JP2018198218A - セパレータおよび蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】より安全性の高いセパレータ、およびそれを用いた蓄電デバイスを提供する。【解決手段】蓄電デバイス用のセパレータであって、ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有するセパレータとする。【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解液を含有する蓄電デバイス用のセパレータおよび蓄電デバイスに関する。
本願は、2016年7月1日に、日本に出願された特願2016−131598号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2016年7月1日に、日本に出願された特願2016−131598号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来より、リチウム二次電池などの蓄電デバイスは、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器、電気自動車などにおける電力貯蔵用途に広く使用されている。近年では、蓄電デバイスの利用が拡大しており、蓄電デバイスの普及に伴い、様々な機能が蓄電デバイスに要求されている。例えば、携帯型電子機器や電気自動車などは、真夏の高温下や極寒の低温下等の広い温度範囲で使用される可能性がある。このため、蓄電デバイスには、広い温度範囲で良好な電気化学特性を有することが求められている。
また、地球温暖化を防止するために、CO2排出量を削減することが急務となっていることもあり、蓄電デバイスを搭載した環境対応車が特に注目を集めている。環境対応車の中でも、特に、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、バッテリー電気自動車(BEV)は、早期普及が求められている。これらの環境対応車に車載される蓄電デバイスには、駆動システムの動力源として出力性能が高く、長寿命であることが求められており、更なる性能改善が要求されている。
他方で、環境対応車に車載される蓄電デバイスにはより高い安全性が求められており、CID(Current Interrupt Device)機構を設けるなどの工夫がなされている。CID機構では、例えば、リチウムイオン電池の内部圧力が上昇したときに、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子やヒューズが作動し、これにより通電制御ないし電気的な接続が遮断される。
他方で、環境対応車に車載される蓄電デバイスにはより高い安全性が求められており、CID(Current Interrupt Device)機構を設けるなどの工夫がなされている。CID機構では、例えば、リチウムイオン電池の内部圧力が上昇したときに、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子やヒューズが作動し、これにより通電制御ないし電気的な接続が遮断される。
蓄電デバイスの中でも、例えばリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在するセパレータと、非水電解液とを有している。セパレータとしては、様々なものが提案され、例えばポリオレフィンを原料として製膜された多孔質膜を使用したものや、不織布を使用したものがある。
しかしながら、ポリオレフィン微多孔膜や不織布からなるセパレータでは、リチウムイオン二次電池の高容量化や高出力化などといった高機能化に十分に対応できない。このため近年では、ポリオレフィン微多孔膜や不織布を基材として、その上に無機粒子などを塗工して機能を付与したセパレータが提案され実用化されている。
特許文献1には、芳香族ポリアミドなどの耐熱性樹脂とアルミナなどの無機フィラーと有する膜厚25μm程度のセパレータが開示されている。特許文献1に記載のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池によれば、良好なレート特性を実現できる。
しかしながら、従来の蓄電デバイス用セパレータでは、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能の付与が困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より安全性の高いセパレータ、およびそれを用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より安全性の高いセパレータ、およびそれを用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。
その結果、蓄電デバイス用のセパレータとして、ポリオレフィン多孔膜上に、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層を有するものを用いればよいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様であるセパレータ及び蓄電デバイスは以下の構成を採用する。
その結果、蓄電デバイス用のセパレータとして、ポリオレフィン多孔膜上に、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層を有するものを用いればよいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様であるセパレータ及び蓄電デバイスは以下の構成を採用する。
(1)蓄電デバイス用のセパレータであって、
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有することを特徴とするセパレータ。
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有することを特徴とするセパレータ。
(2)前記表層は耐熱性粒子を含み、
前記基材に対する前記表層の密着強度が0.3N/cm以上であることを特徴とする(1)に記載のセパレータ。
表層の密着強度は、0.5N/cm以上が好ましく、0.7N/cm以上がより好ましく、1.0N/cmが更に好ましい。
耐熱性粒子としては、有機化合物や無機化合物を用いてもよい。
前記基材に対する前記表層の密着強度が0.3N/cm以上であることを特徴とする(1)に記載のセパレータ。
表層の密着強度は、0.5N/cm以上が好ましく、0.7N/cm以上がより好ましく、1.0N/cmが更に好ましい。
耐熱性粒子としては、有機化合物や無機化合物を用いてもよい。
(3)前記表層中に含まれる前記リチウム塩化合物の含有量が前記耐熱性粒子に対して10質量%以下であることを特徴とする(2)に記載のセパレータ。リチウム塩化合物の含有量は、9質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。
(4)前記耐熱性粒子が前記リチウム塩化合物を含む表面層を有することを特徴とする(2)または(3)に記載のセパレータ。
(5)150℃環境下で1時間静置したときのMD方向(流れ方向;機械方向ともいう)の寸法変化率に、150℃環境下で1時間静置したときのTD方向(MD方向と略垂直をなす方向)の寸法変化率を乗じた寸法変化率が10%以下であることを特徴とする(1)〜(4)に記載のセパレータ。寸法変化率は7%以下が好ましく、6%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。
(6)150℃環境下で1時間静置したときの前記MD方向の寸法変化率が5%以下であり、
150℃環境下で1時間静置したときの前記TD方向の寸法変化率が2%以下であることを特徴とする(5)に記載のセパレータ。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率及び150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、熱収縮率から算出されてもよい。熱収縮率は、セパレータが膨張することがあるため、絶対値を用いる。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値は、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下が更に好ましい。
150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の熱収縮率の絶対値は、1.8%以下が好ましく、1.7%以下がより好ましく、1.6%以下が更に好ましい。
150℃環境下で1時間静置したときの前記TD方向の寸法変化率が2%以下であることを特徴とする(5)に記載のセパレータ。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率及び150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、熱収縮率から算出されてもよい。熱収縮率は、セパレータが膨張することがあるため、絶対値を用いる。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値は、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下が更に好ましい。
150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の熱収縮率の絶対値は、1.8%以下が好ましく、1.7%以下がより好ましく、1.6%以下が更に好ましい。
(7)前記リチウム塩化合物が、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを含む溶液に対する25℃における溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のセパレータ。
上記の溶解度は、0.004質量%以上1.8質量%以下が好ましく、0.004質量%以上1.7質量%以下がより好ましく、0.005質量%以上1.7質量%以下がさらに好ましく、0.005質量%以上1.6質量%以下がより更に好ましい。
上記の溶解度は、0.004質量%以上1.8質量%以下が好ましく、0.004質量%以上1.7質量%以下がより好ましく、0.005質量%以上1.7質量%以下がさらに好ましく、0.005質量%以上1.6質量%以下がより更に好ましい。
(8)前記リチウム塩化合物の前記溶解度が、0.003質量%以上0.4質量%以下であることを特徴とする(7)に記載のセパレータ。
上記の溶解度は0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。
上記の溶解度は0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。
(9)前記リチウム塩化合物が、スルホン酸リチウム塩類、リン酸リチウム塩類、及びカルボン酸リチウム塩類からなる群から選ばれることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のセパレータ。
前記リチウム塩化合物は、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)、モノフルオロリン酸リチウム(Li2PO3F)、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムから選択される一種又は二種以上のリチウム塩化合物であることが好ましい。これらの中でも、メタンスルホン酸リチウム、フルオロリン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムがリチウム塩化合物として特に好ましい。
前記リチウム塩化合物は、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)、モノフルオロリン酸リチウム(Li2PO3F)、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムから選択される一種又は二種以上のリチウム塩化合物であることが好ましい。これらの中でも、メタンスルホン酸リチウム、フルオロリン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムがリチウム塩化合物として特に好ましい。
(10)前記リチウム塩化合物が、下記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物であることを特徴とする(1)〜(9)に記載のセパレータ。
(11)前記表層の厚みが、0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のセパレータ。
(12)前記表層中の前記リチウム塩化合物の含有量(塗布量)が、1m2当たり0.1g以上10g以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のセパレータ。
(13)前記表層が、耐熱性樹脂を更に含むことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のセパレータ。
(12)前記表層中の前記リチウム塩化合物の含有量(塗布量)が、1m2当たり0.1g以上10g以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のセパレータ。
(13)前記表層が、耐熱性樹脂を更に含むことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のセパレータ。
(14)前記基材の一方の面に前記表層が形成され、他方の面に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されていることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のセパレータ。
(15)前記基材と前記表層との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されていることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のセパレータ。
(16)前記基材が、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含み、圧縮弾性率が95MPa以上150MPa以下であり、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm〜0.30μmであることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載のセパレータ。
(15)前記基材と前記表層との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されていることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のセパレータ。
(16)前記基材が、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含み、圧縮弾性率が95MPa以上150MPa以下であり、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm〜0.30μmであることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載のセパレータ。
(17)対向する電極間に介在する(1)〜(16)のいずれかに記載のセパレータと、少なくとも前記セパレータに含浸された非水電解液とを有することを特徴とする蓄電デバイス。
(18)前記非水電解液が、LiPF6を含み、更にLiPO2F2、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3およびFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むことを特徴とする(17)に記載の蓄電デバイス。
(18)前記非水電解液が、LiPF6を含み、更にLiPO2F2、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3およびFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むことを特徴とする(17)に記載の蓄電デバイス。
(19)蓄電デバイス用のセパレータであって、
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、下記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物を含む表層と、を有することを特徴とするセパレータ。
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、下記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物を含む表層と、を有することを特徴とするセパレータ。
本発明の蓄電デバイス用のセパレータは、ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有する。したがって、非水電解液を含浸させた本発明のセパレータを、対向する電極間に介在させた本発明の蓄電デバイスは、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能のいずれかを奏することができる。
本発明の一実施形態に係るセパレータは、蓄電デバイス用のセパレータであって、ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有する。
非水電解液を含浸させた本発明の一実施形態に係るセパレータを、対向する電極間に介在させた蓄電デバイスにおいて、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
非水電解液を含浸させた本発明の一実施形態に係るセパレータを、対向する電極間に介在させた蓄電デバイスにおいて、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
すなわち、このような蓄電デバイスでは、セパレータの表層に含まれるリチウム塩化合物が、非水電解液中にリチウム塩を徐放するためである。より詳細には、リチウム塩化合物から非水電解液中にリチウム塩が徐々に溶け出し、溶出した成分が電極上に析出し、リチウムイオン伝導性の高い安定な被膜を形成する。その結果、蓄電デバイスにおいて、高温保存によるインピーダンスの上昇が抑制されるものと推定される。
本発明の一実施形態において、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物とは、非水電解液中にリチウム塩を徐々に溶出しうるものである。リチウム塩化合物の非水電解液に対する溶解度が高すぎても低すぎても、非水電解液中にリチウム塩を徐放できない。
非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物としては、例えば、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶液に対する25℃での溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であるものが挙げられる。
上記溶解度が0.003質量%未満であるリチウム塩化合物は、非水電解液への溶解性が乏しい。このため、セパレータの表層に含まれていても、非水電解液中に溶出するリチウム塩が不足して、蓄電デバイスの電極上に被膜を形成する効果が小さい。よって、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が十分に得られない場合がある。
上記溶解度が0.003質量%未満であるリチウム塩化合物は、非水電解液への溶解性が乏しい。このため、セパレータの表層に含まれていても、非水電解液中に溶出するリチウム塩が不足して、蓄電デバイスの電極上に被膜を形成する効果が小さい。よって、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が十分に得られない場合がある。
以下、本発明の一実施形態に係るセパレータおよび蓄電デバイスを、例を挙げて詳細に説明する。
〔セパレータ〕
図1は、本実施形態のセパレータを説明するための断面模式図である。
図1に示すセパレータ1は、非水電解液を含有する蓄電デバイス用のものである。このセパレータ1は、シート状であり、ポリオレフィン微多孔膜からなる基材2と、基材2の一方の面2aに設けられた表層3とを有する。
〔セパレータ〕
図1は、本実施形態のセパレータを説明するための断面模式図である。
図1に示すセパレータ1は、非水電解液を含有する蓄電デバイス用のものである。このセパレータ1は、シート状であり、ポリオレフィン微多孔膜からなる基材2と、基材2の一方の面2aに設けられた表層3とを有する。
セパレータ1は、これを用いた蓄電デバイスにおいて、電極間を隔離して短絡を防止する。また、セパレータ1は、これを用いた蓄電デバイスにおいて、基材2の有する空孔内に非水電解液を保持し、電極間のリチウムイオン伝導の通路を形成する。また、本実施形態のセパレータ1は、基材2の融点に応じて決まる所定の温度域で、基材2中の微多孔が溶融して閉孔し、蓄電デバイス内での反応を停止させるシャットダウン機能を有する。したがって、本実施形態のセパレータ1は、蓄電デバイスの異常発熱を防止でき、蓄電デバイスの安全性確保に寄与する。
基材2は、厚み方向に優れた耐久性を有することが好ましい。具体的には、基材2の圧縮弾性率は、95MPa以上150MPa以下であることが好ましく、100MPa以上145MPa以下であることがより好ましく、105MPa以上130MPa以下であることが更に好ましい。基材2の圧縮弾性率が95MPa以上であると、蓄電デバイスの外部に膨張・収縮を抑制する拘束部材を設けたり、蓄電デバイスを圧縮したりする場合に、圧縮に対して優れた耐性を発揮するセパレータ1となる。つまり、蓄電デバイスが圧縮された場合でも、蓄電デバイスの特性を維持できるセパレータ1となる。また、圧縮弾性率が150MPa以下のポリオレフィン微多孔膜からなる基材2は、製造が容易であるため、好ましい。
基材2は、表裏両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm〜0.30μmであることが好ましく、0.05μm〜0.25μmであることがより好ましく、0.05〜0.23μmであることが更に好ましい。表裏両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))とは、基材2の表面の表面粗さ(Ra)と裏面の表面粗さ(Ra)とをそれぞれ測定し、その平均値を算出したものである。
上記の表面粗さの平均値(Ra(ave))が大きい基材2は、セパレータ1が厚み方向に圧縮された場合に、潰れやすいものとなる。上記の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.30μm以下であると、セパレータ1が厚み方向に圧縮されても潰れにくい基材2となる。また、上記の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm以上であるポリオレフィン微多孔膜からなる基材2は、製造が容易であるため好ましい。
基材2の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上である。また、基材2の厚みは、30μm以下、好ましくは28μm以下、より好ましくは26μm以下である。基材2の厚みが上記範囲であると、蓄電デバイスの電極間の短絡を防止できるとともに、基材2の厚みが大きくなり過ぎることによる抵抗増加を防ぐことができ、蓄電デバイスの抵抗変化に占めるセパレータ起因の割合を少なくできる。このため、基材2の厚みが上記範囲であると、本実施形態のセパレータ1を有する蓄電デバイスにおける高温保存によるインピーダンスの上昇抑制効果が高まるので好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上である。また、基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、90%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下である。前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率が上記範囲であると、本実施形態のセパレータ1を有する蓄電デバイスにおける電極間のリチウムイオン伝導が容易となり、高温保存によるインピーダンスの上昇抑制効果が高まるので好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の透気度(ガーレ)は、10sec/100ml〜600sec/100mlの範囲が好ましい。上記の透気度が、600sec/100ml以下であると、十分な透気度が確保できるため、蓄電デバイスの高温保存によるインピーダンスの上昇を効果的に抑制できる。また、上記の透気度が、10sec/100ml以上であると、十分な電気絶縁性を確保でき、微少短絡を防止できる。該透気度は、20sec/100ml以上が好ましく、30sec/100ml以上が更に好ましい。また、透気度は、500sec/100ml以下が好ましく、400sec/100ml以下がより好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、またはこれらポリオレフィン樹脂の混合物などが挙げられる。基材2の材料としては、ポリエチレン(PE)および/またはポリプロピレン(PP)を含むことが好ましく、特に、ポリプロピレンを含むことが好ましい。
基材2としてはPPもしくはPEで構成されたポリオレフィン微多孔膜を用いることも可能であるが、PP/PE/PPの三層構造を有するポリオレフィン微多孔膜を用いることもできる。
上記の三層構造を有する微多孔膜では、PE層が溶融してPP層に形成された微多孔を塞ぐこと(以降、熱閉塞という。シャットダウンともいう)ができるため、蓄電デバイスの安全性をより高めることができる。熱閉塞温度はPE層を構成するPE原料を調整することで制御することができる。
上記の三層構造を有する微多孔膜では、PE層が溶融してPP層に形成された微多孔を塞ぐこと(以降、熱閉塞という。シャットダウンともいう)ができるため、蓄電デバイスの安全性をより高めることができる。熱閉塞温度はPE層を構成するPE原料を調整することで制御することができる。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度は、110〜180℃とすることが好ましく、120〜140℃となるようにすることがより好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度(シャットダウン温度)が高すぎると、セパレータ1を用いた蓄電デバイスにおける内部短絡発生時の安全性が低下する。また、ポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度が低すぎると、セパレータ1を用いた蓄電デバイスの通常使用での温度領域で微多孔が溶融して無孔化し、蓄電デバイス内での反応が停止してしまう。このため、蓄電デバイスの特性および使用環境に合わせて、基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度を決定する。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度(シャットダウン温度)を170℃以上とするには、ポリオレフィン微多孔膜として、150℃以上の融点を有する材料を用いることが好ましい。150℃以上の融点を有するポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)が挙げられる。また、熱閉塞温度を150℃以下とするには、ポリオレフィン微多孔膜として、110℃〜140℃の範囲に融点を有するポリエチレン(PE)を用いることが好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜は、単層フィルムであってもよいし、多層フィルムであってもよい。基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜は、単層フィルムであることが好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜が単層フィルムである場合、例えば、以下に示す乾式法もしくは湿式法により作製できる。いずれの製法であっても、微多孔質フィルムは、少なくとも一方向に延伸することが好ましく、一軸延伸もしくは二軸延伸することが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜としては、セパレータ1の高温での変形を抑制する観点から、乾式法を用いて一軸延伸で作製することが好ましい。
乾式法では、まず、ポリオレフィンレジンを融解し、フィルム状に押出してフィルムとする。次に、得られたフィルムをアニリーングし、低温で延伸することにより空孔の初期段階を形成する。その後、低温延伸したフィルムを、高温で延伸して微多孔を形成し、ポリオレフィン微多孔膜とする。
また、湿式法では、まず、炭化水素溶媒あるいは他の低分子量物質とポリオレフィンレジンとを混合し、加熱溶融したものをシート状に加工する。次に、得られたシートを、機械方向あるいは二軸方向に延伸する。その後、延伸したシートから、上記の炭化水素溶媒あるいは他の低分子量物質を揮発性溶媒で抽出する。このことによって微多孔を形成し、ポリオレフィン微多孔膜とする。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜が多層フィルムである場合、例えば、以下に示す方法により作製できる。
上記の方法により作製した単層フィルムからなる複数枚のポリオレフィン微多孔膜を加熱して貼り合わせる方法や、Tダイを用いた共押出法によって微多孔質フィルムを作製する時点で複数枚のポリオレフィン微多孔膜を張り合わせる方法等が挙げられる。
上記の方法により作製した単層フィルムからなる複数枚のポリオレフィン微多孔膜を加熱して貼り合わせる方法や、Tダイを用いた共押出法によって微多孔質フィルムを作製する時点で複数枚のポリオレフィン微多孔膜を張り合わせる方法等が挙げられる。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜が多層フィルムである場合、単層フィルムからなる融点の異なる複数枚のポリオレフィン微多孔膜を含むことにより、セパレータ1の耐熱性を調整できる。例えば、単層フィルムからなる150℃以上の融点を有するポリプロピレン(PP)微多孔膜と、単層フィルムからなる110℃〜140℃の範囲に融点を有するポリエチレン(PE)微多孔膜とを含む多層フィルムとすることができる。この場合、150℃の温度で、ポリエチレン(PE)微多孔膜の微多孔が溶融して無孔化しても、ポリプロピレン(PP)微多孔膜によってセパレータ1の形状を維持できる。ポリプロピレン(PP)微多孔膜とポリエチレン(PE)微多孔膜とからなる多層フィルムの好ましい例としては、ポリプロピレン微多孔膜/ポリエチレン微多孔膜/ポリプロピレン微多孔膜の順に積層された微多孔膜が挙げられる。
図1に示すように、基材2の一方の面2aに設けられた表層3は、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む。
表層3に含まれるリチウム塩化合物としては、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であることが好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は2質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
表層3に含まれるリチウム塩化合物としては、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であることが好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は2質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度が0.003質量%以上2質量%以下であるリチウム塩化合物は、セパレータ1を用いた蓄電デバイスにおいて、非水電解液中にリチウム塩を徐放する。すなわち、上記の溶解度が0.003質量%以上であるので、非水電解液中に十分にリチウム塩化合物が溶出する。しかも、上記の溶解度が2質量%以下であるので、リチウム塩化合物から非水電解液中に溶出した成分が、長期間にわたって電解液中に放出される。したがって、リチウム塩が長期間で電解液中に放出されるため、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を長期間奏することが可能となる。
一方、リチウム塩化合物の溶解度が0.003質量%以下の場合、リチウム塩の徐放がなされない、もしくはほとんどなされず、この結果、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を奏することが難しくなる。
一方、リチウム塩化合物の溶解度が0.003質量%以下の場合、リチウム塩の徐放がなされない、もしくはほとんどなされず、この結果、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を奏することが難しくなる。
非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物としては、上記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物、リン酸リチウム塩類化合物、カルボン酸リチウム塩化合物が挙げられる。
特に、スルホン酸リチウム化合物としてメタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、リン酸リチウムとしてフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)、ジフルオロリン酸リチウム(Li2PO3F)、カルボン酸リチウムとして1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが好ましい。
中でも、メタンスルホン酸リチウム、フルオロリン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが特に好ましい。
一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物において、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基、又は、炭素数が6〜12のアリール基を表す。上記Rを表すアルキル基およびアリール基は、置換基を有するものであってもよい。
一般式(I)におけるRは、炭素数が1〜4のアルキル基、又は、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基、又は、炭素数が6〜8のアリール基がより好ましい。中でも特に炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。
特に、スルホン酸リチウム化合物としてメタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、リン酸リチウムとしてフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)、ジフルオロリン酸リチウム(Li2PO3F)、カルボン酸リチウムとして1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが好ましい。
中でも、メタンスルホン酸リチウム、フルオロリン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが特に好ましい。
一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物において、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基、又は、炭素数が6〜12のアリール基を表す。上記Rを表すアルキル基およびアリール基は、置換基を有するものであってもよい。
一般式(I)におけるRは、炭素数が1〜4のアルキル基、又は、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基、又は、炭素数が6〜8のアリール基がより好ましい。中でも特に炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。
一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物の具体例としては、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、プロパン−1−スルホン酸リチウム、プロパン−2−スルホン酸リチウム、ブタン−1−スルホン酸リチウム、ブタン−2−スルホン酸リチウム、2−メチルプロパン−1−スルホン酸リチウム、2−メチルプロパン−2−スルホン酸リチウム、ペンタン−1−スルホン酸リチウム、3−メチルブタン−1−スルホン酸リチウム、2−メチルブタン−1−スルホン酸リチウム、ペンタン−2−スルホン酸リチウム、3−メチルブタン−2−スルホン酸リチウム、ペンタン−3−スルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸リチウム、2−メチルベンゼンスルホン酸リチウム、3−メチルベンゼンスルホン酸リチウム、4−メチルベンゼンスルホン酸リチウム、4−エチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,3−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,6−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、3,4−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、3,5−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2−シクロヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、3−シクロヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、4−シクロヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、又は1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,2−エタンジスルホン酸リチウム等が好適に挙げられる。これらの中でも、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、プロパン−1−スルホン酸リチウム、プロパン−2−スルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸リチウム、又は4−メチルベンゼンスルホン酸リチウムが好ましく、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、プロパン−1−スルホン酸リチウム、又は1,2−エタンジスルホン酸リチウムが特に好ましい。
