JP2018207006A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールでの受光面側の表面における反射光に対する防眩機能を保持しつつ干渉縞の発生に起因した外観の見栄えの悪化を抑制可能な太陽電池モジュールを得ること。【解決手段】太陽電池モジュールは、pn接合を有する半導体基板における受光面側の面内において平行に配置された複数の受光面グリッド電極14を備えた太陽電池セルと、太陽電池セルの受光面側に半導体基板と平行に配置され、受光面側の一面の表面に凹凸構造を有する光透過性基板と、を備える。凹凸構造の凸部または凹部が、光透過性基板の面内において多角形の底面を有する多角錐の集合体で構成され、光透過性基板に対する垂直視において、受光面グリッド電極14と多角錐の底面の辺とが非平行な状態である。【選択図】図10

Description

本発明は、太陽電池モジュールの受光面側の表面における反射光に対する防眩機能を備えた太陽電池モジュールに関する。
現在、再生可能エネルギーへの期待が世界的に高まってきており、特に太陽電池はその代表格として注目を浴びている。しかしながら、太陽電池の普及が進んでいく中で、太陽電池モジュールの設置により引き起こされる環境問題も認知されるようになってきた。太陽電池モジュールの設置により引き起こされる代表的な問題としては、太陽電池モジュールからの反射光による周辺への光害がある。
太陽電池モジュールは、受光面側から、光透過性基板、封止材、タブ配線で電気的に接続された複数の太陽電池セル、封止材およびバックシートが重ねられて、これらがラミネートされた構造を有する。太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セルに光が入射することで太陽電池セルにおいて発電が行われる。また、太陽電池モジュールは、建物の屋根といった屋外に設置されるため、積雪および風による圧力が加わる。このため、太陽電池モジュールの表面の保護部材として用いられる光透過性基板には、多くの場合、透過率が高く、且つ高い強度を有するガラス材料が使用される。
ガラス材料においては、平坦なガラス面に対して垂直に光が入射した場合は、光の反射はほとんど発生しない。一方で、平坦なガラス面に対して斜め方向に光が入射した場合は、ガラス面を透過する光とガラス面で反射する光とが発生する。ガラス面で反射する反射光の光量は、ガラス面に入射した入射光の光量から、ガラスを透過する光の光量とガラスで吸収される光の光量を差し引いた量となる。ガラス面での光の反射には、正反射と拡散反射とが存在する。正反射は、入射角と反射角とが等しく、反射光線が平行光線である反射である。一方、拡散反射は、入射光が様々な角度で様々な方向に反射される反射である。
そして、太陽電池モジュールの設置場所または季節によっては、太陽電池モジュールの光透過性基板での反射光、すなわち太陽電池モジュールの受光面側の表面での反射光は、かなりの大きさになり、近隣への光害を発生させる要因となる。特に正反射による反射光は、近隣において非常に眩しい状態となる。
このような太陽電池モジュールの表面からの反射光に対する防眩方法として、特許文献1には、太陽光が入射する板状の表面部材の表裏面のうちの少なくとも表面側に、太陽光の一部を散乱させる光散乱手段を設けることが開示されている。特許文献1において、光散乱手段は、断面波形状のシートを表面部材に貼り付けることで形成されている。また、断面波形状の光散乱手段としては、断面が曲線の波形状で形成されたもの、四角錐状の凸部または凹部が複数配列されて形成されたもの、または、すりガラスで形成されたものを適用でき、このような場合には、太陽光を様々な方向に乱反射させることが可能となり、光散乱手段の光拡散性能が良好となる、とされている。
特開2001−189479号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術によれば、光散乱手段の凸部または凹部の形状と太陽電池セルの受光面グリッド電極との位置関係によっては、光散乱手段と受光面グリッド電極とに起因した干渉縞が発生し、太陽電池モジュールの外観の見栄えが悪化する、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、太陽電池モジュールでの受光面側の表面における反射光に対する防眩機能を保持しつつ干渉縞の発生に起因した外観の見栄えの悪化を抑制可能な太陽電池モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池モジュールは、pn接合を有する半導体基板における受光面側の面内において平行に配置された複数の受光面グリッド電極を備えた太陽電池セルと、太陽電池セルの受光面側に半導体基板と平行に配置され、受光面側の一面の表面に凹凸構造を有する光透過性基板と、を備える。凹凸構造の凸部または凹部が、光透過性基板の面内において多角形の底面を有する多角錐の集合体で構成され、光透過性基板に対する垂直視において、受光面グリッド電極と多角錐の底面の辺とが非平行な状態である。
本発明によれば、太陽電池モジュールでの受光面側の表面における反射光に対する防眩機能を保持しつつ干渉縞の発生に起因した外観の見栄えの悪化を抑制可能である、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールを受光面側から見た平面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールを示す要部断面図であり、図1におけるII−II断面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールにおける太陽電池セルを受光面側から見た平面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールにおける太陽電池セルを裏面側から見た平面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの受光面側保護部材を構成するガラス板の平面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの受光面側保護部材を構成するガラス板の凹凸構造が凸である場合の斜視図 