JP2018201788A - コーヒーメーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】コーヒーを抽出する際に適切な温度および量のお湯を適切なタイミングでコーヒー粉に供給可能であり、短時間でのコーヒーの抽出ができ、小型かつシンプルな構成で清掃容易で継続的に衛生的な使用が可能なコーヒーメーカーを提供する。
【解決手段】貯水タンク20と一体で貯水タンク20の水を所定温度に加熱するヒーター10、揚水パイプ50、ヒーター10に電力を供給する電源部80を有する本体30、貯水タンク20が着脱可能で本体30の内部と外部との間で進退する進退移動機構を備え、進退移動機構には、電源部80と電気的に接続され貯水タンク20に係脱可能な給電コネクターが配設されていることを特徴とするコーヒーメーカー100である。
【選択図】図1

Description

本発明はコーヒーメーカーに関する。
コーヒー豆を挽いてなるコーヒー粉からコーヒーを抽出するコーヒーメーカーが知られている。このようなコーヒーメーカーを使用する際においては、コーヒーメーカーに水を供給し、この水を所定温度に加熱したお湯を作る必要がある。
コーヒーメーカーに水を供給する構成としては、本体に着脱可能な給水タンクおよび給水タンクに接続された給水パイプを備え、給水パイプ内にある水を本体に内蔵されたヒーターで加熱することでお湯を得る構成(例えば、特許文献1:特開平5−64615号公報)が知られている。また、給水タンクおよび給水タンクとは別体の湯沸タンクを備え、湯沸タンクに水を供給してお湯を得るコーヒーメーカーの構成(例えば、特許文献2:特開2001−29237号公報)も知られている。
特開平5−64615号公報 特開2001−29237号公報
特許文献1に開示されているコーヒーメーカーは、給水パイプ内の水を加熱してお湯を得ている。このため、機構は簡単であるが、コーヒー粉に供給する際に十分な量のお湯を短時間で得ることができず、コーヒー粉に供給するお湯の供給量を細かく制御することが困難であり、コーヒーの抽出完了までの所要時間が長くなってしまうといった課題がある。
また、特許文献2に開示されているコーヒーメーカーは、給水タンクと湯沸タンクとを有しているためコーヒーメーカーが大型化すると共に構造が複雑になってしまう。また、湯沸タンク内のお湯は給水タンク内の水により押し出されることによってコーヒー粉に供給されているので、コーヒー粉に対して適切な量およびタイミングでお湯を供給することが困難であるといった課題がある。さらには、湯沸タンク内に設けられたヒーター等が邪魔になり清掃が困難になるといった課題も有している。
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは次のとおりである。すなわち、コーヒー粉からコーヒーを抽出する際に十分なお湯を短時間で得ることができ、適切な温度および量のお湯を適切なタイミングでコーヒー粉に供給することが可能であると共に、小型かつシンプルな構成であってコーヒーの抽出を短時間で行うことが可能で、清掃が容易で継続的に衛生的な使用が可能なコーヒーメーカーを提供することにある。
上記目的を達成するため本願の発明者が鋭意研究した結果、本体に対して着脱可能なヒーター付の貯水タンクを採用し、貯水タンクに一体に取り付けたヒーターで貯水タンク内の水を加熱し、予め十分な量のお湯を作っておき、揚水パイプで貯水タンク内のお湯を吸い上げて適切な温度のお湯を適切なタイミングでコーヒー粉に供給する構成に想到した。
すなわち本発明は、貯水タンクと、前記貯水タンクに一体に取り付けられていると共に前記貯水タンク内の水を所定温度に加熱するヒーターと、前記貯水タンク内の水を汲み上げる揚水パイプと、前記ヒーターに電力を供給する電源部と、をそれぞれ有する本体、および、前記貯水タンクが着脱可能に取り付けられて前記本体の内部と外部との間で進退可能な進退移動機構を備え、前記進退移動機構には、前記電源部と電気的に接続されていると共に前記貯水タンクに係脱可能に形成された給電コネクターが配設されていることを特徴とするコーヒーメーカーである。