スルホン酸リチウム塩化合物によって蓄電デバイスの内部抵抗の上昇を長期にわたり低減することができる。また、リン酸リチウム塩化合物によって蓄電デバイスのサイクル特性を長期間で維持することができる。また、カルボン酸リチウム塩化合物によって蓄電デバイスの過充電を防止することができ、安全性を高めることが可能となる。
リチウム塩化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩化合物は、上記のリチウム塩化合物の中でも、メタンスルホン酸リチウム、及びフルオロリン酸リチウムのいずれか1種以上を含むことが好ましい。
電解液への溶解度の観点から、リチウム塩化合物としては結合するリチウムイオンの価数が2価以下のものが好ましく、1価であることがより好ましい。リチウムイオンの価数が3価以上のリチウム塩化合物ではリチウム塩化合物が電解液に対して極端に溶けにくくなりすぎ、このために蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、といった機能を奏することができなくなる。3価のリチウム塩化合物として、例えばリン酸三リチウムは、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを含む電解液(温度条件:25℃)に対する溶解度が25ppm以下である。そのため、リン酸三リチウムは、電解液に対してほとんど溶けず、このために上記の機能を奏することはない。これに対し、同様の電解液に対するメタンスルホン酸リチウムの溶解度は略80ppm、モノフルオロリン酸リチウムの溶解度は略90ppmであり、リチウム塩化合物が電解液内に徐放され、上記機能の緩効的な発現が可能となる。
電解液への溶解度の観点から、リチウム塩化合物としては結合するリチウムイオンの価数が2価以下のものが好ましく、1価であることがより好ましい。リチウムイオンの価数が3価以上のリチウム塩化合物ではリチウム塩化合物が電解液に対して極端に溶けにくくなりすぎ、このために蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、といった機能を奏することができなくなる。3価のリチウム塩化合物として、例えばリン酸三リチウムは、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを含む電解液(温度条件:25℃)に対する溶解度が25ppm以下である。そのため、リン酸三リチウムは、電解液に対してほとんど溶けず、このために上記の機能を奏することはない。これに対し、同様の電解液に対するメタンスルホン酸リチウムの溶解度は略80ppm、モノフルオロリン酸リチウムの溶解度は略90ppmであり、リチウム塩化合物が電解液内に徐放され、上記機能の緩効的な発現が可能となる。
表層3中のリチウム塩化合物の含有量(塗布量)は、1m2当たり0.1g以上であることが好ましい。この場合、セパレータ1を用いた蓄電デバイスにおける高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果がより高まるので好ましい。表層3中のリチウム塩化合物の含有量は、1m2当たり10g以下であることが好ましい。この場合、表層3中のリチウム塩化合物の含有量が過度に多くなって、表層3の形状保持性が低下する懸念がなく好ましい。表層3中のリチウム塩化合物の含有量の下限は、1m2当たり0.5g以上がより好ましく、1m2当たり2g以上が更に好ましい。表層3中のリチウム塩化合物の含有量の上限は、1m2当たり8g以下がより好ましく、1m2当たり5g以下が更に好ましい。
表層3は、高温での充電保存中などにセパレータ1が熱収縮することを防ぐため、耐熱性樹脂を更に含むことが好ましい。
耐熱性樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂が好ましい。
耐熱性樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
耐熱性樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂が好ましい。
耐熱性樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
耐熱性樹脂として用いるポリアミドとしては、耐久性の観点から全芳香族ポリアミド(アラミド)が好ましく、パラ型又はメタ型の全芳香族ポリアミドがより好ましい。具体的には、パラ型のアラミドとして、汎用性や機械的物性等の観点から、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドが更に好ましい。メタ型のアラミドとして、耐酸化還元性に優れるという観点から、ポリメタフェニレンイソフタルアミドが更に好ましい。
耐熱性樹脂として用いるフッ素原子含有樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、又はフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体が更に好ましい。
表層3は、高温での充電保存中などにセパレータ1が熱収縮することを防ぐため、耐熱性粒子を更に含むことが好ましい。
耐熱性粒子としては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)もしくはBaTiO3等の酸化物、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)等の水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)がより好ましい。特に、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、ベーマイト(Al2O3・3H2O)又はLi4Ti5O12が最も好ましい。
耐熱性粒子は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
耐熱性粒子としては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)もしくはBaTiO3等の酸化物、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)等の水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)がより好ましい。特に、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、ベーマイト(Al2O3・3H2O)又はLi4Ti5O12が最も好ましい。
耐熱性粒子は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
表層3が耐熱性粒子を更に含む場合、耐熱性粒子がリチウム塩化合物を含む表面層を有していることが好ましい。表層3がリチウム塩化合物を含む表面層を有している耐熱性粒子を含む場合、このセパレータ1を有する蓄電デバイスでは、非水電解液中にリチウム塩が溶出しやすく、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が容易に形成されるとともに、セパレータ1の熱収縮が効果的に抑制される。このため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。
リチウム塩化合物を含む表面層を有している耐熱性粒子は、例えば、以下に示す方法により作製できる。まず、リチウム塩化合物を水に溶解および/または分散させ、リチウム塩化合物溶液とする。次に、リチウム塩化合物溶液に耐熱性粒子を混合し、分散させ、混合溶液とする。その後、混合溶液を蒸発乾固させたり、スプレードライ法を用いたりして、混合溶液中の水を除去する。以上の工程により、リチウム塩化合物によって表面が薄膜状に被覆されている耐熱性粒子が得られる。
表層3が、リチウム塩化合物と耐熱性粒子とを含む場合、表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量は、耐熱性粒子に対して10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下が更に好ましく、7質量%以下がより更に好ましい。リチウム塩化合物の含有量が多すぎた場合、基板2と表層3との間の密着強度に影響を及ぼす(密着強度が低下する)可能性があるため、上記の含有量とすることが望ましい。
また、表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量は、耐熱性粒子に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることが更に好ましい。このような含有量とすることで、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を十分に発現させることができる。表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量が、耐熱性粒子に対して10質量%であると、リチウム塩化合物および耐熱性粒子を十分に含む表層3を有するセパレータ1となる。このセパレータ1を有する蓄電デバイスでは、非水電解液中に十分にリチウム塩化合物が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ1の熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。
また、表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量は、耐熱性粒子に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることが更に好ましい。このような含有量とすることで、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を十分に発現させることができる。表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量が、耐熱性粒子に対して10質量%であると、リチウム塩化合物および耐熱性粒子を十分に含む表層3を有するセパレータ1となる。このセパレータ1を有する蓄電デバイスでは、非水電解液中に十分にリチウム塩化合物が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ1の熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。
表層3の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.5μm以上である。また、表層3の厚みは、10μm以下、好ましくは8μm以下、より好ましくは6μm以下である。表層3の厚みが上記範囲にあると、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの効果を発現させることができる。表層3を厚くしすぎるとセパレータ全体が厚くなってしまうため蓄電デバイスの容量が比較的小さくなってしまい、また表層3を薄くしすぎると、リチウム塩化合物量が効果発現に十分な量とならないため、好ましくない。
表層3は、必要に応じて、表層3の形状を保持するために、結着材を含有していてもよい。結着材の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのスチレンとブタジエンとの共重合体(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、又はエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンとの共重合体(SBR)、又はカルボキシメチルセルロース(CMC)が更に好ましい。
リチウム塩化合物は、表層3中に均一に分散させてもよいが、局所的に偏在させてもよい。リチウム塩化合物を偏在させる場合は、表層3に耐熱性粒子を含有させ、この耐熱性粒子の周囲にリチウム塩化合物を偏在させるとよい。
表層3は、基板2に対する表層3の密着強度が0.3N/cm以上であることが好ましい。基板2に対する表層3の密着強度が0.3N/cm以上であると、耐熱性粒子が脱離することを低減することができる。このため、密着強度は基本的にはより高い方が好ましいが、高すぎるとセパレータ全体が硬くなりすぎて柔軟性が失われる傾向があるため、ある程度の密着強度とすることが望ましい。基板2に対する表層3の密着強度は、0.5N/cm以上がより好ましく、0.7N/cm以上が更に好ましく、1.0N/cm以上がより更に好ましい。基板2に対する表層3の密着強度は、20N/cm以下が好ましく、15N/cm以下がより好ましい。
基板2に対する表層3の密着強度は、例えばピール試験により測定することができる。ピール試験については後に詳しく記載するが、ピール試験では基板と表層との密着性を評価し、密着強度を基板からの表層の脱落のしにくさの指標とすることができる。基板に対する表層の密着強度が高いことで電池製造時に耐熱性粒子やリチウム塩化合物の脱落が低減でき、より安全性の高い蓄電デバイスの製造が可能となる。
基板2上に表層3が設けられたセパレータ1の形状安定性については、150℃環境下で1時間静置したときのMD方向(流れ方向)の寸法変化率とTD方向(直角方向)の寸法変化率とを乗じた寸法変化率が10%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましい。このセパレータ全体の寸法変化率は3%以下が更に好ましく、2%以下がより更に好ましい。
セパレータ1の寸法変化率が10%以下であることにより、例えば150℃といった高温でも形状を安定して維持することができるため、短絡などが発生する危険性をより低くすることができる。
セパレータ1の寸法変化率が10%以下であることにより、例えば150℃といった高温でも形状を安定して維持することができるため、短絡などが発生する危険性をより低くすることができる。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率は、好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、更に好ましくは3%以下、より更に好ましくは2%以下である。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率が上記範囲にあると、MD方向の形状安定性を高めることができ、例えばMD方向の収縮による短絡が発生する危険性を低減することができる。
150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1.0%以下であり、より更に好ましくは0.5%以下である。150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率が上記範囲にあると、TD方向の形状安定性を顕著に高めることができ、例えばTD方向の収縮による短絡が発生する危険性を著しく低減することができる。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率及び150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、熱収縮率から算出されてもよい。熱収縮率は、セパレータが膨張することがあるため、絶対値を用いる。例えば、セパレータ1の寸法変化率は、150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値と150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の熱収縮率の絶対値とを乗ずることにより測定されてもよい。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値は、4%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下が更に好ましい。150℃におけるTD方向の熱収縮率の絶対値は1.5%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。
表層3は、例えば、以下に示す方法により形成できる。
まず、上記のリチウム塩化合物を、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒や水などの溶媒に、分散及び溶解させて、リチウム塩化合物含有スラリーとする。リチウム塩化合物含有スラリーは、リチウム塩化合物と溶媒の他に、必要に応じて耐熱性樹脂、耐熱性粒子、結着材から選ばれる1種以上を含むものであってもよい。
次に、リチウム塩化合物含有スラリーを、例えば、卓上コータ、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、及びダイコーターなど公知の塗工装置を用いて、基材2の一方の面2aに塗布し、乾燥させる。以上の工程により、表層3が形成される。
まず、上記のリチウム塩化合物を、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒や水などの溶媒に、分散及び溶解させて、リチウム塩化合物含有スラリーとする。リチウム塩化合物含有スラリーは、リチウム塩化合物と溶媒の他に、必要に応じて耐熱性樹脂、耐熱性粒子、結着材から選ばれる1種以上を含むものであってもよい。
次に、リチウム塩化合物含有スラリーを、例えば、卓上コータ、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、及びダイコーターなど公知の塗工装置を用いて、基材2の一方の面2aに塗布し、乾燥させる。以上の工程により、表層3が形成される。
本実施形態では、図1に示すように、基材2の一方の面2aに表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、基材2の両面に表層3が設けられているものであってもよい。
このようなセパレータは、例えば、上述した方法により、基材2の一方の面2aに表層3が設けられているセパレータ1を形成した後、上述した表層3を設ける方法と同様にして、基材2の他方の面に表層3を設ける方法により形成できる。また、例えば、上述した方法と同様にして、上記のリチウム塩化合物含有スラリーを作成し、リチウム塩化合物含有スラリー中に基材2を浸漬した後、余分なリチウム塩化合物含有スラリーを除去する方法により形成してもよい。
このようなセパレータは、例えば、上述した方法により、基材2の一方の面2aに表層3が設けられているセパレータ1を形成した後、上述した表層3を設ける方法と同様にして、基材2の他方の面に表層3を設ける方法により形成できる。また、例えば、上述した方法と同様にして、上記のリチウム塩化合物含有スラリーを作成し、リチウム塩化合物含有スラリー中に基材2を浸漬した後、余分なリチウム塩化合物含有スラリーを除去する方法により形成してもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、基材2の一方の面2aに接して表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、図2に示すように、基材2と表層3との間に熱収縮緩和層4を有していてもよい。
図2は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図2に示す熱収縮緩和層4は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層4は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図2は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図2に示す熱収縮緩和層4は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層4は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図2に示すセパレータ10を有する蓄電デバイスでは、セパレータ10が表層3を有することによって電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ10の熱収縮緩和層4によってセパレータ10の熱収縮が効果的に抑制され、好ましい。
また、本実施形態では、図1に示すように、基材2の一方の面2aに接して表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、図3に示すように、基材2の他方の面2bに、熱収縮緩和層5を有していてもよい。
図3は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図3に示す熱収縮緩和層5は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層5は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図3は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図3に示す熱収縮緩和層5は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層5は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図3に示すセパレータ11を有する蓄電デバイスでは、セパレータ11が表層3を有することによって電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ11の熱収縮緩和層5によってセパレータ11の熱収縮が効果的に抑制され、好ましい。
本実施形態では、基材2の一方の面2aに接して表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、表層3が第1塗布膜6と第2塗布膜7とを有していてもよい。第1塗布膜6は、基材2の少なくとも一方の面2aに形成し、第2塗布膜7は、第1塗布膜6の表面に形成することが好ましい。第1塗布膜及び第2塗布膜は、上述した表層3に含有するものと同じものを用いることができるが、第2塗布膜7のリチウム塩化合物は、ビフェニル基含有リチウム塩を含むことが好ましい。第2塗布膜7にビフェニル基含有リチウム塩を含む場合、すなわち、ビフェニル基含有リチウム塩を表層3の表面側に偏析させた場合、電解液中により早くビフェニル基含有リチウム塩が溶け出してガスを発生させることが可能となる。これによりリチウムイオン電池に備えられたCID機構を迅速に作動させることが可能となり、安全性をより高めることが可能となる。
図4は、本実施形態のセパレータの他の例を作製するための概略説明図である。図4に示す表層3の作製方法では、第1ヘッド30により基材2の少なくとも一方の面2aに第1塗布膜6を形成し、第2ヘッド31により第1塗布膜6の表面に第2塗布膜7を形成する逐次塗工によって、第1塗布膜6と第2塗布膜7とを有する表層3を形成する。第1ヘッド30と第2ヘッド31との距離は第1塗布膜6及び第2塗布膜7の乾燥工程の条件により適宜定めることが好ましい。また第1塗布膜6及び第2塗布膜7は一括して形成してもよい。
なお、本実施形態の形成方法では、第1塗布膜6を形成する前に、リチウム塩化合物を含まない第3塗布膜を形成しても良い。この場合、第3ヘッドにより基材2の少なくとも一方の面2aに第3塗布膜を形成した後、第1ヘッド30及び第2ヘッド31により第1塗布膜6及び第2塗布膜7を形成する。第3塗布膜としては、上述した熱収縮緩和層4に含有するものと同じものを用いることができる。
なお、本実施形態の形成方法では、第1塗布膜6を形成する前に、リチウム塩化合物を含まない第3塗布膜を形成しても良い。この場合、第3ヘッドにより基材2の少なくとも一方の面2aに第3塗布膜を形成した後、第1ヘッド30及び第2ヘッド31により第1塗布膜6及び第2塗布膜7を形成する。第3塗布膜としては、上述した熱収縮緩和層4に含有するものと同じものを用いることができる。
図4に示す塗工態様は一例であるが、リチウム塩化合物を混合した表層を基材上に設けるとき、リチウム塩化合物を表層に均一に分散させる、耐熱性フィラーの周囲に偏在させる、あるいは表層のうち基材側ではなく外側に偏在させたりすることで、基材に対する表層の密着強度を比較的強く保つことができ、粉落ちなどの問題が発生することを回避することができる。また、リチウム塩化合物を添加してもバインダ(結着材)の接着作用を阻害することはなく、150℃におけるセパレータの寸法変化率を10%以下、好ましくは7%以下に抑えることが可能となる。
本実施形態のセパレータの好適な具体例として、以下に示す(A)〜(G)のものが挙げられる。なお、本発明の一実施形態に係るセパレータは、基材の少なくとも一方の面に、表層を有するものであればよく、以下に示す(A)〜(G)のものに限定されない。
(A)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物のみからなる表層3を有するもの。
(B)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と結着材とからなる表層3を有するもの。
(C)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と耐熱性粒子と結着材とからなる表層3を有するもの。
(B)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と結着材とからなる表層3を有するもの。
(C)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と耐熱性粒子と結着材とからなる表層3を有するもの。
(D)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表面層を有する耐熱性粒子と結着材とからなる表層3を有するもの。
(E)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と、耐熱性樹脂とからなる表層3を有するもの。
(E)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と、耐熱性樹脂とからなる表層3を有するもの。
(F)基材2の一方の面2aに上記(A)〜(D)の表層3が形成され、他方の面に耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されているもの。
(G)基材2の一方の面2aと上記(A)〜(D)の表層3との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されているもの。
(G)基材2の一方の面2aと上記(A)〜(D)の表層3との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されているもの。
上記の(A)〜(G)の中でも、(C)〜(G)が好ましく、(C)または(D)が更に好ましい。
(C)〜(G)のセパレータを有する蓄電デバイスでは、非水電解液中にリチウム塩が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータの熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。特に、(C)または(D)セパレータを有する蓄電デバイスでは、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が顕著である。
(C)〜(G)のセパレータを有する蓄電デバイスでは、非水電解液中にリチウム塩が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータの熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。特に、(C)または(D)セパレータを有する蓄電デバイスでは、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が顕著である。
本実施形態のセパレータ1は、蓄電デバイス用のものであり、ポリオレフィン多孔膜からなる基材2と、基材2の少なくとも一方の面2aに設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層3とを有する。したがって、本実施形態のセパレータ1を有する蓄電デバイスは、高温保存によるインピーダンスの上昇が十分に抑制されたものとなる。
〔蓄電デバイス〕
本実施形態の蓄電デバイスは、対向する電極間に介在する上述したいずれかのセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。非水電解液は、液体状であってもよいし、ゲル化されたものであってもよい。
本実施形態の蓄電デバイスとしては、例えば、下記の第1〜第4の蓄電デバイスが挙げられる。第1〜第4の蓄電デバイスの中でも、非水電解液中の電解質塩としてリチウム塩を使用する第1の蓄電デバイス(リチウム電池)又は第4の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)が好ましく、第1の蓄電デバイスがより好ましい。第1の蓄電デバイスは、リチウム二次電池用であることが更に好ましい。
本実施形態の蓄電デバイスは、対向する電極間に介在する上述したいずれかのセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。非水電解液は、液体状であってもよいし、ゲル化されたものであってもよい。
本実施形態の蓄電デバイスとしては、例えば、下記の第1〜第4の蓄電デバイスが挙げられる。第1〜第4の蓄電デバイスの中でも、非水電解液中の電解質塩としてリチウム塩を使用する第1の蓄電デバイス(リチウム電池)又は第4の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)が好ましく、第1の蓄電デバイスがより好ましい。第1の蓄電デバイスは、リチウム二次電池用であることが更に好ましい。
〔第1の蓄電デバイス(リチウム電池)〕
第1の蓄電デバイスは、リチウム電池である。本明細書においてリチウム電池とは、リチウム一次電池及びリチウム二次電池の総称である。また、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
本実施形態のリチウム電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する上述したいずれかセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。
第1の蓄電デバイスは、リチウム電池である。本明細書においてリチウム電池とは、リチウム一次電池及びリチウム二次電池の総称である。また、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
本実施形態のリチウム電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する上述したいずれかセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。
本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。セパレータとして、基材の一方の面にのみリチウム塩化合物を含む表層が設けられているものを用いる場合、表層は、正極および負極のどちらと対向して配置されていてもよい。基材の一方の面にのみ表層が設けられているセパレータを用いる場合、正極近傍のリチウム塩化合物濃度が高い方が、より早い段階から被膜形成に寄与し、高温保存によるインピーダンスの上昇がより一層抑制されたものとなるので、表層が、正極と対向して配置されていることが好ましい。
本実施形態のリチウム電池のセパレータには、後述する非水電解液が含浸されている。
本実施形態のリチウム電池のセパレータには、後述する非水電解液が含浸されている。
本実施形態のリチウム電池では、正極、負極及び非水電解液等のセパレータ以外の部材は、特に制限なく使用できる。
〔正極〕
正極は、集電体と、集電体上に形成した正極合剤層とからなる。正極合剤層は、正極活物質と導電剤と結着材とを含む。
正極の集電体としては、例えば、アルミニウム箔やステンレス製のラス板等を用いることができる。
〔正極〕
正極は、集電体と、集電体上に形成した正極合剤層とからなる。正極合剤層は、正極活物質と導電剤と結着材とを含む。
正極の集電体としては、例えば、アルミニウム箔やステンレス製のラス板等を用いることができる。
正極活物質としては、リチウム含有複合金属酸化物およびリチウム含有オリビン型リン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる一種又は二種以上とリチウムとの複合金属酸化物が使用される。このようなリチウム含有複合金属酸化物は、正極活物質として一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる一種又は二種以上とリチウムとの複合金属酸化物が使用される。このようなリチウム含有複合金属酸化物は、正極活物質として一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiCo1−xMxO2(但し、Mは、Sn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、及びCuからなる群より選ばれる1種又は2種以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、Li2MnO3とLiMO2(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体、及びLiNi0.5Mn1.5O4からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。上記のリチウム含有複合金属酸化物は、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように2種以上用いてもよい。
リチウム含有オリビン型リン酸塩としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びマンガンからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むものが好ましい。具体例としては、LiFePO4、LiCoPO4、LiNiPO4、及びLiMnPO4からなる群より選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。これらの中でも、LiFePO4又はLiMnPO4が好ましい。
上記のリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は、他元素で置換してもよい。具体的には、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、又はマンガンの一部を、Co、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W、及びZr等からなる群より選ばれる一種又は二種以上の元素で置換してもよい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩としては、上記の置換してもよい元素を含有する化合物や炭素材料で被覆したものを用いてもよい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば、上記のリチウム含有複合金属酸化物と混合して用いることもできる。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩としては、上記の置換してもよい元素を含有する化合物や炭素材料で被覆したものを用いてもよい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば、上記のリチウム含有複合金属酸化物と混合して用いることもできる。
正極の導電剤は、化学変化を起こさない電子伝導材料であればよく特に制限はない。例えば、正極に用いる導電剤としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、及びサーマルブラックからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカーボンブラック等が挙げられ、グラファイトとカーボンブラックを適宜混合して用いてもよい。
正極合剤層中の導電剤の含有量は、1〜10質量%が好ましく、特に2〜5質量%が好ましい。
正極合剤層中の導電剤の含有量は、1〜10質量%が好ましく、特に2〜5質量%が好ましい。
結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレンプロピレンジエンターポリマー等が挙げられる。
正極合剤層(正極の集電体を除く部分)の密度は、通常は1.5g/cm3以上である。正極合剤層の密度は、リチウム電池の容量をさらに高めるため、好ましくは2g/cm3以上であり、より好ましくは、3g/cm3以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm3以上である。なお、正極合剤層の密度は、4g/cm3以下が好ましい。
正極は、例えば、以下に示す方法により作製できる。すなわち、正極活物質と導電剤と結着材とを混合し、1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤とする。その後、正極合剤を集電体上に塗布して、乾燥、加圧成型し、50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理することにより、正極合剤層を形成する。
以上の工程により正極が得られる。
以上の工程により正極が得られる。
〔負極〕
負極は、集電体と、集電体上に形成した負極合剤層とからなる。負極合剤層は、負極活物質と導電剤と結着材とを含む。
導電剤、結着材としては、上記の正極に用いる場合と同じものを用いることができる。
負極の集電体としては、例えば、銅箔等を用いることができる。
負極は、集電体と、集電体上に形成した負極合剤層とからなる。負極合剤層は、負極活物質と導電剤と結着材とを含む。
導電剤、結着材としては、上記の正極に用いる場合と同じものを用いることができる。
負極の集電体としては、例えば、銅箔等を用いることができる。
負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料〔易黒鉛化炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化炭素、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛等〕、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、又はLi4Ti5O12等のチタン酸リチウム化合物等を一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することが好ましく、(002)面の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。
特に、複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合又は結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、鱗片状天然黒鉛を球形化処理した粒子を用いることが好ましい。
