JP2018201423A - 細胞培養槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞塊の大きさを所望の大きさに制御することが可能な細胞培養槽を提供する。【解決手段】培養槽8は、培養対象である細胞を含む培地Mを受け入れる培地受入部11と、培地受入部11よりも上方に形成され、細胞を培養して細胞塊を成長させる細胞培養部16と、培地受入部11と細胞培養部16との間に形成され、培地受入部11から上昇した培地Mを細胞培養部16へ導き、細胞塊の大きさに応じて閾値よりも大きい細胞塊を下降させると共に閾値よりも小さい細胞塊を上昇させる細胞塊選別部15と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞培養槽に関する。
細胞を培養するための装置として、特許文献1,2に記載の装置が知られている。これらの細胞培養装置は、水平断面積が上方に向かって次第に増大する細胞培養槽を有する。この細胞培養槽によれば、細胞塊の大きさに応じて、槽内において均一に細胞塊を分布させることができる。
特開2005−348672号公報 特開2016−86791号公報
培養槽内では、培地に含まれた細胞が培養されて、細胞塊は次第に大きくなる。細胞塊が大きくなりすぎると、細胞品質が低下する傾向にある。そこで、培養槽内において比較的大きくなった細胞塊を分断することがある。しかし、細胞を培養する観点からすると細胞塊を必要以上に分断することは適当でない。
そこで、本発明は、比較的大きい細胞塊を選択的に分断することにより、細胞塊の大きさを所望の大きさに制御することが可能な細胞培養槽を提供する。
本発明の一形態は、培養対象である細胞を含む培地を受け入れて、培地を上方に向かうように流す培地受入部と、培地受入部よりも上方に形成され、細胞を培養して細胞を含む細胞塊を成長させる細胞培養部と、培地受入部と細胞培養部との間に形成され、培地受入部から上昇した培地を細胞培養部へ導き、細胞塊の大きさに応じて閾値よりも大きい細胞塊を下降させると共に閾値よりも小さい細胞塊を上昇させる細胞塊選別部と、を備える。
この細胞培養槽は、培地受入部と細胞培養部との間に形成された細胞塊選別部を有する。細胞塊選別部は、予め設定される閾値に応じて、閾値よりも大きい細胞塊を選択的に下降させる。つまり、細胞塊選別部は、閾値よりも大きい細胞塊を培地受入部に導く。培地受入部では、受け入れた培地の強い上昇流が生じているので、細胞塊が分断される。そして、分断されて閾値よりも小さくなった細胞塊は、細胞塊選別部を通過して、細胞培養部へ導かれる。従って、細胞培養槽は、比較的大きい細胞塊を選択的に分断することが可能であるので、細胞塊の大きさを所望の大きさに制御することができる。
一形態に係る細胞培養槽の細胞塊選別部において、培地の流速の分布は、培地受入部から細胞培養部に向かう方向に沿って次第に低下すると共に、流速が不連続に変化する不連続点を有してもよい。この構成によれば、培地受入部に導く細胞塊の大きさを好適に設定することができる。
一形態に係る細胞培養槽において、不連続点における培地の流速は、閾値により示される大きさである細胞塊が有する沈降速度よりも小さくてもよい。流速の分布が有する不連続点における培地の流速は、閾値により示される大きさである細胞塊が有する沈降速度よりも小さくてもよい。細胞塊の移動速度は、細胞塊の大きさに起因する沈降速度と培地の流速とにより決まる。従って、不連続点における培地の流速を細胞塊の沈降速度よりも小さくすると、培地の流速よりも沈降速度が勝るので、細胞塊を培地受入部に向けて沈降させることができる。
