JP2018201426A - エミッタおよびそれを有する点滴灌漑用チューブ - Google Patents

エミッタおよびそれを有する点滴灌漑用チューブ Download PDF

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Abstract

【課題】 点滴灌漑用チューブ内の液体の温度が原因となる前記液体の吐出量のバラツキを抑制できるエミッタおよび点滴灌漑用チューブを提供する。
【解決手段】 本発明のエミッタは、吐出口を有するチューブの内壁に配置され、前記吐出口を介した前記チューブ内から前記チューブ外への灌漑用液体の吐出を調整するエミッタである。エミッタは、取込部、調整部、吐出部、および流路を有し;前記調整部は、凹部およびフィルムを有し、前記フィルムは、前記凹部の内部空間を覆う状態で固定されており、前記凹部の内部空間を覆う領域が、ダイヤフラム部であり;前記流路は、前記取り込んだ液体の圧力を減圧する減圧領域を有し、前記減圧領域は、蛇行形状であり、前記減圧領域において、軸方向に対する垂直方向の断面積の変動比が、最も小さい断面の面積を基準として、1±0.1の範囲である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エミッタおよびそれを有する点滴灌漑用チューブに関する。
植物の栽培において、点滴灌漑法が知られている。点滴灌漑法とは、土壌に点滴灌漑用チューブを配置し、前記チューブから土壌へ、水および液体肥料等の灌漑用液体を滴下する方法である。近年、地球の温暖化による砂漠化、水資源の枯渇等が問題となっており、点滴灌漑法は、灌漑用液体の消費量を最小限にすることが可能であるため、特に注目されている。
前記点滴灌漑用チューブは、通常、灌漑用液体が吐出される複数の貫通孔を有するチューブと、前記各貫通孔から灌漑用液体を吐出するための複数のエミッタ(「ドリッパ」ともいう)とを有する。エミッタの種類として、例えば、チューブの内壁面に接合して使用するエミッタ(例えば、特許文献1参照)が知られている。
前記エミッタは、チューブから液体を取込む取込部と、前記エミッタ内で液体を減圧しながら流す減圧流路と、前記減圧流路を流れてきた液体を、前記チューブ内の液体の圧力に応じて、前記エミッタを介して前記チューブから吐出される液体の吐出量を調整する調整部を含む。前記調整部は、前記チューブ内の液体の圧力に応じて変形するダイヤフラムが利用され、前記ダイヤフラムは、例えば、シリコーンゴム膜等の弾性を有するフィルム等が使用されている。
前記エミッタによれば、前記チューブ内の圧力に応じて吐出量を調整できることから、例えば、チューブ内を流れる液体の圧力が変動した場合や、チューブ内の位置によって液体の圧力が異なる場合であっても、ばらつきのない液体の吐出が可能になる。
特開2010−046094号公報
しかしながら、本発明者らは、新たに、前記チューブ内の液体の温度によっても、吐出量にバラツキが生じるとの知見を得た。
そこで、本発明の目的は、点滴灌漑用チューブ内の液体の温度が原因となる前記液体の吐出量のバラツキを抑制できるエミッタおよび点滴灌漑用チューブを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明のエミッタは、
吐出口を有するチューブの内壁に配置され、前記吐出口を介した前記チューブ内から前記チューブ外への灌漑用液体の吐出を調整するエミッタであり、
前記チューブ内の前記液体を内部に取り込む取込部、
前記取り込んだ液体の吐出量を調整する調整部、
前記取り込んだ液体を、前記チューブの吐出口を介して吐出する吐出部、および、
前記取込部と前記調整部とを連通する流路を有し;
前記調整部は、
凹部、およびフィルムを有し、
前記フィルムは、
前記凹部の内部空間を覆う状態で固定されており、
前記凹部の内部空間を覆う領域が、ダイヤフラム部であり;
前記流路は、前記取り込んだ液体の圧力を減圧する減圧領域を有し、
前記減圧領域は、蛇行形状であり、前記減圧領域において、軸方向に対する垂直方向の断面積の変動比が、最も小さい断面の面積を基準として、1±0.1の範囲であることを特徴とする。
本発明の点滴灌漑用チューブは、
チューブと、エミッタとを有し、
前記エミッタは、前記本発明のエミッタであり、
前記チューブは、灌漑用液体を吐出する吐出口を有し、
前記エミッタは、前記チューブの内壁であって、前記吐出口を有する部位に配置されており、
前記エミッタにおける吐出部と、前記チューブにおける前記吐出口が対応していことを特徴とする。
本発明のエミッタおよび点滴灌漑用チューブによれば、点滴灌漑用チューブ内の液体の温度が原因となる前記液体の吐出量のバラツキを抑制できる。
図1(A)および(B)は、実施形態1における点滴灌漑用チューブの概略を示す断面図である。 図2(A)および(B)は、実施形態1におけるエミッタの斜視図である。 図3(A)〜(C)は、実施形態1におけるエミッタの平面図である。 図4(A)および(B)は、実施形態1におけるエミッタの断面図である。 図5は、実施形態1のエミッタにおける減圧領域の一例を示す模式図である。 図6は、比較例のエミッタの平面図である。 図7は、実施例のエミッタと比較例のエミッタの減圧領域を通る水の状態をシミュレーションした図である。 図8は、実施例のエミッタと比較例のエミッタにおける、チューブ内の水の圧力と、チューブの吐出口から吐出される水の時間当たりの吐出量との関係を示すグラフである。
