JP2018207708A - 電力管理装置、電力管理方法および電力管理プログラム - Google Patents

電力管理装置、電力管理方法および電力管理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電力需給の良好なバランスを実現することが可能な電力管理装置、電力管理方法および電力管理プログラムを提供する。【解決手段】電力管理装置は、電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置であって、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部とを備え、前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能である。【選択図】図8

Description

本発明は、電力管理装置、電力管理方法および電力管理プログラムに関する。
従来、電力需給が逼迫している場合等に一般家庭およびオフィス等の電力需要施設における電力消費が調整されるように、電力需要施設における電力消費を管理するシステムが開発されている。
たとえば、特許文献1(特開2012−205358号公報)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、電力管理システムは、予め登録された複数の参加者を含むコミュニティに関する参加者リストを保持する保持部と、電力削減制御の実行の要否を判定する判定部と、電力削減制御の実行が必要であると判定部が判定した場合に、参加者リストに含まれている複数の参加者の中から、電力削減制御の対象となる一以上の対象者を選定する選定部と、選定部によって選定された対象者に関して、電力削減制御を実行する制御部と、電力削減制御が実行された対象者に対して、削減電力に基づく特典を付与する付与部とを備える。
また、節電を目的として、家庭またはビル等の電力需要施設へのエネルギーマネジメントシステムxEMS(Energy Management System)の導入が行われている。
xEMSとは、電力需要施設における消費電力量を監視し、電力需要施設における機器または設備等の運転状態を管理することによって、電力需要施設における電力消費の調整を図るためのシステムである。xEMSは、家庭向けである場合、HEMS(Home Energy Management System)となり、ビル向けである場合、BEMS(Building Energy Management System)となる。
xEMSは、たとえばVPP(Virtual Power Plant)事業者すなわちアグリゲータと呼ばれる事業者と連携することによって電力需要の調整を実現する。アグリゲータは、xEMSを導入した電力需要施設に対してエネルギー管理支援サービスを提供する。
また、たとえば一般家庭に設けられる太陽光発電等の電力需要施設における発電装置による発電電力の系統への逆潮流(売電)を防止するための技術が開発されている。
たとえば、特許文献2(特開2013−172495号公報)には、発電電力を無駄なく利用することができる電力貯蔵型の発電システムが開示されている。電力貯蔵型の発電システムは、外部の系統と連系され、自然エネルギーを受けて発電する発電部と、発電部による発電電力及び系統からの電力を貯蔵し、発電部と直流接続される蓄電部と、発電部の発電及び蓄電部への充放電を制御する制御部とを備える。制御部は、発電電力が系統に向けて逆潮流している際に、系統電圧と予め定められた閾値電圧との比較に基づいて、発電電力の逆潮流を停止させ、または、逆潮流する発電電力を低減させるとともに、発電電力を蓄電池に充電させる。
特開2012−205358号公報 特開2013−172495号公報
送配電事業者および電力小売り事業者は、多くの電力需要施設にxEMSが導入されることにより、全体的な電力需要を広範囲に調整することが容易となる。
たとえば、送配電事業者および電力小売り事業者は、電力需給の逼迫が予測される場合に、アグリゲータに対して予め節電依頼を行なう。そして、アグリゲータは、電力需要施設の需要家に対して節電依頼を行なう。
また、たとえば、送配電事業者は、電力の供給が需要を上回ると予想される場合、発電量の調整を再生エネルギー事業者、および発電装置を所有する需要家に対して、系統への電力供給の調整を依頼する。
しかしながら、再生エネルギー事業者および需要家への依頼内容が適切でない場合、電力需給が逼迫したり、電力の供給が需要を上回ったりし、系統における電力の需給バランスが崩れるため、好ましくない。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、電力需給の良好なバランスを実現することが可能な電力管理装置、電力管理方法および電力管理プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力管理装置は、電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置であって、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部とを備え、前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能である。
(5)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力管理方法は、電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置における電力管理方法であって、複数の演算方法を用いて、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成するステップと、作成した複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知するステップとを含み、前記候補情報を作成するステップにおいて、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成する。
(6)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力管理プログラムは、電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置において用いられる電力管理プログラムであって、コンピュータを、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部、として機能させるためのプログラムであり、前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能である。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える電力管理装置として実現することができるだけでなく、電力管理装置を備える電力管理システムとして実現することができる。また、本発明は、電力管理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
本発明によれば、電力需給の良好なバランスを実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおける電力管理サーバの構成を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおける端末装置の構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおける端末装置が作成する画面の一例を示す図である。 図5は、図2に示す処理部により用いられる各演算方法に要求される前提条件の一覧表を示す図である。 図6は、図5に示す各演算方法の演算スケジュールの例1を示す図である。 図7は、図5に示す各演算方法の演算スケジュールの例2を示す図である。 図8は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例1−1を示す図である。 図9は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例1−2を示す図である。 図10は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例2−1を示す図である。 図11は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例2−2を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるDR実行前の各処理のシーケンスの一例を示す図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるリコメンド処理RP1のシーケンスの一例を示す図である。 図14は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例を示す図である。 図15は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるリコメンド処理RP2のシーケンスの一例を示す図である。 図16は、図3に示す端末装置により表示されるイベント画面の例を示す図である。 図17は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるDR実行中およびDR実行後の各処理のシーケンスの一例を示す図である。 図18は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの構成を示す図である。 図19は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおける電力管理サーバの構成を示す図である。 図20は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおけるPV出力調整実行前の各処理のシーケンスの一例を示す図である。 図21は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおけるリコメンド処理のシーケンスの一例を示す図である。 図22は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおける端末装置が作成するイベント画面の一例を示す図である。 図23は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおけるPV出力調整実行中およびPV出力調整実行後の各処理のシーケンスの一例を示す図である。 図24は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例の構成を示す図である。 図25は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例における送配電事業者サーバの構成を示す図である。 図26は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例におけるPV出力調整実行前の各処理のシーケンスの一例を示す図である。 図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例におけるPV出力調整実行中およびPV出力調整実行後の各処理のシーケンスの一例を示す図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電力管理装置は、電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置であって、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部とを備え、前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能である。
このような構成により、たとえば、多様な候補情報をユーザに推奨し、ユーザは、嗜好に合った候補情報、またはある基準により適した候補情報を選択することができる。したがって、電力需給の良好なバランスを実現することが可能である。また、仮候補情報をユーザに提示することが可能であるため、ユーザは、作成される予定の候補情報の数などを早期に把握することができる。したがって、候補情報に関するより有用な情報の提供を行うことができる。
(2)好ましくは、前記作成部は、作成した複数の前記仮候補情報が選択された場合、演算後の前記複数の仮候補情報を比較し、比較結果に基づいて、前記複数の仮候補情報のうちのいずれか1つを選択する。
このような構成により、電力消費または系統への電力供給の調整の内容および依頼先の状況により適した依頼情報を作成することができる。
(3)好ましくは、前記作成部は、前記候補情報および前記仮候補情報の各々の演算状況を表示する制御を行う。
このような構成により、ユーザは、たとえば、候補情報の作成の可否、候補情報が作成済であるか否か、および作成中である候補情報の作成終了の予定時刻などを把握することができる。
(4)好ましくは、前記作成部は、他の装置から前記調整に関する依頼を示す調整情報を取得し、各前記演算方法に要求される条件および取得した前記調整情報に基づいて前記演算方法を選択し、選択した前記演算方法を用いて前記候補情報を作成する。
このような構成により、要求される条件を満たしていない演算方法を、演算処理の開始前に演算処理の対象から外すことができるため、不要な演算処理を行うことを避けることができる。