これにより、コーヒー粉からコーヒーを抽出する際に十分なお湯を短時間で得ることができ、適切な温度および量のお湯を適切なタイミングでコーヒー粉に供給することが可能であると共に、小型かつシンプルな構成でコーヒーの抽出を短時間で行うことができる。また、貯水タンクにヒーターが一体に取り付けられた簡単な構成であるため、貯水タンクの清掃が容易であるから継続的に衛生的な使用が可能になる。
また、前記本体の内部に回動可能に支持されたリンク部を備え、前記リンク部には、前記進退移動機構が連結されていると共に前記揚水パイプが固定されており、前記本体に対する前記進退移動機構の位置に応じて、前記揚水パイプが前記貯水タンクの内部と前記貯水タンクの外部との間を進退することが好ましい。
これにより、本体からの貯水タンクの着脱を行う際に、進退移動機構を本体から引き出しするだけで、貯水タンク内に進入していた揚水パイプを貯水タンクの外部に退出させることができる。よって揚水パイプが邪魔にならず本体からの貯水タンクの取り外し作業を容易に行うことができる。また、貯水タンクの清掃がさらに容易になる。
また、前記リンク部に取り付けられていると共に前記貯水タンクの上面開口部を閉塞可能に形成された閉塞板を有し、前記揚水パイプは前記閉塞板を貫通して配設されていることが好ましい。
これにより、貯水タンク内のお湯から発生する水蒸気の本体の内部への放出を防止することができ、水蒸気(湯気)や結露等によって本体の内部に配設されている電源部等の故障を防止することができる。
また、前記貯水タンクには、前記閉塞板が前記上面開口部を閉塞した際に前記閉塞板との間をシールするシール用パッキンが設けられていることが好ましい。
これにより、貯水タンク内のお湯から発生する水蒸気の本体の内部への放出をより確実に防ぐことができる。
また、前記上面開口部は、前記揚水パイプの下端の平面視における移動位置よりも外方位置まで開口する長孔であると共に、前記シール用パッキンは、前記長孔の外周縁に沿って立設されていることが好ましい。
これにより、上面開口部の開口面積を可及的に小さくすることができ、貯水タンク内のお湯の保温性を高めることができると共に、本体の内部に貯水タンク内のお湯から発生する水蒸気の放出をより確実に防ぐことができる。
また、前記リンク部を構成するリンク体は、基本筒体と、前記基本筒体の内部に収容される小径筒体または棒体により形成されていることが好ましい。
これにより、本体の内部に配設されるリンク部の構成を小型かつシンプルにすることができるため、コーヒーメーカーの小型化を促進することができる。
また、前記本体には、前記貯水タンクが高さ方向または横方向の少なくとも一方がずれている場合に前記本体の内部への前記貯水タンクの進入を規制する誤挿入防止部材が配設されていることが好ましい。
これにより、貯水タンクを本体の内部に進入させる際に、貯水タンクが本体の一部に衝突することによる破損や、貯水タンク内の水またはお湯がこぼれてしまうといった不具合を回避することができる。また、貯水タンクに取り付けられているヒーターと給電コネクターとの電気的接続を確実にすることができるため、ヒーターへの電力供給を確実に行うことができる。
本発明におけるコーヒーメーカーの構成を採用することにより、コーヒー粉からコーヒーを抽出する際に十分なお湯を短時間で得ることができ、適切な温度および量のお湯を適切なタイミングでコーヒー粉に供給することが可能である。また、小型であってシンプルな構成でコーヒーを短時間で抽出することができ、貯水タンクの清掃が容易で継続的に衛生的な使用が可能なコーヒーメーカーを提供することができる。
本実施形態におけるコーヒーメーカーの一部透視正面図である。 本実施形態におけるコーヒーメーカーの一部透視平面図である。 本実施形態におけるコーヒーメーカーの一部透視側面図である。 本実施形態における貯水タンクの平面図と正面図である。 本実施形態における貯水タンクの底面図と斜視図である。 本体の内部から貯水タンクを引き出した状態を示す要部斜視図である。 図6に対応する要部透視側面図である。 進退移動機構から貯水タンクを取り外した状態を示す要部透視側面図である。 本体の内部に貯水タンクを進入させた状態を示す要部斜視図である。 図9に対応する要部透視側面図である。
