハフニウム酸化物材料で覆われた金ナノ粒子)から選択することができる。ナノ粒子は、例えば、外部線源、例えば、電磁放射線源、超音波源、又は磁気源等により活性化することができるナノ粒子である。
上記された生体適合性ナノ粒子との組み合わせで投与される(典型的には、上記されたように連続的に投与される)対象となる化合物は、当業者に公知の手段に従って、担体中に封入することができ、又は、このような担体にグラフト化(もしくは結合)させることができる。典型的な担体は、例えば、リポソーム(例えば、DOXIL又は感熱性脂質を使用するThermoDox)、ミセル、ポリマー性(又は「ポリマー」)担体、ヒドロゲル、ゲル、コポリマー性担体、タンパク質担体、無機担体である。
(対象となる化合物とナノ粒子との組み合わせにより規定される)本発明の医薬組成物は、多くの分野、特に、ヒト又は獣医医薬に使用することができる。この組成物は、典型的には、動物、好ましくは、(例えば、獣医医薬に関する)哺乳類、更により好ましくは、ヒト(その年齢又は性別に関わらず)として特定された対象における使用のためのものである。
本発明の医薬組成物は、心血管疾患、中枢神経系(CNS)疾患、消化管疾患、遺伝障害、血液学的障害、ホルモン性障害、免疫障害、感染性疾患、代謝性障害、筋骨格障害、ガン、呼吸器疾患、及び中毒等から選択される疾患又は障害を予防し、又は、治療するのに使用することができる。好ましい実施態様では、医薬組成物は、心血管疾患、CNS疾患、ガン、感染性疾患、及び代謝性障害から選択される疾患又は障害を予防し、又は、治療するのに使用するためのものである。
本発明の文脈において、少なくとも1つのナノ粒子及び医薬化合物は、化合物の薬学的効能を最適化するために、有利に、前記化合物を必要する対象に、互いに5分超〜約72時間の間で、典型的には、5分超〜約24時間の間で、好ましくは、5分又は30分超〜約12時間の間で投与される。
本発明において、少なくとも1つのナノ粒子及び化合物が互いに5分超〜約72時間の間で前記化合物を必要とする対象に投与される場合、生体適合性ナノ粒子の表面電荷絶対値は、少なくとも10mV(|10mV|)である。
本発明の特定の実施態様では、少なくとも1つのナノ粒子及び化合物が互いに5分超〜約24時間の間で前記化合物を必要とする対象に投与される場合、生体適合性ナノ粒子の表面電荷絶対値は、有利に、少なくとも15mV(|15mV|)である。
本発明の別の特定の実施態様では、少なくとも1つのナノ粒子及び化合物が互いに5分超〜約12時間の間で前記化合物を必要とする対象に投与される場合、生体適合性ナノ粒子の表面電荷絶対値は、有利に、少なくとも20mV(|20mV|)である。
また、本明細書で言及された疾患等の疾患にかかりやすいか、又は、疾患を患っていると疑われる対象を予防し、又は、治療する方法であって、前記対象に、本発明の医薬組成物、典型的には、本明細書で記載された少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子及び少なくとも1つの対象となる化合物を投与することを含む方法も、本明細書に記載されている。一方で生体適合性ナノ粒子及び他方で対象となる化合物が別々に典型的には5分超〜約72時間の間の間隔で投与される限り、少なくとも1つのナノ粒子又は少なくとも1つの対象となる化合物のどちらでも先に対象に投与することができる。前記少なくとも1つのナノ粒子又は少なくとも1つの対象となる化合物の投与は、それぞれ1回の投与、それぞれ繰返し投与、例えば、それぞれ複数回の連続的な投与であることができる。少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子は、1回投与することができ、少なくとも1つの対象となる化合物は、2回以上投与することができ、逆で投与することもできる。
特定の実施態様では、生体適合性ナノ粒子は、少なくとも1つの対象となる化合物の複数回の投与を含むプロトコールの開始時、すなわち、前記少なくとも1つの対象となる化合物の少なくとも1回目の投与において、及び、その投与の前後において、少なくとも投与される。
別の特定の実施態様では、少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子は、対象となる化合物の複数回の投与を含むプロトコールの開始時に投与されず、前記対象となる化合物の2回目又は3回目の投与の前及びその投与の前後に投与されない。
これらの最後の2つの実施態様の文脈において、生体適合性ナノ粒子は、前記対象となる化合物の連続的な投与の一部又は全部の間に、(先に説明された前後に)対象となる化合物と共に投与することもできる。