本発明の実施の形態1にかかるガラス板の凹凸構造を拡大して示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかるガラス板の凹凸構造を拡大して示す断面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールにおける、太陽電池セルの受光面グリッド電極と、受光面側保護部材の六角錐との位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールにおける、太陽電池セルの受光面グリッド電極と、受光面側保護部材の六角錐との位置関係を示す平面図であり、図9の要部拡大図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールにおける、太陽電池セルの受光面グリッド電極と、受光面側保護部材の平面部との位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールにおいて干渉縞が発生する状況の一例を示す図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールにおいて干渉縞が発生する状況の他の例を示す図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの受光面側保護部材の凹凸構造を示す上面図 本発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールにおける、太陽電池セルの受光面グリッド電極と、受光面側保護部材の凹凸構造との位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態3にかかるガラス板の凹凸構造を拡大して示す斜視図 本発明の実施の形態3にかかるガラス板の凹凸構造を拡大して示す断面図
以下に、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュールを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を受光面側から見た平面図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1を示す要部断面図であり、図1におけるII−II断面図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1における太陽電池セル11を受光面側から見た平面図である。図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1における太陽電池セル11を裏面側から見た平面図である。
本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1は、光電変換部である複数の結晶系の太陽電池セル11が接続配線21によって電気的に接続された太陽電池ストリング10、透光性を有して太陽電池ストリング10の受光面側を保護する受光面側保護部材31、太陽電池ストリング10の受光面と反対側を向く裏面側を保護する裏面側保護部材32および太陽電池ストリング10を封止する封止材33を備える。太陽電池ストリング10は、太陽電池モジュール1の受光面側に配置された受光面側保護部材31と太陽電池モジュール1の裏面側に配置された裏面側保護部材32との間に挟持された封止材33の中に封止されている。また、太陽電池モジュール1は、図1に示すように外縁部の全周にわたってフレーム41により囲まれている。太陽電池モジュール1では、受光面側保護部材31側から光Lが入射する。
太陽電池ストリング10は、既定の配列方向である第1の方向に配列された複数の太陽電池セル11と、接続配線21とを有する。第1の方向は、図1から図4におけるX方向に対応する。複数の太陽電池セル11は、第1の方向において既定の距離だけ離間して同一平面上に規則的に配列されている。そして、第1の方向において隣接する2つの太陽電池セル11同士は、接続配線21によって電気的に直列に接続されている。図1においては、10個の太陽電池セル11が電気的に直列に接続されて第2の方向に配列された5本の太陽電池ストリング10が、さらに電気的に直列配線接続されて、1つの長い太陽電池ストリングが構成されている。第2の方向は、太陽電池モジュール1の面方向において第1の方向と直交する方向であり、図1におけるY方向に対応する。
太陽電池セル11としては、片面発電型の結晶系太陽電池セルを用いることができる。太陽電池セル11は、光電変換機能を有する太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板12の受光面側に、図示しないシリコン窒化膜よりなる反射防止膜が形成されている。半導体基板12は、p型シリコンからなるp型半導体基板の受光面側に、リン拡散によって図示しないn型不純物拡散層が形成されてpn接合が構成されている。p型シリコンは、単結晶シリコンでもよく、また多結晶シリコンでもよい。また、p型半導体基板の代わりにn型半導体基板を用いた半導体基板を用いてもよい。
また、半導体基板12の受光面には、受光面電極13が設けられている。半導体基板12から光生成キャリアを集電する長尺細長の受光面グリッド電極14と、受光面グリッド電極14と導通して該受光面グリッド電極14から光生成キャリアを集電する受光面バス電極15とが、半導体基板12の面方向において直交した状態で設けられている。受光面グリッド電極14は、線幅50μm程度の線状パターンが1mmから2mm程度の間隔で平行に配列される。受光面バス電極15は、1mmから3mm程度の幅を有するとともに太陽電池セル1枚当たりに2本から4本程度が平行に配列される。
また、半導体基板12の裏面には、裏面電極16が設けられている。裏面電極16としては、半導体基板12から光生成キャリアを集電する長尺細長の裏面グリッド電極17と、裏面グリッド電極17と導通して該裏面グリッド電極17から光生成キャリアを集電する裏面バス電極18とが設けられている。そして、裏面グリッド電極17と裏面バス電極18とは、半導体基板12の面方向において直交した状態で設けられている。
受光面バス電極15と裏面バス電極18とは、半導体基板12の面方向において対応する位置に平行に設けられている。受光面バス電極15と裏面バス電極18とは、接続配線である接続配線21との接合用の接続電極として用いられる。そして、隣接する2つの太陽電池セル11同士は、一方の太陽電池セル11の受光面バス電極15と、他方の太陽電池セル11の裏面バス電極18とが接続配線21によって電気的に直列に接続されている。
接続配線21は、隣接する2つの太陽電池セル11において、一方の太陽電池セル11の受光面上に形成された受光面電極13の受光面バス電極15と、第1の方向において一方の太陽電池セル11に隣接する他方の太陽電池セル11の裏面に形成された裏面電極16の裏面バス電極18とに接合されて、第1の方向において隣接する太陽電池セル11同士を電気的に直列に接続する。接続配線21としては、銅といった良導体が用いられる。
