JP2018202720A - 記録媒体及び記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Yuka Tanaka
有佳 田中
哲朗 野口
Tetsuro Noguchi
哲朗 野口
直也 八田
Naoya Hatta
直也 八田
和彦 荒木
Kazuhiko Araki
和彦 荒木
翔一 竹田
Shoichi Takeda
翔一 竹田
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】インク吸収性、耐傷性、粉落ち抑制を達成し、かつ光沢及び発色性を得ることができる記録媒体を提供すること。
【解決手段】インク受容層上に、気相法シリカ及びコロイダルシリカを含む最表層を設けた記録媒体において、最表層中の気相法シリカ粒子とコロイダルシリカ粒子にシランカップリング剤を縮合により結合させて、これらの粒子間に架橋を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は記録媒体及び記録媒体の製造方法に関する。
インクジェット記録装置は、種々の用途に利用されるようになってきており、製版方式による多色印刷やカラー写真方式によるカラープリントと比較しても遜色のない多色画像の形成にも用いられている。多色のインクでの色鮮やかな画像の形成に用いる記録媒体には、多量のインクの打ち込みに対応できる吸収性、発色性及び光沢が求められる。更に、これらの特性を得るためにインクを受容する層の少なくとも最表層に無機粒子を添加した記録媒体が知られている。このように最表層に無機粒子を添加した記録媒体の場合には、傷を気にせずハンドリング可能な耐傷性や、受容層が剥がれ落ちて画像を汚さないよう粉落ち抑制も要求される。
特許文献1には、耐水性支持体の片面に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を有し、該インク受容層上の最上層に気相法シリカおよびコロイダルシリカ(またはγ−アルミナ)を4:6〜0.5:9.5の割合で含むインクジェット記録材料が記載されている。特許文献1には、上記構成により、インク吸収性、光沢性、印字濃度、膜面強度等を同時に満足できるインクジェット記録材料を提供することができるとの記載がある。
特許文献2には、最表層にコロイダルシリカおよびシランカップリング剤、特に、アミノシラン系カップリング剤を含むインクジェット記録用シートが記載されている。特許文献2には、上記構成の最表層を設けることによって、インクジェット記録用シートの表面強度を向上させることができるとの記載がある。
特許文献3には、耐水性支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設け、インク受容層が気相法シリカおよびシランカップリング剤を含むインクジェット記録用シートが記載されている。引用文献3には、この構成によって、光沢性及びインク吸収性の何れの性能も優れているインクジェット記録用シートが得られるとの記載がある。
特開2006−110870号公報 特開2004−58360号公報 特開2000−233572号公報
本発明者らはインク受容層上に気相法シリカやコロイダルシリカ等の無機微粒子を含有する最表層を設けた記録媒体において、インク吸収性、発色性及び光沢に加えて、耐傷性及び粉落ち抑制に関する特性も満足できる記録媒体について検討した。しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1〜3に記載の記録媒体では、大量のインクの打つ込みに対応可能であり、かつ上述した特性を全て満たす記録媒体を得ることができない場合があった。
したがって、本発明の目的は、インク吸収性、耐傷性、粉落ち抑制を達成し、かつ光沢及び発色性の良い記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明にかかる記録媒体は、
基材上に、インク受容層と最表層をこの順に有する記録媒体であって、
前記最表層は、気相法シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤の縮合体を含むことを特徴とする。
更に、本発明にかかる記録媒体の製造方法は、
基材上に、インク受容層と最表層をこの順に有する記録媒体の製造方法であって、
前記基材上に設けたインク受容層の上に、気相法シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤を含む塗工液により塗工層を形成する工程と、
該塗工層から、前記気相法シリカ、前記コロイダルシリカ及び前記シランカップリング剤の縮合体を含む最表層を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、インク吸収性、耐傷性、粉落ち抑制を達成し、かつ光沢及び発色性の良い記録媒体を提供することができる。
本発明者らが鋭意検討したところ、インク吸収性、耐傷性、粉落ち抑制、光沢及び発色性をすべて達成するためには、記録媒体の最表層が、シランカップリング剤、気相法シリカ及びコロイダルシリカの縮合体を含有することが有効であることが分かった。
すなわち、本発明者らの検討によると、無機粒子が気相法シリカとコロイダルシリカのみよりなる最表層であっても、インク吸収性を大きく低下させることなく耐傷性をある程度は向上させることはできた。
しかし、上記構成の最表層においてはコロイダルシリカが脱落しやすく、粉落ちの課題があった。特に、多数枚をプリンターで搬送する際に、プリンターのローラーにコロイダルシリカが付着して摩擦を減じ、紙送りに支障をきたす場合があった。
本発明者らの鋭意検討によると、気相法シリカとコロイダルシリカの組合せに対してシランカップリング剤を追加することで、他の特性を損なうことなく上述した粉落ちの課題が改善された。この理由は定かではないが、シランカップリング剤がコロイダルシリカ及び気相法シリカの双方の表面水酸基と縮合し、コロイダルシリカがシランカップリング剤を介して気相法シリカに対してより強固に固定されるためと推定している。またその結果、コロイダルシリカの脱落による粉落ちを抑制できたと考えられる。尚、本発明において、粉落ちとは、指や黒紙等で一定荷重をかけて記録媒体の表面をこすった際に、記録媒体の表面近傍に存在する無機粒子の一部が脱離して、脱離した無機粒子が指や黒紙に付着する現象を指す。
また、シランカップリング剤の添加により、粉落ち防止効果に加えて、インク吸収性についても気相法シリカとコロイダルシリカのみの組み合わせでは見られなかった向上効果が見られた。このインク吸収性の向上効果は、シランカップリング剤による以下の作用によるものと本発明者らは推定した。
まず、気相法シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤を含む塗布液が乾燥する際に、シランカップリング剤またはその凝集物の、気相法シリカ及びコロイダルシリカの両方との縮合によるこれらの架橋反応が進行する。その結果、気相法シリカとコロイダルシリカを含む軟凝集物が発生する。この軟凝集物の発生によりインク吸収に寄与する細孔の生成が進み、インク吸収性の向上効果を得ることができる。