一形態に係る細胞培養槽の細胞塊選別部において、連続点が形成される箇所では、培地が流通する流路の断面積が不連続に変化してもよい。不連続点が形成される箇所では、培地が流通する流路の断面積が不連続に変化してもよい。流路の断面積は、当該流路を流れる培地の流速に影響する。従って、流路の断面積が不連続に変化することにより、培地の流速分布に不連続点を生じさせることができる。
一形態に係る細胞培養槽において、培地受入部、細胞培養部及び細胞塊選別部は、培地受入部から細胞培養部に向かって断面積が次第に大きくなる円錐台状である第1の槽本体によって形成され、第1の槽本体には、第1の槽本体の軸線を含むように第1の槽本体の内部に配置された柱体が配置され、細胞塊選別部は、柱体の外径が培地受入部から細胞培養部に向かって、第1の外径から第2の外径へ次第に大きくなる部分と、第2の外径から第3の外径へ次第に小さくなる部分と、を含んでもよい。この構成によれば、細胞選別部を好適に構成することができる。
一形態に係る細胞培養槽において、培地受入部、細胞培養部及び細胞塊選別部は、第2の槽本体によって形成され、細胞塊選別部は、第2の槽本体の内径が培地受入部から細胞培養部に向かって、第1の内径から第2の内径へ次第に小さくなる部分と、第2の内径から第3の内径へ次第に大きくなる部分と、を含んでもよい。この構成によっても、細胞選別部を好適に構成することができる。
一形態に係る細胞培養槽において、培地受入部及び細胞培養部は、培地受入部から細胞培養部に向かって断面積が次第に大きくなる円錐台状である第3の槽本体によって形成され、第3の槽本体には、培地受入部から細胞培養部へ向かう方向に交差する面板が配置され、細胞塊選別部は、面板に設けられた複数の細胞塊通過孔によって形成されてもよい。この構成によっても、細胞選別部を好適に構成することができる。
一形態に係る細胞培養槽において、培地受入部は、第1の容器によって形成され、細胞培養部は、第1の容器の上方に配置された第2の容器によって形成され、細胞塊選別部は、第1の容器と第2の容器とを連通させる流路部によって形成されてもよい。この構成によっても、細胞選別部を好適に構成することができる。
本発明によれば、比較的大きい細胞塊を選択的に分断することにより、細胞塊の大きさを所望の大きさに制御することが可能な細胞培養槽が提供される。
図1は、本実施形態に係る細胞培養装置の構成を示す図である。 図2は、培養槽の要部を拡大して示す断面図である。 図3の(a)部は培養槽の高さと流路面積との関係を例示するグラフであり、図3の(b)部は培養槽の高さと培地の流速との関係を示すグラフである。 図4の(a)部は変形例1に係る細胞培養槽の要部を拡大して示す断面図であり、図4の(b)部は変形例2に係る細胞培養槽の要部を拡大して示す断面図であり、図4の(c)部は変形例2に係る細胞培養槽の要部を拡大して示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、気密構造を有する細胞培養装置1は、細胞培養ユニット2と、曝気ユニット3と、廃液ユニット4と、を有する。細胞培養ユニット2は、培地流出管5及び培地導入管6によって曝気ユニット3と接続される。また、曝気ユニット3は、培地排出管7によって廃液ユニット4と接続される。
細胞培養ユニット2は、培地Mにより培養対象である細胞を培養する容器である。細胞培養ユニット2は、細胞、細胞塊或いは細胞が付着した担体を含む培地Mを収容する。担体は、マイクキャリアとも称される微小な粒体である。担体は、細胞の付着基盤となる。そして細胞は担体上で増殖する。細胞培養ユニット2は、培養槽8(第1の槽本体)と、柱体9とを有する。
培養槽8は、水平断面が上方に向かって次第に拡大する形状を有する。例えば、培養槽8は、逆円錐状の形状を呈する。培養槽8の上部は、開放され、培養槽8の底部は閉鎖される。