受光面側保護部材31は、透光性を有する材料によって構成された光透過性基板からなる。受光面側保護部材31は、太陽電池ストリング10を覆って太陽電池ストリング10の受光面側に配置されて、太陽電池ストリング10の受光面側を保護する。受光面側保護部材31は、太陽電池ストリング10の太陽電池セル11と平行に、すなわち半導体基板12と平行に配置されている。受光面側保護部材31の材料としては、たとえばガラスまたは透光性プラスチックが用いられる。受光面側保護部材31の詳細については後述する。
裏面側保護部材32は、太陽電池ストリング10の裏面側に配置されて、太陽電池ストリング10の裏側を保護する。裏面側保護部材32としては電気的絶縁材料からなる樹脂バックシートが用いられ、結晶系太陽電池モジュールで一般的に用いられる耐加水分解ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate:PET)樹脂シート、オレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニル(Polyvinyl Fluoride:PVF)樹脂シート、あるいはこれらを貼り合わせた積層樹脂シートを用いることができる。
封止材33は、透明性すなわち光透過性と絶縁性とに優れた樹脂材料または有機材料からなる透明絶縁膜が用いられる。このような材料としては、エチレンビニルアセテート(Ethylene-vinyl Acetate:EVA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーンゴムといった電気的絶縁材料を用いることができる。
フレーム41は、アルミニウムといった金属材料の押出成型によって作製されており、太陽電池モジュール1の外周を保護する。
つぎに、本実施の形態1にかかる受光面側保護部材31の詳細について説明する。図5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1の受光面側保護部材31を構成するガラス板51の平面図である。図6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1の受光面側保護部材31を構成するガラス板51の凹凸構造が凸である場合の斜視図である。図7は、本発明の実施の形態1にかかるガラス板51の凹凸構造を拡大して示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態1にかかるガラス板51の凹凸構造を拡大して示す断面図である。なお、ここでは、受光面側保護部材31をガラス板51によって構成する場合について示すが、ガラス板51と同じ構造を有する透光性プラスチックによって受光面側保護部材31を構成してもよい。
ガラス板51は、光透過性基板であるガラス板51の面内に多角形の底面を有する多角錐の集合体で構成された凹凸構造が、第1面である一面51aの表面に形成されている。一方、ガラス板51の第2面であり一面51aと反対方向を向く他面51bは、平坦面とされている。
ガラス板51の一面51aに形成された凹凸構造は、ガラス板51の一面51aに多角形の底面を有する多角錐である複数の六角錐52と、ガラス板51の一面51aにおいて隣り合う六角錐52の間に設けられて隣接する六角錐52の底面の六角形における各辺に接続された平面部53と、によって構成されている。六角錐52は、受光面側保護部材31を構成するガラス板の凹凸構造が凸である場合の凹凸構造を構成する凸部であり、ガラス板51の一面51aの面内において隙間を空けてハニカム状に配列された状態で形成されている。全ての六角錐52は、同じ大きさおよび形状を有し、同じ方向で配置されている。
一面51aの面内において隣り合う2つの六角錐52においては、隣り合う斜面の底辺が平行とされている。そして、一面51aの面内において隣り合う六角錐52の間の領域、すなわち一面51aの面内において隣り合う一方の六角錐52の斜面の底辺と、他方の六角錐52の斜面の底辺との間の領域が、ライン状の平面部53として構成されている。平面部53は、一面51aと平行な面、すなわちガラス板51の面方向と平行な面である。六角錐52の斜面の底辺は、六角錐52の六角形の底面の一辺である。
すなわち、図7に示すように一面51aの面内において隣り合う第1の六角錐52aと第2の六角錐52bと2つの六角錐52は、第1の六角錐52aの斜面の底辺54aと、第2の六角錐52bの斜面の底辺54bとが平行となる状態で配置されている。そして、対向して配置されている第1の六角錐52aの斜面の底辺54aと第2の六角錐52bの斜面の底辺54bとの間の領域が、ライン状の平面部53とされている。ガラス板51の一面51aに形成された凹凸構造においては、全ての六角錐52において上記の位置関係が成立している。
このような凹凸構造は、ガラス板51の一面51aに対してエンボス加工を施すことによって形成できる。六角錐52においては、六角錐52の斜面と一面51aとは鋭角の傾斜角をなすが、六角錐52の底面の六角形における各辺と一面51aとが交差する交差部を、斜面と同じ傾斜角で形成することが困難である。すなわち、一面51aの面内において隣り合う第1の六角錐52aの斜面の底辺54aと第2の六角錐52bの斜面の底辺54bとを正確に一致させて形成することが困難である。このため、第1の六角錐52aの斜面の底辺54aと、第2の六角錐52bの斜面の底辺54bとの間に、ガラス板51の面方向と平行な平面部53が形成されている。したがって、一面51aの面内における凹凸構造の凹部では、六角錐52の斜面が一面51aと接する角が丸みを有しており、平面部53が形成されている。なお、図5から図7においては、六角錐52の形状を示すため、便宜上、六角錐52の斜面の底辺と平面部53との境界を明示している。
ガラス板51の厚さは、2mmから4mm程度である。一面51aの面内における凹凸の高さ、すなわち平面部53からの六角錐52の高さは、20μmから100μm程度である。一面51aの面内において六角錐52の配置間隔57は、0.5mmから1.5mm程度である。六角錐52の配置間隔57は、図5および図7に示すように、一面51aの面内方向において隣り合う六角錐52の対応する辺同士の間の長さである。六角錐52の底面の大きさは、0.5mmから1.3mm程度である。六角錐52の配置間隔57と平面部53の幅58との比は5:1から20:1程度である。平面部53の幅58は、一面51aの面内において平面部53の伸長方向と直交する方向における平面部53の長さである。六角錐52の配置間隔57と平面部53の幅58との比が10:1である場合、平面部53の幅58は、50μmから150μm程度である。六角錐52の底面における対向する2辺の間隔は、450μmから1350μm程度である。六角錐52の底面の六角形が正六角形である場合、正六角形の対向する2辺の間隔と、正六角形の1辺の長さとの比は、√3:1である。したがって、六角錐52の底面の正六角形の1辺の長さは、260μmから780μm程度である。六角錐52の配置間隔57と平面部53の幅58との比が10:1である場合、六角錐52の底面の正六角形の1辺の長さと、平面部53の幅58との比は、3√3:1である。
