以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システムの概要>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る、車両用装置1を含む情報処理システム100の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、情報処理システム100は、走行中に撮影された所定の動画情報を自動的に記憶し、所定の条件に基づいて記憶した動画情報の存在を報知する処理を行う。図1に示すように、情報処理システム100は、車両用装置1と、カメラ2と、マイク3と、報知部4とを備える。
車両用装置1は、地図情報、及び、位置情報に基づいて情報処理を行う。車両用装置1は、例えば、ドライブレコーダ、カーナビゲーション、ドライブレコーダ内蔵のカーナビゲーション等であってよい。車両用装置1は、車両に常時搭載される車載器であってもよいが、例えばスマートフォン等の車両の外に持ち出せる携帯型機器であってもよい。車両用装置1の詳細については後述する。
カメラ2は車両の適所に搭載される。本実施の形態では、カメラ2は、車両の前方を撮影するフロントカメラである。カメラ2は、その光軸が車両の前方に向けられた状態でフロントガラスの上部付近に配置される。本実施の形態のカメラ2の数及び配置は例示である。カメラ2は、例えば、前方を撮影するフロントカメラと、後方を撮影するバックカメラとを含んで構成されてよい。カメラ2は、車両用装置1に有線又は無線で接続される。カメラ3は、車両用装置1に撮影情報を出力する。なお、カメラ2は、車両用装置1と一体的に設けられる構成であってもよい。
マイク3は車両の適所に搭載される。本実施の形態では、マイク3は、例えば車両に搭載されるオーディオ装置の近傍に配置される。なお、オーディオ装置は、車両用装置1に一体化されていてもよいし、車両用装置1とは別の装置であってもよい。マイク3は、車両内の音を集音して電気信号に変換する。マイク3は、車両用装置1に有線又は無線で接続されて、車両用装置1に音声情報を出力する。なお、車両内の音には、例えば、オーディオ装置やラジオから出力される音声や、車両の乗員の会話等が含まれてよい。オーディオ装置で再生される音声情報は、場合によっては、マイク3を介することなく、直接的に車両用装置1に出力されてもよい。また、マイク3は、車両用装置1と一体的に設けられる構成であってもよい。
報知部4は、車両用装置1からの指示に基づいて情報を報知する。本実施の形態では、報知部4は表示装置41とスピーカ42とを含む。本実施の形態では、報知部4は、車両用装置1と別に設けられ、車両用装置1と有線又は無線で接続される。ただし、これは例示である。報知部4は、車両用装置1と一体的に設けられる構成であってもよい。表示装置41は、車両用装置1で再生された動画情報を表示画面に表示する。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイやヘッドアップディスプレイ等であってよい。スピーカ5は、車両用装置1で再生された音声情報を音に変換して車両内に出力する。
<1−2.車両用装置の詳細構成>
図1に示すように、車両用装置1は、制御部10と、RAM(Random Access Memory)11と、不揮発性メモリ12と、画像処理部13と、操作部14と、カードスロット15と、計時回路16と、GPS(Global Positioning System)受信部17とを備える。
制御部10は、演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU(Central Processing Unit)を備えるコンピュータである。制御部10は、車両用装置1が備える不揮発性メモリ12に接続され、不揮発性メモリ12に記憶されたプログラムに基づいて情報の処理を行い、車両用装置1の全体を制御する。
RAM11は演算処理の作業領域となる。本実施の形態では、RAM11の記憶領域のうちの一部は、リングバッファとして利用される。このリングバッファに、画像処理部13で処理された画像データ、及び、マイク3から出力された音声データが記憶される。リングバッファでは、最後の領域までデータが記憶されると、最初の領域に戻って新たなデータが記憶される。すなわち、リングバッファでは、最も古いデータに対して新たなデータが順次に上書きされていく。