培養槽8の上部には、気密構造の蓋10が設けられる。培養槽8の上端には開口が形成され、当該開口は蓋10によって気密に閉塞される。蓋10は、培地流出管5によって、曝気ユニット3に繋がる。培地流出管5の一端は、蓋10の底面における最も下方の位置に連通する。培地流出管5の他端は、曝気ユニット3に連結される。
培養槽8の下部には、曝気ユニット3から培地Mを受け入れる培地受入部11が設けられる。具体的には、培地受入部11は、2本の培地導入管6を介して曝気ユニット3と接続される。培地導入管6の中途部には、ポンプ12が設けられ、ポンプ12が作動することで、曝気ユニット3内の培地Mが、培地導入管6を介して培養槽8に供給される。培地受入部11には、培地導入管6の一端が接続される。培養槽8における接続位置は、培養槽8の中心軸線を挟んで点対称である。培地導入管6の他端は、曝気ユニット3に接続される。
培養槽8の内部には、培養槽8の中心軸線の方向に延びる柱体9が配置される。図2に示されるように、柱体9は、円筒又は円錐といった柱状の形状を呈し、柱体9の中心軸線は培養槽8の中心軸線に一致する。柱体9は、円錐状の柱本体13と、ベンチュリ部14を有する。ベンチュリ部14は、柱体9の外周面から突出することにより、柱体9の外周面と培養槽8の内周面との間の隙間Sを制御する。この隙間Sは、培地Mの流路である。
ここで、培養槽8は、ベンチュリ部14を基準として高さ方向に3つの領域に分けられる。つまり、ベンチュリ部14よりも下側の領域は、培地受入部11である。ベンチュリ部14を含む領域は、細胞塊選別部15である。ベンチュリ部14よりも上側の領域は、細胞培養部16である。
ベンチュリ部14は、柱本体13の下部に設けられる。ベンチュリ部14は、柱本体13の外径D1(第1の外径)と同じ外径を有する下縁部14aと、柱本体13の外径D2(第3の外径)と同じ外径を有する上縁部14bと、下縁部14a及び上縁部14bとの間に設けられた稜部14cと、を有する。稜部14cの外径DS(第2の外径)は、外径D1及び外径D2よりも大きい。つまり、下縁部14aから稜部14cに向かって、ベンチュリ部14の外径は外径D1から外径DSへと大きくなる。この外径が大きくなる割合は、柱本体13における外径が大きくなる割合よりも大きい。そして、稜部14cから上縁部14bに向かって、ベンチュリ部14の外径は外径DSから外径D2へと小さくなる。この外径が小さくなる割合は、柱本体13における外径が小さくなる割合よりも大きい。
図3の(a)部は、培養槽8における高さ方向に沿った流路面積を示す。図3の(a)部に示したグラフは、横軸が流路面積を示し、縦軸は高さ方向の位置を示す。グラフG1に示されるように、培養槽8の底部(高さ:0)からベンチュリ部14の下縁部14a(高さ:H1)までの間では、上方に向かうにつれて流路面積は、面積A1から面積A2へ次第に大きくなる。なぜならば、培養槽8が逆円錐形状を有しているので、徐々に内径が大きくなるためである。次に、ベンチュリ部14の下縁部14a(高さH1)から稜部14c(高さHS)までの間では、上方に向かうにつれて流路面積は面積A2から面積A3まで急激に小さくなる。そして、稜部14c(高さHS)において流路面積は、最小値(面積A3)をとる。次に、ベンチュリ部14の稜部14c(高さHS)から上縁部14b(高さH2)までの間では、上方に向かうにつれて流路面積は面積A3から面積A4まで急激に大きくなる。そして、ベンチュリ部14の上縁部14b(高さH2)から上方に向かうにつれて流路面積は面積A4から次第に大きくなる。この流路面積の拡大は、培養槽8の逆円錐形状を有することによる。
再び図1を参照する。曝気ユニット3は、培養槽8に供給する培地Mを貯溜し、培地Mのガス濃度を調整する。曝気ユニット3には、培地導入管6の他端が接続される。培地導入管6の他端は、曝気ユニット3の内部まで延びる。曝気ユニット3には、さらに、ガス供給管21及び培地供給管26が接続される。