以上のようなメカニズムによって、最表層に含まれる各成分の作用が相乗的に効果を及ぼし合い、本発明の効果を達成することが可能となる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
[記録媒体]
本発明にかかる記録媒体は、基材と、インク受容層と、最表層を有する。本発明の記録媒体は、インクジェット記録用であることが好ましい。
本発明においては、記録媒体のJIS P 8149:2000で規定される不透明度が97%以上であることが好ましい。
以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるものや、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、基紙が樹脂で被覆されているものが挙げられる。本発明においては、基紙と樹脂層を有する基材を用いることが好ましい。その場合、樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。
(基紙)
基紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙されたものを利用することができる。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
基紙の膜厚は、50μm以上130μm以下であることが好ましく、更には、90μm以上120μm以下であることがより好ましい。尚、本発明において、基紙の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基紙の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基紙の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
(樹脂層)
基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、樹脂層の膜厚は、20μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、樹脂層の膜厚は、35μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚がそれぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。ポリオレフィン樹脂の具体的としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m以上30g/m以下であることが好ましい。尚、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、2つの樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の、白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。25質量%より大きいと、白色顔料の分散安定性が十分に得られない場合がある。
<インク受容層>
インク受容層は単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。また、インク受容層は、基材の片面のみに設けられてもよく、基材の両面に設けられてもよい。インク受容層は両面に設けられていることが好ましい。基材の片面における、インク受容層の膜厚は、15μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、30μm以上45μm以下であることがより好ましい。
以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(無機粒子)
インク受容層は無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子の平均一次粒子径は、50nm以下が好ましい。更には、1nm以上30nm以下がより好ましく、3nm以上10nm以下が特に好ましい。無機粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって観察したときの無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、0.1nm以上500nm以下が好ましく、更には、1.0nm以上300nm以下がより好ましく、10nm以上250nm以下が特に好ましい。尚、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
インク受容層中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。
インク受容層を形成する際に塗布する無機粒子の塗布量(g/m)は、8g/m以上45g/m以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、好ましいインク受容層の膜厚となりやすい。
無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるアルミナ水和物、アルミナ及びシリカの少なくとも1種を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、粒子の形態であることを明記していない場合でも、アルミナ水和物、アルミナ、気相法シリカ、コロイダルシリカとの記載は、これらが粒子の形態を採っていることを意味する。
インク受容層に用いるアルミナ水和物としては、
一般式(X):Al3−n(OH)2n・mH
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3であり、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下である。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
により表されるものを好適に用いることができる。尚、mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でなくてもよい。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0となり得る。
アルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、ギブサイト型、ベーマイト型が知られている。尚、アルミナ水和物の結晶構造は、X線回折法によって分析することができる。これらの中でも、ベーマイト型のアルミナ水和物又は非晶質のアルミナ水和物が好ましい。記録媒体のインク受容層用として公知の、あるいは記録媒体のインク受容層用として利用し得る公知のアルミナ水和物を用いることができる。また、市販品としてはDisperal HP14、HP18(以上、サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明におけるBET法での比表面積の値は試料に吸着させる分子として、窒素分子をガス状で用いた場合の測定値である。
インク受容層に用いるアルミナとしては、気相法アルミナが好ましい。気相法アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを挙げることができる。これらの中でも、画像の光学濃度やインク吸収性の観点から、γ−アルミナを用いることが好ましい。気相法アルミナの具体例としては、AEROXIDE;Alu C、Alu130、Alu65(製品名、以上、EVONIK製)などを挙げることができる。
気相法アルミナのBET法で求められる比表面積が50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、150m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。
また、気相法アルミナの平均一次粒子径は、5nm以上が好ましく、11nm以上がより好ましく、30nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。
アルミナ水和物及び/またはアルミナは、水分散液としてインク受容層用塗工液に混合することが好ましく、その分散剤として酸を使用することが好ましい。酸としては、
一般式(Y):R−SO
(一般式(Y)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルケニル基の何れかを表す。Rは、オキソ基、ハロゲン原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、及び炭素数1以上4以下のアシル基で置換されていてもよい。)
で表されるスルホン酸を用いることが、画像の滲みを抑制する効果が得られるため好ましい。酸の含有量は、アルミナ水和物及び/またはアルミナの合計の含有量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以上1.6質量%以下であることがより好ましい。
シリカの製法は湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。インク受容層用としては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性が特に高く、また、屈折率が低いので、インク受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(製品名、日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(製品名、トクヤマ製)などが挙げられる。
気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上350m/g以下であることがより好ましい。
気相法シリカは、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、50nm以上300nm以下であることがより好ましい。尚、分散状態での気相法シリカの粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
アルミナ水和物、アルミナ及びシリカの2種以上を混合して使用してもよい。具体的には、アルミナ水和物、アルミナ及びシリカから選択される少なくとも2種を、粉体状態で混合、分散して分散液とする方法が挙げられる。
(バインダー)
インク受容層はバインダーを含有することが好ましい。バインダーは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料である。
インク吸収性の観点から、インク受容層中の、バインダーの含有量が、無機粒子の含有量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、インク受容層の結着性の観点から、上記比率は、5.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましい。
バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、及びポリビニルアルコール、並びに、それらの誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;上記の重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;カチオン基を用いて上記重合体をカチオン化したもの;カチオン性界面活性剤を用いて上記重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダー;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
上記したバインダー用の材料の中でも、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の少なくとも1種を用いることが好ましい。
ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、第1〜3級アミノ基または第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化して合成することができる。ポリビニルアルコールのけん化度としては、80mol%以上100mol%以下が好ましく、85mol%以上98mol%以下がより好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、JIS−K6726の方法で測定した値を用いることができる。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、2,000以上が好ましく、2,000以上5,000以下がより好ましい。尚、本発明において平均重合度は、JIS−K6726の方法で求めた粘度平均重合度を用いるものとする。
インク受容層用塗工液を調製する際は、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の少なくとも1種を水溶液として使用することが好ましい。その際、水溶液中のポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の少なくとも1種の固形分の含有量は、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
(架橋剤)