特定の実施態様では、本発明の少なくとも1つのナノ粒子は、少なくとも1つの対象となる化合物の前記対象への投与前に、典型的には、少なくとも1つの対象となる化合物の投与前5分超〜約72時間の間で、対象に投与される。
この文脈において、「ナノ粒子」という用語は、とりわけ、約4nm〜約100nm、例えば、約10nm、15nm、又は20nm〜約100nmのサイズを有する製品、特に、合成品を意味することができる。このようなナノ粒子と共に使用される対象となる化合物の例は、有機化合物、典型的には、生体化合物である。同生体化合物は、有利に、抗体、オリゴヌクレオチド、合成ペプチド、小分子ターゲット化治療剤、腫瘍溶解性ウイルス、細胞毒化合物から選択され、好ましくは、抗体、小分子ターゲット化治療剤、及び/又は細胞毒化合物である。「ナノ粒子」という用語は、別異に、約100nm〜約500nm、典型的には、約100nm〜約300nmのサイズを有する製品、特に、合成品を意味することができる。このようなナノ粒子と共に使用される対象となる化合物の例は、典型的には、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、金属硫化物ナノ粒子、及びそれらの任意の混合物、又は、担体に封入されもしくはこのような担体にグラフト化された任意の対象となる化合物から選択される無機化合物である。
本発明の医薬組成物の生体適合性ナノ粒子は、種々の経路、例えば、皮下、静脈内(IV)、皮内、動脈内、気道(吸入)、腹腔内、筋肉内、及び/又は経口経路(経口)により、好ましくは、静脈内(IV)、動脈内、及び/又は腹腔内経路により投与することができる。
本発明の医薬組成物の対象となる化合物は、種々の経路、例えば、皮下、静脈内(IV)、皮内、動脈内、気道(吸入)、腹腔内、筋肉内、及び/又は経口経路(経口)により投与することができる。
下記実施例は、本発明についてその範囲を制限することなく例示する。
図面の簡単な説明
図1:化合物のサイズ(最長寸法)に応じた、治療化合物を血液循環から除去するための可能性のある経路の模式図。
図2:MDA-MB-231-lucD3H2LN異種移植片における、(i)実施例3の生体適合性ナノ粒子と(ii)Dox-NP(登録商標)とを含む医薬組成物のついての処置スケジュールの概略図。
図3:MDA-MB-231-lucD3H2LN異種移植片における、実施例3の生体適合性ナノ粒子とDox-NP(登録商標)とを含む医薬組成物の腫瘍再成長遅延(平均RTV±SD)。
図4:L−グルタミン酸,N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−,1,5−ジヘキサデシルエステル(SA−脂質)の化学式。
実施例1:合成No.1 生体適合性ナノ粒子としてのリポソーム
リポソームを、脂質膜再水和法を使用して調製する。
a)脂質を、クロロホルムに溶解させる。クロロホルムを、窒素流下において、最終的に蒸発させる。20mM HEPES及び140mM NaCl、pH7.4による脂質膜の再水和を、脂質濃度が5mMになるように、50℃で行う。
下記脂質組成:86%mol DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン);10%mol MPPC(モノパルミトイルホスファチジルコリン);4%mol DSPE−PEG(ジステアリルホスファチジルエタノールアミン−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])を、荷電リポソームを調製するのに使用した。
b)ついで、凍結−融解サイクルを、サンプルを液体窒素及び50℃に調節された水浴に連続的に沈めることにより、6回行う。
c)サーモバレル押出し機(LIPEX(商標)押出し機, Northern Lipids)を、制御された温度及び圧力下において、リポソームのサイズを調整するのに使用した。全ての場合において、押出しを、圧力10bar下において、50℃で行った。
調製されたリポソームのサイズ分布を、633nm HeNeレーザを90°の角度で備えるZetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用する、動的光散乱(DLS)により測定した。リポソーム懸濁液を、20mM HEPES及び140mM NaCl、pH7.4で、100倍に希釈した。リポソームサイズ(すなわち、流体力学的直径)は、約170nm(強度による分布)に等しく、多分散性インデックス(PDI)は、約0.1に等しかった。
当業者に理解されるように、所望の表面電荷を、選択された脂質組成により得た。その値を、Zetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用するゼータ電位測定により確認した。
