JP2018202863A - インクジェットプリントシステム - Google Patents

Abstract

【課題】誤った方向のインクジェットジェット軌道を補正するインクジェットプリントシステムを提供する。【解決手段】媒体取り入れゾーンから、かつその後プリントゾーンを通って延在するプロセス経路に沿って媒体シートを運搬するための媒体搬送システム。本システムは、インクジェットプリントのために真空を介して媒体シートを概して平坦に保持するための搬送ベルトを含む。媒体搬送システムは、継ぎ合わされた真空搬送ベルトと、ベルトを支持するプラテンとを含む。部分的導電性コーティングは、ポリエステル、及びカーボンブラックなどの導電性成分を含み、任意選択で可塑剤及びレベリング剤を含む。高分子基板は、熱可塑性材料または熱硬化性材料のいずれかである。【選択図】なし

Description

本明細書に開示された実施形態は、概して、従来の媒体マーキングシステムに関するものであるが、本明細書に開示され、かつ説明される実施形態は、特に、インクジェットプリントシステムに関する。

従来のインクジェットプリントシステムは、インク滴を記録媒体に向けさせるために様々な方法を使用する。公知のインクジェットプリント装置は、熱、圧電、及び音響インクジェットプリントヘッド技術を含む。これらのインクジェット技術はすべて、約４ｍ／秒で記録媒体に向けられた直径１５〜１００μｍの略球形のインク滴を生成する。これらのプリントヘッド内には吐出トランスデューサまたはアクチュエータがあり、インク滴を生成する。これらのトランスデューサは、典型的には、プリンタコントローラ、またはマイクロプロセッサなどの従来のミニコンピュータによって制御される。

典型的なプリンタコントローラは、関連する複数のプリントヘッドに対する記録媒体の動きに関して複数のトランスデューサまたはアクチュエータを作動させる。トランスデューサまたはアクチュエータの作動及び記録媒体の動きを制御することによって、記録媒体に所望のまたは予め選択された画像を形成する目的で、プリンタコントローラは、理論的には、生成されたインク滴が所定の方法で記録媒体に衝突させるべきである。理想的な滴オンデマンドタイプのプリントヘッドは、記録媒体に向かって、概してそれに垂直な方向に正確に向けられたインク滴を生成する。しかしながら、実際には、多くのインク滴が様々な理由で記録媒体に対して厳密に垂直に向けられておらず、所望の軌道から逸脱し、プリンタのコントローラによって予期されない位置で記録媒体に衝突する誤った方向の滴をもたらすインク滴が問題となる。その結果、誤った方向の滴は、典型的に望ましくない位置で記録媒体に衝突することによって、プリント画像の品質に概して悪影響を与える。

誤った方向のインクジェットジェット軌道を補正するために、例えば、米国特許第４，３８６，３５８号及び第４，３７９，３０１号は、インクジェットプリントヘッドから吐出された帯電したインク滴を静電的に偏向させるための方法を開示している。これらの特許に開示された方法を簡単に要約すると、プリントヘッド上の電極上に置かれた電荷は、帯電したインク滴を所望の方向に操縦して、既知のプリントヘッドの動きを補償するように、「制御される」。このように帯電したインク滴を静電的に操縦することにより、これらの特許に開示された方法は、インク滴が吐出されたときの既知のプリントヘッド動きによって引き起こされるインク滴の誤方向を補償する。しかしながら、これらの特許に開示された静電偏向法は、インク滴軌道に影響を及ぼす可能性のある予期しないまたは予測不可能な要因を補償しない。

（前項で言及した）問題を解決するために、米国特許第６，０７９，８１４号は、１つのアイテムまたは物品の別の物品への静電吸着に起因する単なる付着物である「タッキング（ｔａｃｋｉｎｇ）」として知られている静電現象を利用する滴オンデマンドインクジェットプリンタを開示している。この周知の静電原理の適用において、米国特許第６，０７９，８１４号は、プリントヘッドに対する記録媒体の正確な動きの保証を達成するために、記録媒体上への正確なインク滴の配置のために、搬送ベルトの誘電体表面上に整列した記録媒体片の正確な付着を達成するために記録媒体、例えば紙、をタッキングすることを開示している。要約すると、搬送ベルトは１つの極性の電荷で静電的に帯電され、結果として生じる静電荷は、媒体がその上に供給された後、搬送ベルト上の正確に整列した位置に記録媒体を正確に保持し、インク滴を記録媒体に向けて加速させるために、プリントヘッドによって吐出されたインク滴に逆極性の電荷を同時に誘起する。

米国特許第６，０７９，８１４号において上記議論されたタッキング現象の改良、またはおそらくは逆転として、米国特許第８，２９３，３３８号は、プリント媒体シートがいわゆる「脱タッキングユニット」を通過して下方に動き、第１のエンドレスベルトから第２のエンドレスベルトへのプリント媒体の転送を可能にするために、プリント媒体上の静電荷を反転させるように設計された、プロセスを説明し、かつ開示している。米国特許第８，２９３，３３８号は、第２のベルトを多孔質の固定プラテン上を通過するものとして説明し、かつ開示している。米国特許第８，２９３，３３８号は、プラテンが導管を通して真空ポンプに接続され、プラテン多孔性及び第１のベルトを介して、シートストックをプラテンに付着させ、その上に垂直に位置付けされたままとさせることをさらに述べている。

（米国特許第６，０７９，８１４号に関連して）上述したタッキング現象のおそらくさらなる別の改良として、シート押さえと搬送装置を対象とした米国特許第８，４０８，５３９号は、高電圧電源と動作可能に連通しているインボード及びアウトボードタッキングローラを開示し、かつ説明しており、タッキングローラは媒体シートの特定の縁部の上面に静電荷を沈着させる。米国特許第８，４０８，５３９号はさらに、搬送ベルトが非導電性材料で形成されることが好ましいこと、及びシート端部の帯電した表面がベルトに引きつけられることを開示している。米国特許第８，４０８，５３９号は、タッキングローラは、タッキングローラ及びベルトによって形成されたニップに隣接する空気絶縁破壊を発生するのに十分に高い電位にバイアスされること、及びシートがニップに入ると、空気絶縁破壊はシートのインボード及びアウトボードエッジに沿ってシートの頂部に正味の電荷を沈着させ、それによってシートのエッジをベルトに対し平らに保持すること、をさらに開示している。この特許は、タッキングローラの間のベルトの中間部分は、プリントヘッドと整列する画像ゾーンを構成すること、画像ゾーン内にある媒体シートの部分が画像を受け取ること、及びタッキングローラをシート端部上及び画像ゾーンの外側に位置付けすると、画像ゾーンは実質的に静電荷を有しないままであること、をさらに開示している。

記録媒体に衝突する誤った方向のインクジェット滴によって引き起こされる問題に対するさらに別の解決法が、転送ベルト装置、システム及び様々な方法を開示し、かつ説明する米国特許第７，２０４，５８４号に説明されており、そのすべては画像ブルーミングを防止することを目的としており、ここで「画像ブルーミング」という用語は、プリントされた画像が、所望よりも広く、ときおりはるかに広くなり、不明瞭なエッジ輪郭を有し得ることを意味すると理解され、そのすべてが問題である。それゆえに、画像ブルーミングを防止するために、米国特許第７，２０４，５８４号は、インクジェットプリント装置が、接地されたプリントヘッド、接地されたプリントヘッドと反対側の対向電極、及びプリントヘッドと対向電極との間に位置し、少なくとも２つの転送バイアスローラによって少なくとも部分的に支持される二層転送ベルトを含み得ることを開示している。米国特許第７，２０４，５８４号はまた、ベルト上の電荷を取り除くために、プリントヘッドから転送ベルトに向けて吐出されるインク滴を加速するためにプリントヘッドと対向電極との間に所定の電圧を印加することを含むことができる特定の動作方法を開示し、かつ説明している。