本発明者らは、前記チューブ内の液体の温度によって、前記エミッタの吐出量にバラツキが生じる理由について、鋭意研究を行い、以下のことを見出した。前記エミッタは、前記チューブ内の液体から受ける圧力に依存する前記フィルムのダイヤフラムのたわみを利用して、吐出量の調節が行われている。しかしながら、前記チューブを通過する液体の温度が、相対的に高くなると、その温度に依存して、前記ダイヤフラムの引張弾性率は、相対的に低くなる。このため、例えば、前記チューブ内の前記液体から前記ダイヤフラムに掛かる圧力が同じであっても、低温側(例えば、23℃程度)の液温では、さほどたわまなかったダイヤフラムが、高温側(例えば、40℃程度)の液温では、たわみ量が多くなり、これによって吐出量が低下することがわかった。そこで、本発明者らは、前記吐出量に与える、前記ダイヤフラムの負の温度依存性を、正の温度依存性を利用することでキャンセルし、吐出量の低下を抑制するとの着想を得た。具体的には、液体の粘度は、温度依存性があり、液温の上昇にともなって、粘度は低下する。そのため、同じ圧力で液体を流した場合、液温が高い方が流量は多くなり、液体は正の温度依存性を有する。そこで、前記流路における減圧領域を、前述の条件とすることによって、液温による粘度の温度依存性を発現させやすくし、前記ダイヤフラムの負の温度依存性により低下する吐出量を、前記液体の正の温度依存性により補填し、前記吐出量の低下を抑制することを実現した。これによって、本発明のエミッタは、前記チューブ内の液体の温度の影響を抑制して、吐出量の低下を抑制できる。
本発明のエミッタは、例えば、前記ダイヤフラム部が、熱可塑性樹脂製である。
本発明のエミッタは、例えば、前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンである。
本発明のエミッタにおいて、例えば、前記凹部は、前記吐出部する貫通孔、および前記貫通孔と連通するスリットを有し、前記貫通孔の上面側開口を形成する縁部が、前記スリットを除き、前記フィルムに対する弁座部であり;前記エミッタが前記チューブ内に配置された状態において、前記フィルムのダイヤフラム部は、前記チューブ内に前記液体が存在しない場合、前記弁座部に非接触であり、前記チューブ内に前記液体が存在する場合、前記液体の圧力に応じて、前記弁座部に接触可能である。
本発明のエミッタにおいて、前記吐出口と連通する前記貫通孔は、例えば、前記貫通孔の上面開口の周囲が、上方向に突出した凸状であってもよい。以下、前記突出した凸状の領域を、前記貫通孔周囲の「筒状領域」ともいう。この場合、前記筒状領域において、例えば、突出した凸部の上面は、その一部に、前記スリットを有し、凸部の上面において、内側の縁部が、前記スリットを除き、前記フィルムに対する弁座部である。
本発明のエミッタおよび点滴灌漑用チューブは、前記流路の減圧領域の平面視形状が蛇行形状であり、前記流路の減圧領域における断面積の変動比を、前述の範囲に設定することがポイントであり、その他の構成は、特に制限されない。
本発明のエミッタおよびこれを備える点滴灌漑用チューブの実施形態について、図を用いて説明する。本発明のエミッタおよび点滴灌漑用チューブは、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。各図において、同一箇所には同一符号を付している。各図においては、説明の便宜上、各部の構造は、適宜、簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、図の条件には制限されない。
各図において、特に示さない限り、便宜上、「チューブの軸方向」とは、前記チューブの両端の開口を結ぶ方向を意味し、「チューブの上下方向」とは、前記軸方向に垂直であり、且つ、チューブを台上に置いた際の鉛直方向をいう。各図において、特に示さない限り、前記エミッタは、便宜上、チューブの下方向の内壁に配置される状態で示し、前記エミッタの上下方向とは、前記凹部の開口側(前記フィルムが配置される側)が上方向、前記凹部の底面側が下方向といい、前記エミッタの上方向は、エミッタの表面側、前記エミッタの下方向は、前記エミッタの裏面側ともいう。前記エミッタの高さは、前記上下方向の長さ、前記エミッタの長さは、長手方向(前記チューブの軸方向に沿う方向)の長さ、前記エミッタの幅は、前記上下方向および前記長手方向に対する垂直方向(短手方向または幅方向ともいう)の長さをいう。また、前記エミッタにおいて、前記流路の減圧領域は、前記長手方向に向かって伸びる状態で示す。
[実施形態1]
