JP2018202714A - 大判プリンター - Google Patents

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Kazufumi Kodaira
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Abstract

【課題】ケーブルが長くなることに起因し印刷ヘッドの故障や印刷品質の乱れなどの問題の少なくとも1つを低減できる大判プリンターを提供する。【解決手段】A3短辺幅以上の媒体にシリアル印刷が可能な大判プリンターは、複数の吐出部35からなる第1吐出部群36Aと、複数の吐出部35からなる第2吐出部群36Bとを有する印刷ヘッド25を備える。また、大判プリンターは、第1吐出部群36Aに含まれる吐出部35を駆動する第1駆動信号COMA1と、第2吐出部群36Bに含まれる吐出部35を駆動する第2駆動信号COMA2とを含む複数の駆動信号を生成する駆動信号生成回路56を備える。さらに大判プリンターは、第1配線CW1と第2配線CW2を含む複数の配線からなる1m以上のケーブル45と、ケーブル45を伝搬するタイミングを、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を遅らせる遅延回路58とを備える。【選択図】図10

Description

本発明は、印刷ヘッドが走査方向に往復移動して大判サイズ(例えばA3短辺幅以上のサイズ)の媒体にシリアル印刷を行う大判プリンターに関する。
特許文献1には、印刷装置の筐体に取り付けられた制御基板から制御信号と駆動信号とをフレキシブルケーブル(ケーブルの一例)を介して印刷ヘッドに供給し、往復移動する印刷ヘッドが駆動信号に基づいて液滴を吐出してシリアル印刷を行うインクジェット式のプリンターが開示されている。また、特許文献2には、印刷ヘッドと、駆動パルスを発生させて印字ヘッドに印加する駆動回路(キャリッジ基板)とが搭載されたキャリッジが往復移動し、印刷ヘッドから液滴を吐出することで画像の印刷を行う印刷装置が開示されている。この印刷装置では、印刷ヘッド側の駆動回路は、本体側の制御回路(制御基板)とフレキシブルケーブルを介して接続されており、制御回路からフレキシブルケーブルを介して受信した駆動信号に基づき印刷ヘッドを駆動させる。
ところで、大判(例えばA3短辺幅以上のサイズ)の媒体にシリアル印刷を行う大判プリンター(ラージフォーマットプリンター(LFP:Large Format Printer))では、媒体の想定最大幅に応じて印刷ヘッドの移動距離が長くなり、印刷ヘッドと制御基板(制御回路)とを接続するケーブルが1m以上になり得る。
特開2014−133358号公報 特開2002−19106号公報
しかしながら、大判プリンターにおいて1m以上にも長くなるケーブルが長くなるほど、ケーブル中の配線(信号線)のインダクタンス及びインピーダンスが大きくなる。このため、ケーブル中の配線を伝搬される駆動信号間で相互誘導が発生する。したがって、特許文献1、2に開示された印刷装置を大判プリンターに適用した場合、制御回路から駆動信号を長尺なケーブルを介して印刷ヘッドに供給する過程で、駆動信号に相互誘導等に起因する比較的大きなオーバーシュートが発生し易くなる。その結果、駆動信号のオーバーシュートによって、印刷ヘッドに搭載されている回路又は駆動素子に耐圧(定格電圧)を超える過電圧が瞬時的に印加され、印刷ヘッドが故障する恐れがある。また、オーバーシュートが発生した駆動信号が印刷ヘッドに印加されると、印字精度や印字安定性の低下又は液滴の誤吐出等の誤動作が生じ易くなり、印刷品質の乱れが発生し得る。なお、この種の課題は、液滴を吐出する液体吐出方式(インクジェット方式)のプリンターに限らず、ドットインパクト方式や熱転写方式等の他の記録方式で印刷する大判プリンターにも概ね共通する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ケーブルが長くなることに起因し印刷ヘッドの故障や印刷品質の乱れなどの問題の少なくとも1つを低減可能な大判プリンターを提供する。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する大判プリンターは、A3短辺幅以上の媒体に対してシリアル印刷が可能な大判プリンターであって、第1吐出部を含む複数の吐出部からなる第1吐出部群と、第2吐出部を含む複数の吐出部からなる第2吐出部群とを含む複数の吐出部群を有する印刷ヘッドと、前記第1吐出部群に含まれる吐出部を駆動するための第1駆動信号と、前記第2吐出部群に含まれる吐出部を駆動するための第2駆動信号とを含む複数の駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、前記第1駆動信号を前記第1吐出部群へ伝搬するための第1配線と、前記第2駆動信号を前記第2吐出部群へ伝搬するための第2配線とを含む複数の配線を有する1m以上のケーブルと、前記ケーブルを伝搬するタイミングを前記第1駆動信号に対して前記第2駆動信号を遅らせる伝搬タイミング調整回路とを備えている。
この構成によれば、ケーブルに含まれる第1配線と第2配線とを駆動信号が伝搬されるタイミングが、第1駆動信号に対して第2駆動信号が遅れるように調整される。よって、第1駆動信号と第2駆動信号との相互誘導等の相互干渉を低減でき、第1駆動信号と第2駆動信号におけるオーバーシュートを抑制できる。したがって、ケーブルが長くなることに起因し印刷ヘッドの故障や印刷品質の乱れなどの問題の少なくとも1つを低減できる。
上記大判プリンターにおいて、前記駆動信号生成回路と前記伝搬タイミング調整回路とは、同じ基板上に配され、前記ケーブルにて伝達される前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とは位相を有することが好ましい。
この構成によれば、第1駆動信号に対して第2駆動信号を遅らせることにより、位相差が生じ、第1駆動信号と第2駆動信号との相互干渉に起因するオーバーシュートを抑制できる。
上記大判プリンターにおいて、前記駆動信号生成回路が前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号の波形を生成する元となる波形データを前記駆動信号生成回路に与える制御部を備え、前記伝搬タイミング調整回路は、前記第1駆動信号の元となる第1波形データに対して前記第2駆動信号の元となる第2波形データを相対的に遅らせることが好ましい。
この構成によれば、伝搬タイミング調整回路は、第1駆動信号の元となる第1波形データに対して第2駆動信号の元となる第2波形データを遅らせることにより、第1駆動信号に対して第2駆動信号を相対的に遅らせる。よって、第1駆動信号と第2駆動信号との相互誘導等の相互干渉に起因するオーバーシュートを抑制できる。また、波形データへの処理なので、両波形データ間で一方を他方に対して遅らせることも早めることもできるので、第1及び第2駆動信号の伝搬タイミングを調整するうえで自由度が高まる。
上記大判プリンターにおいて、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号は、山形の台形波と谷形の台形波とを含む信号であり、前記遅延回路は、前記第1駆動信号に対して前記第2駆動信号を、互いの前記山形の台形波の立ち上がり期間が重ならない位相差に遅延させることが好ましい。
この構成によれば、第1駆動信号と第2駆動信号とのオーバーシュートを効果的に抑制できる。
上記大判プリンターにおいて、前記伝搬タイミング調整回路は、前記ケーブルの上流段で、前記第1駆動信号に対して前記第2駆動信号を遅延させる遅延回路であることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルから送る前に、第1駆動信号と第2駆動信号との間に位相差ができるので、ケーブルを伝搬中の第1駆動信号と第2駆動信号とのオーバーシュートを効果的に抑制できる。
上記大判プリンターでは、前記駆動信号生成回路は、前記駆動信号生成回路が前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号の波形を生成する元となる波形データを基に前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成する波形生成回路を含み、前記遅延回路は、前記波形生成回路と前記ケーブルとを接続する配線上に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、駆動信号生成回路中の共通の波形生成回路によって、第1駆動信号と第2駆動信号とを生成させることが可能になる。よって、波形生成回路の共通化により駆動信号生成回路の構成を簡素化できる。
上記大判プリンターでは、前記シリアル印刷が可能な最大幅が、24インチ以上75インチ以下であることが好ましい。
この構成によれば、24インチ以上75インチ以下の最大幅でシリアル印刷が可能な程度にケーブルが長くても、ケーブルを伝搬される過程で駆動電圧信号にオーバーシュートが発生することを効果的に抑制できる。
上記大判プリンターでは、前記シリアル印刷が可能な最大幅が、24インチ、36インチ、44インチ、64インチのいずれか1つに対応していることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルが、24インチ、36インチ、44インチ、64インチのいずれか1つのシリアル印刷に対応する比較的長いものであっても、ケーブルを伝搬される過程で駆動電圧信号にオーバーシュートが発生することを効果的に抑制できる。
上記大判プリンターでは、前記印刷ヘッドは、30kHz以上の周波数で液体を吐出して印刷することが好ましい。
この構成によれば、印刷ヘッドが30kHz以上の周波数で液体を吐出する構成の大判プリンターであって、フレキシブルケーブルを伝搬する駆動電圧信号が高周波数であってその伝搬の過程でオーバーシュートが発生し易くても、オーバーシュート防止回路により、その発生したオーバーシュートを効果的に抑制できる。
一実施形態における大判プリンターの概略斜視図。 吐出ヘッドの吐出面と駆動素子とを示す模式図。 制御回路と印刷ヘッドとがケーブルで接続された様子を示す模式正面図。 大判プリンターの電気的構成を示すブロック図。 駆動信号、ラッチ信号、チェンジ信号及び印刷データ信号を示すタイミングチャート。 デコーダーにおけるデコード内容を示す図。 駆動素子に印加される駆動信号と液滴サイズとの関係を示す信号波形図。 選択部の構成を示す回路図。 ケーブルを幅方向に切断した模式断面図。 制御回路とヘッド基板との電気的構成を示すブロック図。 駆動信号生成回路の詳細な電気的構成を示すブロック図。 比較例における第1駆動信号と第2駆動信号とを示す波形図。 遅延処理で位相がずれた第1駆動信号と第2駆動信号とを示す波形図。 変更例における制御回路とヘッド基板との電気的構成を示すブロック図。
以下、大判プリンターに具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の大判プリンター11(ラージフォーマットプリンター)は、シリアルスキャン型(シリアル印刷型)のプリンターである。大判プリンター11は、例えば外部のホストコンピューターから供給された画像データに応じて液滴(例えばインク)を吐出させることによって、紙又はフィルム等の媒体M(印刷媒体)にドット群を形成し、これにより画像(文字や図形等を含む)を印刷するインクジェットプリンターである。なお、本実施形態では、大判プリンター11において、後述するキャリッジ24の移動方向を主走査方向X、媒体Mの搬送方向を副走査方向Y、鉛直方向(図1の例では鉛直上向き(高さ方向))をZとして説明する。また、主走査方向Xと、副走査方向Yと、鉛直方向Zとは互いに直交する3軸として図面に記載するが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるものではない。
本実施形態において、大判プリンターとは、A3短辺幅(297mm)以上の媒体Mにシリアル印刷を行うことが可能なプリンターであり、換言すれば、A3短辺幅以上の印刷幅でシリアル印刷を行うことが可能なプリンターである。そのため、大判プリンター11では、図1に示されるヘッドユニット23が、A3短辺幅以上の印刷幅でシリアル印刷が可能な移動範囲に亘り主走査方向Xに往復移動可能となっている。
まず図1を参照して大判プリンター11の概略構成を説明する。図1に示すように、大判プリンター11は、車輪12が下端に取り付けられた支持スタンド13と、支持スタンド13に支持された略直方体状の装置本体14(以下、単に「本体14」ともいう。)とを有する。本体14の後部において上方へ突出する給送部15内には、長尺の用紙又はフィルム等の媒体Mが円筒状に巻き重ねられたロール体16(例えばロール紙等)が装填されている。給送部15から送り出された媒体Mは本体14の筐体17内へ導入され、筐体17内に設けられた不図示の搬送装置(搬送部)により搬送される。そして、搬送装置によって搬送される媒体Mに対してヘッドユニット23が液滴(例えばインク滴)を吐出することにより媒体Mに画像が印刷される。印刷後の媒体Mは、筐体17の前面側に開口する排出口18から排出され、その下方に取り付けられた媒体受けユニット19により受け取られる。
また、本体14の上面端部には、ユーザーが大判プリンター11の設定操作及び入力操作を行うための操作パネル20が取り付けられている。さらに、本体14の一端下部には、液体収容ユニット21が設けられている。液体収容ユニット21には、液体の一例としてのインクを収容している液体収容部22(例えばインクカートリッジ又はインクタンク)を着脱可能な状態で複数(図1の例では4つ)取り付けられている。複数の液体収容部22は、それぞれ異なる種類(例えば色)の液体(例えばインク)を収容している。液体収容部22は、液体がインクの例では、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を含む複数色のインクがそれぞれ1色ずつ収容された4つ以上の複数設けられている。なお、図1の例では、4色に対応する4つの液体収容部22が図示されているが、例えば、グレー、グリーン、バイオレット等の他の色に対応する液体収容部22を少なくとも1つ含む5つ以上の液体収容部22が備えられてもよい。