以下、本発明におけるコーヒーメーカーの実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態におけるコーヒーメーカー100は、ヒーター10が一体に取り付けられた貯水タンク20を本体30に着脱可能にした基本的構成を備えている。本体30には、貯水タンク20と、貯水タンク20を本体30の内部と外部に進退させる進退移動機構40と、揚水パイプ50と、進退移動機構40が連結されると共に揚水パイプ50が取り付けられたリンク部60と、給湯用ポンプ70と、ヒーター10と給湯用ポンプ70に電力供給する電源部80と、コーヒー抽出部90がそれぞれ配設されている。本実施形態においては、本体30と着脱可能なドリッパーをコーヒー抽出部90として採用している。
図1〜図5に示すように、ヒーター10は、貯水タンク20の底部に貯水タンク20と一体に取り付けられており、貯水タンク20の底部を構成している。貯水タンク20の内底面はヒーター10による加熱面に形成されており、貯水タンク20内の水を所定温度まで加熱することができる。ヒーター10の外底面には給電用のヒーター側給電コネクター12が配設されているので、貯水タンク20の外底面にはヒーター側給電コネクター12が露出した状態になっている。ここでは、貯水タンク20の外底面に凹部を形成し、この凹部の内底面にヒーター側給電コネクター12を露出させている。このようにして形成されたヒーター側給電コネクター12は、電源部80と電気的に接続されていると共に進退移動機構40の上面に突出させた状態で配設された電源側の給電コネクター42に係脱可能になっている。
本実施形態における貯水タンク20は、上面が開口する直方体型に形成されており、上面には蓋22が着脱可能に装着されている。蓋22には貯水タンク20の上面開口部となる長孔24が穿設されている。このような長孔24により上面開口部を構成することにより、貯水タンク20の上面開口部の開口面積を可及的に小さくすることができ、貯水タンク20のお湯の保温性を高めることができる点で好都合である。
本実施形態においては、長孔24の外周縁に沿ってシール用パッキン26が所要高さで立設されている。シール用パッキン26は合成ゴムやシリコーンゴム等に代表される弾性に富むと共に耐水性及び耐熱性を有する材料により形成されていることが好ましい。また、シール用パッキン26は、図4および図5に示すように、閉塞板52との当接部分である上端部分が、長孔24の外側に反り返るいわゆるファンネル形状に形成されていることが好ましく、閉塞板52との当接部分が水平面となるように形成されていることがより好ましい。
このようにして形成された貯水タンク20内で作られたお湯は、上面開口部としての長孔24から進退移動機構40およびリンク部60の動作によって給湯用ポンプ70および給湯用ノズル72が接続された揚水パイプ50を進退させることによってコーヒー抽出部90に供給することができる。
本体30の外表面の所要箇所(ここでは正面の所要箇所)は、進退移動機構40の一部を構成しており、本体30の外表面から離反可能に形成されている。本実施形態における進退移動機構40は、図6〜図8に示すように、本体30の外表面の一部となる壁部40Aと本体30の内部で本体30の奥行き方向に沿って配設された2本のスライドレール40Bおよびスライドレール40Bに取り付けられた載置部40Cにより形成されている。また、本実施形態においては多段式構造のスライドレール40Bを採用しているので、進退移動機構40による貯水タンク20のスライド量を増やすことができる。これにより、貯水タンク20と進退移動機構40との係脱を行う際に本体30が邪魔にならない位置まで貯水タンク20を本体30の外部まで引き出しすることができるため好都合である。
スライドレール40Bに取り付けられた載置部40Cの上面には、図8に示すように電源部80と電気的に接続された電源側の給電コネクター42が突設されている。凸形状に形成された電源側の給電コネクター42は、凹形状に形成された貯水タンク20のヒーター側給電コネクター12(図5参照)と嵌合可能に形成されている。また、載置部40Cを本体30の内部に進入させる際における先頭面およびこの面に対向する本体30の内表面には、本体30に載置部40C(貯水タンク20)を一時的に固定するためのキャッチ機構44が配設されている。本実施形態におけるキャッチ機構44には、プッシュキャッチ型の機構を用いているが、キャッチ機構44はプッシュキャッチ型に限定されるものではなく、ボールキャッチ型等の他の公知の構成を採用することができる。