図1は、点滴灌漑用チューブにおけるエミッタの配置状態を示す概略図であり、図1(A)は、前記チューブの軸方向であり且つ上下方向における断面図であり、図1(B)は、前記チューブの軸方向に対する垂直方向における断面図である。また、実施形態1のエミッタは、前記凹部の底面が、前記貫通孔の上面開口の周囲に、前記筒状領域を有する形態である。なお、本発明は、これには制限されず、前記凹部の底面は、前記筒状領域を有さなくてもよい。
以下、前記点滴灌漑用チューブおよび前記エミッタの構成について説明し、つぎに、それらの機能および効果について説明する。
点滴灌漑用チューブ100について、説明する。図1に示すように、点滴灌漑用チューブ100は、チューブ110および複数のエミッタ120を有し、チューブ110の内部であって、その内壁に、エミッタ120が配置されている。
チューブ110は、その内部に灌漑用液体を流すための中空管である。チューブ110の材料は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンである。チューブ110の管壁は、チューブ110の軸方向において、所定の間隔(例えば、200〜500mm)で、複数の貫通孔112を有する。貫通孔112は、チューブ110内部の前記液体をチューブ110外に吐出する吐出口112である。吐出口112の孔の形状および大きさは、前記液体を吐出できればよく、特に限定されない。吐出口112の孔の形状は、例えば、円形であり、その直径は、例えば、1.5mmである。
チューブ110の内壁において、各吐出口112に対応する位置に、複数のエミッタ120が配置される。チューブ110の軸方向に対する垂直方向における断面の形状および断面積は、特に制限されず、その内部にエミッタ120を配置できればよい。
点滴灌漑用チューブ100の使用時において、エミッタ120は、例えば、チューブ110から脱離しないように配置されていればよい。エミッタ120は、例えば、チューブ110に接合されており、点滴灌漑用チューブ100は、例えば、エミッタ120の裏面(後述する図2における138)を、チューブ110の内壁に接合することで作製できる。チューブ110とエミッタ120との接合方法は、特に限定されず、例えば、エミッタ120またはチューブ110を構成する樹脂材料の溶着、接着剤による接着等があげられる。点滴灌漑用チューブ100において、吐出口112は、例えば、チューブ110にエミッタ120を配置した後に形成してもよいし、チューブ110にエミッタ120を配置する前に、チューブ110に形成してもよい。
つぎに、エミッタ120について説明する。ここで、エミッタ120の表面側とは、チューブ110に配置した際、チューブ110の内部空間側の面側であり、エミッタ120の裏面側とは、チューブ110に配置した際、チューブの内壁側に対向する面側である。
図2は、エミッタ120の概略を示す斜視図であり、図2(A)は、エミッタ120を表面139側から見た斜視図であり、図2(B)は、エミッタ120を裏面138側から見た斜視図である。便宜上、エミッタ120の長手方向において、フィルムが配置されていない側を上流、フィルム124が配置されている側を下流という。前記上流および下流は、エミッタ120内における液体の流れを示すものではなく、あくまでも説明における便宜上の定義である。図2(A)と(B)において、エミッタ120の向きは、図中の矢印Aで示し、矢尻が上流、矢先が下流である(以下、同様)。
図3は、エミッタ120の概略を示す平面図であり、図3(A)は、エミッタ120の上面図(表面側の平面図)であり、図3(B)および図3(C)は、エミッタ120について、フィルム124が、ヒンジ部126を介して、フィルム124以外のエミッタ本体122に接続されており、フィルム124をエミッタ本体122上に配置する前の状態を示す概略図である。具体的に、図3(B)は、表面側から見た平面図であり、図3(C)は、裏面側から見た平面図である。
図4は、エミッタ120の概略を示す断面図であり、図4(A)は、図3(A)におけるI−I方向の断面図であり、図4(B)は、図4(A)における点線で囲んだ領域の部分断面図、つまり、取込部131付近の部分断面図である。
図1に示すように、エミッタ120は、チューブの内部において、吐出口112を覆うように内壁に配置されている。エミッタ120の全体の形状は、例えば、チューブ110の内壁に密着して、吐出口112を覆うことができればよく、特に制限されない。本実施形態において、エミッタ120は、その平面形状が、例えば、四隅がR面取りされた略矩形である。エミッタ120は、チューブ110の軸方向に対する垂直方向における断面において、チューブ110の内壁に接合する裏面138が、凸部を有し、前記凸部は、チューブ110の内壁に沿うように、チューブ110の内壁に向かって略円弧形状である。エミッタ120の全体の大きさは、特に限定されず、例えば、長手方向の長さは25mm、短手方向の長さは8mm、上下方向の高さは2.5mmが例示できる。