リポソームを、水で100倍に希釈し、得られた懸濁液のpHを、pH7.4に調節した。リポソームの表面電荷は、pH7.4において、約−14mVに等しかった。
実施例2:対象におけるその同等の治療的効能で、対象に投与される治療化合物の用量を少なくとも10%減少させる方法
生体適合性ナノ粒子と、イオン化放射線、例えば、X線に暴露されると電子及び/又は高エネルギーフォトンを生成することができる(「化合物」又は「医薬化合物」として使用される)抗ガン治療用のアクチバブル酸化物ナノ粒子とを含む請求項1記載の医薬組成物を、異種移植片化された腫瘍を有するヌードマウスに、下記方法で投与する。
a)各ヌードマウスに(静脈内注入により)生体適合性ナノ粒子を投与する。
b)工程a)後の5分超〜72時間の間で、(静脈内注入により)治療化合物を、工程a)の各マウスに、現在使用されている用量と比較して、より少ない用量(10%)で投与する。
c)各マウスの血液又は血漿サンプル中の治療化合物濃度を測定して、治療化合物の薬物動態パラメータを得る。前記濃度を、治療化合物の投与後1分〜24時間の間に、1回、又は好ましくは、複数回測定する。
d)医薬組成物の投与後に毒性の任意の臨床徴候を評価する。
e)その静脈内(IV)投与後24時間での、治療化合物の腫瘍蓄積を測定する。
実施例3:合成No.2 生体適合性ナノ粒子としてのリポソーム
リポソームを、脂質膜再水和法を使用して調製する。
a)脂質を、クロロホルムに溶解させる。クロロホルムを、窒素流下において、最終的に蒸発させる。20mM HEPES及び140mM NaCl、pH7.4による脂質膜の再水和を、脂質濃度が25mMになるように、60℃で行う。
下記脂質組成:62%mol DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン);20%mol HSPC(水素化ダイズホスファチジルコリン);16%mol CHOL(コレステロール);1%mol POPS(1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルセリン);1%mol DSPE−PEG(ジステアリルホスファチジルエタノールアミン−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])を、荷電リポソームを調製するのに使用した。
b)ついで、凍結−融解サイクルを、サンプルを液体窒素及び60℃に調節された水浴に連続的に沈めることにより、6回行う。
c)サーモバレル押出し機(LIPEX(商標)押出し機, Northern Lipids)を、制御された温度及び圧力下において、リポソームのサイズを調整するのに使用した。まず、ポリエーテルスルホン(PES)0.45μm孔径メンブランに、圧力5barで5回通過させ、ついで、PES0.22μm孔径メンブランに、10barで12回通過させ、最後に、0.1μmフッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブランに、15barで12回通過させた。調製されたリポソームのサイズ分布を、633nm HeNeレーザを90°の角度で備えるZetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用する、動的光散乱(DLS)により測定した。リポソーム懸濁液を、20mM HEPES及び140mM NaCl、pH7.4で、100倍に希釈した。リポソームサイズ(すなわち、流体力学的直径)は、約145nm(強度による分布)に等しく、多分散性インデックス(PDI)は、約0.1に等しかった。
当業者に理解されるように、所望の表面電荷を、選択された脂質組成により得た。その値を、Zetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用するゼータ電位測定により確認した。
リポソームを、1mM 塩化ナトリウム溶液で100倍に希釈し、得られた懸濁液のpHを、pH7.4に調節した。リポソームの表面電荷は、1mM NaCl、pH7.4において、約−25mVに等しかった。
実施例4:MDA-MB-231-lucD3H2LN異種移植片における、実施例3の生体適合性ナノ粒子懸濁液とDox-NP(登録商標)とを含む医薬組成物の腫瘍再成長遅延(図2及び図3)
この研究を、NMRIヌードマウスに異種移植されたMDA-MB-231-lucD3H2LN腫瘍モデルにおける、MDA-MB-231-lucD3H2LN異種移植片における、(i)実施例3の生体適合性ナノ粒子と(ii)対象となる治療化合物としてDox-NP(登録商標)(リポソーム封入ドキソルビシン)とを含む医薬組成物の効能を調査するのに行った。