上記の「画像ブルーミング」問題をさらに改良するために、米国特許第８，１４２，０１０号は、インクジェット使用のための搬送ベルトを開示し、かつ説明しており、ここでベルトは、樹脂成分及び導電性充填材として、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂の少なくとも１つを含む少なくとも１層を有する継ぎ目なしベルト形状によって特徴付けられ、約１０^１０〜１０^１４オームセンチメートル（Ω・ｃｍ）の体積抵抗率を有する。

誤った方向のインクジェット滴が記録媒体に衝突することによって引き起こされる問題に対するさらに別の解決策として、直接マーキングプリントシステムにおけるプリントヘッドの下の静電界を低減するためのシステムの特定の実施形態が、米国特許第８，９４７，４８２号に開示され、かつ説明されている。米国特許第８，９４７，４８２号に開示されているそのようなシステムの１つは、インクを媒体基板上に沈着させるための１つ以上のプリントヘッドと、１つ以上のプリントヘッドを通過する媒体経路に沿って媒体基板を動かすための媒体搬送部と、媒体搬送ベルトに接触する伝導性プラテンと、１つ以上のプリントヘッドの上流に位置付けされた交流充電デバイスを含む静電界低減器と、１つ以上のプリントヘッドのインク沈着領域と位置合わせされた１つ以上の電気的にバイアスされた電極と、を含む。米国特許第８，９４７，４８２号は、媒体が搬送ベルト上にあるとき、媒体搬送部が静電界を発生してプリント欠陥を引き起こす可能性のある媒体搬送ベルトを含むことを述べている。米国特許第８，９４７，４８２号は、電極を伴う静電界低減器が媒体の表面上の静電界を減少させ、それによってプリント欠陥を低減することを述べている。

誤った方向のインクジェット滴が記録媒体に衝突することによって引き起こされる問題に対するさらに別の解決策が、米国特許第９，１１４，６０９号に開示され、かつ説明されており、この特許は、プリントヘッドまたは受像部材のいずれかに位置する電極を含むインクジェットプリンタシステムを対象とし、ここで受像部材は波形発生器に動作可能に接続されている。システムの動作中、コントローラは、インク滴を吐出するためにプリントヘッド内のインクジェットの通常動作中にプリントヘッドと受像部材との間に静電界を発生するように波形発生器を動作させる。特に、コントローラは、吐出されたインク滴からサテライトインク滴を形成することができる時間中にインク滴が受像部材に向かって進行する間、波形発生器を動作させて、静電界の振幅を減少させる。コントローラはまた、サテライトの形成後にインク滴が飛行している間に静電界を発生させるために波形発生器を引き続き動作させ、インク滴及びサテライトを受像部材に向けて加速させる。

誤った方向のインクジェット滴が記録媒体に衝突することによって引き起こされる問題に対するさらに別の解決策として、米国特許第９，１３２，６７３号は、インクジェットプリントシステムと共に使用される半導電性媒体搬送システムを開示している。「発明」の目的はしばしば「問題」を解決することであるため、米国特許第９，１３２，６７３号の発明者らがその努力に焦点を当てた問題は、以下のように述べることができる：ダイレクトツーペーパー（ＤＴＰ）インクジェットプリントシステムにおいて良好なプリント品質を保証するためには、プリントゾーン内で媒体を極めて平坦に保持しなければならない。ベルト自体はプラテンに対して平らに保たれなければならず、いったん基板媒体の正確な位置合わせが達成されると、媒体はプリントゾーンに搬送されるときに位置合わせから外れることを許されてはならない。

その当時のシステムは、位置合わせニップアセンブリに位置する横方向に間隔を置いた駆動ローラによって媒体を転送したので、米国特許第９，１３２，６７３号の発明者は、その時代のローラは媒体を平坦に保持せず、したがって媒体のミスアライメントが発生する可能性があることを留意した。これらの発明者らは、ベルトによる媒体取得は静電タッキングによって行うことができ、そのような静電タッキングは媒体を平らに保持する利点を有し、位置合わせシフトを排除するという利点を有することにさらに留意した。これらの発明者らはさらに、平坦度をさらに確実にするためにプラテン上の真空を使用することができることにさらに留意した。これらの発明者らが留意した問題は、ベルトとプラテン（及び他の場所）との間の摩擦によって誘起される摩擦電荷がインク吐出領域に望ましくない静電界を発生させることで起き、プリント品質に悪影響を与える可能性がある。これらの発明者らは、導電性ベルトの使用はこれを回避するが、広範囲の媒体特性にわたって媒体とプリントヘッドとの間の望ましい低い制御された電界を達成することを困難にする可能性があることに留意した。これらの問題に基づいて、米国特許第９，１３２，６７３号の発明者は、ベルトが平らに保持され、導電性プラテンを横切って摺動させるシステムを開示し、かつ説明したが、ベルトが半導電性であること、特に電荷の蓄積を防止する事実がなければベルト上に静電荷を蓄積させる可能性がある。

こうして、それらのベルトは、静電荷の蓄積を妨げるための下限と、ベルトへの媒体の静電タッキングを可能にする上限との間の実効表面抵抗率が提供され、実効表面抵抗率限界はベルトの速度、厚さ、材料、ベルト及び媒体の誘電率、及びスロットの幅に依存して変化する。米国特許第９，１３２，６７３号はまた、媒体基板をベルトにタックする一対の帯電したニップローラを開示している。

しかしながら、米国特許第９，１３２，６７３号は、プリントヘッドフェイスプレートの「ミスト化」に起因するプリントヘッドフェイスプレートの汚染に関連する問題を解決していない。

従来のインクジェットプリントシステムに関連する多くの問題を解決するためのこれらの様々なアプローチは著しい改善をもたらし、長年にわたり多彩なインクジェットプリントシステムが作られてきて、プリント品質の最高レベルに対する現在の要求に沿った高速プリント動作は断固としたものがある。したがって、メッセージは実際には非常に簡単である。顧客ロイヤリティを維持するには、優れた画質を維持する必要がある。

目的及び概要
本発明の様々な目的は、上記で簡単に議論された問題の多くを、先行技術で経験された問題のすべてではないにしても大部分を解決または回避するインクジェットプリントシステムを設計することだけでなく、インクジェットプリント技術における現在の進歩から起きるほとんどの問題を解決または回避するインクジェットプリントシステムを設計することである。以下の図面全体を通して、同様の参照番号は同様の部分を指すものとする。

本発明は以下のように要約することができる。媒体取り入れゾーンからの経路に沿って媒体の複数のシートを順次搬送し、かつその後にプリントゾーンを通過させるシステムにおいて、本発明は多数の構成要素を備える機構または装置と考えることができる。本システムの１つの構成要素は、電気的に接地されたベースである。別の構成要素は、ベースに電気的に接続された支持部材である。さらに別の構成要素は、２つの連続面を有する閉ループに形成されたベルトであり、その１つは内側面であり、他方は導電性の外側面または外面である。