エミッタ120は、フィルム124がエミッタ本体122に配置されることで形成される。フィルム124とエミッタ本体122とは、図3(A)および(B)に示すように、例えば、ヒンジ部126を介して接続されてもよく、エミッタ本体122とフィルム124とは、一体成型品でもよい。この場合、フィルム124を、ヒンジ部126を軸として、エミッタ本体122側に回転させ、エミッタ本体122上に配置し、固定すればよい。ヒンジ部126は、例えば、エミッタ本体122にフィルム124を固定した後で、切断して除去してもよい。フィルム124とヒンジ部126の厚みは、特に制限されず、例えば、同じ厚みである。フィルム124の厚みは、特に制限されず、例えば、0.3mmである。
エミッタ本体122とフィルム124とは、例えば、別個に形成し、エミッタ本体122上にフィルム124を配置し、固定してもよい。エミッタ本体122とフィルム124との固定方法は、特に制限されず、例えば、エミッタ本体122またはフィルム124を構成する材料による溶着、接着剤による接着等があげられる。フィルム124において、エミッタ本体122に固定する箇所は、特に制限されず、例えば、フィルム124におけるダイヤフラム部よりも外側の領域である。
エミッタ本体122は、例えば、可撓性を有することが好ましく、可撓性材料で形成されていることが好ましい。また、フィルム124は、後述するように、ダイヤフラム部を有することから、可撓性を有することが好ましく、可撓性材料で形成されていることが好ましく、前記可撓性材料としては、例えば、熱可塑性樹脂があげられる。エミッタ本体122とフィルム124とは、例えば、同一材料で形成されてもよいし、別個の材料で形成されてもよく、前述のように一体的に形成される場合、同一材料であることが好ましい。前記可撓性材料は、例えば、一種類でもよいし、二種類以上を含んでもよい。前記可撓性材料は、例えば、樹脂およびゴム等があげられ、前記樹脂は、例えば、ポリエチレンおよびシリコーン等があげられる。前記熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレンがあげられる。エミッタ本体122またはフィルム124の可撓性は、例えば、弾性樹脂等の弾性を有する材料の使用によって調整できる。可撓性の調整方法は、特に制限されず、例えば、弾性樹脂の選択、硬質樹脂等の硬質材料に対する前記弾性材料の混合比の調整等があげられる。
エミッタ120は、取込部131、調整部135、吐出部137、および、流路143を有している。エミッタ120において、例えば、上流側は、取込部131を有する領域であり、下流側は、調整部135および吐出部137を有する領域であり、前記両領域は、流路143で連通されている。
取込部131は、チューブ110内の前記液体を内部に導入する部位であり、エミッタ120において表面139側に設けられている。エミッタ120の表面139側と裏面138側との境を、エミッタ120の土台部とした場合、図2(A)、図3(A)および(B)に示すように、エミッタ120の上流側において、エミッタ本体122の土台部は、その外縁に、上方向に突出した凸状の外壁部を有し、取込用凹部153を形成している。取込用凹部153の外壁部は、複数のスリット154を有する。また、エミッタ120の土台部は、取込用凹部153の内部領域に、長手方向に伸びる第1凸部157、および、短手方向の両端に伸びる複数の第2凸部156を有する。そして、エミッタ120の土台部、すなわち、取込用凹部153の底面は、短手方向の両端に伸びる複数の凸部156と直交する長手方向に、裏面138側に通じる一対の取込用貫通孔152を有する。エミッタ120において、取込用凹部153と、前記外壁部のスリット154、凸部群155(第1凸部157および第2凸部156)は、例えば、後述するように、液体を内部に流入させ且つ前記液体中の浮遊物の侵入を防止できることから、スクリーン部151ともいい、スクリーン部151と、一対の取込用貫通孔152とが、エミッタ120における取込部131となる。
前記外壁部で囲まれる取込用凹部153の深さは、特に制限されず、例えば、エミッタ120の大きさによって適宜設定できる。
前記外壁部におけるスリット154の形状は、特に制限されず、前述のように、浮遊物の侵入を防止できる形状であることが好ましい。図2(A)および図3(A)において、スリット154は、取込用凹部153の外壁部において、外側の側面から内側の側面に向かって、徐々に幅が大きくなるような形状である。スリット154は、例えば、このようなウェッジワイヤー構造が好ましい。スリット154が前記構造の場合、例えば、取込用凹部153において、内部に流入した液体の圧力損失を抑制することができる。
凸部群155の位置および数は、特に制限されず、前述のように、前記液体を流入させ且つ前記液体中の浮遊物の侵入を防止する機能を発揮する形態であることが好ましい。第1凸部157は、例えば、エミッタ本体122の表面139から取込用凹部153の底面に向かって、徐々に幅が小さくなるような形状である。すなわち、複数の第1凸部157は、それら配列方向において、隣接する第1凸部157間の空間が、いわゆるウェッジワイヤー構造であることが好ましい。第1凸部157間の空間が前記構造の場合、例えば、取込用凹部153において、内部に流入した液体の圧力損失を抑制することができる。隣接する第1凸部157間の距離は、特に制限されず、例えば、前述の機能を発揮する条件であることが好ましい。