また、筐体17内には、媒体Mに対し液滴(インク滴)を吐出し、媒体Mに印刷を行うヘッドユニット23が設けられている。ヘッドユニット23は、キャリッジ24と、媒体Mと対向するようにキャリッジ24に搭載された印刷ヘッド25とを有する。キャリッジ24は、本体14内に主走査方向Xに往復移動可能な状態で収容されている。各液体収容部22からヘッドユニット23へは不図示のチューブを通じて各色の液体(インク)が供給される。なお、大判プリンター11は、液体収容ユニット21が本体14に取り付けられたオフキャリッジタイプの構成に限らず、キャリッジ24に複数の液体収容部22が取り付けられたオンキャリッジタイプの構成でもよい。
次に、図2を参照して印刷ヘッド25について説明する。図2は、印刷ヘッド25において液滴を吐出可能な多数のノズル31が開口する吐出面25A(ノズル開口面)を示す。図2に示すように、印刷ヘッド25の吐出面25Aには、それぞれ多数のノズル31が副走査方向Yに沿って所定のピッチPy(ノズルピッチ)で並ぶノズル列32を2つ(2列)ずつ有する4つのノズルプレート33が主走査方向Xに沿って並んで設けられている。1ノズル列当たりのノズル31の個数Fは、例えば100〜600個の範囲内の値(例えば400個)である。各ノズルプレート33に設けられている2つのノズル列32は、各ノズル31が副走査方向YにピッチPyの半分だけシフトした関係となっている。本実施形態では吐出面25Aに8つのノズル列32が設けられている。図2に示された例では、同じノズルプレート33に設けられた2つのノズル列32が同一色のインクを吐出し、副走査方向YにノズルピッチPyの1/2の距離に対応する高解像度で、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の液滴の吐出による印刷が可能である。なお、印刷ヘッド25に5つ以上(例えば6つ又は8つ)のノズルプレート33を設けてもよい。また、ノズルプレート33にノズル列32を1列のみ設け、1色につき1つのノズル列32を対応させ、印刷ヘッド25がノズルピッチPyに対応する解像度で液滴を吐出可能な構成でもよい。
また、図2に示すように、印刷ヘッド25には、ノズル31と同数の駆動素子34が内蔵されている。図2では、印刷ヘッド25の外側に一部の駆動素子34を模式的に描いているが、実際には駆動素子34はノズル31と対向する位置に配置されている。そして、組をなす1つのノズル31と1つの駆動素子34とにより1つの吐出部35が構成されている。印刷ヘッド25には、例えば1ノズル列当たりのノズル31の数Fと同数の吐出部35からなる吐出部群36が、ノズル列32の数と同数(図2の例では8つ)(但し、図2では1つのみ図示)設けられている。
なお、本実施形態では、複数の吐出部群36のうちの1つの吐出部群36が「第1吐出部群」の一例に相当し、他の1つの吐出部群36が「第2吐出部群」の一例に相当する。そして、第1吐出部群36に属する吐出部35が「第1吐出部」の一例に相当し、第2吐出部群36に属する吐出部35が「第2吐出部」の一例に相当する。印刷ヘッド25は、第1吐出部群と第2吐出部群とを含む複数の吐出部群36を有する構成であれば足り、吐出部群36の数は2以上の範囲(例えば2〜30)内の値で適宜変更できる。また、本実施形態では、1つの駆動信号が共通に送られる吐出部35の群により1つの吐出部群36が構成される。1つの吐出部群36が2つのノズル列32分の数の吐出部35により構成され、1つの駆動信号が複数の吐出部群36に共通に送られる構成でもよい。また、駆動信号が1つのノズル列32のうち一部に対応する吐出部群に送られ、そのノズル列32の他の一部に対応する吐出部群に他の駆動信号が送られる構成でもよい。
図2に示される駆動素子34は、例えば圧電素子(ピエゾ素子)により構成される。駆動素子34は、後述する所定の波形を有する駆動信号(駆動電圧)が印加されると、電歪作用により、ノズル31に連通するキャビティーの内壁部の一部を構成する振動板を振動させ、キャビティーを膨張・圧縮させることによりノズル31から液滴を吐出する。なお、駆動素子34は、駆動信号(駆動電圧)の印加により駆動される限りにおいて、圧電素子以外に、静電作用により駆動される静電駆動素子でもよいし、さらに液体(インク)を加熱して沸騰により発生した気泡の圧力(膨張圧)を利用してノズルから液滴を吐出させるヒーター素子でもよい。このように印刷ヘッド25は、ピエゾ駆動方式、静電駆動方式、サーマル駆動方式のいずれでもよい。
図3は、大判プリンター11におけるシリアル印刷が行われる部分を副走査方向Yの下流側から見たときの概略内部構成を示す。図3に示すように、大判プリンター11は、ヘッドユニット23、ガイド軸41、支持台42、キャッピング機構43及びメンテナンス機構44を備えている。
ヘッドユニット23は、不図示のキャリッジ移動機構の制御に基づき、ガイド軸41に沿って可動領域Rの範囲内において主走査方向Xに移動(往復動)する。ヘッドユニット23はキャリッジ24に搭載されている印刷ヘッド25の吐出面25Aが、媒体Mと対向する向きに配置される。
支持台42は、媒体Mに対しインク滴が吐出されたときに、媒体Mを印刷ヘッド25の吐出面25Aから液滴の吐出方向(本例では鉛直方向Z)に所定の距離(ギャップ)を隔てた位置に保持する。大判プリンター11に設けられた搬送部は、支持台42に保持された媒体Mを副走査方向Yに搬送する複数のローラー対(いずれも図示略)を有する。大判プリンター11は、印刷ヘッド25が主走査方向Xに移動する過程でインク滴を吐出して媒体Mに対して1パス(例えば1行)分の印刷をする印字動作と、搬送部の駆動により媒体Mを複数のローラー対により次行の印刷位置まで搬送する搬送動作とを交互に繰り返すことにより、媒体Mに対するシリアル印刷を行う。なお、搬送部は、複数のローラー対に加え又は替えて、搬送ベルトを備えた構成でもよい。
図2に示すヘッドユニット23によるシリアル印刷が可能な最大幅(以下、「最大印刷幅」という)は、支持台42の主走査方向Xの幅である支持幅PWと同等である。支持幅PWは、媒体Mを安定して保持・搬送するために主走査方向Xにおける媒体Mの幅である媒体幅Wの規格寸法Ws(想定される最大規格サイズの媒体の幅寸法)よりも広く設定される。本実施形態では、支持幅PW(すなわち最大印刷幅)は、規格寸法Wsの115%以下となっている。
本実施形態の大判プリンター11は、シリアル印刷が可能な最大幅(最大印刷幅)が、24インチ以上75インチ以下となっている。例えば、媒体幅Wの規格寸法Wsが24インチである大判プリンター11は、最大印刷幅が24インチに対応するプリンター(「24インチ対応プリンター」と呼ばれる)であり、具体的には、最大印刷幅が24インチよりも大きく27.6インチ以下のプリンターである。また、媒体幅Wの規格寸法Wsが36インチである大判プリンター11は、最大印刷幅が36インチに対応するプリンター(「36インチ対応プリンター」と呼ばれる)であり、具体的には、最大印刷幅が36インチよりも大きく41.4インチ以下のプリンターである。また、媒体幅Wの規格寸法Wsが44インチである大判プリンター11は、最大印刷幅が44インチに対応するプリンター(「44インチ対応プリンター」と呼ばれる)であり、具体的には、最大印刷幅が44インチよりも大きく50.6インチ以下のプリンターである。また、媒体幅Wの規格寸法Wsが64インチである大判プリンター11は、最大印刷幅が64インチに対応するプリンター(「64インチ対応プリンター」と呼ばれる)であり、具体的には、最大印刷幅が64インチよりも大きく73.6インチ以下のプリンターである。なお、上記の最大印刷幅であることに限定されず、ケーブル45が1メートル以上の長さを有する大判プリンター11であればよい。
ヘッドユニット23の移動(往復動)の起点であるホームポジションHPには、印刷ヘッド25の吐出面25Aを封止するキャッピング機構43が設けられている。ホームポジションHPは、大判プリンター11が、印刷を実行していないときに、ヘッドユニット23を待機させる位置でもある。
また、ヘッドユニット23の可動領域Rにおいて、ホームポジションHPから最も遠い場所には、メンテナンス機構44が設けられている。メンテナンス機構44は、メンテナンス処理として、吐出面25Aを不図示のキャップで塞ぐ状態の下で、キャップを通じてノズル31内の増粘したインクや気泡等をチューブポンプ(図示省略)により吸引するクリーニング処理、及び吐出面25Aにおけるノズル近傍に付着した紙粉等の異物をワイパーにより拭き取るワイピング処理を行う。
また、大判プリンター11は、その全体の制御を司る制御回路50(コントローラー)を備えている。制御回路50は、本体14(図1を参照)内の所定の場所に固定されている。そして、本体側の制御回路50と印刷ヘッド25は、フレキシブルなケーブル45を介して電気的に接続されている。ケーブル45は、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)からなる。制御回路50と印刷ヘッド25との間を接続するケーブル45の長さは、シリアル印刷が可能な最大幅の長い大判プリンター11ほど長くなっている。制御回路50と印刷ヘッド25との間を接続するケーブル45は、ヘッドユニット23(つまり印刷ヘッド25)の往復動に伴って変形する。
本実施形態の制御回路50は、制御基板51と駆動回路基板52とを備えている。制御基板51と駆動回路基板52との間はケーブル46を介して接続されている。また、ケーブル45は、制御基板51から印刷ヘッド25へ制御信号及び電源電圧信号VHV(図4を参照)を含む複数の信号を伝達するケーブル47と、駆動回路基板52から印刷ヘッド25へ駆動信号COMA,COMB(図4を参照)を含む複数の信号を伝達するケーブル48とを含む。また、印刷ヘッド25にはヘッド基板60が搭載されている。そして、制御回路50とヘッド基板60との間はケーブル45(47,48)を介して接続されている。
ヘッド基板60には、制御回路50からケーブル45を伝搬した駆動信号COMA,COMBと印刷データ信号SIn(いずれも図4、図5を参照)とが供給される。詳しくは、ヘッド基板60には、制御基板51からケーブル47を伝搬した印刷データ信号SIn及び電源電圧信号VHVが供給されるとともに、駆動回路基板52からケーブル48を伝搬した駆動信号COMA,COMBが供給される。ヘッド基板60は、駆動信号COMA,COMBと印刷データ信号SInとに基づいて各吐出部35(図2を参照)を駆動させる。印刷ヘッド25は、駆動素子34(図2を参照)に印加される駆動信号COMA,COMBの変化に伴い各ノズル31から液体(インク)を吐出することにより印刷する。なお、制御回路50を、制御基板51と駆動回路基板52とをまとめて1つの基板により構成してもよい。また、ケーブル45の一端をキャリッジ24上の端子に接続し、この端子とヘッド基板60との間を別のケーブルを介して接続してもよい。要するに、本体側の制御回路50と印刷ヘッド25との間がケーブル45で接続されていれば足りる。
図4は、大判プリンターにおける印刷ヘッドの制御系の電気的構成を示す。図4に示すように、大判プリンター11は、前述のとおり、ケーブル45を通じて互いに接続された制御回路50と印刷ヘッド25とを備えている。制御回路50は、前述の制御基板51と駆動回路基板52とを含んでいる。制御基板51には、制御部53と制御信号送信部54と電源回路55とが実装されている。また、駆動回路基板52には、複数(図4の例では4つ)の駆動信号生成回路56が実装されている。
制御部53は、例えばマイクロコントローラー等のプロセッサーで実現される。制御部53は、ホストコンピューターからの画像データ等の各種の信号に基づき、吐出部35からの液体の吐出を制御する複数種の制御信号を生成する。制御部53は、制御信号として、複数(例えば8つ)の印刷データ信号SI1〜SI8、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKを生成し、制御信号送信部54に出力する。印刷データ信号SI1〜SI8は、複数色(例えば4色)のインクの吐出制御に用いられる制御信号であり、色ごとに2つずつ計8つの吐出部群36をそれぞれ制御対象とする。つまり、印刷データ信号SIn(但し、添字nはn=1,2,…,iであり、iはノズル列数)は、吐出部群36ごとに生成される。
制御信号送信部54は、制御部53から出力される複数の印刷データ信号SI1〜SI8、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKを、ケーブル45を通じて印刷ヘッド25のヘッド基板60に供給する。制御信号送信部54は、例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)転送方式の差動信号を生成する。LVDS転送方式の差動信号はその振幅が350mV程度であるため高速データ転送を実現することができる。なお、制御信号送信部54は、LVDS以外のLVPECL(Low Voltage Positive Emitter Coupled Logic)やCML(Current Mode Logic)等の各種の高速転送方式の差動信号を生成してもよい。また、差動信号を用いない高速転送方式を採用してもよい。
図4に示す電源回路55は、電源電圧(例えば42V)の電源電圧信号VHV及びグランド電圧(0V)のグランド信号GNDを生成する。電源電圧信号VHVは、駆動回路基板52上の各駆動信号生成回路56へ伝送されるとともに、ケーブル45を介してヘッド基板60上の各ヘッド駆動回路61を含む各回路に供給される。また、グランド信号GNDは、駆動回路基板52上の各駆動信号生成回路56へ伝送されるとともに、ケーブル45を介してヘッド基板60上の各ヘッド駆動回路61を含む各回路に供給される。
また、図4に示す制御部53は、ホストコンピューターから供給される各種の信号に基づいて、印刷ヘッド25の各吐出部35を駆動させる駆動信号COMA,COMBの元となるデジタルデータからなる所定ビットの波形データCOMA−D,COMB−Dを生成する。制御部53は、波形データCOMA−D,COMB−Dを、駆動回路基板52上の駆動信号生成回路56に与える。