不揮発性メモリ12は、制御部10が演算処理を行うためのプログラムの他、各種データを記憶する。本実施の形態では、不揮発性メモリ12に記憶されるデータには、地図情報121及び属性情報データベース122が含まれる。不揮発性メモリ12は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等であってよい。
なお、本明細書では、属性情報は場所の特徴を示す情報である。属性情報データベース122には、例えば、ランドマークタワー、公園、神社、寺、港、飛行場、滝、山など、地図情報に記載される名称から分類することができる場所の情報が含まれる。属性情報データベース122に含まれる情報は、車両用装置1のユーザが適宜変更することができてよい。属性情報データベース122は、ユーザが新規に作成することができてもよい。
画像処理部13は、カメラ2で撮影された画像データを処理する。本実施の形態では、画像処理部13はハードウェア回路である。画像処理部13は、カメラ2から入力される画像データに対して所定の画像処理を行い、所定の形式のデジタル画像データを生成する。所定の画像処理には、例えば、A/D変換、輝度補正、コントラスト補正等が含まれる。所定の形式は、例えばJPEG形式等であってよい。画像処理部13で処理された画像データは、RAM11に記憶される。
操作部14は、車両の運転者等のユーザからの指示を受け付ける。操作部14は、例えば、車両用装置1を構成する筐体(不図示)の一部に設けられてもよいし、運転者が操作しやすいように、ステアリングホイールの近傍等に設けられてもよい。操作部14は、例えば、入力ボタンやタッチパネル等であってよい。
カードスロット15は、メモリカード150を着脱可能に構成される。メモリカード150には、例えば、SDメモリカード(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。カードスロット15にメモリカード150が装着されることにより、メモリカード150からのデータの読み取りや、メモリカード150へのデータの書き込みが可能になる。本実施の形態では、RAM11のリングバッファに記憶された画像データ及び音声データは、制御部10の指示によってカードスロット15に装着されたメモリカード150に記憶される。
なお、画像データ及び音声データを記憶する記憶媒体は、メモリカード150に替えて、例えば、ハードディスクドライブ、光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスク等であってもよい。メモリカード150以外の記憶媒体が用いられる場合には、カードスロット15に代わる構成要素が車両用装置1に備えられる。例えば、カードスロット15の代わりに、光ディスク装置等が車両用装置1に備えられる。
計時回路16は、現在時刻に対応した信号を発生して制御部10に出力する。計時回路16は、例えば、内蔵電池を有することで、外部から電力供給を受けなくても動作して正確な時刻を計時する。
GPS受信部17は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、現在時刻における車両の位置である自車位置を取得する。GPS受信部17は、地球上における経度緯度で表現された位置情報として自車位置を取得して、制御部10に出力する。なお、GPS受信部17は、GPS衛星からの信号に基づき、正確な時刻を検出できる。このために、GPS受信部17が、計時回路16の代わりに用いられてもよい。また、GPS受信部17は、計時回路16の時刻を修正するために利用されてよい。
図1に示すように、車両用装置1は、記憶処理部101と報知処理部102とを備える。各部101、102の機能は、不揮発性メモリ12に記憶されたプログラムにしたがって制御部10のCPUが演算処理を実行することによって実現される。
記憶処理部101は、車両用装置1が搭載される自車両が走行した場所に関する情報を、場所の特徴を示す属性情報と関連付けて過去の走行情報として記憶処理を行う。本実施の形態では、自車両が走行した場所に関する情報には、自車両に搭載されるカメラ2で撮影された撮影情報が含まれる。また、本実施の形態では、過去の走行情報には、記憶処理を行う場所を走行中に自車両内で生じた音声に関する音声情報も含まれる。記憶処理部101は、画像情報、音声情報、及び、属性情報を含む過去の走行情報を、メモリカード150に記憶する処理を行う。