廃液ユニット4は、曝気ユニット3から排出された余剰の培地Mを貯溜する。廃液ユニット4には、培地排出管7の一端が接続される。培地排出管7の一端の位置は、廃液ユニット4に貯溜されている廃液の液面より上方である。
次に、図1を参照しつつ、細胞培養装置1の動作について説明する。本実施形態では、培地Mに担体を浮遊させ、担体を足場にして細胞の増殖を行う細胞培養を例示する。なお、細胞培養装置1は、担体を用いない細胞培養あるいは細胞塊培養にも適用可能である。
まず、新しい培地Mが培地供給管26から曝気ユニット3に供給される。供給された培地Mは、曝気ユニット3に貯溜される。また、ガス供給管21を介してエアフィルタ22より除菌された酸素や二酸化炭素等のガスが曝気ユニット3に供給される。ガス供給管21により供給されたガスは、曝気ユニット3に貯溜された培地Mの酸素濃度及び水素イオン濃度(pH)を細胞培養の好気性培養に適した条件に調整する。条件調整がなされた培地Mは、ポンプ12によって、曝気ユニット3から培地導入管6を介して培養槽8へ供給される。
培地Mが培養槽8に供給されると、培地Mは培地受入部11より上方に導かれる。培養槽8の高さ方向の一定範囲の領域(細胞培養部16:図2参照)では、当該範囲内の所定水平面において上昇方向に略一定の流速分布を有する流れ(プラグフロー)が形成される。
培養槽8は、既に述べたように次第に水平断面積が大きくなるので、培地Mが培養槽8の上方に進むに従って、プラグフローの流速は次第に低下する。細胞培養部16では、細胞の培養によって担体に多くの細胞が、担持、固定、或いは、付着された集合体が、それぞれの集合体が有する特性に応じて浮遊している。従って、複数の集合体の夫々を細胞培養部16内の所定の高さに浮遊させながら留め置くことができる。その間、集合体に対し、細胞の3次元的な培養が進行し、細胞塊が成長する。
細胞の培養が進行すると、培地Mでは、酸素等の培地成分が減少する一方で、細胞から排出された老廃物が増加する。培地Mは、培養槽8の上端部から蓋10へと導かれ、培地流出管5を介して曝気ユニット3に流出する。曝気ユニット3に流出した培地Mは、曝気ユニット3において再び酸素等の培地成分の供給を受ける。そして、再び曝気ユニット3から培地導入管6を介して培養槽8へ供給される。一方、培地供給管23より新しい培地Mを追加した場合には、培地Mの追加に伴い余剰となった培地Mは、培地排出管7を介して廃液ユニット4に排出される。
ここで、比較例に係る培養槽における培地Mの速度分布と比較しつつ、本実施形態の培養槽8における培地Mの速度分布について詳細に説明する。本実施形態に係る培養槽8と比較例に係る培養槽との違いは、ベンチュリ部14の有無である。つまり、比較例に係る培養槽は、培養槽の形状に応じて、連続的に流路面積が変化する。一方、本実施形態に係る培養槽8は、培養槽8の形状に加えてさらにベンチュリ部14の形状に応じて、流路面積が不連続に変化する(図3の(a)部参照)を有する。
図3の(b)部は、培養槽の高さ方向に沿った培地Mの流速の分布を示す。ここでいう培地Mの流速とは、培地Mが有する流速の上方に向かう速度成分をいう。グラフG2は、比較例における速度分布を示す。グラフG3は、本実施形態における速度分布を示す。なお、これらの流速分布は、例示であり、本実施形態における細胞培養装置1が有する流速分布は、図3の(b)部に示される態様に限定されない。
