従来、LED等の発光素子を複数有する、バックライト装置が不要な自発光型の表示装置が知られている。そのような表示装置の基本構成のブロック回路図を図8に示す。また、図8の構成の表示装置の下面図を図9に示し、図8のA1−A2線における断面図を図10に示す。表示装置は、ガラス基板等から成る基板1と、基板1上の所定の方向(例えば、行方向)に配置された走査信号線2と、走査信号線2と交差させて配置された発光制御信号線3と、走査信号線2と発光制御信号線3によって区分けされた画素部(Pmn)の複数から構成された表示部11と、表示部11を覆う絶縁層上に配置された複数の発光領域(Lmn)と、を有する構成である。走査信号線2および発光制御信号線3は、基板1の側面に配置された側面導体1sを介して基板1の裏面にある裏面配線9に接続される。裏面配線9は、基板1の裏面に設置されたIC,LSI等の駆動素子6に接続される。すなわち、表示装置は基板1の裏面にある駆動素子6によって表示が駆動制御される。駆動素子6は、例えば、基板1の裏面側にCOG(Chip On Glass)方式等の手段によって搭載される。また、基板1の裏面側には、駆動素子6との間で引き出し線を介して駆動信号、制御信号等を入出力するためのFPCが設置される場合がある。また側面導体1sに替えてスルーホール等の貫通導体を用いる場合がある。
それぞれの画素部(Pmn)には、発光領域(Lmn)にある発光素子14(LDmn)の発光、非発光、発光強度等を制御するための発光制御部22が配置されている。この発光制御部22は、発光素子14のそれぞれに発光信号を入力するためのスイッチ素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)12(図12に示す)と、発光制御信号(発光制御信号線3を伝達する信号)のレベル(電圧)に応じた、正電圧(アノード電圧:3〜5V程度)と負電圧(カソード電圧:−3V〜0V程度)の電位差(発光信号)から発光素子14を電流駆動するための駆動素子としてのTFT13(図12に示す)と、を含む。
発光素子14は、表示部11を覆う絶縁層41(図10に示す)を貫通するスルーホール等の貫通導体23a,23bを介して、発光制御部22、正電圧入力線16、負電圧入力線17に電気的に接続されている。すなわち、発光素子14の正電極は、貫通導体23aおよび発光制御部22を介して正電圧入力線16に接続されており、発光素子14の負電極は、貫通導体23bを介して負電圧入力線17に接続されている。
また図11のブロック回路図に示すように、場合によっては、基板1上の発光制御信号線3の入力端部には発光制御信号線駆動回路5が配置され、基板1上の走査信号線2の入力端部には走査信号線駆動回路7が配置される。そして表示装置は、平面視において、表示部11と基板1の端1tとの間に額縁部1gがあり、この額縁部1gに発光制御信号線駆動回路5、走査信号線駆動回路7が配置される。
図12の詳細なブロック回路図に示すように、表示装置は、基板1上に、第1の方向(例えば、行方向)に形成された複数本の走査信号線2(GL1,GL2,GL3)と、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、列方向)に走査信号線2と交差させて形成された複数本の発光制御信号線3(SL1,SL2,SL3)と、走査信号線2と発光制御信号線3の各交差部に対応して形成された画素部15と、を有している。なお、基板1上の第1の方向(行方向)に3個、第2の方向(列方向)に3個の計9個の画素部15(P11,P12,P13〜P33)および発光素子14が配置されているが、これらの画素部15は全体の一部であり、他の画素部15は省略している。それぞれの画素部15には発光制御部22が配置されており、発光制御部22を構成するTFT12,13はpチャネル型TFTであり、それらのゲート電極にロー信号(L信号)が入力されることによって、ソース−ドレイン間が導通しオン状態となり電流が流れる。そして、TFT13は、そのゲート電極に発光制御信号が入力されており、その発光制御信号のレベルに応じた電位差(発光信号)が発光素子14の正電極と負電極に印加される。発光素子14の正電極には正電圧入力線16を介して正電圧が入力され、発光素子14の負電極には負電圧入力線17を介して負電圧が入力される。正電圧入力線16の入力端部および負電圧入力線17の入力端部は、それぞれ側面導体1sおよび裏面配線9を介して駆動素子6に接続される。