図4に示す駆動信号生成回路56は、制御部53からの所定ビットの波形データCOMA−D,COMB−Dを基に駆動信号COMA,COMBを生成する。詳しくは、駆動信号生成回路56は、波形データCOMA−Dに基づいて生成したデジタルの波形信号をD/A変換して増幅することにより少なくとも1つの波形を含む駆動信号COMAを生成する。また、駆動信号生成回路56は、波形データCOMB−Dに基づいて生成したデジタルの波形信号をD/A変換して増幅することにより少なくとも1つの波形を含む駆動信号COMBを生成する。
また、駆動回路基板52には、電源回路55からの電源電圧信号VHVを、一定電圧(例えば7.5V)の電源電圧信号GVDD、及び一定電圧(例えば3.3V)の低電源電圧信号VDDに変換する不図示の電圧変換回路が実装されている。電圧変換回路は、例えば電源電圧信号VHVを駆動信号生成回路56に供給するとともにケーブル45を通じてヘッド基板60に低電源電圧信号VDDを供給する。各駆動信号生成回路56は、電圧変換回路から出力される電源電圧信号GVDDから一定電圧(例えば6V)の基準電圧信号VBSを生成する。なお、各駆動信号生成回路56は、入力される波形データ、及び、出力する駆動信号が異なるのみであって、回路的な構成は同一であり、その詳細については後述する。
各駆動信号生成回路56が生成する駆動信号COMA,COMB及び基準電圧信号VBSは、ケーブル45を通じてヘッド基板60に供給される。各駆動信号生成回路56から出力される駆動信号COMAはすべて同じ波形の信号であり、駆動信号COMBはすべて同じ波形の信号である。
なお、制御部53は、印刷ヘッド25(ヘッド基板60)からケーブル45を通じて伝搬される不図示の温度信号THに応じて、駆動信号COMA,COMBの波形が補正されるように波形データCOMA−D,COMB−Dを生成する。また、制御部53は、印刷ヘッド25(ヘッド基板60)からケーブル45を通じて伝搬される異常信号XHOTが異常を示す信号値(例えばハイレベル)である場合、駆動信号生成回路56への波形データCOMA−D,COMB−Dの供給を停止し、印刷ヘッド25からの液滴の吐出を停止させる。
また、制御部53は、上記の処理以外にも、ヘッドユニット23(つまりキャリッジ24)の走査位置(現在位置)を把握し、ヘッドユニット23の走査位置に基づき不図示のキャリッジモーターを駆動制御することにより、ヘッドユニット23の主走査方向Xへの移動を制御する。また、制御部53は、搬送部の動力源である不図示の搬送モーターを駆動制御することにより、媒体Mの副走査方向Yへの移動を制御する。さらに、制御部53は、メンテナンス機構44(図3を参照)に、メンテナンス処理(クリーニング処理及びワイピング処理)を実行させる。
図4に示すように、ヘッド基板60には、8つの吐出部群36に対応して8つ(但し、図4では4つのみ図示)のヘッド駆動回路61が実装されている。また、ヘッド基板60には、ケーブル45を通じて伝搬された差動信号をそれぞれ差動増幅して、シングルエンドの印刷データ信号SI1〜SI8、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKに変換する不図示の制御信号受信部が設けられている。そして、印刷データ信号SI1〜SI8は、それぞれ対応するヘッド駆動回路61に供給され、8つの吐出部群36の吐出制御に用いられる。また、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKは、各ヘッド駆動回路61に共通に供給される。
各ヘッド駆動回路61は、入力した印刷データ信号SI1〜SI8のうち対応するいずれか1つ、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK及び駆動信号COMA,COMBに基づき、対応する吐出部群36を構成する吐出部35ごとに与える駆動信号VOUT(図7を参照)を生成し、各吐出部35へ出力する。駆動信号VOUTは吐出部35を構成する駆動素子34の一端に印加され、その他端には基準電圧信号VBSが印加される。各駆動素子34は、印加された駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとの電位差に応じて変位して液体を吐出させる。
制御回路50が、例えばi個(本例では8つ)の吐出部群36を吐出制御する構成において、駆動信号がj種(本例では2種)の駆動信号COMA,COMBを含むマルチ駆動方式である場合、ケーブル45中のi×j本の配線が駆動信号COMA,COMBの伝送に使用される。なお、制御回路50は、例えば1種類の駆動信号COMを用いて吐出制御するシングル駆動方式でもよく、この場合、ケーブル45中のi本の配線が駆動信号COMの伝送に使用される。
図4に示す各ヘッド駆動回路61の回路構成は基本的に同じであるため、同図では、印刷データ信号SI1が入力される1つのヘッド駆動回路61のみその詳細な回路構成を示している。図4に示すように、ヘッド駆動回路61は、シフトレジスター62、ラッチ回路63、制御ロジック64、デコーダー65、レベルシフター66及びスイッチ回路67を備えている。
以下、ヘッド駆動回路61の構成及びその動作を説明するに当たり、まず図5を参照し、ヘッド駆動回路61に入力される、印刷データ信号SI1〜SI8、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK及び駆動信号COMA,COMBについて詳しく説明する。
図5は、1ドット(1印刷画素)を形成するための液滴の吐出周期である印刷周期TAにおける、駆動信号COMA,COMB、印刷データ信号SI1〜SI8、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKを示す。図5に示す例では、印刷周期TAは、ラッチ信号LATが立ち上がってからチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T1と、チェンジ信号CHが立ち上がってから次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの期間T2とに分割される。
図5に示すように、駆動信号COMAは、期間T1に配置された波形Ap1(駆動パルス)と、期間T2に配置された波形Ap2(駆動パルス)とを連続させたアナログ信号となっている。本実施形態において、2つの波形Ap1,Ap2は、互いにほぼ同一の波形である。詳しくは、波形Ap1,Ap2は、所定の中心電位Vcを基準とする山形の台形波(山部)と谷形の台形波(谷部)とを時系列に連続させた波形となっている。すなわち、波形Ap1,Ap2は、山部と谷部とをこの順に含む波形を有している。
また、図5に示すように、駆動信号COMBは、期間T1に配置された台形波形Bp1(駆動パルス)と、期間T2に配置された波形Bp2(駆動パルス)とを時系列に連続させたアナログ信号となっている。本実施形態において、2つの波形Bp1,Bp2は、互いに異なる波形である。このうち、台形波形Bp1は、ノズル31の開孔部付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を抑制するための波形である。このため、仮に台形波形Bp1が駆動素子34の一端に供給されても、この駆動素子34に対応するノズル31からインク滴は吐出されない。また、波形Bp2は、波形Ap1(Ap2)とは形状の異なる波形であり、中心電位Vcを基準とする山形の台形波(山部)と谷形の台形波(谷部)とを時系列に連続させた波形となっている。波形Bp2が駆動素子34の一端に供給された場合、波形Ap1又はAp2が駆動素子34の一端に供給されたときにその駆動素子34に対応するノズル31から吐出される所定量よりも少ない量のインク滴の吐出が可能である。なお、波形Ap1,Ap2,Bp1,Bp2の開始タイミングの電圧と終了タイミングの電圧は、いずれも中心電位Vcで共通である。すなわち、波形Ap1,Ap2,Bp1,Bp2は、いずれも中心電位Vcから立ち上がり、中心電位Vcへ復帰する波形となっている。
ところで、媒体Mにドットを形成する方法としては、インク滴を1回吐出させて、1つのドットを形成する方法(第1方法)以外の他の方法もある。例えば、単位期間(印刷周期TA)にインク滴を2回以上吐出可能として、単位期間において吐出された2以上のインク滴を着弾させ、当該着弾した2以上のインク滴を結合させることで、1つのドットを形成する方法(第2方法)や、これら2以上のインク滴を結合させることなく、2以上のドットを形成する方法(第3方法)がある。
本実施形態では、第2方法によって、1つのドットについては、インクを最多で2回吐出させることで、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録(ドットなし)」の4階調を表現させる。この4階調を表現するために、本実施形態では、2種類の駆動信号COMA,COMBを用意して、それぞれにおいて、1周期TAに前半の波形パターンと後半の波形パターンとを持たせている。1周期のうち前半・後半の各期間T1,T2において、駆動信号COMA,COMBを、表現すべき階調に応じて選択又は非選択とし、その選択又は非選択により決まる波形を含む駆動信号VOUTを駆動素子34に供給する構成となっている。
図5に示すように、印刷データ信号SI1〜SI8(SIn)は、それぞれ吐出データSIと波形選択用の定義データSPとを含む。詳しくは、印刷データ信号SI1〜SI8は、吐出部35に1画素(ドット)を形成させるための2ビットのドットデータを1ノズル列分のノズル数(例えば400)の数だけ含む吐出データSIと、デコーダー65(図4)がドットデータをスイッチ回路67にオンオフを行わせる駆動信号VOUTに変換するための定義データSPとを含む。吐出データSIは、1画素当たり2ビットで表されるドットデータ(SIH,SIL)のうち上位ビットSIHのみを1ノズル列当たりのノズル数分集めた上位ビットデータSIHnと、下位ビットSILのみをノズル数分集めた下位ビットデータSILnとにより構成される。定義データSPは、吐出データSI中の2ビットのドットデータ(SIH,SIL)と、駆動信号COMA,COMB中の波形Ap1,Ap2,Bp1,Bp2(駆動パルス)のうち選択される波形との対応関係を定義付けた所定ビット数(例えば4ビット)のデータである。また、クロック信号SCKは、印刷データ信号SI1〜SI8と同じ出力期間に出力される。
次に、図4に示すヘッド駆動回路61の構成及びその動作を説明する。印刷データ信号SInは、ヘッド駆動回路61における各シフトレジスター62に入力される。シフトレジスター62は不図示の第1シフトレジスター(第1SR)、第2シフトレジスター(第2SR)及び第3シフトレジスター(第3SR)を備える。第1SRには印刷データ信号SIn中の上位ビットデータSIHnが格納され、第2SRには下位ビットデータSILnが格納される。また、第3SRには印刷データ信号SIn中の定義データSPが格納される。
図4に示すラッチ回路63は、ラッチ信号LATを入力し、シフトレジスター62(第1SRと第2SR)からの吐出データSI(SIHn,SILn)をラッチ信号LATに基づき保持し、印刷周期TAのタイミングごとにそれまで保持していた吐出データSIをデコーダー65へ出力する。
図4に示す制御ロジック64には、制御回路50からのチェンジ信号CHと、シフトレジスター62からの定義データSPとが入力される。制御ロジック64は、定義データSPを翻訳して、チェンジ信号CHのタイミングで図6に示す真理値表データRDをデコーダー65へ送る。
図4に示すデコーダー65は、ラッチ回路63から入力する吐出データSI中の1ノズル列分の数のドットデータ(SIH,SIL)を基に真理値表データRDを参照して、2ビットの選択信号Sa,Sbを期間T1,T2ごとに出力する。
図6は、デコーダー65における真理値表データRDを示す。デコーダー65は、入力した2ビットのドットデータ(SIH,SIL)を、定義データSPにより定義された真理値表データRDに従ってデコードし、2ビットの選択信号Sa,Sbを期間T1,T2ごとに出力する。デコーダー65は、入力したドットデータ(SIH,SIL)が例えば(1,1)(大ドット)であれば、選択信号Sa,Sbの論理レベルを、期間T1では(H,L)レベルとし、期間T2では(H,L)レベルとして出力する。また、デコーダー65は、ドットデータ(SIH,SIL)が(1,0)(中ドット)であれば、選択信号Sa,Sbの論理レベルを、期間T1では(H,L)レベルとし、期間T2では(L,H)レベルとして出力する。さらにデコーダー65は、ドットデータ(SIH,SIL)が(0,1)(小ドット)であれば、選択信号Sa,Sbの論理レベルを、期間T1では(L,L)レベルとし、期間T2では(L,H)レベルとして出力する。また、デコーダー65は、ドットデータ(SIH,SIL)が(0,0)(非記録)であれば、選択信号Sa,Sbの論理レベルを、期間T1では(L,H)レベルとし、期間T2では(L,L)レベルとして出力する。デコーダー65が期間T1,T2ごとに出力した2ビットの選択信号Sa,Sbは、レベルシフター66を介してスイッチ回路67へ順次入力される。
レベルシフター66は、電圧増幅器として機能し、選択信号Sa,Sbの電圧レベルを昇圧して出力する。レベルシフター66は、選択信号Sa,Sbが「H」レベルにある場合に、スイッチ回路67を駆動可能な例えば数十ボルト程度(例えば最大40V程度)の電圧に昇圧された電気信号を出力し、選択信号Sa,Sbが「L」レベルである場合は同様にLレベルの電気信号を出力する。つまり、レベルシフター66は、デコーダー65から入力した選択信号Sa,Sbを、より高振幅の論理レベルにレベルシフトする。そして、レベルシフター66から出力された各選択信号Sa,Sbは、スイッチ回路67に入力される。