本体30の内部において貯水タンク20の進退動作によって回動するリンク部60は、2本のリンク体62,63と、これらをL字型に連結して本体30に回動可能に支持された回転軸部64とにより形成されている。回転軸部64は貯水タンク20が本体30の内部と外部との間を進退移動する方向と水平方向に直交する軸線周り(水平軸線周り)に回動可能に支持されている。
本実施形態における2本のリンク体62,63のうち一方のリンク体62は、基本筒体62Aと、基本筒体62Aの内部に収容され、基本筒体62Aの長手方向にスライド移動可能な小径筒体62Bとを有している。また、他方のリンク体63は筒体または棒体により形成されている。本実施形態においては一方のリンク体62を基本筒体62Aと小径筒体62Bとで構成しているが小径筒体62Bを小径筒体62Bの外径寸法が等しい小径棒体(図示せず)にすることもできる。さらには、一方のリンク体62を3本以上の筒体または筒体および棒体により形成することもできるし、他方のリンク体63も複数本の筒体または筒体および棒体を連結して形成することもできる。
本実施形態における一方のリンク体62は、基本筒体62Aの側の先端が載置部40Cに回動可能に連結されていると共に、小径筒体62Bの側の先端が回転軸部64に回動可能に連結されている。基本筒体62Aと小径筒体62Bの長さは同じ程度に形成されているため、一方のリンク体62は最短状態と最長状態との長さ寸法差を大きくすることができる。ここでは、一方のリンク体62を最長状態にしても基本筒体62Aと小径筒体62Bは所要長さ範囲で重複するようになっているため、重複部分における互いの先端部分には特に抜け止め加工をする必要はない。
また、他方のリンク体63は、一方の端部が回転軸部64に固定されていると共に、他方の端部には貯水タンク20の上面開口部(長孔24)を閉塞可能に形成された閉塞板52が取り付けられている。閉塞板52が貯水タンク20の長孔24を閉塞する際には、長孔24に沿って立設されたシール用パッキン26を弾性変形させた状態で当接することで貯水タンク20の上面開口部をシールした状態で閉塞することができる。本実施形態におけるシール用パッキン26は、弾性に富んだ材料で閉塞板52との当接面が水平面となるファンネル形状に形成されているため、閉塞板52とのシール性をきわめて高い状態にすることができる。
閉塞板52には板厚方向に貫通する貫通孔54が2箇所に穿設されており、貫通孔54に揚水パイプ50および温度センサー56を挿通させた状態で揚水パイプ50を閉塞板52に配設している。温度センサー56は図示しない動作制御部に接続されていて、貯水タンク20内の水温をモニタリングし、動作制御部が電源部80によるヒーター10への電力供給の動作制御を行っている。なお、貫通孔54は閉塞板52が貯水タンク20の蓋22に形成された長孔24を閉塞した状態において、長孔24が形成されている範囲内に位置するように位置合わせされた状態で形成されている。
リンク部60は、図6および図7に示すように進退移動機構40に載置された貯水タンク20を本体30の外部に退出させた状態においては、閉塞板52を貯水タンク20の蓋22から離反させると共に、揚水パイプ50および温度センサー56を貯水タンク20の内部から退出させた状態にする。同じくリンク部60は、図9および図10に示すように進退移動機構40に載置された貯水タンク20を本体30の内部に進入させた状態においては、貯水タンク20の蓋22に形成された長孔24を閉塞板52により閉塞させると共に、揚水パイプ50および温度センサー56を長孔24部分から貯水タンク20の内部に進入させた状態にする。
このように揚水パイプ50および温度センサー56は、リンク部60により本体30に対する進退移動機構40の位置に応じて貯水タンク20の内部と貯水タンク20の外部との間を進退することになる。同じくリンク部60は、本体30に対する進退移動機構40の位置に応じて閉塞板52による貯水タンク20の蓋22に形成された上面開口部としての長孔24の閉塞状態と非閉塞状態の切り替えを行っている。
