JP2018202716A - 生コンクリートの空気量測定方法及び生コンクリート製造設備 - Google Patents

生コンクリートの空気量測定方法及び生コンクリート製造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】出荷直前の生コンクリート全量の空気量を、製造工程を中断することなく効率的で、かつ作業員のサンプル抜き出しが不要で、しかも作業員の作業や測定環境の外的要因によるばらつきが生じることなく、精度よく算出することを課題とする。【解決手段】本発明の生コンクリートの空気量測定方法は、生コンクリート切出部の内部における生コンクリートの堆積高さを計測し、この高さから混練後の生コンクリートの体積を算出し、この体積と前記各材料の動荷重の総和から単位容積質量を算出し、この単位容積質量に基づいて混練した生コンクリート全量における空気量を算出する。【選択図】図3

Description

本発明は、生コンクリート(以下、「硬化前」のコンクリートを意味する)中に含有する空気量を、混練直後、かつ混練した全ての生コンクリートを対象に、精度良くかつ生産効率を低下させることなく算出する技術に関する。
コンクリートは、コンクリート中に含まれる空気量が、極端に少ないと寒冷地においてはコンクリート中の水分が凍結して体積膨張を起こしてコンクリートが割れることがあり、極端に多いと強度が不足することがある。これらの現象を鑑みて、一般的に生コンクリートの体積比で3〜6%の範囲で空気量を調整するようにしている。例えば特許文献1〜6には、空気量を3〜6%の範囲で調整する技術が開示されている。
特許文献1〜6では空気量を3〜6%の範囲内に調整する技術が開示されているものの、そもそも生コンクリート中に含まれる空気量が3〜6%の範囲にあるか否かを調べるには、つまり、調整する元となる空気量を調べる手法は、質量方法(JISA1116)と容積方法(JISA1118)及び空気室圧力方法(JISA1128)に規定されており、一般的には空気室圧力方法が用いられている。
空気室圧力方法では、空気量を測定するために、混練後の生コンクリートをいわゆるミキサー車(正式にはトラックミキサ、なお本発明ではアジテータトラックも含む)に積み込んだ後、ミキサー車からJISA1115規格の少なくとも20リットル以上の生コンクリートをサンプルとして抜き出し採取する。なお、ここで抜き出した少なくとも20リットルの生コンクリートは後に廃棄されることとなる。
サンプルは、設備近傍に用意した7リットルの容量の試験容器まで運び、該試験容器に装入する。この試験容器は、空気量の測定器と加圧器を備えた蓋を有し、加圧器により試験容器内部における生コンクリート(サンプル)に圧力を加え、試験容器内における空気量を測定器によって測定するものである。
なお、サンプルを抜き出して試験した結果に基づいて調整する元となる空気量を測定する試験について、本願では、以下、「サンプル測定」と記す。サンプル測定は、以下の手順で行われる。まず、7リットルの試験容器の1/3までサンプルを装入し、(1)表面をならした後、(2)該試験容器の底を突かないように突き棒で25回均等に突くと共に、(3)該試験容器の外側面を10回から15回木槌等で叩いた後、さらに試験容器の2/3まで装入し、(1)〜(3)の作業を繰り返す。
上記の後、試験容器から少し溢れる程度にサンプルを装入し、(1)〜(3)の作業を行った後、定規で余分なサンプルを掻き取って表面をならし、サンプルの上面と試験容器の上縁開口面の高さを正しく一致させたうえで、空気量の測定器と加圧器を備えた蓋を取り付ける。
試験容器に蓋を取り付けた後、加圧器(空気ハンドポンプ)で試験容器内の圧力を初期状態よりわずかに高くし、約5秒後に蓋に設けられた調整弁を段階的に開いて、測定器の数値(指針)が安定するように測定器を軽く叩き、測定器の数値を初期状態の数値に一致させて、約5秒経過後、弁を開放し、数値が安定してから、測定器の数値を小数点1桁まで読む。この値を見かけ上の空気量とする。このように、サンプル測定は、非常に煩雑な作業を要し、また、測定には約15〜20分程度を要する。