特に、複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合又は結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、鱗片状天然黒鉛を球形化処理した粒子を用いることが好ましい。
負極は、負極合剤層(負極の集電体を除く部分)の密度が1.5g/cm3以上となるように加圧成形したときの負極合剤層のX線回折測定から得られる、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)との比I(110)/I(004)が、0.01以上であることが好ましい。上記ピーク強度の比I(110)/I(004)は、0.05以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下すると、リチウム電池の放電容量が低下する場合がある。したがって、上記ピーク強度の比I(110)/I(004)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
負極活物質としてのリチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物としては、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Al、Ga、In、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Mg、Sr、又はBa等の金属元素を少なくとも一種含有する化合物が挙げられる。これらの金属化合物は、単体、合金、酸化物、窒化物、硫化物、硼化物、又はリチウムとの合金等、何れの形態で用いてもよいが、単体、合金、酸化物、リチウムとの合金の何れかが高容量化できるので好ましい。中でも、Si、Ge、及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含有する金属化合物が好ましく、Si及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含む金属化合物がより好ましい。これらの金属化合物を用いることにより、リチウム電池を高容量化できる。
負極合剤層(負極の集電体を除く部分)の密度は、通常は1.1g/cm3以上である。負極合剤層の密度は、リチウム電池の容量をさらに高めるため、好ましくは1.5g/cm3以上であり、より好ましくは1.7g/cm3以上である。なお、負極合剤層の密度は、2g/cm3以下が好ましい。
負極は、例えば、以下に示す方法により作製できる。すなわち、負極活物質と導電剤と結着材とを混合し、1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して負極合剤とする。その後、負極合剤を集電体上に塗布して、乾燥、加圧成型し、50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理し、負極合剤層を形成する。以上の工程により負極が得られる。
〔非水電解液〕
非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解されている電解質塩とからなる。非水電解液は、従来公知の方法により、非水溶媒に電解質塩を溶解することにより得られる。
非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解されている電解質塩とからなる。非水電解液は、従来公知の方法により、非水溶媒に電解質塩を溶解することにより得られる。
〔非水溶媒〕
非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル、又はアミド等が挙げられる。これらの中でも、広い温度範囲で電気化学特性が相乗的に向上するため、非水溶媒として、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることが更に好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることが最も好ましい。
なお、本明細書において「鎖状エステル」なる用語は、鎖状カーボネート及び鎖状カルボン酸エステルを含む概念として用いる。
非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル、又はアミド等が挙げられる。これらの中でも、広い温度範囲で電気化学特性が相乗的に向上するため、非水溶媒として、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることが更に好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることが最も好ましい。
なお、本明細書において「鎖状エステル」なる用語は、鎖状カーボネート及び鎖状カルボン酸エステルを含む概念として用いる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、トランスもしくはシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、又は4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(EEC)等が挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、又は4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(EEC)が更に好ましい。
非水溶媒として、ビニレンカーボネート(VC)等の炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネート、又は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)等のフッ素原子を有する環状カーボネートを使用すると、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果がより高まるので好ましい。
炭素−炭素多重結を有する環状カーボネートとしては、VC、VEC、又はEECが好ましく、VCがより好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネートとしては、FEC又はDFECが好ましい。
非水溶媒として、炭素−炭素多重結を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートの両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
炭素−炭素多重結を有する環状カーボネートとしては、VC、VEC、又はEECが好ましく、VCがより好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネートとしては、FEC又はDFECが好ましい。
非水溶媒として、炭素−炭素多重結を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートの両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネートおよび/またはフッ素原子を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは0.07体積%以上、より好ましくは0.2体積%以上、更に好ましくは0.7体積%以上である。また、その上限は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは7体積%以下、より好ましくは4体積%以下、更に好ましくは2.5体積%以下である。
鎖状エステルとしては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MIPC)、メチルブチルカーボネート、もしくはエチルプロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、もしくはジブチルカーボネート等の対称鎖状カーボネート、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、もしくはピバリン酸プロピル等のピバリン酸エステル、又はプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、もしくは酢酸プロピル等の鎖状カルボン酸エステルが好適に挙げられる。
これらの鎖状エステルの中でも、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸メチル、又は酢酸エチル等のメチル基を有する鎖状エステルが好ましく、特にメチル基を有する鎖状カーボネートが好ましい。
非水溶媒として、鎖状カーボネートを用いる場合には、二種以上を用いることが好ましい。さらに、非水溶媒として、対称鎖状カーボネートと非対称鎖状カーボネートの両方を含むことがより好ましく、対称鎖状カーボネートの含有量が非対称鎖状カーボネートより多く含まれると更に好ましい。
特に、対称鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネートが含まれることが好ましい。非対称鎖状カーボネートとして、メチル基を有するものを含むことが好ましく、メチルエチルカーボネートを含むことが特に好ましい。非水溶媒として、ジメチルカーボネート(DMC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)の両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
特に、対称鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネートが含まれることが好ましい。非対称鎖状カーボネートとして、メチル基を有するものを含むことが好ましく、メチルエチルカーボネートを含むことが特に好ましい。非水溶媒として、ジメチルカーボネート(DMC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)の両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
鎖状エステルの含有量は、特に制限されないが、非水溶媒の総体積に対して、60〜90体積%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が60体積%以上であると、非水電解液の粘度が高くなりすぎず、好ましい。また、該含有量が90体積%以下であると、非水電解液の電気伝導度が低下して、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が低下するおそれが少なく、好ましい。
鎖状カーボネート中における対称鎖状カーボネートの占める体積の割合は、51体積%以上が好ましく、55体積%以上がより好ましい。その上限は、95体積%以下であることがより好ましく、85体積%以下であると更に好ましい。鎖状カーボネート中における対称鎖状カーボネートの占める体積の割合が51体積%以上95体積%以下であると、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
環状カーボネートと鎖状エステルの割合は、環状カーボネート:鎖状エステル(体積比)が10:90〜45:55が好ましく、15:85〜40:60がより好ましく、20:80〜35:65が特に好ましい。
非水溶媒は、適切な物性を達成するために、上記の非水溶媒を2種以上混合して使用することが好ましい。2種以上の非水溶媒の組合せとしては、例えば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの組合せ、環状カーボネートと鎖状カルボン酸エステルとの組合せ、環状カーボネートとラクトンとの組合せ、環状カーボネートと鎖状カーボネートとラクトンとの組合せ、又は環状カーボネートと鎖状カーボネートと鎖状カルボン酸エステルとの組み合わせ等が挙げられる。
〔電解質塩〕
電解質塩としては、非水溶媒に溶解する各種リチウム塩を用いることが出来る。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiPO2F2、Li2PO3F、LiBF4、もしくはLiClO4等の無機リチウム塩、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)2もしくはLiN(SO2C2F5)2等のリチウムイミド塩、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩、LiSO4CH3、LiSO4C2H5、もしくはFSO3Li等のSO3基もしくはSO4基を有するリチウム塩、又はビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDFOB)、もしくはリチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート(LiTFOP)等のオキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩などが挙げられる。リチウム塩としては、これらの一種又は二種以上を混合して使用できる。
電解質塩としては、非水溶媒に溶解する各種リチウム塩を用いることが出来る。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiPO2F2、Li2PO3F、LiBF4、もしくはLiClO4等の無機リチウム塩、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)2もしくはLiN(SO2C2F5)2等のリチウムイミド塩、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩、LiSO4CH3、LiSO4C2H5、もしくはFSO3Li等のSO3基もしくはSO4基を有するリチウム塩、又はビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDFOB)、もしくはリチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート(LiTFOP)等のオキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩などが挙げられる。リチウム塩としては、これらの一種又は二種以上を混合して使用できる。
これらの中でも、LiPF6、LiPO2F2、Li2PO3F、LiBF4、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)2、LiSO4CH3、及びFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上が好ましく、LiPF6、LiPO2F2、LiBF4、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3、及びFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上が更に好ましく、LiPF6が最も好ましい。
電解質塩として二種以上のリチウム塩を用いる場合、これらのリチウム塩の好適な組み合わせとしては、LiPF6を含み、更にLiPO2F2、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3、及びFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。このような電解質塩を含む非水電解液では、セパレータにリチウム塩化合物が含まれていることと、電解質塩としてLiPF6とともに上記リチウム塩が含まれることとの相乗効果により、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜を形成する。このため、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まり、好ましい。
リチウム塩の濃度は、非水溶媒に対して、0.3モル/リットル以上が好ましく、0.7モル/リットル以上がより好ましく、1.1モル/リットル以上が更に好ましい。リチウム塩の濃度は、非水溶媒に対して、2.5モル/リットル以下が好ましく、2.0モル/リットル以下がより好ましく、1.6モル/リットル以下が更に好ましい。
電解質塩としてLiPF6以外のリチウム塩を含む場合、LiPF6以外のリチウム塩が非水溶媒中に占める割合は、0.001モル/リットル以上であることが好ましい。この場合、セパレータにリチウム塩化合物が含まれていることによる効果と相俟って、蓄電デバイスにおける高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましく、1.0モル/リットル以下であると、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が低下する懸念が少ないので好ましい。
LiPF6以外のリチウム塩が非水溶媒中に占める割合は、より好ましくは0.01モル/リットル以上、特に好ましくは0.03モル/リットル以上、最も好ましくは0.04モル/リットル以上である。その上限は、より好ましくは0.5モル/リットル以下、特に好ましくは0.2モル/リットル以下である。
本実施形態のリチウム電池では、電池内の内圧上昇に対する対策として、電池蓋に安全弁を設けたり、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを入れたりする方法を採用できる。また、過充電防止の安全対策として、電池内の内圧を感知して電流を遮断する電流遮断機構を電池蓋に設けてもよい。
また、本実施形態のリチウム電池においては、電池構造に特に限定はなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、又はラミネート電池等を適用できる。
また、本実施形態のリチウム電池においては、電池構造に特に限定はなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、又はラミネート電池等を適用できる。
本実施形態のリチウム電池は、基材の少なくとも一方の面に、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層を有するセパレータを有する。このため、高温保存によるインピーダンスの上昇を十分に抑制できる。具体的には、4.2Vの充電上限電圧にて60℃で2週間保存する高温保存前後での抵抗増加率が120%以下となる。このように本実施形態のリチウム電池では、高温保存前後の抵抗変化が小さいため、性能を劣化させることなく、充放電できる。
本実施形態のリチウム電池では、例えば、放電終止電圧を2.8V以下に設定でき、更に2.5V、2.0Vの低電圧に設定することもできる。なお、本実施形態のリチウム電池では、充放電の電流値については特に限定されないが、通常0.1〜30Cの範囲で使用できる。また、本実施形態のリチウム電池は、−40〜100℃、好ましくは−10〜80℃で充放電できる。
〔第2の蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)〕
第2の蓄電デバイスは、電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する電気二重層キャパシタである。この蓄電デバイスに用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は、概ね表面積に比例して増加する。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
第2の蓄電デバイスは、電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する電気二重層キャパシタである。この蓄電デバイスに用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は、概ね表面積に比例して増加する。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
〔第3の蓄電デバイス〕
第3の蓄電デバイスは、電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイス(キャパシタ)である。この蓄電デバイスに用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応にともなうエネルギー貯蔵が可能である。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
第3の蓄電デバイスは、電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイス(キャパシタ)である。この蓄電デバイスに用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応にともなうエネルギー貯蔵が可能である。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
〔第4の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)〕
第4の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタ(LIC)である。リチウムイオンキャパシタでは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用して、エネルギーを貯蔵する。正極としては、例えば、活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には、LiPF6等のリチウム塩が少なくとも含まれる。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
第4の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタ(LIC)である。リチウムイオンキャパシタでは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用して、エネルギーを貯蔵する。正極としては、例えば、活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には、LiPF6等のリチウム塩が少なくとも含まれる。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
「セパレータの製造」
<ポリオレフィン微多孔膜(A−1):PP/PE/PP三層膜:乾式>
[PP原反の製膜]
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が470,000、分子量分布が7.8、融点が161℃のポリプロピレン樹脂を、Tダイ温度200℃で溶融押出した。吐出フィルムは90℃の冷却ロ−ルに導かれ、37.2℃の冷風が吹きつけられて冷却された後、40m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリプロピレンフィルム(未延伸PP原反)の膜厚は5.2μmであった。また、未延伸PP原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
<ポリオレフィン微多孔膜(A−1):PP/PE/PP三層膜:乾式>
[PP原反の製膜]
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が470,000、分子量分布が7.8、融点が161℃のポリプロピレン樹脂を、Tダイ温度200℃で溶融押出した。吐出フィルムは90℃の冷却ロ−ルに導かれ、37.2℃の冷風が吹きつけられて冷却された後、40m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリプロピレンフィルム(未延伸PP原反)の膜厚は5.2μmであった。また、未延伸PP原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
[PE原反の製膜]
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が320,000、分子量分布が7.8、密度が0.961g/cm3、融点が133℃、メルトインデックス0.31の高密度ポリエチレンを、Tダイ温度173℃で溶融押出した。
吐出フィルムは115℃の冷却ロ−ルに導かれ、39℃の冷風を吹きつけて冷却した後、20m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリエチレンフィルム(未延伸PE原反)の膜厚は9.4μmであった。 また、未延伸PE原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が320,000、分子量分布が7.8、密度が0.961g/cm3、融点が133℃、メルトインデックス0.31の高密度ポリエチレンを、Tダイ温度173℃で溶融押出した。
吐出フィルムは115℃の冷却ロ−ルに導かれ、39℃の冷風を吹きつけて冷却した後、20m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリエチレンフィルム(未延伸PE原反)の膜厚は9.4μmであった。 また、未延伸PE原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
[ラミネート工程]
このようにして製造した未延伸PP原反と未延伸PE原反とを使用し、ポリエチレンフィルムの両面をポリプロピレンフィルムで挟んだサンドイッチ構成の三層の積層フィルムを以下のようにして製造した。
三組の原反ロ−ルサンドから、未延伸PP原反と未延伸PE原反を、それぞれ速度6.5m/min.で巻き出し、加熱ロ−ルに導き、ロール温度147℃のロールにて熱圧着した後、同速度で30℃の冷却ロ−ルに導き、巻き取った。巻出し張力はPP原反が5.0kg、PE原反が3.0kgであった。得られた三層の積層フィルムは、膜厚19.6μmで、下記の方法により測定したPPフィルムとPEフィルムとの剥離強度は54.7g/15mmであった。
このようにして製造した未延伸PP原反と未延伸PE原反とを使用し、ポリエチレンフィルムの両面をポリプロピレンフィルムで挟んだサンドイッチ構成の三層の積層フィルムを以下のようにして製造した。
三組の原反ロ−ルサンドから、未延伸PP原反と未延伸PE原反を、それぞれ速度6.5m/min.で巻き出し、加熱ロ−ルに導き、ロール温度147℃のロールにて熱圧着した後、同速度で30℃の冷却ロ−ルに導き、巻き取った。巻出し張力はPP原反が5.0kg、PE原反が3.0kgであった。得られた三層の積層フィルムは、膜厚19.6μmで、下記の方法により測定したPPフィルムとPEフィルムとの剥離強度は54.7g/15mmであった。
[剥離強度測定]
三層の積層フィルムからTD方向(直角方向):15mm、MD方向(流れ方向):200mmの試験片を、TD方向中心部、両端部(端部より10mm内側)、各A面(三層の積層フィルムの一方の面)、B面(三層の積層フィルムの他方の面)、合計6点のサンプルを採取した。ORIENTEC社製引張試験機(RTC−1210A)にて、層間剥離強度を測定した。測定条件は、100Nのロードセルを用い、チャック間距離50mm、クロスヘッドスピード50mm/min.の条件とした。また、予め試験片の測定接着面の一部を剥がした測定試料を作成し、引張試験機にT状態にセットした。剥離開始後、120mm、140mm、160mm、180mm、200mm剥離時における試験片の剥離強度を測定し、その平均値を剥離強度として評価した。
三層の積層フィルムからTD方向(直角方向):15mm、MD方向(流れ方向):200mmの試験片を、TD方向中心部、両端部(端部より10mm内側)、各A面(三層の積層フィルムの一方の面)、B面(三層の積層フィルムの他方の面)、合計6点のサンプルを採取した。ORIENTEC社製引張試験機(RTC−1210A)にて、層間剥離強度を測定した。測定条件は、100Nのロードセルを用い、チャック間距離50mm、クロスヘッドスピード50mm/min.の条件とした。また、予め試験片の測定接着面の一部を剥がした測定試料を作成し、引張試験機にT状態にセットした。剥離開始後、120mm、140mm、160mm、180mm、200mm剥離時における試験片の剥離強度を測定し、その平均値を剥離強度として評価した。
[延伸工程]
この三層の積層フィルムに対し、125℃に加熱された熱風循環オ−ブン(熱処理ゾーン:オーブン1)中で熱処理を行った。次いで、熱処理した積層フィルムを、冷延伸ゾーンにて、35℃に保持されたニップロ−ル間で18%(初期延伸倍率)に低温延伸した。
供給側のロ−ル速度は2.8m/min.であった。低温延伸した積層フィルムを、引き続き130℃に加熱された熱延伸ゾーン(オーブン2)にて、ロ−ル周速差を利用してロ−ラ間で190%(最大延伸倍率)になるまで熱延伸した。その後、熱延伸した積層フィルムを、引き続き125%(最終延伸倍率)まで熱緩和し、熱固定ゾーン(オーブン3)にて、133℃にて熱固定し、連続的にポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造した。
この三層の積層フィルムに対し、125℃に加熱された熱風循環オ−ブン(熱処理ゾーン:オーブン1)中で熱処理を行った。次いで、熱処理した積層フィルムを、冷延伸ゾーンにて、35℃に保持されたニップロ−ル間で18%(初期延伸倍率)に低温延伸した。
供給側のロ−ル速度は2.8m/min.であった。低温延伸した積層フィルムを、引き続き130℃に加熱された熱延伸ゾーン(オーブン2)にて、ロ−ル周速差を利用してロ−ラ間で190%(最大延伸倍率)になるまで熱延伸した。その後、熱延伸した積層フィルムを、引き続き125%(最終延伸倍率)まで熱緩和し、熱固定ゾーン(オーブン3)にて、133℃にて熱固定し、連続的にポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造した。
このようにして得られたポリオレフィン微多孔膜(A−1)(試料)の下記の方法により測定した厚みは、20μmであり、透気度は、310sec/100mlであった。また、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)(試料)の下記の方法により測定した両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は0.18μm、圧縮弾性率は112MPaであった。
[膜厚測定]
試料より、MD方向50mmの全幅にわたるテープ状の試験片を5枚用意した。5枚の試験片を重ね、測定点が25点になるように等間隔に、ファインプリューフ社製電気マイクロメーター(ミリトロン 1240 触針5mmφ(フラット面、針圧 0.75N))を用いて厚みを測定し、その平均値を厚みとした。
試料より、MD方向50mmの全幅にわたるテープ状の試験片を5枚用意した。5枚の試験片を重ね、測定点が25点になるように等間隔に、ファインプリューフ社製電気マイクロメーター(ミリトロン 1240 触針5mmφ(フラット面、針圧 0.75N))を用いて厚みを測定し、その平均値を厚みとした。
[透気度(ガーレ値)の測定]
試料より、MD方向80mmの全幅の試験片を採取した。試験片のTD方向中央部と左右の端部(端面から50mm内側)の3点について、B型ガーレ式デンソメーター(株式会社東洋精機社製)を用いて、JIS P8117に準じて、透気度の測定を行った。3点の平均値をガーレ値として評価した。
試料より、MD方向80mmの全幅の試験片を採取した。試験片のTD方向中央部と左右の端部(端面から50mm内側)の3点について、B型ガーレ式デンソメーター(株式会社東洋精機社製)を用いて、JIS P8117に準じて、透気度の測定を行った。3点の平均値をガーレ値として評価した。
[表面粗さ]
菱化システムズ社製の白色干渉計(Vertscan 3.0)を用い、対物レンズを×5倍の条件下で、試料の表面(一方の面)について、MD方向1270μm、TD方向960μmの範囲の画像を採取した。採取した画像のMD方向、任意の2箇所について線分析を行い、表面粗さ(Ra)を計測した。また、試料の裏面(他方の面)について同様に表面粗さ(Ra)を計測し、試料の表面と裏面の平均値をRa(ave)として評価した。
菱化システムズ社製の白色干渉計(Vertscan 3.0)を用い、対物レンズを×5倍の条件下で、試料の表面(一方の面)について、MD方向1270μm、TD方向960μmの範囲の画像を採取した。採取した画像のMD方向、任意の2箇所について線分析を行い、表面粗さ(Ra)を計測した。また、試料の裏面(他方の面)について同様に表面粗さ(Ra)を計測し、試料の表面と裏面の平均値をRa(ave)として評価した。
[圧縮弾性率]
試料から、50mm角のサンプルを複数採取して積層し、厚み5mmの積層サンプルを作製した。積層サンプルに直径10mmの金属円柱を押し当て、ORIENTEC.RTC−1250Aにて、500Nのロードセルを用い、チャックロスヘッドスピード0.5mm/min.の条件にて圧縮方向の応力−ひずみ曲線を作成した。応力−ひずみ曲線の傾きが一定になった部分の傾きから、圧縮弾性率を算出した。
応力とは、単位面積(mm2)当たりの圧縮荷重(N)=圧縮の応力(N/mm2)であり、単位はMPaである。例えば、直径10mmの金属円柱で100Nの荷重を加えた場合の応力は、100N/(5mm×5mm×π)≒1.27MPaである。ひずみとは、圧縮の応力を加えた際に変形した変位量を、初期厚み(5mm)で除した値であり、単位は無い。例えば、試験により初期の厚みである5mmから4.8mmに変形した場合、変位量は、0.2mmであり、ひずみ量は、0.2mm/5mm=0.04となる。
試料から、50mm角のサンプルを複数採取して積層し、厚み5mmの積層サンプルを作製した。積層サンプルに直径10mmの金属円柱を押し当て、ORIENTEC.RTC−1250Aにて、500Nのロードセルを用い、チャックロスヘッドスピード0.5mm/min.の条件にて圧縮方向の応力−ひずみ曲線を作成した。応力−ひずみ曲線の傾きが一定になった部分の傾きから、圧縮弾性率を算出した。
応力とは、単位面積(mm2)当たりの圧縮荷重(N)=圧縮の応力(N/mm2)であり、単位はMPaである。例えば、直径10mmの金属円柱で100Nの荷重を加えた場合の応力は、100N/(5mm×5mm×π)≒1.27MPaである。ひずみとは、圧縮の応力を加えた際に変形した変位量を、初期厚み(5mm)で除した値であり、単位は無い。例えば、試験により初期の厚みである5mmから4.8mmに変形した場合、変位量は、0.2mmであり、ひずみ量は、0.2mm/5mm=0.04となる。
<ポリオレフィン微多孔膜(A−2):PP単層膜:乾式>
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際に使用した未延伸PP原反に対し、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際と同様の延伸工程を行うことによって、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−2)の厚みは、20μmであり、透気度は、220sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.13μm、圧縮弾性率は、137MPaであった。
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際に使用した未延伸PP原反に対し、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際と同様の延伸工程を行うことによって、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−2)の厚みは、20μmであり、透気度は、220sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.13μm、圧縮弾性率は、137MPaであった。
<ポリオレフィン微多孔膜(A−3):PE単層膜:湿式>
ポリエチレン樹脂と可塑剤としての流動パラフィンとを、二軸押出機に供給し、溶融混練して、ポリエチレン溶液を調製した。得られたポリエチレン溶液を、Tダイから所定の温度で押し出し、冷却ロールで巻き取りながらゲル状のシートを成形した。このゲル状のシートを、2軸延伸することによって、薄膜フィルムを得た。
ポリエチレン樹脂と可塑剤としての流動パラフィンとを、二軸押出機に供給し、溶融混練して、ポリエチレン溶液を調製した。得られたポリエチレン溶液を、Tダイから所定の温度で押し出し、冷却ロールで巻き取りながらゲル状のシートを成形した。このゲル状のシートを、2軸延伸することによって、薄膜フィルムを得た。
得られた薄膜フィルムをヘキサンで洗浄し、薄膜フィルムから残留する流動パラフィンを抽出除去した後、乾燥および熱処理を行うことで、薄膜フィルムを微多孔化した。以上の工程により、ポリオレフィン微多孔膜(A−3)を得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−3)の厚みは、20μmであり、透気度は、270sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.42μm、圧縮弾性率は、68MPaであった。
ポリオレフィン微多孔膜(A−3)の厚みは、20μmであり、透気度は、270sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.42μm、圧縮弾性率は、68MPaであった。
このようにして得られたポリオレフィン微多孔膜(A−1)〜(A−3)を用いて、実施例1〜23、比較例1〜3のセパレータを作成した。
表1に、実施例1〜23、比較例1〜3のセパレータの断面模式図を示す。表1において、符号2はポリオレフィン微多孔膜、符号21はリチウム塩化合物、符号22は耐熱性粒子、符号23は耐熱性樹脂、符号24はリチウム塩化合物を含む表面層を有する耐熱性粒子を示す。
実施例20〜23では表1中の符号21、22、24が混在し、リチウム塩化合物が耐熱性粒子の周囲に偏在している割合が多かった。実施例19は実施例5、16、20〜23と同様の構造を有するように基板上に塗工した。
表1に、実施例1〜23、比較例1〜3のセパレータの断面模式図を示す。表1において、符号2はポリオレフィン微多孔膜、符号21はリチウム塩化合物、符号22は耐熱性粒子、符号23は耐熱性樹脂、符号24はリチウム塩化合物を含む表面層を有する耐熱性粒子を示す。
実施例20〜23では表1中の符号21、22、24が混在し、リチウム塩化合物が耐熱性粒子の周囲に偏在している割合が多かった。実施例19は実施例5、16、20〜23と同様の構造を有するように基板上に塗工した。
「実施例1、11、18」
リチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウム粉末と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、メタンスルホン酸リチウム:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−1)を得た。
リチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウム粉末と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、メタンスルホン酸リチウム:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−1)を得た。