インク受容層は更に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体の少なくとも1種を用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、ホウ酸やホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩が好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の観点から好ましい。
架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜調整することができる。インク受容層中の、架橋剤の含有量はバインダーの含有量に対して、1.0質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
更に、バインダーがポリビニルアルコールであり、架橋剤がホウ酸及びホウ酸塩から選択される少なくとも1種である場合には、インク受容層中の、ポリビニルアルコールの含有量に対する、ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも1種の含有量が、5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
<最表層>
インク受容層上に設けられる最表層は、シランカップリング剤、気相法シリカおよびコロイダルシリカを含有する。更に、シランカップリング剤の少なくとも1部は、気相法シリカ及びコロイダルシリカの両方と縮合して、これらの縮合体を形成している。この縮合体は、シランカップリング剤、気相法シリカおよびコロイダルシリカの反応から得ることが好ましい。
シランカップリング剤は、加水分解によってシラノ−ル(Si−OH)を生成した後、シラノ−ルどうしが徐々に縮合してシロキサン結合(Si−O−Si)が生じ、シランオリゴマーを形成する。シランカップリング剤から得られるシラン化合物及び/またはそのオリゴマーが気相法シリカ及びコロイダルシリカとも脱水縮合し、縮合体が形成される。
また、最表層の乾燥塗工厚は目的とする効果を得ることができるように設定すればよく、特に限定されない。例えば、最表層の乾燥塗工厚は0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。0.5μm以上であると、記録媒体表面にコロイダルシリカ量を確保でき、十分な耐傷性および光沢を得ることができる。また、5μm以下であると、コロイダルシリカ量が過剰にならず、十分な発色性を得ることができる。
更に、気相法シリカとコロイダルシリカの質量比が40:60以上95:5以下であることが好ましい。40:60以上であると、コロイダルシリカ量が過剰にならず、十分なインク吸収性及び発色性を得ることができる。95:5以下であると、記録媒体表面にコロイダルシリカ量を確保でき、十分な耐傷性、粉落ち抑制および光沢を得ることができる。なお、最表層は、インク受容層としても機能する。そのため、最表層を第二のインク受容層、最表層の下にあるインク受容層を第一のインク受容層として規定することもできる。すなわち、本発明に係る記録媒体は、基材上に、第一のインク受容層と、最表層である第二のインク受容層と、をこの順に有する記録媒体である、とも説明することができる。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては、インク受容層あるいは最表層用の材料として利用でき、かつ気相法シリカ粒子とコロイダルシリカ粒子の両方に縮合により結合し、これらを架橋する架橋剤として作用するものであれば特に制限無く利用できる。
シラカップリング剤としては、気相法シリカ粒子の表面及びコロイダルシリカ粒子の表面にあるSiと結合して−Si−O−Si−結合を形成できる加水分解性基または水酸基を2以上有するシランカップリング剤が用いられる。
このようなシランカップリング剤としては、以下の一般式(1)で表される加水分解性有機シラン化合物及びその加水分解物の少なくとも1種を用いることが好ましい。
一般式(1):RSiX4−p
(Rは非加水分解性基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表し、pは1または2である。pが2の場合における複数のRはそれぞれ独立して前記の意味を表す。複数のXはそれぞれ独立して前記の意味をあらわす。)
Rとしては、置換基を有してもよい炭化水素基を挙げることができる。この炭化水素基は、Siと結合している基であり、この炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基およびアリール基等を挙げることができる。アルキル基としては炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。アルケニル基としては炭素数2または3のアルケニル基が好ましい。アリール基としてはフェニル基が好ましい。
R中の炭化水素基の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキニル基、アラルキル基、アミノ基、ジアミノ基、エポキシ基、メルカプト基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、クロル基、シアノ基、イソシアネート基、エポキシシクロヘキシル基、アミノエチルアミノ基、オクタデシルジメチルアミノ基等が挙げられる。
Rの炭化水素基の置換基としてのアルキル基、アラルキル基のアルキル基及びジアルキルアミノ基のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基を挙げることができる。
Rの炭化水素基の置換基としてのアリール基、アラルキル基のアリール基、アリールアミノ基のアリール基としては、フェニル基を挙げることができる。
Rの炭化水素基の置換基としてのアルケニル基、アルキニル基としては、炭素数2または3のアルケニル基、炭素数2または3のアルキニル基を挙げることができる。好ましいアルケニル基としてはビニル基を挙げることができる。
Rの炭化水素基の置換基(Rが2つある場合にはその少なくとも一方)としては、アミノ基またはアミノ基を有する置換基であることが、発色性の観点から好ましい。
Rは、炭素数2以上20以下の非加水分解性基であることが好ましい。
Xとしての加水分解性基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、ハロゲン、アシルオキシ基及びアリールオキシ基から選択される加水分解可能な置換基を挙げることができる。このアシルオキシ基としては、アセトキシ基を挙げることができる。
Xとしてのアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基のアルコキシ基としては、炭素数1〜3、好ましくは炭素数1または2のアルコキシ基を挙げることができる。Xとしてのアシルオキシ基のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基を挙げることができる。Xとしてのアリールオキシ基のアリール基としてはフェニル基を挙げることができる。