そして、六角錐52は、一面51aの面内において千鳥配置で形成されている。一面51aの面内における六角錐52の配置を千鳥配置とすることで、一面51aの面内に六角錐52を高密度で配置することができ、より多くの六角錐52を一面51aに敷き詰めることが可能となる。
このように構成されたガラス板51は、受光面側保護部材31に使用される際には、凹凸構造が形成された一面51a側が太陽電池モジュール1の受光面側として配置される。すなわち、図8に示したガラス板51においては、上側が受光面側保護部材31の受光面側となる。また、受光面側保護部材31の面方向、すなわちガラス板51の面方向と、太陽電池セル11の半導体基板12の面方向とは、平行である。
これにより、太陽電池モジュール1は、受光面側保護部材31の表面における太陽光の反射光、すなわち太陽電池モジュール1の受光面側の表面での反射光の光拡散性能が良好となり、良好な防眩機能が得られる。
上述したように半導体基板12の面内における受光面グリッド電極14の配置間隔は、1mmから2mm程度である。一方、上述したようにガラス板51の一面51aの面内における六角錐52の配置間隔は、0.5mmから1.5mm程度である。受光面グリッド電極14の配置間隔は、太陽電池セル11の発電特性が最適となるように決定される。一方、六角錐52の配置間隔は、製造上の制約によって決定される。すなわち、受光面グリッド電極14の配置間隔と六角錐52の配置間隔とは、各々独立して決められるため、両者の配置間隔は必ずしも一致しない。
図9は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1における、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と、受光面側保護部材31の六角錐52との位置関係を示す平面図である。図10は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1における、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と、受光面側保護部材31の六角錐52との位置関係を示す平面図であり、図9の要部拡大図である。
上述したように六角錐52は、受光面側保護部材31の面内において千鳥配置で配置されている。また、受光面側保護部材31の面内において平面部53を挟んで隣り合う2つの六角錐52においては、対向して隣り合う斜面の底辺同士が平行とされている。そして、全ての六角錐52は、受光面側保護部材31の面内において、同じ大きさおよび形状を有し、同じ方向で配置されている。
また、太陽電池モジュール1では、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、第1の六角錐52aの底面の六角形において平行に設けられた3対の辺のうち第1の一対の辺55aと、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14とが直角とされている。すなわち、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、第1の六角錐52aの第1の一対の辺55aと受光面グリッド電極14との交差角度βは、90°とされている。換言すると、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、第1の一対の辺55aに隣り合うライン状に伸長する平面部53の伸長方向と、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14の伸長方向とが直角とされている。
この場合、第1の六角錐52aに隣り合う第3の六角錐52cにおいては、底面の六角形において平行に設けられた3対の辺のうち、第1の六角錐52aの第1の一対の辺55aと平行ではない2対の辺56b,56cと受光面グリッド電極14とは、30°で交差する。すなわち、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、第3の六角錐52cの2対の辺56b,56cと受光面グリッド電極14との交差角度αは30°とされている。これにより、太陽電池モジュール1では、第3の六角錐52cの底面の2対の辺56b,56cが、受光面側保護部材31の面内方向において太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と10°以上の角度で交差する。
ここで、平面部53は、隣接する第3の六角錐52cの底面の辺と平行であるため、平面部53の伸長方向は、受光面側保護部材31の面内方向において太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と30°で交差し、10°以上の角度で交差する。すなわち、太陽電池モジュール1では、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と、2対の辺56b,56cと隣接する平面部53の伸長方向との交差角度が10°以上とされている。平面部53は、隣接する六角錐52cの底面の辺と平行であるため、平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14との交差角度は、上述した交差角度αと同じとなる。
これにより、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、受光面グリッド電極14と第1の六角錐52aの底面における全ての辺とが非平行な状態となる。そして、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、受光面グリッド電極14と全ての六角錐52底面における全ての辺とが非平行な状態となる。これにより、太陽電池モジュール1では、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、全ての受光面グリッド電極14が、複数の六角錐52の底面の六角形におけるいずれかの辺と交差している。
このような構造により、太陽電池モジュール1では、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、平面部53と太陽電池セル11の受光面グリッド電極14との位置が、平面部53の伸長方向に沿って重なることがない。すなわち、受光面側保護部材31の面内において、平面部53の伸長方向と太陽電池セル11の受光面グリッド電極14とが平行な状態で重なることがない。このため、太陽電池モジュール1では、平面部53の伸長方向と太陽電池セル11の受光面グリッド電極14とが平行な状態で重なる場合に比べて平面部53と受光面グリッド電極14との重なりを短くすることができ、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と平面部53とによる光の増加的干渉による干渉縞の発生を低減することができる。