記憶処理部101は、所定の条件に基づいて過去の走行情報の記憶処理を自動的に行う。本実施の形態では、記憶処理部101は、自車両が所定の属性情報を有する場所を走行したと判断される場合に過去の走行情報の記憶処理を行う。本実施の形態では、所定の属性情報を有する場所は、属性情報データベース122に記憶される属性情報を有する場所のことである。本実施の形態によれば、所定の属性情報を含む過去の走行情報を自動的に蓄積していくことができる。本実施の形態によれば、同じ属性情報を有する複数種類の動画を自動的に収集することができ、コレクション性を楽しむこともできる。
例えば、属性情報データベース122の中に、属性情報としてランドマークタワーが含まれているとする。この場合、記憶処理部101は、自車両が東京タワーを通過したと判断すると、自車両が東京タワーの傍を走行した際に撮影された動画をランドマークタワーという属性情報と関連付けてメモリカード150に記憶する処理を行う。なお、ここでは、カメラ2によって撮影される撮影情報が常時に記憶されていることを前提としている。また、自車両が東京タワーを通過した否かは、地図情報121と、GPS受信部17から取得される自車両の位置情報とによって判断することができる。本実施の形態では、記憶処理部101は、自車両が東京タワーの傍を走行した際に自車両内で流れていた音楽等の、マイク3によって取得された音声情報もメモリカード150に記憶する処理を行う。
なお、過去の走行情報の記憶処理の手法は、本実施の形態の構成に限定されない。例えば、記憶処理部101は、不揮発性メモリ12等に予め記憶される撮影ポイントを通過したと判断される場合に、過去の走行情報の記憶処理を行ってもよい。この場合、撮影ポイントには、属性情報データベースに含まれる属性情報を有する場所が含まれる。
報知処理部102は、自車両の現在の走行位置の近傍に存在する属性情報と、過去の走行情報に含まれる属性情報との比較に基づいて、過去の走行情報に関する報知を行うか否かを判断する。詳細には、報知処理部102は、自車両の現在の走行位置をGPS受信部17から得られる情報によって把握する。報知処理部102は、自車両の走行位置の近傍に属性情報があるか否かを、地図情報121及び属性情報データベース122を参照して確認する。報知処理部102は、自車両の走行位置の近傍に属性情報がある場合、当該属性情報と、過去の走行情報に含まれる属性情報とを比較する。すなわち、本実施の形態によれば、自車両が属性情報データベース122に含まれる属性情報を有する場所に近づいた場合に、ユーザが過去に似た場所を訪れたことがあるか否かを自動的に検出することができる。
本実施の形態では、報知処理部102は、自車両の現在の走行位置の近傍に存在する属性情報と同じ属性情報を有する過去の走行情報を検出した場合に、検出した過去の走行情報を報知する処理を行う。これによれば、自車両が現在走行する場所と似た場所を過去に訪れたことがあることを、ユーザに報知することができる。
例えば、自車両が東京スカイツリーの近傍を走行しており、属性情報データベース122にランドマークタワーが含まれているとする。また、メモリカード150に、過去の走行情報として、東京タワーを通過した時の動画情報(撮影情報)が含まれているとする。当該動画情報は、属性情報であるランドマークタワーと関連付けて記憶されている。この場合、報知処理部102は、東京スカイツリーの接近によって自車両の近傍に属性情報データベース122に含まれるランドマークタワーがあることを認識する。報知処理部102は、メモリカード150にランドマークタワーと関連付けられた動画情報があるか否かを確認する。この確認によって、報知処理部102は、過去に東京タワーを通過した時の動画情報があることを検出する。報知処理部102は、このことを報知する処理を行う。
本実施の形態では、報知処理部102は、カメラ2で撮影された撮影情報を再生する処理を行う。再生された画像情報は、表示装置41に出力され、表示画面に表示される。これによれば、過去に同一の属性情報を有する場所を訪れたことがある場合に、ユーザは、その際の動画等の画像情報を見ることができる。これにより、ユーザは、過去の行動を懐かしんだり、当該過去の行動を話の題材として会話を行ったりすることができる。すなわち、ドライブのエンターテーメント性を向上することができる。
なお、報知処理部102は、検出された過去の走行情報の存在を報知するために、過去に東京タワーを通過したときの動画情報があることを検出した直後に動画を再生する処理を行ってもよいが、当該動画の存在を報知する処理を動画の再生の前に行ってもよい。後者の場合には、動画の存在を報知処理した後のユーザの対応にしたがって、動画の再生処理を行うか否かが決定されてよい。