得られたスラリー(C−1)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥後に熱延伸処理することで表層を形成し、実施例1のセパレータを得た。実施例1と同様にして、実施例11、18のセパレータを得た。
実施例1、11、18のセパレータは、上記の膜厚測定方法により測定した表層の厚みが2μmであった。
実施例1、11、18のセパレータは、上記の膜厚測定方法により測定した表層の厚みが2μmであった。
[密着強度]
密着強度はピール試験によって測定した。幅20mm長さ50mmで切り出したセパレータサンプルの表層に粘着テープ(コクヨ製T−225)を貼り、試験用のサンプルを作製した。ピール試験機(日本電産シンポ株式会社製FGS−100VC)を用いて剥離速度300mm/min、T型剥離)にて基板と表層との剥離強度を測定し、測定開始から測定終了までの間で経時的に測定し、測定平均値(N/cm)を密着強度とした。
密着強度はピール試験によって測定した。幅20mm長さ50mmで切り出したセパレータサンプルの表層に粘着テープ(コクヨ製T−225)を貼り、試験用のサンプルを作製した。ピール試験機(日本電産シンポ株式会社製FGS−100VC)を用いて剥離速度300mm/min、T型剥離)にて基板と表層との剥離強度を測定し、測定開始から測定終了までの間で経時的に測定し、測定平均値(N/cm)を密着強度とした。
[熱収縮率]
試料の両側より10mm内側から、試験片(200×200mm)を採取した。各試験片の幅方向(TD)及び長さ方向(MD)に標点間距離180mmの標点を各1ヶ所中央部に記入し、標点間寸法を鋼尺にて測定した。標点間距離を記入した試料を紙に挟み、ヤマト科学製、熱風循環式 型式:DK−43にて150℃環境下に1時間静置した。この後に試料を取り出して室温にて放冷し、標点間距離を鋼尺にて測定した。
熱収縮率は加熱前標点間距離をL1(mm)、加熱後の標点間距離をL2(mm)とし以下の式により算出した。
熱収縮率=(L1−L2)/L1×100
試料の両側より10mm内側から、試験片(200×200mm)を採取した。各試験片の幅方向(TD)及び長さ方向(MD)に標点間距離180mmの標点を各1ヶ所中央部に記入し、標点間寸法を鋼尺にて測定した。標点間距離を記入した試料を紙に挟み、ヤマト科学製、熱風循環式 型式:DK−43にて150℃環境下に1時間静置した。この後に試料を取り出して室温にて放冷し、標点間距離を鋼尺にて測定した。
熱収縮率は加熱前標点間距離をL1(mm)、加熱後の標点間距離をL2(mm)とし以下の式により算出した。
熱収縮率=(L1−L2)/L1×100
[寸法変化率]
MD方向の熱収縮率の絶対値、およびTD方向の熱収縮率の絶対値とを乗じた値を寸法変化率として算出した。
MD方向の熱収縮率の絶対値、およびTD方向の熱収縮率の絶対値とを乗じた値を寸法変化率として算出した。
〔リチウム塩化合物の溶解度の測定〕
実施例1のセパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウムについて、下記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、以下に示す方法により測定した。
エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液を調製した。
実施例1のセパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウムについて、下記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、以下に示す方法により測定した。
エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液を調製した。
そして、25℃の溶解度測定用溶液に、リチウム塩化合物を加えて超音波を30分照射し、リチウム塩化合物が飽和するまで溶解させ、飽和溶液を得た。その後、飽和溶液を、フィルターを用いて濾過し、飽和溶液中に溶解せずに残ったリチウム塩化合物を除去した。得られた濾液を適宜希釈し、イオンクロマトグラフィーを用いて濾液中のリチウム塩化合物の濃度を測定し、溶解度を算出した。
その結果、メタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%であった。
その結果、メタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%であった。
「実施例2、3」
スラリー(C−1)を、表2に示すメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3のセパレータを得た。
実施例2のセパレータは、表層の厚みが0.7μmであった。
また、実施例3のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
スラリー(C−1)を、表2に示すメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3のセパレータを得た。
実施例2のセパレータは、表層の厚みが0.7μmであった。
また、実施例3のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
「実施例4」
耐熱性粒子としてのベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、ベーマイト:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−2)を得た。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例1のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例4のセパレータを得た。
実施例4のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。
耐熱性粒子としてのベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、ベーマイト:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−2)を得た。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例1のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例4のセパレータを得た。
実施例4のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。
「実施例5」
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=40:55:5の混合比で混合し、混合物とした。混合する際は、メタンスルホン酸リチウムとベーマイト粉末とを先に混ぜた後にPVDFを混合した。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−3)を得た。
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=40:55:5の混合比で混合し、混合物とした。混合する際は、メタンスルホン酸リチウムとベーマイト粉末とを先に混ぜた後にPVDFを混合した。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−3)を得た。
得られたスラリー(C−3)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例5のセパレータを得た。
実施例5のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.6N/cmであり、寸法変化率は6.1%(MD方向熱収縮率4.0%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
実施例5のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.6N/cmであり、寸法変化率は6.1%(MD方向熱収縮率4.0%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
「実施例6」
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成した。次いで、スラリー(C−1)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量となるように、卓上コータを用いて熱収縮緩和層上に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例6のセパレータを得た。
実施例6のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。密着強度は1.6N/cmであり、寸法変化率は3.3%(MD方向熱収縮率2.7%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成した。次いで、スラリー(C−1)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量となるように、卓上コータを用いて熱収縮緩和層上に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例6のセパレータを得た。
実施例6のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。密着強度は1.6N/cmであり、寸法変化率は3.3%(MD方向熱収縮率2.7%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
「実施例7」
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例5のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例7のセパレータを得た。
実施例7のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。密着強度は1.5N/cmであり、寸法変化率は3.2%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.1%)であった。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例5のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例7のセパレータを得た。
実施例7のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。密着強度は1.5N/cmであり、寸法変化率は3.2%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.1%)であった。
「実施例8」
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末とを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト(質量比)=40:60の混合比で混合し混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物に水を加え、混合物中のメタンスルホン酸リチウムを水に溶解させてスラリーとした。得られたスラリー中の水を、スプレードライ法を用いて蒸発させた。このことにより、表面が、メタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトを得た。
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末とを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト(質量比)=40:60の混合比で混合し混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物に水を加え、混合物中のメタンスルホン酸リチウムを水に溶解させてスラリーとした。得られたスラリー中の水を、スプレードライ法を用いて蒸発させた。このことにより、表面が、メタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトを得た。
得られたメタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているベーマイトと、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、メタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているベーマイト:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−4)を得た。
得られたスラリー(C−4)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例8のセパレータを得た。
実施例8のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.8N/cmであり、寸法変化率は5.3%(MD方向熱収縮率3.5%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
実施例8のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.8N/cmであり、寸法変化率は5.3%(MD方向熱収縮率3.5%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
「実施例9」
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたこと以外は、実施例5と同様にして、実施例9のセパレータを得た。
実施例9のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたこと以外は、実施例5と同様にして、実施例9のセパレータを得た。
実施例9のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
「実施例10」
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例10のセパレータを得た。
実施例10のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例10のセパレータを得た。
実施例10のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。
「実施例12」
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例12のセパレータを得た。
「実施例13」
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例13のセパレータを得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例12のセパレータを得た。
「実施例13」
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例13のセパレータを得た。
「実施例14」
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアルミナ粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例14のセパレータを得た。
実施例14のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが5μmであった。
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアルミナ粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例14のセパレータを得た。
実施例14のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが5μmであった。
「実施例15」
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例15のセパレータを得た。
実施例15のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが6μmであった。
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例15のセパレータを得た。
実施例15のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが6μmであった。
「実施例16」
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例16のセパレータを得た。
実施例16のセパレータは、表層の厚みが6μmであった。
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例16のセパレータを得た。
実施例16のセパレータは、表層の厚みが6μmであった。
「実施例17」
ベーマイト粉末に代えてLi4Ti5O12粉末を用い、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトと同様にして、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているLi4Ti5O12を得た。
ベーマイト粉末に代えてLi4Ti5O12粉末を用い、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトと同様にして、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているLi4Ti5O12を得た。
そして、スラリー(C−4)に含まれるメタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているベーマイトを、メタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているLi4Ti5O12に代えたスラリーを用いて、実施例8と同様にして、表層を形成し、実施例17のセパレータを得た。
実施例17のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
実施例17のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
「実施例19」
1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムとベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−3)を得た。スラリー(D−3)を、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムの塗布量が0.4g/m2となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥/熱処理させることで表層を形成し、実施例19のセパレータを得た。
実施例19のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は1.4N/cmであり、寸法変化率は3.4%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
実施例19のセパレータをリチウムイオン電池に組み込むことにより、電解液中により早く上記カルボン酸リチウムが溶け出してガスを発生させることが可能となる。これによりリチウムイオン電池に備えられたCID機構を迅速に作動させることが可能となり、安全性をより高めることができる。
1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムとベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−3)を得た。スラリー(D−3)を、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムの塗布量が0.4g/m2となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥/熱処理させることで表層を形成し、実施例19のセパレータを得た。
実施例19のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は1.4N/cmであり、寸法変化率は3.4%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
実施例19のセパレータをリチウムイオン電池に組み込むことにより、電解液中により早く上記カルボン酸リチウムが溶け出してガスを発生させることが可能となる。これによりリチウムイオン電池に備えられたCID機構を迅速に作動させることが可能となり、安全性をより高めることができる。
「実施例20」
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−1)を得た。
得られたスラリー(D−1)を、表3に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例20のセパレータを得た。
実施例20のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は5.8%(MD方向熱収縮率が3.6%;TD方向熱収縮率1.6%)であった。
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−1)を得た。
得られたスラリー(D−1)を、表3に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例20のセパレータを得た。
実施例20のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は5.8%(MD方向熱収縮率が3.6%;TD方向熱収縮率1.6%)であった。
「実施例21」
メタンスルホン酸リチウム粉末とモノフルオロリン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:モノフルオロリン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=3:1:91:5の混合比で混合し、混合物とした。混合の手順はメタンスルホン酸リチウム粉末とモノフルオロリン酸リチウム粉末とベーマイト粉末とを先に混ぜた後にPVDFを混合した。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−2)を得た。
得られたスラリー(D−2)を、表3に示す1m2辺りのLi塩化合物塗布量となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥/熱処理することで表層を形成し、実施例21のセパレータを得た。
実施例21のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は6.2%(MD方向熱収縮率が3.6%;TD方向熱収縮率1.7%)であった。
メタンスルホン酸リチウム粉末とモノフルオロリン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:モノフルオロリン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=3:1:91:5の混合比で混合し、混合物とした。混合の手順はメタンスルホン酸リチウム粉末とモノフルオロリン酸リチウム粉末とベーマイト粉末とを先に混ぜた後にPVDFを混合した。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−2)を得た。
得られたスラリー(D−2)を、表3に示す1m2辺りのLi塩化合物塗布量となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥/熱処理することで表層を形成し、実施例21のセパレータを得た。
実施例21のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は6.2%(MD方向熱収縮率が3.6%;TD方向熱収縮率1.7%)であった。
「実施例22」
混合物の比率をメタンスルホン酸リチウム:モノフルオロリン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=2:2:91:5に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例21と同様にして、実施例22のセパレータを得た。密着強度は0.8N/cmであり、寸法変化率は5.6%(MD方向熱収縮率が3.7%;TD方向熱収縮率1.5%)であった。実施例22のセパレータを用いて作製したリチウムイオン二次電池のサイクル特性も良好であった。
混合物の比率をメタンスルホン酸リチウム:モノフルオロリン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=2:2:91:5に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例21と同様にして、実施例22のセパレータを得た。密着強度は0.8N/cmであり、寸法変化率は5.6%(MD方向熱収縮率が3.7%;TD方向熱収縮率1.5%)であった。実施例22のセパレータを用いて作製したリチウムイオン二次電池のサイクル特性も良好であった。
「実施例23」
混合物の比率をメタンスルホン酸リチウム:モノフルオロリン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=1:3:91:5に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例21と同様にして、実施例23のセパレータを得た。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は6.8%(MD方向熱収縮率が3.8%;TD方向熱収縮率1.8%)であった。実施例23のセパレータを用いて作製したリチウムイオン二次電池のサイクル特性も良好であった。
実施例21~23のセパレータをリチウムイオン電池に組み込むことにより、電解液中に長期にわたりフルオロリン酸リチウムを徐放することが可能となる。これによりリチウムイオン電池のサイクル特性を長期的に維持することが可能となる。
混合物の比率をメタンスルホン酸リチウム:モノフルオロリン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=1:3:91:5に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例21と同様にして、実施例23のセパレータを得た。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は6.8%(MD方向熱収縮率が3.8%;TD方向熱収縮率1.8%)であった。実施例23のセパレータを用いて作製したリチウムイオン二次電池のサイクル特性も良好であった。
実施例21~23のセパレータをリチウムイオン電池に組み込むことにより、電解液中に長期にわたりフルオロリン酸リチウムを徐放することが可能となる。これによりリチウムイオン電池のサイクル特性を長期的に維持することが可能となる。
「比較例1、2」
セパレータとして、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を用いた。
セパレータとして、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を用いた。
「比較例3」
スラリー(C−1)に含まれるメタンスルホン酸リチウム粉末を硫酸リチウム粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のセパレータを得た。
比較例3のセパレータは、表層の厚みが2μmであった。
スラリー(C−1)に含まれるメタンスルホン酸リチウム粉末を硫酸リチウム粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のセパレータを得た。
比較例3のセパレータは、表層の厚みが2μmであった。
〔リチウム塩化合物の溶解度の測定〕
セパレータの表層を形成する際に使用した実施例20〜23のモノフルオロリン酸リチウム、比較例3の硫酸リチウムについて、上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、上述したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度と同様にして求めた。
その結果、モノフルオロリン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.009質量%であった。硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満であった。
セパレータの表層を形成する際に使用した実施例20〜23のモノフルオロリン酸リチウム、比較例3の硫酸リチウムについて、上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、上述したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度と同様にして求めた。
その結果、モノフルオロリン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.009質量%であった。硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満であった。
「リチウムイオン二次電池の製造」
このようにして得られた実施例1〜23、比較例1〜3のセパレータを用いて、以下に示す方法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
このようにして得られた実施例1〜23、比較例1〜3のセパレータを用いて、以下に示す方法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例1〜10、12〜17、比較例1、3、実施例19〜23〕
LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2;94質量%と、アセチレンブラック(導電剤);3質量%とを混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着材);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極を作製した。正極の集電体を除く部分(正極合剤層)の密度は3.6g/cm3であった。
LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2;94質量%と、アセチレンブラック(導電剤);3質量%とを混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着材);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極を作製した。正極の集電体を除く部分(正極合剤層)の密度は3.6g/cm3であった。
また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着材);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに切り抜き、負極を作製した。負極の集電体を除く部分(負極合剤層)の密度は1.5g/cm3であった。また、負極合剤層のX線回折測定を行った結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)との比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。
エチレンカーボネート(EC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジメチルカーボネート(DMC)を、体積比25:3:2:30:40で混合した非水溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1.1mol/Lとなるように溶解し、非水電解液とした。
そして、上記の正極と、上記の負極との間に、表層を正極と対向させて(比較例1については表層なし)セパレータを配置して積層し、ラミネートフィルムからなる外装材に収容した。その後、外装材に非水電解液を加えて封止し、実施例1〜10、12〜17、19〜23、比較例1、3のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例11〕
上記の正極と、上記の負極との間に、表層を負極と対向させてセパレータを配置して積層したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
上記の正極と、上記の負極との間に、表層を負極と対向させてセパレータを配置して積層したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例18〕
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例18のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例2〕
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例18のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例2〕
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
このようにして作成した実施例1〜23、比較例1〜3のリチウムイオン二次電池について、以下に示す方法により高温保存特性を評価した。その結果を表2に示す。また、表2に、各リチウムイオン二次電池について、セパレータの表層中のLi化合物、Li化合物塗布量、ポリオレフィン微多孔膜、表層と対向する電極、耐熱性粒子または耐熱性樹脂、電解質塩を示す。表3にはさらに表層中のLi塩化物A、表層中のLi塩化物B、Li塩化率(A:B)を示す。
〔高温保存特性の評価〕
<初期のインピーダンス測定>
25℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
<高温保存後のインピーダンス測定>
初期のインピーダンスを測定した後、60℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧4.2Vまで3時間充電し、その充電状態で2週間保存を行った。保存後に0.2Cの定電流下で放電終止電圧2.7Vまで放電した。その後、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
<初期のインピーダンス測定>
25℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
<高温保存後のインピーダンス測定>
初期のインピーダンスを測定した後、60℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧4.2Vまで3時間充電し、その充電状態で2週間保存を行った。保存後に0.2Cの定電流下で放電終止電圧2.7Vまで放電した。その後、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
このようにして測定した初期および高温保存後のインピーダンス測定の結果を用いて、下記の式により、高温保存によるインピーダンス増加率(%)を求めた。その結果を表2に示す。
インピーダンス増加率(%)=〔(高温保存後のインピーダンス−初期のインピーダンス)÷高温保存後のインピーダンス〕×100
インピーダンス増加率(%)=〔(高温保存後のインピーダンス−初期のインピーダンス)÷高温保存後のインピーダンス〕×100
表2に示すように、実施例1〜18、20〜23のリチウムイオン二次電池は、比較例1〜3のリチウムイオン二次電池と比較して、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さかった。
なお、実施例1〜18、20〜23において、セパレータの表層を形成する際に使用したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%である。実施例21〜23のセパレータの表層を形成する際に使用したモノフルオロリン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.009質量%である。よって、実施例1〜23において、セパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲内である。また、比較例3のセパレータの表層を形成する際に使用した硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満である。このことから、実施例1〜23のリチウムイオン二次電池における高温保存によるインピーダンスの増加率が低いという効果は、非水電解液中にセパレータの表層からリチウム塩(メタンスルホン酸リチウム)が徐放されたためであると推定される。
なお、実施例1〜18、20〜23において、セパレータの表層を形成する際に使用したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%である。実施例21〜23のセパレータの表層を形成する際に使用したモノフルオロリン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.009質量%である。よって、実施例1〜23において、セパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲内である。また、比較例3のセパレータの表層を形成する際に使用した硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満である。このことから、実施例1〜23のリチウムイオン二次電池における高温保存によるインピーダンスの増加率が低いという効果は、非水電解液中にセパレータの表層からリチウム塩(メタンスルホン酸リチウム)が徐放されたためであると推定される。