(5)本発明の実施の形態に係る電力管理方法は、電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置における電力管理方法であって、複数の演算方法を用いて、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成するステップと、作成した複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知するステップとを含み、前記候補情報を作成するステップにおいて、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成する。
このような方法により、たとえば、多様な候補情報をユーザに推奨し、ユーザは、嗜好に合った候補情報、またはある基準により適した候補情報を選択することができる。したがって、電力需給の良好なバランスを実現することが可能である。また、仮候補情報をユーザに提示することが可能であるため、ユーザは、作成される予定の候補情報の数などを早期に把握することができる。したがって、候補情報に関するより有用な情報の提供を行うことができる。
(6)本発明の実施の形態に係る電力管理プログラムは、電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置において用いられる電力管理プログラムであって、コンピュータを、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部、として機能させるためのプログラムであり、前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能である。
このような構成により、たとえば、多様な候補情報をユーザに推奨し、ユーザは、嗜好に合った候補情報、またはある基準により適した候補情報を選択することができる。したがって、電力需給の良好なバランスを実現することが可能である。また、仮候補情報をユーザに提示することが可能であるため、ユーザは、作成される予定の候補情報の数などを早期に把握することができる。したがって、候補情報に関するより有用な情報の提供を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムの構成を示す図である。
図1を参照して、電力管理システム301は、電力管理サーバ(電力管理装置)101と、系統側サーバ121と、端末装置171と、3つの需要家装置202とを備える。
図1では、3つの需要家装置202を代表的に示しているが、さらに多数または少数の需要家装置202が設けられてもよい。また、需要家装置202に対応して2つの負荷205を代表的に示しているが、さらに多数または少数の負荷205が需要家装置202に対応して設けられてもよい。
電力管理システム301では、たとえば、電力の需給が逼迫する場合、または電力の需給が逼迫するおそれがある場合において、各需要家が消費電力を調整するための需要応答(DR:Demand Response)、すなわち各需要家が消費電力を抑制するためのDRを発行することが可能である。
電力管理システム301における系統側サーバ121は、電力系統側である送配電事業者または電力小売事業者等によって運用され、電力消費の調整に関する依頼を示す調整情報S1を電力管理サーバ101へ送信する。調整情報S1は、たとえば、電力消費の調整の依頼期間(以下、DR期間とも称する。)の開始タイミングおよびDR期間の長さ、ならびに電力消費の調整量を示す依頼電力R1を含む。なお、調整情報S1には、DR期間の長さの代わりにDR期間の終了タイミングが含まれていてもよい。
需要家装置202は、電力会社から電力の供給を受けるビル、工場または一般家庭等の電力需要施設において用いられる。需要家装置202は、電力需要施設ごとに1つ設けられてもよいし、電力需要施設ごとに複数設けられてもよい。電力会社は、たとえば発電事業者または電力小売り事業者である。
需要家装置202は、電力需要施設における1または複数の負荷205を制御可能である。負荷205は、二次電池をエネルギー源とする二次電池式電気自動車およびプラグインハイブリッドカー、ならびに照明、テレビおよび空調装置等の電気機器である。
より詳細には、需要家装置202は、電気機器の動作を制御することによって消費電力の削減を図るためのxEMSにおいて用いられる装置であり、たとえばアグリゲータによって導入される。
電力管理サーバ101は、たとえばアグリゲータによって運用され、1または複数の需要家装置202と通信を行なうことにより、1または複数の電力需要施設における電力消費を管理する。電力管理サーバ101は、たとえば、需要家装置202が設けられる電力需要施設から遠隔の場所に設置されることが多い。
卸電力取引所サーバ111は、たとえば、1時間前契約および4時間前契約等の契約ごとの電力取引市場を提供する。
(電力管理サーバ)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおける電力管理サーバの構成を示す図である。
図2を参照して、電力管理サーバ101は、通信部(通知部)21と、処理部(作成部)22と、記憶部23とを含む。
電力管理サーバ101における通信部21は、他の装置と情報の送受信を行うことが可能である。この例では、通信部21は、卸電力取引所サーバ111、系統側サーバ121、端末装置171および需要家装置202と情報の送受信を行うことが可能である。
記憶部23は、管理情報、実績集約情報、DR可能量情報および各種登録情報を保持する。
管理情報は、たとえば、アグリゲータの管理する各需要家の需要家IDと、需要家IDに対応する、契約内容、スケジュールおよび需要家装置202の装置IDとを含む。たとえば、需要家IDは、契約内容に応じたグループに属する。これらの契約には、電力消費の調整量に対するインセンティブがそれぞれ定められている。スケジュールは、たとえば需要家がDRに参加できない期間を示す。
実績集約情報は、たとえば、各需要家のDRの実績を示す。具体的には、実績集約情報は、需要家IDごとの、系統側サーバ121から要求されたDR期間および依頼電力R1と、当該期間において調整した電力の実績値とを含む。DR可能量情報および各種登録情報については、後述する。
処理部22は、たとえば、自己の電力管理サーバ101の管理する各需要家のDR可能量を定期的に予測する。
より詳細には、処理部22は、たとえば、複数の対象期間を設定し、記憶部23における管理情報および実績集約情報に基づいて、グループごとかつ対象期間ごとに、当該グループに属する需要家が対象期間において調整することのできる電力、をDR可能量として予測する。処理部22は、予測結果に基づいて、記憶部23におけるDR可能量を示すDR可能量情報を更新する。
また、処理部22は、たとえば、オペレータにより指定された、アグリゲータがDRに参加する制御期間、制御期間において調整される電力(以下、「節電電力」とも称する。)の目標である制御量、および電力消費の調整の依頼先の条件などに基づいて、電力消費の調整の依頼先および内容を示す複数の候補情報を作成する。処理部22による候補情報の作成処理の詳細については後述する。
(端末装置)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおける端末装置の構成を示す図である。
図3を参照して、端末装置171は、取得部61と、表示制御部62と、受付部64と、通知部65とを含む。
端末装置171は、たとえば、パーソナルコンピュータであり、アグリゲータにおけるオペレータによって操作される。
取得部61は、たとえば、電力管理サーバ101から各種情報を受信し、受信した情報を表示制御部62へ出力する。表示制御部62は、取得部61から情報を受けると、当該情報に基づく画面を表示装置に表示する制御を行う。
受付部64は、たとえばオペレータの操作を受け付け、受け付けた操作を示す操作情報を作成して通知部65へ出力する。通知部65は、受付部64から操作情報を受けると、受けた操作情報を電力管理サーバ101へ送信する。
[候補情報の作成]
(制御期間、制御量および制御条件の入力)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおける端末装置が作成する画面の一例を示す図である。図4には、電子取引シミュレーション画面が示される。また、*印は、必須項目であることを示す。
より詳細には、オペレータは、たとえば、図4に示す画面Sc1を参照し、少なくとも「制御期間」を入力する操作を端末装置171に対して行う。ここで、「制御期間」は、たとえば、アグリゲータがDRに参加する期間であり、30分単位で指定することが可能である。
また、オペレータは、「制御量」および「制御条件」をオプションとして指定することが可能である。ここで、「制御量」は、「制御期間」における節電電力の目標を示す。
「制御条件」は、依頼先すなわち需要家の条件を示す。具体的には、「制御条件」は、抽出対象の需要家数の指定、抽出対象の需要家の電力需要施設が位置する地域の指定、過去の期間における需要家のDRの参加の有無、および図1に示す負荷205ごとの制御を行うか否かなどである。
オペレータは、各項目の入力が完了すると、「実行」ボタンを選択する操作を行う。
図3に示す受付部64は、オペレータの操作を受け付け、受け付けた操作を示す操作情報を作成して通知部65へ出力する。そして、通知部65は、受付部64からの操作情報を電力管理サーバ101へ送信する。
(演算方法の選択および演算スケジュールの作成)
再び図2を参照して、電力管理サーバ101における処理部22は、通信部21経由で端末装置171からの操作情報を受信すると、受信した操作情報に基づいて、電力消費の調整の依頼先および内容の候補情報を作成する。より詳細には、処理部22は、複数の演算方法を用いて、複数の候補情報をそれぞれ作成する。
ここで、演算方法ごとに要求される前提条件が異なる。すなわち、演算方法ごとに、候補情報の作成に必要となる情報、および作成に要する時間が異なる。このため、処理部22は、たとえば、端末装置171からの操作情報、および記憶部23に保存されている情報に基づいて、複数の演算方法の中から、演算処理を行う際の演算方法を選択する。以下、処理部22による演算方法の選択の詳細について説明する。
(a)前提条件
図5は、図2に示す処理部により用いられる各演算方法に要求される前提条件の一覧表を示す図である。
図5を参照して、ここでは、処理部22は、「最適化エンジン1」、「回り番」、「優先度」および「最適化エンジン2」の4種類の演算方法を用いることが可能であるとする。たとえば、図2に示す記憶部23には、これら4種類の演算方法の各々の前提条件を示す前提条件情報が保持されている。
具体的には、前提条件情報には、以下のような内容が示されている。すなわち、処理部22が「最適化エンジン1」を用いて候補情報を作成する場合、各需要家のDRの実績であって直近の4時間前までの1日分の実績を示す情報が取得済であり、制御期間の長さが最大2日間であり、制御期間の開始日時が現在時刻の1時間後〜2日後の期間に含まれることが要求される。
また、たとえば、「最適化エンジン1」では、図1に示す負荷205を制御対象とする候補情報が作成可能であり、「最適化エンジン1」を用いる演算処理を行えない期間はなく、「最適化エンジン1」を用いる演算処理には最大2時間を要する。
また、処理部22が「回り番」を用いて候補情報を作成する場合、各需要家のDRの実績を示す情報は不要であり、制御期間の長さに制限はなく、制御期間の開始日時にも制限がない。
また、たとえば、「回り番」では、図1に示す負荷205を制御対象とする候補情報が作成できず、「回り番」を用いる演算処理を行えない期間はなく、「回り番」を用いる演算処理は数ミリ秒で行うことができる。
また、処理部22が「優先度」を用いて候補情報を作成する場合、各需要家のDRの実績を示す情報は不要であり、制御期間の長さに制限はなく、制御期間の開始日時にも制限はない。
また、たとえば、「優先度」では、図1に示す負荷205を制御対象とする候補情報が作成可能であり、「優先度」を用いる演算処理を行えない期間はなく、「優先度」を用いる演算処理は数ミリ秒で行うことができる。
また、処理部22が「最適化エンジン2」を用いて候補情報を作成する場合、各需要家のDRの実績であって直近の20時間前までの7日分の実績を示す情報が取得済であり、制御期間の長さが最大2日間であり、制御期間の開始日時が現在時刻の1時間後〜2日後の期間に含まれることが要求される。
また、たとえば、「最適化エンジン2」では、図1に示す負荷205を制御対象とする候補情報が作成可能であり、「最適化エンジン2」を用いる演算処理を行えない期間が「2017年2月24日の10:00〜12:00」であり、「最適化エンジン2」を用いる演算処理には最大1時間を要する。
(b)具体例
(b−1)例1
たとえば、現在時刻が2017年2月24日の10時であり、制御期間が2017年2月24日の13時〜14時であり、負荷205ごとの制御を行うことが制御条件として指定されているとする。また、実績情報には、2017年2月24日の10時までの30日分の実績が含まれているとする。さらに、各依頼先への依頼内容の通知タイミングの期限が、制御期間の開始1時間前であるとする。
上述のとおり、「回り番」では、負荷205を制御対象とする候補情報を作成することができない。このため、処理部22は、複数の演算方法の中から「回り番」以外の演算方法、すなわち「最適化エンジン1」、「優先度」および「最適化エンジン2」を選択する。そして、処理部22は、選択した各演算方法の演算スケジュールを作成する。
図6は、図5に示す各演算方法の演算スケジュールの例1を示す図である。図6に示す三角のマークは、各演算方法を用いた演算処理の演算終了タイミングを示す。