またTFT13は、ゲート電極にロー信号が入力されている間オン状態となり、発光素子14に電流を流す。TFT13のゲート電極とソース電極とを接続する接続線上には容量素子が配置されており、容量素子はTFT13のゲート電極に入力された発光制御信号の電圧を次の書き換えまでの期間(1フレームの期間)保持する保持容量として機能する。TFT12,13は、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)、低温多結晶シリコン(Low-Temperature Poly Silicon:LTPS)等から成る半導体膜を有し、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3端子を有する構成である。そして、ゲート電極に所定電位の電圧を印加することにより、ソース電極とドレイン電極の間の半導体膜(チャネル)に電流を流す、スイッチング素子(ゲートトランスファ素子)として機能する。基板1がガラス基板から成り、駆動素子6、発光制御信号線駆動回路5、走査信号線駆動回路7は、LTPSから成る半導体膜を有するTFTを用いて構成されている場合、基板1上にTFTをCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成法によって直接的に形成することができる。
そして、発光制御信号(Sig1,Sig2,Sig3)は、発光制御信号線駆動回路5から発光制御信号線3(SL1,SL2,SL3)を介して画素部15に入力される。発光制御信号線3のそれぞれの入力端部には、CMOSトランスファゲート素子TG1,TG2,TG3がそれぞれ接続されており、CMOSトランスファゲート素子TG1,TG2,TG3の各ソース電極は、駆動素子6の信号入力端子に共通接続されている。また、CMOSトランスファゲート素子TG1,TG2,TG3の各ドレイン電極は、それぞれ発光制御信号線SL1,SL2,SL3に接続されている。CMOSトランスファゲート素子TG1,TG2,TG3はそれぞれ、pチャネル型TFTとnチャネル型TFTが、それらのソース電極とドレイン電極が共通接続されて成り、pチャネル型TFTのゲート電極とnチャネル型TFTのゲート電極が制御入力電極とされている。即ち、pチャネル型TFTのゲート電極にロー(L)の信号が入力されるとともにnチャネル型TFTのゲート電極にハイ(H)の信号が入力されたときに、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れて発光制御信号が入力される。
また、MUX1,XMUX1,MUX2,XMUX2,MUX3,XMUX3は、発光制御信号線SL1,SL2,SL3を時分割駆動するための時分割信号入力線である。時分割信号入力線MUX1は、CMOSトランスファゲート素子TG1のnチャネルTFTのゲート電極に接続され、時分割信号入力線XMUX1(MUX1の反転信号線)はCMOSトランスファゲート素子TG1のpチャネルTFTのゲート電極に接続されており、時分割信号入力線MUX1にHの信号が入力されるとともに時分割信号入力線XMUX1にLの信号が入力されたときに、駆動素子6から入力された発光制御信号Sig1が、発光制御信号線SL1を伝送される。このとき、ゲート信号線GL1が選択されていれば、発光素子14(LD11)に発光制御信号Sig1が入力される。同様に、走査信号線GL2が選択されていれば、発光素子14(LD21)に発光制御信号Sig1が入力され、走査信号線GL3が選択されていれば、発光素子14(LD31)に発光制御信号Sig1が入力される。
上記と同様の動作が、時分割信号入力線MUX2,XMUX2とCMOSトランスファゲート素子TG2と発光制御信号線SL2とから成る組について、発光制御信号Sig2を用いて行われる。そして、走査信号線GL1の選択時に発光素子14(LD12)に発光制御信号Sig2が入力され、走査信号線GL2の選択時に発光素子14(LD22)に発光制御信号Sig2が入力され、走査信号線GL3の選択時に発光素子14(LD32)に発光制御信号Sig2が入力される。また、上記と同様の動作が、時分割信号入力線MUX3,XMUX3とCMOSトランスファゲート素子TG3と発光制御信号線SL3とから成る組について、発光制御信号Sig3を用いて行われる。そして、走査信号線GL1の選択時に発光素子14(LD13)に発光制御信号Sig3が入力され、走査信号線GL2の選択時に発光素子14(LD23)に発光制御信号Sig3が入力され、走査信号線GL3の選択時に発光素子14(LD33)に発光制御信号Sig3が入力される。なお、時分割信号入力線MUX1,XMUX1,MUX2,XMUX2,MUX3,XMUX3は、例えば側面導体あるいは貫通導体を介して駆動素子6に電気的に接続される。
なお、画素部15は、それぞれが赤色発光用の副画素部、緑色発光用の副画素部、青色発光用の副画素部から成る場合がある。赤色発光用の副画素部は赤色LED等から成る赤色発光素子を有し、緑色発光用の副画素部は緑色LED等から成る緑色発光素子を有し、青色発光用の副画素部は青色LED等から成る青色発光素子を有している。例えば、これらの副画素部は、行方向あるいは列方向に並んでいる。