すなわち、平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14とが平行な状態で重なる場合には、平面部53での反射光と、受光面グリッド電極14での反射光との干渉が大きくなり、光の増加的干渉による干渉縞の発生が顕著となる。
一方、太陽電池モジュール1では、平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14とが平行な状態で重ならないため、平面部53と受光面グリッド電極14との重なり長さを短くすることができ、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と平面部53とによる光の増加的干渉による干渉縞の発生を低減することができる。
これにより、太陽電池モジュール1では、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と受光面側保護部材31の平面部53との重なりによって生じて受光面グリッド電極14と平面部53との重なり部に観測される干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を抑制することが可能である。したがって、太陽電池モジュール1では、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と、凹凸構造を有する受光面側保護部材31とによって生じる干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を抑制することが可能である。
すなわち、太陽電池モジュール1では、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視における六角錐52と受光面グリッド電極14との位置関係を上記の位置関係として六角錐52と受光面グリッド電極14とを配置することで、平面部53と受光面グリッド電極14が重なる箇所では、平面部53の一辺の一部分のみで重なりが発生するので、重なり部に観測される干渉縞を低減することができる。すなわち、六角錐52と受光面グリッド電極14との位置関係を上記の位置関係とすることで、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と受光面側保護部材31の平面部53とによって生じる干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を抑制することが可能である。そして、このような効果が受光面側保護部材31の全面において得られる。
また、受光面グリッド電極14の配置間隔がより短い場合には、第1の六角錐52aにおいても底面における第1の一対の辺55a以外の辺が、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、受光面側保護部材31の面内方向において受光面グリッド電極14と30°で交差し、10°以上の角度で交差することになる。
なお、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14とが交差する角度は必ずしも直角である必要はない。第1の六角錐52aの底面の六角形において平行に設けられた第1の一対の辺55aと受光面グリッド電極14とが交差する角度を70°から110°とすれば、すなわち、第1の一対の辺55aに隣接する平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14とが交差する角度を70°から110°とすれば、第1の六角錐52a以外の六角錐52の底面の辺であって第1の一対の辺55aと平行ではない他の辺と受光面グリッド電極14との交差角度αは10°から50°となり、該他の辺に隣接する平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14との交差角度も10°から50°となる。
図11は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1における、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と、受光面側保護部材31の平面部53との位置関係を示す平面図である。平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14との交差角度θの下限について、図11を用いて説明する。全ての六角錐52は、同じ大きさおよび形状を有し、同じ方向で配置されている。六角錐52の底面の六角形は、正六角形である。また、複数の受光面グリッド電極14の伸長方向は、平行である。
受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、たとえば受光面側保護部材31に存在する複数の平面部53のうちの1つである領域F1と、平面部53の伸長方向において領域F1に隣り合う領域F2に、同じ1本の受光面グリッド電極14が交差すると、干渉縞が見えやすくなる。すなわち、図11に示すように、平面部53の伸長方向において隣り合う平面部53である領域F1と領域F2とに、交差しない角度で、同じ1本の受光面グリッド電極14を傾斜させることが好ましい。
六角錐52の配置間隔をX1とすると、六角錐52の底面の正六角形の一辺の長さY1は、「Y1=X1/√3」で表される。したがって、平面部53の伸長方向において隣り合う平面部53である領域F1と領域F2の間隔、すなわち平面部53の伸長方向において隣り合う平面部53の間隔Y2は、「Y2=Y1×2=X1×2/√3」で表される。六角錐52の配置間隔X1と平面部53の幅X2との比をR:1、とした場合、「tanθ≧X2/Y2」とすれば、平面部53の伸長方向において隣り合う平面部53に、すなわち平面部53の伸長方向において隣り合う領域F1と領域F2とに、同じ1本の受光面グリッド電極14が交差しない。R=10のときは、θ≧5°となる。また、R=5のときは、θ≧10°となる。すなわち、交差角度θを10°以上とすることにより、平面部53の伸長方向において隣り合う平面部53同じ1本の受光面グリッド電極14が交差しないので、干渉縞を抑制することができる。