Xとしてのハロゲンとしては、クロル基を挙げることができる。
一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物及びその加水分解物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライドなどのジアルコキシシラン化合物、ジアシルオキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物、トリアシルオキシシラン化合物、トリフェノキシシラン化合物ならびにその加水分解物が挙げられる。これらの加水分解性シラン化合物は単独であるいは2種以上混合して使用しても良い。
シランカップリング剤の添加量は、最表層中の全固形分に対して0.2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。0.2質量%以上であると、気相法シリカやコロイダルシリカとの架橋が進み、十分なインク吸収性、耐傷性、粉落ち抑制を得ることができる。また、15質量%以下であると、インク吸収性が過剰にならずインクに含まれる色材が記録媒体のより表層に留まるため、十分な発色性を得ることができる。
最表層が含有する縮合体は、下記一般式(2)で表される縮合体を含むことが好ましい。
Figure 2018202720
(一般式(2)において、tは自然数であり、Rは非加水分解性基、Xは水酸基または加水分解性基を表す。pは1または2であり、pが2の場合における複数のRはそれぞれ独立して前記の意味を表し、複数のXはそれぞれ独立して前記の意味をあらわす。*は気相法シリカ粒子の表面との結合を、**はコロイダルシリカ粒子の表面との結合を表す。)
上記一般式(2)におけるRとしての非加水分解性基及びXとしての加水分解性基は、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物により導入することができる。従って、上記一般式(2)におけるRとしての非加水分解性基及びXとしての加水分解性基としては、先に一般式(1)において説明した各基を挙げることができる。
一般式(2)におけるtは、1、2または3であることが好ましい。
(気相法シリカ)
最表層用としての気相法シリカとしては、先にインク受容層用としてあげた気相法シリカを用いることができる。
最表層用の気相法シリカも、分散剤によって分散されている状態で、最表層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、50nm以上300nm以下であることがより好ましい。尚、分散状態での気相法シリカの粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
(コロイダルシリカ)
最表層用としてのコロイダルシリカとしては、球状コロイダルシリカが、特に耐傷性および粉落ち抑制に効果が高く、更に、より高い透明性により画像の発色性が高まるため好ましい。ここでいう「球状」とは走査型電子顕微鏡によって観察したときのコロイダルシリカ粒子(50個以上100個以下)の平均長径aと平均短径bの比b/aが0.80以上1.00以下の範囲に入ることを意味する。b/aは0.90以上1.00以下がより好ましく、0.95以上1.00以下が特に好ましい。
コロイダルシリカの平均一次粒径は、30nm以上100nm以下であることが好ましい。平均粒径が30nmより小さいとインク吸収性の向上効果が十分に得られない場合があり、100nmより大きいと透明性が低下して得られる画像の発色性の向上効果が十分に得られない場合がある。
更には、球状のカチオン性コロイダルシリカであることが好ましい。具体的に、球状のカチオン性コロイダルシリカとしては、Cartacoat K303C(商品名、クラリアント製)、スノーテックスAKやスノーテックスAK−L(商品名、以上、日産化学工業製)などが挙げられる。
<バインダー>
最表層の形成にバインダーを用いることもできる。最表層用のバインダーとしては、インク受容層用のバインダーを用いることができる。また、最表層中のバインダーの含有量は特に限定されないが、気相法シリカとコロイダルシリカの合計量に対して、5質量%以上50質量%以下が好ましく、8質量%以上30質量%以下がより好ましい。
<下塗り層>
基材とインク受容層との密着性を向上する目的で、基材とインク受容層との間に、下塗り層を設けてもよい。下塗り層は、水溶性ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどを含有することが好ましい。下塗り層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下が好ましい。
<バックコート層>
基材のインク受容層が設けられる面とは反対側の面に、ハンドリング性、搬送適性、多数枚積載での連続印字時の耐搬送擦過性を向上する目的でバックコート層を設けてもよい。バックコート層は、白色顔料やバインダーなどを含有することが好ましい。バックコート層の膜厚は、乾燥塗工量が、1g/m以上25g/m以下となるようにすることが好ましい。
[記録媒体の製造方法]
本発明において記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、以下の工程を有する方法を用いることが好ましい。
(A)インク受容層上に、気相法シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤を含む塗工液により塗工層を形成する工程。
(B)塗工層から、気相法シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤の縮合体を含む最表層を形成する工程。
上記の工程には、インク受容層用および最表層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工してインク受容層を形成する工程を追加することができる。また、インク受容層への最表層の形成前に下塗り層を形成する工程を追加してもよい。更に、基材の一方の面のみにインク受容層及び最表層を形成する場合には、基材の他方の面にバックコート層を設ける工程を追加してもよい。
以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の作製方法>
基材として基紙を用いる場合における基紙の作製方法としては、一般的に用いられている抄紙方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。基紙の表面平滑性を高めるために、抄紙工程中又は抄紙工程後に、熱及び圧力を加えて表面処理してもよい。具体的な表面処理方法としては、マシンカレンダーやスーパーカレンダーといったカレンダー処理が挙げられる。