実施例1と、実施例4、6、7、10の結果から、セパレータが熱収縮緩和層を有することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例5、8、9の結果から、セパレータの表層が耐熱性樹脂または耐熱性粒子を含むことにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例5、8、9の結果から、セパレータの表層が耐熱性樹脂または耐熱性粒子を含むことにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例11の結果から、正極と負極との間に、表層を正極と対向させてセパレータを配置することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例18の結果から、LiPF6を含む非水電解液に更にLiPO2F2を添加することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例18の結果から、LiPF6を含む非水電解液に更にLiPO2F2を添加することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例20と、実施例21〜23の結果から、セパレータの表層が2種類のリチウム粉末を用いることにより、1種類のリチウム粉末を用いた場合よりも高温保存によるインピーダンスの増加が大きくなったが、表層中のLi塩比率を変更することでインピーダンスの増加が実施例20とほぼ同程度に小さくなることが分かった。
本発明のセパレータを有する蓄電デバイスは、高温充電保存前後の抵抗変化を抑制する効果に優れる。特に、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、バッテリー電気自動車等に搭載されるリチウム二次電池等の蓄電デバイスのセパレータとして、本発明のセパレータを用いることで、高温充電保存前後の抵抗変化を抑制できる。
1、10、11 セパレータ
2 基材
2a 一方の面
2b 他方の面
3 表層
4、5 熱収縮緩和層
6 第1塗布膜
7 第2塗布膜
30 第1ヘッド
31 第2ヘッド
2 基材
2a 一方の面
2b 他方の面
3 表層
4、5 熱収縮緩和層
6 第1塗布膜
7 第2塗布膜
30 第1ヘッド
31 第2ヘッド
本発明は、非水電解液を含有する蓄電デバイス用のセパレータおよび蓄電デバイスに関する。
本願は、2016年7月1日に、日本に出願された特願2016−131598号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2016年7月1日に、日本に出願された特願2016−131598号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来より、リチウム二次電池などの蓄電デバイスは、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器、電気自動車などにおける電力貯蔵用途に広く使用されている。近年では、蓄電デバイスの利用が拡大しており、蓄電デバイスの普及に伴い、様々な機能が蓄電デバイスに要求されている。例えば、携帯型電子機器や電気自動車などは、真夏の高温下や極寒の低温下等の広い温度範囲で使用される可能性がある。このため、蓄電デバイスには、広い温度範囲で良好な電気化学特性を有することが求められている。
また、地球温暖化を防止するために、CO2排出量を削減することが急務となっていることもあり、蓄電デバイスを搭載した環境対応車が特に注目を集めている。環境対応車の中でも、特に、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、バッテリー電気自動車(BEV)は、早期普及が求められている。これらの環境対応車に車載される蓄電デバイスには、駆動システムの動力源として出力性能が高く、長寿命であることが求められており、更なる性能改善が要求されている。
他方で、環境対応車に車載される蓄電デバイスにはより高い安全性が求められており、CID(Current Interrupt Device)機構を設けるなどの工夫がなされている。CID機構では、例えば、リチウムイオン電池の内部圧力が上昇したときに、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子やヒューズが作動し、これにより通電制御ないし電気的な接続が遮断される。
他方で、環境対応車に車載される蓄電デバイスにはより高い安全性が求められており、CID(Current Interrupt Device)機構を設けるなどの工夫がなされている。CID機構では、例えば、リチウムイオン電池の内部圧力が上昇したときに、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子やヒューズが作動し、これにより通電制御ないし電気的な接続が遮断される。
蓄電デバイスの中でも、例えばリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在するセパレータと、非水電解液とを有している。セパレータとしては、様々なものが提案され、例えばポリオレフィンを原料として製膜された多孔質膜を使用したものや、不織布を使用したものがある。
しかしながら、ポリオレフィン微多孔膜や不織布からなるセパレータでは、リチウムイオン二次電池の高容量化や高出力化などといった高機能化に十分に対応できない。このため近年では、ポリオレフィン微多孔膜や不織布を基材として、その上に無機粒子などを塗工して機能を付与したセパレータが提案され実用化されている。
特許文献1には、芳香族ポリアミドなどの耐熱性樹脂とアルミナなどの無機フィラーと有する膜厚25μm程度のセパレータが開示されている。特許文献1に記載のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池によれば、良好なレート特性を実現できる。
しかしながら、従来の蓄電デバイス用セパレータでは、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能の付与が困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より安全性の高いセパレータ、およびそれを用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より安全性の高いセパレータ、およびそれを用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。
その結果、蓄電デバイス用のセパレータとして、ポリオレフィン多孔膜上に、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層を有するものを用いればよいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様であるセパレータ及び蓄電デバイスは以下の構成を採用する。
その結果、蓄電デバイス用のセパレータとして、ポリオレフィン多孔膜上に、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層を有するものを用いればよいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様であるセパレータ及び蓄電デバイスは以下の構成を採用する。
(1)蓄電デバイス用のセパレータであって、
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有することを特徴とするセパレータ。
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有することを特徴とするセパレータ。
(2)前記表層は耐熱性粒子を含み、
前記基材に対する前記表層の密着強度が0.3N/cm以上であることを特徴とする(1)に記載のセパレータ。
表層の密着強度は、0.5N/cm以上が好ましく、0.7N/cm以上がより好ましく、1.0N/cmが更に好ましい。
耐熱性粒子としては、有機化合物や無機化合物を用いてもよい。
前記基材に対する前記表層の密着強度が0.3N/cm以上であることを特徴とする(1)に記載のセパレータ。
表層の密着強度は、0.5N/cm以上が好ましく、0.7N/cm以上がより好ましく、1.0N/cmが更に好ましい。
耐熱性粒子としては、有機化合物や無機化合物を用いてもよい。
(3)前記表層中に含まれる前記リチウム塩化合物の含有量が前記耐熱性粒子に対して10質量%以下であることを特徴とする(2)に記載のセパレータ。リチウム塩化合物の含有量は、9質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。
(4)前記耐熱性粒子が前記リチウム塩化合物を含む表面層を有することを特徴とする(2)または(3)に記載のセパレータ。
(5)150℃環境下で1時間静置したときのMD方向(流れ方向;機械方向ともいう)の寸法変化率に、150℃環境下で1時間静置したときのTD方向(MD方向と略垂直をなす方向)の寸法変化率を乗じた寸法変化率が10%以下であることを特徴とする(1)〜(4)に記載のセパレータ。寸法変化率は7%以下が好ましく、6%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。
(6)150℃環境下で1時間静置したときの前記MD方向の寸法変化率が5%以下であり、
150℃環境下で1時間静置したときの前記TD方向の寸法変化率が2%以下であることを特徴とする(5)に記載のセパレータ。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率及び150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、熱収縮率から算出されてもよい。熱収縮率は、セパレータが膨張することがあるため、絶対値を用いる。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値は、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下が更に好ましい。
150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の熱収縮率の絶対値は、1.8%以下が好ましく、1.7%以下がより好ましく、1.6%以下が更に好ましい。
150℃環境下で1時間静置したときの前記TD方向の寸法変化率が2%以下であることを特徴とする(5)に記載のセパレータ。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率及び150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、熱収縮率から算出されてもよい。熱収縮率は、セパレータが膨張することがあるため、絶対値を用いる。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値は、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下が更に好ましい。
150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の熱収縮率の絶対値は、1.8%以下が好ましく、1.7%以下がより好ましく、1.6%以下が更に好ましい。
(7)前記リチウム塩化合物が、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを含む溶液に対する25℃における溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のセパレータ。
上記の溶解度は、0.004質量%以上1.8質量%以下が好ましく、0.004質量%以上1.7質量%以下がより好ましく、0.005質量%以上1.7質量%以下がさらに好ましく、0.005質量%以上1.6質量%以下がより更に好ましい。
上記の溶解度は、0.004質量%以上1.8質量%以下が好ましく、0.004質量%以上1.7質量%以下がより好ましく、0.005質量%以上1.7質量%以下がさらに好ましく、0.005質量%以上1.6質量%以下がより更に好ましい。
(8)前記リチウム塩化合物の前記溶解度が、0.003質量%以上0.4質量%以下であることを特徴とする(7)に記載のセパレータ。
上記の溶解度は0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。
上記の溶解度は0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。
(9)前記リチウム塩化合物が、スルホン酸リチウム塩類及びカルボン酸リチウム塩類からなる群から選ばれることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のセパレータ。
前記リチウム塩化合物は、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムから選択される一種又は二種以上のリチウム塩化合物であることが好ましい。これらの中でも、メタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムがリチウム塩化合物として特に好ましい。
前記リチウム塩化合物は、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムから選択される一種又は二種以上のリチウム塩化合物であることが好ましい。これらの中でも、メタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム及び1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムがリチウム塩化合物として特に好ましい。
(10)前記リチウム塩化合物が、下記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物であることを特徴とする(1)〜(9)に記載のセパレータ。
(11)前記表層の厚みが、0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のセパレータ。
(12)前記表層中の前記リチウム塩化合物の含有量(塗布量)が、1m2当たり0.1g以上10g以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のセパレータ。
(13)前記表層が、耐熱性樹脂を更に含むことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のセパレータ。
(12)前記表層中の前記リチウム塩化合物の含有量(塗布量)が、1m2当たり0.1g以上10g以下であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のセパレータ。
(13)前記表層が、耐熱性樹脂を更に含むことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のセパレータ。
(14)前記基材の一方の面に前記表層が形成され、他方の面に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されていることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のセパレータ。
(15)前記基材と前記表層との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されていることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のセパレータ。
(16)前記基材が、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含み、圧縮弾性率が95MPa以上150MPa以下であり、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm〜0.30μmであることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載のセパレータ。
(15)前記基材と前記表層との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されていることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載のセパレータ。
(16)前記基材が、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含み、圧縮弾性率が95MPa以上150MPa以下であり、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm〜0.30μmであることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載のセパレータ。
(17)対向する電極間に介在する(1)〜(16)のいずれかに記載のセパレータと、少なくとも前記セパレータに含浸された非水電解液とを有することを特徴とする蓄電デバイス。
(18)前記非水電解液が、LiPF6を含み、更にLiPO2F2、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3およびFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むことを特徴とする(17)に記載の蓄電デバイス。
(18)前記非水電解液が、LiPF6を含み、更にLiPO2F2、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3およびFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むことを特徴とする(17)に記載の蓄電デバイス。
(19)蓄電デバイス用のセパレータであって、
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、下記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物を含む表層と、を有することを特徴とするセパレータ。
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、下記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物を含む表層と、を有することを特徴とするセパレータ。
本発明の蓄電デバイス用のセパレータは、ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有する。したがって、非水電解液を含浸させた本発明のセパレータを、対向する電極間に介在させた本発明の蓄電デバイスは、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能のいずれかを奏することができる。
本発明の一実施形態に係るセパレータは、蓄電デバイス用のセパレータであって、ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有する。
非水電解液を含浸させた本発明の一実施形態に係るセパレータを、対向する電極間に介在させた蓄電デバイスにおいて、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
非水電解液を含浸させた本発明の一実施形態に係るセパレータを、対向する電極間に介在させた蓄電デバイスにおいて、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
すなわち、このような蓄電デバイスでは、セパレータの表層に含まれるリチウム塩化合物が、非水電解液中にリチウム塩を徐放するためである。より詳細には、リチウム塩化合物から非水電解液中にリチウム塩が徐々に溶け出し、溶出した成分が電極上に析出し、リチウムイオン伝導性の高い安定な被膜を形成する。その結果、蓄電デバイスにおいて、高温保存によるインピーダンスの上昇が抑制されるものと推定される。
本発明の一実施形態において、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物とは、非水電解液中にリチウム塩を徐々に溶出しうるものである。リチウム塩化合物の非水電解液に対する溶解度が高すぎても低すぎても、非水電解液中にリチウム塩を徐放できない。
非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物としては、例えば、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶液に対する25℃での溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であるものが挙げられる。
上記溶解度が0.003質量%未満であるリチウム塩化合物は、非水電解液への溶解性が乏しい。このため、セパレータの表層に含まれていても、非水電解液中に溶出するリチウム塩が不足して、蓄電デバイスの電極上に被膜を形成する効果が小さい。よって、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が十分に得られない場合がある。
上記溶解度が0.003質量%未満であるリチウム塩化合物は、非水電解液への溶解性が乏しい。このため、セパレータの表層に含まれていても、非水電解液中に溶出するリチウム塩が不足して、蓄電デバイスの電極上に被膜を形成する効果が小さい。よって、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が十分に得られない場合がある。
以下、本発明の一実施形態に係るセパレータおよび蓄電デバイスを、例を挙げて詳細に説明する。
〔セパレータ〕
図1は、本実施形態のセパレータを説明するための断面模式図である。
図1に示すセパレータ1は、非水電解液を含有する蓄電デバイス用のものである。このセパレータ1は、シート状であり、ポリオレフィン微多孔膜からなる基材2と、基材2の一方の面2aに設けられた表層3とを有する。
〔セパレータ〕
図1は、本実施形態のセパレータを説明するための断面模式図である。
図1に示すセパレータ1は、非水電解液を含有する蓄電デバイス用のものである。このセパレータ1は、シート状であり、ポリオレフィン微多孔膜からなる基材2と、基材2の一方の面2aに設けられた表層3とを有する。
セパレータ1は、これを用いた蓄電デバイスにおいて、電極間を隔離して短絡を防止する。また、セパレータ1は、これを用いた蓄電デバイスにおいて、基材2の有する空孔内に非水電解液を保持し、電極間のリチウムイオン伝導の通路を形成する。また、本実施形態のセパレータ1は、基材2の融点に応じて決まる所定の温度域で、基材2中の微多孔が溶融して閉孔し、蓄電デバイス内での反応を停止させるシャットダウン機能を有する。したがって、本実施形態のセパレータ1は、蓄電デバイスの異常発熱を防止でき、蓄電デバイスの安全性確保に寄与する。
基材2は、厚み方向に優れた耐久性を有することが好ましい。具体的には、基材2の圧縮弾性率は、95MPa以上150MPa以下であることが好ましく、100MPa以上145MPa以下であることがより好ましく、105MPa以上130MPa以下であることが更に好ましい。基材2の圧縮弾性率が95MPa以上であると、蓄電デバイスの外部に膨張・収縮を抑制する拘束部材を設けたり、蓄電デバイスを圧縮したりする場合に、圧縮に対して優れた耐性を発揮するセパレータ1となる。つまり、蓄電デバイスが圧縮された場合でも、蓄電デバイスの特性を維持できるセパレータ1となる。また、圧縮弾性率が150MPa以下のポリオレフィン微多孔膜からなる基材2は、製造が容易であるため、好ましい。
基材2は、表裏両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm〜0.30μmであることが好ましく、0.05μm〜0.25μmであることがより好ましく、0.05〜0.23μmであることが更に好ましい。表裏両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))とは、基材2の表面の表面粗さ(Ra)と裏面の表面粗さ(Ra)とをそれぞれ測定し、その平均値を算出したものである。
上記の表面粗さの平均値(Ra(ave))が大きい基材2は、セパレータ1が厚み方向に圧縮された場合に、潰れやすいものとなる。上記の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.30μm以下であると、セパレータ1が厚み方向に圧縮されても潰れにくい基材2となる。また、上記の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))が0.01μm以上であるポリオレフィン微多孔膜からなる基材2は、製造が容易であるため好ましい。
基材2の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上である。また、基材2の厚みは、30μm以下、好ましくは28μm以下、より好ましくは26μm以下である。基材2の厚みが上記範囲であると、蓄電デバイスの電極間の短絡を防止できるとともに、基材2の厚みが大きくなり過ぎることによる抵抗増加を防ぐことができ、蓄電デバイスの抵抗変化に占めるセパレータ起因の割合を少なくできる。このため、基材2の厚みが上記範囲であると、本実施形態のセパレータ1を有する蓄電デバイスにおける高温保存によるインピーダンスの上昇抑制効果が高まるので好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上である。また、基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、90%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下である。前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率が上記範囲であると、本実施形態のセパレータ1を有する蓄電デバイスにおける電極間のリチウムイオン伝導が容易となり、高温保存によるインピーダンスの上昇抑制効果が高まるので好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の透気度(ガーレ)は、10sec/100ml〜600sec/100mlの範囲が好ましい。上記の透気度が、600sec/100ml以下であると、十分な透気度が確保できるため、蓄電デバイスの高温保存によるインピーダンスの上昇を効果的に抑制できる。また、上記の透気度が、10sec/100ml以上であると、十分な電気絶縁性を確保でき、微少短絡を防止できる。該透気度は、20sec/100ml以上が好ましく、30sec/100ml以上が更に好ましい。また、透気度は、500sec/100ml以下が好ましく、400sec/100ml以下がより好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、またはこれらポリオレフィン樹脂の混合物などが挙げられる。基材2の材料としては、ポリエチレン(PE)および/またはポリプロピレン(PP)を含むことが好ましく、特に、ポリプロピレンを含むことが好ましい。
基材2としてはPPもしくはPEで構成されたポリオレフィン微多孔膜を用いることも可能であるが、PP/PE/PPの三層構造を有するポリオレフィン微多孔膜を用いることもできる。
上記の三層構造を有する微多孔膜では、PE層が溶融してPP層に形成された微多孔を塞ぐこと(以降、熱閉塞という。シャットダウンともいう)ができるため、蓄電デバイスの安全性をより高めることができる。熱閉塞温度はPE層を構成するPE原料を調整することで制御することができる。
上記の三層構造を有する微多孔膜では、PE層が溶融してPP層に形成された微多孔を塞ぐこと(以降、熱閉塞という。シャットダウンともいう)ができるため、蓄電デバイスの安全性をより高めることができる。熱閉塞温度はPE層を構成するPE原料を調整することで制御することができる。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度は、110〜180℃とすることが好ましく、120〜140℃となるようにすることがより好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度(シャットダウン温度)が高すぎると、セパレータ1を用いた蓄電デバイスにおける内部短絡発生時の安全性が低下する。また、ポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度が低すぎると、セパレータ1を用いた蓄電デバイスの通常使用での温度領域で微多孔が溶融して無孔化し、蓄電デバイス内での反応が停止してしまう。このため、蓄電デバイスの特性および使用環境に合わせて、基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度を決定する。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜の熱閉塞温度(シャットダウン温度)を170℃以上とするには、ポリオレフィン微多孔膜として、150℃以上の融点を有する材料を用いることが好ましい。150℃以上の融点を有するポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)が挙げられる。また、熱閉塞温度を150℃以下とするには、ポリオレフィン微多孔膜として、110℃〜140℃の範囲に融点を有するポリエチレン(PE)を用いることが好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜は、単層フィルムであってもよいし、多層フィルムであってもよい。基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜は、単層フィルムであることが好ましい。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜が単層フィルムである場合、例えば、以下に示す乾式法もしくは湿式法により作製できる。いずれの製法であっても、微多孔質フィルムは、少なくとも一方向に延伸することが好ましく、一軸延伸もしくは二軸延伸することが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜としては、セパレータ1の高温での変形を抑制する観点から、乾式法を用いて一軸延伸で作製することが好ましい。
乾式法では、まず、ポリオレフィンレジンを融解し、フィルム状に押出してフィルムとする。次に、得られたフィルムをアニリーングし、低温で延伸することにより空孔の初期段階を形成する。その後、低温延伸したフィルムを、高温で延伸して微多孔を形成し、ポリオレフィン微多孔膜とする。
また、湿式法では、まず、炭化水素溶媒あるいは他の低分子量物質とポリオレフィンレジンとを混合し、加熱溶融したものをシート状に加工する。次に、得られたシートを、機械方向あるいは二軸方向に延伸する。その後、延伸したシートから、上記の炭化水素溶媒あるいは他の低分子量物質を揮発性溶媒で抽出する。このことによって微多孔を形成し、ポリオレフィン微多孔膜とする。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜が多層フィルムである場合、例えば、以下に示す方法により作製できる。
上記の方法により作製した単層フィルムからなる複数枚のポリオレフィン微多孔膜を加熱して貼り合わせる方法や、Tダイを用いた共押出法によって微多孔質フィルムを作製する時点で複数枚のポリオレフィン微多孔膜を張り合わせる方法等が挙げられる。
上記の方法により作製した単層フィルムからなる複数枚のポリオレフィン微多孔膜を加熱して貼り合わせる方法や、Tダイを用いた共押出法によって微多孔質フィルムを作製する時点で複数枚のポリオレフィン微多孔膜を張り合わせる方法等が挙げられる。
基材2を形成しているポリオレフィン微多孔膜が多層フィルムである場合、単層フィルムからなる融点の異なる複数枚のポリオレフィン微多孔膜を含むことにより、セパレータ1の耐熱性を調整できる。例えば、単層フィルムからなる150℃以上の融点を有するポリプロピレン(PP)微多孔膜と、単層フィルムからなる110℃〜140℃の範囲に融点を有するポリエチレン(PE)微多孔膜とを含む多層フィルムとすることができる。この場合、150℃の温度で、ポリエチレン(PE)微多孔膜の微多孔が溶融して無孔化しても、ポリプロピレン(PP)微多孔膜によってセパレータ1の形状を維持できる。ポリプロピレン(PP)微多孔膜とポリエチレン(PE)微多孔膜とからなる多層フィルムの好ましい例としては、ポリプロピレン微多孔膜/ポリエチレン微多孔膜/ポリプロピレン微多孔膜の順に積層された微多孔膜が挙げられる。
図1に示すように、基材2の一方の面2aに設けられた表層3は、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む。
表層3に含まれるリチウム塩化合物としては、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であることが好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は2質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
表層3に含まれるリチウム塩化合物としては、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であることが好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.003質量%以上が好ましく、0.004質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましい。上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は2質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度が0.003質量%以上2質量%以下であるリチウム塩化合物は、セパレータ1を用いた蓄電デバイスにおいて、非水電解液中にリチウム塩を徐放する。すなわち、上記の溶解度が0.003質量%以上であるので、非水電解液中に十分にリチウム塩化合物が溶出する。しかも、上記の溶解度が2質量%以下であるので、リチウム塩化合物から非水電解液中に溶出した成分が、長期間にわたって電解液中に放出される。したがって、リチウム塩が長期間で電解液中に放出されるため、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を長期間奏することが可能となる。
一方、リチウム塩化合物の溶解度が0.003質量%以下の場合、リチウム塩の徐放がなされない、もしくはほとんどなされず、この結果、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を奏することが難しくなる。
一方、リチウム塩化合物の溶解度が0.003質量%以下の場合、リチウム塩の徐放がなされない、もしくはほとんどなされず、この結果、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を奏することが難しくなる。
非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物としては、上記一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物、カルボン酸リチウム塩化合物が挙げられる。
特に、スルホン酸リチウム化合物としてメタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、カルボン酸リチウムとして1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが好ましい。
中でも、メタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが特に好ましい。
一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物において、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基、又は、炭素数が6〜12のアリール基を表す。上記Rを表すアルキル基およびアリール基は、置換基を有するものであってもよい。
一般式(I)におけるRは、炭素数が1〜4のアルキル基、又は、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基、又は、炭素数が6〜8のアリール基がより好ましい。中でも特に炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。
特に、スルホン酸リチウム化合物としてメタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、カルボン酸リチウムとして1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが好ましい。
中でも、メタンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−カルボン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムが特に好ましい。
一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物において、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基、又は、炭素数が6〜12のアリール基を表す。上記Rを表すアルキル基およびアリール基は、置換基を有するものであってもよい。
一般式(I)におけるRは、炭素数が1〜4のアルキル基、又は、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基、又は、炭素数が6〜8のアリール基がより好ましい。中でも特に炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。
一般式(I)で表されるスルホン酸リチウム塩化合物の具体例としては、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、プロパン−1−スルホン酸リチウム、プロパン−2−スルホン酸リチウム、ブタン−1−スルホン酸リチウム、ブタン−2−スルホン酸リチウム、2−メチルプロパン−1−スルホン酸リチウム、2−メチルプロパン−2−スルホン酸リチウム、ペンタン−1−スルホン酸リチウム、3−メチルブタン−1−スルホン酸リチウム、2−メチルブタン−1−スルホン酸リチウム、ペンタン−2−スルホン酸リチウム、3−メチルブタン−2−スルホン酸リチウム、ペンタン−3−スルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸リチウム、2−メチルベンゼンスルホン酸リチウム、3−メチルベンゼンスルホン酸リチウム、4−メチルベンゼンスルホン酸リチウム、4−エチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,3−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2,6−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、3,4−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、3,5−ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、2−シクロヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、3−シクロヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、4−シクロヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−2−スルホン酸リチウム、1,1’−ビフェニリル−3−スルホン酸リチウム、又は1,1’−ビフェニリル−4−スルホン酸リチウム、1,2−エタンジスルホン酸リチウム等が好適に挙げられる。これらの中でも、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、プロパン−1−スルホン酸リチウム、プロパン−2−スルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸リチウム、又は4−メチルベンゼンスルホン酸リチウムが好ましく、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、プロパン−1−スルホン酸リチウム、又は1,2−エタンジスルホン酸リチウムが特に好ましい。