図5および図6を参照して、「最適化エンジン1」では候補情報の作成に最大2時間を要するため、処理部22は、現在時刻の2時間後である2017年2月24日の12時を「最適化エンジン1」を用いる演算処理の演算終了タイミングとして予測する。また、「優先度」では候補情報の作成を数ミリ秒で行うことができるため、処理部22は、現在時刻の数ミリ秒後を「優先度」を用いる演算処理の演算終了タイミングとして予測する。また、「最適化エンジン2」では候補情報の作成に最大1時間を要するため、処理部22は、現在時刻の1時間後である2017年2月24日の11時を「最適化エンジン2」を用いる演算処理の演算終了タイミングとして予測する。
(b−2)例2
また、たとえば、現在時刻が2017年2月24日の10時であり、制御期間が2017年2月25日の13時〜14時であり、需要家ごとの制御を行うことが制御条件として指定されているとする。また、実績情報には、2017年2月24日の10時までの30日分の実績が含まれているとする。さらに、各依頼先への依頼内容の通知タイミングの期限が、制御期間の開始1時間前であるとする。
この場合、処理部22は、「最適化エンジン1」、「回り番」、「優先度」および「最適化エンジン2」の全てを選択し、選択した各演算方法の演算スケジュールを作成する。
図7は、図5に示す各演算方法の演算スケジュールの例2を示す図である。図7に示す三角のマークは、図6に示す三角マークと同様に、各演算方法を用いた演算処理の演算終了タイミングを示す。
図5および図7を参照して、「最適化エンジン1」では、各需要家のDRの実績であって直近の4時間前までの1日分の実績を示す情報が取得済であることが要求されるため、制御期間の開始タイミングの4時間前である2017年2月25日の9時から演算処理を行うことができる。そして、「最適化エンジン1」では候補情報の作成に最大2時間を要するため、処理部22は、2017年2月25日の9時の2時間後である2017年2月25日の11時を「最適化エンジン1」を用いる演算処理の演算終了タイミングとして予測する。
また、「回り番」では候補情報の作成を数ミリ秒で行うことができるため、処理部22は、現在時刻の数ミリ秒後を「回り番」を用いる演算処理の演算終了タイミングとして予測する。また、「優先度」では候補情報の作成を数ミリ秒で行うことができるため、処理部22は、現在時刻の数ミリ秒後を「優先度」を用いる演算処理の演算終了タイミングとして予測する。
また、「最適化エンジン2」では、各需要家のDRの実績であって直近の20時間前までの7日分の実績を示す情報が取得済であることが要求されるため、制御期間の開始タイミングの20時間前である2017年2月24日の17時から演算処理を行うことができる。そして、「最適化エンジン2」では候補情報の作成に最大1時間を要するため、処理部22は、2017年2月24日の17時の1時間後である2017年2月24日の18時を「最適化エンジン2」を用いる演算処理の演算終了タイミングとして予測する。
(候補情報の作成)
処理部22は、選択した演算方法ごとに候補情報を作成する。より詳細には、処理部22は、通信部21経由で端末装置171からの操作情報を受信すると、受信した操作情報に基づいて、電力消費の調整の内容として制御期間および制御量を認識する。処理部22は、たとえば、オペレータが「制御量」を指定しなかった場合、記憶部23に保存されているDR可能量情報に基づく、制御期間におけるDR可能量を制御量として用いる。
また、処理部22は、操作情報からオペレータが指定した「制御条件」を条件情報として取得し、取得した条件情報の内容を認識する。処理部22は、たとえば、オペレータが「制御条件」を指定しなかった場合、上述の各「制御条件」、すなわち、抽出対象の需要家数、抽出対象の需要家の電力需要施設が位置する地域、過去の期間における需要家のDRの参加の有無、および負荷205ごとの制御を行うか否かなどのうちの少なくともいずれか1つのデフォルトの内容を条件情報として用いる。
より詳細には、処理部22は、たとえば、記憶部23における管理情報および実績集約情報、ならびに取得した条件情報に含まれる制御期間および制御量を用いて、各需要家のDRの実績、スケジュール、制御期間および制御量のうちの少なくとも一部を含む入力データを作成する。また、処理部22は、条件情報の内容を含む制御条件データを作成する。
処理部22は、たとえば、各演算方法に対応する、演算処理を実行するエンジンを有している。処理部22は、選択した演算方法に対応するエンジンに、作成した入力データおよび制御条件データを入力することにより、入力データを満足するようなリソースの選別、すなわち各需要家の需要家IDの抽出を行う。
具体的には、処理部22は、たとえば、入力データを満足するような、70件の各需要家の需要家ID、100件の各需要家の需要家ID、および150件の各需要家の需要家ID等の任意数の需要家の需要家IDを仮抽出する。そして、処理部22は、たとえば、条件情報の示す条件として抽出対象の需要家数が100件に指定されている場合、仮抽出した各需要家IDのセットのうち、100件の各需要家の需要家IDを本抽出する。
なお、処理部22は、需要家IDを仮決定することなく、電力消費の調整の内容、および条件情報に基づいて、入力データおよび制御条件を満足するような各需要家の需要家IDを本抽出してもよい。この決定方法は、たとえば、条件情報の示す条件として、抽出対象の需要家の電力需要施設が位置する地域が指定されている場合に適している。
また、処理部22は、抽出した各需要家に割り当てる節電電力、割り当てた各節電電力の合計すなわち節電電力期待値、および抽出した各需要家に支払うべきインセンティブの合計すなわちコストを算出する。
そして、処理部22は、抽出した需要家ID、ならびに算出した節電電力、節電電力期待値およびコストを含む候補情報を作成する。
なお、処理部22は、複数の候補情報のうち少なくとも2つの候補情報の示す依頼先が同じになるように候補情報を作成してもよいし、複数の候補情報のうち少なくとも2つの候補情報の示す依頼先が異なるように候補情報を作成してもよい。
(演算状況の表示および候補の選択)
再び図2および図3を参照して、処理部22は、選択した演算方法を用いて複数の候補情報を作成し、作成した複数の候補情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。また、処理部22は、演算中または演算待ちの候補がある場合、当該候補を仮候補として、仮候補の内容を示す1または複数の仮候補情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。
また、処理部22は、選択した各演算方法を用いた演算処理の状況を示す演算状況情報を作成し、作成した演算状況情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。演算状況情報は、たとえば、演算方法ごとに、演算済、演算中、演算待ち、または演算不可のいずれかの状況であることを示す。また、演算状況情報は、たとえば、演算済の演算方法については演算終了時刻を示し、演算中または演算待ちの演算方法については演算の終了見込み時刻を示す。
処理部22は、候補情報、仮候補情報および演算状況情報の作成および送信を、定期的または不定期に行う。
端末装置171における取得部61は、電力管理サーバ101からの候補情報、仮候補情報および演算状況情報を受信して、受信したこれらの情報を表示制御部62へ出力する。表示制御部62は、取得部61からの候補情報、仮候補情報および演算状況情報を受けると、これらの情報に基づく候補画面Sc2を表示装置に表示する制御を行う。
(a)例1
図8は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例1−1を示す図である。ここでは、上述の「(b−1)例1」において説明した状況、すなわち図6に示すスケジュールで演算処理を行う状況であって、2017年2月24日の10時における候補画面Sc2について説明する。
図8を参照して、候補画面Sc2において、たとえば、演算方法ごとに、「演算状況」、「演算終了時刻」、「達成率見込(%)」、「制御量見込(kW)」、「支払報奨金合計(円)」、「選別された需要家の数」および「制御条件」が表示される。「達成率見込(%)」は、節電電力期待値を制御量で除した値を百分率で表した値である。「制御量見込(kW)」および「支払報奨金合計(円)」は、それぞれ節電電力期待値およびコストである。「選別された需要家の数」は、電力管理サーバ101によって抽出された需要家IDの個数である。
ここでは、図6に示す「最適化エンジン1」による候補の番号を「1」とし、「回り番」による候補の番号を「2」とし、「優先度」による候補の番号を「3」とし、「最適化エンジン2」による候補の番号を「4」とする。
この例では、「回り番」は選択されていないため、候補画面Sc2では、「回り番」による演算は不可であることが表示される。また、2017年2月24日の10時では、「優先度」による演算処理が終了しているため、当該演算処理により得られた各項目に対応する内容が表示される。
また、この時点では、「最適化エンジン1」および「最適化エンジン2」による各演算処理が演算中である。このため、候補画面Sc2では、これらの演算処理が演算中であること、および演算終了見込み時刻が表示される。
図9は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例1−2を示す図である。ここでは、図8に示す状況の1時間後の状況、すなわち2017年2月24日の11時における候補画面Sc2について説明する。
図9を参照して、2017年2月24日の11時では、図8に示す2017年2月24日の10時の時点と比較して、「最適化エンジン2」による演算処理が終了している。このため、候補画面Sc2では、当該演算処理により得られた各項目に対応する内容が表示される。
また、図8に示す候補画面Sc2および図9に示す候補画面Sc2のいずれにおいても、候補および仮候補に対して、それぞれ「この候補を選択する」ボタンおよび「詳細」ボタンが表示される。オペレータは、たとえば、候補画面Sc2を参照し、自己の嗜好に合った候補または仮候補を決定し、決定した候補または仮候補に対応する「この候補を選択する」ボタンの選択操作を端末装置171に対して行う。これにより、オペレータにより決定された候補または仮候補が電力管理サーバ101に通知される。
具体的には、オペレータは、図8に示す候補画面Sc2が表示されている状態では、番号「1」の仮候補、番号「3」の候補、および番号「4」の仮候補にそれぞれ対応する「この候補を選択する」ボタンの選択操作を端末装置171に対して行うことができる。また、オペレータは、図9に示す候補画面Sc2が表示されている状態では、番号「1」の仮候補、番号「3」の候補、および番号「4」の候補にそれぞれ対応する「この候補を選択する」ボタンの選択操作を端末装置171に対して行うことができる。
さらに、オペレータは、複数の「この候補を選択する」ボタンの選択操作を行うことも可能である。たとえば、オペレータは、図8に示す候補画面Sc2が表示されている状態において、番号「1」に対応する「この候補を選択する」ボタン、および番号「4」に対応する「この候補を選択する」ボタンの選択操作を行うことができる。たとえば、番号「1」の候補、および番号「4」の候補の各々に対応する「この候補を選択する」ボタンの選択操作が行われた場合、図8に示すように、これらのボタンが他のボタンとが異なる表示態様で表示される。
そして、この場合、処理部22は、たとえば、番号「1」および番号「4」の各々の演算後に、各演算処理により得られた候補情報の内容を指定された基準に従って比較し、比較結果に基づいて1つの候補情報を選択する。具体的には、処理部22は、たとえば、「達成率見込み(%)」が100%に近い方の候補情報を選択する。
なお、オペレータは、需要家への依頼日時より前のタイミングであれば、候補または仮候補の選択内容を変更することができる。
また、オペレータは、「詳細」ボタンの選択操作を端末装置171に対して行うことにより、対応の候補または仮候補の詳細を表示装置に表示させることが可能である。
(b)例2
図10は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例2−1を示す図である。ここでは、上述の「(b−2)例2」において説明した状況、すなわち図7に示すスケジュールで演算処理を行う状況であって、2017年2月24日の10時における候補画面Sc2について説明する。
図7および図10を参照して、2017年2月24日の10時では、「回り番」による演算処理および「優先度」による演算処理が終了しているため、各演算処理により得られた各項目に対応する内容が表示される。
また、この時点では、「最適化エンジン1」および「最適化エンジン2」による各演算処理が演算待ちである。このため、候補画面Sc2では、これらの演算処理が演算待ちであること、および演算終了見込み時刻が表示される。
なお、図10は、オペレータにより、番号「1」の候補および番号「4」の候補が選択された状態を示している。
図11は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例2−2を示す図である。ここでは、図10に示す状況の2時間後の状況、すなわち2017年2月24日の12時における候補画面Sc2について説明する。
図11を参照して、2017年2月24日の12時では、図10に示す2017年2月24日の10時の時点と比較して、「最適化エンジン2」による演算処理が終了している。このため、候補画面Sc2では、当該演算処理により得られた各項目に対応する内容が表示される。
なお、図11は、オペレータによる候補の選択内容が変更され、番号「1」の候補のみが選択された状態を示している。