本実施形態における貯水タンク20の蓋22に形成された長孔24は、進退移動機構40とリンク部60による揚水パイプ50および温度センサー56の下端の平面視における移動位置よりも外方位置まで開口させている。これにより揚水パイプ50および温度センサー56は、進退移動機構40とリンク部60により回動しても、蓋22に揚水パイプ50の先端が引っかかることなく長孔24の部分において貯水タンク20の内部と外部との間を確実に進退することができる。
また、本実施形態における本体30の内部には誤挿入防止部材92(図1参照)が配設されている。誤挿入防止部材92は、貯水タンク20が本体30の内部に進入する際の貯水タンク20の移動経路の境界部分に配設されている。貯水タンク20に蓋22が正常に装着されていると共に進退移動機構40に正しく装着されていれば、誤挿入防止部材92が邪魔になることはなく貯水タンク20を本体30の内部に進入させることができる。これに対して貯水タンク20(または蓋22)が高さ方向または横方向の少なくとも一方においてずれている場合、貯水タンク20(または蓋22)が誤挿入防止部材92に接触し、貯水タンク20の本体30の内部への進入が規制される。
したがって貯水タンク20に対する蓋22の装着状態が不完全な場合や、ヒーター側給電コネクター12と電源側の給電コネクター42との係合状態が不完全な場合や、貯水タンク20と載置部40Cとの間に異物が挟まっている場合等、いわゆる不適切な状態の貯水タンク20は、誤挿入防止部材92によって本体30の内部への進入が阻止される。これにより、本体30の内部からの貯水タンク20の引き出しができない不具合や、ヒーター10への給電ができない不具合や、貯水タンク20からの水蒸気が本体30の内部に排出される等の不具合の発生を防止することができる点で好都合である。
次に本実施形態におけるコーヒーメーカー100の動作の一例について説明する。使用者は、コーヒー抽出部90としてのドリッパーにろ過手段としてのろ紙をセットすると共にコーヒー粉を適宜投入し、コーヒー抽出部90の出口にコーヒーサーバーに代表される容器94をセットする。続いて使用者は、図6および図7に示すように、進退移動機構40を引き出して貯水タンク20を本体30の内部から引き出しする。このとき、進退移動機構40に連結されている一方のリンク体62が伸長しながら回動し、リンク部60(回転軸部64)を回転させ、他方のリンク体63に取り付けられている閉塞板52を貯水タンク20の蓋22から離反させた状態にする。これにより、貯水タンク20の上面開口部(長孔24)から揚水パイプ50および温度センサー56が退出した状態になるので、図8に示すように進退移動機構40から貯水タンク20を容易に取り外しすることができる。
使用者は本体30から取り外した貯水タンク20の蓋22を取り外し貯水タンク20に所定量の水を入れる。続いて使用者は、貯水タンク20に蓋22を再装着した後、ヒーター側給電コネクター12と電源側の給電コネクター42とを凹凸嵌合させるようにして貯水タンク20を進退移動機構40にセットする。
次に使用者は、進退移動機構40を本体30の内部に押し込み、図9および図10に示すように貯水タンク20を本体30の内部にセットする。このとき、一方のリンク体62は短縮しながら回動してリンク部60(回転軸部64)を回動させ、他方のリンク体63に取り付けられている閉塞板52を貯水タンク20の蓋22に当接させると共に、揚水パイプ50および温度センサー56を蓋22に形成されている長孔24の部分から貯水タンク20の内部に進入させる。
閉塞板52が蓋22に当接するときには、閉塞板52は蓋22の上面に突設されているシール用パッキン26を弾性変形させながら密着し、貯水タンク20の上面開口部である長孔24をシールした状態で閉塞することができる。本実施形態のシール用パッキン26は、貯水タンク20をプッシュキャッチ型のキャッチ機構44により本体30にキャッチさせる際における押し込み動作による閉塞板52の余回動での変形を加味したシール用パッキン26の突設高さに形成されている。