スルホン酸リチウム塩化合物によって蓄電デバイスの内部抵抗の上昇を長期にわたり低減することができる。また、カルボン酸リチウム塩化合物によって蓄電デバイスの過充電を防止することができ、安全性を高めることが可能となる。
リチウム塩化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩化合物は、上記のリチウム塩化合物の中でも、メタンスルホン酸リチウムを含むことが好ましい。
電解液への溶解度の観点から、リチウム塩化合物としては結合するリチウムイオンの価数が2価以下のものが好ましく、1価であることがより好ましい。リチウムイオンの価数が3価以上のリチウム塩化合物ではリチウム塩化合物が電解液に対して極端に溶けにくくなりすぎ、このために蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、といった機能を奏することができなくなる。3価のリチウム塩化合物として、例えばリン酸三リチウムは、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを含む電解液(温度条件:25℃)に対する溶解度が25ppm以下である。そのため、リン酸三リチウムは、電解液に対してほとんど溶けず、このために上記の機能を奏することはない。これに対し、同様の電解液に対するメタンスルホン酸リチウムの溶解度は略80ppm、リチウム塩化合物が電解液内に徐放され、上記機能の緩効的な発現が可能となる。
電解液への溶解度の観点から、リチウム塩化合物としては結合するリチウムイオンの価数が2価以下のものが好ましく、1価であることがより好ましい。リチウムイオンの価数が3価以上のリチウム塩化合物ではリチウム塩化合物が電解液に対して極端に溶けにくくなりすぎ、このために蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、といった機能を奏することができなくなる。3価のリチウム塩化合物として、例えばリン酸三リチウムは、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを含む電解液(温度条件:25℃)に対する溶解度が25ppm以下である。そのため、リン酸三リチウムは、電解液に対してほとんど溶けず、このために上記の機能を奏することはない。これに対し、同様の電解液に対するメタンスルホン酸リチウムの溶解度は略80ppm、リチウム塩化合物が電解液内に徐放され、上記機能の緩効的な発現が可能となる。
表層3中のリチウム塩化合物の含有量(塗布量)は、1m2当たり0.1g以上であることが好ましい。この場合、セパレータ1を用いた蓄電デバイスにおける高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果がより高まるので好ましい。表層3中のリチウム塩化合物の含有量は、1m2当たり10g以下であることが好ましい。この場合、表層3中のリチウム塩化合物の含有量が過度に多くなって、表層3の形状保持性が低下する懸念がなく好ましい。表層3中のリチウム塩化合物の含有量の下限は、1m2当たり0.5g以上がより好ましく、1m2当たり2g以上が更に好ましい。表層3中のリチウム塩化合物の含有量の上限は、1m2当たり8g以下がより好ましく、1m2当たり5g以下が更に好ましい。
表層3は、高温での充電保存中などにセパレータ1が熱収縮することを防ぐため、耐熱性樹脂を更に含むことが好ましい。
耐熱性樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂が好ましい。
耐熱性樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
耐熱性樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素原子含有樹脂が好ましい。
耐熱性樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
耐熱性樹脂として用いるポリアミドとしては、耐久性の観点から全芳香族ポリアミド(アラミド)が好ましく、パラ型又はメタ型の全芳香族ポリアミドがより好ましい。具体的には、パラ型のアラミドとして、汎用性や機械的物性等の観点から、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドが更に好ましい。メタ型のアラミドとして、耐酸化還元性に優れるという観点から、ポリメタフェニレンイソフタルアミドが更に好ましい。
耐熱性樹脂として用いるフッ素原子含有樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、又はフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体が更に好ましい。
表層3は、高温での充電保存中などにセパレータ1が熱収縮することを防ぐため、耐熱性粒子を更に含むことが好ましい。
耐熱性粒子としては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)もしくはBaTiO3等の酸化物、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)等の水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)がより好ましい。特に、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、ベーマイト(Al2O3・3H2O)又はLi4Ti5O12が最も好ましい。
耐熱性粒子は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
耐熱性粒子としては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)もしくはBaTiO3等の酸化物、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)等の水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、ジルコニア(ZrO2)、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)がより好ましい。特に、アルミナ(Al2O3)、Li4Ti5O12、BaTiO3、又はベーマイト(Al2O3・3H2O)が好ましく、ベーマイト(Al2O3・3H2O)又はLi4Ti5O12が最も好ましい。
耐熱性粒子は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
表層3が耐熱性粒子を更に含む場合、耐熱性粒子がリチウム塩化合物を含む表面層を有していることが好ましい。表層3がリチウム塩化合物を含む表面層を有している耐熱性粒子を含む場合、このセパレータ1を有する蓄電デバイスでは、非水電解液中にリチウム塩が溶出しやすく、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が容易に形成されるとともに、セパレータ1の熱収縮が効果的に抑制される。このため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。
リチウム塩化合物を含む表面層を有している耐熱性粒子は、例えば、以下に示す方法により作製できる。まず、リチウム塩化合物を水に溶解および/または分散させ、リチウム塩化合物溶液とする。次に、リチウム塩化合物溶液に耐熱性粒子を混合し、分散させ、混合溶液とする。その後、混合溶液を蒸発乾固させたり、スプレードライ法を用いたりして、混合溶液中の水を除去する。以上の工程により、リチウム塩化合物によって表面が薄膜状に被覆されている耐熱性粒子が得られる。
表層3が、リチウム塩化合物と耐熱性粒子とを含む場合、表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量は、耐熱性粒子に対して10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下が更に好ましく、7質量%以下がより更に好ましい。リチウム塩化合物の含有量が多すぎた場合、基板2と表層3との間の密着強度に影響を及ぼす(密着強度が低下する)可能性があるため、上記の含有量とすることが望ましい。
また、表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量は、耐熱性粒子に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることが更に好ましい。このような含有量とすることで、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を十分に発現させることができる。表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量が、耐熱性粒子に対して10質量%であると、リチウム塩化合物および耐熱性粒子を十分に含む表層3を有するセパレータ1となる。このセパレータ1を有する蓄電デバイスでは、非水電解液中に十分にリチウム塩化合物が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ1の熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。
また、表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量は、耐熱性粒子に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることが更に好ましい。このような含有量とすることで、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの機能を十分に発現させることができる。表層3中に含まれるリチウム塩化合物の含有量が、耐熱性粒子に対して10質量%であると、リチウム塩化合物および耐熱性粒子を十分に含む表層3を有するセパレータ1となる。このセパレータ1を有する蓄電デバイスでは、非水電解液中に十分にリチウム塩化合物が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ1の熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。
表層3の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.5μm以上である。また、表層3の厚みは、10μm以下、好ましくは8μm以下、より好ましくは6μm以下である。表層3の厚みが上記範囲にあると、蓄電デバイスにおける内部抵抗の上昇を長期的に抑制する、蓄電デバイスのサイクル特性を長期的に維持する、蓄電デバイスの安全性をより高める、などの効果を発現させることができる。表層3を厚くしすぎるとセパレータ全体が厚くなってしまうため蓄電デバイスの容量が比較的小さくなってしまい、また表層3を薄くしすぎると、リチウム塩化合物量が効果発現に十分な量とならないため、好ましくない。
表層3は、必要に応じて、表層3の形状を保持するために、結着材を含有していてもよい。結着材の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのスチレンとブタジエンとの共重合体(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、又はエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンとの共重合体(SBR)、又はカルボキシメチルセルロース(CMC)が更に好ましい。
リチウム塩化合物は、表層3中に均一に分散させてもよいが、局所的に偏在させてもよい。リチウム塩化合物を偏在させる場合は、表層3に耐熱性粒子を含有させ、この耐熱性粒子の周囲にリチウム塩化合物を偏在させるとよい。
表層3は、基板2に対する表層3の密着強度が0.3N/cm以上であることが好ましい。基板2に対する表層3の密着強度が0.3N/cm以上であると、耐熱性粒子が脱離することを低減することができる。このため、密着強度は基本的にはより高い方が好ましいが、高すぎるとセパレータ全体が硬くなりすぎて柔軟性が失われる傾向があるため、ある程度の密着強度とすることが望ましい。基板2に対する表層3の密着強度は、0.5N/cm以上がより好ましく、0.7N/cm以上が更に好ましく、1.0N/cm以上がより更に好ましい。基板2に対する表層3の密着強度は、20N/cm以下が好ましく、15N/cm以下がより好ましい。
基板2に対する表層3の密着強度は、例えばピール試験により測定することができる。ピール試験については後に詳しく記載するが、ピール試験では基板と表層との密着性を評価し、密着強度を基板からの表層の脱落のしにくさの指標とすることができる。基板に対する表層の密着強度が高いことで電池製造時に耐熱性粒子やリチウム塩化合物の脱落が低減でき、より安全性の高い蓄電デバイスの製造が可能となる。
基板2上に表層3が設けられたセパレータ1の形状安定性については、150℃環境下で1時間静置したときのMD方向(流れ方向)の寸法変化率とTD方向(直角方向)の寸法変化率とを乗じた寸法変化率が10%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましい。このセパレータ全体の寸法変化率は3%以下が更に好ましく、2%以下がより更に好ましい。
セパレータ1の寸法変化率が10%以下であることにより、例えば150℃といった高温でも形状を安定して維持することができるため、短絡などが発生する危険性をより低くすることができる。
セパレータ1の寸法変化率が10%以下であることにより、例えば150℃といった高温でも形状を安定して維持することができるため、短絡などが発生する危険性をより低くすることができる。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率は、好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、更に好ましくは3%以下、より更に好ましくは2%以下である。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率が上記範囲にあると、MD方向の形状安定性を高めることができ、例えばMD方向の収縮による短絡が発生する危険性を低減することができる。
150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1.0%以下であり、より更に好ましくは0.5%以下である。150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率が上記範囲にあると、TD方向の形状安定性を顕著に高めることができ、例えばTD方向の収縮による短絡が発生する危険性を著しく低減することができる。
150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率及び150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率は、熱収縮率から算出されてもよい。熱収縮率は、セパレータが膨張することがあるため、絶対値を用いる。例えば、セパレータ1の寸法変化率は、150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値と150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の熱収縮率の絶対値とを乗ずることにより測定されてもよい。150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の熱収縮率の絶対値は、4%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下が更に好ましい。150℃におけるTD方向の熱収縮率の絶対値は1.5%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。
表層3は、例えば、以下に示す方法により形成できる。
まず、上記のリチウム塩化合物を、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒や水などの溶媒に、分散及び溶解させて、リチウム塩化合物含有スラリーとする。リチウム塩化合物含有スラリーは、リチウム塩化合物と溶媒の他に、必要に応じて耐熱性樹脂、耐熱性粒子、結着材から選ばれる1種以上を含むものであってもよい。
次に、リチウム塩化合物含有スラリーを、例えば、卓上コータ、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、及びダイコーターなど公知の塗工装置を用いて、基材2の一方の面2aに塗布し、乾燥させる。以上の工程により、表層3が形成される。
まず、上記のリチウム塩化合物を、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒や水などの溶媒に、分散及び溶解させて、リチウム塩化合物含有スラリーとする。リチウム塩化合物含有スラリーは、リチウム塩化合物と溶媒の他に、必要に応じて耐熱性樹脂、耐熱性粒子、結着材から選ばれる1種以上を含むものであってもよい。
次に、リチウム塩化合物含有スラリーを、例えば、卓上コータ、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、及びダイコーターなど公知の塗工装置を用いて、基材2の一方の面2aに塗布し、乾燥させる。以上の工程により、表層3が形成される。
本実施形態では、図1に示すように、基材2の一方の面2aに表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、基材2の両面に表層3が設けられているものであってもよい。
このようなセパレータは、例えば、上述した方法により、基材2の一方の面2aに表層3が設けられているセパレータ1を形成した後、上述した表層3を設ける方法と同様にして、基材2の他方の面に表層3を設ける方法により形成できる。また、例えば、上述した方法と同様にして、上記のリチウム塩化合物含有スラリーを作成し、リチウム塩化合物含有スラリー中に基材2を浸漬した後、余分なリチウム塩化合物含有スラリーを除去する方法により形成してもよい。
このようなセパレータは、例えば、上述した方法により、基材2の一方の面2aに表層3が設けられているセパレータ1を形成した後、上述した表層3を設ける方法と同様にして、基材2の他方の面に表層3を設ける方法により形成できる。また、例えば、上述した方法と同様にして、上記のリチウム塩化合物含有スラリーを作成し、リチウム塩化合物含有スラリー中に基材2を浸漬した後、余分なリチウム塩化合物含有スラリーを除去する方法により形成してもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、基材2の一方の面2aに接して表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、図2に示すように、基材2と表層3との間に熱収縮緩和層4を有していてもよい。
図2は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図2に示す熱収縮緩和層4は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層4は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図2は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図2に示す熱収縮緩和層4は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層4は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図2に示すセパレータ10を有する蓄電デバイスでは、セパレータ10が表層3を有することによって電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ10の熱収縮緩和層4によってセパレータ10の熱収縮が効果的に抑制され、好ましい。
また、本実施形態では、図1に示すように、基材2の一方の面2aに接して表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、図3に示すように、基材2の他方の面2bに、熱収縮緩和層5を有していてもよい。
図3は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図3に示す熱収縮緩和層5は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層5は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図3は、本実施形態のセパレータの他の例を説明するための断面模式図である。図3に示す熱収縮緩和層5は、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む。耐熱性粒子および耐熱性樹脂としては、それぞれ、上述した表層3に含有する場合と同じものを用いることができる。熱収縮緩和層5は、形状を保持するために、必要に応じて、上述した表層3に含有する場合と同じ結着材を含有していてもよい。
図3に示すセパレータ11を有する蓄電デバイスでは、セパレータ11が表層3を有することによって電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータ11の熱収縮緩和層5によってセパレータ11の熱収縮が効果的に抑制され、好ましい。
本実施形態では、基材2の一方の面2aに接して表層3が設けられているセパレータ1を例に挙げて説明したが、本実施形態のセパレータは、表層3が第1塗布膜6と第2塗布膜7とを有していてもよい。第1塗布膜6は、基材2の少なくとも一方の面2aに形成し、第2塗布膜7は、第1塗布膜6の表面に形成することが好ましい。第1塗布膜及び第2塗布膜は、上述した表層3に含有するものと同じものを用いることができるが、第2塗布膜7のリチウム塩化合物は、ビフェニル基含有リチウム塩を含むことが好ましい。第2塗布膜7にビフェニル基含有リチウム塩を含む場合、すなわち、ビフェニル基含有リチウム塩を表層3の表面側に偏析させた場合、電解液中により早くビフェニル基含有リチウム塩が溶け出してガスを発生させることが可能となる。これによりリチウムイオン電池に備えられたCID機構を迅速に作動させることが可能となり、安全性をより高めることが可能となる。
図4は、本実施形態のセパレータの他の例を作製するための概略説明図である。図4に示す表層3の作製方法では、第1ヘッド30により基材2の少なくとも一方の面2aに第1塗布膜6を形成し、第2ヘッド31により第1塗布膜6の表面に第2塗布膜7を形成する逐次塗工によって、第1塗布膜6と第2塗布膜7とを有する表層3を形成する。第1ヘッド30と第2ヘッド31との距離は第1塗布膜6及び第2塗布膜7の乾燥工程の条件により適宜定めることが好ましい。また第1塗布膜6及び第2塗布膜7は一括して形成してもよい。
なお、本実施形態の形成方法では、第1塗布膜6を形成する前に、リチウム塩化合物を含まない第3塗布膜を形成しても良い。この場合、第3ヘッドにより基材2の少なくとも一方の面2aに第3塗布膜を形成した後、第1ヘッド30及び第2ヘッド31により第1塗布膜6及び第2塗布膜7を形成する。第3塗布膜としては、上述した熱収縮緩和層4に含有するものと同じものを用いることができる。
なお、本実施形態の形成方法では、第1塗布膜6を形成する前に、リチウム塩化合物を含まない第3塗布膜を形成しても良い。この場合、第3ヘッドにより基材2の少なくとも一方の面2aに第3塗布膜を形成した後、第1ヘッド30及び第2ヘッド31により第1塗布膜6及び第2塗布膜7を形成する。第3塗布膜としては、上述した熱収縮緩和層4に含有するものと同じものを用いることができる。
図4に示す塗工態様は一例であるが、リチウム塩化合物を混合した表層を基材上に設けるとき、リチウム塩化合物を表層に均一に分散させる、耐熱性フィラーの周囲に偏在させる、あるいは表層のうち基材側ではなく外側に偏在させたりすることで、基材に対する表層の密着強度を比較的強く保つことができ、粉落ちなどの問題が発生することを回避することができる。また、リチウム塩化合物を添加してもバインダ(結着材)の接着作用を阻害することはなく、150℃におけるセパレータの寸法変化率を10%以下、好ましくは7%以下に抑えることが可能となる。
本実施形態のセパレータの好適な具体例として、以下に示す(A)〜(G)のものが挙げられる。なお、本発明の一実施形態に係るセパレータは、基材の少なくとも一方の面に、表層を有するものであればよく、以下に示す(A)〜(G)のものに限定されない。
(A)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物のみからなる表層3を有するもの。
(B)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と結着材とからなる表層3を有するもの。
(C)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と耐熱性粒子と結着材とからなる表層3を有するもの。
(B)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と結着材とからなる表層3を有するもの。
(C)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と耐熱性粒子と結着材とからなる表層3を有するもの。
(D)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表面層を有する耐熱性粒子と結着材とからなる表層3を有するもの。
(E)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と、耐熱性樹脂とからなる表層3を有するもの。
(E)基材2の少なくとも一方の面2aに、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物と、耐熱性樹脂とからなる表層3を有するもの。
(F)基材2の一方の面2aに上記(A)〜(D)の表層3が形成され、他方の面に耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されているもの。
(G)基材2の一方の面2aと上記(A)〜(D)の表層3との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されているもの。
(G)基材2の一方の面2aと上記(A)〜(D)の表層3との間に、耐熱性粒子および/または耐熱性樹脂を含む熱収縮緩和層が形成されているもの。
上記の(A)〜(G)の中でも、(C)〜(G)が好ましく、(C)または(D)が更に好ましい。
(C)〜(G)のセパレータを有する蓄電デバイスでは、非水電解液中にリチウム塩が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータの熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。特に、(C)または(D)セパレータを有する蓄電デバイスでは、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が顕著である。
(C)〜(G)のセパレータを有する蓄電デバイスでは、非水電解液中にリチウム塩が溶出し、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜が形成されるとともに、セパレータの熱収縮が効果的に抑制されるため、高温保存によるインピーダンスの上昇がより効果的に抑制される。特に、(C)または(D)セパレータを有する蓄電デバイスでは、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が顕著である。
本実施形態のセパレータ1は、蓄電デバイス用のものであり、ポリオレフィン多孔膜からなる基材2と、基材2の少なくとも一方の面2aに設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層3とを有する。したがって、本実施形態のセパレータ1を有する蓄電デバイスは、高温保存によるインピーダンスの上昇が十分に抑制されたものとなる。
〔蓄電デバイス〕
本実施形態の蓄電デバイスは、対向する電極間に介在する上述したいずれかのセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。非水電解液は、液体状であってもよいし、ゲル化されたものであってもよい。
本実施形態の蓄電デバイスとしては、例えば、下記の第1〜第4の蓄電デバイスが挙げられる。第1〜第4の蓄電デバイスの中でも、非水電解液中の電解質塩としてリチウム塩を使用する第1の蓄電デバイス(リチウム電池)又は第4の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)が好ましく、第1の蓄電デバイスがより好ましい。第1の蓄電デバイスは、リチウム二次電池用であることが更に好ましい。
本実施形態の蓄電デバイスは、対向する電極間に介在する上述したいずれかのセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。非水電解液は、液体状であってもよいし、ゲル化されたものであってもよい。
本実施形態の蓄電デバイスとしては、例えば、下記の第1〜第4の蓄電デバイスが挙げられる。第1〜第4の蓄電デバイスの中でも、非水電解液中の電解質塩としてリチウム塩を使用する第1の蓄電デバイス(リチウム電池)又は第4の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)が好ましく、第1の蓄電デバイスがより好ましい。第1の蓄電デバイスは、リチウム二次電池用であることが更に好ましい。
〔第1の蓄電デバイス(リチウム電池)〕
第1の蓄電デバイスは、リチウム電池である。本明細書においてリチウム電池とは、リチウム一次電池及びリチウム二次電池の総称である。また、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
本実施形態のリチウム電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する上述したいずれかセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。
第1の蓄電デバイスは、リチウム電池である。本明細書においてリチウム電池とは、リチウム一次電池及びリチウム二次電池の総称である。また、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
本実施形態のリチウム電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する上述したいずれかセパレータと、少なくともセパレータに含浸された非水電解液とを有する。
本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。セパレータとして、基材の一方の面にのみリチウム塩化合物を含む表層が設けられているものを用いる場合、表層は、正極および負極のどちらと対向して配置されていてもよい。基材の一方の面にのみ表層が設けられているセパレータを用いる場合、正極近傍のリチウム塩化合物濃度が高い方が、より早い段階から被膜形成に寄与し、高温保存によるインピーダンスの上昇がより一層抑制されたものとなるので、表層が、正極と対向して配置されていることが好ましい。
本実施形態のリチウム電池のセパレータには、後述する非水電解液が含浸されている。
本実施形態のリチウム電池のセパレータには、後述する非水電解液が含浸されている。
本実施形態のリチウム電池では、正極、負極及び非水電解液等のセパレータ以外の部材は、特に制限なく使用できる。
〔正極〕
正極は、集電体と、集電体上に形成した正極合剤層とからなる。正極合剤層は、正極活物質と導電剤と結着材とを含む。
正極の集電体としては、例えば、アルミニウム箔やステンレス製のラス板等を用いることができる。
〔正極〕
正極は、集電体と、集電体上に形成した正極合剤層とからなる。正極合剤層は、正極活物質と導電剤と結着材とを含む。
正極の集電体としては、例えば、アルミニウム箔やステンレス製のラス板等を用いることができる。
正極活物質としては、リチウム含有複合金属酸化物およびリチウム含有オリビン型リン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる一種又は二種以上とリチウムとの複合金属酸化物が使用される。このようなリチウム含有複合金属酸化物は、正極活物質として一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる一種又は二種以上とリチウムとの複合金属酸化物が使用される。このようなリチウム含有複合金属酸化物は、正極活物質として一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiCo1−xMxO2(但し、Mは、Sn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、及びCuからなる群より選ばれる1種又は2種以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、Li2MnO3とLiMO2(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体、及びLiNi0.5Mn1.5O4からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。上記のリチウム含有複合金属酸化物は、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように2種以上用いてもよい。
リチウム含有オリビン型リン酸塩としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びマンガンからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むものが好ましい。具体例としては、LiFePO4、LiCoPO4、LiNiPO4、及びLiMnPO4からなる群より選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。これらの中でも、LiFePO4又はLiMnPO4が好ましい。
上記のリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は、他元素で置換してもよい。具体的には、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、又はマンガンの一部を、Co、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W、及びZr等からなる群より選ばれる一種又は二種以上の元素で置換してもよい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩としては、上記の置換してもよい元素を含有する化合物や炭素材料で被覆したものを用いてもよい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば、上記のリチウム含有複合金属酸化物と混合して用いることもできる。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩としては、上記の置換してもよい元素を含有する化合物や炭素材料で被覆したものを用いてもよい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば、上記のリチウム含有複合金属酸化物と混合して用いることもできる。
正極の導電剤は、化学変化を起こさない電子伝導材料であればよく特に制限はない。例えば、正極に用いる導電剤としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、及びサーマルブラックからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカーボンブラック等が挙げられ、グラファイトとカーボンブラックを適宜混合して用いてもよい。
正極合剤層中の導電剤の含有量は、1〜10質量%が好ましく、特に2〜5質量%が好ましい。
正極合剤層中の導電剤の含有量は、1〜10質量%が好ましく、特に2〜5質量%が好ましい。
結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレンプロピレンジエンターポリマー等が挙げられる。
正極合剤層(正極の集電体を除く部分)の密度は、通常は1.5g/cm3以上である。正極合剤層の密度は、リチウム電池の容量をさらに高めるため、好ましくは2g/cm3以上であり、より好ましくは、3g/cm3以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm3以上である。なお、正極合剤層の密度は、4g/cm3以下が好ましい。
正極は、例えば、以下に示す方法により作製できる。すなわち、正極活物質と導電剤と結着材とを混合し、1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤とする。その後、正極合剤を集電体上に塗布して、乾燥、加圧成型し、50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理することにより、正極合剤層を形成する。
以上の工程により正極が得られる。
以上の工程により正極が得られる。
〔負極〕
負極は、集電体と、集電体上に形成した負極合剤層とからなる。負極合剤層は、負極活物質と導電剤と結着材とを含む。
導電剤、結着材としては、上記の正極に用いる場合と同じものを用いることができる。
負極の集電体としては、例えば、銅箔等を用いることができる。
負極は、集電体と、集電体上に形成した負極合剤層とからなる。負極合剤層は、負極活物質と導電剤と結着材とを含む。
導電剤、結着材としては、上記の正極に用いる場合と同じものを用いることができる。
負極の集電体としては、例えば、銅箔等を用いることができる。