[動作]
電力管理システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図の各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるDR実行前の各処理のシーケンスの一例を示す図である。
図12を参照して、まず、電力管理サーバ101は、定期的にDR可能量を予測する(ステップS102)。
次に、電力管理サーバ101は、リコメンド処理RP1を行う(ステップS104)。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるリコメンド処理RP1のシーケンスの一例を示す図である。図13は、図12のステップS104における動作の詳細を示している。
図2、図3および図13を参照して、リコメンド処理RP1において、まず、端末装置171は、入力受付処理を行う(ステップS701)。
より詳細には、オペレータは、たとえば、「制御期間」、「制御量」および「制御条件」を入力する操作を端末装置171に対して行う。端末装置171における受付部64は、オペレータの操作を受け付け、受け付けた操作を示す操作情報を作成して通知部65へ出力する。
次に、通知部65は、受付部64から操作情報を受けると、受けた操作情報を電力管理サーバ101へ送信する(ステップS702)。
次に、電力管理サーバ101における処理部22は、記憶部23における管理情報、実績集約情報および前提条件情報、ならびに操作情報から得られた制御期間、制御量および条件情報に基づいて、複数の演算方法のうち前提条件が満たされる演算方法を選択する(ステップS703)。
次に、処理部22は、選択した演算方法を用いた演算処理を行う(ステップS704)。そして、処理部22は、演算処理が成功した場合(ステップS705でYES)、演算処理により得られた候補情報を作成する(ステップS706)。
一方、電力管理サーバ101へのアクセスの集中などにより演算処理が成功しなかった場合(ステップS705でNO)、処理部22は、たとえば、候補情報の作成が成功するまで演算処理を繰り返す。
また、処理部22は、選択した1または複数の演算方法にそれぞれ対応する全ての候補情報の作成(ステップS706)が終了するまでの間、既に作成された候補情報、作成済でない候補、すなわち仮候補を示す仮候補情報、および各演算処理の状況を示す演算状況情報を定期的または不定期に作成し、作成したこれらの情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。そして、端末装置171は、候補情報、仮候補情報および演算状況情報を受信すると、受信したこれらの情報に基づく候補画面Sc2を表示装置に表示する制御を行う。
次に、処理部22は、選択した全ての演算方法について候補情報の作成が終了すると、作成した各候補情報の内容およびオペレータにより指定された制御量を含む処理結果情報を作成し、作成した処理結果情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。端末装置171における取得部61は、電力管理サーバ101から処理結果情報を受信する(ステップS707)。
次に、端末装置171における取得部61は、受信した処理結果情報を表示制御部62へ出力する。表示制御部62は、取得部61から処理結果情報を受けると、受けた処理結果情報に基づいて候補画面Sc3を表示装置に表示する制御を行う(ステップS708)。
図14は、図3に示す端末装置により表示される候補画面の例を示す図である。
図14を参照して、候補画面Sc3では、たとえば、番号「1」の候補、番号「3」の候補、および番号「4」の候補の各々の内容が表示される。
再び図13を参照して、次に、端末装置171は、入力受付処理を行う(ステップS709)。より詳細には、オペレータは、たとえば、図14に示す候補画面Sc3を参照し、自己の嗜好に合った候補を決定し、決定した候補に対応する「この候補を選択する」ボタンを選択する操作を端末装置171に対して行う。端末装置171は、オペレータの操作を受け付け、受け付けた操作を示す操作情報を作成し、作成した操作情報を電力管理サーバ101に通知する。
なお、オペレータがステップS707よりも前に仮候補を選択する操作を端末装置171に対して行った場合には、端末装置171は、オペレータにより選択された仮候補に対応する候補が選択されたことを示す操作情報を作成し、作成した操作情報を電力管理サーバ101に通知する(ステップS710)。
次に、電力管理サーバ101は、市場登録情報作成処理を行う(ステップS711)。より詳細には、電力管理サーバ101における処理部22は、通信部21経由で端末装置171から操作情報を受信すると、受信した操作情報に基づいて、オペレータに選択された候補を認識する。
そして、処理部22は、オペレータの選択した候補、ならびに制御期間および制御量を含む市場登録情報を作成する。
再び図12を参照して、次に、電力管理サーバ101は、市場登録情報登録処理を行う(ステップS106)。より詳細には、電力管理サーバ101における処理部22は、作成した市場登録情報を記憶部23に保存する。
次に、系統側サーバ121、卸電力取引所サーバ111および電力管理サーバ101間において落札処理が行われる(ステップS108)。
より詳細には、電力管理サーバ101は、保存した市場登録情報に基づいて、自己のIDおよび制御期間、ならびにオペレータによって選択された候補についてのコストおよび節電電力期待値を商品として卸電力取引所サーバ111に登録する。
系統側サーバ121は、卸電力取引所サーバ111に登録された商品の中から、DR計画を満たすように商品を落札する。
次に、系統側サーバ121は、たとえば、落札した商品の内容に沿った、DR期間および依頼電力R1を含む調整情報S1を電力管理サーバ101へ送信する(ステップS110)。なお、系統側サーバ121は、落札した商品の内容に沿わない調整情報S1を電力管理サーバ101へ送信することもある。
次に、電力管理サーバ101における通信部21は、たとえば、他の装置、具体的には系統側サーバ121から調整情報S1を受信し、受信した調整情報S1を処理部22へ出力する。処理部22は、通信部21から調整情報S1を受けると、受けた調整情報S1を記憶部23に保存する調整情報登録処理を行う(ステップS112)。
次に、処理部22は、リコメンド処理RP2を行う(ステップS114)。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるリコメンド処理RP2のシーケンスの一例を示す図である。図15は、図12のステップS114における動作の詳細を示している。
図15を参照して、処理部22は、DRが緊急ではない場合、具体的には、調整情報S1に含まれるDR期間の開始タイミングまでの時間が所定値Th1以上である場合(ステップS802でNO)、調整情報S1および処理結果情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する(ステップS804)。
次に、端末装置171における取得部61は、電力管理サーバ101から調整情報S1および処理結果情報を受信すると、受信した調整情報S1および処理結果情報を表示制御部62へ出力する。表示制御部62は、取得部61から調整情報S1および処理結果情報を受けると、受けた調整情報S1および処理結果情報に基づいて、イベント画面Sc4を表示装置に表示する制御を行う(ステップS806)。
図16は、図3に示す端末装置により表示されるイベント画面の例を示す図である。図16では、一例として、上述したステップS709において、オペレータにより番号「4」の候補が選択された状態を示している。
図16を参照して、イベント画面Sc4において、グラフGr1では、縦軸は、電力を示し、横軸は、時間を示す。この例では、グラフGr1において、調整情報S1に含まれるDR期間および依頼電力R1に基づく、13時から14時までにおける200kWの制御依頼を示す長方形が描かれる。
また、イベント画面Sc4における3つの候補は、たとえば、図14に示す3つの候補と同じである。
また、「再作成」ボタンを選択する操作を端末装置171に対して行うことにより、複数の候補情報の再作成を行うことが可能である。この場合、電力管理サーバ101において、リコメンド処理RP1が行われることにより、複数の候補情報が再作成される。
この場合、電力管理サーバ101における処理部22は、たとえば、ステップS701においてオペレータにより入力された制御期間および制御量の代わりに、ステップS110において系統側サーバ121から送信された調整情報S1に含まれるDR期間および依頼電力R1に基づいて、演算方法の選択および候補情報の作成を行うことができる。
再び図15を参照して、次に、端末装置171は、入力受付処理を行う(ステップS808)。
より詳細には、オペレータは、たとえば、図16に示すイベント画面Sc4を参照し、図13に示すステップS709において選択した候補を変更しない場合、当該候補に対応するボタンを選択する操作を端末装置171に対して行う。
一方、オペレータは、たとえば、図13に示すステップS709において選択した候補以外の候補に対応するボタンを選択する操作を端末装置171に対して行うことにより、候補を選択し直すことが可能である。
端末装置171における受付部64は、オペレータの操作を受け付け、受け付けた操作を示す操作情報を作成し、作成した操作情報を通知部65へ出力する。通知部65は、受付部64から操作情報を受けると、受けた操作情報を電力管理サーバ101へ送信する(ステップS810)。
次に、電力管理サーバ101における処理部22は、図13に示すステップS706において作成した候補情報の中から選択された候補情報に基づく内容の依頼情報を作成する(ステップS812)。
ここでは、処理部22は、DRが緊急ではないので、通信部21経由で端末装置171から操作情報を受信すると、受信した操作情報に基づいて依頼情報を作成する。
より詳細には、処理部22は、操作情報に基づいて、オペレータに選択された候補を示す候補情報を認識し、当該候補情報から、各需要家ID、および当該各需要家IDの示す需要家に割り当てる節電電力を取得する。
そして、処理部22は、管理情報から、取得した各需要家IDに対応する装置IDを依頼情報の宛先として取得し、装置IDごとに、対応の宛先、DR期間、および対応の節電電力を含む依頼情報を作成する。
一方、処理部22は、緊急のDRである場合(ステップS802でYES)、指定された基準に従って、図13に示すステップS706において作成した複数の候補情報の中から1つの候補情報を選択し、選択した候補情報に基づく内容の依頼情報を作成する。ここで、指定された基準は、たとえば、「達成率見込(%)」、「制御量見込(kW)」、「支払報奨金合計(円)」および「選別された需要家の数」のうちのいずれか1つを用いた基準である。
処理部22は、作成した各依頼情報を通信部21へ出力する。
再び図12を参照して、次に、通信部21は、処理部22によって作成された依頼情報を依頼先に通知する。より詳細には、通信部21は、処理部22から装置IDごとの依頼情報を受けると、受けた各依頼情報を、各々の依頼情報に含まれる宛先の示す需要家装置202へ送信する(ステップS116)。
次に、各需要家装置202は、電力管理サーバ101から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS118)。
次に、各需要家装置202は、依頼情報の内容を許諾するか否かを示す応答情報を電力管理サーバ101へ送信する(ステップS120)。
次に、各需要家装置202は、自己のDRの実績を示す実績値情報を定期的に電力管理サーバ101へ送信する(ステップS122)。
次に、電力管理サーバ101における処理部22は、たとえば、通信部21によって依頼情報が通知された後、電力消費の調整に関する依頼を達成できるか否かを判断する(ステップS124)。
より詳細には、処理部22は、各需要家装置202から応答情報および実績値情報を通信部21経由で受信して、応答情報、実績値情報および調整情報S1に基づいて、系統側サーバ121からのDRの要請を満たすための調整が必要か否かを判断する。
処理部22は、上記調整が必要であると判断すると(ステップS124でYES)、新たな候補情報を作成する(ステップS128)。具体的には、処理部22は、リコメンド処理RP2を行う。
一方、処理部22は、上記調整が不要であると判断すると(ステップS124でNO)、調整情報S1を許諾する旨を示す許諾応答信号を通信部21経由で系統側サーバ121へ送信する(ステップS126)。
なお、上記ステップS120およびS122の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理システムにおけるDR実行中およびDR実行後の各処理のシーケンスの一例を示す図である。
図17を参照して、各需要家装置202は、電力管理サーバ101から受信した依頼情報に従って、DRを実行中である状況を想定する。
まず、各需要家装置202は、DR実行中において実績値情報を定期的に電力管理サーバ101へ送信する(ステップS202)。
次に、電力管理サーバ101は、監視処理を行う(ステップS204)。より詳細には、電力管理サーバ101における処理部22は、各需要家装置202から実績値情報を通信部21経由で受信して、実績値情報および調整情報S1に基づいて、現在実行中のDRの達成度合いを監視する(ステップS204)。
次に、処理部22は、達成度合いが目標に未達であると判断すると(ステップS206でYES)、リコメンド処理RP3を行う(ステップS208)。ここでは、DRを実行中であるので、処理部22は、たとえばオペレータへの問い合わせを行わずにリコメンド処理RP3を行う。