本システムのさらに別の構成要素は、ベースと支持部材とを備える電気回路であり、両方とも電気的に接地されている。電気回路は、ベルトの導電性面を支持部材に電気的に接続するための手段をさらに含み、その結果、導電性ベルト表面が接地される。

動作において、上述の電気回路は、ベルトの外面上の静電気（そうでなければ蓄積する）を消散させることができ、その結果、プリントゾーンを通過する媒体上にインクが噴射されると、インクジェットフェイスプレートにはインク滴が残らない。

媒体搬送装置は、複数のローラを含み、ローラの各々はベルトと転がり係合する。本装置はまた、モータ駆動ローラを含む。モータドライバーローラは、ベルトにベルトの外面上の媒体シートを媒体取り入れゾーンから経路に沿って順次搬送させ、かつその後にプリントゾーンを通過させる。

ベルトの全長には、ベルトの下に位置する真空源がベルトの伝導性面の上に平らに媒体シートを保持できるように、実質的に幅に沿って、好ましくは予め選択されたパターンで群がる複数の開口が設けられている。

ベルトは、導電層の下に熱硬化性または熱可塑性高分子材料のいずれかから作られたベース層（支持層とも呼ばれる）を含む。導電層は、高分子成分を含み、任意選択的に導電性成分または充填剤、任意の可塑剤、及び任意のレベリング剤を含む。導電層は、支持層上にある場合、約１０^１〜１０^６オーム／平方の表面抵抗率を有する。

は、簡略化された概略図の形態で、開示された技術と共に使用するように設計された媒体を搬送するためのシステムの一部分の側面図を提示し、媒体搬送ベルト及びそれに関連するインクジェットプリントゾーンを描写する図面である。 は、図１のエッジに現れる本発明の媒体搬送ベルトの例示的実施形態の断片化された平面図であり、図１に対して拡大して示されている。 は、図２に描写された媒体搬送ベルトの実施形態の特定の詳細を提示し、ここで細部は図２に対して拡大して示されている。 は、ベルト１０８が多層であり得ることを心に留めて、図１に対して拡大された、ベルト１０８の例示的な二層の実施形態を示す側面図である。 は、電界電圧の結果として、ノズルプレート「ミスト化」の量または程度を観察者に主観的に表わす「コンセプト」図面であり、本発明者らの観察に基づく。 は、媒体搬送システム１００の特定の構造的詳細の等角図であり、図６の構造的詳細の多くは図１に概略的に描写されている。 は、媒体搬送システム１００の一部の等角図であり、図６において不明瞭にされるかまたは隠されている細部を露呈するように区分され、図６に対して拡大されて示されている。

本発明はここで、本図面を含む、様々な図示された例示的実施形態に関連して説明されるが、本発明をこれらの例示的実施形態に限定することは意図されていないことを理解されたい。それとは逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれるすべての代替物、修正物及び等価物をカバーすることを意図しており、それに対し本発明者らに権利がある。

本発明は、従来の高速インクジェットベースの生産プリントシステムで使用されるように特別に設計された新規の媒体搬送システムを対象としている。本発明が意図される環境をより良く理解するために、開示された技術を利用することができる代表的な生産プリントシステムに関する詳細については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第９，１３２，６７３号を参照されたい。

図１の概略図は、紙などの媒体を従来のプリントゾーン１０４（以下に定義される）に搬送する高速システム１００を描写する。図示された媒体搬送システム１００は、継ぎ目があってもなくても、好ましくはローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６に取り付けられた新規の滑らかな表面のベルト１０８を含み、ローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６の少なくとも１つは、ベルト１０８を駆動するためにモータ（図示せず）に動作可能に接続され、ベルト１０８上にある媒体を、プリントゾーン１０４を通って「搬送される」ようにする、すなわち図１に関して左から右に移動させるようにする。プリントゾーン１０４は、代表的なブラックインクプリントヘッド１１０Ｋ、代表的なシアンインクプリントヘッド１１０Ｃ、代表的なマゼンタインクプリントヘッド１１０Ｍ、及び代表的なイエローインクプリントヘッド１１０Ｙで表されるインクジェットプリントヘッドを提供する。図１に描写した上述のインクジェットプリントヘッド１１０Ｋ、１１０Ｃ、１１０Ｍ、及び１１０Ｙのそれぞれは、プリントヘッドプリントヘッド１１０Ｋ、１１０Ｃ、１１０Ｍ、及び１１０Ｙの少なくとも１つによって規定されるプリントゾーン１０４を通ってベルト１０８によって運ばれる媒体上にインクを正確に噴射するために、ベルト１０８に近接して配置されたそれ自体のフェイスプレート１２０を含む。

本開示全体にわたって使用される「媒体」という用語は、コーティングされているかどうかに関わらず、テキスト、画像、またはその両方を含む情報を再現することができる、例えば、予め切断され概して平坦な紙、フィルム、羊皮紙、透明紙、プラスチック、布地、写真仕上げ基板、紙ベースの平坦な基板、または他の基板を指すものとして本技術の当業者によって理解される。一般に、予め画像化された基板はもともとデジタルではない画像を含む可能性があるので、留意される情報の少なくとも一部はデジタル形式であってもよい。本情報は、ウェブの形の媒体上に繰り返しパターンとして再生することができる。

ベルト１０８は、継ぎ目の有無に関係なく、エンドレスループとして形成される。エンドレスループは、少なくともローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６にぴったりと合うように寸法決めされる。ローラＲ１〜Ｒ６のそれぞれは電気的に接地されている。ローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６のそれぞれは、ローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６のそれぞれを媒体搬送ベルト１０８の内側面１０２から電気的に絶縁するためにゴムコーティングを有する。ベルト１０８が継ぎ目を有するものとして示されているが（図２）、継ぎ目なしベルトが所望される場合、継ぎ目なしベルトを形成するためのプロセスが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第６，１０６，７６２号に開示されている。

媒体搬送システム１００の動作中に、媒体搬送ベルト１０８の所望の整合速度を維持することが非常に重要であるため、例えばローラＲ２とＲ６との間の間隔を増加させることによって、媒体搬送システム１００に不必要な抗力を導入することなくローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６上にある間に媒体搬送ベルト１０８の所望の張力を維持するための調整を行うことが必要な場合がある。また、当業者に知られている様々な理由のために、媒体搬送ベルト１０８は、水性インク、イソプロパノール、またはその両方による劣化に抵抗する、そうでなければそれに不浸透性である、材料から構成されなければならない。

加えて、媒体搬送ベルト１０８は、典型的にはタイミングホール（「Ｔ．Ｈ．」」）の下に位置して、ベルト１０８のエッジ余白を通して感知することができるベルト速度感知装置（図示せず）と干渉しないように、完全に不透明でなければならない（図２）。また、媒体搬送ベルト１０８は静電界の発生を実質的に排除する構造でなければならず、システム１００の動作中に、媒体シートが図１に関して左から右へ毎秒１メートルの速度で進行するので、上記の装置が通り過ぎるタイミングホールＴ．Ｈ．の位置を感知する結果として、媒体搬送ベルト１０８の線形速度を制御することになる。