負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料〔易黒鉛化炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化炭素、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛等〕、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、又はLi4Ti5O12等のチタン酸リチウム化合物等を一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することが好ましく、(002)面の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。
特に、複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合又は結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、鱗片状天然黒鉛を球形化処理した粒子を用いることが好ましい。
特に、複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合又は結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、鱗片状天然黒鉛を球形化処理した粒子を用いることが好ましい。
負極は、負極合剤層(負極の集電体を除く部分)の密度が1.5g/cm3以上となるように加圧成形したときの負極合剤層のX線回折測定から得られる、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)との比I(110)/I(004)が、0.01以上であることが好ましい。上記ピーク強度の比I(110)/I(004)は、0.05以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下すると、リチウム電池の放電容量が低下する場合がある。したがって、上記ピーク強度の比I(110)/I(004)は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
負極活物質としてのリチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物としては、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Al、Ga、In、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Mg、Sr、又はBa等の金属元素を少なくとも一種含有する化合物が挙げられる。これらの金属化合物は、単体、合金、酸化物、窒化物、硫化物、硼化物、又はリチウムとの合金等、何れの形態で用いてもよいが、単体、合金、酸化物、リチウムとの合金の何れかが高容量化できるので好ましい。中でも、Si、Ge、及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含有する金属化合物が好ましく、Si及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含む金属化合物がより好ましい。これらの金属化合物を用いることにより、リチウム電池を高容量化できる。
負極合剤層(負極の集電体を除く部分)の密度は、通常は1.1g/cm3以上である。負極合剤層の密度は、リチウム電池の容量をさらに高めるため、好ましくは1.5g/cm3以上であり、より好ましくは1.7g/cm3以上である。なお、負極合剤層の密度は、2g/cm3以下が好ましい。
負極は、例えば、以下に示す方法により作製できる。すなわち、負極活物質と導電剤と結着材とを混合し、1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して負極合剤とする。その後、負極合剤を集電体上に塗布して、乾燥、加圧成型し、50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理し、負極合剤層を形成する。以上の工程により負極が得られる。
〔非水電解液〕
非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解されている電解質塩とからなる。非水電解液は、従来公知の方法により、非水溶媒に電解質塩を溶解することにより得られる。
非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解されている電解質塩とからなる。非水電解液は、従来公知の方法により、非水溶媒に電解質塩を溶解することにより得られる。
〔非水溶媒〕
非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル、又はアミド等が挙げられる。これらの中でも、広い温度範囲で電気化学特性が相乗的に向上するため、非水溶媒として、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることが更に好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることが最も好ましい。
なお、本明細書において「鎖状エステル」なる用語は、鎖状カーボネート及び鎖状カルボン酸エステルを含む概念として用いる。
非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル、又はアミド等が挙げられる。これらの中でも、広い温度範囲で電気化学特性が相乗的に向上するため、非水溶媒として、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることが更に好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることが最も好ましい。
なお、本明細書において「鎖状エステル」なる用語は、鎖状カーボネート及び鎖状カルボン酸エステルを含む概念として用いる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、トランスもしくはシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、又は4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(EEC)等が挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、又は4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(EEC)が更に好ましい。
非水溶媒として、ビニレンカーボネート(VC)等の炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネート、又は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)等のフッ素原子を有する環状カーボネートを使用すると、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果がより高まるので好ましい。
炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネートとしては、VC、VEC、又はEECが好ましく、VCがより好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネートとしては、FEC又はDFECが好ましい。
非水溶媒として、炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートの両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネートとしては、VC、VEC、又はEECが好ましく、VCがより好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネートとしては、FEC又はDFECが好ましい。
非水溶媒として、炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートの両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
炭素−炭素多重結合を有する環状カーボネートおよび/またはフッ素原子を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは0.07体積%以上、より好ましくは0.2体積%以上、更に好ましくは0.7体積%以上である。また、その上限は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは7体積%以下、より好ましくは4体積%以下、更に好ましくは2.5体積%以下である。
鎖状エステルとしては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MIPC)、メチルブチルカーボネート、もしくはエチルプロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、もしくはジブチルカーボネート等の対称鎖状カーボネート、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、もしくはピバリン酸プロピル等のピバリン酸エステル、又はプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、もしくは酢酸プロピル等の鎖状カルボン酸エステルが好適に挙げられる。
これらの鎖状エステルの中でも、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸メチル、又は酢酸エチル等のメチル基を有する鎖状エステルが好ましく、特にメチル基を有する鎖状カーボネートが好ましい。
非水溶媒として、鎖状カーボネートを用いる場合には、二種以上を用いることが好ましい。さらに、非水溶媒として、対称鎖状カーボネートと非対称鎖状カーボネートの両方を含むことがより好ましく、対称鎖状カーボネートの含有量が非対称鎖状カーボネートより多く含まれると更に好ましい。
特に、対称鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネートが含まれることが好ましい。非対称鎖状カーボネートとして、メチル基を有するものを含むことが好ましく、メチルエチルカーボネートを含むことが特に好ましい。非水溶媒として、ジメチルカーボネート(DMC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)の両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
特に、対称鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネートが含まれることが好ましい。非対称鎖状カーボネートとして、メチル基を有するものを含むことが好ましく、メチルエチルカーボネートを含むことが特に好ましい。非水溶媒として、ジメチルカーボネート(DMC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)の両方を含むと、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
鎖状エステルの含有量は、特に制限されないが、非水溶媒の総体積に対して、60〜90体積%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が60体積%以上であると、非水電解液の粘度が高くなりすぎず、好ましい。また、該含有量が90体積%以下であると、非水電解液の電気伝導度が低下して、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が低下するおそれが少なく、好ましい。
鎖状カーボネート中における対称鎖状カーボネートの占める体積の割合は、51体積%以上が好ましく、55体積%以上がより好ましい。その上限は、95体積%以下であることがより好ましく、85体積%以下であると更に好ましい。鎖状カーボネート中における対称鎖状カーボネートの占める体積の割合が51体積%以上95体積%以下であると、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましい。
環状カーボネートと鎖状エステルの割合は、環状カーボネート:鎖状エステル(体積比)が10:90〜45:55が好ましく、15:85〜40:60がより好ましく、20:80〜35:65が特に好ましい。
非水溶媒は、適切な物性を達成するために、上記の非水溶媒を2種以上混合して使用することが好ましい。2種以上の非水溶媒の組合せとしては、例えば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの組合せ、環状カーボネートと鎖状カルボン酸エステルとの組合せ、環状カーボネートとラクトンとの組合せ、環状カーボネートと鎖状カーボネートとラクトンとの組合せ、又は環状カーボネートと鎖状カーボネートと鎖状カルボン酸エステルとの組み合わせ等が挙げられる。
〔電解質塩〕
電解質塩としては、非水溶媒に溶解する各種リチウム塩を用いることが出来る。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiPO2F2、Li2PO3F、LiBF4、もしくはLiClO4等の無機リチウム塩、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)2もしくはLiN(SO2C2F5)2等のリチウムイミド塩、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩、LiSO4CH3、LiSO4C2H5、もしくはFSO3Li等のSO3基もしくはSO4基を有するリチウム塩、又はビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDFOB)、もしくはリチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート(LiTFOP)等のオキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩などが挙げられる。リチウム塩としては、これらの一種又は二種以上を混合して使用できる。
電解質塩としては、非水溶媒に溶解する各種リチウム塩を用いることが出来る。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiPO2F2、Li2PO3F、LiBF4、もしくはLiClO4等の無機リチウム塩、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)2もしくはLiN(SO2C2F5)2等のリチウムイミド塩、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩、LiSO4CH3、LiSO4C2H5、もしくはFSO3Li等のSO3基もしくはSO4基を有するリチウム塩、又はビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDFOB)、もしくはリチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート(LiTFOP)等のオキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩などが挙げられる。リチウム塩としては、これらの一種又は二種以上を混合して使用できる。
これらの中でも、LiPF6、LiPO2F2、Li2PO3F、LiBF4、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)2、LiSO4CH3、及びFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上が好ましく、LiPF6、LiPO2F2、LiBF4、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3、及びFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上が更に好ましく、LiPF6が最も好ましい。
電解質塩として二種以上のリチウム塩を用いる場合、これらのリチウム塩の好適な組み合わせとしては、LiPF6を含み、更にLiPO2F2、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3、及びFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。このような電解質塩を含む非水電解液では、セパレータにリチウム塩化合物が含まれていることと、電解質塩としてLiPF6とともに上記リチウム塩が含まれることとの相乗効果により、電極上にリチウムイオン伝導性の高い安定な被膜を形成する。このため、リチウム電池における高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まり、好ましい。
リチウム塩の濃度は、非水溶媒に対して、0.3モル/リットル以上が好ましく、0.7モル/リットル以上がより好ましく、1.1モル/リットル以上が更に好ましい。リチウム塩の濃度は、非水溶媒に対して、2.5モル/リットル以下が好ましく、2.0モル/リットル以下がより好ましく、1.6モル/リットル以下が更に好ましい。
電解質塩としてLiPF6以外のリチウム塩を含む場合、LiPF6以外のリチウム塩が非水溶媒中に占める割合は、0.001モル/リットル以上であることが好ましい。この場合、セパレータにリチウム塩化合物が含まれていることによる効果と相俟って、蓄電デバイスにおける高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が一段と高まるので好ましく、1.0モル/リットル以下であると、高温保存によるインピーダンスの上昇を抑制する効果が低下する懸念が少ないので好ましい。
LiPF6以外のリチウム塩が非水溶媒中に占める割合は、より好ましくは0.01モル/リットル以上、特に好ましくは0.03モル/リットル以上、最も好ましくは0.04モル/リットル以上である。その上限は、より好ましくは0.5モル/リットル以下、特に好ましくは0.2モル/リットル以下である。
本実施形態のリチウム電池では、電池内の内圧上昇に対する対策として、電池蓋に安全弁を設けたり、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを入れたりする方法を採用できる。また、過充電防止の安全対策として、電池内の内圧を感知して電流を遮断する電流遮断機構を電池蓋に設けてもよい。
また、本実施形態のリチウム電池においては、電池構造に特に限定はなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、又はラミネート電池等を適用できる。
また、本実施形態のリチウム電池においては、電池構造に特に限定はなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、又はラミネート電池等を適用できる。
本実施形態のリチウム電池は、基材の少なくとも一方の面に、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層を有するセパレータを有する。このため、高温保存によるインピーダンスの上昇を十分に抑制できる。具体的には、4.2Vの充電上限電圧にて60℃で2週間保存する高温保存前後での抵抗増加率が120%以下となる。このように本実施形態のリチウム電池では、高温保存前後の抵抗変化が小さいため、性能を劣化させることなく、充放電できる。
本実施形態のリチウム電池では、例えば、放電終止電圧を2.8V以下に設定でき、更に2.5V、2.0Vの低電圧に設定することもできる。なお、本実施形態のリチウム電池では、充放電の電流値については特に限定されないが、通常0.1〜30Cの範囲で使用できる。また、本実施形態のリチウム電池は、−40〜100℃、好ましくは−10〜80℃で充放電できる。
〔第2の蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)〕
第2の蓄電デバイスは、電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する電気二重層キャパシタである。この蓄電デバイスに用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は、概ね表面積に比例して増加する。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
第2の蓄電デバイスは、電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する電気二重層キャパシタである。この蓄電デバイスに用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は、概ね表面積に比例して増加する。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
〔第3の蓄電デバイス〕
第3の蓄電デバイスは、電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイス(キャパシタ)である。この蓄電デバイスに用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応にともなうエネルギー貯蔵が可能である。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
第3の蓄電デバイスは、電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイス(キャパシタ)である。この蓄電デバイスに用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応にともなうエネルギー貯蔵が可能である。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
〔第4の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)〕
第4の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタ(LIC)である。リチウムイオンキャパシタでは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用して、エネルギーを貯蔵する。正極としては、例えば、活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には、LiPF6等のリチウム塩が少なくとも含まれる。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
第4の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタ(LIC)である。リチウムイオンキャパシタでは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用して、エネルギーを貯蔵する。正極としては、例えば、活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には、LiPF6等のリチウム塩が少なくとも含まれる。本実施形態では、セパレータとして、上述した実施形態のいずれかのセパレータを用いる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
「セパレータの製造」
<ポリオレフィン微多孔膜(A−1):PP/PE/PP三層膜:乾式>
[PP原反の製膜]
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が470,000、分子量分布が7.8、融点が161℃のポリプロピレン樹脂を、Tダイ温度200℃で溶融押出した。吐出フィルムは90℃の冷却ロ−ルに導かれ、37.2℃の冷風が吹きつけられて冷却された後、40m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリプロピレンフィルム(未延伸PP原反)の膜厚は5.2μmであった。また、未延伸PP原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
<ポリオレフィン微多孔膜(A−1):PP/PE/PP三層膜:乾式>
[PP原反の製膜]
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が470,000、分子量分布が7.8、融点が161℃のポリプロピレン樹脂を、Tダイ温度200℃で溶融押出した。吐出フィルムは90℃の冷却ロ−ルに導かれ、37.2℃の冷風が吹きつけられて冷却された後、40m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリプロピレンフィルム(未延伸PP原反)の膜厚は5.2μmであった。また、未延伸PP原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
[PE原反の製膜]
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が320,000、分子量分布が7.8、密度が0.961g/cm3、融点が133℃、メルトインデックス0.31の高密度ポリエチレンを、Tダイ温度173℃で溶融押出した。
吐出フィルムは115℃の冷却ロ−ルに導かれ、39℃の冷風を吹きつけて冷却した後、20m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリエチレンフィルム(未延伸PE原反)の膜厚は9.4μmであった。 また、未延伸PE原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
吐出幅1000mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用し、重量平均分子量が320,000、分子量分布が7.8、密度が0.961g/cm3、融点が133℃、メルトインデックス0.31の高密度ポリエチレンを、Tダイ温度173℃で溶融押出した。
吐出フィルムは115℃の冷却ロ−ルに導かれ、39℃の冷風を吹きつけて冷却した後、20m/min.で引き取った。得られた未延伸ポリエチレンフィルム(未延伸PE原反)の膜厚は9.4μmであった。 また、未延伸PE原反の厚みに対する変動係数(C.V.)は、0.016であった。
[ラミネート工程]
このようにして製造した未延伸PP原反と未延伸PE原反とを使用し、ポリエチレンフィルムの両面をポリプロピレンフィルムで挟んだサンドイッチ構成の三層の積層フィルムを以下のようにして製造した。
三組の原反ロ−ルサンドから、未延伸PP原反と未延伸PE原反を、それぞれ速度6.5m/min.で巻き出し、加熱ロ−ルに導き、ロール温度147℃のロールにて熱圧着した後、同速度で30℃の冷却ロ−ルに導き、巻き取った。巻出し張力はPP原反が5.0kg、PE原反が3.0kgであった。得られた三層の積層フィルムは、膜厚19.6μmで、下記の方法により測定したPPフィルムとPEフィルムとの剥離強度は54.7g/15mmであった。
このようにして製造した未延伸PP原反と未延伸PE原反とを使用し、ポリエチレンフィルムの両面をポリプロピレンフィルムで挟んだサンドイッチ構成の三層の積層フィルムを以下のようにして製造した。
三組の原反ロ−ルサンドから、未延伸PP原反と未延伸PE原反を、それぞれ速度6.5m/min.で巻き出し、加熱ロ−ルに導き、ロール温度147℃のロールにて熱圧着した後、同速度で30℃の冷却ロ−ルに導き、巻き取った。巻出し張力はPP原反が5.0kg、PE原反が3.0kgであった。得られた三層の積層フィルムは、膜厚19.6μmで、下記の方法により測定したPPフィルムとPEフィルムとの剥離強度は54.7g/15mmであった。
[剥離強度測定]
三層の積層フィルムからTD方向(直角方向):15mm、MD方向(流れ方向):200mmの試験片を、TD方向中心部、両端部(端部より10mm内側)、各A面(三層の積層フィルムの一方の面)、B面(三層の積層フィルムの他方の面)、合計6点のサンプルを採取した。ORIENTEC社製引張試験機(RTC−1210A)にて、層間剥離強度を測定した。測定条件は、100Nのロードセルを用い、チャック間距離50mm、クロスヘッドスピード50mm/min.の条件とした。また、予め試験片の測定接着面の一部を剥がした測定試料を作成し、引張試験機にT状態にセットした。剥離開始後、120mm、140mm、160mm、180mm、200mm剥離時における試験片の剥離強度を測定し、その平均値を剥離強度として評価した。
三層の積層フィルムからTD方向(直角方向):15mm、MD方向(流れ方向):200mmの試験片を、TD方向中心部、両端部(端部より10mm内側)、各A面(三層の積層フィルムの一方の面)、B面(三層の積層フィルムの他方の面)、合計6点のサンプルを採取した。ORIENTEC社製引張試験機(RTC−1210A)にて、層間剥離強度を測定した。測定条件は、100Nのロードセルを用い、チャック間距離50mm、クロスヘッドスピード50mm/min.の条件とした。また、予め試験片の測定接着面の一部を剥がした測定試料を作成し、引張試験機にT状態にセットした。剥離開始後、120mm、140mm、160mm、180mm、200mm剥離時における試験片の剥離強度を測定し、その平均値を剥離強度として評価した。
[延伸工程]
この三層の積層フィルムに対し、125℃に加熱された熱風循環オ−ブン(熱処理ゾーン:オーブン1)中で熱処理を行った。次いで、熱処理した積層フィルムを、冷延伸ゾーンにて、35℃に保持されたニップロ−ル間で18%(初期延伸倍率)に低温延伸した。
供給側のロ−ル速度は2.8m/min.であった。低温延伸した積層フィルムを、引き続き130℃に加熱された熱延伸ゾーン(オーブン2)にて、ロ−ル周速差を利用してロ−ラ間で190%(最大延伸倍率)になるまで熱延伸した。その後、熱延伸した積層フィルムを、引き続き125%(最終延伸倍率)まで熱緩和し、熱固定ゾーン(オーブン3)にて、133℃にて熱固定し、連続的にポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造した。
この三層の積層フィルムに対し、125℃に加熱された熱風循環オ−ブン(熱処理ゾーン:オーブン1)中で熱処理を行った。次いで、熱処理した積層フィルムを、冷延伸ゾーンにて、35℃に保持されたニップロ−ル間で18%(初期延伸倍率)に低温延伸した。
供給側のロ−ル速度は2.8m/min.であった。低温延伸した積層フィルムを、引き続き130℃に加熱された熱延伸ゾーン(オーブン2)にて、ロ−ル周速差を利用してロ−ラ間で190%(最大延伸倍率)になるまで熱延伸した。その後、熱延伸した積層フィルムを、引き続き125%(最終延伸倍率)まで熱緩和し、熱固定ゾーン(オーブン3)にて、133℃にて熱固定し、連続的にポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造した。
このようにして得られたポリオレフィン微多孔膜(A−1)(試料)の下記の方法により測定した厚みは、20μmであり、透気度は、310sec/100mlであった。また、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)(試料)の下記の方法により測定した両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は0.18μm、圧縮弾性率は112MPaであった。
[膜厚測定]
試料より、MD方向50mmの全幅にわたるテープ状の試験片を5枚用意した。5枚の試験片を重ね、測定点が25点になるように等間隔に、ファインプリューフ社製電気マイクロメーター(ミリトロン 1240 触針5mmφ(フラット面、針圧 0.75N))を用いて厚みを測定し、その平均値を厚みとした。
試料より、MD方向50mmの全幅にわたるテープ状の試験片を5枚用意した。5枚の試験片を重ね、測定点が25点になるように等間隔に、ファインプリューフ社製電気マイクロメーター(ミリトロン 1240 触針5mmφ(フラット面、針圧 0.75N))を用いて厚みを測定し、その平均値を厚みとした。
[透気度(ガーレ値)の測定]
試料より、MD方向80mmの全幅の試験片を採取した。試験片のTD方向中央部と左右の端部(端面から50mm内側)の3点について、B型ガーレ式デンソメーター(株式会社東洋精機社製)を用いて、JIS P8117に準じて、透気度の測定を行った。3点の平均値をガーレ値として評価した。
試料より、MD方向80mmの全幅の試験片を採取した。試験片のTD方向中央部と左右の端部(端面から50mm内側)の3点について、B型ガーレ式デンソメーター(株式会社東洋精機社製)を用いて、JIS P8117に準じて、透気度の測定を行った。3点の平均値をガーレ値として評価した。
[表面粗さ]
菱化システムズ社製の白色干渉計(Vertscan 3.0)を用い、対物レンズを×5倍の条件下で、試料の表面(一方の面)について、MD方向1270μm、TD方向960μmの範囲の画像を採取した。採取した画像のMD方向、任意の2箇所について線分析を行い、表面粗さ(Ra)を計測した。また、試料の裏面(他方の面)について同様に表面粗さ(Ra)を計測し、試料の表面と裏面の平均値をRa(ave)として評価した。
菱化システムズ社製の白色干渉計(Vertscan 3.0)を用い、対物レンズを×5倍の条件下で、試料の表面(一方の面)について、MD方向1270μm、TD方向960μmの範囲の画像を採取した。採取した画像のMD方向、任意の2箇所について線分析を行い、表面粗さ(Ra)を計測した。また、試料の裏面(他方の面)について同様に表面粗さ(Ra)を計測し、試料の表面と裏面の平均値をRa(ave)として評価した。
[圧縮弾性率]
試料から、50mm角のサンプルを複数採取して積層し、厚み5mmの積層サンプルを作製した。積層サンプルに直径10mmの金属円柱を押し当て、ORIENTEC.RTC−1250Aにて、500Nのロードセルを用い、チャックロスヘッドスピード0.5mm/min.の条件にて圧縮方向の応力−ひずみ曲線を作成した。応力−ひずみ曲線の傾きが一定になった部分の傾きから、圧縮弾性率を算出した。
応力とは、単位面積(mm2)当たりの圧縮荷重(N)=圧縮の応力(N/mm2)であり、単位はMPaである。例えば、直径10mmの金属円柱で100Nの荷重を加えた場合の応力は、100N/(5mm×5mm×π)≒1.27MPaである。ひずみとは、圧縮の応力を加えた際に変形した変位量を、初期厚み(5mm)で除した値であり、単位は無い。例えば、試験により初期の厚みである5mmから4.8mmに変形した場合、変位量は、0.2mmであり、ひずみ量は、0.2mm/5mm=0.04となる。
試料から、50mm角のサンプルを複数採取して積層し、厚み5mmの積層サンプルを作製した。積層サンプルに直径10mmの金属円柱を押し当て、ORIENTEC.RTC−1250Aにて、500Nのロードセルを用い、チャックロスヘッドスピード0.5mm/min.の条件にて圧縮方向の応力−ひずみ曲線を作成した。応力−ひずみ曲線の傾きが一定になった部分の傾きから、圧縮弾性率を算出した。
応力とは、単位面積(mm2)当たりの圧縮荷重(N)=圧縮の応力(N/mm2)であり、単位はMPaである。例えば、直径10mmの金属円柱で100Nの荷重を加えた場合の応力は、100N/(5mm×5mm×π)≒1.27MPaである。ひずみとは、圧縮の応力を加えた際に変形した変位量を、初期厚み(5mm)で除した値であり、単位は無い。例えば、試験により初期の厚みである5mmから4.8mmに変形した場合、変位量は、0.2mmであり、ひずみ量は、0.2mm/5mm=0.04となる。
<ポリオレフィン微多孔膜(A−2):PP単層膜:乾式>
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際に使用した未延伸PP原反に対し、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際と同様の延伸工程を行うことによって、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−2)の厚みは、20μmであり、透気度は、220sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.13μm、圧縮弾性率は、137MPaであった。
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際に使用した未延伸PP原反に対し、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を製造する際と同様の延伸工程を行うことによって、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−2)の厚みは、20μmであり、透気度は、220sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.13μm、圧縮弾性率は、137MPaであった。
<ポリオレフィン微多孔膜(A−3):PE単層膜:湿式>
ポリエチレン樹脂と可塑剤としての流動パラフィンとを、二軸押出機に供給し、溶融混練して、ポリエチレン溶液を調製した。得られたポリエチレン溶液を、Tダイから所定の温度で押し出し、冷却ロールで巻き取りながらゲル状のシートを成形した。このゲル状のシートを、2軸延伸することによって、薄膜フィルムを得た。
ポリエチレン樹脂と可塑剤としての流動パラフィンとを、二軸押出機に供給し、溶融混練して、ポリエチレン溶液を調製した。得られたポリエチレン溶液を、Tダイから所定の温度で押し出し、冷却ロールで巻き取りながらゲル状のシートを成形した。このゲル状のシートを、2軸延伸することによって、薄膜フィルムを得た。
得られた薄膜フィルムをヘキサンで洗浄し、薄膜フィルムから残留する流動パラフィンを抽出除去した後、乾燥および熱処理を行うことで、薄膜フィルムを微多孔化した。以上の工程により、ポリオレフィン微多孔膜(A−3)を得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−3)の厚みは、20μmであり、透気度は、270sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.42μm、圧縮弾性率は、68MPaであった。
ポリオレフィン微多孔膜(A−3)の厚みは、20μmであり、透気度は、270sec/100mlであった。また、両面の表面粗さ(Ra)の平均値(Ra(ave))は、0.42μm、圧縮弾性率は、68MPaであった。
このようにして得られたポリオレフィン微多孔膜(A−1)〜(A−3)を用いて、実施例1〜20、比較例1〜3のセパレータを作成した。
表1に、実施例1〜20、比較例1〜3のセパレータの断面模式図を示す。表1において、符号2はポリオレフィン微多孔膜、符号21はリチウム塩化合物、符号22は耐熱性粒子、符号23は耐熱性樹脂、符号24はリチウム塩化合物を含む表面層を有する耐熱性粒子を示す。
実施例19では表1中の符号21、22、24が混在し、リチウム塩化合物が耐熱性粒子の周囲に偏在している割合が多かった。実施例20は実施例5、16、19と同様の構造を有するように基板上に塗工した。
表1に、実施例1〜20、比較例1〜3のセパレータの断面模式図を示す。表1において、符号2はポリオレフィン微多孔膜、符号21はリチウム塩化合物、符号22は耐熱性粒子、符号23は耐熱性樹脂、符号24はリチウム塩化合物を含む表面層を有する耐熱性粒子を示す。