図4に示すスイッチ回路67には、駆動信号生成回路56からケーブル45を通じて伝搬された駆動信号COMA,COMBと、デコーダー65からレベルシフター66を介して昇圧された選択信号Sa,Sbとが入力される。ここで、期間T1の選択信号Sa,Sbのうちの選択信号Saは、図5に示される駆動信号COMA中の期間T1における駆動パルスAp1の選択/非選択を規定する信号であり、選択信号Sbは、駆動信号COMB中の期間T1における駆動パルスBp1の選択/非選択を規定する信号である。また、期間T2の選択信号Sa,Sbのうちの選択信号Saは、駆動信号COMA中の期間T2における駆動パルスAp2の選択/非選択を規定する信号であり、選択信号Sbは、駆動信号COMB中の期間T2における駆動パルスBp2の選択/非選択を規定する信号である。
さらに図4に示すスイッチ回路67は、1ノズル列当たりの駆動素子34(つまりノズル31)の総数mと同数個(m個)の図8に示す選択部80を備えている。m個の選択部80は、選択信号Sa,Sbに基づき、期間T1,T2ごとに、駆動信号COMA,COMBのうち駆動素子34に印加すべき駆動パルスを選択する。
図8は、選択部80の構成を示す。図8に示すように、選択部80は、インバーター(NOT回路)81a,81bと、トランスファーゲート82a,82bとを有する。デコーダー65からの選択信号Saは、トランスファーゲート82aにおいて丸印が付されていない正制御端に供給される一方で、インバーター81aによって論理反転されて、トランスファーゲート82aにおいて丸印が付された負制御端に供給される。同様に、選択信号Sbは、トランスファーゲート82bの正制御端に供給される一方で、インバーター81bによって論理反転されて、トランスファーゲート82bの負制御端に供給される。
トランスファーゲート82aの入力端には、駆動信号COMAが供給され、トランスファーゲート82bの入力端には、駆動信号COMBが供給される。トランスファーゲート82a,82bの出力端同士は共通に接続され、この共通接続端子を介して駆動信号VOUTが吐出部35に出力される。
トランスファーゲート82aは、選択信号SaがHレベルであれば、入力端及び出力端の間を導通(オン)させ、選択信号SaがLレベルであれば、入力端と出力端との間を非導通(オフ)にする。トランスファーゲート82bについても同様に選択信号Sbに応じて、入力端及び出力端の間をオンオフさせる。
図7は、選択部80が出力する駆動信号VOUTの波形を示す図である。図6に示すように、選択部80が、期間T1で駆動信号COMA中の駆動パルスAp1を選択し、期間T2で駆動信号COMA中の駆動パルスAp2を選択することにより、「大トッド」に対応する駆動信号VOUTが生成される。この駆動信号VOUTが駆動素子34の一端に供給されると、印刷周期TAの間にノズル31から中程度の量のインクが2回に分けて吐出される。このため、媒体Mにはそれぞれのインクが着弾し合体して大ドットが形成される。
また、選択部80が、期間T1で駆動信号COMA中の駆動パルスAp1を選択し、期間T2で駆動信号COMB中の駆動パルスBp2を選択することにより、「中ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。この駆動信号VOUTが駆動素子34の一端に供給されると、印刷周期TAの間にノズル31から中程度及び小程度の量のインクが2回に分けて吐出される。このため、媒体Mにはそれぞれのインクが着弾し合体して中ドットが形成される。
また、選択部80が、期間T1で駆動信号COMA,COMB中のいずれの波形も選択せず、駆動素子34が有する容量性によって保持された直前の電圧Vcとなり、期間T2で駆動信号COMB中の駆動パルスBp2を選択することにより、「小ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。この駆動信号VOUTが駆動素子34の一端に供給されると、印刷周期TAの間にノズル31から期間T2においてのみ小程度の量のインクが吐出される。このため、媒体Mにはこのインクが着弾して小ドットが形成される。
さらに、選択部80が、期間T1で駆動信号COMB中の台形波形の駆動パルスBp1を選択し、期間T2で駆動信号COMA,COMB中のいずれの波形も選択せず、駆動素子34が有する容量性によって保持された直前の電圧Vcとなることで、「非記録」に対応する駆動信号VOUTが生成される。この駆動信号VOUTが駆動素子34の一端に供給されると、印刷周期TAの間にノズル31が期間T1において微振動するのみで、インクは吐出されない。このため、媒体Mにはインクが着弾せずドットは形成されない。
本実施形態の大判プリンター11は、1色当たり400個又は800個の駆動素子34を用いて規定の印刷解像度(例えば5760×1440dpi)のA3短辺幅サイズ(例えばA3判)の印刷物を毎分規定枚数(例えば2枚)以上印刷することを想定して設計されている。この印刷条件を満たすために、印刷ヘッド25の各吐出部35は、30kHz以上の周波数で液体を吐出して印刷することが可能である。
本実施形態における駆動信号生成回路56は、入力したデジタル信号である波形データCOMA−D,COMB−Dを基にデジタルの波形信号を生成する。駆動信号生成回路56は、そのデジタルの波形信号をアナログ信号に変換して増幅することにより駆動信号COMA,COMBを出力する不図示のデジタルアンプを備える。デジタルアンプは、例えばDAC(Digital Analog Converter)と増幅回路(いずれも図示略)を備える。
ところで、波形データCOMA−D,COMB−Dは、周波数スペクトル解析すると、例えば約60kHzにピークを有し、約10kHz〜400kHz程度の周波数が含まれている。ここで、駆動信号COMA,COMBは、波形データCOMA−D,COMB−Dの波形を、ジャギーを抑えて略忠実に再現される必要がある。駆動信号COMA,COMBをデジタルアンプで増幅するためには最低でも増幅前の駆動信号に含まれる周波数成分の10倍以上のスイッチング周波数でデジタルアンプを駆動させる必要がある。多くの成分が100kHz未満にあるゆえ、駆動信号生成回路56のDACには最低でも100kHzの10倍である1MHz程度のスイッチング周波数で駆動可能なデジタルアンプを用いることが望ましい。また、電源電圧VHVを例えば42Vとしたときに、駆動信号COMの振動幅は約2〜37Vと広いレンジが必要となる。波形品質を確保してパルス変調を行うためには、メガヘルツオーダーの高周波の変調信号で駆動することが求められる。そのため、本実施形態では、パルス幅変調方式よりも、高周波駆動に適しているパルス密度変調方式のDACを採用している。なお、DACは、パルス密度変調方式に限定されず、メガヘルツオーダーの高周波駆動に対応可能な変調方式であればよい。
次に図9を参照してケーブル45の構成について説明する。ケーブル45は、制御回路50から印刷ヘッド25へ出力される信号の伝送、及び印刷ヘッド25から制御回路50へ出力される信号の伝送に用いられる。詳しくは、制御回路50から印刷ヘッド25へ伝送される信号には、駆動信号COMA,COMB、基準電圧信号VBS、電源電圧信号VHV、グランド信号GND、印刷データ信号SI1〜SI8、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCK等が含まれる。一方、印刷ヘッド25から制御回路50へ伝送される信号には、不図示の温度異常検出信号XHOT及び状態検出信号NSAS等が含まれる。
図9に示すように、ケーブル45を構成する1m以上のケーブル48は、各種の信号を伝送(伝搬)するために、配線(芯線)CW1,CW2,CW3を含む複数の配線(芯線)を有している。本例のケーブル48は、図9に示す2枚のフラットなケーブル48A,48Bを重ねた構造となっており、各配線CW1,CW2,CW3を含む複数の配線はケーブル48A,48Bの長手方向に沿って互いに平行に延びている。
各ケーブル48A,48B内において複数の配線CW1,CW2,CW3は、ケーブル幅方向に一定の間隔で配置されている。また、2枚のケーブル48A,48Bが重ねられた状態で、第1ケーブル48Aの配線CW1,CW2,CW3と第2ケーブル48Bの配線CW1,CW2,CW3とは、互いに対向しないように配置される。なお、図9では、駆動信号COMA,COMB及び基準電圧信号VBSが伝送される配線CW1〜CW3のみ描いており、各配線CW1〜CW3には図9に括弧( )内に示す信号が伝送される。
第1ケーブル48Aにおける配線CW1,CW2は、8つの吐出部群36に対応する8つの駆動信号COMA1,COMA2,…,COMA8を伝送するための信号線である。第2ケーブル48Bにおける配線CW1,CW2は、8つの吐出部群36に対応する8つの駆動信号COMB1,COMB2,…,COMB8を伝送するための信号線である。第1配線CW1は、第1吐出部群36Aの駆動に用いる第1駆動信号COMA1,COMA3,COMA5,COMA7と、第1駆動信号COMB1,COMB3,COMB5,COMB7とを伝送するための信号線(芯線)である。また、第2配線CW2は、第2吐出部群36Bの駆動に用いる第2駆動信号COMA2,COMA4,COMA6,COMA8と、第2駆動信号COMB2,COMB4,COMB6,COMB8とを伝送するための信号線(芯線)である。第1駆動信号COMA1,COMA3,COMA5,COMA7と、第2駆動信号COMA2,COMA4,COMA6,COMA8とは、位相を有する信号である。また、第1駆動信号COMB1,COMB3,COMB5,COMB7と、第2駆動信号COMB2,COMB4,COMB6,COMB8とは、位相を有する信号である。
また、第3配線CW3は、8つの吐出部群36に対応する8つの基準電圧信号VBS1,VBS2,…,VBS8を伝送するための信号線である。但し、本実施形態では、基準電圧信号VBS1,VBS2,…,VBS8は、2本ずつの計2i本(例えば16本)の第3配線CW3により伝送される。なお、本明細書では、便宜上、配線CW1〜CW3を「信号線CW1〜CW3」ともいう。また、図9では、印刷データ信号SI1〜SI8、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK等の制御信号、及び電源電圧信号VHV、グランド信号GND用の配線(芯線)は図示を省略している。また、温度異常検出信号XHOT、状態検出信号NSASを伝送するための配線(芯線)の図示も省略している。
本例では、1色につき2つのノズル列32を用いて、8つのノズル列32で合計4色のインクを吐出する。1つのノズル列32に対応する1つの吐出部群36は、2種類の駆動信号COMA,COMBと基準電圧信号VBSとにより駆動される。8つの吐出部群36は、それぞれ印刷データ信号SI1〜SI8、駆動信号COMA1〜COMA8、駆動信号COMB1〜COMB8、及び基準電圧信号VBS1〜VBS8により駆動される。
詳しくは、4色のうち第1色のインクを吐出する2つのノズル列32に対応する2つの吐出部群36のうち一方の第1吐出部群36Aは、第1駆動信号COMA1、第1駆動信号COMB1及び基準電圧信号VBS1により駆動される。同じく第1色のインクを吐出する2つの吐出部群36のうち他方の第2吐出部群36Bは、第2駆動信号COMA2、第2駆動信号COMB2及び基準電圧信号VBS2により駆動される。また、第2色のインクを吐出する2つのノズル列32に対応する2つの吐出部群36のうち一方の第1吐出部群36Aは、第1駆動信号COMA3、第1駆動信号COMB3及び基準電圧信号VBS3により駆動される。同じく第2色のインクを吐出する2つの吐出部群36のうち他方の第2吐出部群36Bは、第2駆動信号COMA4、第2駆動信号COMB4及び基準電圧信号VBS4により駆動される。
同様に第3色のインクを吐出する2つの吐出部群36のうち一方の第1吐出部群36Aは、第1駆動信号COMA5、第1駆動信号COMB5及び基準電圧信号VBS5により駆動され、他方の第2吐出部群36Bは、第2駆動信号COMA6、第2駆動信号COMB6及び基準電圧信号VBS6により駆動される。さらに第4色のインクを吐出する2つの吐出部群36のうち一方の第1吐出部群36Aは、第1駆動信号COMA7、第1駆動信号COMB7及び基準電圧信号VBS7により駆動され、他方の第2吐出部群36Bは、第2駆動信号COMA8、第2駆動信号COMB8及び基準電圧信号VBS8により駆動される。
前述のとおり、8つの駆動信号COMA1〜COMA8は、同位相かつ同波形の信号である。また、8つの駆動信号COMB1〜COMB8は同位相かつ同波形の信号である。基準電圧信号VBS1〜VBS8は同じ値の定電圧の信号である。駆動信号COMA1〜COMA8は同位相かつ同波形の信号であるので、それらが伝搬される配線間の距離が近いと相互誘導によりオーバーシュートが発生し易い。また、駆動信号COMB1〜COMB8は同位相かつ同波形の信号であるので、それらが伝搬される配線間の距離が近いと相互誘導によりオーバーシュートが発生し易い。
そのため、本例では、図9に示すように、第1ケーブル48Aにおいて、駆動信号COMA1〜COMA8の配線CW1,CW2間に、基準電圧信号VBS1〜VBS8の配線CW3を配置している。また、図9に示すように、第2ケーブル48Bにおいて、駆動信号COMB1〜COMB8の配線CW1,CW2間に、基準電圧信号VBS1〜VBS8の配線CW3を配置している。図9に示すように、2つのケーブル48A,48Bをその長手方向と交差する幅方向に沿って切断した断面において、第1ケーブル48Aには、駆動信号COMA用の配線CW1,CW2がケーブル幅方向に1つおきに配置されている。また、第2ケーブル48Bには、駆動信号COMB用の配線CW1,CW2がケーブル幅方向にケーブル48A側の配線CW1,CW2と幅方向に配線1本分ずらした位置で1つおきに配置されている。8つの基準電圧信号VBS1〜VBS8をそれぞれ2本ずつの配線で伝送するため、基準電圧信号VBS用の配線CW3は計16本ある。そして、ケーブル48A,48Bの幅方向における配線CW1,CW2の間に基準電圧信号VBS用の配線CW3が配置されている。そのため、駆動信号COMA用の配線CW1,CW2と、駆動信号COMB用の配線CW1,CW2とは、2つのケーブル48A,48Bを重ねたときに、それぞれ相手側のケーブル内の基準電圧信号VBS用の配線CW3と対向している。