ヒト乳腺ガンMDA-MB-231-luc-D3H2LN細胞株を、Caliper Life Science(Villepinte, France)から購入した。細胞を、10% ウシ胎児血清、1% 非必須アミノ酸、1% L−グルタミン、及び1% ピルビン酸ナトリウム(Gibco)を添加した、Earl’s Balanced Salts Solution MEM/EBSS培地を含む最少必須培地中において培養した。
NMRIヌードマウス(6〜7週齢(20〜25g))を、Janvier Labs(France)に注文した。マウスを、異種移植用のガン細胞の接種前日に、セシウム−137照射装置による3Gyの全身照射に供した。
MDA-MB-231-luc-D3H2LN腫瘍を、マウスの右下脇腹に、50μL中に4.10個の皮下注入によりもたらした。腫瘍を、体積約100mm3付近に達するまで成長させた。腫瘍直径を、デジタルカリパーを使用して測定した。腫瘍体積(mm3)を、下記式を使用して算出した。
マウスを、別々のケージにランダム化し、数字で特定した(pawn tattoo)。4つの群を、図2に例示されたように処置した。
−群1:無菌5%グルコース(対照(媒体)群)
4(4)匹のマウスに、無菌5%グルコース溶液を、1日目、7日目、及び14日目に静脈内(IV)注入した。各タイミング(日)で、5% グルコースを2回注入した。5% グルコース溶液の1回目の注入を、2回目の注入の4時間前に行った。
−群2:実施例3の生体適合性ナノ粒子(対照群)
4(4)匹のマウスに、無菌5%グルコース溶液及び実施例3の生体適合性ナノ粒子(10ml/kg)を、1日目、7日目、及び14日目に静脈内(IV)注入した。各タイミング(日)で、実施例3の生体適合性ナノ粒子の注入を、5% グルコース溶液注入の4時間前に行った。
−群3:Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)(処置群)
5(5)匹のマウスに、無菌5%グルコース溶液及びDox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)を、1日目、7日目、及び14日目に静脈内(IV)注入した。各タイミング(日)で、無菌5%グルコース溶液の注入を、Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)注入の4時間前に行った。
−群4:医薬組成物、すなわち、(i)実施例3の生体適合性ナノ粒子と(ii)Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)との組み合わせ(処置群)
5(5)匹のマウスに、実施例3の生体適合性ナノ粒子(10ml/kg)及びDox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)を、1日目、7日目、及び14日目に静脈内(IV)注入した。各タイミング(日)で、実施例3の生体適合性ナノ粒子の注入を、Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)注入の4時間前に行った。
Dox-NP(登録商標)(Avanti Polar lipids−10%w/v スクロースを含む10mM ヒスチジンバッファー中の2mg/ml ドキソルビシンHCl、pH6.5〜6.8のリポソーム調製物)を、必要とされる体積で、更なる希釈をすることなく注入して、3mg/kg 注入ドキソルビシンを得た。
実施例3の生体適合性ナノ粒子懸濁液を、更なる希釈を何らすることなく使用した。
Dox-NP(登録商標)及び実施例3の生体適合性ナノ粒子を、100U(0.3ml)インスリンシリンジ(TERUMO, France)による、側面尾静脈から静脈内注入(IV)により投与した。
マウスを、臨床徴候、体重、及び腫瘍サイズについてフォローアップした。
腫瘍体積を、デジタルカリパーによる二次元腫瘍体積測定から、下記式を使用して推定した。
各群において、相対腫瘍体積(RTV)を、Vt/V比(Vtは、処置中の所定日数での腫瘍体積であり、Vは、処置開始時での腫瘍体積である)として表現した。
処置効果を、2回の倍加時間にわたる比成長遅延(SGD)(1回の倍加時間は、腫瘍の体積が2倍になるのにかかる時間量である)及び最適パーセントT/C値(%T/C)を使用して決定した。
SGDを、2回の倍加時間にわたって、下記のように算出した。

(ここで、T4dは、腫瘍体積が2回倍加するのに必要な時間である(平均RTV 100mmから400mmまで)