本実施の形態では、報知処理部102は、走行情報に含まれる音声情報を再生する処理を行う。詳細には、報知処理部102は、動画と同期して動画の撮影時に流れていた音楽等の音声情報を再生する処理を行う。再生された音声情報は、スピーカ42に出力されて音声に変換される。これによれば、過去の動画と共に、動画が撮影された際に車両内で流れていた音楽等の音声情報をユーザに提供することができる。このために、ユーザに懐かしい情報をより多く提供することができる。
なお、本実施の形態では、過去の走行情報の中に、カメラ2で撮影された撮影情報が含まれる構成とした。しかし、これは例示であり、過去の走行情報には、カメラ2で撮影された撮影情報は含まれなくてもよい。この場合、過去の走行情報は、例えば、自車両が走行した場所を示す位置情報と、その傍に存在する属性情報と、その場所を訪れた日時とで構成されてよい。自車両が走行した場所を示す位置情報は、例えば、「東京タワー」等の場所の名称を示すテキスト情報であってもよい。報知処理部102は、動画の再生処理部としての機能を有さず、単に文字やマーク等を表示装置41に表示させる機能を有する構成であってもよい。本構成によれば、動画情報をメモリカード150に記憶する必要がなく、メモリカード150に記憶するデータ量を小さくすることができる。このような構成であっても、ユーザが過去に似た場所を走行した記憶を思い出すきっかけを与えることができる。本構成では、情報処理システム100はカメラ2を有さない構成であってよい。また、例えば、情報の報知が、画面を使用せず、音声で行われる構成であれば、情報処理システム100は表示装置41を備えなくてもよい。
また、本実施の形態では、過去の走行情報の中に、マイク3で集音した音声情報が含まれる構成とした。しかし、これは例示であり、過去の走行情報には、音声情報は含まれなくてもよい。この場合、報知処理部102は、音声情報を再生する再生処理部としての機能を有さない構成であってよい。また、情報処理システム100は、マイク3及びスピーカ5を有さない構成であってもよい。
<1−3.記憶処理部による記憶処理>
以下、記憶処理部101による記憶処理の手順について例示する。図2は、記憶処理部101による記憶処理の手順を例示するフローチャートである。本実施例では、車両用装置1は、カメラ2で撮影された撮影画像情報を、マイク3で集音される音声情報とともに常時にメモリカード150に記憶する。
記憶処理部101は、自車両が記憶開始地点に入ったか否かを監視する(ステップS1)。当該監視は、地図情報121、属性情報データベース122、及び、GPS受信部17から得られる自車両の位置情報に基づいて行われる。詳細には、記憶処理部101は、自車両が属性情報を有する場所に接近したか否かを常時に監視する。そして、記憶処理部101は、自車両が属性情報を有する場所を通過する道路を走行し、且つ、自車両が属性情報を有する場所から所定範囲内に存在すると判断される場合に、自車両が記憶開始地点に入ったと認識する。所定範囲内は、例えば1km以内等であってよい。
記憶処理部101は、自車両が記憶開始地点に入ったと認識すると(ステップS1でYes)、その時点の時刻を第1時刻として記憶する(ステップS2)。第1時刻は例えばRAM11に記憶される。
その後、記憶処理部101は、自車両が記憶終了地点を通過したか否かを監視する(ステップS3)。当該監視は、地図情報121、及び、GPS受信部17から得られる自車両の位置情報に基づいて行われる。記憶終了地点は、例えば、自車両が属性情報を有する場所を通過した地点であってよい。記憶終了地点は、属性情報を有する場所から所定距離進んだ地点であってもよい。
なお、自車両が記憶開始地点を通過してから、例えば、記憶終了地点を通過しないで別の場所に行くことも起こり得る。このために、例えば、自車両が所定期間を過ぎても記憶終了地点を通過しない場合には、後述の、属性情報が関連付けられた撮影情報の記憶処理を行わない構成としてもよい。
記憶処理部101は、自車両が記憶終了地点を通過したと認識すると(ステップS3でYes)、その時点の時刻を第2時刻として記憶する(ステップS4)。第2時刻は例えばRAM11に記憶される。
記憶処理部101は、メモリカード150に記憶された撮影情報及び音声情報から、第1時刻から第2時刻までの情報を抜出し、通過した場所の属性情報と関連付けてメモリカード150に過去の走行情報として記憶する(ステップS5)。過去の走行情報には、動画情報、音声情報、及び、属性情報が含まれる。なお、既に記憶されている過去の走行情報がある場合、この情報とは別の領域に新たな過去の走行情報が記憶される。すなわち、メモリカード150には、複数の過去の走行情報が蓄積される。