このように進退移動機構40の位置に応じて揚水パイプ50および温度センサー56を貯水タンク20に進退させることで貯水タンク20の本体30への脱着を容易に行うことができる。これと同様に、進退移動機構40の位置に応じて閉塞板52による貯水タンク20の上面開口部のシールされた閉塞状態と非閉塞状態との切り替えも行うことができるため、貯水タンク20からの水蒸気が本体30の内部に放出されることがない。これにより、貯水タンク20で作られたお湯の水蒸気に起因する電源部80や動作制御部および記憶部(いずれも図示せず)の故障を防止することができる。
続いて使用者は、図示しない抽出開始スイッチを操作し、コーヒーの抽出を開始する。抽出開始スイッチが操作されると、CPUに代表される動作制御部が不揮発性メモリーに代表される記憶部に予め記憶させておいたコーヒー抽出用プログラムに基づいて電源部80の動作を制御し、ヒーター10や揚水パイプ50に接続されている給湯用ポンプ70への電力供給が適宜行われる。このような動作制御部およびコーヒー抽出用プログラムによって、適切な温度のお湯を適切なタイミングおよび量で給湯用ノズル72からコーヒー抽出部90のコーヒー粉に供給することができるから、短時間で品質の高いコーヒーを得ることができるのである。
以上に本発明におけるコーヒーメーカー100について実施形態に基づいて詳細に説明を行ったが、本発明の技術的範囲は、以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、以上に説明した実施形態においては、本体30にリンク部60およびリンク部60に取り付けられた閉塞板52を有し、貯水タンク20の上面には上面開口部としての長孔24と、長孔24に沿ってシール用パッキン26が配設された蓋22を有するコーヒーメーカー100の形態について説明しているが、これらの構成は本発明におけるコーヒーメーカー100における必須構成ではない。
本発明におけるコーヒーメーカー100は、ヒーター10が一体に取り付けられた貯水タンク20と、貯水タンク20内の水を汲み上げる揚水パイプ50と、電源部80をそれぞれ有する本体30に対し、貯水タンク20が着脱可能に取り付けられ本体30の内部と外部との間で進退可能な進退移動機構40を備え、進退移動機構40には電源部80と電気的に接続され、貯水タンク20に係脱可能に形成された給電コネクターとしての電源側の給電コネクター42が配設されていればよい。
また、本実施形態においては、ヒーター10を貯水タンク20の底面に一体に取り付けた形態について説明しているが、貯水タンク20へのヒーター10の取り付け位置は底面に限定されるものではない。また、ヒーター10を貯水タンク20に任意に着脱可能にした形態を採用することもできる。
また、本実施形態においては、貯水タンク20の外底面に配設した凹部にヒーター側給電コネクター12を露出させているが、ヒーター側給電コネクター12を凸形状に形成し、電源側の給電コネクター42を凹形状に形成してこれらを嵌合させる形態を採用することもできる。また、貯水タンク20の外表面のいずれかの面に、電源側の給電コネクター42が係脱可能なヒーター側給電コネクター12を配設することもできる。さらにはヒーター側給電コネクター12と電源側の給電コネクター42とを互いに平坦面に形成して、凹凸嵌合させることなく電気的に接続させる形態を採用することも可能である。
また、本実施形態においては、貯水タンク20に上面開口部が形成されている形態について説明しているが、揚水パイプ50および温度センサー56を貯水タンク20の側面や底面から貯水タンク20の内部と連通させる場合には、必ずしも貯水タンク20に上面開口部を設ける必要はない。このように貯水タンク20に上面開口部がない形態や、本体30の内部に配設されている構成が完全防水処理されている場合においては、閉塞板52の配設も省略することができる。このように閉塞板52の配設を省略した場合には、揚水パイプ50と温度センサー56をリンク体63に直接取り付ければよい。