より詳細には、処理部22は、たとえば、複数の候補情報を作成し、指定された基準に従って、作成した複数の候補情報の中から1つの候補情報を選択する。処理部22は、選択した候補情報、および管理情報に基づいて、DRの内容の変更対象の各需要家向けの依頼情報を作成し、作成した依頼情報を通信部21へ出力する。
次に、通信部21は、処理部22から装置IDごとの依頼情報を受けると、受けた各依頼情報を、各々の依頼情報に含まれる宛先の示す需要家装置202へ送信する(ステップS210)。
次に、DRの内容の変更対象の各需要家装置202は、電力管理サーバ101から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS212)。
次に、DRの内容の変更対象の各需要家装置202は、依頼情報に従って、DRを実行する(ステップS214)。
一方、処理部22は、達成度合いが目標に到達していると判断すると(ステップS206でNO)、リコメンド処理RP3を行わない。
ステップS204〜S214の処理は、DRが終了するまでたとえば定期的に繰り返される。
次に、各需要家装置202は、DR実行後において実績値情報を定期的に電力管理サーバ101へ送信する(ステップS216)。
次に、電力管理サーバ101は、集計処理を行う。より詳細には、電力管理サーバ101における処理部22は、各需要家装置202から実績値情報を通信部21経由で受信して、実績値情報および調整情報S1に基づいて、DRに参加した各需要家のDR期間における節電電力の実績を集計する(ステップS218)。
次に、電力管理サーバ101は、更新処理を行う。より詳細には、処理部22は、集計結果に基づいて記憶部23における実績集約情報を更新する(ステップS220)。
次に、処理部22は、DRに参加した各需要家のDR期間における節電電力の実績の合計値を含む実績値情報を通信部21経由で系統側サーバ121へ送信する(ステップS222)。
次に、系統側サーバ121は、電力管理サーバ101から実績値情報を受信すると、受信した実績値情報の内容を登録する実績値登録処理を行う(ステップS224)。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバでは、処理部22は、電力消費の調整の依頼先および内容の両方を示す候補情報を複数作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、電力消費の調整の依頼先および内容のいずれか一方を示す候補情報を複数作成する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバでは、処理部22は、複数の仮候補に対応する「この候補を選択する」ボタンの選択操作が行われた場合、すなわち複数の仮候補情報が選択された場合、演算後の仮候補情報を比較し、比較結果に基づいて、いずれか1つの仮候補情報を選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、複数の仮候補情報が選択された場合、たとえば、各演算方法に予め付与された優先度に従い、優先度の高い方の演算方法に対応する仮候補情報を選択する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバでは、処理部22は、候補情報および仮候補情報の各々の演算処理の状況を示す演算状況情報を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、たとえば、演算状況情報の作成を行わない構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバでは、処理部22は、調整情報および前提条件情報に基づいて演算方法の選択を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、たとえば、全ての演算方法の演算処理を開始し、情報の不足などにより候補情報の作成を行うことのできない演算方法が存在する場合には、当該演算方法については候補情報の作成が不可である旨を表示装置に表示する構成であってもよい。
ところで、送配電事業者および電力小売り事業者は、多くの電力需要施設にxEMSが導入されることにより、全体的な電力需要を広範囲に調整することが容易となる。
たとえば、送配電事業者および電力小売り事業者は、電力需給の逼迫が予測される場合に、アグリゲータに対して予め節電依頼を行なう。そして、アグリゲータは、電力需要施設の需要家に対して節電依頼を行なう。
また、たとえば、送配電事業者は、電力の供給が需要を上回ると予想される場合、発電量の調整を再生エネルギー事業者、および発電装置を所有する需要家に対して、系統への電力供給の調整を依頼する。
しかしながら、再生エネルギー事業者および需要家への依頼内容が適切でない場合、電力需給が逼迫したり、電力の供給が需要を上回ったりし、系統における電力の需給バランスが崩れるため、好ましくない。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバ101では、処理部22が、電力消費の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する。通信部21が、処理部22によって作成された複数の候補情報の中から選択された候補情報に基づく内容の依頼情報を依頼先に通知する。また、処理部22は、複数の演算方法を用いて複数の候補情報を作成し、演算中または演算待ちの候補情報も仮候補情報として作成可能である。
このような構成により、たとえば、多様な候補情報をオペレータに推奨し、オペレータは、嗜好に合った候補情報、またはある基準により適した候補情報を選択することができる。したがって、電力需給の良好なバランスを実現することが可能である。また、仮候補情報をオペレータに提示することが可能であるため、オペレータは、作成される予定の候補情報の数などを早期に把握することができる。したがって、候補情報に関するより有用な情報の提供を行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバ101では、処理部22は、作成した複数の仮候補情報が選択された場合、演算後の複数の仮候補情報を比較し、比較結果に基づいて、複数の仮候補情報のうちのいずれか1つを選択する。
このような構成により、電力消費の調整の内容および依頼先の状況により適した依頼情報を作成することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバ101では、処理部22は、候補情報および仮候補情報の各々の演算状況を表示する制御を行う。
このような構成により、オペレータは、たとえば、候補情報の作成の可否、候補情報が作成済であるか否か、および作成中である候補情報の作成終了の予定時刻などを把握することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力管理サーバ101では、処理部22は、系統側サーバ121から電力消費の調整に関する依頼を示す調整情報S1を取得し、各演算方法に要求される条件および取得した調整情報S1に基づいて演算方法を選択し、選択した演算方法を用いて候補情報を作成する。
ここで、演算方法ごとに、候補情報の作成に必要となる情報、および作成に要する時間が異なる。このため、情報が不足しているなどの理由により、作成することのできない候補情報が存在することがある。
これに対して、上記のような構成により、要求される条件を満たしていない演算方法を、演算処理の開始前に演算処理の対象から外すことができるため、不要な演算処理を行うことを避けることができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力管理システムと比べて系統への電力供給を管理するための電力管理システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力管理システムと同様である。
[構成および基本動作]
(全体構成)
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの構成を示す図である。
図18を参照して、電力管理システム302は、電力管理サーバ(電力管理装置)102と、送配電事業者サーバ141と、端末装置171と、2つの需要家装置202とを備える。
電力管理システム302における端末装置171および需要家装置202の動作は、図1に示す電力管理システム301における端末装置171および需要家装置202とそれぞれ同様である。
図18では、2つの需要家装置202を代表的に示しているが、さらに多数または少数の需要家装置202が設けられてもよい。また、需要家装置202に対応して1つの負荷205を代表的に示しているが、さらに多数の負荷205が需要家装置202に対応して設けられてもよい。
電力管理システム302では、たとえば、太陽光発電装置によって発電された電力の系統への電力供給が過剰である場合、または当該電力の系統への電力供給が過剰になるおそれがある場合において、太陽光発電装置の管理者、具体的には各需要家および再生エネルギー事業者が系統への電力供給を調整するためのPV出力調整依頼、すなわち系統への電力供給を抑制するためのPV出力調整依頼を発行することが可能である。
電力管理システム302における送配電事業者サーバ141は、たとえば、電力系統側である送配電事業者によって運用され、系統への電力供給の調整に関する依頼を示す調整情報S2および調整情報S3を電力管理サーバ102および再エネ事業者サーバ131へそれぞれ送信する。調整情報S2,S3は、たとえば、系統への電力供給の調整の依頼期間(以下、PV調整期間とも称する。)の開始タイミングおよびPV調整期間の長さ、ならびに系統への電力供給の調整量を示す依頼電力R2を含む。なお、調整情報S2,S3には、PV調整期間の長さの代わりにPV調整期間の終了タイミングが含まれていてもよい。
需要家装置202は、電力需要施設における中小規模発電装置206を制御可能である。
中小規模発電装置206は、たとえば、中規模または小規模の太陽光発電装置であり、需要家装置202の制御に従って動作するPCS(Power Conditioning System)等の電力変換装置を含む。なお、中小規模発電装置206は、太陽光発電装置に限らず、風力発電装置等であってもよい。
電力変換装置は、たとえば、発電した直流電力を交流電力に変換して負荷205へ出力すること、当該交流電力を系統へ出力する逆潮流を行うこと、発電した直流電力を変圧して蓄電装置207に蓄電すること、および蓄電装置207から受ける直流電力を交流電力に変換して負荷205へ出力することが可能である。
電力管理サーバ102は、たとえば、1または複数の需要家装置202と通信を行なうことにより、中小規模発電装置206によって発電された電力の系統への電力供給を管理する。
より詳細には、電力管理サーバ102は、たとえば、送配電事業者サーバ141から調整情報S2を受信すると、中小規模発電装置206の発電電力を調整する制御、および当該発電電力を蓄電装置207に蓄電する制御を、需要家装置202を介して行う。これにより、系統への電力供給が調整される。
再エネ事業者サーバ131、大規模発電装置132および蓄電装置133は、発電施設に設けられる。なお、再エネ事業者サーバ131は、発電施設の外部に設けられてもよい。
再エネ事業者サーバ131は、たとえば、電力系統側である再生エネルギー事業者によって運用され、発電施設における大規模発電装置132を制御可能である。
大規模発電装置132は、たとえば、大規模の太陽光発電装置であり、再エネ事業者サーバ131の制御に従って動作する電力変換装置を含む。なお、大規模発電装置132は、太陽光発電装置に限らず、風力発電装置等であってもよい。
電力変換装置は、たとえば、発電した直流電力を昇圧して蓄電装置133に蓄電すること、および蓄電装置133から受ける直流電力、または発電した直流電力を交流電力に変換して系統へ出力することが可能である。
再エネ事業者サーバ131は、たとえば、大規模発電装置132を制御することにより、大規模発電装置132によって発電された電力の系統への電力供給を管理する。
より詳細には、再エネ事業者サーバ131は、たとえば、送配電事業者サーバ141から調整情報S3を受信すると、大規模発電装置132の発電電力を調整する制御、および当該発電電力を蓄電装置133に蓄電する制御を行う。これにより、系統への電力供給が調整される。
(電力管理サーバ)
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおける電力管理サーバの構成を示す図である。
図19を参照して、電力管理サーバ102は、通信部(通知部)21と、処理部(作成部)32と、記憶部23とを備える。
電力管理サーバ102における通信部21および記憶部23の動作は、図2に示す電力管理サーバ101における通信部21および記憶部23とそれぞれ同様である。
記憶部23は、管理情報、実績集約情報および各種登録情報を保持する。各種登録情報については、後述する。
ここで、管理情報は、たとえば、アグリゲータの管理する各需要家の需要家IDと、需要家IDに対応する、契約内容、スケジュールおよび需要家装置202の装置IDとを含む。たとえば、需要家IDは、契約内容に応じたグループに属する。これらの契約には、供給調整電力量に対するインセンティブがそれぞれ定められている。スケジュールは、たとえば需要家がPV出力調整に参加できない期間を示す。