基紙の上に樹脂層を設ける方法、即ち、基紙を樹脂で被覆する方法としては、溶融押出法、ウェットラミネーション、ドライラミネーションなどが挙げられる。中でも、基紙の片面又は両面に溶融した樹脂を押し出しコーティングする溶融押出法が好ましい。例えば、搬送されてきた基紙と、押出ダイから押し出された樹脂を、ニップローラと冷却ローラーとの間のニップ点において接触させ、ニップで圧着することで樹脂層を基紙上にラミネートする方法(押出コーティング方法ともいう)が広く採用されている。溶融押出法により、樹脂層を設ける際には、基紙と樹脂層の接着がより強固となるように、前処理を施してもよい。前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネートなどのアンカーコート処理などが挙げられる。中でも、コロナ放電処理が好ましい。また、樹脂層に白色顔料を含有する場合は、樹脂と白色顔料を混合したもので、基紙を被覆すればよい。
上記のようにして作製した基材を、インク受容層を形成する前に、巻芯にロール状に巻き取る工程を有することが好ましい。巻芯は、直径が50mm以上300mm以下のものが好ましく用いられる。また、巻き取る際の張力としては、50N/m以上800N/m以下が好ましい。尚、巻き取る際の張力は、巻き始めから巻き終わりまで一定でもよい。また、巻き始めの圧力集中を緩和するために、巻き始めから巻き終わりにかけて徐々に張力を低下させてもよい。
<インク受容層および最表層の形成方法>
基材にインク受容層および最表層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
まず、インク受容層用および最表層用塗工液を調製する。インク受容層用及び最表層用の塗工液の液媒体としては、水、または水を含む水性液媒体を用いることが好ましい。
基材に先ずインク受容層用の塗工液を塗工し、塗工層を乾燥することで、インク受容層を形成する。更に、最表層用の塗工液をインク受容層上に塗工して塗工層を形成し、得られた塗工層を乾燥させて最表層を形成し、本発明にかかる記録媒体を得ることができる。
塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の加熱乾燥工程において利用し得る乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
以下の各成分を混合して混合物を得た。
・カナダ標準濾水度が450mLCSFのLBKP:80部
・カナダ標準濾水度が480mLCSFのNBKP:20部
・カチオン化澱粉:0.60部
・重質炭酸カルシウム:10部
・軽質炭酸カルシウム:15部
・アルキルケテンダイマー:0.10部
・カチオン性ポリアクリルアミド:0.030部
得られた混合物に対して、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。
次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させ、更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が170g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mN、膜厚が100μmの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、乾燥塗工量が25g/mとなる様に、基紙の片面に塗工した。尚、この面をインク受容層形成用の面とする。更に、低密度ポリエチレンを、基紙のもう一方の面に塗工することで、基材を得た。
<気相法シリカ分散液の調製>
イオン交換水240部に対して、シランカップリング剤としての3−アミノプロピルトリエトキシシランKBE−903(商品名、信越化学工業製)を4.2部(気相法シリカ100質量部に対して、固形分換算で7.5質量部)添加した。この水溶液に、T.K.ホモミクサーMARKII 2.5型(商品名、特殊機化工業株式会社製)で5,000rpmの回転条件で攪拌しながら気相法シリカAEROSIL300(商品名、EVONIK製、平均一次粒径7nm)55.8部を少量ずつ添加した。更にCLEARMIX(商品名、Mテクニック製)で10000rpmの回転条件で30分間処理を行い、固形分の含有量が25質量%の気相法シリカ分散液を調製した。この気相法シリカ分散液を後述するインク受容層用の塗工液及び最表層用の塗工液の調製に用いた。
<コロイダルシリカ分散液の調製>
イオン交換水に対してコロイダルシリカCartacoat K303C(製品名、クラリアント製、平均一次粒径80nm)を分散し、固形分の含有量が25質量%のコロイダルシリカ分散液を調製した。このコロイダルシリカ分散液を後述する最表層用の塗工液の調製に用いた。
<アルミナ水和物分散液の調製>
イオン交換水498部に対して、酢酸2部を添加した。この酢酸水溶液をT.K.ホモミクサーMARKII 2.5型(商品名、特殊機化工業株式会社製)で3000rpmの回転条件で攪拌しながら、アルミナ水和物(商品名:DISPERAL HP14、サソール社製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後もそのまま30分間攪拌し、酢酸により解膠されたアルミナ水和物分散液を得た。このときこのアルミナ水和物分散液中のアルミナ水和物に対する酢酸の含有量はアルミナ水和物1kgに対して333mmolであり、その固形分濃度は25質量%であった。このアルミナ水和物分散液を後述する最表層用の塗工液の調製に用いた。
<バインダー溶液の調製>
ポリビニルアルコールPVA235(クラレ製、粘度平均重合度:3,500、けん化度:88mol%)をイオン交換水に溶解して、固形分の含有量が8.0質量%のバインダー溶液を得た。このバインダー溶液を後述するインク受容層用の塗工液及び最表層用の塗工液の調製に用いた。
<インク受容層用塗工液の調製>
(インク受容層用塗工液の調製)
気相法シリカ分散液に含まれる気相法シリカ固形分100部に対して、バインダー溶液中の固形分が23.0部となるようにこれらを混合し、混合溶液を得た。次いで、得られた混合溶液中の気相法シリカ固形分100部に対して、固形分換算で3部となるように架橋剤であるオルトホウ酸水溶液(固形分の含有量が5質量%)を混合し、更にイオン交換水を適宜加え、全固形分濃度が16%のインク受容層用塗工液を得た。
<最表層用塗工液の調製>
(最表層用塗工液1の調製)
気相法シリカ分散液およびコロイダルシリカ分散液を、気相法シリカの固形分が80部、コロイダルシリカの固形分が20部の割合となるように混合し、2種混合分散液を得た。次いで、得られた2種混合分散液中の気相法シリカおよびコロイダルシリカの固形分100部に対して、バインダー溶液中の固形分が9.2部となるようにこれらを混合し、更にイオン交換水を適宜加え、全固形分濃度が20%の最表層用塗工液1を得た。
(最表層用塗工液2の調製)