図10に示すように、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、第1の六角錐52aの底面の正六角形の第1の一対の辺55aに対して、ある受光面グリッド電極14が交差する角度が90°である場合、他の受光面グリッド電極14は、第3の六角錐52cの2対の辺56b,56cと30°の角度で交差する。第1の六角錐52aの底面の正六角形の第1の一対の辺55aに対して、ある受光面グリッド電極14が交差する角度が80°である場合、他の受光面グリッド電極14は、第3の六角錐52cの2対の辺56b,56cと20°または40°の角度で交差する。第1の六角錐52aの底面の正六角形の第1の一対の辺55aに対して、ある受光面グリッド電極14が交差する角度が70°である場合、他の受光面グリッド電極14は、第3の六角錐52cの2対の辺56b,56cと10°または50°の角度で交差する。
すなわち、図10に示すように、第1の六角錐52aの底面の正六角形における第1の一対の辺55aと受光面グリッド電極14とが交差する角度を70°から110°とすれば、受光面グリッド電極14が第3の六角錐52cの二対の辺56b,56cと交差する角度を10°以上とすることができる。
したがって、複数の六角錐52のうちのある1つの六角錐52の底面の正六角形において平行に設けられた一対の辺と受光面グリッド電極14とが交差する角度を70°から110°とすれば、受光面グリッド電極14が他の六角錐52における前記一対の辺と平行ではない2対の辺と交差する角度を10°以上とすることができる。
この場合も、平面部53の伸長方向と受光面グリッド電極14とが交差する角度を10°以上とすることにより、平面部53と受光面グリッド電極14とが重なる箇所で、平面部53の伸長方向と太陽電池セル11の受光面グリッド電極14とが平行な状態で重なる場合に比べて平面部53と受光面グリッド電極14との重なりを短くすることができ、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と平面部53とによる光の増加的干渉による干渉縞の発生を低減することができる。
図12は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1において干渉縞が発生する状況の一例を示す図である。図12では、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視における状態の一例を示しており、便宜上、六角錐52および受光面グリッド電極14のみを示している。図12では、平面部53と受光面グリッド電極14とが重なる位置を太い実線で示している。また、六角錐52の底辺部を細い実線で示している。外観上、平面部53と受光面グリッド電極14とが重なる濃い実線が強調して視認される。したがって、図12に示すように、不規則で部分的な干渉縞が発生し、干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を抑制することが可能である。
図13は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1において干渉縞が発生する状況の他の例を示す図である。図13では、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視における状態を示しており、便宜上、六角錐52および受光面グリッド電極14のみを示している。図13では、平面部53と受光面グリッド電極14とが重なる位置を濃い実線で示している。また、六角錐52の底辺部を細い実線で示している。
図13では、受光面側保護部材31が、太陽電池モジュール1の面方向において太陽電池セル11に対する既定の配置関係に対して、1°回転して配置された場合の干渉縞の見え方を示している。太陽電池セル11と受光面側保護部材31とが、製造上の精度で太陽電池モジュール1の面方向において回転して配置された場合、干渉縞の発生はさらに不規則になる。この場合は、干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を、より抑制することが可能である。
図10に、凹凸構造が凸である場合の凸部が四角錐状の凸部である場合および凹凸構造の凸部が三角錐状の凸部である場合の、凸部と受光面グリッド電極14との位置関係を併せて示す。図10においては、四角錐状の凸部61および三角錐状の凸部62を破線で示している。
凹凸構造の凸部が四角錐状の凸部であり、複数の凸部が同じ大きさおよび形状を有し、同じ方向で配置される場合には、凸部の底面の辺がガラス板51の全面に渡って直線状に繋がって配置されるので、平面部53に対応する隣接する凸部間の平面部もガラス板51の全面に渡って直線状に繋がって配置される。このため、平面部53と受光面グリッド電極14とが重なる箇所では、直線状に繋がった平面部の伸長方向の全長に渡って重なりが発生し、平面部と受光面グリッド電極14との重なり部が干渉縞として明確に観測されることになる。この結果、平面部と受光面グリッド電極14との重なり部に観測される干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化が顕著となる。
凹凸構造の凸部が三角錐状の凸部であり、複数の凸部が同じ大きさおよび形状を有し、同じ方向で配置される場合も、同様に、凸部の底面の辺がガラス板51の全面に渡って直線状に繋がって配置されるので、平面部53に対応する隣接する凸部間の平面部もガラス板51の全面に渡って直線状に繋がって配置される。このため、平面部と受光面グリッド電極14とが重なる箇所では、直線状に繋がった平面部の伸長方向の全長に渡って重なりが発生し、平面部と受光面グリッド電極14との重なり部が干渉縞として明確に観測されることになる。この結果、平面部と受光面グリッド電極14との重なり部に観測される干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化が顕著となる。
つぎに、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1の製造方法について説明する。図14は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1の製造方法の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、p型半導体基板を用いて、公知の技術によって複数の太陽電池セル11が形成される。
つぎに、ステップS20において、一方の太陽電池セル11の受光面電極13と一方の太陽電池セル11の裏面電極16とに接続配線21を接合することによって、複数の太陽電池セル11が接続配線21によって電気的に接続され、太陽電池ストリング10が形成される。