実績集約情報は、たとえば、各需要家のPV出力調整の実績を示す。具体的には、実績集約情報は、需要家IDごとの、送配電事業者サーバ141から要求されたPV調整期間および依頼電力R2と、当該期間において供給調整した電力の実績値とを含む。
処理部32は、たとえば、自己の電力需要施設における現在および将来の日射量を示す日射量情報に基づいて、送配電事業者サーバ141からの調整情報S2に含まれるPV調整期間における発電量を予測する。そして、処理部32は、予測した発電量に基づいて、調整情報S2の示す依頼に応じるか否かを判断する。
より詳細には、処理部32は、予測した発電量を用いて、PV調整期間において依頼電力R2の調整が達成可能か否かを判定する。具体的には、処理部32は、日射量が少ないため予測発電量が小さい場合、依頼電力R2の調整が達成不可能であると判定し、調整情報S2の示す依頼に応じないと判断する。また、処理部32は、日射量が多いため予測発電量が大きい場合、依頼電力R2の調整が達成可能であると判定し、調整情報S2の示す依頼に応じると判断する。
また、処理部32は、調整情報S2の示す依頼に応じると判断した場合、PV出力調整の依頼先および内容を示す複数の候補情報を作成する。より詳細には、処理部32は、複数の演算方法を用いて、複数の候補情報をそれぞれ作成する。
具体的には、オペレータにより、PV出力調整の依頼先の条件が予め登録され、登録内容を示す条件情報が記憶部23に保存されている。条件情報は、たとえば、抽出対象の需要家数、抽出対象の需要家の電力需要施設が位置する地域、過去の期間における需要家のPV出力調整の参加の有無、および図18に示す負荷205ごとの制御を行うか否かなどを示す。
また、記憶部23には、演算方法ごとに要求される前提条件の内容を示す前提条件情報が保存されている。前提条件情報は、たとえば、各演算方法に対する、過去データの必要の有無、PV調整期間の制限、PV調整期間の開始日時の制限、負荷ごとの制御の可否、演算処理を行えない日時または期間、および演算処理に要する時間などを含む。
処理部32は、記憶部23における管理情報、実績集約情報、条件情報および前提条件情報、ならびに調整情報S2に含まれるPV調整期間および依頼電力R2に基づいて、複数の演算方法のうち前提条件が満たされる演算方法を選択する。そして、処理部32は、選択した複数の演算方法を用いて、複数の候補情報をそれぞれ作成する。
また、処理部32は、作成した複数の候補情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。また、処理部32は、演算中または演算待ちの候補がある場合、当該候補を仮候補として、仮候補の内容を示す1または複数の仮候補情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。
また、処理部32は、選択した各演算方法を用いた演算処理の状況を示す演算状況情報を作成し、作成した演算状況情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。演算状況情報は、たとえば、演算方法ごとに、演算済、演算中、演算待ち、または演算不可のいずれかの状況であることを示す。また、演算状況情報は、たとえば、演算済の演算方法については演算終了時刻を示し、演算中または演算待ちの演算方法については演算の終了見込み時刻を示す。
処理部32は、候補情報、仮候補情報および演算状況情報の作成および送信を、定期的または不定期に行う。
[動作]
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおけるPV出力調整実行前の各処理のシーケンスの一例を示す図である。
図20を参照して、まず、小売事業者サーバ151は、たとえば、所定期間ごとの需要計画値を送配電事業者サーバ141へ定期的に通知する(ステップS302)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、たとえば、所定期間ごとの発電量の計画値の予測を送配電事業者サーバ141へ定期的に通知する(ステップS304)。
次に、送配電事業者サーバ141は、小売事業者サーバ151および再エネ事業者サーバ131から通知された各通知内容に基づいて、系統への電力供給の調整が必要か否かを判断する判断処理を行う(ステップS306)。ここでは、送配電事業者サーバ141は、系統への電力供給の調整が必要であると判断する。
次に、送配電事業者サーバ141は、調整情報S2を電力管理サーバ102へ送信する(ステップS308)。
次に、送配電事業者サーバ141は、調整情報S3を再エネ事業者サーバ131へ送信する(ステップS310)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、送配電事業者サーバ141から調整情報S3を受信すると、受信した調整情報S3を登録する調整情報登録処理を行う(ステップS312)。
次に、電力管理サーバ102は、調整情報登録処理を行う(ステップS314)。より詳細には、電力管理サーバ102における通信部21は、たとえば、他の装置、具体的には送配電事業者サーバ141からの調整情報S2を処理部32へ出力する。処理部32は、通信部21から調整情報S2を受けると、受けた調整情報S2を記憶部23に保存する。
次に、需要家装置202は、自己の電力需要施設における現在および将来の日射量を示す日射量情報を定期的に電力管理サーバ102へ送信する(ステップS316)。
次に、電力管理サーバ102は、発電量予測処理を行う(ステップS318)。より詳細には、電力管理サーバ102における処理部32は、通信部21経由で需要家装置202から受信する日射量情報に基づいて、調整情報S2に含まれるPV調整期間における発電量を予測する。
次に、処理部32は、たとえば、予測した発電量に基づいて、調整情報S2の示す依頼に応じるか否かを判断する(ステップS320)。そして、処理部32は、調整情報S2の示す依頼に応じないと判断した場合(ステップS320でNO)、非許諾応答信号を通信部21経由で送配電事業者サーバ141へ送信する(ステップS322)。
次に、送配電事業者サーバ141は、電力管理サーバ102から非許諾応答信号を受信すると、受信した非許諾応答信号を記録する記録処理を行う(ステップS324)。
一方、処理部32は、調整情報S2の示す依頼に応じると判断した場合(ステップS320でYES)、リコメンド処理RP4を行う(ステップS326)。
図21は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおけるリコメンド処理のシーケンスの一例を示す図である。図21は、図20のステップS326における動作の詳細を示している。
図3、図19および図21を参照して、リコメンド処理RP4において、まず、電力管理サーバ102における処理部32は、記憶部23における管理情報、実績集約情報、条件情報および前提条件情報、ならびに調整情報S2に含まれるPV調整期間および依頼電力R2に基づいて、複数の演算方法のうち前提条件が満たされる演算方法を選択する(ステップS901)。
次に、処理部32は、選択した演算方法を用いた演算処理を行う(ステップS902)。そして、処理部32は、演算処理が成功した場合(ステップS903でYES)、演算処理により得られた候補情報を作成する(ステップS904)。
一方、電力管理サーバ102へのアクセスの集中などにより演算処理が成功しなかった場合(ステップS903でNO)、処理部22は、たとえば、候補情報の作成が成功するまで演算処理を繰り返す。
また、処理部32は、選択した1または複数の演算方法にそれぞれ対応する全ての候補情報の作成(ステップS904)が終了するまでの間、既に作成された候補情報、作成済でない候補、すなわち仮候補を示す仮候補情報、および各演算処理の状況を示す演算状況情報を定期的または不定期に作成し、作成したこれらの情報を通信部21経由で端末装置171へ送信する。そして、端末装置171は、候補情報、仮候補情報および演算状況情報を受信すると、受信したこれらの情報に基づく画面を表示装置に表示する制御を行う。
次に、処理部32は、選択した全ての演算方法について候補情報の作成が終了すると、PV出力調整が緊急ではない場合、具体的には、調整情報S2に含まれるPV調整期間の開始タイミングまでの時間が所定値Th2以上である場合(ステップS905でNO)、作成した複数の候補情報および調整情報S2を通信部21経由で端末装置171へ送信する(ステップS906)。
次に、端末装置171における取得部61は、電力管理サーバ102からの複数の候補情報および調整情報S2を表示制御部62へ出力する。表示制御部62は、取得部61から複数の候補情報および調整情報S2を受けると、これらの情報に基づいてイベント画面Sc5を表示装置に表示する制御を行う(ステップS907)。
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおける端末装置が作成するイベント画面の一例を示す図である。
図22を参照して、イベント画面Sc5において、グラフGr2では、縦軸は、電力を示し、横軸は、時間を示す。この例では、グラフGr2において、調整情報S2に含まれるPV調整期間および依頼電力R2に基づく、13時から14時までにおける200kWの制御依頼を示す長方形が描かれる。
また、イベント画面Sc5において、複数の候補情報の内容が表示されている。「達成率見込(%)」は、各供給調整電力の合計である供給調整電力期待値を依頼電力R2で除した値を百分率で表した値である。「供給調整電力量見込(kW)」および「支払報奨金合計(円)」は、それぞれ供給調整電力期待値およびコストである。「選別された需要家の数」は、電力管理サーバ102によって抽出された需要家IDの個数である。「制御条件」は、たとえばオペレータにより予め登録された依頼先の条件である。
また、「再作成」ボタンを選択する操作を端末装置171に対して行うことにより、たとえば、複数の候補の再作成、および「制御条件」の再設定を行うことが可能である。この場合、電力管理サーバ102において、リコメンド処理RP4が行われることにより、複数の候補が再作成される。
図21および図22を参照して、次に、端末装置171は、入力受付処理を行う。より詳細には、オペレータは、イベント画面Sc5を参照し、たとえば、番号「1」に対応する「この候補を選択する」ボタンを選択する操作を端末装置171に対して行う(ステップS908)。
次に、端末装置171における受付部64は、オペレータの操作を示す操作情報を作成し、作成した操作情報を通知部65へ出力する。通知部65は、受付部64から操作情報を受けると、受けた操作情報を電力管理サーバ102へ送信する(ステップS909)。
次に、電力管理サーバ102は、依頼情報作成処理を行う。より詳細には、電力管理サーバ102における処理部32は、自己の作成した複数の候補情報の中から選択された1つの候補情報に基づく内容の依頼情報を作成する。
ここでは、処理部32は、PV出力調整が緊急ではないので、通信部21経由で端末装置171から操作情報を受信すると、受信した操作情報に基づいて、番号「1」の候補がオペレータに選択されたことを認識する。そして、処理部32は、当該候補の内容を示す候補情報から、各需要家ID、および当該各需要家IDの示す需要家に割り当てる供給調整電力を取得する。
そして、処理部32は、管理情報から、取得した各需要家IDに対応する装置IDを依頼情報の宛先として取得し、装置IDごとに、対応の宛先、PV調整期間、および対応の供給調整電力を含む依頼情報を作成する(ステップS910)。
一方、処理部32は、緊急のPV出力調整である場合(ステップS905でYES)、指定された基準に従って、自己の作成した複数の候補情報の中から1つの候補情報を選択し、選択した候補情報に基づく内容の依頼情報を作成する。ここで、指定された基準は、たとえば、図22に示す、「達成率見込(%)」、「供給調整電力量見込(kW)」、「支払報奨金合計(円)」および「選別された需要家の数」のうちのいずれか1つを用いた基準である。
そして、処理部32は、作成した各依頼情報を通信部21へ出力する。
再び図20を参照して、次に、電力管理サーバ102における通信部21は、処理部32からの各依頼情報を、各々の依頼情報に含まれる宛先の示す需要家装置202へ送信する(ステップS328)。
次に、各需要家装置202は、電力管理サーバ102から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS330)。
次に、各需要家装置202は、依頼情報の内容を許諾するか否かを示す応答情報を電力管理サーバ102へ送信する(ステップS332)。
次に、各需要家装置202は、自己のPV調整依頼の実績を示す実績値情報を定期的に電力管理サーバ102へ送信する(ステップS334)。
次に、電力管理サーバ102における処理部32は、たとえば、通信部21によって依頼情報が通知された後、系統への電力供給の調整に関する依頼を達成できるか否かを判断する。
より詳細には、処理部32は、各需要家装置202から応答情報および実績値情報を通信部21経由で受信して、応答情報、実績値情報および調整情報S2に基づいて、送配電事業者サーバ141からの調整情報S2の内容を満たすための調整が必要か否かを判断する(ステップS336)。
そして、処理部32は、上記調整が必要であると判断すると(ステップS336でYES)、新たな候補情報を作成する(ステップS344)。具体的には、処理部32は、リコメンド処理RP4を行う。
一方、処理部32は、上記調整が不要であると判断すると(ステップS336でNO)、調整情報S2を許諾する旨を示す許諾応答信号を通信部21経由で送配電事業者サーバ141へ送信する(ステップS338)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、調整情報S3を許諾する旨を示す許諾応答信号を送配電事業者サーバ141へ送信する(ステップS340)。