媒体搬送システム１００の動作中、図１に関連して左から右へのベルト１０８の移動は、通過する媒体上に所望の画像またはテキストをプリントするために、ベルト１０８上に置かれた媒体（図示せず）がプリントゾーン１０４に向かって移動するのを可能にし、そこでインクの小さな滴が制御された様式で媒体上に噴霧される。従来のダイレクトツーメディアのインクジェットマーキングエンジンでは、インクジェットプリントヘッドは、その面（そこにインクノズルが位置する）が媒体表面から典型的には１ｍｍ以下の間隔をとるように取り付けられる。紙のような媒体は、媒体の少なくとも一部を搬送ベルト１０８の表面の上に１ｍｍ以上持ち上げるカール特性を有することがあるので、プリントゾーン１０４を通過するときに、紙のシートがプリントヘッドに接触するときはいつでも媒体のカール特性は問題になる。

図１には、その上面としてプラテン１１２を有する真空プレナムが示されている。真空プレナムは周知であるので、詳細については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第８，４０８，５３９号を参照されたい。本明細書の図１のプラテン１１２は、導電性であり、媒体搬送ベルト１０８が保持される平坦な表面を提示する。ベルト１０８は、ローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６の少なくとも１つに動力を供給するモータ（図示せず）によってプラテン１１２の平坦面にわたって摺動され、媒体シート（図示せず）が媒体搬送ベルト１０８によって図１に関して左から右に移動するように運ばれ、プリントゾーン１０４を通過させる。動作において、描写されたプラテン１１２は固定された表面を提示し、搬送ベルト１０８がそこを横切って摺動させられる。媒体搬送ベルト１０８が摺動するプラテン１１２の表面は導電性であり、媒体搬送システム１００のこの部分が動作しているときに静電気が蓄積する。また、プラテン１１２をその上面として有する真空プレナムは、媒体搬送ベルト１０８が通過する複数の従来のスロット（図示せず）を含み、プラテン１１２の真空プレナム部分が媒体搬送ベルト１０８に真空をかけることを可能にするのはこれらのスロットの存在である。（米国特許第８，４０８，５３９号参照）。

簡単に上述したカール問題を解決するために、本発明者らは、図２に示すように、実質的にその幅にわたって延在する複数の開口を有する新規な媒体搬送ベルト１０８の図示された実施形態を設計し、ベルト１０８の下に位置する真空プレナムが媒体をベルト１０８に引き寄せることを可能にするために、エッジ余白Ｅ．Ｍ．１及びＥ．Ｍ．２のみに開口ならびに任意の表面コーティングがないようにしている。本発明者らは、開口として正方形パターンが本発明者らの目的にかなっていることを見出し、図３に示すように、個々のアパーチャは一般的に円形で、約２ｍｍの直径を有するところに、（上述の）「パターン」は正方形を形成し、側部に中心間約６．３５ｍｍ（ミリメートル）の穴間隔を有する。

特定の寸法、特定の剛性、またはゲージ（すなわち単位面積当たりの特定の重量）の媒体を媒体搬送ベルト１０８にしっかりと取り付けるために、この特定技術の当業者であれば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第８，４０８，５３９号に開示されているような真空押さえ装置を使用する場合に、媒体搬送ベルト１０８全体の開口サイズ及び間隔をどのように変更するかを知っている。完全に不透明に作られた媒体移送ベルト１０８は、エッジ余白を通る少なくとも１つのタイミング孔を含む。（図２参照）。

こうして本発明者らは、ベルトの動作上の上面に媒体を「固定」するために真空を使用することは「カール」問題を解決するはずと結論付けた。しかし、本発明者らの努力において、インクジェットプリントシステム用の半導電性媒体搬送ベルトを対象とする米国特許第９，１３２，６７３号にはまだ見出されていない問題を見出したことを発見した。米国特許第９，１３２，６７３号では、平坦に保持されたベルトが導電性プラテンを横切って移動すると、ベルト上に静電気が蓄積される結果になる。電荷蓄積を防止するために半導電性に作られた´６７３のベルトは、静電荷の蓄積を妨げるための下限と媒体を´６７３のベルトに静電的に吸着させるための上限との間の実効表面抵抗率を有するように特に設計された。本発明者らのシステムの動作中に、米国特許第９，１３２，６７３号にはまだ発見されていない問題が留意された。例えば、本発明者らのシステムの動作中に、インクジェット滴がそれらを形成するインクジェットプリントヘッドによってルーチン的に電気的に帯電することを発見し、それは、本発明者らが直面した特定の問題、すなわち誤った方向のインクジェット滴の問題を解決することを本発明者らの努力で確認した。

本発明者らがベルト上の静電荷の蓄積が重大な問題を提出することを発見したのは、本発明者らのプロトタイプ媒体搬送システムのプリントゾーン部分の広範な調査の後であった。その問題に対する本発明者らの解決策は、ユニークな構造のベルトをもたらした。本発明者らのベルトは部分的に導電性であり、例えば紙などの媒体を搬送するベルト側に特別の電気的特性を有する。こうして、特別な構造の本発明者らのベルトは、電荷をベルトから連続的に消散させることを可能にするために、媒体搬送システムの特定の他の構成要素と動作的に協働する媒体搬送システムの１つの構成要素を例示する。

図４に図示する本発明者らの新規な媒体搬送ベルト１０８は、支持基板層１５と部分的導電層２０とを備えることが分かる。本開示を通じて任意の構成要素または材料についての「導電性」という用語は、熱伝導特性が明示的に開示されていない限り、構成要素または材料の導電性に言及すると理解されたい。詳細な開示を提供するために、部分的に導電性であると称する導電層２０は、約１０^１〜約１０^６オーム／平方の抵抗率を有するので、以下に詳細に説明する。

支持基板層１５は高分子であり、好ましくはポリエステルなどの「熱可塑性」高分子またはポリイミドなどの「熱硬化性」高分子のいずれかから作られる。当業者であれば、「熱可塑性」は、熱に晒されたときに軟化し、室温（約２５℃）に冷却したときに元の状態に戻る高分子であることを知っている。「熱可塑性」という用語は、通常、ナイロン、ポリ塩化ビニル、フルオロカーボン、ポリプロピレン、セルロース及びアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタンプレ高分子及び直鎖状ポリエチレンなどの合成物に適用される。（１９８１年に出版された、Ｖａｎ Ｎｏｓｔｒａｎｄ Ｒｅｉｎｈｏｌｄ Ｃｏ．による簡約化学辞典、第１０版、ｐ．１０１６参照）当業者はまた、「熱硬化性」が、加熱されると不可逆的に凝固または「硬化」する高分子であることも知っている。この特性は、通常、熱または放射線によって誘発される関連する分子成分の架橋反応に関連する。「熱硬化性」の例には、フェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシド及びシリコーンが含まれる。また、直鎖状ポリエチレンは、例えば放射線または化学反応のいずれかによって熱硬化性材料になるように架橋されていてもよい。（１９８１年に出版された、Ｖａｎ Ｎｏｓｔｒａｎｄ Ｒｅｉｎｈｏｌｄ Ｃｏ．による簡約化学辞典、第１０版、ｐ．１０１６参照）

留意したように、層２０は、約１０^１〜約１０^６オーム毎平方（オーム／平方）の範囲の表面抵抗率を有する。層２０は、好ましくはポリエステルを含む高分子コーティング、及び導電性成分、例えばカーボンブラックを提供する。本発明者らは、層２０が部分的導電性を所有していなければならず、高速ビデオ記録において観察され、プリントヘッドに戻ってくる（例えば、米国特許第４，７３４，７０５号に記載された）サテライトインクジェット滴によって引き起こされ、インクジェットフェイスプレートの汚れを引き起こす「ミスト化」問題として現在言及される、プリントヘッドフェイスプレート汚染を排除するために上記に開示したような表面抵抗率を有していなければならないことを発見した。