パーセントT/C値(「%T/C」)を、1、3、7、10、13、15、18、21、及び24日目において、処置群(群2、3、4)の相対腫瘍体積の中央値を対照群(群1)で割り、前記割り算の結果に100を掛けることにより算出した(表2を参照のこと)。(本発明の文脈において使用される生体適合性ナノ粒子の有無に関わらず)処置注入後2週間以内に得られた%T/Cの最低値は、最適%T/C値に対応する。
図3に、全ての群について、(先に記載された条件における)下記のIV注入後に得られた平均相対腫瘍体積(平均RTV)を示す。
−1、7、及び14日目における媒体(無菌5%グルコース)(群1);
−1、7、及び14日目における媒体(無菌5%グルコース)注入の4時間前に実施例3の生体適合性ナノ粒子(群2);
−1、7、及び14日目におけるDox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)(群3);又は
−1、7、及び14日目におけるDox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)注入の4時間前に実施例3の生体適合性ナノ粒子(群4)
図3に示されたように、顕著な腫瘍成長阻害が、Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)単独と比較して、(i)実施例3の生体適合性ナノ粒子と(ii)Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)との組み合わせを含む医薬組成物の1回目の注入後に観察される。
各腫瘍の体積が2回倍加するのに必要な(日数で表現された)時間(T4d)を、(処置効果の持続性の測定値として)算出した。医薬組成物についてのT4dは、Dox-NP(登録商標)単独についての約14日に対して、約31日と推定された。加えて、(平均RTV100mmから開始して400mmまでの)2回の倍加時間にわたる腫瘍成長から推定された比成長遅延(SGD)は、Dox-NP(登録商標)単独についての約0に対して、本医薬組成物については、約2に等しかった(表1)。
表1:腫瘍体積が2回倍加するための時間及び2回の倍加時間にわたる腫瘍成長から推定された比成長遅延(SGD)。Td4は、2回の倍加時間に要する日数を表現する(平均RTV 100mmから400mmまで)。対照群は、媒体(5% グルコース)単独(−)である。
さらに、パーセントT/C(%T/C)(群1の犠牲日まで算出)は、本医薬組成物について、Dox-NP(登録商標)単独より早く低下する。これにより、本医薬組成物の顕著な影響が証明される。24日目に観察された25の最適%T/Cは、実際には、本医薬組成物、すなわち、(i)実施例3の生体適合性ナノ粒子と(ii)Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)との組み合わせについて得られた。一方、21日目に観察された38の最適%T/Cが、群Dox-NP(登録商標)単独について得られた(表2)。
表2:パーセントT/C(%T/C)を、1、3、7、10、13、15、18、21、及び24日目において、処置群(群2、3、4)の相対腫瘍体積の中央値を対照群(群1)で割り、前記割り算の結果に100を掛けることにより算出する。対照群は、群1(媒体である無菌5%グルコース単独)である。%T/Cを、群1(対照群)の犠牲日に相当する24日目まで算出する。最適%T/Cを、各群について、灰色のボックスで示す。
全体として、これらの結果から、本発明の医薬組成物[(i)実施例3の生体適合性ナノ粒子と(ii)Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)との組み合わせに対応]を使用した場合、有利な腫瘍成長遅延が示された。同遅延は、Dox-NP(登録商標)(3mg/kg ドキソルビシン)を単独で(すなわち、本発明の文脈において使用される生体適合性ナノ粒子の不存在下において)使用する場合には観察されない。この腫瘍成長遅延は、実施例3の生体適合性ナノ粒子と対象となる化合物(Dox-NP(登録商標))を連続的に投与した場合に観察された。生体適合性ナノ粒子を、Dox-NP(登録商標)の4時間前に、対象に投与した。
実施例5:合成No.3 生体適合性ナノ粒子としてのリポソーム
リポソームを、脂質膜再水和法を使用して調製する。
a)脂質を、クロロホルムに溶解させる。クロロホルムを、窒素流下において、最終的に蒸発させて、Pyrexチューブ壁に脂質膜を形成させる。25mM HEPES及び150mM NaCl、pH7.4による脂質膜の再水和を、脂質濃度が50mMになるように、60℃で行う。