こうして駆動信号COMA1〜COMA8,COMB1〜COMB8は、ケーブル幅方向と重ね方向(厚さ方向)との両方向で隣合わない配線を伝送される。このため、駆動信号COMA1〜COMA8が伝搬される配線CW1,CW2のケーブル幅方向のピッチは、ケーブル48Aの配線ピッチの2倍となっている。また、駆動信号COMB1〜COMB8が伝搬される配線CW1,CW2のケーブル幅方向のピッチは、ケーブル48Bの配線ピッチの2倍となっている。よって、駆動信号COMA1〜COMA8,COMB1〜COMB8が、ケーブル48A,48Bの幅方向と重ね方向(厚さ方向)とのいずれかで互いに隣の位置の配線(芯線)を通る構成に比べ、相互誘導による影響を小さく低減できるようにしている。
また、駆動信号COMA1〜COMA8,COMB1〜COMB8の配線CW1,CW2と、印刷データ信号SIn、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCK等の制御信号の配線とを離している。このため、制御信号に高電圧の駆動信号COMA1〜COMA8,COMB1〜COMB8の影響によるノズルが乗りにくい。なお、基準電圧信号VBS1〜VBS8の配線CW3の全て又は一部を、グランド信号の配線に置き換えてもよい。
図9に示すように、駆動信号COMA1〜COMA8用の配線CW1,CW2間に基準電圧信号VBS1〜VBS8用の配線CW3を配置するとともに、駆動信号COMB1〜COMB8用の配線CW1,CW2間に基準電圧信号VBS1〜VBS8用の配線CW3を配置する。これにより、配線CW1,CW2間の距離(配線ピッチの2倍)を長く確保し、駆動信号COMA1〜COMA8間の相互誘導及び駆動信号COMB1〜COMB8間の相互誘導によるオーバーシュートの低減が図られる。しかし、駆動信号COMA1〜COMA8及び駆動信号COMB1〜COMB8は、比較的高電圧かつ高周波数の信号であるため、配線ピッチの2倍程度のピッチを確保しただけでは電磁誘導によるオーバーシュートの低減効果が十分ではない。
そのため、本実施形態では、配線CW3を挟む両側のうち一方の配線CW1を通る駆動信号COMA1,COMA3,COMA5,COMA7と、他方の配線CW2を通る駆動信号COMA2,COMA4,COMA6,COMA8との位相をずらす。また、配線CW3を挟む両側のうち一方の配線CW1を通る駆動信号COMB1,COMB3,COMB5,COMB7と、他方の配線CW2を通る駆動信号COMB2,COMB4,COMB6,COMB8との位相をずらす。つまり、図9において、配線CW1と配線CW2との間で、それぞれ伝送される駆動信号COMA(2n−1),COMA(2n)間、及び駆動信号COMB(2n−1),COMB(2n)間で、ケーブル45を伝搬される過程での位相をずらしている。但し、nは、n=1,2,…,kである。kはインクの色数で、本例では「4」である。このように、第1駆動信号COMA(2n−1)と第2駆動信号COMA(2n)間で位相をずらし、かつ、第1駆動信号COMB(2n−1)と第2駆動信号COMB(2n)間で位相をずらすことにより、ケーブル45を伝搬される第1駆動信号と第2駆動信号との伝搬タイミングを調整する。これにより、駆動信号COMA,COMBがケーブル45を伝搬される過程における相互誘導に起因するオーバーシュートを効果的に低減する。なお、駆動信号COMAの波形の振幅に比べ、駆動信号COMBの波形の振幅が小さいので、駆動信号の位相をずらす処理は、振幅の一番大きな波形を含む一方の駆動信号COMAについてのみ行ってもよい。
次に、図10を参照して、第1駆動信号と第2駆動信号との位相をずらしケーブル45を伝搬されるタイミングを調整する構成及び処理の詳細について説明する。本実施形態では、第1駆動信号と第2駆動信号とに位相差を付与する処理は、駆動信号生成回路56が行う。なお、2つの駆動信号間で位相をずらす構成は、どの組の駆動信号間でも基本的に同じである。そのため、図10に示す駆動信号生成回路56では、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との位相をずらす構成のみ図示している。以下では、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とに位相差を付与する場合を例に説明する。また、図10では、第1色のインクを吐出する第1吐出部群36Aと第2吐出部群36B、及び各吐出部群36A,36Bをそれぞれ駆動させる2つのヘッド駆動回路61のみ示している。
図10に示すように、制御部53は、波形データCOMA−D,COMB−Dを保存している波形データ保存部53Aを有している。制御部53は、波形データ保存部53Aから読み出した波形データCOMA−D,COMB−Dを駆動信号生成回路56へ送る。駆動信号生成回路56は、制御部53から送られた波形データCOMA−Dを基に、位相の異なる第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とを生成する。詳しくは、駆動信号生成回路56は、図10に示す制御部53からの波形データCOMA−Dを基に第1駆動信号COMA1を生成する第1信号生成回路56Aと、波形データCOMA−Dを基に第2駆動信号COMA2を生成する第2信号生成回路56Bとを備える。なお、以下の説明では、制御部53からの波形データCOMA−Dのうち第1信号生成回路56Aへ送られる一方を第1波形データCOMA1−Dとし、第2信号生成回路56Bへ送られる他方を第2波形データCOMA2−Dとする。
第1信号生成回路56Aは、第1波形データCOMA1−Dを基に第1駆動信号COMA1を生成する波形生成回路57を備えている。また、第2信号生成回路56Bは、第2波形データCOMA2−Dが入力される伝搬タイミング調整回路の一例としての遅延回路58と、遅延回路58から出力された遅延処理後の第2波形データCOMA2−Dを基に第2駆動信号COMA2を生成する波形生成回路57とを備えている。遅延回路58は、第1信号生成回路56A内の波形生成回路57への第1波形データCOMA1−Dの入力タイミングに対して、第2信号生成回路56B内の波形生成回路57への第2波形データCOMA2−Dの入力タイミングを所定の遅延時間Δtだけ遅らせる機能を有する。なお、本実施形態では、遅延回路58は、駆動信号生成回路56内に設けられ、駆動信号生成回路56と遅延回路58とは、共に駆動回路基板52上に実装されている。このため、遅延回路58は、ケーブル45の上流段に位置し、ケーブル45から伝送される前に第1駆動信号に対して第2駆動信号を遅延させることで両駆動信号に遅延時間Δtに相当する位相差を付与する。
第1信号生成回路56Aへ入力された第1波形データCOMA1−Dは、遅延されることなく波形生成回路57へ出力され、第2信号生成回路56Bへ入力された第2波形データCOMA2−Dは、遅延回路58で遅延時間Δtだけ遅延された後に波形生成回路57へ出力される。波形生成回路57が入力した波形データを基に駆動信号を生成する処理時間は略一定である。そのため、波形生成回路57から出力される駆動信号の出力タイミングは、その波形生成回路57へ入力された波形データの入力タイミングに依存する。よって、第1信号生成回路56Aの波形生成回路57からは遅延していない第1駆動信号COMA1が出力され、第2信号生成回路56Bからは第1駆動信号COMA1に対して遅延時間Δtだけ遅延した第2駆動信号COMA2が出力される。
また、図10に示す駆動信号生成回路56では省略しているが、駆動信号生成回路56は、制御部53からの波形データCOMB−Dを基に、位相の異なる第1駆動信号COMB1と第2駆動信号COMB2とを生成する同様の第1信号生成回路56Aと第2信号生成回路56Bとを備えている。そして、駆動信号生成回路56は、波形データCOMB−Dを基に、遅延していない第1駆動信号COMB1と、第1駆動信号COMB1に対して遅延時間Δtだけ遅延した第2駆動信号COMB2とをそれぞれ生成し出力する。
こうして、遅延していない第1駆動信号COMA1がケーブル45中の第1配線CW1を通って印刷ヘッド25へ伝送され、第1駆動信号COMA1に対して遅延時間Δtだけ位相の遅れた第2駆動信号COMA2が第2配線CW2を通って印刷ヘッド25へ伝送される。また、遅延していない第1駆動信号COMB1がケーブル45中の第1配線CW1を通って印刷ヘッド25へ伝送され、第1駆動信号COMB1に対して遅延時間Δtだけ位相の遅れた第2駆動信号COMB2が第2配線CW2を通って印刷ヘッド25へ伝送される。さらに、駆動信号生成回路56が生成した基準電圧信号VBS1,VBS2がケーブル45中の第3配線CW3を通って印刷ヘッド25へ伝送される。
図10に示すように、印刷ヘッド25内のヘッド基板60上には、同一色(例えば第1色)のインクを吐出する第1吐出部群36Aと第2吐出部群36Bとを個別に駆動させる2つのヘッド駆動回路61が実装されている。一方のヘッド駆動回路61には第1駆動信号COMA1,COMB1が入力され、他方のヘッド駆動回路61には第2駆動信号COMA2,COMB2が入力される。そして、一方のヘッド駆動回路61は、第1駆動信号COMA1,COMB1と基準電圧信号VBS1との電圧差に応じて駆動素子34を駆動させることにより、第1吐出部群36Aの各吐出部35から液滴を吐出させる。また、他方のヘッド駆動回路61は、第2駆動信号COMA2,COMB2と基準電圧信号VBS2との電圧差に応じて駆動素子34を駆動させることにより、第2吐出部群36Bの各吐出部35から液滴を吐出させる。
また、図4に示す他の3つの駆動信号生成回路56も、図10に示す駆動信号生成回路56と同様の回路構成を有している。こうして、4つの駆動信号生成回路56は、ケーブル45中の第1配線CW1を通じて第1駆動信号COMA(2n−1),COMA(2n−1)を印刷ヘッド25へ伝送し、第2配線CW2を通じて第2駆動信号COMB(2n),COMB(2n)(但し、n=1,2,…,4)を印刷ヘッド25へ伝送する。すなわち、4つの駆動信号生成回路56からは、遅延していない第1駆動信号COMA1,COMA3,COMA5,COMA7と第1駆動信号COMB1,COMB3,COMB5,COMB7(いずれも図9を参照)とが各配線CW1を通って印刷ヘッド25へ伝送される。また、4つの駆動信号生成回路56からは、第1駆動信号に対して遅延時間Δtだけ遅れた第2駆動信号COMA2,COMA4,COMA6,COMA8と第2駆動信号COMB2,COMB4,COMB6,COMB8(いずれも図9を参照)とが各配線CW2を通って印刷ヘッド25へ伝送される。さらに、4つの駆動信号生成回路56からも、基準電圧信号VBS1〜VBS8が各第3配線CW3を通って印刷ヘッド25へ伝送される。
次に、図11を参照して、制御部53及び駆動信号生成回路56の詳細な構成を説明する。特に、遅延回路58を含む第2信号生成回路56Bの詳細な構成を説明する。なお、第1信号生成回路56Aは、第2信号生成回路56Bから遅延回路58を取り除いただけの構成であるので、その詳細な構成については説明を省略する。
図11に示すように、制御部53は、波形データ保存部53Aと波形データ読出部53Bとを備えている。波形データ保存部53Aは、制御部53内のROMにより構成されている。波形データ保存部53Aは、予め所定の温度(例えば25℃)におけるインク状態を考慮して電圧等を求めておいた複数の駆動波形W1〜W6における複数点(図11中のXで表示)の横軸を時間、縦軸を電圧とした座標系の座標値がROMの所定の記憶領域に保存されることにより構成される。波形データは、予め決められた台形波から成る複数の駆動波形W1〜W6(破線で示す波形)のそれぞれを規定する複数点(図11中のXで表示した台形波の折れ点)の座標値からなるデジタルデータからなる。波形データ保存部53Aには、駆動波形W1〜W6ごとの波形データ(図11では一例として波形データCOMA−D,COMB−D)が保存されている。
波形データ読出部53Bは、制御部53内のCPUにより構成され、階調データに対応する所望の駆動波形(例えば、駆動波形W1)における複数点(Xで表示した10個の折れ点)の座標値のデータを波形データ保存部53Aから選択的に読み出す。また、波形データ読出部53Bは、入力した階調データに基づき、複数の駆動波形W1〜W6のうちから対応する駆動波形(例えば駆動波形W1)を選択し、選択したその駆動波形を規定する波形データCOMA−Dにおける複数点(Xで表示した8個の折れ点)の座標値のデータを選択的に読み出す。なお、図11では、波形データ保存部53Aに保存された駆動信号COMA用の一部の駆動波形W1〜W3を規定する3つの波形データCOMA−Dと、駆動信号COMB用の一部の駆動波形W4〜W6を規定する3つの波形データCOMB−Dのみ示している。
波形データ読出部53Bが読み出した波形データ(例えば駆動波形W1の波形データCOMA−D)は、駆動信号生成回路56へ出力される。波形データCOMA−Dは駆動信号生成回路56内で2つに分かれ、一方の第1波形データCOMA1−Dが第1信号生成回路56Aに入力され、他方の第2波形データCOMA2−Dが第2信号生成回路56Bに入力される。なお、2つの信号生成回路56A,56Bにそれぞれ入力された第1波形データCOMA1−Dと第2波形データCOMA2−Dは、共に波形データ読出部53Bから送られた波形データCOMA−Dと同じ値のデータである。
次に、図11に示された第2信号生成回路56Bの詳細な構成について説明する。第2信号生成回路56Bは、遅延回路58と波形生成回路57とを備えている。なお、前述のように、第1信号生成回路56Aは、遅延回路58を有しておらず、波形生成回路57のみ備えている。
図11に示す制御部53は、例えばホストコンピューターから受信した印刷データに含まれる階調データに応じて波形データを選択するとともに、その選択した波形データを基に波形データ中の山形の台形波の立ち上がり期間に応じた値の遅延設定信号DSを遅延回路58へ出力する。遅延回路58には、入力した遅延設定信号DSの値に応じた遅延時間Δtが設定される。つまり、遅延回路58が遅延処理を行うときの遅延時間Δtは、選択される波形データに応じて可変となっている。遅延時間Δtは、遅延処理の対象となる波形データ(駆動波形)に基づく駆動波形中の山形の台形波の立ち上がり期間に応じて決められる。