第2凸部156は、例えば、第1凸部157と同様に、エミッタ本体122の表面139から取込用凹部153の底面に向かって、徐々に幅が小さくなるような形状でもよいし、エミッタ本体122の表面139から取込用凹部153の底面まで、同じ幅の形状でもよい。
一対の取込用貫通孔152の形状および数は、特に制限されず、例えば、スクリーン部151を介して、取込用凹部153に取り込まれた液体を、エミッタ120の内部、すなわち、エミッタ120の裏面138側に取り込むことができる形態である。一対の取込用貫通孔152は、それぞれ、前述のように、エミッタ120の土台部(取込用凹部153の底面)において、第2凸部156と直交する長手方向に沿って設けられた長孔である。図3(B)において、一対の取込用貫通孔152は、それぞれ、複数の貫通孔が長手方向に沿って存在するように見えるが、これは、長孔の貫通孔152の上側に、複数の第1凸部157が存在するためであり、図2(B)に示すように、貫通孔152は、本実施形態において長孔である。
流路143は、取込部131と調整部135とを連通する流路であり、エミッタ120の裏面138側に設けられている。図2(B)、図3(C)に示すように、エミッタ120の裏面138側において、エミッタ120の土台部は、外縁に、上方向に突出した凸状の外壁部を有し、外壁部で囲まれる凹部を有する。そして、エミッタ120の裏面138側において、前記凹部の外壁部の内側に沿って、略U字状の溝132、および、短手方向の中心を通り長手方向に沿って、蛇行形状(波形状ともいう)の溝133を有する。エミッタ120において、溝132および溝133が、流路143となる。具体的には、エミッタ120をチューブ110に配置した際、溝132および溝133と、チューブ110の内壁との間の空間が、流路143となる。略U字状の溝132は、取込部131における一対の取込用貫通孔152間を連通する溝である。蛇行形状の溝133は、略U字状の溝132の中央部と前記土台部における貫通孔161とを連通する溝であり、この蛇行形状によって、エミッタ120内を通過する液体の圧力を減圧することができる。このため、溝133の領域が、流路143における減圧領域133となる。前記土台部における貫通孔161は、後述するように、調整部135への連通孔である。
溝132は、例えば、取込部131との接続部であることから、接続溝132ともいい、流路143において、接続溝132で構成される領域は、接続領域132ともいう。また、溝133は、例えば、接続溝132と前記調整部とを接続し、内部に取り込んだ液体の圧力を、接続溝132から調整部135に移動させる間に、減圧することが可能であることから、減圧溝133ともいい、流路143において、減圧溝133で構成される領域は、減圧領域133ともいう。
流路143において、減圧領域133は、その全域にわたって、軸方向に対する垂直方向の断面積の変動比が、最も小さい断面の面積を基準として、1±0.1の範囲である。ここで「軸方向」とは、減圧領域133の任意の点における軸方向を意味し、「垂直方向」とは、前記軸方向に対して垂直な方向を意味する。具体例として、図5に、減圧領域133における軸方向と垂直方向とを示す。図5に示すように、減圧領域133において、任意の点における軸方向は、矢印で表わされ、垂直方向は、前記任意の点を通り且つ軸方向に垂直な線で表わされる。前記変動比は、例えば、1±0.1、1±0.05、1±0.01である。
減圧流路133において、最も小さい断面の面積は、例えば、その上限が、0.3mm、0.25mm、0.2mmである。
減圧領域133は、例えば、調整部135よりも上流側に配置されている。減圧領域133の形状は、平面視形状が蛇行形状である。減圧溝133は、例えば、その内部の側面に、複数の凸部162を有しており、複数の凸部162は、液体が流れる方向に沿って、両方の側面から、中心側に向かって交互に突出している。凸部162の形状は、例えば、略三角柱形状である。凸部162は、例えば、平面視した際に、その先端が減圧溝133の中心軸を超えないように配置されている。
減圧領域133において、蛇行形状のピッチの条件は、特に制限されない。前記ピッチは、図5に示すように、例えば、エミッタ120の長手方向における、エミッタ120の幅方向の一方への突出と他方への突出との間の距離Pである。ピッチPの距離は、例えば、0.5〜1.5mm、0.7〜1.3mm、0.9〜1.1mmである。前記幅方向において、前記一方の突出の先端と前記他方の突出の先端との間の距離Wは、例えば、0.4〜1.2mm、0.6〜1mm、0.7〜0.9mmである。