下記脂質組成:58%mol DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン);21%mol HSPC(水素化ダイズホスファチジルコリン);16%mol CHOL(コレステロール);5%mol POPS(1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルセリン)を、荷電リポソームを調製するのに使用した。
b)ついで、凍結−融解サイクルを、サンプルを液体窒素及び60℃に調節された水浴に連続的に沈めることにより、6回行う。リポソーム溶液の超音波処理を、3回の凍結−融解サイクル毎及び押出し直前に30秒間行う。
c)サーモバレル押出し機(LIPEX(商標)押出し機, Northern Lipids)を、制御された温度及び圧力下において、リポソームのサイズを測定するのに使用する。押出しを、60℃で行う。10回の通過を、孔径0.1μmのフッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブランに、圧力10bar下で適用する。
調製されたリポソームのサイズ分布を、633nm HeNeレーザを173°の角度で備えるZetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用する、動的光散乱(DLS)により測定する。リポソーム溶液を、25mM HEPES及び150mM NaCl、pH7.4で、200倍に希釈する。リポソームサイズ(すなわち、流体力学的直径)は、約170nm(強度による分布)に等しく、多分散性インデックス(PDI)は、約0.2に等しい。
当業者に理解されるように、所望の表面電荷を、選択された脂質組成により得る。その値を、Zetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用するゼータ電位測定により確認する。リポソームを、1mM 塩化ナトリウム溶液で200倍に希釈し、この溶液のpHを、pH7に調節する。リポソームの表面電荷は、1mM NaCl、pH7において、約−40mVに等しい。
リポソーム溶液の最終的な脂質濃度を、比色アッセイ法(Barlett法)により測定する。この方法は、リン脂質の酸消化による全リン定量に基づいている。放出された無機リン酸を、モリブデン酸アンモニウムと反応させ、強力な青色の錯体を与える。脂質濃度は、約50mMに等しい。
実施例6:合成No.4 生体適合性ナノ粒子としてのリポソーム
リポソームを、脂質膜再水和法を使用して調製する。
a)脂質を、クロロホルムに溶解させる。クロロホルムを、窒素流下において、最終的に蒸発させて、Pyrexチューブ壁に脂質膜を形成させる。25mM HEPES及び150mM NaCl、pH7.4による脂質膜の再水和を、脂質濃度が50mMになるように、60℃で行う。
下記脂質組成:45.15%mol DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン);45.15%mol CHOL(コレステロール);0.60%mol DSPE−PEG(ジステアリルホスファチジルエタノールアミン−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]);9.10%mol L−グルタミン酸,N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−1,5−ジヘキサデシルエステル(SA−脂質)を、荷電リポソームを調製するのに使用した。SA−脂質は、リポソーム表面にCOOH基をもたらす。
b)ついで、凍結−融解サイクルを、サンプルを液体窒素及び60℃に調節された水浴に連続的に沈めることにより、6回行う。
c)サーモバレル押出し機(LIPEX(商標)押出し機, Northern Lipids)を、制御された温度及び圧力下において、リポソームのサイズを調整するのに使用する。押出しを、60℃で行う。7回の通過を、0.45μm孔径のフッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブランに、圧力3bar下で適用し、10回の通過を、0.22μm孔径のフッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブランに、圧力10bar下で適用する。調製されたリポソームのサイズ分布を、633nm HeNeレーザを173°の角度で備えるZetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用する、動的光散乱(DLS)により測定する。リポソーム溶液を、25mM HEPES及び150mM NaCl、pH7.4で、200倍に希釈する。リポソームサイズ(すなわち、流体力学的直径)は、約230nm(強度による分布)に等しく、多分散性インデックス(PdI)は、約0.2に等しい。