気相法シリカ分散液の気相法シリカを52.2部、シランカップリング剤を7.8部とし、2種混合分散液の気相法シリカの固形分を40部、コロイダルシリカの固形分を60部の割合に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液2を得た。
(最表層用塗工液3の調製)
気相法シリカ分散液の気相法シリカを56.4部、シランカップリング剤を3.6部とし、2種混合分散液の気相法シリカの固形分を95部、コロイダルシリカの固形分を5部の割合に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液3を得た。
(最表層用塗工液4の調製)
気相法シリカ分散液の気相法シリカを59.8部、シランカップリング剤を0.2部に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液4を得た。
(最表層用塗工液5の調製)
気相法シリカ分散液の気相法シリカを48.4部、シランカップリング剤を11.6部に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液5を得た。
(最表層用塗工液6の調製)
気相法シリカ分散液のシランカップリング剤をビニルトリエトキシシランKBE−1003(商品名、信越化学工業製)に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液6を得た。
(最表層用塗工液7の調製)
気相法シリカ分散液をアルミナ水和物分散液に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液7を得た。
(最表層用塗工液8の調製)
コロイダルシリカ分散液のみを用い、その固形分を100質量部として、3−アミノプロピルトリエトキシシランKBE−903(商品名、信越化学工業製)を4.2部(コロイダルシリカ100質量部に対して、固形分換算で7.5質量部)添加した。こうして得られた無機粒子としてコロイダルシリカ1種を含む分散液を2種混合分散液の変わりに用いる以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液8を得た。
(最表層用塗工液9の調製)
気相法シリカ分散液の気相法シリカを56.6部、シランカップリング剤を3.4部とし、2種混合分散液の気相法シリカの固形分を100部(コロイダルシリカを含まない)に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液9を得た。
(最表層用塗工液10の調製)
気相法シリカを60.0部とし、シランカップリング剤を添加しない以外は、先に記載した「気相法シリカ分散液の調製」と同様にして気相法シリカ分散液を調製した。この気相法シリカ分散液を用い、気相法シリカの固形分を40部、コロイダルシリカの固形分を60部の割合に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液10を得た。
(最表層用塗工液11の調製)
気相法シリカ分散液の気相法シリカを59.1部、シランカップリング剤を0.1部に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液11を得た。
(最表層用塗工液12の調製)
気相法シリカ分散液のイオン交換水を47.6部、シランカップリング剤を12.4部に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液12を得た。
(最表層用塗工液13の調製)
気相法シリカ分散液のシランカップリング剤を、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー シャロールDC902P(商品名、第一工業製薬製)に変更した以外は最表層用塗工液1と同様にして、最表層用塗工液13を得た。
<記録媒体の作製>
上記で得た基材上に、上記で調製したインク受容層用塗工液を40μm、最表層用塗工液を表1に示す乾燥塗工厚となるように塗工した。塗工には多層スライドホッパー型塗工装置を用い、同時多層塗工法により行った。これを120℃の熱風で乾燥し、記録媒体を得た。
Figure 2018202720
[評価]
本発明においては、下記の各評価項目の評価基準を採用した場合におけるAA〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。尚、下記の各評価において、記録媒体に画像を記録する際は、インクジェット記録装置はPIXUS MP990(商品名、キヤノン株式会社製)に、インクカートリッジBCI−321(商品名、キヤノン株式会社製)を装着して記録した。その際の記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に約11ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。
<インク吸収性>
得られた記録媒体に関して、Green色の64階調のベタ画像(6.25%デューティ刻みで64階調、0〜400%デューティ)を記録した。インク吸収性とビーディングはほぼ相関性があるため、ビーディングを評価することによって、記録媒体のインク吸収性を評価した。尚、ビーディングとは、表面に付与されたインク滴がインク受容層に吸収される前に、隣接するインク滴と接触して色ムラのある画像ができる現象である。評価基準は以下の通りである。
AA:350%デューティでもビーディングが認められない。
A:350%デューティではビーディングが認められるが、300%デューティではビーディングは認められない。
B:300%デューティではビーディングが認められるが、250%デューティではビーディングは認められない。
C:250%デューティではビーディングが認められるが、200%デューティではビーディングは認められない。
<耐傷性>
上記インクジェット記録装置を、搬送ローラーの圧力が2.5kgf〜3.0kgfまで調整できるように改造した。このインクジェット記録装置を用いて、得られた記録媒体にブラックのベタ画像(記録デューティが100%の画像)を記録した。記録後の記録媒体について、搬送ローラーによる搬送傷の発生の有無を目視で観察することで、記録媒体の耐傷性を評価した。評価基準は以下の通りである。
AA:搬送ローラーの圧力が3.0kgfでも、搬送傷は観察されなかった。
A :搬送ローラーの圧力が2.8kgfでは搬送傷は観察されなかったが、3.0kgfでは搬送傷が観察された。
B :搬送ローラーの圧力が2.7kgfでは搬送傷は観察されなかったが、2.8kgfでは搬送傷が観察された。
C :搬送ローラーの圧力が2.5kgfでは搬送傷は観察されなかったが、2.7kgfでは搬送傷が観察された。
<光沢>
得られた記録媒体に関して、光沢計VG2000(日本電色工業製)を用い、JIS Z 8741に規定される60度の鏡面光沢度を測定した。測定は記録媒体表面の任意の5点を選択して行い、その平均値を算出した。評価基準は以下の通りである。
A:光沢度が55%以上であった。
B:光沢度が45%以上55%未満であった。