比較例を示すグラフG2を参照すると、流速は、下方から上方に向かうにつれて、連続的に減少することがわかる。一方、本実施形態を示すグラフG3は、不連続点PSを含み、第1の部分G3aと第2の部分G3bとに分けることができることがわかる。具体的には、グラフG3は、培養槽8の底部(高さ0)からベンチュリ部14の下縁部14a(高さH1)までの範囲において、比較例を示すグラフG2と同様の傾向を示す。一方、ベンチュリ部14の下縁部14a(高さH1)から稜部14c(高さHS)までの範囲において、グラフG3は、比較例を示すグラフG2から乖離し、稜部14cに対応する高さHSにおいて不連続点PSを有する。そして、ベンチュリ部14の稜部14c(高さHS)から上縁部14b(高さH2)までの範囲において、グラフG3は、比較例を示すグラフG2に徐々に近づき、ベンチュリ部14の上縁部14b(H2)より上方では、グラフG3は、比較例を示すグラフG2と同様の傾向を示す。
この不連続点PSにおける流速VSは、許容し得る細胞塊の粒径によって定められる。具体的には、細胞塊の移動速度は、培地Mの速度と細胞塊の沈降速度との和である。今、培地Mの速度は、上向きのベクトルであり、細胞塊の沈降速度は下向きのベクトルである。つまり、培地Mの速度と細胞塊の沈降速度とは互いに逆向きである。例えば、細胞塊の沈降速度が培地Mの流速よりも小さい場合には、細胞塊は培地Mの流れに沿って上昇する。一方、細胞塊の沈降速度が培地Mの流速よりも大きい場合には、細胞塊は培地Mの流れに逆らって下降する。つまり、不連続点PSの流速VSよりも大きい沈降速度を有する細胞塊は、下降する。不連続点PSの流速VSよりも小さい沈降速度を有する細胞塊は、上昇する。従って、細胞塊選別部15は、細胞塊をその大きさに基づいて、沈降させる細胞塊を選択することができる。
細胞塊の沈降速度は、いわゆるストークスの式(下記式(1))に示されるように、細胞塊の粒径に依存する。そうすると、許容し得る細胞塊の粒径(閾値)が決まると、当該粒径を有する細胞塊の沈降速度が求まる。そして、求まった沈降速度よりも小さくなるように不連続点PSにおける流速VSを決定する。流速VSが決定されると、流路面積が求まる。
Figure 2018201423

v:細胞塊の沈降速度
Dp:細胞塊の粒径
ρp:細胞塊の密度
ρf:培地Mの密度
η:培地Mの粘度
以下、本実施形態に係る細胞培養装置1の作用効果について説明する。
本実施形態に係る細胞培養装置1の培養槽8は、培地受入部11と細胞培養部16との間に形成された細胞塊選別部15を有する。細胞塊選別部15は、予め設定される閾値に応じて、閾値よりも大きい細胞塊を選択的に下降させる。つまり、細胞塊選別部15は、閾値よりも大きい細胞塊を培地受入部11に導く。培地受入部11では、受け入れた培地Mの強い上昇流が生じているので、細胞塊を分断する。そして、分断されて閾値よりも小さくなった細胞塊は、細胞塊選別部15を通過して、細胞培養部16へ導かれる。従って、培養槽8は、比較的大きい細胞塊を選択的に分断することが可能であるので、細胞塊の大きさを所望の大きさに制御することができる。
培養槽8の細胞塊選別部15において、培地受入部11から細胞培養部16に向かう方向に沿って低下する培地の流速の分布は、不連続に変化する不連続点PSを有する。この構成によれば、培地受入部11に導く細胞塊の大きさを好適に設定することができる。
培養槽8において、流速の分布が有する不連続点PSにおける培地Mの流速は、閾値により示される大きさである細胞塊が有する沈降速度よりも小さい。細胞塊の移動速度は、細胞塊の大きさに起因する沈降速度と培地の流速とにより決まる。従って、不連続点PSにおける培地Mの流速を細胞塊の沈降速度よりも小さくすると、培地の流速よりも沈降速度が勝るので、細胞塊を培地受入部11に向けて沈降させることができる。
培養槽8の細胞塊選別部15において、不連続点PSが形成される箇所では、培地が流通する流路の断面積が不連続に変化する。流路の断面積は、当該流路を流れる培地Mの流速に影響する。従って、流路の断面積が不連続に変化することにより、培地の流速分布に不連続点PSを生じさせることができる。