しかしながら、図8〜図12に示す上記従来の表示装置においては、以下の問題点があった。基板1を平面視したときに、表示部11の周囲に表示に寄与しない額縁部1gがあるために、従来額縁部1gをブラックマトリクス等の遮光部材によって目立たなくしたり、額縁部1gを覆う枠体(ベゼル)等を設ける必要があった。また、複数の発光素子14を搭載した基板1の複数を、同じ面上において縦横に配置するとともにそれらの側面同士を接着材等によって結合(タイリング)させることによって、複合型かつ大型の表示装置、所謂マルチディスプレイを作製する場合、額縁部1gがあると、タイリングの継ぎ目が目立ちやすくなるという問題点があった。この額縁部1gをできるだけ小さくするために、発光制御信号線駆動回路5および走査信号線駆動回路7を、LTPSから成る半導体膜を有するTFTを用いて小面積なものとして構成する手段、表示部11に走査信号線駆動回路7を構成するシフトレジスタ等を配置する手段等があるが、これらの手段を採用しても額縁部1gを完全になくすことはきわめて困難であった。
また、基板1の表面側(発光素子搭載面側)において、側面導体1sが配置されている側面に接する辺部は、側面導体1s、貫通導体等を配置するために、場合によっては発光制御信号線駆動回路5、走査信号線駆動回路7を配置するために、ある程度の幅のスペースが必要になる。さらに、一般に、一枚の母基板を切断して複数枚の基板1を切り出すことが行われているが、切断線の位置が例えば50μm程度以下の範囲内でずれるために、50μmを超える幅のスペースが、基板1の辺部に必要となる。
このように、基板1の額縁部1gの幅をできるだけ小さくするとともに切断線の影響がない大きさの幅とし、さらに基板1の辺部によっては側面導体、貫通導体、周辺回路を配置できるスペースを確保できる幅とすることは、きわめて困難であるという問題点があった。
また、特許文献1には、信号配線と走査配線とが直交配列され、信号配線と走査配線との各交差点近傍にアクティブ素子及び画素電極が形成されてなるアクティブマトリクス基板を複数枚配置し、アクティブマトリクス基板の側面同士をそれぞれ接続して構成される基板において、アクティブマトリクス基板上の接続辺に沿って形成される信号配線あるいは走査配線と画素電極のうち、画素電極の方がアクティブマトリクス基板上の接続領域側に形成されている基板が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された構成は、基板の接続領域側の辺を切断すること、画素電極とアクティブ素子の配置関係が全体として一様であることを前提としているために、基板の非接続領域側では画素電極よりも信号配線、走査配線が基板の辺に近くなる。そのため、基板の非接続領域側の辺を切断する場合の問題点および解決手段については何等記載されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、基板の額縁部の幅をできるだけ小さくするとともに切断線の影響がない大きさの幅とし、さらに基板の辺部によっては側面導体、貫通導体、周辺回路等を配置するためのスペースを確保できる幅とすることである。
本発明の表示装置は、第1の基準辺を有する矩形状の基板と、前記基板上に前記第1の基準辺に沿った所定の方向に配置された複数の発光制御信号線と、前記複数の発光制御信号線と交差させて配置された走査信号線と、前記発光制御信号線と前記走査信号線によって区分けされ、前記走査信号線に沿って配列された複数の画素部と、前記画素部に含まれる、発光制御部およびそれに接続される発光部と、を有する表示装置であって、前記第1の基準辺とそれに最も近い第1の画素部との離隔幅L1が、前記第1の基準辺と対向する前記基板の第1の対向辺とそれに最も近い第2の画素部との離隔幅L2よりも大きく、前記第1の画素部および前記第2の画素部は、前記発光制御部が平面視で前記発光部よりも前記基板の内側の部位に配置されることによって、前記基板の外側の部位にスペースを有しており、前記第1の画素部と前記第2の画素部の間にある画素部は、前記発光制御部と前記発光部の配置構成が、前記第1の画素部および前記第2の画素部のいずれか一方の前記配置構成と異なっている構成である。
本発明の表示装置は、好ましくは、前記第1の画素部および前記第2の画素部は、前記発光部と前記発光制御部が平面視で重なっていない。
また本発明の表示装置は、好ましくは、前記第1の画素部と前記第2の画素部の間にある画素部は、その中心部に前記発光制御部が配置されており、前記発光部が絶縁層を介して前記発光制御部の上に平面視で重ねて配置されている。