この後、記憶処理部101は、動作終了イベントが発生しているか否かを確認する(ステップS6)。動作終了イベントとしては、例えば自車両のエンジン停止等、カメラ2の撮影情報が車両用装置1に入力されなくなった状態が挙げられる。動作終了イベントが発生していなければ(ステップS6でNo)、ステップS1に戻る。一方、動作終了イベントが発生していれば(ステップS6でYes)、車両用装置1は図2に示すフローチャートの動作を終了する。
なお、ステップS6を実施する代わりに、動作終了イベントが発生しているか否かを車両用装置1がフローチャートの動作中常時監視し、動作終了イベントが発生すれば直ちにフローチャートの動作を終了する構成としてもよい。この場合、ステップS5の処理が終わるとステップS1に戻るようにすればよい。
本実施例では、車両用装置1が、カメラ2で撮影された画像情報を常時にメモリカード150に記憶している場合の処理を説明したが、これは例示である。本発明は、車両用装置1が、カメラ2で撮影された画像情報を常時にメモリカード150に記憶しない構成にも適用できる。例えば、ステップS1で自車両が記憶開始地点を通過した場合にカメラ2の撮影情報の記憶が開始され、ステップS3で自車両が記憶終了地点を通過した場合にカメラ2の撮影情報の記憶が終了される構成としてもよい。この場合、記憶開始地点から記憶終了地点までの間に記憶された撮影情報に属性情報が関連付けられて、当該情報が過去の走行情報として記憶されればよい。
<1−4.報知処理部による報知処理>
以下、報知処理部102による報知処理の手順について例示する。図3は、報知処理部102による報知処理の手順を例示するフローチャートである。なお、報知処理部102による報知処理は、記憶処理部101による記憶処理と同時に実行されてよい。
報知処理部102は、自車両が属性情報を有する場所に接近したか否かを監視する(ステップS11)。当該監視は、地図情報121、属性情報データベース122、及び、GPS受信部17から得られる自車両の位置情報に基づいて行われる。詳細には、報知処理部102は、自車両が属性情報を有する場所を通過する道路を走行し、且つ、自車両が属性情報を有する場所から所定範囲内に存在する場合に、自車両が属性情報を有する場所に接近したと認識する。所定範囲内は、例えば1km以内等であってよい。
なお、本実施の形態では、報知処理部102と記憶処理部101とで、同じ属性情報データベース122が参照される。ただし、これは例示であり、報知処理部102と記憶処理部101とで、異なる属性情報データベースが参照されてよい。ただし、この場合、報知処理部102用のデータベースに含まれる属性情報の全てが、記憶処理部101用のデータベースに含まれる属性情報の中に包含されていることが好ましい。
図4は、表示装置41の表示画面を例示する模式図である。図4に示す表示画面中には、地図と、自車両位置VPとが示される。図4は、自車両位置VPが東京スカイツリーTSに接近した状態を示す。東京スカイツリーTSは、属性情報データベース122中に含まれる属性情報である「ランドマークタワー」に分類される。このために、報知処理部102は、自車両の東京スカイツリーTSへの接近に伴い、自車両が属性情報を有する場所に接近したことを認識する。
図3に戻って、報知処理部102は、自車両が属性情報を有する場所に接近したと認識すると(ステップS11でYes)、メモリカード150に記憶される過去の走行情報の中に、自車両が接近する場所と同一の属性情報を有する過去の走行情報があるか否かを確認する(ステップS12)。図4に示す例では、メモリカード150にランドマークタワーという属性情報を有する過去の走行情報が発見された場合に、報知処理部102は、同一の属性情報を有する過去の走行情報があると判断する。なお、同一の属性情報を有する過去の走行情報がないと判断される場合(ステップS12でNo)、ステップS11に戻る。
報知処理部102は、同じ属性情報を有する過去の走行情報が有った場合(ステップS12でYes)、そのことを報知する処理を行う(ステップS13)。図5は、同じ属性情報を有する過去の走行情報が有った場合の表示装置41の表示画面の一例を示す模式図である。図5に示すように、報知処理部102は、同じ属性情報を有する過去の走行情報が有った場合、そのことを報知する処理として、アイコンIC1を表示画面に表示させる処理を行う。