ミスト化を引き起こす理論的考察
インクジェットヘッドがジェットを通してインクを放出すると、放出されたインクジェット滴はネックダウンし、いくつかの例では分離する場合がある。滴がネックダウンするにつれて、ベルト（すなわち媒体を搬送している）とインクジェットヘッドとの間に位置するギャップ内の静電界によって駆動される滴内の電荷移行が存在する。重力のために滴が落ちると、滴のうちのいくつかは、ベルト上の紙（すなわち、媒体）と同じ符号で帯電した非常に小さなサテライト滴の分離を経験する。同じ符号反発は、小さなサテライトインク滴が重力に反してインクジェットプリントヘッドフェイスプレート上に再沈着し、最終的にフェイスプレートを汚染し、インクジェットをブロックし、許容できないプリント品質欠陥を引き起こす結果となる。

本発明者らのデザインは２本のアクティブ帯電防止バー、４つのパッシブカーボンブラシ、及び電気接地されたローラが含んでいたが、ベルト上の電圧を１００Ｖ以下に下げることはできないことを見出した。したがって、もともと本発明者らのベルトはより導電性になるように設計された。本発明者らは最後に、約１０^１〜約１０^６オーム／平方、または約１０^１〜約１０^４オーム／平方、または約１０^４〜約１０^６オーム／平方の範囲の電気抵抗率を有するコーティングが、時には非常に（温度とパーセント相対湿度に依存して）、（媒体を搬送する）ベルトとインクジェットプリントヘッドとの間に位置する電界を、メディア搬送システム１００が動作していたときに約２５ボルト未満に低減することができることを発見した（図５参照）。こうして、マイナス２５ボルトからプラス２５ボルトまでの範囲が、インクジェットフェイスプレート上のミスト（サテライト滴によって引き起こされる）の再沈着を実質的に排除し、フェイスプレート汚染の問題を解決することを見出した。

図１
簡単に言えば、インク滴がネックダウンすると、電界のため滴内で電荷移行が起こり、ミスト化の問題が生じる。ミスト化の問題を回避するために、搬送ベルト１０８と各インクジェットプリントヘッド１１０Ｋ、１１０Ｃ、１１０Ｍ、及び１１０Ｙのフェイスプレート１２０との間に低レベルの電界が維持される。（図１）。名目上、ベルト１０８上の電荷は、プリントゾーン１０４内で約正の１００ボルト〜約正の３００ボルトの範囲にある。しかしながら、本発明者らが記録した高速ビデオ画像の結果として、電圧が搬送ベルト１０８の媒体運搬面１０３上で測定されるとき、約マイナス（または負の）２５ボルト〜約プラス（または正の）２５ボルトの範囲内でこれらの電界を低減及び維持することを見出し（図５参照）、フェイスプレートの「ミスト化」問題（上述）の実質的な低減及び時には事実上排除が経験されることを見出した。上述したように、優れたプリント品質を維持するためには、サテライト滴によって引き起こされる「ミスト化」問題を避けなければならない。

図５
図５は、様々な温度及び湿度条件下での、市販の高速記録機器を使用したときのビデオ記録に基づく本発明者らの観察結果である。簡単に説明すると、図５は、ベルト上で測定された電界強度の特定の範囲の影響を表したものであり、参照番号５１０は、約１００〜２００ボルト（正または負）の間の範囲の電界電圧が検出され、重いノズルプレート「ミスト化」を生じるゾーンを表わす。さらにこの点に関して、参照番号５３０は、２５〜１００ボルト（正または負）の範囲の電界電圧が見出され、依然として受け入れられないミスト化をもたらす中間ゾーンを表わす。電界電圧がベルト１０８の表面上で測定されたときに、電界電圧が約マイナス（または負の）２５ボルト〜約プラス（または正の）２５ボルトの範囲にあることが見出された参照番号５２０は、フェイスプレート汚染を実質的に低減または排除することが見出された。

図４
図４に描写した層２０の実施形態は、選択高分子成分３０、任意選択の導電性構成要素または充填剤４０、任意選択の可塑剤５０、及び任意選択のレベリング剤６０を備えることが分かる。部分的導電層またはコーティング２０は、約５〜約３０ミクロンの範囲の厚さ、または約１０〜約１５ミクロンの範囲の厚さを有する。ベルト１０８用の導電層２０の成分について、ここでさらに詳細に説明する。

ポリエステルの例
導電性コーティング２０に含まれるポリエステルの例には、ＶＩＴＥＬ（登録商標）１２００Ｂ（Ｔｇ＝６９℃、Ｍｗ＝４５，０００、エチレングリコール製のポリエステル共重合体、ジエチレングリコール、テレフタル酸、及びイソフタル酸）、３３００Ｂ（Ｔｇ＝１８℃、Ｍｗ＝６３，０００）、３３５０Ｂ（Ｔｇ＝１８℃、Ｍｗ＝６３，０００）、３２００Ｂ（Ｔｇ＝１７℃、Ｍｗ＝６３，５００）、３５５０Ｂ（Ｔｇ＝マイナス１１℃、Ｍｗ＝７５，０００）、３６５０Ｂ（Ｔｇ＝マイナス１０℃、Ｍｗ＝７３，０００）、２２００Ｂ（Ｔｇ＝６９℃、Ｍｗ＝４２，０００、エチレングリコールから作った共重合ポリエステル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、テレフタル酸、及びイソフタル酸）、２３００Ｂ（Ｔｇ＝６９℃、Ｍｗ＝４５，０００）などの芳香族ポリエステル共重合体が含まれ、すべてはウィスコンシン州ミルウォーキーに本社を置く国際的に知られている接着剤会社のＢｏｓｔｉｋから市販されている。（略号Ｍｗは重量平均分子量を表し、略語Ｍｎは数平均分子量を表わす）。表面コーティング２０は、可塑剤成分５０ならびにレベリング剤成分６０を含んでもよいと考えられおり、両方とも任意選択である。

導電性構成要素または充填材の例
本発明者らは、本明細書に開示されている部分的導電性コーティング２０に含めるのに適した市販の導電性構成要素または充填材４０の有用な例には、例えばグラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、及びグラフェンなどのカーボンブラックならびにほとんどの他の形態のカーボンが含まれることを見出し、金属酸化物または混合金属酸化物、及びポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの導電性高分子も有用であることを見出した。

可塑剤成分の例
本明細書に開示される部分的伝導性面コーティング２０に含めるのに適した市販の可塑剤成分の例には、ジエチルフタレート（ＤＥＰ）、ジオクチルフタレート、ジアリルフタレート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、ジ−２−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジ−２−プロピルヘプチルフタレート、ジイソデシルフタレート、及びジ−２−エチルヘキシルテレフタレート、ならびにいくつかの他の既知の適切な可塑剤成分が含まれる。