また本発明の表示装置は、好ましくは、前記基板は、前記第1の基準辺に隣接する第2の基準辺を有しており、前記走査信号線は、複数配置されており、前記第2の基準辺とそれに最も近い第3の画素部との離隔幅L3が、前記第2の基準辺と対向する前記基板の第2の対向辺とそれに最も近い第4の画素部との離隔幅L4よりも大きく、前記第3の画素部および前記第4の画素部は、前記発光制御部が平面視で前記発光部よりも前記基板の内側の部位に配置されることによって、前記基板の外側の部位にスペースを有しており、前記第3の画素部と前記第4の画素部の間の画素部は、前記発光制御部と前記発光部の配置構成が、前記第3の画素部および前記第4の画素部のいずれか一方の前記配置構成と異なっている。
また本発明の表示装置は、好ましくは、前記第1の基準辺に接している前記基板の側面に、前記走査信号線に接続される第1の側面導体が配置されており、前記第2の基準辺に接している前記基板の側面に、前記発光制御信号線に接続される第2の側面導体が配置されている。
本発明の発光装置は、第1の基準辺を有する矩形状の基板と、前記基板上に前記第1の基準辺に沿った所定の方向に配置された複数の発光制御信号線と、前記複数の発光制御信号線と交差させて配置された走査信号線と、前記発光制御信号線と前記走査信号線によって区分けされ、前記走査信号線に沿って配列された複数の画素部と、前記画素部に含まれる、発光制御部およびそれに接続される発光部と、を有する表示装置であって、前記第1の基準辺とそれに最も近い第1の画素部との離隔幅L1が、前記第1の基準辺と対向する前記基板の第1の対向辺とそれに最も近い第2の画素部との離隔幅L2よりも大きく、前記第1の画素部および前記第2の画素部は、前記発光制御部が平面視で前記発光部よりも前記基板の内側の部位に配置されることによって、前記基板の外側の部位にスペースを有しており、前記第1の画素部と前記第2の画素部の間にある画素部は、前記発光制御部と前記発光部の配置構成が、前記第1の画素部および前記第2の画素部のいずれか一方の前記配置構成と異なっている構成であることから、以下の効果を奏する。
第1の基準辺とそれに最も近い第1の画素部との離隔幅L1が、第1の基準辺と対向する基板の第1の対向辺とそれに最も近い第2の画素部との離隔幅L2よりも大きいために、第1の基準辺の額縁部の幅を側面導体、貫通導体、周辺回路等を配置するためのスペースを確保できる幅とすることができる。また、第1の画素部および第2の画素部は、発光制御部が平面視で発光部よりも基板の内側の部位に配置されることによって、基板の外側の部位にスペースを有していることから、第1の基準辺の額縁部の幅および第1の対向辺の額縁部の幅をできるだけ小さくするとともに切断線の影響がない大きさの幅とすることができる。もし切断線が第1の画素部および第2の画素部に入り込んだとしても、スペースがあるために切断線の影響がないものとすることができる。さらに、第1の画素部と第2の画素部の間にある中間の画素部は、発光制御部と発光部の配置構成が、第1の画素部および第2の画素部のいずれか一方の配置構成と異なっていることから、中間の画素部における発光制御部、配線等の配置の自由度が向上する。すなわち、中間の画素部にシフトレジスタ、時分割回路(マルチプレクサ)等の周辺回路を配置することが容易となり、周辺回路と発光制御部とを接続する配線を配置することも容易となる。
本発明の表示装置は、前記第1の画素部および前記第2の画素部は、前記発光部と前記発光制御部が平面視で重なっていない場合、発光制御部が平面視で発光部よりも基板のより内側の部位に配置されるので、発光制御部に対する切断線の影響をより確実に防ぐことができる。
本発明の表示装置は、前記第1の画素部と前記第2の画素部の間にある中間の画素部は、その中心部に前記発光制御部が配置されており、前記発光部が絶縁層を介して前記発光制御部の上に平面視で重ねて配置されている場合、中間の画素部において発光制御部の周囲にスペースができることから、そのスペースに周辺回路を配置したり周辺回路と発光制御部とを接続する配線を配置することができる。
また本発明の表示装置は、前記基板は、前記第1の基準辺に隣接する第2の基準辺を有しており、前記走査信号線は、複数配置されており、前記第2の基準辺とそれに最も近い第3の画素部との離隔幅L3が、前記第2の基準辺と対向する前記基板の第2の対向辺とそれに最も近い第4の画素部との離隔幅L4よりも大きく、前記第3の画素部および前記第4の画素部は、前記発光制御部が平面視で前記発光部よりも前記基板の内側の部位に配置されることによって、前記基板の外側の部位にスペースを有しており、前記第3の画素部と前記第4の画素部の間の画素部は、前記発光制御部と前記発光部の配置構成が、前記第3の画素部および前記第4の画素部のいずれか一方の前記配置構成と異なっている場合、第2の基準辺とそれに最も近い第3の画素部との離隔幅L3が、第2の基準辺と対向する基板の第2の対向辺とそれに最も近い第4の画素部との離隔幅L4よりも大きいために、第2の基準辺の額縁部の幅を側面導体、貫通導体、周辺回路等を配置するためのスペースを確保できる幅とすることができる。