次に、送配電事業者サーバ141は、再エネ事業者サーバ131および電力管理サーバ102からそれぞれ許諾応答信号を受信すると、受信した各許諾応答信号を記録する記録処理を行う(ステップS342)。
なお、上記ステップS302およびS304の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS332およびS334の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS338およびS340の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
図23は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムにおけるPV出力調整実行中およびPV出力調整実行後の各処理のシーケンスの一例を示す図である。
図23を参照して、各需要家装置202が、電力管理サーバ102から受信した依頼情報に従って、PV出力調整を実行中である状況を想定する。
まず、各需要家装置202は、PV出力調整実行中において実績値情報を定期的に電力管理サーバ102へ送信する(ステップS402)。
次に、電力管理サーバ102は、監視処理を行う(ステップS404)。より詳細には、電力管理サーバ102における処理部32は、各需要家装置202から実績値情報を通信部21経由で受信して、実績値情報および調整情報S2に基づいて、現在実行中のPV出力調整の達成度合いを監視する。
次に、処理部32は、達成度合いが目標に未達であると判断すると(ステップS406でYES)、リコメンド処理RP5を行う(ステップS408)。ここでは、PV出力調整を実行中であるので、処理部32は、たとえばオペレータへの問い合わせを行わずにリコメンド処理RP5を行う。
より詳細には、処理部32は、たとえば、複数の候補情報を作成し、指定された基準に従って、作成した複数の候補情報の中から1つの候補情報を選択する。処理部32は、選択した候補情報、および管理情報に基づいて、PV出力調整の内容の変更対象の各需要家向けの依頼情報を作成し、作成した依頼情報を通信部21へ出力する。
次に、通信部21は、処理部32から各依頼情報を受けると、受けた各依頼情報を、各々の依頼情報に含まれる宛先の示す需要家装置202へ送信する(ステップS410)。
次に、PV出力調整の内容の変更対象の各需要家装置202は、電力管理サーバ102から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS412)。
次に、PV出力調整の内容の変更対象の各需要家装置202は、依頼情報に従って、PV出力調整を実行する(ステップS414)。
一方、処理部32は、達成度合いが目標に到達していると判断すると(ステップS406でNO)、リコメンド処理RP5を行わない。
ステップS404〜S414の処理は、PV出力調整が終了するまでたとえば定期的に繰り返される。
次に、各需要家装置202は、PV出力調整実行後において実績値情報を定期的に電力管理サーバ102へ送信する(ステップS416)。
次に、電力管理サーバ102は、集計処理を行う。より詳細には、電力管理サーバ102における処理部32は、各需要家装置202から実績値情報を通信部21経由で受信して、実績値情報および調整情報S2に基づいて、PV出力調整に参加した各需要家のPV調整期間における供給調整電力の実績を集計する(ステップS418)。
次に、電力管理サーバ102は、更新処理を行う。より詳細には、処理部32は、集計結果に基づいて記憶部23における実績集約情報を更新する(ステップS420)。
次に、処理部32は、PV出力調整に参加した各需要家のPV調整期間における供給調整電力の実績の合計値を含む実績値情報を通信部21経由で送配電事業者サーバ141へ送信する(ステップS422)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、PV調整期間における供給調整電力の実績値を含む実績値情報を送配電事業者サーバ141へ送信する(ステップS424)。
次に、送配電事業者サーバ141は、電力管理サーバ102および再エネ事業者サーバ131からそれぞれ実績値情報を受信すると、受信した各実績値情報の内容を登録する実績値登録処理を行う(ステップS426)。
なお、上記ステップS422およびS424の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
[電力管理システム302の変形例]
図24は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例の構成を示す図である。
図24を参照して、電力管理システム302の変形例である電力管理システム303は、図18に示す電力管理システム302と比べて、電力管理サーバ102および送配電事業者サーバ141の代わりに、電力管理サーバ103および送配電事業者サーバ(電力管理装置)142を備える。
図24では、1つの電力管理サーバ103を代表的に示しているが、さらに多数の電力管理サーバ103が設けられてもよい。また、1つの再エネ事業者サーバ131を代表的に示しているが、さらに多数の再エネ事業者サーバ131が設けられてもよい。
図25は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例における送配電事業者サーバの構成を示す図である。
図25を参照して、送配電事業者サーバ142は、通信部(通知部)41と、処理部(作成部)42と、記憶部43とを備える。
送配電事業者サーバ142における通信部41、処理部42および記憶部43の動作は、図19に示す電力管理サーバ102における通信部21、処理部32および記憶部23とそれぞれ同様である。
記憶部43は、管理情報、実績集約情報、条件情報、および前提条件情報などを保持する。
ここで、管理情報は、たとえば、送配電事業者の管理する事業者、具体的には再生エネルギー事業者およびアグリゲータの事業者IDと、事業者IDに対応する、契約内容、スケジュール、電力管理サーバ103または再エネ事業者サーバ131の装置IDとを含む。たとえば、事業者IDは、契約内容に応じたグループに属する。これらの契約には、供給調整電力量に対するインセンティブがそれぞれ定められている。スケジュールは、たとえば事業者がPV出力調整に参加できない期間を示す。
実績集約情報は、たとえば、各事業者のPV出力調整の実績を示す。具体的には、実績集約情報は、事業者IDごとの、送配電事業者サーバ142が作成するPV調整期間および依頼電力R3と、当該期間において供給調整した電力の実績値とを含む。
[動作]
図26は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例におけるPV出力調整実行前の各処理のシーケンスの一例を示す図である。
図26を参照して、まず、小売事業者サーバ151は、たとえば、所定期間ごとの需要計画値を送配電事業者サーバ142へ定期的に通知する(ステップS502)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、たとえば、所定期間ごとの発電量の計画値の予測を送配電事業者サーバ142へ定期的に通知する(ステップS504)。
次に、送配電事業者サーバ142は、判断処理を行う。より詳細には、送配電事業者サーバ142における処理部42は、小売事業者サーバ151および再エネ事業者サーバ131から通信部41経由で通知された各通知内容に基づいて、系統への電力供給の調整が必要か否かを判断する(ステップS506)。ここでは、処理部42は、系統への電力供給の調整が必要であると判断する。
次に、処理部42は、調整情報S2,S3と同様の、PV調整期間の開始タイミングおよびPV調整期間の長さ、ならびに依頼電力R3を含む調整情報S4を作成し、作成した調整情報S4を記憶部43に保存する(ステップS507)。
次に、送配電事業者サーバ142は、リコメンド処理RP4を行う(ステップS508)。すなわち、送配電事業者サーバ142は、図21に示す電力管理サーバ102の動作と同様の動作を行う。
図21を参照して、具体的には、送配電事業者サーバ142における処理部42は、記憶部43における管理情報、実績集約情報、条件情報および前提条件情報、ならびに図26に示すステップS507において作成した調整情報S4に含まれるPV調整期間および依頼電力R3に基づいて、複数の演算方法のうち前提条件が満たされる複数の演算方法を選択する(ステップS901)。
そして、処理部42は、選択した複数の演算方法による全ての候補情報の作成が成功するまで演算処理を繰り返し、複数の候補情報を作成する(ステップS902〜S904)。
再び図26を参照して、次に、処理部42は、リコメンド処理RP4において作成した依頼情報を電力管理サーバ103へ通信部41経由で送信する(ステップS510)。
次に、電力管理サーバ103は、送配電事業者サーバ142から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS512)。
次に、電力管理サーバ103は、依頼情報に基づいて、各需要家の装置IDごとに、対応の宛先、PV調整期間、および対応の供給調整電力を含む供給調整情報を作成し、作成した各供給調整情報を、各々の供給調整情報に含まれる宛先の示す需要家装置202へ送信する(ステップS514)。
次に、各需要家装置202は、電力管理サーバ103から供給調整情報を受信すると、受信した供給調整情報を登録する供給調整情報登録処理を行う(ステップS516)。
次に、電力管理サーバ103は、依頼情報の内容を許諾するか否かを示す応答情報を送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS518)。
次に、電力管理サーバ103は、自己のPV調整依頼の実績を示す実績値情報を定期的に送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS520)。
次に、送配電事業者サーバ142における処理部42は、リコメンド処理RP4において作成した依頼情報を再エネ事業者サーバ131へ通信部41経由で送信する(ステップS522)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、送配電事業者サーバ142から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS524)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、依頼情報の内容を許諾するか否かを示す応答情報を送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS526)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、自己のPV調整依頼の実績を示す実績値情報を定期的に送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS528)。
次に、送配電事業者サーバ142における処理部42は、たとえば、通信部41によって依頼情報が通知された後、系統への電力供給の調整に関する依頼を達成できるか否かを判断する(ステップS530)。
より詳細には、処理部42は、電力管理サーバ103および再エネ事業者サーバ131から応答情報および実績値情報を通信部41経由で受信して、応答情報、実績値情報および調整情報S4に基づいて、調整情報S4の内容を満たすための調整が必要か否かを判断する。
処理部42は、上記調整が必要であると判断すると(ステップS530でYES)、新たな候補情報を作成する(ステップS532)。具体的には、処理部42は、リコメンド処理RP4を行う。
一方、処理部42は、上記調整が不要であると判断すると(ステップS530でNO)、リコメンド処理RP4を行わない。
なお、上記ステップS502およびS504の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS510およびS522の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS518,S520,S526,S528の順番は、上記に限らず、一部または全部の順番を変更してもよい。
図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムの変形例におけるPV出力調整実行中およびPV出力調整実行後の各処理のシーケンスの一例を示す図である。
図27を参照して、電力管理サーバ103および再エネ事業者サーバ131は、送配電事業者サーバ142から受信した依頼情報に従って、PV出力調整を実行中である状況を想定する。
まず、電力管理サーバ103は、PV出力調整実行中において実績値情報を定期的に送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS602)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、PV出力調整実行中において実績値情報を定期的に送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS604)。
次に、送配電事業者サーバ142は、監視処理を行う(ステップS606)。より詳細には、送配電事業者サーバ142における処理部42は、電力管理サーバ103および再エネ事業者サーバ131から実績値情報を通信部21経由で受信して、各実績値情報および調整情報S4に基づいて、現在実行中のPV出力調整の達成度合いを監視する。