レベリング剤の例
本明細書に開示される部分的伝導性面コーティング２０に含めるのに適した市販のレベリング剤成分の例には、商品名ＢＹＫ（登録商標）３１０（キシレン中、約２５重量パーセント）及びＢＹＫ（登録商標）３７０（重量パーセント７５／１１／７／７のキシレン／アルキルベンゼン／シクロヘキサノン／モノフェニルグリコール中に約２５重量パーセント）を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、商品名ＢＹＫ（登録商標）３３３、ＢＹＫ（登録商標）３３０（メトキシプロピルアセテート中に約５１重量パーセント）及びＢＹＫ（登録商標）３４４（重量％で８０／２０のキシレン／イソブタノール中に約５２．３重量％）、ＢＹＫ（登録商標）−ＳＩＬＣＬＥＡＮ３７１０及び３７２０（メトキシプロパノール中に約２５重量パーセント）を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、商品名ＢＹＫ（登録商標）−ＳＩＬＣＬＥＡＮ３７００（メトキシプロピルアセテート中に約２５重量％）を有するポリアクリレート変性ポリジメチルシロキサン、または商品名ＢＹＫ（登録商標）３７５（ジプロピレングリコールモノメチルエーテル中に約２５重量％）を有するポリエステルポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが含まれ、これらはすべて、ドイツのヴェーゼルにある器具及び添加物成分のグローバルサプライヤーであるＢＹＫケミカルから入手可能である。

支持層１５として好適な高分子の例
支持基板層１５として好適な市販の高分子物質の例には、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、及びポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）などのポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニルスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリビニルハライド、ポリオレフィン、及びそれらの混合物及び組み合わせが含まれる。

媒体搬送ベルト１０８を作成する例示的な方法
本発明者らの新規の媒体搬送ベルト１０８を作成する例示的な方法は、ベルトとして働くために、基板層１５として適切な基板を選択し、こうして選択された基板を所望の幅及び長さの細長いストリップに形成することと、ここで細長いストリップは、ストリップが適切な長さの細長い基板層として働くように所望の厚さを有し、細長いストリップは対向端部を有し、上記の予め選択された成分から、好ましくは分散液の形で、部分的導電性配合物を配合することと、この分散液は、一方の端部から他方の端部にかけて細長い基材層の上面をコーティングするために使用されてもよく、好ましくは押し出しによって、一方の端部から反対側の端部まで、細長い基板層の上面全体に分散液を塗布することと、基板層の全長に沿って上面上に部分的導電性コーティングを形成するために、分散液を乾燥または硬化させることと、媒体搬送ベルトが、内面及び表面コーティングによって提供される導電性または部分的導電性外面とを有するように、好ましくは溶着によって、またはそうでなければ基板層の端部を一緒に接合することにより、エンドレスの媒体搬送ベルトを作成するために、好ましくは超音波溶着によって、コーティングされた基板層をエンドレスベルトに作り上げることと、好ましくは所定のパターンで穿孔することにより、ベルトを貫通する複数の開口を形成することと、を含む。

本発明者らの新規のエンドレスフレキシブル継ぎ合わせベルトを作成するために、上記に開示され、かつ説明された本発明の方法に加えて、米国特許第５，９９７，９７４号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、当業者に知られている同様のエンドレスフレキシブル継ぎ合わせベルトを作成するための別の方法を開示しており、それぞれは、その機械的（すなわち、構造的）完全性及びその電気的連続性を維持するためのベルトを可能にするために異なるいわゆる「目に見えない」継ぎ目を使用している。

以下の例は、支持基板１５をコーティングするための分散液を生成するために使用される成分を列挙する。

プロセス
２つの２０Ｌ（２０リットル）のカーボイを、２８ポンドの平滑面４４０Ｃステンレス鋼ショット、ＥＭＰＥＲＯＲ（登録商標）１２００カーボンブラック、ＢＹＫ（登録商標）３３３レベリング剤、ジエチルフタレート、及び塩化メチレン溶媒で満たした。次に、各カーボイを間隔を置いた２つのローラ対の間に配備し、カーボイを回転させるために１つのローラをモータで駆動し、それによりカーボンを分散させる目的でステンレス鋼ショットを転がし攪拌させる。このミリングプロセスは８時間行われた。ミリング後、両方のカーボイの内容物を撹拌容器に加え、次いで塩化メチレン溶液中の１０重量％ＶＩＴＥＬ（登録商標）１２００Ｂで希釈した。

最終コーティング組成物は、塩化メチレン中に、ＥＭＰＥＲＯＲ（登録商標）１２００カーボンブラック／ＶＩＴＥＬ（登録商標）１２００Ｂポリエステル共重合体／ＢＹＫ（登録商標）３３３レベリング剤／ジエチルフタレート可塑剤を含んだ（これらの固体の重量ベースの値は、４７．４／４７．４／０．５／４．７で）。上記のように、これは１２．００５総重量％の固形分であった。

ベルト作成に適した溶媒
本明細書で開示するベルトの種類を作成するために使用される溶媒の要件は以下の通りである：溶媒は、バインダー、すなわち使用されるポリエステル高分子を溶解することができなければならず、溶媒が蒸発するのを可能にする目的で、溶媒は溶媒含有成分の乾燥を促進するのに十分な十分低い沸点を有しなければならない。ポリエステル結合は有極性であるので、溶媒は有極性である好ましい。かくして、適切なクラスの溶媒には、塩素酸塩有機物（すなわち、塩化メチレン）、エーテル（直鎖またはテトラヒドロフランのような循環性）、酢酸エチルなどの他のエステル、及びモノクロロベンゼン、トルエン、及びトリフルオロトルエンのような芳香族化合物、ならびにテレフタル酸及びイソフタル酸を含むある種の二塩基酸が含まれる。

押し出しによる高分子基板への分散液のコーティング：
以下に、押し出しによって高分子基板の細長いストリップ上にコーティングを形成するために分散液を使用する例示的な方法を実際に示す。幅１８インチ、厚さ４ミルのＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）の工業用長さ２，０００フィートのロールで始めて、厚さ４ミルのＰＥＴシートの細長いストリップが得られた。（１ミル＝０．００１インチ）。分散液を、厚さ４ミルのＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）シートの細長いストリップの平坦な表面に押し出しによって塗布し、その後、非常に低い湿度で２６６°Ｆで約３〜約４分間にわたり一定期間乾燥させて、厚さ４ミルのＰＥＴの細長いストリップの平らな表面上に滑らかなコーティングを形成する。このようにして（ＰＥＴ上に）形成されたコーティングは、約１０ミクロンの厚さであり、約１．０×１０^４オーム／平方の表面抵抗率を有することが見出された。

超音波プロセスによるコーティングされた高分子基板シートの継ぎ目のあるベルトへの溶着：
以下の詳細な説明は、ループエンドレスベルトを形成するために、上述のようにコーティングされたＰＥＴの細長いストリップの対向する端部を一緒に接合するために使用した例示的な方法を実際に示す。

上記のベルト材料の長尺ストリップ（もともとは１８インチ＝４５７．２ｍｍ幅）は、その滑らかな表面上にコーティングされた上記の部分的導電性高分子材料を備え、上記の配合物でコーティングされた４５５ｍｍ幅の細長いストリップを生成するためにベルト材料の対向するエッジ余白に沿って長手方向に切断され、次いで、４４０ｍｍ幅のコーティングされたベルト材料の細長いストリップを生成するために、図２に示すように、コーティングされていないエッジ余白を生成するためにベルト材料の細長いストリップのエッジ余白からコーティングを除去した後、対向するエッジ余白に沿って長手方向に細長く切る。