当業者に理解されるように、所望の表面電荷を、選択された脂質組成により得る。その値を、Zetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用するゼータ電位測定により確認する。リポソーム溶液を、1mM 塩化ナトリウム溶液で200倍に希釈し、この溶液のpHを、pH7に調節する。リポソームの表面電荷は、1mM NaCl、pH7において、約−60mVに等しい。
リポソーム溶液の最終的な脂質濃度を、比色アッセイ法(Barlett法)により測定する。この方法は、リン脂質の酸消化による全リン定量に基づいている。放出された無機リン酸を、モリブデン酸アンモニウムと反応させ、強力な青色の錯体を与える。脂質濃度は、約50mMに等しい。
実施例7:合成No.5 生体適合性ナノ粒子としてのリポソーム
リポソームを、脂質膜再水和法を使用して調製する。
a)脂質を、クロロホルムに溶解させる。クロロホルムを、窒素流下において、最終的に蒸発させて、Pyrexチューブ壁に脂質膜を形成させる。25mM HEPES及び150mM NaCl、pH7.4による脂質膜の再水和を、60℃で行い、脂質濃度は、50mMである。下記脂質組成:60%mol DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、35%mol CHOL(コレステロール)、及び5%mol スクシニルPE(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−スクシニル)を、荷電リポソームを調製するのに使用した。
b)ついで、凍結−融解サイクルを、サンプルを液体窒素及び60℃に調節された水浴に連続的に沈めることにより、6回行う。リポソーム溶液の超音波処理を、3回の凍結−融解サイクル毎及び押出し直前に30秒間行う。
c)サーモバレル押出し機(LIPEX(商標)押出し機, Northern Lipids)を、制御された温度及び圧力下において、リポソームのサイズを調整するのに使用する。押出しを、60℃で行う。12回の通過を、0.22μm孔径のフッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブランに、圧力12bar下で適用する。
d)p−アミノフェニル−α−D−マンノピラノシド(MAN)のスクシニルPEリポソームへのコンジュゲーション
スクシニルPEリポソーム表面を、マンノース誘導体化リガンドであるp−アミノフェニル−α−D−マンノピラノシド(MAN)で、カルボジイミドカップリングを使用して修飾し、マンノースコンジュゲートリポソームを開発する。MANを、そのアミノ基により、調製されたスクシニルPEリポソームの表面に存在するスクシニルPEのカルボン酸基に共有結合させる。簡潔に、調製されたスクシニルPEリポソーム溶液に、EDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸)(スクシニルPE/EDC モル比1:10)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(NHS/EDC モル比1:2.5)を加える。ついで、懸濁液のpHを、1M NaOHで6に調節する。得られた懸濁液を、室温で15分間撹拌する。その後、この溶液のpHを、1M NaOHで7に調節する。水性MAN溶液を、この溶液に加える(スクシニルPE/MAN モル比1:2)。pHを、1M NaOHを使用して、7に再度調節する。懸濁液を、室温で更に2時間撹拌する。過剰な結合しなかったMAN、EDC、及びNHS分子を、50kDa セルロースメンブランを使用して希釈比(×500;×500;×500)での3工程の透析により除去する。
特に、透析による可能な限りの希釈によって、リポソーム溶液を、ポリエチレンスルホン(PES)メンブラン及びカットオフ300kDaを備えるVivaspin濃縮器におけるメンブラン限外ろ過を使用する遠心分離(典型的には、Sigma 3-15K遠心分離機、5℃、1,200rpm)により濃縮することができる。
調製されたリポソームのサイズ分布を、633nm HeNeレーザを173°の角度で備えるZetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用する、動的光散乱(DLS)により測定する。リポソーム溶液を、25mM HEPES及び150mM NaCl、pH7.4で、200倍に希釈する。リポソームサイズ(すなわち、流体力学的直径)は、約230nm(強度による分布)に等しく、多分散性インデックス(PDI)は、約0.2に等しい。