実施例19では表1中の符号21、22、24が混在し、リチウム塩化合物が耐熱性粒子の周囲に偏在している割合が多かった。実施例20は実施例5、16、19と同様の構造を有するように基板上に塗工した。
「実施例1、11、18」
リチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウム粉末と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、メタンスルホン酸リチウム:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−1)を得た。
リチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウム粉末と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、メタンスルホン酸リチウム:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−1)を得た。
得られたスラリー(C−1)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥後に熱延伸処理することで表層を形成し、実施例1のセパレータを得た。実施例1と同様にして、実施例11、18のセパレータを得た。
実施例1、11、18のセパレータは、上記の膜厚測定方法により測定した表層の厚みが2μmであった。
実施例1、11、18のセパレータは、上記の膜厚測定方法により測定した表層の厚みが2μmであった。
[密着強度]
密着強度はピール試験によって測定した。幅20mm長さ50mmで切り出したセパレータサンプルの表層に粘着テープ(コクヨ製T−225)を貼り、試験用のサンプルを作製した。ピール試験機(日本電産シンポ株式会社製FGS−100VC)を用いて剥離速度300mm/min、T型剥離)にて基板と表層との剥離強度を測定し、測定開始から測定終了までの間で経時的に測定し、測定平均値(N/cm)を密着強度とした。
密着強度はピール試験によって測定した。幅20mm長さ50mmで切り出したセパレータサンプルの表層に粘着テープ(コクヨ製T−225)を貼り、試験用のサンプルを作製した。ピール試験機(日本電産シンポ株式会社製FGS−100VC)を用いて剥離速度300mm/min、T型剥離)にて基板と表層との剥離強度を測定し、測定開始から測定終了までの間で経時的に測定し、測定平均値(N/cm)を密着強度とした。
[熱収縮率]
試料の両側より10mm内側から、試験片(200×200mm)を採取した。各試験片の幅方向(TD)及び長さ方向(MD)に標点間距離180mmの標点を各1ヶ所中央部に記入し、標点間寸法を鋼尺にて測定した。標点間距離を記入した試料を紙に挟み、ヤマト科学製、熱風循環式 型式:DK−43にて150℃環境下に1時間静置した。この後に試料を取り出して室温にて放冷し、標点間距離を鋼尺にて測定した。
熱収縮率は加熱前標点間距離をL1(mm)、加熱後の標点間距離をL2(mm)とし以下の式により算出した。
熱収縮率=(L1−L2)/L1×100
試料の両側より10mm内側から、試験片(200×200mm)を採取した。各試験片の幅方向(TD)及び長さ方向(MD)に標点間距離180mmの標点を各1ヶ所中央部に記入し、標点間寸法を鋼尺にて測定した。標点間距離を記入した試料を紙に挟み、ヤマト科学製、熱風循環式 型式:DK−43にて150℃環境下に1時間静置した。この後に試料を取り出して室温にて放冷し、標点間距離を鋼尺にて測定した。
熱収縮率は加熱前標点間距離をL1(mm)、加熱後の標点間距離をL2(mm)とし以下の式により算出した。
熱収縮率=(L1−L2)/L1×100
[寸法変化率]
MD方向の熱収縮率の絶対値、およびTD方向の熱収縮率の絶対値とを乗じた値を寸法変化率として算出した。
MD方向の熱収縮率の絶対値、およびTD方向の熱収縮率の絶対値とを乗じた値を寸法変化率として算出した。
〔リチウム塩化合物の溶解度の測定〕
実施例1のセパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウムについて、下記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、以下に示す方法により測定した。
エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液を調製した。
実施例1のセパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物としてのメタンスルホン酸リチウムについて、下記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、以下に示す方法により測定した。
エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を含む溶解度測定用溶液を調製した。
そして、25℃の溶解度測定用溶液に、リチウム塩化合物を加えて超音波を30分照射し、リチウム塩化合物が飽和するまで溶解させ、飽和溶液を得た。その後、飽和溶液を、フィルターを用いて濾過し、飽和溶液中に溶解せずに残ったリチウム塩化合物を除去した。得られた濾液を適宜希釈し、イオンクロマトグラフィーを用いて濾液中のリチウム塩化合物の濃度を測定し、溶解度を算出した。
その結果、メタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%であった。
その結果、メタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%であった。
「実施例2、3」
スラリー(C−1)を、表2に示すメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3のセパレータを得た。
実施例2のセパレータは、表層の厚みが0.7μmであった。
また、実施例3のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
スラリー(C−1)を、表2に示すメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3のセパレータを得た。
実施例2のセパレータは、表層の厚みが0.7μmであった。
また、実施例3のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
「実施例4」
耐熱性粒子としてのベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、ベーマイト:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−2)を得た。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例1のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例4のセパレータを得た。
実施例4のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。
耐熱性粒子としてのベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、ベーマイト:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−2)を得た。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例1のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例4のセパレータを得た。
実施例4のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。
「実施例5」
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=40:55:5の混合比で混合し、混合物とした。混合する際は、メタンスルホン酸リチウムとベーマイト粉末とを先に混ぜた後にPVDFを混合した。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−3)を得た。
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=40:55:5の混合比で混合し、混合物とした。混合する際は、メタンスルホン酸リチウムとベーマイト粉末とを先に混ぜた後にPVDFを混合した。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−3)を得た。
得られたスラリー(C−3)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例5のセパレータを得た。
実施例5のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.6N/cmであり、寸法変化率は6.1%(MD方向熱収縮率4.0%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
実施例5のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.6N/cmであり、寸法変化率は6.1%(MD方向熱収縮率4.0%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
「実施例6」
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成した。次いで、スラリー(C−1)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量となるように、卓上コータを用いて熱収縮緩和層上に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例6のセパレータを得た。
実施例6のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。密着強度は1.6N/cmであり、寸法変化率は3.3%(MD方向熱収縮率2.7%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成した。次いで、スラリー(C−1)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量となるように、卓上コータを用いて熱収縮緩和層上に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例6のセパレータを得た。
実施例6のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。密着強度は1.6N/cmであり、寸法変化率は3.3%(MD方向熱収縮率2.7%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
「実施例7」
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例5のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例7のセパレータを得た。
実施例7のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。密着強度は1.5N/cmであり、寸法変化率は3.2%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.1%)であった。
スラリー(C−2)を、卓上コータを用いて実施例5のセパレータにおけるポリオレフィン微多孔膜(A−1)の他方の面に塗布し、乾燥することで熱収縮緩和層を形成し、実施例7のセパレータを得た。
実施例7のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであった。密着強度は1.5N/cmであり、寸法変化率は3.2%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.1%)であった。
「実施例8」
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末とを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト(質量比)=40:60の混合比で混合し混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物に水を加え、混合物中のメタンスルホン酸リチウムを水に溶解させてスラリーとした。得られたスラリー中の水を、スプレードライ法を用いて蒸発させた。このことにより、表面が、メタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトを得た。
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末とを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト(質量比)=40:60の混合比で混合し混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物に水を加え、混合物中のメタンスルホン酸リチウムを水に溶解させてスラリーとした。得られたスラリー中の水を、スプレードライ法を用いて蒸発させた。このことにより、表面が、メタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトを得た。
得られたメタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているベーマイトと、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、メタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているベーマイト:PVDF(質量比)=95:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(C−4)を得た。
得られたスラリー(C−4)を、表2に示す1m2辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例8のセパレータを得た。
実施例8のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.8N/cmであり、寸法変化率は5.3%(MD方向熱収縮率3.5%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
実施例8のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.8N/cmであり、寸法変化率は5.3%(MD方向熱収縮率3.5%、TD方向熱収縮率1.5%)であった。
「実施例9」
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたこと以外は、実施例5と同様にして、実施例9のセパレータを得た。
実施例9のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたこと以外は、実施例5と同様にして、実施例9のセパレータを得た。
実施例9のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
「実施例10」
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例10のセパレータを得た。
実施例10のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアラミド樹脂粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例10のセパレータを得た。
実施例10のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが4μmであり、表層の厚みが2μmであった。
「実施例12」
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例12のセパレータを得た。
「実施例13」
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例13のセパレータを得た。
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例12のセパレータを得た。
「実施例13」
ポリオレフィン微多孔膜(A−1)に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(A−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例13のセパレータを得た。
「実施例14」
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアルミナ粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例14のセパレータを得た。
実施例14のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが5μmであった。
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をアルミナ粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例14のセパレータを得た。
実施例14のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが5μmであった。
「実施例15」
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例15のセパレータを得た。
実施例15のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが6μmであった。
スラリー(C−2)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて熱収縮緩和層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例15のセパレータを得た。
実施例15のセパレータは、熱収縮緩和層の厚みが6μmであった。
「実施例16」
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例16のセパレータを得た。
実施例16のセパレータは、表層の厚みが6μmであった。
スラリー(C−3)に含まれるベーマイト粉末をLi4Ti5O12粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例16のセパレータを得た。
実施例16のセパレータは、表層の厚みが6μmであった。
「実施例17」
ベーマイト粉末に代えてLi4Ti5O12粉末を用い、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトと同様にして、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているLi4Ti5O12を得た。
ベーマイト粉末に代えてLi4Ti5O12粉末を用い、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているベーマイトと同様にして、表面がメタンスルホン酸リチウムによって均一な薄膜状に被覆されているLi4Ti5O12を得た。
そして、スラリー(C−4)に含まれるメタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているベーマイトを、メタンスルホン酸リチウムを含む表面層を有しているLi4Ti5O12に代えたスラリーを用いて、実施例8と同様にして、表層を形成し、実施例17のセパレータを得た。
実施例17のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
実施例17のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。
「実施例19」
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−1)を得た。
得られたスラリー(D−1)を、表3に示す1m 2 辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例19のセパレータを得た。
実施例19のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は5.8%(MD方向熱収縮率が3.6%;TD方向熱収縮率1.6%)であった。
メタンスルホン酸リチウム粉末とベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、メタンスルホン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。混合の手順は実施例5と同様とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−1)を得た。
得られたスラリー(D−1)を、表3に示す1m 2 辺りのメタンスルホン酸リチウムの塗布量(Li塩化合物塗布量)となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥することで表層を形成し、実施例19のセパレータを得た。
実施例19のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は0.7N/cmであり、寸法変化率は5.8%(MD方向熱収縮率が3.6%;TD方向熱収縮率1.6%)であった。
「実施例20」
1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムとベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−3)を得た。スラリー(D−3)を、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムの塗布量が0.4g/m2となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥/熱処理させることで表層を形成し、実施例20のセパレータを得た。
実施例20のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は1.4N/cmであり、寸法変化率は3.4%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
実施例20のセパレータをリチウムイオン電池に組み込むことにより、電解液中により早く上記カルボン酸リチウムが溶け出してガスを発生させることが可能となる。これによりリチウムイオン電池に備えられたCID機構を迅速に作動させることが可能となり、安全性をより高めることができる。
1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムとベーマイト粉末と結着材としてのPVDFとを、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウム:ベーマイト:PVDF(質量比)=4:91:5の混合比で混合し、混合物とした。得られた混合物を、溶媒としての1−メチル−2−ピロリドンに分散もしくは溶解させることにより、塗工用のスラリー(D−3)を得た。スラリー(D−3)を、1,1’−ビフェニリル−4−カルボン酸リチウムの塗布量が0.4g/m2となるように、卓上コータを用いてポリオレフィン微多孔膜(A−1)の一方の面に塗布し、乾燥/熱処理させることで表層を形成し、実施例20のセパレータを得た。
実施例20のセパレータは、表層の厚みが5μmであった。密着強度は1.4N/cmであり、寸法変化率は3.4%(MD方向熱収縮率2.8%、TD方向熱収縮率1.2%)であった。
実施例20のセパレータをリチウムイオン電池に組み込むことにより、電解液中により早く上記カルボン酸リチウムが溶け出してガスを発生させることが可能となる。これによりリチウムイオン電池に備えられたCID機構を迅速に作動させることが可能となり、安全性をより高めることができる。
「比較例1、2」
セパレータとして、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を用いた。
セパレータとして、ポリオレフィン微多孔膜(A−1)を用いた。
「比較例3」
スラリー(C−1)に含まれるメタンスルホン酸リチウム粉末を硫酸リチウム粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のセパレータを得た。
比較例3のセパレータは、表層の厚みが2μmであった。
スラリー(C−1)に含まれるメタンスルホン酸リチウム粉末を硫酸リチウム粉末に代えたスラリーを用いて表層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のセパレータを得た。
比較例3のセパレータは、表層の厚みが2μmであった。
〔リチウム塩化合物の溶解度の測定〕
セパレータの表層を形成する際に使用した比較例3の硫酸リチウムについて、上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、上述したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度と同様にして求めた。
その結果、硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満であった。
セパレータの表層を形成する際に使用した比較例3の硫酸リチウムについて、上記の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度を、上述したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度と同様にして求めた。
その結果、硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満であった。
「リチウムイオン二次電池の製造」
このようにして得られた実施例1〜20、比較例1〜3のセパレータを用いて、以下に示す方法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
このようにして得られた実施例1〜20、比較例1〜3のセパレータを用いて、以下に示す方法により、リチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例1〜10、12〜17、比較例1、3、実施例19〜20〕
LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2;94質量%と、アセチレンブラック(導電剤);3質量%とを混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着材);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極を作製した。正極の集電体を除く部分(正極合剤層)の密度は3.6g/cm3であった。
LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2;94質量%と、アセチレンブラック(導電剤);3質量%とを混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着材);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極を作製した。正極の集電体を除く部分(正極合剤層)の密度は3.6g/cm3であった。
また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着材);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに切り抜き、負極を作製した。負極の集電体を除く部分(負極合剤層)の密度は1.5g/cm3であった。また、負極合剤層のX線回折測定を行った結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)との比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。
エチレンカーボネート(EC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジメチルカーボネート(DMC)を、体積比25:3:2:30:40で混合した非水溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1.1mol/Lとなるように溶解し、非水電解液とした。
そして、上記の正極と、上記の負極との間に、表層を正極と対向させて(比較例1については表層なし)セパレータを配置して積層し、ラミネートフィルムからなる外装材に収容した。その後、外装材に非水電解液を加えて封止し、実施例1〜10、12〜17、19〜20、比較例1、3のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例11〕
上記の正極と、上記の負極との間に、表層を負極と対向させてセパレータを配置して積層したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
上記の正極と、上記の負極との間に、表層を負極と対向させてセパレータを配置して積層したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔実施例18〕
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例18のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例2〕
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例18のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
〔比較例2〕
非水電解液として、実施例1で使用した非水電解液のLiPF6が1.1mol/Lであったところを、LiPF6;1.1mol/L+LiPO2F2;0.1mol/Lに変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2のラミネート型のリチウムイオン二次電池を作製した。
このようにして作成した実施例1〜20、比較例1〜3のリチウムイオン二次電池について、以下に示す方法により高温保存特性を評価した。その結果を表2に示す。また、表2に、各リチウムイオン二次電池について、セパレータの表層中のLi化合物、Li化合物塗布量、ポリオレフィン微多孔膜、表層と対向する電極、耐熱性粒子または耐熱性樹脂、電解質塩を示す。表3にはさらに表層中のLi塩化物A、表層中のLi塩化物B、Li塩化率(A:B)を示す。
〔高温保存特性の評価〕
<初期のインピーダンス測定>
25℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
<高温保存後のインピーダンス測定>
初期のインピーダンスを測定した後、60℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧4.2Vまで3時間充電し、その充電状態で2週間保存を行った。保存後に0.2Cの定電流下で放電終止電圧2.7Vまで放電した。その後、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
<初期のインピーダンス測定>
25℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
<高温保存後のインピーダンス測定>
初期のインピーダンスを測定した後、60℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧4.2Vまで3時間充電し、その充電状態で2週間保存を行った。保存後に0.2Cの定電流下で放電終止電圧2.7Vまで放電した。その後、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧3.72Vまで3時間充電し、その充電状態でインピーダンスを1kHzで測定した。
このようにして測定した初期および高温保存後のインピーダンス測定の結果を用いて、下記の式により、高温保存によるインピーダンス増加率(%)を求めた。その結果を表2に示す。
インピーダンス増加率(%)=〔(高温保存後のインピーダンス−初期のインピーダンス)÷高温保存後のインピーダンス〕×100
インピーダンス増加率(%)=〔(高温保存後のインピーダンス−初期のインピーダンス)÷高温保存後のインピーダンス〕×100
表2に示すように、実施例1〜19のリチウムイオン二次電池は、比較例1〜3のリチウムイオン二次電池と比較して、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さかった。
なお、実施例1〜19において、セパレータの表層を形成する際に使用したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%である。よって、実施例1〜20において、セパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲内である。また、比較例3のセパレータの表層を形成する際に使用した硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満である。このことから、実施例1〜20のリチウムイオン二次電池における高温保存によるインピーダンスの増加率が低いという効果は、非水電解液中にセパレータの表層からリチウム塩(メタンスルホン酸リチウム)が徐放されたためであると推定される。
なお、実施例1〜19において、セパレータの表層を形成する際に使用したメタンスルホン酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0075質量%である。よって、実施例1〜20において、セパレータの表層を形成する際に使用したリチウム塩化合物の溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲内である。また、比較例3のセパレータの表層を形成する際に使用した硫酸リチウムの溶解度測定用溶液に対する25℃での溶解度は、0.0010質量%未満である。このことから、実施例1〜20のリチウムイオン二次電池における高温保存によるインピーダンスの増加率が低いという効果は、非水電解液中にセパレータの表層からリチウム塩(メタンスルホン酸リチウム)が徐放されたためであると推定される。
実施例1と、実施例4、6、7、10の結果から、セパレータが熱収縮緩和層を有することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例5、8、9の結果から、セパレータの表層が耐熱性樹脂または耐熱性粒子を含むことにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例5、8、9の結果から、セパレータの表層が耐熱性樹脂または耐熱性粒子を含むことにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例11の結果から、正極と負極との間に、表層を正極と対向させてセパレータを配置することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例18の結果から、LiPF6を含む非水電解液に更にLiPO2F2を添加することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
実施例1と、実施例18の結果から、LiPF6を含む非水電解液に更にLiPO2F2を添加することにより、より一層、高温保存によるインピーダンスの増加率が小さくなることが分かった。
本発明のセパレータを有する蓄電デバイスは、高温充電保存前後の抵抗変化を抑制する効果に優れる。特に、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、バッテリー電気自動車等に搭載されるリチウム二次電池等の蓄電デバイスのセパレータとして、本発明のセパレータを用いることで、高温充電保存前後の抵抗変化を抑制できる。
1、10、11 セパレータ
2 基材
2a 一方の面
2b 他方の面
3 表層
4、5 熱収縮緩和層
6 第1塗布膜
7 第2塗布膜
30 第1ヘッド
31 第2ヘッド
2 基材
2a 一方の面
2b 他方の面
3 表層
4、5 熱収縮緩和層
6 第1塗布膜
7 第2塗布膜
30 第1ヘッド
31 第2ヘッド
Claims (10)
- 蓄電デバイス用のセパレータであって、
ポリオレフィン多孔膜からなる基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、非水電解液中にリチウム塩を徐放するリチウム塩化合物を含む表層とを有することを特徴とするセパレータ。 - 前記表層は耐熱性粒子を含み、
前記基材に対する前記表層の密着強度が0.3N/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ。 - 前記表層中に含まれる前記リチウム塩化合物の含有量が前記耐熱性粒子に対して10質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載のセパレータ。
- 前記耐熱性粒子が前記リチウム塩化合物を含む表面層を有することを特徴とする請求項2または3に記載のセパレータ。
- 150℃環境下で1時間静置したときのMD方向の寸法変化率に、150℃環境下で1時間静置したときのTD方向の寸法変化率を乗じた寸法変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のセパレータ。
- 前記MD方向の寸法変化率が5%以下であり、
前記TD方向の寸法変化率が2%以下であることを特徴とする請求項5に記載のセパレータ。 - 前記リチウム塩化合物は、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比で3:7の割合で含有する非水溶媒中に、1モル/リットルの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを含む溶液に対する25℃における溶解度が、0.003質量%以上2質量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のセパレータ。
- 前記リチウム塩化合物の前記溶解度が、0.003質量%以上0.4質量%以下であることを特徴とする請求項7に記載のセパレータ。
- 対向する電極間に介在する請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のセパレータと、少なくとも前記セパレータに含浸された非水電解液とを有することを特徴とする蓄電デバイス。
- 前記非水電解液が、LiPF6を含み、更にLiPO2F2、LiN(SO2F)2、LiSO4CH3およびFSO3Liからなる群より選ばれる一種又は二種以上を含むことを特徴とする請求項9に記載の蓄電デバイス。
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