調整部135は、エミッタ120の内部に取り込んだ液体の吐出量を調整する部であり、エミッタ120の表面139側であって、下流側に設けられている。図2(B)、図3(B)および(C)、図4(A)に示すように、エミッタ120の土台部は、その中心付近に、流路143に連通する貫通孔161を有し、その下流側に、吐出部137に連通する貫通孔174を有する。前者の貫通孔161は、調整用凹部171内に液体を導入する孔であり、以下、導入用貫通孔161ともいい、後者の貫通孔174は、調整用凹部171内から液体を導出する孔であり、調整用貫通孔または導出用貫通孔ともいう。そして、エミッタ120の表面139側において、エミッタ120の土台部は、調整用凹部171を有し、調整用凹部171の内部空間を覆う状態で、フィルム124が固定されている。本実施形態では、前記土台部が調整用凹部171の底面であり、前記底面は、調整用貫通孔174と、導入用貫通孔161とを有し、さらに、調整用貫通孔174の上面側開口172bの周囲に、表面139側に突出する凸状の調整用筒状領域172を有する。さらに、エミッタ本体122の表面139側には、前述のように、フィルム124が、調整用凹部171の内部を覆うように配置されている。エミッタ120において、調整用凹部171と、調整用筒状領域172と、フィルム124(ダイヤフラム部175)と、調整用貫通孔174とが、調整部135となる。
フィルム124は、調整用凹部171の内部空間を覆う状態で、固定されていればよく、その固定位置は、前述のように、特に制限されない。フィルム124において、調整用凹部171を覆う領域が、ダイヤフラム部175である。つまり、ダイヤフラム部175により、調整用凹部171における側壁上面の内側の縁部171aで囲まれる領域が、覆われる。エミッタ120は、フィルム124におけるダイヤフラム部175により、調整用凹部171の内部が、チューブ110の内部と仕切られている。
調整用貫通孔174の上面側開口172bの形状は、調整用筒状領域172の上面における内側の縁部により規定されている。調整用筒状領域172の上面における内側の縁部は、フィルム124に対する弁座部172aである。使用時において、チューブ110内に液体が存在しない状態では、調整用凹部171を覆うフィルム124は、調整用筒状領域172の弁座部172aに非接触である。同状態において、フィルム124は、例えば、調整用凹部171における上面側開口の縁部171aに接触した状態でもよいし、非接触の状態でもよい。そして、使用時において、チューブ110内に前記液体が存在すると、チューブ110内の前記液体の圧力に応じて、フィルム124は、調整用筒状領域172の弁座部172aに接触(密着)するように変形する。具体的には、前記液体の圧力が高くなるにつれて、フィルム124は、下方向にたわむように変形する。この際、フィルム124は、例えば、調整用凹部171における上面側開口の縁部171aに接触した後、調整用筒状領域172の弁座部172aに接触する。このため、エミッタ120の上下方向において、調整用凹部171の上面側開口を形成する縁部171aの高さは、調整用貫通孔174の上面側開口172bを形成する弁座部172aの高さよりも高い。なお、チューブ110内に液体が存在しない状態で、フィルム124は、調整用凹部171における上面側開口の縁部171aに接触していてもよい。調整用凹部171における上面側開口の縁部171aを、以下、支持部ともいう。
調整用凹部171の軸方向とは、その底面に対する垂直方向であり、エミッタ120の上下方向である。また、調整用筒状領域172の軸方向は、調整用凹部171の軸方向と同じ方向であり、調整用筒状領域172の中空の軸方向である。
調整用貫通孔174の上面側開口172bの形状は、例えば、円状でもよいし、角状でもよく、調整用筒状領域172は、例えば、円筒状でもよいし、角筒状でもよい。
調整用筒状領域172は、その凸部(側壁)の上面の一部にスリット173を有し、スリット173は、調整用筒状領域172の内部と外部を連通する。前述のように、チューブ110内の水の圧力によって、調整用筒状領域172の弁座部172aの全周にフィルム124が接触しても、調整用筒状領域172の側壁におけるスリット173は、フィルム124によって閉塞されない。このため、フィルム124が、調整用凹部171の弁座部172aの全周に接触しても、導入用貫通孔161を介して調整用凹部171に導入された液体は、スリット173を介して、調整用貫通孔174を通過し、後述する吐出部137に送られる。
スリット173の形状は、特に制限されず、例えば、図3(B)に示すように、調整用筒状領域172における側壁の上面の一部が、前記側壁の内側から外側に向かって欠失している形状があげられる。スリット173の大きさは、特に制限されず、例えば、深さが0.1mm、前記側壁における周方向の幅が0.3mmである。調整用筒状領域172の深さは、特に制限されず、例えば、スリット173の深さより大きければよい。
吐出部137は、エミッタ120の内部に取り込んだ液体を、チューブ110の吐出口を介して吐出する部位であり、エミッタ120において裏面138側に設けられている。図2(B)、図3(B)および(C)に示すように、エミッタ120の裏面138側であり且つ下流側において、エミッタ本体122の土台部は、吐出用凹部191を有する。本実施形態では、前記土台部が吐出用凹部191の底面であり、吐出用凹部191の底面であって上流側に、調整部135における調整用貫通孔174を有する。エミッタ120において、吐出用凹部191の空間が吐出部137となる。具体的には、エミッタ120を、チューブ110内において、吐出口112を有する位置に配置した際、吐出用凹部191とチューブ110の内壁との間の空間が、チューブ110の吐出口112と連通する吐出部137となる。