培養槽8において、培地受入部11、細胞培養部16及び細胞塊選別部15は、培地受入部11から細胞培養部16に向かって断面積が次第に大きくなる円錐台状である柱本体13によって形成され、柱本体13には、柱本体13の軸線を含むように柱本体13の内部に配置された柱体9が配置され、細胞塊選別部15は、柱体9の外径が培地受入部11から細胞培養部16に向かって、外径D1から外径D2へ次第に大きくなる部分と、外径D2から外径D1へ次第に小さくなる部分と、を含む。この構成によれば、細胞塊選別部15を好適に構成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
上記実施形態において示したように、培地Mの流速を不連続に変化させることにより細胞塊を選択的に沈降させている。つまり、培地の流速を不連続に変化させ得る構成であれば、培養槽は、実施形態とは異なる構成であってもよい。
<変形例1>
実施形態に係る細胞培養ユニット2は、柱体9と培養槽8との隙間Sを制御するために、柱体9の外周面を培養槽8に向けて突出させた。図4の(a)部に示されるように、変形例1に係る細胞培養ユニット2Aは、培養槽8A(第2の槽本体)と柱体9Aとを有する。細胞培養ユニット2Aでは、培養槽8Aの一部を柱体9A側に突出させる。培養槽8Aは、細胞塊選別部15を形成する絞り部31を有する。絞り部31は、稜部31aを有する。基本的に培養槽8Aは、上方に向かうに従って、徐々に水平断面積が大きくなる。一方、絞り部31の稜部31aより下側では、上方に向かうに従って、内径N1(第1の内径)から内径NS(第2の内径)へ次第に小さくなる。絞り部31の稜部31aより下側では、急激に水平断面積が小さくなる。そして、稜部31aにおいて水平断面積は最小値(内径NS)をとる。絞り部31の稜部31aより上側では、上方に向かうに従って、内径NSから内径N2(第3の内径)へ次第に大きくなる。つまり、絞り部31の稜部31aより上側では、上方に向かうに従って、急激に水平断面積が大きくなる。細胞培養ユニット2Aは、稜部31aと柱体9Aの外周面との隙間によって培地Mの流速を制御可能であるので、沈降させる細胞塊と浮上させる細胞塊とを選別することができる。
<変形例2>
変形例2に係る細胞培養ユニット2Bは、培養槽8B(第3の槽本体)と柱体9Bと透過板41(面板)とを有する。つまり、細胞培養ユニット2Bは、透過板41によって細胞塊選別部15を形成する。培養槽8B及び柱体9Bは、逆円錐状の形状であり、一定の割合で水平断面積が大きくなる。透過板41は、培養槽8Bと柱体9Bとの間を遮るように配置された円盤である。つまり、透過板41は、上方に向かう方向に交差するように培養槽8B内に配置される。透過板41は、複数の細孔41a(複数の細胞塊通過孔)を有する。この細孔41aは、細胞塊を含む培地Mを流通させる。従って、細孔41aの内径は、分断が必要な細胞塊の粒径よりも大きい。細胞培養ユニット2Bは、細孔41aによって培地Mの流速を制御可能であるので、沈降させる細胞塊と浮上させる細胞塊とを選別することができる。
<変形例3>
変形例3に係る細胞培養ユニット2Cは、培地受入槽51(第1の容器)と、細胞培養槽52(第2の容器)と、細胞塊選別流路53(流路部)とを有する。つまり、細胞培養ユニット2Cは、細胞塊選別流路53によって細胞塊選別部15を形成する。実施形態に係る培養槽8は、培地受入部11と、細胞塊選別部15と、細胞培養部16とがこの順に配置された一体の容器であった。変形例3では、培地受入槽51と細胞培養槽52とは互いに別の容器であり、それらは細胞塊選別流路53によって接続される。つまり、培地受入槽51に供給された培地Mは、細胞塊選別流路53を介して細胞培養槽52に移動する。細胞培養ユニット2Cは、細胞塊選別流路53(具体的には細胞塊選別流路53の内径)によって培地Mの流速を制御可能であるので、沈降させる細胞塊と浮上させる細胞塊とを選別することができる。