遅延回路58は、波形データ読出部53Bの読み出した複数点(駆動波形W1の例ではXで表示した8個の折れ点、以下同じ)の座標値のデータを、遅延時間Δtだけ遅延させるデータ処理を行う。遅延回路58は、波形データ読出部53Bの読み出した複数点の座標値のデータに、そのデータで規定される駆動波形を、遅延補正を行わない場合に比べ、波形の立ち上がり開始点を遅延時間Δtに相当する時間だけ遅延させるべく波形データCOMA−Dに補正処理を施す。例えば波形データにおける始点の座標値を、山形の台形波における立ち上がり開始点の座標値に対して、両者の二点間の距離を長くする処理を行う。例えば始点から立ち上がり開始点までの一定値の部分の長さを「0(零)」の数で特定し、「0」から「1」に切り替わったことをもって立ち上がりを開始する処理を行う。例えば、当初の波形データの始点からの値が「00000111…」であるとすると、先頭の「0」の数を増やし、例えば「00000000111…」にすることで、デジタルデータからなる波形データCOMA−Dの遅延処理を行う。遅延回路58から出力された遅延後の波形データCOMA−Ddは、波形生成回路57へ入力される。
図11に示すように、波形生成回路57は、波形データ変換部71、波形データ補間部72、D/A変換部73及び信号増幅部74を備えている。D/A変換部73は、D/Aコンバーター75及びローパスフィルター76(LPF)を備えている。
波形データ変換部71は、遅延回路58の出力した複数点の座標値のデータを絶対座標の値から相対座標の値に変換する。波形データ補間部72は、波形データ変換部71の出力した複数点の相対座標値のデータに対し点間の値を補間して波形を生成する。D/A変換部73は、波形データ補間部72により補間され生成されたデジタルの駆動波形の信号(波形信号)をデジタル/アナログ変換してアナログ信号として出力する。信号増幅部74は、D/A変換部73により出力された駆動波形を表すアナログ信号を増幅する。
波形データ補間部72は、ゲ−トアレイにより構成され、波形データ補間部72(ゲ−トアレイ)に割り込みがかけられることにより、点間の値が補間計算され、波形が生成される。D/A変換部73は、D/Aコンバーター75とローパスフィルター76(LPF)により構成される。本実施形態では、D/Aコンバーター75に、10bit、50MPS(変換スピードが50MHzまで対応可能)のものを用いている。
信号増幅部74は、増幅回路(アンプ)により構成され、D/A変換部73によりアナログ変換された波形信号を、印刷ヘッド25(駆動素子34)を駆動できる電圧まで増幅して出力する。こうして第2信号生成回路56Bからは、第1駆動信号COMA1に対して遅延時間Δtだけ位相の遅れた第2駆動信号COMA2が出力される。一方、第1信号生成回路56Aは、第2信号生成回路56Bと同様の波形生成回路57を備え、その波形データ変換部71に遅延していない波形データCOMA1−Dが入力されることにより、波形データ補間部72、D/A変換部73及び信号増幅部74を介して、遅延していない第1駆動信号COMA1を出力する。
次に、図12及び図13を参照して、図10に示す駆動信号生成回路56から出力される第1駆動信号COMAと第2駆動信号COMA2とに位相差を付与する処理について説明する。図12は、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との間に位相差を付与しない比較例の信号波形図を示す。また、図13は、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との間に位相差を付与する制御を行う実施例の信号波形図を示す。図12、図13において、破線で示す台形波が複数点の座標値からなる波形データCOMA−Dで規定される駆動波形を示し、上段のグラフに太線で示す波形が第1駆動信号COMA1であり、下段のグラフに太線で示す波形が第2駆動信号COMA2である。なお、図12、図13に示す例では、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とに含まれる波形(駆動パルス)のうち山形の台形波の部分のみ示している。
図12、図13において、電源電圧VHVは、ヘッド駆動回路61において駆動信号COMA,COMBが印加される各種電子部品のうち定格電圧の最も低い電子部品(例えばトランスファーゲート82a,82b等)の定格電圧未満の値に設定されている。また、図12、図13に示すように、駆動信号COMの最大電圧Vmax(最大電位)は、電源電圧VHVよりも低い値に設定されている。ところで、駆動信号COMA1,COMA2はケーブル45中の比較的近く(1つ配線を間において)位置する各配線CW1,CW2を伝搬される。そのため、図12に示す比較例のように、駆動信号COMA1,COMA2が同位相であると、相互誘導により、電位変化の大きい立ち上がり期間Trを終えて最大電圧Vmax(ホールド電圧)へ至った際の波形の角部にオーバーシュートOSが発生し易い。また、印刷ヘッド25のノズル数が増えてケーブル45中の1本の配線がサポートする吐出部35(つまりノズル31)の数が多くなるほど、その1本の配線を伝搬される駆動信号COM1の電力が相対的に大きくなり、オーバーシュートの悪影響が大きくなり易い。
また、駆動素子34として用いる圧電素子は、ノズル31内のインクのメニスカスの動きに連動させて引く・押す動作を精緻なタイミングで切り替え制御される必要があるので、繊細な波形設計をしなければならない。例えば波形の最大電位Vmaxでホールドする時間(図5では台形波形の上辺の長さに相当)をヘルムホルツ周波数の1/N(例えば1/2〜1/10の範囲内の値)に設定している。このホールド時間の設定が厳密に行われる必要があるので、波形の角部を成形する波形生成制御を厳密に行う必要がある。台形波の角部は、周波数の時間変化が顕著な箇所なので、波形の他の部分に比べ、図12に示すようにオーバーシュートOSが発生し易い。
また、A3短辺幅以上のシリアル印刷に対応できる1m以上の長尺なケーブル45は、その長さに起因してインダクタンス及びインピーダンスが大きくなる。また、ケーブル45がヘッドユニット23(キャリッジ24)の動作に応じて変動や摺動するとインダクタンスの変化幅が大きくなったり、ケーブル45内の配線が近づいて配線間距離が一時的に短くなったりする場合がある。これらも一因となって、図12に示すように、駆動信号COMA1,COMA2に電源電圧VHVを超えるオーバーシュートOSが発生し易くなる。この結果、トランスファーゲート82a,82bや駆動素子34に定格電圧を超える過度な電圧が印加されてしまう。
本実施形態では、オーバーシュートOSの発生要因のうち少なくとも相互誘導に起因する部分を低減させる。そのため、図13に示すように、第1波形データCOMA1−Dに対して第2波形データCOMA2−Dを、遅延回路58(図10、図11を参照)によって遅延時間Δtだけ遅延させる。遅延時間Δtは、図13に示すように、第1波形データCOMA1−Dにおける山形の台形波の立ち上がり過程の電位変化期間である立ち上がり期間Tr1に対して、第2波形データCOMA2−Dの立ち上がり期間Tr2が重ならなくなる(オーバーラップしなくなる)まで第2波形データCOMA2−Dを遅らすことが可能な時間に設定されている。このため、第1波形データCOMA1−Dを基に生成される第1駆動信号COMA1と、第2波形データCOMA2−Dを基に生成される第2駆動信号COMA2との立ち上がり期間Tr1,Tr2が重ならなくなる。よって、図13に示すように、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との相互誘導に起因して発生するオーバーシュートOSが小さく抑えられる。
次に、大判プリンター11の作用を説明する。大判プリンター11は、例えばホストコンピューターから印刷データを受信し印刷実行の指示を受け付けると、印刷制御を開始する。
図11に示す制御部53では、波形データ読出部53Bが、印刷データに含まれる階調データに応じた波形データCOMA−D,COMB−Dを波形データ保存部53Aから読み出し、駆動信号生成回路56へ送る。また、制御部53は、選択した波形データCOMA−D,COMB−Dに応じた遅延設定信号DSを駆動信号生成回路56内の遅延回路58へ出力する。遅延回路58には、入力した遅延設定信号DSの値に応じた遅延時間Δtが設定される。この遅延時間Δtは、波形データCOMA−Dに基づき生成される2つの駆動信号に含まれる2つの駆動波形(山形の台形波)の立ち上がり期間Tr1,Tr2が重ならなくなるまでの値に設定される(図13を参照)。
図11に示す駆動信号生成回路56は、制御部53からの波形データCOMA−D,COMB−Dを基に、第1駆動信号COMA1,COMB1と、第1駆動信号COMA1,COMB1に対して遅延した第2駆動信号COMA2,COMB2(図12では太線)とを含む複数の駆動信号COMA1〜COMA8,COMB1〜COMB8を生成する。生成された駆動信号COMA1〜COMA8,COMB1〜COMB8は1m以上の長尺なケーブル45(図9)を通じて印刷ヘッド25内のヘッド基板60へ伝搬される。このとき、図9に示すように、第1ケーブル48Aにおいて幅方向に1つおきに位置する各配線CW1を通って第1駆動信号COMA1,COMA3,COMA5,COMA7が伝搬され、幅方向に配線CW1間に位置する各配線CW2を通って第2駆動信号COMA2,COMA4,COMA6,COMA8が伝搬される。また、図9に示す第2ケーブル48Bにおいて1つおきに位置する各配線CW1を通って第1駆動信号COMB1,COMB3,COMB5,COMB7が伝搬され、幅方向に配線CW1間に位置する各配線CW2を通って第2駆動信号COMB2,COMB4,COMB6,COMB8が伝搬される。また、駆動信号生成回路56が生成した基準電圧信号VBS1〜VBS8が、各ケーブル48A,48Bにおいて第1配線CW1と第2配線CW2との間に位置する第3配線CW3を通って伝搬される。
以下、図10及び図11を参照し、駆動信号生成回路56が波形データCOMA−Dを基に第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とを生成する処理について説明する。なお、第1駆動信号COMB1と第2駆動信号COMB2との生成処理は、駆動信号COMA1,COMA2の生成処理と基本的に同じであるので、以下では駆動信号COMA1,COMA2の例でその信号生成処理について説明する。
図10に示す制御部53から送られた波形データCOMA−Dは、駆動信号生成回路56内で2つに分かれ、一方の第1波形データCOMA1−Dが第1信号生成回路56Aへ入力され、他方の第2波形データCOMA2−Dが第2信号生成回路56Bへ入力される。第1波形データCOMA1−D及び第2波形データCOMA2−Dは、1つの波形データCOMA−Dを2経路に分配したものなので、同位相かつ同波形の同じ信号である。
図10に示す第1信号生成回路56Aへ入力された第1波形データCOMA1−Dは、遅延されることなく波形生成回路57へ入力される。第2信号生成回路56Bへ入力された第2波形データCOMA2−Dは、遅延回路58で遅延された後に波形生成回路57へ入力される。各波形生成回路57は、それぞれ入力タイミングの異なる波形データCOMA1−D,COMA2−Dを基に第1駆動信号COMA1、第2駆動信号COMA2を生成する。ここで、各波形生成回路57は、波形データCOM−D1,COM−D2の入力から駆動信号COMA1,COMA2を出力するまでの処理時間が同じである。その結果、第1信号生成回路56Aから出力される第1駆動信号COMA1に対して、第2信号生成回路56Bから出力される第2駆動信号COMA2は、遅延時間Δtだけ遅延した信号となる。
図11に示す駆動信号生成回路56において第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との伝送開始タイミングをずらす処理は以下のように行われる。制御部53からの波形データCOMA−Dは、第1信号生成回路56Aへは第1波形データCOMA1−Dとして入力され、第2信号生成回路56Bへは第2波形データCOMA2−Dとして入力される。
第1信号生成回路56Aへ入力された第1波形データCOMA1−Dは波形生成回路57へ入力される。一方、第2信号生成回路56Bへ入力された第2波形データCOMA2−Dは遅延回路58へ入力される。遅延回路58は、制御部53から入力した複数点の座標値を含む波形データCOMA2−Dを、遅延時間Δtだけ遅延させるデータ処理を行う。詳しくは、遅延回路58は、例えば第2波形データCOMA2−Dの始点(始端)と立ち上がり開始点との距離を長くするデータ処理を行う。遅延回路58は、例えば波形データCOMA2−Dにおける始点から立ち上がり開始点までの一定値の部分の長さを規定している「0(零)」の数を増やすことにより、遅延回路58へ入力された波形データCOMA2−Dの遅延処理を行う。例えば、当初の波形データCOMA2−Dが「00000111…」であるとすると、遅延回路58は、先頭の「0」の数を増やし、例えば「00000000111…」にすることで、デジタルデータからなる波形データCOMA2−Dを遅延時間Δtだけ遅延させる。遅延回路58が遅延させた遅延後の波形データCOMA−Ddは、図11に示す波形生成回路57へ入力される。
図11に示すように、遅延後の波形データCOMA−Ddは、波形生成回路57内の波形データ変換部71に入力される。波形データ変換部71は、波形データCOMA−Ddを構成する複数点の座標値を、絶対座標の値から相対座標の値に変換する。波形データ補間部72は、波形データ変換部71の出力した複数点の相対座標値のデータに対し点間の値を補間して波形を生成する。D/A変換部73は、波形データ補間部72により補間され生成された駆動波形W1のデータをデジタル/アナログ変換してアナログ信号として出力する。信号増幅部74は、D/A変換部73により出力された駆動波形W1を表すアナログ信号を増幅する。一方、第1信号生成回路56Aでは波形データCOMA1−Dが波形生成回路57に入力され、波形生成回路57において、遅延していない波形データCOMA1−Dを基に、第2信号生成回路56B内の波形生成回路57と同様の処理が行われる。こうして、第1信号生成回路56Aからは第1駆動信号COMA1が出力され、第2信号生成回路56Bからは、第1駆動信号COMA1に対して遅延時間Δtだけ遅延した第2駆動信号COMA2が出力される。さらに、第1信号生成回路56Aからは第1駆動信号COMB1が出力され、第2信号生成回路56Bからは、第1駆動信号COMB1に対して遅延時間Δtだけ遅延した第2駆動信号COMB2が出力される。