なお、アイコンIC1は例示であり、例えば、アイコンIC1の代わりにテキスト情報が画面に表示されてもよい。また、場合によっては、同じ属性情報を有する過去の走行情報が有ったことを報知するために、過去の走行情報に含まれる動画情報を再生する処理が行われてもよい。
報知処理部102の処理によってアイコンIC1が表示画面に表示された後、報知処理部102は、アイコンIC1が押下されたか否かを確認する(ステップS14)。本実施の形態では、表示装置41はタッチパネルを有する。アイコンIC1が表示された部分をユーザがタッチすることによって、アイコンIC1が押下されたと判断する。報知処理部102は、アイコンIC1の表示処理後、所定期間の間にアイコンIC1が押下されない場合に、アイコンIC1が押下されていないと判断する。この場合、後述のステップS16が行われる。
報知処理部102は、アイコンIC1が押下されたと判断すると(ステップS14でYes)、過去の走行情報に含まれる動画情報を再生する処理を行う(ステップS15)。図6は、動画が再生された場合の表示装置41の表示画面の一例を示す模式図である。本実施の形態では、図6に示すように、動画は表示画面の一部の領域Rを使って再生される。ただし、動画は、表示画面の全体を使って再生されてもよい。
この後、報知処理部102は、動作終了イベントが発生しているか否かを確認する(ステップS16)。動作終了イベントとしては、例えば動画の再生処理が終了した状態、表示装置41の画面がオフされた状態、自車両のエンジンが停止された状態等が挙げられる。動作終了イベントが発生していなければ(ステップS16でNo)、ステップS11に戻る。一方、動作終了イベントが発生していれば(ステップS16でYes)、車両用装置1は図3に示すフローチャートの動作を終了する。
なお、ステップS16を実施する代わりに、動作終了イベントが発生しているか否かを車両用装置1がフローチャートの動作中常時監視し、動作終了イベントが発生すれば直ちにフローチャートの動作を終了する構成としてもよい。この場合、ステップS15の処理が終わるとステップS1に戻るようにすればよい。
また、同じ属性情報を有する過去の走行情報が複数存在することも有り得る。この場合には、ステップS13において、報知処理部102が、複数の過去の走行情報をリスト表示させる構成としてもよい。そして、ステップS14において、リストの中から再生対象となる過去の走行情報が選択された場合に、ステップS15の動画再生処理が行われる構成としてもよい。ステップS15の動画再生時において、図6に破線で示すような切替えアイコンIC2を表示して、切替えアイコンIC2を使った操作により、再生する動画情報を切り替える構成としてもよい。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。ただし、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様のシステム構成である。また、第2の実施の形態の車両用装置1は、第1の実施の形態とほぼ同様の構成である。第1の実施の形態と同様の構成については、特に説明の必要がない場合には、その説明を省略する。第1の実施の形態と異なる点を中心に説明を行う。
図7は、第2の実施の形態に係る車両用装置1が備える不揮発性メモリ12について説明するための図である。図7に示すように、不揮発性メモリ12に記憶されるデータには、第1の実施の形態と同様に、地図情報121と、属性情報データベース122とが含まれる。第2の実施の形態では、この他に、付加情報データベース123が不揮発性メモリ12に記憶される。付加情報は、属性情報を有する場所の特徴を更に細かく分類する情報である。すなわち、付加情報は、属性情報とセットで利用される。本実施の形態では、付加情報データベース123は、記憶処理用の記憶用付加情報123aと、報知処理用の報知用付加情報123bとを含む。
図8は、記憶用付加情報123aについて説明するための模式図である。図8に示す例では、記憶用付加情報123aは、属性情報を有する場所を更に細かく分類する情報として、「サイズ」、「形状」、及び、「周辺環境」を含む。各項目は、更に、細かく分類されている。例えば、「サイズ」については、「大」、「中」、「小」といった分類がなされている。「形状」については、「四角い」、「丸い」、「細長い」といった分類がなされている。「周辺環境」については、「海の近く」、「山の近く」、「市街地」といった分類がなされている。なお、記憶用付加情報は、属性情報毎に別々に設定されてよい。属性情報によってサイズ等の概念が異なることがあるためである。