次いで、ベルト材料の細長いストリップは、オーバーラップ様式でベルト材料の細長いストリップの対向する端部を一緒にすることによってループに成形される。

その後、高解像度カメラからなり、その出力は（長手方向の中心線に対して）互いから３００μｍ（マイクロメートル）以上に変化しないようにエンドレスループベルトのエッジ余白を調整するモータにフィードバック制御を提供する市販のエッジオフセット低減システムが、ベルトの全周にわたってエンドレスループの不規則性（円錐形の不規則性を記述するために当業者によって使用される用語である「コニシティ」などの）を最小にするために使用された。

この時点で、直径６５５ｍｍ（ミリメートル）で幅４４０ｍｍの閉じた円形ループとして特徴付けられる継ぎ目付きベルトを生成するために、ベルトのオーバーラップした端部は超音波溶着によって永久的に接合される。今回の用途では、新規メディア搬送ベルトの対向する端部を連続的に接合するために、市販のブランソン（Ｂｒａｎｓｏｎ）超音波溶着装置を使用し、オーバーラップした継ぎ目を生成した。

オーバーラップ領域に存在するコーティングを除去するために、以下のプロセスパラメータを選択した。具体的には、高分子基板の２つの端部の接合を容易にするために、基板材料の端部層間に閉じ込められたコーティング材料が溶着プロセス中に液体状態に加熱され、オーバーラップ領域から押し出され、優れた溶着が得られる。継ぎ目破断強度は５０ポンド／インチよりも大きいことが見出された。

オーバーラップの端部から押し出された材料は、次にベルトから除去された。その後、タイミングホール（図２参照）がベルトのエッジ余白を通して完全に形成された。

カット、スリット、オーバーラップ、最後に溶着のステップを含む本発明者らのプロセス（上記）は、ループベルトのエッジ余白がループベルトの全周にわたって約３００μｍ（マイクロメートル）以上に変化しない結果を得た。本明細書に記載された寸法精度は、高精度の移動及び位置合わせを備えた高速インクジェットプリンタに提供するために、ベルトのモジュラーシステムにおいてステアリングローラを制御する電動カムにフィードバックを提供するように設計された位置センサの組み合わせを備える、従来の高速インクジェットプリンタのアクティブステアリングシステムを可能にすることが見出された。

所定のパターンで継ぎ合わされたベルトを穿孔する：
上述のプロセスによって作成した継ぎ合わされたベルトは、その後、この目的のための専門家である第三者によって所定のパターンで穿孔され（すなわち、ベルトを完全に貫通して形成された開口を有し）、図２及び図３に示されるベルト１０８をもたらした。

動作において、媒体エッジの押さえをさらに改善するために、パターンに穴を追加する必要があることがわかった。交差プロセス方向の様々な位置で、プロセス方向の列のホールの数を二倍にするために、ホール間の距離を半分に減らした。二重密度の列の位置は、紙のような従来の媒体の様々なサイズについて、標準的な工学的実践を用いて決定された。ベルト開口密度の結果として生じた増加は、ベルト上の媒体のエッジ余白に関して媒体の真空効果を高めることがわかり、媒体のエッジ余白での持ち上がりまたはカールを減少させ、かつプリント品質のさらなる向上及び紙詰まりの低減をもたらした。したがって、当業者は、所望の押さえを達成するためにベルト開口密度をどのように変更するかを知るであろう。

コンセプトの証明
周囲条件での機械試験は、ベルトのコーティングされた表面上の静電界電圧において、約２５０ボルトの平均から約１５ボルト未満への低下を実証した。本発明者らが行った媒体搬送ベルトの予備試験では、インクジェットプリントヘッド環境を表わす、約５０°Ｆ及び２０％の相対湿度のゾーン「Ｊ」を通して約５，０００サイクルの試験後、顕著なプリントヘッドフェイスプレートのミストをもたらさなかった。また気づいたことは、汚れたインクジェットフェイスプレートに戻ってきた滴がなかったことで、フェイスプレート汚染をもたらさなかった。

ベルト１０８から電荷を連続的に消散
米国特許第９，１３２，６７３号で論じたように、例えば高速生産インクジェットプリントシステムの動作中に、生産インクジェットプリントシステムのサブシステムの構成要素である媒体搬送ベルト上に静電荷が蓄積されて見出され、そのような静電荷の蓄積は解決しなければならない問題をもたらす。

図１に示す媒体搬送ベルト１０８の内面２００は、上述のローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６のそれぞれと転がり接触している。２つの離間した従来のアクティブ帯電防止バー、ＡＢ１及びＡＢ２、が媒体搬送ベルト１０８を跨いで示されており、同じく複数の従来の市販されている従来型受動的カーボンブラシ、例えば、受動的カーボンブラシＣＢ１、ＣＢ２、ＣＢ３及びＣＢ４が、媒体搬送ベルト１０８の内面２００に沿って既知の方法で配列して示されており、媒体搬送ベルト１０８の内面２００上に蓄積されたまたは存在するかもしれない誘起された静電気または他の電荷を消散させるためのものである。

また、従来のバッフルが図１に示されており、それは媒体、例えば紙がベルト１０８上に存在しないときに媒体吸い込み領域への真空を隔離する働きをする。その間にニップを形成し、ニップ内の媒体シートを捕捉し、かつその後各媒体シート（図示せず）を媒体搬送ベルト１０８の外面３００上に押し付けるために協働して回転するようにローラＲ１及びＲ６を使用し、媒体搬送ベルト１０８が（Ｒ１とＲ６によって提供される）ニップからプリントゾーン１０４に媒体を搬送することを可能にするために、ローラＲ１はローラＲ６に隣接して位置する。ローラＲ１、Ｒ６（図１）のすぐ左側の領域は、こうして媒体取り入れゾーンと呼ばれてもよい。

媒体搬送ベルト１０８の外面３００と転がり接触するローラＲ４は、（ここで開示し詳細に説明する）電気回路の構成要素である。協業により発見されたこの電気回路は、媒体搬送ベルト１０８の外面３００から電荷を消散させるのを可能にするために非常に有用であることが見出され、前述の「ミスト化」及び「サテライト滴」の問題を実質的に排除し、クリーンなインクジェットフェイスプレートをもたらし、かつ顕著な誤った方向のインクジェット滴を生じさせない。

上述したように、媒体搬送ベルト１０８（図１）の外面３００でもある新規の媒体搬送ベルト１０８（図４）の上層２０は、伝導性面を提供する。（本開示において、表面を「部分的伝導性」と特徴付けることは、「導電性」または単に「伝導性」と解釈され、電子を放出することができることを意味し、そのため存在する任意の電荷は回路によって接地に消散される。）

媒体搬送ベルト１０８の外面３００と転がり接触するとして図１に示されたローラＲ４は、導電性であるように設計され、したがって、導電性の鋼製外面が設けられている。

外面３００から電荷を消散することが可能であることを見出した電気回路に関してのより詳細については、図６を参照されたい。

媒体搬送ベルト１０８について、上述の電界（図５）は、本発明の媒体搬送システム１００（図１）のプラテン１１２（及び他の構成要素）にわたるベルト１０８の内面２００の動きによって発生される。概して、このように発生された電界が所望の絶対値レベル（図５）を維持するようにするには、ベルト１０８の外側伝導性面３００（図１）は、静電荷の蓄積ができるだけ速く、または発生されるより速く消散するのを可能にするのに十分低い抵抗率を所有しなければならないことを見出した。本発明者らが維持しようとしたベルト動作の線形速度について、本発明者らの求めた＋／−２５ボルト（またはそれ以下）の電界値を達成するために、ベルト１０８の外側伝導性面３００の抵抗率値は、約１０^５オーム／平方未満でなければならないことを決定した。実験用伝導性コーティングの抵抗値を修正するため、実験用コーティングの抵抗値を１０^８オーム／平方から１０^５オーム／平方に変更するために本発明者らは実験用コーティング分散液により多い炭素を追加した。当業者は、所望の値を達成するために本発明者らの配合例をどのように修正するかを知っているべきである。