同様に、各駆動信号生成回路56において、図10、図11に示す第1信号生成回路56Aと第2信号生成回路56Bとにより第1駆動信号と第2駆動信号とが生成され出力される。すなわち、4つの駆動信号生成回路56から、第1駆動信号COMA1,COMA3,COMA5,COMA7、COMB1,COMB3,COMB5,COMB7と、第1駆動信号に対して遅延時間Δtだけ遅延した第2駆動信号COMA2,COMA4,COMA6,COMA8、COMB2,COMB4,COMB6,COMB8とが出力される。つまり、複数の駆動信号生成回路56から、第1駆動信号COMA(2n−1),COMB(2n−1)と、これら第1駆動信号に対して遅延時間Δtだけ遅延した第2駆動信号COMA(2n),COMB(2n)とが出力される。
図9に示すように、第1ケーブル48Aの幅方向に1つおきに位置する配線CW1,CW2のうち第1配線CW1を通って第1駆動信号COMA1,COMA3,COMA5,COMA7が伝搬される。また、第2配線CW2を通って第1駆動信号に対して立ち上がり期間Trに匹敵する分だけ位相のずれた第2駆動信号COMA2,COMA4,COMA6,COMA8が伝搬される。また、第2ケーブル48Bの幅方向に1つおきに位置する配線CW1,CW2のうち第1配線CW1を通って第1駆動信号COMB1,COMB3,COMB5,COMB7が伝搬され、第2配線CW2を通って第1駆動信号に対して立ち上がり期間Trに匹敵する分だけ位相のずれた第2駆動信号COMB2,COMB4,COMB6,COMB8が伝搬される。つまり、第1ケーブル48Aの幅方向に隣同士の位置を伝搬される第1駆動信号COMA(2n−1)と第2駆動信号COMA(2n)との位相がずれており、第2ケーブル48Bの幅方向に隣同士の位置を伝搬される第1駆動信号COMB(2n−1)と第2駆動信号COMB(2n)との位相がずれている。そして、ケーブル48A,48Bの重ね方向(厚さ方向)において、各駆動信号COMA,COMBが伝搬される配線CW1,CW2が、基準電圧信号VBSが伝搬される配線CW3と対向している(重なっている)。よって、遅延時間Δtに相当する分だけ位相のずれた第1駆動信号COMA(2n−1)と第2駆動信号COMA(2n)との間で相互誘導の影響が少なくなる。また、遅延時間Δtに相当する分だけ位相のずれた第1駆動信号COMB(2n−1)と第2駆動信号COMB(2n)との間で相互誘導の影響が少なくなる。
図12に示すように、ケーブル45を伝搬される第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とが同波形かつ同位相であると、両駆動信号COMA1,COMA2の相互誘導によりオーバーシュートOSが発生し易い。しかし、本実施形態では、図13に示すように、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2が、山形の台形波の立ち上がり期間Tr1,Tr2が重ならなくなる遅延時間Δtだけ遅延している。この結果、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との相互誘導の影響が小さくなり、図13に示すようにオーバーシュートを効果的に低減できる。こうしてヘッド駆動回路61へはオーバーシュートが抑制された図13に実線で示す第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とが入力される。このとき、ヘッド駆動回路61内に入力される第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2は、最大電圧が電源電圧VHV以下に抑えられるので、定格を超える電圧がトランスファーゲート82a,82bや駆動素子34に印加されることはない。この結果、トランスファーゲート82a,82b及び駆動素子34を定格を超える電圧が印加されることによる故障から保護できる。よって、印刷ヘッド25を長期に亘り安定に駆動させることができ、印刷ヘッド25の故障や印刷品質の乱れなどの問題の少なくとも1つを低減できる。
なお、制御回路50が、例えば1種類の駆動信号COMでi本のノズル列32を吐出制御するシングル駆動方式においても、駆動信号COMはケーブル45中のi本の配線のうち第1配線CW1と第2配線CW2に第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とが伝搬される。そのうえ、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とが最大電位Vmaxをとる波形(台形波)の立ち上がり期間に匹敵する時間だけ位相がずれる。このため、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2との相互誘導に起因するオーバーシュートを効果的に抑制でき、ひいてはトランスファーゲート82a,82b及び駆動素子34を過電圧の印加による故障等から保護できる。
以上詳述した実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)A3短辺幅以上の大判の媒体Mに対してシリアル印刷が可能な大判プリンター11は、第1吐出部35を含む複数の吐出部35からなる第1吐出部群36Aと、第2吐出部35を含む複数の吐出部からなる第2吐出部群36Bとを含む複数(例えば8つ)の吐出部群36を有する印刷ヘッド25を備える。また、大判プリンター11は、第1吐出部群36Aに含まれる吐出部35を駆動するための第1駆動信号COMA1と、第2吐出部群36Bに含まれる吐出部35を駆動するための第2駆動信号COMA2とを含む複数の駆動信号COMA3〜COMA8,COMB1〜COMB8を生成する駆動信号生成回路56を備える。さらに大判プリンター11は、第1駆動信号COMA1を第1吐出部群36Aへ伝搬する第1配線CW1と、第2駆動信号COMA2を第2吐出部群36Bへ伝搬する第2配線CW2とを含む複数の配線を有する1m以上のケーブル45とを備える。また、大判プリンター11は、両駆動信号COMA1,COMA2がケーブル45を伝搬されるタイミングを、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を遅らせる伝搬タイミング調整回路の一例としての遅延回路58を有する。よって、ケーブル45に含まれる第1配線CW1を伝搬される第1駆動信号COMA1に対して、ケーブル45に含まれる第2配線CW2を伝搬される第2駆動信号COMA2が遅延する。したがって、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との相互誘導等の相互干渉を抑制し、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2におけるオーバーシュートを抑制できる。
(2)大判プリンター11では、駆動信号生成回路56と遅延回路58とは、同じ基板52上に配され、ケーブル45にて伝達される第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とは位相を有する。よって、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を遅延させることにより、両駆動信号COMA1,COMA2間に位相差が生じ、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との相互誘導等の相互干渉に起因するオーバーシュートを抑制できる。
(3)大判プリンター11は、駆動信号生成回路56が第1駆動信号COMA1及び第2駆動信号COMA2の波形を生成する元となる波形データCOMA1−D,COMA2−Dを駆動信号生成回路56に与える制御部53を備える。遅延回路58は、第1駆動信号COMA1の元となる第1波形データCOMA1−Dに対して第2駆動信号COMA2の元となる第2波形データCOMA2−Dを相対的に遅らせることにより、駆動信号生成回路56が生成する第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を遅延させる。よって、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との相互誘導等の相互干渉に起因するオーバーシュートを抑制できる。また、遅延回路58は波形データへのデータ処理を行うので、両波形データCOMA1−D,COMA2−Dの間で一方を他方に対して遅らせることも早めることもできるので、駆動信号の伝搬タイミングを調整するうえで自由度が高まる。
(4)第1駆動信号COMA1及び第2駆動信号COMA2は、山形の台形波と谷形の台形波とを含む信号である。遅延回路58は、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を、互いの山形の台形波の立ち上がり期間Tr1,Tr2が重ならない位相差になるよう遅延させる。よって、立ち上がり期間Tr1,Tr2が一部重なる場合に比べ、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との相互誘導等に起因するオーバーシュートを効果的に抑制できる。
(5)遅延回路58は、ケーブル45の上流段で、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を遅延させる伝搬タイミング調整回路として機能する。よって、ケーブル45から送る前に、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との間に位相差ができるので、ケーブル45を伝搬中の第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2との相互誘導等に起因するオーバーシュートを効果的に抑制できる。
(6)大判プリンター11は、シリアル印刷が可能な最大幅が、24インチ以上75インチ以下である。よって、24インチ以上75インチ以下の最大幅でシリアル印刷が可能な程度にケーブル45が長くても、ケーブル45を伝搬される過程で駆動信号COMA,COMBにオーバーシュートOSが発生することを、オーバーシュート防止回路70により効果的に抑制することができる。
(7)大判プリンター11は、シリアル印刷が可能な最大幅が、24インチ、36インチ、44インチ、64インチのいずれか1つに対応している。よって、ケーブル45が24インチ、36インチ、44インチ、64インチのいずれか1つのシリアル印刷に対応する比較的長いものであっても、ケーブル45を伝搬される過程で駆動信号COMA,COMBにオーバーシュートOSが発生することを効果的に抑制することができる。
(8)印刷ヘッド25は、30kHz以上の周波数で液体を吐出する。印刷ヘッド25を駆動するためにケーブル45を伝搬される駆動信号COMA(COMA1〜COMA8),COMB(COMB1〜COMB8)は、30kHzよりも更に大きな値の高周波数の信号である。そのため、駆動信号COMA,COMBがケーブル45を伝搬される過程で発生し易いオーバーシュートOSを効果的に除去することができる。
なお、上記実施形態は以下の形態に変更することもできる。
・前記実施形態において、遅延回路58は、波形生成回路57の上流段に設ける構成に限らず、図14に示すように、波形生成回路57の下流段に設けてもよい。すなわち、駆動信号生成回路56において波形データを基に駆動信号を生成する波形生成回路57とケーブル45とを接続する配線77上に遅延回路58を設け、波形生成回路57の下流で第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を遅延させる構成とする。図14に示すように、駆動信号生成回路56は、制御部53からの波形データを入力する信号生成回路56Cと、信号生成回路56Cから出力された駆動信号COMAを2つに分配して出力し、そのうち一方の第1駆動信号COMA1に対して他方の第2駆動信号COMA2を遅延させる伝搬タイミング調整回路の一例としての遅延回路78とを備える。信号生成回路56Cは、1つの波形生成回路57を有している。波形生成回路57は図10、図11に示すものと同じ構成を有している。波形生成回路57は、入力した波形データCOMA−Dを基に駆動信号COMAを生成する。遅延回路78は、波形生成回路57から出力されたアナログ信号からなる駆動信号COMAが分配された2つの駆動信号COMA1,COMA2のうち他方の第2駆動信号COMA2を入力しこれを遅延時間Δtだけ遅延させて出力する。この遅延時間Δtは、前記実施形態と同様に、ホストコンピューターから受信する印刷データ中の階調データに基づき制御部53が選択した波形データに応じた時間に設定される。遅延回路58には、制御部53から出力された遅延設定信号DSの値に応じて設定される。また、遅延時間Δtは、図13と同様に、駆動信号COMA1,COMA2の最大電圧Vmaxをとる波形(台形波)の立ち上がり期間Trに匹敵する位相差が付与されるように第2駆動信号COMA2を遅延させる。
この構成によれば、前記実施形態と同様に、1m以上の長尺なケーブル45及び第1駆動信号と第2駆動信号COMA2との間の相互誘導等に起因するオーバーシュートを効果的に低減できる。したがって、駆動信号COMA1,COMA2に印刷ヘッド25の故障や印刷品質の乱れなどの問題の少なくとも1つを解消することができる。また、遅延回路78を波形生成回路57の下流段に設けたので、第1駆動信号COMA1と第2駆動信号COMA2とを共通の波形生成回路57により生成することができる。よって、前記実施形態の構成に比べ、駆動信号生成回路56の構成を簡素化できる。