また、第3の画素部および第4の画素部は、発光制御部が平面視で発光部よりも基板の内側の部位に配置されることによって、基板の外側の部位にスペースを有していることから、第2の基準辺の額縁部の幅および第2の対向辺の額縁部の幅をできるだけ小さくするとともに切断線の影響がない大きさの幅とすることができる。もし切断線が第3の画素部および第4の画素部に入り込んだとしても、スペースがあるために切断線の影響がないものとすることができる。さらに、第3の画素部と第4の画素部の間にある中間の画素部は、発光制御部と発光部の配置構成が、第3の画素部および第4の画素部のいずれか一方の配置構成と異なっていることから、中間の画素部における発光制御部、配線等の配置の自由度が向上する。すなわち、中間の画素部にシフトレジスタ、時分割回路(マルチプレクサ)等の周辺回路を配置することが容易となり、周辺回路と発光制御部とを接続する配線を配置することも容易となる。
また本発明の表示装置は、前記第1の基準辺に接している前記基板の側面に、前記走査信号線に接続される第1の側面導体が配置されており、前記第2の基準辺に接している前記基板の側面に、前記発光制御信号線に接続される第2の側面導体が配置されている場合、貫通導体と比較して第1の基準辺の額縁部の幅および第2の基準辺の額縁部の幅を小さくすることができる。
以下、本発明の表示装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明の表示装置の実施の形態における構成部材のうち、本発明の表示装置を説明するための主要部を示している。従って、本発明に係る表示装置は、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。なお、本発明の表示装置の実施の形態を示す図1〜図7において、図8〜図12と同じ部位には同じ符号を付しており、それらの詳細な説明は省く。
図1〜図7は、本発明の表示装置について実施の形態の各種例を示す図である。これらの図に示すように、本発明の表示装置は、ガラス基板等から成る第1の基準辺Haを有する基板1と、基板1上に第1の基準辺Haに沿った所定の方向に配置された複数の発光制御信号線3と、複数の発光制御信号線3と交差させて配置された走査信号線2と、発光制御信号線3と走査信号線2によって区分けされ、走査信号線2に沿って配列された複数の画素部15と、画素部15に含まれる、発光制御部22およびそれに接続される発光部としての発光素子14と、を有する表示装置であって、第1の基準辺Haとそれに最も近い第1の画素部151(例えば、P51)との離隔幅L1が、第1の基準辺Haと対向する基板1の第1の対向辺Hcとそれに最も近い第2の画素部152(例えば、P5n)との離隔幅L2よりも大きく、第1の画素部151および第2の画素部152は、発光制御部22が平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されることによって、基板1の外側の部位にスペースを有しており、第1の画素部151と第2の画素部152の間にある中間の画素部15(例えば、P52,P53〜)は、発光制御部22と発光素子14の配置構成が、第1の画素部151および第2の画素部152のいずれか一方の配置構成と異なっている構成である。この構成により以下の効果を奏する。なお、スペースとは、配線、TFT等の構成部材が配置されていない構成部材の非配置部である。
第1の基準辺Haとそれに最も近い第1の画素部151との離隔幅L1が、第1の基準辺Haと対向する基板1の第1の対向辺Hcとそれに最も近い第2の画素部152との離隔幅L2よりも大きいために、第1の基準辺Haの額縁部1gaの幅を側面導体1s、貫通導体、周辺回路等を配置するためのスペースを確保できる幅とすることができる。また、第1の画素部151および第2の画素部152は、発光制御部22が平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されることによって、基板1の外側の部位にスペースsa,scを有していることから、第1の基準辺Haの額縁部1gaの幅および第1の対向辺Hcの額縁部1gcの幅をできるだけ小さくするとともに切断線の影響がない大きさの幅とすることができる。もし切断線が第1の画素部151および第2の画素部152に入り込んだとしても、スペースsa,scがあるために切断線の影響がないものとすることができる。さらに、第1の画素部151と第2の画素部152の間にある中間の画素部15は、発光制御部22と発光素子14の配置構成が、第1の画素部152および第2の画素部152のいずれか一方の配置構成と異なっていることから、中間の画素部15における発光制御部22、配線等の配置の自由度が向上する。すなわち、中間の画素部15にシフトレジスタ、時分割回路(マルチプレクサ)等の周辺回路を配置することが容易となり、周辺回路と発光制御部22とを接続する配線を配置することも容易となる。