記憶用付加情報は、ユーザの好みで設定できることが好ましい。図8に示す例では、ユーザは、予め準備された複数の付加情報のうち、チェックボックスCBによる選択によって、「サイズ」の「大」と、「周辺環境」の「海が近い」を選択している。なお、選択される付加情報は単数でも複数でもよい。全てのチェックボックスCBが選択されてもよいし、いずれのチェックボックスCBも選択されなくてもよい。いずれのチェックボックスCBも選択されない場合には、実質的は付加情報がないことになる。また、例えば、サイズの判断基準や、海が近いか否かの判断基準等は、記憶用付加情報の中に含まれていることが好ましい。
車両用装置1は、第1の実施の形態と同様に、記憶処理部101を有する。記憶処理部101は、自車両が所定の属性情報を有する場所を走行したと判断される場合に、過去の走行情報の記憶処理を行う。第1の実施の形態では、所定の属性情報を有する場所は、単に、属性情報データベース122に含まれる属性情報を有する場所のことであった。第2の実施の形態では、所定の属性情報を有する場所は、属性情報データベース122に含まれる属性情報を有する場所、且つ、予め設定された記憶用付加情報を満たす場所である。
例えば、属性情報データベース122の中に、属性情報として「公園」が含まれているとする。第2の実施の形態では、図8に示すように、付加情報として「サイズが大きいこと」、及び、「海の近くであること」が条件付けられている。このために、記憶処理部101は、自車両が公園を通過する場合に、地図情報122に基づいて、当該公園のサイズが大きいか否かと、公園の近くに海があるか否かを判断する。なお、サイズが大きいと判断される面積を何m2以上とするかが予め設定されており、公園の面積が設定された面積以上の場合に、記憶処理部101はその公園をサイズが大きいと判断する。また、近くであると判断される距離を何m以下とするかが予め設定されており、公園の位置からの海までの距離が設定された距離以下の場合に、記憶処理部101はその公園を海の近くであると判断する。記憶処理部101は、当該公園が海の近くの大きな公園であると判断した場合、過去の走行情報の記憶処理を行う。記憶処理部101は、「公園のサイズが大きいこと」及び「公園が海の近くであること」のうち、いずれか一方でも条件を満たさない場合には、過去の走行情報の記憶処理を行わない。
第2の実施の形態では、記憶処理部101は、属性情報に加えて、属性情報を有する場所の特徴を更に細かく分類する付加情報も関連付けて記憶処理を行う。これによって、過去の走行情報として報知する対象の絞り込みを行うことが可能になる。例えば、記憶処理部101は、海の近くの大きな公園を通過した場合に、カメラ2で撮影された動画情報に関連付けて、「公園」という属性情報と、「サイズが大きい」及び「海の近くにある」という付加情報とを記憶する処理を行う。記憶される付加情報には、予め選択された付加情報(例えば図8のチェックボックスCBで選択された付加情報)以外に、地図情報122から検出される付加情報が含められてよい。
なお、本実施の形態は、記憶処理部101は、記憶用付加情報123aに設定される条件を満たした場合に、過去の走行情報の記憶処理を行う構成とした。しかし、これは例示であり、記憶処理部101は、第1の実施の形態と同様に、単に属性情報データベース122に含まれる属性情報を有する場所を通過したと判断される場合に、過去の走行情報の記憶処理を行う構成としてよい。この構成でも、カメラ2で撮影された撮影情報と関連付けて記憶される情報に、付加情報を含めることができる。どのような付加情報を含めるかが判断できるように、例えば、付加情報として含めるべき内容を列挙したテーブルを予め用意しておけばよい。これによれば、当該テーブルと地図情報121とに基づいて、記憶すべき付加情報の有無及び種類を判断することができる。
図9は、報知用付加情報123bについて説明するための模式図である。図9に示す例では、報知用付加情報123bは、属性情報を有する場所を更に細かく分類する情報として、「サイズ」、「形状」、及び、「周辺情報」を含む。なお、報知用付加情報123aは、属性情報毎に別々に設定されてよい。