しかしながら、従来のサンプル測定は、15〜20分程度とはいえ、生コンクリートの製造工程において、空気量測定を行うために中断するので、非効率的であった。また、従来のサンプル測定は、前記のとおり時間を要すると共に、サンプルを抜き出す作業員や測定容器を要し、かつ作業員の技量及び作業や測定環境の変動により、空気量の測定結果にかなりのばらつきが生じるといった不具合があった。さらに、従来のサンプル測定は、サンプルとして抜き出した少なくとも20リットルの生コンクリートは廃棄されるので非経済的であった。
したがって、特許文献1〜6のように、空気量を3〜6%の範囲で調整する技術自体は優れているとしても、調整する元となる混練された全ての生コンクリートの特性における空気量が正確でなければ、調整する空気量もまた適切ではなく、空気量が不適切な生コンクリートを出荷してしまう可能性がある。
特開2016−107422号公報 特開2007−246308号公報 特開2002−248617号公報 特開平8−183021号公報 特開2016−47790号公報 特開2003−14603号公報
本発明が解決しようとする課題は、生コンクリートの製造工程において、製造工程を中断して空気量測定のための時間を要するので非効率的である点、また、混練された生コンクリート全量を対象としないサンプルによるものであるため空気量の測定結果にばらつきが生じる点、及びサンプルを抜き出す作業員や測定容器を要し、かつ作業員による技量差及び作業や測定環境の変動による空気量の測定結果にばらつきが生じる点、さらに、調整する元となる空気量が正確でなければ、調整後の空気量もまた適切ではない可能性が生じる点、抜き出したサンプルが無駄となる点、である。
上記課題を解決するため、本発明の生コンクリートの空気量測定方法は、生コンクリートを製造する工程管理段階で、オーダーに基づいたセメント、骨材、水、混和剤等の各材料の動荷重を計測し、混練装置へ投入し、混練後の生コンクリートを切り出すための生コンクリート切出部の内部の堆積高さを計測し、この高さから混練後の生コンクリートの体積を算出し、この体積と前記各材料の動荷重の総和から単位容積質量を算出し、この単位容積質量に基づいて混練した生コンクリート全量に対して空気量を算出することとした。
本発明の生コンクリートの空気量測定方法による空気量の測定値は、従来の測定方法のようにサンプルの空気量を測定するものではなく、生コンクリートの各材料の動荷重値の総和や生コンクリート切出部における生コンクリートの堆積高さを用いると共に各製造工場にて蓄積されている単位容積質量と空気量の相関関係を活用して算出するようにしているので、従来のように空気量の測定のためのサンプルを抜き出す必要がないと共に作業員を介することがなく、よってサンプルを抜き出す作業員の技量に起因したばらつきや、測定環境要因によるばらつきが少ない精度の高いものとなると共に無駄がなく経済的である
。また、単位容積質量と空気量の相関関係は、データの蓄積とそれらの関係のフィードバックを重ねた分析に伴い信頼性の向上が図られる。
また、本発明によれば、上記のとおり、製造工程中で得ることのできる生コンクリートの総荷重及び生コンクリート切出部内における混練後の生コンクリートの堆積高さ、及びこれらに基づいた単位容積質量と空気量の相関関係から精度良く算出できるので、従来のように人的作業や過度の測定時間を必要とせず、つまり、サンプルを抜き出して測定容器まで運ぶ時間、測定容器に圧力を加える時間及び測定結果を得るまでの時間、の短縮化が図られ、よって製造工程の効率化が可能となる。
本発明の生コンクリートの空気量測定方法が適用される本発明の生コンクリート製造設備の構成を示すブロック図である。 本発明の生コンクリートの空気量測定方法を含む生コンクリート製造手順を示すフローチャートである。 本発明の生コンクリートの空気量測定方法を含む生コンクリート製造手順を示すフローチャートである。
本発明は、混練後の生コンクリートからサンプルを抜き出して空気量を測定する手法では抜き取る量が少量のためにサンプルの空気量と生コンクリート全量の空気量とのばらつき、サンプル測定に伴う作業員の技量に起因した測定結果のばらつき、作業環境に起因した測定結果にばらつき、が生じる点、この測定作業のために製造工程が一旦中止する点を、骨材、水、混和剤等の各材料の動荷重を計測し、混練装置へ投入し、混練後の生コンクリートを切り出すための生コンクリート切出部の内部の堆積高さから体積を算出し、この体積と各材料の動荷重の総和から単位容積質量を算出し、この単位容積質量に基づいて混練した生コンクリート全量における空気量を算出することで解消した。