次に、処理部42は、達成度合いが目標に未達であると判断すると(ステップS608でYES)、リコメンド処理RP5を行う(ステップS610)。ここでは、PV出力調整を実行中であるので、処理部42は、たとえばオペレータへの問い合わせを行わずにリコメンド処理RP5を行う。
より詳細には、処理部42は、たとえば、複数の候補情報を作成し、指定された基準に従って、作成した複数の候補情報の中から1つの候補情報を選択する。
次に、処理部42は、選択した候補情報、および管理情報に基づいて、PV出力調整の内容の変更対象の各事業者向けの依頼情報を作成し、作成した依頼情報を通信部41経由で電力管理サーバ103へ送信する(ステップS612)。
次に、電力管理サーバ103は、送配電事業者サーバ142から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS616)。
次に、電力管理サーバ103は、依頼情報に従って、PV出力調整を実行する(ステップS618)。
次に、送配電事業者サーバ142における処理部42は、依頼情報を通信部41経由で再エネ事業者サーバ131へ送信する(ステップS614)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、送配電事業者サーバ142から依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を登録する依頼情報登録処理を行う(ステップS620)。
次に、電力管理サーバ103は、依頼情報に従って、PV出力調整を実行する(ステップS622)。
一方、処理部42は、達成度合いが目標に到達していると判断すると(ステップS608でNO)、リコメンド処理RP5を行わない。
ステップS606〜S622の処理は、PV出力調整が終了するまでたとえば定期的に繰り返される。
次に、電力管理サーバ103は、PV出力調整実行後において実績値情報を定期的に送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS624)。
次に、再エネ事業者サーバ131は、PV出力調整実行後において実績値情報を定期的に送配電事業者サーバ142へ送信する(ステップS626)。
次に、送配電事業者サーバ142は、集計処理を行う。より詳細には、送配電事業者サーバ142における処理部42は、電力管理サーバ103および再エネ事業者サーバ131から実績値情報を通信部41経由で受信して、各実績値情報および調整情報S4に基づいて、PV出力調整に参加した各事業者のPV調整期間における供給調整電力の実績を集計する(ステップS628)。
次に、送配電事業者サーバ142は、更新処理を行う。より詳細には、処理部42は、集計結果に基づいて記憶部43における実績集約情報を更新する(ステップS630)。
なお、上記ステップS602およびS604の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS612およびS614の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS624およびS626の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムでは、処理部32,42は、系統への電力供給の調整の依頼先および内容の両方を示す候補情報を複数作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部32,42は、系統への電力供給の調整の依頼先および内容のいずれか一方を示す候補情報を複数作成する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムでは、処理部32,42は、複数の仮候補情報が選択された場合、演算後の仮候補情報を比較し、比較結果に基づいて、いずれか1つの仮候補情報を選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部32,42は、複数の仮候補情報が選択された場合、たとえば、演算方法に対して予め定められた優先度に従い、優先度の高い方の演算方法に対応する仮候補情報を選択する構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理システムでは、処理部32,42は、候補情報および仮候補情報の各々の演算処理の状況を示す演算状況情報を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部32,42は、たとえば、演算状況情報の作成を行わない構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理サーバでは、処理部32,42は、調整情報および前提条件情報に基づいて演算方法の選択を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部32,42は、たとえば、全ての演算方法の演算処理を開始し、情報の不足などにより候補情報の作成を行うことのできない演算方法が存在する場合には、当該演算方法については候補情報の作成が不可である旨を表示装置に表示する構成であってもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理サーバ102または送配電事業者サーバ142では、処理部32,42が、電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する。通信部21,41が、処理部32,42によって作成された複数の候補情報の中から選択された候補情報に基づく内容の依頼情報を依頼先に通知する。また、処理部32,42は、複数の演算方法を用いて複数の候補情報を作成し、演算中または演算待ちの候補情報も仮候補情報として作成可能である。
このような構成により、たとえば、多様な候補情報をオペレータに推奨し、オペレータは、嗜好に合った候補情報、またはある基準により適した候補情報を選択することができる。したがって、電力需給の良好なバランスを実現することが可能である。また、仮候補情報をオペレータに提示することが可能であるため、オペレータは、作成される予定の候補情報の数などを早期に把握することができる。したがって、候補情報に関するより有用な情報の提供を行うことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理サーバ102または送配電事業者サーバ142では、処理部32,42は、作成した複数の仮候補情報が選択された場合、演算後の複数の仮候補情報を比較し、比較結果に基づいて、複数の仮候補情報のうちのいずれか1つを選択する。
このような構成により、系統への電力供給の調整の内容および依頼先の状況により適した依頼情報を作成することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理サーバ102または送配電事業者サーバ142では、処理部32,42は、候補情報および仮候補情報の各々の演算状況を表示する制御を行う。
このような構成により、オペレータは、たとえば、候補情報の作成の可否、候補情報が作成済であるか否か、および作成中である候補情報の作成終了の予定時刻などを把握することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力管理サーバ102では、処理部32は、送配電事業者サーバ141から電力消費の調整に関する依頼を示す調整情報S2を取得し、各演算方法に要求される条件および取得した調整情報S1に基づいて演算方法を選択し、選択した演算方法を用いて候補情報を作成する。また、本発明の第2の実施の形態に係る送配電事業者サーバ142では、処理部42は、電力消費の調整に関する依頼を示す調整情報S4を作成し、各演算方法に要求される条件および作成した調整情報S4に基づいて演算方法を選択し、選択した演算方法を用いて候補情報を作成する。
ここで、演算方法ごとに、候補情報の作成に必要となる情報、および作成に要する時間が異なる。このため、情報が不足しているなどの理由により、作成することのできない候補情報が存在することがある。
これに対して、上記のような構成により、要求される条件を満たしていない演算方法を、演算処理の開始前に演算処理の対象から外すことができるため、不要な演算処理を行うことを避けることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力管理システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
また、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係るサーバの機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係るサーバが、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置であって、
電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、
前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部とを備え、
前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能であり、
前記作成部は、さらに、前記候補情報および前記仮候補情報の各々の演算状況を示す演算状況情報を作成し、前記候補情報、前記仮候補情報および前記演算状況情報の各々の内容を表示する制御を行い、
前記演算状況は、前記演算方法ごとに、演算済、演算中、演算待ち、または演算不可のいずれかの状況であることを示し、さらに、演算中または演算待ちの前記演算方法については演算の終了見込み時刻を示し、
前記複数の演算方法は、前記候補情報の作成に必要となる情報、および前記候補情報の作成に要する時間が互いに異なる、電力管理装置。
21 通信部(通知部)
22 処理部(作成部)
23 記憶部
32 処理部(作成部)
41 通信部(通知部)
42 処理部(作成部)
43 記憶部
61 取得部
62 表示制御部
64 受付部
65 通知部
101,102 電力管理サーバ(電力管理装置)
103 電力管理サーバ
111 卸電力取引所サーバ
121 系統側サーバ
131 再エネ事業者サーバ
132 大規模発電装置
133 蓄電装置
141 送配電事業者サーバ
142 送配電事業者サーバ(電力管理装置)
151 小売事業者サーバ
171 端末装置
202 需要家装置
205 負荷
206 中小規模発電装置
207 蓄電装置
301,302,303 電力管理システム

Claims (6)

  1. 電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置であって、
    電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、
    前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部とを備え、
    前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能である、電力管理装置。
  2. 前記作成部は、作成した複数の前記仮候補情報が選択された場合、演算後の前記複数の仮候補情報を比較し、比較結果に基づいて、前記複数の仮候補情報のうちのいずれか1つを選択する、請求項1に記載の電力管理装置。
  3. 前記作成部は、前記候補情報および前記仮候補情報の各々の演算状況を表示する制御を行う、請求項1または請求項2に記載の電力管理装置。
  4. 前記作成部は、他の装置から前記調整に関する依頼を示す調整情報を取得し、各前記演算方法に要求される条件および取得した前記調整情報に基づいて前記演算方法を選択し、選択した前記演算方法を用いて前記候補情報を作成する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  5. 電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置における電力管理方法であって、
    複数の演算方法を用いて、電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成するステップと、
    作成した複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知するステップとを含み、
    前記候補情報を作成するステップにおいて、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成する、電力管理方法。
  6. 電力消費または系統への電力供給を管理する電力管理装置において用いられる電力管理プログラムであって、
    コンピュータを、
    電力消費または系統への電力供給の調整の依頼先および内容の少なくともいずれか一方を示す候補情報を複数作成する作成部と、
    前記作成部によって作成された複数の前記候補情報の中から選択された前記候補情報に基づく内容の依頼情報を前記依頼先に通知する通知部、
    として機能させるためのプログラムであり、
    前記作成部は、複数の演算方法を用いて複数の前記候補情報を作成し、演算中または演算待ちの前記候補情報も仮候補情報として作成可能である、電力管理プログラム。


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