つぎに、ステップS30において、受光面側保護部材31上に、封止材33のシート、太陽電池ストリング10、封止材33のシート、裏面側保護部材32が順次積層され、積層体が形成される。ここで、受光面側保護部材31には、上述したガラス板51が用いられ、凹凸構造の形成された一面51aが外側の面とされる。
つぎに、ステップS40において、積層体をラミネート装置に装着し、140℃以上160℃以下程度の温度で30分前後の熱処理およびラミネート処理を行う。これにより、積層体の各部材が、封止材33を介して一体化され、太陽電池モジュール1が得られる。
その後、太陽電池モジュール1の外縁部が全周にわたってフレーム41によって保持される。
上述したように、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1においては、六角錐52と平面部53とによって構成された凹凸構造を受光面側保護部材31の受光面側の一面31aに有するため、太陽電池モジュール1での受光面側の表面における反射光に対する防眩機能が得られる。
また、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1においては、受光面側保護部材31の一面31aに設けられた凹凸構造は、平面部53と受光面グリッド電極14とが平行な状態で重ならない構成とされるため、平面部53と受光面グリッド電極14との重なり長さを短くすることができ、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と平面部53とによる光の増加的干渉による干渉縞の発生を低減することができる。これにより、太陽電池モジュール1は、受光面グリッド電極14と平面部53との重なり部に観測される。平面部53での反射光と受光面グリッド電極14での反射光との干渉によって生じる干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を抑制することができる。
したがって、太陽電池モジュール1によれば、太陽電池モジュール1での受光面側の表面における反射光に対する防眩機能を保持しつつ、干渉縞の発生に起因した外観の見栄えの悪化を抑制可能な太陽電池モジュールが得られる。
なお、六角錐52の底面の形状は、正六角形に限定されず、内角が120°であって底面の中心に対して点対称の形状であればよい。
また、干渉縞の発生を低減する観点からは、上記の凹凸構造が受光面側保護部材31の面内全面に設けられることが好ましいが、受光面側保護部材31の面内において部分的に上記の凹凸構造がもうけられた場合でも、上述した効果が得られる。
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの受光面側保護部材31の凹凸構造を示す上面図である。図16は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池モジュールにおける、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と、受光面側保護部材31の凹凸構造との位置関係を示す平面図である。なお、図15および図16においては、凹凸構造における凸部である四角錐間に設けられた平面部、および四角錐の斜面については図示を省略している。本実施の形態2にかかる太陽電池モジュールは、受光面側保護部材31の受光面側に設けられた凹凸構造が異なること以外は、上述した実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1と同じ構造を有する。
本実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの受光面側保護部材31の凹凸構造は、図15に示すように、底面がペンローズタイルと同じ菱形形状を有する2種類の四角錐で構成され、ペンローズタイルによって平面上が充填される。2種類の四角錐の間には、実施の形態1の場合と同様に、図示しない平面部が形成されている。ペンローズタイルは、内角が72°と108°とを有する菱形71と、内角が36°と144°を有する菱形72とからなる。
ここで、ペンローズタイルについて説明する。ペンローズタイルとは、イギリスの物理学者ロジャー・ペンローズ(Roger Penrose)が考案した2種類のタイルであり、このペンローズタイルを用いて平面上を充填した場合、周期的なパターンが現れず、平面上を非周期的に充填できることが知られている。
実施の形態2にかかる太陽電池モジュールでは、図16に示すように、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、複数の菱形71のうちのいずれかの菱形71の1辺と、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14とが直交している。すなわち、図16に示すように、受光面側保護部材31側から見た受光面側保護部材31に対する垂直視において、第1の菱形711における第1の辺711aと、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14とが直交している。
これにより、1辺が受光面グリッド電極14と直交している菱形である第1の菱形711における他の辺である第2の辺711b、および第1の菱形711と隣り合う他の菱形71である第2の菱形712における第1の辺712aと、受光面グリッド電極14とを18°の交差角度で交差させることができる。
ここで、隣り合う菱形の底面の辺同士は平行である。すなわち、隣り合う第1の菱形711と第2の菱形712との間の平面部は、第1の菱形711と第2の菱形712の底面の辺と平行であるため、隣り合う第1の菱形711と第2の菱形712との間の平面部と受光面グリッド電極14とを18°の交差角度で交差させることができる。
これにより、第1の菱形711における第2の辺711bと受光面グリッド電極14とを10°以上の角度で交差させることができ、隣り合う第1の菱形711と第2の菱形712との間の平面部と受光面グリッド電極14とを10°以上の角度で交差させることができるので、第1の菱形711における第2の辺711bとの平面部の受光面グリッド電極14との重なりを短くすることができ、第1の菱形711における第2の辺711bとの間の平面部の受光面グリッド電極14との重なり部に観測される光の干渉縞を低減することができる。そして、このような効果が受光面側保護部材31の全面において得られる。
さらに、本実施の形態2にかかる太陽電池モジュールの受光面側保護部材31の凹凸構造では、受光面側保護部材31の平面をペンローズタイルにより充填しているので、周期的なパターンが現れないため、直線状の受光面グリッド線14との重なり部に観測される干渉縞が巨視的な模様として観測され難くすることができる。
実施の形態3.