上記、本発明の生コンクリートの空気量測定方法を実施するための、本発明の生コンクリート製造設備は、生コンクリート製造原料となる、セメント、骨材、水、混和剤の各材料を切り出すための供給部、この切出部から切り出された各材料を混練する混練装置、この混練装置で混練された生コンクリートをミキサー車に排出する生コンクリート切出部を備えた生コンクリート製造設備であって、前記各供給部に設けた各動荷重計測部と、前記生コンクリート切出部に設けた該生コンクリート切出部内の生コンクリートの堆積高さを計測する高さ計測部と、前記高さ計測部による生コンクリート切出部内の高さ情報から生コンクリートの体積情報を算出し、この体積情報と各動荷重計測部による各材料の動荷重情報に基づいて単位容積質量を算出し、この単位容積質量情報に基づいて空気量を算出する制御部と、を備える。
本発明の生コンクリートの空気量算出原理は次のとおりである。本発明は混練後の生コンクリートをミキサー車に排出する直前の、つまり生コンクリート切出部における該生コンクリートの全量に対する空気量を算出する。生コンクリート切出部における体積は、生コンクリート切出部の内部における生コンクリートの堆積高さを、例えば生コンクリート切出部の投入口の縁部上方位置に設けた高さ計測部で計測する。この高さと体積の関係は、予め相関データベースが存在しており、制御部は計測した高さ値に基づいて体積を算出する。
特に、生コンクリートは水と異なり、粘性を有していること、また、材料の骨材(細骨材、砂、粗骨材を総称)のうち、粗骨材の寸法が20mm、40mmの大きさの石があることにより、生コンクリート切出部における生コンクリート堆積上面は隆起や沈降、細かい凹凸があり、つまり一律の高さではない。よって、生コンクリート切出部の内部における生コンクリートの堆積高さは、生コンクリート切出部の投入口の縁部上方位置に設けた高さ計測部によって、堆積上面において細かく区画した領域のそれぞれの中心部を連続的に計測(多点を連続的に計測)し、これらの平均値を採用することが望ましい。
その後、制御部は、混錬装置に投入されたオーダーに基づく各材料の動荷重値を各動荷重計測部から得て、各動荷重値の総和、すなわち生コンクリートの総動荷重値を堆積高さから算出した体積で除算して単位容積質量(密度)を得る。この単位容積質量と空気量の関係は、予め相関データベースが存在しており、制御部はこの相関データベースに基づいて単位容積質量値から空気量を算出する。
生コンクリート全量についての空気量の算出の後、空気量が3〜6%の範囲を上下に逸脱していた場合は、空気量の調整剤を生コンクリート切出部の生コンクリートを対象として前記範囲の中心値、すなわち4.5%と算出した空気量との差分を調整剤の調整量として投入する。なお、調整剤は、空気量を増量するにはAE剤(Air Entraining Agent:空気連行剤)を、空気量を減量するには消泡剤を、添加する。
このように、本発明は、混練後の生コンクリート全量を対象とした空気量を得るために、生コンクリート製造過程で計測可能な、生コンクリート切出部内における混錬後の生コンクリートの堆積高さと、生コンクリートの総動荷重とを用いることで、サンプル採取に人的作業を要せず、また、サンプル測定のために製造工程を一時的に中断する必要がなく、かつ、人的要因及び環境的要因によるばらつきが生じない。
すなわち、従来は、上記の生コンクリートの総動荷重値は各材料の動荷重値の総和から把握できるとしても、混錬後の生コンクリート全量の単位容積質量を知ることができず、よって、生コンクリート全量の空気量を知ることができなかったため、空気室圧力方法(JISA1128)のサンプル測定により評価していたのである。
本発明では、上記のサンプル測定における測定結果のばらつきを極力なくすために、生コンクリート切出部における生コンクリートの堆積高さから体積を得て、この体積と生コンクリート材料の総動荷重値から単位容積質量を得て、さらに、単位容積質量と空気量の相関データベースを用いて混練後の生コンクリート全量の空気量を算出することができるようにしたのである。
以下、図1〜図3を用いて本発明の具体的実施例について説明する。1は、本発明の生コンクリート製造方法が実施される本発明の生コンクリート製造設備である。なお、この生コンクリート製造設備1は、生コンクリートの製造、管理を行う設備である。