本発明の表示装置において、発光部としては、マイクロチップ型の発光ダイオード(LED)、モノリシック型の発光ダイオード、有機EL、無機EL、半導体レーザ素子等の自発光型のものであれば採用し得る。
発光制御部22は、発光素子14のそれぞれに発光信号を入力するためのTFT等から成るスイッチ素子を少なくとも1つ有する。発光制御部22は、例えば図2に示すように、発光素子14のそれぞれに発光信号を入力するためのスイッチ素子としてのTFT12と、発光制御信号(発光制御信号線3を伝達する信号)のレベル(電圧)に応じた、正電圧(アノード電圧:3〜5V程度)と負電圧(カソード電圧:−3V〜0V程度)の電位差(発光信号)から発光素子14を電流駆動するための駆動素子としてのTFT13と、を含む。TFT13のゲート電極とソース電極とを接続する接続線上には容量素子が配置されており、容量素子はTFT13のゲート電極に入力された発光制御信号の電圧を次の書き換えまでの期間(1フレームの期間)保持する保持容量として機能する。
本発明の表示装置において、第1の基準辺Haと第1の画素部151との離隔幅L1が、第1の対向辺Hcと第2の画素部152との離隔幅L2よりも大きい。一例として、額縁部1gaの幅は、切断線の最大ずれ量である50μmに、側面導体1s、貫通導体、周辺回路を配置するのに適した60μm〜200μm程度の幅を加えた長さ110μm〜250μm程度である。ただし、複数の表示装置をタイリングした場合に、継ぎ目を見えにくくするためには、額縁部1gaの幅は70μm程度以下であることが良い。
また、スペースsaの幅、スペースscの幅は同程度であり、100μm〜300μm程度である。額縁部1gcの幅は、切断線のずれ量を考慮して20μm〜50μm程度である。
離隔幅L1は額縁部1gaの幅にほぼ等しく、離隔幅L2は額縁部1gcの幅にほぼ等しい。額縁部1gaの幅にスペースsaの幅を加えた幅は120μm〜350μm程度であり、額縁部1gcの幅にスペースscの幅を加えた幅は100μm〜200μm程度である。
図2(a)は、表示部11の最外郭に配置された第1の画素部151(P11,P21)の拡大平面図であり、(b)は第1の画素部151(P11)の発光制御部22の詳細な構成を示す拡大平面図である。発光制御部22の周囲には、走査信号線2と接続するための配線24a、発光制御信号線3と接続するための配線24b、正電圧入力線16と接続するための配線24c、発光素子14と接続するための配線24d、負電圧入力線17と発光素子14を接続するための配線24eが配置されており、これらを含む発光制御回路30が平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されることが好ましい。この場合、配線24a〜24eが切断線にかかることを確実に防ぐことができる。
また図1、図2に示すように、第1の画素部151および第2の画素部152は、発光素子14と発光制御部22が平面視で重なっていないことが好ましい。この場合、発光制御部22が平面視で発光素子14よりも基板1のより内側の部位に配置されるので、発光制御部22に対する切断線の影響をより確実に防ぐことができる。
また、走査信号線2が複数ある場合、それらのうち両端にある走査信号線2は、それぞれ平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されていることが好ましい。この場合、両端にある走査信号線2が切断線にかかることを確実に防ぐことができる。また、複数の発光制御信号線3のうち両端にある発光制御信号線3は、それぞれ平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されていることが好ましい。この場合、両端にある発光制御信号線3が切断線にかかることを確実に防ぐことができる。
また中間の画素部15は、発光制御部22と発光素子14の配置構成が、第1の画素部151および第2の画素部152のいずれか一方の配置構成と異なっている。例えば図1、図3に示すように、中間の画素部15は、一様に、平面視で発光素子14の右上方に発光制御部22が配置された構成である。このように、基板1の中央部にある中間の画素部15は、第1の画素部151および第2の画素部152のように発光制御部22と発光素子14の相対的な配置関係を、発光制御部22が平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されるように調整し設定する必要がない。すなわち、発光装置の設計、製造のし易さに資する構成となっている。また、中間の画素部15における発光制御部22、配線等の配置の自由度が向上する。すなわち、中間の画素部15において、表示部11にシフトレジスタ、時分割回路(マルチプレクサ)等の周辺回路およびその配線を配置するために、レイアウトを自在に変更し得る。