ベルト１０８のメンテナンス
輸送システム１００の多くの動作構成要素の一部分６００（図１には示されていない）を図６に見ることができ、それは、等角図で、媒体移送システム１００の特定の構成要素を描写し、ローラＲ４及びＲ５は離れて展開して示され、媒体搬送ベルト１０８は媒体搬送システム１００から取り外されている。

ベルト１０８の側面図を描写する媒体搬送システム１００（図１）の概略図から、ベルト１０８がローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５及びＲ６に取り付けられるとき、ローラＲ４及びＲ５が通常の間隔のあいた関係で描写されていることに留意されたい。

しかしながら、当業者が認識しているように、時々媒体搬送ベルト１０８を交換する必要があるので、ベルトのメンテナンスまたは交換がどのように達成され得るかを当業者が心に描くことを可能にするために、図６に描写するように、媒体搬送システム１００の少数のいくつかの構成要素をここで簡単に論じる。（接地された）フェイスプレート６０６に枢動可能に取り付けられたラッチカバー６０４が図６に描写されている。さらに、ラッチ機構６０８がクロスバー６１０に固定されて示されている。軸受け（図示せず）に回転可能に取り付けられた鋼製フェイスローラＲ４もまた図６にも示されており、取り付けフレーム６１２内に長手方向に配備されている。導電性でローラＲ４に電気的に接続されたローラＲ４用の軸受け（図示せず）が、ローラＲ４がベルト１０８の伝導性面と転がり接触することを可能にするためにフレーム６１２に取り付けられ、ベルト１０８の伝導性面を、クロスバー６１０に固定され、かつそれと電気的に接触するフレーム６１２と電気的に接触させる。同様の軸受けが米国特許第６，５９４，４６０号に開示され、かつ説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

クロスバー６１０は、構造アセンブリ６２０に固定され、バックプレート６３０に対して伸縮可能である。上述した電気回路は、クロスバー６１０が構造アセンブリ６２０に、ならびにバックプレート６３０に電気的に接続されることを可能にする。また、バックプレート６３０は接地されているので、クロスバー６１０、構造アセンブリ６２０、及びバックプレート６３０からなる上述の電気回路の結果として、ローラＲ４も同様に接地される。こうして、電気回路は、以下の回路要素：鋼製フェイスローラＲ４に電気的に接続され、それは上述した軸受に電気的に接続され、それはフレーム６１２に電気的に接続され、それはクロスバー６１０に電気的に接続され、それは構造アセンブリ６２０に電気的に接続され、それはバックプレート６３０に電気的に接続され、それは接地される、媒体搬送ベルト１０８の外面３００（ここに電荷蓄積が生じる）によって説明されてもよい。こうして、媒体搬送ベルト１０８の外面３００上に蓄積する、静電気またはその他の任意の電荷は、説明した電気回路によって消散される。

取り付けフレーム６１２は、（図１に示唆され、図７でより明確に示されている）平行な長手方向軸の周りに回転可能に配置されたローラＲ４及びＲ５が離れて展開し、それにより、図６に示すように、クロスバー６１０がフェイスプレート６０６に対して下降した後に、それらの間に鋭角を形成することを可能にするように、軸線Ｘ−−Ｘの周りで枢動可能である。ベルト１０８は、メンテナンスのために取り外され、図６には示されていない。したがって、図６に描写されるように、クロスバー６１０を下げた状態で、ベルト１０８の交換バージョンまたは修理済みバージョンのいずれかは、図１に概略的に示すように、当業者によってローラＲ２、Ｒ３、Ｒ５、Ｒ６上に取り付けられてもよく、そして、クロスバー６１０をフェイスプレート６０６に固定するために使用されるラッチカバー６０４までラッチ機構６０８を持ち上げるために、クロスバー６１０はフェイスプレート６０６に向けて持ち上げられてもよく、その結果、図１に概略的に描写され、かつ図７によって提供される断面図により詳細に描写されるように、媒体搬送ベルト１０８を間に有して、ローラＲ４とＲ５が動作可能な関係になることをもたらす。

産業上の利用可能性
添付図面によって図示され、本明細書で詳細に説明される媒体搬送システム１００は、Ｂｒｅｎｖａインクジェットプログラムの多くの設計の１つに過ぎない。

代替、変更及び修正
高速インクジェットプリント機での使用のために図示され説明されてきたのは、媒体取り入れゾーンから、かつその後にプリントジョブゾーンを通る経路に沿って媒体の複数のシートを順次搬送する新規の装置である。本発明を様々な例示的実施形態を参照して図示し、かつ説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。それどころか、前述の説明を読めば、代替、変更または修正が当業者には明らかであろう。したがって、そのような代替、変更、及び修正は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある限り、本発明の一部を形成するものとみなされるべきである。

Claims (10)

1. 媒体取り入れゾーンから、かつその後にプリントゾーンを通って延在するプロセス経路に沿って媒体の複数のシートを順次搬送するシステムにおいて、
   電気的に接地されたベースと、
   前記ベースに電気的に接続された支持部材と、
   一方が導電性外面であり、他方が内面である２つの連続する面を有する閉ループに形成されたベルトと、
   前記ベースと、前記支持部材と、前記ベルトの前記導電性面を前記支持部材に電気的に接続するための手段と、を備える、電気回路と、を備え、
   前記電気回路は、前記ベルトの外面上の電荷が消散されることをもたらし、それによって、前記プリントゾーンを通過する媒体上にインクが噴射されるとき、インクジェットフェイスプレートには実質的にインク滴が残らない、装置。
2. 前記ベルトに、前記媒体取り入れゾーンから、かつその後に前記プリントゾーンを通る前記経路に沿って前記ベルトの外面上の媒体を搬送させるための手段をさらに含む、請求項１に記載の装置。
3. 前記ベルトの前記導電性面を前記支持部材に電気的に接続するための前記手段は、
   前記ベルトの前記導電性面に電気的に接続されたローラと、
   前記鋼製ローラのための軸受けと、を含み、
   前記軸受けは前記ローラならびに前記支持部材に電気的に接続される、請求項１に記載の装置。
4. 前記ベルトの前記導電性面に電気的に接続された前記ローラは、鋼製ローラである、請求項３に記載の装置。
5. 前記ベルトの導電性面上に媒体シートを平坦に保持するために真空源を使用することを可能にするために、前記ベルトは開孔されている、請求項１に記載の装置。
6. 前記ベルトは、支持層と、前記支持層上の導電層と、を備える、請求項１に記載の装置。
7. 前記導電層は、前記支持層上にあるとき、約１０１〜約１０６オーム／平方の表面抵抗率を有する、請求項６に記載の装置。
8. 前記導電層は、
   高分子成分と、
   任意選択の導電性成分と、
   任意選択の可塑剤成分と、
   任意選択のレベリング剤成分と、を含む、請求項６に記載の装置。
9. 前記高分子成分は、ポリエステルである、請求項８に記載の装置。
10. 前記支持層は、熱可塑性または熱硬化性である、請求項６に記載の装置。