C:光沢度が45%未満であった。
<発色性>
得られた記録媒体に関して、2.5cm×2.5cmのブラックのベタ画像(記録デューティが100%の画像)を記録した。画像の光学濃度を光学反射濃度計(商品名:530分光濃度計、X−Rite製)を用いてそれぞれ測定した。得られた光学濃度の値から画像の発色性を評価した。
評価基準は以下の通りである。
AA:光学濃度が2.25以上であった。
A:光学濃度が2.15以上2.25未満であった。
B:光学濃度が2.05以上2.15未満であった。
C:光学濃度が2.05未満であった。
<粉落ち>
得られた記録媒体上に黒紙を置き、その上から15g/cmの荷重をかけ、黒紙を一定速度で10cm引っ張ったときの黒紙への粉の付着量を黒紙の黒色光学濃度の残存率((粉付着前黒色光学濃度−粉付着後黒色光学濃度)/粉付着前黒色光学濃度)評価を行った。光学濃度は光学反射濃度計(商品名:530分光濃度計、X−Rite製)を用いてそれぞれ測定した。得られた光学濃度の残存率から、記録媒体のインク受容層の結着性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。
AA:光学濃度の残存率が95%以上であった。
A :光学濃度の残存率が90%以上95%未満であった。
B :光学濃度の残存率が85%以上90%未満であった。
C :光学濃度の残存率が85%未満であった。
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 2018202720

Claims (15)

  1. 基材上に、インク受容層と最表層をこの順に有する記録媒体であって、
    前記最表層は、気相法シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤の縮合体を含むことを特徴とする記録媒体。
  2. 前記シランカップリング剤が、以下の一般式(1):
    一般式(1):RSiX4−p
    (Rは非加水分解性基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表し、pは1または2であり、pが2の場合における複数のRはそれぞれ独立して前記の意味を表し、複数のXはそれぞれ独立して前記の意味をあらわす。)
    で表される加水分解性有機シラン化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記最表層が、下記一般式(2)で表される縮合体を含むことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体。
    Figure 2018202720
    (一般式(2)において、tは自然数であり、Rは非加水分解性基、Xは水酸基または加水分解性基を表す。pは1または2であり、pが2の場合における複数のRはそれぞれ独立して前記の意味を表し、複数のXはそれぞれ独立して前記の意味をあらわす。*は気相法シリカ粒子の表面との結合を、**はコロイダルシリカ粒子の表面との結合を表す。)
  4. 前記最表層の厚さが0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記一般式(2)において、pが1の場合の1つのRはアミノ基を有し、pが2の場合における2つのRの少なくとも一方がアミノ基を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の記録媒体。
  6. 前記気相法シリカと前記コロイダルシリカの質量比は40:60以上95:5以下であり、前記シランカップリング剤を前記最表層中の全固形分に対して0.2質量%以上15質量%以下で含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録媒体。
  7. インクジェット記録用であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録媒体。
  8. 基材上に、インク受容層と最表層をこの順に有する記録媒体の製造方法であって、
    前記基材上に設けたインク受容層の上に、気相法シリカ、コロイダルシリカ及びシランカップリング剤を含む塗工液により塗工層を形成する工程と、
    該塗工層から、前記気相法シリカ、前記コロイダルシリカ及び前記シランカップリング剤の縮合体を含む最表層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする記録媒体の製造方法。
  9. 前記最表層を形成する工程が、前記塗工層の加熱乾燥工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の記録媒体の製造方法。
  10. 前記シランカップリング剤が、下記一般式(1):
    一般式(1):RSiX4−p
    (Rは非加水分解性基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表し、pは1または2であり、pが2の場合における複数のRはそれぞれ独立して前記の意味を表し、複数のXはそれぞれ独立して前記の意味をあらわす。)
    で表される加水分解性有機シラン化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項8または9に記載の記録媒体の製造方法。
  11. 前記最表層が、下記一般式(2)で表される縮合体を含むことを特徴とする請求項10に記載の記録媒体の製造方法。
    Figure 2018202720
    (一般式(2)において、tは自然数であり、Rは非加水分解性基、Xは水酸基または加水分解性基を表す。pは1または2であり、pが2の場合における複数のRはそれぞれ独立して前記の意味を表し、複数のXはそれぞれ独立して前記の意味をあらわす。*は気相法シリカ粒子の表面との結合を、**はコロイダルシリカ粒子の表面との結合を表す。)
  12. 前記最表層の厚さが0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法。
  13. 前記一般式(2)において、pが1の場合の1つのRはアミノ基を有し、pが2の場合における2つのRの少なくとも一方がアミノ基を有することを特徴とする請求項11または12に記載の記録媒体の製造方法。
  14. 前記気相法シリカと前記コロイダルシリカの質量比は40:60以上95:5以下であり、前記シランカップリング剤を前記最表層中の全固形分に対して0.2質量%以上15質量%以下で含むことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法。
  15. 前記記録媒体がインクジェット記録用であることを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法。
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