当業者に理解されるように、所望の表面電荷を、選択された脂質組成により得る。その値を、Zetasizer NanoZS(Malvern instrument)を使用するゼータ電位測定により確認する。リポソーム溶液を、1mM 塩化ナトリウム溶液及びpH7で200倍に希釈する。リポソームの表面電荷は、1mM NaCl、pH7において、約−70mVに等しい。
リポソーム溶液の最終的な脂質濃度を、比色アッセイ法(Barlett法)により測定する。この方法は、リン脂質の酸消化による全リン定量に基づいている。放出された無機リン酸を、モリブデン酸アンモニウムにより反応させ、強力な青色の錯体を与える。脂質濃度は、約50mMに等しい。

Claims (13)

  1. (i)少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と(ii)少なくとも1つの医薬化合物との組み合わせを含み、ここで、生体適合性ナノ粒子の最長径は、約4nm〜約500nmであり、生体適合性ナノ粒子の表面電荷絶対値は、少なくとも|10mV|であり、そして生体適合性ナノ粒子のヤング率は、100kPa未満であり、治療、予防、又は診断方法は、少なくとも1つの医薬化合物を対象に投与する工程と、少なくとも1つのナノ粒子を投与する別の工程とを含み、前記少なくとも1つのナノ粒子は、少なくとも1つの医薬化合物の前後の5分超〜約72時間の間で対象に投与され、そしてここで、生体適合性ナノ粒子は、例えば、医薬化合物として使用されない、
    それを必要とする患者の治療、予防、又は診断方法における使用のための医薬組成物。
  2. ナノ粒子が、10mV超の表面電荷絶対値を有し、前記電荷が、負の電荷である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. ナノ粒子が、有機ナノ粒子である、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  4. ナノ粒子が、脂質系ナノ粒子、タンパク質系ナノ粒子、ポリマー系ナノ粒子、コポリマー系ナノ粒子、カーボン系ナノ粒子、及びウイルス様ナノ粒子から選択される、請求項3記載の医薬組成物。
  5. ナノ粒子が、生体適合性コーティングにより更に覆われている、請求項1〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
  6. 少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と少なくとも1つの医薬化合物との組み合わせ投与が、いずれのナノ粒子が存在しない場合に、前記医薬化合物の標準的な治療用量により引き起こされる治療的利益及び毒性を比較したとき、対象に対して、低下した毒性で医薬化合物の治療的利益を維持し、又は、同等もしくは低下した毒性で医薬化合物の治療的利益を増大させる、請求項1〜5のいずれか一項記載の医薬組成物。
  7. 少なくとも1つの生体適合性ナノ粒子と少なくとも1つの医薬化合物との組み合わせ投与が、前記医薬化合物の標準的な治療用量と比較したとき、投与される医薬化合物の治療用量を少なくとも10%減少させ、一方で、対象に対して同等の毒性もしくは低下した毒性で同じ治療的利益を維持し、又は一方で、対象に対して同等もしくは低下した毒性で治療的利益を増大させる、請求項1〜6のいずれか一項記載の医薬組成物。
  8. 少なくとも1つのナノ粒子が、同ナノ粒子が投与された対象から、請求項1で言及された対象となる医薬化合物を必要とする対象へのその投与後1時間〜6週間以内に排出される、請求項1〜7のいずれか一項記載の医薬組成物。
  9. 医薬化合物が、好ましくは、生体化合物、小分子ターゲット化治療剤、腫瘍溶解性ウイルス、及び細胞毒化合物から選択される、有機化合物である、請求項1〜8のいずれか一項記載の医薬組成物。
  10. 医薬化合物が、抗体、オリゴヌクレオチド、及び合成ペプチドから選択される、請求項9記載の医薬組成物。
  11. 医薬化合物が、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、金属硫化物ナノ粒子、及びそれらの任意の混合物から選択される無機化合物である、請求項1〜10のいずれか一項記載の医薬組成物。
  12. 医薬化合物が、担体に封入されている、請求項1〜11のいずれか一項記載の医薬組成物。
  13. 医薬化合物が、担体に結合している、請求項1〜12のいずれか一項記載の医薬組成物。
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