さらには、本実施形態においては、本体30の内部に回動可能に保持されたリンク部60を有し、リンク部60に閉塞板52を取り付けると共にリンク部60に載置部40Cを連結させた形態について説明しているが、本体30の内表面または載置部40Cの外表面に揚水パイプ50との連結部分が設けられていれば、閉塞板52または閉塞板52およびリンク部60の配設を省略した形態を採用することもできる。
また、温度センサー56は進退移動機構40の動作によるリンク部60の動作によって貯水タンク20に進退させる形態に限定されるものではなく、貯水タンク20または揚水パイプ50の経路内に適宜配設した形態を採用することもできる。
また、本実施形態においては、コーヒー抽出部90として使用者が本体30に着脱するドリッパーを採用した形態について説明しているが、コーヒーメーカー100に組み込まれ、コーヒーメーカー100が自動的にコーヒー抽出後のコーヒー粉の破棄等の後処理を行う形態を採用することもできる。
さらに、コーヒーメーカー100を用いてコーヒーの抽出を行う手順についても本実施形態で示した手順とは異なる手順で行うことができる。
そして以上に示した変形例の他、本実施形態において説明した変形例等を適宜組み合わせた形態を採用することも可能である。
10 ヒーター,12 ヒーター側給電コネクター,
20 貯水タンク,22 蓋,24 長孔(上面開口部),26 シール用パッキン,
30 本体,
40 進退移動機構,40A 壁部,40B スライドレール,40C 載置部,
42 電源側の給電コネクター,44 キャッチ機構,
50 揚水パイプ,
52 閉塞板,54 貫通孔,56 温度センサー,
60 リンク部,62 リンク体,62A 基本筒体,62B 小径筒体,
63 リンク体,64 回転軸部,
70 給湯用ポンプ,72 給湯用ノズル,
80 電源部,
90 コーヒー抽出部,
92 誤挿入防止部材,94 容器,
100 コーヒーメーカー

Claims (7)

  1. 貯水タンクと、前記貯水タンクに一体に取り付けられていると共に前記貯水タンク内の水を所定温度に加熱するヒーターと、前記貯水タンク内の水を汲み上げる揚水パイプと、前記ヒーターに電力を供給する電源部と、をそれぞれ有する本体、および、前記貯水タンクが着脱可能に取り付けられて前記本体の内部と外部との間で進退可能な進退移動機構を備え、
    前記進退移動機構には、前記電源部と電気的に接続されていると共に前記貯水タンクに係脱可能に形成された給電コネクターが配設されていることを特徴とするコーヒーメーカー。
  2. 前記本体の内部に回動可能に支持されたリンク部を備え、
    前記リンク部には、前記進退移動機構が連結されていると共に前記揚水パイプが固定されており、
    前記本体に対する前記進退移動機構の位置に応じて、前記揚水パイプが前記貯水タンクの内部と前記貯水タンクの外部との間を進退することを特徴とする請求項1記載のコーヒーメーカー。
  3. 前記リンク部に取り付けられていると共に前記貯水タンクの上面開口部を閉塞可能に形成された閉塞板を有し、
    前記揚水パイプは前記閉塞板を貫通して配設されていることを特徴とする請求項2記載のコーヒーメーカー。
  4. 前記貯水タンクには、前記閉塞板が前記上面開口部を閉塞した際に前記閉塞板との間をシールするシール用パッキンが設けられていることを特徴とする請求項3記載のコーヒーメーカー。
  5. 前記上面開口部は、前記揚水パイプの下端の平面視における移動位置よりも外方位置まで開口する長孔であると共に、前記シール用パッキンは、前記長孔の外周縁に沿って立設されていることを特徴とする請求項4記載のコーヒーメーカー。
  6. 前記リンク部を構成するリンク体は、基本筒体と、前記基本筒体の内部に収容される小径筒体または棒体により形成されていることを特徴とする請求項2〜5のうちのいずれか一項に記載のコーヒーメーカー。
  7. 前記本体には、前記貯水タンクが高さ方向または横方向の少なくとも一方がずれている場合に前記本体の内部への前記貯水タンクの進入を規制する誤挿入防止部材が配設されていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のコーヒーメーカー。
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