吐出用凹部191の形状は、特に制限されず、例えば、平面視形状が略矩形である。吐出用凹部191は、例えば、図2(B)および図3(C)に示すように、その底面において、調整用貫通孔174の下流側であって、チューブ110の吐出口112に対応する箇所よりも上流側に、複数の凸部193を有してもよい。複数の凸部193は、幅方向に沿って配置されている。これらの凸部193は、例えば、後述するように、凸部193間に液体を通過させ且つ前記液体中の浮遊物等の異物が通過することを防止できる。
つぎに、エミッタ120と、エミッタ120をチューブ110に配置した点滴灌漑用チューブ100の機能について説明する。
まず、点滴灌漑用チューブ100のチューブ110内に灌漑用液体が送液される。灌漑用液体は、特に制限されず、例えば、水、液体肥料、農薬、およびこれらの混合液等があげられる。チューブ110へ送液される前記液体の圧力は、特に制限されず、例えば、より簡易に点滴灌漑法を実施でき、また、チューブ110およびエミッタ120の破損をより防止するため、0.1MPa以下が好ましい。
チューブ110内に導入された前記液体は、エミッタ120の取込部131からエミッタ120内に取り込まれる。具体的には、前記液体は、エミッタ120において、スリット154または第1凸部157間の隙間から、取込用凹部153に入り込み、取込用貫通孔152を通過して、表面139側から裏面138側に移動する。取込部131がスクリーン部151を有する場合、例えば、取込用凹部153のスリット154、および第1凸部157間の隙間等によって、前記液体中の浮遊物等を除去できる。また、取込部131において、例えば、スリット154、第1凸部157間が前記ウェッジワイヤー構造をとることによって、取込部131への水の取り込み時における水の圧力損失を、より抑制できる。
取込部131に取り込まれた前記液体は、取込用貫通孔152を通過して、流路143における接続領域132に到達する。そして、前記液体は、接続領域132から減圧領域133に流れこむ。
減圧領域133に流れ込んだ前記液体は、貫通孔161を通過して、調整部135に移動する。具体的には、前記液体は、貫通孔161から、調整部135における調整用凹部171と調整用筒状領域172との間の領域に移動する。そして、調整部135に移動した前記液体は、調整用貫通孔174を通過して、吐出部137に移動する。この際、調整部135による、吐出部137へ流れる前記液体の流量の制御が、エミッタ120から、チューブ110の吐出口112を介して、チューブ110外に吐出される液体の流量の制御に関連する。ここで、調整部135における流量の制御について、図4(B)を用いて説明する。
図4(B)の図は、フィルム124に、チューブ110内の液体による圧力がかかっていない状態である。チューブ110内の液体によりフィルム124に圧力がかかると、フィルム124の下方向へのたわみが生じている。そして、フィルム124に、さらに圧力がかかると、フィルム124は、さらにたわみ、調整用筒状領域172の弁座部172aの全周に接触するようになる。これによって、スリット173を除いて、調整用筒状領域172の開口が、フィルム124により閉塞されることになる。そして、調整用筒状領域172の開口が閉塞した後は、スリット173を介して、液体が吐出部に吐出される。
そして、調整部135で調整された前記液体は、調整部135から貫通孔174を介して、吐出部137に移動する。エミッタ120は、吐出部137が、チューブ110の吐出口112と対応箇所に配置されているため、吐出部137に移動した液体は、チューブ110の吐出口112を介して、チューブ110の外に吐出される。
本発明のエミッタにおいて、調整用貫通孔の周囲に、前記筒状領域を有するか否かは、特に制限されない。前記筒状領域は、例えば、前記凹部において、フィルムのダイヤフラム部を規定する前記支持部と前記弁座部との間の高さの調整に利用できる。すなわち、前記筒状領域の有無は、例えば、フィルムのダイヤフラム部を規定する前記凹部の支持部と、前記弁座部との間における、所望のクリアランスに応じて、設けてもよいし、設けなくてもよい。具体例として、圧力補正のタイミングを相対的に遅らせたい場合は、例えば、前記筒状領域を設けることなく、前記凹部の底面をフラットに設定してもよい。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。
[実施例1]
実施例のエミッタとして、図3に示すエミッタ120を作製した。エミッタ120において、流路143の減圧領域の条件は、以下の通りとした。
最も小さい断面の断面積 0.27mm
断面積の変動比 1:1
ピッチP 0.9mm
距離W 0.8mm
フィルム材料 ポリエチレン製
比較例のエミッタとして、図6に示すエミッタを作製した。前記比較例のエミッタは、流路143における減圧領域が、下記条件のジグザグ形状である以外は、前記実施例のエミッタ120と同じとした。
最も小さい断面の断面積 0.27mm