1 細胞培養装置
2,2A,2B,2C 細胞培養ユニット
3 曝気ユニット
4 廃液ユニット
5 培地流出管
6 培地導入管
7 培地排出管
8,8A,8B 培養槽
9,9A,9B 柱体
10 蓋
11 培地受入部
12 ポンプ
13 柱本体
14 ベンチュリ部
15 細胞塊選別部
16 細胞培養部
21 ガス供給管
22 エアフィルタ
31 絞り部
31a 稜部
41 透過板
41a 細孔
51 培地受入槽
52 細胞培養槽
53 細胞塊選別流路
D1,D2,DS 外径
H1,H2,HS 高さ
M 培地
N1,N2 内径
PS 不連続点
S 隙間
VS 流速

Claims (8)

  1. 培養対象である細胞を含む培地を受け入れて、前記培地を上方に向かうように流す培地受入部と、
    前記培地受入部よりも上方に形成され、前記細胞を培養して前記細胞を含む細胞塊を成長させる細胞培養部と、
    前記培地受入部と前記細胞培養部との間に形成され、前記培地受入部から上昇した前記培地を前記細胞培養部へ導き、前記細胞塊の大きさに応じて閾値よりも大きい前記細胞塊を下降させると共に前記閾値よりも小さい前記細胞塊を上昇させる細胞塊選別部と、を備える、細胞培養槽。
  2. 前記細胞塊選別部において、前記培地の流速の分布は、前記培地受入部から前記細胞培養部に向かう方向に沿って次第に低下すると共に、前記流速が不連続に変化する不連続点を有する、請求項1に記載の細胞培養槽。
  3. 前記不連続点における前記培地の流速は、前記閾値により示される大きさである前記細胞塊が有する沈降速度よりも小さい、請求項2に記載の細胞培養槽。
  4. 前記細胞塊選別部において、前記不連続点が形成される箇所では、前記培地が流通する流路の断面積が不連続に変化する、請求項3に記載の細胞培養槽。
  5. 前記培地受入部、前記細胞培養部及び前記細胞塊選別部は、前記培地受入部から前記細胞培養部に向かって断面積が次第に大きくなる円錐台状である第1の槽本体によって形成され、
    前記第1の槽本体には、前記第1の槽本体の軸線を含むように前記第1の槽本体の内部に配置された柱体が配置され、
    前記細胞塊選別部は、前記柱体の外径が前記培地受入部から前記細胞培養部に向かって、第1の外径から第2の外径へ次第に大きくなる部分と、前記第2の外径から第3の外径へ次第に小さくなる部分と、を含む、請求項1〜4の何れか一項に記載の細胞培養槽。
  6. 前記培地受入部、前記細胞培養部及び前記細胞塊選別部は、第2の槽本体によって形成され、
    前記細胞塊選別部は、前記第2の槽本体の内径が前記培地受入部から前記細胞培養部に向かって、第1の内径から第2の内径へ次第に小さくなる部分と、前記第2の内径から第3の内径へ次第に大きくなる部分と、を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞培養槽。
  7. 前記培地受入部及び前記細胞培養部は、前記培地受入部から前記細胞培養部に向かって断面積が次第に大きくなる円錐台状である第3の槽本体によって形成され、
    前記第3の槽本体には、前記培地受入部から前記細胞培養部へ向かう方向に交差する面板が配置され、
    前記細胞塊選別部は、前記面板に設けられた複数の細胞塊通過孔によって形成される、請求項1〜4の何れか一項に記載の細胞培養槽。
  8. 前記培地受入部は、第1の容器によって形成され、
    前記細胞培養部は、前記第1の容器の上方に配置された第2の容器によって形成され、
    前記細胞塊選別部は、前記第1の容器と前記第2の容器とを連通させる流路部によって形成される、請求項1〜4の何れか一項に記載の細胞培養槽。
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