2はセメント供給部、3は骨材供給部、4は水供給部、5は混和剤供給部であり、セメント供給部2、骨材供給部3、混和剤供給部5のそれぞれには、各材料の動荷重等を計測するセメント動荷重計測部2A、骨材動荷重計測部3A、表面水率計測部3B、水動荷重計測部4A、混和剤動荷重計測部5Aが各々設けられている。
6は、セメント供給部2、骨材供給部3、水供給部4、混和剤供給部5から、供給された各材料を混練する混練装置であり、この混練装置6には、本例では生コンクリートの温度を計測する生コンクリート温度計測部6A、混練装置6周辺の外気温を計測する外気温計測部6B、単位水量を計測する単位水量計測部6Cが各々設けられている。なお、混練装置6には混練時間を計測する時間計測部も設けられている(不図示)。
なお、上記の各計測部6A〜6Cは、本例では混練装置6に設けたが生コンクリート切出部7に設けてもよい。つまり、上記の各計測部6A〜6Cは、該混練装置6から生コンクリート切出部7に至る製造工程中、一時的に生コンクリートを保管する箇所に設ければよい。
7は、混練装置6から供給された生コンクリートを切り出す生コンクリート切出部であり、この生コンクリート切出部7には、出荷量計測部7Aと、生コンクリートの投入口の縁部上方位置に設けた該生コンクリート切出部7内の生コンクリートの堆積高さを計測する高さ計測部7Bが設けられている。
8は、生コンクリート切出部7における生コンクリート排出口付近に設けられ、ミキサー車に向かって排出される生コンクリートに対して空気量調整剤を供給するための空気量調整剤供給部である。なお、この空気量調整剤供給部8は、生コンクリート切出部7内に設けてもよい。
以上が、生コンクリート製造設備1のうち、バッチャープラント側に設けられた設備(以下、プラント側設備と称する)であり、これらの設備の稼働指示信号、各計測部による計測信号、は事務所側設備として設けられた管理部11から出力、管理部11に入力、されるされるように構成されている。なお、プラント側設備と事務所側設備の接続関係は後述する。
なお、事務所側設備は生コンクリートの製造工程管理に関する指示及び制御、並びに測定データの分析、判定を行う設備である。一方、プラント側設備は、生コンクリートの製造工程管理に関する材料の運搬、計量、混練、排出の作業工程を行う設備である。
生コンクリート製造設備1のうち事務所側に設けられた管理部11は、実質的にはパーソナルコンピュータ等で構成され、該パーソナルコンピュータに備えたCPU及びメモリが制御部12、ハードディスクがデータ部13、キーボード及びマウスが入力部14、ディスプレイ(やプリンタ)が出力部15、とされている。
生コンクリート製造方法は、具体的にはプログラムであり、管理部11においてはデータ部13からプログラム全体が制御部12に読み出され、制御部12が、各種入力データとデータ部13から読み出した各値に対する相関データベースや関係式に基づいて各種演算を行うと共に、屋外設備の各部を制御して生コンクリートの製造、管理、出荷可否の判断、本発明では特に生コンクリート切出部7における生コンクリートの空気量の算出とこれに基づいて空気量調整剤の添加制御を行う。
制御部12は、各計測部2A,3A,3B,4A,5A,6A,6B,6C,7Bの「計測値」、後述する「入力値」、及びデータ部13から読み出した「相関値」に基づいて、各部を制御するために各種演算した制御信号や「算出値」を出力する演算部12Aを有している。
ここで、事務所側設備とプラント側設備との接続について説明する。事務所側設備の制御部12において、配合指示部12Bは、プラント側設備のセメント供給部2、骨材供給部3、水供給部4、混和剤供給部5に対して各々配合量の指示信号を送信する。また、制御部12における演算部12Aは、プラント側設備のセメント動荷重計測部2A、骨材動荷重計測部3A、表面水率計測部3B、水動荷重計測部4A、混和剤動荷重計測部5Aの各々計測値の信号を受信する。
制御部12における演算部12Aは、混練装置6に対して混練時間と混練回数の指示信号を出力して該混練装置6を制御する一方、生コンクリート温度計測部6A及び外気温計測部6Bからの温度の計測信号、及び単位水量計測部6Cからの単位水量の計測信号を受信する。