図17は、本発明の実施の形態3にかかるガラス板151の凹凸構造を拡大して示す斜視図である。図18は、本発明の実施の形態3にかかるガラス板151の凹凸構造を拡大して示す断面図である。本実施の形態3にかかる太陽電池モジュールは、受光面側保護部材31の受光面側に設けられた凹凸構造が異なること以外は、上述した実施の形態1にかかる太陽電池モジュール1と同じ構造を有する。すなわち、本実施の形態3にかかる太陽電池モジュールは、受光面側保護部材31を構成するガラス板として、ガラス板51の代わりにガラス板151が用いられている。
ガラス板151は、光透過性基板であるガラス板151の面内に多角形の底面を有する多角錐状の凹部の集合体で構成された凹凸構造が、第1面である一面151aの表面に形成されている。すなわち、ガラス板151は、凹部が六角錐状である凹凸構造がガラス板151の一面151aの表面に形成されている。一方、ガラス板151の第2面であり一面151aと反対方向を向く他面151bは、平坦面とされている。
ガラス板151の一面151aに形成された凹凸構造は、ガラス板151の一面151aに多角形の底面を有する多角錐である複数の六角錐状凹部152と、ガラス板51の一面51aにおいて隣り合う六角錐状凹部152の間に設けられて隣接する六角錐状凹部152の底面の六角形における各辺に接続された平面部153と、によって構成されている。六角錐状凹部152は、受光面側保護部材31を構成するガラス板の凹凸構造が凹である場合の凹凸構造を構成する凹部であり、ガラス板151の一面151aの面内において隙間を空けてハニカム状に配列された状態で形成されている。全ての六角錐状凹部152は、同じ大きさおよび形状を有し、同じ方向で配置されている。
一面151aの面内において隣り合う2つの六角錐状凹部152においては、隣り合う斜面の底辺が平行とされている。そして、一面151aの面内において隣り合う六角錐状凹部152の間の領域、すなわち一面151aの面内において隣り合う一方の六角錐状凹部152の斜面の底辺と、他方の六角錐状凹部152の斜面の底辺との間の領域が、ライン状の平面部153として構成されている。平面部153は、一面151aと平行な面、すなわちガラス板151の面方向と平行な面である。六角錐状凹部152の斜面の底辺は、六角錐状凹部152の六角形の底面の一辺である。
本実施の形態3にかかる太陽電池モジュールにおいては、受光面側保護部材31の一面31aに設けられた凹凸構造は、実施の形態1の場合と同様に、平面部153と受光面グリッド電極14とが平行な状態で重ならない構成とされる。すなわち、ガラス板151に対する垂直視において、受光面グリッド電極14と多角錐状の凹部の底面の辺とを非平行とされる。このため、本実施の形態3にかかる太陽電池モジュールは、実施の形態1の場合と同様に、平面部153と受光面グリッド電極14との重なり長さを短くすることができ、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と平面部153とによる光の増加的干渉による干渉縞の発生を低減することができる。
すなわち、本実施の形態3にかかる太陽電池モジュールでは、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と受光面側保護部材31の平面部153との重なりによって生じて受光面グリッド電極14と平面部153との重なり部に観測される干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を抑制することが可能である。したがって、太陽電池モジュール1では、実施の形態1の場合と同様に、太陽電池セル11の受光面グリッド電極14と、凹凸構造を有する受光面側保護部材31とによって生じる干渉縞に起因した外観の見栄えの悪化を抑制することが可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 太陽電池モジュール、10 太陽電池ストリング、11 太陽電池セル、12 半導体基板、13 受光面電極、14 受光面グリッド電極、15 受光面バス電極、16 裏面電極、17 裏面グリッド電極、18 裏面バス電極、21 接続配線、31 受光面側保護部材、31a 一面、32 裏面側保護部材、33 封止材、41 フレーム、51,151 ガラス板、51a,151a 一面、51b,151b 他面、52 六角錐、52a 第1の六角錐、52b 第2の六角錐、52c 第3の六角錐、53 平面部、54a 斜面の底辺、54b 斜面の底辺、55a 第1の一対の辺、56b,56c 2対の辺、57 配置間隔、58 幅、61 四角錐状の凸部、62 三角錐状の凸部、71,72 菱形、152 六角錐状凹部、711 第1の菱形、711a 第1の辺、711b 第2の辺、712 第2の菱形、712a 第1の辺。

Claims (6)

  1. pn接合を有する半導体基板における受光面側の面内において平行に配置された複数の受光面グリッド電極を備えた太陽電池セルと、
    前記太陽電池セルの受光面側に前記半導体基板と平行に配置され、前記受光面側の一面の表面に凹凸構造を有する光透過性基板と、
    を備えた太陽電池モジュールであって、
    前記凹凸構造の凸部または凹部が、前記光透過性基板の面内において多角形の底面を有する多角錐の集合体で構成され、
    前記光透過性基板に対する垂直視において、前記受光面グリッド電極と前記多角錐の底面の辺とが非平行な状態であること、
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記光透過性基板に対する垂直視において、前記受光面グリッド電極と前記多角錐の底面の全ての辺とが非平行な状態であること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記光透過性基板の面内において前記多角形の辺と前記受光面グリッド電極とが交差する交差角度が、10°以上であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記多角錐が、前記光透過性基板の前記一面に正六角形の底面を有する正六角錐であり、
    前記凹凸構造は、同じ大きさの前記正六角錐がハニカム状に配列されて構成されていること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記光透過性基板に対する垂直視において、前記正六角錐の底面の一辺が、前記受光面グリッド電極と直交していること、
    を特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記多角錐の底面が、ペンローズタイルで構成されること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
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