断面積の変動比(x1:x2) 1:1.78
ピッチP 0.6mm
距離W 1.5
フィルム材料 ポリエチレン製
各エミッタを、直径1.6cmのチューブに接合して、実施例および比較例の点滴灌漑用チューブを作製した。そして、前記チューブ内に水を通液して、通液する水の圧力に応じて、各エミッタを介して吐出される時間あたりの水の量を確認した。水の温度は、23℃および40℃とした。これらの結果を図7および図8に示す。
図7は、前記実施例のエミッタと前記比較例のエミッタについて、減圧領域を通る水の状態をシミュレーションした図面であり、(A)が、前記実施例における減圧領域の結果であり、(B)が、前記比較例における減圧領域の結果である。図7において、水の流れは左から右であり、図7に示す減圧領域内の印は、矢先が右にある矢印であり、前記矢印は、前記減圧領域を通る水の相対的な速度ベクトルを示し、矢印が長く密な程、水は滞留せずに流れることを示し、矢印が短く疎な程、水が滞留することを示す。図7(B)に示すように、比較例における減圧領域は、断面積の変動比が大きいため、減圧領域の凸部において水が滞留する構造であることがわかる。これに対して、図7(A)に示すように、実施例における減圧領域は、断面積の変動比が抑制されているため、水が滞留することなく、減圧領域をスムーズに通過する構造であることがわかる。
図8は、前記チューブ内の水の圧力と、前記チューブの吐出口から吐出される水の時間当たりの吐出量との関係を示すグラフであり、(A)が、前記実施例の結果、(B)が、前記比較例の結果、である。縦軸は、時間あたりの吐出量(L/時間)であり、横軸は、前記チューブ内の水の圧力(Bar)である。図8(B)に示すように、比較例のエミッタは、23℃の水を通液した場合と比較して、40℃の水を通液した際、圧力にかかわらず、吐出量の低下が確認された。これに対して、図8(A)に示すように、実施例のエミッタは、23℃の水を通液した場合と40℃の水を通液した場合とにおいて、いずれの圧力でも同程度の吐出量を実現できた。前述のように、前記実施例のエミッタは、前記比較例のエミッタと比べて、前記減圧領域における滞留を防止できる。このため、水の温度依存的な粘度の低下を利用して、より効果的な水の通過を実現し、前記ダイヤフラムの負の温度依存性を、水の正の温度依存性により補填し、結果として、吐出量の低下を抑制できたと解される。
本発明のエミッタおよび点滴灌漑用チューブによれば、点滴灌漑用チューブ内の液体の温度が原因となる前記液体の吐出量のバラツキを抑制できる。
100 点滴灌漑用チューブ
110 チューブ
112 吐出口
120 エミッタ
122 エミッタ本体
124 フィルム
126 ヒンジ部
131 取込部
132 接続領域
133、233 減圧領域
135 調整部
137 吐出部
138 裏面
139 表面
143、243 流路
151 取込用スクリーン部
152 取込用貫通孔
153 取込用凹部
154 スリット
155 凸部
156 第2凸部
157 第1凸部
161 貫通孔
162 凸部
171 調整用凹部
171a 支持部(縁部)
172 調整用筒状領域
172a 弁座部
172b 貫通孔の上面開口
173 スリット
174 貫通孔
175 ダイヤフラム部
191 吐出用凹部
193 凸部

Claims (4)

  1. 吐出口を有するチューブの内壁に配置され、前記吐出口を介した前記チューブ内から前記チューブ外への灌漑用液体の吐出を調整するエミッタであり、
    前記チューブ内の前記液体を内部に取り込む取込部、
    前記取り込んだ液体の吐出量を調整する調整部、
    前記取り込んだ液体を、前記チューブの吐出口を介して吐出する吐出部、および、
    前記取込部と前記調整部とを連通する流路を有し;
    前記調整部は、
    凹部、およびフィルムを有し、
    前記フィルムは、
    前記凹部の内部空間を覆う状態で固定されており、
    前記凹部の内部空間を覆う領域が、ダイヤフラム部であり;
    前記流路は、前記取り込んだ液体の圧力を減圧する減圧領域を有し、
    前記減圧領域は、蛇行形状であり、
    前記減圧領域において、軸方向に対する垂直方向の断面積の変動比が、最も小さい断面の面積を基準として、1±0.1の範囲であることを特徴とするエミッタ。
  2. 前記ダイヤフラム部が、熱可塑性樹脂製である、請求項1記載のエミッタ。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンである、請求項2記載のエミッタ。
  4. チューブと、エミッタとを有し、
    前記エミッタは、請求項1から3のいずれか一項に記載のエミッタであり、
    前記チューブは、灌漑用液体を吐出する吐出口を有し、
    前記エミッタは、前記チューブの内壁であって、前記吐出口を有する部位に配置されており、
    前記エミッタにおける吐出部と、前記チューブにおける前記吐出口が対応していことを特徴とする点滴灌漑用チューブ。

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