制御部12における演算部12Aは、出荷量計測部7A、及び高さ計測部7Bからの各々計測値の信号を出力する。制御部12における判定部12Cは、生コンクリート切出部7に対して、出荷に適した、つまり搬入先において(現場打設時に)圧縮強度が適正かつ推定強度からさほど乖離することなく計画通りに発揮される状態であるか否かを判定して、出荷(切り出し)の可否の信号を出力する。
また、制御部12における演算部12Aは、高さ計測部7Bが出力した生コンクリート切出部7内における生コンクリートの堆積高さ計測値とデータ部13に予め蓄積された生コンクリートの堆積高さと体積の相関値のデータベースから生コンクリートの体積を算出し、材料の各動荷重計測部2A,3A,4A,5Aの計測値の総和、つまり生コンクリートの総動荷重値(総重量)を上記の体積で除算して単位容積質量を演算し、データ部13に予め蓄積された空気量と単位容積質量のデータベースに基づいて空気量を算出する。
制御部12における演算部12Cは、該演算部で上記算出された空気量が適正範囲(3〜6%)内にあるか否かを判定し、適正範囲内を逸脱している場合には、適正範囲内に収まるように演算部12で空気量調整剤の調整量を演算し、空気量調整剤供給部8を制御する。
なお、演算部12の空気量調整剤の調整量の演算に関しては、空気量が不足している(3%より低い値)の場合には、3〜6%の中央値である4.5%から算出した空気量を差し引き、この差分を、空気量を増量するためのAE剤の調整量とし、空気量が過剰(6%より高い値)の場合には、算出した空気量から上記4.5%を差し引き、この差分を、空気量を減量するための消泡剤の調整量とする。空気量の増減に伴う調整量の相関関係は予めデータ部13に蓄積されている。
以下に、上記構成の生コンクリート製造設備1を用いた本発明の生コンクリート製造方法について図2及び図3を用いて説明する。事務所側設備の管理部11において、生コンクリート製造方法(以下、プログラムという)が実行され、プラント側設備の各部が制御され、稼働する。
詳述すると、まず、生コンクリートの製造オーダー票に基づいて、オペレータが、セメント、骨材、水、混和剤、の量を入力部14を介して制御部12における配合指示部12Bに入力し(手順1、以下S1と記す)する。配合指示部12Bは、この入力値に基づいて、セメント供給部2、骨材供給部3、水供給部4、混和剤供給部5に配合指示信号を出力し、各材料が、それぞれセメント動荷重計測部2A、骨材動荷重計測部3A、水動荷重計測部4A、混和剤動荷重計測部5A、に供給される(S2)。
セメント動荷重計測部2A、骨材動荷重計測部3A、水動荷重計測部4A、混和剤動荷重計測部5Aの計測値は、演算部12Aへ出力され、演算部12Aは、各材料がオーダーされた所定の範囲内で計測されたか否かを確認する(S4)。
S4において、オーダーされた量の各材料が所定の範囲内にはない場合(S4でNo)、少ない場合には再度材料の供給を行い、所定範囲内に納め(S5)、また、多い場合には全ての材料を廃棄するか、所定範囲を超えた分の材料のみを廃棄し(S5)、処理はS1へ戻る。
S4において、各材料がオーダーされた量であった場合(S4でYes)、演算部12Aは、S3で計測した計測値に基づいて、細骨材率を算出し(S6)、表面水率計測部3Bに基づく単位水量を算出する(S7)。なお、S7で算出した単位水量の算出値は、後述する混練装置6における単位水量計測部6C、の計測値の評価用としてバッファする。
各材料の適正な計測後、該各材料は混練装置6へ送られ、ここで所定の時間、つまりオーダーされた品質(強度やフレッシュなど)のコンクリート性状となるように混練される(S8)。混練装置6では、混練終了間際に、生コンクリート温度計測部6Aにより生コンクリート温度が(S9)、外気温計測部6Bにより混練装置6周辺の外気温が(S10)、単位水量計測部6Cにより単位水量が(S11)、各々計測される。なお、S9〜S11はこの順序で無くても良く、また、生コンクリート切出部7内に生コンクリート温度計測部6A及び単位水量計測部6Cを取り付けて計測しても良い。
S11の後、演算部12Aは、S11における単位水量の計測値がS7の演算値と近似しているか否か(S12)、つまり計測値の信頼性(機器の故障や計測不良等)を演算値と比較して信用できる値か否かを評価し、S12において計測値が信用するに値しない(S12でNo)の場合は、演算部12Aは、出力部15に警告を表示し(S13)、修正処理を行い(S14)、再度S11の計測処理へ戻る。