報知用付加情報123bは、ユーザの好みで設定できることが好ましい。図9に示す例では、ユーザは、予め準備された複数の付加情報のうち、チェックボックスCBによる選択によって、「サイズ」と「周辺環境」とを選択している。なお、選択される付加情報は単数でも複数でもよい。全てのチェックボックスCBが選択されてもよいし、いずれのチェックボックスCBも選択されなくてもよい。いずれのチェックボックスCBも選択されない場合には、実質的は付加情報がないことになる。
車両用装置1は、第1の実施の形態と同様に、報知処理部102を有する。報知処理部102は、属性情報に付加情報も加えて、過去の走行情報に関する報知を行うか否かを判断する。これによれば、属性情報を有する場所の特徴を更に細かく分類した付加情報も加味して過去の走行情報に関する報知を行うか否かが判断されるために、報知する情報を絞り込むことができる。ユーザの好みに応じた情報のみを報知させることが可能になる。
本実施の形態では、報知処理部102は、自車両の現在の走行位置の近傍に存在する属性情報及び付加情報と同じ情報を有する過去の走行情報を検出した場合に、検出した過去の走行情報を報知する処理を行う。これによれば、付加情報の追加によって、過去の走行情報と非常に似た場所を訪れた場合に絞って、過去の走行情報に関する報知を行うことができる。
例えば、自車両が或る公園の近傍を走行しており、属性情報データベース122に公園が含まれているとする。報知処理用付加情報123bには、図9に示す情報が含まれているとする。また、メモリカード150には、過去の走行情報として、或る公園とは別の公園を通過した時の動画情報が、属性情報「公園」、付加情報「サイズが大きい」及び「海の近く」と関連付けられて記憶されているとする。
報知処理部102は、公園の接近に伴い、自車両の現在の走行位置の近傍に属性情報を有する場所が存在することを認識する。報知処理部102は、まず、属性情報として公園を有する過去の走行情報があるか否かを判断する。公園の走行情報がある場合、当該走行情報に関連付けられた付加情報が、現在接近中の公園の地図情報122から得られる情報と同一であるか否かを確認する。
本例では、付加情報は「サイズ」と「周辺環境」である。報知処理部102は、現在接近中の公園のサイズと周辺環境が、過去の走行情報に含まれる付加情報と同じであるか否かを確認する。報知処理部102は、現在接近中の公園が海の近くの大きな公園であると判断した場合、過去に訪れた似た場所を報知すべく、過去の走行情報を報知する処理を行う。一方、報知処理部102は、現在接近中の公園が「サイズが大きい」及び「海の近くである」のうち、いずれか一方の条件でも満たさない場合には、過去の走行情報を報知する処理を行わない。
なお、本実施の形態では、報知処理部102は、自車両の現在の走行位置の近傍に存在する属性情報と付加情報との両方が一致する過去の走行情報を報知する処理を行う構成とした。これは例示である。報知処理部102が、属性情報に付加情報も加えて、過去の走行情報に関する報知を行うか否かを判断する構成は別の構成であってもよい。
例えば、報知処理部102は、自車両の現在の走行位置の近傍に存在する属性情報と一致する過去の走行情報が検出された場合に、当該検出された過去の走行情報が予め設定される付加情報を満たすことを条件として、当該検出された過去の走行情報を報知する処理を行ってもよい。この場合、報知用付加情報は、本実施の形態とは異なる構成とする必要がある。報知用付加情報は、例えば単に「サイズ」ではなく、「サイズが大きい」等の具体的な情報とする必要がある。報知用付加情報は、例えば、図8に示す記録用付加情報123aと同様の構成であってよい。当該変形例によれば、属性情報の一致のみで、過去の思い出深い場所について思い出すきっかけを与えることができる。
<3.留意事項>
本明細書で示す実施形態や変形例の構成は、本発明の例示にすぎない。実施形態や変形例の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、複数の実施形態及び変形例は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
また、以上に示した実施形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されていると説明したが、これらの機能のうちの少なくとも一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの少なくとも一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。