・遅延回路は、駆動回路基板52上における駆動信号生成回路56の下流段となる位置に設けてもよい。すなわち、図10、図14において、遅延回路58,78を駆動信号生成回路56とケーブル45とを接続する配線上の途中の位置に設けてもよい。
・遅延回路は、制御基板51上に設けてもよい。また、遅延回路は、駆動回路基板52上の駆動信号生成回路56の上流段となる位置に設けてもよい。さらに遅延回路を、制御基板51と駆動回路基板52とを接続する配線上の途中の位置に設けてもよい。これらの構成によっても、第2波形データCOMA2−Dに対して遅延処理を行うことにより、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を遅延させることができる。
・前記実施形態において、駆動信号COMA1,COMA2に含まれる波形のうち少なくとも最大電圧Vmaxをとる台形波の電位変化期間(立ち上がり期間)が、重ならない位相差にずらす構成としたが、少なくとも立ち上がり勾配(時間に対する電位の勾配)が最も急峻な台形波の立ち上がり期間が、重ならない位相差にずらす構成でもよい。
・遅延回路により第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2の位相をずらす量(遅延時間Δt)は、印刷品質上、印刷ヘッド25の液体吐出タイミングに影響を与えない程度の値であれば、適宜変更できる。
・制御部53からの遅延設定信号DSの指示により、駆動信号COMA1,COMA2に含まれる波形(駆動パルス)ごとに両駆動信号の位相をずらすかずらさないかを制御してもよい。この場合、微振動(非記録)の台形波同士はオーバーラップしても構わない。
・印刷ヘッド25(つまりプリンター11)ごとに、第1駆動信号に対して第2駆動信号を遅延させる遅延時間Δtを変化させてもよい。例えば、印刷ヘッド25の製造ばらつきに起因する、駆動信号COMA,COMBに含まれる波形(駆動パルス)の立ち上がり期間のばらつきに応じて印刷ヘッド25ごとに遅延時間Δtを変更してもよい。
・駆動信号に含まれる波形ごとに遅延時間Δtを変化させてもよい。すなわち、制御部53からの波形ごとの遅延時間Δtを指定する遅延設定信号DSの指示により、駆動信号に含まれる波形(駆動パルス)ごとに遅延時間Δtを個別に制御してもよい。例えば複数(例えば4つ)の波形ごとの立ち上がり期間の時間長さに応じて波形ごとに遅延時間Δtを設定してもよい。
・前記実施形態では、第1駆動信号COMA1に対して第2駆動信号COMA2を、互いの山形の台形波の立ち上がり期間がずれた位相差(遅延時間Δt)になるまで遅延させたが、両駆動信号の位相差は、互いの山形の台形波の立ち上がり期間が重ならない位相差であれば適宜変更してよい。例えば遅延時間Δtは2・Trでもよい。なお、位相差が過剰に大きくなると、第1吐出部群と第2吐出部群との間で液滴の吐出タイミングのずれが発生し、このずれに起因し印刷ドットのずれが心配される。そのため、遅延回路が駆動信号を遅延させたときの両駆動信号の位相差は、例えば1つの波形の周期(期間T(=T1,T2))の半分の以下が望ましい。
・大判プリンター11に、駆動信号COMの波形の内容の異なる複数の吐出モードを用意し、ヘッド駆動回路61は、印刷データ信号SInに含まれる例えば定義データSPを基に複数の吐出モードのうち現在の吐出モードを把握する。駆動信号生成回路56は、現在の吐出モードが切り換わる度に、そのときの吐出モードで使用される駆動信号に含まれる波形に応じて、最大電圧の駆動波形の立ち上がり期間に応じて遅延時間を設定するようにしてもよい。この構成によれば、制御部53は、その把握した吐出モードに応じて遅延時間を設定し、適切な位相差を付与することにより、第1駆動信号と第2駆動信号との伝送開始タイミングを制御してもよい。この構成によれば、吐出モードが変更されても、駆動信号COMA,COMBから相互誘導に起因するオーバーシュートOSを適切に除去することができる。
・大判プリンター11の電源投入時又は印刷開始時に、例えば制御部53又は駆動回路基板52上の不図示のレジスターから遅延回路58へ遅延設定信号DSを出力する構成としてもよい。遅延回路58には、入力した遅延設定信号DSの値に応じた遅延時間Δtが設定される。この場合、印刷データに含まれる階調データに応じて選択される波形データに応じて遅延時間Δtを可変できず、遅延時間Δtは固定値となるものの、相互誘導に起因するオーバーシュートを低減することはできる。
・伝搬タイミング調整回路は、遅延回路58に限定されず、ケーブルを伝搬されるタイミングを、第2駆動信号に対して第1駆動信号を早めるデータ処理を第1波形データに施すことにより、第1駆動信号に対して第2駆動信号を相対的に遅らせる構成でもよい。例えば、当初の波形データCOMA1−Dにおいて中心電位Vcのフラットな部分を含む始点からの一部が「00000111…」であるとすると、伝搬タイミング調整回路は、先頭の「0」の数を減らし、例えば「000111…」とする。これにより、第1波形データCOMA1−Dを時間Δtに相当する分だけ早めることができ、第1駆動信号に対して第2駆動信号を時間Δtだけ相対的に遅らせることができる。この構成によっても、第1駆動信号と第2駆動信号との位相を時間Δtに相当する分だけずらすことができ、両駆動信号間の相互誘導に起因するオーバーシュートを効果的に抑制できる。
・ケーブルは、フレキシブルフラットケーブルに限定されず、フレキシブルなケーブルであればよい。例えば同軸ケーブル又は円柱状の多芯ケーブルでもよい。また、制御回路50と印刷ヘッド25とが複数のフレキシブルケーブルを介して接続されていてもよい。また、ケーブルは、少なくとも1本の信号線を有する構成であればよい。1本の信号線を有するケーブルを複数本束ねてもよいが、制御回路50と印刷ヘッド25間を接続するケーブルの本数を少なくする目的で、複数本の信号線を有するケーブルを用いることが好ましい。
・媒体Mは、ロール体16から繰り出される長尺状の媒体に限定されず、A3短辺幅以上の幅を有する単票紙等の枚葉タイプの媒体でもよい。
・制御回路50は、プログラムを実行するコンピューターによるソフトウェアとASIC(Application Specific IC)等の電子回路によるハードウェアとの協働により実現してもよいし、ソフトウェアだけで実現してもよいし、さらにハードウェアだけで実現してもよい。
・大判プリンターは、駆動素子に印加される駆動電圧信号の変化に伴い液体を吐出するシリアルスキャン方式のインクジェットプリンターであれば、例えば捺染印刷装置でもよい。また、大判プリンターは、インクジェットプリンターに限らず、駆動素子に印加される駆動電圧信号の変化に伴い印刷する印刷ヘッドを備えたプリンターであればよく、例えばドットインパクトプリンター及び熱転写式プリンターでもよい。
・大判プリンターは、用紙やフィルム等の媒体にインクを吐出して画像を印刷する印刷装置に限らず、印刷技術(インクジェット技術)を用いて電子部品等の製造に使用される工業用の大判プリンターでもよい。例えば、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を含む)を吐出する工業用の大判プリンターでもよい。この種の工業用の大判プリンターとしては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を吐出する液体吐出装置でもよい。さらにバイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置であってもよい。また、大判プリンターは、樹脂液等の液体を吐出して3次元造形物を製造する3次元用インクジェットプリンター(液体吐出装置)でもよい。
・シリアル印刷を行う大判プリンターには、シリアルスキャン方式に限らず、印刷ヘッド(キャリッジ)が主走査方向Xと副走査方向Yとの2方向に移動可能なラテラルスキャン方式のものも含まれる。要するに、大判プリンターは、印刷ヘッドが主走査方向に移動して印刷し、印刷ヘッドの主走査方向への移動を可能にするために、印刷ヘッドと制御回路とがケーブルで接続されている構成であれば足りる。
11…大判プリンター(ラージフォーマットプリンター)、23…ヘッドユニット、25…印刷ヘッド、31…ノズル、32…ノズル列、34…駆動素子、35…吐出部、36…吐出部群、45…ケーブル(フレキシブルケーブル)、48…ケーブル、48A…第1ケーブル、48B…第2ケーブル、50…制御回路、51…制御基板、52…基板の一例としての駆動回路基板、53…制御部、53A…波形データ保存部、53B…波形データ読出部、54…制御信号送信部、55…電源回路、56…駆動信号生成回路、56A…第1信号生成回路、56B…第2信号生成回路、57…波形生成回路、58…伝搬タイミング調整回路の一例としての遅延回路、60…ヘッド基板、61…ヘッド駆動回路、71…波形データ変換部、72…波形データ補間部、73…D/A変換部、74…信号増幅部、77…配線、78…伝搬タイミング調整回路の一例としての遅延回路、80…選択部、82a,82b…トランスファーゲート、SI1〜SI8…印刷データ信号、CW…配線(信号線)、CW1…第1配線、CW2…第2配線、CW3…第3配線、W1〜W6…駆動波形、COMA1−D…第1波形データ、COMA2−D…第2波形データ、COMA−D,COMB−D…波形データ、COMA1,COMA3,COMA5,COMA7…第1駆動信号、COMA2,COMA4,COMA6,COMA8…第2駆動信号、COMB1,COMB3,COMB5,COMB7…第1駆動信号、COMB2,COMB4,COMB6,COMB8…第2駆動信号、SI…印刷データ信号、LAT…ラッチ信号、CH…チェンジ信号、VHV…電源電圧信号(電源電圧)、VBS…基準電圧信号、GND…グランド(信号)Ap1,Ap2…波形(駆動パルス)、Bp1,Bp2…波形(駆動パルス)、M…媒体、Tr1,Tr2…立ち上がり期間、X…走査方向(主走査方向)、Y…搬送方向(副走査方向)。

Claims (9)

  1. A3短辺幅以上の媒体に対してシリアル印刷が可能な大判プリンターであって、
    第1吐出部を含む複数の吐出部からなる第1吐出部群と、
    第2吐出部を含む複数の吐出部からなる第2吐出部群と
    を含む複数の吐出部群を有する印刷ヘッドと、
    前記第1吐出部群に含まれる吐出部を駆動するための第1駆動信号と、
    前記第2吐出部群に含まれる吐出部を駆動するための第2駆動信号と
    を含む複数の駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、
    前記第1駆動信号を前記第1吐出部群へ伝搬するための第1配線と、
    前記第2駆動信号を前記第2吐出部群へ伝搬するための第2配線と
    を含む複数の配線を有する1m以上のケーブルと、
    前記ケーブルを伝搬するタイミングを前記第1駆動信号に対して前記第2駆動信号を遅らせる伝搬タイミング調整回路と、
    を備えたことを特徴とする大判プリンター。
  2. 前記駆動信号生成回路と前記伝搬タイミング調整回路とは、同じ基板上に配され、
    前記ケーブルにて伝達される前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とは位相を有することを特徴とする請求項1に記載の大判プリンター。
  3. 前記駆動信号生成回路が前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号の波形を生成する元となる波形データを前記駆動信号生成回路に与える制御部を備え、
    前記伝搬タイミング調整回路は、前記第1駆動信号の元となる第1波形データに対して前記第2駆動信号の元となる第2波形データを相対的に遅らせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の大判プリンター。
  4. 前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号は、山形の台形波と谷形の台形波とを含む信号であり、
    前記伝搬タイミング調整回路は、前記第1駆動信号に対して前記第2駆動信号を、互いの前記山形の台形波の立ち上がり期間が重ならない位相差に調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の大判プリンター。
  5. 前記伝搬タイミング調整回路は、前記ケーブルの上流段で、前記第1駆動信号に対して前記第2駆動信号を遅延させる遅延回路であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の大判プリンター。
  6. 前記駆動信号生成回路は、前記駆動信号生成回路が前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号の波形を生成する元となる波形データを基に前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成する波形生成回路を含み、
    前記遅延回路は、前記波形生成回路と前記ケーブルとを接続する配線上に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の大判プリンター。
  7. 前記シリアル印刷が可能な最大幅が、24インチ以上75インチ以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の大判プリンター。
  8. 前記シリアル印刷が可能な最大幅が、24インチ、36インチ、44インチ、64イン
    チのいずれかに対応していることを特徴とする請求項7に記載の大判プリンター。
  9. 前記印刷ヘッドは、30kHz以上の周波数で液体を吐出して印刷することを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の大判プリンター。
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