S12において計測値と演算値が許容範囲の値であった場合(S12でYes)、続いて、操作者がそのオーダー票に基づいて、入力部14からその生コンクリートの運搬先までの運搬時間と(S15)、運搬道中の想定外気温(S16)を入力する。そして、混練終了時に、演算部12Aが運搬時に受ける温度の影響に対して生コンクリートの品質を保持するための必要な混和剤添加量を算出し(S20)、必要な調整量を混練装置6、又は生コンクリート切出部7に投入する。
また、S20では、演算部12Aは、配合指示部12Bを介して、演算した必要となる混和剤種と(調整)量を混和剤動荷重計測部5Aで計測し、この計測信号を受けた後、混練装置6に切り出して、混練する。この後、制御部12は、混練装置6から生コンクリートを生コンクリート切出部7に排出するよう該混練装置6を制御する(S21)。
なお、混和剤は、後述する混練後に生コンクリート切出部7に排出された生コンクリートに混和剤動荷重計測部5Aで計測した調整量を直接投入することもある。この場合は、ミキサー車に積み込まれた状態で生コンクリートを貯蔵している格納ドラムが所定の場所まで回転しながら運搬されることにより、混和剤の効果が発揮されることとなる。
制御部12は、混練後に生コンクリート切出部7へ送られた生コンクリートについて、本発明の生コンクリートの空気量測定方法を実施する。制御部12は、生コンクリート切出部7へ生コンクリートが送られた際に、高さ計測部7Bを作動させ、該生コンクリート切出部7内における生コンクリートの堆積高さを計測する(S22)。
なお、高さ計測部7Bは生コンクリート切出部7に排出された生コンクリートの上部表面全域をメッシュ状に区画し、区画領域の各々の中心部を連続かつ多点的に計測して、それらの計測値に基づく平均値を生コンクリートの堆積高さとして演算部12Aに出力している。
本発明において、高さ計測部7Bは、生コンクリート切出部7における混練後の生コンクリートの投入口の縁部上方位置に設けられているが、この位置から臨む堆積している生コンクリートの表面は粘性があると共に寸法の大小異なる骨材を含有することから、粘性が無いと共に骨材を含まない水のように平坦(水平)ではなく凹凸が存在するため、この位置に設けると該表面をX軸及びY軸方向にメッシュ状に多点計測する機器を用いて、表面の高さ(堆積高さ)の平均値を求めることができて好適である。
本例においては、高さ計測部7Bが演算部12Aに出力する高さ計測値は上記のとおり生コンクリート上部表面全域の多点を連続的に計測した高さ値の平均値であるが、この平均値を採用することで、上部表面に傾斜や隆起及び沈降並びに凹凸のある生コンクリートの上部表面における堆積高さについて信頼性の高い値を得ることができる。
演算部12Aは、高さ計測部7Bの高さの計測値と、予めデータ部13に蓄積された高さと体積の相関データベースに基づいて相関値としての体積値を算出する(S23)。なお、上記の高さと体積の相関データベースは、その製造工場毎に有する、次のように構築したものである。まず、生コンクリート切出部7に、水の温度を考慮した体積と重量の関係を把握した水を投入して、この水を投入した際の生コンクリート切出部7における水の高さを高さ計測部7Bで計測する。そして、順次、水の量を変動させた際の体積と高さを逐次計測した値を蓄積して高さと体積の相関データベースを構築する。
S23の後、演算部12Aは、S3で出力を受けたセメント動荷重計測部2A、骨材動荷重計測部3A、水動荷重計測部4A、混和剤動荷重計測部5Aの各計測値の総和、すなわち混練した生コンクリートの総動荷重値、つまり総重量と、前記体積値とに基づいて単位容積質量を算出する(S24)。
この単位容積質量を算出した後、演算部12Aは、予めデータ部13に蓄積された該単位容積質量と空気量の相関データベースに基づいて相関値としての空気量を算出する(S25)。この後、制御部12は、判定部12Cにおいて、演算部12Aで算出した空気量が体積比で3〜6%の適正範囲内にあるか否かを判断させる(S26)。
なお、上記の単位容積質量と空気量の相関データベースは、製造工場毎に実施された工程検査及び製品検査のデータを分析し、評価した結果を蓄積することにより構築したものであり、フィードバックを重ねることで信頼性が向上する。