また本発明の表示装置は、図4に示すように、中間の画素部15は、その中心部に発光制御部22が配置されており、発光素子14が絶縁層を介して発光制御部22の上に平面視で重なって配置されていることが好ましい。この場合、中間の画素部15において発光制御部22の周囲にスペースができることから、そのスペースに周辺回路を配置したり周辺回路と発光制御部22とを接続する配線を配置することができる。絶縁層は、無機材料又は有機材料から構成される。無機材料としては、酸化珪素(SiO2),窒化珪素(SiNx)等を用いることができる。有機材料としては、アクリル樹脂,ポリイミド,ポリアミド,ポリイミドアミド,ベンゾシクロブテン,ポリシロキサン,ポリシラザン等を用いることができる。絶縁層は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって形成され得る。
また本発明の表示装置は、基板1は、第1の基準辺Haに隣接する第2の基準辺Hbを有しており、走査信号線2は、複数配置されており、第2の基準辺Hbとそれに最も近い第3の画素部153(例えば、Pm3)との離隔幅L3が、第2の基準辺Hbと対向する基板1の第2の対向辺Hdとそれに最も近い第4の画素部154(例えば、P13)との離隔幅L4よりも大きく、第3の画素部153および第4の画素部154は、発光制御部22が平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されることによって、基板1の外側の部位にスペースを有しており、第3の画素部153と第4の画素部154の間の中間の画素部15は、発光制御部22と発光素子14の配置構成が、第3の画素部153および第4の画素部154のいずれか一方の配置構成と異なっていることが好ましい。この場合、以下の効果を奏する。
第2の基準辺Hbとそれに最も近い第3の画素部153との離隔幅L3が、第2の基準辺Hbと対向する基板1の第2の対向辺Hdとそれに最も近い第4の画素部154との離隔幅L4よりも大きいために、第2の基準辺Hbの額縁部1gbの幅を側面導体1s、貫通導体、周辺回路等を配置するためのスペースを確保できる幅とすることができる。また、第3の画素部153および第4の画素部154は、発光制御部22が平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置されることによって、基板1の外側の部位にスペースsb,sdを有していることから、第2の基準辺Hbの額縁部1gbの幅および第2の対向辺Hdの額縁部1gdの幅をできるだけ小さくするとともに切断線の影響がない大きさの幅とすることができる。もし切断線が第3の画素部153および第4の画素部154に入り込んだとしても、スペースsb,sdがあるために切断線の影響がないものとすることができる。さらに、第3の画素部153と第4の画素部154の間にある中間の画素部15は、発光制御部22と発光素子14の配置構成が、第3の画素部153および第4の画素部154のいずれか一方の配置構成と異なっていることから、中間の画素部15における発光制御部22、配線等の配置の自由度が向上する。すなわち、中間の画素部15にシフトレジスタ、時分割回路(マルチプレクサ)等の周辺回路を配置することが容易となり、周辺回路と発光制御部22とを接続する配線を配置することも容易となる。
一例として、額縁部1gbの幅は、切断線の最大ずれ量である50μmに、側面導体1s、貫通導体、周辺回路を配置するのに適した60μm〜200μm程度の幅を加えた長さ110μm〜250μm程度である。ただし、複数の表示装置をタイリングした場合に、継ぎ目を見えにくくするためには、額縁部1gbの幅は70μm程度以下であることが良い。
また、スペースsbの幅、スペースsdの幅は同程度であり、100μm〜300μm程度である。額縁部1gdの幅は、切断線のずれ量を考慮して20μm〜50μm程度である。
離隔幅L3は額縁部1gbの幅にほぼ等しく、離隔幅L4は額縁部1gdの幅にほぼ等しい。額縁部1gbの幅にスペースsbの幅を加えた幅は120μm〜350μm程度であり、額縁部1gdの幅にスペースsdの幅を加えた幅は100μm〜200μm程度である。
また本発明の表示装置は、走査信号線2が複数ある場合、奇数番目の走査信号線2とその次段の偶数番目の走査信号線2が近接して配置されており、奇数番目の走査信号線2に接続される発光制御部22および発光素子14は、平面視で奇数番目の走査信号線2の上側に配置され、偶数番目の走査信号線2に接続される発光制御部22および発光素子14は、平面視で偶数番目の走査信号線2の下側に配置されていることが好ましい。この場合、奇数番目の走査信号線2とその次段の偶数番目の走査信号線2を1組とした場合、組と組との間にスペースを設けることが容易になる。そして、そのスペースに周辺回路とその配線を配置することができる。
また本発明の表示装置は、第1の基準辺Haに接している基板1の側面に、走査信号線2に接続される第1の側面導体1s1が配置されており、第2の基準辺Hbに接している基板1の側面に、発光制御信号線3に接続される第2の側面導体1s2が配置されていることが好ましい。場合、貫通導体と比較して第1の基準辺Haの額縁部1gaの幅および第2の基準辺Hbの額縁部1gbの幅を小さくすることができる。
図5は、本発明の表示装置について実施の形態の他例を示す図であり、表示装置の構成を概念的に示すブロック回路図である。図5の表示装置は、中間の画素部15は、その中心部に発光制御部22が配置されており、発光素子14が絶縁層を介して発光制御部22の上に平面視で重なって配置されている。また、複数の走査信号線2は、上端にある1番目の走査信号線2と2番目の走査信号線2が近接して配置されており、1番目の走査信号線2に接続される発光制御部22および発光素子14は、平面視で1番目の走査信号線2の上側に配置され、2番目の走査信号線2に接続される発光制御部22および発光素子14は、平面視で2番目の走査信号線2の下側に配置されている。また、3番目以降の走査信号線2は、走査信号線2に接続される発光制御部22および発光素子14は、平面視で走査信号線2の下側に配置されている。この構成により、表示部11の最上部に配置された第4の画素部154が、発光制御部22が平面視で発光素子14よりも基板1の内側の部位に配置される構成となることが容易になる。
図6は、本発明の表示装置について実施の形態の他例を示す図であり、表示装置の構成を概念的に示すブロック回路図である。図6の表示装置は、図4の構成において、第1の基準辺Haの額縁部1gaにシフトレジスタ等を含む走査信号線駆動回路7が配置されており、第2の基準辺Hbの額縁部1gbにマルチプレクサ等を含む発光制御信号線駆動回路5が配置されている構成である。
図7は、本発明の表示装置について実施の形態の他例を示す図であり、表示装置の構成を概念的に示すブロック回路図である。図7の表示装置は、図4の構成において、表示部11に走査信号線駆動回路7および発光制御信号線駆動回路5が配置されている構成である。この場合、額縁部1ga,1gbの各幅を小さくすることができる。またこの場合、奇数番面の走査信号線2とそれに接続された画素部15のグループと、次段の偶数番面の走査信号線2とそれに接続された画素部15のグループとから構成される組と、次の組との間のスペースに、走査信号線駆動回路7および発光制御信号線駆動回路5を配置することもできる。
本発明の表示装置は、複数の発光素子14を搭載した基板1の複数を、同じ面上において縦横に配置するとともにそれらの側面同士を接着材等によって結合(タイリング)させることによって、複合型かつ大型の表示装置、所謂マルチディスプレイとすることができる。この場合、額縁部1ga〜1gdの各幅が小さい表示装置であるので、タイリングの継ぎ目が目立ちにくくなる。
本発明の表示装置において、一つの画素部15に、異なる発光波長(発光色)の複数の発光部が配置されており、それぞれに接続される発光制御部がある構成であってもよい。例えば、一つの画素部15に、赤色LED(RLED)等から成る赤色発光素子と緑色LED(GLED)等から成る緑色発光素子と青色LED(BLED)等から成る青色発光素子と、が配置されており、それぞれに接続される発光制御部(Rドライバ、Gドライバ、Bドライバ)がある構成であってもよい。この場合、例えば、画素部15の中心部にRLED、GLED、BLEDが集約的に正三角形の各頂点に位置するように配置されており、RドライバとGドライバとBドライバが、RLEDとGLEDとBLEDよりも基板1の内側に配置される構成とし得る。また、画素部15の中心部にRLED、GLED、BLEDが、走査信号線2または発光制御信号線3に平行な一直線上に配列された構成とすることもできる。
なお、本発明の表示装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更、改良を含んでいてもよい。例えば、基板1は透明なガラス基板であってもよいが、不透明なものであってもよい。基板1が不透明なものである場合、基板1は着色されたガラス基板、摺りガラスから成るガラス基板、プラスチック基板、セラミック基板、金属基板、あるいはそれらの基板を積層した複合基板であってもよい。