判定部12Cは、S26空気量が体積比で3〜6%の適正範囲内でない場合(S26でNo)のうち、空気量が3%より低い場合にはその不足量とこの不足量に応じたAE剤の調整量を算出し、空気量が6%より高い場合にはその余剰量とこの余剰量に応じた消泡剤の調整量を算出し(S27)、AE剤又は消泡剤を添加するよう、空気量調整剤供給部8を制御し(S28)、出荷制御のため処理をS29へ進める。なお、各混和剤は、図示のとおり生コンクリート切出部7に投入してもよいが、生コンクリート切出部7からミキサー車に排出する際に投入してもよい。
一方、判定部12Cは、S26空気量が体積比で3〜6%の適正範囲内にある場合(S26でYES)は、出荷の最終確認のため、生コンクリートの推定強度及び生コンクリートのフレッシュ性状の(各種値による)確認を行う(S29)。
S29において、判定部12Cが、出荷に適していないと判断した場合(S29で否)、制御部12は出力部15に警告を表示し(S30)、廃棄処理を行って(S31)、処理をS1に戻し、一方、出荷に適していると判断した場合(S29で適)、制御部12は生コンクリート切出部7に対して、ミキサー車へ排出すべく生コンクリートの切り出しのための信号を出力し(S32)、処理は終了する。
このように、本例では、生コンクリートの性状に係る種々の条件、特に生コンクリート製造設備1での製造・出荷段階の性状と、打設現場での性状が変化する点を配慮して、運搬時間と道中外気温の条件も含めて混和剤添加量(オーダー値に対する調整量)を求めることとしている。
また、特に、本発明では、製造・出荷までの工程を止めたり、途中で作業員を介することなく出荷直前の生コンクリート全量を対象に空気量を算出して、適正な空気量の範囲に対して過不足があれば適正範囲内となるように調整するようにしているので、生産効率が向上し、さらに、生コンクリートの算出された空気量はサンプル試験による試料採取の無駄が生じないばかりか、サンプル採取のばらつきや人的な計測技量及び計測環境の要因によるばらつきがなく、精度が高いものとなり、よって出荷時の生コンクリートの空気量は正確に適正範囲内となる。
したがって、出荷後、所定の材齢における生コンクリートの圧縮強度は打設現場において計画どおりに発揮され、かつオーダーされた強度から大きく乖離することなく、想定範囲内の強度を発現させることができると共に、オーダーされたワーカビリティと耐久性のいずれも満足させる品質で信頼性の高い生コンクリートとすることができる。
1 生コンクリート製造設備
2 セメント供給部
2A セメント動荷重計測部
3 骨材供給部
3A 骨材動荷重計測部
3B 表面水率計測部
4 水供給部
4A 水動荷重計測部
5 混和剤供給部
5A 混和剤動荷重計測部
6 混練装置
6A 生コンクリート温度計測部
6B 外気温計測部
6C 単位水量計測部
7 生コンクリート切出部
7A 出荷量計測部
7B 高さ計測部
8 空気量調整剤供給部
11 管理部
12 制御部
12A 演算部
12B 配合指示部
12C 判定部
13 データ部
14 入力部
15 出力部

Claims (2)

  1. 生コンクリートを製造する工程管理段階で、オーダーに基づいたセメント、骨材、水、混和剤等の各材料の動荷重を計測し、混練装置へ投入し、混練後の生コンクリートを切り出すための生コンクリート切出部の内部の堆積高さを計測し、この高さから混練後の生コンクリートの体積を算出し、この体積と前記各材料の動荷重の総和から単位容積質量を算出し、この単位容積質量に基づいて混練した生コンクリート全量に対して空気量を算出することを特徴とする生コンクリートの空気量測定方法。
  2. 生コンクリート製造原料となる、セメント、骨材、水、混和剤の各材料を切り出すための供給部、この切出部から切り出された各材料を混練する混練装置、この混練装置で混練された生コンクリートをミキサー車に排出する生コンクリート切出部を備えた生コンクリート製造設備であって、前記各供給部に設けた各動荷重計測部と、前記生コンクリート切出部に設けた該生コンクリート切出部内の生コンクリートの堆積高さを計測する高さ計測部と、前記高さ計測部による生コンクリート切出部内の高さ情報から生コンクリートの体積情報を算出し、この体積情報と各動荷重計測部による各材料の動荷重情報に基づいて単位容積質量を算出し、この単位容積質量情報に基づいて空気量を算出する制御部と、を備えたことを特徴とする生コンクリート製造設備。
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